第15回がん診療提供体制のあり方に関する検討会(議事録)

健康・生活衛生局がん・疾病対策課

日時

令和6年1月15日(月)17:00~19:00

開催形式

オンライン開催

議題

  1. (1)座長の選任について
  2. (2)がん診療提供体制について
  3. (3)がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件等について
  4. (4)その他

議事

議事内容
○扇屋がん対策推進官 それでは定刻となりましたので、ただいまより第15回「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局を務めます厚生労働省健康・生活衛生局がん・疾病対策課扇屋と申します。
 本検討会はYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
 本日は、10名の構成員の方に御出席いただいております。
 なお、川上構成員より途中より御退席と伺っております。
 今回の検討会から、高知県健康政策部部長の家保英隆構成員に新たに御参画いただいております。家保構成員、一言御挨拶をお願いいたします。
○家保構成員 高知県健康政策部長の家保と申します。昨年6月から、全国の衛生部長会長を承っております。各都道府県で計画等をつくりますので、皆さん方の御指導をいただければと思います。よろしくお願いします。
○扇屋がん対策推進官 ありがとうございます。
 続いて、資料の確認をさせていただきます。議事次第、資料1から資料2-2、参考資料1から7がございますので、御確認ください。なお、資料は厚生労働省のウェブサイトにも掲載しております。
 本日の議題としては、
 座長の選任について
 がん診療提供体制について
 がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件等について
 その他
を予定しております。
 それでは、議題1「座長の選任」に移りたいと思います。本検討会は、構成員の互選により座長を置くこととされておりますので、御推薦がございましたらお願い申し上げます。
 松本構成員、お願いいたします。
○松本構成員 国立成育医療研究センターの松本と申します。
 座長に関しましては、大阪大学の土岐先生を座長に推薦させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○扇屋がん対策推進官 そのほか、御意見ありますでしょうか。
 それでは、土岐構成員に座長をお願いすることでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○扇屋がん対策推進官 ありがとうございます。
 土岐構成員におかれましては、一言御挨拶をお願いします。
○土岐座長 大阪大学消化器外科の土岐でございます。
 前期に引き続きまして、がん診療提供体制のあり方に関する検討会の座長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。一言御挨拶を申し上げたいと思います。
 第4期の「がん対策基本計画」も順調に進んでおります。今回、全体目標として「誰一人取り残さない」という非常にインプレッシブなキャッチフレーズがついておりますが、そこには、がん診療提供体制の拠点化と均てん化という大変難しいバランスをとっていかなければいけない、そういう問題を含んでおります。この問題を担当するのがこの検討会でございますが、この検討会の下に3つのワーキング、成人、小児、そして、がんゲノムという3つのワーキングで、がんの診療提供体制について議論をいただいております。それを踏まえて、この検討会での審議を重ねていきたいと思います。
 それでは、拙い座長でございますけれども、皆様の御協力を得て、順調に審議を推進していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○扇屋がん対策推進官 ありがとうございました。
 この後の進行は土岐座長にお願いいたします。
○土岐座長 それでは、議題2に移ります。議題2は「がん診療提供体制について」でございます。まずは、資料1を事務局から説明していただきたいと思います。
 事務局よりよろしくお願いいたします。
○扇屋がん対策推進官 事務局でございます。
 資料1を御覧ください。「がん診療提供体制について」です。
 まず1つ目に、「第4期がん対策推進基本計画」について御報告いたします。スライド4を御覧ください。
 「第4期がん対策推進基本計画」は、令和5年3月28日に閣議決定をされました。こちらに概要をお示ししております。
 全体目標について、先ほど座長より御紹介いただきましたけれども、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」というものを掲げております。そして、こちらの計画には3本の柱がありまして、「がん予防」「がん医療」「がんとの共生」です。それぞれにつきまして、分野別目標を掲げております。
 また、3本の柱を支える基盤として、4点目、下側の緑字のところですけれども、こちらに基盤の内容を書いております。
 また、下には、「がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」を記載しています。
 スライド5を御覧ください。こちらは「がん予防」についての詳しい内容となっております。その次、スライド6に「がん医療」、スライド7に「がんとの共生」、スライド8に「これらを支える基盤」、それぞれの詳細を記載しておりますので、適宜、御参照のほどよろしくお願いいたします。
 続きまして、「がん診療連携拠点病院等の指定の結果」としてスライド9をお示しください。がん診療連携拠点病院等、小児がん拠点病院等、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定の結果をお示しいたします。
 スライド10を御覧ください。「令和4年度拠点病院等の指定に関する検討会結果の概要」をお示ししております。
 がん診療連携拠点病院等については、がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針を令和4年8月1日に改定した後、「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」で検討された結果、以下のとおり、厚生労働大臣が指定しております。
 がん診療連携拠点病院等の総数としましては456か所、そして、都道府県がん診療連携拠点病院が51か所、地域がん診療連携拠点病院が357か所、特定領域がん診療連携病院拠点病院が1か所、地域がん診療病院が47か所となっております。
 続いて、小児がん拠点病院等ですけれども、こちらも整備指針を、令和4年8月1日に改定後、「小児がん拠点病院等の指定に関する検討会」で検討された結果、以下のとおり、厚生労働大臣が指定しております。小児がん中央機関が2か所、小児がん拠点病院が15か所です。
 最後に、がんゲノム医療中核拠点病院等ですが、こちらも整備指針を令和4年8月1日に改定した後、「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会」で検討された結果、以下のとおり、厚生労働大臣が指定しております。がんゲノム医療中核拠点病院が13か所、がんゲノム医療拠点病院が32か所となっております。
