第1回農業機械の安全対策に関する検討会議事録

労働基準局安全衛生部安全課

日時

令和6年2月13日(火)14:00~

場所

中央合同庁舎5号館(厚生労働省)12階 専用第14会議室

議題

(1)車両系農業機械の規制の必要性について
(2)車両系農業機械の具体的な安全対策について
(3)その他

議事

議事内容
○土井室長 定刻となりましたので、第1回「農業機械の安全対策に関する検討会」を開会いたします。
 私は、厚生労働省建設安全対策室長の土井でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 初めに、報道関係者の皆様、傍聴の皆様、この会議の撮影は冒頭のみとしております。改めて御案内いたしますが、それ以降の撮影は御遠慮いただきますようお願い申し上げます。
 では、開会に当たりまして、厚生労働省労働基準局安全衛生部長の小林より御挨拶申し上げます。
○小林部長 皆さん、こんにちは。安全衛生部長の小林でございます。
 本日は皆様、大変お忙しい中、この検討会に御参集いただきまして本当にありがとうございます。また、日頃より労働安全衛生行政の推進に御理解と御協力を賜っておりまして、心から感謝を申し上げます。
 さて、農業ですけれども、農業経営体の数は年々減少しているのですが、法人経営体の数は増加をしておるところでございまして、それに伴いまして農業に従事する労働者の数も増えているところでございます。こうした中で農業における労働災害というのは近年増加傾向にございまして、死亡災害は毎年10数人程度発生しているような状況にございます。死亡災害の内訳を見ますと、労働安全衛生法令において規制されていないトラクターなどの自走可能な農業機械による労働災害は毎年発生しているところでございます。
 また、農林水産省で開催されておられます農作業安全検討会で出された「農作業安全対策の強化に向けて(中間取りまとめ)」の中におきましても、このような農業機械、それから農業機械作業の安全性の確保というものが指摘をされておるところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、皆様に御参集いただきまして、農業における労働災害の減少という観点から車両系農業機械に係る安全対策等について検討いただくこととした次第でございます。お集まりの皆様方におかれましては、それぞれの御専門の立場から活発に御議論をいただき、忌憚ない御意見を頂戴したいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○土井室長 続きまして、本実務者会合の御参集者の方々を御紹介いたします。
 JAM井関農機労働組合中央執行委員長の泉様。
○泉委員 泉です。よろしくお願いします。
○土井室長 中央労働災害防止協会技術支援部技術顧問・独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所前所長の梅崎様。
○梅崎委員 梅崎です。よろしくお願いします。
○土井室長 一般社団法人農業機械工業会常務理事の川口様。
○川口委員 川口でございます。よろしくお願いいたします。
○土井室長 一般社団法人日本農業機械化協会技術顧問、安全本部長の氣多様。
○氣多委員 氣多でございます。よろしくお願いいたします。
○土井室長 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所新技術安全研究グループ部長の齋藤様。欠席でございます。
 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構農業機械研究部門安全検査部部長の志藤様。
○志藤委員 志藤です。よろしくお願いします。
○土井室長 一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会前副会長の鈴木様。
○鈴木委員 鈴木です。よろしくお願いいたします。
○土井室長 公益社団法人日本農業法人協会副会長の髙橋様。本日はウェブ参加です。
○髙橋委員 髙橋と申します。よろしくお願いします。
○土井室長 中央労働災害防止協会技術支援部専門役の藤井様。
○藤井委員 藤井です。よろしくお願いいたします。
○土井室長 一般社団法人全国農業協同組合中央会営農・担い手支援部部長の元広様。
○元広委員 元広です。よろしくお願いします。
○土井室長 また、3名の方にオブザーバーとして御出席いただいております。農林水産省農産局技術普及課生産資材対策室長の土佐様。
○土佐委員 土佐でございます。よろしくお願いいたします。
○土井室長 全国農業協同組合連合会耕種資材部次長の横手様。
○横手委員 横手でございます。よろしくお願いいたします。
○土井室長 全国農業機械商業協同組合連合会専務理事の田中様。
○田中委員 どうも、田中でございます。よろしくお願いします。
○土井室長 続いて、事務局でございます。
 先ほど御挨拶申し上げました、安全衛生部長の小林です。
○小林部長 どうぞよろしくお願いいたします。
○土井室長 安全衛生部安全課長の小沼です。
○小沼課長 小沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○土井室長 建設安全対策室技術審査官の高松です。
○高松審査官 高松でございます。よろしくお願いいたします。
○土井室長 報道関係者の皆様、傍聴の皆様、これより先の撮影は御遠慮くださいますようお願いいたします。
(報道関係者退室)
○土井室長 議事に入る前に本日の配付資料の確認をいたします。お手元に議事次第のほか、資料1として本検討会の開催要項、それから資料2として農業における労働災害発生の状況、資料3は農業機械の流通状況、資料4は今後の議論の進め方等についてです。なお、資料4につきましては別紙1、別紙2がございます。
 また、参考資料といたしまして、参考資料1から5までを用意してございます。
 皆様、御確認いただけましたでしょうか。不足があれば、事務局にお知らせいただければと思います。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 初めに、座長の選出についてでございます。資料1に開催要項がございますが、開催要項の3の(2)を御覧いただければと思います。「本検討会には座長を置き、座長は本検討会の議事を整理する」とございます。事務局としては、労働安全衛生に御精通され、農業機械にもお詳しい梅崎先生を御推薦いたしますが、皆様、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○土井室長 ありがとうございます。
 それでは、梅崎先生、よろしくお願いいたします。以降の議事は梅崎座長にお願いいたします。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それでは、今回の会議につきましては私が座長を務めさせていただきます。どうぞよろしく御協力をお願いいたします。
 私は、昭和62年に旧労働省産業安全研究所に入所しまして、現在の労働安全衛生総合研究所というのがそうなのですが、主に機械安全関係の研究開発に従事してまいりました。平成31年から令和5年までは研究所長を務め、この3月に退任し、現在は中央労働災害防止協会技術支援部という形で務めております。
 今回、皆さんと御一緒に熱心に討論を進めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初に先ほど御説明のあった議題1の農業における労働災害の状況につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○高松審査官 それでは、資料2と3を説明いたします。
 まず、資料2を御覧ください。「農業における労働災害等の状況」というところでございます。
 次のページでございますが、農業を取り巻く状況、これは先ほどの部長の挨拶でも少し申し上げましたが、農業従事者自体は減少傾向にございますが、農業労働者については増加傾向にございます。また、右側のグラフを御覧いただきたいと思います。農業経営体の数自体は減少傾向にありますけれども、法人経営体の数に関しましては着実に増加傾向にございます。
 次のページでございます。農業の労働災害、これは死亡者数の推移でございます。農作業での死亡災害に関しましては、おおむね10人程度で推移しているところでございます。ここの数に関しましては、死亡災害報告で農業の中に造園業が入っておりますので、造園業などの農作業と関係がないものに関しましては手作業で抜いたところでございます。トラクターなどの車両系の農業機械による死亡災害に関しましては、ほぼ毎年のように発生しているというところでございます。
 次のページでございますが、農業の労働災害の起因物別割合でございます。過去10年間の農作業、造園などを抜いた農業の死亡災害を合計して起因物別に見たところでございます。ここで見ますと、青く強調しているところでございますが、乗用型トラクターなどのいわゆる車両系の農業機械による死亡災害の割合に関しましては、全体の約3割となっているところです。
