第11回薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会 議事録

健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課

日時

令和5年12月13日(水)
15:00~17:00

場所

厚生労働省 専用第15会議室(12階)

議題

  1. 1.薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書(2023年度版)について
  2. 2.その他

議事

議事内容
○松浦感染症対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第11回「薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会」を開催いたします。
 御出席の先生方におかれましては、御多忙にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日冒頭の議事進行を務めさせていただきます、健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課の松浦でございます。よろしくお願い申し上げます。
 本日の議事は公開となります。カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
 なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡をさせていただきます。御発言される場合は、まず挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載していただきまして、座長から御指名されから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグ等生じることがございますが、御了承いただければと思います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いできればと思います。
 続きまして、本日の構成員の出席状況について御報告いたします。御出席の構成員につきましては、通信の確認も踏まえて、構成員のお名前をこちらから申し上げますので、一言お返事をいただければと思います。
(構成員出席確認)
○松浦感染症対策課長補佐 また、今村構成員から途中参加される旨の御連絡をいただいております。
 また、勝田構成員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、参考人として金森参考人、山岸参考人の御出席をいただいております。
(参考人出席確認)
○松浦感染症対策課長補佐 なお、泉谷参考人から途中参加される旨の連絡をいただいております。
 現在、構成員の過半数に御出席いただいていますので、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
(カメラ撮影終了)
○松浦感染症対策課長補佐 それでは、議事に入る前に配付資料の確認をさせていただきます。
 配付資料は、議事次第のほか、構成員名簿、座席表、資料1といたしまして「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2023(案)」。参考資料として開催要綱、2022年度の報告書、及び参考資料3として食品安全委員会からの資料となってございます。
 不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 令和5年9月1日付で厚生労働省に感染症対策部が設置されております。部会長決定に基づき、本検討会は感染症対策部感染症対策課が事務局を行うこととなります。
 それでは、感染症対策部長の佐々木より御挨拶を申し上げます。
○佐々木感染症対策部長 委員の先生方、皆様、こんにちは。改めまして、感染症対策部長の佐々木でございます。
 本日は、御多忙の中、本会議に御出席くださり、ありがとうございます。また、平素より感染症対策をはじめとする厚生労働行政に格段の御理解と御協力をいただいていることに対して厚くお礼を申し上げます。
 さて、抗菌薬などの抗微生物薬に対する薬剤耐性(AMR)は昔からあった問題でございますけれども、薬剤耐性菌による感染症は、その治療の難しさから、感染者による死亡患者の増加や医療費の増大などの課題、問題を引き起こしており、まさに公衆衛生上の喫緊の課題となっております。
 このため、我が国においては、7年前の2016年に関係省庁や関係機関等が協働して集中的に取り組むべき対策をまとめた「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を策定しました。そして、本年4月に新たな5か年計画を策定したところでございます。このアクションプランでは、公衆衛生と動物衛生の分野の共同努力としての、いわゆるワンヘルス・アプローチにより、入念な薬剤耐性菌サーベイランスを実施したり、各分野の垣根を取り除いた横断的な取り組みを進めるとか、それを具体化するために「薬剤耐性ワンヘルス動向調査」に係る体制を確立することとしております。2017年から発行しております「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書」というのがございます。今年度で6回目の発行となりますが、回を重ねるごとに、ヒト、動物、食品、環境、それぞれの分野におけるそれぞれのデータが充実してきて、そしてこれが1つのレポートの中にまとまっているという構成で出しているところでございます。
 例えばこのアクションプランでは、抗菌薬の使用量に関して2027年、4年後までに抗菌薬の販売量全体を2020年と比較して15%減少させることを目標としておりますが、今年度の報告書においては、2022年の全抗菌薬の人口1,000人当たりの一日販売量について、基になる基準年の2020年と比較して約3.9%減少したことが報告されており、記載いたしたところでございます。
 本検討会における検討事項は、抗菌薬の使用量だけでなく、各分野における薬剤耐性菌の発生状況等多岐にわたります。ですので、委員の皆様には活発な御議論をお願いしたいと思います。
 簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○松浦感染症対策課長補佐 それでは、以降の議事運営については渡邉座長にお願いさせていただければと思います。17時までの2時間の検討会でございますので、先生方におかれましては御高配のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、渡邉座長、よろしくお願い申し上げます。
○渡邉座長 では、議事に入らせていただきます。
 本日の議題は、「薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2023について」及び「その他」の2題を用意しております。先ほど事務局からお話がありましたように、2時間という時間を設定されておりますので、その中で100ページにも及ぶ報告書を議論するわけですけれども、御質問等は要点を絞った形で発言をなされることをお願い申し上げます。
