2023年12月14日 第1回 標準型電子カルテ検討ワーキンググループ 議事録

日時

令和5年12月14日(木)15:00~16:30

場所

WEB会議
AP虎ノ門 I+Jルーム(Web会議併用)

出席者

構成員(五十音順、敬称略)

議題

  1. (1)標準型電子カルテに関する施策に係るヒアリング
  2. (2)その他

議事

議事内容
1.開会
【北村係長】  定刻になりましたので、ただいまより、「第1回標準型電子カルテ検討ワーキンググループ」を開催いたします。皆様におかれましては、御多用のところ、本ワーキンググループに御出席いただき、ありがとうございます。
本日は、構成員の皆様におかれましては、対面とオンラインの併用による開催とし、会議の公開につきましては事前申込み制のZoomウェビナー配信で行うこととしております。200名弱の皆様から傍聴申込みを頂いておりますことを御報告いたします。
次に資料の確認をさせていただきます。本日はお手元に、議事次第、資料1、資料2の3種類の資料でございます。不備等ございましたら、事務局までお申し付けください。
それでは、まず初めにワーキンググループの開催に先立ちまして、厚生労働省、デジタル庁から、それぞれ御挨拶を申し上げたいと思います。
○厚生労働省・デジタル庁挨拶
【田中参事官】  医政局参事官の田中でございます。皆様、本日は大変お忙しい中、御参画いただきましてありがとうございます。
後ほど、事務局からも御説明させていただきますが、本年6月に医療DXに関する工程表が作成されました。その中に、標準型電子カルテの開発について明記されたところでございます。これにつきましては、その中で標準規格に準拠したクラウドベースの標準型電子カルテを作ることが明示されているところでございます。
この標準型電子カルテは、切れ目なく質の高い医療を効率的に提供していくために、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋、オンライン資格確認等システムなど、今、政府で取り組んでいる様々な取組とつながって、情報共有を可能にするために必要な開発と、私どもは考えているところでございます。
こうした機能を持った標準型電子カルテの開発を進めるために、今般、このカルテの技術的な要件を検討するにあたって、広く医療機関等で利用している皆様から御意見を伺う場として、本ワーキンググループを設置させていただいたところでございます。この会議は、御意見を伺うということが大きな目的でございまして、何か方向性を決めるものではないということはお伝えしつつ、まさに使っていただいている皆様からのダイレクトな忌憚のない御意見を伺いながら、国が作るシステムとして使っていただけるようなより良いシステムにしていくために、ぜひ御意見を頂きたいと考えております。
私のほうからは以上でございます。
【上田参事官】  デジタル庁の参事官をしております、上田と申します。デジタル庁の中では、医療DXを、デジタル庁の立場で担当をさせていただいております。
先ほど、田中参事官からも話がありましたけれども、標準型電子カルテは医療DX工程表に書いてありまして、まず来年度末にα版を作っていくという工程になってございまして、そのα版の開発をデジタル庁で担当させていただくといった立場で参加させていただいております。
標準型電子カルテについては、全国の医療機関などで情報の共有ができるような標準型という切り口。また、技術的な要素もあると思いますけれども、効率的な、コストが低くできるような観点。そういったものもありますけれども、何よりユーザーの方に使っていただけるようなものが重要だと思っております。我々としても、最初のスコープは医療機関ということだと思いますけれども、せっかく標準型電子カルテを作ったのにどの医療機関でも使われないということでは、我々も作ったかいがございませんので、どうやったら使いやすくなる、これなら使っていこうと、こういったことについてお声を頂ければ、非常にこの開発に生かしていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
なお、今日、デジタル庁からは次長の榊原も参加させていただいております。
【榊原次長】  本日は御参集いただきまして、ありがとうございます。デジタル庁で次長をしております、審議官の榊原でございます。これは政府としての一大プロジェクトでございます。ただ、やるときには、やはり現場の皆様方の御意見をしっかり踏まえつつ作りたいという気持ちを持って、ワーキンググループを開催させていただきました。
ぜひとも、忌憚のない御意見をいろいろ頂戴できますよう、よろしくお願い申し上げます。
○構成員及びオブザーバーの紹介
【北村係長】  続きまして、構成員の御紹介をさせていただきます。お手元の資料1の委員名簿に従って御紹介させていただきますので、一言ずつ自己紹介をお願いいたします。資料1を画面共有いたします。
資料1の2ページ目に、別紙になっておりまして、そちらに構成員の方々のお名前を記載させていただいております。それでは池端構成員、お願いいたします。
【池端構成員】  御紹介いただきました、日本慢性期医療協会副会長として、構成員に拝命させていただきました、池端と申します。なお、福井県の医師会の会長も併任しておりますので、診療所等の状況も踏まえて少し意見できればと思っています。
私自身、実はつい最近、200床未満の小さな病院ですけれども電子カルテを入れたばかりなので、その時の苦労話もできればさせていただければと思っています。よろしくお願いいたします。
【北村係長】  ありがとうございます。次に大道構成員、お願いいたします。
【大道構成員】  日本病院会の大道でございます。今般の標準型電子カルテは、日本の医療におけるデジタル化の第一歩になると、私は思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【北村係長】  ありがとうございます。木澤構成員、お願いいたします。
【木澤構成員】  日本看護協会の常任理事をしております、木澤晃代と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は、看護の立場ということで、患者の情報が共有できるというのは非常に重要なことだと思っておりますし、それぞれの健康管理をするという観点からも健康意識の高まりというものに重要なポイントがあると思います。
看護機能ですと、病床管理、看護管理機能が大きいことになりますので、そのような立場から御発言をさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【北村係長】  ありがとうございます。菅間構成員、お願いいたします。
【菅間構成員】  日本医療法人協会副会長の菅間でございます。医療法人協会というのは、全国の医療法人の中で、主には中小病院から構成されている団体ですけれども、このあとで出てきます、一部電子カルテが導入されていない小さな病院も含めての会員構成になっていますし、診療所も含まれております。私個人としては、栃木県の一番北の外れの所で社会医療法人という、ケアミックスの医療から介護まで担当する形の病院を経営しております。どうぞよろしくお願いします。
【北村係長】  よろしくお願いいたします。次に高橋構成員、お願いいたします。
【高橋構成員】  全日本病院協会の高橋です。よろしくお願いいたします。2007年にID-Linkを全国で初めて立ち上げたというところと、あとは900の病院の電子カルテのユーザー会会長を20年やっておりますので、そのユーザーの声をいつも聞いていますので、そういったところをお話しできればと思います。
個人的には、今専ら、医療・介護のデータ連携を産業医大の松田先生と二人三脚で仕掛けているところです。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
【北村係長】  よろしくお願いします。それでは中島構成員、お願いいたします。
【中島構成員】  日本精神科病院協会常務理事をしております、中島と言います。日本精神科病院協会は、会員数が1,182病院ありまして民間の団体であります。私は、札幌にある五稜会病院という193床の精神科の病院ですけれども、十数年前から電子カルテは入っておりますので、そういった経験から意見できたらいいかなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【北村係長】  ありがとうございます。それでは長島構成員、お願いします。