 それでは続きまして、スライド11です。各整備指針の指定要件の概要についてお示ししております。大きく分けて4つの項目が立ててあります。「都道府県協議会の機能強化」「更なるがん医療提供体制の充実」「それぞれの特性に応じた診療提供体制」「指定に関する課題の整理」としております。
 それぞれにつきまして、「都道府県協議会の機能強化」としましては、希少がんや特殊な治療法についての役割分担や、感染症のまん延や、災害などにおけるBCPに関する議論、また、都道府県内の診療機能及び実績の収集・分析・評価・広報、診療従事者の育成及び適正配置に向けた調整。
 「更なるがん医療提供体制の充実」としては、がんリハビリテーションの体制整備、全ての診療従事者の緩和ケアへの対応能力の向上、がん相談支援センターの周知に向けた取組。
 「それぞれの特性に応じた診療提供体制」としては、希少がん・難治がんに対する対応、小児・AYA世代のがん患者に対する対応、妊孕性温存療法のための体制整備、高齢者のがん患者に対する対応。
 最後に、「指定に関する課題の整理」としては、地域がん診療連携拠点病院(高度型)の廃止、医師数が300人以下医療圏における緩和要件の原則廃止、要件未充足の際の指定類型見直しについての整理。
 となっておりました。
 続いて、スライド12ですが、こちらは全体像を絵で示したものになります。
 続いて、スライド13ですが、がん診療連携拠点病院等の都道府県別の施設数をお示ししております。
 ここまでが成人で、続きまして、スライド14「小児がん拠点病院等の指定要件」の概要になります。こちらは、「拠点病院・中央機関の役割の明確化」として、拠点病院は地域ブロック内の小児がん診療体制整備を牽引する。中央機関は人材育成、研究開発、中央病理診断についても国内の体制整備を行う。
 2点目、「適切な集約化に向けた連携病院類型の見直し」として、連携病院について、年間新規症例数が20以上の施設を類型1-A、そうでない施設を類型1-Bと分類。連携病院での院内がん登録を要件化。
 3点目、「長期フォローアップ相談支援について」。長期フォローアップに関する適切な連携体制の整備・検討。がん・生殖医療を含む小児・AYA世代の相談支援の強化。
 「指定のあり方について」は、拠点病院については、コンペティションで優れた病院を指定する。連携病院については、地域ブロック協議会で議論し拠点病院が指定する。
 となっております。
 スライド15につきましては、小児がん拠点病院制度の全体像を絵でお示ししております。
 続きまして、スライド16です。小児がん中央機関・拠点病院を日本地図でお示ししております。
 続いて、スライド17です。がんゲノム中核拠点病院等の指定要件の概要です。
 「診療実績の評価」として、がん遺伝子パネル検査の実施数、遺伝カウンセリング等の実施数、がん遺伝子パネル検査後の適切な治療法への到達数の評価。がんゲノム情報管理センターへの臨床情報登録実績の評価。
 「新たな技術や体制への対応」として、リキッドバイオプシーに対応するための人員要件の追加。改定が想定されるエキスパートパネルの実施要件を課長通知に変更。小児がん連携病院類型1-Aからの選定を可とする。
 「指定に関する課題の整理」としまして、がんゲノム医療中核拠点病院を全国10か所程度、がんゲノム医療拠点病院を全国30か所程度、意欲と能力のある医療機関の中から選定。がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議の位置づけと役割を明確化しております。
 続いて、スライド18は全体像を絵でお示ししておりまして、スライド19に、日本地図にがんゲノム中核拠点病院等をお示ししております。
 続きまして、スライド20以降、「今後の整備指針見直しのスケジュールについて」です。
 スライド21に「がん診療連携拠点病院等の整備指針改定の経緯」をお示ししております。地域がん診療拠点病院の整備指針と小児がん拠点病院の整備指針、がんゲノム医療中核拠点病院の整備指針を、それぞれ平成13年に策定された後、5回の改定、平成24年に策定された後、2回の改定、平成29年に策定された後に、1回の改定を行ってきているところです。
 続きまして、スライド22に、「直近の拠点病院等の整備指針改定の経緯」をお示ししております。拠点病院等の整備指針を、過去2回の改定を4年おき、平成30年と令和4年に行っております。令和4年8月の第4期がん対策推進基本計画の策定に向けた議論を踏まえて、成人・小児・ゲノムの整備指針が同時に改定されております。指針改定された後の指定を4年間指定がされているところになっております。
 続きまして、スライド23です。「各整備指針での見直しに係る記載」についてですけれども、いずれの整備指針においても、具体的な見直し時期は規定されていないところとなっております。
 スライド24を御覧ください。ここまでの内容を踏まえた現状・課題ですけれども、令和4年の整備指針改定を除き、がん対策推進基本計画の見直し期間と拠点病院等の整備指針の見直し期間が異なっていたことから、がん対策推進基本計画で定めたがん医療提供体制に係る取組を、整備指針に反映させるに当たり時間差が生じるという課題がありました。
 成人のがん診療連携拠点病院制度は開始されてから20年以上が経過し、がん医療提供体制の整備が一定程度進み、制度がつくられた当初のような整備指針の頻回の見直しを必要としないと想定されているところです。
 一方で、がんゲノム医療に関しては、技術開発の進展とそれに伴う新規がん遺伝子パネル検査の導入や患者数の増加等による求められる医療提供体制の変化に応じて、柔軟に整備指針を見直す必要があるところです。
 また、小児がん診療に関しては、小児がん連携病院の指定要件、小児がん拠点病院の数や地域ブロックごとの分布に関する課題について引き続き検討を行う必要があるところです。
 こうした現状・課題を踏まえた方向性です。がん対策推進基本計画の見直しにおける医療提供体制に係る検討と、がん診療連携拠点病院等の整備指針の改定に係る検討とを連動させて、政策的に一体性を持ったがん医療提供体制の構築を進める観点から、がん診療連携拠点病院等の整備指針見直し期間を6年ごととし、がん対策推進基本計画の見直し期間と一致させてはどうか。
 2点目に、今後、整備指針見直し期間を6年ごととすることを念頭に、次回の見直しは令和10年度をめどとしてはどうか。
 3点目、ゲノムと小児の整備指針については、従来どおり(必要に応じて見直す)としてはどうか。
 と提案させていただいております。
 スライド25を御覧ください。「成人の整備指針の今後の見直しスケジュール案」です。先ほどの提案について、今回御了承いただきました場合に、整備指針の見直しサイクルを6年間とする場合は、拠点病院等の次の指定期間を2年間とし、その後は6年間の指定期間としてはどうかという提案をさせていただいています。
 また、これは、その他必要な場合には、適宜見直すものとなります。
 また、下の表の一番下のところ、※印で記載しておりますけれども、年1回の現況報告書による指定要件の充足状況の確認は、これまでどおり実施するものと想定しております。
 続きまして、その他の議題としまして、スライド26、27になります。「アナログ規制の一掃に向けた取組について」。報告になります。