 次のページでございます。農業の死亡災害の主な事例でございます。例えば3番のように、トラクターに乗って除草作業を行っていたところ、法面からトラクターと共に転落したとか、4番のように果樹園においてスピードスプレーヤーを運転して薬剤を噴霧していたところ、木に激突して木と運転席の間に挟まれたなど、死亡災害については、こういった乗用型の農業災害に関しましては搭乗中に運転した農業機械ごと転倒という形で被災するという事例が多く見られるところでございます。
 次のページでございます。農業の労働災害の休業4日以上の死傷者数の推移でございます。これに関しては手作業でやるのは難しかったので、造園業を含んでいるところでございますが、農業の休業4日以上の死傷者数に関しましては、近年、増加傾向にございます。また、農業の死傷年千人率、これは労働災害の比率、起こりやすさですけれども、例えば令和4年ですと、農業ですと5.6で、全産業だと令和4年で2.3というところでございますので、そこを比較しますと約2.5倍程度というところになっております。
 続いて、これは農水省さんが労働者死傷病報告から分析・集計したところでございますが、農業の労働災害の主な農業機械での休業4日以上の死傷者数の推移でございます。平成27年から令和3年まで集計いただいたところでございますが、米印が付されている乗用型トラクターや田植機、農業運搬車、コンバイン、動力防除機、農用高所作業機などに関しましては、毎年のように死傷災害も発生しているところでございます。
 次のページでございますが、農業の労働災害の車両系の農業機械での主な死傷災害事例でございます。例えば3番や4番のように、コンバインの清掃中、エンジンをかけたままにして足がコンベアに巻き込まれたとか、コンバインを使用した収穫作業中、刃についた土を取り除こうとして巻き込まれたなど、機械装置に巻き込まれる災害も結構発生しているところです。また、例えば6番のように、死亡災害と同様に運転中に機械ごと転倒する災害なども併せて多く見られるところでございます。
 最後のページは参考でございますけれども、主な車両系農業機械というのはこういうものを指しているという図でございます。この図に関しましては災害事例の図を引用しているものもありますので、危険な使用方法のものも含まれているということに関しては御留意いただければと思います。
 資料2については以上でございまして、続いて、資料3についても併せて説明いたします。「農業機械の流通状況等について」というところでございます。
 農業機械の国内向けの出荷台数の推移というところでございますが、これは日本農業機械工業会さんの「日農工統計」を引用しているところでございます。また、農用高所作業機に関しましては農林水産省調べというところにしております。これを見ますと、例えばいわゆる車両系のトラクターや田植機、コンバインなどは1万から数万程度という出荷台数になっているところです。一方、走行式防除機や農用高所作業機などは数千台というオーダーで出荷されているところでございます。
 また、乗用型のものではないですが、耕うん機や刈払機に関しましては、これら乗用型のものとは桁が1つ違う程度の10万程度とか、刈払機に至っては数十万という数が出荷されているところでございます。
 続いて、参考でございますが、農業機械ごとの災害発生の頻度でございます。これはあくまでも参考値でございます。各年の農業機械の出荷台数とそれぞれの休業4日以上の労働災害の発生件数から算出した参考値でございまして、各年の休業4日以上の死傷者数を各年の農業機械の出荷台数で割っているところでございます。流通台数や保有台数ではなく機械の出荷台数を使用していることや、労働災害の起因物分類と農業機械の出荷台数分類が一致しないこともあるので、あくまでも目安としてお示ししているところでございます。これを見ますと、高い順で言うと農用高所作業機、動力防除機、農用運搬車、コンバイン、乗用型トラクターという形になっています。また、田植機や歩行型トラクターに関しましては、乗用型トラクターと比べてもかなり発生頻度が低いのではないかと考えているところでございます。
 また、多くの災害が発生している刈払機に関しましては、※6で記載しているとおり農業以外でも広く使用されているものでございます。産業計での刈払機の死傷者数を機械的に抽出することは現状のこちらのシステム的に困難でございますので、分母と分子の業種に乖離が生じることがございます。そのため、災害発生頻度は特段求めていないところは御了承いただければと思います。
 資料2、3に関しては以上でございます。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料2、3の御説明につきまして、御質問等がありましたら、お願いしたいのですが、いかがでしょうか。どんな小さな疑問でも結構ですので、どうぞお願いしたいのですが、よろしいですか。
 ここは議論の前提になりますので、よろしければ、次の御説明をお願いしたいと思います。
 それでは、今度は議題2の今後の議論の進め方について、資料4を使いまして事務局からお願いいたします。
○高松審査官 それでは、資料4を説明いたします。別紙1と2がございますのを御了承いただければと思います。
 まず、今後の議論の進め方等の概要でございますけれども、まず今後の検討会の予定でございますが、農業機械のユーザー、メーカーから合計2~3回程度ヒアリングを行わせてもらって、その後に論点について具体的な検討に入らせてもらいたいと考えております。
 併せて、農研機構さんで行っておられます農業機械安全性検査制度によって農業機械の安全性に関していろいろと具体的に検討なり担保なりされていると承知しております。その概要の説明もヒアリング時に併せて行っていただきたいと考えているところでございます。
 続きまして、論点の概要でございます。詳細は別紙2でございますけれども、概要としましては、まず安全対策を講じるべき対象の機械をどうするのかということを論点として挙げさせてもらいたいと考えております。
 続いて、農業機械の安全対策としての必要な措置について、具体的な措置についてどうすればいいのかということを説明させてもらいたいと考えております。また、その他の関連する事項についても併せて検討いただければと考えているところです。
 続いて、別紙1を御覧ください。「ヒアリング対象等について」というところでございます。農業機械の安全対策を検討するに当たり、ユーザー側、メーカー側に対し、農業機械の安全確保の観点から現状や実態についてヒアリングを実施したいと考えております。まず、対象の農業従事者や農業法人経営者の方々に対してですけれども、ヒアリング事項の例としまして、例えば農業機械の使用状況、どういうふうに使用されているのかとか、どのような作物を作るときに使用されているのかなどについてお聞かせ願いたいと考えております。
 また、農業機械による災害の状況です。ヒヤリハットや周りの人が被災したよといううわさなどのお話などでも大丈夫でございます。また、農業機械を用いた作業の安全のために具体的にどのような対策を取られているのかということについても教えていただきたいと考えております。
 また、特に経営者の方々に関しましては、雇入時教育や各種安全教育なども実施されているかと思いますので、その状況についても併せてお伺いしたいと考えているところでございます。
 また、農業機械メーカーなどに対して、安全対策上こういうふうにしてほしいなという御要望などもあれば、教えていただきたいと考えております。
 対象となる方々に関しましては、トラクター、コンバイン、スピードスプレーヤー、高所作業機などの農業機械を使用する人や使用する法人の方を対象とさせてもらいたいと考えております。
 続いて、メーカーに対するヒアリングでございます。まず、農業機械使用者の安全を確保するための機械上の安全措置の状況について説明いただきたいと考えております。また、参考資料5でございますけれども、弊省で「機械の包括的な安全基準に関する指針」というものがございます。それに沿った取組などをされているところもあると思いますので、その取組状況についても教えていただきたいと考えております。
 また、農業機械による死亡事故が発生している原因やその対応状況等について、分かる範囲で教えていただきたいと考えております。また、主たる用途以外での使用の実態などを把握できる範囲で教えていただきたいと考えております。また、使用者に対して安全のために実施してほしい事項などについても併せて教えてもらいたいと考えているところです。
 これらメーカーについても対象はトラクター、コンバイン、スピードスプレーヤー、農用高所作業機などの農業機械を製造するメーカー、これは複数社でございますけれども、そういうところにヒアリングをさせてもらいたいと考えております。
 続いて、別紙2でございます。論点の素案でございます。
