第31回技能検定職種の統廃合等に関する検討会議事録

日時

令和6年1月17日(水)17:00~18:50

場所

厚生労働省専用第12会議室(オンライン併用)

出席者

参集者(五十音順 敬称略)

議題

  1. (1)令和5年度技能検定職種の統廃合について
  2.   ・検討対象職種の説明
  3.   ・業界団体からのヒアリング
  4. (2)報告事項
  5.   ・令和4年度技能検定実施状況について

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議事

第31回技能検定職種の統廃合等に関する検討会

○事務局 定刻となりました。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、ありがとうございます。ただいまより「第31回技能検定職種の統廃合等に関する検討会」を開催いたします。本日、当検討会はオンライン併用での開催となっております。
 初めに、技能五輪国際大会推進室長兼主任職業能力検定官の増岡より、御挨拶申し上げます。
○増岡主任職業能力検定官 御紹介いただきました増岡でございます。一言御挨拶申し上げます。
 本日は、委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御参集いただき、ありがとうございます。
 今回から、新たに3名の方に委員に御就任いただいております。古賀委員、塚崎委員、筒井委員でございます。よろしくお願いいたします。また、黒澤委員長をはじめ、継続でお願いしております委員につきましては、引き続きよろしくお願いいたします。
 さて、本統廃合検討会でございますけれども、国家検定である技能検定につきまして一定の基準を設けておりまして、受検者数が一定の基準を下回るということになった場合に、検討会として開催頻度であるとか統廃合の要否を検討するというものでございます。国家検定でございますので、国家検定として維持するにふさわしいかどうかということも含めて、受検者数のみならず、社会的便益の観点も含めて御検討いただくというものでございます。
 今年度の検討会におきましては、2職種ほど対象となっておりまして、枠組壁建築職種、それから機械木工職種、2職種について御審議を頂きます。おって、業界団体のほうからも御説明・ヒアリングの場を設けてございますので、忌憚ない御審議を頂ければというように思います。本日はよろしくお願いいたします。
○事務局 新規の委員もいらっしゃいますので、皆様を御紹介させていただきます。山梨学院大学学習・教育開発センター教授の金子勝一様です。
○金子委員 よろしくお願いします。
○事務局 続きまして、株式会社日刊工業新聞社編集社員の川瀬治様です。
○川瀬委員 よろしくお願いします。
○事務局 続きまして、政策研究大学院大学副学長の黒澤昌子様です。
○黒澤座長 よろしくお願いします。
○事務局 新規の委員でいらっしゃいます、職業能力開発総合大学校准教授の古賀俊彦様です。本日オンラインでの参加となります。
○古賀委員 古賀です。よろしくお願いします。
○事務局 続きまして、協和監査法人代表社員公認会計士の髙山昌茂様です。
○髙山委員 よろしくお願いします。
○事務局 続きまして、ものつくり大学技能工芸学部教授の武雄靖様です。
○武雄委員 よろしくお願いします。
○事務局 続きまして、新規の委員でいらっしゃいます、職業能力開発総合大学校教授の塚崎英世様です。本日オンラインでの参加となります。
○塚崎委員 塚崎です。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、新規の委員でいらっしゃいます、法政大学キャリアデザイン学部教授の筒井美紀様です。
○筒井委員 よろしくお願いします。
○事務局 また、室長の増岡のほかにも事務局に人事異動がございましたので、紹介いたします。上席職業能力検定官の田口、厚生労働事務官の大沼、私でございます。それから、厚生労働事務官の武田です。
 次に、資料の確認をお願いいたします。本検討会についてはペーパーレス開催とさせていただいておりますので、お手元のタブレットで確認をお願いいたします。オンラインで参加の皆様は、別途お送りしておりますPDFファイルを御確認ください。また、画面共有もさせていただきます。
 まず、初めに「議事次第」、続きまして、配布資料といたしまして資料1「令和5年度技能検定職種の統廃合について」、1ページ、続けて、資料2「統廃合等検討対象職種の概要」、10ページになります。続けて、資料3「令和5年度技能検定職種の統廃合等に関するスケジュール」、15ページになります。続けて16ページ、資料4「技能検定職種の統廃合等に関する意見募集について(案)」、続きまして、資料5「令和4年度「技能検定」の実施状況を公表します」、24ページです。続けて、参考資料1「行政改革の重要方針」、32ページになります。続きまして、参考資料2「規制改革推進のための第2次答申」、33ページです。それから、別ファイルになります、「検討会参集者限り資料1」というものがございますので、御確認ください。
 皆様、資料の不足、あるいは機材の不調等ございませんでしょうか。もし機材の不調等ありましたら、事務局で対応しますのでお呼びたてください。では、問題ないようですので進めさせていただきます。
