2023年11月27日 薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録

日時

令和5年11月27日(月)16:00~

場所

厚生労働省専用第22~24会議室

出席者

出席委員(16名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(4名)
  •  西脇公俊
  •  松下正
  •  矢口有乃
  •  脇田隆字
 
日本赤十字社 血液事業本部
行政機関出席者
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  山本圭子(血液対策課長) 他

議事

○山本血液対策課長 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会令和5年度第3回血液事業部会を開催いたします。
本日はお忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。本日も御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただきます。
 また、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 本日の委員の出欠状況でございます。西脇委員、矢口委員、脇田委員から御欠席との御連絡を頂いております。また、佐々木委員は今Web接続試み中という状況でございまして、松下委員におかれましても遅れて参加する旨御連絡を頂いているところです。本日の部会は、現時点で委員20名中15名の御出席をいただいており、定足数に達しておりますので、薬事・食品衛生審議会令第9条により、本部会が成立しておりますことを御報告申し上げます。
 また、本日は、日本赤十字社血液事業本部から、前野総括副本部長、藤田経営企画部次長、早坂経営企画部次長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○仲島課長補佐 続きまして、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。
 また、薬事分科会審議参加規程に基づいて、各委員の利益相反の確認を行いましたところ、堺田委員、髙橋委員、松下委員、三谷委員から、関連企業より一定額の寄附金、契約金などの受取の御申告を頂きましたので、御報告いたします。
議題1に関しては、松下委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象の年度における寄附金・契約金等の受取の実績はなし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。
 議題2に関しては、松下委員につきましては500万円を超える受取との報告を頂いておりますので、本規定に基づき、ロビーの方で待機していただきます。堺田委員、髙橋委員、三谷委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員につきましては、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。
これらの申告につきましては、ホームページで公開させていただいております。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上に、「1 議事次第」から「7 資料2-2」までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、近くの職員にお声かけください。
なお、「3 薬事分科会規程及び各調査会設置要綱等」を提示しておりますが、運営委員会及び各調査会につきましては、医薬局への名称変更に伴い、設置要綱・規程の局名の修正を行っておりますので、御報告させていただきます。
タブレットの使用方法につきましては、お手元の「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を御覧いただき、御不明の点等がございましたら、事務局までお声かけください。
本日は、Web併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がございますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問がございましたら、挙手等によりお示しいただきますようお願いします。部会長から順に発言者を御指名いただきます。指名された委員は、議事録作成のため、まずはお名前を御発言ください。御発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多く混雑した際は、一度発言を控えていただき、チャットにその旨メッセージを記入していただくよう、事務局又は部会長からお願いする場合がございます。その場合には、記入されたメッセージに応じて、部会長から御指名させていただきます。Web参加の皆様におかれましては、議事進行中に会話の音声が聞こえづらい状況が続き審議参加に支障を来す場合には、チャット等でその旨をお知らせいただくようお願い申し上げます。
 間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。
この後の進行につきましては、三谷部会長にお願いいたします。
○三谷部会長 それでは議題に入ります。議題1は「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)について(諮問)」です。本日は、令和6年度の計画案について、11月21日付けで厚生労働大臣から諮問がなされておりますので、本部会で審議したいと思います。それでは、事務局より資料の説明をお願いします。
○仲島課長補佐 事務局です。議題1「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)について」を御説明いたします。資料については、資料1-1と1-2です。