 総論といたしましては、農業の労働災害による死亡者は、資料2のとおり10人台で推移しているところでございますが、このうち自走可能な農業機械、ここで「車両系農業機械」と仮に申し上げておきますけれども、それによる死亡災害に関しては毎年発生しているところでございます。労働安全衛生法令では、車両系の建設機械や車両系の木材伐出機械などについては法令に明記されているところでございますけれども、これら農業機械に関しては特段明記されていないところでございます。また、こうした機械による死亡災害が毎年発生しているなど、十分な対策が講じられているとは言えない状況にあると考えているところです。そのため、車両系農業機械を対象として必要な措置を検討して、労働安全衛生法令に基づく安全対策を講じていくことが必要ではないかというところでございます。
 各論でございます。まず、規制対象とすべき車両系農業機械については、労働安全衛生法令による規制の対象とすべきものでございますので、労働災害の発生状況と機械の流通状況を勘案して、以下の乗用型トラクター、コンバイン、スピードスプレーヤー、農用高所作業機、農用運搬車がよいのではと考えているところでございます。田植機に関しましては災害の発生が非常に少ないというところですので、ここでは入れなくてもよいのかなと考えているところです。
 また、車両系農業機械に対する規制の内容でございますけれども、災害の発生状況を見ますと、これら車両系の農業機械の災害は主として不適切な取扱いに起因するものであるとこちらでは考えているところです。そのため、機械そのものの構造によるものではないこと、また、農業に関しては、多くは単独作業というところでございますので、建設機械などのような就業制限業務のようにほかの労働者や一般公衆にまで被害を及ぼすおそれのあるものではないというところでございますので、平成26年に改正いたしました車両系木材伐出機械と同じ程度の措置を念頭に置いて、個別の機械の特性に応じて必要な措置を検討したらどうかと考えています。
 参考としまして参考資料3に参照条文をつけておりますが、車両系木材伐出機械の主な規制といたしましては、まず運転の業務に就く者に対しては特別教育の実施ですとか、構造に係る措置としましては前照灯、ヘッドガードなどですとか、あとは使用に係る措置としては調査・記録や用途外使用の禁止などが入っているところでございます。
 また、その他といたしましては、労働安全衛生法令により車両系の農業機械を規制する場合、法令の周知期間、経過措置などについてどのように考えるのか、また、特別教育の内容、時間、カリキュラム、科目の省略についてどう考えるのかということなどについて、併せて検討いただきたいと考えているところです。
 また、参考でございますけれども、車両系建設機械と車両系木材伐出機械の規制につきまして、その定義や使用の制限、あるいは機械の構造に関する規制、あとは就業制限や労働者への教育、作業の態様などについて比較した表をつけているところでございます。
 資料の説明としては以上でございます。
○梅崎座長 どうもありがとうございました。
 それでは、別紙1と別紙2の2つの議題がございましたので、最初に別紙1のヒアリングの対象、それから進め方について、皆様から御意見をいただければと思います。ちなみにヒアリングは数日にわたってこの場で行うという形で事務局の側は想定しているそうなのですが、それも含めて進め方、対象、その他についてぜひ御意見をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 一応今は従事者の方、それから経営者の方、それからメーカーの方とそれぞれでやるという形になっておりますけれども、かなり皆様の中にも対象になる方がいらっしゃると思うので、せっかくこういう委員会を設けますので、ぜひこういうことについてはうちのほうに聞いてもらいたい、あるいはこういうヒアリングをするのだったら、例えば農業従事者さんや経営者さんやメーカーさんにはこんなことを聞いてみたほうがいいのではないかと思うのだけれどもということがありましたら、一応ここにはヒアリング事項の例ということで書いてありますけれども、これも参考にして、もしここに漏れていること、あるいはもっとここについては強調して聞くべきだということがございましたら、御意見いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 泉さん、お願いいたします。
○泉委員 ヒアリングの対象者について御質問したいのですけれども、トラクター、コンバインは同じようなユーザーさんだと思うのですけれども、スピードスプレーヤーや高所作業機等々はまたユーザーさんが違うと思うのですけれども、これは要は従事者なら従事者のときに5人以上という大きな単位で呼ばれてヒアリングをするというお考えでしょうか。
○梅崎座長 その辺は重要なところですが、現段階でどう考えてらっしゃいますか。
○高松審査官 現段階におきましては、ヒアリングの対象に関しましては、委員のおっしゃるとおりトラクターやコンバインだと畑作や稲作などで使われるかと思っておりますので、そこら辺の業種について1人ないし2人とか、あとは高所作業機やスピードスプレーヤーに関しましては果樹園で主に使われているかと思いますので、果樹園から1人や2人という形で使う機械に応じた業種や、作物といった単位でヒアリングをさせてもらいたいと考えております。
 特にユーザーさんに関しましては、少なくともメーカーと比べたら経営体の規模自体は大きくはないと認識しておりますので、お忙しいかと思いますが、無理のない範囲の数でヒアリングを進めさせてもらいたいと考えているところです。
○梅崎座長 いかがでしょうか。
○泉委員 分かりました。ありがとうございます。
○梅崎座長 今のような質問で結構大事な話があると思いますので、ぜひお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
 川口様、いかがでしょうか。
○川口委員 農業従事者(ユーザー)というくくりなのですけれども、こちらは経営者に対して雇用されている労働者ということではなく、一般的な意味での農業従事者と理解すればよろしいのでしょうか。
○梅崎座長 そこはいかがでしょう。
○高松審査官 そのとおりでございます。
○川口委員 ありがとうございます。
○梅崎座長 なので、労働者に限らず広く設定をすると。あくまでも機械の使用実態を把握するということが一番の目標ですので、そういう観点では労働者だけではなくて作業従事者も含めて調査をするという認識でございます。
○高松審査官 そのとおりでございます。経営だけに専念されている農業法人の経営者の方もいらっしゃるかと思いますけれども、自らも農作業に従事されている方というのも結構いらっしゃると思いますので、そういう方も含めてあくまでもユーザーとしてどういう使い方をしているかということをお聞きしたいというところでございます。
○梅崎座長 ほかにいかがでしょうか。
 もし差し支えなければ、御意見があったらでいいですけれども、氣多様、いかがでしょうか。何かございましたらで結構でございます。
○氣多委員 このヒアリング対象に関しましては、これで結構かなと思っております。
○梅崎座長 志藤様、いかがですか。
○志藤委員 私もこの件については特に質問はございません。
○梅崎座長 鈴木様はいかがでしょう。
○鈴木委員 今、お示しいただいた資料1と説明は無かったですが資料2の農林水産省のデータをいろいろと組み合わせて考えると幾つか思ったことがあります。資料2の最初に死亡災害に関するデータがあります。こと死亡災害に限ってですが、厚労省のデータと比較すると異なった傾向があります。例えば令和3年では、農業法人等での死亡災害は7件です。資料2の2ページに農水産省の死亡者に関するデータが示されておるのですが、ここでは個人農業者も含まれていますので242人です。対象者数はかなり違いますが、農業法人と個人農業者で相当傾向が違うなということを私は感じました。
 例えばその一つは、農水産省のデータで一番新しい令和3年ですと、死亡者に限ると242名です。さらにその右の円グラフには、死亡災害の要因別が示されていますが、そのうちの約71%は農業機械に関わる事故ということで、要は農水産省のデータでは、個人農業者を含めると農業機械での事故の比率が非常に高い。しかし、厚労省のデータは農業法人が対象かと思うのですが、そちらだと、就労者数ももちろん違うところはあるのですが、トータル7件で、その中でも死亡災害に限りますが、農業機械に関する災害は31%ということで、全く逆になっているのですね。
 あともう一つ言えるのは、これも死亡災害に限ってですが、いわゆる千人率的なところで見ると、ざっくり計算すると個人農業者と農業法人とでは10倍以上の差があるのですね。言えることは、農業法人は、これからのヒアリングにも関係するのでしょうけれども、いろいろな教育訓練等の成果として個人農業者と比較して災害率が低いのかなと。一方、個人農業者はそういう受講の機会がほとんどないので高いのかなと。それも個人農業者の場合は農業機械による重篤な災害が多く、もちろん通常の災害もこれとほぼ比例するのかなと思いますが、そんなことがこれから見えましたので、これからのヒアリングの中で特に農業法人がふだんやられている教育訓練ではどんなことがやられていて、どんなところが防止につながっているのかなという辺りを引き出せると、今後につながるのかなと考えました。
