第48回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会議事録

日時

令和6年2月22日(金)10:00~12:00

場所

厚生労働省 専用第14会議室(12階)
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 中央合同庁舎第5号館)

議事

議事内容

○布施補佐 定刻となりましたので、ただいまから「第48回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会」を開催いたします。冒頭は事務局が進行いたしますので、よろしくお願いいたします。
 まずは、マスコミの方への留意事項を申し上げます。カメラ等の撮影をされる場合は、議事が始まる前までとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 本日の専門委員会は、公益代表の渡邊委員、使用者代表の藤木委員におかれましては、オンラインでの参加となっております。会議の進行中に通信トラブル等で切断された場合や音声が聞こえなくなった場合などトラブルがありましたら、操作マニュアル記載の事務局担当者まで御連絡いただくようお願いいたします。また、委員の皆様におかれましては、御発言の際はできるだけ聞き取りやすい発音と速度でお話いただきますよう、お願いいたします。
 次に、配付資料の確認をいたします。会場にお集まりの委員におかれましては、お手元の資料を御覧ください。オンライン参加の委員におかれましても、事前に同様の資料を送付しておりますので、御確認ください。資料は、まず議事次第、その後に配付資料が資料1~資料3まで、その後に参考資料が参考資料1~参考資料6まで、合計9種類の資料があります。資料に不足等はございませんか。ここまでで御不明な点がありましたら、お申し出いただけますようお願いいたします。
 本日の専門委員会には、オブザーバーとして国土交通省港湾局港湾経済課の澤田課長に御出席いただいておりますので、よろしくお願いいたします。これから議事に入ります。カメラ等の撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本日の委員の出欠状況ですが、使用者代表の小野委員が御都合により欠席となっております。事務局からの説明は以上です。以後の進行は、中窪座長にお願いしたいと思います。中窪座長、よろしくお願いいたします。
○中窪座長 皆さん、おはようございます。中窪です。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、議事に入ります。本日の委員会は、議事次第にありますとおり議題は1つで、前回から引き続き、新たな港湾雇用安定等計画の策定についてです。本日新たな計画(案)について御了承いただけました場合には、雇用対策基本問題部会に報告を行いたいと考えております。
 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○布施補佐 議題1「新たな港湾雇用安定等計画の策定について」、事務局から御説明いたします。新たな港湾雇用安定等計画については、昨年9月以降、専門委員会を3回開催させていただき、計画(案)について御議論をいただきました。そして、今年の1月から2月にかけて、事務局が6大港の地方労働審議会港湾労働部会を回らせていただき、新たな計画の原案について御説明し、御意見を伺ってまいりました。本日は、地方の御意見等も踏まえて、前回の専門委員会から修正した計画(案)を御提示いたしますので、再度御審議いただきたいと存じます。
 事務局としては、本日新たな計画(案)を取りまとめていただき、2月26日に開催されます雇用対策基本問題部会に諮問させていただきたいと考えております。その後、3月中に告示を行い、4月から新たな計画の適用を開始したいと考えております。
 それでは、まず初めに資料3「地方労働審議会港湾労働部会における主な意見」を御覧ください。先ほど御説明いたしましたが、今年の1月から2月にかけて6大港の港湾労働部会を回らせていただき、御意見を伺ってまいりました。各港湾労働部会における御意見と、それに対する厚生労働省の見解を御紹介いたします。
 まず、東京港関係です。若年者に関する取組として、高校生の見学という話があったが将来的、中長期的に考えると小学生などの社会見学などを検討してほしい、という公益代表委員の御意見です。厚労省の見解として、港湾雇用等安定等計画に基づく取組としては、入職促進を目的としているため、高校生を主な対象として想定しております。