まず、資料1-1から御説明させていただきます。資料1-1として「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)について」ですが、頭の方は目次となっております。1ページ進めていただきますと、令和5年11月厚生労働省医薬局血液対策課と記載されております、「令和六年度の献血の推進に関する計画を定める件(案)について(概要)」があります。こちらに沿って説明させていただきます。
まず、「1.制定の趣旨」です。血液法第10条第1項の規定に基づき、厚生労働大臣は、毎年度、今年度は令和5年度ですので令和6年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めることとされております。今般は令和6年度の献血推進計画を定めるというところです。
 「2.告示案の概要」です。法第10条第2項に基づき、献血推進計画において、以下に掲げる事項について定めることとされています。この第1~第3については、昨年度2月の部会において、地方分権の関係で御案内している内容と同じになっていまして、第1は「当該年度に献血により確保すべき血液の目標量」、第2「献血に関する普及啓発その他の当該目標量を確保するために必要な措置に関する事項」、第3「その他献血の推進に関する重要事項」となっています。第1の目標量については毎年定めるというところ、第2、第3については、必要に応じて見直していただくということで、昨年度御案内しているものです。令和6年度の計画ですが、二つ目のマルです。上記第2の事項に関して、国は、小中学校現場での献血推進活動を含め、献血への理解を深めてもらうための取組を行うことについて記載するということで、この内容については6月の「骨太の方針」を踏まえた記載となっております。
 「3.根拠条項」です。「法第10条第1項及び同条第4項において準用する法第9条第5項」という書き方になっていますが、ここにつきましては、計画を定めるときは審議会の意見を聴くということです。
 「4.施行期日等」です。告示日は令和6年2月末を予定していまして、適用は令和6年4月1日というところです。これも昨年度の地方分権の関係で、例年は2月末を待ってからの都道府県献血推進計画の作成でしたが、この部会の答申をもって今後は作成していただくということで、今年度からその辺りから策定していただくことになっております。
 資料の4ページ、PDFは5ページ目に当たります諮問書ですが、武見厚生労働大臣から審議会会長への諮問となっています。
1ページ進めていただき、「令和6年度の献血の推進に関する計画」、これは告示の案ですが、8ページからが「令和6年度の献血の推進に関する計画」本文となっています。こちらで説明ということになりますと、少々見づらいところもありますので、申し訳ございませんが、15ページ、PDFの16ページ目の「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)新旧対照表」に沿って、説明させていただきます。
新旧対照表ですので、左が令和6年度、「新」です。右が「旧」の、令和5年度献血推進計画です。基本的には変わったところには下線を引いています。時点修正が主なのですが、その中でも来年度、「第1 令和6年度に献血により確保すべき血液の目標量」、こちらについては、令和6年度に必要と見込まれる輸血用血液製剤の量は、赤血球製剤52万リットル、血漿製剤25万リットル、血小板製剤17万リットルで、令和5年度と同じ数字になっています。この必要量については、過去3年間における供給実績を参考とし、医療機関への供給動向を踏まえながら、諸事情も踏まえて作成するということで、今年度と同じ流れだったというところです。その必要量をどのように確保するかが、二つ目のポツの「さらに」から始まる文章で、確保されるべき原料血漿の量が、令和5年度の120万リットルから令和6年度の123万リットルに増加いたします。その量の目標を勘案すると、令和6年度に全血採血により135万リットル、これは令和5年度と同じです。成分採血が85万リットルから87万リットルに増加、その内訳として、血漿成分採血が54万リットルから56万リットルに増加、血小板成分採血が31万リットルから31万リットルで変更なしとなっています。合計220万リットルが222万リットルということで増加しております。先ほどの確保されるべき原料血漿の量では、3万リットル増加しているとの説明から、これは四捨五入の関係で1万リットル少なく見えるのですが、同じような考え方で計上させていただいています。この3万リットルについては、将来の送付増加量を見込んで、積み増し分を乗せているところです。
 16ページです。「第2 献血に関する普及啓発その他の第1の目標量を確保するために必要な措置に関する事項」です。こちらも、基本的にはアンダーバーを引かせていただき、時点修正ということです。全国大会は千葉県から岐阜県に変わるというところ。「イ 若年層を対象とした普及啓発」の「(ア)普及啓発資材の作成」のところですが、令和5年度計画の記載では、中学生というのは後ろの方でしたが、「骨太の方針」に、小中学校への普及啓発と記載されたことから、「中学生や高校生を対象とした」ということで、前の方にしております。今まで学習指導要領関連に「献血」の言葉が載ったのは高校生までで、中学校にはまだそのような記述はありません。「教材」は教えるために必要な材料ですので、まだ教えるという段階ではないということで、ここは「資材」という言葉に直させていただきたいと考えております。17ページも同様に、「教材」を「資材」に変えさせていただいています。「(エ)学校等における献血の普及啓発」、これを新設させていただきまして、先ほど御紹介しました、「国は、小中学校現場での献血推進活動を含め、献血への理解を深めてもらうための取組を行う。」を入れさせていただきたいと考えております。資料1-1については以上です。
