- ホーム >
- 政策について >
- 審議会・研究会等 >
- 人材開発統括官が実施する検討会等 >
- 2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会 >
- 第1回2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会 議事録
第1回2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会 議事録
能力評価担当参事官室
日時
令和5年12月15日(金)13:00~15:00
場所
会場:中央合同庁舎5号館 共用第9会議室(17階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
議題
- (1)2028 年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会について
- (2)技能五輪国際大会の概要について
- (3)2028 年技能五輪国際大会招致に向けた競技力強化・人材育成の方向性
- (4)2028 年技能五輪国際大会招致に向けた周知・広報について
- (5)国際大会招致(基本計画)(案)について(非公開)
議事
- 議事内容
○事務局(渡邉) それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第1回2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会」を開催いたします。私は事務局の厚生労働省人材開発統括官能力評価担当の補佐をしております渡邉と申します。どうぞよろしくお願いいたします。座長が決まるまでの間、進行を務めさせていただきます。
それでは、本日の有識者検討会開催に当たりまして、事務局の厚生労働省、愛知県、中央職業能力開発協会からそれぞれ挨拶をさせていただきます。まず、人材開発統括官の安達参事官、お願いいたします。
○事務局(安達) 厚生労働省能力評価参事官の安達でございます。本日は、統括官の岸本が所用のため遅れておりますので、冒頭、私から発言させていただきます。
厚生労働省では11月10日に2028年技能五輪国際大会の招致表明を行ったところでございます。厚生労働省としての皆様への御挨拶については後ほど統括官から改めて行わせていただきますが、厚生労働省としては愛知県、中央職業能力開発協会の皆様としっかりと連携を図りながら、また本日の検討会に御参加いただいた皆様の御意見を丁寧に伺いながら、今後招致に向けた取組を進めてまいりますのでよろしくお願いいたします。
○事務局(渡邉) 岸本統括官については到着次第、挨拶をさせていただきます。
続きまして、愛知県労働局長の大嵜様、よろしくお願いいたします。
○事務局(大嵜) 愛知県労働局長の大嵜でございます。愛知県では、技能五輪国際大会の開催は、日本の技術・技能の高さを国内外に発信するとともに、将来の日本を支える人材の育成や確保に大きく資するものと考えております。この愛知県でございますけれども、製造品出荷額等が45年連続全国1位のものづくり県でございます。技能検定合格者数もこれまでに延べ38万人を数え、企業や団体、学校などが選手育成に尽力され、技能五輪全国大会及び国際大会で愛知県の選手が数多くのメダルを獲得するなど、技能者の活躍が目覚ましい地域でございます。
2028年技能五輪国際大会の競技会場として想定している愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)ですが、2019年に開業した施設でございますけれども、ここで技能五輪全国大会を2019年度、2020年度、2023年度と、これまでに3回開催しております。さらに、来年2024年度、そして再来年の2025年度も同会場での開催が決まっております。本県といたしましても、国際大会の招致・開催に向けて技能競技大会の開催ノウハウを蓄積するとともに、技能尊重機運の醸成に取り組んでいるところでございます。2028年国際大会の開催が実現できますように、厚生労働省、中央職業能力開発協会をはじめ、皆様と協力して魅力ある開催計画づくりに取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
○事務局(渡邉) 大嵜局長、ありがとうございました。続きまして、中央職業能力開発協会常務理事の宗宮様、よろしくお願いいたします。
○事務局(宗宮) 中央職業能力開発協会(JAVADA)で常務理事をやっております宗宮と申します。この度は、約20年ぶりになります、我が国に技能五輪国際大会を招致するという事業に取り組ませていただくことに一同、身の引き締まる思いをしております。今回、産業立国である日本の中でも、特に有数のものづくり県である愛知での開催を世界への発信という観点でも、非常に意義深いものがあると思います。
さて、私どもJAVADAの業務として知られておりますのは、技能検定や各種の技能競技大会の開催でございますが、国際大会に関しましても、運営主体であるWSI(WorldSkills International)の我が国の窓口としてワールドスキルズジャパンの事務局を務めさせていただいております。
今後、招致に向けた活動が本格化するに当たりましては、WSIや関係各国との交渉、あるいは要請などの対応等の各種の国際的なやり取りが増加することとなると思います。また、国際的な規模の大会を円滑に開催するために情報の整理ですとか、あるいは諸々の準備も必要となってまいります。私どもといたしましても、これまで長年、世界各地で技能五輪国際大会が行われ、それに参画してまいった経験値をいかして、また、毎年、職業能力開発総合大学校の全面的な御協力を得まして開催させていただいている技能五輪全国大会を通じて培った知見を活用いたしまして、貢献をしてまいりたいと存じます。今後とも一つよろしくお願い申し上げます。
○事務局(渡邉) 宗宮常務理事、ありがとうございました。次に、お手元にお配りしております本日の資料の確認をさせていただきます。資料は読み上げませんが、次第に記載をさせていただいているとおりでございますが、過不足等ございましたら挙手いただきますと、事務局からお配りさせていただきます。
また、併せてですが、第2回有識者検討会日程調整表、それから、皆様の委嘱状を机上の右手のほうに配布をさせていただいております。
また、愛知県様から、今回の会場予定であるSky Expo、それから、愛知国際アリーナのパンフレットとリーフレットを併せてお付けしておりますので、本日説明のほうはいたしませんが、御承知おきいただければと思います。よろしくお願いいたします。
なお、資料のほうですが、資料7から10につきましては非公開の情報となりますので、取扱いには十分御注意いただけますと幸いでございます。
本日の出席者紹介につきましては時間の都合上、誠に失礼ながら配布の座席表にて代えさせていただきます。資料のほうは大丈夫でしょうか。不足のものがありましたら適宜お声掛けいただければと思います。
本日、御欠席の方につきまして御紹介します。一般社団法人中部経済連合会専務理事、増田義則構成員につきましては本日御欠席でございます。代理として、オンラインで鷲野課長に御出席いただいているところでございます。よろしくお願いいたします。また、日本労働組合総連合会愛知県連合会の可知洋二構成員におかれましては所用にて本日御欠席でございます。
オンライン参加の方について御紹介いたします。愛知県商工会議所連合会専務理事の内田吉彦構成員、株式会社日立インダストリアルプロダクツの阿部晴希構成員、読売新聞東京本社編集局管理部専門委員の大津和夫構成員につきましては、本日オンラインでの参加となります。よろしくお願いいたします。
それでは議事に入らせていただきます。まず議題(1)「2028年技能五輪国際大会招致に向けた有識者検討会について」ということで、資料1、2につきまして事務局から説明をいたします。
○事務局(安達) 安達でございます。まず、資料1を御覧いただければと思います。開催要綱をお示しさせていただいております。趣旨でございますけれども、2028年技能五輪国際大会の招致に向けて、実施計画の検討等を行うため検討会を開催するとさせていただき、検討事項でございますけれども、国際大会の招致に関すること、国内の招致機運・技能尊重機運の醸成に関することなどについて幅広く意見交換を行うものとさせていただいております。構成員については次のページに掲げているところでございます。
4つ目、運営でございますけれども、検討会は、人材開発統括官が有識者の参集を求め開催すると、また、座長は参集者の互選により選出するとさせていただき、検討会の庶務は、愛知県の協力を得て、人材開発統括官付能力評価担当参事官室において行うとさせていただいております。5でございます。会議、議事録等は公開ということになっておりますけれども、特段の事情がある場合には会議、議事録、資料を非公開とすることができるということでございます。
次のページがメンバー表でございまして、次のページが資料2、今後の進め方でございます。本日は第1回ということで、今後の進め方、招致(基本計画)についての1回目ということになります。2回目が令和6年2月に予定しておりまして、そこで基本計画について御審議いただく。また、3月にもWSIの検証訪問が予定されておりますので、これについて説明させていただくことを予定しております。検証訪問結果を踏まえた御意見等も踏まえながら、第3回を4月から5月に開催し、最終的にこの基本計画の取りまとめをしたいということで考えているところでございます。私からの説明は以上でございます。
○事務局(渡邉) 御質問等は特にございませんでしょうか。大丈夫でしょうか。ありがとうございます。それでは、本開催要綱に基づきまして議事を進めさせていただきます。
