2023年10月4日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 

日時

2023年10月4日 13:30~15:30

開催方法

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)


事務局(10月4日時点)
  • 大坪 寛子(健康・生活衛生局長)
  • 鳥井 洋一 (大臣官房審議官)
  • 岡部 史哉(総務課長)
  • 原澤 朋史(総務課長補佐)
  • 近藤 恵美子(食品基準審査課長)
  • 田中 里依(食品基準審査課残留農薬等基準審査室長)
  • 佐野 喜彦(新開発食品保健対策室長兼器具・容器包装基準審査室長)
  • 森田 剛史(食品監視安全課長)
  • 三木 輝(食品監視分析官)
  • 福島 和子(輸入食品安全対策室長)
  • 飯塚 涉(HACCP推進室長兼食中毒被害情報管理室長)

議題

  1. 1.審議事項 
    1.食品添加物の指定等について
    2.食品中の農薬等の残留基準の設定について
  
 2.報告事項​

    1.食品中の農薬等の残留基準の設定について
    2.食品用器具及び容器包装の規格基準の改正について

 3.文書による報告事項
    1.食品中の農薬等の残留基準の設定について

 4.その他の報告事項
 

議事

 
発言内容

○原澤補佐 事務局でございます。それでは、定刻となりましたので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」を開催させていただきます。本日の司会を務めさせていただきます、健康・生活衛生局総務課課長補佐の原澤と申します。9月1日付けで、前任の扇屋の後任として着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。本日もWebでの審議とさせていただきます。何か不具合等ございましたらお電話又はチャット機能にて事務局まで御連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、はじめに本日の分科会委員の出席状況について御報告させていただきます。五十君委員、合田委員、辻委員、堀内委員、松嵜委員、脇田委員から、それぞれ御欠席の旨の御連絡を頂いております。また、曽根委員から途中からの御参加という旨の御連絡を頂いております。現在、分科会委員総数22名のうち、現時点で15名の御出席を頂いており、出席委員が過半数に達しておりますので、本日の分科会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
 続きまして、9月1日付けで事務局に異動がございましたので、職員の御紹介をさせていただきます。まず、健康・生活衛生局長の大坪です。続きまして、総務課長の岡部です。続きまして、食品監視安全課長の森田です。続きまして、食品監視安全輸入食品安全対策室長の福島です。続きまして、HACCP推進室長兼食中毒被害情報管理室長の飯塚です。
 それでは、開会に当たりまして、健康・生活衛生局長の大坪より御挨拶を申し上げます。
○大坪局長 健康・生活衛生局長の大坪でございます。座ったままで失礼をいたします。組織の改編がございまして、9月1日付けで生活衛生局が医薬局から健康局へ移管された関係で、今後は健康・生活衛生局として、こちらで所管をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、日頃から食品安全行政の推進に御尽力いただいておりますことを、心から感謝申し上げます。本日も、食品添加物の指定及び食品中の農薬等の残留基準の設定、この2つの議題について御審議を頂くこととなっております。どうぞ本日もよろしくお願いいたします。これをもって、私の挨拶とさせていただきます。
○原澤補佐 ありがとうございます。なお、局長等の事務局のメンバーにつきましては、公務のため適宜退出させていただく場合もございますので、その際は御了承ください。
 一般傍聴について、ライブ配信による動画中継での傍聴としております。一般傍聴の方々につきましては、厚生労働省ホームページに分科会の資料を公開しておりますので、適宜御確認ください。
 続きまして、審議の進行方法について御説明いたします。審議中に御意見、御質問がある委員におかれましては、カメラをオンにした上で挙手をお願いいたします。分科会長から順に発言者を御指名いただきます。なお、御発言されるとき以外は、マイクを基本的にミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 それでは議事に移ります。本日の議題は、お手元の議事次第にありますように、「食品添加物の指定等について」、「食品中の農薬等の残留基準の設定について」の2件について御審議いただいたあと、事務局から報告事項について報告いたします。
 また、本日の審議事項に関して、「食品衛生分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、「食品中の農薬等の残留基準の設定について」に関して、木下委員から申告がございましたので、木下委員におかれましては該当する事項での審議・議決の際には御退室いただく予定ですので、御承知おき願います。
 それでは、以後の議事の進行を村田分科会長にお願いしたいと思います。村田分科会長、よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 村田です。御多忙の中お集まりくださり、ありがとうございます。本日も、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、(1)審議事項、「食品添加物の規格基準の改正について」の審議を行います。事務局から御説明願います。
○佐野室長 事務局でございます。まず1つ目の議題として、食品添加物ポリビニルアルコールについて、添加物としての指定の可否及び規格基準の設定の御審議をお願いしたいと思います。ポリビニルアルコールですが、令和5年7月19日開催の添加物部会において審議されました。この部会においては滞りなく審議が終了しており、その結果をもって分科会に御審議をお願いする次第です。
