2024年2月6日第45回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和6年2月6日(火)14:00~16:00

2.場所

対面及びオンライン会議(日比谷国際ビル コンファレンス スクエア 8F)

3.出席者

4.議題

  1. 1.令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要(案)について
  2. 2.その他

5.議事

○伊藤障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第45回会合を開催いたします。
 アドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、アドバイザーの皆様には、オンライン又は会場にて御参加いただいております。
 傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 議事に先立ちまして、本検討チームの主査であります三浦厚生労働大臣政務官から、一言御挨拶を申し上げます。お願いいたします。
○三浦厚生労働大臣政務官 アドバイザーの皆様には、昨年5月以降、関係団体からのヒアリングを含め、17回にわたり精力的に御議論いただき、厚く御礼申し上げます。
 今回の報酬改定では、今般の物価高騰や賃金上昇、支え手が減少する中での人材確保の必要性などの課題に加え、障害者の重度化・高齢化、強度行動障害や医療的ケアなどへの対応、持続可能で質の高い障害福祉サービスの実現など、多くの重要な課題がある中での検討となりました。
 令和6年度予算案においては、障害福祉サービス等報酬の改定率として、全体で1.12%を確保いたしました。これを踏まえ、介護並びの処遇改善を行うとともに、経営実態を踏まえたサービスの質等に応じたメリハリのある報酬設定を行うこととしております。
 本日の会合では、各サービス報酬の単位数を含め、具体的な改定内容について御議論をいただきます。厚生労働省としては、本日の御議論を踏まえ、令和6年度改定が円滑に実施できるよう、サービス事業者の皆様や自治体の方々の御理解・御協力を得ながら、しっかりと準備を進めてまいります。
 結びに、これまで熱心に御議論いただきましたアドバイザーの皆様方に改めて感謝を申し上げ、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 続きまして、本日のアドバイザーの皆様の出席状況ですが、佐藤アドバイザー、野澤アドバイザーは所用により御欠席となっております。
 構成員の出席状況については、小林精神・障害保健課長は欠席となります。
 本検討チームの議事は「公開」とし、審議内容は、皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載する予定です。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、報道の方は御退席をお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、資料の確認と会議の運営方法について確認させていただきます。
 オンライン参加のアドバイザーにおかれましては、電子媒体でお送りしている資料を御覧ください。同様の資料をホームページにも掲載しております。
 本日の資料は、議事次第と、議事次第に記載のとおり、資料1から3となっております。
 続きまして、会議の運営方法について御説明いたします。
 議事に沿って事務局から資料を御説明した後、アドバイザーの皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。御発言される場合は、現地で御出席いただいている方は挙手を、オンラインで御参加いただいている方はZoom機能の「挙手ボタン」を押してください。
 発言者はこちらから指名させていただきますので、指名された方から御発言をいただくようお願いいたします。
 本日は、手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、お名前を名乗っていただいた上で、できるだけゆっくり、分かりやすくお話しいただきますようお願いいたします。
 それでは、議事に入ります。
 資料1から3「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(案)」、「報酬改定の概要(案)」「報酬算定構造(案)」について、事務局から説明いたします。お願いします。
○犬伏障害福祉課長補佐 それでは、事務局から資料の説明をさせていただきます。
 お手元にございます資料1から3についてでございますが、資料2、改定の概要が今回の令和6年度改定の横断的な加算や基本報酬などを含めた全体版をお示しした資料になります。その概要を示したものが資料1、それから、各サービスごとに加算や横断的な加算などを一つにまとめたものが算定構造という資料にまとめているものになりまして、本日の御説明では、資料1の改定における主な改定内容(案)に沿って御説明させていただければと思います。
 それでは、資料1を御覧ください。資料1の1ページ目、表紙をめくって2枚目と3枚目のところになります。主な改定内容(案)として、横断的な改定事項、各サービスごとの改定事項をまとめているものになります。こちらは冊子のほうの改定内容を抜粋したものになりまして、具体的な説明については、個別の加算、あるいはサービスの改定内容について御説明させていただきたいと思いますので、ページを5ページまで飛んでいただければと思います。
 5ページ目でございますが、「福祉・介護職員等処遇改善加算について」でございます。今回、障害福祉現場で働く方々にとって、令和6年度に2.5%、令和7年度に2.0%のベースアップへと確実につながるよう加算率の引上げを行います。
 また、福祉介護職員の確保に向けて、福祉介護職員の処遇改善のための措置ができるだけ多くの事業所に活用されるよう推進する観点から、現行3つある加算を一本化します。
 また、就労定着支援の就労定着支援員、自立生活援助の地域生活支援員、就労選択支援の就労選択支援員を処遇改善加算の対象に加えることとします。
 改定後の単位数については、下の表を御覧いただければと思いますが、各サービスごとに4つの段階に分けて加算率を設定しております。
 なお、令和6年度末に経過措置を設けまして、経過措置期間中は現行の参加者の取得状況に基づく加算率を維持した上で、今般の改定による加算率の引上げを受けることができるなどの激変緩和措置を講ずる予定です。
 6ページ目を御覧ください。処遇改善加算の算定要件等についてでございます。新しい加算は、加算・賃金改善額の職種間配分ルールを統一いたします。福祉・介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能ある職員に重点的に配分することとなりますが、事業所内での柔軟な配分を認めることとしております。
 また、新加算のいずれの区分を取得している事業所においても、新加算IVの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることを要件とすることとしております。
 下の図が新しい処遇改善加算のイメージ図となりますが、4つの段階に分かれておりまして、一番下の加算IV、福祉・介護職員の基本的な待遇改善、ベースアップ等を行った場合に得られる加算、それに加えて、資格や経験に応じた昇給の仕組みの整備や総合的な職場環境の改善による定着促進、事業所内の経験・技能ある職員の充実とステップアップするような形で加算をどんどん積み重ねていくことが可能となっております。
 おめくりいただきまして7ページ目、「地域生活支援拠点等の機能の充実」についてでございます。障害者の重度化・高齢化や親亡き後を見据え、緊急時の対応や、施設や病院からの地域移行の推進を担う地域生活拠点等について、先般の障害者総合支援法の改正により市町村に設置が努力義務となりましたが、その整備を推進する観点から、機能充実を図るための改定を行っております。
 マル1、情報連携等のコーディネート機能の評価についてでございますが、地域生活支援拠点において情報連携等を担うコーディネーターの配置を評価する加算を創設することや、マル2、緊急時の重度障害者の受入機能の充実として、地域生活拠点に位置づけられ、また平時からの連絡調整に従事する者を配置する通所系サービス事業所において、障害の特性に起因して生じた緊急事態の際に夜間に支援を行った場合に加算を行うなどの加算を今般新設することとしております。
 また、マル3として、地域移行に向けた動機付け支援に係る評価として、地域生活支援拠点に位置づけられている障害者支援施設において、地域移行に向けた動機付け支援として、グループホーム等の見学や食事利用、地域活動への参加等を行った場合に加算を行うこととしております。
 おめくりいただきまして8ページ目ですが、今、御説明いたしました地域生活支援拠点における見直しのイメージ図でございます。上段、マル1として、市町村が整備する地域生活支援拠点において、拠点コーディネーターを地域の中核的な相談支援事業所が単独で配置する場合のイメージ図、マル2、市町村が整備する地域生活支援拠点等において、拠点コーディネーターを地域の中核的な相談支援事業所等で共同して配置する場合ということで、相談支援事業所が単独で配置する場合、共同で配置する場合といういろんなパターンがございますが、それぞれ加算が行われるというところでございます。
 おめくりいただきまして9ページ目、こちらは地域生活拠点における支援も含めた障害支援施設からの地域移行に向けた取組の全体像を整理した図になっております。