 オンライン参加の皆様におかれましては、御発言なさらない時はマイクをオフにしていただきますよう、お願いいたします。また、御発言いただく時は挙手、「手を挙げる」という機能がありますので、それで意思表示を頂ければ座長等より御指名をいたしますので、マイクをオンにして御発言ください。
 会議室にて御参加の皆様におかれましては、オンライン参加者に音声が届くよう、マイクを用いて御発言ください。なお、無線マイクを御利用の方におかれましては、2点ほど御留意いただきたいことがございます。1点目としまして、ランプが付くまでにタイムラグが2秒ほどございます。つきましては、ランプが付いたのを御確認の上、御発言いただければと存じます。また、2点目としまして、一定時間経過すると自動でランプが消える仕様となっておりますため、この場合はお手数ですが、またマイクをオンにしてから御発言いただければと存じます。円滑な議事進行のため、御協力をお願いいたします。
 本日は、関係業界団体からのヒアリングを予定していますが、業界団体からの自由な意見を聴取することから、ヒアリング部分については非公開で行うことといたします。そのため、業界団体からのヒアリング以外の報告事項などを先に進め、その後、傍聴されている方に御退室いただき、業界団体からのヒアリングを行いたいと思います。
 それでは、これからの進行は黒澤座長にお願いしたいと思います。黒澤座長、よろしくお願いいたします。
○黒澤座長 どうもありがとうございます。皆様、今日は本当にお忙しい中、そして対面での御参加の先生方、大変お寒い中、どうもありがとうございます。黒澤でございます。よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、議題1「令和5年度技能検定職種の統廃合について」に移りたいと思います。では、事務局より御説明をお願いいたします。
○田口上席職業能力検定官 それでは、事務局の田口から説明させていただきます。議題1の資料は、資料1と2です。まず、資料1を御覧ください。ページ番号は2ページです。平成17年に閣議決定された行政改革の重要方針において、「既存の職種については、民間の指定試験機関への移行を促進するとともに、経済社会情勢の変化に対応した統廃合を行う」こととされました。また、平成19年の規制改革会議の答申において、「検定職種の統廃合・新設、民間参入を着実に推進するため、例えば、受検者数が年間100名以下の検定職種等については廃止する方向で検討を進めることとするなど、定量的な基準を盛り込むべきである」とされました。
 これらを踏まえ、厚生労働省においては、技能検定の職種の見直しに関する専門調査員会を開催し、検討会において毎年度検討すること、第1次判断として受検者数実績を基準に統廃合等の検討対象職種を選定すること、第2次判断として社会的便益を検討・勘案し、統廃合の可否について検討を行うことといたしました。この報告を踏まえまして、本検討会が平成21年に設置されております。
 3ページに移ります。検討会が設置された平成21年以降、これまでの検討状況を3ページから7ページまでにまとめております。時間の都合上、詳細は割愛しますが、6ページを御覧ください。機械木工を赤く着色しておりますが、令和2年度に検討した機械木工職種は、本年度再検討することとされております。
 8ページを御覧ください。第1次判断については、過去6年間の平均受検申請者数で判断することとしておりますが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症に関する状況を踏まえ、令和2年度前期試験を中止しています。そのため、昨年度の検討会と同様に、令和2年度を除いて平均受検申請者数を算定することとさせていただいております。
 8ページの算定方法をもとに算定した結果が、資料9ページです。資料9ページは、平均受検申請者数が100人以下となった職種をまとめています。隔年50人以上、3年ごと30人以上の場合を除くと、第1次判断基準で選定された検討対象職種は「枠組壁建築職種」となります。先ほど申し上げましたとおり、機械木工職種は第1次判断では選定されてはいませんが、令和2年度検討会によって、本年度再検討対象職種となっております。
 資料2を御覧ください。本年度の検討対象職種である「枠組壁建築職種」と「機械木工職種」の概要をまとめた資料を準備いたしました。まず、11ページを御覧ください。枠組壁建築職種は、作業は枠組壁工事作業1作業のみです。等級区分は単一等級です。昭和56年度に職種が新設されており、受検申請者数は、初年度の1,472名をピークに漸減しており、平成23年度に200名を超えたものの、その後は100名を下回る状況が増え、令和3年度から隔年で試験を実施しています。次の12ページにあるとおり、本検討会では過去4回検討対象となっております。
 続いて、13ページに移ります。機械木工職種についてまとめております。機械木工職種の作業は、機械木工作業と木工機械整備作業の2作業で、等級区分は1級と2級です。平成24年度に木工機械整備職種と機械木工職種の統合が行われ、現在の機械木工職種となっています。統合前の木工機械整備職種は昭和46年度に新設、統合前の機械木工職種は昭和63年度に新設されていて、平成5年度以降、100名を下回る状況が増え、平成19年度以降は100名を下回るという状況です。昭和61年度からは隔年、平成22年度からは3年ごとに試験を実施しています。次の14ページにあるとおり、統合前の木工機械整備職種を含めると、本検討会で過去5回検討対象となっております。議題1についての資料説明は以上です。