 次に、横浜港関係です。港湾運送業界における人材不足解消や高齢化問題への対応として、企業が負担する技能取得費用を国が補助する制度を設ける等の人材育成支援の強化を要請する。また、若年労働者の確保や就職後の定着率の向上に向けた港湾業界の魅力の底上げや伝える取組が必要であり、今後とも行政、業界団体、労働者組合による協議の場を設けていくことが重要と考える、という労働者代表委員の御意見です。人材育成支援については、雇用保険二事業による助成制度があり、個々の事業主が行う教育訓練や講習に応じて支給要件を確認の上、活用いただきたいと考えております。また、神戸市に設置されている港湾技能研修センターにおいては、講習受講費等の助成制度や宿泊室が整備されているため、積極的に御活用いただきたいと考えております。また、若年労働者の確保・定着のための取組については、引き続き関係省庁と連携の上、港湾労働専門委員会等の場を通じて検討を行ってまいりたいと考えております。
 2点目です。港湾労働者派遣制度は日雇労働者の減少を目的として開始された制度と認識しているが、横浜港においては、依然として日雇依存率が高く、また、6大港全体においても日雇依存率については、かなりの高低差があるという現状を踏まえると様々な問題があると考えられ、今後とも改善に向けた深い議論による検討を求める、という労働者代表委員の御意見です。新たな計画(案)においては、港湾労働者派遣制度の活用促進の観点も踏まえ、若年者等の港湾運送業界への理解・入職の促進を図る取組について記載しております。いただいた御意見も踏まえ、港湾労働者派遣制度の活用促進、日雇労働者の縮減について、引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
 3点目です。現行の雇用安定等計画にある退職金制度の有無に関する記載が、退職金制度の導入割合が他業種と比較して高いことを理由として、次期計画(案)から削除されているが、退職金制度が整備されていることは港湾運送業界の魅力の一つとして若年層へのアピールすることにつながり、日雇労働者の減少にもつながると考えられることから、削除する必要はないと考える、という公益代表委員の御意見です。いただいた御意見を踏まえ、当該項目について記載を残すことといたしました。
 次に、名古屋港関係です。週休2日制の導入にかかる比較対象について、という労働者代表委員の御意見です。週休2日制の導入状況については、港湾運送事業は令和5年、全産業は令和4年の数値での比較となっていたが、最新の公表データを踏まえ、全産業についても令和5年の数値に修正しております。
 2点目です。「安定的な物流機能の維持に努める」とはどんなイメージか、という御質問と、「安定的な物流機能の維持に努める」との文言を入れる必要性について、という労働者代表委員の御意見です。港湾労働専門委員会において、在来荷役には革新荷役とは異なる技術が必要であり、双方について技能労働者を確保しなければ物流が維持できないという御意見をいただいたことを踏まえ、記載を追加したものです。「物流機能の維持」という表現については、港湾のインフラや荷役機械等、労働者以外の環境条件を想起させるという御意見をいただいたことを踏まえ、「物流の維持」という表現に修正をいたしました。
 次に、大阪港関係です。現場となる倉庫や職場によっては女性トイレが設置されていないなど、環境的な問題もあり、元請や国から女性を雇えと言われても現状は難しい、という使用者代表委員の御意見です。女性や高齢者が働きやすい職場環境の整備について、幅広い人材の活躍促進を図るための観点の一つとして記載しているものであり、休憩所・トイレ等の環境整備についても入職促進を図る取組と並行して取り組むべき課題と考えております。
 2点目です。適正料金を収受し、労働条件を改善しないといけない。外国人労働者の受け入れについて港湾労使及び行政で考えていく必要がある。違法な事業者に対する指導、改善をどのように行っていくかが課題。港湾雇用安定等計画の中に港湾における最低賃金、初任給、年齢別の給与基準など盛り込むことはできないか、という労働者代表委員の御意見です。いただいた御意見を踏まえ、引き続き関係省庁と連携の上、港湾労働専門委員会等の場を通じて検討を行ってまいりたいと考えております。なお、港湾雇用安定等計画は国等が講ずべき措置について中長期的な指針を示すものであり、具体的な給与基準等について盛り込むことは困難であると考えております。