 右側に障害者支援施設における取組、後ほど出てまいりますが、移行確認ですとか、地域移行を行った場合のアウトカム評価、左側になりますけれども、グループホームにおける一人暮らし支援の評価といった要素と今回の地域生活拠点機能の充実というものを併せて、障害福祉サービス全体となって地域移行を支援していくというようなことになっております。
 おめくりいただきまして10ページ目、「強度行動障害を有する障害者等への支援体制の充実」でございます。マル1からマル4までございますが、例えばマル1、強度行動障害を有する者の受入体制の強化として、生活介護や施設入所支援における区分6以上行動関連項目10点以上の報酬区分の新設や、短期入所における区分4、5の報酬区分の新設、共同生活援助における初期のアセスメントの評価などに加えまして、一番最後、共通でございますけれども、重度障害者支援加算として、生活介護、施設入所、短期入所、共同生活援助において行動関連項目の合計点が18点以上の方を受け入れて、中核的人材が作成する支援計画シート等により適切な支援を行った場合にさらに加算する。
 マル2、状態が悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援として、高度な専門性により地域を支援する人材(広域的支援人材)が集中的に訪問などを行い支援を行った場合の評価を新設する。こちら、集中的支援加算として新しく設けるものとなります。
 おめくりいただきまして11ページ目、「障害者の意思決定支援を推進するための方策」でございます。意思決定支援については、障害福祉サービス等の提供に当たっての意思決定支援ガイドラインを踏まえまして、相談支援及び障害福祉サービス事業の指定基準において、こちらの資料に位置づけられているような規定を追加するというところになっておりまして、利用者の意思の支援に配慮するように努めなければならないことですとか、サービス担当者会議、個別支援会議において利用者本人が参加し、当該利用者の生活に対する意向を確認して調整するといったようなところが新しく設けられることとなっております。
 おめくりいただきまして12ページ目、「障害者虐待の防止・権利擁護」についてでございますが、虐待防止については、施設や事業所における虐待防止の取組を徹底するために、障害者虐待防止措置を未実施の障害福祉サービス事業所等について、虐待防止未実施減算というものを新しく創設いたします。所定単位数の1%を減算するというところになっております。
 また、身体拘束の適正化というところで、施設・居住系サービスにおいて、身体拘束廃止未実施減算の減算額を5単位から所定単位数の10%に引き上げ、訪問・通所系サービスについては、減算額を5単位から所定単位数の1%に見直すということになっております。
 また、下のほうにありますけれども、本人の意向を踏まえたサービス提供(同性介助)の論点につきましては、本人の意思に反する異性介助がなされないよう、サービス管理責任者等がサービス提供に関する本人の意向を把握するとともに、本人の意向を踏まえたサービス提供体制の確保に努めるべき旨を指定基準の解釈通知に明記することとしております。
 おめくりいただきまして13ページ目、「障害福祉現場の業務効率化」に関するものをまとめております。<各種様式の簡素化・標準化>というところで、申請様式の標準化につきましては、令和5年度中にサービス類型ごとに標準様式を作成し、その後、自治体の方に対して活用を促し、令和6年度以降、その普及状況を踏まえ、標準様式等の使用の基本原則化について検討を行うこととしています。
 また、<見守り支援機器導入による夜勤職員配置体制加算の要件の緩和>や、<管理者の兼務範囲の見直し・テレワークの取扱いの明確化>についても措置を講ずることとしております。
 おめくりいただいて14ページ、「業務継続に向けた感染症や災害への対応力の取組の強化」というところでございます。こちら、全サービス共通でございますけれども、感染症や災害が発生した場合でも、必要なサービスを継続的に提供できる体制を構築するために、感染症又は非常災害のいずれかの業務継続計画が未策定の場合の基本報酬の減算というものを新たに設けます。
 業務継続計画未策定減算として、居住系サービスについては100分の3に相当する単位数を減算、通所・訪問系サービスについては100分の1に相当する単位数を減算することとしております。
 おめくりいただきまして15ページ目、「障害者支援施設等における医療機関との連携強化・感染症の対応力の向上」についてでございます。「感染症発生時に備えた平時からの対応」として、障害者支援施設等について、新興感染症の発生時などに感染者の対応を行う協定締結の医療機関と連携をし、新興感染症発生時等における対応を取り決めることを努力義務化しております。
 また、報酬による評価といたしまして、感染症発生時における施設内感染を防止する観点から、例えば新興感染症の発生時に医療機関との連携体制を構築していることや、感染症発生時の対応を取り決めるとともに、軽症者の施設において対応可能な感染者について施設において療養することが可能であること。また、感染症対策に係る一定の要件を満たす医療機関や地域の医師会が主催する感染対策に対する研修に参加し、助言や指導を受けることを要件として、平時から体制を整えた事業所について加算を行うというような取組を行うこととしております。
 おめくりいただきまして16ページ目、「情報公表未報告の事業所への対応」として、障害福祉サービス等情報公表システム上、財務状況等、未報告となっている事業所に対して、情報公表未報告減算というものを新設いたします。
 こちらも、居住系サービスについては100分の10に相当する単位数を減算、通所・訪問系サービスについては100分の5に相当する単位数を減算することとしております。
 おめくりいただきまして17ページ目、「地域区分の見直し」についてです。令和6年度以降の地域区分、級地の設定に当たっては介護報酬と同じ区分とすることを基本とし、自治体に対して行った意向調査の結果を踏まえて級地に反映することとしています。
 また、平成30年度の報酬改定の際に設けられた経過措置については、令和5年度末がその期限となっておりますが、これを8年度末まで延長する。また、30年度改定時に介護報酬と同じ区分に変更した自治体については、変更の区分と従前の区分の範囲内で設定することを認めることといたしております。
 おめくりいただきまして18ページ目、施設に対する「補足給付の基準費用額の見直し」についてでございますが、この基準費用額については、令和5年障害福祉サービス等経営実態調査の結果等を踏まえまして、5万5,500円とすることとしております。
 続きまして19ページ目、ここから個別のサービスに関する改定の内容の御説明となります。19ページは主に訪問サービスの内容をまとめておりますが、マル1、通院等介助の対象要件の見直しとして、居宅介護の通院等介助の要件として、居宅が始点又は終点となる場合には、通所系の事業所や地域活動支援センター等から目的地(病院等)への移動等に係る通院等介助等に関しても支援の対象とすることや、重度訪問介護における熟練従業者の同行支援の見直しとして、熟練事業者及び新任事業者の報酬の見直しを行うこと。
 また、マル3、同行援護の特定事業所加算の加算要件の見直しとして、専門的な技術を有する人材を配置した事業所を評価できるように、「盲ろう者向け通訳・介助員であり、同行援護従業者の要件を満たしている者」の配置割合を評価するなど、また、マル4、訪問系サービスの国庫負担基準の見直しとして、居宅介護の国庫負担基準について、介護保険対象者の区分を追加することや、重度訪問介護の国庫負担基準について、重度障害者の単位の見直しや介護保険対象者の区分の細分化を行うこととしております。
 おめくりいただきまして20ページ目、「重度障害者が入院した際の特別なコミュニケーション支援の充実」というところでございますけれども、入院中の重度訪問介護の利用の対象拡大として、特別なコミュニケーション支援を行うための重度訪問介護の利用について、このような支援を必要とする障害支援区分4及び5の利用者も対象とすること。また、マル2、入院中の重度訪問介護利用における連携でございますけれども、重度訪問介護を利用される方が介護従事者の付添いにより入院する際に、その入院前に介護事業所の職員と医療機関の職員が事前調査を行った場合に評価するといった取組を新設することとしております。
 21ページ目、生活介護でございます。生活介護については、基本報酬区分の見直しとして、利用者ごとのサービスの提供の実態に応じた報酬体系とするため、基本報酬の設定については障害支援区分ごと及び利用定員規模に加え、サービス提供時間ごとに細やかに設定すること。
 なお、サービス提供時間については、医療的ケアが必要な方や盲ろう者など障害特性等により利用時間が短時間にならざるを得ない方への配慮として、個別支援計画に定めた標準的な支援時間で算定することを基本とするなど一定の配慮を設けることや、従業員の配置員数を算出する際に必要な前年度の平均利用者数の算出についてはサービス提供時間を考慮するなどの措置を講ずることとしております。
 マル2、後ほど施設でも出てまいりますけれども、利用定員規模の基本報酬の設定として、利用定員ごとの基本報酬を10人ごとに設定いたします。
 マル3、延長支援加算の拡充として、生活介護の基本報酬をサービス提供時間で8時間以上9時間未満までと設定することから、9時間以上の支援を評価することとしております。