 まず、事務局から資料1についての説明をお願いいたします。
○松浦感染症対策課長補佐 事務局でございます。
 それでは、資料1の説明を簡単でございますけれども、させていただければと思います。資料1のフォント、ページ数等の最終的な体裁の調整につきましては、最終報告書の公開までに行いますことを御了承いただければと思います。
 1枚めくっていただいて目次を御覧いただければと思います。例年どおり、「前文」「略称」「抗菌薬・抗菌剤の種類と略号」「要旨」に始まりまして、「5.アクションプランの成果指標」「6.日本における耐性菌の現状」「7.日本における抗菌薬使用の現状」「8.日本における薬剤耐性に関する国民意識」「9.今後の展望」と続きまして、各調査に関しての詳細は巻末の参考資料に記載してございます。内容が変更になっております項目もございますので、会議の中で各担当の先生方は適宜御発言をお願いできればと存じます。
 なお、「要旨」と「アクションプランの成果指標」でございますが、アクションプランが本年度4月に改定されておりますので、それに合わせまして新しいアクションプランの成果指標の表を追記させていただいてございます。今回の会議で御意見を賜りまして、適宜文章を追記したいと考えてございます。
 事務局からの説明は以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、今の全体の構成等に関しては毎年あまり変わっていないと思いますので、まず「1.前文」から「4.要旨」までについて何か質問、コメントをお願いしたいと思います。特に「4.要旨」については、最後にもう一回戻って、何か変更点があればもう一度皆さんの意見を聞きたいと思います。いかがでしょうか。発見のある方は挙手ボタン。藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 細かいことなので手短にさせていただきます。略称のところで、ESBLのところのlactamaseのスペルが間違っているので、これは入れておいてください。7ページ目だったと思います。ESBLのlactamaseのスペルを直しておくということです。
○渡邉座長 分かりました。
○藤本構成員 もう一つ、12ページの村木先生のところのPDIの括弧内のNumberのNが大文字になっているのですけれども、これは小文字でもいいのかなと思うので、一般的な慣習に従って必要に応じて修正したらいいと思います。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。厚生労働省。
○松浦感染症対策課長補佐 御指摘ありがとうございます。大変恐縮でございます。誤字等の修正等につきましては、後ほど事務局のほうにメール等を通じていただくということで御対応させていただければと思います。時間が限られております。大変恐縮でございますが、誤字等、形式なものについては、後ほどメールを先生方にさせていただきますので、御連絡をいただければと思います。先ほどは御指摘、本当にありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生方、よろしいですか。ここを記載した松永先生、特に何かありますか。
○松永構成員 前回アクションプランから2023年で新たに強調されたものを前文として、たたき台として追加させていただきました。やはりワンヘルスが大切だ、重要であるということの再強調。データ収集まで済んできているので、そこからアクションにつなげていくことの重要性、あと国際的な協力について述べられていましたので、その辺りを加えさせていただきました。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 細かい点ですけれども、P15の3行目の「豚における現象」、これはphenomenonでなくてdecreaseで、そちらの間違いだったと思うので、よろしくお願いいたします。
 ほかに何かございますか。藤本先生、まだ何かありますか。
○藤本構成員 その「現象」のすぐ下のところに「2t以上増加した系統も動物種もなかった」ということで、ここのつながりがよく読めなかったので、後でもう一度検討していただければと。ここは最後にまた戻られますか。
○渡邉座長 「要旨」のところはもう一回最後に戻りますので。
○藤本構成員 では、またそのときによろしくお願いします。
○渡邉座長 はい。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、ないようでしたら、「5.アクションプランの成果指標」について、御意見をお願いできればと思います。これを書かれましたのが菅井先生と松永先生と農林省の福永先生ですか。何か追加等がありましたらお願いいたします。松永先生、どうぞ。
○松永構成員 構成につきましては、前回までアクションプランの2016から2020が2022年まで延長になりましたので、この部分まで掲載させていただいた上で、新たなアクションプランについて数値を記載させていただいたということになります。
 薬剤耐性菌につきましては、若干全体の耐性率というところから血液検体の耐性率であったり、尿検体の耐性率であったり、幾つか変更があるところも反映させていただきました。
 抗菌薬につきましても同じような形で、前回のものと今回のものという形で再掲させていただいております。指標につきましては、2022年、下がり傾向にありますけれども、いわゆるコロナが終わった後、ほかの国は抗菌薬に関してはかなり増加傾向にありますので、今後注視していかなければいけないだろうなと思って拝見しておりました。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 藤本先生、お願いします。
○藤本構成員 ヒトに関するアクションプランの成果指標のところで、今度VREとかMRSAとか、その辺で検体を以前とは違って血液にしたり、尿にしたりということが行われています。そのことについて下に注釈があって、この注釈自体がアクションプランからそのまま引いているので、ここだけ切ると分かりづらいところがあるのですけれども、いずれにしてももう検体が変わっているということなので、括弧して血液とか尿とかいうふうに書いて、今までと違うことがはっきりするようにしたほうがいいのではないかと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 松永先生、いかがですか。
○松永構成員 私のほうでは修正は可能です。
 菅井先生、いかがでしょうか。
○渡邉座長 菅井先生。
○菅井構成員 今回のアクションプランの成果指標に入っているかと思いますので、これを今の下つきの形で説明するよりも中に入れ込んだほうが確かに分かりやすいと思います。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 菅井先生の音声が少しハウリングを起こしているみたいなのですけれども、先生のほうのコンピュータのせいですかね。
○菅井構成員 これでいかがですか。
○渡邉座長 はい。今は大丈夫です。
○菅井構成員 すみません。