 続いて、資料1-2「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)に関する意見募集結果について」です。いわゆるパブコメの結果について、回答の方向性を今回御確認いただくというところです。意見募集期間は、令和5年11月7日~11月20日でした。御提出いただいた御意見は全部で7件でした。うち1件は計画(案)と関係しない募集手続に関する御意見でしたので、6件について回答をするというところです。
まず一つ目です。「献血者を増やすための傾向と対策を講じるため、アンケートを実施すべき。非リピーターは献血バスでの献血がほとんどで、成分献血の存在すら知らず、献血ルームはハードルが高いのではないか。外部への広報不足は否めない。」、あと、「親子で献血の会話をするきっかけを作れるような記念品やイベントを設けることも検討してほしい。」、このような御意見でした。この御意見に対して、令和6年度の献血推進計画には、新たに、先ほど御紹介しました、小中学校現場での献血推進活動を含め、献血への理解を深めてもらうための取組を行うということを記載させていただくということ。また、現行の計画の中で、採血事業者は、国の協力を得て、献血者や献血未経験者へのアンケート等を実施して、それらの意見を踏まえ、効果的な普及啓発や献血者の利便性の向上に資する取組を実施することということで、現行の計画の中に含まれているものであったというところです。
 続いて二つ目。「小中学校生にとってイメージしやすい献血は成分献血より全血献血であり、年齢制限の関係から400mLよりも200mL献血である。国が小中学校の現場での取組をするのであれば、200mL献血の予約を受け付けないのは問題である。」、この御意見に対して、令和6年度の計画においても、引き続き、献血者の意思を尊重した採血の実施について記載しているところですので、御意見として承りますという回答になろうかと思います。
 続いて三つ目。「「ラブラッド」会員の献血ポイントで、インフルエンザワクチン接種を行ってはどうか。空いている平日午後の献血ルームで完全予約制にすれば検診医や献血ルームスタッフの負担にもならないのではないか。」、こちらの御意見に関して、献血者の健康管理及び利便性の向上のため、血液検査による健康管理サービスの充実等について、引き続き本計画の方に記載することとしており、御意見として承りますということです。
 4番。「献血できる年齢は69歳までだが、75歳に上げるとか、上限を撤廃してもよいのではないか」、あと、「男性より女性の方が前の献血から次の献血までの間隔が長いが、そろえてはどうか」という御意見です。これにつきましても、現計画に記載されているとおり、引き続き、献血者の健康保護を第一に考慮しつつ、献血の推進及び血液の有効利用の観点から、採血基準の見直しを行うという記述がありますので、そのように検討させていただきたいということです。
 5番は、「献血量の目標を立てるのは必要だが、ノルマ化し不適切な献血をすべきでない。」、あと、「梅毒の報告例が増えており、献血の検査体制は更に強化すべきではないか。偽陽性であっても、輸血用血液製剤として使用すべきではない。」、「献血者の悪質な言動への対策を強化すべき。」、このような御意見です。まず、目標量ですが、実際の医療需要に応じて採血を行っているということで、ノルマ等を課してはいない状況と存じております。また、血液製剤の安全性を確保するため、梅毒の抗体検査など各種感染症等検査の実施は、日本赤十字社の方で行っているというところ。その結果が陽性の場合、偽陽性も含みますが、製剤の原料とすることはないので、患者さんに輸血されることはないというお答えをしたいと考えています。あと、悪質な言動に対しては、日本赤十字社は、状況に応じ警察へ相談をしているということです。場合によっては、以後の献血をお断りする場合もあるということですので、その辺を回答したいと考えております。
 最後に6番の、「献血時の血液検査結果通知の項目に尿酸の値を加えてはどうか。」という御意見です。これも3番と同じですが、献血者の健康管理及び利便性向上のため、血液検査による健康管理サービスの充実というところで読めるのではないかと考えておりますが、これも日本赤十字社に提供して、今後の施策の検討に当たっていきたいと考えているところです。
 今回頂いた御意見全て踏まえますと、現行の計画、あとは新たに追加する計画の中で読めるということで、この御意見に沿った修正はないものと厚労省では考えているところですので、個別のメニュー等、何か実施しなくてはいけないとか、細かいところについては、この献血推進計画の方に載せるものではないと考えておりますので、その辺の実施に当たっては日本赤十字社と検討しながら進めることになるのではないかというところです。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。令和6年度献血推進計画(案)、そして計画(案)に関するパブコメについて、説明いただきました。ただいまの説明について、御意見、御質問などがございますでしょうか。濱口委員、お願いします。
○濱口部会長代理 先ほどのパブコメのところにありました、一番初めの意見というのは、非常に重要と思っています。親が献血経験者で、子供にそれをバトンタッチするという観点からすると、学校での献血も大事ですけれども、親から直接献血の必要性を学ぶというか、そういった流れというのは、やはり考えたほうがよいと思います。具体的に日本赤十字社の方で、こういった局面というか、親子での献血を考えてもらうような取組というのは具体的には何かなさっているのか教えてください。
○日本赤十字社前野総括副本部長 日本赤十字社の前野でございます。御質問ありがとうございます。日本赤十字社といたしましては、やはり今御指摘があったように、親子での献血の会話、こういったことは非常に重要だと考えております。今、全センターでは取り組めてはいないのですけれども、夏休みに親子献血デーといったようなことを開催しまして、血液センターに親子で来ていただいて、施設見学、あるいは親御さんが献血をしているのを見学いただくといったようなことも、進めているところでございます。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかに、委員の先生方、御質問、御意見等おありでしょうか。武田委員、お願いします。