続きまして、座長の選出についてです。事務局といたしましては、技能五輪国際大会に見識の深い職業能力開発総合大学校教授の垣本映様はいかがかと思いますが、構成員の皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。異議がないようですので、垣本先生に座長をお願いしたいと思います。
では、ただいまから議事の進行を垣本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○垣本座長 職業能力開発総合大学校の垣本と申します。2014年から2018年まで技術代表を務めており、昨年の京都特別大会も技術代表補佐を務めさせていただきました。そういうことで今回、検討会の座長を仰せつかったと思っております。以後は皆さんの御協力を頂いて、円滑な議事進行に努めたいと思っております。
それでは議事に入りたいと思います。議題(2)「技能五輪国際大会の概要について」ということで、事務局から説明をお願いします。
○事務局(安達) 安達です。資料3を御覧いただければと思います。まず「技能五輪国際大会の概要」です。御案内の方も多いかと思いますが、改めて。上に書いてありますように、原則22歳以下の青年技能者を対象に隔年で開催され、幅広い職種を対象とする唯一の世界レベルの技能競技大会です。日本は1962年から参加しており、過去3回、国際大会を開催しております。最近でいきますと、2007年の静岡大会ということになります。主催は、ワールドスキルズインターナショナルという民間組織で運営されており、86か国・地域が加盟しています。先ほど宗宮構成員から話があったとおり、日本では中央職業能力開発協会が加盟しています。最後に書いておりますように、今後の国際大会は来年の9月にフランス・リヨン、2026年に中国・上海で開催することが予定されており、この次はどうかという状況です。
下のほうを見ていただきますと、来年フランス・リヨンで開催予定の職種が59あります。その中で日本が参加するのは、網掛け部分を除く49職種となっております。赤字と青字が最近追加された職種です。見ていただくと分かるとおり、ものづくりメインから、デジタル化とか、最近の環境変化等々に対応したような職種の追加が近年見られております。
次のページを御覧いただければと思います。これまでの開催実績です。ヨーロッパや日本を含めたいわゆるG8の国とか、BRICSと言われるような国々で開催されてきています。
次のページが、ワールドスキルズインターナショナルに関する説明です。加盟国が86となっています。アジアも多いのですけれども、やはりヨーロッパが非常に多いということになっております。右上に開催決定方法があります。過半数を超える国の投票で決定されます。
次のページです。2028年度大会の招致に関する情報です。実は日本も1回、2023年の大会に立候補して、残念ながらフランスに敗れたという経緯があります。今回、9月28日の総会で立候補の募集が開始され、先ほど申し上げたとおり、11月10日、厚生労働大臣のほうから、この大会の招致を表明させていただいたところです。先般、12月8日に主催団体から募集が締め切られたところです。今後は主催団体による検証訪問が3月上旬に行われる予定となっており、そこで適格だと認められれば、立候補に向けて最終的に提案書を出し、来年9月に開催地が決定されます。仮に開催が決まれば、開催に向けた準備を行うために、組織委員会等々を作ることを予定しております。なお、12月8日において、日本以外に関心表明を行った国が複数あると伺っておりますが、WSIのほうから具体的な国名については、現時点では非公開であると伺っておりますので、ここで具体的な国についての言及は控えさせていただきたいと思います。
次のページが基本的な開催のイメージです。今日、お手元に資料が配られております。会場はAichi Sky Expo、開・閉会式については愛知国際アリーナを想定しています。駆け足ですが、私からは以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて議題(3)「2028年技能五輪国際大会招致に向けた競技力強化・人材育成の方向性」について、事務局から説明をお願いします。
○事務局(安達) それでは資料5、2028年技能五輪国際大会招致に向けた競技力強化・人材育成の方向性に沿って、説明をさせていただきたいと思います。まず、1つ目の○に書いてある選手強化委員会を設けており、委員長には市川職業能力開発総合大学校教授になっていただいております。そこでの議論を踏まえ、「競技力強化・人材育成」指針というものを作っております。この指針に基づいて各職種ごとに分科会を作って、強化に向けた中長期的な取組を行っているところです。
次のページを御覧いただければと思います。これが指針の概要です。指針そのものについては参考資料でお付けしておりますので、後ほど御参照いただければと思います。まず趣旨です。1つ目の○にありますように、国際大会における活躍が、我が国における技能尊重機運の醸成に極めて大きな影響があるということで、競技力の向上を図ることが重要だと。一方で、ただ競技力の向上を図るだけではなく、国際大会をめぐる活動を通じて産業界の発展、人材育成に向けた取組の強化を図ることが重要だとさせていただいております。
具体的な対応です。先ほど話をさせていただいた「選手強化委員会」を設け、そこの下で「職種別分科会」を設置・運営し、例えば選手の所属企業・学校、業界団体等々の関係者によるオールジャパンの強化・協力体制をつくろうというところをうたっております。この「職種別分科会」の下で、具体的な訓練計画を作って人材育成等々に関する取組も検討し、実施していくという立て付けになっております。
2つ目が選抜方法です。次のページに少し出ておりますが、選抜については基本的に、国際大会の前年の全国大会で行うことが通例となっております。そこで、この全国大会の主査等と連携し、競技課題等々について国際大会に整合化させる取組を進めようということなどをうたっています。
3つ目が強化訓練です。例えば海外訓練、国内合同訓練等々を行うほか、国際大会へのアクシデント・環境変化の対応という課題になりますので、そういう対応力を図っていこうという話をうたっております。また、右上ですけれども、スタッフ、エキスパート、通訳、指導員といった人的な体制の強化も図っていくことになっているところです。さらに、この技能五輪国際大会については、まだまだ認知度が不足しているという問題意識の下、認知度向上のための広報とか、企業等に対して様々な協力の働き掛け、また一番下にありますように、優秀な成績を収めた選手などの表彰の実施などをうたっているところです。
すみません。前のページに戻っていただけますか。この指針については、大会が終わるごとに改定するということで、先ほどの指針はこの4月に改定したものです。国際大会を招致するということであれば、2つ目の○にあるように、これまで以上に国際大会への対応とか、様々な取組の強化を行う必要があると考えております。具体的にはということで、3つ挙げております。
1つ目は、選手強化委員会を中心として、官民を挙げて継続的に競技力強化等を行う必要があるだろうということで、海外選手との合同訓練の機会の確保、国際技能競技大会への対応強化、「ものづくり」の分野に加え、「デジタル化・SDGs等」といった新たな職種への対応の強化も図っていく必要があるだろうということです。
2つ目ですが、全国大会のあり方についての見直しが必要だろうということで、国際大会との競技職種の整合化の推進、国際大会に比べると全国大会での開催職種はまだまだ少ないという状況なので、そういうところの対応、国内的に社会的にニーズの高い職種の導入についても検討すべきではないか、全国大会において海外選手の受入れの検討等を行ってはどうかということを記載させていただいております。
また、先ほど広報の話があったのですけれども、更にということで、過去の大会参加選手がその後の活動のフォローをしていくなどの取組を通じて、大会参加の意義を発信するとか、子供や若者への発信の強化を含めた取組の強化を行うというところを記載しております。私からの説明については以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。議題(2)(3)について、続けて事務局より説明がありましたけれども、構成員の皆様から御意見あるいは御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。小林構成員、お願いいたします。
○小林構成員 小林です。御指名、ありがとうございます。御説明、ありがとうございました。技能五輪の概要ということで、資料3の1ページで正に直近から過去に遡って、我が国がどのように活躍してきたのか、その結果が羅列されています。直近の大会でいきますと金が8つということで、かなり健闘したのではないかということですけれども、もう少し長いスパンで見ると、やや苦戦をしているという方向で推移してきていることが見て取れるわけです。日本招致を実現させて、愛知から日本の高い技術・技能を世界に発信していくためにも、メダルをしっかり獲得できる水準の選手の育成が極めて重要なのだろうと認識しておりますし、先ほどの資料5でも触れていただいた選手の強化・育成に関する指針も、正にそういう視点に立ったものだと認識しております。
この指針では、競技課題についても、国際大会に整合化させる取組を推進するのだというように示していただいているところですが、一方で様々な職種がある中で、職種によっては国際大会課題と全国大会の課題の内容の乖離の大小があるだろうと思っております。なので、整合化の議論についてはここでの議論というよりも、もう少し全体の議論になろうかと思います。職種別分科会主査も含めて、そのお考えを丁寧に聞きながら進めるべきだと考えております。2028年も見据えながら、丁寧な進めをしていただければというお願いです。