 「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」に基づき、がん診療連携拠点病院等の整備指針で定める「実地調査」について、各要件で定められた調査が適切に行われる限り、デジタル技術を活用することも可能である旨を明確化するため、令和5年12月に以下の内容を厚生労働省のWebページに掲載しております。
 資料1の説明は以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
 第4期がん対策基本計画と成人・小児・ゲノムの拠点指定の結果の報告でございます。それと、今後の整備指針見直しのスケジュールにつきまして、こちらは提案ということで説明をしていただきました。
 この検討会としましては、今後の整備指針見直しスケジュールのところについて、特に議論を行いたいと考えております。今の資料の20~25ページの今後の整備指針見直しのスケジュールにつきまして、構成員の先生から御意見を頂戴したいと思います。挙手等ございましたら、よろしくお願いいたします。
 それでは、天野構成員、どうぞ御発言ください。
○天野構成員 ありがとうございます。
 詳細御説明いただきまして、ありがとうございました。私からは2点ございます。
 資料の中で、24ページで見直しスケジュール案について御提案いただきました。私としましては、おおむね賛成するものでございますが、2点意見がございます。
 まず1点目、小児がんについてですけれども、資料にありますように、小児がん連携病院の指定要件あるいは地域ブロックごとの課題について、引き続き検討を行う必要があるという観点から、より頻度回の見直しを行うという方向性に賛成でございます。
 その際に、ぜひ留意をお願いしたいことございまして、現状、小児がんの特に連携病院がそうですけれども、患者さんやその御家族からは、住み慣れた地域で治療を受けたいというニーズがある一方で、質の維持・向上のためには一定の集約化が進められているところと理解していますが、現在も地域ブロックごとの指定になっていて、一定の要件は定められてはいるものの、地域ブロックによって考え方がかなり違っているということがありますので、質問は、維持・向上という観点からは、地域ブロックに偏らずに、全国で一定の質の維持・向上を目指した指定要件を検討いただきたいという観点と。
 あとは、例えば小児脳腫瘍はその典型的なものですが、集約はいまだ十分でないような疾患もございますので、これらの問題は非常に議論が難しいということがあるかと思いますので、できるだけ早めに議論を開始していただいて、より適切な地域連携病院のあり方について検討いただきたいと願っているというのが、1点目でございます。
 2点目についてでございますが、がん診療連携拠点病院の要件について、25ページで具体的な表をお示しいただいていると思います。これについては、私はおおむね賛成でございますが、1点お願いしたいのが、今回の整備指針の改定の際に、スケジュール上やむを得なかったと理解してはいるのですが、第4期がん対策推進基本計画の検討よりも前に拠点病院の整備指針を議論せざるを得なかった部分がありまして、恐らく基本計画のほうを審議するがん対策推進協議会としても、整備指針に対していろいろな御意見があったものと思うのですが、必ずしも有機的連携ができてなかった部分もあるのではないかと思うので、その部分について、次回の改定の際は、がん対策推進協議会と本検討会とかで有機的連携ができるようにお願いしたいというのと。
 あと、ワーキンググループの議論ですけれども、今回もかなり大きな改定となったので時間がかかったというものがありますが、ただ一方で、限られた期間であるので非常に議論を短い時間でやらなければいけなかったという部分もあるかと思いますので、次回の改定の際、25ページの表にありますように、中間評価の議論が終わった直後からワーキンググループで議論いただけるとなっていますので、これは十分な審議時間を確保するという意味においても、ぜひお願いしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。後ほど回答を用意したいと思います。
 続きまして、家保構成員どうぞ。
○家保構成員 ありがとうございます。都道府県の立場からコメントさせていただきます。
 都道府県は、がん対策基本法12条に基づきまして、都道府県のがん対策推進計画を策定することとなっております。この計画は、今回で言うと、第4期がん対策推進基本計画を基本として、都道府県のがん医療の提供の状況等を踏まえて作成することとなっております。
 また、都道府県の計画は医療計画や健康増進計画と調和をとるということで、今般、医療計画等は令和6年から12年の計画で策定するということになりますので、都道府県の計画を策定する前年度には、国でがん対策推進基本計画がきちんと固まりまして、かつ、各種の病院の指定が完了して、その現状に基づいて都道府県の計画を策定するという段取りになってまいります。25ページに書いていただいているようなスケジュールでやっていただきますと、各都道府県としては、関係者の意見も踏まえて、より都道府県の状況に合った計画づくりや、実際の事業展開につながってまいりますので、こういう進め方には賛成でございます。
 以上でございます。
○土岐座長 ありがとうございます。
 それでは続きまして、藤構成員どうぞ。
○藤構成員 九州がんセンターの藤でございます。私も25ページについてお話をさせていただきます。
 天野構成員がおっしゃったこととほぼ同じことですが、私自身は、令和4年8月発出された指定要件のワーキンググループ、それから、拠点病院の指定の検討会に関わっている立場からお話をさせていただきたいと思います。
 前回は、先ほど天野構成員も言われましたように、結構短い時間でワーキンググループが整備指針をつくったっていうことがあります。そのときは、実は中間評価がまだ確定していない、案の段階の状況でした。今の25ページの図でいけば、中間評価は本当に基本計画の中の中間があって、その議論が終わって、それを踏まえた上でワーキンググループがスタートして、整備指針を改定するという方向に行きますので、ぜひ、この6年のスパンを利用しながら、かつ中間評価は本当に真ん中に中間の辺りでやっていただきながら、ワーキンググループをしていく必要があるのかと思っております。
 6年と4年で、前回たまたまシンクロをしましたけれども、そうではないときには、どういう基本計画の動きがあって整備指針を変えるんだ、また、その整備指針が決まったことを見て、がん対策推進協議会でどういう議論があるのだということが、その都度、毎年変わってきておりましたので、このペースで行くのは賛成でございます。
 それから、この図の中で、令和10年前半の整備指針の改定から、その右下に矢印があって指定の検討会が書いてあります。厚労省に提出する現況報告書は、毎年9月1日時点での要件充足状況についてのデータです。その実績をもって指定の検討会で審議される訳ですので、両者の間にある程度の時間の猶予があることが大切だと思います。