○梅崎座長 教育の在り方ですね。鈴木様からそんな御意見があったのですが、事務局として何かございますでしょうか。ちょっと答えにくいところもあるかと思いますが。
○高松審査官 貴重な視点だと思いますので、ユーザーや農業法人へのヒアリングの際には、このような観点もあるのではという形で少し水を向けるような形で調整をさせてもらいたいと考えております。
○梅崎座長 鈴木様、よろしいですかね。結局、今回はそういうこともあって、事務局としては単なる労働者だけではなくて農業従事者の方を広くターゲットにするということと、今、鈴木さんが言われた教育の問題は大事なこととして既に次の論点2で若干触れてはいるのですけれども、その辺も含めての調査ということを今回やっていく形になるのかなと私個人は認識しております。
○鈴木委員 ユーザーを広げたということは非常にいいことだと思います。
○梅崎座長 それともう一つは、単なる設備ということだけではなくて、その設備に対して人がどういうふうに絡んでいくか。やはりそこには教育の問題が出てきますので、その教育の問題も含めて人と機械の両方をマンマシン系としてきちんと調査をしていこうというのが今回の御意向なのではないかなと思います。その認識でよろしいですかね。
○高松審査官 さようでございます。
○梅崎座長 それと、この辺は土佐様のほうでも何か御意見、御認識があるのではないかと思うのですが、差し支えない範囲で御意見いただければと思うのです。
○土佐委員 農林水産省の土佐でございます。
 確かにまだいろいろ事故の内容が分からないことがあると思うので、今、鈴木様から御指摘いただいたようなことを細かく聞いていけたらすごくいいのかなと思っております。
 農林水産省でも農作業の安全につきましては検討会を開催しながら、どのような取組をすれば農作業事故が減らしていけるのかということを検討しながらいろいろな取組をやってございますので、皆様からヒアリングでもぜひいろいろな御意見を聞かせていただきながら、厚労省様とも連携させていただいて取組が前に進むようにできればいいなと考えてございますので、よろしくお願いいたします。
○梅崎座長 ありがとうございます。
 別紙1は大事だと思いますから、ほかにも御意見をいただきたいのですが、藤井様、もし何か御意見がありましたら、いただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○藤井委員 私もこのヒアリングで問題ないのではないかなと思って見ていました。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
 元広様、いかがでしょうか。
○元広委員 法人経営者だけではなくて従事者もということで異議ないと思いますが、家族経営の場合は経営者兼ユーザーがほとんどだと思うので、家族経営の方を呼ぶとすると、もしかしたらユーザー兼経営者の方をヒアリングしていただくということがいいかなと思います。
○梅崎座長 横手様、田中様、御意見がありましたら、いかがでしょうか。
○横手委員 横手ですけれども、農機具は必ず販売店を通じて買う、もしくは我々農協から買うと思うので、ここだけ見ると従事者、ユーザーとメーカーということで、販売店もいろいろと納入時に説明をしたりということも必ずあると思うので、そういったところもどんな対策をしているかというのは聞いたほうがいいのかなと率直に思いました。
○梅崎座長 具体的にどんな。
○横手委員 例えばそれぞれメーカーさんの販売店がお客様に納品するときに必ず安全の説明をするはずですので、そういったものでどういう対策をしているのかとか、我々JAグループでも当然納品・試運転のときにお客様にこういう使い方をしてくださいという御案内をしますので、そういったものでどういう対策が取られているのかとか、あともう一つ思うと、従事者の方や特に経営者の方が今、安全対策にどれぐらいの費用をかけられているのかといったことも聞かれたほうがいいのかなと思いました。
○梅崎座長 それは大事な話ですね。
 最近、農水さんのほうでメーカーさんからユーザーさんに情報を渡すときにいろいろ対策などもやられていますので、それを含めて聞かれるということでよいかなと思います。
 田中様、いかがでしょうか。
○田中委員 横手さんもおっしゃいましたけれども、農機の販売会社、販売店でも農水省さん、それから関係団体さんが安全対策関係資料を作られていますので、例えば独自に編集してお客さん方に研修の機会を設けたりとか、かなり多様な取組がありますので、そういった場面もぜひ聞いていただければと思っております。
 以上です。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
 別紙1のヒアリングにつきまして、ほかにございますでしょうか。よろしければ、まず今日はヒアリングを行うに際しての皆さんの御意見を率直に伺いたかったので、実際には次回以降、ヒアリングを進めていく過程でいろいろ皆様から屈託のない意見をいただく形でヒアリングを深めていければなと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、次に別紙2の「論点について(素案)」です。これは今回、法規制といいますか、労働安全衛生規則の改正になってくると思うのですけれども、一応今回については木材伐出機械と同程度の措置ということで車両系農業機械に法規制をかけていく提案でございますので、ぜひそういう観点からこの論点の素案について御意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 お願いいたします。
○氣多委員 別紙2というより資料4の最初のところなのですけれども、今後の予定のところで2つ目のところに安全性検査制度とあるのですけれども、大変結構だと思うのですけれども、車両系農業機械ということで、今までの労働安全衛生法のこれらに関する規制を見てみると、道路運送車両法なり道路交通法などの道路交通の部分はあえて別の法だということであえて除いているのだと思うのですけれども、今回も当然そういうことになるのだろうと思うのですけれども、一方では農業機械の安全というのはそこで規制されている部分もありますので、メーカーもそれを大変意識して農業機械を作っておりますので、両省に説明までは必要ないのかもしれませんけれども、資料をおまとめいただくとか、大変口幅ったいのですけれども、そのことを分かっている人も結構いるのですけれども、そうでない方も中にはおられるのかなと思いますので、それらとの関係で、特に私も分かっていないのは、今、私が申したように既存の労働安全衛生法令の中で道路交通関係は明確に除くというのは措置がされているのだと思うのですけれども、そこら辺の考え方や前例というものを教えていただければと思います。
 それと、ついでに別紙2の論点のほうの規制対象ですけれども、先ほど事故のところで刈払機の御説明がありました。休業4日以上だと絶対数では一番多いけれども、事故率はちょっと前提が違うのであえて載せないという御説明があったのですけれども、労働者にしても絶対数は一番多いし、農林水産省さんの統計でも死亡しか全国統計はないのですけれども、死亡でさえ多少あるし、けがが物すごく多い機械だというのは業界の常識というか、誰しもそう思う。
 今回、車両系といえば、刈払機は車両ではないですけれども、かつ、特別教育に準ずる教育というのがやられている、法律ではないにしても今まで労働対策として取り扱ってきたものをそのままにして、この5つがそれを言わば追い越すみたいな格好になるものですから、そこら辺の論理立てというか、これは御質問なのかもしれませんけれども、整理いただければと思っております。
○梅崎座長 そうですね。2点ございましたので、まずは最初の、道交法だけではないと思うのですけれども、道交法やほかの関係法令との調整というところでもし事務局から何かお話がありましたら、いかがでしょうか。なかなかこれも難しい問題なのですけれども。
○高松審査官 すぐに条文や通達が出てくるわけではないところですけれども、例えば車両系の建設機械などでも当然公道上を走るようなものというのはございまして、そういうところに関しましてはこちらで法令上定めている教育や技能講習などとは別にちゃんと免許を取るという整理になっていると認識しているところでございます。なので、もしトラクター等を規制する際には同様の形になるのかなとは考えているところでございます。
○氣多委員 おっしゃるとおりなのですけれども、そこら辺を特に前例などで整理いただけるとありがたいなということです。
 ただ、労働法制の中で取り扱っている機械と比べると、特にトラクターとか、コンバインもSSもそうかな、それに農用運搬車も、結構公道を走る率が今までと比べて高いものですから、若干その取扱いは違うのかなという気がしないでもないと思います。
○高松審査官 承知しました。論点を具体的に議論する際に、そこら辺の条文や整理については改めてこちらでもお示ししたいと考えております。
