第175回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和6年2月29日(木)14:00~15:03

場所

全国都市会館 大ホール

議題

  1. 1.マイナ保険証の利用促進等について
  2. (報告事項)
  3. 1.「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」について

議事

議事内容
○池上課長 定刻になりましたので、ただいまより第175回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御参加いただきまして大変ありがとうございます。
 まず、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、菊池部会長代理、池端委員、内堀委員、河野委員、原委員、横本委員より、御欠席の御連絡をいただいております。
 それから、兼子委員におかれましては、参加が少し遅れておられます。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきますので、御退室をお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○池上課長 それでは、以降の議事運営は田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず、欠席、途中退席される委員の代わりに御出席なさる方についてお諮り申し上げます。
 内堀委員の代理として、伊藤賢一参考人、横本委員の代理として、井上隆参考人の出席につき御承認いただければと思いますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
 それでは早速、議事に入ってまいります。
 本日は「マイナ保険証の利用促進等について」を議題といたします。
 では、まず「マイナ保険証の利用促進等について」を議題として、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
 では、よろしくお願いいたします。
○竹内課長 医療介護連携政策課長でございます。
 資料1「マイナ保険証の利用促進等について」御説明をいたします。
 資料の2ページをまず御覧いただきたいと思います。
 医療DXの基盤となるマイナ保険証のメリットといたしまして、吹き出しにございますように、これまで、確実な本人確認によりなりすましが防止できること、また、患者本人の健康医療データに基づくよりよい医療を受けることができること、高額療養費の自己負担限度額を超える分の支払いを免除されることといったようなことを申し上げてきたところでございます。
 また、左上にございますように、昨年1月から運用開始いたしました電子処方箋の管理サービス、また、右上にございますように、今後は電子カルテ情報共有サービスが開始され、リアルタイムの処方・調剤情報や診療に必要なカルテ情報の共有ができるようになるということでございます。このほか、右下でございますが、救急医療における患者の健康・医療データの活用、左下にございますように、医療機関の診察券や公費負担医療の受給者証とマイナンバーカードとの一体化、さらに、将来的には、スマートフォンに搭載されたマイナンバーカード機能を活用したスマホ一台での医療機関等の受診、こうしたことが可能となってまいります。こうした社会を見据えまして、今から少しでも多くの方にマイナ保険証を御利用いただきたいというふうに考えております。
 資料の3ページを御覧いただきたいと思います。
 マイナ保険証の利用等に関する現状でございます。上から順に御説明いたしますと、まず、マイナンバーカードの保有状況といたしましては、1月末時点で全人口の約73%に相当する9168万人がカードを保有しております。そのうち約78%に相当する7143万人がマイナンバーカードの健康保険証としての利用登録をされております。
 また、後ほど御紹介いたしますけれども、デジタル庁が実施したアンケート調査によりますと、マイナンバーカードをお持ちの方の約半分、人口全体の約4割がマイナンバーカードを携行しているとされておりますほか、当省が今月上旬に実施いたしましたアンケート調査によれば、カード保有者の約4人に1人がマイナンバーカードを健康保健証として利用したことがあるとされております。
 最後に、マイナ保険証の直近の利用実績でございますけれども、本年1月分で約753万件、オンライン資格確認の利用件数のうち4.60%となっており、厚生労働省といたしましては、マイナンバーカードの健康保険証としての利用登録や実際の医療機関等におけるマイナ保険証の利用をさらに促進していく必要があるというふうに考えております。
 資料の4ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらは1月28日時点の年代別マイナ保険証利用登録件数とカード保有枚数を分母にした登録率をお示ししております。平均登録率は77.9%となっておりますが、年代別の状況を見ますと、0から4歳の乳幼児や80歳以上の高齢者で相対的に登録率が低くなっております。
 5ページを御覧いただきたいと思います。
 マイナンバーカードの健康保健証としての利用登録につきましては、マイナポータル、セブン銀行ATMのほか、医療機関・薬局の受付に設置しております顔認証付きカードリーダーでも簡単に手続を行うことが可能となっております。まだ利用登録をされていない方が医療機関等を受診された機会に、その場で利用登録をしていただけるよう、医療機関・薬局に掲示、配布できるチラシを作成してございます。
 資料の6ページを御覧いただきたいと思います。
 先ほど触れさせていただきましたけれども、マイナンバーカードの携行率についての資料でございます。デジタル庁が令和5年11月から12月に2万人に実施したwebアンケート調査によりますと、マイナンバーカードの携行率は、マイナンバーカード保有者の5割、調査対象者全体の4割との結果となっております。また、下の段は厚生労働省が令和6年2月、今月上旬に18歳以上のマイナンバーカード保有者を対象に実施したwebアンケート調査の結果でございますが、こちらの調査でもカード保有者のうち約4割が常に携行しているとの結果となっております。