 また、マル4、食事提供加算の見直しについてですが、通所サービスにおける食事提供加算について、今年度末までが期限となっているところ、令和9年3月31日まで延長し、また、要件として栄養面を評価するということを改めて追加することとしております。
 おめくりいただきまして22ページ目、「医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実等」でございますが、生活介護、施設入所、短期入所における医療的ケアに関連する項目をまとめたものになります。
 生活介護における常勤看護職員等加配加算の見直し、人員配置体制加算の拡充、障害者支援施設における夜間看護体制加算の見直し、短期入所における福祉型強化短期入所の類型の追加や、医療的ケア対応支援加算及び重度障害児・障害者対応支援加算の対象の拡充といったものが今回措置されたところでございます。
 23ページ目を御覧ください。「障害者支援施設における地域移行を推進するための取組」についてでございますが、まず、運営基準の見直しとして、全ての施設入所者に対して、地域生活への移行に関する意向などについて確認し、本人の希望に応じたサービス利用になるようにしなければならないことを規定しています。
 また、地域移行や施設外の日中サービスの意向確認を行う担当者を選任することや、意向確認の記録や意向を踏まえた個別支援計画を作成することなど、意向確認のマニュアルを作成していることを要件とし、これらの体制の整備を令和6年度から努力義務化します。また、令和8年度からこれらを義務化するとともに、未対応の場合には減算の対象とすることとしております。
 マル2、施設における基本報酬の見直しですが、利用定員の変更をしやすくするために、基本報酬の利用定員ごとの報酬設定を、20人ごとから10人ごとに設定することとしております。
 また、地域生活への移行を推進するための評価の拡充として、動機付け支援として、グループホームの見学などを行った場合の評価の拡充や障害者支援施設から地域へ移行した方に応じて加算を創設するといった取組を新たに行うこととしております。
 24ページを御覧ください。グループホームに関する取組でございますけれども、一人暮らし支援の関係です。
 マル1、グループホーム入居中における一人暮らし等に向けた支援の充実というところで、自立生活支援加算(I)として、これは下の表にあります1.グループホーム入居中に一人暮らし等を希望した利用者に対する支援ということで、個別支援計画を見直した上で、希望する生活に向けて住居の確保等の支援を行った場合の加算を新設します。
 また、グループホームの入居前から一人暮らし等を希望する利用者に対しては、同じ目的を持った仲間と共に希望する生活を目指す住居の確保や退居後の生活に向けた支援を受ける、これは3年間でございますけれども、こうした共同生活を住居単位で実施する場合の加算として、自立生活支援加算(III)というものを新しく設けることにしています。
 また、ピアサポートの専門性を評価する観点から、ピアサポート実施加算の新設、あるいはグループホームを退居した後の支援も新たに評価することとしております。
 25ページ目を御覧ください。グループホームにおける支援の実態に応じた報酬の見直しというところで、マル1、強度行動障害を有する者の受入体制の強化ということで、受入体制を強化するために、利用者の状態や環境の変化に適応するための初期のアセスメントの評価を新設。マル2、基本報酬区分の見直し等というところで、障害支援区分ごとの基本報酬について、重度障害者の受入れなどサービスの支援内容や経営実態等を踏まえて見直すこと。世話人の配置基準に応じた基本報酬区分を改め、サービスの提供時間の実態に応じて加算する報酬体系へと見直すこと、などの見直しを行うこととしております。
 26ページ目を御覧ください。「共同生活援助における支援の質の確保」というところで、運営基準において各事業所に地域連携推進会議を設置して、地域の関係者を含む外部の目(又は第三者による評価)を定期的に入れる取組を義務づけることとしております。
 次に、27ページを御覧ください。「自立生活援助・地域移行支援・地域定着支援の充実」でございますけれども、自立生活援助・地域定着支援における対象者の明確化や、それぞれの基本報酬の見直し、また集中的な支援の評価やサービス提供体制の推進を行うこととしております。
 続きまして28ページ目です。機能訓練・生活訓練というところでございますけれども、マル1、社会生活の自立度評価指標(SIM)の活用と報酬上の評価、これは機能訓練と生活訓練共通でございますが、標準化された支援プログラムの実施と社会生活の自立度評価指標(SIM)に基づく効果測定を行い、これらの内容を公表している事業所を評価すること。あるいはマル3、ピアサポートの専門性の評価として、利用者の自立に向けた意欲の向上や、地域生活を続ける上での不安を解消するといった観点から、ピアサポートの専門性を評価する。
 また、下のほうにございますけれども、高次脳機能障害を有する方への支援に対する評価というところで、高次脳機能障害に関する研修を受講した常勤の相談支援専門員を配置する相談支援事業を評価することや、同じく高次脳機能障害を有する利用者が一定数以上あって、専門性を有する職員の配置されている通所サービスや居住サービスを評価するといった取組も今回新たに行うこととしております。
 おめくりいただきまして29ページ以降は就労サービスに関するものでございます。就労移行支援についてでございますが、就労移行支援事業所の利用定員規模の見直しとして、定員10名以上からでも利用可能とすること。あるいは支援計画会議実施加算の見直しとして、サービス管理責任者の出席が必須であったところを、情報を共有することを条件にサービス管理責任者以外の者が出席する場合でも加算の対象とすることとしております。
 おめくりいただきまして30ページ目、就労継続支援A型についてでございますが、A型の基本報酬におけるスコア方式の見直しを行うこととしております。スコア方式における労働時間の評価について、平均労働時間が長い事業所の点数を高く設定する。生産活動の評価について、生産活動収支が賃金総額を上回った場合は加点、下回った場合は減点する。あるいは、経営改善計画書未提出の事業所及び数年連続で経営改善計画書を提出しており、指定基準を満たすことができていない事業所については減点するといったスコア方式の見直しを行うこととしております。
 31ページ目を御覧ください。就労継続支援B型に関する見直しでございます。B型については、平均工賃月額に応じた報酬体系について、工賃が高い区分の基本報酬の単価を引き上げ、低い区分の単価を引き下げる、また、利用者の就労や生産活動等への参加等をもって一律に評価する報酬体系について、収支差を踏まえた基本報酬の設定を行うこと。また、多様な利用者への対応を行う事業所について、さらなる手厚い人員配置ができるように、新たに人員配置「6:1」の報酬体系を創設いたします。
 おめくりください。32ページ目でございます。「就労定着支援の充実」というところでございますけれども、定着支援については、基本報酬の設定等というところで、例えば就労定着率のみを用いた報酬体系にするといった見直しを行うこととしております。
 33ページを御覧ください。就労選択支援についてでございます。こちらは令和7年10月1日施行となりますけれども、就労選択支援に関する対象者、基本報酬の設定、あるいは支援の具体的な流れ、基本プロセスでございますけれども、そういったところや、おめくりいただいて34ページ、実施主体、人員配置要件などについて今回新たに規定することとしております。
 次に35ページ目、相談支援についてでございます。相談支援につきましては、マル1、基本報酬の充実というところで、支援の質の高い相談支援事業所の整備を推進するために、算定要件を追加した上で、基本報酬を引き上げます。また、主任相談支援専門員加算として、地域の相談支援の中核的な役割を担う相談支援事業所であって、地域の相談支援事業所に助言指導を行う場合にさらに評価をします。
 また、マル2、医療等の多機関連携のための加算の拡充等というところで、医療等の多機関連携のための各種加算について、加算の対象となる場面や業務連携の対象の追加、算定回数の評価などの評価の見直しを行うこととしております。
 おめくりいただいて36ページ以降は、障害児サービスについての内容になります。「1.児童発達支援センターの機能強化等による地域の支援体制の充実」というところで、マル1、障害特性に関わらず身近な地域で支援を受けられる体制の整備という部分でございますが、児童発達支援センターの基準、基本方針について、福祉型・医療型の類型を一元化するとともに、福祉型における3類型の区分も一元化することとしております。
 マル2、児童発達支援センターの機能・運営の強化として、専門人材を配置して、地域の関係機関と連携した支援の取組を進めるなど、4つの機能を発揮して、地域の障害児支援の中核的役割を担う児童発達支援センターについて、中核拠点型と位置づけて、体制や取組に応じて段階的に評価するといった取組を行うこととしています。
 おめくりいただきまして37ページ、「質の高い発達支援の提供の推進」というところで、マル1、総合的な支援の推進と特定領域への支援の評価等として、支援において、5領域全て含めた総合的な支援を行うことを基本とし、支援内容について、事業者の個別支援計画等において、5領域とのつながりを明確化した上で提供することを求めるといったことや、児童発達支援、放課後等デイサービスの基本報酬について、これは5つ目の○でございますけれども、極めて短時間、30分未満は算定対象からは原則除外するとともに、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価が可能となるよう、支援時間による区分を設けることとしております。