○武田委員 私も、この資料1-2のパブコメの結果の、6番の尿酸値を加えてはどうかという御意見ですが、ここ数年、ずっとこの御意見を頂いているところで、日本赤十字社の方で、この点について検討されているのかどうか、また、今後の見通しなどがあれば教えていただければと思います。
○日本赤十字社前野総括副本部長 日本赤十字社の前野でございます。検査の追加につきましては、機械の関係もございまして、チャンネルが限られています。ですので、新しい検査を取り入れるとなると、既存の検査を取りやめなければいけないという状況も今ございまして、今すぐにこの新しい検査を取り入れるという具体的な検討はしておりませんけれども、また機会があれば、こういった御意見があるということも、もちろん社の中で検討させていただきたいと思います。
○武田委員 ありがとうございます。先ほど、計画の中でも、血漿成分採血を来年度は3万リットルほど今年より増やすので、恐らくこの先も増やしていかれるのではと思いますが、そうしたときに、やはり献血者の利便性や、献血者の方が献血をしたいと思っていただけるように、日本赤十字社でできるところをきちんと行っていただいて、これから献血者の方に多く来ていただけるようにというところで、検討いただければと思います。よろしくお願いします。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかに、委員の先生方、御意見、御質問おありですか。特に手を挙げていらっしゃる委員の方はいらっしゃらないようです。
本件に関しましては、パブコメの1番と6番に関しまして、委員の先生方から御意見を頂戴し、日本赤十字社の方からも回答を頂きました。今後、血漿成分採血がより必要になるだろうということで、献血者のリクルートを引き続き続けていくことが大事かと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、当部会として、令和6年度献血推進計画(案)について適当であると認める旨、議決をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。なお、松下委員は議決には加われません。よろしいでしょうか。特に御異論ないようですので、本件は委員の先生方に御賛同いただけたと思います。
 それでは、本件につきましては、薬事分科会における確認事項に基づき、当部会の議決をもって、令和6年度献血推進計画(案)について適当であると認め、薬事分科会に報告することといたします。なお、その他の取扱いにつきましては、私に御一任を頂くということでよろしいでしょうか。特に御異議はないと認めます。また、パブリックコメントに寄せられた意見への回答につきましては、本日の御意見を踏まえて、事務局は対応をお願いいたします。
 続きまして、議題2に入ります。議題2は「令和6年度需給計画(案)について(諮問)」です。本日は、令和6年度の計画(案)について、11月10日付けで厚生労働大臣から諮問がなされておりますので、令和4年度需給計画等の実施状況の報告を聴取した上で、令和6年度需給計画(案)について御意見を頂きたいと思います。
 それでは、事務局から、資料について説明をお願いします。
○吉田需給専門官 事務局から議題2「令和6年度需給計画(案)について」の説明をいたします。資料は2-1と2-2となっておりますが、まずは資料2-1から説明させていただきます。
1ページをお願いします。計画についての概要です。「1.趣旨」ですが、血液法第26条第1項において、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の需給計画を定めるものとされております。今般、令和6年度の需給計画を定めるものとなっております。「2.内容」ですが、血液法第26条第2項にて定める第1~第5の五つの事項について、来年度の計画を定めるものです。「3.根拠法令」は、2、3ページに参考として載せておりますので、適宜御覧いただければと存じます。今後の予定ですが、本日の令和6年度の需給計画(案)についての御意見を踏まえ、次回の血液事業部会に再度お諮りして、「4.告示日等」に記載したとおり、来年令和6年3月下旬に告示し、4月から適用を予定しております。
 令和4年度の需給計画の実施状況ということで、4ページを御覧ください。血液法第27条第4項の規定に基づき、令和4年度の需給計画実施状況について報告させていただきます。製剤ごとの需給状況につきましては、資料6ページの別表を御覧ください。各製剤の、製造・輸入量の実績をマル1の欄に、そのうち国産原料から製造された量をマル2の欄に、供給量をマル3の欄に、輸出量をマル4の欄に記しており、各欄の下段が需給計画で定めた量、上段が実績、実績の右側括弧内に達成率を表示しております。
 4ページに戻ります。まず、マル1欄の各製造又は輸入の実績です。アルブミン、血液凝固第VIII因子、血液凝固第IX因子など、12製剤でほぼ目標を達成、又は目標量を上回って製造・輸入されております。マル2欄の国産原料からの製造の実績では、11製剤中、アルブミンなど6製剤でほぼ目標達成し製造されており、他は目標を下回っております。マル3欄の供給の実績ですが、18製剤のうち、アルブミンなど16製剤でほぼ目標どおりに供給されました。4ページ及び5ページのマル4欄の輸出量ですが、2製剤のうち、血液凝固第VIII因子は日本血液製剤機構のクロスエイトが世界血友病連盟へ寄附が行われました。血液凝固第Ⅸ因子の実績はありませんでした。
 全体を通して、令和4年度は、一部の製剤では製造や供給などで目標を下回った製剤もありますが、医療需要に応じて安定供給されております。人免疫グロブリン製剤に関しましては、令和4年度12月~3月は需要が多くなっております。限定出荷の期間ではないですが、在庫状況が逼迫している状況でした。