○事務局(安達) 事務局です。小林構成員のおっしゃるとおりです。競技課題について、国際大会と全国大会というのは、そもそも競技時間が異なる等々の要因もありますけれども、課題に乖離があるということ、職種によってかなり差異があるということはおっしゃるとおりです。ここは、それぞれの競技主査にも御検討いただき、整合化の取組を進めていく努力を、ここ何年かさせていただいております。ただ一方で、これも今おっしゃっていたとおり、職種ごとに国内の様々な事情もあって、一足飛びに整合化というのは、なかなか難しい事情にあるということも承知しております。ですから関係者によっての御意見を丁寧に伺いながら、この整合化の取組をどう進めていくのか、基本的には先ほど申し上げた選手強化委員会、職種別分科会等々での議論が主になるとは思いますが、今日の議論については、そちらのほうにしっかりと伝えていきたいと思います。以上です。
○垣本座長 よろしいでしょうか。
○小林構成員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○垣本座長 ほかに御質問、御意見のある構成員はいらっしゃいますか。三原構成員、お願いいたします。
○三原構成員 今、整合化の話があったと思うのですけれども、我々も技能五輪に出場していて思ったのは、全国大会と国際大会は基本的に別物と考えています。国際大会は全国大会の延長ではあるのですけれども、別物ぐらいの気持ちで取り組んでおります。そうすると、逆に結構取り組みやすいと我々は思っています。その辺りも踏まえて進めていただければと考えています。以上です。
○垣本座長 では、事務局のほうから。
○事務局(安達) 今の部分は、正に職種ごとの状況や進め方も含めて丁寧にという、小林構成員の意見と通底するものもあると思いますので、その御意見も踏まえながら対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○垣本座長 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見のある方はいらっしゃいますか。それでは、この点に関して御質問等を思い付かれた方は、また後の時間で振り返って御質問していただけたらと思います。ありがとうございました。
それでは、次の議題に進みたいと思います。議題(4)「2028年技能五輪国際大会招致に向けた周知・広報について」ということで、事務局から説明をお願いします。
○事務局(安達) 事務局です。資料6を御覧ください。先ほど申したとおり、招致を表明したのが11月10日ということで、なかなかまだ期間が少ないということで取組にも限界がありますが、これまで取り組んでいったところ、また、現時点で今後こういうことを取り組んでいきたいというところについて、整理させていただいております。
まず、先ほども話のあった全国大会が、先月、愛知のSky Expoで開催されました。そこで、ポスターやバナーを使いながら、国際大会の招致についてのPRブースを設けてPRをさせていただいたということがあります。また、来年1月ですが、招致のPRのために、厚生労働省のホームページの中で、ポスターやリーフレットなどを掲載したいと思っているところです。また、愛知県さん等とも連携しながら、様々なイベントを開催し、その中でのPRを図っていこうということで、3つほど記載しております。来年2月ですが、技能グランプリが福岡で行われますので、そこでもPRブースを設けようと思っているところです。
次に、海外向けの対応です。先月末に開催されたワールドスキルズアジア大会において、厚生労働省から職員が出席させていただいて、約20数箇国程度の関係者に対して、リーフレットを基にPRを行わせていただきました。また、今後ですが、厚生労働省のホームページの中で英語版の資料を掲載するとか、愛知県さんにおいて愛知の魅力をPRする等々のリーフレットを作成する等々の取組を進めるということを記載しております。
次です。来年5月ですが、今度は招致のための専用のWEBサイトを設けたいと思っております。そこで様々な資料を掲載したいと思っております。また、来年の様々なイベントを開催する中でのPRを予定しているところです。一番下ですが、若年者ものづくり競技大会を来年群馬で開催しますが、そこでもPRブースの開設を予定しております。
次に海外向けです。PR専用のWEBサイトにおいては、海外版、英語版のものも用意してPRを図っていきたいと思っております。また、先ほど申したとおり、他国についても立候補に向けた関心表明という話もありましたので、厚生労働省といたしましても、外務省さん等々と連携しながら、大使館等々への働き掛けを検討したいと思っております。一番下ですが、来年9月、リヨン大会で2028年の国際大会の場所は決まるわけですが、その場においてPRブースを設けPRを行っていきたいと思っております。いずれにせよ、愛知県さん、中央職業能力開発協会さんと連携しながら、周知・広報については進めたいと思っております。まだまだ、こういうことをすべきで、こういうこともすべきではないか等の意見はあるかとは思いますので、御意見について賜れれば幸いです。もし可能であれば、愛知県さん等からの補足があれば幸いです。
○事務局(大嵜) 愛知県の大嵜です。愛知県としましても、学校などに技能五輪の紹介をする出前授業をしたり、あと、商業施設等で一般の方に技能五輪の国際大会の周知を図るとともに、国内・海外向けにパンフレットを作成し、厚生労働省さん、中央職業能力開発協会さんと一緒にPRと招致活動に取り組んでいきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○垣本座長 ありがとうございました。また、補足をありがとうございました。構成員の皆様から、今の周知・広報について御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いします。三原構成員、お願いします。
○三原構成員 周知については、日本の全国大会の主査若しくは国際大会のエキスパートが各職種にいますので、そのエキスパートを通じて各職種にそういうPRをするのも、1つの手かと思っています。というのは、職種の中で仲良く、仲良くない所もあるかもしれませんが、うまくこれまでやってきていますので、日本のエキスパートの一言というのは、かなり強いと思っています。可能であれば、エキスパートの力を是非そこで使ってもらったらということで思っています。以上です。
○事務局(安達) 非常に有り難い点だと思っています。いわゆる大使館等々を通じた公的な働き掛けに加えて、おっしゃるとおり、技能五輪の中でいろいろな職種ごとにつながりがあるということで、そういう部分をうまくいかすことを検討してみてはという御提案だったと思います。この点については、中央職業能力開発協会さんともよく御相談差し上げながら、どういう形で働き掛けをするのがいいかを検討させていただきますが、どういう方法を取るかは検討してみたいと思います。ありがとうございます。
○垣本座長 林構成員からお願いします。
○林構成員 林と申します。周知・広報の部分ですが、今、拝見しており、産業界からの盛り上がりというか、そういったところは非常に大切になるのだろうと思っています。やはり20年ぶりということもありますし、かなり幅広い競技がありますので、それぞれの団体、いろいろな分野の協力だったり、関係団体があると思いますので、そういった所から競技の方々に対してもしっかりと周知をしていただいて、一緒に盛り上げていくという取組も併せて、経済産業省とかいろいろな省庁も含めてですが、一緒になってオールジャパンで進めていくことが、まず一つ大切な部分かと感じます。
○垣本座長 ありがとうございます。どうでしょう。小林構成員からお願いします。
○小林構成員 小林です。今、御意見を頂いたところの補強も含めて、周知の部分の拡充は重要だと思っていますし、来年度に向けて、既に様々な取組が具体的に記述を頂いているところです。これは申し上げるまでもありませんが、今回の国際大会の招致をしっかり実現させていくことは、ものづくり振興を更に加速をしていく、もっと言ってしまえば、若年者のものづくり離れというところを、しっかり魅力ある仕事なんだというところを発信していく、そういう起爆剤になるだろうと考えています。魅力を感じた若者にものづくりの分野に入ってきていただく、こういうところにしっかり結び付けていくところも、1つの重要な役割かと思っています。
そういった意味では、今、少子化の中で、なかなか本人の希望だけで就職が決まるという状況にはないのかなと。具体的に申し上げますれば、若年の方の親をはじめとする親族の方、また、学校で言えば進路指導の先生、こういった将来の仕事を選ぶ際にキーマンになる人たちにも、私たちの取組がしっかりと届いていく、意味合いが届いていくということが、最終的な目標にしっかりとつながっていくことになるのだろうと思っています。
そういった意味では、取り分けホームページ、これも重要な情報発信だと思っていますが、来年、最終的に開催地が決定していくわけですが、その結果いかんによっては、若者本人だけではなくて、広く一般に、親も含めて、祖父母も含めて、技能五輪国際大会の開催、意味合い、魅力を発信するためにも、是非、一般のマスコミを巻き込んで広く情報発信ができるようにしていただければと。なぜ、こういうことを申し上げているかと言うと、ホームページは非常に有用なツールなのですが、どちらかと言うと、見たい情報にアクセスをしていく。取り分け若い方は、そういう活用が多いのだろうと。そういう性質を考えると、ホームページとともに、不特定多数の人がぱっと見られるような環境にも働き掛けをしていく必要があるのだろうと思っています。これは、今すぐというよりも、日本招致を実現させていくための会議なわけですが、正式に決まる、こういうタイミングのところで、しっかり検討を進めるべき課題だろうと思っています。以上です。