○渡邉座長 あと、そこのところで目標値というところが、恐らくその左2つ前に2016年から2020年までは、2013年度何%減少していたと書いてあるので、多分目標値というのは2013年との比較だろうということが分かるのは分かるのですけれども、今度2013年から2027年の場合は、同じようにただ「目標値」としか書いていないので、またその2行前を見ると2020年度に何%減少と書いてあるから、想像はつくのですが、何との比較で目標値がこの値になったのかというのを少しどこかに注釈をつけておいていただくと、2016年から2020年は2013年との比較、2023年と2027年は2020年との比較でこれだけ減少させるというのが分かるように注釈をつけていただいたほうが、初めて見る人にとっては分かりやすいのかと思うので、検討をお願いいたします。
○松永構成員 ありがとうございます。承知しました。
 事務局のほう、いかがでしょうか。
○松浦感染症対策課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。御指摘を踏まえまして適宜修正等をさせていただければと思います。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに、農水省の福永先生、コメントありますか。よろしいでしょうか。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課福永課長補佐 動物分野のほうは、2016年では3畜種の耐性率の平均という形で設定しておりましたけれども、各畜種の対策の効果を見ていくためにも、2023年から2027年は畜種別に目標値を設定しております。また、新たに販売量につきましても削減目標を置きましたので、そちらについても今回新たに記載をさせていただきました。
 以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生、何かコメントありますか。よろしいでしょうか。もしないようでしたら、次に行かせていただきます。「6.日本における耐性菌の現状」。これは多くの先生が執筆をいただいているわけですけれども、まずグラム陽性菌・陰性菌、カンピロとかナイセリア、サルモネラ辺りまで何かコメント等ありましたらお願いいたします。藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 グラム陽性菌のところですが、バンコマイシン耐性のE.faecalisについての記述がありまして、「広域な病院内アウトブレイク」という言葉がここに出ています。「広域な病院内アウトブレイク」というのが言葉としてピンとこないので、「一部の地域で多施設が関連するアウトブレイク」とか、そういった表現のほうが分かりやすいのではないかと考えました。ほかのところにも何か所かこれを引いた部分があるので、そこについても同様に変えてみたらどうかと考えました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 菅井先生、今の点、いかがですか。
○菅井構成員 それで結構です。御指摘ありがとうございます。
○渡邉座長 関連するところも含めて書き直していただければと思います。
 先ほど柴山先生、手を挙げていたように思うのですけれども、いかがですか。
○柴山構成員 同じくグラム陽性菌、29ページのところですが、非常に細かいところですけれども、本文の5行目「Enterococcus faeciumでも1.4%」という記載があるのですが、これは1.4%でなくて、たしか2.6%になっていると思いますので、ちょっと細かいところですが、1.4%は前年のデータだと思うので、ここを直していただいたほうがいいと思います。
 それから、そのすぐ下の6行目「2021年もVCM耐性率が著しく増加し」という文章があるのですけれども、2021年、2022年にも同じような耐性率で推移していますので、ここは「2021年も」を「に」に直したほうがいいのではないかなと思いました。
 ちょっと戻りまして、21ページ目、グラム陰性菌の本文の4行目に「一方で、今まで増加傾向だった大腸菌におけるセフォタキシム」という文章があるのですが、「今まで」というのは、去年の報告書のコピペで来ていると思うのですけれども、実際には2020年までだと思いますので、「今まで」というのを「2020年まで」というふうに直していただいたほうがいいかなと思います。2020年というのは大分前になるので。
 それに関連して、8行目の「今回の」というのも「2021年以降の」というふうに直していただいたほうがいいかなと思いました。
 以上が細かいところです。
 もう一つ、これは大きいことになるかもしれませんけれども、大腸菌の耐性が若干減っているということを書いていただいていたのですが、一方で、クレブシエラ・ニューモニエの第3世代セファロスポリン耐性のデータを見ると増加傾向がずっと続いているので、このことを一言書いてもいいのではないかなと思いました。
 私からは以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 菅井先生、いかがですか。
○菅井構成員 ありがとうございます。全て了解です。追記させていただきます。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。
 もしないようでしたら、続いて、カンピロ、ナイセリア、サルモネラは大丈夫ですか。
 では、TBとクロストリディオイデス・ディフィシル、院内感染と院内の調査と高齢者の問題、ここまでで何かございましたら。どうぞ。
○松永構成員 AMR、松永です。
 47ページのクロストリディオイデス・ディフィシルに関して、ちょっと注意して見ていただきたいと思いまして発言させていただきます。以前は研究調査の数値を報告させていただきましたが、2019年からJ-SIPHEのデータを使用させていただいております。その件につきまして、施設数が2019年276施設だったのが、2022年1,241施設とかなり急激な増加になっております。多施設、大きな施設から中小施設、中小病院まで広がって展開してきておりますので、この数値が2019年1.38から0.82まで少しずつ下がり傾向にありますけれども、施設数の増加やその背景を留意して読んでいただきたいと考えております。
 また、同検査法に関してもかなり病院でばらつきがあるというか、それぞれの施設で適した検査をされておりますので、そこの詳細まではデータには記載しておりませんので、その2点を留意して読んでいただければと思っております。
 CDIに関しては以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 そうすると、特に対策がなされた云々というよりも、参加施設数が増えた影響が大きいということですか。
○松永構成員 そこまでの要因分析のほうはまだしておりません。コロナのほうもありましたので、その影響もあると思いますので、数値として低下傾向には見えるけれどもという背景に留意というふうに考えております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 37ページの一番最後のところに「次世代シークエンサーを用いた全ゲノム解析を実施した」という一文がありまして、これの結果というのが見当たらなかったので、結果がどこかにあるのであれば、そこを参照するようなことが必要ではないかと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 これは、菅井先生、どうぞ。
○菅井構成員 ありがとうございます。