 資料の7ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらは同じく厚生労働省が実施したwebアンケート調査におけるマイナ保険証利用についての意識に関する設問の回答結果でございます。上の段は、マイナンバーカードを利用する用途・目的に関する設問の回答結果でございまして、健康保険証として利用すると回答した方が、昨年3月時点では回答者全体の10%程度であったのに対しまして、本年2月の回答結果では23.3%、約4人に1人まで増えてございます。
 下の段は、マイナ保険証の印象に関する設問の回答結果で、「(今後も)利用したい」かとの問いに対しまして、「当てはまる」又は「やや当てはまる」と回答した割合が約37.0%となっております。
 資料の8ページを御覧いただきたいと思います。
 先ほど御説明いたしましたように、マイナンバーカードを常時携帯する者が約4割となっている現状を踏まえますと、マイナ保険証の利用促進のためには、医療現場におけるマイナ保険証の利用勧奨とDXの推進が重要であるというふうに考えております。そこで、令和6年度の診療報酬改定におきましては、医療DXを推進するために、新たに医療DX推進体制整備加算といたしまして、来年3月末までの電子処方箋の導入やマイナ保険証について一定程度以上の利用実績を求める新たな加算措置を導入することとしております。
 資料の9ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらは本年度の補正予算で計上いたしましたマイナ保険証利用促進のための医療機関等への支援金についての資料でございます。先月1月から取組期間が始まっておりまして、5月までの平均利用率が昨年10月の利用率からどの程度増加しているかに応じまして、左下の表にお示しした支援単価により計算される支援額が支給されることとなっております。本支援金につきましても、現在、各種セミナー等におきまして、各医療機関・薬局に積極的に周知を図っているところでございます。
 資料10ページを御覧いただきたいと思います。
 各医療機関の窓口・受付での対応やホームページ等の御案内の見直しについて御活用いただくためのチェックリストになっております。窓口での声かけを「保険証をお持ちですか」から「マイナンバーカードをお持ちですか」などに切り替える、医療機関のホームページで案内している所持品についてマイナンバーカードを明記する、こうしたことを挙げてございます。10ページは医療機関向け、11ページが薬局向けとなっておりますが、いずれも厚生労働省のホームページに各種周知資料とともに公表してございますので、ぜひ御活用いただければと思います。
 資料の12ページを御覧いただきたいと思います。
 先ほどのチェックリストにも記載されていたマイナ保険証の利用促進の取組につきまして、オンライン請求を実施している全施設、約17万施設の医療機関・薬局を対象に、取組状況のアンケート調査を実施いたしました。その結果、調査対象施設の約4割が窓口で「マイナンバーカードをお持ちですか」などの声かけを、また、6割超がマイナ保険証のポスターの掲示等を行っているというふうに回答しております。
 一方、ホームページでの案内等でのマイナンバーカード対応については未実施との回答が多く、約2割の施設では、マイナ保険証の利用促進に関する取組を実施していないとの結果が出ております。
 資料の13ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらは都道府県別に算出いたしました本年1月のマイナ保険証の利用実績でございます。黄色で塗られております県が上位5県、最も高いのは鹿児島県で8.44%、灰色で塗られております県が下位5県となってございます。
 14ページを御覧いただきたいと思います。
 こちらのグラフは、前のページでお示しいたしました都道府県ごとのマイナ保険証利用率と、その前のページでお示しいたしましたマイナ保険証利用促進の取組状況の相関関係を表したものになっております。都道府県ごとのマイナ保険証利用率と受付窓口での声かけを「マイナンバーカードをお持ちですか」などに切り替えた施設の割合との間には一定の相関が見られており、医療機関等の受付で「マイナンバーカードをお持ちですか」と声をかけていただくことにより利用率の向上が期待できるのではないかと考えております。
 15ページを御覧いただきたいと思います。
 都道府県におけるマイナ保険証の利用促進の取組についてでございます。マイナ保険証は、医療DXの前提となる仕組みであり、その利用促進は、地域の医療機関間の情報連携が進むなど、質の高い効率的な医療の提供につながることから、医療提供体制の整備や医療費の適正化に関する取組を行っている都道府県にとっても重要な課題であると考えております。今後、厚生労働省から都道府県に対しまして、マイナ保険証の利用促進に関する説明会を実施するとともに、都道府県において保険者協議会等の場を活用し、保険者・医療関係者等における積極的な取組を促すこととしております。
 16ページを御覧いただきたいと思います。
 昨年11月のマイナ保険証利用率について、保険制度別に上位5保険者をお示ししております。最も利用率が高い保険者だと20%を超えているところもございます。各保険者におけるマイナ保険証の利用促進の取組に役立てていただけるよう、今月から各保険者に対してマイナ保険証の利用実績を通知しております。
 17ページを御覧いただきたいと思います。
 国家公務員共済組合のマイナ保険証の利用状況でございます。国家公務員にはマイナ保険証を率先して使っていただけるよう、各省庁の共済組合を通じ、利用勧奨等を行っております。厚生労働省におきましても、本日、武見大臣のほうから全職員にビデオメッセージの形でマイナ保険証の利用を呼びかけていただいたところでございます。
 18ページを御覧いただきたいと思います。
 事業主を通じたマイナ保険証の利用促進についてでございます。国のリーダーシップの下、地方自治体、医療機関・薬局、保険者、事業主等の関係者が一体となってマイナ保険証の利用促進に取り組む一環として、厚生労働省から経済団体に対して次のことを要請してございます。まず、事業主から従業員に対して、マイナンバーカードの取得とマイナ保険証の利用を呼びかけていただきたいこと、本年4月の新規採用者について、内定段階でマイナンバーを収集し、入社後の保険証交付時にマイナ保険証の利用勧奨を行うこと、また、マイナンバー取扱業務を外部委託している場合を含めまして、資格取得から5日以内の保険者への届出を改めて徹底することなどを要請してございます。
 続きまして、オンライン資格確認について御説明をいたします。資料の20ページを御覧いただきたいと思います。
