第18回 厚生科学審議会健康危機管理部会 議事録

日時

令和5年3月22日(水)10:00~12:00

議題

  1. (1)委員改選の報告
    (2)国立健康危機管理研究機構法案について
    (3)健康危機管理調整会議の開催状況について
    (4)国際保健規則(IHR2005)に基づく活動について
    (5)世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)について

議事

 
2023-3-22 第18回厚生科学審議会健康危機管理部会
 
○安濟健康危機管理・災害対策室長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、第18回「厚生科学審議会健康危機管理部会」を開催いたします。
 私、厚生労働省大臣官房厚生科学課健康危機管理・災害対策室長の安濟と申します。
 委員の皆様には、本日は御多用のところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日、五十君委員から欠席の御連絡をいただいております。
 委員13名のうち、出席委員は過半数を超えており、会議が成立しておりますことを御報告いたします。
 なお、吉川委員は、接続が確認できておらず、事務局において連絡を取っているところでございます。
 今、入られました。
 また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っておりますので、説明、回答は、できるだけゆっくり、はっきり御発言いただくようお願いいたします。
 なお、資料は随時投影させていただきますが、通信環境が悪くなった場合は、通信負荷軽減の観点から資料の投映を中断いたしますので御了承ください。
 最初に議題1、委員の改選について御報告をいたします。
 このたび、任期満了等によりまして、3名の委員の方々の交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構量子生命・医学部門放射線医学研究所被ばく医療部診療グループリーダー、富永委員でございます。よろしくお願いいたします。
○富永委員 富永です。よろしくお願いします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 よろしくお願いします。
 公益社団法人日本医師会常任理事、細川委員でございます。よろしくお願いいたします。
○細川委員 どうぞよろしくお願いします。細川でございます。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 公益財団法人日本中毒情報センター大阪中毒110番施設次長、三瀬委員でございます。よろしくお願いいたします。
○三瀬委員 三瀬です。よろしくお願いいたします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 それでは、これより議事進行につきまして、脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
 最初の議題です。「国立健康危機管理研究機構法案について」ということであります。
 こちらの案につきまして、事務局から御報告をよろしくお願いいたします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 それでは、議題2についてでございます。資料2を御覧ください。
 「国立健康危機管理研究機構法案について」という資料でございます。
 この法案については、感染症その他の疾患に関し、調査研究、医療の提供、国際協力、人材の養成等を行うとともに、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれのある感染症の発生及び蔓延時におきまして、疫学調査から臨床研究までを総合的に実施し、科学的知見を提供できる体制の強化を図るため、国立感染症研究所と国立研究開発法人国立国際医療研究センターを統合いたしまして、国立健康危機管理研究機構を設立するものでございます。
 本法律案の内容でございますけれども「(1)機構の組織(法人形態、役職員、服務)」の部分を御覧ください。
 ①の部分でございます。機構は特別の法律により設立される法人(特殊法人)として、政府の全額出資によるものとなります。
 次の②でございます。機構には、理事長・副理事長・理事・監事を置きまして、理事長・監事については大臣が任命いたします。副理事長・理事については、理事長が大臣の認可を受けて任命することになってございます。
 3つ目でございます。調査・研究・分析・技術の開発に従事する役員及び職員の給与等については、国際的に卓越した能力を有する人材を確保する必要性等の考慮規定を設けております。
 続きまして「(2)機構の業務」の部分を御覧ください。
 機構の業務については、以下のような業務が規定されてございます。
 1つ目は、感染症その他の疾患に係る予防・医療に関しまして、調査・研究・分析・技術の開発を行うとともに、これに密接に関連する医療を提供するということでございます。