 これ、直前まで実はこれに載せるために努力をしてきたのですけれども、最後ゲノム解析のところでまだ不十分だという意見もあって、今回のワンヘルス動向調査には載せられないのですけれども、次年度のものについては載せる方向で進めているところです。かなりのサルモネラ、カンピロバクター、大腸菌、VREについてデータをまとめてきたのですが、時間的に足りなくて、残念ながらこれを今回お示しすることはできません。ですので、ここの書き方を変えるか、あるいは何か手を考えたいと思っています。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 全く削るか、あとは解析中ぐらいな、そういうニュアンスで記述していただければと思うのですが。四宮先生、どうぞ。
○四宮構成員 四宮です。
 37ページの文章自体を書いたのは私なのですけれども、菅井先生が言われたように、ゲノムのところはまとめてワンチャプター割いて書くということを想定して37ページの文章になっているのですが、渡邉先生が言われたように、実施しているのは事実なので、解析中であるというふうな含みを残すのか、あるいは4行の記載内容の結果を示していないので、削ってもいいのかなと。どちらかにしたいと思います。
○渡邉座長 よろしくお願いします。
 関谷先生、どうぞ。
○関谷構成員 ありがとうございます。
 研究班のほうでは動物由来も一緒に解析を進めておりますので、実際にこのワンヘルス報告書に載せる場合には動物分野のほうの株も含めてということになろうかと思いますので、ここの記載は食品とヒトというところなので、こだわりはしませんが、今、取り組み中のことを書くのであれば、動物分野も参加をしてということを少し書いていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 という御意見がいろいろ出たので、できればここは削っていただいて、次回の報告書にゲノム解析の1項目を別途立てて、そしてそれこそワンヘルスの解析を行った結果を出していただいたほうがすっきりするのではないかなと思いますので、そのようでよろしいでしょうか。
○四宮構成員 了解しました。そこは削除するということにします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 どうぞ。
○藤本構成員 44ページのSalmonella Typhi,Salmonella Paratyphi A,Shigellaのところですが、2021年の株がいずれもすごく少ないのです。これを含めて3~45株とか、0~何とかと、あるいは最初から省いて記してあったところもありましたけれども、株数の少なかった2021年を除いてというのをそれぞれ入れて、それ以外のところで全体のトレンドを説明するような文章にしたほうが自然ではないかなと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
○泉谷参考人 では、「2021年を除いて」という形で修正させていただきます。ありがとうございます。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○松永構成員 病院部門について、ほんの少しだけサマライズさせていただいてよろしいでしょうか。
○渡邉座長 お願いします。
○松永構成員 J-SIPHEに基づいたデータですけれども、日本の病院の診療プラクティスに関しまして、血液培養のセット率というのは、2022年においても95%程度とかなり高い数字を保っていたということと、手指衛生の遵守率に関しましては、プレコロナよりも10%ほど遵守率が上がっていて、使用量に関してもプレコロナから30%程度上がっていて、そして2022年でも変わらなかった、減少していなかったということを御報告させていただきます。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 もしないようでしたら、先に進ませていただいて、また最後で何かコメントがありましたらお願いいたします。
 続いて、「(2)動物」についてですけれども、ここは関谷先生と浅井先生のほうから記述されていると思うのですが、コメント等ありましたらお願いいたします。
○関谷構成員 関谷です。
 56ページの病性鑑定材料から分離されたSalmonellaのところで、2021年のデータを今回更新で追加させていただいていますが、こちらからお出ししたデータがずれて反映されてしまっていて、上から4個目のメロペネムのところは、いずれの動物も0なのですが、14.3、0、0となっております。これは間違いで、1つずつずれていまして、14.3、0.0、0.0というのが下のゲンタマイシンのデータということで、1つずつずらしていていただいて、下のST合剤のところの0、0、0というのがありますが、これが上のメロペネムのところの結果ということになっておりますので、事務局の方で修正をよろしくお願いいたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 メロペネムが14.3になっているから、これは何が起こったのかとちょっと疑問に思ったのですけれども。
○関谷構成員 ちょっとびっくりされた方もいらっしゃるかと思いますが。
○渡邉座長 了解いたしました。
 これは厚労省の事務局で変えるということでよろしいのですか。
○関谷構成員 そうですね。こちらは正しいものをお出ししていたかと思いますので、反映するときに多分ずれてしまったのではないかと思います。
○渡邉座長 厚労省のほう、よろしいですか。
○松浦感染症対策課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。事務局で確認させていただければと思います。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 浅井先生、何かございますか。
○浅井構成員 特にありませんけれども、自分のところでちょっと見落としてしまって、86ページの追加したパラグラフですが、「表××」のままにしてしまいましたので、表の番号がついていましたので、「73」と修正させていただければと思います。
 以上になります。
○渡邉座長 分かりました。
 どうぞ。
○関谷構成員 関谷です。
 もう一点、反映漏れがありましたので、70ページで、サルモネラの文章の2段落目、「なお」から始まる段落ですけれども、5行目辺りに「分離された上位4血清型は食品と同じであり」とありますが、21年のデータに更新しておりまして、そうしますと、2血清型ということになって、ここも修文を事前に事務局のほうにはお伝えしていたのですが、反映漏れだと思いますので、ご確認いただければと思います。
 71ページの図1、血清型の円グラフがございますが、これと次のページの図2のInfantisとSchwarzengrundの耐性率もちょっと先祖返りしてしまっているようなので、事務局のほうで御確認の上、差し替えていただければと思います。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 四宮先生、どうぞ。