 顔認証付きカードリーダーの同意画面の改善についてでございます。高額療養費の限度額適用認定証情報の提供につきましては、現在、顔認証付きカードリーダーの画面上で同意を取得する運用としておりますが、医療現場より、同意画面を見逃してマイナ保険証を取り出してしまう、また、高額療養費が適用される場面では、必ずしも患者からの同意が取得できるとは限らないなどの御意見があったところでございます。
 この点、高額療養費の限度額適用認定証情報は、薬剤情報等と異なり、要配慮個人情報ではないこと、また、電子資格確認としてその提供が法定されていること、こうしたことを踏まえまして、カードリーダーにおける同意画面を省略することとしてはどうかと考えております。
 あわせて、下の段は、健康・医療・介護情報利活用検討会医療等情報利活用ワーキンググループにおける議論の御報告となりますが、薬剤情報等の提供同意について、患者がマイナポータルで事前に設定した同意内容やその医療機関を前回受診した際の同意内容を基に、同様の同意画面が何度も続く形ではなく、医療機関・薬局単位で、顔認証付きカードリーダー画面での包括的な同意設定を可能とする方針とされております。これらにつきまして、本年夏の機能リリースに向け、必要な改修対応を行う予定であります。
 資料の21ページを御覧いただきたいと思います。
 オンライン資格確認の災害時モードについてでございます。通常時は、薬剤情報・診療情報・特定健診等情報を閲覧するには、本人がマイナンバーカードによる本人確認をした上で同意した場合に限られるわけでございますが、災害時におきましては、特別措置として、マイナンバーカードを持参しなくても、御本人の同意の下、薬剤情報・診療情報・特定健診等情報の閲覧が可能な措置を実施しております。今般の令和6年能登半島地震を受けまして、本年1月1日以降、この災害時モードを被災地に開放しており、2月26日時点で石川県、富山県を中心に約2万9600件の利用がございました。
 資料の22ページを御覧いただきたいと思います。
 災害時モードの対象医療機関・薬局に対しましては、第三者が患者以外の情報を閲覧するなどの目的外利用を防ぐため、オンライン資格確認等システム利用規約に基づきまして、災害時モード利用時の留意事項を周知しております。また、現在、災害時モードは石川県全域に開放されておりますが、今後、3月7日木曜日をもって地域単位での開放は終了する一方で、被災者の医療情報を閲覧した実績のある施設などからの申出により、個別適用することを予定しております。
 資料23ページ以降は参考資料となっております。
 資料1の御説明は、以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等ございましたら、挙手にてお願いいたします。オンラインで御参加の委員におかれましては、挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。
 では、まず、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。2点コメントをいたします。
 1点目でございますが、資料1の4ページに記載されているとおり、マイナカードの保険証登録が医療機関や薬局のカードリーダーでほんの二、三秒でできるとのことでございます。しかし、こういった事実を知らない方が非常に多いと思います。実は私も数日前まで知りませんでした。大変驚きました。これ一つとっても、政府からの広報が不足しているというふうに言わざるを得ないとも思います。
 これまで何度も申し上げてきておりますが、能登半島地震の被災者の医療情報へのアクセスの多さを見るまでもなく、マイナ保険証は命のカードだというふうに私はいつも申し上げてきているのですね。非常時には、カードそのものはなくても、医療情報へのアクセスが可能となっているようですので、それもマイナンバーカードの保険証登録がなければタイムリーに適切な対応ができない、対処ができないわけでございます。政府には、マイナ保険証を持つメリットに併せて、持たないことのリスクを前面に出した内容の広報も御検討いただければと思います。商工会議所としても、普及拡大に向け、引き続き全面的に協力させていただきたいと思います。
 2点目でございます。13ページのデータを拝見して、マイナ保険証の利用促進に当たっては、医療機関や薬局の皆様の影響力がとても大きいということに改めて気づかされました。患者は、ドクターや看護士さん、薬局の方の説明があれば、冒頭に申し上げた簡便な登録方法と相まって、マイナ保険証の利用に踏み出しやすいのではないかというふうに考えます。7ページ、8ページにまとめられていますインセンティブも有効だと思います。これにより、医療機関や薬局と患者の間のコミュニケーションがさらに拡大することを大いに期待します。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
 マイナ保険証の利用促進について国が取り組んでおられることについては全く異論がございません。保険証の廃止が12月に予定されておりますので、保険者においても利用率の目標設定を行ったところでございますし、この利用促進については、保険者として健保組合もできる限りの協力をしたいと思っています。その一環として、健保連では事業主、また国民に向けて、動画やリーフレットでの周知、また、国と協力してCM動画の作成等も進めておりますので、引き続き、医療機関等、関係団体の皆様とも協力をして進めていきたいと思っております。
 一方で、マイナ保険証の利用促進に関しては、現場である健保組合から相当多くの声をいただいております。本日はその点についてコメントをしたいと思います。大きく分けますと3点ございます。1点目は医療機関における働きかけの強化、それから2点目はマイナンバーカードのメリットの拡大、それから3点目は加入者、事業主への対応に関する要望でございます。若干細かいこともございますけれども、そこは御容赦いただければと思います。
 1点目の医療機関における働きかけの強化については、まだいろいろな部分で取組に差があるという声が出ております。1つ目は医療機関の受付窓口にある「診察券・保険証入れ」、これが従来のまま設置されているケースが大変多いということで、患者から見ますと、これまでどおり保険証の提示が必要だと誤解をしてしまうという声が上がっております。医療機関の窓口においても、患者がオンライン資格確認を行った後に診察券を提示するといった動線変更をぜひ御検討いただきたいと思っています。
 2つ目は、これは資料にも入っていましたけれども、医療機関において、マイナンバーカードを持ってきていない方に対して、「次回はマイナンバーカードを持ってきてください」と、ぜひこの声がけをお願いしたいと思います。その実効性を上げるためには、例えば窓口においての登録もできるということであれば、窓口における登録率をチェック・公表することも有効なのではないかと思っています。