【長島構成員】  日本医師会常任理事の長島でございます。標準型電子カルテというのは、医療DX全体の効果・目的を医療現場で実現し、患者さんへ還元するための極めて重要な仕組みだと思っております。よろしくお願いいたします。
【北村係長】  ありがとうございます。山口構成員、お願いいたします。
【山口構成員】  ささえあい医療人権センターCOMLという認定NPO法人で、現在理事長を務めております、山口でございます。私たちは、1990年から患者の立場で活動してきたグループで、これまで6万8,000件を超える電話相談に耳を傾けてまいりました。そういった生の声をお聞きしている立場として、最低限こういうような電子カルテを備えてほしいという立場で、意見を述べることができればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【北村係長】  よろしくお願いいたします。続きまして、オブザーバーの御紹介に移りたいと思います。オブザーバーに関しましては、画面にも共有しておりますが、日本薬剤師会、日本歯科医師会、社会保険診療報酬支払基金、SIP統合型ヘルスケアD3受託者の一般社団法人NeXEHRSにも御参画いただいております。以上で御紹介を終わります。
それでは、これより議事に移りたいと思います。本日、ハイブリッドでの会議形式となっておりますため、オンラインで御参加の構成員の皆様、会議中の御発言の際は手を挙げるボタンをクリックし、指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクミュートにしてくださいますよう、お願いいたします。
2.議事
(1)標準型電子カルテに関する施策に係るヒアリング(資料2)
【北村係長】  あらためまして、よろしくお願いいたします。それでは、本日の進め方になりますけれども、まず、我々事務局から資料に沿ってお話をさせていただいた上で、そのあと、意見を頂戴するというような進め方をさせていただきます。資料は資料2になります。お手元にございますでしょうか。よろしくお願いいたします。
【杉山室長補佐】  最初の2スライドは、この会議体の位置付けということで、冒頭、事務局から少しお話をさせていただいておりますので、繰り返しになりますけれども、よろしくお願いいたします。
まず、この標準型電子カルテの取組につきましては、今年の6月に策定されました医療DXの工程表を基に、そのあとのお話の中で、今年度、厚生労働省で要件定義等の調査研究を行った上で、来年度デジタル庁で、まずはα版、試行版を開発していくということをお示しさせていただいております。いよいよ来年度から開発が始まっていくということで、この会議体は技術的な要件について利用者の皆様から御意見を頂く、今日のこの場と、技術作業班と申しまして、この場ではないのですけれども、ベンダーさんから技術的な視点で御意見を頂戴する場、この2本構成で進めさせていただく形にしております。
当面ということで、スケジュールとしては、本年度はまずα版の開発に向けて、医科の診療所向けの標準型電子カルテのα版の検討を中心にさせていただくということで、本日を含めてワーキングは2回程度を予定しています。並行して、技術作業班についても、1回目は既にさせていただいていますけれども、進めさせていただくということでございます。
来年度以降については、α版の状況も踏まえて、どういった議論をしていくかということも含めて考えてまいりますけれども、まずはこういったところから始めるというのが、本日、今日第1回目ということでございます。
次の3ページから、医療DXの工程表の中で、標準型電子カルテがどういったところに位置付けられているかというところをお示ししております。ただ、冒頭の御挨拶の中でもう触れさせていただいていますので、場所だけお示しさせていただくということで、3~5ページに概要と、矢羽根のスケジュール表がございますけれども、それぞれ赤枠のところで、この医療DXはいろいろな施策が並行して動いている中、標準型電子カルテはここに位置付けられていますということで、御案内をさせていただきます。
続きまして、6スライド目にまいります。6月の工程表を踏まえまして、先ほど申し上げましたとおり、8月に厚生労働省から具体的な進め方ということで、今年度、来年度、その先というところを矢羽根でお示しさせていただいているといったところでございます。
次は7スライド目になります。ここから、この標準型電子カルテをなぜ整備していくのかという背景や経緯といったところをお示しさせていただきます。
工程表の基本的な考え方、医療DX全体としてどういったところを目指していくかというところを記載させていただいている中に、国民の皆様のさらなる健康増進ですとか、切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供、これは医療機関の皆様からすると「提供」で、患者様からすると「受ける」というような両輪だと思います。こういったことを目指すということの中の策の1つで、こちらの絵で概念をお示ししておりますけれども、「全国医療情報プラットフォーム」を構築していくということにしています。その中で、医療機関から電子カルテの情報などを共有していけるような、絵にすると赤枠のところになりますけれども、電子カルテ情報共有サービスを開発していくこととしております。
そういったことを実現していくと、どういうメリットがあるかというところを、8ページの概観、具体的な患者様であったり医療従事者の皆様であったり、関係する方々のメリットを9~11ページにお示しさせていただいております。例えば、8ページにも記載がございますけれども、患者様の視点では、患者様御自身が忘れてしまったような検査の結果ですとか、アレルギーの情報などが可視化されることで、より質の高い医療を受けることができる。こういったところができる仕組みを作っていくということになっております。
こういったメリットを実感いただく中で、12スライド目に飛びますけれども、実際の電子カルテの導入率は、200床未満の一般の病院であったり診療所においては、この赤枠にお示ししているとおり半分未満ということで、電子カルテの普及をどんどん取り組んでいかなければいけないと。そういったことを背景として、標準型電子カルテの整備を進めていくこととしております。
そういった中で、次の13スライド目になりますけれども、標準型電子カルテの構築にあたりましては、「切れ目なく質の高い医療等の効率的な提供」といったものを実現していくために、医療DXのシステム群、サービスと言うのかもしれませんけれども、こういったものにつながって、情報を共有していくことができる電子カルテを目指す。併せて、国だけでこの電子カルテを作るのはなかなか難しいというのは当然ありますので、民間のいいサービス、これもシステムになるかと思いますけれども、組み合わせていくことで、使っていただける電子カルテを目指していきたいといったところを目的として掲げさせていただいております。
14スライド目になりますけれども、そこに向かった導入アプローチとして、これは工程表に少し記載していますけれども、まずは一部の医療機関を対象に導入いただくようなα版を作った上で、そこで結果も踏まえて本格的なさらなる導入を目指していく、こういったアプローチで進めたいと考えております。実際その導入対象は、最終的には先ほど申し上げましたとおり、電子カルテの普及が進んでいない200床未満の中小病院であったり、診療所の皆様の所で扱っていただけるようなところを目指していきたいと考えております。
その中で、まずは来年度α版を開発していくことを考えたときに、これは技術作業班の中でもいろいろ意見を頂いた中で、未導入の医療機関の施設の割合であったり医科の無床診療所、外来の診療ですが、どこの専科というのはなかなかないかなと思っていますので、診療科によらない共通の診療行為ということで、どちらかというと町のお医者様のように、内科だったり、耳鼻科だったり標榜しながらも、実はほかも標榜するような、こういった方々に共通な診療行為を目指して作っていくということで考えております。
その先の本格版においては、今度は中小病院となってきますと、病床ということで入院のことであったり、いろいろな部門があるというところの中で、どうするのかということがあると思いますので、これについてはα版の結果も踏まえながら検討していくことになろうかと考えております。
次の15、16ページは、今申し上げたところの参考でございます。