 今年度の場合は、令和4年8月に整備指針が発出されて、昨年9月1日時点までの短期間でその新しい整備指針をクリアしないといけないという立てつけになっておりました。指定の検討会では、もちろんそれは猶予して、改定から1年目の特別な基準を設けて、整備指針をつくって、拠点病院の指定をしておりますが、この間はできるだけ時間を置いて、最初から特別な基準をつくらないでいいようにできるだけしていくというのも大切かと思いますので、ぜひ、この図のパターンで行っていただければと思っております。
 以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 続きまして、看護協会、森内構成員どうぞ。
○森内構成員 よろしくお願いいたします。
 24ページの各整備の指針見直しのスケジュールにつきましては、期間を6年ごととし、がん対策推進基本計画の見直し期間と一致させるということの案については、賛成でございます。
 さらに、25ページの年表に、がん対策推進基本計画の中間評価を踏まえて、整備指針の見直しに関する議論を行うということが挙げられております。両者が同じタイミングで議論をされることによって、がん医療の提供体制の整備と、あとは、がん診療連携拠点病院等の整備に係る取組がより連動したものになることを期待したいと考えております。
 以上でございます。
○土岐座長 ありがとうございます。
 続きまして、松本構成員どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。
 先ほど来話が出ておりますように、小児がんに関しては、6年というスパンではなくて、適宜見直すというようなことがありました。天野構成員がお話しされていましたように、小児がんに関しましては連携病院がございます。もともと拠点病院は国が指定するものですけれども、連携病院は、拠点病院が実際にそのブロックの地域の事情に応じて指定するというものになっております。指針に関しましては、連携病院のミニマムリクワイアメントが定められております。
 内容としては、とにかく集約化と均てん化を目指しているものでありますが、小児がんの現状といたしまして、拠点病院のみの集約化ではなかなか難しい。30~40%程度の患者さんの集約しか見込めないということがあります。
 さらに、地域の事情というものがありますので、連携病院の指針は、今現在、つくり始めております。今現在、累計1-Aと1-Bに分けておりますけれども、これに関しては、新規の患者数で分けておりますが、地域の事情等がありまして、この指針を固まったものにするのはなかなか難しいのではないかと思います。ということで、6年ではなく、適宜というのは非常にありがたいところでございます。
 そして、2点目といたしまして、整備指針の改定とがん基本計画が、整備指針を改定した後にがん対策推進基本計画ができるという、こういう立てつけになっておりますけれども、整備指針、いろいろ基本計画と、卵が先か鶏が先かという話がありますけれども、どちらもうまく連携をして、ぜひ整備指針の改定を進めていただければと思っております。
 私のほうからは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 まずは、天野構成員からの小児のことの質問に対しましては、今、松本構成員から大体大まかな部分回答をいただいたと思います。事務局から追加はございますでしょうか。
○扇屋がん対策推進官 事務局から追加させていただきます。
 松本構成員御発言いただいたとおりでして、現在、厚労科研等で検討を進めていただいているところです。また、小児がん拠点病院連絡協議会という場で、各地域ブロックにおける状況の共有などはされていると認識しております。
 ただ、それでもまだ残る課題はありますので、次の整備指針に向けて議論していただくことになるかと考えております。
 この点は以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 そのほかの意見としましては、天野構成員から、整備指針も基本計画も、中間取りまとめを基につくられていくわけですけれども、両者の連携をより連絡を密にして、そごのない形にしてほしいという、そういう御意見がございました。
 ほか、藤構成員から、整備指針の発出と、そして、現況報告書、その辺りの対応の期間が短いと、なかなか整備指針に則った対応ができないということで、そういう期間もできれば考慮してほしいという、そういう意見だったように思います。
 そのほか、事務局から補足することがございましたら、よろしくお願いいたします。
○扇屋がん対策推進官 事務局でございます。
 スケジュールにつきましては、今回お示しした内容で、おおむね先生方には御賛同いただけているものと認識しております。
 あとは、これをこのスケジュールどおりできちんと進めることが非常に重要と考えております。中間評価の議論が令和7年度末に集まってくるデータなどを踏まえて議論をしていく予定としておりますところ、そこの議論がきちんと済んだところで、ワーキンググループで今後の拠点病院の整備指針について議論いただくという、このいい流れをぜひ予定どおりに進めていきたいと考えているところです。
 以上です。
○土岐座長 皆様、ほか、御意見よろしいでしょうか。
 それでは、おおむね今回の6年おきの整備指針ということにつきましては、御賛同の意見が多かったように思っております。
 スケジュールにつきまして、御提案いただいた方針で進めていくということでよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○土岐座長 では、異議なしということで、事務局におきましては、その方向で進めていただきたいと思います。
 まず、資料1のスケジュールの見直しのことを御検討いただきました。
 そのほかの部分でデジタル化等々ございましたけれども、そのほかの部分につきまして、何か御意見等ございましたら、ぜひ挙手をして、発言していただきたいと思います。
 茂松構成員、どうぞ。
○茂松構成員 どうもありがとうございます。
 25ページの一番下に、年1回の現況報告書による指定要件の充足状況の確認ということを書いておりますが、これをしっかりと確認を取っていただきますよう、よろしくお願いしたいと思っております。
 病院におきましては、人材が少し変化してくると、そういう指定要件をなかなか満たせないところも出てきているということを聞いておりますので、その辺をしっかりお願いできればと思っております。
 以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 今、茂松構成員がおっしゃったことは、私もちょっと気になっておりまして、日本は今後どんどん人口が減少していく社会になっていくわけでございます。日本全体で見ると、がん患者さんはそうではなくても、特に地方で見ると、減少に転じるところも少なくないと伺っております。そういうことに対しまして、今後、どのようにこの体制を提供したらいいかと、そういうことも考えていかなければいけないと考えております。
 事務局、これはなかなか難しいと思いますけれども、何か御意見等あれば伺いたいと思います。
○扇屋がん対策推進官 ありがとうございます。
 御発言いただいたとおりで、今後、社会情勢や社会的な背景は変化していくものと考えておりますので、今回は、6年間ごとの整備指針の見直しであったり、指定期間を提案させていただいたところですけれども、もちろんその社会情勢に合わせた、必要に応じた検討は引き続き必要と考えておりますので、そのように今後もしていきたいと考えております。