 3点目です。労働条件の改善に向けた事業主及び事業主団体が講ずべき措置について、労使にだけ任せるのではなく、計画に記載する以上は行政も関与すべきである、という労働者代表委員の御意見です。行政としても、法令遵守に係る周知・指導等を通じて労働条件の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、神戸港関係です。高年齢者の活躍に関する記述を検討するにあたってのお願いとして、港湾労働者における高年齢者及び若年者とは、それぞれ何歳をイメージしているのかが明確になれば、より一層計画内容が分かりやすくなるのではないかと思うので、その定義を計画の欄外にでも記載してもらえればいいのではないかと考える、という労働者代表委員の御意見です。計画において講ずべきとされている措置等については、対象となる年齢を具体的に規定する必要があるものではなく、年齢区分については定義を設けておりません。
 2点目です。計画(案)の1(2)ロ(ハ)の「若年者・女性・高年齢者等の幅広い人材の活躍促進を」の記述について、イメージとして若年者及び女性は入職に関し、ここでの高年齢者は新規に雇入れるというよりは、ベテランの労働者が継続的に活躍する場を提供するという印象を持つので、一括りの表現ではないような記述の仕方があっても良いのではないか、という公益代表委員の御意見です。「若年者・女性・高齢者等」の記載については、入職や活躍の場の提供を含めた包括的な活躍促進という文脈で記載しているものです。なお、入職促進を図る取組については「若年者」と対象を限定して記載しているほか、職場環境の整備については女性・高齢者の活躍促進の意図を明確にするため「女性や高齢者が働きやすい職場環境の整備」といたしました。
 3点目です。計画(案)の中に、技能労働者とか高度な技術・技能という記述が多くあり、読む限りにおいては、高度なというのはガントリークレーンとか門型クレーン、自走式への対応となっている。コンテナ船が出てきて、もう何年もたっている中でこの高度なというイメージが、港湾労働者の高度化というこれからの将来をイメージする言葉が、計画(案)からは見えてこない。技術革新とはこういうものだという何か具体的なものがないと、なかなか理解されないのではないかと感じた、という公益代表委員の御意見です。技術革新やそれに伴い必要となる技術・技能の多様化・高度化については、計画期間の5年に限らず継続的に進展しているものであり、個別の事象ではなく、今後を含めた継続的な変化に対応していく必要があるという趣旨で記載していることから、具体的な記載は行っておりません。
 次に、関門関係です。働きやすい職場環境の取組については、事業主及び事業主団体だけでなく、国(行政)がトイレや休憩所の設置など福利厚生の充実を図り、若年者・女性・高齢者等も働きやすい職場環境の整備を促進されたい、という労働者代表委員の御意見です。休憩所・トイレ等の環境整備については、入職促進を図る取組と並行して取り組むべき課題と考えております。いただいた御意見を踏まえ、職場環境の整備については女性・高齢者の活躍促進の意図を明確にするため「女性や高齢者が働きやすい職場環境の整備」とするとともに、国全体で取り組むべき課題であることを明確にするため「関係省庁と連携し」という記載を追加いたしました。
 2点目です。港湾労働者安定センターの講ずる措置として、職場見学等を通じて若年者等に対して港湾運送業界の仕事や職場の魅力に接する機会を提供することとされているが、実効ある取組とするためにも、国(労働局)、事業主及び事業主団体等の協力が必要であるのではないか、という労働者代表委員の御意見です。若年者に対する理解・入職促進の取組については、港湾労働者雇用安定センター(港湾労働安定協会)に対し人員配置を含め予算措置をしているほか、労働局等関係機関の協力を得つつ行うこととしております。
 3点目です。港湾技能研修センターにて高度な技術・技能の習得及び若手・中堅労働者への円滑な技能の継承に対する支援を強化するとされているが、地方においても技能継承ができるよう、国が地方においても職業訓練の措置を図られたい、という労働者代表委員の御意見です。若年者・女性・高齢者等の幅広い人材の活躍を促進する観点から、高齢者、熟練者からの技能継承を図ることについても重要な課題と考えております。なお、港湾技能研修センターにおいては講習受講費用のほか、旅費等の助成制度や宿泊室が整備されており、引き続き御活用いただきたいと考えております。
 4点目です。従前から計画案に、日雇労働者の直接雇用については、例外的となるように努める旨の記載があるが、常用労働者の臨時雇用についても例外的となるように、同様の内容を計画に盛り込んでいただきたい、という労働者代表委員の御意見です。港湾労働者については、企業内の常用労働者による対応を原則としておりますが、臨時的に港湾運送に従事する労働者についても企業内の常用労働者であり、波動性への対応に際して企業外労働力より優先されるべき労働力であると考えております。