続きまして17ページは、このあとの意見の中でも伺いたいと思っているのですが、こういったところの医療機関をターゲットとしたときに、今、電子カルテを導入されていない医療機関の方々に、実はアンケートを採らせていただきました。無床診療所においては、赤枠にしているのですけれども、コストのこともさることながら、そもそも業務上の必要性を感じない。紙で十分だという御意見であったり、ひとくくりに「ITへの不安」と記載しておりますけれども、セキュリティのことだったり操作のことだったり、維持していくというところに対して少し抵抗感というか、不安があるといったことも頂いております。こうした不安を払拭というか軽減しながらも、今後、医療DX推進で患者様や医療機関の皆様同士で情報が共有できる、こういったところのメリットを、どう訴求しながら導入いただけるかというところを考えていかなければならないということで、本日、そういった観点からも御意見を頂ければと考えております。
続きまして18ページからは、標準型電子カルテということで、どういうものを作っていこうかというところのお話をさせていただこうと思います。このページは、少しコンセプチュアルな絵になっておりますけれども、まず標準規格に準拠したクラウドベースでの構築を考えております。その中で、歯車で表現しておりますけれども、真ん中に国が提供する基本機能ということで、標準型電子カルテを記載しております。サイズ感でお示ししているのは、国が何でも作るというよりは必要最小限の基本の機能を国で作って、特に左側の全国医療情報プラットフォームにはしっかりつないだ上で、右側に民間オプションという歯車がありますけれども、ここは民間のサービスでいろいろいいものがございますので、こういったものと組み合わされるようなものを目指していくという考え方で作っていこうと考えております。
19ページですけれども、ではこの標準型電子カルテを導入することでいったいどんなメリットがあるのかというところを記載させていただいています。大きくは、今までにない医療DXのサービスが利用できるということや、それの導入だったり維持の負担が軽減できるといったところがポイントではないかと。こういうところのメリットを感じていただけるような電子カルテを作っていくということで考えております。
1つ目は、利用に際しては、今の医療DXの活動の中でオンライン資格確認等システムであったり、これから作りますけれども、電子カルテ情報共有サービス、電子処方箋管理サービス、これ以外にもあると思うのですけれども、例えばこういったものとどんどんつながっていくことになります。この標準型電子カルテを使っていくことで、ここに記載している、例えば特定健診の情報だったり、2行目になりますけれども、アレルギー情報や検査の情報といった、いわゆる6情報と言っているようなものであったり、電子処方箋にあります処方・調剤の情報といったものを、マイナンバーカード使っての患者様御自身の同意は当然必須になりますけれども、閲覧することができる。ではどういった所でこれが使えるかというところは、このあとお示しさせていただきますが、こういったものになると思っております。
併せて、診療情報提供書、紹介状ですが、これを紹介先の医療機関の方々に電子的に送るとも、受け取ることもできるということや、最終的には、こうした情報を患者様がマイナポータルで見ることができる、還元することいったことができます。
さらに、2番目になりますけれども、例えば初期の導入時に、この標準型電子カルテにはこうした機能がくっついているというのか、電子処方箋だったり、電子カルテ情報共有サービスを使える状態で御利用いただければ、導入負担が軽減できるとか、こういったものに機能が追加するときには、どちらかというとクラウドベースになるからという理由もあるのですけれども、やはり維持の負担を軽減できていくといったところをメリットとしてお伝えできるのではないかと考えております。
それを、次の20ページから、実際に皆様が使っていただく現場をイメージしながら記載させていただいております。このページは、診療所の中で受付から問診や診察をなされて、会計して、薬局に薬を取りに行くといった流れを考えたときに、上が導入前ということで、今は基本的に皆さん、紙のカルテだと思いますので、紙を中心としていろいろやり取りをなされている。それが、下になりますと、まず受付のところでマイナ保険証で同意を取っていただいた上で、右側の「問診・診察」で恐らく標準型電子カルテを使うであろうということで、網掛けをしています。問診の際には、例えば6情報の中のアレルギー情報をお医者さんが見ながら患者さんに問診するということで、患者さんはいちいち何度も言う必要もなくなりますし、言い忘れというところも漏れがなくなると。そういったことで質が上がってくるということが期待できるとか、実際に診察の中で所見を入力したあとに処方オーダーを出すときには、薬の情報と重複のチェック、これは電子処方箋の機能を使いながら処方の重複チェックができるということで、ここでも質が上がっていく。最後一番右にいって、薬局まで行きますと、実際に薬剤師さんも同じ6情報や処方の情報が見られますので、服薬指導ができるとか、そういったように、この標準型電子カルテを入れることで医療DXのサービスとつながっていくことから、このような業務が期待できるのではないかと考えております。
併せて、紹介状の場面においても、一番左の診療所で先生に診療情報提供書を電子的に作っていただいたあとに、隣の病院の箱になりますけれども、大きな病院に患者さんを紹介するときに、ここでも電子的にやり取りできるとか、ここで入院されて、退院してまた診療所に戻っていただくようなときにも、退院サマリーと併せて紹介状をセットでまた電子的に送るといったことで、こういった業務的な効率というところにもつながっていくだろうと。
患者様の視点になりますと、22ページになりますけれども、例えばアレルギーや検査の結果といった6情報が閲覧できるとか、これらの情報を元にした患者サマリーといったものも、今、検討させていただいておりますので、患者様も実際自分の健康に使っていただけるというようなメリットがあります。
23ページ目になりますけれども、こういったものを実現するためのシステムのイメージになります。こちらは、細かくはお話ししませんけれども、先ほど申し上げましたとおり、標準型電子カルテでクラウド上に配置して、この真ん中に標準型電子カルテという箱がありますけれども、その下に「医療DXのシステム群」ということで、オンライン資格確認等システムや電子処方箋管理サービスといったものにつながっていく。一方で、この右側の民間のシステム群(オプション機能)と記載しているところについても、APIの連携機能を考えていく。ただ、民間の事業者の提供するシステムはかなり多く存在しますので、どこまでどうしていくかというところは、技術作業班の皆様から結構意見を頂いておりますので、優先順位を付けながら、その対象範囲だったり実装の方法を考えていきたいと考えております。
御参考に、こちらの24スライド目が技術作業班で頂いた意見になります。やはり部門といいますか、周りとつなぐというところは考えていかないと駄目だということを頂いております。
25スライド目は、そういった中で実際に優先順位を考えていくときの参考にしたいと思っているものです。こちらは、実際にこれから本当に導入を予定しているという医療機関の方々に、どういったことを期待して電子カルテを入れたのですかとお聞きしたときのお答えです。その中で、「レセコンとの連携」であったり、検査オーダーの結果を電子的に見たいというニーズがあるということも頂いております。こういったように、実際に電子カルテを外とつないでいくといった時には、業務のニーズも踏まえて進めていくべきかと思いますので、こういったことを参考に進めていきたいと考えております。
最後の26ページになります。そうしたことを踏まえて、本日御意見を頂きたい観点を3つ御用意させていただいております。まず1つ目です。こちらの導入対象として、まずこのα版の対象を医科の無床診療所、かつ、診療科によらない共通の診療行為を想定しております。こちらに対して、もっとこういった観点が必要ではないかとか、進めていく上でこういったことに気をつけたほうがいいという観点がございましたら頂きたいというのが1点目でございます。
続いて、2点目が特に聞きたいお聞きしたい観点になりますけれども、導入に向けた考慮点ということで、今、紙カルテの医療機関に対して導入いただく。特に診療所に関しては、実はもうクラウド型の電子カルテというような形で比較的低コストのものも世の中にあると承知しておりますし、先ほどのアンケートにもございましたけれども、コストだけではない部分もあるかと思っております。ですので、どういった理由で導入してないのかとか、この医療DXとメリットを伝えながら、どういうふうに導入していくといいかというようなところを、御意見を頂ければと思います。