 続きまして、2つ目でございます。予防・医療に係る国際協力に関しまして、調査・研究・分析・技術の開発を行う。また、国内外の人材の養成及び資質の向上を行うというものでございます。
 3つ目でございます。感染症等の病原等の検索及び予防・医療に係る科学的知見に関する情報の収集・整理・分析・提供を行うというものでございます。
 以下、地方の衛生研究所等に対する研修の支援、それから、科学的知見を内閣感染症危機管理統括庁及び厚生労働大臣に報告するといった事項が規定される予定でございます。
 ②でございます。厚生労働大臣が当該機構の評価につきまして、独法評価委員会及び研究開発に関する審議会の意見聴取を行った上で中期目標を定める、その上で中期計画を作成しまして、大臣の認可を受けるということが規定されます。
 さらに、そういった事業につきまして、機構の業務の実績評価を行うことも規定されております。
 そのほか、機構の監督等について記載がございます。
 施行期日でございます。公布の日から起算をして、3年を超えない範囲内において政令で定める日となっております。
 資料の2ページ目を御覧ください。
 こちらは「国立健康危機管理研究機構法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の概要」でございます。
 法案の概要の部分を御覧ください。関係法律の規定の整備として、ポイントを4つ書いてございます。
 1つ目は「感染研が現に行っている事務等の委託」でございます。
 現在、国の職員として行っております感染症法に基づく事務については、機構に対する厚労大臣の事務の委任規定や、権限の委任規定を設けることにしております。
 「2 政府対策本部への参加及び意見聴取」の部分を御覧ください。
 こちらは、機構が政府対策本部におきまして、科学的知見について意見を述べることができるよう、機構の位置づけ等についての所要の規定の整備を行うものでございます。
 3つ目「『地方衛生研究所等』の連携」の部分を御覧ください。
 こちらは、地域保健法26条に規定をいたします。地方衛生研究所等の試験検査や検査分析機能の強化を図るための、地方衛生研究所と機構の情報提供と人材育成における連携に係る規定を整備いたします。
 こちらについての施行期日でございます。施行期日については、国立健康危機管理研究機構法の施行の日と同じとなってございます。
 以下、国立健康危機管理研究機構の機能と業務を、現行と今後の統合の姿を簡易に表した資料でございます。左側が現行で、右側が統合後の姿でございます。
 次の資料に行ってください。
 法人形態と大臣の監督等でございます。機構の法人形態は、先ほど申し上げましたとおり、特殊法人となっております。
 これによりまして、パンデミック時に政府対策本部の方針に従って、病原性の高い病原体の検体採取、入院治療等を迅速・柔軟・確実に行うことができるとともに、厚労大臣による広範な監督権限が付与されるということでございます。
 一方で、人事組織など運営を柔軟に行える組織であるということもメリットでございます。
 以下、資料の3、4につきましては参考資料で、現在の感染症研究所と国立国際医療研究センターの概要がついております。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 国立健康危機管理研究機構の法律の整備に関する内容ということであります。
 それでは、意見を伺っていきますけれども、最初に、本日御不在の五十君委員からのコメントを事務局がお預かりということですので、御紹介してください。よろしくお願いします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 五十君委員からのコメントを御紹介いたします。
 今回の資料の3ページ目でございますけれども、この資料につきましては、新しい組織に特化した内容になっておりますが、例えば食中毒であれば、国立医薬品食品衛生研究所、危機管理の研修であれば保健医療科学院というように、感染症への対応については、既存の研究機関とも連携していくことになると、こうした今後の感染症危機管理の全体像を示した資料が、新しい法人ができてから必要ではないかというコメントをいただいております。
 事務局といたしましては、将来的な検討課題といたしまして、関係部局のほうに伝達させていただきます。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 感染研は、既に国衛研、医療科学院と、それぞれ密接に連携しているところですので、統合後もそういった連携関係は続きますし、さらに様々な点で連携の強化が必要かもしれないと思っております。ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様から本議題についての御意見、御質問等あれば、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 一応全体像が、今、示されたというところですので、細部については、これからということですかね。私と大曲先生は当事者ですので、なかなか御意見を言いにくいところではあるのですけれども、何かあれば、我々としても質問にお答えはできるかなと思います。