○黒澤座長 どうもありがとうございます。それでは、今の御説明について何か御質問ございますでしょうか。オンラインの方は御発言の前に、Zoomの機能で挙手を頂いて、指名させていただいてから、マイクをオンにしていただき御発言をお願いいたします。どなたかございませんか。
 大丈夫ですかね。では、特段に、ほかになければ、業界団体からのヒアリング以外の報告事項を先に進めたいと思いますので、まず、議題2の「令和4年度技能検定実施状況について」ということで、事務局から報告をお願いします。
○事務局 能力評価担当参事官室の武田と申します。よろしくお願いいたします。
 私からは、令和4年度の技能検定の実施状況について、令和5年8月10日付けで報道発表した資料5を用いて御説明いたします。
 24ページの下の四角の中を御覧ください。令和4年度については、技能検定受検申請者数は86万9,519人で、令和3年度に比べて約10万人の減少となっております。また、合格者数は35万9,641人で、令和3年度に比べて約8,000人の減少となっております。昭和34年度の制度開始から令和4年度までの累計で、延べ836万5,025人の方が技能士となられています。職種別で最も受検申請者数が多い職種は、ファイナンシャル・プランニングの53万9,871人で、約6割を占めていることになります。等級別で最も受検申請者数が多い等級は2級で、約34万人となっております。
 次の25ページを御覧ください。こちらは、令和4年度単年度の中で、級別に分けた表となっております。新型コロナウイルスによる入国制限が緩和されたことから、入国1年目に受検する基礎級の受検申請者数は、大幅に増加しております。次の26ページは、今申し上げた級別の表をグラフにしたものとなっているため、割愛させていただきます。
 今ほど、等級別について申し上げたところですが、次の27ページは、令和4年度の単年度の中で、職種別に分けた表となっております。等級ごとに1つずつ御説明すると長くなってしまうため、はじめの全等級合計の所に絞って御紹介いたします。受検申請者数の上位5職種を見ますと、1位がファイナンシャル・プランニングの53万9,871人で、以下、機械保全、機械加工、とび、知的財産管理となっております。
 次の28ページは、令和4年度の職種別の詳細データとなっております。過去6年間の数値を載せておりますが、職種ごとの御説明については、先ほどと同様に割愛させていただきます。
 最後に、31ページの「技能検定職種一覧表」を御覧ください。令和4年度からの変更点について御説明いたします。令和5年4月1日より、「放電加工」職種の名称を「非接触除去加工」職種に変更しております。また、「電気機器組立て」職種の「シーケンス制御」作業が「シーケンス制御」職種として、令和5年4月1日より独立しました。令和4年度の実施状況については以上となります。
○黒澤座長 御説明どうもありがとうございました。今の御説明につきまして御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。ございませんか。そうしましたら、私から1つ、よろしいですか。グラフですが、先ほどの令和3年、4年と比べると10万人減っているということですが、26ページのグラフを見ると、令和2年度にコロナに入って受けられなかった方が、翌年度に一気に受けて増え、前に戻ったという理解でよろしいですか。実際、2級、3級が一番減っているのですが、それでも前の水準よりは増えているわけですよね。
○田口上席職業能力検定官 要因といたしましては、大きく2つあると考えておりまして、1つは技能検定の随時3級という外国人技能実習生が受検する級なのですけれども、随時3級というのは、令和2年度から3年度に入国した方が、4年度の随時3級を受けることが想定されているのですけれども、ちょうど入国制限がされていた時期ということがありまして、随時3級の受検者数が前年度に比べて大きく減少しておりまして、3年度と4年度を比べますと、約3万4,000人減っております。
 もう1つの大きな要因が、ファイナンシャル・プランニング職種になります。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けまして、事業主がその従業員にファイナンシャル・プランニング職種の受検を推奨したり、在宅時間を活用して、令和3年度に多くの方が受けられました。令和4年度は落ち着き、受検者数は、令和3年度と4年度を比べますと、約8万人減少しております。技能検定の随時3級の3万4,000人、ファイナンシャル・プランニングの8万人、この減少が10万人減少の主な要因となっております。
○黒澤座長 どうもありがとうございます。コロナ禍の最中に学んだというのは、それはそれですばらしいことですね、ありがとうございます。ほかにございませんでしょうか。何かお気付きの点などございましたら。よろしいですか。では、特段になければ、議題1のほうに戻らせていただきます。
 そうしましたら、業界団体からのヒアリングをお願いいたします。
○田口上席職業能力検定官 それでは、枠組壁建築職種のヒアリングを開始いたします。お越しいただいたのは、一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会様となります。ここからの団体ヒアリングは非公開とさせていただきますので、傍聴者の方は退室をお願いいたします。ありがとうございます。
 