3つ目は、少し同じような話になりますけれども、そうした中でこの標準型電子カルテを導入していく上で、導入メリットが見込める業務や機能がもしございましたら、例えば診療所さんなどですと外部の検査機関にオーダーをするということが多く、ここがなかなか、まだ煩雑だとも伺っております。そういったところの業務的なニーズがもしあれば、優先的に考えられるかと思っておりますので、御意見を頂ければと思います。
3つほどテーマを御用意させていただきましたけれども、本日は第1回、初回ということですので、標準型電子カルテ全般に関して幅広く御意見、御質問等を頂ければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
では、ここでいったん、私からの御説明は以上となります。ここからの進め方といたしましては、オンラインのほうは手挙げボタンで、こちらにお越しいただいている皆様も手を挙げて、こちらからお願いいたしますということでお声をおかけさせていただいて、皆様から一通りお声を頂く形からさせていただいて、時間があれば、そのあとフリーディスカッションという形で進めさせていただきたいと思います。
〈意見交換〉
【杉山室長補佐】  それでは、今までの話の中で、御意見だったり御知見を頂ける方、お願いいたします。長島構成員、よろしくお願いいたします。
【長島構成員】  19ページのところに、導入のメリットがあります。つまり、これがメリットとしっかりと感じていただくことが重要かと思います。その観点から、26ページの幾つかの論点について意見を申し上げます。
まず、導入対象として、最初はできるだけシンプルな形がいいかと思いますので、そういう意味では、外来だけということで、医科の無床診療所というのは妥当性が高いと思います。診療科によらない共通の診療行為というものも妥当なものかと思います。一方、ここのところで、要するにカスタマイズのニーズが当然生まれるので、初期の段階から例えば民間事業者に参加していただいて、オプション的にそのようなカスタマイズなども、どんどん検討していただく。あるいは、もうある程度の段階で提供可能ならば、テスト的な段階なので、無料でそういうカスタマイズなどをどんどん提供していただくというような形で、もう最初から協力いただくというのも1つの手ではないかと思います。
それから、導入に関してですけれども、紙カルテのところに導入していただくために、1つは、メリットを明確にするということで言うと、そもそもこの目的が医療DXの様々な機能を実現するためということであれば、別に紙カルテはそのままでも構わないわけです。必要な情報の閲覧がきちんとできて、あるいは必要な情報を提供さえできれば、診療ログとしては紙カルテそのまま使っていただいて、医療DXの機能を活用するための仕組みとしてこの標準型電子カルテを利用していただければいいので、紙カルテはそのままでいいですよと言っていただくだけで、ハードルはかなり下がると思います。また、そういう形で、例えば電子処方箋も標準的に導入できますとか、検査結果の受け取りもできますという形で、紙カルテはそのままでもいいですと。医療DXの効果、そして目的を達成していただくことが重要なので、そういう形でやっていただくと非常にいいのではないかと思います。
それから、特に新規に開業されるところは極めてメリットが大きいと思うので、そういうところも大きなターゲットになるかと思います。また、当然ながらオンライン資格確認のシステムを使うので、その義務化対象外となっているところはそもそもシステムが入ってないわけですから、そこは対象外ということになるけれども、こういう形でいろいろなメリットがあるということで、対象外のところでもオンライン資格確認等システムを導入していただくというインセンティブにもなり得るのではないかと思っています。
連携すべき実装機能としては、α版では難しいかもしれませんが、基本的には例えば民間のPHRサービスとの情報連携、あるいは既存の地域医療連携ネットワークとの情報連携があると非常に大きなメリットになるので、機能として例えばAPI連携などのところをしっかり整備していただくことで、そういったところでも可能にするということが重要ではないかと思います。
また、どちらかというとレセプト機能に由来するのですが、労災とか自賠責もよく使われるので、そこともレセプト機能との連携ができるように最初からしておくいうことが重要かと思います。また、例えば行政への様々な提出文書をワンストップ化していくということも医療DXの大きな課題ですので、そこにも使えるように最初から想定していくということ。あるいは、診療報酬のところで様々な管理料とか指導料においてはこういう情報を患者さんに提供しましょうというようなことがあるので、これも将来的にそういうところにきちんと対応できるように最初からしておくということが重要かと思います。
どこまでを国が開発するのかというところは、実際にやってみて、どれくらいコストがかかるのか、あるいはどれくらいの機能を実装するとなるのか、あるいは民間事業者がどれくらい参加できるのかというところを見ながら、やりながらバランスを考えていくということが重要ではないでしょうか。私からは以上です。
【杉山室長補佐】  貴重な御意見、ありがとうございます。このあと、一通り皆様から御意見を頂戴したあとに、今時点で、こちらで考えていることでお示しできることはお話しさせていただきたいと思います。続いて、高橋構成員、お願いします。
【高橋構成員】  全日本病院協会の高橋です。幾つか質問といいますか、意見になりますけれども、このワーキンググループの意図とすると、標準型を意識しつつ、オンライン資格確認等システムを前提として電子カルテ導入率を高めるにはどうしたらいいのかという議論を、堅苦しくなくディスカッションしようという会なのではないかと思ったのですけれども、そうであれば、標準型という定義を明確にしていただいたほうがいいのかなと。いわゆる標準規格に準拠というのは、私たちはわかるでしょうけれども、管理者さんにとっては、同一の電子カルテというふうに誤解したり、そういうところがありますので、明示されたほうがいいのかなと思ったことが1点です。
それから、18ページです。この標準型電子カルテ、上の下線に書いていますけれども、国が提供する「必要最小限の基本機能」とはいったい何なのだというところかなと思うのです。国のほうで、いわゆる基本機能を提供して、それをバージョンアップする。それで、カスタマイズ、いわゆるオプションはベンダーさんに任せるということであれば、もし国のほうでそれを定期的にパッケージとしてバージョンアップするのであれば、一回一回カスタマイズごとに外さなければならないのか、どうなのかというのが、API連携でどうなっていくのか。やはりコストの問題がありますので、そこは知りたいところではないかと思いました。
それから、その前の17ページですけれども、このアンケートは医師の年齢層では分けてはいないのですよね。その医師の年齢層と、確かヒアリングのほうにも「高齢の父が」という話もありましたけれども、あとは、その診療所にITを扱える人がいるかどうか。特に今後、サイバーリスクを考えると、ネットワークを考えるということが非常に大事になってくると思うのですけれども、そういうところがわかれば、また電子カルテ導入の対策もまた違ってくるのではないかなと思っています。
それから、メリットを感じないというのは、情報共有という観点から言うと、診療所さんは、目の前にいますのでフェイス・トゥ・フェイスで十分だということではないかと思っています。他職種もそんなにいろいろな職種の方がいるわけではない。いわゆる紙カルテのほうが備忘録としても扱いやすいし、裏返せば電子カルテというのは自由度が少ないだろうなということになると思うのです。私の中では、やはり情報共有というキーワードと、それから連携範囲というキーワード、この2つが大事なのではないかと常々思っています。情報共有ということでは、診療所さんは紙でもいいのかなと思うのですけれども、これが連携となってくると、病病連携、病診連携、あるいは医介連携、在宅医療含めて、地域連携というキーワードで捉えると、今後、オンライン資格確認等システムも含めて電子化で導入ということは大事になってくるのではないかと思いました。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。それでは、山口構成員、お願いいたします。