 それでは、資料に沿って御説明いたします。ポリビニルアルコールの構造式は、資料に記載のとおりです。用途としては、製造用剤として結合剤、コーティング剤、安定剤、増粘剤等です。概要です。ポリビニルアルコールは1924年にドイツで開発されて、接着、紙、乳化、懸濁、フィルムなどの工業原料及び加工剤として、国内外で広く使用されており、また、医薬品添加物規格と医薬部外品原料規格に収載されています。
 諸外国での状況です。欧州連合(EU)では、カプセル、錠剤及び類似の形状を含む固形の食品サプリメントのうちカプセル及び錠剤のみに使用が認められており、その使用量は18,000 mg/kgまでとされています。米国では、GRAS物質とされており、米国食品化学物質規格集にはコーティング、結合剤、シーリング剤及び表面仕上げ剤として記載されています。コーデックス委員会では、光沢剤及び増粘剤として、食品添加物に関するコーデックス一般規格のリストに収載されており、「食品サプリメント」に対して45,000 mg/kg以下での使用が認められています。この度の使用基準の設定は、コーデックス基準に倣っています。
 食品安全委員会における食品健康影響評価結果です。令和5年6月7日の評価結果通知として、ポリビニルアルコールは消化管でほとんど吸収されず、ラット90日間反復経口投与試験及びラット生殖毒性試験において最高用量である5,000 mg/kg 体重/dayまで毒性所見が認められていないこと、2つ目として、「ポリビニルアルコール」製造時に発生する不純物としてのメタノール及び酢酸については、それらの摂取量が通常の食事由来の摂取量と比べて少ないことから、「ポリビニルアルコール」が添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念はないと考えられ、許容一日摂取量を特定する必要はないという評価結果を頂いています。
 続いて、摂取量の推計です。本添加物の対象となるカプセル・錠剤等通常の食品形態でない食品の摂取量は、平成23年国民健康・栄養調査報告の「補助栄養素・特定保健用食品」の摂取量から引用し、国民平均で13.2 g/人/day、1~6歳の小児に関しては8.3 g/人/dayです。これらの食品全てにおけるポリビニルアルコールの摂取量は、使用基準案における最大使用量である45 g/kgを乗じ、国民平均でいうと590 mg/人/day、小児で370 mg/人/dayと推計いたしました。
 次ページです。以上を踏まえて答申(案)・使用基準(案)・成分規格(案)として、まず答申(案)です。1.ポリビニルアルコールについては、添加物として人の健康を損なうおそれはないことから、指定することは差し支えない。2.ポリビニルアルコールの添加物としての規格基準については、以下のとおり設定することが適当である。使用基準(案)です。ポリビニルアルコールは、カプセル・錠剤等通常の食品形態でない食品以外の食品に使用してはならない。ポリビニルアルコールの使用量は、カプセル・錠剤等通常の食品形態でない食品1kgにつき45g以下でなければならない。成分規格(案)に関しては、お手元の資料のとおりですので御確認いただければと思います。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、議論に入る前に、部会での審議の状況について、杉本部会長から御報告はございませんか。
○杉本委員 杉本です。ポリビニルアルコールですが、海外において広く添加物として使用されているもので、安全性においても食安委で評価していただいたとおり特に問題はないと考えております。また、規格ですが、海外で既に使用されていますので、FCC、EU、JECFAも規格があり、国内においては医薬品添加物規格があります。これらの情報、規格を参考にして、どれとも差がない整合性の取れた規格を設定しております。以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、本件について何か御意見、御質問はございますか。
○穐山委員 よろしいですか。
○村田分科会長 穐山委員、どうぞ。
○穐山委員 星薬科大学の穐山です。御説明ありがとうございました。規格基準を見ますと、純度試験にヒ素がないのですが、これは汚染するおそれはないという理解でよろしいですか。
○村田分科会長 事務局ないしは杉本委員、いかがですか。杉本先生から。
○杉本委員 私から答えたほうがいいですか。
○村田分科会長 お願いいたします。
○杉本委員 ヒ素なのですが、医薬品添加物のほうには規格があったかと思うのですけれども、それ以外のJECFA、FCC、EU、USPの規格の中では設定されていません。そういうことと、本品について分析をしましたところ、ヒ素については検出限界未満であったので、設定しないということにしております。
○穐山委員 よろしいですか。多分、医薬品と比べて摂取量が多いと思うのです。実際のサンプルは検出限界以下かもしれないのですが、万が一汚染のおそれがあった場合、やはり摂取量は医薬品と比べて結構高いと考えられるのですが、これは規格に入れておかなくていいですか。
○杉本委員 海外との整合から、結局のところ入れないことにしているのですが、あと、先ほど説明しましたとおり、実際に流通する製品において検出限界未満であったことから、特に懸念することはないかと判断しております。
○穐山委員 分かりました。
○村田分科会長 そのほかの先生、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、ほかに御意見がないようですので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。
 どうもありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。その他の経過については、次回以降の本分科会で御報告ください。
 次に、「食品中の農薬等の残留基準の設定について」の審議を行います。まずは1剤目のジクロロメゾチアズについて、事務局から御報告願います。