 以上、各港湾労働部会における御意見と、厚生労働省の見解です。各港湾労働部会における御意見については、参考資料3として各労働局からの報告を添付しております。また、この計画を策定する際には、関係都府県からも御意見を伺うことになっておりますが、都府県からは特段御意見はありませんでした。関係都府県からの報告についても、参考資料3として添付しておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
 続きまして、各港湾労働部会での御意見等を踏まえ、前回11月24日の専門委員会から計画(案)を修正しておりますので、修正点について御説明いたします。資料2の新旧対照表を御覧ください。資料1の計画(案)については、これまでの修正を反映したものになりますので、適宜御活用ください。前回からの修正点については、黄色マーカーにしております。主な修正点について、4点御説明いたします。新旧対照表の2ページです。「退職金制度の有無」について、改善すべき状況の主なものとは言えないとして項目を削除しておりましたが、削除する必要はないのではないかという御意見を踏まえ、当該項目について記載を残すこととして、数値の時点修正を行っております。
 続いて3ページです。1(2)ロ(ハ)です。「若年者等」に女性や高齢者が含まれることを明確にするため、「若年者・女性・高齢者等」の後に括弧して「以下『若年者等』という」という定義付けを追加いたしました。なお、「若年者」と限定している部分については、港湾運送業界への理解・入職の促進を図る取組として、令和6年度から新たに高校生に対する職場見学や出前授業を実施する予定であることから、そのような記述としております。
 続いて8ページです。4(1)イです。国が講ずる措置において、職場環境の整備について女性・高齢者の活躍促進の意図を明確にするため、「働きやすい職場環境の整備」の前に「女性や高齢者が」という記載を追加するとともに、国全体で取り組むべき課題であることを明確にするため、「関係省庁と連携し」という記載を追加しております。
 続いて9ページです。4(1)ハです。事業主及び事業主団体が講ずる措置においても、国と同様に、職場環境の整備について女性・高齢者の活躍促進の意図を明確にするため、「女性や高齢者が働きやすい職場環境を整備するなど」という記載を追加しております。なお、女性トイレの設置など職場環境の整備については費用負担等の課題があることは承知しておりますが、幅広い人材の活躍促進を図るための観点の一つとして記載しておりますので、港湾運送事業の特殊性を踏まえつつ取り組んでいただきたいと考えております。
 以上が主な変更点でございます。これ以外にも、省内の事務手続において若干の文言修正を行っておりますが、計画(案)の内容が変わるものではございません。新たな港湾雇用安定等計画(案)について、事務局からの説明は以上です。
 引き続き、室長の島田より御説明を申し上げます。
○島田室長 ただいまの説明に関連して、私から2点ほど補足させていただきます。各地方労働審議会の港湾労働部会からの意見には記載がありませんでしたが、港湾労働部会において、港湾労働法の全港・全職種適用について御意見がありました。前回の専門委員会でも申し上げましたが、港湾雇用安定等計画については港湾労働法3条に基づき、現在、港湾労働法が適用されている港湾及び港湾労働者を対象として策定するものであるため、全港・全職種適用に係る議論は記載しておりません。しかしながら、全港・全職種適用に係る検討については、これまでの専門委員会における議論を踏まえ、港湾労使による港湾労働法適用問題労使検討委員会の場において、議論がなされることとなっていることから、厚生労働省としても検討委員会に参画し、労使の皆様とともに議論を重ねてまいりたいと考えております。
 次に、ワッペン未実施港(名古屋港)の取組状況について御報告します。名古屋港におけるワッペンの導入状況は、昨年10月の専門委員会において、労使の合意が得られていない状況という御説明をいたしましたが、先般、2月8日の愛知地方労働審議会港湾労働部会において使用者代表委員から、ワッペンの導入に向けた検討を行っているという御発言がありました。労働者代表委員としても異存はなく、導入に向けて進めたいということでしたので、今後は導入を前提とした労使協議が行われる見込みとなっております。現時点ではスケジュールを含め、具体的に何かが決まっているという段階ではまだありませんが、進捗状況として御報告させていただきます。
○中窪座長 ありがとうございました。ただいま説明のあった内容について、御質問や御意見がありましたらお願いいたします。それでは髙島委員、お願いします。