【山口構成員】  COMLの山口でございます。このメリットということで、19ページに書いてございますけれども、私もやはりオンライン資格確認のシステムを使うことによって情報共有できるということが、患者にとっても非常にメリットだなと思っております。
特に電子カルテを導入していない診療所のドクターというのは、想像すると、やはり御高齢の方が多いのではないかと思います。御高齢の方が多いとしたら、患者さんも御高齢の方が多い可能性は高いと思います。そうしたときに、例えば医薬品の情報共有であったり、電子処方箋によって、例えば重複投薬、併用禁忌を避けることができる。そして、特に御高齢の方が、自分の使っている薬を把握できていない場合に、一元管理できるということが、ドクターにとっても非常にメリットになると思いますので、そこをまず強調して伝えていただくことが、「導入してみようかな」という1つのきっかけになるのではないかと思いました。
ただ、アンケートの結果を見ていますと、やはりパソコンのほうが、時間がかかるとか、慣れていないというような御意見があるところを見ると、多分、これはキーボードを入力することへのハードルではないかなと思います。先ほど、長島構成員のお話を聞いて、なるほどと思ったのですけれども、キーボードを使わずに済む方法はないのかと考えておりました。そうすると、紙カルテで、入力のところだけはそのままでもいいということになると、確かにハードルは少し低くなるかなと思います。それ以外に、今考えられているシステムで、音声入力などもありますね。今回、α版ということで、どこまでそういったことが使えるのかどうかということを、確認でお聞かせいただきたいと思います。
そして、患者として実装していていただきたいと思うこととして、今は病診連携が非常に求められているわけですけれども、例えば患者が大きな医療機関で積極的、専門的な治療を受けて、そして逆紹介される時に、画像データはほとんどCDで渡されます。それを自分のかかりつけのドクターのところに持って行った時に、やはり画像は見ていただきたいという気がしますので、そこは実装していただくようなα版になるといいと思いました。
最後に、これは提案ですけれども、なかなかITに慣れていないという方は、触ること自体を避けておられる方も多いのではないかと思うのです。そこで、ある程度形としてできてきた時に、何箇所かでワークショップみたいなものを開いて、こういうふうにするとこんなことができますということを実感していただけば、それをやってみてどうだったかということを公表することによって、「ああ、なんか思っていたけれど、同じような仲間で嫌だと思っていた人がやってみたら、こんなプラスのことが出てきたんだ」ということを好事例として紹介することができれば、やってみたいという方も増えるのではないかと思いました。そういったことも取組としてしてはどうかと思いましたので、提案させていただきたいと思います。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。続きまして、オンラインの大道構成員、手を挙げていただいていますが、お願いできますでしょうか。
【大道構成員】  まず1点目は、12ページの「電子カルテ未導入機関の現状把握」ですが、これを見ていくと、3年に1回調査されているようなので、今年の調査結果もなるべく早いうちに知りたいなと。恐らく、これは上がっていると思うのです。今の現状の一般診療所も、例えば一代目がリタイアして二代目が継ぐ時は、必ず電子カルテになっています。若い先生方は大学の時代にもう電子カルテに慣れているので、逆に紙カルテに戻れないというような状況になっていますので、この辺りは増えているのではないかと思いました。
それと、18ページの絵ですけれども、確かに標準型電子カルテがこの真ん中でキーポイントになるような形なのですが、現実的には、現場においてはこれよりもオプションのほうが非常に大事です。今回、最大公約数で行うと決まったということなので、しかもターゲットを内科のクリニックにターゲッティングしようということで、これは妥当なやり方だと思っています。とは言うものの、内科のクリニックにはこの標準カルテでさばける患者さんだけ来るのかというと、そうではないわけです。そうしたら、その標準カルテでさばけない患者さんが来た時にどういう始末をつけるかというと、その人だけ紙カルテするというのも現実的ではないので、その辺りの包含をどこまでするかというのは非常に難しいところがあります。
ですから、そもそも論なのですけれども、これをあえてするのか。どこかのポンチ絵に、情報連携するとこんな素敵な世界ですよというポンチ絵が何枚かあったと思うのですが、これはスタートしてから10年、20年後の世界です。7割、8割以上の医療機関がすべからく医療情報プラットフォームに乗るという状況になれば、この果実を得ることができるのですけれども、半分以下の医療機関しかエントリーしていない場合には、これはかえって危険で、その情報だけを信じて治療することが、逆に言うと、得られる情報を得られていないということもあるので、その辺りが当分の間は少し心配だというのはあります。
もともと、マスターがしっかりしていて、共通のマスターがカチッとできていて、出力フォーマットがきっちり決められていれば、それだけで情報連携というのは本来できるはずなのです。中身の電子カルテのアルゴリズムは、それぞれいろいろな医療機関が別々なものを持っていても、出と入りのところをしっかりしていれば、それで十分対応できるはずなので、そこにオンライン資格確認のアプリケーション、そして電子処方箋のアプリケーション、それと、今作ろうとしているモジュールを組み合わせると、骨格はだんだんできてきますので、あとは病院あるいは診療所それぞれの得意分野におけるいろいろなやり方もあるでしょう、それをあとで乗せていくということで、現状の電子カルテに近いものになると思うので、そういう攻め込み方もあるのではないかなと思っています。
ですから、内科だけであったとしても、それを作って進んでいくとどこかで壁に当たりそうな気がするので、少し心配しているところです。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。菅間構成員、お願いいたします。
【菅間構成員】  今の話で、当初の説明の時は内科の診療所を中心という話でしたけれども、今回は診療科に依存しないという説明だったと思います。そこのところは少し違ったかなと。
総論的な話から始めさせていただきますと、今回は最初のですので改めて、本来、韓国であるとかアメリカに比べて、ある意味で、日本のこの電子カルテがこのような状態になって、標準化されてない背景をよく検討しておかないといけないのではないかと思うのです。なかなか難しいですけれども、差し当たってその前提としては、現状の民間医療機関の中で電子カルテの存在というのは、かなり経営的に大きな負担になっています。導入のたびに、ハードは10年に1回全部買い換える時に大きな負担がありますし、さらには診療報酬の改定前に、改定ごとにそれぞれ修正を求めるために各ベンダーにお金を払って実施しますし、あるいは毎年毎年の年間の保守料もかなりの額になっています。その額自体は、大体国内の医療機関の経常利益は1、2%がいいところですけれど、実際は電子カルテを維持するために払っている額は5%くらいが平均、あるいは、規模によっては小さいとそれよりも大きくかかっているということもあるということを、現状として御理解いただいた上で、電子カルテを導入することによるメリット、先ほどの患者様にとって、いろいろな情報が共有されること、これが一番重要なことだろうと思うのですけれども、デメリット、今言ったお金の点やもろもろ含めて、基本的には医療機関が負担している。医療機関が負担しているということは、結局はいろいろな意味でその医療機関の質に関わってきているということを御理解いただきたいと思うのです。
その中で、今回、導入にあたっての目標を、改めて確認していかないといけないと思うのです。今回、診療所にターゲットを置いてOKだと思うのですけれども、それで終わってしまっては全く意味がなくて、きちんと全国の病院全てに共通に使われることをゴールにするのだという観点を改めて確認しながら行くときに、全ての医療機関にとってメリットがどんなところにあるのか、差し当たってどんなところがメリットとしてまず考えられるかということの確認をしていかないといけないのではないかと思っています。