 3つ目は、資料を拝見しますと、まだ取組を行っていない医療機関も17%程度あるということでございます。医療機関の窓口に行ってみたらカードリーダーの電源が入っていなくて使えなかったとか、また「念のため保険証も提示してください」と言われたとか、極端な例かもしれませんが、言われて家に取りに帰ったというケースも聞かれ、利用促進がなかなか難しいという声を聞いています。そういう意味で、各医療機関における利用状況、実績等も適宜共有いただいて、利用可能な医療機関の体制が整うような御指導をお願いできればと思います。
 4つ目でございますが、薬局における利用率がなかなか上がらない。薬局においては、保険証で資格確認をしないで、処方箋で資格確認をするということが認められていることもあり、マイナ保険証の利用が進みにくい面もあるのではないかと思いますので、やはりマイナ保険証での資格確認を第一に行っていただくような形での積極的な声がけをお願いできればと思っております。
 それから、大きな2点目のマイナンバーカードのメリット拡大。ここはやはり国民が実感できるマイナンバーカードのメリットの拡充やアピールについてお願いをしたいと思いますが、幾つかございます。1つ目は、従来からメリットとして限度額適用認定証の取得申請手続が不要になることについては、もちろん大きなメリットなのですが、残念ながらこの活用の機会は相当に限られているということで、多くの加入者にとってはメリットが実感しにくいという実態がございます。国においては、マイナ保険証の利用を通じた多岐にわたるメリットを整理いただいて、お示しいただければと思っています。
 2つ目としては、資料にもございました電子処方箋の推進。これまでも何度か申し上げていますけれども、患者が処方箋を紛失するという心配がなくなり、医療機関から見ても紙の削減になるなど物理的なメリットも多々あると思いますので、マイナ保険証の利用とセットで強力に推進すべきだと思っています。
 3つ目は、これも資料にございましたけれども、診察券・公費負担医療受給者証とマイナンバーカードの一体化が進めば、患者の利便性向上においては大変有効な取組であると思いますので、ぜひ多くの医療機関において、この取組を積極的に進めていただきたいと思います。
 4つ目でございますが、やはり災害時のメリットだけではなくて、救急の場でのメリットも説明したほうがいいのではないかと思いますし、また、70歳以降の方の利用率が低くなっているということを見れば、高齢者受給者証の提示が不要になるとか、こういったメリットの周知にぜひとも工夫をいただければと思っております。
 最後、大きな3点目は、健保組合において加入者・事業主への対応に関する要望についてお話をさせていただきます。1つ目は、事業主に対して、従業員に対するマイナンバーカードの取得とマイナ保険証の利用を呼びかけるのは当然重要でございますし、先ほど御説明がありましたけれども、例えばマイナンバーの事前収集について、新規登録が多い、新入社員が入社する機会を捉えた取組というのは大変効果があると思っております。そういう意味では、保険者としても最大限努力してまいりますけれども、やはり事業主においても周知がより進むような形での国のほうからの働きかけもお願いできればと思っております。
 また、健保組合からは、利用率の目標設定について、保険者単位ではデータが出るということでございますけれども、健保組合単位だけではなくて事業所単位でも利用率を提供いただければ、健保組合の中で、いわば事業所間である種の競争意識を持たせて連携・協力が進められるのではないかという意見がございます。また、今後作成を予定されています資格情報のお知らせ等については、例えば電子的交付の具体化ですとか、また、マイナポータルでご自身が確認いただくことも検討してほしいという声が上がっておりますので、ぜひ御検討いただければと思います。
 最後に、先ほどのご説明を聞いても、利用率が地域によって差があるということがございます。そういう意味では、地域レベルの取組も大変重要だと思っています。例えば、先ほどございました保険者協議会においては、まさに当事者が全員集まるわけですから、毎回、この利用状況の進捗状況を必ず議題として取り上げるなど、具体的な取組を示す必要があるのではないかと思っています。
 また、当然、保険者協議会だけではなく、国保運営協議会ですとか市町村単位も含めて、様々な地域レベルでの会合の場でもって取組を推進していくことが重要ではないかと思っておりますので、やはり実効性を上げるためにも、毎回その進捗状況を把握したり、共有したりとか、こういうこともさらなる推進のために必要ではないかと思っております。
 以上、長々と申し上げましたけれども、健保組合としても引き続き利用促進には積極的に取り組んでいきたいと思っておりますので、国においても、各現場の声も聞きながら、ぜひ利用促進に取り組んでいただければと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、伊藤参考人、よろしくお願いします。
○伊藤参考人 ありがとうございます。
 まず、今回、資料15ページに都道府県におけるマイナ保険証利用促進の取組が示されたところですが、都道府県の役割や事務負担の増加が見込まれる部分等に関しましては、今後開催される説明会において丁寧に御説明いただくとともに、都道府県や保険者協議会における取組を実効性のあるものとするため、新たな費用負担が生じる場合には、国において必要な財政支援等の措置を講じていただくようお願いいたします。
 また、引き続き、国の強いリーダーシップの下、マイナ保険証を利用することによるメリットや意義についての普及啓発を進めていただくとともに、医療DXの基盤として一層の利便性向上に向けた取組を着実に推進していただくよう、重ねてお願いいたします。
 私からは以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございます。
 それでは、井上参考人、よろしくお願いします。
○井上参考人 ありがとうございます。
 マイナ保険証の利用促進につきましては、今後の医療の質のさらなる向上でありますとか、また、深刻な人材不足への対応に向けまして、医療DXの推進をする上で不可欠というふうに私どもとしても考えております。
 この利用促進につきまして、事業主を通じた働きかけも重要だと思っております。先ほど佐野委員からも御指摘がありましたが、私ども経団連といたしましても、既に周知活動を行っておりますけれども、引き続き、会員企業に対して利用促進に向けた働きかけを強力に行っていきたいと考えております。