○四宮構成員 70ページから72ページのところで地方衛生研究所のデータを引用されているのですけれども、先ほどの御指摘とも重なるかもしれないのですが、表59では年次が2015年から2022年になっているのですが、表57、58に関しては2021年までになっていまして、これは2023の年次報告書になるので、前年の2022までのデータが含まれるのが望ましいのだと思うのですけれども、ただ、表56などを見ると2021までになっていますので、年次の整理というのが、特に表59はどうして2022になっているのか、単純な疑問なのですが、よろしいでしょうか。
○渡邉座長 関谷先生。
○関谷構成員 動物医薬品検査所の関谷です。
 動物のほうは耐性菌の調査の事業の関係で今年度の報告書では2021年のデータを追加させていただいています。それに併せて、地方衛生研究所のデータを引用する際には昨年度の報告書の表を引用させていただいているので、結果としてそのようにさせていただいているという整理になっております。
○四宮構成員 分かりました。そうすると、表59が2022ではなくて、2021ということで統一されるという理解でよろしいでしょうか。
○関谷構成員 そうですね。表59のほうは2022というのは、2021の間違いだと思います。確認して修正させていただきます。
○四宮構成員 分かりました。それだと全体が統一されるのでよろしいかと思います。
○関谷構成員 はい。ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 では、続いて、「(3)食品」と「(4)環境」について。食品のほうは菅井先生と四宮先生、環境のほうは金森先生が書かれているということですので、何かコメント等がありましたらお願いいたします。食品の項目、菅井先生、よろしいですか。さらに追加のコメント等ありますか。よろしいですか。
○菅井構成員 一応、報告書のほうから抜き出して書いていますので、新たにコメントはございません。
○渡邉座長 四宮先生、いかがですか。
○四宮構成員 これも我々のところが出したデータもあるのですけれども、全体としてはサルモネラだけでなくて、食品班全体の記載になっているので、菅井先生のほうでまとめていただいたということでよろしいと思います。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、環境のほうで金森先生、いかがでしょうか。
○金森参考人 90ページの「我が国における調査法の確立及び実態調査継続の必要性」のの項目の第2段落ですが、「4年間(平成30年度~令和2年度)の成果として」という書き方になっていますけれども、これは多分5年間で、平成30年~令和4年度になるかなと思います。
 以上です。
○渡邉座長 今の発言は修正ということですか。
○金森参考人 そうです。修正をさせていただければと思います。
○渡邉座長 修正項目に関しては、今、いろいろな先生に発言していただいたのですけれども、後で修正した部分を事務局、厚労省のほうにもう一度送っていただけますか。ここで聞くだけだと厚労省のほうも十分メモを取っているかどうかあれですので、実際にここをこういうふうに修正してくださいというのを厚労省のほうに渡していただいたほうが確実だと思いますので、よろしくお願いいたします。
○金森参考人 分かりました。そのようにいたします。
○渡邉座長 あと、黒田先生と西山先生、環境のほうで何かコメントありますか。
○黒田構成員 黒田ですけれども、特にございません。ありがとうございます。
○渡邉座長 西山先生はいらっしゃいますか。よろしいですか。
 あと、田中先生、どうぞ。
○田中構成員 環境省のほうの環境総合推進費で初めて今回内容を書いていただいたのですが、文献が論文としてというよりは、報告書なりホームページに出ていると思うので、そのリファレンスとしてつけておいていただいたほうがいいかなと思いました。それだけです。
 以上です。
○渡邉座長 先生、それもどのリファレンスをどこにつけたほうがいいかというコメントを事務局に送っていただけますか。
○田中構成員 分かりました。環境省と相談します。
○渡邉座長 お願いいたします。
 浅井先生、どうぞ。
○浅井構成員 90ページのところで1.厚生労働省科研費のすぐ下のところに黒丸がついているのですが、この黒丸は必要なのか。ここだけすごく目立った印象がありましたので、体裁を整えていただくといいのかなと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 厚労省のほう、今の件、よろしいですか。
○松浦感染症対策課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。対応させていただきます。
○渡邉座長 あとは、藤本先生、どうぞ。
○藤本構成員 92ページのところですけれども、これは研究成果なので、ここにあることが全てであるのかもしれないのですが、2.の最初から10行目ぐらいに「3薬剤以上に耐性を示す多剤耐性菌であった」ということが記されていますが、レジストームに関するような情報がもしこのときに一緒に報告されていると、どこからそういうものが来ているかとか考える一つの参考になると思うので、もしありましたら入れられるといいのではないかと考えました。
○渡邉座長 金森先生、今の点、いかがでしょうか。
○金森参考人 御指摘ありがとうございます。
 環境省の研究者が担当しておりますので、環境省に確認して、必要に応じて修正していきたいと思います。どうもありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 松永先生、どうぞ。
○松永構成員 AMR臨床リファレンスセンターの松永です。
 情報提供と技術的に可能かという質問をさせていただきます。コロナを経て、欧米では大都市で下水のサーベイランスのほうが開始されておりまして、かなり注目を浴びているのかなと思っております。現在ウイルス検知が主ですが、そのウイルスを新興感染症の備えに対して使用されていくということで、サーベイランス的に、技術的に網羅的にウイルスを検知していくことが可能かということに加えて、AMR関連もそのような形で新しく入ってきた耐性菌を察知する方向で、サーベイランスということが技術的に可能かどうかということをまずお伺いさせていただければと思っています。
○渡邉座長 金森先生、いかがですか。
○金森参考人 薬剤耐性菌あるいは薬剤耐性遺伝子、それぞれにおいて少し方法論が変わってくるわけですが、私たちの研究班でもやってきたように、モニタリングすること自体は可能かなと思いますので、今後下水の放流水、流入水のAMRの状況、そのデータを、ヒトや動物とどういうふうに関連があるかというところを検討しないと、なかなか正確なことは言えないかなと思っておりました。
 以上です。
○渡邉座長 今の点に関して、田中先生、手を挙げていますが、いかがでしょうか。
○田中構成員 研究者レベルでは今、金森先生が言われるような形でやられているのですけれども、新型コロナの下水サーベイランスのときも国土交通省と厚生労働省の連携だったのです。今、このワンヘルスには環境省は入られているのですが、下水道を所管する国土交通省が入られていないのです。環境省のほうでも下水サーベイランスを使ったAMR調査についての発想や利用についての議論がちょうど始まったところですが、下水についてそういうことをやっていく際に、病原微生物の情報と薬剤そのものがどれぐらい使われているかという情報も含めて議論するとすれば、この場に国土交通省の下水道担当者も少し関わってもらったほうがいいかと思います。環境省も全くできないわけではないのですが、放流水からはある程度担当と言えると思うのですが、下水に入ってくる分はどうしても環境省の所管、ダイレクトでないところがありますので、そういうことも少し御議論いただくとありがたいかと思います。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 下水サーベイランスでは、ウイルス、今回のコロナとか、前はポリオとか、いろんなことでやられているわけですけれども、耐性菌で下水サーベイランスがどういう形で実際の対策等に生かすかというのは今後の課題だと思います。
