中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和5年度第4回、第5回

日時

第4回:令和5年10月24日(火)
第5回:令和5年10月31日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第4回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、森山光彦委員、諸井雅男委員
神田善伸専門委員、古田淳一専門委員、三澤園子専門委員、山口正和専門委員

第5回
前田愼委員長、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、眞野成康委員、森山光彦委員、諸井雅男委員
山口正和専門委員
         
<事務局>
安川薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について
市場拡大再算定の要件該当性等について

 

議事

 
フォゼベル錠5mg、フォゼベル錠10mg、フォゼベル錠20mg、フォゼベル錠30mg
日時:令和5年10月24日(火)
 
〇薬価算定組織委員長
「フォゼベル錠5mg、同錠10mg、同錠20mg、同錠30mg」となります。特に意見を伺う委員として、眞野先生、諸井先生にお願いしております。
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席の委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 御説明ありがとうございます。
 最類似薬の選定に関して、申請者はクエン酸第二鉄水和物を挙げていますけれども、効能・効果には「透析中の~」とありますので、その点が違うところと思います。そういう意味では効能・効果は事務局案の最類似薬のほうがより適していると思いますので、事務局案が妥当と考えています。
 そのほか、1日通常最大単位数量に関しても、また規格間調整もそうですけれども、事務局案のほうが考え方としては筋が通っていると思っています。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 基本的に事務局案に賛同いたします。類似薬効比較での算定で最類似薬をピートルチュアブル錠とする点ですが、イ、ロ、ハ、ニと類似薬の選定がございますが、それぞれ申請者と事務局はちょっと違うのですが、申請者が効能・効果から見た類似薬でピートルチュアブル錠を出してきていないのはなぜかなという点がちょっと気になりましたし、ニの剤形区分がちょっと違うのですが、投与形態という点では類似性が一定あるというところで、投与形態、剤形区分と効能及び効果から見た類似薬のところで意見が多少違っているということですが、透析中の適応ということですので、私は事務局案のほうが妥当かなと判断します。
 それから、1日通常最大単位数量についてですが、血液透析患者と腹膜透析患者を対象とした臨床試験で60mgと決めているという点は妥当なのですが、現在は腹膜透析は非常に少ないと思われますが、その辺、血液透析と腹膜透析は両方とも同じですので、大きな問題はないと思いますが、腹膜透析と血液透析の両方を適応としたという点を考慮すれば、これも妥当かなと思います。
 規格間調整に関しても、事務局に御提示いただいたもので納得いくと思いますし、補正加算は40%と非常に高いのですが、新規の作用機序という点は評価すべきと思いますし、この上乗せ効果という臨床試験も示されているので、40%でよろしいかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見があれば、お願いいたします。御意見はございませんでしょうか。
 最類似薬、1日薬価合わせ等々が論点だと思いますが、補正加算については、事務局見解でよろしいだろうということで、ほかも特に御意見がないのですけれども、よろしいでしょうか。
 事務局、特に追加はございませんか。
○事務局
 追加は特にございません。
○薬価算定組織委員長
 皆様、よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg、コルスバ静注透析用シリンジ25.0μg、
コルスバ静注透析用シリンジ35.0μg
日時:令和5年10月24日(火)
 
〇薬価算定組織委員長
「コルスバ静注透析用シリンジ17.5μg、同静注透析用シリンジ25.0μg、同静注透析用シリンジ35.0μg」となります。特に意見を伺う委員として、小方先生、眞野先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 基本的には事務局の見解に同意いたします。最類似薬に関しましても、薬理作用から考えて、ミチーガではなくてレミッチOD錠のほうが適切だと思います。
 補正加算に関しましても、まだガイドラインの掲載が検討されている段階ということなので、5%なのかなと思いますが、企業の算定薬価が事務局の見解とかなり違いますので、それがちょっと心配されるところです。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 基本的に事務局案が妥当かと思っています。最類似薬に関しては、ミチーガはアトピー性皮膚炎の掻痒ということですし、バイオ医薬品でもありますので、申請者の案をとるのはなかなか難しいと思いますし、事務局案は、効能・効果、および薬理作用から見ても妥当と思います。ちょっと気になっているのは、レミッチカプセルは薬価収載から10年過ぎていているけれども、OD錠はまだたっていない。ただ、おそらくこれは後発品対策ということでOD錠を発売したのだと思いますし、そういう意味ではちょっと微妙かなと思います。
 補正加算についても、事務局の考えのほうが妥当と思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局、今の点はいかがですか。確かにレミッチは相当古い薬だと思うのですが、ODがふさわしいということなのですか。
○事務局
 御指摘いただいたレミッチの収載時期でございます。OD錠は後から規格が追加され、収載の時期が新しくなっているというのは御指摘のとおりでございます。
 大もとのカプセル剤は10年以内ではないのですが、類似薬をとる上で10年という区切りで判断しているところではございますが、原則という形になってございますので、とれなくはないと考えております。そこに加えてOD錠も存在しているというところと、あとは、この年数を別にしても、イ、ロ、ハの観点での類似性が高いのはこれだろうというところ、また、かゆみという分野ではレミッチがかなり広く頻用されているというところも踏まえまして、比較薬をとるならこれしかないかなということで、事務局案を作成させていただいたところでございます。
 
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生方から御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 外国価格は規格が違うので書かれていないのですけれども、実際には50μgですと、英国、ドイツで大体同じ感じになっているかなと思います。
 よろしいでしょうか。企業の希望価格より相当安くなっていますけれども、意見陳述もなさそうなので、よろしいのですかね。
 特に御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
レクビオ皮下注300mgシリンジ
日時:令和5年10月24日(火)
 
〇薬価算定組織委員長
「レクビオ皮下注300mgシリンジ」、特に意見を伺う委員として、齋藤先生、諸井先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の皆様から御意見を頂きたいと思いますが、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 有用性加算45%と40%の差は、③-bを認めるかどうかということでしょうけれども、認めないという事務局の案が妥当だと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も5%という有用性加算の点は、事務局案が妥当ではないかなと思います。標準的治療法として位置づけられるということでは、ガイドラインというのが重要となると思うのですが、国内及び海外のガイドライン、両方ともに位置づけとして優劣をつける位置にはないという判断で妥当かなと思います。
 ほかの要件加算のイ(①-a)とか、ハ(③-c)で、siRNA製剤という新規薬剤、作用機序という点と、既存の治療に比べて投与間隔が著しく少なくて済む、持続効果が長くなっているという点では妥当だと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の皆様、意見のほどはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ③-bをつけないということだと思いますけれども、海外のガイドライン、日本のガイドラインでは標準的位置づけにはなっていないということですが、①-aと③-b/cですから、③-cをつけながら③-bはつかないというのは、普通に考えるとつきそうなものかなと思うのですけれども、ただガイドラインに載っていないだけなのかなという気もしないでもないですが、よろしいでしょうか。
 海外、国内のガイドラインについての扱いで、ここまで載ったらどのように認めるかというのは、恐らくまた中医協のほうでも方針が少し示されるのではないかと思いますけれども、現状ではこれはガイドラインに位置づけられていないということでよろしいのではないかなと考えますが、ほかに御意見はございますでしょうか。
 事務局、何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。
 
 
ウゴービ皮下注0.25mg SD、ウゴービ皮下注0.5mg SD、ウゴービ皮下注1.0mg SD、ウゴービ皮下注1.7mg SD、ウゴービ皮下注2.4mg SD
日時:令和5年10月24日(火)
 