 竹内先生、発言されていますか。
 どうぞお願いします。
○竹内委員 横浜市大の竹内です。
 1点だけ質問させていただきますが、危機管理庁も、多分これから同じような時期にできると思うのですけれども、新しい国立感染症と国立国際医療センターが合体した組織と、危機管理庁との関係、特に有事のパンデミックのときとか、その関係はどうなるのでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほかに手が挙がっていなければ、まず事務局に、今の竹内先生からの御質問、危機管理庁と新しい組織との関係、もちろん厚労省の感染症対策部でしたね、そこがありますので、よろしくお願いします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 事務局でございます。資料の3ページ目を御覧ください。
 下の図は、機能統合後の姿でございます。内閣感染症危機管理統括庁、厚生労働省感染症対策部というのが上の部分にあろうかと思います。
 政策の立案、決定については、あくまで政府のほうで行いますので、感染症が発生した場合に、政府の対策本部ができ上がるということになろうかと思います。その場合に、国立健康危機管理研究機構の理事長が、その場に出席をするということになります。
 そこで、政策ニーズに沿った科学的知見を提供するという役割を、国立健康危機管理研究機構というのは担うことになります。そういった科学的知見を受けまして、内閣感染症危機管理統括庁と厚労省感染症対策部は、政策の立案、それから対応を行うという関係性になります。あくまで国立健康危機管理研究機構というのは、科学的知見を提供する。政策の立案、決定を行うのは、内閣染症危機管理統括庁という役割分担になることを我々は考えております。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 竹内先生、よろしいでしょうか。
○竹内委員 はい、分かりました。ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 合田先生、お願いします。
○合田委員 多分そうではないなと思いながら聞くのですが、名前が国立健康危機管理研究機構という名前ですね。ただ、健康危機という言葉は、感染症以外でもあり得るので、例えば、化学物質のテロみたいな状態があって、食物に入れられるという話がございます。そういうような状況のときには、基本的に、ここでは取り扱わないという解釈でよろしいのですか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 その点、放射線テロとか、化学テロといった感染症以外のところかもしれませんが、事務局、いかがでしょうか。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 事務局でございます。
 本国立健康危機管理研究機構の目的と業務の中には、感染症その他の疾患に係る予防医療ということになりますので、健康危機の中でも感染症その他の疾患に係る予防医療、それから医療の提供になります。例えば、テロが起こったような場合について、一応、一般に対応することにはなろうかと思いますが、それに特化して何か対応するということは、この法律の中では規定されておりません。
○脇田部会長 ということですね。
 合田先生、よろしいですか。
○合田委員 あまり明確ではないけれども、その部分は、従来どおりかなという理解でよろしいわけですね。
○伯野厚生科学課長 厚生科学課長でございます。
 先ほど室長のほうからお話があったとおりなのですが、今回の機構をつくるに当たって、やはりコロナの対応を踏まえて、感染症分野の科学的知見をしっかり出していこうというところが主眼でございますので、それ以外の分野、もちろん感染症以外のところも、実際NCGMもやっておりますので、そういったところをやらないというわけではないのですが、今回の背景を踏まえると、新たにそういった分野を拡充していくという趣旨ではございませんので、ただ、それ以外の部分も継続して、これまで担っていた部分はしっかりやっていくということでございます。
 以上です。
○合田委員 ありがとうございます。了解です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 私の理解としては、今、感染研が持っている機能といいますか、それは感染症のリスク評価、リスク分析というところですから、そういった知見を厚労省、危機管理統括庁に上げて、そちらでリスク管理をしてもらうという役割分担のところですね。
 感染症に関するリスク評価ということですから、新たなものが、そこをやるのだということは、我々としても伺ってはいないというところです。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、あまり御意見はないのですけれども、もし、何かありましたら、また最後のところで御質問、御意見をいただければと思いますので、先に進みたいと思います。