○田中室長 御説明申し上げます。ジクロロメゾチアズです。本品の審議の経過ですが、7月の部会で御審議いただきました。農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴い、基準値設定の要請があったものです。本品の用途ですが、農薬として殺虫剤で使用されたいというものです。日本における登録状況は、今、申請中ということで、まだ登録はありません。食品安全委員会において食品健康影響評価を御依頼申し上げたところ、ADIは1.2 mg/kg 体重/day、ARfDは、設定の必要がないという判断でした。暴露評価ですが、長期的な摂取量に関してはADIの範囲内であるということ、ARfDに関しては設定がないということで評価しておりませんが、部会ではこれらに関して問題はないと評価が得られています。
 新たに設定する基準値については、11ページにあります。登録の有無欄に申請の「申」の字の記載がありますが、こちらを国内で使用されたいということで申請があります。一番右側に記載の作物残留試験成績等が提出されておりますので、これらのデータに基づいて基準値案を設定しております。簡単ですが、本品については以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、議論に入る前に、部会での審議の状況について、穐山部会長から御報告はございませんか。穐山先生、ちょっと聞こえていないのですが。
○穐山委員 すみませんでした。ミュートになっていました。事務局の繰り返しになってしまいますが、御説明いたします。ジクロロメゾチアズは殺虫剤ですが、新規の農薬登録に伴い残留基準値を設定するものです。本年7月に開催した部会において審議を行い、幾つか報告書の記載整備に関する記載がありました。食品安全委員会の評価結果として、生体にとって問題となる遺伝毒性は認められていないことから、閾値が設定できると評価されていること、また、作物残留試験や代謝試験等の結果から得られたデータに基づいて、規制対象物質、また暴露評価対象物質の選定に特段の問題はありませんでした。作物残留試験の分析法、作物残留試験のデータ、暴露評価により、残留基準値は適切であり特段の問題はないということに結論は至りました。私からのコメントは以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、本件について何か御意見、御質問はございますか。特に御意見はないようですので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めてもらいます。その他の経過については、次回以降の本部会で御報告いただきたいと思います。
 次に、2剤目のジメスルファゼットについて、事務局から報告をお願いいたします。なお、冒頭に事務局からも御説明がありましたが、木下委員は一旦、御退出をお願いいたします。
                                 (木下委員退室)
○田中室長 御説明申し上げます。ジメスルファゼットでございます。本品は、農薬取締法に基づく新規の農薬登録申請に伴いまして基準値を設定するもの、また、魚介類への基準値設定の要請もありまして基準値を設定する内容です。用途ですが、農薬の除草剤です。国内では登録がありません。食品安全委員会における健康影響評価の結果です。ADIが0.0039 mg/kg 体重/dayです。ARfDは、国民全体に関しまして、0.41 mg/kg 体重、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に関しては0.15 mg/kg 体重とされています。今回の基準値に基づく暴露評価の結果ですが、ADI又はARfD、いずれも範囲内ということで、特段問題はないものと評価を頂いております。
 基準値につきましては、15ページにありますが、今回、農薬として稲に申請されているということで、稲に関するものと、水田、推計を通じた残留を想定して魚介類に基準値を設定しています。簡単ですが、以上でございます。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、議論に入る前に、部会での審議の状況について、穐山部会長から御報告いただくことはありますか。
○穐山委員 概要ですが、私から御説明させていただきます。ジメスルファゼット、これは除草剤です。主に稲のところの除草剤だと思いますが、農薬取締法に基づく新規の農薬登録に伴いまして基準値設定の要請、及び魚介類です。お米の場合は推計に伴って、魚介類への濃縮が考えられますので魚介類への基準値設定の要請を受け、基準を設定するものです。
 この農薬は、本年7月に開催した部会において審議を行いまして、幾つかの報告書の記載整備に関する指摘がありましたが、食品安全委員会の評価結果として、生体にとって問題となる遺伝毒性は認められておらず閾値が設定できると評価されていること、また、作物残留試験や代謝試験等の結果から得られたデータに基づいて、規制対象物質、また、暴露評価対象物質の選定に特段問題はなかったことと、また、作物残留試験の分析法、作物残留試験のデータ、暴露評価結果より、残留基準値は適切であり特段の問題はないという結論に至りました。私からのコメントは以上でございます。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、本件について、何か御意見、御質問はございますか。御意見がないようですので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。その他の経過については次回以降の本部会で御報告いただきたいと思います。
 それでは、事務局は木下委員の入室の手続を行ってください。
                                 (木下委員入室)
○村田分科会長 入られたでしょうか。それでは次に、3剤目の1,4-ジメチルナフタレンについて、事務局から御報告願います。
○田中室長 1,4-ジメチルナフタレンについて御説明申し上げます。本品は、7月の農薬・動物用医薬品部会において御審議を頂いたものでございます。経緯としましては、海外からのインポートトレランス制度に基づく基準値設定の要請があったものです。用途は農薬の植物成長調整剤でございます。我が国での登録はございません。食品安全委員会における評価の結果ですが、ADIが0.10 mg/kg 体重/dayとされております。ARfDにつきましては、設定の必要がないという評価です。