 5ページです。「5.」、原料血漿の確保実績です。目標量125.3万リットルに対し、125.8万リットルを確保しております。日本赤十字社において目標を上回る確保をしていただきました。
「6.」、血液製剤の製造販売業者等への原料血漿配分量は、各者に対して計画どおり配分となりました。配分総量は、122.0万リットルです。
 7ページです。令和5年度需給計画の上半期(4月~9月)の実施状況の報告です。製剤ごとの需給状況につきましては、9ページを御覧ください。9ページの別表のマル1製造・輸入量、別表のマル2国内献血由来の血液製剤の製造の実績、別表のマル3供給量について、一部の製剤で目標量を下回っている製剤もありますが、市場欠品は生じておりません。人免疫グロブリン製剤につきましては、本年4月より限定出荷とさせていただいていますのと、10月20日の血液事業部会で令和5年度需給計画の変更について了承いただいたところです。引き続き需給状況には注視してまいりたいと思います。人免疫グロブリン製剤以外のその他製剤に関しましては、医療需要に応じ安定供給されており、問題は生じておりません。また、別表のマル4輸出量は、上半期の輸出実績はありませんでした。
 8ページを御覧ください。「5.」、原料血漿確保実績についてですが、目標量120.0万リットルに対し、上半期で60.2万リットルを確保しており、達成率は50.2%となっています。
「6.」、原料血漿の配分ですが、9月までの確保状況から、今年度も計画どおり配分できるものと見込まれます。
 10ページの「血漿分画製剤の自給率の推移」を御覧ください。主な血液製剤の自給率の推移を表しております。血液凝固第VIII因子製剤の国内自給率は、遺伝子組換え製剤を除き、平成6年以降国内自給率100%を達成しております。免疫グロブリン製剤の国内自給率は、令和4年度82.8%で、国内自給率は低下しています。令和元年度に国内献血由来の製剤が供給不足になったこと、令和4年度12月~3月の需要増で輸入製剤の液状10%の需要が増えたこと、現状のところ国内唯一の皮下注製剤の需要が年々増え続けていることの影響があると思われます。アルブミン製剤の国内自給率は、令和4年度は67.3%です。平成19年度をピークに低下から横ばいの状況が続いておりましたが、令和4年度に基礎的医薬品になり薬価が統一されたことによる影響もあるかと思いますが、自給率の向上が少しずつですが見られます。
次ページ以降が、主要3製剤の供給量の推移になります。11ページを御覧ください。アルブミン製剤の供給量の推移です。供給量の数値ですが、令和4年度は実績値、令和5年度は上半期供給実績を事務局で1年分に換算した数値です。令和6年度は各社からの供給見込を集計した数値です。以降のページも同様です。アルブミン製剤については、年々供給量は減少しておりましたが、近年は横ばいとなっています。令和6年度の需要見込みが若干増えているのは、武田薬品の成田工場シャットダウンによる積み増し分も踏まえています。
 12ページです。グロブリン製剤の供給量の推移です。グロブリン製剤に関しては、近年、供給量が増加傾向にあります。令和2年度は新型コロナウイルスの感染症対策の影響もあり、令和元年度と比べて若干減少しましたが、令和3年度以降は上昇傾向です。令和6年度の需要見込みが増えているのは、先ほど申したとおり、武田薬品工業の成田工場のシャットダウンによる積み増し分も踏まえていることと、令和5年度の需給計画を変更し、輸入製剤の輸入量を増加させていただきましたが、令和6年度は令和5年度より需要が増えると見込んでおりますので、更なる輸入量の増加を計画していることによります。
 13ページです。血液凝固第VIII因子製剤の供給量の推移です。平成30年度をピークに、令和元年度以降は減少傾向に転じています。これについては、過去の部会でも話題にあがりましたが、14ページの抗体医薬品(エミシズマブ)への需要シフトの影響も大きいのではないかと考えております。
 15ページを御覧ください。令和6年度の需給計画(案)についてですが、こちらのページは諮問書となっております。
 16ページです。令和6年度の需給計画(案)ですが、令和5年度計画からの主な変更点は、原料血漿の確保・配分量や供給見込量など数値部分になります。「5」のインヒビター製剤の下線が引いてある「抗組織因子経路インヒビター抗体」ですが、本年度新たに承認された血液代替医薬品となります。20ページの別表の「インヒビター製剤」の需要見込等の数字に反映されています。
また、20ページの別表の下から5行目の「人プロテインC」についても下線が引いてありますが、こちらは、これまでKMバイオロジクス社の一つの製剤のみでしたが、令和6年度に販売予定の新薬があり、二つの製剤になります。新薬分につきましても需要見込み等の数字は含まれております。現在は承認前であり、厚生労働省令の改正前であるため、16、17ページに記載されている血液製剤に記載はありませんが、来年2月の血液事業部会時に、17ページの11番目として「人プロテインC」を記載する予定です。
 引き続き、17ページを御覧ください。血液法第26条第2項に規定されている、本計画で定めることとされている事項について、第1から順に記載しております。第1の「令和6年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量」は、20ページの別表の(ア)欄に、第2の「令和6年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標」は、20ページの(イ)欄、第4の「令和6年度に国内原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量の目標」は、20ページの(ウ)欄に、19ページの第5の2の「令和6年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量」は、20ページの(エ)欄に、それぞれお示ししております。
これら「需要見込」や「目標量」に関しましては、血液法に基づき製造販売業者から報告される届出や、近年の供給実績も勘案して、安定的に供給されるよう算出したものです。