 以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 泉構成員、どうぞ御発言ください。
○泉構成員 日本病院会の泉ですけれども、今のこの御説明どおりでいいと思うのですが、前回、指定要件を満たさないという病院があって、討議されたということもあったと思うのです。
 それから、免疫療法を敷地内でやっているということで、少し疑義が出されたこともあったと思うのですが、これは、そういう見直しというか、それについては、規定が特に設けられていないのですが、これは特に分けなくてよろしいのでしょうか。
 以上です。
○土岐座長 事務局から、要件を満たさないケースと科学的根拠のない免疫療法という、そちらのほうは。
○扇屋がん対策推進官 まず、要件の充足状況に関しましては、年に一度現況報告書を確認させていただいて、指定の検討会という別の検討会で状況を把握していくというところです。
 また、科学的根拠のない免疫療法の件につきましては、今後の整備指針改定の課題の1つになってくるのかなと考えているところです。
 以上です。
○土岐座長 いずれもきちんと対応させていただきたいと思います。
○扇屋がん対策推進官 事務局から1点修正でございます。
 先ほどの免疫療法につきまして、こちらについては、既に議論が済んでいるというもので、こちらの議論を踏まえた上での整備指針改定となっているというところです。
 すみません、修正させていただきます。
○土岐座長 泉構成員、よろしいでしょうか。
○泉構成員 ありがとうございます。また、そういう問題が今後出てきたときに、それを検討することが行われるということであれば、そういう問題点があったら見直すこともぜひ必要なのだろうと思っております。
 以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 ほか、よろしいでしょうか。
 それでは続きまして、議題3「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件等について」に移りたいと思います。
 こちらは、令和5年12月1日に開催されました第5回「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」の議論を踏まえた報告となります。まずは、資料2-1及び資料2-2を、事務局より説明をよろしくお願いいたします。
○扇屋がん対策推進官 事務局でございます。
 まず、資料の説明の前に、今回、「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」で議論いただいた背景としまして、パネル検査におけるエキスパートパネルの運用につきまして、がんゲノム医療中核拠点病院連絡会議や、関連する学会等から御意見をいただいていたところです。それらを踏まえ、事務局で課題を整理しまして、ワーキンググループで運用変更の方針について御議論いただいたものとなります。
 それでは、議論の内容について報告させていただきます。資料2-1を御覧ください。
 まず、スライド3です。「がんゲノム医療に関するこれまでの経緯」になります。がんゲノム医療中核拠点病院等の整備指針の改定につきましては、令和3年12月、令和4年7月に、「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」で整備指針に関する議論を行い、「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」に報告されました。
 そして、令和4年8月に、「改定したがんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」を発出しております。
 また、がんゲノム医療中核拠点病院等の指定につきましては、改定した整備指針に基づいて指定がなされているところです。
 続きまして、スライド4です。こちらは、「がんゲノム医療中核拠点病院等の全体像」を示しております。
 スライド5は、拠点病院を日本地図で示したものになります。
 次にスライド6です。エキスパートパネルの意義と現行の実施要件についてです。エキスパートパネルの意義としては、エキスパートパネルはがん遺伝子パネル検査の結果を医学的に解釈するための多職種による検討会のことです。がん遺伝子パネル検査では、多くのゲノム情報が得られる可能性がある一方、それを正しく解釈できなければ、得られた情報を診療に活用することができません。そのため、多職種の専門家が集まり、ゲノム情報の臨床的解釈を行うエキスパートパネル専門家会議と呼ばれるプロセスが不可欠となるところです。
 こちらを踏まえまして、現行の「課長通知」におけるエキスパートパネルの構成員の要件としまして、がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する診療領域の異なる常勤の医師とか、病理学に専門的な知識を有する常勤の医師といった形で構成員を規定しているところです。
 続きまして、スライド7です。「現行のエキスパートパネルの実施要件の詳細」としまして、持ち回り協議というものを定義しております。こちらは、エキスパートパネルの全ての出席者が、セキュリティが担保されたファイル共有サービスや電子メール等を介してそれぞれ評価することです。
 なお、持ち回り協議の全ての出席者において、下記に該当する症例であるとの見解が一致しない場合は、リアルタイムでのエキスパートパネルでの協議を行う必要があります。その下記といいますのが、下の箱に示している内容になります。
 続きまして、スライド8です。「がん遺伝子パネル検査の出検数の推移」です。2019年6月にがん遺伝子パネル検査が保険収載されて以降、検査実施件数は増加しているところです。現在は、おおむね月1,600から1,800件程度の規模で推移しております。
 続いて、スライド9です。各拠点病院におけるエキスパートパネルの開催実績についてお示ししております。ピンク色がほかの施設でがん遺伝子パネル検査を実施した症例で、緑色が実施施設でがん遺伝子パネル検査を実施した症例となっております。こちらを見ますと、中核拠点病院では、拠点病院に比べエキスパートパネルにおいて、他施設の症例を検討している割合が高いことが分かります。
 続いて、スライド10です。エキスパートパネルの見直しについて、現状・課題をまとめております。がん遺伝子パネル検査の保険適用から4年以上経過し、がんゲノム医療中核拠点病院等の枠組みや関係学会の取組により、がんゲノム医療提供体制の整備は一定程度進んできているところです。がんゲノム医療連携病院の中には、がんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院に指定されなかったもののがんゲノム医療について一定の経験と知識を蓄積したがんゲノム医療連携病院も存在しているところです。
 一方で、がん遺伝子パネル検査の実施件数の増加に伴い、エキスパートパネルで検討が必要な症例数が増加し、エキスパートパネルの結果報告書の返却時期が遅くなる可能性が出てきているところです。