○髙島委員 おはようございます。東京地方の労働審議会では厚生労働省の見解として、高校生を主な対象とされていますが、ちなみに今、高校から大学に行く進学率は何パーセントぐらいでしょうか。
○島田室長 正確な数字は分かりませんが、半分は超えているのではないかと思います。
○髙島委員 もっとだと思います。何が言いたいかというと、なぜ高校生だけに絞るのかということです。若年者と言うのだったら、大学生も含めて要るのではないかと思います。恐らく進学率は今、7割、8割だと私たちは認識しているのです。入職促進については女性もと書いてあるにもかかわらず、ここでなぜ高校生だけに絞るのか。この辺は私どもとしては、やはり疑問に思います。実際に大学生も結構入っていることもあるので、厚生労働省の見解として、その辺は高校生だけでなく、幅広く大学生も含めて是非お願いしたいと思います。
○島田室長 今の点について東京の意見としては、高校生よりも、もっと下の世代、小学校や中学校からという観点での御質問だったのですが、それに対しては国の雇用保険の財源で事業を実施するという観点から、やはり入職にというところなので、そこは難しいという御説明をさせていただきました。今、髙島委員からありましたのは、高校生より上の部分に関してかと思います。それはおっしゃるとおりではあるかと思っています。ただ、今回は次年度から事業を開始しようとしている中で、まずは高校生を中心にやりつつ、例えばハローワークに来ている若年者なども、そういうところに取り込むこともできるのか、その辺は検討が必要だと思います。いずれにしても高校生だけに限定という意図ではないので、まずは高校生から取り組んでいきたいと考えております。
○中窪座長 それでは法本委員、お願いします。
○法本委員 法本です。今の議論に関連してです。私は、どちらかと言うと東京の御意見と一緒で、もっと若いうちに港湾の必要性などを知っておいてもらって、そこで働く魅力とか、現実的ではないかもしれないけれども、夢を子供たちに持ってもらったらいいなと。私は、個人的に小学校4年生のときに父親の職場を見学して、この道に進もうと決めました。中学校、高校といろいろ部活動もしましたけれども、もうすぐにこの道に行くと、迷いもなく進みました。そういう観点からも高校生と限定せずに、中学生とか小学生とか、もうちょっと幅広く、そういうことに取り組んでもいいのではないかと思います。
 そこで、安定センターの講ずる措置として、労働局と関係機関の協力を得つつ行うと、地方の労働部会でも発言したのです。地元の小学校や中学校に海員組合が出前授業をして、船員はこういう仕事なんだという取組をしていることを地元の子供たちとか、同じ職場の同僚もいますから、そういうところで関係機関の協力については行政だけなのか、例えば海員組合がやっているように、労働組合がそこに入り込んでやってもいいものなのか。そういうことは現実的にやったことはないのですけれども、取組として行えるのかということで質問をお願いします。
○島田室長 今、事業として想定していることで言えば、港湾労働安定協会の支部を主体として、労働局やハローワーク、業界の関係、あるいは見学といった場合は事業者にも御協力いただきます。それに、港湾カレッジなども訓練を受けて、今後港湾に入っていくための機関なので、港湾カレッジの協力もいただきながらやるということで想定しています。状況によっては、またいろいろな方にお願いしたりということもあろうかと思いますので、個別の所についてはお願いすることもあったり、あるいは何かの制約でできないことがあるのかどうか、そこはまた個別に考えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○中窪座長 よろしいですか。では髙島委員、お願いします。
○髙島委員 今の話ですけれども、今はソーラス条約で、港というのは非常に閉鎖された形になってきているのです。だから、やはり今言われたように、小学校、中学校から港を知ってもらう。それは地域でやっている所もありますし、港運協会を通じてやっている所もありますので、その辺にアシストできるように、是非国としてもお願いしたいということを改めて言っておきます。
○島田室長 いろいろやっていく必要がある中で厚生労働省だと、小学校や中学校への支援は難しいところがあります。ただ、一方で文科省関係のキャリア教育の一環としてそういうものが行われたり、あるいは自治体というか港湾管理者、運輸局のほうでも港の見学を主催して、高校の先生も含めてやられているようです。いろいろな国の機関なり、自治体なり、港湾管理者で取組もやっていますので、全体として進めていけたらと考えております。
○中窪座長 そのほかにいかがでしょうか。それでは澤田課長、お願いします。