         業界団体からのヒアリング(非公開)
                                 
○黒澤座長 大変有意議な御議論を頂きまして、どうもありがとうございました。ヒアリングを踏まえて議論をさせていただきたいと思います。
 統計のところから確認しますと、枠組壁建築職種というのは、現在のところ隔年で検定を実施しておりまして、隔年の場合は50人以上ということが第1次判断基準になっているのですが、こちらは48名という数字が直近で出てきております。2名足りないということです。原則としては、そういった第1次判断基準を下回ると3年ごとの実施になるというステップに移るわけなのですが、それがよろしいのかどうかということは、この第1次判断基準に加えて、社会的便益に照らして、今後も隔年実施を継続すべきなのかという評価を行う必要があるということです。
 この職種は先ほどの資料にもございましたように、新設当初は1,000人を超える受検者がいたのですが、徐々に減少し、平成に入ってからは200人を切る状態が続いています。平成22年、平成24年、平成27年、令和2年度には、こちらの検討会で検討対象にもなってきております。直近の令和2年度では、業界が引き続き、会員をはじめとする関係者への受検勧奨、受検によって得られる便益の向上、受検希望者への研修の実施などによって、受検者拡大を図るということを条件として、令和3年度から起算して、隔年実施として存続を認めることが適当というようになっておりました。
 今のヒアリングですと、業界としていろいろな取組を行うということでしたけれども、とは言え、いろいろな根本的な問題というのも見られたようなところだと思います。皆さんの御意見を頂ければと思います。御議論、どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほどのポイントとしましては、関連団体へのアピールについては行うということをおっしゃっていましたが、例えばそういったことを要件とするとか、給与に入れているような、ロールモデル的な企業のやり方をもう少し周知すべきであるとか、外国人への講習の在り方をもう少し広く知らせるべきとか、JACがやっているものをお知らせするべきとか、いろいろな御意見がありましたけれども、例えばそういったことを要件とした上で、2名だけ足りないということでもありましたし、特別会員の制度も緒に就いたばかりだということなので、しばらく様子を見るということも考えられるかもしれません。そうであれば、今までどおり隔年ということで様子を見ることも考えられます。しかしながら、今のお話では根本的に需要が見込めないのではないか、とくに、先ほどの最後のほうにも金子先生からご意見が出ましたけれども、実は易しいから受けるのであって、実は隠れ蓑になっているのではないかという点もございます。塚崎先生、お願いいたします。
○塚崎委員 個人的な意見なのですが、特定技能外国人がいらっしゃるということであれば、3年に1回などになると、そのタイミングが合わなくなってしまうことを危惧しています。業界団体の日本ツーバイフォー建築協会さんが、今後どう増やしていくかという取組状況を踏まえながら、現状維持で隔年開催のままのほうがいいかなと個人的には考えておりました。
○黒澤座長 大変重要な視点をありがとうございます。3年に1度になってしまうと、取る前に道が断たれてしまうというか、第2のほうに行くことができなくなってしまうということが起こる可能性が高くなるということですね。いかがでしょうか。
○髙山委員 最初に頂いた資料の2ページ目です。平成21年に統廃合等の基準については、第1次判断、第2次判断で行うということになったのですが、それから10数年たって、日本の置かれている事情は全く変わってきていると考えております。人もどんどん、それも急速に減っていく。若い人たちが建設現場に出なくなっていて、担い手がいないという現状があります。それに代わっての担い手が外国人の労働者で、そこにお願いせざるを得ないという段階まで来ています。
 ところが、日本は非漢字圏の人たちが非常に入りづらい漢字文化ということもあって、漢字圏というのは中国の方たちなのですが、だんだん裕福になってくる中で日本に入ってくれないということが起きてきています。他方、非漢字圏の人たちが入ってくるとなると、漢字を勉強するのも大変な上に、試験も難しいものであれば、それもハードルになってきます。