 おめくりいただきまして38ページ、マル2、関係機関との連携の強化というところで、同じく児童発達支援・放課後等デイサービスについてでございますけれども、関係機関連携加算について、対象となる関係機関に医療機関や児童相談所等を加えるとともに、個別支援計画策定時以外に情報連携を行った場合に加算するとか、セルフプランで複数事業所を併用する児について事業所間で連携し、こどもの状況や支援状況の共有等の情報連携を行った場合に評価するといった取組を行うこととしております。
 おめくりいただきまして39ページ、「支援ニーズの高い児への支援の充実」で、マル1、医療的ケア児・重症心身障害児への支援の充実というところで、例えば喀痰吸引等が必要な障害児に対する支援を評価する医療連携体制加算(VII)について、評価を見直すとともに、主として重症心身障害児に対する支援を行う事業所においても算定することを可能とします。
 また、マル2、強度行動障害を有する児への支援の充実として、強度行動障害児支援加算について、専門人材の支援のもと、行動障害の状態がより強い児に対して支援を行った場合の評価を見直すこととしております。
 おめくりいただきまして40ページ目、ケアニーズの高い児への支援の充実というところで、こちらに書かれているような見直しを行うこととしておりますが、例えば人工内耳を装用している児に対する支援を行った場合の評価ですとか、マル4、マル5、不登校児童への支援の充実や居宅訪問型児童発達支援の充実についても取組を行うこととしております。
 41ページ目でございます。「家族支援の充実」についてですが、マル1、家族への相談援助の充実として、家庭連携加算と事業所内相談支援加算について統合し、オンラインによる相談援助を含め、個別とグループでの支援に整理して評価。きょうだいも相談援助等の対象であることを明確化します。
 また、マル2、預かりニーズへの対応でございますけれども、基本報酬の評価を支援時間に応じた区分に設定することと併せまして、延長支援加算見直し、一定の時間区分を超えた時間帯の支援について、預かりニーズに対応した延長支援として評価することとしております。
 次に42ページ、「インクルージョンの推進」でございます。インクルージョンの推進については、マル1、児童発達支援や放課後等デイサービスにおけるインクルージョンに向けた取組の推進として、事業所に対して併行通院や保育所への移行等、インクルージョンの推進を求めるとともに、事業所の個別支援計画において具体的な取組等を記載し、その実施を求めることや、保育・教育等移行支援加算について、保育所等の移行前の移行に向けた取組についても評価すること。
 マル2、保育所等訪問支援の充実として、訪問支援時間に下限を設定して、30分以上とすることを求めることや、訪問先施設に加えて、利用児童の支援に関わる医療機関や児童相談所等の関係機関と連携して、個別支援計画の作成やケース会議等を実施した場合の評価の新設。
 また、下のほうにございますが、ケアニーズの高い児のインクルージョン推進ですとか、家族支援の充実についても取り組んでいくこととしております。
 最後になりますけれども、43ページ目、「障害児入所施設における支援の充実」というところで、地域生活に向けた支援の充実や小規模化による質の高い支援の提供の推進というところで、各種見直しを行っているところでございます。
 かいつまんでになりますけれども、資料1についての御説明は以上となります。
 改定の概要については、今ほど御説明した資料の中におおむね書かれているところでございますが、資料2の一番最後の101ページ目になりますけれども、資料2の改定の概要におきましても、今、御説明したような改定の内容についてまとめております。
 「おわりに」というところで、この検討チーム等におきまして、有識者の皆様をはじめいろんな団体の方にもお越しいただいて議論を行っていただいたところでございますが、今回の報酬改定に係る検討を行う中で出た意見などを踏まえ、以下のここにまとめてある事項については引き続き検討・検証を行うものとして、例えば障害者支援施設のあり方について検討の場を設けるといったことですとか、そういった引き続き検討することとした事項についてこちらにまとめているところでございます。
 駆け足になりましたが、資料1から3についての御説明は以上となります。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 ただいまの説明について、御質問、御意見ございましたらお願いいたします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 大変な作業、どうもありがとうございました。非常に全体像がよく分かる資料をつくっていただいて、いろいろ個々の議論はそれぞれ積み重ねましたので、今後に向けてということで、私のほうから幾つか申し上げたいことがあって、特に今回、今、説明していただきました資料1の、スライドでいうと9ページで、これまで、地域移行の議論というのは、第7期障害福祉計画も今策定がほぼいろんな自治体で終わりつつある状況の中で、なかなか流れが見えにくかったのですけれども、この資料の9ページのようにまとめていただいているので、1つは、今までちょっとはっきりしていなかった地域生活支援拠点の果たしている役割がかなりはっきりと示されてきましたので、2つの大きな柱がここに記載されているとおりなので、緊急時に備えた相談と緊急時の対応と地域移行の推進ですよね。拠点コーディネーターは、もう既に報酬のほうでも検討はされていますけれども、果たす役割が非常に大きくなったと、私、理解していますので、その意味で、今後に向けて、この拠点コーディネーターの役割とか内容に関しては、より検討がしっかりしたものが必要になってくるかなと。
 それとあと、せっかくこういうグランドデザインが示されたので、現在、市町村のほうでつくっている第7期障害福祉計画にどのようにうまく結びつけるかということももう一つの検討事項として考えなければいけないかなと思っているところが1点目です。
 それから2点目は、これは施設に関する事項が23ページのところですけれども、地域移行ということで、非常にその考え方を色濃く報酬にも反映させたいという努力が読み取れます。
 私のほうで、今後に向けてというのが今日の私の趣旨なのですけれども、1つ確認したかったのは、地域移行の移行確認を行う担当者のことが記載されているのですけれども、この担当者が、普通に考えると施設内の職員であろうと推測されるのですけれども、これは本来だったら施設外の第三者のほうが望ましいであろうともう一つ考えられるので、そういったことも含めて検討事項として考えていただけたら大変ありがたいと思っているところです。
 あと、最後3点目はグループホームです。26ページのところにありますけれども、グループホームの問題は全くここに指摘しているとおりで、相当に課題を抱え込んでいるという現状があるかと思います。その中でどのようにそういった質を考えるかということで、地域連携推進会議というのが指摘されていますけれども、これは1年に1回以上と書いてあるので、それはいいのですが、これはかなり定期的にきっちりとモニターをしていかないといけない中身になっているのではないかと思われますので、ここに関しては、1年に1回以上と書かれているので、書かれている以上は、いろんな解釈が存在すると思いますけれども、できれば、もう少しきっちりとした回数で定期的なモニターをしっかりやるみたいな形を今後検討していただけたら大変ありがたいと思います。
 私からは以上です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、ありがとうございます。今、3点目に御指摘いただきました地域連携推進会議のあり方につきまして、調査研究事業でも御議論いただいてございます。こちら、今、御指摘いただきましたように、会議の開催につきましてはおおむね年1回以上としているのですけれども、これに加えて、マル2でございます。事業所を見学する機会を設けなければならない。これもおおむね年に1回以上ということですので、今、アドバイザーの御指摘いただいたモニタリングという意味では、会議が年に1回、それから見学する機会が年に1回、だから、都合年2回というタイミングで外部の目が入る仕組みを設けたいと思ってございます。これが直ちに完璧なものとは考えてございませんので、6年度の施行後、また、制度の実施状況も踏まえて不断の見直しをしていきたいと考えてございます。
○服部障害福祉課長補佐 障害者支援施設などの地域移行を進めるための取組に関しましては、小澤アドバイザー御指摘のとおり、現状では意向確認の担当者は内部の職員で行うということで整理をしております。アドバイザーご指摘の第三者の目を入れることは、課題として当方も認識しておりますので、今回の改定での対応状況を踏まえて、今後、検討したいと思っています。
○伊藤障害福祉課長 続いて橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。
 丁寧な御説明をありがとうございました。感想と質問が1点あります。
 今回の報酬改定では、障害者の地域生活の実現など基本的な考え方に基づいた現場の実態を考慮したきめ細やかな対応がなされたと思います。例えば資料1の41ページにある家族支援の充実の中で新設された子育てサポート加算についてですが、私が障害を持つこどもを育てる中で、療育のグループでこどもの特性や関わり方、育て方を学ぶことができたことは本当に大きな救いとなりました。こどもを健やかに育てるためには、まずは家族を育てることが必要で、子育てサポートは本当に大切な支援だと思います。そこに加算が新設されたことについては高く評価しています。