 マイナカードの携行率は全体の約4割に上っているということでございますけれども、一方で、その利用率が上がらないということでございますので、医療機関の窓口での働きかけということが非常に有効になると思います。ぜひとも医療機関において、一言違った形で利用の促進をお願いしたいというふうに思います。
 また、カードを使うメリットというものを国民に分かっていただくには、これも資料の中にありましたけれども、やはり診察券をマイナカードでも適用できるということが最もメリットを感じられるのではないかと。今は診察券と保険証という2枚のものが、マイナンバーカードを持っていけば1枚で済むようになるということは非常に大きなメリットだと思いますので、ぜひこういう取組も積極的に進めていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 高額療養費の自己負担分の限度額を超える分の支払い免除ということがありますが、多分こういうふうになれば、医療費還付金詐欺というのもなくなるのではないか。私は実は医療費還付金詐欺に引っかかりそうになってしまって、あわやというところまでいったのですが、だから、そういうメリットもあるということをもうちょっとPRしたほうがいいかなと思います。
 それから、もう一つ気になったのは、20ページのところで、包括同意にしていただいたのは非常に便利で、毎回同意しますというところにチェックしなくてもいいのは便利ですが、ただ、気になるのは、総合病院とか大学病院とかはいろいろな科がありますね。その中で、この科はいいけれども、こっちでかかったものはあまりオープンにしたくないとか、そういうこともあるのではないか。例えば特別な手術だとか、精神疾患の場合とか、そういうことを考えると、総合病院での同意は個別の診療科ごとにはできないのかということをお聞きしたいです。
○田辺部会長 では、お願いいたします。
○中園室長 保険データ企画室長です。御質問ありがとうございます。
 前回受診などをされた際の同意の情報を次回に引き継ぐ形で登録ができて、前回と同じであれば包括同意を行って、以降の操作が省略ができるという形で、現在、医政局を中心に検討しているところです。
 総合病院のケースですと、前回と同じ診療科でそのまま続けて次回も同じ診療科で受けられる際には、前回と同じようにということでしたらこの包括同意を御活用できるかと思いますが、前回と異なる診療科を受けられて、前回と違って提供される情報を変更したいという場合は、それぞれの個別の情報の同意画面のところで、同意の有無を選択していただく運用の方向で、現在検討していると伺っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますか。
○袖井委員 はい。
○田辺部会長 では、猪口委員、よろしくお願いします。
○猪口委員 ありがとうございます。
 とにかくマイナ保険証というのは、2ページにありますように、今後の医療DXの基盤というふうに考えておりますので、医師会としましても、病院団体にも、とにかく患者さんへの声かけを積極的に行うようにというお話はさせていただいております。ですが、声をかけたときに、何かリーフレットのようなものを国のほうで、現状これができます、いつ頃からこういうこともできるんです、という事を分かりやすくつくっていただいて、それを医療機関とか薬局に配布するというふうにすると効果があると思います。現実には、今、患者さんが受けられるメリットはあまり多くはないのです。我々も1回内容を確認すると、翌月来てもまた同じ内容を確認するということが起きていますので、いつ頃からこれができるんだということを分かりやすくして配布していただけると、我々もそれを使って声をかける。そうするともっと効果的になるのではないかと考えられますので、ぜひお願いしたいと思います。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、横尾委員、よろしくお願いします。
○横尾委員 ありがとうございます。端的に感じるのは、「安全運転のための運転免許証」に対して、こちらは「安心な暮らしのためのマイナ保険証」だと思うのですね。特にそういった意味での保険証としての利用がもっともっと進めばいいなと思っておりまして、幾つか述べたいと思います。
まず、マイナ保険証としての登録の数を増やしていく必要がありますので、今は8割弱になっていますけれども、増やすことは自治体も含めて努力をしていきたいと改めて思いました。
 2点目に感じることは、行政サービスはもっとデジタル化を促進すべきだと思います。先日、参議院に呼ばれて行政監視委員会で意見を述べさせていただいたのです。そこでもこのことを申し上げました。マイナンバーカードでいろいろな必要書類が簡便に取れるようになれば、もっともっと利用が増えますし、今、委員がおっしゃったようなことも含めて、マイナンバーカード、マイナンバー保険証は大変便利だなということになっていくと思うのです。特に思うのは、日本の場合は、「まだまだ文書で交付する」、「文書を出す」、「文書で提出する」という手続が残っております。海外の場合どうなっているかというと、サイバー上で照合して、サイバー上で手続を終えるようにしていますので、無駄な紙、無駄な書類提出がほとんどないような方向でやっている国もあります。そしてまた、そのようにしなければならないという考え方に基づいて、「国民に無駄に紙を何遍も出させてはならない」というルール化がされている国もあります。そこまで一気にはいかないとしても、そういう考え方を持って政府のほうで進めていただくと、いわゆるデジタル化はもっともっと進むのではないかなと思います。
そういった意味では、首相官邸やデジタル庁を要として、しっかりグリップを利かせて、日本の行政全体をトータルとして見て、DXを図るということを大きくやりながら、その中の最初の入口がこのマイナンバーカードの保険証としての活用だと思いますので、ぜひこのことを進めていただきたいと心から思っています。
 3点目に思っていることは、先ほどほかの委員もおっしゃった災害の対応です。今回の能登半島地震でもはっきりしましたけれども、あれだけ道路が寸断され、歩くこと、移動が困難な場合に何が起こるかというと、これは3.11でも起こったのですけれども、避難所に避難した自分の家族がどこの避難所にいるか分からないということで大変難儀されました。東北の東日本大震災の場合は、家族の安否を知るために瓦礫の上を歩き回って、お父さんは家族を確認して体育館や避難所を回るのです。そして、やっと見つけたということになったのですね。でもその行動の副産物で出てきたのが、靴底についたヘドロの関係で感染症がいろいろなところで発生する要素が増してきたというリスクも聞きました。これを防ぐことも含めて、避難所にカードリーダーがあれば、「どこどこの避難所にあなたの家族はいらっしゃいます」、「こういう状況です」というのがリアルタイムに近い状況で瞬時に把握ができますから、こういった意味でも家族のサポートになると思います。