 20ページになりますが、参考として、右から2列目に、令和5年度末の在庫見込量の報告を記載しています。在庫見込量と(イ)製造・輸入目標量を加え、(エ)輸出量を差し引いたものが、一番右端の供給可能量になっています。この供給可能量が(ア)需要見込より多ければ、安定供給が可能になることになります。供給可能量と(ア)需要見込を比較したところ、全ての製品において供給可能量が需要見込を上回っている、あるいは同量となっていますので、令和6年度においては、供給に支障は生じないものと考えておりますが、特に人免疫グロブリン製剤に関しては、今年度に引き続き令和6年度も需給状況については注視していきたいと考えております。
 17ページに戻っていただきまして、第3の「令和6年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」ですが、123.0万リットルを目標量としています。
 18ページを御覧ください。第5の「その他原料血漿の有効利用に関する重要事項」の、1の「原料血漿の配分」ですが、原料血漿の種類ごとの標準価格につきましては、次回の血液事業部会で御審議いただくことになりますので、今回は空欄とさせていただいております。2ですが、令和6年度に採血事業者である日本赤十字社から製造販売業者へ配分される原料血漿の種類ごとの配分見込量です。最近の需要の動向や在庫状況などを勘案して配分しているため、年度ごとに配分量の変動はありますが、全体としては血液製剤の安定供給に必要な量の配分が可能となるよう調整しております。令和6年度は、合計120万リットルの配分を計画しております。
 19ページです。「その他原料血漿の有効利用に関する重要事項」の2の「令和6年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量」ですが、先ほども触れさせていただきましたが、令和6年度の輸出見込は、血液凝固第VIII因子製剤、血液凝固第IX因子製剤が、20ページの別表(エ)に示すとおりの輸出量となっています。なお、令和5年度計画から引き続きではありますが、血液凝固第VIII因子製剤は日本血液製剤機構がクロスエイトMCを世界血友病連盟へ寄附の見込み、血液凝固第IX因子製剤はKMバイオロジクス社がノバクトMの輸出販売を見込んでおります。
 21ページを御覧ください。令和6年度の原料血漿確保目標量(案)になります。目標量は123.0万リットルとしています。「2.」でお示ししている令和6年度の原料血漿配分量は、凝固因子製剤用が合計22.5万リットル、その他の分画製剤用が合計97.5万リットルで、合計が120万リットルとなっており、確保目標量が配分量より3.0万リットル多くなっております。これは、武田薬品の新工場の設立等、今後原料血漿の需要量増加が見込まれる中、日本赤十字社として原料血漿の安定供給に支障が生じないよう、貯留在庫に充当するものとなります。資料2-1の説明は以上となります。
 続きまして、資料2-2「人免疫グロブリン製剤の安定供給にむけた需給計画について」の説明をさせていただきます。
「1.令和5年度の需給計画」ですが、人免疫グロブリン製剤は、本年4月より国内製造販売業者4社が限定出荷を行っており、現在も入手困難な医療機関が散見されることから、状況の緩和を図るため、令和5年度需給計画を変更させていただきました。医療機関等に周知を図るため、10月20日に、2ページ別添の事務連絡を発出させていただきました。引き続き、各メーカーと連携して、安定供給の確保に努めていきたいと考えております。
「2.令和6年度の需給計画」につきましては、人免疫グロブリン製剤を含む一部の血漿分画製剤につきまして、武田薬品成田工場のシャットダウン(令和6年10月~令和7年3月)と製剤の出荷停止(令和7年2月~7月)が計画されています。同社はシャットダウンの在庫積み上げと、グロベニンとノンスロンについては他社への代替供給を依頼し対応します。そのために令和6年度需給計画につきましては、令和5年度の変更後の需給計画を上回る製造量及び輸入目標量を設定しております。令和6年度も引き続き各メーカーと連携し、安定供給の確保に努めていきたいと考えております。
議題2の説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。令和6年度の需給計画案について、特に人免疫グロブリン製剤の安定供給に向けた需給計画の御説明を頂きました。ただいまの御説明について、御意見、御質問等がおありの委員の先生方はいらっしゃいますか。田野﨑委員、お願いします。
○田野﨑委員 人免疫グロブリンについては限定出荷がされているということですが、つい先日9月の時点で、5%献血アルブミン製剤についても限定出荷ということで、医療機関の方ではその供給や何かで少し混乱を起こしていました。これは恐らく、アルブミンが基礎的医薬品になったことによって、国内品に移行させている施設も多くあるのではないかと。それに伴い、国内全体としては需給のバランスがとれているのかもしれませんが、せっかく国内品に移行させたにもかかわらず、これがなかなか供給が難しいということで、各医療機関で困っているところがないかと少し懸念しております。こちらに関して、何か事務局の方で把握されていることがあればお願いしたいと思います。
○三谷部会長 事務局、いかがでしょうか。
○吉田需給専門官 事務局より回答させていただきます。先生がおっしゃられたことを事前に確認させていただきましたが、現状のところ、他の医療機関等でアルブミンが足りないという報告は入っておりません。ただ、今後の需給状況を見合わせながら、国内メーカーと連携して慎重に対応していきたいと考えております。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかに、御質問、御意見のある委員はいらっしゃいますか。水上委員、お願いします。