 それでは、次の議題に参りたいと思います。
 「健康危機管理調整会議の開催状況について」、事務局から、こちらの説明をお願いいたします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 「健康危機管理調整会議の主な議題について」ということで、資料3を御覧ください。
 まず、この資料の前提となる内容について、お話をさせていただきます。
 厚生労働省におきましては、医薬品、食中毒、感染症、飲料水、その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態に対しまして、厚生労働省健康危機管理基本指針に基づきまして、必要な体制を整備いたしております。
 具体的には、有事の際には、緊急の調整会議でありますとか、対策本部の設置といったものが取られます。
 他方、平時におきましては、部局横断組織であります健康危機管理調整会議といたしまして、毎月2回情報交換や対応の検討といったものを行っております。内部の会議でございます。
 そういった内部の会議で挙げられております議題につきまして、こちらに代表的なものを記載しております。その議題につきまして、御紹介させていただきまして、御議論をいただくということでございます。
 内容でございますけれども、1つ目「食品関係」でございます。
 「宮崎県延岡市における食中毒(グロリオサ誤食)について」で、死亡事案でございます。
 グロリオサというものは、山芋と間違えやすい植物といたしまして、食べられることがございます。
 こういった事案を受けまして、厚生労働省でも、ツイッター等で情報提供を行わせていただきました。
 2つ目「感染症関係」でございます。感染症関係の主な議題としては、以下のとおりでございます。
 1つ目が、海外及び国内における小児急性肝炎の発生についてでございます。
 2つ目と3つ目は、エボラ出血熱の発生についてでございます。
 3つ目は、新型コロナウイルス関係でございます。
 4つ目は、エムポックスの発生についてでございます。
 最後は、鳥インフルエンザの発生についてということでございます。
 続きまして「通報のあった健康危険情報」でございます。
 1つ目は、杏林大学医学部付属病院における医療事故(異型輸血)についてでございます。
 2つ目は、健康危険情報通報といたしまして、オウム病の発生が上がってきておりました。
 3つ目は、こちらも健康危険情報でございます。新生児保育器内のエタノール消毒液による影響についてでございます。
 最後に「その他」ということで、大規模イベントへの対応及び情報共有をいたしておりました。
 1つ目は「安倍元総理の国葬に伴う対応について」でございます。
 続きまして「G7広島サミットへの対応について」でございます。
 事務局からの説明は、以上になります。
○脇田座長 ありがとうございました。
 今、資料3について御説明がありましたが、この件につきまして、御意見、御質問等ありましたら、お願いしたいと思います。
 お願いします。
○竹内委員 横浜市立大の竹内ですけれども、意見というか、お願いなのですけれども、最後のG7サミットの件なのですが、5月の18、19、20でしたか、広島で開催されますが、救急医も、私も含めて、いろいろなところの現場に入ったり、ホテルに入ったりとかします。
 やはり、外務省マターですので、今、いろいろなところと調整が進んでいますが、当然ながら外務省マターなので、場所取りとかが難しいことは重々承知しているのですけれども、例えば、主会場のグランドプリンスホテル広島とかでも、医務室などが、場所どうするかとか、動線をどうするかというのが、なかなか決まらなかったりとか、非常に環境が悪かったり、もちろん可能な範囲でなのですけれども、医療のほうも、この会議に出るような有事の際の医療は大事ということで、外務省との調整の中で、可能な範囲で、いざというときに動きやすいスペースの確保とか、動線ということを、ぜひ厚労省側にお願いさせていただければと思います。
 以上、意見ですが、お願いします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 それでは、今、竹内委員からお願いというか、御意見がございましたが、事務局、いかがでしょうか。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 事務局でございます。
 事務局といたしましても、たくさん先生方に来ていただいておりますし、できるだけ外務省としっかり調整をさせていただいて、何か有事が発生した場合には、きちんと対応できるような場所を確保できるように、しっかり調整をしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 それでは、調整のほうをよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。特にいいですかね。