○垣本座長 貴重な御意見をありがとうございました。事務局から。
○事務局(安達) ありがとうございます。林構成員、小林構成員から、経済界の御協力を頂くための取組をしっかりすべきではないかとか、親世代も含めた若者に刺さるような取組を検討すると、そのとおりだと思います。しっかり検討をさせていただこうと思います。事務局から、もし可能であればですが、今日、御参加いただいているマスコミの関係者ということで大津様とか福田様から、工業高校の親世代の方も含めた働き掛けで、例えばどういうことが考えられるみたいな、具体的な御提案等があれば、それぞれコメントを頂ければ有り難いと思っているのですが、いかがでしょうか。
○福田構成員 全国工業高等学校長協会の福田と申します。どうぞよろしくお願いします。工業高校は全国に今586校ありまして、生徒が24万人います。そういった生徒に対して技能五輪国際大会は、私から見ると本当に夢の大会だと思っています。また、ものづくり大会も全工協主催で7競技行っています。実は今年100人の生徒が参加しましたが、そのうち14名が女子だったのです。7競技中4競技優勝したのは女子なのです。ですので、そういった意味で広く子供たちに今後も見せたいなというのが今一番思っていることです。よって、この招致に関しては、いろいろな機会で私どももアナウンスしていきたいと思っています。また、ポスター、先ほどあったホームページ、それから、最近、TikTokとか、余りXとかYouTubeを見ない人とかも今はTikTokはよく見るということはあるので、何かそういったSNSをうまく利用していただくことも1つの方法かと考えておりますので、是非とも情報発信を増やしたいなと思っています。以上です。
○大津構成員 読売新聞の大津ですが、一言よろしいでしょうか。
○垣本座長 よろしくお願いします。
○大津構成員 お答えになっているか分かりませんが、技能五輪の場合、スポーツの五輪と比べて、金メダルを取るということの重みというのが、これはちょっと見えにくいのかなというのがあろうかと思っています。例えば、過去の大会で金メダルを取った方を後追いして、そのスキルが社会や暮らしにどのように役立っているのか、その授賞された方の思いとか、日頃の仕事ぶりなども含めて、例えば動画にまとめて関連ホームページで発信していくという手はあるのかもしれません。先ほど御説明にあったように、2024年5月に専用のWEBサイトの運用を始めようということですが、このWEBサイトのコンテンツの1つになり得るのかもしれません。それから、その発信する手立てについても、WEBサイトだけでなく、LINEといった若者が使うようなSNSを使って発信していくということについても、検討の余地があるのかという気がしています。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。
○事務局(安達) ありがとうございます。今のお二方から頂いた貴重な御意見も参考にさせていただいて、その広報等の在り方については、愛知県さんなり、中央職業能力開発協会さんとも連携をしながら、様々考えていきたいと思います。ありがとうございます。
○垣本座長 新田構成員。
○新田構成員 経団連の新田です。周知・広報が非常に大事ということは、十分承知しています。資料に記載の内容に全く異論はありません。確認したいのは、2028年の国際大会招致に向けて、どのような広報が効くのかという点です。もっと言うと、国内に広報・周知しておくことが効果的なのか、海外なのか、それとも両方なのかについてです。開催候補地が決定される際に、国内で十分に周知されていることが、条件としてある程度加味されるのか否なのか。招致を目的としたとき、実は海外への広報が効くのであれば、海外に特化したやり方もあるかもしれません。どこを目的にした周知・広報活動が必要なのかという点を確認させていただければと思います。よろしくお願いします。
○垣本座長 事務局からでよろしいですか。
○事務局(安達) 招致を成功させる場合は、まずは海外に向けて我が国における招致の意義というのをしっかりPRするというのは、これは基本、まず一つ、大前提だと思います。ただ、その上で実際に実現する際には、それ1つだけでは不足だと思っておりまして、やはり国内でも招致の気運が盛り上がっているというところがあればこそ、最終的に招致が成功する。更に言うと、招致が成功し、大会自体も成功しなければいけないということになると、国内的な盛り上がりということも非常に重要ではないかと思っておりますので、先ほどの御質問についてお答えをすると、両方の部分について、しっかりと広報を進めていくことが重要ではないかと考えております。以上です。
○垣本座長 今、事務局からありましたが、国内的に盛り上がっていないというのは検証のときにマイナス点というのですかね、評価は下がってしまいますので、国内的にも日本の中で技能五輪国際大会を行うということに対しての理解が得られるということは重要なので、両方攻めていかないといけないところがあると思います。よろしいでしょうか。それでは、今、岸本統括官が来られましたので、式次をおいて挨拶を頂きたいと思います。
○事務局(岸本) 遅くなって申し訳ありません。厚生労働省人材開発統括官の岸本です。本日は国会関係の用務でどうしても出なければいけない会議がありまして、この会議に遅れましたこと、誠に申し訳ございません。まず、皆様にはこの度、本検討会の構成員をお引き受けくださいまして、誠にありがとうございます。御礼申し上げます。
本日の議題ですが、厚生労働省では、去る11月10日に2028年技能五輪国際大会の招致表明をいたしました。2007年39回の静岡大会以来、21年ぶりの開催招致となります。今後、愛知県、中央職業能力開発協会をはじめ、関係者の皆様と連携を図りながら、基本計画を作成し、招致に向けて取り組むこととしております。その際、この検討会に御参加いただきました皆様の御意見を丁寧に伺いながら、より良い基本計画の作成、招致活動を進め、来年9月にフランス・リヨンで開催されますWSIの総会において、日本が候補地として選ばれますよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
本日が第1回の開催ということもありましてのお願いですが、是非、皆様から2028年に対して期待なさること、目指すべき姿、方向性としてお考えのことなど、総括的にも是非広く御意見を賜れればと思っております。
私のほうとしましては、これから議論を深めるところですので、まだ入口の直感的なものですが、まず、1つには当然ですが、選手の方々が能力を遺憾なく発揮をし、フェアに腕を競い合えるような最高の競技環境を整えることが大事かと思います。
また、第2には、参加される選手だけではなくて、技能向上のきっかけに広くなることが大事であろうと思います。具体的には、より広い産業分野、職業分野にこの競技大会に対して関心を持っていただき、参加をしていただくこととか、競技の年齢には到達しないような子供・若者の技能への関心・向上につながることとか、技能を学ぶ様々な教育機関の皆様に対する世の中の関心・向上とか、あるいは大会前後を通じた社内の人材育成や技能継承のきっかけになることとか、そういった広がりを持つものに少しでも近づけていければとも思います。
また、3点目としては、諸物価高騰という新たな経済局面にもなっておりますので、そういった中でコストの抑制に取り組みつつ、インパクトのあるものにしていくといったこと。両立させることは難しいことですが、知恵を出してといったことが大事なのではないかと思い描いているところです。
私事ですが、先月、同じ愛知県のSky Expoで開催されました技能五輪全国大会がありました。愛知県の御尽力も頂きまして、会場には選手だけではなくて、大変多くの若い方々が会場の見学に来ておられました。送り出した選手の方、送り出した企業や教育機関の方だけでなく、見に来られた学生・生徒さんにとっても、プライスレスな経験だったのではないかと思います。
こういった競技大会が扱う技能の分野は、国内全体の労働市場を見渡しますと、大変、今の全体の人手不足の中でも、特に人手不足感が強い分野でもあります。そういった分野を志してくれる若い人たち、あるいはこれから志してくれるかもしれないもっと若い年代の方々に対して、将来への希望とか明日の励みになるような大会にしていくことができればと思っております。今後、皆様の御意見を頂きながら、実りある検討会、そしてより良い基本計画づくりに役立てていきますことを考えております。私からの御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○垣本座長 岸本統括官、御挨拶ありがとうございました。それでは議事のほうに戻りたいと思います。先ほど周知・広報についての御意見、御質問を伺いました。皆様ありがとうございました。
続いて、各構成員の方から自己紹介を頂きたいと思っております。冒頭、大嵜局長、宗宮理事からも、大会についての思いを発言いただき、事務局からも大会の概要等を説明いただきました。初回ということもありますので3点ほど、1点目が技能五輪国際大会に期待するもの、2点目が目指すべきもの、3点目が問題意識ということで、3分以内で御発言をお願いしたいと思います。発言順ですけれども、時計回りで岩原構成員からお願いしたいと思います。着席のままで構いません。よろしくお願いいたします。