○梅崎座長 そうですね、ここについては現段階ではまだ一般論になってしまいますので、具体的に整理をする中で、ヒアリングなどをやる中で出てくる可能性もありますし、別紙2の中でそれこそ特別教育一つを取っても、公道を走る場合は一般的に入らないのですけれども、そういうものも含めてどうしていくかということについてはまた御意見をその場でいただければなと思います。
 結構そういうものはありますので、余談ですけれども、私が過去に経験した事例だとフォークリフトに乗って酒を買いに行って公道上で事故になったというがありましたが、そういうものをどうするかも含めての御質問だと思っていますので、そこはこれからの議論の中で個別具体的に詰めていく中で明確にしていったほうがいいかなと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それから、2点目の質問は。
○氣多委員 これも整理をいただければと思います。
○梅崎座長 ここで言われているのは、各論としては乗用型トラクターから農用運搬車までのこういう5種類の車両系農業機械を規制するのだけれども、実際には刈払機というのが非常に労働災害の数として多くて、あるいは場合によっては指を切断したりという重篤なものもあったりというときに、一気にそれを飛び越えてしまっていいのかどうかという氣多様のお話をそのまま伝えればそういうことだったのですが、そういう御質問でよろしいのですね。
○氣多委員 はい。そこもちょっとお願いいたします。
○高松審査官 刈払機に関しましては、おっしゃるとおりそれなりの数の災害が発生しているものだと認識しているところでございます。
 ただ、こちらの農業における労働災害というところにおいては死亡などの重篤な災害があまり多く発生していないというところもあり、今回、規制の対象とはしなくてよいのではないかというお示しをしているところでございます。
 また、刈払機に関しましては、先ほどの資料3でも記載させてもらったとおり、農業以外でも例えば林業や建設業などの別の業種でも多く使われている機械でございますので、当然刈払機についての特別教育に準じた教育に関しましては今後もきちんとユーザーに対しては受講するように周知を図ってまいりたいと思いますが、少なくともこの検討会の場で刈払機全体について何か検討するということは、ほかの業種の方々の御意見も伺わなければならないというところでございますので、ちょっと難しいものなのかなと認識しているところでございます。
○梅崎座長 いかがでしょうか。
○氣多委員 分かりました。
 あと一点、細かいのですけれども、この5機種のうち最後の農用運搬車なのですけれども、これは乗用と歩行と乗用・歩行兼用と3種類ありまして、車両系というと乗用なのかなと思わないでもないのですけれども、今後の検討の中で委員の意見を入れながら決めていけばいいのかなと思いますけれども、以上御意見でした。
○梅崎座長 これはヒアリングを経た上でのお話ということになると思います。
 さっきの刈払機などだと、もう20年前から農水省さんのほうであったところでこれを握ってやっていない限り刃が動かない、何かあったときにぱっと放せばすぐ止まるという機構とか、あるいは刈払機特有の作業形態というのがありますし、たくさんの草ぼうぼうの中でやりますので、あるいは石なども飛んでくるので、そういうものの類型で若干最近の動きは違う部分あるかなと。余計な話ですみません。ただ、今、非常に重要な御指摘をいただきましたので、そういうものを含めた形で論点を整理してみたいと思います。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
 よろしいですね。農研機構さんというと農業の分野でも一番技術的にも優れたところなので、そうしたら、志藤様が何かお話しされたいような感じなのですけれども、いかがでしょうか。
○志藤委員 顔に出ていましたか。
 今、座長から運搬機のところでヒアリングの結果も見ながらというお話は出たのですけれども、先ほど別紙1のヒアリングの結果がこの論点の中に具体的にどのような形で反映されるのかといったところについて御説明いただければと思うのですが、お願いします。
○高松審査官 ここで特にヒアリングの結果が反映されることが多いところとしては、やはり規制をするとなった場合の車両系農業機械に対する規制の内容の部分かなと考えております。教育に関しては特別教育か技能講習か免許かという3択しか労働安全衛生法令ではないところですけれども、例えば構造に係る措置や仕様等に係る措置のところで記載しているのは、あくまでも林業でよく使う木材伐出機械のものを列挙しているところでございますので、例えば林業などですと結構深い山の中に入って作業をするというところなので前照灯が必要だったり、あとは切った木が突然機械のほうに落ちてくるということがあるのでヘッドガードをつけるという形の措置が林業の場合は必要になってくるというところでございます。
 農業機械の場合、作業の実態や機械の構造等を踏まえて、これらの措置が必要なのかとか、ほかに農業特有の危険性といいますか、作業上で使用に係る措置や構造に係る措置できちんと具備しなければならない構造がここにプラスして何かあるのであれば、そこを追加するという形でヒアリングの結果を反映させていきたいと考えております。
○志藤委員 御説明ありがとうございます。
 そういうことになりますと、対象となる農業機械の使用場面については結構幅広くどのような危険場面があるのかということをヒアリングする必要があるのかなとなりますと、乗用トラクターは恐らく日本で一番使用範囲の広い、適用範囲の広い機械の一つではないかと思うのですね。となりますと、あらゆる作目の農家さんで使われている。いわゆる米、麦、大豆、野菜以外にも畜産農家でも飼料生産の現場でも使われているということなので、そこら辺までヒアリング対象を広げる必要もあるのかなと今の御説明を伺って感じた次第なのですけれども、いかがでしょうか。
○高松審査官 こちらとしてもなるべくそれなりの範囲をもってヒアリングをしたいと考えているところでございます。
 先ほどの氣多様のお話と少しかぶるかと思いますけれども、当然公道を走るときに関しては、労働安全衛生法令上は別の法令の範囲のところでございますので、それ以外のところで例えば圃場に行く際の斜面というのですかね、法面から落ちるですとか、あとは圃場の中での措置、あるいは圃場の中でも作物ごとに違いがあるのかなどについていろいろお聞きしたいなと考えているところでございます。
○梅崎座長 よろしいでしょうか。
○志藤委員 この場にいろいろな農家の人たちを集めてというのはなかなか物理的にも難しいところがあるかと思いますので、どのような危険が作業の中で現場で起こっているのかということに関しては、私どものほうで実際に事故の調査をしたデータベースがございますので、そちらも御参考いただくなりして役立てていただければと思います。
 以上です。
○梅崎座長 ありがとうございます。
 ちなみに、さっきちょっと話があったのが、様々な事業者があるのですけれども、この車両系農業機械で一つポイントとなるのが、構造に関する措置というか、前照灯やヘッドガードなど、その辺が大事になってくると思いまして、これは業種で若干違うところはあるのですけれども、共通している部分もあるので、そういうところの議論も深めていきたいのかなとさっきお話を伺ったときに思ったものですから、もしそういう事例などが何かございましたら、また御提出いただければ非常にありがたいなと思います。
 それでは、川口様、お願いいたします。
○川口委員 日本農業機械工業会でございます。
 お示しいただきました別紙2の中で、参考までにということで車両系の木材伐出機械の主な規制というものをお示しいただいたのですけれども、この中で特に私ども機械を作る側からしますと、構造に係る措置というところが一番関連が出てくるところかと考えます。
 それで、実は現在、農林水産省さんのほうでやられております農作業安全検討の一環として、志藤部長にも今日はおいでいただいていますけれども、農業機械の安全性検査という制度について基準をどうしようかということで大分ずっと議論を進めてきたわけでございます。そちらのほうでこういう構造といいますか、このようになっていなければ駄目ですよということが今、ほぼできつつあるのですけれども、労働者保護という観点からの労働安全衛生法の中における構造に係る措置というものが今まで検討してきているものをさらに深掘りするような形になってくるということになると、メーカーとしてはまた一から考えていく必要が出てきてしまうということになるのですけれども、当然省庁で担当されているものは違うのですけれども、ハーモナイズといいますか、その辺りについては何かお考えはございますでしょうか。
○高松審査官 基本的には参考資料1の3ページ目にあるとおり、労働安全衛生法令自体は事業者が労働災害を防止するために遵守すべき最低基準であるというところでございます。私に誤解があったら申し訳ないのですけれども、農業機械の安全性検査に関しましては義務ではなく任意であるとこちらでは認識しております。そのため、当然こちらの労働安全衛生法令に関しては刑罰法規ですので、必要最低限のものでございますので、そこに関しては農林水産省さんともきちんとすり合わせをした上で、ある意味二重規制にならないように注意して対応していきたいとは考えているところでございます。