〇薬価算定組織委員長
「ウゴービ皮下注0.25mg SD、同皮下注0.5mg SD、同皮下注1.0mg SD、同皮下注1.7mg SD、同皮下注2.4mg SD」になります。特に意見を伺う委員として、齋藤先生、田﨑先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事務局案に基本的に賛成です。ただ、糖尿病の専門家ではない立場から言うと、オゼンピックの用量を増やしただけのようにも見えるのですが、原価計算方式での算定になるというのも気になりますが、ルールはこうなのだろうと思います。
 それから、補正加算は□□□□□□□□□□というのは妥当だと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 今、□□先生が言われたとおりなのですけれども、確かに類似薬に関して最類似薬なしには違和感は若干あるものの、この例としてリポジショニング特例が適用されるというところは理解できますので、こちらでよろしいかなと思います。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□という点もよろしいかと思います。
 ということで、事務局案を支持いたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生から御意見があれば、お願いいたします。いかがでしょうか。
 違和感はあるのだと思いますけれども、ルールに則っているということです。
 事務局、GLP-1受容体作動薬で同じようなかたちで出てくる薬剤というのはこれからもあるのでしょうか。
○事務局
 GLP-1の糖尿病治療薬はかなり種類が出てございますが、その中の一部は肥満症の開発もしていると聞いてございます。ですので、今後、そういった品目も出てくることになろうかと考えております。
○□□委員
 □□です。1つ質問していいですか。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○□□委員
 低血糖を起こす頻度はどのぐらいのものなのでしょうか。専門の先生にお聞きしたいなと思ったのですが。
 低血糖には全然触れなくてもいいものなのですか。使用上の注意には載っているのですか。
○事務局
 本剤の添付文書上も、低血糖を起こすおそれがある場合ということで注意喚起等々がなされているところでございます。併用の注意といったところにも基本的に糖尿病薬を並べてございますし、重大な副作用ということで、頻度不明ではございますけれども、低血糖の注意喚起がなされているところでございます。臨床試験成績や、薬理作用的にも当然生じ得るものかなと思いますので、そこは適切な注意喚起がなされていると事務局としては考えてございます。
○□□委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
○□□委員
 適応は、糖尿病とか、そういうことがある前提の肥満症だけですね。それがオゼンピックと、糖尿病がある人に使うということになってくると、薬価自体もそれほど大きな差はないので、現場では混同して使われそうな気がして仕方がないのですけれども、その辺りの区別を明確にするというか、そのような指導はされるのですか。
○事務局 
 本剤、ウゴービにつきましては、まず、効能・効果が肥満症とされており、成分は一緒ですが、オゼンピックとは違う販売名もつけられていますし、そこは識別ができるようになっているかと思います。
 加えて、本剤については、最適使用推進ガイドラインを作成しまして、使用に際しての医師要件、施設要件、患者要件が収載の際に中医協で議論されまして、決定されます。
 その中で使える医療機関はこういう専門医がいるところですよとか、患者については、こういう基準を満たした人ですよというような、適正使用していただくための基準が課せられます。それを守らないと保険では使えないという形になりますので、適正使用に資するような形で注意喚起といいますか、管理はなされるのかなと考えてございます。
 また、価格のところについても御指摘がございましたが、今回は原価計算方式で算定しておりますが、既に収載されておりますオゼンピックと比較しても、同じ規格であれば、大体同じぐらいの値段になっていると認識してございます。本剤は用量が多いというところもあって、規格がぴったり一致はしていないのですけれども、例えば、□□□□□であれば、オゼンピックが□□□□円であるところ、本剤は□□□□円ぐらいという算定になってございますので、大きなずれはない算定額になっているのかなと考えてございます。
○□□委員
 よく理解できました。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 世の中でも話題になる薬というか、痩せ薬として一般の方に使われているという問題も多少あるかもしれないので、このように保険上きちんと適正に使うということは非常に重要だと思いますし、値段も同じぐらいのほうがいい。高かったりすると、現場での使用方法もなかなか難しくなるかもしれませんので、これぐらいがよろしいのかなと私は思いますけれども、いかがでしょうか。特に何か御意見等はございますでしょうか。
○□□委員
 私は事務局案に賛同させていただきます。
○薬価算定組織委員長
 これの市場規模がどれぐらいになるかというのは、数年後、本当にこれが正しいのかどうかというのを見てみたいなと思いますし、□□先生は脂肪肝の方とかをいっぱい診ていらっしゃると思うので、いろいろな領域でも結構使えるのではないかなと思ったりしますけれども、これは糖尿病がなければいけないのですか。高脂血症と高血圧だけでもいいのですか。
○事務局
 御指摘のとおりでございます。その3つのうちどれか2つということでございますので、必ずしも糖尿病である必要はございません。
○薬価算定組織委員長
 そうですよね。だから、そうすると、結構な患者さんがいるのではないかなと。多分、いろいろな領域の先生が使うのではないかなと。
○□□委員
 BMIの縛りがあるので、単なる女性の痩せ願望とかでは使えないかなと。
○薬価算定組織委員長
 そうですね。それは使えないですね。
 よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
メグルダーゼ静注用1000
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「メグルダーゼ静注用1000」、特に意見を伺う委員として、下井先生、谷本先生にお願いしております。谷本先生は欠席でございます。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 内容に関しては、前回の審議で見させていただいておりますので、特に事務局案に追加はございませんでした。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員から何か御意見があれば、お願いいたします。よろしいでしょうか。特にないようですね。
 それでは、特にないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ、ジルビスク皮下注23.0mgシリンジ、
ジルビスク皮下注32.4mgシリンジ
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ジルビスク皮下注16.6mgシリンジ、同皮下注23.0mgシリンジ、同皮下注32.4mgシリンジ」となります。特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私、事前コメントにも書いたのですけれども、これはC5阻害ですから、どちらかというと、薬理学的にはユルトミリスとかのほうが比較薬としてはすごくなじむのです。ただ、確かにウィフガートと同じ効能・効果があって、そういう場合にはやはりそちらが優先されるのかどうかというのが聞きたかったのです。
 あとは、価格について、例えば、もしもユルトミリスなどと比較した場合にどうかということも少し質問したのですけれども、最終的には事務局見解でいいかなと思っています。
 有用性加算については、例えば、先ほど言ったC5阻害作用を有するほかの製剤と比べて、遺伝子の問題はあるかもしれませんけれども、特に大きなメリットとも思いませんので、有用性加算はつける必要はないと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 基本的には事務局案は妥当と考えておりますが、論点になっております有用性加算について、2つ御質問がございます。
 1つ目は、有用性加算に該当しない理由として、ガイドラインで言及がないとございますが、重症筋無力症のガイドラインは2022年に発刊ですので、恐らく編集作業は2020~2021年ぐらいであったと思われます。本剤のRCTの報告が2023年ですので、ガイドラインでの言及はそもそも難しいのではないかということで、そこを根拠にしてよいのかというところ。
 2点目が、この新しいお薬は、先ほど話題に出ましたソリリスとかユルトミリスなどのC5阻害薬が効かない遺伝子変異型を有する患者さんのアンメットニーズを満たすということが期待されている薬剤です。
 そちらに関しては、機構も期待できると審査報告書で言及されておりますので、今回の有用性加算でここのアンメットニーズに応えているところを評価していないというところは少し丁寧な説明が必要かなと思っています。
 この遺伝子変異を有する患者さんは抗AChR抗体陽性で難治性重症筋無力症患者の3.5%と非常に少ないので、そもそも臨床試験で有効性を示すのは難しいのではないかという背景がございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 
 まず、□□先生から御指摘いただいた2点にお答えさせていただきます。
 まず、ガイドラインの取扱いについてでございますけれども、現時点の薬価算定におきましては、国内の学会ガイドラインでの記載を評価のポイントとして基本的に運用しているところでございまして、その背景といたしましては、国内の学会ガイドラインは本邦での医療環境、医療実態を踏まえて作成されたものであって、本邦で当該薬剤が上市された際にどのような位置づけになるかというのが客観的に示されていると考えているところでございます。
 現行の薬価算定の運用におきましては、過去に算定した品目との整合も踏まえまして、本剤についてもガイドラインの観点からの加算はなかなか難しいのかなと考えているところでございますけれども、先生から御指摘いただきましたとおり、国内の学会ガイドラインに記載がない理由の一つとしまして、本邦で薬剤がまだ上市されていないというところもございます。
 国内ガイドラインへの記載がないことのみをもって、評価に値しないという考え方は現行の薬価算定の課題であると認識しておりまして、以前、DPOでも御審議いただきましたけれども、次期薬価制度改革に向け、DPOの意見という形で、薬価算定時点において国内のガイドラインに記載がされていない場合であっても、薬価収載後に本邦で標準的治療法となることが明らかであると見込まれる場合などは評価の対象としてはどうかという御提案も頂いているところでございます。
 続いて、2点目でございます。先生から患者数が少ない点を御指摘いただいてございます。特にC5阻害薬と遺伝子変異のところでございますけれども、臨床試験において有用性を示すことが困難であるというところは、まさにごもっともでございます。
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と事務局としては考えているところでございます。
 □□先生の御指摘については、以上でございます。
 また、□□先生からユルトミリスが比較薬として考えられるのではないかという御指摘も頂いておりましたので、こちらについても事務局の考えを御説明させていただければと思います。
 薬価算定における最類似薬の選定につきましては、効能・効果、薬理作用、組成、化学構造式、投与形態等々の観点から総合的に判断をしているところでございます。
 本剤の最類似薬の選定に当たっては「ステロイド剤またはステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏功しない場合に限る」というただし書がなされている観点からは、ウィフガート点滴静注が最類似薬の候補と、また、薬理作用の観点からは、御指摘いただきましたように、C5阻害ということでユルトミリスが候補になると考えてございます。
 事務局としましては、それぞれ候補品の効能・効果について比較しまして、そこの表現ぶりがより一致しているウィフガートを選択させていただいたところでございます。効能・効果のところの書き分けによって使用されるラインが異なるとも考えまして、基本的にはセカンドライン以降で使用可能となっているウィフガートを最類似薬とすることが適当と考えた次第でございます。
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
 すみません。長くなりましたが、以上でございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 よろしいでしょうか。加えて何かございますか。
○□□委員
 結局、臨床的な感覚からすると、ユルトミリスとこのお薬と、多分、実際の使われ方はそれほど変わらないとは思うのです。ただ、私自身は、価格の点は確かにウィフガートのほうに合わせたほうがいいなと思いますから、どちらでもいいという観点からすると、ウィフガートのほうがやはり最適かなと感じています。
○薬価算定組織委員長