○岩原構成員 愛知県経営者協会の岩原と申します。よろしくお願いします。私どもの協会は、人事労務の分野を中心に活動しております経済団体でございます。先ほどの愛知県の大嵜局長からも御紹介がありましたけれども、やはり愛知県はものづくりが産業の基盤となっております。私どもの会員企業も現在880社ほどあります。その6割ぐらいが製造業であります。会員企業の多くは、「ものづくりは人づくり」という考え方で、人材育成を大切にした経営を実践されております。
最近では特に人的資本経営という言葉で、やはり人材が資本であるということで、企業価値を高めていくためには人材育成を含めた人への投資が大事であるというようなことが叫ばれております。そのためには、人材育成の機会、場づくりというのが非常に大事だと認識しています。特に次世代を担う若い人たちを対象にした技能五輪の国際大会を、大変貴重な場であるというように考えております。
私も、毎年国内で開催されます技能五輪の全国大会、それから4年前のロシアのカザンで開催されました2019年の国際大会を見学させていただく機会がございました。現地を見ますと、やはり選手だけではなくて、たくさんの若い方が見学をされているというのを目の当たりにしました。大変刺激的で挑戦意欲を高める絶好の機会であるということを実感しております。産業構造が変わったり、経済発展の途上の国を含めた競争が激化する中で、この大会は是非とも日本に誘致して、産業の活性化につなげていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
最後は、前回の取組で、私もカザンで体験したのですけれども、相手がフランスのリヨンで、僅差ではなく大差で負けたという記憶がありまして、やはりちょっと残念だなと思いました。今回も、先ほど新田本部長からありましたけれども、やはり本当に招致に勝つのだという、そのためにどういった候補が必要かとか、どのような戦略が必要かを、きちんと立てていく必要があるなと思っています。それから、刻々と状況が変化していくものですから、やはりその状況変化を踏まえた招致活動というのが、非常に大事かなというように思っておりますので、私どもの地元の経済界の立場で精一杯努力していきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて大下様、よろしくお願いいたします。
○大下構成員 日本商工会議所で労働政策を担当しております、大下と申します。どうぞよろしくお願いいたします。日本商工会議所並びに全国の515の商工会議所といたしましても、2028年技能五輪国際大会の日本・愛知県への招致に、大変期待をしているところであります。
日本商工会議所、全国515の商工会議所会員企業は、大半が中小企業でありまして、今、中小企業の最大の経営課題は人手不足であります。あらゆる産業、あらゆる業種で人が足りないし、人が採れない。この先、若年人口が増える当てはありませんので、しばらくこの状態が続くということを考えますと、限られた人数の中で、一人一人がこれまでよりも更に持てる技術を磨いて、サービスのレベルを上げて、生産性を高めていくということが、これまで以上に非常に重要になってくるのかなと思っております。そうした中で、国内外の幅広い分野の技術を持つ方、働く方が集って、互いの技術力を競って、また交流を深める、この大会の日本での開催は、非常に大きな意義があると思っておりますし、その招致に向かって各セクターが協力をして、取組を進めるのだということは、大変期待をしているところであります。大会そのものも、もちろんですけれども、開催までに行われます人材育成の取組、関連する取組、こういうものを含めて、中小企業を含めて日本の働く人の技術力・能力の強化につなげていただくとともに、これまでもお話がありましたけれども、これから先、そういう仕事に就く可能性がある若い人たちに、技術をいかして働くことの魅力とか憧れみたいなものを生み出す機会に是非していただきたいなと思っています。
資料を頂きました中で、第46回大会の結果を見ますと、情報通信系、製造エンジニアリング系で日本はたくさんメダルを取っています。今度、開催はものづくりの盛んな愛知県ということになりますと、この辺りの分野は、ますます期待をするところでありますけれども、一方で、人手不足が取り分け深刻な看護/介護、それから、ここにあります物流貨物輸送、ここは日本の選手の出場がありません。こうした人々の暮らしをしっかり支えている、社会を支えている職種の人々の働きや、その技術にも、しっかり光が当たるということが、今後の社会を支えていく上で非常に重要かと思っておりますので、是非、こうした分野も含めて幅広い分野の競技力の強化、周知・広報に取り組んでいただきたいというように思っております。日商、並びに各地の会議所としても、しっかり協力をしてまいりたいと思っております。私からは以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。それでは、新田構成員のほうからお願いいたします。
○新田構成員 経団連の新田です。技能五輪は、残念ながら、なかなか周知が行き届いていないというのが正直な気持ちです。そのため、先ほどの質問の冒頭で、周知・広報の必要性を申し上げました。
やはりそこが一番の問題と思っています。日本国内でしっかり周知・広報を行っていくことと併せて、ものづくりについて日本が積極的にしっかり取り組んでいることを、海外に示していく必要があります。特に今回の一番の目的は、日本に技能五輪国際大会を招致することですので、もちろん国内と海外の両方が大事ということはよく承知しているのですが、より効果的な対象はどこかという点について意識しながら取り組んでいく必要があると思います。前回立候補した時と同じ結果にならないことを切に願っての、質問を兼ねた意見ということで受け止めていただければと思います。
今、AI、特に生成AIが入ってきて、企業の現場が混乱している部分があるかもしれません。一方で、AIが幾ら入っても、やはり実際にものづくりを行う部分は、なかなか自動化できません。今回は製造業に携わる方ばかりではありませんが、技能・技術者を非常に大事にしていくことは重要な視点だと思っています。そうした観点で、今回は1つの起爆剤として、この技能五輪国際大会の招致がうまくいけばいいと願っています。まずは愛知県並びに愛知の経済界等が、しっかりと取り組んでいくと思われますが、経団連としても、できる限りのサポートをしっかりと行っていきたいということを申し上げます。
最後に、問題点を言って恐縮ですが、先ほどの三原構成員から、全国大会と国際大会で取り組んでいる内容が違うということに言及がありました。全国大会を国際大会に合わせたほうがいいのではないかという議論もされているところが、両者は別物だという意見もありました。両者の整合性をどうするかという点については、やはりしっかり考えないといけないと思います。もし別物として整理するならば、違うトラックで走らせないと間に合わないと思いますし、新たな検討課題だと考えましたので、最後に、その点だけ補足させていただきます。よろしくお願いいたします。
○山口構成員 こんにちは。全国中小企業団体中央会副会長、それから愛知県中小企業団体中央会会長の山口と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
技能五輪国際大会は、各国のものづくりの将来を担う若者の人材育成や、我が国の産業界の発展、国際交流を目的とした、世界水準の技能競技大会であることをお聞きしております。我が国においては、経済の屋台骨を担っている中小企業が、ものづくり産業を支えていると言っても過言ではなく、中には世界トップ水準の技術を保有する中小企業も存在しております。先進性の高い技術や分野における更なるレベルアップはもちろんですが、地域振興の観点で考えれば、中小企業の課題の1つである伝統工芸に関わる技術や技能の継承・維持は大変重要であると考えております。
生産性を高めるため、人の技術や技能を、ロボットやシステムに置き換えて、省人化・省力化を図る流れが急速に進展しており、2028年には更に普及していると思われます。中小企業は、現在、深刻な人手不足の状況になっております。デジタル技術の進展はもちろん重要ですが、より優れた製品サービスを生み出す源泉の力は、やはり人の力です。人の持つ技能・技術が大切だというメッセージを強く打ち出せるような大会にすることが必要だと思っております。
先般、私の友人のお孫さんが工業高校を卒業して、産業機械を製造する会社に就職したのですが、就職してすぐ、今回の技能五輪国際大会だとか全国大会に向けて、社内でも前向きに動き出しているという話を伺いました。情熱を持って取り組んでいる若者がいる、ものづくりが盛んな愛知県を通して、広く国内外で日本の技術を知っていただけるよう、私どもとしても心より応援させていただきたいと思っております。
今回の招致立候補に当たっては、国を挙げて技能尊重の気運を高めていくことが成功の鍵であり、大会参加者、関係者のみならず、開催地や参加者の所属する企業、多くの方々に招致のメリットを実感していただくことがポイントかと思います。そのメリットをより具体的に示していくためにも、まずは、本日御参集の皆様が、それぞれの活躍の場において、積極的に情報を発信していくことが肝要ではないかと考えるところであります。私からは以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。続きまして三原構成員、お願いします。
○三原構成員 ものつくり大学の三原でございます。どうぞよろしくお願いします。最近、テレビとかニュースで、建設現場での事故が多発していると、それも死亡者まで出ているというようなニュースがよく出ています。これはどこから来ているかと言うと、優秀な技能者が不足しているからなのです。以前に比べて、例えば50年前、半世紀前と比べて、その技能者の数というのは激減しています。ということは、やはり現場をうまくまとめる、そして作業する、その方向性というのが今はうまくできていないという状況でございます。