○川口委員 ありがとうございます。
○梅崎座長 ほかにございますか。
 泉さん、お願いいたします。
○泉委員 
 働く者の立場ということで、総論については農業機械従事者の死傷者が多い状況で大きな問題になっていると思っておりますので、適切な安全対策の検討を進めていただきたいということと、また、厚生労働省におきましては、農業機械以外にも、この検討会では関係ないのですけれども、ほかにもそういう分野がありましたら、しっかりと規制をするようにお願いしたいと思っております。
 各論は、先ほどの御意見にもかぶるのですけれども、まず車両系に絞り込みということで進めるということではあったのですけれども、刈払機や耕運機、田植機も除外するということでありますけれども、特別教育等々は、そうは言ってもコンバインとトラクターを運転する人は田植機も必ず運転すると思いますので、そういうところでカバーできる部分についてはカバーをしていただいて、耕運機についても我々の認識ではかなり事故が多いのではないかなという肌感覚がありますので、最低限の部分についてはやはり何らかの措置を取るべきではないかと思っておりますので、またヒアリング等々でも意見をもらいながら御検討をお願いしたいと思います。
 あともう一点、先ほどの基準の問題の中で、木材機械をベンチマークということで方向性を示されてはおるのですけれども、これについても先ほどからの議論のように御意見を伺いながら変化していくのかなとは思いますので、参考になるか分かりませんけれども、フォークリフトやその他様々な法令もあると思いますので、広い範囲で御検討いただいてよりよい形にしていただくようによろしくお願いいたします。
 以上です。
○梅崎座長 大変重要な意見だと思いますので、対象範囲に入れるべきものなのではないかというお話なのですが、いかがでしょうか。
○高松審査官 別紙2でお示しした5つの機械に関しまして、こちらとしてこれを中心にしてはどうかということでお示ししたところでございます。この中でヒアリングなどで例えば今言及のあった幾つかの機械について、とても危険だから規制したほうがいいとか、あるいはトラクターは使うときにちょっと怖いけれども、ここに入れていない田植機はそんなに怖くないから大丈夫そうだとか、いろいろな意見を持っている人がいるかと思いますので、ヒアリングを通じていろいろな意見を集約しながらよりよい形で安全対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。
○泉委員 よろしくお願いします。
○梅崎座長 これはまだあくまでも案の段階で、これからの中でいろいろ皆さんの御意見を伺いながらその辺はいろいろ展開していく形になると思いますので、ぜひそういう場でそういう意見や疑門も含めてお出しいただければ非常にありがたいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、鈴木さん、お願いします。
○鈴木委員 コンサルタント会の鈴木です。
 ヒアリング事項に関してですが、ユーザーあるいはメーカーに対するヒアリングの中で災害の状況、あるいは災害が起こったときの原因や対応状況についてはもちろん重要ですが、が書かれておりまして、それは結構なのですけれども、大きなことにならなかったヒヤリハットまでも含めるということは非常に有効だと思います。
 その中で、原因に関しては突き詰めた真の原因までできるだけ掘り下げてほしいなと思います。もちろん死亡災害の場合は御本人に聞けないので推測にはなるかと思うのですが、要は例えば運転技術が未熟で起こってしまった事故なのか、あるいは仕組み・構造というものをよく理解せずに判断を誤ってしまって災害になったのかとか、あるいはそういうスキルは持っていたのだけれども、危険に対する感受性が欠けたために不安全行動になって発生したのかとか、そこのところが分かれば、今後、例えば特別教育的なものをやるにしても示すべきポイントが分かるのではないかなと思うので、ぜひできるだけ真の原因は何だったのだろうというところまで掘り下げていただければと思います。
○梅崎座長 そうですね、ちょっとこの話に口を挟んでいいのか分かりませんが、まさに鈴木さんが言われるとおりで、実はその辺が非常に得意なのが労働安全衛生コンサルタントの方だと思いますので、ぜひそんな観点からもアドバイスをいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。今の点は大事な視点ですね。ありがとうございます。
 それでは、元広様、お願いいたします。
○元広委員 ユーザーというか農業者の立場からなので、趣旨がちょっと違うのですけれども、もともとJAグループは農作業安全月間を設定して農水省、地方自治体と一緒に農作業安全の確保に結ぶ取組をさせてもらっています。このような中で農業機械の安全対策を検討してもらうということはJAグループとしても大変喜んでいますし、大変協力をさせていただきたいと思っています。
 ただ、さっきもありましたように、農作業事故は我々農家組合員の家族経営で雇用がない方のところが多いわけなので、そこは引き続きJAグループとしても自主的にしっかり研修していかないといけないなと思っていますというのが一つです。
 ここの検討の場では労働安全衛生法に基づく対象者ということですので、そこをしっかりやっていくということはこの論点で検討していただければと思っております。ただ、事故防止のためには一定のレベルの措置なり研修が必要だというのは当然ですが、農業の現場は大変高齢化が進んでいて零細な経営体が多いので、カバー率を上げていくためには、一定現場で無理のない制度としてもらって、全ての対象者がしっかり受けられるような制度にしていただければなと思っているところです。
 あわせて、良い悪いは別にして、なかなかすぐぱっと全国の組合員さんにこれをやってよと言ってすぐできるようなものは難しいわけでして、そういう意味では十分な周知期間と準備期間をいただければ、しっかりと我々も協力して進めていきたいと思っているところです。
 最後に、今、現場の農業経営者は大変厳しい状況にあります。災害もありますし、資材価格高騰で大変経営が厳しくて、経営の継続性も厳しい経営体が多いのが実態なので、何よりも大事な命を守る農作業安全はしっかりやりたいのですが、経営が大変な中でしっかりできるような支援・御協力は引き続きしていただきたいというのが農家としての思いですので、よろしくお願いします。
○梅崎座長 ありがとうございます。
 ちょっと伺っていいかどうか分からなかったのですけれども、こういう経済状況の下でいろいろ厳しさ、難しさというのはあると思うのですが、元広様として、もちろん経済的な話もあるのですけれども、どの辺で一番無理があると思われていらっしゃるのか。
○元広委員 ヒアリングしてもらえればと思うのですが、一番は今の経営でさらにコストアップになることと、労働時間がさらに何百時間、何十時間か分かりませんが、拘束されるというのは大変今の経営では厳しいのというが実態なので、より効果的・効率的なものをやって、しっかり命を守るという形にできればなと思っております。
○梅崎座長 今の話題を基礎にしたとき、いろいろ皆さんも御意見があると思うのですけれども、横手さん、いかがでしょう。
○横手委員 横手です。
 今、元広さんがおっしゃっていた、例えばいろいろな検討をする中で、機種ごとにやるとそれだけ時間もかかってきますし、共通にできる部分は共通にしてなるべく集約してやっていくだとか、費用面についても例えば何日間も拘束すれば当然かかってくるでしょうから、もし制度をつくるということであれば、そこも加味した中で、なるべく広い方が受けて安全に対する意識を高められるといったものをこの委員会で検討していただければなと考えているということであります。
○梅崎座長 それと、先ほど元広さんが経過期間、猶予期間という話を言われたかと思ったのですけれども、物にもよるのですけれども、やはりそういうものは必要だという御認識だと思うのですけれども、例えばこういう機械だったらこういう点についてはこうではないかとという、そこまで具体的な話ではないと思うのですけれども。
○元広委員 そうですね、具体的にはないですが、現場で順番待ちになると思うので、その中でどう優先順位をつけるかとか、あと一番怖いのは、もうそんなことだったら農業をやめるよという方が増えるような状況も多いので、そこはゆっくりやってくれても大丈夫ですよという猶予期間をいただければなと思っています。
○梅崎座長 その辺のバランスも考慮した上で猶予期間や経過期間を設けていかなくてはならないというお考えということでよろしいですか。
○元広委員 そうですね、できるだけ早く全員の方に受けていただくというのが大前提ですけれども、しっかりとやらないと逆にカバー率を上げられないかなと思っています。
○梅崎座長 その辺は横手さんなどはどうですか。
