第7回後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 議事要旨

日時

令和5年12月25日(月)15:00~18:00

場所

AP虎ノ門 Aルーム

議題

  1. 1.各会議体における議論の報告について
  2. 2.後発医薬品産業の在るべき姿の明確化について

議事要旨

議事内容

はじめに

○ 川上構成員が欠席された。
○ 製造業支援の観点から、経済産業省がオブザーバーとして出席した。
○ Meiji Seika ファルマ株式会社、武田テバファーマ株式会社及び日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会が参考人として出席した。((プレゼンテーション実施の後、退出)

議題1  各会議体における議論の報告について

○ 資料1について事務局から報告があった。

議題2  後発医薬品産業の在るべき姿の明確化について

○ 資料2についてMeiji Seika ファルマ株式会社、武田テバファーマ株式会社及び日本エスタブリッシュ医薬品研究協議会からプレゼンテーションがあり、構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。(Meiji Seika ファルマ株式会社及び武田テバファーマ株式会社の資料は非公表のため、議事概要を割愛している。)
・ FDAやEMAがガイドラインを整備されている状況だと、実際にどのぐらいの企業が各品目に対して参入されているのか。また、国内では今難しいという理由がいろいろ書かれていたが、価格さえちゃんとしていれば大丈夫なのか、それとも技術力が必要なのか。
・ 今のジェネリック業界において、規制側の対応によって導入が進むとお考えか。こういう複雑なジェネリック医薬品の製剤解析や特性解析をしながら、工業化研究するのは困難ではないか。
・ 今回の提案は、今の日本のジェネリック業界に対して、新しく一つの経営的な意味での下支えをする、医療的にも意義のある何か新しいものを加えるという文脈なのか、能力のある企業が新しいものを導入するという形での業界の構造の変化みたいなことを意図するという文脈なのか、どちらを想定しているのか。
・ ご提案について、輸入を前提として、もっと日本に輸入できるような環境づくりをしてほしいということなのか、あるいは、こういった複雑なジェネリック医薬品について日本発のものができるような環境にしてほしいということなのか、どっちがメインなのか。
・ 現状先発医薬品メーカーが中心になるとのことだが、薬価の観点はともかく、日本企業が製造することは技術的には可能なのか。
○ 資料3について事務局から報告があり、構成員からの主な確認・質問は以下のとおりであった。
・ コンソーシアムの形成というのが1つの大きな論点だと思うが、どの程度の期間を要するかについてどう考えるか。
・ 第三者機関がコンソーシアムの運営を行うべきと考えるが、現実的には、企業間コンソーシアムというのが短期的な押さえどころであって、そうすると企業の合理化や人材が足りないというところの布石にもなると考え、4~5年はかかるのではないか。安定供給の中の品質というのは決して譲ってはいけないので、打ち手があったほうがよい。
・ コンソーシアムについて、現実問題として、各法人がまさに少量多品目という現状があるので、今のままの法人がお互いに手を組むという形だとすると、ごちゃごちゃした連携になってしまって、有効なコンソーシアムにならないと考えられ、事前の合理化が必要ではないか。
・ 製造関連のコンソーシアムについては、まずはQCからスタートして、その後製造に移行していくという流れが現実的なのではないか。
・ どの程度の期間を要するかというところは、どちらかというといつまで我々はこの状態を許容できるか、ということではないか。いろいろとお話しを聞いた上で、5年というのは妥当ではないか。
・ 供給不安を解消することが目的であるので、5年ぐらいというのが一つの導き出される最短値なのではないか。
・ ジェネリック医薬品各社の製造施設は古いものが多いので、設備施設投資には相当の費用がかかると思われる。また、企業の統合にも積極的な会社には財政的なインセンティブ、もしくは超長期のローンみたいなものを用意することが必要ではないか。
・ 業界全体で見た場合、数千億円はかかるのではないか。外部資金も活用しないと必要額は確保できないのではないか。また、生産の合理化によるシナジーがどの程度あるか議論してもよいのではないか。
・ コンソーシアムの対象として、製造管理や品質管理のシステム投資がよいのではないか。システムである程度コントロールができて、それも業務に合ったシステムをつくり込むのではなくて、汎用的なもので基本的にはやってもらうと。それに乗ってくれるのであれば幾らか誘導していくというか、そういうコンソーシアムに乗ってもらったほうがいいのではないかなと考える。
・ 生産の合理化やコンソーシアムをつくったりという施策を考えるのと同時に、各ジェネリック医薬品メーカーにも、それを検討する土壌になるような原価計算をきちんとやって収益性を把握する必要があります、という啓蒙活動的なこともベースとして同時並行で行っていく必要がある。 少量多品目の解消について、薬価削除のプロセスも考えてあげて、入り口も絞るし、出口もそれなりにあって、薬価収載されている品目数が一定程度に収まっていくようなプロセスがあるとより効果的ではないか。
・ 企業買収した後の品質リスクを多分企業は取るのは難しく、コンソーシアムというのが現実的な形であると考える。また、品目を減らしていって、ロットのスケールを上げて生産効率をよくしていくというのがコンソーシアムの一つの目的だとすると、1つの品目をつくる企業が減って、また品質の問題が起きたときの安定供給をどうするのだという議論も惹起し得るところ、ロットスケールの拡大と品質管理の両立をどう制度設計をしていくかというのが大きい論点になるのではないか。
・ コンソーシアムを組んで品目を統合していくにあたり相当の費用が必要となるが、それは政策誘導、税制誘導だけでは難しいので、品目の統合で生産効率がよくなって、企業の利益率が上がっていくので、金融機関もファイナンスのところで支援できる。企業の利益率がよくなるから、民間の金融機関がファイナンスできる、といった大きい絵をこの会議体で議論すべきではないか。
・ 品目統合するときに、利益が出ている品目は欲しいし、利益の出ていない品目は手放したいというところで、みんなで押し付け合うようなことになりかねないので、旗振り役が必要になるのではないか。不利益ばかり被っているコンソーシアムなり一企業があるのだったら、そこは何かしら安定供給するメリットがあるようにしていかないと、なかなか統合が進んでいかないのではないか。
・ 後発医薬品メーカーは社会の公器であり、コンソーシアムについて、取っつきやすいところからやって成功していく、それにインセンティブモデルをつけていく、という順序が良いのではないか。
・ コンソーシアムは入り口であって、永続的なモデルではない。うまくいけば企業統合まで発展するのではないか。コンソーシアムが十分な領域で起こらなかったり、十分なスピードで進まない場合には、コンソーシアムのような、皆が入りやすい形で入ることだけを推奨するというのはいかがかなと思っている。また、ある程度インセンティブだけではなくてディスインセンティブな施策も必要ではないか。

おわりに

○ 事務局から、第8回は年明け1月31日(水)を予定していることを案内し、散会となった。