 今、国土交通省を巻き込むというお話もあったのですけれども、事務局はそれに関して何かお考えはありますか。
○松浦感染症対策課長補佐 事務局でございます。
 国土交通省につきましては、研究での協力、あるいは今日いただいた御指摘も含めて内部で検討していきたいと思います。ありがとうございます。
○渡邉座長 今後の課題として重要なポイントだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 環境の問題等でほかにございますか。よろしいでしょうか。
 では、続いて、「7.日本における抗菌薬使用の現状」。これは村木先生と松永先生が書かれているということで、村木先生のほうからコメントをお願いいたします。
○村木構成員 今回、AMR臨床リファレンスセンターの松永先生のチームでデータのほうを出していただきまして、私は値を全て確認いたしましたが、特に前年度から新しく更新された数値等を見直しましたが、誤記などもなく、アップデートされているものと判断しております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 松永先生、いかがですか。
○松永構成員 私のほうも特に。WHOが推奨しているAWaRe分類に関して引き続き掲載させていただいて、少しずつでありますけれども、アクセスの割合が増えているということを御報告させていただきます。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生方、コメント、質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 では、続いて、「(2)動物用医薬品」について。これは関谷先生と、水産のほうは髙橋先生がお書きになっているということで、さらなるコメントがありましたらお願いします。
○関谷構成員 関谷です。
 データを更新いたしました。基本的には御覧いただければと思いますが、例えば109ページ、畜産動物の販売量ですが、2013年以降で最も少ない量であったということで、大きく減っているというわけではないですが、徐々にそのようなデータも出てきているという状況かと思っております。
 以上でございます。
○渡邉座長 髙橋先生、いかがでしょうか。髙橋先生は今日はいらっしゃらないのですかね。
 では、全体としてほかの先生方から。松永先生、どうぞ。
○松永構成員 AMR臨床リファレンスセンターの松永です。
 非常に素朴な疑問ですけれども、畜産動物や水産動物の生産量というか、飼育頭数は年々増加しているのか、減少しているのか。いわゆる量は下がってきていて頭数が増えているとしたら、かなり大きく使用量が減っているのかなというふうに考えておりまして、その辺り、不勉強で恐縮ですけれども、教えていただけますでしょうか。
○渡邉座長 関谷先生、お願いします。
○関谷構成員 多少の変動はありますが、大きく変化しているという状況にはございませんので、基本的には先ほど申し上げた販売量の減少については、頭数はあまり変わらない状況の中での減少ということになっております。
○渡邉座長 ほかの先生、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。
○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課髙橋専門官 農林水産省の水産担当の者でございます。
 水産の養殖の状況におきましては、魚の養殖は、今、非常に輸出促進という観点から増産ということを考えている次第でございます。実情として1年、2年で進めるようなものではございませんが、長期的な考えとしましては、今後増産していくというような状況になっているということを御報告いたします。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 松永先生、よろしいですか。
○松永構成員 はい。ありがとうございます。
○渡邉座長 ほかの先生、よろしいでしょうか。
 ないようでしたら、続いて、「抗菌性飼料添加物」から「環境」までについて、何か御質問がありましたら。抗菌のほうは古川先生ですか。日本の抗菌薬は松永先生で、動物のほうは農林省で、環境のほうは田中先生が書かれているということですので、さらなるコメント等がありましたらお願いいたします。関谷先生、どうぞ。
○関谷構成員 115ページの日本における全体の表88ですが、私の見方がおかしいのかもしれないですが、本文と合っていないような感じで、3行目「2013年と比較しても1.04倍程度しか増加していない」というのが、今年のデータは2013年と比較すると減っていたりするような気がするので、御確認をいただければと思います。
○渡邉座長 これは松永先生。
○松永構成員 失礼いたしました。こちらは修正させていただきます。ありがとうございます。
○渡邉座長 田中先生、環境のほうではいかがですか。
○田中構成員 特段変更していません。というのは、昨年度追加したのが、環境省の黒本調査で抗生物質が、生態のほうへの影響の調査を追加されたのですが、今年度対象に書くものがなかったので特段上げていないという状況です。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほか、よろしいですか。御質問等ありましたら。どうぞ。
○松永構成員 AMR、松永です。
 1個前のところで言い忘れてしまったのですけれども、愛玩動物に関しまして、2019年からヒト用の抗菌薬がかなり減少しているということがありまして、例えば適正使用の手引のようなものであったり、施策であったり、ガイドラインの変化があったのかということを教えていただければなと思っています。
○邉座長 関谷先生、いかがですか。
○関谷構成員 愛玩動物における抗菌薬の慎重使用の手引を発行するなど、あるいは普及啓発の中で動物用医薬品として承認されているものがあれば、それを使いましょうという普及啓発もしている中で、それがどれぐらい効いてきているかというのはなかなか分からないところでありますけれども、そのような活動もさせていただいているという状況になっております。
○松永構成員 かなり減少しておりましたので、ありがとうございます。
○渡邉座長 関谷先生、愛玩動物とヒトの各菌における耐性パターンというのが非常によく似ている点があるのかなと思うのですが、ヒトから動物、または動物からヒトへという伝播に対して、農林省として研究事業か何かで明らかになっていることはあるのでしょうか。
○関谷構成員 まず、過度な接触をしないようにということの普及啓発は、先ほどの普及啓発活動の中でさせていただいております。