○水上委員 国立感染症研究所の水上です。今回、グロブリン製剤の製造等について示していただいているかと思うのですけれども、特殊免疫グロブリンの方も、我々は気にしております。抗HBsや抗破傷風人免疫グロブリンの方は次年度も製造ということで問題ないかと思うのですが、乾燥抗D人免疫グロブリンについては、今回はゼロと記載されておりまして、需要見込み9,300に対して令和5年度の在庫量が1万2,400なので、現状は問題ないかと思われるのですけれども、今後の在庫量確保の観点からも、製造の必要性はないでしょうか、というのが質問です。
○三谷部会長 事務局から回答できますか。
○吉田需給専門官 事務局より回答させていただきます。令和6年度の需給計画で、抗D人免疫グロブリン製剤は見込まれておりませんが、先生のおっしゃるとおり、在庫量はありますので、来年度は作らなくても、作ったところで需要がないと廃棄になってしまうので、必要最低限の量でやらせていただくということとなっております。今後については、やはり需要状況をよく見ながら、いつ製造するかを計画していきたいと考えております。以上です。
○三谷部会長 よろしいでしょうか。ほかに、御意見、御質問等はおありですか。武田委員、お願いします。
○武田委員 武田です。よろしくお願いします。別表の製剤の「需要見込」と「製造・輸入目標量」というところで記載を頂いていますが、以前から言われているとおり、例えば血液凝固第XIII因子等は、ほぼ海外の血漿由来です。国内製造のない製剤については、是非、国内で製造できるような形を考えていただきたいところです。なかなか難しいところはあると思いますが、国内で是非こういったものは作っていただきたいというのが1点です。
 もう1点は、先ほども話題に上がっていたグロブリン製剤についてです。知り合い等から少し聞いてみたところ、市中の病院等でもやはりまだグロブリンがなくて、特に急性疾患の方ですね。慢性の方であれば、必要量をきちんと確保しているところも多いのですが、急性疾患においては、まだグロブリンがなくて、なかなか治療ができないところも散見されているという話も伺っています。今後もグロブリン製剤の需要が増えていくと予測されているところで、こうしたことを繰り返してはいけない。患者が本当に必要な治療が受けられないということを繰り返してはいけないと思います。先ほどのお話でも、需要に対してはきちんと量は取っているということでしたが、全体量としてはあるのかもしれないのですが、少し流通のところでうまくいかなくて、使えないということが最近散見されているのかなと。何か流通を適正にしていく方策がないのかどうか、少し事務局の方に伺いたいと思います。
○三谷部会長 事務局、お願いします。
○吉田需給専門官 武田委員、御質問ありがとうございます。まず第XIII因子についてですが、我々としても、国内需給達成ということで、国からどういった支援ができるかによってこの製剤の開発状況も変わってくると思われますので、どういう支援ができるかということを考えて、是非とも国内需給ができるように、これは第XIII因子だけでなく、個々を見れば抗破傷風人免疫グロブリンなども作られていないので、製造が可能な製剤に関しては、検討を続けていきたいと考えております。
 グロブリン製剤に関しては、先生のおっしゃるとおり、急性期、特に川崎病などで、流通のところでうまくいっていない、病院内の配分でうまくいっていないというところは散見されております。我々としても、今、学会等とも連携して、医療機関の協力を得ることと、また、輸入製剤の輸入量が増えますので、輸入製剤で代替できる疾患は代替していただき、急性疾患などに使われる病気の方に効能・効果を持っている製剤はそちらの方に使っていただくようなことも、各メーカーと連携しながら行っていきますので、うまく回るように努力していきたいと考えております。
○三谷部会長 ありがとうございます。ほかに。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川です。私も医薬品の流通と医療機器の流通、両方の会議に関わっております。そこの中では、絶対量とかいろいろな量とは別に、情報も非常に重要なファクターになっております。今、需給専門官がお話になりましたけれども、どこにどのように不足し、どこにあるのかというところも必要です。この入口と言うか出口と言うか分からないですけれども、出すメーカーの方は、これを分かっているわけです。どこにどのように不足しているのかという調査をやはりしなければいけない。医薬品の方では、メーカーからどのぐらい作っていますよと公表されていますが、製薬企業が発するいわゆる通常出荷、限定出荷の概念と、現場の感覚というか、現場としてどのぐらい少なくなっているかを突合したら、やはり合ってないのです。そこに齟齬が生じていたことが分かった。日本医師会が全国の医療機関にお願いして調査をしたら、メーカー公表のデータと現場の不足状況が、多少違っていたところがありました。先ほども言ったように、そこには波があることは分かるのです。季節的な変動などもあります。ただ、それは前にも話になったように、どこかの医療機関や薬局が供給状況を心配してということで、在庫を抱え込んでしまったとか、いろいろなことがあるわけです。そういうところがしっかりと分かるように、きちんと定期的にこれだけ出ていますよということもオンタイムの中でしっかりと情報を出せるということが、医療機関の抱え込みも含めて解消されるし、いつ供給が来るんだよということが分かれば、それなりの対応の仕方もできてくるだろうと思います。そういう情報も、医薬品のいろいろな情報の出し方と同じような形で、血液製剤も同じような対策を考えていくことが、これから血液製剤の種類もたくさん出てきますし、国内の需給もいろいろ変わってくる状況の中では、是非とも必要なのです。今後、急にではなくても結構ですが、しっかりとした立て付けをつくっていただければ、非常に有益ではなかろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○三谷部会長 宮川委員、ありがとうございました。特に免疫グロブリンに関しては、需給計画だけでなく、やはり流通の情報も大事ということでしたが、厚労省としては、リアルタイムに流通に関する情報を把握するシステムはお持ちなのでしょうか。