 また、資料2のほうですが、70ページに、精神障害者支援体制加算で、医療との連携を要件にして、より高い加算が設定されましたが、また、そういう連動して精神科病院にも医療保護入院者退院支援委員会への事業所の参加ですとか、あと地域移行支援につなげていけるような意識を持っていただけるように今後よりしてもらえればと思いました。
 また、ピアの活躍の場が自立訓練と共同生活援助で増えたことも当事者の希望になるのではないかと思います。ピアの活躍の場の拡充はぜひとも次期報酬改定にもつなげていただければと思います。
 最後に1点質問なのですが、地域生活支援の拠点コーディネーターの配置を評価されたことは拠点を推進していくためにもとても重要なことだと思います。そのコーディネーターの要件ですが、「常勤で1人以上配置」とありますが、これは専従でしょうか。兼務でもよいのであれば、どのぐらいの割合でコーディネーター業務に当たればよいのかなどが決まっていれば教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
 最後のいただいた御質問、地域生活支援拠点等のコーディネーターの専従要件でございます。現在のところ、専従までは、強い縛りまでは検討してございませんけれども、基本的には地域に出ていって、資料1の8ページにありますように、上のマル1の資料を絵で御覧いただければと思いますが、便宜上、コーディネーターは、報酬は算定できる事業所に配置することになるのですけれども、この方々は地域に出ていって活動していただくことになります。そのため、この事業所で報酬算定のためのモニタリングですとか、地域移行のための直接支援というよりは、むしろ地域に出ていって活動していくことを要件としてございますけれども、ただ一方において、小規模の事業所で、その方が外部に出ていって、モニタリングをむしろこのコーディネーターがすることが効果的であるような場合については、一定の兼務も可能とするように、運用で詳細をお示ししていきたいと考えてございます。
 以上です。
○橋本アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー アドバイザーの田村でございます。
 御丁寧な御説明、どうもありがとうございました。私自身、小児科医であるということから、特に今回、39ページから42ページにかけて記述されているように、「支援ニーズの高い児への支援の充実」ということで、医療的ケア児、重症心身障害児、強度行動障害を有する児への支援の充実についていろいろ拡充していただきましたし、それから、家族支援の充実とかインクルージョンの推進ということにも御配慮いただき非常にありがたいと思います。
 人材確保ができなければ事業所が成り立たず、いくら障害福祉サービスの報酬アップしていただいても利用者が利用できないわけですから、そういう人材確保のための処遇改善にいろいろ予算を使うという中で、こういうところまで御配慮いただいたことは非常にありがたいと思います。
 ただ、今回の改定の中で、やはり私としては、障害者と障害児が区分されて、障害者では認められていることが障害児では適用されないと言うことはなかなか合点がいきません。具体的には、私も個別のところでも何度も申し上げましたけれども、例えば20ページのところの、重度訪問介護の利用の対象を広げるというところです。人工呼吸器をつけているような高度医療的ケア児が入院することはしばしばあるわけですが、そういったときに、患児が医療スタッフとコミュニケーションがとれなくてトラブルが起こりかねないということは十分あるわけです。そういったときには、現状では保護者、多くの場合はお母さんが24時間付きそうということを強いられているわけです。重症障害者がコミュニケーションがうまくとれなくて、入院しているときにトラブルが起こりそうな場合は24時間介護者が病院につくことが認められるならば、高度医療的ケア児にも適用されてもおかしくないのではないかと思います。こういったことについては、我々小児科医のほうも、日本小児科学会や日本小児神経学会が、障害児の区分を障害者の区分に合わせずに、こどもの特異性から提案しているということが却ってあだになっているかもしれないと思いますので、我々も、学術的な面から、障害者と障害児を分けるだけでなく共通の課題に取り組む努力をしていかなければいけないことが分かりました。
 また今回、いろいろ御配慮いただいきましたが、点数としてはそれほど大きなアップではないために、それが果たしてどこまで実効性を持つのか懸念せざるを得ない事項もあります。例えば一番最後の43ページの「障害児入所施設における支援の充実」のところの日中活動支援活動で、点数が16~322点、1日ついたぐらいで果たしてこういったことを実際に事業所のほうで取り組んでもらえるのだろうかということは、私は危惧いたします。
 こういったことに関しては、先ほど障害児と障害者を分けるということが1つ弊害を生んでいるのではないかということを申し上げましたけれども、もう一つ、障害児の場合には教育問題がどうしても絡んできますので、今回のように、厚労省とこども家庭庁が中心になって障害福祉サービスの改定に取り組んでいくというのは、今までの経緯からいけば当然かもしれませんけが、そこにオブザーバーという形で文科省の担当者にも入っていただいて、学校問題、修学旅行の問題、そういったところに障害児がちゃんと参加できる体制をつくるにはどうすればいいかということも議論していただければよいと思います。これは是非次回の報酬改定に向けて御検討をお願いしたいと思う次第です。
 私からのコメントは以上でございます。
○栗原障害児支援課長 障害児支援課長でございます。
 先生、いつもありがとうございます。今までいただいた御指摘も含めての御指摘だったかなと思います。児と者の部分のつなぎ、これはこども家庭庁ができたことで、厚労省とこども家庭庁、しっかり連携しながら、これまで以上に接続を持ってというところを意識してやってまいりました。
 今回の報酬改定では、そこのポイントで申しますと、やはり医療的ケアの問題が児の世界から始まったところが、大人になられる方も増えてきているということで、短期入所とか生活介護の部分での医療的ケアが必要な方の支援のところの報酬をかなり充実させたというところが大きなポイントかなと思っています。
 もちろん、現場で様々な、先生おっしゃったような課題もありますので、それが障害の報酬改定だけで対応するものなのかどうか、医療の世界も含めて全体の中でどういう対応をしていくかというところも含めて、引き続きしっかりと我々も検討・対応していければと思っております。
 それから、教育との連携の部分につきましては、これも、この会議には参加しておりませんけれども、こども家庭庁ができた後で、文科省と厚労省とこども家庭庁の3者で毎週のように議論をしております。この報酬改定の動きについても文科省のほうにもお伝えしたりして、彼らのお話も聞きながら、今回幾つか、教育との連携をかなり強く持つような部分、報酬改定もさせていただいておりまして、どのように参画していただくかというのは、会のあり方もありますけれども、引き続き連携を強化していきたいと思っております。
 最後に1点だけ、報酬の単位数は、実は日で1人ずつ全部につく単位であったりとか、あとは、実施したときにそこにつく単位であったりして、単位設定が様々、このベースの要件に応じて大きさがそれぞれ違っていますので、先ほどお話のあった日中活動支援加算ですと、これは入所児童全てについて毎日つく単位数ですので、年間、入所児童全てについてこれがつくと結構な大きさになりますので、そういう視点でちょっと見ていただけるとありがたいなと思います。
 以上でございます。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
 今回、もう一つだけつけ加えさせていただきますと、22ページの医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実、これも非常にありがたいお話で、我々、医療の世界におきましても、トランジション問題と言いまして、こどもが成人になったときに、内科は非常に専門分化しているものですから、小児科としてまとまって診ていたお子さんが内科のほうではなかなか診てくれない、こういうトランジション問題というのがありましたけれども、そういったところを解決していくための非常に大きな一つの力になるとありがたく思っております。どうもいろいろ御配慮いただきまして、本当にありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー 石津でございます。
 大変な作業をされまして、また丁寧な御説明をいただきましてありがとうございました。全体について、大変よく分かりました。ただ、ちょっと進めるに当たりまして気がかりな点も2点あります。
 1つは、6ページのところの新加算で、配分ルール統一というところにつきまして、これは結構なことだと思っております。しかし、事業所内で柔軟な配分を認めるという点につきまして、これは事業所さんからの要望が多い事項ということは承知しております。ただ、やはり福祉・介護職員の処遇改善がこの加算の本来の趣旨ですので、その実施状況については注意深く見ていくということが必要だと思います。
 よい福祉・介護職員の定着というのが利用者にとって好ましいことですし、また、事業所の評判を高めることによって経営状況の改善に、長期的かもしれませんけれども、結びつくということだと思います。