 それでは、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。最類似薬の点と補正加算の点、事務局から説明がありましたけれども、特に反対意見はないでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
エプキンリ皮下注4mg、エプキンリ皮下注48mg
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「エプキンリ皮下注4mg、同皮下注48mg」、特に意見を伺う委員として、下井先生、山口先生にお願いしております。
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 事前の意見書に書かせていただいておりますように、事務局の見解に賛同いたしまして、特に有用性加算ハ(③-a)の要件の該当性に関しては、必ずしも既存の治療法の効果が不十分な患者さん、安全性の理由で既存の治療法が使用できない患者さんで明確に有効性を示しているとまで言うことは難しいのかなと思いまして、一部はCAR-T療法の治療後の患者さんには本剤がより推奨されるものの、その対象において、ほかの治療薬よりも優越するデータというよりは、歴史的な背景としてそういった治療後の患者さんも入れた治療の研究結果であったというところかと思いますので、③-aの該当性はないものと考えております。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案が適当であると考えております。
 1点確認させていただきたいのですが、算定方式の欄、申請者の見解と事務局の見解で、最終的な金額が申請者の見解のほうは□□万□□円、事務局のほうが145万330円ということで若干違いがあるのですけれども、ここの計算がどのようになっているのか教えていただければと思います。お願いいたします。
○事務局 
 基本的に1日薬価合わせの計算のところは申請者と事務局で同じ作業をしてございます。ただ、使っている式の中で有効数字の処理のところが、申請者のほうは丸めなくてよいところで数を丸めてしまっていて、計算が少しずれているというところでございます。
 具体的に申し上げますと、比較薬の1日最大単位数量0.362271という数字を記載してございますが、こちらは紙面の都合上ここで切らせていただいていますが、運用上、ここは丸めない数字となってございまして、事務局はこちらを四捨五入せずに計算しているところでございます。そこで最終的に□円のずれが生じていると考えております。
○□□委員
 分かりました。小数点以下幾つまで有効数字とするとかというのは特にないわけなのですか。
○事務局
 1日最大単位数量を出す場合には、有効数字を丸めずに、無理数が出れば無理数のまま計算するということになってございます。最終的に1日薬価を出したタイミングで丸めることになるのですけれども、その計算の途中式の中で、彼ら申請者のほうは、その計算方法に則っていなかったというところでずれが生じたものと考えています。
○□□委員
 分かりました。私からは以上になります。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から御意見があれば、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。特にないでしょうか。
 事務局からも特にございませんでしょうか。
○事務局 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特に御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
フェスゴ配合皮下注MA、フェスゴ配合皮下注IN
日時:令和5年10月24日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 「フェスゴ配合皮下注MA、同配合皮下注IN」になります。特に意見を伺う委員として、森山委員、山口委員にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め簡単に説明をしてください。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 まず、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私は事務局案で問題ないと思っています。③-cに関しても、利便性が高くなったのは間違いないのかもしれないのですけれども、製剤の工夫によるものを除くということもありますので、事務局案でよろしいと思っています。
 ただ、標準体重50kgというのは、ちょっと引っかかるのは引っかかりました。企業が57.35kgとしているのですけれども、50kgというのはちょっと少なくないかなという気はしました。ですから、もしかすると、この辺で少し再度見直す必要もあるかもしれないという感覚を持っております。事務局案に賛成でございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案が適当であるとコメントさせていただきまして、ダラツムマブの場合は体重が55kgということで評価されているのですが、今回、50kgということで、その整合性についてコメントしたところ、該当品目の臨床試験のときの日本人被験者が20例ということで、被験者数が少なかったので標準的な体重は判断しがたいということだったのですけれども、これが何例ぐらいになれば認められるかというのは、何か基準みたいなものはあるのでしょうか。
○事務局 
 なかなか難しい御指摘でございますけれども、その疾患の領域によって組み入れられる数というのは変わってくるものかなと考えてございます。今回の例で見てみますと、今回の効能・効果がHER2陽性の乳がん、HER2陽性の進行・再発の結腸・直腸がんでございますので、本剤については、日本においてももう少し人は集められたのではないかなと思いますし、これをもって標準的な体重とは判断できないだろうという印象を持ってございます。
 ただ、何人というような明確な基準を設定するのはなかなか難しいところはございますのでその数量の妥当性、組み入れ人数の妥当性というのは、その都度個別に判断していかなければならないのかなと考えてございます。
○□□委員
 分かりました。明確な基準はないけれどもということなのですね。ありがとうございます。
 □□先生からの御指摘の③-cの部分に関しましては、もう既にダラキューロで前例があるということなので、ここは評価できないのかなと私も判断しております。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他の委員の先生方から御意見があれば、お願いいたします。
 □□先生、どうぞ。
○□□委員
 今の事務局の説明ですと、最初のダラキューロにはつけたけれども、全部で認めていたら切りがないので、最初だけつけたということではなく、1つに認めたら、同じものだから全部に認めるべきだというロジックになると思うのですが、最初の1つ目だけつける、2つ目以降はつけないという例があるのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。
○事務局
 そうですね。基本的には、過去の例で認めているケースは、新たに出てきた場合であっても認めるのが基本の考え方だとは考えております。
 ただ、一方で、本剤の製剤の工夫の仕方というところを見てみますと、要は、ヒアルロン酸を分解する酵素を配合することで静注を皮下注にできるということは最早自明であるとも考えられ、これを配合するだけで有用性加算5%を認め続けてしまうというのは、有用性加算のイノベーションを評価するという観点からはなじまないのではないかというのが事務局の考えでございます。
 そういう意味では、今回、評価の仕方といいますか、加算の該当性、前例の捉え方というところでは少し新しいことをしようとしております。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。
 事務局に確認したいのですけれども、ハーセプチンは後発品が出ているのですか。
○事務局
 ハーセプチンは後発品が出ております。
○薬価算定組織委員長
 この後発品はこの組合せではもちろん保険は通るのですか。
○事務局
 後発品と組み合わせて点滴静注を使った場合は、保険上は通るはずでございます。
○薬価算定組織委員長
 そうすると、これを見ると、単純に2つ合わせて皮下注にしたが、安くなってしまったというように見えるのですけれども、例えば、今までの降圧剤を2剤で合剤にしたというのと同じ考え方でやっているのだと思うのですが、どうなのですか。要するに、企業として後発品を使わせないような工夫なのか、それとも本当にこの2つ、自社製品というか、中外の製品を使って皮下注にしたほうが利便性なりが優れているから、こういう製剤をつくったのかによって結構違うかなという感じがするのですよね。その辺はどうなのですか。
○事務局
 ハーセプチンは後発品が出ているということと、パージェタのほうも再審査期間はもう終わってございますので、そろそろ後発が出てきてもおかしくないかなという時期であるのは確かでございます。
○薬価算定組織委員長
 普通に考えると、何となく製剤工夫をしたのに安くなってしまうというのが、企業として努力されているのにという気はしますが、後発品対策ということであれば仕方ないのかなという気がして、なかなか難しいなと思いますけれども、それも踏まえて企業の意見を聞いてみたいなと思います。
 他に何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、また後ほど御意見を頂くこととして、企業の方の意見聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に「フェスゴ配合皮下注」についての御意見を5分以内で御説明をお願いいたします。
 なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
 中外製薬で□□□□□□□□□□□□□□□でございます。本日は、意見陳述の機会を頂きまして、ありがとうございます。
 2ページ目をお願いします。
 本剤は、投与期間の短縮を望まれる乳がん患者さんのアンメットメディカルニーズに応えるために開発を進め、3種類の有効成分を含む薬剤を短時間で皮下投与するという技術革新を実現した医薬品でございます。
 3ページ目をお願いいたします。
 本剤の薬価算定においては、ペルツズマブ、トラスツズマブを比較薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)、有用性加算(Ⅱ)の10%加算を希望しております。
 4ページ目を御覧ください。
 本剤の日本における希望薬価は、イギリスの50%、ドイツの40%程度と著しく低いものとなっております。ドラッグラグ・ロスが大きな問題となる中で、我が国においてもイノベーションを適切に御評価いただきたく、検討をお願い申し上げます。
 ここから本剤の臨床的有用性について、医学専門家の観点から□□□□□□□□□□□□□□□□□の□□□□先生より御説明いただきます。
 □□先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○申請者(専門家)
 □□□□□□□□□□□□□□です。どうぞよろしくお願いします。
 では、5ページ目をお願いします。
 左のグラフです。これは年齢の分布ですが、乳がんの患者さんはピークが40代後半にあります。ですから、乳がんの患者さんというのは若い患者さんが多くて、この年代といいますのは仕事もしていますが、子育て、家族の介護をやっているということもあって、社会的に非常に重要な年代の方が入っています。
 一般的にがんというのは高齢の方が多いので、右のグラフを見ていただきますと、これは仕事に関してどういう問題があったかということをアンケート調査したものなのですが、上から3番目の「体力の低下」というところを見ますと、乳がんの患者さんは若いということもありまして、全体に比べて低い傾向となっています。
 それに対して、一番上のところ、通院や治療のための勤務調整や時間休の確保が非常に困難だったと言う患者さんが、全体の40%に対して乳がんの患者さんは50%を超えています。ですから、時間の確保というのは、乳がんの患者さんにとっては非常に重要な案件となっています。
 次のスライドをお願いします。6ページ目をお願いします。
 本剤は皮下注を実現した新規薬剤でありまして、従来のハーセプチンとパージェタという薬剤は、初回は経過観察も合わせると4時間半かかります。それから、維持療法においても2時間半を要します。ところが、このフェスゴに関しましては、初回40分、維持療法においては20分ということで、投与時間だけでいいますと5分から8分で終了します。
 乳がんの患者さんの周術期の治療というのは点滴を1年間投与しますので、実は病院によってはルーチンにポートを増設している病院もあります。ですから、この製剤が出ることによって、そのような患者さんが減るかなと思っています。
 それから、通院の時間が短くなるということで、今まで点滴の時間がかかるために治療を断念していた患者さんもいますので、そういう方には朗報かなと思います。
 また、今、通院治療センターというのは非常に混雑しています。当院でも2時間から3時間の待ち時間ということで、この製剤が出ることに対して、乳がんの患者さんの使う時間も減るのですが、待っている患者さん、ほかの病気で抗がん剤を受けている患者さんたちにもメリットがあると考えています。