○澤田課長 今回の資料2の8ページの新旧対照表で、「関係省庁と連携し」という文言が新たに加えられております。例えば、入職対策であれば事業所管の観点から、比較的分かりやすいのですけれども、福利厚生の対策として、関係省庁との連携ということで具体的にイメージされているものがあれば教えていただきたいと思います。
○島田室長 具体的に今何かこれがというものはないのですけれども、例えば港湾の整備の中で、トイレの設置なども行われているかと思いますので、そういったところがあるのではないかと思います。省庁というか、港湾管理者というかというのはありますけれども、そういったところを念頭に置いた上で記載させていただいております。
○中窪座長 よろしいでしょうか。そのほかにいかがでしょうか。それでは法本委員、お願いします。
○法本委員 法本です。これは福岡の労働部会で出た質問の中の確認で、臨時雇用制度についてです。最後の厚生労働省の見解として、「企業外労働力より優先されるべき労働力であると考えている」というのは、私どもも同じ考えです。しかし、あの場でも発言させてもらったのですが、地域を越えて優先されるべき労働力なのか、それとも地域内、いわゆる派遣制度もありますから、そこを優先的に考えるのか。いわゆる関門港での優先順位なのか。イメージが湧きますか。いわゆる臨時雇用というのは、支店が多ければ多いほど労働力が増えるわけですよね。しかし少なければ少ないほど、労働力は減るのですよね。そこら辺で平等性に欠けるという観点から、私どもはかなり気にしているところで、地元での発言があったと考えております。その辺についてはどうお考えでしょうか。
○山本係長 建設港湾対策室の山本と申します。私から御回答させていただきます。臨時的に港湾運送に従事される労働者については、先ほどもありましたように、制度上、企業内の常用労働者として優先されることになっております。ただ、他の港から労働者が来て応援というか、波動性に対応されることについて、港の中での対応ではないということで問題意識がおありということと、企業によって対応できるできないがあるということは、問題意識として理解いたしましたので、御意見として承って検討させていただきたいと思います。現状の制度としては、まずは企業内の常用労働者として優先されるということは、御理解いただけたらと思います。以上です。
○法本委員 中身というか、考え方が分かっていただけたのであれば、それで一旦は、はい。
○中窪座長 そのほかにいかがでしょうか。いいですか。議論も出尽くしたようなので、この新たな港湾雇用安定等計画(案)をもって、雇用対策基本問題部会へ報告することを御了承いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○中窪座長 ありがとうございます。それでは御了承いただいたということで、雇用対策基本問題部会に報告することとします。報告の際には、これから事務局から配付する報告文案を付けた上で行うことになります。報告文案の配付をお願いいたします。
(報告(案)の配付)
○中窪座長 読み上げをお願いします。
○布施補佐 オンライン出席の皆様には、画面共有とさせていただいております。それでは読み上げさせていただきます。
 「労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会 部会長 守島基博殿。労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会港湾労働専門委員会 座長 中窪裕也。港湾労働法第3条の規定に基づく港湾雇用安定等計画の案について、港湾労働専門委員会において事前に審査した結果、下記のとおりその結論を得たので報告する。記 港湾雇用安定等計画を別紙案のとおり策定することについて、妥当と認める。」
 以上でございます。
○中窪座長 ただいま提案されたとおりでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○中窪座長 ありがとうございます。それでは御了承いただいた報告文を付した上で、雇用対策基本問題部会に報告することといたします。本日予定されていた議題は以上ですが、「その他」として事務局から御説明をお願いします。
○山本係長 事務局から2点、御報告をさせていただきます。まず、令和6年度から新たに実施する事業について御報告申し上げます。参考資料4を御覧ください。「若年者理解・入職促進事業(仮称)の実施」というカラーの資料です。先ほども御意見等がありましたが、本日御了承いただいた新たな港湾雇用安定等計画において、港湾における技能労働者の不足に対応して、若年者に対する港湾運送業界への理解・入職の促進を図るための取組について記載されております。計画の中でも記載しているとおり、港湾運送業界においては、入職率が低調となっております。その背景として、就職先を決定する過程において、港湾運送業界の情報が正しく伝えられていないという状況があるということで、若年者が港湾運送業界と接する機会を提供し、若年者の港湾運送業への理解を深め、入職促進を図る必要があると考えております。