 2つ目は減算の部分についてです。例えば16ページの情報公表未報告減算とか、30ページの経営改善計画への取組状況による減算についてというのがございます。利用者の利便性とか、ひいては社会からの理解を得ていくには情報公開というのは不可欠なことですし、経営改善についての取組計画も必要な、しなければならないことはやっていただいて、そうでなければ減算して、今回割と大きな減算になるようですけれども、その質の向上等に努めるよう促すことというのは賛成で、ぜひ推進していただきたいと思っております。
 ただ、一方、事業所によっては対応できない何か特別な事情があったり、あるいは自然災害などが生じるということもありますので、そういったことについてはきめ細やかに対応していただくことが必要だと思います。
 最後に感想なのですけれども、これまでの審議内容やヒアリングでの御意見や、様々な実態調査結果を踏まえて御担当の皆様が細やかな対応をなされた改定案だと思っております。メリハリ、新設や充実も多いし、特に私としては、自立生活援助で基本報酬の見直しなど、経営実態等も踏まえていただいて、よかったなと思っております。また、なかなか手のつけづらい減算にも踏み込まれて推進されるということで、メリハリがきいていると思っております。
 なお、資料2の「おわりに」のところで引き続き検討事項に挙げていただいておりますけれども、経営実態調査のさらなる分析についてはぜひ今後進めていただきたいと思っています。現場の状況を重視すること、これがとても大事なことだということでございますけれども、それと併せて、調査結果からの客観的状況も踏まえて一層検討するということが、メリハリがきいて、ひいては政府の財政事情が厳しい中でも、制度の持続可能性を確保することにつながると思っております。
 これからも多様化する障害者に寄り添って、苦しい中でも頑張っているサービス提供者、事業所さんが適正に評価されるように、ぜひ引き続き御尽力いただければと思います。どうもありがとうございました。
○杉渕自立支援給付専門官 事務局です。
 1つ目の処遇改善に関する処遇改善の状況について、これは実態をどうやって把握していくか、今検討中でして、実績を着実に把握して基本のところがちゃんと押さえられるように、設計していきたいと考えております。
 3つ目の経営実調については、これも資料2にありますとおり、検討事項にも記載してありますので、処遇改善の実態把握や経営実調のさらなる検討を引き続き進めていきたいと考えております。
 2つ目に御指摘いただいた減算、とりわけ情報公表における特別な事情により報告できない場合などについては、現状もよく把握しながら、配慮が必要なところは通知などでお示しできるような検討も進めてまいります。
 御指摘ありがとうございます。また、これまで御丁寧な御助言、ありがとうございました。
 
○伊藤障害福祉課長 続きまして、岩崎アドバイザー、お願いいたします。
○岩崎アドバイザー 長い長い検討過程でいろいろ御説明いただきまして、本当にありがとうございました。これまでと比較すると高い改定率になって、これまで検討してきた内容についてある程度効果が期待できるような、そんな結果になってよかったなと思っています。本当に報酬改定に関わってこられた皆様のこれまでの苦労が報われたような、そんな気もいたしております。
 ですので、これまでもお伝えしてきたように特に異論はないのですけれども、特に処遇改善の一本化については、現場としても事務手続が簡略化されるということでとてもありがたいことだと思いますし、計画相談の基本報酬が上がったことですとか、橋本アドバイザーも話されていましたけれども、ピアサポートの加算が拡大されたということも、個人的には全てのサービスに拡大してほしいなと思っておりますので、それに向けたまた一歩が踏み出せたということで、大変ありがたく思っています。
 その上で懸念をお伝えすると、今回の改定で障害福祉分野の人材確保という問題が解消していくのかどうかという点でございます。物価高騰とか、そういった影響についての効果は少しあるのではないかなと思うのですけれども、ほかの産業と比較して格差が縮まるような効果が得られるのかどうかということ、それは今後の社会状況も含めて強化を継続して行っていっていただく予定になっているかと思うのですけれども、やはり人材不足というのは継続していって、事業者の皆さんが苦しむという状況はそんなに簡単に解消していくものではないのではないかなという気もいたしております。ですので、さらなる手だてを継続して御検討いただけると大変ありがたいなと思います。
 また、サービスの質を、サービスの提供時間とか、あるいはその方の利用時間、又は加配とか連携など、いろんな形で加算、減算ということが今回も検討されたわけですけれども、その加算、減算でサービスの質というものを図っていくということに関して、ほかに方法が今のところないのですけれども、でも、もやもやした気持ちというのが残る部分もあるのですね。
 その点で、私、研究者がもっと本当は貢献していかなければいけない部分もあるとは思うのですけれども、加算・減算が複雑化していって、大きな事業所はそういった情報とかも行き渡るから、ある程度加算を取っていくということについて、取りこぼしとかない状況、環境をつくることができると思うのですけれども、小さな事業所なんかが、この報酬改定の仕組みをまず理解して加算をできるだけ取っていけるように、そんな支援も必要になってきている状況なのかなと思ったということで、ほぼ感想でございますけれども、以上でございます。本当にありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございます。御指摘、ごもっともだと思います。人材確保についてもそうですし、質の確保もそうですし、今回の改定でも、できる限り重要事項として留意したところではあるのですが、一方で、今回でもちろん終わりということではなくて、これからもずっと取組が必要だと思いますので、御意見を受け止めて今後も対応していきたいと思います。ありがとうございます。
 続きまして、高アドバイザー、お願いいたします。
○高アドバイザー 高です。
 丁寧な説明、どうもありがとうございました。私のほうからも一言感想を述べさせていただきます。かなり幅広くきめ細やかに報酬改定のところを整備されて、本当に高く評価させていただきます。
 特に私のほうでは、障害児支援につきましては、現状の課題に即して、本当の意味で量の確保から質の評価に変える報酬改定になったかと思います。そういった中では、先ほど、資料2のほうで今後の検討事項のところを示していただいたのですが、そこにある支援に当たる人材の配置や評価のあり方といったところなのですが、今回の報酬改定が意味あるものになるために、やはり質の高い人材を育成していくことが大きなことになるかと思っております。そういった点については、これも待ったなしの取り組むべき課題だと思いますので、国と基礎自治体が一体となって人材育成に取り組んでいくことが、今回の報酬改定を見させていただいても大切なものだと感じました。
 以上でございます。どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございます。続いて、有村アドバイザー、お願いいたします。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
 これまでもいろんなアドバイザーの皆さんおっしゃっていましたけれども、きめ細やかに丁寧に進めていただきましたこと、感謝申し上げたいと思います。大学で教鞭をとっておりますと、学んでいる学生たち、特に障害児支援に進む可能性のある学生たちがやはりその現場を選択したいと思うような状況が生まれるためにも、よりよい実践、特に質の高い実践を行っている事業所が高く評価されて、そのことにより、よりよい実践を行っている事業所が働く人に選択されていく、そのような好循環が生まれてくるといいなと思って見ておりました。
 ちょっと意見というか、少し懸念しながらちょっと見ていたところを2点だけ申し上げたいと思うのですけれども、今回、障害全体のところでも拠点コーディネート、あるいは障害児のところでも児童支援センターのほうにいろんな権限、強くなっているところがあるのですけれども、ちょっと心配するのは責任のところで、それ以外のところから、むしろ責任を求められたり追及されるようなところ、そこら辺のバランスのところがすごく気になって、ちょっと見ているところもありました。いろんな事業が地域をつくっていくためにさらに強化されていくことがとても大事だと思うのですけれども、やはり地域全体で支えていくような仕組みというのが必要だなと思って、見ております。
 続いて、自立生活支援のところですね。特に24ページのところもそうです。グループホームから希望する一人暮らし等に向けた支援のところもそうですが、退居後の支援のところ、3か月と書かれているのですが、もう少し長い間、具体的な支援でなくても、やはり状況を確認したり、そのような長いスパンの見方をしていくということも必要かなと思います。
 あとは、全般的に、こどものところにまつわると、インクルージョン、さらに進めていったり、あるいはDBSなんかの課題もあるかなと思いますけれども、今後のさらなるこの分野の発展というか充実を求めていきたいと思います。
 以上です。本当に丁寧な進行、どうもありがとうございました。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、ありがとうございます。事務局でございます。