 7ページ目をお願いします。本剤がもたらす価値についてです。
 繰り返しとなりますが、本剤は、点滴静注が必要であったペルツズマブ、トラスツズマブの併用療法に関して、皮下注を可能とした製品であります。
 乳がんの患者さんは現役世代が非常に多いということで、仕事もしている。特にハーセプチンとパージェタ、フェスゴの投与だけになりますと、抗がん剤、化学療法剤が入っていませんので、時間さえ短くなれば、その日でも仕事をすることが可能となりますので、社会的にもニーズが高いかなと思います。
 また、この世代というのは非常に重要な役割をしています。先ほど言いましたように、子育て、介護、それから、実際に仕事をしている患者さんが多いので、時間短縮の効果というのは本人にもありますし、また、家族、子供、親、御主人に対しても、生活の質の維持ということに対しては非常に大きなインパクトがあると考えています。
 説明は以上です。
○申請者
 □□先生、ありがとうございました。
 弊社からの本剤の説明は以上でございます。御審議をよろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、委員の皆様から御意見があれば、お願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 説明の趣旨は十分に理解できました。私の質問は、1つ、日本人の対象例が20例ということだったのですけれども、点滴製剤に比べての副作用であるとか、そういう目に見える改善点、あるいはかえってよくなかったという点、そういうものはどうなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 ありがとうございます。
 これは皮下注製剤ですので、実は抗体療法というのはインフュージョンリアクションが結構な割合で出るのですが、皮下注製剤のほうがインフュージョンリアクションが低い傾向にあります。場合によっては、インフュージョンリアクションがあまり強いと、入院ということもあるのですが、そのような頻度も減るかなと考えています。
 唯一増えましたのは注射しているところの皮膚の反応なのですが、それもほとんどがテープかぶれとか、そんなものかなということで、私が見た感じは全く変化はないと感じています。
○□□委員
 この20例の年齢というのは、やはり40歳台とか、若い人が多いのでしょうか。それとも60歳以降の高齢の方が多かったのでしょうか。
○申請者(専門家)
 この試験は術前化学療法での試験でしたので、比較的若い患者さん、少なくとも65歳よりも上はあまり入っていません。ですから、比較的若い患者さんで、私の患者さんもみんな40代から50代ぐらいの若い患者さんがメインでした。
○□□委員
 ありがとうございます。以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、□□委員、いかがでしょう。
○□□委員
 私も症例のことを聞きたかったのですけれども、今、□□先生が質問していただいたので、私は特にありません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から御意見、御質問等はいかがでしょうか。ありませんでしょうか。
 ボルヒアルロニダーゼという薬剤を入れて、皮下注を可能にしたということですが、これはほかの薬剤でも応用されているのですけれども、薬剤を選ばないものなのですか。それとも、今回のこの組合せではこれが可能であるということなのでしょうか。本剤におけるイノベーションというか、その辺はどうなのでしょう。どんな薬剤でもこのようにやろうと思えば使用可能なのかという、困難さを教えていただきたいのですが。
○申請者
 それぞれの製剤との配合の技術、困難さというところは、ほかの薬剤の特徴を存じ上げておりませんので、このフェスゴの開発経緯を少し説明させていただきますと、今、□□先生がおっしゃっていただいたとおり、ペルツズマブ、トラスツズマブの療法が保険適用されてから、やはり滞在時間が長いというところが大きな患者ニーズとしてあったと理解しております。
 企業としても、この時間を何とか短縮したいということで、例えば、□□□□□□□□□□□であったり、いろいろな方法で何とか患者さんのニーズを満たしたいと考えていたところ、今回、ボルヒアルロニダーゼという技術がちょうどその開発を検討しているタイミングで出てきたというところもありまして、それとのマッチングをした結果、製剤についても通常の点滴静注製剤よりも難易度が上がっている。
 具体的に申し上げると、□□□□□□□□□□□□□□□□□□という工程がございますので、そういった形で開発の経緯、製造の難しさというものを乗り越えて、今回、そういった意味で、ボルヒアルロニダーゼと配合することで患者さんのメリットを一番満たせるのではないかという経緯がございました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。よく分かりました。
 それでは、その他の委員、または事務局から何かございますでしょうか。
○薬剤管理官
 薬剤管理官でございます。
 御説明ありがとうございました。患者にとってのよさという、御説明されたところは十分分かっているつもりでございます。一方、我々としては薬価上評価すべきなのかどうかというところがポイントになっていまして、先ほどの前田委員長からの御質問にも関連するのですが、教えてもらいたいのは、ボルヒアルロニダーゼを加えたことによって皮下注に変わったということに関してであり、どこまでそこの有用性を評価すべきかというのが悩ましいところでございます。もう既に既存の製剤でそういった配合の実績があるという意味では、新しさというのはそこで評価し終えていると思っています。ただ、それをこの薬に対しても適用されたことをどう考えるか。
 あと、もう一つは、皮下注に変わったことで投与時間が短くなりましたというところ、これは確かにそうなのだろうなと。ただ、通常、そういった剤形の利便性のところというのは、投与頻度が減ったとか、そういったところを含めて、相当に改善した場合に評価されていると考えていくと、この短縮度合いでは通常は評価されにくいものなのかなと思っています。
 そういう意味で、配合することを、製剤的な難しさはあるにしても、評価すると、配合されたものは今後常に加算がつき続けるのか。あとは、皮下注になったときに、そういった開発が必ず評価されなければいけないのかとなったときに、そこの悩ましさがある中で、この薬に特化したこと、疾患の特異性とか、この薬ならでは、この患者さんならではというところで企業として主張するところがあれば、ぜひ教えてもらいたいと思います。お願いいたします。
○申請者(専門家)
 先ほど言いましたように、乳がんの患者さんの特異性ということと役割の重要性、それから、今、乳がんの周術期の治療は1年間かかりますので、私の近くの病院も結構ルーチンにポートを入れている。終わってからまた抜いていたりするのですが、そういう余分な医療行為をしないといけないのが、この薬が出ることによってほとんどなくなるのではないかなと私は思っていますので、これが世の中に与えるインパクトは非常に大きいと考えています。
○申請者
 開発の経緯のところで1つ申し上げさせていただきますと、既存のボルヒアルロニダーゼと配合した薬剤という形で、多発性骨髄腫の薬剤1剤が2021年5月に薬価収載されていると考えております。
 我々のこのフェスゴにつきましても、開発に着手したタイミングというのは、実はその薬剤とそう変わりはございません。その結果を見て開発に着手したのではなく、その技術と患者さんのニーズを満たすために開発を進めたというところもございますので、そういった意味で、仮に今後続いてくる場合には、そういった形で来年度の薬価制度改革の中で御議論いただく。今のところはそういった視点というか、開発の着手したタイミングを鑑みながら御評価、御検討いただきたいと考えております。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 ちなみに、パージェタとハーセプチンを普通に単純に混ぜたりすると、何か起こるのですか。
○申請者
 混注ということでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 そうです。
○申請者
 そこは弊社としてはデータを持ち合わせてございませんので、どういった反応が出るかというところはお答えできない状態でございます。
○申請者(専門家)
 アレルギーがまれに出ますから、これはどちらで出たのかということが分からなくなってしまいます。それから、海外で行われた試験で、シークエンシャルにハーセプチンとパージェタをやってから抗がん剤をやる人と、合わせたものを一緒に投与したというものがあるのですが、どうもそちらは効果が悪かったということもありまして、Progression-Free Survivalが14か月に対して11か月ぐらいになったということもあって、現在、世の中ではほとんどされていないのかなと思っています。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 委員の皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、御意見もないようですので、企業の皆様、ありがとうございました。
○申請者
 ありがとうございました。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 確かに企業の言うことも十分納得できる説得性のあるプレゼンテーションだったかなとは思います。特に静注、病院に外来ケモにかかっている時間が減るというのは、病院側にとってもものすごく経済効果はあるし、患者さんにとってもすごく利便性はあるだろうなというのはよく理解できます。ただ、それと薬価をどのように考えていくかということだろうと思うのです。私は、それはまた薬価とは別のものとして考えていくべきではないのかなという気がしています。全くの新薬ではないので、事務局案でよろしいのではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 企業側からは、ボルヒアルロニダーゼが開発されたときに、決してまねをしたわけではなくて、自分たちも開発していたという説明をしていたと思うのですけれども、実際、その辺のタイミングというのは信じてもいいようなものなのでしょうか。事務局でお分かりですか。
○事務局
 対外的に見て、確たる証拠を持ってそこを確認するというのはなかなか難しいところではあるのかなとは考えてございます。とはいえ、既にダラキューロが収載されている中で、収載が一歩遅れてしまった、先を越されてしまったというのは事実であろうかと思います。
○□□委員
 分かりました。本当に有用性はすごく感じるところなのですけれども、ただ、□□先生がおっしゃるように、薬価との関係はどうなのかなというのはちょっと微妙かなと思っております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生からはいかがでしょうか。なかなか基準がないので難しい。利便性が明らかだというのは分かるのですが、□□先生が言われるとおり、それを薬価としてどのように反映させるかというのは確かになかなか難しいかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 事務局に伺いたいのですが、先ほど管理官も言われていたとおり、投与頻度が減ったとか、そういう明らかな利便性のような、今までの評価はそうなのですけれども、今回は時間が短くなったということなのですけれども、では、どれぐらい短くなればいいのかというか、これはちょっと長く書かれているかもしれないですが、4時間が何十分になったみたいなことが書かれているのですが、その辺の何か基準や、こういう1回の時間が短縮されることに関しては、基本的に評価しないというスタンスなのかというのは事務局としてはいかがでしょうか。
○事務局
 まさにその分野とその剤の特性というところで個々に判断していくしかないのかなとは考えてございます。ただ、御指摘いただきましたように、過去の例を振り返ってみますと、やはり投与頻度が減るというときには評価していることが多いかと思います。
 吸入剤で1日頻回の吸入が必要であったところ、吸入時間も頻度も減るというところで評価したという例もございました。
 ただ、今回のように投与頻度が変わらないというところでございますと、周辺の背景等を含めて見てみますと、薬価上で5%の加算をつけて評価すべきかどうかというところにはやや疑義があるかなということで、今回の事務局案を提示させていただいたところでございます。
○薬価算定組織委員長
 そうですね。先ほど企業に伺ったように、これを混ぜたらいけないのかというのは、混ぜたらアレルギー反応が出たときにどちらか分からないとおっしゃっていましたが、これは合剤の場合でもどちらか分からないのではないかなと思ったので、その辺はあまり変わらないのと、混ぜて投与したときのデータがないということであれば、混ぜてもいけるのではないかなという気もしないでもなかったので、この合剤にしたから本当に時間が短くなったのかなというのは若干疑問に思ったところでございますけれども、何かほかに御意見はございますでしょうか。
 今回は事務局案でよろしいのではないかということでまとめさせていただきたいと思いますが、何かほかに御意見はございますでしょうか。
 あと、体重の件は特に今回は質問が出なかったのですけれども、50kgということで特によろしいでしょうか。
 それでは、御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。