 また、避難所等における健康チェック、健康バイタルデータに関しても記録ができますし、救急を呼ばなければいけない状況になったときに、いち早く健康医療データを照合して、的確な医療を迅速に提供できますので、命を守ることにも速やかにつながっていくと思うのです。こういった効果もよりよく広報していく必要があるだろうと思います。
 4点目は、先般の各保険者全てと医師会、歯科医師会、薬剤師会の先生方の会長をはじめとした団体と武見厚生労働大臣との意見交換会と会議がございました。その場で大臣からも直接おっしゃっていただいたように、やはり医師の先生方が患者の皆さんに直接分かりやすくこの必要性についてお話いただくことが肝心と思います。もちろん、一々説明するのは大変だと思いますので、「次はマイナンバーカードの保険証を持ってきてね」というような趣旨をまず伝えていただくことと、医療機関の窓口で、「マイナ保険証を持ってきてくださいね、おばあちゃん」とお声をかけていただくことはとても大切だと思います。命や健康を守るためにも、マイナ保険証が有効であることをご理解いただけるように進めば、高齢者の皆さんも保険証とマイナンバー健康保険証を持っていたら、マイナカード保険証を使われるようになっていくだろうと思うのです。
 その上で、私は全国後期高齢者医療広域連合協議会の会長もしていますので、改めて感じているのは、高齢者の皆さんによりよく分かっていただく必要があると思っています。マイナ保険証を取りあえず使ってくださいだけではなくて、分かりやすい趣旨説明を、先ほど何人かの委員もおっしゃったようなことも含めて、ぜひ政府広報の中で的確に御指導いただきたいなと思うところです。
 あわせて、より良くそれを加速していくために必要だと思われるのは、実は窓口でのサポートも時には必要かなと感じています。しかし、そのためには人員が必要だったり、作業が必要だったり、時間も要したりすると大変ですので、先ほどほかの委員もおっしゃいましたけれども、分かりやすいリーフレットとか、分かりやすいビデオでもいいのですけれども、そういったものを提供いただくといいなと思います。
 私自身も医療機関に行って自分の検査とかを受けるときに感じるのですけれども、待合のスペースにサイネージなど、動画による情報提供があります。例えば、コロナのワクチン接種のときにも、私どもも接種会場の待機スペースで動画を流しました。それはコロナワクチン接種に関する情報でした。例えばそこに、こういったことに関する情報も追加で出して紹介できるようにしておくと、より分かりやすく伝わります。その場で聞いていただいて、多くの方が認知して、理解して、そして納得いただければ、利用促進もよりよい形で進むのではないかなと思います。
幾つか申し上げましたけれども、ぜひこういったことを進めていただいて、よりよい医療の提供、そして、「安心な暮らしに必要なマイナ保険証」ということが早くできるように心から願っています。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、渡邊委員、よろしくお願いします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
 マイナ保険証の利用促進については、日本薬剤師会においても、先ほど佐野委員からもありましたように、薬局においては今まで健康保険証を確認するスキームがなかったので、そこからではあるのですけれども、着実に窓口での声がけ、ポスター等の掲示などを含めて、薬局における患者啓発がなされるように現場での取組の周知に努めているところでございます。今後も積極的に進めてまいりたいと思っています。
 そのような中で、2点要望と1点質問というか確認ですけれども、1点目は、国民への直接的な広報をお願いしたいという点であります。スライドの3枚目においては、マイナンバーカードの保有者の約半分が携行されているということですが、その中にあって、マイナ保険証の利用状況が低いということは取り組むべき課題なのかと思っています。
 改めて、薬局でも積極的な周知啓発に努めてまいりますけれども、まず国民が保険証としてマイナンバーカードを安全、便利に使えるんだということと、質の高い医療の提供につながるんだというメリットを広く認識していただけるように、ぜひメディアであったり公共の施設、交通機関のサイネージであったり等々、国民に直接このような動画での広報を行っていただくようなことができないのかというのが1点目です。
 2点目に関しましては、厚生労働省から分かりやすい広報用のデジタルサイネージ用の動画コンテンツを提供していただけないかという部分であります。以前作成いただいた動画はあるのですけれども、その中には、マイナンバーカードの健康保険証利用の申込みについて、特定の薬局の固有名詞が入った画像とともに、一部の薬局で申込みをサポートしてくれますという表示がされております。これは現在では状況が変わっており、ほぼ全ての薬局で既に利用登録の申込みは可能になっています。また、ひもづけられていないマイナンバーカードであっても、まずは御持参くださいという案内が必要かと思います。デジタルサイネージ等を利用している薬局も多くありますので、最新の分かりやすいサイネージ用の動画を御提供いただきたいと思います。それを活用しながら一層の啓発を図ってまいりたいと考えております。
 3点目は質問というか確認なのですけれども、スライドの20ページで本年の夏のオンライン資格確認の改修の部分です。「前回までの受診内容を基に、」という記載がされております。これに関しては、一回同意をしたら、次回に関しては、それに毎回同意をしなくても包括同意の中でできるようになるという意味合いなのか、それと併せて、今は4回同意するという画面が続きますけれども、今夏の改修の時点で、もうそれが包括同意の1枚の画面になるのかという部分、確認になります。
 少し具体的なイメージがつかみにくいですので、現場の薬局、医療機関にとって、今回このような改修がなされて、どのように変化するのかということを少し分かりやすく何か周知するなど工夫をお願いしたいと思います。