 どうもありがとうございます。
 それでは、次に参りたいと思います。今の議題で、もし後で何かありましたら、最後にお願いします。
 4番目の議題です。「国際保健規則(IHR2005)に基づく活動について」、事務局から説明をお願いいたします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 「国際保健規則(IHR2005)に基づく活動について」ということで、資料4を御覧ください。
 資料4の1枚目でございます。
 こちらは、国際保健規則における情報の流れの概念図を示したものでございます。
 まず、国内及び加盟国の中で、事案が発生した場合には、WHOや関係各国に情報の共有を行うことになっております。
 では、どういった情報が対象になり得るかと申しますと、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急自体、PHEICというものでございますが、これを構成すると思われるものについては、国内で評価を行った後に、WHOやIHR関係窓口に情報の共有を行うという流れになっております。
 もちろん、関係各国からの情報というものも、我々のほうに入ってくることになっております。
 資料の3枚目でございます。
 「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」という資料を御覧ください。
 これは、そもそも国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態とは、どういうものかというものを概要の部分で示しております。
 1つ目は、疾病の国際的拡大により、他国に公衆衛生上の危険をもたらすと認められる事態でございます。
 もう一つが、緊急に国際的対策の調整が必要な事態というものでございます。
 これについて、WHO事務局長が、こういったことが発生している国と協議を行った上で、緊急委員会の助言を踏まえまして、PHEICを構成するか否かを認定いたしまして、その後、保健上の措置に関する勧告を行うことになってございます。
 近年、PHEICに至った事例につきましては、左下の部分に記載がございます。直近ではコロナでありますとか、エムポックスといったものが対象になってございます。
 では、どういったものを国が情報提供するのかと申しますと、右の部分でございます。「潜在的PHEICの構成要素」という部分を御覧ください。
 原因を問わず、国際的な講習衛生上の緊急事態を構成するおそれのある全ての事象ということで、以下の4つのうち、2つの事象に該当した場合には、通報する必要があることになってございます。
 1つ目は「重大な健康被害を起こすリスクのある事象」。
 2つ目は「予測不可能、または、非典型的な事象」。
 3つ目は「国際的に拡大するリスクのある事象」。
 4つ目は「国際間交通や流通を制限するリスクのある事象」でございます。
 次のページの資料でございます。
 こちらは、今、申し上げたようなことを図に表したものでございます。こちらで簡単に御覧いただければということでございます。
 次の資料を御覧ください。
 これは、IHR国家連絡窓口の対応ということでございます。IHR国家連絡窓口とは、厚生労働省に設置されております。厚生労働省の中で、24時間体制でIHRの連絡を行っております。
 近年では、中国の入国措置やコロナウイルスの関係、エムポックスの症例情報の共有といった事項を対応してございます。
 さらに1枚おめくりいただきまして「IHR部分改正の作業進捗」というページを御覧ください。
 こちらは、2022年1月にIHRを部分改正することで、加盟国で合意がなされております。
 2022年9月までに、WHOに300を超える改正案が提出されております。
 3月現在、加盟国が委員会の提言を踏まえた上で、改正案についての議論を行っているところでございます。
 今後、2024年5月のWHO総会で改正案が採択される予定となってございます。
 「2.改正案について」を御覧ください。
 主な改正案については、WHOのホームページに公表がなされております。
 改正案の主な内容といたしましては、範囲、目的及び原則、管轄、通報、リスク評価、渡航対策といったものが対象として挙がっております。
 事務局の説明は、以上でございます。
○脇田座長 どうもありがとうございました。
 それでは、IHRの活動につきまして、委員の皆様から、御意見、御質問等あれば、お願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 皆様から今のところないようですので、私のほうからIHRの改正案についてのところで、リスク評価というのは、どういった変更、修正、改正案になっているか、ちょっと教えていただけますか。
 もし、すぐ分からないようであれば、また、後ほどでも結構です。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 申し訳ございません、今、確認をします。