 耐性菌の関連性ということですが、動物分野AMRセンターから何か補足できることはございますでしょうか。少し補足できることがあればお願いしたいのですけれどもいかがでしょうか。
○川西氏 動物分野AMRセンターの川西です。
 御質問ありがとうございます。農水省の研究事業として比較しているものは現時点ではない状況です。ただ、愛玩動物由来の耐性菌とヒト、飼い主の方由来の耐性菌の遺伝子、例えばESBL産生菌などを比較して、かなり遺伝子的に近いものが検出されているという研究報告はございます。愛玩動物とヒトから、近いものは検出されているのですけれども、ヒトから愛玩動物、愛玩動物からヒトのどちらからどちらという方向性については明確ではないところです。
 以上になります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問はよろしいでしょうか。
 では、ないようでしたら、「8.日本における薬剤耐性に関する国民意識」。松永先生、お願いいたします。
○松永構成員 ありがとうございます。
 こちらの意識調査のほうですけれども、国民に対して2022年も実施させていただきました。正しい知識、抗菌薬を内服する場合になった理由ですが、風邪で抗菌薬を処方されている割合が、前年度30%から20%まで下がったのですが、質問の中で、コロナウイルス感染症等を追加した影響で、コロナで処方されるというのが15%ですので、やはり国民の意識的にはまだ十分に変わっていないという現象が見てとれております。
 また、20代、30代の抗菌薬の考え方について男女差がありましたので、そちらの研究を進めさせていただきました。その中では、女性のほうが受診機会が多いので処方回数が多かった。そのような現象がありましたので、それに対する教育啓発を進めていこうという方向性となっております。
 また、医療従事者に関しましてはアンケートを継続的にしておりますけれども、抗菌薬の処方件数に関しては、2020年に関して低下傾向にありますので、医療従事者に関しましては少しずつ意識が向上しているようなところが見てとれております。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 御質問等、お願いいたします。
 これは一般の方々の意識、行動変容に結びつかせるのは難しいというのはよく分かるのですけれども、今後臨床センターとしてはさらなる向上に向けて何か取組というのを企画なさっているのですか。
○松永構成員 多角的な方向性としましては、ポスターやウェブサイト以外にもツイッターやSNSを通じた活動、また、イベントも含めた活動などをしております。最近ですと、某パラマンガというか、かなり認知度が高いような方を使用したキャンペーンなどを実施しているような状況で、できるだけ幅広い皆様にも周知していくような方向性で活動しております。
 ただ、海外の状況を見ていますと、マスメディア等も含めてかなり長期的に活動されておりますので、日本はまだ5~7年ぐらいのスタートですので、今後も継続的にしていかなければいけないのだろうなと考えております。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。根気強い取組が必要なのだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。
○松永構成員 獣医学部の調査が非常に興味深かったのですけれども、その辺りを農水の先生方に説明いただければなと思うのですけれども。
○渡邉座長 関谷先生、獣医関係の取組についてコメントをお願いいたします。
○関谷構成員 意識調査のほうでよろしいでしょうか。
○渡邉座長 はい。
○関谷構成員 129ページに学生への調査というのがありまして、こちらは一般というよりは学生でございますが、毎年実施しているものです。ここは修正をさせていただきたい部分があるのですが、129ページの本文の4行目から「抗菌剤は、『ウイルスに効く』と答えた学生が全体の22.8%であった。同質問については2020年度では4.8%、2021年度では10.4%」で、増えていると書いてあるのですけれども、これはこのまま読んでいただきますとちょっと誤解を生むと思います。
 というのは、最初の20年の調査等は、学生さんに薬剤耐性菌対策の重要性等の講義をした後に調査をしておりまして、それですと学んだ直後の学生さんなので、それがちょっと反映されていてバイアスがかかっていた可能性があります。一方、2022年の調査に関してはそういうバイアスがより少なくなるように調査をしていますので、その辺を追記させていただければと思います。学生さんに対しては、引き続き出張講義のようなことを取り組んでおりまして、意識調査としてはこのような状況になっております。お答えになっているかどうか分からないですけれども。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 前に医学生についてやられた調査で、学年が増えるに従ってそういう意識とかそれに対する考えがだんだん高くなっていくというデータがあったと思うのですが、非常に示唆的なデータだと思うので、やはり教育の重要性というのは非常に大きいのだと思いますので、医学部の学生に対しても、大学でそういう講座か何かをちゃんとやっていただける体制か何かができれば一番いいのかなと思うのですけれども、各医学部に対して、AMRセンターとしては取組か何かを考えられているのですか。
○松永構成員 各医学部に対しての取組について、私は存じておりませんけれども、今回新しくなったアクションプランにも学生への教育や、研修医の教育、また生涯教育として薬剤耐性菌対策を含めていくということが記載してありますので、その手段についてはまた今後検討させていただければなと思っております。
 以上となります。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 今、生涯教育の問題も出たのですけれども、それに一番近い関係にあるのが日本医師会だと思うのですが、今村先生、AMR教育に関して、現状の医師に対してどうすればよろしいのでしょうか。何かお考えがあればお願いいたします。
○今村構成員 日本医師会の今村です。
 医学教育全般をよく分かっているわけではないので、少しコメント的になるかもしれません。ただ、今、獣医学性さんへの調査等をこういう形でされていらっしゃるということで、これをぜひ医学部でもしていただいて、しっかりここら辺の認識というのを改めて学生時代からしてほしいなと。医学部教育においても一定程度ここら辺はしっかり取り上げられているのは確かだと思いますが、また確認させていただくのと、それを推進してほしいという部分については日本医師会からも情報発信していきたいと思います。ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 それと、各都道府県の医師会等に関して、医師の生涯教育としてのAMR対策というのは何か。
○今村構成員 生涯教育、あとかかりつけ医機能等の教育の中においては、この課題というのは入っていたかと思います。もう一度確認いたしますけれども、ここに関しては引き続きしっかりと力を入れていこうと。