先ほど、最初の幾つかの説明の中で、杉山室長補佐のほうから、お金は別として病院の効率化の中で一番ポイントになるのは維持業務の効率化だという話が出ていましたけれども、全くそのとおりだと思っています。今、診療記録はいろいろなベンダーでまちまちですけれども、全国で、標準で共通で使われているのは、診療報酬の請求に関しては、これはもう標準で使っているわけですよね。そこのところをベースにしながら、価格も頭に入れた上での導入の仕方が重要ではないかと。
その中で、この18ページのシステムの構成、これはすごく素晴らしいと思っています。具体的に何が素晴らしいかというと、真ん中の標準型電子カルテとその下の標準型のレセコンシステムは直接つながっているけれども、民間の提供するオプションとしての電子カルテは、レセコンシステムはなくてもいい歯車になっているのです。これはかなり大きいのではないかと思っています。
先ほどの、診療報酬の改定ごとに各ベンダーにいろいろしないといけないというのは、本来診療報酬自体は国がある期間で出してくるのはもうわかっているわけですけれども、それは国の責任において、そこのレセコンの機能に関しては無料で提供していただければ、こういう歯車の形になって、これは医療機関にとって大きなメリットです。それは診療所にとってもそうですし、診療の細かい記録は、先ほど最初に、紙でという話もありましたけれども、紙でもいいかもしれないですけれども、まず標準で動いている診療報酬の請求に関しては、この形で、無料でクラウドで提供していただければ、ある程度年をとった先生がやっている診療所でも、事務の医事課の人間がいればやっていけると思いますので、そういった点を新たに導入する。この標準型の電子カルテが診療所だけにとどまらずに、中小、さらには大型の特定機能病院も含めて使われるようになるには、やはりそこの切り込みのポイントを改めて最初に確認しながらやっていくことが大事ではないかと思っています。
今、全てのいろいろな電子カルテを見ると、過剰にカスタマイズされている感があって、それが故に非常に高くなっています。それで、そこのところは先ほどのオプションとして、それぞれの医療機関が各民間のベンダーにお願いして行えばいいと思うのですけれど、共通でメリットが得られるところは、ぜひともクラウド上で、ある意味で、無償で国のほうで提供してもらって、そこをベースにマイナンバー、オンラインの確認、もろもろ含めて使われる方向で、全ての医療間にこのベースが広がるような形で考えていただければありがたいと思います。話が一部まとまりませんでしたけれども、感想も含めてです。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。中島構成員、お願いいたします。
【中島構成員】  日本精神科病院協会の中島でございます。スライドの12番ですけれども、これは一般病院の導入率だと思います。精神病院ではもっと低いと思います。多分、200床未満であれば3分の1くらいではないかと思います。
この導入にあたって、当然、メリットとしては情報の共有とか地域連携とか、そういうことはあるのでしょうけれども、導入にあたってはやはりお金の問題があると思うのです。当院でも、入れた時にはもうかなり、何千万円とかかっています。費用がかかってもそれ以上のメリットがあればいいと思えばいいのでしょうけれども、例えばクリニックでメリットがあまり感じられないのであれば、やはり導入にあたっては国がある程度補償するとか、無償で提供するとか、そういったことも考えないと、なかなか導入には結び付かないのではないかと思っています。
それと、アンケートで、クリニックの先生方は結構高齢の方がいるという話ですけれども、若い先生でもなかなか電子カルテが使えないとか、キーボードが使えないという方もいますので、やはり医者だけではなくて、コメディカルの方が電子カルテを入れたほうが非常に効率の良い仕事ができるとか、そういうようなことがあれば、コメディカルのほうから先生方に突き上げて、「導入したほうがいい」とか、そういった形になればいいのではないかと思っています。
それと、精神科というのは文書管理というのが結構多いのです。例えば、病院であれば医療保護入院などはいろいろなもろもろの書類があります。クリニックであれば自立支援とか手帳、年金など、いろいろな書類があります。あと、例えば生活保護であれば病状報告書など。そういった書類も電子カルテを入れることによって割と簡便に書けるようにすれば、例えば氏名、住所、年齢などは電子カルテからひも付けされますので、そういったメリットがあれば、クリニックも「導入したほうがいいのではないか」と思うと思うのです。
それと、標準型電子カルテといっても、あまり強制的にしてしまうとやはり抵抗感があります。うちも電子カルテは入っていますけれども、一部は紙カルテも使ったりしているのです。だから、紙カルテも残しつつ電子カルテを入れるとか、必要な情報だけ電子カルテから情報をもらうとか、そういったように各医療機関での自由度を高めたほうが導入しやすいのではないかなと思いました。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。池端構成員、よろしくお願いいたします。
【池端構成員】  何点かコメントさせていただきたいと思います。まず、最初なので全体を通じてお聞きしておきたいのは、もちろん医療DXを進める、電子カルテを進めるということは1つ大きな前進と思いますけれども、このスケジュール見ると、まだα版を作って、そのあと令和10年に一応200床未満の病院・診療所全てにということを目標にしているのだと思うのですけれども、まだその途中経過が見えてこない。私が少し危惧するのは、これは多分、無償か廉価なもので提供する形を想定されていると思いますけれども、「では、それまで待てばいいではないか」という話になってしまって、逆にディスインセンティブにならないかということを少し危惧します。「入れなければいけない。でもコストがかかる。どうしよう、どうしよう」となった時に、では廉価のもの、安いもの、あるいは無償提供できるかもしれないと思うと、できるまでずっと待っていようということになってくると、逆にそのスピード感を遅くしてしまう。
一方で、補助金が出る出ると言って、なかなか明確に出てこないのですけれども、併せてそのスケジュール、今、既存のベンダーでかなり廉価のものができてきていますので、そこはそこでどんどん入れてくださいということも一方で進めて、合わせ技でいかないと、ずっとこれを待っていて、もしこれが途中混在した場合、あるいはタイムスケジュール遅れた場合に、かなり遅れてしまうのではないかということを心配します。
特に中小病院は、規模は小さいけれどもケアミックス病院が多く、標準型電子カルテといっても、想定するものはなかなか大きい規模になるのではないかという気がします。だから、その辺も含めてもう少し、これは技術ワーキングでもんでいただいたあと、かなり遅れる可能性があるのであれば、そういう合わせ技でいったほうがいいかなと個人的には思いました。
それから、今、長島構成員と、あと、先ほどの委員もおっしゃった紙カルテとの併用というのは、私はありかなと思っています。当院も少し紙カルテも残そうと思っていたけれども、ただ、やっていると残したメリットがほとんどないので、次第に紙カルテはなくす方向で、もう2カ月でがらっと変わってしまいました。そういう方法で、最初の取っ掛かりは「残してもいいですよ」というところが入っていくと、特に診療所の先生方は移りやすいのではないかと思います。
電子カルテの一番の魅力は、先ほどおっしゃったように、医事が自動的に入ることですから、そうなるとやはり入力しなければいけないので、その便利さを共有しようと思うと、自然に紙カルテをなくしていく方向に当然いくと思いますので、最初はあまりがらっと変えなくてもいいのですよということから入っていくといいのかなと。
それから、最近はスマホでも音声入力がすごく精度が高くなったと思うので、今、山口構成員もおっしゃったように、音声入力もあると本当に入っていきやすいのではないかと私も思いました。
更に導入に向け考慮すべき点の中で、実装したほうがいいものということで、これはどちらかというとかかりつけ医をしているような診療所のイメージだと思います。となると、最低限、主治医意見書等の介護のところのソフト等が自動的にそこで入れられるようにしておいたほうがいいのではないかと感じています。種々の証明書や情報提供書などと共に、主治医意見書が書き込めるといいのかなと思いました。今のところ以上です。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。それでは、オンラインで長島構成員が手を挙げていただいております。お願いできますでしょうか。