 そのため、参考資料4の2、事業の概要のとおり、出前授業や職場見学会などを通して、高等学校等の生徒や、先生や保護者も含めて、港湾運送業界の仕事や職場の魅力に接する機会をつくるとともに、取組事例の周知広報を行う事業について、令和6年度から新たに実施する予定としております。本事業については、港湾労働者雇用安定センターに対する交付金事業として、港湾労働法に基づく指定法人である港湾労働安定協会が主体となって、6大港を管轄する労働局や関係機関と連携し、取り組んでいただくことを予定しております。委員の皆様におかれましても本事業の実施に当たり、御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
 次に、港湾倉庫の指定区域の改正について御報告いたします。参考資料5を御覧ください。港湾労働法が適用される港湾倉庫の指定の対象となる区域は、港湾労働法施行令第2条第3号の規定に基づき、厚生労働大臣の告示により指定することになっております。今般、関門港において指定区域を拡大するための告示の改正を行う予定としております。具体的には、関門港の一部である下関港において整備が進められている人工島の長州出島について、港湾倉庫指定区域に追加することとしております。長州出島を含む区域は、港湾労働法の施行後に新たに下関港の一部となった区域であり、これまで指定区域に含まれておりませんでしたけれども、今般、倉庫施設が島内で稼働していることが確認されたことから、新たに指定区域に追加することとしました。本件は3月1日付けで告示改正を行い、同日から適用される予定となっておりますので、この場をお借りして御報告をさせていただきます。事務局からの御報告は以上です。
○中窪座長 今の点について何か御質問、御意見はありますか。髙島委員、お願いします。
○髙島委員 説明は理解できるのですけれども、ちなみに事業の予算はどれぐらい考えておられるのでしょうか。
○山本係長 参考資料4の左上のタイトルのすぐ下の所に、令和6年度当初予算案として、2,200万円ということで記載しておりますが、このとおりとなります。
○髙島委員 安定協会にということですか。
○山本係長 港湾労働安定協会へ交付金として交付される金額です。
○髙島委員 これは毎年と考えていいのですか。
○山本係長 はい、今後継続的に実施していくということで考えております。
○中窪座長 よろしいですか。ほかに御質問、御意見等はありますか。よろしければ、本日の審議はこのあたりとしたいと思います。それでは今後の日程等について、事務局からお願いいたします。
○布施補佐 長時間にわたりお疲れさまでした。本日御承認いただいた新たな港湾雇用安定等計画(案)については、2月26日に開催される雇用対策基本問題部会において御審議いただき、決定される見込みとなっております。その後、3月中に告示を行い、4月から新たな計画を適用する予定となっております。本日の議事録については後日、委員の皆様に内容を御確認いただきますので、よろしくお願いいたします。
 最後になりますが、事務局を代表して、高齢・障害者雇用開発審議官の田中より、御挨拶を申し上げます。
○田中審議官 委員の皆様方におかれましては、9月から4回にわたりまして新計画案の策定の議論に参画いただきまして、どうもありがとうございます。お陰さまで皆様の議論を踏まえ、今後5年間の新しい計画の中に新しい視点を盛り込んでいくことができるようになったと思っています。
 港湾だけではないのですが、人口減少の中で労働市場は逼迫しております。港湾労働は特殊性のある分野でもございますが、同様に労働力を確保していくということについては、ほかの産業と比べていろいろ工夫をしていかなければいけない分野だと思っております。今後5年間の計画ということで、先ほど事務局からも御説明したとおり、基本問題部会にお諮りをして、よろしければ3月に告示し、4月からスタートとなります。今後も労使の皆様の現場での御尽力や御議論に加え、業所管官庁とともに国としても一体となってより良い労働環境、我が国の物流を支える港湾の現場が、より良いものとなっていくように取り組んでいきたいと思っております。今回はどうもありがとうございました。
○中窪座長 本日の専門委員会は、これで終了いたします。本日はお忙しいところ、どうもありがとうございました。