 今、御指摘いただいた中で、1点だけ、グループホームから地域に一人暮らし等の支援に向けた3か月の期間の問題でございます。お手元の資料2、縦置きの資料の42ページをお開きいただければと思います。グループホームから退居後の支援といたしまして、今回、退居後共同生活援助サービス費というものを新たに設定させていただきます。こちら、退居日の属する月から3月間としておって、これは何を想定しているかというと、退居後に、ヘルパーさんですとか自立生活援助といった居宅での生活を支援するチームへの情報の引き渡しなどに必要な期間を3月間として想定をしてございます。
 その資料の、さらに続けて(引き続き支援を必要とする場合は6月間)と例外規定も置いてございますので、そういったきめ細やかな対応をしてまいりたいと思ってございます。
 以上です。
○有村アドバイザー どうもありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー まずは、丁寧な御説明ありがとうございました。初めに、今日に至るまで、本当に夏にかけてヒアリングをいただいた団体の方、あるいは関係者の方、そして、お世話いただきました事務局の方に御礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 あと、ほかのアドバイザーの先生方にも、私も知見のない中で、こうした考え方があるのだなあといろいろ勉強もさせていただきまして、これも感謝を申し上げたいと思います。
 まずは、プラス改定という形になったことに実はほっとしているという思いと、今日お聞きした内容で、私は全く異論がありません。また、今回は以前と違って、厚生労働省とこども家庭庁、2つの省庁にまたがる流れの中で進めさせていただきましたけれども、今日説明の中で、利用者、それから事業者、そして利用者の家族の方にきめ細やかに寄り添っていくような改定になったのではないかなあと、感じております。
 これも前回話した持論になりますけれども、この制度、本当に大きな理念というか、目的があると思います。それは、1つは、サービスの質とか価値を上げていって、利用者ファースト、利用者の方に満足していただくというところにこれは尽きているのだと思います。ただ、同様に、ほかの先生方からのお声もありましたけれども、人材不足ですとか、実は給与水準がまだまだだと言われているこの分野ですので、そこで働く方の満足度も高めていくと、それがやはり立てつけの一つになっていると思います。
 今回、様々な手だてをしていただいたので、そこに働く方の満足度が上がってくると思いますけれども、その流れをしていると、恐らくお金の面についても、いわゆる事業所、経営主体の経営についてもよくなっていくのだろうと思っています。
 資料1ですね。16ページの情報の公表については、減算という措置がありますけれども、これは報酬改定のことを考えていく上で、経営実態の精緻化もそうですけれども、できるだけ、今後も深掘りして、実態を知りたいという思いというか、願いであることを事業者の方々に御理解をいただきたいなと思っています。
 その中で、実は今日、こうやって示されましたので、本改定の効果というか成果ですね。これは資料2、資料3をゆっくり拝見させていただきながら、あるいは私自身もこれから様々な関係者の方のお声に耳を傾けて確認していきたいと思います。
 厚労省の方、それから、こ家庁の事務局の方には今日で一段落というところになると思いますけれども、改定の検証ですとか、研究事業などにまた次のよりよい改定に向けてお願いしたいと思っています。
 最後になりますけれども、私は今回の改定は高く評価できるのではないかと、コメントの締めくくりとさせていただきたいと思います。
 以上でございます。本当に長い間お世話になりました。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございます。続いて、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 神奈川県秦野市の石川です。
 丁寧な説明、ありがとうございました。幅広い分野の多くの関係者の方々から意見や検討チームの皆様の御意見をもとに、4月からの報酬改定事項について、このように分かりやすくお示しいただき、ありがとうございます。
 障害福祉分野の課題解決に向けて新たな一歩が踏み出せるのではないかと期待しております。また、短期間であったにもかかわらず、とてもきめ細かく改定されており、御苦労も多かったのではないかと心より敬意を表します。
 今回は基本報酬がアップされている事業や新設された加算もあり、事業所や施設の安定運営とサービスの質の向上を期待したいと思っております。また、今回の改定は、単価の変更以外に、加算を取得するための体制の見直しなどが複数の事業にまたがって設定されており、事業所や施設の皆様が報酬改定と併せて運営基準を見直すために資料を読み込み、具体的にイメージできるようにしていかなければならないと思っております。
 特に、新設の加算などにつきましては、取得要件等の判断など、より具体的に分かりやすくお示しいただき、市町村や都道府県への問合せ等、減らせるようお願いしたいと思っています。その例として2つ挙げさせていただきたいと思います。
 1つ目は、資料1の7ページのマル1、「情報連携等のコーディネート機能の評価」に【新設】地域生活支援拠点等機能強化加算が示されております。この加算は、コーディネーターが1人当たり月100回まで算定できると書かれており、報酬額は1件500単位となっています。請求できる事業所としては地域移行支援、自立生活援助、地域定着支援、計画相談支援、障害児相談支援と挙げられております。また、拠点の位置づけにつきましては自治体によって異なっておりますので、この加算がどういうときに取得できるのか、その基準や考え方がイメージできるように御説明をいただきたいと思います。
 次に2つ目ですが、障害児の児童発達支援センターの機能強化についてです。資料36ページの児童発達支援センターの機能の運営の強化の右側、中段のところに、新設≪中核機能強化加算≫が示されています。その下の体制・取組要件としてイロハで示されており、専門人材の配置については分かるのですが、括弧で書かれている(障害特性を踏まえた専門的支援・チーム支援、人材育成等)や(関係機関連携・インクルージョンの推進等)については、現在市町村が中心になって行っております療育支援体制の中に入り込んでいく必要があると思います。
 児童発達支援センターが地域における中間機関としての役割を果たせるようになるまでのプロセスが地域によって異なると思われますので、専門人材を配置した後、どの段階でこの加算が請求できるようになるのか、具体的にイメージできるように御説明いただけたらと思います。
 今、質問させていただきました2つの拠点と児童発達支援センターにつきましては、市町村計画への位置づけなどとも関連してきます。障害福祉政策を推進するための核となる部分だと思いますので、市町村による差が大きくならないよう、市町村への義務づけなどと併せて丁寧な周知により理解を深めていくことが重要だと思いますので、この辺につきましてよろしくお願いしたいと思います。
 あと、今後に向けての確認が1つと要望が2つあります。まず確認事項ですが、共同生活援護です。10月3日の会議で私のほうから意見させていただきました2つについてちょっと確認したいと思います。
 1つ目は、日中サービス支援型の居室や食堂の面積基準を入所施設と同様な基準にしていただけないかという意見と、2つ目は、共同生活援助の土日、祭日の加算について検討していただけないかという意見です。
 施設からグループホームへの重度の障害者の地域移行支援を進める必要もありますし、グループホームで末永く、また希望があれば最後まで暮らせるようになるとよいと思っております。そのためには、医療などほかの分野との連携も強化することも含めて、入居者への支援体制を強化していただきたいと思っておりますので、御見解があれば伺わせていただきたいと思います。
 それと要望ですが、この共同生活援助につきまして、資料2の「おわりに」のところにも書いてありますが、マル2の共同生活援助における支援の質の確保については、本市でもそうなのですが、経験の浅い職員や資格を有していない職員、非正規職員の割合が多い事業所が散見されております。共同生活援助の適正運営と質の確保につきましては引き続き重点課題として検討していただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それともう一つ要望があります。、来年10月にスタートする就労選択支援ですが、その役割を見ますと、現在、就労移行支援事業所や障害者就業生活支援センター、相談支援所が担っている役割と一部重複しているように思いますので、スタートするまでには役割の範囲が明確になるようにお示しいただきたいと思います。
 私からの質問と意見は以上になります。よろしくお願いいたします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、多岐にわたる御指摘と御要望、ありがとうございます。
 まず、拠点コーディネーター等、分かりやすい制度、周知をということで御指摘を頂戴いたしました。今、御指摘いただいた横置きの資料1の8ページに具体的な算定要件、黄色の箱で書いてある部分でございます。役所の制度でございますので、正確を期すためにちょっと表現は冗長というか、なるべくかぶりがないように、どうしても長くなってしまう部分もあり、分かりづらいという御指摘も当然あると思います。この絵も活用いただいて、さらにこれだけでは当然伝わり切りませんので、解釈通知ですとか市町村に向けた拠点について別途国からお示しするものも御用意させていただく。それから、令和6年度の予算案におきまして、都道府県が市町村をバックアップする事業ですとか、国が好事例を横展開する事業なんかも御用意してございますので、厚生労働省といたしましても、市町村の円滑な制度の施行に向けて引き続き努力してまいりたいと思ってございます。