 今回の基準値に基づく暴露評価の結果ですが、ADIの範囲内ということで、特段問題ないものと評価を頂いております。基準値につきましては、20ページにございますが、本品がばれいしょへのインポートトレランスの申請でございまして、ばれいしょに関して、こちらにありますように15ppmを設定するという内容です。簡単ですが、以上でございます。
○村田分科会長 ちょっと聞きにくかったのですが、それでは、議論に入る前に部会での審議の状況について、穐山部会長から御報告いただくことはございますでしょうか。
○穐山委員 繰り返しになりますが、審議の概要を御説明させていただきます。1,4-ジメチルナフタレン、これは植物成長調整剤で、発芽の抑制とか休眠状態の維持、ジャガイモの維持のための植物成長調整剤であります。これは、インポートトレランス、つまり海外では使用されて我が国では登録はないのですが、基準値設定の要請を受けて、残留基準を設定するものであります。
 この農薬は、本年7月に開催した部会において審議を行い、幾つかの報告書の記載に関する指摘はありましたが、食品安全委員会の評価結果として、生体にとって問題となる遺伝毒性が認められておらず、基準値設定ができると評価されていること、また、作物残留試験、あるいは代謝試験等の結果から、規制対象物質、あるいは暴露評価対象物質の選定に特段問題がないことと、また作物残留試験の分析法、作物残留試験のデータ、暴露評価及び海外基準等の情報により残留基準値が適切であり、特段の問題がないという結論に至りました。私からのコメントは以上でございます。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、本件について何か御意見、御質問はありますでしょうか。御意見がないようですので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。どうもありがとうございます。それでは、事務局には、答申に向けた手続を進めてもらいます。その他の経過につきましては、次回以降の本部会で御報告ください。
 それでは、第4剤目のシフェノトリンについて、事務局から御説明願います。
○田中室長 4剤目は、シフェノトリンです。本品は、5月の部会にて御審議を頂いたものです。経緯としては、動物用医薬品の製造販売の承認申請がなされたことに伴い、農林水産省から意見聴取があったものです。
 構造式はこちらのとおりですが、事前に合田委員に御説明をしたところ、文面に不適切な所があると御指摘を頂き、御指摘を踏まえて修正をしたものです。「立体異性体」と表記しておりますが、当初は「光学異性体」と書いておりましたので、今後も記載に注意させていただきます。
 用途は、動物用医薬品として豚舎に噴霧する殺虫剤です。我が国での承認状況は、今のところ承認がありません。
 食品安全委員会における健康影響評価結果ですが、ADIが0.015 mg/kg 体重/dayと設定をされております。今回の基準値に基づく暴露評価の結果ですが、ADIの範囲内ということで、特段問題はないものと評価を頂いております。
 基準値については24ページにありますが、動物用医薬品の適用対象である豚に関連する基準値を設定しております。こちらの基準値をもって設定させていただきたいと思います。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 それでは議論に入る前に、部会の審議の状況について、穐山部会長から報告をお願いいたします。
○穐山委員 繰り返しになってしまいますが、部会の審議の状況を説明いたします。最初の構造式をお示しいただけますか。これは薬機法に基づく動物用医薬品の製造販売の承認申請がされたことから、農林水産省から意見聴取があり、残留基準を設定するものです。構造式が示されておりますが、3つ不斉炭素があるので、立体異性体が8種あるものです。そこに組成が書かれているかと思いますが、そういった組成になっているということです。
 これは、動物用医薬品の殺虫剤です。本年5月に開催した部会において審議を行い、幾つかの報告書の記載整備に関する指摘があったものの、食品安全委員会の評価結果として、生体にとって問題となる遺伝毒性は認められておらず、閾値が設定できると評価されていること、また、残留に関する試験等の結果から得られたデータに基づき、規制対象物質や暴露評価対象物質の選定に特段の問題はなかったことと、残留に関する分析法、残留のデータ、暴露評価により、残留基準値は適切であり特段の問題はないという結論に至りました。私からのコメントは以上です。
○村田分科会長 それでは、本件について何か御意見、御質問はありますか。よろしいですか。
○杉本委員 すみません、質問があります。
○村田分科会長 杉本先生、お願いします。
○杉本委員 単純に質問なのですが、8種類の構造式があって、A、Bが38、38で、C、Dが10%、10%で、何というのでしょうか、ジアステレオマーの関係で全部あるのですが、AとCを比べると、左側の向きが違うというのでしょうか。表側と裏側に出ているというか、とにかくこの構造式はどうやって決めたのだろうというのが、この8つをどうやって決めたのだろうなというのが、こんなことを言ったらあれですが、A、Bが38、38で、C、Dが10%、10%というのをどうやって決めるのだろうなというのがよく分からないなという質問です。穐山先生、何か情報はありますか。
○穐山委員 私は抄録を細かく読んでいるわけではないので、これをどうやって決めたかどうかは分からないのですが。基本的に、恐らく光学異性体のカラムを使って分画して、絶対配置をどのように決めたかは分からないですが、X線結晶構造解析か何らかの機械で決めたのではないかと推測しています。ただ、詳細は企業にお聞きしないと、今この場ではお答えできないかと思います。
○村田分科会長 よろしいですか。
○杉本委員 はい。これは、なかなか難しいですね。多分、元のものというのでしょうか。下のものを読んでしまったのですが、38、38というものもありますし、物自体は84.7%ですから、きっと何かきちんと作っているのでしょうね。光学異性体というか、この構造のものができるように合成したのだろうなとは思います。ありがとうございます。
○村田分科会長 今の件について、事務局から追加で御説明できますか。