 私は、いわゆる特定技能2号の外国人が増えて日本に永住してくれないと、日本の国力は上がってこないと考えております。業界、受検者、雇用主、消費者を全て包含した、日本の今後の行く末という中での外国人への期待を考えていくと、この特定技能2号について、取りやすい試験かどうかという視点も必要だと思っています。建築大工とか他の試験に比べて、取りやすいのではないか、ツーバイフォーですから、場合によっては自国に帰ってもできるということを考えてくると、そこがインセンティブになってくるのではないかと思っております。
 いろいろな基準があるかもしれませんけれども、今の日本の置かれた状況から見ると、ここは特例的に、私からすると毎年やってもいいのではないかというぐらい考えております。外国人の在留期間が5年であれば、5年経てば期限切れになって帰ってしまうような人たちがいるとすると、隔年だって足りないぐらいだと思っております。毎年でなくて半年に一遍でもいい感じもしています。そういう見地から、私からすると隔年は当たり前で、場合によっては特例的に毎年でもいいのではないかと思っている次第です。今までの基準から大きく離れてしまうのですけれども、我々としては、日本国の置かれている状況を考えながら判断するというのは許されるのではないかと思って、発言いたしました。
○黒澤座長 確かにそういう考え方も重要な観点です。1年にということについては、事務局はいかがでしょうか。
○増岡主任職業能力検定官 現時点でそこまでいけるのかというのは、非常に難しい判断もあろうかと思います。今、特定技能の1号なり2号なりに移行する際に、評価試験のほかに技能検定でもということでやっておりますが、これは基本的には日本人向けに実施している技能検定を活用してという位置付けで、もともとの制度設計として、特定外国人向けということで設計されていないので、そこでいきなり切り分けてというところまではなかなか踏み切れないのかなとは思います。
 今、技能実習生に対しては随時試験というやり方をしておりますが、あくまでも特定技能に関しては、評価試験があって、それとは別に技能検定も活用できるという位置付けです。将来的にどうなっていくのかというのは、これから新しく始まる制度ですので、そういった中で議論はあるかもしれませんが、あくまでもこの統廃合検討会の場においては、外国人の問題がクローズアップされましたけれども、そもそも日本人向けの検定をどうしていくのかというところが検討の主眼となりますので、そのように御理解いただければと思います。
○黒澤座長 とは言え、この検討会では、例えば3年に1度になったものを2年に戻すとか、隔年になったものを毎年に戻すとか、そのときの基準もきちんと定められているわけですので、それがまた満たされるようになれば、そういったことも積極的に考えていく余地があると考えられると思います。
 そうしますと、今の隔年というのは、このままでという方向でよろしいでしょうか。
                                  (異議なし)
○黒澤座長 そこに一定の条件を課すということについては、いかがでしょうか。先ほど塚崎先生がおっしゃったような方向性での御努力はなさるということでしたけれども、そういったことを要件にするか、それともそのままでよろしいでしょうか。
○金子委員 最初の評価基準に比べると、状況が変わっていますので、その辺も今後はどうなるのか分かりませんが、その辺を考えると、このままのほうがいいかなというように考えています。
○黒澤座長 そうしましたら、そういったことで、現状維持で、本検討会としては社会的便益の観点から、おおむね現状維持ということで、隔年実施でお認めするということでよろしいでしょうか。
                                  (異議なし)
○黒澤座長 ありがとうございます。ではそのようにさせていただきます。
○武雄委員 1つよろしいでしょうか。
○黒澤座長 どうぞ。
○武雄委員 現状維持には賛成なのですが、もっと努力してほしいというところを一言付け加えていただけたらなと思います。
○黒澤座長 そうしましたら、塚崎先生がおっしゃっていたようなこととか、その辺りを更に努力していただいて、受検者数の盛り上げを御努力いただきたいということを加えた形で、おおむね今後も隔年実施を認めるということにしましょう。このような本日の議論を踏まえて、次回までに事務局で取りまとめをお願いできればと思います。川瀬先生、どうぞ。