 最後に少し付け加えになりますけれども、今回の災害時にアクティブ化されたことについては、かなり有効に機能したと聞いております。今後、居宅同意取得型がモバイルの活用で動き出したら、さらに避難所等々においてもモバイル等による居宅同意取得型のシステムを含めてアクティブ化されると、仮設の診療所、調剤所等々でも使えるのではないかと思います。今後、居宅同意取得型の災害時の活用という部分も期待したいところであります。
 以上であります。
○田辺部会長 1点御確認がありましたけれども、よろしくお願いします。
○中園室長 保険データ企画室長です。
 包括同意の関係で御質問いただいてございます。御指摘のとおり、前回受診等された場合の同意の情報をそのまま引き継いで包括同意という形で、個別情報それぞれの同意画面を省略することができるという形になると伺っております。また、事前にマイナポータルを活用して、医療機関・薬局に行かれる前に、事前に同意の有無を御本人が設定して、それをマイナポータルに登録することも可能とする取組も今後検討される予定と伺っています。それぞれの実際の実装の予定など、さらに詳細が見えてまいりましたら御報告したいと思っております。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
 では、村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
 これまでも皆様方から御意見がございましたけれども、やはりマイナ保険証の利用が質の高い医療につながっているというメリットを実感できるように、分かりやすい広報と同時に、電子処方箋や電子カルテなどの医療DXのさらなる実現に向けた取組をぜひ進めていただきたいと思います。
 また、1点質問なのですが、資料の24ページにオンライン資格確認の利用状況ということで、中ほどにマイナ保険証の利用件数というグラフがございます。利用率が若干ではありますけれども低下していますが、その理由は何か、要因というものは考えられているのでしょうか。その点、もし分かれば教えていただければと思います。
○田辺部会長 この点いかがでございましょう。よろしくお願いします。
○中園室長 保険データ企画室長です。
 24ページ目のマイナ保険証の利用率に関して、昨年4月時点で6.30%だったものが低下していることの背景についてです。昨年5月に資格情報とマイナンバーとの紐付け誤りの事案が報道され、大変ご不安を与えてしまったということがございます。その後、私ども、各保険者に御協力いただきながら、保険者における自主点検を行い、さらに入念的に、登録済みのデータ全体を住民基本台帳情報に突合する作業を行い、11月末にその突合作業を完了させたところです。引き続き、オンライン資格確認等システムの適正な運用を図りつつ、また、医療現場に対しても、利用促進のための様々な取組のサポートや支援を行ってまいりたいと考えております。
○田辺部会長 どうぞ。
○村上委員 ありがとうございました。
 そういった意味では、こういうことをきちんとやってきて安全であるということも、広報の中できっちりとやっていただくことが必要と思っております。
 以上です。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょう。
 では、大杉委員、よろしくお願いします。
○大杉委員 ありがとうございます。
 資料1の3ページにマイナ保険証の利用等に関する現状が示されておりますけれども、マイナンバーカードの保有率が全体の人口の約73%、そして、そのうちのマイナ保険証の登録者が78%であり、全体から見ればまだ56%ぐらいしかない。そして、保険証として利用した経験があるのはカード保有者の約4分の1であります。
 12ページの医療機関の取組状況に示されているとおり、歯科診療所では約半数近くの割合で受付の際に「マイナンバーカードはお持ちですか」とお声がけをさせていただいています。先ほどの3ページにありますように、マイナンバーカードを常に携行している患者さんがまだまだ少ないがため、声かけの効果が上がるのにも限界があります。マイナ保険証の利用促進は、医療機関での声かけだけではなく、厚労省をはじめとする国が主体となって、マイナンバーカードをクレジットカードや運転免許証と同じように常に携帯することの大切さや安全性について、国民にしっかりと周知をしていただきたいというふうに思います。
 また、21ページのとおり、今回の令和6年能登半島地震におきましては、災害時モードの情報閲覧件数が約2万9600件に上り、現場では非常に有益であった旨が報告されております。このようなメリットをもっと国民にアピールすることが厚生労働省の役割と考えますし、そうすればマイナ保険証の登録数も増えていくのではないかなと思っております。
 健康保険証の廃止が施行12月2日に決定し、マイナ保険証への円滑な移行に向けて重要な時期と認識をしております。日本歯科医師会といたしましても、患者さんに向けたマイナ保険証の使い方のリーフレットを作成し、受付窓口で提示して積極的に周知しているところであり、これからも普及に向けて会として努めてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 協会けんぽとしましては、マイナンバーカードは御指摘のとおりの医療DXの最重要の基盤であるということで、積極的に取組を進めてまいりました。これまでもマイナンバー関係の特設ページの開設や、細かな通知書等に制度周知のリーフレットの同封等をしてまいりました。また、全国では1日数千人の方が利用していただく窓口であるとか、様々な申請書の交付、あるいは保健指導、事業所訪問等にもマイナ関係のチラシの配布等、積極的に啓発を進めているところでございます。
 今後、マイナンバーカードの利用に関しての声かけ、特に医療の現場であるとか、また私ども保険者からの働きかけ、こうしたことを総合して、利用率の向上というものを進めていきたいと強く念じているところでございます。
 特に保険者としましては、こうした流れの中で、今後想定されております資格確認書や資格情報のお知らせなど、新しい仕組みについても改めてこの辺りの周知が必要であると認識しており、こうしたことも含めた広報の全体的なスケジュール、あるいは取組の効果的な集中、そうしたことについて、ぜひ国主導での全体のプランニングについて早期に確立していただき、情報共有をお願いできればと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がなければ、本議題についてはこれまでとしたいと存じます。
 次に、事務局のほうから別途報告事項があるということでございますので、保険課長から報告をお願いいたします。
 では、よろしくお願いします。