建設関係でいきますと、この技能五輪国際大会も複数の職種が出ていますし、また、同様に製造職種でも出ております。全ての職種において今は同じで、大下構成員からも話がありましたとおり、人材不足によって、うまくものづくりができていない状況が続いています。それを何とか、この国際大会を起爆剤にして、払拭して、技能の醸成を高めたいというような、そんな気持ちで私は取り組んでいきたいと考えています。
我々の大学、ものつくり大学でも、複数の職種が技能五輪の全国大会に出させていただいて、来年に行われるリヨンにも2職種、造園職種とコンクリート施工職種で、日本代表で出させてもらいます。このように、高校生、大学生、専門校を通じて、若い人たちが頑張ろうとしている。そこをやはり盛り上げていかなければいけないという気持ちで、この招致委員会を盛り上げていきたいと考えています。以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて冨髙構成員、お願いいたします。
○冨髙構成員 連合の冨髙でございます。私自身も電機メーカー出身であり、前回国際大会が静岡で開かれた際は、職場で国際大会の話を聞いていたことを記憶しています。どうぞよろしくお願いします。
この間、多くの若年技能者が、技能五輪の出場を目標に、自分の技術・技能の向上に取り組んだ結果、個々のキャリアの形成や、国内の産業・企業における人材育成、ものづくりの基盤強化などにつながってきたと捉えています。今回の招致活動は、日本のものづくり文化を支える高い技術力を世界に発信する良いチャンスだと考えています。先の三原構成員のお話にもつながると思いますが、質の高いものづくりの社会的な評価を高めるとともに、技術者を目指す若者の裾野を広げるきっかけになるのではと期待しているところです。また、そのことが結果として、国内産業や経済の発展にもつながるものと考えます。
また、今日的にはビジネスと人権の観点も踏まえ、コンプライアンスを尊重したクリーンな運営をアピールしていくことも重要ではないかと考えていますので、今回の招致に携わる全ての関係団体の皆さんの共通認識としながら議論できればと考えております。
○垣本座長 貴重な御意見、ありがとうございました。続いて上岡構成員、お願いします。
○上岡構成員 トヨタ自動車の上岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私は2011年に選手として大会に参加しまして、2015年から4回、職種の競技運営を務めて、エキスパートとしても参加させていただきました。この選手とエキスパート経験を通じて、技能五輪国際大会に期待する者としましては、やはり選手ファーストの大会であるといったところが重要かなと思います。
選手としましては、国の代表として参加するといったところもありますし、一生に一度しか出られない、そういった大会にもなります。そういった場で日頃の成果を十分に発揮できると、そういった環境づくりが非常に大事なのかなと思います。また、その実力を発揮するだけではなくて、世界各国の人たちが集まって交流をする、そういった場面でも、この国際大会が非常に重要なものとなっております。
日本で開催するということになりますと、その日本の高い技能を、世界各国の方々に見ていただけると、触れ合っていただけるといったところが、日本で開催することのメリットかなと感じておりますので、是非とも日本で開催できればと思っております。私からは以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて小林構成員、お願いします。
○小林構成員 全国建設労働組合総連合の小林でございます。私どもは団体名称にありますように、建設の団体でございますけれども、61万人で構成されておりまして、ほぼ全ての構成員が、いわゆる技能者でございます。そういった団体でございますので、今回のこの2028年技能五輪国際大会の招致については、全建総連全体として、非常に期待をしているところでございます。取り分け、先ほども少し触れましたけれども、若い人が建設分野に入ってこないというのが、ここのところ急速に顕著になってございまして、若い人に、建設だけではなく、ものづくり分野にしっかり入っていただくようなことにつながる大会、ここに期待したいなと思ってございます。
目指すべき点ということでございますけれども、この大会を通じて、子供たちには、技術・技能の仕事というのがすてきだなと、かっこいいなと、このように思ってもらえる。それから、子供を育てている親をはじめとする取り巻く方たちには、技術・技能の重要性、子供たちにも、こういう仕事をしっかり目指してもらおうと、このように思ってもらえるような大会、そういう打ち出しを意識的に前面に出すような大会を目指していただければと思ってございます。
当然、先ほども申し上げたように、世界には日本の高い技術力を発信するとともに、近年で言うと、WSIのほうから、国際大会については「インパクトはあるけれどもコンパクトに」と、こういうキーワードが出されているという、非常に両方を実現するのは難しそうだなと一見思うところですけれども、ここを愛知大会で高い次元で実現をして、28年以降は愛知モデルと言われるような形に、この会議もそうですけれども、皆さんでつくり上げていければなと思ってございます。
課題でございますが、国際大会の招致はもちろん大事なわけでございます。一方で、先ほど来どなたかからもお話がありましたけれども、技能五輪の取組そのものも広く国民に周知がされているとは、なかなかまだ言い難いところがあります。国際大会の招致への歩みとともに、毎年実施されます技能五輪全国大会、ここの周知の強化も同時に行っていくというのは、2028年の国際大会に向けての課題にもなり得るのだろうと思ってございます。以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて佐藤構成員、お願いします。
○佐藤構成員 一般社団法人全国技能士会連合会常務理事の佐藤と申します。私どもは平たく言うと技能士の集まりの団体でございまして、どちらかと言うと建設関係の方が多いので、職人の団体というようにお考えいただければ分かりやすいかと思います。
大会に向けて私どもで期待する点は3つあります。全体を包括すると、職人が元気になるような取組をお願いしたい。1つ目は、やはり後継者の確保ということです。前回の2007年大会のときには、いわゆる2007年問題、技能が伝承できないということが、すごく注目を浴びたと思いますけれども、今回も、「できない」というよりも「いない」というのが、すごく喫緊の問題になっているのではないかと思います。
私どもの理事の会社にお伺いした際に、現代の名工をはじめとした黄綬褒章、いっぱい賞状が貼ってあったのですけれども、真ん中に目立つところに貼ってあったのは、実はお孫さんの技能五輪全国大会2位の賞状なのですね。息子さんがもう後継ぎになっていて、多分お孫さんも後を継ぐのだろうというところで、貼ってあったのではないかと思います。やはり後継者がいないというのは、やはり職人にとって一番の悲しみ、自らが持っている技能を継いでいけないというところで、その点をまずお願いしたいということです。
それから、これは後継者の問題も関わってきますけれども、裾野の拡大ということで、直近で見ると、やはり後継者というのは高校生、工業高校生かもしれません。ただ、それだけではやはり足りない部分があって、今、皆さんがおっしゃるように、小中学生にもいろいろな取組を進めていただきたいと思います。特にものづくり体験教室などを見ると、子供を連れてきているのがお母さんですよね。お母さんに影響を与えるような、技能五輪のイケメンでもいいかもしれませんし、そのような取組を是非お願いしたいと思います。
あとは、今まで出ているように、デモンストレーションとか技能の実演ということで普及を図っていくというところなのですけれども、これは私どもも協力しますけれども、今は熟練技能者が技を見せる機会というのがすごく減っています。「現場に行っても、ほとんどプラモデルを組み立てるみたいなんだよね」とおっしゃる方もいるぐらいで、やはり持っている技能を見せられるというのは、技能者にとってすごく大事なことなのではないかと思います。
以上の3つの点を、是非とも大会実施・招致に向けて進めていただければと思います。それについては、私ども技能士会としても、全面的に協力をさせていただきますので、是非よろしくお願いいたします。
○垣本座長 ありがとうございました。では、続いて土田構成員、お願いします。
○土田構成員 こんにちは。土田と申します。インターネットスキル認定普及協会という所属で、グラフィックデザイン職種の今はエキスパートとして働いております。2017年のアブダビ大会、2019年のカザン大会をエキスパートとして経験しており、次の2024年もエキスパートとして参加予定です。
今回、国際大会に期待するものとして、やはり今まで発言された構成員の皆さんが言われていたのと本当に同じなのですけれども、技能が社会に貢献する、あるいは国の経済に貢献するといったところを、国際大会に期待していて、その一環で、できればなのですけれども、先ほど2028年の招致のメディア、PR等の話がありましたけれども、そういったところに、過去の大会に参加した選手の人たちを積極的に雇用というか、使っていただくということを、一つ御提案というか、していただきたいなというのがあります。