○浅沼危機管理・医務技術総括審議官 浅沼です。管理総審ですが、多分、中間レベルの警戒の決定は、今までそんなにやったことはないと思うのです。
 多分、今回のコロナが長くなったこともあって、要するに、我々で中間評価みたいなものを重ねる何か規定ができるのではないかと思ってはいるのです。もちろん、現場を確認しなければいけませんし、後日、また御報告いたしますが、そういったところの改正ではないかと推察されます。
 以上です。
○脇田座長 ありがとうございました。
 ここのところは、少し我々としても関係するところかなというところであります。
 そのほか、いかがでしょうか。
 古米先生ですね、よろしくお願いします。
○古米委員 どうもありがとうございます。
 私は、それほど詳しくないのですけれども、この緊急事態対応は昔からあって、判断基準に沿ってWHOに報告するということは理解しました。
 今日のスライドの2ページ目のところで、厚生労働省がその窓口になっていて、おそれのある事象を評価するところとして、危機管理調整会議と危機管理部会が書いてあります。実質上決定をされているのは厚生労働省なのか、改めて今回新しくできる国立健康危機管理研究機構が3年以内に発足されるので、そういった機構が担うとか、先ほどの議題と関連した形で、何か対応が変わるということはあるのでしょうか。
○脇田座長 ありがとうございます。
 この図を見ると、危機管理部会と調整会議、それがどういう立ち位置なのかということと、あと、先ほどの新たな組織が、ここにどのように関わっていくのかというところを、もう少し説明していただければと思いますが、いかがでしょうか。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 事務局でございます。
 まず、健康危機管理調整会議と、健康危機部会の関係ということでございますけれども、WHOのIHRの中で、通報の対象となっているものについては、割かし決まっておりますので、例えば、天然痘とかポリオとか、ヒトインフルエンザとか、そういった事象、その他疾患の中である程度決まっておりますので、事務的なものも多うございますので、基本的に厚労省の判断で情報の提供というのが行われております。
 ただ、もし未知なものとかが発生した場合であれば、健康危機管理部会の中で御議論をいただいて報告をするということは、あり得ると考えております。
 新しくできる機構との関係ということでございますけれども、新しくできる機構については、科学的知見の提供ということでございますので、情報を集めてきて、提供することになりますので、新しくできる機構から、何か通報するということではなくて、厚労省のほうに情報提供をいただくということになります。
○古米委員 どうもありがとうございました。
○脇田座長 ありがとうございます。
 ですので、いわゆるハザードといいますか、新たな事象が発生したときに、新たな機構がそのリスク評価をして、それに基づいて厚生労働省のほうで判断されて通報に至ると、その通報があれば、もちろん危機管理部会にも御報告をいただいて、また、議論をすると、そういった流れなのだろうなと思いますが、それで合っていますかね。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 おっしゃるとおりです。ありがとうございます。
○脇田座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいですかね。ありがとうございました。IHRの改正というところですので、また、こちらについては、御報告をいただければと思います。
 それから、様々な危機というか、サル痘、今はエムポックスと言っていますけれども、まだまだ症例の報告も続いておりますし、それから、鳥インフルエンザについても、海外ですけれども、まだ、発生がある、続いているところであります。
 それでは、次に参ります。
 議題の5「世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)について」であります。
 こちらも、事務局から御説明をお願いいたします。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 事務局でございます。
 資料5「世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)の活動について」という資料を御覧ください。
 世界健康安全保障イニシアティブ(GHSI)につきましては、2001年(平成13年)の9月11日に発生いたしました、米国同時多発テロを受けまして、米国・カナダ政府の呼びかけによりまして、世界的な健康危機管理の向上とテロリズムに対する準備、対応に関する各国の連携について話し合うことを目的に、各国保健大臣会合として発足いたしました。
 構成国といたしましては、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国のG7各国、それからメキシコ、欧州委員会がメンバーでございます。WHOは、オブザーバーとして参加いたします。