 
フェスゴ配合皮下注MA、フェスゴ配合皮下注IN
日時:令和5年10月31日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 それでは、品目の検討ですけれども、フェスゴ配合皮下注MA、同配合皮下注INでございます。特に意見を伺う委員として、森山委員、山口委員にお願いしております。
 それでは、事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め御説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 前回、こちらの議論の中で体重をどうしようかという話になっていまして、申請者は57.35kgということで、事務局のほうでは50kgということで、症例数が20例ということで少ないものだから、50kgにしようということだったのですけれども、この体重のところは、今回は特に変わっていないということでよろしかったでしょうか。
○事務局
 特にその点は不服は申し立てられておりません。
○□□委員
 分かりました。あと、配合剤の特例ということで当初設定したわけですけれども、今回、類似薬効比較方式(Ⅰ)にしたということで、事務局案での説明としては、1回の皮下投与となること、1回当たりの投与時間を踏まえると本剤による投与時間短縮することについては一定の評価ができると説明していますけれども、その反面、有用性加算③-Cは、著しく利便性が高いとは言えないということを説明していますけれども、ここは特に問題ないですかね。③-Cのところは「著しい」という言葉がついてしまうからということで。
○事務局
 まさに御指摘のとおりでございまして、加算をつけるほどのメリットとは考えなかったというのが今回の事務局の案でございます。過去、有用性加算ハの③-Cを付与した例を見てみましても、本剤がそこまで利便性が著しく高いと判断できるまでの情報はないと考えてございます。
○□□委員
 類似薬効比較方式には変えられるけれども、著しいというところはちょっとどうかなということですね。分かりました。
 私からは以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。□□委員、コメントをお願いいたします。
○□□委員
 事務局案で、私は特に問題ないのではないと思います。有用性加算ハの③-C、著しく利便性あるかどうかというのは、薬価に関係するというよりは、外来のケモ室の利用効果が上がるとかそういう状況のほうが大きいような気がします。それを薬価に反映させるかどうかというのはもう少し議論が必要かなとも思うので、私は、事務局案そのものでよろしいかと思っております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
よろしいでしょうか。
 事務局にちょっと伺いたいのですけれども、このボルヒアルロニダーゼをつなぎのお薬として使うということが、前のお薬、ダラキューロのときと時期が重なっているから、後で説明がもしかしたらあるのかもしれませんけれども、開発のステップが重なっているからというようなお話がありましたけれども、これ、例えばですけれども、同じような薬剤がもう一剤出てきた場合に、ではそれは認めるのかとか、そういうのというのは何かお考えはございますでしょうか。
○事務局
 特に本剤につきましては、開発の時期が前回のダラキューロと同時期であったというところも踏まえて、改めて考え直してみたところではございます。ただ、特に事務局の案に書かせていただいておりますけれども、今回は2つの成分を配合することで、2回必要であった点滴静注が1回の皮下注になったというところもございますので、そういったところも含めて、ある程度臨床上のメリットは評価できるのではないかなとは判断したところです。
 仮に今後、似たようなお薬、単にこのヒアルロニダーゼを配合することで皮下注にしたという製剤が来た場合には、その対象患者ですとか既存の治療方法がどうであるのかというところの比較考量になるのかなとは思います。ただ、あくまでこのイノベーションを評価するという有用性加算という観点からはやや厳しい見方をしないといけないのかなとは捉えております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、よろしいでしょうか。
○□□委員
 すみません、もう一点ちょっと御質問させていただいてもよろしいでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○□□委員
 申請者の主張として、ダラキューロの、中医協の総会のときの資料に成分名としてボルヒアルロニダーゼアルファというのが入っていると言っているわけですけれども、成分名というところに記載があることによって、これは有効成分と同等と判断してもいいものなのでしょうか。
○事務局
 薬事上は、こちら、バイオ医薬品の成分ということもあって、有効成分として取り扱っているとは聞いてございます。ただ一方で、ダラキューロ、こちらの算定時のときの中医協資料を確認いたしますと、ダラザレックス、配合していないほうの製剤ですね。ダラツズマブ単独の製剤でございますが、そちらと比較しました類似薬効比較方式(Ⅰ)、つまり、それと1日薬価合わせをした価格が算定されていることが自明でございます。その際には、このボルヒアルニダーゼアルファ、こちらの費用というのは考慮されていないということが明らかに分かりますので、事務局といたしましては、今回の算定においてもこちらは考慮する必要がないと考えてございます。
○□□委員
 そうすると、成分名のところには記載されていても、これが必ずしも有効成分とは限らないというような判断でよろしいわけですか。
○事務局
 はい。薬価算定上考慮する有効成分、組成と見るかどうかというところは薬事とはまた別と考えております。
○□□委員
 分かりました。
○薬剤管理官
 薬剤管理官です。
 議論はまさに先ほど先生方からのいろいろなやり取りに尽きるのですけれども、これは悩ましい話でありまして、こういったものを加えたことで製剤上の効果、有用性が生じたことをどこまで評価するかというのを厳しい目で見るのか、あるいはちょっと優しく見るのかというところの関係だと思います。
 今回こういった形で、一定の有用性があるだろうと。ただ、著しくというところまではないから、薬価の加算を認めるほどではないけれども、0.8掛けは解除してもよい、といった議論の中での評価として整理するということになります。
 あと、今後のところについては、先ほど事務局からも説明しましたけれども、それもその都度判断という、その物差しは変わらないとは思いますけれども、ただ、こういった成分が今後出てきたときにどのように薬価で扱うか明示的にしておかないと、同じことがずっと繰り返されると課題になってくるので、この辺りは、今後こういったものがどのぐらい出るか、あるいはそのときにどのように判断に迷うのかによって、個別判断をしつつも、何か基準の中に入れなければいけない考え方があるのかとかいうことはそのときに整理していくべき課題なのかなと思っているところでございます。
 とはいえ、まずはこの製剤について淡々と判断していくことでも差し支えないのかなと考えているところでございます。あとは企業のプレゼン次第ということで。
○薬価算定組織委員長
 それでは、よろしいでしょうか。
 それでは、企業の意見聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に、「フェスゴ配合皮下注」についての御意見を10分以内で御説明をお願いいたします。なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて、委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、お願いいたします。
○申請者
 ありがとうございます。中外製薬で□□□□□□□□□□□□□と申します。本日は意見陳述の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
 2ページ目を御覧ください。
 前回の薬価算定組織にて説明のとおり、本剤は投与期間の短縮が望まれる乳がん患者さんのアンメットメディカルニーズに応えるために開発を進め、大容量の薬剤を短時間で皮下投与するという技術革新を実現した医薬品でございます。
 3ページ目を御覧ください。前回の薬価算定組織の結論として、本剤は新医療用配合剤の特例による算定、有用性の加算なしが算定案として内示されました。本剤の薬価算定においては、ペルツズマブ、トラスツズマブを比較薬とした類似薬効比較方式(Ⅰ)、さらに治療方法の改善による有用性加算(Ⅱ)の5%加算の適用が適切と考えますので、本日はこれらについて意見を述べさせていただきます。
 4ページ目を御覧ください。まず、本剤の算定方式についてでございます。今回、ボルヒアルロニダーゼアルファが薬価算定上の有効成分ではないとされ、新医療用配合剤の特例による算定が示されました。本剤の審査報告書においては、緑字で示しているペルツズマブ、青字で示しているトラスツズマブと同様に、赤字で示しているボルヒアルロニダーゼアルファは有効成分として扱われております。
 また、右の赤枠で示しているとおり、ボルヒアルロニダーゼを含有する既収載品の薬価収載された際の中医協資料においても、ほかの有効成分と同列に扱われています。
 以上のことから、弊社としては、ボルヒアルロニダーゼアルファは当然有効成分として扱われるべきと考えております。
 5ページ目を御覧ください。本剤が新医療用配合剤の特例に該当しない点について御説明いたします。ルール上、配合剤に含まれる全ての有効成分がそれぞれ薬価収載されていないと新医療用配合剤の特例には該当しません。
 本剤には、単剤として薬価収載されていない有効成分であるボルヒアルロニダーゼアルファが含まれておりますので、本剤は新医療用配合剤の特例の要件イを満たさないと考えています。
 また、個別の有効成分について、薬価算定時に有効成分として扱うか否かを判断するような明確なルールは存在せず、外部にも開示されておりません。
 それでもなお、仮にボルヒアルロニダーゼアルファが薬価算定上の有効成分でないと判断された場合であっても、本剤は、新医療用配合剤の特例の除外要件でございます臨床上のメリットが明らかな注射用配合剤に該当すると考えております。
 6ページ目を御覧ください。ここから本剤の臨床上のメリット、利便性について御説明いたします。
 外来治療中のがん患者さんにおいては、仕事や家事への影響、治療の長さの苦痛、家族への影響の時間に関連する項目が上位に上がっております。特に乳がん患者さんは比較的若い方に多く、仕事、子育て、介護といった観点から社会的に重要な世代です。治療にかかる時間的な悩みを多く抱えることは、前回の薬価算定組織においても申し上げたとおりです。
 7ページ目を御覧ください。本剤の開発の経緯を御紹介いたします。ぺルツズマブの薬価収載以降、投与時間短縮のニーズに応えるため新製剤の研究開発を進めてまいりましたが、混合注射では有効性・安全性が高くない可能性が示唆され、試行錯誤の結果、ペルツズマブとトラスツズマブの2つの抗体製剤の配合技術と、ボルヒアルロニダーゼアルファによる皮下組織への浸透性増加技術を組み合わせた固定用量の配合皮下注射製剤が最適と判断いたしました。
 高分子の糖蛋白質である有効成分を3種類含むため、製剤化に当たっては、右下に示してありますとおり、高度な技術が必要です。このような高難易度の製剤化を世界に先駆けて実現した結果、臨床試験を経て本剤の薬事承認に至っております。
 ここより、本剤の臨床的有用性について医学専門家の観点から、□□□□□□□□□□□□□□□□□□の□□先生より御紹介いただきます。先生、お願いいたします。
○申請者(専門家)
 よろしくお願いします。□□□□□□です。
 8ページ目を御覧ください。パージェタを使用する際には必ずハーセプチンと併用いたします。このパージェタ、ペルツズマブとトラスツズマブの点滴というのはかなり長時間を要しまして、表にもありますように、大体、皮下注になると初回で4時間から4時間半の短縮、維持量になると2時間から2時間半の短縮となることになります。今まで、現在使っています点滴静注だと、乳がんというのは30後半から急速に人数が増加しておりまして、現役世代が多くて、治療時間がかなり長いということで、仕事や、また子育て世代ですので、そういうところに非常に影響が出ることが多いです。ですので、そこにスケジュールの調整とか、治療が長くなることによる体力の消耗、これがまた大きな負担になっております。
 この2剤を今まで別々に投与していたのが、本剤は、ボルヒアルロニダーゼアルファを配合して、短時間の皮下投与が可能になっています。今お話ししたように、表のように、かなり長いインパクトがありますし、この投与中だけでなくて、実際その日は診察までの時間、採血までの時間、トータルで合わせると、もう丸一日の仕事になります。そこが短縮されることによって、大きな、乳がん患者が抱える時間的な問題というのは解決されることが期待できます。
 また、今現在、乳がんは年間9万6,000人ぐらいの新規患者がいまして、そのうち十数%がHER2陽性乳がんで、HER2陽性乳がんというのは、大体5ミリを超えてくると抗がん剤の適用になりますので、年間1万人ぐらいがこの治療時間にかなり影響を受けているわけですね。
 さらに、ステージ4のがんに対しても、この2剤は非常に効果が高い薬剤ですので、長い期間、SDとか、小さくなる、効果得られている人がいまして、何年間と続けて治療することが多くなります。そうするとかなりの人数ということでありますので、患者さんそのものの生活の質の向上に大きく寄与する可能性があることだけでなくて、実際、臨床現場では化学療法の点滴センターの予約をするというのがどこの病院も本当に困っております。
 特にこのパージェタ、ハーセプチンは、ほかの薬剤と併用して使ったりしますので、通常の1枠だけでなくて、2枠を押さえたりする。そういうことでなかなかスケジュールどおり、患者さんの希望を聞いて予定を取れなかったり、そういう病院の薬剤師や看護師の負担というところも非常に大きいですので、そこを短縮することで、医療従事者の負担という意味でも非常に大きな効果があると考えます。
 次の9ページ目を御覧ください。これは国内の乳がん患者を対象にした調査ですが、患者さんも、このHER2、または治療歴がある、そういうことを問わずに、多くの患者、74%が、実際に投与時間が短いことを好むというデータが出ております。
 次の10ページを御覧ください。同じように、皮下注射を望む理由としましては、「治療にかかる時間が短そう」という回答がやはり圧倒的に多く寄せられています。もちろん、身体的に楽になるとか、時間が短くなりますので、非常に生活に大きな影響が出ていますので、そこが改善されるという期待ができます。
 次の11ページを御覧ください。これは本剤がもたらす医療費に対する貢献ということで、右のほうはアメリカ合衆国、左が、いろいろなシナリオでヨーロッパのほうで得ておりますが、大きな薬剤以外のコストも削減できるということが示唆されています。もちろん、このまま日本に適用できませんが、同じように、医療従事者の時間とか、たくさんのインパクトはあると思います。
 私からは以上です。
○申請者
 □□先生、ありがとうございました。
 12ページ目を御覧ください。まとめのスライドでございます。
 本剤は、ペルツズマブ、トラスツズマブ、ボルヒアルロニダーゼアルファという3種類の有効成分を含み、2回に分けての点滴静注が必要であった既存の併用療法を短時間での皮下注射を可能とする技術革新を世界に先駆けて実現した製品です。