現役の選手として参加する選手は、もちろん主役ですし、フォーカスされるところなのですけれども、大会が終わった後の選手というのも、またそれはそれで若手の技能者を、次の若手の技能者を育成する人材だと思っています。なので、現役の選手が携わることは難しいかもしれませんけれども、過去に参加した選手で、社会経験をある程度積んだ選手が、このようなメディアを作るような制作の部分ですね、当職種ですとポスターを作れますし、ウェブデザインテクノロジーという職種もありますので、全部とは言いませんけれども、一部だけでも何か携われるような機会を設けていただけたらと思っております。
あとは、やはり選手が胸を張って、選手であったことを、その後の人生でも誇れるような大会であってほしいと思っています。私もオリンピックなど競技を見るのがすごく好きなのですけれども、毎回、見るたびにすごく悔しい思いもしています。私たちの大会のほうが、より社会に貢献をしているのではないかなという思いで、いつも見ているのです。ですが、やはりオリンピックのほうが、皆さんによく知られているせいもあるかとは思いますけれども、華やかに見えて、子供たちが見ていて目指したいと思うようなきっかけをつくっているのではないかなと考えています。なので、予算等をコンパクトにしていくなど、いろいろなことがあるかと思いますけれども、選手の華やかな部分というのを、また、努力している姿というのを、是非、子供たち、若い世代にも知っていっていただきたいなと思っています。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。では、続いて幡野構成員、お願いします。
○幡野構成員 一般社団法人日本エステティック協会から参りました、幡野徳絵と申します。私は、ビューティーセラピーという職種でエキスパートをアブダビ大会とロシアのカザン大会で経験させていただきました。
期待するものというのは皆さんとやはり重複してしまいますので手短にお話しますが、私どもの職種で過去に銀メダルを取った、ブラジル・サンパウロ大会の選手がおりまして、そのビューティーセラピー銀メダルの選手が出たときには、業界内でものすごく大きな話題になり、そこから高校生でエステティックの技術を学びたいという生徒がたくさん生徒として入ってきました。でも、一時的なことだったので、そこからは、前回の大会で銅メダルは取ったものの、一般にまだ知られていないというところで、話題になることはなかなかそれ以降は感じておりませんけれども、これから、この世界大会が開催されることで、若年層の方たち、子供と言われる年代の方、そして親御さんとその上の祖父母の方々、皆さん年齢層にかかわらず、性別問わず、いろいろな職種を知ってほしい。素晴らしい技術、世界と競い合ってメダルを取るほどの技術を日本は持っているのだということをもっと知ってほしいというのを強く期待しております。
あと、目指すところで言いますと、国内大会との違いというのが何回か話題に出ましたけれども、世界大会を目指す選手が決まったときに、私たち選手は、材料が足りないとか、今、持っているものよりも品質の悪いものを想定して練習していくものなのですね。なので、それがまた日本大会ともなれば、日頃私たちが、選手たちは恵まれた環境で練習しているのを、世界大会に行くときにレベルを下げて練習していく、その難しさの中でパフォーマンスを上げていくという練習が、ちょっと方向性が変わってくると思うのです。なので、そういった意味では、日本大会のための目標で、国内大会というのは近づけていく可能性は大いにあると思いますが、それは国内大会に限ったところで、やはり全く同じようにというのは実際問題難しいのではないかなと考えております。以上になります。ありがとうございます。
○垣本座長 ありがとうございました。市原構成員、お願いします。
○市原構成員 私は全国専修学校各種学校総連合会の理事、また愛知県専修学校各種学校連合会会長を仰せ付かっております、愛知調理専門学校の市原でございます。このような会は初めてでございまして、不慣れではございますが、何とぞよろしくお願いいたします。
専門学校は、産業界と連携しながら、実践的な知識や技術、技能を学ぶ所であります。現在、専門学校は全国で2,800校、また7,500学科、60万人の生徒が学んでおります。また、技能五輪に対応するプログラムを提供する学校も数多くあります。この技能五輪世界大会で、次世代を担う若者たちが世界レベルのスキルを知ったり、また、挑戦するということは、とても有意義なことだと思います。また、職業教育の発展、向上のためにも、大変有意義なことだと思います。今まで技能五輪が専門学校全体で周知できたかと言うと、決してそうではなかったと言えます。私、専各の理事として、全国総会や会合、全国各ブロック協議会などで、この技能五輪大会をしっかり情報発信、周知・広報していきたいと考えております。
できれば、今まで活躍した選手、また、先ほどおっしゃられましたが、努力している選手などをまとめた動画等々を作っていただけるのであれば、専門学校の授業の中だけではなく、小学校、中学校、高校といったような授業の中で、そんな姿を見て職業感をしっかり持っていただく生徒が増えればなと思っていますので、どうか何とぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて林構成員、お願いします。
○福田構成員 福田がしゃべってもいいでしょうか。全国工業高等学校長協会で理事長をしています、東京都立六郷工科高校の校長の福田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
ちょっと話がずれるかもしれませんが、東京オリンピックのときに、相当なオリンピアンが小中学校、また高校にも、例えば体育祭とか運動会に一緒に参加してくれたりというのがすごくあったのを覚えています。そういった意味で、雰囲気醸成が本当に盛り上がっていったなと感じています。一方、本校の事例ですけれども、技能五輪のチャンピオン、ゴールドメダリストが来てくれて、例えばうちは溶接を見せていただいたのですけれども、生徒はその瞬間にもうその方をリスペクトします、正直言って。目つきがキラッとするんですよね。「あっ、これはスイッチ入ったな」と思う瞬間ですし、実は今週も左官の方に来てもらって授業をやっていただいたのです、本当にもう人材がいないということで。見事に、こう目の前でサーッと壁を塗っていただくあの姿を見ると、それほど余り興味がなかった子たちもパッと顔が上がっていく、その瞬間にスーッと寄って行って話を聞いている姿を、本当に見させていただいています。そういった意味で、今回の技能五輪の国際大会が、本物が目の前で見れるというこの瞬間は、正直わくわくします、話を聞いているだけで。ですので、私どもは本当に応援していきたいなと思っていますし、是非、工業高校生にその夢を見させてあげたいなと思っています。なぜならば、今の高校生は恐らく2028年にちょうど年齢に達しているのではないかと思うわけです。
一方で、今、人材不足というお話もありましたが、実は専門高校に生徒が集まっていません。少子化がまずあります。特に地方は非常に厳しい状況です。また、普通科志向といって、普通科高校がいいという子供たちが多いものですから、そうした意味で、今は小中学生に工業高校に入ってもらって見学してもらったり、様々なものづくり教室やイベントをすると、すごい数の小学生や中学生が集まります。だから、ものづくりが大好きな子は本当にたくさんいるなと感じていますので、そういう子供たちにも是非見せたいと思っています。
そこで、甚だ僭越ですが、要望としては、今回、日本でこういった国際大会のチャンスがありますので、是非とも技能に関する子供たちの関心をより高めるために、愛知県内だけではなくて、日本全国の小中学生が見させてもらえるような、また、工業高校だけではなく、全国の高校生もこれを見させていただくようなチャンスを、是非検討していただけないかというお願いでございます。ちょっと中身を見せていただくと、子供たちが体験するようなブースも検討されているようですので、そうしたことも含めて、是非、本物を見せたいというのが一番の願いです。
例えば、東京オリンピックの場合は一部の競技、それから、技能五輪の全国大会でも全国の子供たちが観戦の機会を与えていただいている、そんなプログラムがあったというようなお話も伺っていますので、要望でございますが、是非とも検討していただけると大変助かります。以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。大変失礼しました、福田構成員でした。続きまして林構成員、お願いします。
○林構成員 日刊工業新聞社の林と申します。私たちはいつも、ものづくりに関わる企業の皆様と、また、本日御参加の皆様とも、いろいろな形でお付き合いをさせていただいておりますが、今日は、今、私が担当しているのが事業部門ということですので、どのような形で今回の技能五輪が成功につながるかという点で、ちょっとお話をさせていただきます。
運営の視点で言いますと、やはり日本らしい大会にしていくということが一番大切で、魅力ある大会にしていくことが一番かなと思っております。Aichi Sky Expo、インフラも非常に大切なのですね、こういう大会に関しては。ですので、Aichi Sky Expoを使用することを最大限PRする、インフラ。そして、そこでいろいろな日本らしいテクノロジーを活用したりとか、例えばロボットであったり、いろいろなICTであったり、技術というものにも、ふれあえるような大会にしていく。そして、先ほど福田さんにおっしゃっていただいたような、子供たちから選手が参加できるような、いろいろなプログラムを一緒にやって、参加型の本当に新しいこの日本での大会であるということも、是非これから皆様と一緒にやっていきたいなと思っています。