○吉田需給専門官 事務局より回答させていただきます。リアルタイムの情報は、持っておりません。血液法27条に、先ほど報告させていただいた実績表がありますが、前月の実績を翌月にもらっているような形です。ただ、有料で、卸から医療機関に渡ったというのが即日で分かるデータがあるのですが、それは有料になっており、二次利用の問題があって、公表ができないところがあります。例えば抱え込みなどがあった場合ですが、いきなり1日で200本買ってしまったという場合に、その時点では怪しいと考えられますが、200本買って数か月間購入がなければ、それは大量購入とは言えない部分があります。グロブリン製剤というのは、前にもお話したとおり、2年ぐらい保存期間があるので、これは大量購入だろうということを特定するのがなかなか難しい部分がありますが、宮川先生の御意見にもあったように、こちらから出せる、何かしら安心できる情報があれば、率先的に出すという方策は考えていかなければいけないかと考えております。以上です。
○三谷部会長 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いします。宮川先生、どうぞ。
○宮川委員 ありがとうございます。今お話になったように、医薬品のところも、そういう問題があって、供給不安の中で、いろいろな齟齬が起こってきたことが分かったので、情報も重要なファクターとなることで改善しつつあるところです。これは改善したということではありません。改善しつつあるというところなので、やはり情報を出していただく。医薬品には、独禁法の問題や横並びの問題が非常にあったのですけれども、血液製剤もどのような障害があるのか、厚生労働省の方で現状をしっかりと把握していただいて、なるべく改善する方向で具体的な方策をとっていただければよろしいのではないかと思います。その中で、各委員に対していろいろヒアリングをして、どのような実数の出し方が必要なのかということも、御検討いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。宮川委員より追加コメントを頂戴しました。ほかに、御質問、コメントがおありの委員はいらっしゃいますか。田野﨑委員、どうぞ。
○田野﨑委員 田野﨑です。これまで、原料血漿の確保の問題が大変重要とされてきていたと思っておりますが、これだけではなくて、実際に血漿がたくさんあっても、国内の各分画製剤のメーカーに十分な製剤を作る余力がないということが、どうも少しずつ見えてきていると思うのです。これは今後ハードウェアなどがだんだん老朽化していくにつれて、今回武田薬品においてはこれを変えていっておりますが、ほかの企業が今後どのぐらいそういう余力があるかということについても、少し先のことについて把握しておく必要があるのではないかと思います。細かいことについては企業の内部的なことであると思いますので、事務局におかれましては、そういうところも少し私たちにも情報共有していただくといいなと思います。以上です。
○三谷部会長 ありがとうございました。この件に関しては、引き続き事務局でも御検討いただければと思います。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 今、非常によい御提案がありました。やはり国内製造の構造は非常に虚弱で、先ほどのお話にもあったように、全ての施設が老朽化している。そこで新たに施設を造るということに関しても、非常に利の薄いところもありますので、ほかのいろいろな医薬品とは違った立て付けを考えなければいけないということになります。そうすると、これは厚生労働省ではなく、国としての血液製剤に関する大切さというものをしっかりと訴えてお願いしていくこと、厚生労働大臣も含めてですけれども、人間の安全保障としての大事な立て付けであるということをしっかりと訴えていくことも必要なのです。厚生労働省だけでなく、多くの報道機関の方々もその内情を知っていただいて、正しくそれを伝えていただいて、国としてあるべき姿を、血液製剤を含めてですけれど、確立していかなければいけないということも、広く多くの方に知っていただくという形をとっていくことでしか、出口がなかなか見えないところがあります。是非皆さんと情報共有をしながら、国としての対策を訴えていくことも非常に重要なことなのかなと思います。少し大きな話になりましたけれども、これは予算も含めていろいろな問題がありますが、そこも国に対して、いろいろなアピールというか主張ができればと思っております。よろしくお願いを申し上げます。
○三谷部会長 宮川委員、ありがとうございました。短期的な問題ではなく、企業の設備等も含めて、長期的な視野が必要であるということだろうと思います。
委員の先生方、ほかによろしいですか。たくさんのコメントを頂戴しましたけれども、それに関しては事務局の方からお答えを頂けたのではないかと思います。
事務局においては、本議題は次回の血液事業部会においても継続審議になりますので、本日いただいた御意見を踏まえ、原料血漿の配分価格と合わせて、修正案の準備をお願いします。それでは、議題2は終了しました。
最後に、議題3「その他」ですが、事務局から何かありますか。
○仲島課長補佐 事務局です。議題としては特にありません。
○三谷部会長 承知しました。それでは、本日の議題は以上ですが、委員の皆様から、ほかに何か御意見等はおありでしょうか。ありがとうございました。
それでは、事務局に議事進行を戻したいと思います。
○山本血液対策課長 三谷部会長、ありがとうございました。次回の血液事業部会の日程は、別途御連絡を差し上げます。これにて、令和5年度第3回血液事業部会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。
( 了 ) 
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬局

血液対策課 課長補佐 仲島(2909)