 以上御説明申し上げたとおり、本剤は著しく高い利便性を有しているため、有用性加算③-Cの要件を満たしており、仮にボルヒアルロニダーゼアルファが薬価算定上の有効成分ではないと判断されたとしても、新医療用配合剤の特例の除外要件である臨床上のメリットが明らかな注射用配合剤に該当すると考えております。
 以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 御説明ありがとうございました。
 それでは、委員の先生方から何か御意見があればお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 ではちょっと質問させてください。
 9ページのスライドですけれども、グラフのところですけれども、こちらで国内の乳がん患者を対象に実施した調査結果として、「皮下注射がよい」「どちらかというと皮下注射がよい」ということで、そちらのほうが多かったということですけれども、「点滴がよい」とか「どちらかというと点滴がよい」という人たちのこの中身というのはどういう人たちになるのでしょうか。
○申請者
 御質問ありがとうございます。こちら、まだ本剤については保険適用下で使われる状況ではございませんでしたので、あくまでもそういう薬剤が世の中にあったときにどうかというようにアンケートを取っておりますので、使用経験がない状態でアンケートを取ってございます。そういった観点から、今の治療で満足されている患者さんについては、新しいものに切り替えるところの怖さであったり、皮下注、皮下投与が痛そうというイメージがあったりというところが大きなところでございました。
○□□委員
 分かりました。ありがとうございます。そうすると、逆に、皮下投与、まだやってみていないから、いいともなかなか言いづらいというところもあるのですかね。
○申請者
 はい。海外で発売しておりましたので、そういった利便性等を一般的にアンケートする中で、特に患者さんにとっては時間が短縮することがやはり生活に寄与するのではないかという期待を、アンケートいただいた方々もお感じになられたと理解しております。
○□□委員
 ありがとうございます。すみません。もう一点ですけれども、スライド11枚目で、経済的なメリットがあるのではないかということで、ただ、御説明の中では日本にこれが完全に当てはめられるかということなのですけれども、実際これ、例えばシリンジの廃棄するような金額だとかそういうものになるのだと思いますが、日本でもしやるとしたら、かなりこれも軽減されるということで一応予定はされているということでよろしいのでしょうか。同じぐらいの割合になりそうだということでよろしいのでしょうか。
○申請者
 御質問ありがとうございます。日本でどうなるかというのは実際やってみないと分からないというところはございますけれども、この非薬剤費のところにつきましては、薬剤師さんの薬剤の準備であったり、投与者、主に看護師さん、あるいは医師が患者さんに投与する時間であったり、患者さんの来院の頻度等々がございますので、我々としては、同じような、似たような結果が出るのではないかとは考えております。
○□□委員
 分かりました。品目だけでなくて、人件費だとかそういったところも含めてということなのですね。
○申請者
 そうでございます。
○□□委員
 分かりました。ありがとうございます。私からは以上です。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。□□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 我々のこの委員会、組織としては、ある事象に対してこれだけの改善をなされたという抽象的な表現ではなく、はっきりした数値が提示されるのがいいわけですね。ですから、従来の3剤の抗がん剤を使ってやった治療に対して、この薬を使った場合に、1.0が0.4ぐらいの負担になるのだと。それは経済的にも肉体的にも、また病院の経営的にも、いろんな要素があるのだけれども、このように、QALYでもいいのですけれども、なるのだという明確な指標が欲しいかなあと思うのですね。
 今のプレゼンを聞いていると非常に抽象的に感じます。大変申し訳ないのですけれども。ですから、何か我々が納得できるようなものを提示していただけるとすごくいいのかなあと思います。ちょっと僕が見過ごしているということはあると思うのですけれども、その点に関しては何か明らかに明示できるような資料というものはないのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 何か企業の方、御発言ございますか。
○□□委員
 例えば患者さんの負担であれば、そういうスコアで改善がなされるのだとか、何らかのそういう明確な指標がないと、我々としてもちょっと、何となく判断しにくいなあという気がするので、お聞きしました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
○申請者(専門家)
 よろしいですか。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○申請者(専門家)
 先ほど少し、これは8ページ目ですけれども、点滴時間、この薬剤そのものに拘束される時間というのはこれだけ、初回投与で4時間から4時間半、維持量で2時間から2時間半というのは、病院にとっても患者さんにとってもかなり大きなインパクトのある数字だとは思います。
○□□委員
 週3回とか連日ではなくて、週1回とかの投与ですよね。
○申請者(専門家)
 はい。3週間に1回です。
○□□委員
 ですから、それを数値化するとか何か比較できるものがあるといいなあというのが私の感覚でした。
○薬価算定組織委員長
 そのほかいかがでしょうか。
 私から、企業としては、この薬が発売されると、今までの治療の大体何%ぐらいがこちらに移行されると想定されているのでしょうか。
○申請者
 なかなか日本の医療環境でどれぐらいというところが難しいところはございますが、今我々が提示させていただいた市場規模予測の中では、おおむね□□程度は置き換わるのではないかと考えておりますし、海外では、例えばイギリスは、コロナ禍でこのフェスゴが発売されたということもあり、国の施策もあって、もう既に9割程度置き換わっているという現状もございます。
○薬価算定組織委員長
 それは自己注射も含むという感じなのでしょうか。
○申請者
 いいえ、この薬剤につきましては自己投与ではなく、在宅で投与する場合には、少なくとも医療従事者が御自宅にお邪魔して、医療従事者が投与するということになってございます。
○薬価算定組織委員長
 それは海外でも同じということなのですね。
○申請者
 同じでございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。あとは何か。
 どうぞ。
○□□委員
 お伺いしたい点が2点あります。先ほど、皮下注を選ぶのか点滴を選ぶのかはまだ皮下注製剤が出る前にそうなったらいいなあというものだとおっしゃったのですけれども、両方使えるようなシチュエーションであえて、少ないと思いますけれども、点滴を選ぶ人というのはどういう人が選ぶのでしょうか。何かよく分からない、今の状態を変えたくないというのではなくて、オプションが目の前に2つあってということだったら、どういう人が点滴を選ぶのでしょうか。
○申請者
 実臨床下におきましては、例えば皮下投与をいたしますので、やせ型の患者さんで、なかなか皮下投与が難しいという方につきましては、もしかしたら点滴静注を選ばれるというところがあると思っておりますし、皮下投与につきましては、注射部位反応、特に痛みを伴う患者さんにつきましては、引き続き点滴静注のほうがいいという患者さんはいらっしゃると考えております。
○□□委員
 もう一点。前回でしたか、化学療法する場合に、末梢血管がうまく確保できない場合には、ポートを入れてせざるを得ないとかいうお話も伺ったような気がします。そのポートを入れることに対しては、この皮下注というのも圧倒的な改善だと思うのですけれども、実際、ポートを入れてまでするという例が、このパージェタとハーセプチンですか、どのぐらい今まであったようなイメージなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 これは本当に施設の方針も結構ありますので、化学療法、漏れて、痛い経験をしたところは、欧米なんかは、アメリカはかなりの割合でポートを入れてしまいます。日本は本当に施設によるところはあります。ただ、再発乳がんで特に長期で投与が必要な場合とかはポートを入れてしまうことが多いですので、そういう方にとってはかなりの大きなメリットですし、それを入れる手技とか時間の確保とか、そういうところも大きいと思います。
○□□委員
 先生の感覚で結構ですけれども、その率は1割ぐらいですか。施設による違いがあるのはよく理解できるのですけれども、こういう化学療法に非常に慣れている、たくさん患者さんを取り扱っているようなところでいかがでしょうか。イメージとして。
○申請者(専門家)
 我々の病院では、術前術後化学療法なんかはあまりポートを入れないこともありますので、3割ぐらいは使うと思います。
○□□委員
 ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 そのほかいかがでしょうか。
 これは報告書では余り述べられていないというか、変わらないと思うのですけれども、1剤ずつやったときのアレルギー反応というか、急性の反応というのは1剤ずつ見られると思うのですけれども、2剤にしたときに、何か反応が出てしまったときにどちらの薬から出たか分からない。そうすると、次回から両方使えないということが起こり得るのではないかと思うのですけれども、その辺は実際に治験等では、感覚だけでもいいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○申請者(専門家)
 そのインフュージョンリアクション、点滴した初回とか、アレルギー反応もそうですけれども、確かに割合としては、皮下注のほうが少ないというデータが出ております。実際のところ、点滴をしても、1割弱、実際、臨床でも起こったりはするので、非常にアレルギー歴があったりとか心配な何かがあるような場合であれば、初回は点滴でやってみて、アレルギーであれば2回必要かもしれませんけれども、安全なのを見てから皮下注に持っていくというのはもちろん選択肢としてできると思います。
○薬価算定組織委員長
 率としては余り変わらないというか、逆に低いぐらいなのですよね。
○申請者(専門家)
 そうですね。臨床試験のデータは下がっているデータが出ています。
○薬価算定組織委員長
 分かりました。ありがとうございます。
○申請者
 あと、加えますと、点滴静注製剤でのインフュージュンリアクションにつきましても、グレードは3以上ではない、高くないものが発現しておりますので、□□先生おっしゃっていただいたとおり、1割ぐらいは発現するのですけれども、重篤な扱いではないというところもつけ加えさせていただきます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 事務局、いかがですか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。それでは、ないようですので、これで企業の意見の聴取を終了したいと思います。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 今、申請者の話を聞かせていただいて、□□先生がおっしゃるように、明確なところがなくて、ちょっとまだ感覚的なところのプレゼンだったのかなあと思いますので、やはり事務局案が適当であると思います。
○薬価算定組織委員長
 □□委員、いかがでしょうか。
○□□委員
 患者さんにとってメリットというのを物すごく前面に出されていて、すごく同情する面があるのです、実は。企業の陳述にはとても同情できるのですけれども、患者さんにとって、薬が高価なのがいいのか、安いのがいいのかと言われたら、もちろん、間違いなく安いほうがいいのですよね。さっき、最終的には、私が言ったように、我々がこのような加算をつけるとしたら、その加算をつけた理由というのを明確にしておかなければいけないと思うのです。国内治験の数も少なくて、今後どうなるか分からないときに、ポートを使っている人がいなくなるというのも、あくまでも推測の話になってしまうので、やはり、本当にこれを加算取るための立証というのですかね、何かもうちょっと欲しかったなあという気がします。事務局案も相当値段は上がったのですよね、今回。なので、事務局案で私はよろしいと思います。
○薬価算定組織委員長
 これは、事務局、確認ですけれども、今回加算はつかないとしても、配合剤の特例をなくすと、もともとの1剤ずつのときとほぼ変わらないということでよろしいのですよね。
○事務局
 そのとおりです。ほぼ変わりません。特例にかかると、0.8掛けになりますので、80%の価格に大体なっていたというところでございまして、それがなくなりますので、前回の額より2割ほど値段は上がっているものの、それぞれの単剤で1日薬価合わせをしたときの足し算をした額という形で算定してございますので、今までのかかる費用、かかる額と大きく変わらない額になっているという状況でございます。
○薬価算定組織委員長
 恐らく、今、□□委員が言われたように、患者さんに、高くて早く終わるのがいいのか、安くてちょっと長くかかるのがいいのかと言ったときには、やはり安いほうを選ばれる方もいらっしゃるのではないかなと思いますので、今回の薬価ですとほぼ同じ値段だとすると、やはり短い時間で済むほうを使われるのではないかなあと思いますので、患者さんにとってのメリット、また、今後、データを出すというか、その短くなったことによるメリットの成績を出していただくにはそちらのほうがいいかなあとは思います。
 そのほか御意見はいかがでしょうか。
○事務局
 これは完全に補足情報ではございますが、一応後発品が出ておりますので、そちらを使えばもうちょっと安くなります。
○薬価算定組織委員長
 これは両方、後発品があるのでしたっけ。
○事務局
 ハーセプチンのほうのみ後発品があります。
○薬価算定組織委員長
 安く済ませようと思うと、やはりそちらを使ったほうが、安いのですね。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特に御意見ございませんでしょうか。
○事務局
 特に意見はございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、意見もないようですので、薬価算定組織しての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば中医協に報告いたします。ありがとうございました。
○□□委員
 先生、すみません。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○□□委員
 平均体重が50kgって、ちょっと気になるのですよ。そこを52kgとか53kgぐらいでちょっと上げるというのもあるかなという気がしないではないです。これは数字なので、平均体重としたら、ある程度数字として決まったものなので、我々がそれをこの数字にしたよと言っても全然問題はないのかなと思ったので、この値段で企業が満足すればそれで全然問題ないですし、これでもし何かという場合には、やはりこの体重とかをちょっと増やすとか、もうちょっと詳しくデータを事務局に調べていただいて提示するとかいうこともありかなと思います。
 