私たちは、実は2週間前に国際ロボット展という展示会を東京ビッグサイトで開催しまして、ここには15万人近い方々に来ていただいて、海外からも1万人近い方々に来ていただきました。そのぐらい、日本に対する期待というか、そういうものも非常に感じましたし、いろいろな日本が誇る技術、テクノロジーというものがいっぱいあると思いますので、そういったところは是非活用して、企業の方々にも是非参加いただいて、産業界全体で、産官学仲間、チーム、仲間づくりをこれからやっていくことが、やはり盛り上がりの第一歩かなと思っておりますので、そういったところも含めて、皆様と一緒に取り組んでいきたいと考えています。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて、本日オンラインで参加の構成員の方から自己紹介いただきたいと思います。まず、愛知県商工会議所連合会専務理事の内田様、お願いします。
○内田構成員 愛知県商工会議所連合会名古屋商工会議所の専務理事の内田でございます。どうぞよろしくお願いします。私ども愛知県、当地域は、ものづくり産業が中心に経済を牽引しておりまして、日頃、技能の習熟に熱心な企業も大変多く、技能五輪国際大会を招致するにふさわしい地域であるなと思っているところでございます。
我が国のあらゆる製品は優れた技能の結集で生まれておりまして、品質、そして機能美ともに大変優れた製品が多くございます。しかし、デフレの経済が長く続いたことや、昨今の価格転嫁が問題となっておりますように、ともすると優れた製品にもかかわらず安い値段で取引されてしまうというケースも多々あると思っております。こういった技能五輪国際大会が我が国で開催をされまして、スポットが当たることで、優れた技能によって生まれた製品の評価も高まっていくことにつながっていけば有り難いなと思っているところでございます。特に、現在の人手不足は大変深刻でございまして、製造現場での技能の継承も心配でございます。このことは、当地域だけの問題ではなく、我が国全体の問題でございまして、技能五輪国際大会を機に、技能の伝承、発展を目指す若い世代、こういう方々が増えていくことを期待をしております。
是非とも、国におかれましては、この技能五輪国際大会を次世代のものづくり産業の発展を支える機会、そして次世代のものづくりを支える人材を育てるチャンスと捉えまして、ともするとものづくり企業の一部の人たちだけが参加をしている大会ということではなくて、我が国全体で是非とも盛り上げていただきまして、技能五輪国際大会の成功に向け御尽力を賜りますよう、お願いを申し上げます。以上でございます。
○垣本座長 ありがとうございました。続きまして、中部経済連合会、増田専務の代理で御出席の鷲野課長様、お願いします。
○鷲野様(増田構成員代理) 本日は増田が参加できませんけれども、国際大会の期待などについて確認しておりますので、代弁させていただきます。まず、この国際大会の招致に向けまして、国、自治体、厚労省、愛知県の事務局の皆様の御尽力に敬意を表します。
国際大会への期待ですが、日本・愛知県で開催することで、ものづくり大国でもある愛知県に、世界各国の若い技能者が集い、技能を競い合う機会が創出されることを期待しております。日頃、何度も何度も同じ内容を繰り返し、鍛錬した成果を競い合うもので、必ず結果が出るのが競技ですけれども、競技の結果だけでなく、競技を一緒に共にした若い技能者の方々が、コミュニケーションを取りながら、更なる上を目指す志を持つ機会創出になることで、このものづくり大国の発展につながっていくものと思っております。
地元の経済界としましても、愛知県経営者協会、愛知県商工会議所連合会と一緒に、この機運の醸成を図るため、国、自治体の皆様とも相談しながら取り組んでまいりたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。続いて、株式会社日立インダストリアルプロダクツの阿部晴希様、お願いします。
○阿部構成員 日立インダストリアルプロダクツの阿部と申します。よろしくお願いします。私は、技能五輪国際大会のCNC旋盤職種に、ロンドン大会2011年に出場しました。また、前回のWAC2022、SEのエキスパートとして参加させていただきました。また、指導員だったり、あとは現場の製造の機械系のものづくりだったり、生産技術だったりを仕事としてやってきました。
それの経験からちょっと私が最近思うこととしましては、やはり皆さんが言うように、若年者のものづくり離れだったり、あとは技能が伝承できない、技能レベルが下がっているということがすごい思うことであります。いろいろな要因があると思うのですけれども、技能よりも技術のほうがもう優先という世の中だったり会社の考えで、もう技術的なことだけを進めて技能をおろそかにしてしまう。あとは、そもそも若年者の方が現場に入ってこない。あとは、そこまで興味がないという方が入ってくるとかで、やはり技能が伝承できないということが、すごい大きな要因なのかなと思っています。
私自身は、2007年の静岡大会を見ていいなと思って、ものづくりの技能五輪というのをやってみたいなと思ったほうなので、やはりそういう方が少しでも増えるように、日本で開催して、できるようにしてほしい。あとは、開催されたら、若年者だったり、皆さんが言うように、その親御さんだったり、学校の先生とかがよく見れるように、例えば何かのメディアだったり、その配信ができたらいいのかなと思います。あとは、エキスパートをやって、選手もやってなのですけれども、やはり選手が実力を発揮できるような大会、準備とか取決めなどをしっかりできるようにしていかなければいけないのかなと、強く思っております。私からは以上です。
○垣本座長 ありがとうございました。オンラインの参加で最後ですけれども、読売新聞東京本社編集局管理部専門委員の大津様、お願いします。
○大津構成員 読売新聞東京本社の大津でございます。よろしくお願いします。長年、厚労省を担当しております。そうした立場から今日は、お話をさせていただきたいと思います。私の意見は、当事者の皆様方からすると若干引いた目線からの注文と申しましょうか、そもそも論に近い内容になるかもしれません。技能五輪は、20代前半の技術者の方が参加されて技能を競う世界唯一の大会です。皆さんおっしゃっているとおり、質の高いものづくり、サービスの提供を後押しする観点や、国内の若者が関心を高めるという点でも、意義のある大会になり得ると思います。また、これも皆さんが何度もおっしゃっていましたけれども、少子高齢化で労働力不足が懸念される中、社会の活力を維持・向上させるには、高品質で付加価値の高いサービスやモノを提供しなければいけない。こうした問題意識は、多くの国民が共有していることなのではないかと思いますが、こうした文脈でも、技能五輪を開催する意義はあるように思います。
ただ、問題だと思うのは、多額の費用を要する以上、こうした技能五輪を開催することが、本当にこうした課題の解決に資するのか、国民の側から見て、見えにくいことがあるのかなという気がする点です。そうしたことを考えますと、招致活動を含めて開催に向けた機運を盛り上げて、大会を成功裏に導くためには、開催の意義ですとか、あるいは、費用について、具体的で丁寧な説明を国民にしていく必要が不可欠だと思います。特にコスト面は極めて重要で、関心の高いところかなと思います。先ほど岸本人材開発統括官から、コストを抑制しながらインパクトのあるものにという御発言がありました。正にそのとおりだと思います。簡単なことではないかもしれませんけれども、こうした姿勢を今回の五輪で具体化することに、知恵と工夫を凝らすべきではないかというように思います。どうしてもイベントを行う場合、あれも、これも、となりがちなところはあるのかもしれませんけれども、税金で費用を賄っていることを踏まえますと、当然、あれか、これか、という姿勢で厳しく費用を精査すべきです。
配布資料10に23年の招致の基本計画と、28年の計画内容を比較した表が掲載されております。どういう理由でこのような見直しを実施し、どのぐらいのコストを削減したのか。例えば、具体的な内容を示すことも検討してもよいのかなと。こうした取組を進めながら、後に愛知モデルと言われるような大会になることを期待しています。
最後に、少し話は変わるのですが、スキルという点においては、介護ケアは、日本が世界に誇れるサービスの一つだと考えています。資料5に問題意識が示されておりますが、国際大会を見据えて、国内の全国大会に介護ケアの分野を加えることも検討の余地があるのではないかなと思いました。以上です。
○垣本座長 貴重な御意見、ありがとうございました。次期大会のことについては、後ほど御説明で触れる部分もあろうかと思います。
最後に、本日御欠席の連合愛知会長の可知様からメッセージを預かっておりますので、事務局から御紹介をお願いします。
○事務局(渡邉) 私のほうからメッセージを代読させていただきます。
「日本労働組合総連合会、愛知県連合会会長の可知でございます。本日は所用のため出席することができず、申し訳ございません。
技能五輪国際大会の開催は、選手、企業の技能向上だけでなく、大会を見学する若者たちなどが世界の技能の高さに触れ、関心を高める絶好の機会にもなります。未来の日本を支える技能者の育成を促進させる大会にしていただきたいと思います。また、大会の招致・開催を機に、我が国の製造業やサービス業など様々な職種において、技能レベルの底上げが起こることにより、経済、産業が発展し、雇用が促進されていく、そして、技能者を目指す若者の裾野が更に広がるといった好循環につながることを期待します。」以上です。
○垣本座長 メッセージの御紹介をありがとうございました。
構成員の皆様、自己紹介を3分ではちょっと無理だったかとは思うのですけれども、ありがとうございました。
マスコミの方等、一般の来場者につきましてはここまでということですので、御退出のほうをお願いいたします。
(以下非公開)