◯山下課長 保険課長でございます。
 「働き方の多様化を踏まえた被用者保険の適用の在り方に関する懇談会」について説明をさせていただきます。資料2を御覧いただきたいと思います。
 働いている方々、これは医療保険でいうと健康保険に加入する、また、年金でいうと厚生年金保険に加入するということが一般的ではあるのですけれども、例えば同じ働いているにもかかわらず、時間が短いという場合とか、もしくは法人の事業所ではなくて個人の事業所で働いている場合とか、またさらに、その働き方がちょっと違うという場合に関しては、被用者保険とは違う形でカバーされているということが現実としてございます。こうしたことについて、働き方がさらに多様化していく中で、労働者にとってふさわしい保障は何かということの検討のために、この懇談会を開催しまして、どういう対応がいいのかということを検討していく必要があるということで懇談会を設置させていただきました。
 構成員につきましては、有識者、また、働く方々の団体、雇用する方々の団体、保険者の方々が集まりまして、議論をするということになっています。第1回につきましては今月開催をされまして、来月、特にこういった働き方について、被用者保険に入っていない方を多く雇用されている関係団体からのヒアリングを予定しておりまして、スケジュールとしましては、春夏あたりにはそのヒアリングの結果を踏まえて再度議論をするという予定でございます。
 事務局からの報告は以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 報告事項ではございますけれども、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 では、村上委員、よろしくお願いします。
○村上委員 ありがとうございます。
 資料の裏面になりますけれども、懇談会では、全世代型社会保障構築会議の基本的方向性にあるとおり、働き方の多様化が進む中で、労働者にふさわしく、働き方に中立的な社会保障にするという覚悟と決意で御議論をいただきたいと考えております。御議論に当たりましては、雇用形態や企業規模の違いによって社会保険が適用されるかどうかが異なる現行制度は不合理であること、また、労働者であれば労働時間や収入、勤務先などにかかわらず、労働者としての社会保険が適用されるべきであることを共通認識としていただき、着実に前進させていただきたいと思います。
 また、検討事項にあります(3)の課題ですが、記載のとおり、複数事業所で働く人の課題はもちろん、フリーランスやギグワーカーに加えて、雇用と自営の中間的な働き方、業務委託、請負など様々な形で働く労働者を対象にして検討いただきたいと思います。
 後者の課題につきましては、働き方の実態として労働者性が認められる場合は、契約の形式・名称にとらわれずに、労働者として被用者保険を適用することを徹底するとともに、労働者概念の見直しも進めていくことが必要と考えております。さらに、フリーランスやギグワーカーとして働く方が、働く者として必要な給付を保障されるセーフティーネットの枠組みの在り方について、諸外国の最新の動向も踏まえて、より具体的な方向を示せるように、これだけの先生方を集めた会議でございますので、ぜひ前向きに検討いただきたいと考えております。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。
 では、前葉委員、よろしくお願いします。
○前葉委員 ありがとうございます。
 被用者保険の適用拡大についてということでございますが、将来の年金受給額の増加や労働力の確保などといった観点から近年進められてきているというふうに認識をしておりまして、先般の全世代型社会保障の改革工程の中にも盛り込まれているというふうに承知をいたしております。
 ところでということになるのですが、国民健康保険の立場から若干申し上げますと、これは被用者保険の適用拡大によって、国保の被保険者のうち一定の所得を有する方、生産年齢人口が若干離脱をしていくのではないかということになります。そうすると、国保の支え手の減少、あるいは加入者の平均年齢がさらに上がっていく。そして保険料収入が減少していくということが懸念をされるわけでございます。
 まだ懇談会でございますので、主に被用者保険の適用範囲がどうなるかということが検討事項だというふうに承知しておりますが、これは拡大をされる方向だと思いますので、そうなりますと、国保財政はますます厳しくなる中、これからの国保をどのようなものにしていくのかということについて、国において今後の将来像をお考え願うとともに、私ども都市自治体としても、しっかりと意見を申し述べてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、北川委員、よろしくお願いします。
○北川委員 ありがとうございます。
 今回の被用者保険の適用拡大が行われた場合、新たに対象になる方々の多くは協会けんぽに加入する可能性が高いと考えております。それらによりまして、協会財政の影響や社会保険の適用や社会保険料徴収に係る様々な課題が生じると考えております。また、さらに特定健診・特定保健指導などの健康づくり事業への影響も、従来とは異なる課題が出てくることも考慮していく必要があると認識しております。
 また、あわせて、特に実務面で大きな課題として、一時期に大量の加入者が発生するという点も考慮をお願いしたいと考えております。実際に過去に協会けんぽに大量の加入者が新たに加入した事例として、適用拡大によるものではありませんが、平成31年度に総合健康保険組合の解散によりまして、協会けんぽでは約65万人が一時期に新たに加入し、保険証の切替えや傷病手当金の給付、特定健診・保健指導のお知らせの送付など、事務負担が一定期間に集中しまして、急激に事務が増加、事務の輻輳、大幅な業務体制のシフトや超過勤務の発生など、協会運営に相当の影響が生じたことが記憶に新しいものでございます。今後、制度的な様々な想定される影響や課題を踏まえた議論が進められると思いますけれども、こうした実務面での課題に関しても、ぜひ目配りもお願いして議論を進めていただければと考えております。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見がなければ、本日はこれまでとしたいと存じます。
 次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 本日は御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。それでは、散会いたします。