【長島構成員】  この標準型電子カルテの目的のもう1つの大きなものとして、やはり、今後日本の電子カルテが目指すべき姿を示すということがあると思います。したがって、民間の事業者による電子カルテも当然様々な優れた点あるので、今後、それもしっかりと、国の提供する標準型と選択可能にする。各医療機関の事情、判断によって、選択できるようにする。ただし、民間事業者のものもやはり標準的な機能はしっかり持っていただかなければいけない。特に医療DXがきちんと役立つという観点で言うと、やはり、この標準型電子カルテにおいて電子カルテが目指すべき姿をきっちりと示し、民間事業者もその方向に向かってしっかりと努力していく。そうすることで、民間のものを入れても、その方向へ向かっているから安心だというようなことを示すのも重要かと思います。
また、標準化の実際の効果として、日本医師会ではレセプトに関しては日医標準レセプトソフトを開発し、提供しています。今はORCA管理機構で提供していますが、そのそもそもの目的が、まずレセコンがベンダーによって囲い込みがあって、データが自分たちできちんと使えなかったり、乗り換え、買い替えが極めて困難であるいうことがありました。そこに対して日医標準レセプトソフトを提供することで、データがしっかりと医療機関で使えるようになったり、あるいは、乗り換えも十分可能になった。さらに、価格をかなり安く提供したことによって、結局、全体のレセプトソフトの価格がかなり下がりました。そういう形で実際に効果があるということを最後に報告いたします。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。木澤構成員、よろしくお願いいたします。
【木澤構成員】  26ページの「確認項目」についてお話ししたいと思います。標準型電子カルテの導入対象につきましては、現在のα版の導入対象を、医科の無床診療所で、かつ診療科によらない共通の診療行為を想定することについては、開発期間が非常に短いということでは、現実的な対応だとして賛成します。今回は広くということでしたので、その上での意見としまして、今後本格版を開発することもそう先の話ではないので、その本格版を見据えて標準型電子カルテとして国が提供する最小限の基本機能の内容・範囲については、丁寧な議論をすることが重要だと考えております。α版では対応しない機能であっても、今後導入対象を病院まで拡大することを視野に入れれば、日々の医療提供において必要な機能、例えば入院ですとか看護機能等もありますので、その要求に柔軟に対応できるよう拡張性を踏まえた形でα版を検討していくことが必要と考えております。患者が様々な医療機関を受診しますと、何度も何度も同じようなことを聞かれたりということからは、非常に情報共有は必要ですし、重症化予防とか慢性疾患の管理ということからも重要と思います。
次に、「導入に向け考慮すべき点」についてですけれども、電子カルテ導入率が50%に満たない200床未満の一般病院や診療所では、規模が小さいということで、顔も見える関係だし、そうそう必要性は感じてない、メリットが感じにくいという現状があるかと思います。導入にはやはり抵抗があると思いますので、キーボード操作にかなり抵抗があるということであれば、テンプレートにして簡単にするとか、スマホのように少しタッチパネルのような感じで、操作が簡単なものがよろしいかと思いますし、診療所では看護師も割と高齢の方だったり、そんなにキーボード操作も扱いに慣れてない方がいると思います。
一方で、医療DXの推進、全国医療情報プラットフォームの構築によって、患者情報の共有はもちろんのこと、様々な医療機関等との連携がつながれるということ、それは大変重要なことだと思います。そのためには電子カルテの導入が必要ということで、電子カルテの導入メリットが院内の業務効率化に資するものというだけではないということを、十分に伝えていくことが必要だと思います。
あと、25ページに、電子カルテ導入予定の医療機関が答えた、電子カルテに必要な機能が示されていますけれども、ここに示されている機能は、いわゆる院内で活用する機能となっていますが、今後は、医療DXの推進によって院外との情報共有、例えば診療情報提供書や看護情報提供書など、今は関係者間で文書でやり取りしているようなものが電子化で活用できることに大きな期待感があります。そういった医療DXが思い描いている将来像、そして、期待される機能を標準型電子カルテにおいても実装していくという道筋を丁寧に示していくこと。それによって導入の意義を現場で実感することにつながると考えます。
あと、様々な患者情報が入っているということでは、患者個人として、やはり自分の個人情報のことについて懸念があると思いますので、導入するときには情報リテラシーとか操作の説明会の実施といったことによっても、導入に対するハードルは下げられるかと思います。
「実装機能・構成」につきましては、最小限の基本機能とオプション機能を整理することについて賛同いたします。その最小限の機能の内容範囲についての検討が重要であることと、オプション機能と連携する上では標準規格化が非常に重要だと思っております。その標準型電子カルテの取組が様々な書式等の標準規格化の動きや、その普及を積極的にリードする形になるよう、ぜひお願いしたいと思います。診療報酬請求事務の合理化、地域連携の推進に資すると思いますので、ぜひその方向で御検討いただきたいと思います。
【杉山室長補佐】  皆様、貴重な御意見を頂きまして、ありがとうございます。残り20分程度になります。菅間構成員、お願いいたします。
【菅間構成員】  1点だけ追加してもよろしいでしょうか。今の、最終の26ページの実装機能の中で、例として外部の検査機関へのオーダーもろもろが自動的に行くと便利だから、これはすべきだみたいな形で載っているのですけれども、これは少し慎重に検討しないといけないのではないかと思っています。検体検査等はいろいろな事情の中で医療機関から外に出されて、検査結果が出てきたりしているわけですけれども、そこの場合には、ある意味で外部の検査機関の出すデータに関しては、その検査機関のデータが正しい・間違いはあるのですけれども、その内容に関しては一切責任を負わない形で、今、法律的には動いていると思います。その中で、今後例えば、いろいろな意味でDXと絡んでくる話としては、いろいろな遺伝情報も載ってくることになります。場合によっては遺伝性のいろいろな情報もろもろ含めて、かなりフリーに動き始めると、医療機関を介さずにそれが簡単に動くような情報になることもあり得るので、特に外部の検査機関へのオーダーもろもろに関してはどうぞ慎重に検討していただければと思っております。
【杉山室長補佐】  まず、いろいろな意見を頂きまして、誠にありがとうございます。その中から、御質問であったり、我々が今こう考えていますというところを少しお話しさせていただきまして、その上で追加があれば、頂ければと思います。
まず、診療所向けに導入をしていくにあたって、もともと我々は、最初から電子的にカルテというか、電子的に扱うべきなのかということも考えていた中で、紙との併用というほうがむしろ医療機関の方々にとって導入しやすいのではないかとか、いわゆるUI(ユーザーインターフェース)の話になるかもしれませんけれども、やはりキーボードというところはなかなかハードルが高いという中で、どういった入れ方をするのがいいのかというところについては、考えてまいりたいと思っております。ただ、機能についてはあまり、この標準型電子カルテで何でもできます、どんな形でも入力できますという形にしてしまうと、見たこともない電子カルテになってしまうので、それはやはり、どこまでが国がやって、どこまでが民間のオプションと組み合わせできるかというところは、丁寧に考えていきたいと考えております。
続いて、そもそも標準型電子カルテの「標準型」とは何ですかというような御質問を頂いたかと思います。まずこの標準型というのは、言い換えると「標準規格に準拠した」というような言い替えになろうかと思っております。では、標準規格とは何ですかとなりますけれども、例えば3文書6情報でデータを流通させましょうといったときに、HL7FHIRというデータの規格、これはデータを共有したり交換する方法の定義になるのですけれども、こういったものを使っていくということにしております。