 これらを踏まえた論点としまして3点挙げております。今後も、エキスパートパネルの持続可能な体制の確保の観点から、エキスパートパネルの効率的かつ効果的な運用に係る以下の事項等を検討する。1点目「エキスパートパネルの実施要件」、2点目「持ち回り競技のみを行い、リアルタイムでのエキスパートパネルを必要としない症例」、3点目「一定の要件を満たしたがんゲノム医療連携病院でのエキスパートパネルの実施」となっております。
 続きまして、スライド12から、論点の1点目。エキスパートパネルの実施要件の見直しについてです。こちら、見直しの観点としては2点ありまして、エキスパートパネルの構成員の要件と、もう一つはエキスパートパネルの参加者について、を挙げております。詳細は割愛させていただきます。
 続きまして、論点2点目です。スライド14を御覧ください。持ち回り協議のみを行い、リアルタイムでのエキスパートパネルを必要としない症例についてです。
 見直しの観点は、大きく分けて2つです。1点目が定義の明確化です。「遺伝子異常」を「病的バリアント」へ統一すること。
 2点目が、持ち回り協議のみ行い、リアルタイムでのエキスパートパネルを必要としない対象について3つに分けております。1つ目が、二次的所見が見つかった場合、または疑われた場合について、2点目が、病的バリアントが検出された場合について、3点目が、エビデンスレベルB及びCの病的バリアントについてです。
 続きまして、スライド15を御覧ください。上段に持ち回り協議のみ行い、リアルタイムでのエキスパートパネルを必要としない症例の条件の現行の事務連絡をお示ししております。先ほどの論点を踏まえた改定案を下に示しております。
 続きまして、スライド16以降は、3点目の論点、がんゲノム医療連携病院でのエキスパートパネル実施についてです。
 スライド17を御覧ください。こちら、一部のがんゲノム医療連携病院でエキスパートパネルを実施する目的として、下段の箱を御覧ください。がんゲノム医療の均てん化として、一定の経験と知識を蓄積したがんゲノム医療連携病院においてエキスパートパネル実施を可能とすることで、自施設内でがんゲノム医療を完結できる医療機関が増え、がんゲノム医療の裾野が広がり、人材育成につながる。
 2点目に、自施設内でがんゲノム医療を完結できる医療機関では、より早く患者にがん遺伝子パネル検査の結果が返ることにつながり、患者に利することになる。
 続きまして、中核拠点病院・拠点病院の負担軽減として、一部のがんゲノム医療連携病院が自立することで、自施設のエキスパートパネルで検討する症例が減り、負担軽減につながることが期待できます。
 続いて、スライド18です。がんゲノム医療連携病院でのエキスパートパネルの実施について、エキスパートパネル開催可能な連携病院の要件案を上段にお示ししております。大きく分けて3点です。課長通知に示すエキスパートパネル実施要件を満たすこと、また、以下に示す一定の実績を有すること、3点目として、自施設で判断に迷う場合は、連携する中核拠点病院及び拠点病院にエキスパートパネルを依頼できる体制を有すること、です。
 下段には、エキスパートパネル開催可能な連携病院の運用案としまして、連携する中核拠点病院または拠点病院は、自施設でのエキスパートパネル実施を希望する連携病院からエキスパートパネルが実施できる連携病院を選定すること。また、その選定に当たっては、当該連携病院が要件を満たすことを確認し、厚生労働省に届け出ること。3点目、毎年の現況報告書に基づき、当該連携病院が、エキスパートパネルが適切に実施できているかを確認し、毎年評価を行うこと。要件を満たしていないと判断した場合は、当該連携病院はエキスパートパネルを実施できないものとするという案になっております。
 スライド19を御覧ください。中核拠点病院及び拠点病院は、整備指針において、エキスパートパネルだけではなく、がんゲノム情報に基づく診療や臨床研究、治験等の実施、新薬等の研究開発、がんゲノム医療に関連する人材育成等の分野において、がんゲノム医療の質の向上や充実、均てん化等に貢献することが求められているところです。
 連携病院においてエキスパートパネルを実施可能とした場合の論点として、2点あります。短期的には、中核拠点病院及び拠点病院は、一定の要件を満たした自立可能と判断した連携病院が、適切にエキスパートパネルを自施設で実施できるようサポートする役割があるのではないか。2点目、中長期的には、一部の連携病院がエキスパートパネルの実施に関して自立可能となった場合においても、中核拠点病院または拠点病院は、毎年集計する現況報告書による実態の把握、連携体制の構築、人材育成等を通じて、引き続き連携病院において、がんゲノム医療が適切に提供されるよう努める必要があるのではないか、としております。
 以降は参考資料になります。
 続きまして、資料2-2です。「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針等の改正事項(案)」です。
 こちらは、まずスライド2です。今後のがんゲノム医療中核拠点病院等の全体像です。がんゲノム医療連携病院の一部の要件を満たしたエキスパートパネル実施可能な連携病院を含めたイメージ図になっております。
 右下の表を御覧ください。これまでと違うところを赤枠で示しておりますけれども、エキスパートパネルレポート作成のところについて、エキスパートパネル実施可能の連携病院では、自施設で実施可としております。
 右上の赤枠については、これまでどおりの内容となっております。
 続きまして、スライド3です。今後のがんゲノム医療提供体制の全体像について、先ほどお示ししたものに加えて、下のほうに、「エキスパートパネル実施可能がんゲノム医療連携病院」という枠を追加しています。
 続いて、スライド4以降につきましては、先ほど資料2-1で御説明させていただいた論点の内容を御了承いただいた場合の健康局長通知や課長通知、事務連絡の改定案をお示ししております。
 説明は以上になります。
○土岐座長 ありがとうございます。
 それでは、ワーキングのほうの座長でいらっしゃいます中釜構成員より、補足等御発言ございましたら、よろしくお願いしたいと思います。
○中釜構成員 中釜です。
 今、事務局から説明があったとおりですけれども、2019年にがん遺伝子パネル検査が保険収載され、それ以後、毎年のように件数が増えてきて、最近では、月平均で1,600例、1,800例、年間にして2万例を超える症例にエキスパートパネルが関わっている状況です。そういった意味では、中核拠点病院・拠点病院あるいは連携病院を通して、遺伝子パネル検査を介したゲノム医療はかなり浸透してきたと言えると思います。
 一方で、承認された遺伝子パネルの種類も増えてきています。昨今で5種類承認され、今後も対象症例が増えていくことが想定される中で、遺伝子パネル検査、あるいはエキスパートパネルを通したゲノム医療の理解をさらに広めていく必要があると思います。そのためには、中核拠点病院・拠点病院ではなく、それに相当する実力・経験を有した連携病院にも、エキスパートパネルが実施可能な状況にして、さらに、ゲノム医療に関わる人材を育てていくフェーズに入ってきていると思いますので、そういった意味でのEPの実施可能な施設は論点だと思います。
 それから、エキスパートパネル実施のシステムに関しても、症例数がかなり増えてきて、現場は迅速に患者さん、医療現場に返す必要がある中で、エキスパートパネルをいかに効率的に運用するかが課題になると思います。既に開始から約4年の遺伝子パネル検査の経験を通して、かなりの部分が共有化できる、あるいは、さらに簡略に患者さんにレポートを返す仕組みが出来上がっていると思います。EPのシステムを簡略化することによって、TAT、いわゆる患者さんに返すタイムが短縮でき、より効率的にゲノム医療を実施できると思いますので、事務局から説明があった2つのポイントは非常に重要なポイントだと思います。