○田中室長 事務局です。食品安全委員会の評価書に若干の記載がありますので、御紹介いたします。評価書において、シフェノトリン製剤の承認申請資料や、EPAあるいはECHAの評価書に基づいて記載をしているということを説明されておりますので、承認申請書と海外の評価書のそれぞれの整合のある部分から書かれているようです。以上です。
○村田分科会長 杉本先生、分かりましたか。
○杉本委員 はい、ありがとうございます。
○村田分科会長 そのほかに御質問はありますか。ほかに御意見がないようですので、分科会としてはこれで了承したいと思いますが、いかがでしょうか。どうもありがとうございます。それでは、事務局には答申に向けた手続を進めていただきます。その他の経過については、次回以降の本部会で御報告ください。
 次に、報告事項に移ります。食品衛生分科会規程第8条第1項により、部会の議決をもって分科会の議決とされた事項については、同条第3項の規定に基づき、その決定事項を分科会に報告することとされております。まず、(2)報告事項の「食品中の農薬等の残留基準の設定について」、事務局から御報告願います。
○田中室長 今回御報告の品目ですが、昨年の12月と本年の5月に、農薬・動物用医薬品部会で御審議を頂いた品目となっております。次のページに一覧で示しておりますが、いずれも農薬で、ADI、ARfDの範囲内ということで評価を頂いております。1品目ずつ御説明いたします。
 次のページからイプロジオンの説明です。農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定、併せてポジティブリスト制度導入時に設定をした基準値の見直しを行うものです。用途は農薬の殺菌剤で、日本において、なし、もも等に登録があります。
 食品安全委員会における評価ですが、ADIが0.02 mg/kg 体重/day、ARfDは国民全体に関しては設定の必要がないこと、妊婦又は妊娠している可能性のある女性に関しては0.9 mg/kg 体重と設定をされております。今回の基準値に基づく暴露評価の結果に関しては、ADI、ARfDの範囲内ということで、特段問題ないものと評価を頂いております。
 基準値案は7ページです。先ほどと同様に、登録の有無欄の所に申請の「申」の字がある、1枚目のレタスの所に今回付いておりますが、こういったもの、あるいは国際基準に基づく基準値、その他、新たに提出されている作物残留データ等に基づき、太い黒線で囲われている基準値を見直しております。それから、現行の基準値がグレーになっている部分については、暫定基準値であったものを見直すことをしております。1品目目のイプロジオンに関しては、以上です。
 2品目目は、15ページにありますジメトモルフです。本品は、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う設定要請があったこと、またインポートトレランス制度に基づく基準値設定の要請があったものです。用途は、農薬の殺菌剤です。日本においては、大豆、小豆等を対象に登録をされております。
 食品安全委員会における評価結果ですが、ADIが0.11 mg/kg 体重/day、ARfDが0.6 mg/kg 体重と設定をされております。今回の基準値案に基づく暴露評価の結果ですが、ADI又はARfDの範囲内にあるということで、特段問題はないものと評価を頂いております。
 基準値案は17ページからです。登録の有無欄に、申請の「申」の字、あるいは「IT」と書かれている部分に関して、データが提出をされております。これらに基づいて、基準値を設定しています。その他も、新たに提出があった作物残留データ等に基づき値を見直しております。ジメトモルフについては以上です。
 続いて3品目目は、パラコートです。パラコートについては、ポジティブリスト制度導入時に設定をした基準値の見直しを行うものです。用途は農薬の除草剤で、日本においては水稲、麦類を対象に登録があります。
 食品安全委員会での評価結果ですが、ADIが0.0045 mg/kg 体重/day、ARfDが0.0045 mg/kg 体重と設定をされております。今回の基準値案に基づく暴露評価の結果ですが、ADI又はARfDの範囲内に入っているということで、特段問題はないものと評価を頂いております。
 基準値案が25ページにあります。今回、現行の基準がグレーに網掛けておりますが、暫定基準でしたので、基本的に国際基準に基づいて見直しを行っております。また、作物残留試験のデータがあるものは、そのデータに基づいて基準値を設定しております。
 続いて、最後の4品目目です。34ページ、フェナミホスです。こちらも、ポジティブリスト制度導入時に設定をした基準値の見直しを行うものです。用途は、農薬の殺虫剤です。日本においては登録がありません。
 食品安全委員会における評価の結果ですが、ADIが0.0008 mg/kg 体重/dayです。ARfDが0.0025 mg/kg 体重とされております。今回の基準値案に基づく暴露評価の結果ですが、ADI、ARfDの範囲内ということで、特段問題はないものと評価を頂いております。
 基準値案は37ページにあります。現行の基準値が暫定基準でしたので、国際基準のあるものを基準値案として設定をしております。以上、4品目となります。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○村田分科会長 それでは議論に入る前に、部会での審議の状況について、穐山部会長から御報告いただくことはありますか。
○穐山委員 繰り返しですが、概要を説明させていただきます。1品目目のイプロジオンは殺菌剤で、農薬取締法に基づく適用拡大申請に伴う基準値設定です。2品目目のジメトモルフも殺菌剤ですが、適用拡大及びインポートトレランス制度に基づく基準値設定です。3品目目はパラコートで、これはポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準を見直し、食品中の残留基準を設定するものです。4品目目はフェナミホスで、これもポジティブリスト制度導入時に設定した暫定基準を見直し、食品中の残留基準を設定するものです。この4品目ですが、これらの農薬は昨年12月、又は本年5月に開催した部会において審議を行い、幾つかの報告書の記載整備に関する指摘がありましたが、食品安全委員会によって、生体にとって問題となる遺伝毒性等は認められていないと評価されていること、また、作物残留試験や代謝試験等の結果から得られたデータに基づいて、規制対象物質、暴露評価対象物質の選定に特段問題がないこと、また、作物残留試験の分析法、作物残留のデータ、暴露評価及び国際基準等の情報により残留基準値は適切であり、特段問題がないという結論に至りました。私からのコメントは以上です。