標準規格に準拠していくメリットは、今後、この医療DXの世界で情報の共有、ほかの医療機関の電子カルテ情報などと情報共有して、同じ統一見解で見ていくためには、その規格というものを決めていかなければいけません。それを今後決めていきながら、進めていくことになります。そういったときに、この標準型電子カルテは、その標準の規格に準拠したような形にしていけば、ほかの医療機関の方々との電子的なデータのやり取りがしやすくなる。そういったコンセプトで、この標準型というような定義というか、ネーミングにしております。
続いて、必要最小限の機能について、御質問や御意見を頂いたかと思います。この必要最小限の機能の考え方としては、民間のサービスにもかなりいろいろないいものがある中、この標準型電子カルテの中に何でもかんでも詰め込むと、それは少しトゥーマッチなものになるかと思っています。そんな中、最小限というところについては、少なくとも国の医療DXの基盤、全国医療情報プラットフォームとつなぐというところに関してはしっかり、まず優先度高く作っていくべきだと思っております。一方で、民間のサービスで、先ほどの音声もそうかもしれませんし、UIに関するところですとか、部門のシステムもいろいろなものがある。こういったものは標準型電子カルテが手を広げるべきものではないかと思っております。その辺りの、どの辺までかというところは、α版を作っていきながらになるのですけれども、考えていきたいということで、まず考え方だけお話をさせていただきます。
アンケートの中で、年齢構成はわかるのかというところに関しては、アンケートそのものは、実は把握できておりません。ただ、こういったお答えを頂いた中から、個別にヒアリングをさせていただいております。そういった方々に伺いますと、やはり御高齢の方ですとか、親子でされていて親御さんが御高齢ということはかなり多かったというところは把握しております。皆様の感覚と同じかなということで、そういった方々に導入いただくということを想定して進めていきます。
続いて、オプション機能のほうがむしろ大事であったりするところは、オプション機能と一言で申し上げていますけれども、いろいろな機能、部門システム含めてですけれども、たくさんあると思っています。この標準型電子カルテで何でもかんでもやみくもにくっつけてしまうと、これはこれでまた、今とあまり変わらないような形になってしまいますので、ここをどのように標準化しながらつなぎ方を決めていくかというところは、考えていく必要があるということで、御指摘のとおりかと思っております。
続いて、最終的なゴールは何なのだというようなお話を頂きました。まず工程表でお示ししているゴールは、冒頭の御挨拶の中でも触れさせていただきましたけれども、スライドでいきますと4スライド目になります。もともとこの標準型電子カルテは、喫緊ではまずα版開発しますというふうにお話ししていますけれども、最終的に、遅くとも2030年には概ね全ての医療機関において、必要な患者の医療情報を共有するための電子カルテの導入を目指すといったことでございます。ですので、今、電子カルテを既に導入いただいている医療機関もございますけれども、やはり共有していただくために電子カルテ情報共有サービスにつないでいただきたいということでお話をさせていただいていますし、そもそも電子カルテが入っていない医療機関の皆様には、その情報をプラットフォームに上げていただけるような形でのカルテを導入いただきたいということになりますので、ここがゴールということになろうかと思っております。
続いて、費用の話、特に診療報酬についての話を頂きました。この場の話ではないかもしれないですけれども、医療DXの施策の中には3本の柱の中の1つに、診療報酬改定DXというものがございます。この診療報酬のところがなかなか、いわゆる事務コストも含めて負荷になっていることは承知しておりまして、そのためにその柱もあるくらいです。この標準型電子カルテ単独で何かできるかは、いろいろ考えなければいけないのですけれども、将来的にはそこも見越して、標準型の電子カルテとレセコンの一体というところも、結局、診療報酬のところを意識した形にしていかなければならないと思っております。まだα版なので、これからということにはなるのですけれども、そういった先のことも考えて、このシステム構成を作っていきたいと思います。ここは、今はこれくらいでなりますけれども、お答えとさせていただきます。
少し駆け足になりました。いろいろな御意見を、本当にありがとうございます。
すみません、もう1つ。今のこの瞬間において電子カルテを導入しようかという考えていらっしゃる医療機関の皆さまに、どうしたらいいかという考え方になりますけれども、まず標準型電子カルテについては、これからα版を作っていきますという段階なので、まだまだしばらくかかります。先ほど申し上げましたとおり、まずは最小限の機能を見越して、そこからどうしていくかを考えていくというようなフェーズでございますので、今、電子カルテを入れようかと考えている方々に、この標準型電子カルテを待っていただく必要はないと考えております。そもそも、医療機関さんにとって電子カルテを入れるというのは、いろいろな経営課題のある中で、部門であったり従業員の方々の状況、地域の状況もあると思うのですけれども、そういった中で選んでいただくというのが本来論であると思いますし、そのためにいろいろな電子カルテがあると思っておりますので、そうしたことも勘案しながら決めていただくというのがよろしいかなと考えております。
すみません、今、事務局からお答えできる回答は以上となります。ほか、皆様、御意見等はありませんか。池端構成員、よろしくお願いします。
【池端構成員】  御返答ありがとうございました。私もそう思います。粛々と電子カルテを、それぞれの医療機関の事情に応じて、導入するべきものは早く導入していただくということで進めていくのはそのとおりだと思います。
そこにあたって、医療DXと言っていますけれども、電子カルテを入れることイコール医療DXではなくて、そのあとにあるいろいろなシステムの改築とか、そういうところが非常に大事だと思っています。入れた時にいろいろな業務の見直し等があって、それが効率化する。ただ単にデジタル化したから良くなったのではなくて、いろいろな意味の見直しが行われたということがあるので、そういう中小病院や診療所の方々の好事例を幾つか集めて、それをお示しして、「皆さん、ぜひ考えてください」ということもありかなと思ったので、追加で発言させていただきました。
【杉山室長補佐】  ありがとうございます。オンラインで長島構成員、手を挙げていただいています。お願いいたします。
【長島構成員】  最初にも申し上げましたけれども、医療DXの本来の目的が、これまではばらばらだった医療や介護保険の情報をしっかりとみんなで共有し、特に患者さん御自身も含めて共有して、医療の質と安全性を上げる、あるいは効率化するということなので、その中の1つの有用なツールとして電子カルテがあるだけです。つまり、電子カルテが目的ではありません。情報の共有、活用ができるツールとして電子カルテが使えればいいので、電子カルテそのものを目的化してはいけないと。つまり、先ほど言ったように、紙との併用など形で情報の共有さえできればいいということで、絶対目的化してはいけないということで、よろしくお願いいたします。
【杉山室長補佐】  御指摘、恐れ入ります。御指摘のとおりかと思いますので、目的と手段が逆転しないように意識しながら進めていきたいと思います。
菅間構成員、よろしくお願いいたします。
【菅間構成員】  今の長島構成員に加えて、情報の共有プラス、ある意味で医療業務の効率化ということも入っていますので、忘れずに頭に入れていただければと思います。業務の効率化がない限りは、どんどん費用も増えますし、医療全体として電子カルテを入れたことによってどんどん効率が悪くなるということにならないようにだけ、ぜひともお願いできればと思います。そこのところを、目的のところで改めてきちんと確認しておいていただければと思います。
【杉山室長補佐】  御指摘ありがとうございます。
3.閉会
【杉山室長補佐】  では、予定の時間になりましたので、第1回ワーキンググループは以上とさせていただきます。冒頭申し上げましたとおり、第2回については今年度もう一度させていただこうと考えていますのと、今日の皆様からの御意見を踏まえ、並行して技術作業班でも技術的な観点からいろいろ御知見を頂いております。ですので、こういったことでコミュニケーションをとらせていただきながら、標準型電子カルテに取り組んでいきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
では、本日は以上とさせていただきます。ありがとうございました。