○川瀬委員 特定技能外国人の問題があります。外国人の方が1社しか受検していなかったということなので、特にそういったところを、受検者数を増やすためにも、そういう外国人が受ける会社は、6名が1社でしたので、もう少し各社に増やしていただければ、受検者数も増えるかなと思いますので、そこの表現をうまく付け加えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○黒澤座長 筒井先生、どうぞ。
○筒井委員 同じラインの話なのですが、今日のやり取りの中で出てきましたけれども、課題なのかなと思ったのは、受検してくれそうな人がどこに何人ぐらいいるのか。具体的な突き止めができていないというのが、具体的なアプローチを取れない根本の原因かなと思います。ですので、業界団体、所属団体へのヒアリングとかアンケートも質問が粗すぎるので、もっと細かく聞かないと分からないのではないかと思うのです。受検してくれそうな人が潜在的にどこにいるのかを具体的に突き止めた上でというのが、根本的に必要だと思います。
○黒澤座長 その辺りもありますし、対象者がどこにいるのかというのが、一人親方ですとか下請ですとか、構造的に非常に把握しにくいのだと思うのです。委託元に聞いても分からないとか。
 とは言え、先ほど塚崎先生がおっしゃったように、建築大工をやっている人たちにもリーチすれば、そこにポテンシャルもあり得る。そういったところも含めて、もう少し詳細なアンケートなどを実施されてはいかがかという感じですかね。
○筒井委員 例えばそのアンケートの中で、「御社の大工さんは何人いますか」「御社で既にその資格を持っている人は何人いますか」「こういう資格を持っている人は何人いますか」というように、もう少し細かく聞いたら、この会社は声を掛ける狙い目だなということが特定できるのかなと思います。
○黒澤座長 是非そういった観点も盛り込んだ形でメッセージ伝え、取りまとめいただけると大変有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○金子委員 考えていたのですが、日本人の方にもうちょっと受けていただけるような資格。外国人の方にはいろいろやられて、期待せざるを得ないということがあるのかもしれませんが、日本人の方にもセミナーなどに参加していただくとか、合格率を上げるための方法とか施策を考えていただいたほうがいいのではないかと思います。そのために、協会中心で企業のサポートやフォローをするような仕組みも、協会に考えていただいたほうがいいかなと思います。
○黒澤座長 それもよいですね。特定技能の外国人の方にも、まだ資格を取られていないけれども、資格が活用できる日本人のほかの業界団体の組織にも、受検勧奨を広げていただく。また、受検希望者への研修の充実といったものも大事ですよね。その前提となるのが、先ほど筒井先生がおっしゃったような情報の把握を手広く、より細かな形でアプローチしていただきたいということでお願いします。
○筒井委員 社会的便益という観点がありますけれども、働く大工さんにとっての便益は非常に大事だと思うのです。それで考えたら、資格手当がきちんと給与に反映されるというのは非常に大きくて、ヒアリング対象者に出てきた2社のうち、新昭和さんは資格手当を付けていますけれども、泉北ホームさんのほうは受検費用を負担するぐらいしかやっていません。資格を取ったら格好いいというような称号的なものではなくて、給与が増えるというインセンティブがないと、受けようかなという気にはならないと思います。どれだけ受検のサポートで講習会をやると言っても、「でも給料が上がるわけではないから」と思ったら、やはり受けないと思います。
○黒澤座長 それに加えて、今の点は最初に先生がおっしゃってくださった件ですね。取ろうとしている方々にインセンティブを与えるために、よい事例として新昭和さんの給与の上乗せの取り組みを、情報として資格を取りそうな方々に普及させることも大事ですので、それも是非入れていただければと思います。
○武雄委員 品質担保の問題なのです。
○黒澤座長 そうですね。品質担保の面、消費者に還元されるということですよね。
○武雄委員 はい。
○黒澤座長 業界の方々は、その辺りがトータルで重要だとおっしゃるのですが、それがステークホルダーに周知されていないのが非常に難しいところですよね。そこをどうにか見える化できないか。質の担保は従業員、消費者、社会便益となりますので。ではその辺りは私どもにお任せいただいて取りまとめさせていただきたいと思いますので、隔年実施ということは皆さんに御承諾いただいたということで、次に移りたいと思います。ありがとうございます。