 それから、共同生活援助、グループホームの関係で御質問と御要望を頂戴いたしました。10月23日だったですかね、御指摘を頂戴いたしました日中サービス支援型の居室面積ですとか、土日の加算の取扱いでございます。こちらについては、例えば居室の面積は、今現状、7.43平米、4.5畳というような基準があって、それが果たして適切かどうかという御議論まで、正直、そこまで踏み込んだ検討は至らず、先ほど御指摘いただきましたように、共同生活援助における障害者の特性に応じた支援のあり方について引き続き検討していくという中で、基準のあり方ですとか、土日における支援のあり方なんかについても総合的に検討を深めていければと思ってございます。
 それから、処遇というか、経験の浅い職員の取扱いでございますけれども、こちら、処遇改善加算ですとか福祉専門職配置加算というような形で一定の評価というのはしていくのですけれども、引き続き、障害福祉サービス全般の人材確保と併せて検討を深めてまいりたいと思ってございます。
 以上です。
○鈴木障害児支援課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 センターの中核機能のほうでございますが、確かに新設でございますので、皆さんに今後分かりやすくお伝えすることがすごく重要かと思っています。
 私どものイメージとしましてですけれども、簡単でございますけれども、コーディネーターの役割としまして、これからできるこども家庭センターですとか、あとは、児童相談所、要対協、そういう各種、こども家庭庁になりましたので、横の連携ですとか、あとはインクルージョン推進を進めていきたいと思いますので、保育園の園長会等に出向いて、地域を耕していただくとか、そのように中と外をつなぐ仕事をできれば担っていただきたいと。
 ロの専門的人材に関しましては、中核機能の幅広い高度な専門性を有していただきたいということですので、なかなか地域で受入れが難しいお子さんとかいらっしゃると思いますけれども、やはり積極的に受け入れていただきたいと思っていますし、その専門人材がやはり力をつけていくことで、事業所を耕していくことで、その知見を地域の事業所に還元していく、そのような狙いがございますので、この4つの中核機能を担っていただくということで、今回このような加算を創設させていただきましたので、いずれにしましても、アドバイザーの御意見を踏まえまして、今、スタートアップマニュアル等作成していますので、その中でどのようなイメージを示していけるかも含めて検討したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○石川アドバイザー 御説明ありがとうございました。今の拠点と児童発達支援センターのところの加算なのですが、恐らく市町村が拠点として位置づけているところに、この加算をどうすれば取れるのかなど、それぞれ自治体に問合せが来るとおもいます。1件500円、1か月100人までという加算は、いつからどのように取ればよいのか、おそらく、市町村と調整しながら、進めることになると思うのです。
 それと、児童発達支援センターのほうもそうですけれども、市内にあります児童発達支援センターに専門職を配置した後、何をすれば加算が取れるようになるのかを調整するときに、市町村側が悩むことがないよう、判断基準や考え方についてお示しいただきたいと思います。というのも、この加算は、個人についてくると思われますので、取得の基準などが市町村によって解釈が異なってしまいますと、同じような取り組みをしていても、加算が取れるところとそうでないところが出てくることが懸念されます。この2つの拠点は、将来のその自治体の中で、横の連携をとりながら障害福祉施策をどう発展させるのかというところにも絡んでくるかと思いますので、その辺のところを市町村にわかりやすく説明していただけるようお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○古田障害福祉課長補佐 事務局でございます。
 就労選択支援について、お話しさせていただきます。御指摘いただいたとおり、就労選択支援につきましては、来年の10月の施行に向けて、今、研究事業などもしながら、随時検討を進めているところでございます。今すぐ具体的な役割分担のところについてお示しすることはちょっと難しいのですが、来年の施行に当たりまして円滑に実施できるような形で、しっかりと役割分担についても検討を行った上で、分かりやすくお示しできるようにしていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○石川アドバイザー ありがとうございました。本当に長きにわたりいろいろと、私のほうも気になることをたくさん意見させていただき、今回の報酬改定に大分取り入れていただいているところにつきましては、深く感謝をしております。引き続きよろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。その他は、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、多くの意見をいただきまして、ありがとうございました。
 それでは、本日のまとめに入りたいと思いますが、資料1から3でお示ししました主な改定内容、改定の概要、算定構造と3つございますが、本日、アドバイザーの皆様から大筋で御異論はなかったものと承知しておりますので、本日お示しした内容で取りまとめをさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(アドバイザー首肯)
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございます。それでは、改定内容等については本日のお示しした内容で取りまとめることといたしまして、(案)を取ったものを後ほど厚生労働省のホームページで掲載させていただきます。
 また、今後、報酬改定の施行に向けたスケジュールでございますが、本日まとめていただいた報酬改定の概要等に基づきまして、本日以降速やかにパブリックコメントを約1か月間行った上で、そこでいただいた御意見も踏まえた上で、3月下旬までに関係告示や通知等を改正する予定です。そして、4月1日の施行に向けて、改定内容について十分な周知に努めてまいりたいと考えております。
 最後に、これまで検討チームで御議論いただいたことも含めて、それ以外も含めて、全体を通して何か御質問や御意見等ございましたら、お願いいたします。
 よろしいですか。
 ありがとうございます。
 本日予定しております議事は、以上となります。
 最後になりますが、三浦政務官は別の公務がございまして途中退席しておりますので、辺見障害保健福祉部長より一言御挨拶をさせていただきます。
○辺見障害保健福祉部長 アドバイザーの先生方、本日も活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 障害福祉サービス、これは資料2の表紙を見ますと、30ぐらいのサービス類型に分かれておりまして、どうしても議論がそれぞれの収支差ですとか事業者の希望、こういったところから議論が始まるところでございますけれども、今回、ヒアリング終わって中身の議論に入った8月の会議だったと思いますけれども、小澤先生のほうから、特に入所、グループホーム、また新しい拠点について、それぞれ全部関係しているものである。それの関係性について交通整理せよという御指摘をいただきまして、その成果が9ページの資料ではあるのですが、一定の評価をいただいたとは思っておりますけれども、まだぱっと見て、いろんな立場の方が見て、趣旨が分かるように工夫していかなければいけないというふうにも思っております。
 また、報酬改定におきましては、今回、こども家庭庁との共同作業であり、また、医療・介護とのトリプル改定でもある中で、それに限らず、様々な横串の課題、強度行動障害であるとか医療的ケア、また精神障害者に関する、やはり医療との連携といったような課題について、個別の事業種別に限らず、横串の課題ということで対応、御議論させていただきましたことを大変感謝申し上げます。
 最後の「おわりに」のところに整理をさせていただいております課題の中で、障害者支援施設のあり方に関する部分、今後、検討会を設けて議論を進めていくところでございますけれども、先ほどの小澤先生の御指摘ではありませんが、施設は施設だけで成り立っているわけではございませんので、様々なグループホームや地域拠点との連携もありますし、そのほかの地域の資源との関係もあろうかと思いますので、そういったことを念頭に置きながら議論を進めさせていただければと思っているところでございます。
 報酬告示の策定に私ども事務方としてはこれから移っていくわけでございますけれども、併せて、4月から円滑に報酬改定が施行できるように、自治体の皆様とも連携をし、分かりやすく丁寧に御説明させていただきながら進めていきたいと思います。また、報酬が施行されて以降も、この改定の施行状況の検証等も必要になってまいりますし、将来の障害福祉サービスの質の確保に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思いますので、様々な形で引き続き御指導いただければと考えております。
 今日まで御熱心に御議論いただきまして、本当にありがとうございました。改めて感謝を申し上げます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、本日はこれで閉会いたします。お忙しいところ御参集いただき、ありがとうございました。