○村田分科会長 どうもありがとうございます。それでは、ただいまの事務局及び穐山委員からの御説明について、委員の方から何か御意見、御質問はありますか。よろしいですか。ありがとうございました。これは報告事項ですので、以上になります。
 続いて、「食品用器具及び容器包装の規格基準見直しについて」、事務局から御報告願います。
○近藤課長 資料2の42ページからです。「食品用器具及び容器包装の規格基準の改正について」、御説明いたします。こちらは食品衛生法の食品、添加物等の規格基準に定める器具・容器包装に係る規格、いわゆるポジティブリストに係る規格基準の改正に係るもので、器具・容器包装部会で御審議いただいて御了承いただいたものです。
 1の経緯です。平成30年6月の改正食品衛生法により、安全性を評価した物質のみを器具・容器包装の原材料として使用可能とする仕組みとして、いわゆるポジティブリスト制度が導入されております。ポジティブリストの対象となる材質は、政令において合成樹脂とされ、令和2年6月1日から施行されているものです。この施行に当たって、本分科会においては令和2年1月の分科会において御審議を頂き、施行日前に器具・容器包装の原材料として使用されている物質、これを既存物質と呼んでおりますが、既存物質をポジティブリストに収載する方針、個別の物質の食品健康影響評価については、事後的に食品安全委員会に評価依頼を行うことについて御説明させていただいたところです。
 その際、併せて事業者間の確認や調整の時間が必要なこと、あるいは追加収載の手続を行うための期間が必要であること、使用している原材料の代替を余儀なくされる事業者においては、代替物質の検討等に時間を要するといったことから5年程度の経過措置期間を設け、経過措置期間中に物質の追加収載等を行う必要があるといったことも併せて御説明させていただいたところです。このポジティブリストについては、リストを含め、規格を告示するとともに、令和7年5月末までの経過措置期間を設定しているところです。
 この経過措置が終了するまでの間にリスト整備を進めてきたわけですが、業界との意見交換により明らかとなった課題等の解決や制度の運用を円滑にすることも考慮して、既存物質のポジティブリストについて再整理をするといったことで器具・容器包装部会において検討を進めていただきました。このような検討過程を終え、本年4月4日付けで厚生労働大臣から審議会長宛てにポジティブリストの改正について諮問され、本年4月の部会で御審議いただき結論を得たものです。
 2の改正の考え方です。まず(1)の既存物質については、食品への移行による大きな健康被害は報告されていないため、使用実績を踏まえ、一定の安全性について確認・整理をした上で、基材、添加剤それぞれについてリストを再整理いたしました。再整理に当たっては、制度の運用等が円滑に行われるよう配慮をしております。
 (2)で基材について記載しています。基材、すなわち分子量が1,000以上の重合体になるわけですが、これらについては、現在のポジティブリストでは原料基礎名によりリスト収載という形を取っており、膨大な物質数となっていましたが、分子量が1,000以上の重合体ということを考慮すると、食品への移行ということの可能性は低く、また、移行しても生体に吸収されないといったようなリスク管理の観点から、名称を重合体の特徴に応じてグルーピングした重合体としての物質名という名称に改めております。
 こちらが45ページからの第1表です。材質区分というのも表の中にあるのですが、これは、いわゆる合成樹脂の区分です。現在のポジティブリストでは7つありましたが、性質の似ているものを5つのグループに統合しております。なお、これらの物質に使用されるモノマーの組み合わせ等に関しては、別途、通知でお示しする予定です。
 また、現在のポジティブリストにある使用可能食品区分、最高温度、特記事項の欄を削除しております。削除の理由としては、食品用の器具・容器包装の製品においては、原材料が複数使用されていることも多くあり、これらの項目に関連する適切な使用方法、条件などが製品ごとに異なるために、こういった原材料ごとに定めるという方法ではなく、別途、事業者に対し、器具・容器包装を製造する営業に関する基準という省令を設け、これに従って製品の情報を管理してもらうといったことで対応したいというように考えております。
 43ページ(3)の添加剤についてです。添加剤については事業者からの使用実態に関する意見を踏まえ、物質の追加、削除、使用量の削減等を行っております。その結果が46ページから答申案としてお示ししている第2表(添加剤)といったもので、約850物質を収載しております。収載した物質については、その物質の物性や使用実態等から、ここにお示しするグルー1、グループ2という2つのグループに分けられると考え、それぞれ一定の安全性について確認した上で収載をしております。
 グループ1についてはポツが5つあり、飲食物の主な成分として使用されているもの、日本で食品添加物として使用が認められているもの、欧米で食品添加物として使用が認められているもの、欧米で合成樹脂の添加剤として使用が認可されているもの、それから、添加剤において分子量1,000以上の物質といったものですが、こういったものについては、これまでの使用実績が十分にあること、欧米におけるリスク評価があること、物質が重合体であって生体に吸収されるおそれがないことなどに基づいて一定の安全性の確認を行っております。
 また、グループ2については、このグループ1に属さないものですが、個別の試験データ、文献情報、化学構造や物性等を踏まえた定量的構造活性相関、いわゆる(Q)SARなどに基づいて、遺伝毒性の懸念がないことなどを確認することにより一定の安全性を確認しております。
 3に食品安全委員会における評価結果をお示ししています。食品安全委員会においては、食品安全基本法第11条第1項第2号の人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度が明らかであるときに該当する。いわゆる「程度明らか」と言われていますが、程度が明らかであるといった答申を頂いております。