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。それでは、また企業から反対意見が出た場合にはその辺を考慮させていただくということになると思います。
 それでは、新薬の薬価算定について議事を終了したいと思います。
 
 
デュピクセント皮下注200mgシリンジ
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「デュピクセント皮下注200mgシリンジ」となります。特に意見を伺う委員として、弦間先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 当初、小児加算5%でもと思っていて、第3相試験のデザインでそれも一理あると思ったのです。今の御説明の中で、用法・用量を含めて、明らかにするような試験ということも踏まえて小児加算10%にされたという説明を伺ったのですけれども、判断が難しいとは思うのですが、納得できると思っています。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も小児加算10%という事務局案に賛同いたします。まず、今までこれまでのこの会議の議論を拝聴していまして、小児加算は単に症例数で決まるものではないと言いつつも、今回の症例数ですと、確かに5%もあり得るという症例数かなとは思ったのですが、私の専門の皮膚科学の見地からすれば、やはり小児の中等症から重症のアトピー性皮膚炎において非常に大きなアンメットメディカルニーズがある。そこに注射とはいえ、患者さんはちょっとつらいですけれども、有効性、安全性が確かなお薬が加わるという意味でかなり有用性がありますので、その辺を考えますと、やはり小児加算10%は妥当かなと思った次第です。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生から意見を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 基本的には小児加算10%のところが論点だと思いますが、今の事務局の説明及び特に意見を伺う先生方からは10%でよろしいのではないかということだと思いますけれども、いかがでしょうか。特に反対意見はございませんでしょうか。よろしいですか。
 事務局、何か御意見はございますでしょうか。
○事務局 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特に意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アレモ皮下注15mg、アレモ皮下注60mg、アレモ皮下注150mg
日時:令和5年10月24日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 「アレモ皮下注15mg、同皮下注60mg、同皮下注150mg」となります。特に意見を伺う委員として、田﨑先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をしてください。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします
 まず、□□先生からお願いいたします。
○□□委員
 今御説明があった③-aのところですが、□□□□□□□□□□□の使用状況は、ここに書いてあるとおり理解したものですから、事務局案を支持していますけれども、もし使われていないということであれば、それはよろしいかなと思います。③-cについては、事務局が説明していたとおり、やはりそれほど負担軽減はないのではないかと考えます。①-bはもちろんよろしいと思うので、①-bと③-aということになるかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 インヒビターを有する血友病Bの患者さんというのは結構少ないものですから、自分自身の経験だけではちょっと状況がつかみ切れなかったので、数人の血友病の専門の先生方にも実際にこれらの薬剤、□□□□とかを使っているかどうか聴取したのですが、使ったことはあるのだけれども、効果が不十分で結局は使っていないという御意見が大半でして、これらの薬剤が標準治療薬であるとは言えない状況であり、新しい薬が出るのであれば期待が大きいというような意見を頂きましたので、有用性加算に該当するものと考えました。よろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 その他の先生からいかがでしょうか。
○□□委員
 □□先生に教えていただきたいのは、後半の部分のコメントなのですけれども、最終的に有用性加算を適用したとしても年間の薬価削減に至るというところが私は理解できなかったのですが、これはどういった計算で減少になるのでしょうか。
○□□委員
 私の計算が間違っていたら申し訳ないですが、単純に□□□□□□□□□□□の現在の添付文書に書かれている用量・用法で使った場合の薬価と、今回、□□□□□□□の案が企業側から出ていたと思いますけれども、その金額を採用したとしても低くなったという私の計算でした。正しいかは御確認いただけましたら幸いです。
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業からの意見がございますので、まず、そちらを聞いていただいて、また議論をしたいと思います。
 それでは、事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初に「アレモ皮下注」について、5分以内で御説明をお願いいたします。
 なお、終了1分前にベルを1回、終了時にベルを2回鳴らします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いします。
○申請者
 貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございます。ノボノルディスクの□□□でございます。
 2枚目を御覧ください。
 本剤は有用性加算(③-a)及びキット加算に該当すると考えます。
 まず1点目、インヒビター保有血友病B患者の唯一の治療法であるバイパス製剤には有効性や費用の面で課題があり、これらの患者に優れた出血予防効果が期待できる本剤は有用性加算③-aに該当すると考えます。
 そして、2点目、既存治療の注射手技は複雑でアドヒアランス低下が課題でしたが、本剤はこれを解決する初の充塡済みペン型皮下注射製剤であるため、キット加算に該当すると考えます。
 以上、2点の加算の根拠となる本剤の臨床的有用性に関し、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□先生より御説明いただきます。よろしくお願いします。
○申請者(専門家)
 先生方、お時間を頂き、ありがとうございます。□□□□□の□□でございます。
 それでは、次のスライドをお願いいたします。
 今回、こちらの製剤に関しては、左下の1番のところにございますように、この雑誌の8月30日号に結果が掲載されておりますが、出血時治療群19人に対して本剤定期投与群は33人だったのですが、出血の中央値で0ということになりました。こちらは中央値なのですが、平均値でいいますと、右側に書いてございますけれども、約1.7回/年というまずまずの成績となっております。
 後で申し上げますが、血友病治療の場合にはゼロ出血を何人達成できたかということが結構重要なのですけれども、今回は□□□□□□でゼロが達成されておりますので、まずまずのデータでございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 ということで、インヒビターを保有する、特に今回は血友病Bの患者さん、なぜかといいますと、血友病Aの患者さんには既にヘムライブラという凝固因子機能代替薬があるわけなのですけれども、Bの患者さんにはそういうものは全くなかったので、ここら辺がゲームチェンジャーになるだろうと欧米でも強く言われているところでございます。
 出血を抑制することが患者さんの人生にとって非常に大きなポイントになってくるわけなのですけれども、3ポツ目にございますように、急性出血の止血とか抑制のためには、今はバイパス止血製剤が用いられております。1番のところにありますように、□□□□□□□□□□□に関しては、定期輸注が認められていますけれども、それらにおける平均出血値は決して満足すべきものではございません。もしインヒビターがなかったとしても、定期補充療法ですと、もっと少ない出血回数が達成されているところでございます。
 ということで、今申し上げましたように、血友病Bについては非常に有効である。インヒビターがある患者さんに関しては、現状存在するほぼ唯一のものと考えられます。
 次をお願いいたします。
 さらに、こちらの製剤は、□□□□□□□□のように静注による液量が結構多い製剤とは違います。また、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□皮下出血などは皮下注射によるものでありますけれども、写真にありますように、なかなかしっかりしたバイアルから患者さんが自分で吸って、おなかをつまんで刺すというなかなか手間のかかる治療になっておりますが、こういったことは回数が少なくてもアドヒアランスの低下につながってしまうという側面がございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 そういったことで、本剤の場合は皮下注射のキット製品として構成されております。32ゲージという非常に細い針で、こちらは冷蔵庫から出してから室温保存が可能ですので、写真にありますように、キャップを取ってダイヤルを合わせておなかにぷすっと打つだけということになっております。今回、こういった血友病としては初めての充塡済みペンタイプが出たことで、アドヒアランスがさらに向上することが期待されます。
 次をお願いいたします。
 患者さんがこの製剤にどれだけ満足されたかというデータも論文にはございまして、選好性評価で93%はこちらのほうがよかったと。健康関連QOL、有名な指標のSF-36でございますが、こちらも有意な改善が認められ、あるいはHaem-A-QoLという血友病専用の質問票においても、右側の図に示すように有意な改善となっております。
 最後に、今回のこの製剤はインヒビター保有血友病B患者における新たな治療選択肢でございますが、負担軽減に大きく寄与するキット製剤であるということで薬価算定されまして、本剤が早期収載されることでQOLの向上が期待できる。患者さんが大変楽しみにしている製剤と考えられます。
 どうかよろしくお願いいたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から質問をお願いしたいと思いますけれども、□□先生、何かございますでしょうか。
○□□委員
 インヒビターを保有する血友病Bの患者さんに□□□□□□□□□□□□□を投与されたけれども、無効例で、今回、この新しい薬剤を投与された例で改善したという例はあるのでしょうか。
○申請者(専門家)
 では、□□からお答えいたします。
 患者さんの多くは、過去に既にこういった□□□□□□の定期輸注を経験されている方が今回エントリーされていることがほとんどで、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
 定期輸注をやることによって、データ上は年間出血率が□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ですけれども、一旦出血が起こりますと、患者さんの仕事とか、学校に行くという活動が大変制限されてしまいますので、今回のこちらだと、現時点では中央値0を達成できているということで、比較の対象としては、統計的にはともかくとして、比較上も非常に有効性が示されていると考えております。
○□□委員
 もう一点教えていただきたいのですが、本剤は皮下投与のキット製剤なのですけれども、毎日投与して患者への負担というのはないものか。ないというか、毎日打ってもそれほど負担ではないという御見解でしょうか。
○申請者(専門家)
 そちらもよく質問されるのですが、スライドの最後のほうにお示ししましたように、こちらのほうがよかったという患者さんが大多数だったということに加えまして、これはアドホックで治験終了後の成績なのですけれども、血友病の治療に伴う幾つかの問題点、例えば、注射の使いやすさ、治療の負担、身体への影響、感情面への影響、支障の5つのドメインで評価するHemoTEMという評価法があるのですが、そのうち総スコアと、□□□□□□□□□□□□いずれも有意差を持ってよかったとなっております。
 実際に、これも私の患者さんのあくまでも個人的な意見なのですが、確かに毎日打つと最初に聞いたときはどうかと思ったけれども、結局、何週間かやってみると全然苦にならないと。朝の日課になってしまうので、静脈注射を30分かけて準備して、冷蔵庫から出して温めて、腕をまくって消毒して打つというプロセスよりもはるかに楽になったと多くの方はおっしゃっております。
○□□委員
 このexplorer7試験の結果というのは、審査資料には入っていないということでよろしいでしょうか。
○申請者
 こちらは申請資料には入っておりまして、審査の中で開発プログラムの一部として提出させていただいております。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 インヒビターを有する血友病Bの患者さんに対して、非常に待ち焦がれた製剤であるという私の理解と一致した内容だったと思いますので、特段質問はございません。ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。
 私から質問させていただいたいのですが、今回のデバイスの皮下注の打つ方法ですけれども、これはやはり会社として、今まではインスリン製剤がたくさんあると思うのですが、キット自体の開発に今までの技術を応用したという形なのですか。それとも今回新たに開発したという形なのでしょうか。
○申請者
 御質問ありがとうございます。本剤のキットを開発いたしました製造販売会社より回答させていただきます。
 本剤に用いられているキットは、今御指摘いただきましたとおり、インスリン製剤の開発と併せて、数十年の研究開発を経て、その最新技術を用いて開発された最新の充塡済みペン型皮下注射製剤となっております。
 インスリンにも用いられているペンではございますが、今回は血友病におけるアレモ皮下注のために、ちょっと細かい点ではございますが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□という開発の経緯がございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。
 □□先生、どうぞ。
○□□委員
 先ほどキーになった論文の中で、H-PPQという選好のものに加えて、SF-36v2とか、疾患特異的なQOLとかを測っていらっしゃったと思うのですけれども、それは論文の中でかなり重要なアウトカムとして評価の対象になったと見ていいのでしょうか。
○申請者(専門家)
 論文のレビューにおきましても、新しい治療薬を用いることによって患者さんのQOLが果たして向上するかどうかということは、今、血友病の試験では必ず調査される項目でございまして、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、よろしいですか。
○事務局
 では、1点だけ御質問をさせていただければと思います。
 先ほど御指摘があったexplorer7試験でございますけれども、こちらは審査報告書上はどこかで言及されていたりしますでしょうか。該当箇所があれば教えていただければと思います。お願いします。
○申請者
 explorer7試験におきましては、審査報告書の25ページ以降の「臨床的有用性及び安全性に関する資料並びに機構における審査の概略」というところでピボタルのメインの試験として審査いただいております。
○事務局
 では、ピボタル試験の中でこういう指標でも評価をしていたということですね。
○申請者
 御指摘のとおりでございます。
○事務局
 その辺りの評価については、機構からは言及があったのでしょうか。
○申請者
 今御指摘いただきましたのは、具体的にはQOLに関するところでしょうか。
○事務局
 そうです。
○申請者
 QOLの指標についても、機構の審査の段階でデータを提示させていただきまして、評価いただいております。
○事務局
 具体的に審査報告書で言及があれば、その箇所を教えていただければと思います。
○申請者
 審査報告書上におきましては、QOLに関しての明確な記載はございません。こちらは審査の過程及び照会事項への回答においてお答えさせていただいているという状況でございます。
○事務局
 分かりました。
 事務局からは以上でございます。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からはよろしいでしょうか。
 それでは、企業の方、どうもありがとうございました。これで意見聴取を終了したいと思います。
○申請者
 ありがとうございました。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から御意見をお願いしたいと思います。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 まず、最初のポイントとなっています有効性加算③-aですけれども、こちらは説明があったとおり、有効性がなかったものについて効く例があるということでしたので、認めてもよろしいのかなと思います。
 もう一点の製剤工夫の点ですが、ここはそこが先生方の意見もお伺いしたいのですけれども、具体的に審査報告書に書いていないということとか、あと、コンプライアンスに大きく影響を与えるということなのですが、実際にその辺がどうなのかというところ、データとかがあれば一番いいのですけれども、なかったので、その辺の判断が難しなと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、今のことを含めていかがでしょうか。
○□□委員
 そうですね。③-aについては、私は問題ないと思うのですが、③-cについては、私も微妙なところかなと思っていまして、インスリン感覚で簡単に打てるのは打てると思うのですけれども、毎日打たなくてはならないというところもあって、これが有用性の③-cに該当するかどうかというのは、私は過去の事例をよく存じ上げないものですから、同様のキット製剤がどんなところで算定されているのかという事例にそろえるしかないのかなと感じました。
○薬価算定組織委員長
 これは先ほどの皮下注の対照になっている薬剤が打ちにくいから打たないということではないのですよね。効果の面であまりないから打たないということであって、先ほど今の方にお見せいただいたような写真で、何となく痛いからとか、打ちにくいからということで打たないということではないのですよね。
 □□先生、どうですか。別にそういう理由で打たないということではないですよね。
○□□委員
 恐らくそれも理由の一つに含まれているとは思うのですけれども、全てではないのだと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生方からいかがでしょうか。
 □□先生、どうぞ。
○□□委員
 機構のほうでQOLについて言及がないというのは、私の理解では、やはり有効性と安全性を中心に見ているから載っていないという可能性もあるかなと思うのです。こちらはお薬の価値を多面的に見る場という意味でいえば、使いやすくなったとか、痛くないとか、QOLに影響するものもある程度評価するということでいえば、先ほどのピボタル試験みたいなものもその対象になるというのもあるのかなと少し感じました。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。
 事務局、いかがですか。先ほど事務局からも聞かれていたとおり、審査報告書の中にないということを薬価算定としてどのように評価するかというか、判断するかというのはいかがなのでしょうか。
○事務局
 審査報告書に何らか言及があれば、それを基に評価するというのが基本になろうかと思います。
 また、③-cについては、まさに使い方、用法・用量の観点から見て、既存薬と比べたときに患者の負担が減っているかどうかという観点で、そこが明らかであって加算に値するということであれば、5%をつけるというのはあるのかなと思っています。
 本剤について見てみたときに、負担が減っているのか、同じぐらいなのかというのがなかなか比較して評価しづらい品目なのかなと考えております。これまでの製剤ですと、3週間に1回の皮下注でよかったところが、本剤に切り替わると、ペンキットではあるけれども、毎日打たなくてはいけなくなるということになっておりますので、過去の事例から見て、投与頻度が上がってしまったものについて加算を認めるというのは、少し難しいのかなとも考えてございます。
 一方で、企業のほうから、ピボタル試験の中でこちらを選好するという結果も出てきているということではございますけれども、まさにそういったところは、市場でどちらが選好されるのかというところでの評価に委ねるというのも一つの方法かなと考えてございます。
 いずれにしましても、本剤につきましては、投与頻度が増えてしまっているというところも踏まえ、過去の整合も見てみますと、5%をつけるほどではないのかなと事務局としては考えているところです。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがですか。
○□□委員
 ③-cについては、その判断で問題ないと思うのですが、私が申し上げたいのは、くどいのですけれども、やはり機構は有効性、安全性重視ということでしょうから、QOLという観点は乏しいということです。ですので、そこにないから評価しないというのはちょっと雑のような気もします。一般論としてこの場合では、QOLという患者さんの視点に立つということも考える必要があるのではないかということでお話しさせていただきました。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 そうしますと、③-aに関しては、様々な先生につける方向でお話をいただきましたけれども、こちらはつけるということでよろしいですか。つけないほうがいいという意見がありましたら、御発言いただければと思います。よろしいですか。御意見はないようです。
 ③-cに関しては、今回の点においてはつけるほどのものではないということで、つけないという方向で行きたいと思いますけれども、それで特に反対意見等はございませんでしょうか。よろしいですか。
 事務局からはいかがですか。よろしいですか。
○事務局
 承知いたしました。算定額を汎用規格の150mgについて申し上げますと、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□こちらを35%の加算に変更いたしますと189万3013円という価格になってございます。35%の加算ということであると、今申し上げた価格になりますので、そちらのほうに訂正させていただいて、先に進めるという手続になろうかと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、一応、最後に、御意見をまとめたいと思います。
 それでは、算定案のうち、補正加算③-aをつけるということで35%に修正いたしまして、当該企業が了承すれば、中医協に報告したいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 事務局、では、その方向でお願いいたします。
○事務局
 承知いたしました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございました。
 