 私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 大きく2点の追加ですね。1つは、持ち回り審議の範囲を広げていくということ。もう一つは、連携病院でのエキスパートパネルを実施するということ。この2つの御提案をいただいております。
 構成員の先生から、この件に関しまして御質問等ございましたら、挙手をいただいて、御発言をお願いしたいと思います。
 それでは、天野構成員どうぞ。
○天野構成員 御説明ありがとうございました。
 私からは3点ございます。まず1点目が、今お示しいただいた資料の14ページになるかと思います。見直しの観点(案)の中で、今回の改定自体は、学会からの要望、また、エキスパートパネルの負担軽減等の観点から改定いただいているものと理解しているのですが、14ページの真ん中の部分を拝見しますと、二次的所見を疑われた場合の患者及びその家族の対応に当たる遺伝医学に関する専門的遺伝カウンセリングというものについて、持ち回り協議においては参加を必須としないこととしてはどうかという要件が入っておりますが、これは、負担軽減ということは当然あるかと思うのですが、どういった背景あるいは趣旨で、こういった項目を入れていただいているか、もし分かれば、教えていただきたいというのが1点目です。
 2点目が、遺伝カウンセリングに関連して、拠点病院の制度の議論とは少し離れますが、あえて、この場で指摘させていただきたいのですが、遺伝子パネル検査等を含むいわゆるがんゲノム医療については、厚労省が指定する拠点病院あるいは連携病院を中心とした体制の中で実施されていると思うのですが、一方で、遺伝性腫瘍の患者さん自身は、拠点病院や連携病院以外の一般診療を行っている病院でも、日々この瞬間も診断されているという実情がありまして、そうすると、そういった遺伝性腫瘍と診断された患者さんの遺伝カウンセリングの体制整備というものが、現状、まだ追いついてないのではないかと思っております。
 例えば、遺伝カウンセラーあるいは遺伝カウンセリングに関して専門的な知識を有する医療者の方々が全国津々浦々にいらっしゃることは想定できないので、例えばオンラインでの対応を可能とするとか、そういった方策を、今後、中長期的にはぜひ考えていただきたいというのをあえて申し述べたいというのが2点目でございます。
 3点目が、いわゆるゲノム医療の均てん化という命題を考えた場合、もちろん今回お示しいただいた拠点病院の改定が非常に重要な要素を占めているのは言うまでもないのですが、一方で、そこだけでは恐らく均てん化という命題を考えた場合、解決できない部分があると思っていまして、例えば遺伝子パネル検査によって未承認薬が提案された場合、基本的には、先進医療あるいは臨床試験等を受けることになるのですが、現状、地方の病院ですと、ほとんどアクセスはできていないという現状があるかと思います。
 ですので、例えば臨床試験において、リモート治験、DCTをより積極的に実施するとか、あるいは拡大治験のあり方を見直すとか、そういった方策も、拠点病院の整備指針の改定等に加えて、ぜひ有機的に議論いただきたいと願っております。
 私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御質問についてですけれども、1番目が、持ち回り審議における遺伝子カウンセリングの要件のこと、2つ目が、これはもう少しスケールの大きな話になりますけれども、遺伝性腫瘍全体のカウンセリングの体制のことですね。そして、3つ目が、パネル検査の後の治験へのアクセスがなかなか全国均てんにできていないのではないかという、そういう御質問でございました。
 事務局から答えられるものがあれば、よろしくお願いしたいと思います。
○扇屋がん対策推進官 事務局でございます。
 まず、1点目です。今回の持ち回り協議において、遺伝医学に関する専門的な遺伝カウンセリング技術を有する者に参加を必須としないというふうにしたのはなぜかという点につきましてです。こちらについては、今回、二次的所見が見つかったまたは疑われる場合というのは、リアルタイム開催を行うこととしております。一方で、二次的所見が見つからないまたは疑われない場合に限って、持ち回り協議の対象としており、その際にエキスパートパネルに構成員として、遺伝医学に関する専門的な知識及び技能を有する医師が参加していますので、遺伝カウンセリング技術を有する者については参加を必須としないというものになります。あくまで必須としないという表現ですので、病院によっては体制が異なって、遺伝カウンセラーの方だとかが毎度参加されているということであれば、それを妨げるものではございませんので、ミニマムのリクワイアメントと考えていただければと思います。
 続きまして、遺伝性腫瘍の問題とか、遺伝カウンセリング一般で、全国津々浦々にはなかなか広まっていないのではないかといった点につきまして、こちらについては課題があると認識しております。リモートでカウンセリングをしていくというのも一つのツールとなっていくと考えておりますので、今後、検討していきたいと考えております。
 続きまして、3点目です。リモート治験とかDCTを今後推進していく必要があるのではないかという点。こちらについても、エキスパートパネルでしっかりと結果が出ても、結局治療につながらないというところがもったいないというところだと思いますので、こちらは、関連する厚労省内の局とか課と連携して、今後、検討していきたいと考えております。
 以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。
 それでは続きまして、泉構成員、どうぞ御発言ください。
○泉構成員 ありがとうございます。
 最近、エキスパートパネルが、非常に症例数が増えて、連携拠点病院とか拠点病院に非常に御負担をおかけしているということで、これから、一定の経験と知識を蓄積した連携病院で実施できることは非常にありがたいと思っております。これは、今回の17ページの規定によると、一定の経験と知識を蓄積した連携病院は、拠点病院とか中核拠点病院が認めればいいのかということと、それから、一定の質が保たれているかどうかということが、ある程度チェックする機能があったほうがいいのかなと思うのですが、その辺のことはいかがでしょうか。教えていただければと思います。
 以上です。
○土岐座長 引き続いて、藤構成員どうぞ。
○藤構成員 ありがとうございます。
 今のお話と似ているのですが、確かにがんゲノム医療連携病院でのエキスパートパネルの実施の要件は、症例数等々がしっかり決まっているので、ここをクリアすればいいということもあるのですが、なかなか難しいことは分かってお話をしますけれども、その数だけで、質の評価等々も、今後どうしていくかと、すぐできることではないと思いますけれども、そういうことも考えていっていただかないといけないのかなと思います。