 食品安全委員会の答申については、恐縮ですが、参考資料のほうにお示ししており、参考資料2-2の最後のほう2ページが食品安全委員会の答申となっており、「程度明らか」とされた理由についても、こちらのほうに記載があります。
 その理由としては、器具・容器包装から食品への移行により大きな健康被害はないとされていること、添加剤のグループ1については、これまでの国内での使用実績から直ちに人の健康に悪影響を及ぼすおそれがないと考えられることと併せて、グループ2については、先ほど御説明したとおり、厚生労働省が実施した当該添加剤の遺伝毒性の判断の考え方や、その結果について明らかな懸念はなかったということが考えられます。厚生労働省のほうで作成しているリスク評価方針というものがありますが、これは器具・容器包装部会のほうでも御議論いただいたリスク評価依頼の考え方をまとめているものですが、これに基づいて個別物質の評価依頼が行われることとされていること等が「程度明らか」と考えられる理由として挙げられているところです。
 恐縮ですが、元の資料に戻ります。今後の予定としては、このリスク評価方針を踏まえて物質ごとの知見を収集し、リスク評価の必要性の優先度を分類した上で、既存物質のリスク管理の妥当性を確認するために食品安全委員会に評価依頼を行うこととしており、その準備を進めております。
 4、審議の結果です。以上のとおりの内容から、別紙、44ページ以降にある規格基準の告示の改正(案)について了承を頂いているところです。本題についての御説明は以上です。
○村田分科会長 それでは議論に入る前に、部会での審議の状況について、有薗部会長から御報告いただくことはありますか。
○有薗委員 有薗です。重なるところもありますけれども、少し経緯を振り返ってお話したいと思います。ポジティブリストが平成30年に導入され、令和2年6月1日に施行されてから、その後の5年間の経過措置があって、内容を少し整備するということがありました。今回、その経過措置期間内において既存の物質についての見直し、あるいは制度の運用を円滑にするため、既存物質のリストの再整理を進めてきました。それで令和3、4年の器具・容器包装部会において幾つか検討してきて、最終的に本年4月13日の器具・容器包装部会で審議し、改正案として取りまとめを認めたところです。
 内容としては、先ほど説明がありましたように既存物質について再確認をしてリストを作り、安全性を加味して再リストしました。その中の基材については、今まで原料名になっていたところから重合体の名前に分けて、更に内容については7つの分類だったものを5つに分類化したということで、構造上分かりやすくしたということです。添加剤については、これまで使用実績が十分あって、生体にも吸収されないようなものだとある程度分かっているものを1としました。グループ2としては、グループ1には入らないけれども、国内において実績があって、文献情報等からデータや安全性の(Q)SAR等、あるいは遺伝毒性についての確認をして、その懸念がないということで安全性が確認されているものをグルーブ2として分けていったところです。このように、内容を整備していった経過報告です。どうかよろしくお願いいたします。以上です。
○村田分科会長 ただいまの事務局と部会長からの御説明について、委員の方から何か御意見、御質問はありますか。穐山委員、どうぞ。
○穐山委員 穐山です。御説明、ありがとうございました。これに関しては私も添加物部長のときに、いろいろな問題があって、ポジティブリストは大変な作業だということで、非常に難しく、どうなるか分からなかったのですけれども、ここまでまとめていただいて、大変御苦労されたのではないかと感じます。それに御礼を申し上げたいということと、敬意を表したいと思っております。これに関しては多分、既存物質はある程度整理されたのではないかと思いますが、今後、もし新しい基材、あるいは新しい添加剤の申請があった場合には、やはり食品安全委員会で審議された後に、ポジティブリストに追加という流れに入っていくものなのでしょうか。
○近藤課長 事務局からよろしいでしょうか。おっしゃるとおり、新しいものについてはポジティブリストに追加する必要があります。それは規格基準の改正になりますから、食品安全委員会の食品健康影響評価を受けて、規格基準を改正するといった手続になります。
○穐山委員 ありがとうございました。
○村田分科会長 ほかにありますか。では、二村委員からお願いいたします。
○二村委員 御説明、ありがとうございました。提案についてはこれでよろしいかと思いますけれども、リスト作成に当たっては、これまで化学メーカーや器具・容器包装の事業者の皆様ということで、上流の事業者の方々とのコミュニケーションが中心だったと思います。今後、実際に利用していくことになりますと、下流の食品製造業の事業者の方たちにもしっかり御理解いただくことが必要だと思います。非常に複雑な制度でもあるかと思いますので、食品の事業者団体等とも協力して、周知に力を入れていただければと思います。この制度が適切な運用になるように、よろしくお願いいたします。以上です。
○村田分科会長 今の二村委員の意見について、事務局から何かありますか。
○近藤課長 事務局です。制度の周知については、上流だけでなく下流のほうにもしっかりと周知をという御意見を承りました。この旧容器包装は、二村委員からも御指摘があるとおり、非常に複雑なサプライチェーンになっており、上流から下流への情報伝達も重要だと思っております。また、上流だけでなく下流というか、実際に容器包装を製造販売される方たちを含めた周知が必要だと思っておりますので、様々な機会を捉えて図っていきたいと思います。御指摘、ありがとうございました。
○村田分科会長 そのほかにありますか。ありませんか。どうもありがとうございました。
 それでは次の(3)、「文書による報告事項」に移ります。「食品衛生分科会における確認事項」において特に定められた事項については、文書配布により分科会に報告を受けることとされております。この資料に関しては、事前に委員の皆様に配布されていると思います。部会長から補足の説明、あるいは委員の方から何か御意見、御質問などはありますか。よろしいですか。特段の御意見がなさそうなので、次へ移らせていただきます。