 
オルツビーオ静注用500、オルツビーオ静注用1000、オルツビーオ静注用2000、
オルツビーオ静注用3000、オルツビーオ静注用4000
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「オルツビーオ静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3000、同静注用4000」になります。特に意見を伺う委員として、深山先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 今、事務局が指摘されたように、類似薬に比した高い有効性、または安全性のところがこの30ポイントの差が出てくるところだと思うのですけれども、事務局がおっしゃるように、ポスター発表でとどまっているという学会発表だけなので、これは有用性加算30%とするのはいかがなものかということで、事務局案が妥当だと考えます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も同じです。②-1a、②-1bに関しては、明確な優越性が示されておりませんので、これは採用できないと考えました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特に何かございませんでしょうか。
○事務局
 ございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特にほかに意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
キュービトル20%皮下注2g/10mL、キュービトル20%皮下注4g/20mL、キュービトル20%皮下注8g/40mL
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「キュービトル20%皮下注2g/10mL、同20%皮下注4g/20mL、同20%皮下注8g/40mL」になります。特に意見を伺う委員として、小方先生、谷本先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いします。
○薬剤管理官
よろしいでしょうか。
○薬価算定組織委員長
どうぞ。
○薬剤管理官
少し補足をさせていただければと思います。
本剤は類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定しておりますが、本剤の効能・効果を持つ製剤ではこれは8番目のものになります。算定における最類似薬と臨床上の位置づけも同様でありまして、小児への適用についても、最類似薬と本剤は両方明確になっております。
 したがいまして、通常の新薬の評価であれば新規性があるというものではなく、これまでの製剤と比較して有用性があるとは言い難いものなので、類似薬効比較方式(Ⅱ)により算定することが妥当と考えておりました。
 本剤の評価は、その程度の評価になりますけれども、最類似薬では算定時に小児加算の希望がなく、小児の評価がなされていない状態であったことから、さすがにこのような小児の評価は本剤にも必要だろうということで小児加算を付与した結果、類似薬効比較方式(Ⅱ)ではなく類似薬効比較方式(Ⅰ)として算定せざるを得なかった製剤でございます。
 新規性の観点からは評価することに非常に悩ましい薬剤ではございますが、このような経緯で評価することになったものということは説明したほうがよいと考えまして、言及させていただきました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 御説明ありがとうございました。よく分かりました。
 小児加算のこと、それから、類似薬効比較方式(Ⅰ)での算定ということで、事務局案に賛成です。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生から御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。特にないでしょうか。今、薬剤管理官からのコメントもありましたが、ルール上はこのようなことでということだと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 有用性加算なしという点においても、特に御意見等はございませんでしょうか。よろしいですか。
 事務局、特に追加で御意見はないでしょうか。
○事務局
 ございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リスティーゴ皮下注280mg
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「リスティーゴ皮下注280mg」です。特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私は事務局案のとおりでいいと思いますけれども、有用性加算について、本当にそのような検討をして有用性があるということを言っているわけではないですので、現時点で、これが特に有用だというだけの理由は私はないと思いますので、これでいいと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○□□委員
 私も事務局案は妥当と考えております。有用性加算の根拠として抗MuSK抗体陽性患者さんにおける位置づけということで説明されておりますけれども、ウィフガートと比較して同等と考えました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生方から御意見があれば、お願いいたします。
 よろしいでしょうか。有用性加算のところだけが論点だと思いますけれども、特に御意見はございませんでしょうか。よろしいですか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
イミフィンジ点滴静注120mg、イミフィンジ点滴静注500mg
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg」となります。
 弦間委員と下井委員におかれましては、退室をお願いいたします。
(弦間委員、下井委員退室)
○薬価算定組織委員長
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
 (事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、皆様から御意見を頂きたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 今御説明があったとおりだと思いますし、胆道がんについてちょっと述べられていますが、こちらも先ほどの事務局からの御説明でよろしいかなと思いますが、□□先生、何か御意見はございますか。特にないですか。
○□□委員
 PD-L1製剤で、事務局の案で問題ないと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、よろしいですか。薬価算定組織としての意見をまとめたいと思いますが、資料の事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ポライビー点滴静注用30mg、ポライビー点滴静注用140mg
日時:令和5年10月24日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 「ポライビー点滴静注用30mg、同点滴静注用140mg」についてでございます。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、御出席の委員から御意見があれば、お願いいたします。
 特に御発言はございませんでしょうか。あまり論点もないかなと思いますので、よろしいでしょうか。
 特に御意見はないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 資料の事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。