 閣僚級の会合がございます。その下部委員会といたしまして、局長級の世界健康安全保障行動グループ(GHSAG)というものがございます。
 GHSIの事務局については、カナダでございます。
 さらに、これに加えまして、政策担当者、研究者の会合というものが、それぞれございます。
 資料の下部でございます。化学事案作業部会、生物作業部会、核・放射線脅威作業部会、新型インフルエンザ作業部会といった部会が、それぞれ行われておりまして、政策担当者、研究者での情報交換が行われております。
 資料を1枚おめくりください。
 昨年のGHSIでの主な活動を、こちらでまとめております。
 閣僚級会合でございます。昨年は、次官級会合という形で開催されました。G7の議長国のドイツで開催されております。
 こちらの中では、有事の際の専門家派遣体制整備の重要性、それから、平時からの備えとしてのMCM、Medical Countermeasuresについての重要性に関する議論が行われました。
 GHSIリエゾン調整会合がカナダで開催されております。ウクライナ危機の状況、それから、エムポックスの感染状況の議論、各作業部会の活動報告がなされております。
 続きまして、GHSAG、局長級会合でございます。こちらは3月、先週ですけれども、イギリスで局長級の会合が行われました。
 各作業部会の活動報告書の承認、2023年のGHSI活動の優先事項の承認等が行われております。
 また、本年につきましては、G7議長国であります日本での、当該GHSI会合の予定をされてございます。当該会合の開催案についての検討も行われております。
 主に、MCMに関する重要性というのが、前回のドイツの次官級会合で行われましたが、その議論をさらに拡大していくということで、議論が行われました。
 その他の作業部会等につきましては、記載のとおりとなっております。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 GHSI活動についての御報告でありますが、皆様から御意見、御質問等がありましたら、お願いいたします。
 そうしますと、GHSIの会合は、G7のときに広島で行うということではなくて、年度内という形になるのでしょうか、それとも今年中ということでしょうか。
 詳細は、まだ、分からない。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 そうですね、詳細は、まだ確定しておりませんけれども、年度内に開催する予定でございます。G7の開催ということですので、様々な大臣級会合等もございますし、どういった形でやるのかについては、現在、検討を行っているところでございます。
○脇田部会長 そうしますと、その下の作業部会も、先生方は関わるかもしれないのですが、そちらも、まだ、詳細は分からないということですかね。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 作業部会につきましては、GHSIは、常に活動しておりますので、恐らくそれぞれの作業部会でスケジュールが決まっているかと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、いかがでしょうか。
 特によろしいでしょうか。それでは、特に御意見はないようですので、そうしましたら、今日の議題を通して、先ほども機構の法案と、それからIHRの関連の御質問がありましたけれども、議題をオーバーラップするような御質問でも結構ですので、何か今日の議論を通して、御質問、御意見があれば、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。今日は、あまり御意見がないという感じではありますが。
 特に御意見がないようでしたら、議論は以上となります。本日の議題は以上となりますが、今回の開催は2022年度の報告となっております。来年度末には2023年度の御報告をいただくために、また、部会を開催するということになっておりますので、委員の皆様におかれましては、また、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局のほうから、何かございますか。
○安濟健康危機管理・災害対策室長 特にございません。ありがとうございました。
○脇田座長 ありがとうございました。
 どうぞ、佐藤委員。
○佐藤委員 佐藤です。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 1つだけ、特殊法人のほうなのですが、法人のトップは理事長でしょうか。
○脇田座長 事務局、いかがですか。
○伯野厚生科学課長 厚生科学課でございます。
 御指摘のとおりでございます。
○佐藤委員 そうですか、理事長は、ちなみにどのような形で選んでいかれるわけなのでしょうか。
○伯野厚生科学課長 大臣の任命になります。
○佐藤委員 そうですか、分かりました。ありがとうございます。
○脇田座長 そのほか、よろしいですか。大丈夫ですかね。
 少し今日は早いですけれども、これで閉会とさせていただきます。今日も御参加いただきまして、ありがとうございました。