 それと、もう一点ですが、治療を実施した症例が年間3例以上ということですが、これは、実はあるときは2例になったりとか4例になったりとかいうことがあって、成人の拠点の場合は特例型というようなものも設けたりしておりますので、1年だけ2例になったらもうアウトなのかということになると、エキスパートパネルができる連携になったりできない連携になったりというようなのが、実際どのくらいあるか、やってみないとちょっと分からないので、先の話になるのかもしれませんが、そういうふうなことも考えて、例えば数年の中で、ここ3年で何例以上とかいう枠を設けながらにしてもいいのかなとちょっと思っておりました。全体としては、現状のこの案に賛成いたしますけれども、今後は、そういうことも考えていく必要があるかなと思って、発言させていただきました。
 以上です。
○土岐座長 私からも追加させていただきたいのですが、先ほどのエキスパートパネルのクオリティということですけれども、エキスパートパネルのレベルの格差は、現在の中核拠点病院・拠点病院の間でもあるのではないかと伺っております。その一番大きなところは、治験情報等をいかに適切にキャッチアップしていくかということが、患者さんに治療を提案できるかどうかのところで大きいと伺っております。
 このようにエキスパートパネルのクオリティを担保するのはもちろん大事ですけれども、格差というか底上げをどういうふうにしていけばいいのかと。この辺り、私も非常に疑問というか、方法をどうすればいいのかと悩んでいるところでございます。この辺りにつきまして、事務局もしくは中釜先生から御意見ございましたら、ぜひお伺いできたらと思います。
○扇屋がん対策推進官 では、まず事務局から回答させていただきます。
 まず、泉構成員に御指摘いただきましたクオリティの担保についてどうしていくのかというところにつきましては、スライド18に連携病院の要件案をお示ししております。こういった実績要件とかをクリアしていること、また、自施設で判断に迷う場合には、連携する中核拠点病院または拠点病院に依頼できる体制を有することという体制の整備も併せて要件案として入れているところです。
 また、実際に始まった後のクオリティの担保につきましても、この連携する中核拠点病院または拠点病院が要件を満たすことを確認するとか、エキスパートパネルが適切に実施できているか確認し、毎年、評価を行うというような、クオリティをチェックするような体制整備を想定しているところです。
 また、一旦はこの要件を満たして始めたものの、例えば1年後見てみると、結局、要件を満たせなかったというようなこともきっと今後あるかと考えております。これは、その他の整備指針の考え方を踏まえまして、連携病院の要件案の運用については、今後、検討していくことになろうかと考えております。
 また、最後、土岐座長からいただきました、エキスパートパネルで結果が出ても、治験情報がなかなか見つからないというようなところが指摘されているというところですけれども、こちらにつきましては、最近では、C-CATレポートで治験等の情報も遅滞なく取り入れていると認識しているところです。
 とはいえ、地域格差に関して、依然存在すると思います。こちらについては、厚労科研の大津班で調査をしているところでして、実態の把握とか具体的な解決策については、そこで引き続き検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
○土岐座長 中釜構成員、追加発言ございますでしょうか。
○中釜構成員 中釜です。
 先ほど、土岐座長から御質問があったEPの質の担保に関しては、今、事務局から説明がありましたように、C-CATのレポートの中でかなり詳細な情報があります。あとは、EPにおいて要件を満たす構成員の中で議論するわけですので、経験値により改善していくだろうと思います。
 実際、厚労科研の研究の中で、研修あるいは情報の共有を繰り返すことによって、到達率が上がってくることもありますので、その辺りはやはり経験知によるものなのかなと思われます。構成員は専門性の高い方々が入っていますので、質というよりは経験の問題で、あとは、治験や臨床試験にどのくらいアクセスしやすいかということがあります。先ほど御説明がありましたけれども、治験情報や、いわゆる治験の拡大、DCTは、こういうものを広げていくことによってその機会が増えていくと考えていますので、薬への到達のスピードなどが恐らく均てん化されると思いますし、情報共有の場をできるだけ機会を増やすことが大事かなと考えています。
 私からは以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 藤構成員から、3件はすごく微妙な数字で、2件とか4件だったらどうするんだという話ありましたけれども、こちらは、今は明確な答えはないのかもしれませんけれども、柔軟に御対応いただけるのでしょうかね。
○扇屋がん対策推進官 この場で結論はなかなか出しにくいものではあるのですけれども、猶予期間をどの程度置くかとか、指定についてどう考えるか、今後の検討になってくるかと思っております。
 以上です。
○土岐座長 ありがとうございます。
 どうぞ、茂松構成員。
○茂松構成員 ありがとうございます。
がんゲノム医療というのは今後本当に期待される分野だと思っているのですが、検査がどんどん増えているという中で、本当に治療につながっている、そういう実績はどういうふうな結果として出ているのでしょうか。
○土岐座長 こちらは、事務局のほうでお願いできますでしょうか。
○扇屋がん対策推進官 今ほど御質問いただきました治療到達度につきましては、今回、資料には用意してございませんが、調査によると、9.4%到達しているという結果が出ております。
 以上です。
○茂松構成員 ありがとうございます。結局、9.4%がどのように増えていくかというのは、そこが今後の本当に問題なのかなと思うので、そういうところのエキスパートパネルとかその辺をしっかりと充実していただければと思います。
 ありがとうございます。
○土岐座長 こちらのほうは、私もいろいろな方面でのアプローチ、例えばがんゲノム遺伝子パネル検査の開始時期をもう少し前倒しすることにより、より多くの方が治療にアクセスできるのではないか等々、いろいろな試みがされておりますので、今後上がっていくものと期待はしておるところでございます。
 ほか、御発言・御意見等ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針等の改正事項」につきまして、おおむねこの内容で進めていってよろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○土岐座長 異議なしと承りました。
 では、事務局におきまして、この方向で進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 最後に、全体を通して御意見等がございましたら、御発言をお願いしたいと思いますが、御意見ございますでしょうか。
 なければ、本日の議論はこれで閉じたいと思います。
 本日は、活発な御議論ありがとうございました。構成員の皆様の御協力に、改めて感謝申し上げます。
 それでは、これをもって本日の検討会を終了いたします。どうもありがとうございました。

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健康・生活衛生局がん・疾病対策課

代表 03-5253-1111(内線4608)