 続いて、「その他の報告事項」に移ります。食品衛生分科会における審議・報告対象品目の処理状況について、事務局から報告願います。
○田中室長 前回6月29日と、前々回の3月29日開催の食品衛生分科会において、審議又は報告を行った内容の処理状況です。いずれもパブリックコメント又はWTO通報を順調に進めているところです。以上です。
○村田分科会長 ただいまの事務局からの報告に対して、御意見、御質問をお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございます。まだ時間がありますので、今までの審議、あるいは報告事項等の中で、何か御質問等がありましたら委員の方からどうぞお話ください。穐山先生、どうぞ。
○穐山委員 私は、微生物に関しては専門外ですけれども、昨今の報道にもあった吉田屋の弁当の食中毒事故についてです。HACCPが義務化された後にこういうことが起こっているというのは、やや不安を感じているところです。これは恐らく製造管理や品質管理、及び品質保証がうまく機能していないように思われるのです。HACCPを義務化している割には、食中毒事件がなかなか減らない、むしろ、やや増えているように感じるのです。この辺はどうお考えなのでしょうか。
○村田分科会長 分かりました。事務局のほうで、今の穐山委員に対する御返答がありましたらお願いいたします。
○森田課長 食品監視安全課からお答えいたします。御指摘がありましたように、八戸の施設において提供されたお弁当で、大きな食中毒が起こりました。原因として今、分かっている段階では、製造したお弁当から黄色ブドウ球菌あるいはセレウス菌が検出されたということで、そこら辺ではないかと推測されておりますけれども、詳細については、まだ八戸市で調査を進めているところです。
 HACCPを義務付けた後にこのような事件が起こったことについては、我々としても誠に遺憾だと思っております。恐らく不注意等々があったのだろうと思います。そして事故自体をゼロにすることは、恐らくできないだろうと思っております。いずれにしても、こうした事件が発生したら、原因を突き詰め再発防止策を打ち、起こった事態について全国の方々に知らせる。要するに食品衛生監視員等に知らせて、同じようなことが起こらないように手当をしていくという基本的な流れは、これからも変わらないと考えております。調査にはもう少し時間が掛かるということなので、もう少しお待ちいただければと思います。私からは以上です。
○村田分科会長 今の件について、内藤委員はどうでしょうか。何かありますか。特にありませんか。分かりました。高田委員はどうですか。いかがですか。特にありませんか。分かりました。ほかにありますか。郷野委員、どうぞ。
○郷野委員 今の点です。やはりこのところの食中毒のお話は、消費者として大変気になっているところです。ニュースなどを見ますと、10月は割と食中毒が出る季節だとおっしゃっていたのですけれども、消費者としては10月が多くなる季節という認識が、なかなかなかったので驚いてしまったのです。あと前回、常温の定義について聞かせてほしいという質問をさせていただいたのですけれども、気温が上がっている中で、お弁当を買った後の管理方法とか、そういうところの注意喚起というのは今後していただきたいと思っておりますので、その辺を御検討いただけたらと思います。以上です。
○村田分科会長 御意見、どうもありがとうございます。今の件について、事務局から何かありますか。
○森田課長 食品監視安全課から申し上げます。御指摘も踏まえて、八戸の調査結果なども踏まえて必要な対応を取っていきたいと思います。御意見、ありがとうございました。
○村田分科会長 ほかにありますか。どうぞお話ください。
○内藤委員 東京都の内藤です。先ほどは御指名、ありがとうございました。吉田屋の件では、東京都の中でも調査をしているわけですが、非常に規模が大きいというのが大きな特徴だと思っています。報道の中では、普段作っている以上の弁当を作ったことによって被害が大きくなったのではないかということなので、先ほど先生からもお話のあった、HACCPに沿った衛生管理の中で起こっているのか、若しくは計画外で起こっているのかということも含めて、しっかりと八戸市のほうでも検証していただき、自治体の中でも共有していただければと考えております。以上です。
○村田分科会長 ほかにありますか。よろしいですか。
○神村委員 医師会の神村です。今回のような広域の食中毒事案について、それを早く各地で知っていただく、あるいは広報していただくという体制について少し教えていただきたいと思います。
○村田分科会長 事務局のほうで、どなたかお願いいたします。
○森田課長 食品監視安全課からお答えします。食中毒が発生したといった場合には、基本的に原因施設を管轄する自治体のほうで公表等がなされております。また、今回のような大きな、全国にわたるような事案で、ある意味食中毒と断定される前でも広がりがあるといった場合には、厚生労働省も関係する自治体も公表等をして、注意を促していくということをしております。今回の事案については、9月20日の時点で、調査中ですけれども、関係自治体と厚生労働省のほうで、このような事案が起こっているという情報提供をさせていただいているという状況です。取りあえず私からは以上です。
○村田分科会長 ほかに、今の神村委員の返答になるような御意見は。神村委員、今のでよろしいでしょうか。
○神村委員 予想どおりのお答えではありましたけれども、更にもっと連絡がスムーズにいくような、具体的な体制をお取りいただけるように希望いたします。以上です。
○村田分科会長 ほかによろしいですか。それでは、以上で報告事項の議事も終わりました。最後に、事務局から何か連絡事項はありますか。
○原澤補佐 事務局です。長時間の御審議、誠にありがとうございました。次回の食品衛生分科会については、今のところ12月を予定しております。詳しい日時等については、追って事務局より御連絡させていただきますので、引き続き御協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。事務局からの連絡事項は以上です。
○村田分科会長 それでは長時間の御審議、誠にありがとうございました。これをもちまして閉会とさせていただきます。どうも今日はありがとうございました。