 次が、機械木工職種の検討です。令和2年度の検討会の結論として、「次回の試験の受検申請者数が90人以上となった場合には、ただちに職種廃止とはせずに、改めてその存廃について本検討に諮るものとする」とされておりました。
 その結果、業界の方々が大変なご努力をされて、令和4年度試験で140人の申請者があったということです。過去6年間の年間平均の受検者数が37人となって、いわゆる第1次の判断基準である30人を超えました。この件については事務局が事前にヒアリングをしておりますので、概要の報告をお願いいたします。
○田口上席職業能力検定官 機械木工職種には、関係業界団体として2つございます。全日本木工機械商業組合、一般社団法人日本木工機械工業会の2つです。事務局で、事前に両団体と面会してまいりました。
 具体的に、何を令和4年度に向けて行ったのかを確認したところ、まず、全日本木工機械商業組合には技術委員会という委員会があるのですが、そこにもう1つの団体の方も参加するようになって、対策を検討するという検討の母体を作っております。
 具体的にやった1つ目として、関係する業界団体に実際に足を運んで、協力を要請されたということでした。2つ目が、これまでの受検者の所属企業を確認して、その所属企業を訪問して受検勧奨されたということでした。また、受検者の所属企業に対する補助金制度を作り、補助金による受検勧奨も行ったということでした。3つ目が、試験会場は今まで全国で東京だけでしたが、前回は愛知、大阪など、会場を増やしたということでした。4つ目が、業界紙や機関誌などでの広報を積極的に行ったということでした。
 両団体がおっしゃるには、令和4年度は2級の受検者が多かったので、次回の令和7年度には、その方々の1級の受検が見込めるということでした。両団体とも、今後も引き続き取組を強化して、業界として技能検定を活用していきたいと考えているので、技能検定は廃止ではなく、3年ごとの実施の継続を希望しておりました。
○黒澤座長 というわけです。第1次判断基準を超えた御努力をなさったということですので、今後も3年ごとの実施として存続を認めるということでよろしいかどうか。御意見がございましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本検討会としては、引き続き関係業界団体が受検者拡大を図っていくことを前提に、3年ごとの実施として存続をお認めするということで、よろしいでしょうか。
                                  (異議なし)
○黒澤座長 ありがとうございます。そのような形で進めさせていただきます。
 では事務局より今後の予定についてお願いいたします。
○田口上席職業能力検定官 資料3に基づいて、今後の予定を説明いたします。15ページを御覧ください。本日、1月17日が第1回検討会です。この後、一般の方に対してパブリックコメントということで意見の募集を行います。パブリックコメントを踏まえて、3月11日に第2回の検討会を開催させていただきたいと思っています。第2回の検討会では、今年度の結論を得て、3月中には報告書を取りまとめて公表させていただきたいと思っています。
 16ページを御覧ください。パブリックコメントで実際に意見募集するときの案文です。16ページと17ページが案文で、18ページと19ページが、技能検定制度の概要です。20ページから23ページまでが、職種統廃合検討会の概要を添付しております。このような資料をセットした上で、一般の方から意見を募集いたします。集まった意見は、第2回検討会において報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。今後の予定については以上です。
○黒澤座長 今、御説明があったように、本日の議論、そしてパブリックコメントも踏まえた上で、次回に結論を出したいと思います。よろしいでしょうか。
                                  (異議なし)
○黒澤座長 そうしましたら、本日の議論は終了いたしました。事務局から次回の日程などについて、御説明をお願いいたします。
○事務局 本日はありがとうございました。次回の検討会は3月11日(月)の午後、議題は「報告書(案)について」を予定しております。開始時間と会場については、後日お知らせいたします。なお、本日の議事録についてはホームページ公表をしたいと考えております。議事録(案)が仕上がり次第、先生方にはメールで確認依頼をさせていただきますので、御協力のほどお願いいたします。
○黒澤座長 本日の検討会はこれでおしまいです。皆様、大変有益な御議論をありがとうございました。