○横手委員 私も同意見でありまして、これだけ手間と時間とお金がかかると、安全が大事だというのは当然のことなのですけれども、もう農業できないねということになると本末転倒になってしまうので、農業を続けるためにはこういうものが必要で、最低限これだけやりましょうねというところの制度、規制という形にできればお願いしていきたいということです。
○梅崎座長 分かりました。
 どうぞ、田中さん。
○田中委員 全商連の田中です。
 私どもはまだ数少ないところしか聞いていないのですけれども、例えば集落営農組織、農業法人にこういう動きがあると話すと、それは当然だと。仮に特別教育に講習料金を要しても、組織としては当然取り組んでいかなくてはいけないという声を聞いています。ただ、資料2のところで農業分野の雇用者数が48万人ということになりますので、我々としてはできればグループ化、簡素化していただきたいのです。これだけの人数の方の教育を短期間で終えるには混乱も生じ得ると思いますので、そこも十分な期間を御考慮いただければなと考えております。
 以上です。
○梅崎座長 分かりました。
 素人めいた話を聞いてしまって申し訳ないですけれども、そこでいうグループ化というのはイメージとしてはどんな感じのものですか。
○田中委員 例えばさっき志藤さんがおっしゃっていた、水田であればトラクターとか、田植機は今回外れましたけれども、トラクター、田植機、コンバインとか、果樹であれば高所作業車とスピードスプレーヤーですね。運搬車をどちらに入れるかはありますけれども、一機種一機種となりますと、相当受講者の方にも負担が膨大になりますので。
○梅崎座長 なるべく類似の機械はグルーピングした形で教育をやっていくということですね。
○田中委員 それともう一つ参考までに、農業機械の販売会社の従業員も当然操作しますけれども、実際に雇用されている農業法人のオペレーターの方というのは年何百日と運転されていますから、講師役と想定される販売側よりも農機の扱いについてはプロなのですね。誰が講師をするのかという課題はありますけれども、そういった方々に対する教育なので、新規で就農される方等への教育、一方で5年10年オペレーターをされている方への教育というのは同じで良いのか、どういうやり方になるのか、林業のほうでは免除云々というのがございますけれども、その辺もまた検討の中で十分御議論いただければと思っております。
 以上です。
○梅崎座長 そうですね。確かに今回の論点として、農業機械における労働災害の根本的な原因としてオペレーターの不適正な取扱いということが多々あるのですけれども、やはりその不適切な取扱いの中の原因というのを先ほど田中さんが言われたように調べていくということをする中でどういう教育をやっていったらいいのかということを明確にしていくということがあるのかもしれませんね。
○田中委員 今、申し上げたのは、完全免除を要望するという趣旨ではありませんので念のため。
○梅崎座長 もちろんそうですね。余談ですけれども、新しく入った方と経験が何十年とある方で両方で労働災害があって、これは発生形態がちょっと別なのですね。だから、そういうものも含めた形で、今回は特別教育が非常に重要なことになってくるかと思いますので、そういう特別教育であれば本当のところどういうふうに落としていけば事故や災害を未然防止できるのという観点から詰めていくということが重要かなと思います。分かりました。
 どうぞ。
○泉委員 確認をしたいのですけれども、今回の規制の対象は雇用されている方ということなのですけれども、要は家業としてやっている方は基本対象外というのでよろしいのですか。
○高松審査官 労働安全衛生法令では、そういう家族従事者などについては基本的に対象外であると考えているところでございます。
○泉委員 農業法人等々で、例えば何とか組合をつくって、作業している人が全員経営側みたいな団体もあると思うのですけれども、そういうところも全て除外ということの認識でいいですか。
○高松審査官 当然それぞれの従事されている方がいわゆるこちらの労働安全衛生法令でいう労働者に該当するかということについては、御存じのように労働者性を個別具体的に判断されるものだとは考えております。あくまでも今回、ここで労働安全衛生法令で規制するとなれば、労働者性を持つ労働者の労働災害防止のための規制ということになるかと思います。
○泉委員 ちなみに、先ほどもありましたけれども、メーカーの人間は、目的は別にして機械に乗るのは乗るのですけれども、そのメーカーの人間というのは販売の方、技術部の方なども正直乗ると思うのですが、そういうところは労働者ではあるけれども、農業者ではないといえばないので、その辺りの規制はどうなるのでしょうか。
○高松審査官 そこに関しては、当然今後、もし例えばトラクターを規制するとなった場合にトラクターの定義をどうするのかというお話になるかと思いますので、そこ次第で対象にするかしないかということはあるのかと考えています。例えば農作業で使うときだけとしたら、そういうオペレーターの方は当然入らないかもしれませんし、そうではなくこの目的に作られたこのような構造のものという定義をするのであれば、オペレーターの方も教育が必要になってくるのかなと考えているところでございます。
 今後のヒアリングを踏まえて、その範囲や定義なども皆様に御議論いただければ大変ありがたいなと考えているところです。
○泉委員 分かりました。ありがとうございます。
○梅崎座長 お願いします。
○川口委員 1点確認をさせていただきたいのですけれども、今、泉さんが言われた中で、雇用されている労働者に義務があるとたしかおっしゃったと思うのですけれども、これはあくまでも労働安全衛生法の枠組みですので、義務がかかるのは雇用している側であるという理解で間違いないでしょうか。
○高松審査官 さようでございます。
○梅崎座長 いかがでしょうか。ちょっとこういう言い方をしてしまっていいのかどうか分かりませんけれども、泉様の言われたことは、今回、労働者の方をきちんとやるということは当然のこととして、せっかく様々な農業従事者の方がいらっしゃるので、そういう方についてもそういう制度を活用してもらったほうがいいというお話ということになるのでしょうか。
○泉委員 前段、そういう人たちの事故のほうが多いのではないかというお話もあったので、ただ、そこまで広げると結構際限がなくなるのかなというところも懸念がありますので、私自身は正直なところ迷うところではあります。
○梅崎座長 分かりました。ありがとうございます。
 藤井さん、技術的な観点も含めていかがですか。
○藤井委員 さっきのところなのですけれども、農業従事者というのは家族経営の人がほとんどといっていいわけで、そこを外して本当に小さいところだけに焦点を当ててやるのが本当にいいのかなというのはちょっとクエスチョンマークがつくところではあるのですけれども、確かにそちらまで広げることが非常に労働安全衛生法では難しいのですけれども、例えば最近の動きとして一人親方の話があったではないですか。あれなども今、そこを広げていますね。その辺のところをこの農業機械の中でも考えることはできないのかなというのがあるのですけれども、その辺のところはどうでしょうか。
○土井室長 この検討会で御議論いただくのはあくまでも労働安全衛生法の範疇の話でございまして、当然労働安全衛生法におきましては事業者に責任がかかっていて、その事業者というのは、法令に事業を行う者で労働者を使用する者と書かれております。先ほどの家族経営の場合であっても、家族経営のほかに誰かを雇って農業を行っている場合には当然事業者としての義務がかかってくるということで、本当に家族だけでやっている場合とそれ以外のどなたかを雇ったり、あるいは最近ですと技能実習生を雇ったりなど、いろいろなケースが考えられると思うのですが、そういう場合は当然この議論の範疇に入ってくると考えています。
 それから、ここでは労働安全衛生法の範疇だけで議論していますけれども、農水省さんのほうではそれ以外の方も当然含めていろいろな取組をしているわけでございますので、我々としては農水省さんの取組と連携しつつ、単に労働者にならない方が対象外というよりは、できるだけそういう方々も含めて安全が確保されるように取組を進めていきたいと考えております。
○梅崎座長 土佐さんがいらっしゃったので、もし御意見があれば伺おうかと思ったのですけれども。
○土佐委員 農水省の土佐です。
 確かに労働者以外の家族経営の方で非常に事故が多いというのは我々も認識しております。
 ただ、今、厚労省さんから御回答があったとおりだと思いますので、この労働安全衛生法令の中で対応すべきものと、それ以外の方々については農水省としてもしっかりと対策を進めていきたいと考えておりますし、これまでも農水省としていろいろな施策を打ってきていますので、その辺をすり合わせながら、農業全体として事故が減るように取り組んでいきたいと思っています。
○梅崎座長 という御意向で農水省の方もいらっしゃるので、それも踏まえた上で、志藤様、お願いします。
○志藤委員 今、土佐室長がおっしゃられたようなところで、私どもとしても年間結構な数の安全研修で講師を務めさせていただいているのですけれども、例えば刈払機のほうでは、既に特別教育に準じる講習というものがあるわけですね。ただ、一般の農家の方はそれを御存じないということで、農家さんでも受けに行くことができるのですよ、みんなで行きましょう、農協さんは希望者を募って押し出してあげてくださいみたいな話をいろいろな場面でさせていただいています。
 ですので、今回のこの車両系についても、まずそういう枠組みができるということで、受けなければいけないという規制は受けないのだけれども、家族経営の方もそういう教育を受ける場面があるのだからみんなで受けに行きましょうよという展開は十分できるのかなと思います。規制はできないけれども、選択肢は1つできるということで、今後、私どもが行っていく安全啓発にとっても非常に強力なツールの一つになり得るのではないかなと考えてございます。
○梅崎座長 鈴木室長、お願いします。
○鈴木委員 鈴木ですが、私も志藤さんと全く同じ意見なのです。私も小規模ながら個人農業者ですが、その中でいわゆる掘削機などを使うのですが、法的には該当してはいなくても、自分の技量を上げたり、いろいろ構造等も勉強したいということを個人的に思っています。
 農業法人で作業されていようと、個人農業者でやっていようと、似たような作業をされる中で個人農業者の災害を少しでも減らすという意味では、個人農業者でもこういう仕組みがあって自分もそれを使うことができるのだというふうに積極的に取り組んでいただければ、農業者全体の災害が減ることにつながると思います。
 ですので、ぜひそういう個人農業者でも適用できるような仕組みにして、これらの活用をPRするということが全体に有効なのかなと感じております。
○梅崎座長 お願いします。
○氣多委員 それに関して1点、御参考までに情報をお伝えしておきますけれども、刈払機の準ずる教育ですけれども、実は農業機械士という昔あった制度みたいなものがありまして、農林省の通達に基づいて各県知事が認定するという制度なのですけれども、今でも10数県の組織が残っているところがあって、逆に言うとそれだけしか残っていないのですけれども、某県の農業機械士の組織で刈払機の準ずる教育をみんなで受けに行きましょうという取組をやって、したがって家族経営の農家でもその会に所属している人たちは8割ぐらいの人が受けたと言っておりました。
 刈払機は厚生労働省の通達に基づく以外の研修もやられていますので、JAさんがやっているものとか、ほかにもありますので、そういうものを受けていただいてもいいのですけれども、こういう言わば厚生労働行政の範囲内のものも場合によっては取り組んでいるところもあるということで、そういういい影響が及ぶことがあるので、今回みたいな取組は大変私どもとしてもありがたいと思っております。
○梅崎座長 ありがとうございました。
 今の御意見で何かありましたら、いかがでしょうか。大体話としてはもう出尽くしてきましたかね。
 私の頭の中で簡単にまとめてみますと、今回、労働基準法、労働安全衛生法のケースとしてやりますので、まずは労働者というものをきちんと守っていくために、今も出たような農業機械、車両系農業機械、あるいはその他の農業関連の機械の安全性をどうしていくかというのは労働安全衛生法と労働基準法をベースにまず考えていく。
 ただ、その中で当然農水省さんもいろいろやられていますし、貴重な御経験もございますので、そういったこととうまく連携しつつ進めていくことが必要だというのがまず皆様の共通認識ではあるかなと思います。
 それと、対象機械についてはトラクターから始まってこの5機種というのがあるのですけれども、もちろん車両系建設機械が中心なので、といいますのは、構造に関する措置というのがありますので、ただ、そうは言いつつ刈払機などというものが多いので、その辺をどうしていくかというのは現地調査やヒアリングの状況なども見ながらまた皆さんに御議論いただくというのがいいのかなと思います。
 それから、一番問題なのは、さっき厚労省さんが言われたように農業機械の不適切な取扱いということがありますので、教育の問題をどうしていくのか、特に特別教育をどうしていくかというのが非常に重要な課題だろう。
 あと、先ほどもお話がありましたが、最近、経済情勢もどうもよくないので、やはり農業のほうでかなり厳しい状況があるので、その中で経過措置をどうしていくかということはやはりきちんと考えていかなくてはならないかなというのが皆さんが出していただいた話の核心部分かなと思ってはいるのですが、ちょっとそのまとめ方は違うよということがあったら御意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですかね。
 もしこれ以外に御意見があったらお話しいただければと思うのですが、いかがでしょうか。大体出尽くしましたかね。
 そうしたら、若干早くなったけれども、皆さんの意見も大体出尽くしましたので、短い時間ですが非常にいろいろな意見もいただきましたので、本日の議題についてはこれで終了とさせていただきます。
○事務局 髙橋さんが一言も話していないので、よろしかったら。
○梅崎座長 髙橋さん、申し訳ありません。今の全体の話で結構ですので、御意見があったらぜひお願いしたいのですが、いかがでしょうか。突然振ってしまってすみません。
○髙橋委員 ありがとうございます。
 今回の問題は、我々経営者側の問題などはさっきもお話がありましたけれども、大変重要なことと受け止めております。いろいろな対象の問題だとか、いろいろございますけれども、一つ農地や農道といったものの条件がいろいろあると思います。進入の問題や傾斜の問題といったところはどこまで規制というか、林業の場合、道を上る場合はこうしなさいみたいな絵を見たことがあるのですけれども、それはどのように整理していったらいいのかなとちょっと思いました。
○梅崎座長 それは農業機械の構造の問題ということで、もうちょっと人の作業も関係してくると思うのですけれども、その辺についてきちっとヒアリングを行って、論点を詰めた上でどうするべきか考えていくという理解の話でよろしいでしょうか。
○髙橋委員 我々経営者側からすれば、例えば農地の構造まで変えなくてはいけないのかなという心配が出る方がいらっしゃる場合があるかなと。この進入路はこういうふうに直さないとこの基準は満たしませんよとか、あるいは、この装置は、角度的に急勾配なのでここでの作業はできませんよということまで踏み込んでくるのかなという心配が出るような感じがしましたので、質問してみました。
○梅崎座長 そこはどうでしょう。
○高松審査官 基本的にはヒアリングを基に皆様で検討いただくものだと認識しているところでございますが、一般論として申し上げますと、労働安全衛生法令でいろいろな厳しい書き方をしているところもあるかと思いますけれども、やむを得ない場合に関してはこの限りではないという条文等もございますので、そこに関してはこちらとしてもいろいろな法の条文の前例を鑑み、対応していきたいと思います。現実を踏まえて、例えば農道や農地を一気に改編しなくてはいけないというのは厳しいかと思いますので、そこに関しては実態を踏まえながら、規制の在り方についてもこちらでは考えていきたいと考えています。
○髙橋委員 ありがとうございます。
○梅崎座長 その辺で気になることがございましたら、ぜひ髙橋様のほうでも今回のヒアリングや議論の場で率直にお出しいただければ、それが一番いいかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。髙橋様、それでよろしいですかね。
 ありがとうございます。
 それでは、これで皆様から大体意見をお聞きしましたので、これで終了といたします。
 第2回以降は関係者のヒアリングを行いたいと考えておりますので、関係団体の皆様、それから事務局はこれから準備、あるいは事務局の調整をよろしくお願いいたします。
 それでは、本日の議題は以上になりますけれども、このほか事務局から何かありましたら、お願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○土井室長 今、座長からありましたとおり、次回は関係者からのヒアリングを行う予定にしております。ヒアリングの対象やヒアリングの方法につきましては、今日、少し御意見もいただきましたので、それも踏まえまして座長と御相談させていただき、決定させていただければと思いますので、御了承いただきたくお願い申し上げます。
○梅崎座長 それでは、本日の議題は全て終了いたしましたので、これで議事を事務局にお返しいたします。
○土井室長 ありがとうございました。本日、熱心に御議論いただきましたこと御礼を申し上げたいと思います。
 本日の議事録につきましては、後日、各委員にお送りいたしますので、御確認をお願いいたします。その後、厚生労働省のホームページで掲載をする予定としております。
 また、次回の会議日程につきましては、皆様には追ってメール等でお知らせしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 これにて第1回「農業機械の安全対策に関する検討会」を終了させていただきます。ありがとうございました。