 もう一つの問題は、私、途中から参加だったのですが、抗菌薬というか、推奨される抗生剤が最近手に入らないと。これが少し大きな問題になってきているかなと。こちらのほうで今までのせっかくの取組が後退しないようにというのは、少し考えておかないといけない課題かなと感じているところです。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 エクセスとアクセスの問題、この調和というのは非常に重要だと思うのですけれども、厚労省のほうは今の今村先生の点に対して、いかがでしょうか。担当が違うかもしれないけれども、何かお考えがありますか。
○松浦感染症対策課長補佐 御指摘ありがとうございます。
 いただいた御指摘を含めまして、内部でしっかりと共有させていただければと思います。ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 よろしいですか。
 では、続いて、「9.今後の展望」、あと最初のところに戻りまして、「要旨」、まとめについてコメント等をお願いします。
 まず、松永先生のほうから、先生がまとめられているということですので、さらなるコメントがありましたらお願いいたします。
○松永構成員 たたき台をつくらせていただきまして、要点的には適正使用及び、先ほど今村先生がおっしゃったように、抗菌薬の安定供給確保、また、地域ごとの薬剤耐性菌対策のアプローチ、また、教育について今後の展望について書かせていただきました。
 サーベイランスに関しましても継続的に実施していくことに加えまして、データ・フォー・アクション、いわゆるデータを基に今後の行動につなげていくということを記載してあると考えております。
 今回、ワンヘルス・アプローチにおきましてゲノム関連の調査というものが非常に重要なのかなと考えておりましたが、今回食品の関係のデータも含めて、こちらに記載していいかどうかというところは悩んでいるところではあります。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 委員の先生方から「今後の展望」及び「要旨」、まとめに関してコメントがありましたらお願いいたします。藤本先生、お願いいたします。
○藤本構成員 先に「今後の展望」のところで話をさせていただきますけれども、「今後の展望」の第2パラグラフ、「ヒト分野において」から始まる1パラグラフがあって、ここはこれから何をしていくことが必要かということについてはしっかり述べられているのですが、ちょっと根拠があるといいですね。例えば処方、改善については、今は処方がちょっと不十分だというデータがワンヘルスの調査であったからというところで、まだまだ不十分なので、より適切な使用が必要だとか、供給については、実際に現場で抗菌薬の使用に困るようなことが起きているので、ここは今後改善が必要だというような根拠があると。これはちょうど考察に当たるような場所だと思うのですけれども、だから、実際にある事実を簡単に述べて、「なので」ぐらいでよろしいですから、なので、これをしていく必要があるということを述べられるのがいいのではないかということが第1点です。
 そのほかに、研究開発とか目標6の国際協力などについても、今のところ指標となるような調査、動向がワンヘルスの報告書にはないので、そういったものも今後何か指標を考えて取り入れていく必要があるのではないかということも述べられると、少し先につながるかなと考えました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 先生、もしいい文案がありましたら、松永先生のほうに送っていただければと思います。よろしくお願いします。
○藤本構成員 少し相談してみたいと思います。
 それと、最初の「要旨」のところですけれども、14ページの最初のところはもう既に菅井先生にお話ししたのでよくて、15ページの最初のところ、ちょっと申し上げかけた、渡邉先生のほうから「現象」の字が違うのではないかという指摘があったその下に「2t以上増加した系統も動物種もなかった」と書いてあるのですが、その前にサルファ剤が減少したとかマクロライドが減少したということが書いてあるので、これはどういうことなのか理解しがたかったので、教えていただければと思います。
○渡邉座長 どうぞ。
○関谷構成員 関谷でございます。御指摘ありがとうございます。
 今回、サルファ剤が17tぐらい減少しているということを記載しておりまして、一方、増加したものとしては、抗菌剤の系統別に後ろのほうにデータが出ていましたが、系統別でもあるいは動物種別に見たとしても、販売量が2t以上増加したものはないということをお伝えしたかったのですけれども、ちょっと分かりにくい表現なので少し補足をして分かりやすくしたいと思います。個別に見た場合に、ということでございます。系統別。
○藤本構成員 説明を受けて分かりました。ちょっと分かるようにしてもらえればと思います。
○関谷構成員 工夫させていただきます。ありがとうございます。
○藤本構成員 もう一つよろしいですか。
○渡邉座長 どうぞ。
○藤本構成員 16ページの「日本のAMR対策は、国際的な動きとの連携のもとで進められており、ワンヘルスの視点からのアプローチを強化することが、今後のAMR対策の成功の鍵になる」とあるのですけれども、この前半部分と後半部分のつながりというのがちょっと曖昧なので、どうなのかな。これは必要なことなのでここに入れられたのだと思うのですが、もうちょっとつながりが分かるように書かれたらいいのかなと考えました。
 その下の国民の健康と公衆衛生の向上を図ることを目標として取り組む必要があるというところは、「国民の認識向上と行動変容を促す教育啓発活動の強化」とか、あるいは「抗菌薬の適切な使用を支援するためのガイドラインの普及、AMR対策の効果を測定し評価するための監視システムの強化」などをここに入れておけば、上の先ほど分かりづらかったところは要らないのかなというふうにも思ったのですが、いかがでしょうか。
○渡邉座長 松永先生、いかがですか。
○松永構成員 ありがとうございます。
 2つ前の最初の質問とも絡みますけれども、日本としてWHOのGLASSにデータを提出していたり、農水省はWOAHにデータを提出していたり、また、毎年東京ワンヘルス会議で各国の皆様とワンヘルスに関して協議しておりますので、そこも含めて記載のほうを分かりやすく修正させていただければと思います。
○藤本構成員 今のようなことをごく手短に述べられたら分かると思います。
○松永構成員 はい。そのような形で。
○藤本構成員 そうすると、次の文章のつながりというのも。先ほどちょっと申し上げたように後ろのほうがいいのかなということもありますので、先生、また後で個別に連絡させていただきます。
 ありがとうございました。
○松永構成員 よろしくお願いします。ありがとうございます。
○渡邉座長 どうもありがとうございます。
 では、田中先生、どうぞ。
○田中構成員 どうもありがとうございます。
 私は1点だけです。「今後の展望」のところで、ヒト、動物、農業、食品、環境の分野について連携の重要性をいろいろ書かれていただいて、今回も環境の分野も少しそういうところが入ってきたということを書いていただいて、ありがとうございました。
 131ページの一番最後のパラフレーズのところで「新しいアクションプランの下で、ヒト、動物、食品等」になっていまして、実は環境についての調査が今度のアクションプランで初めてかなり明確に書かれましたので、ここは「環境」というのをまず書いていただいて、「等」は、例えば先ほど少し下水の話などが出ていたので、ほかの分野の「等」もそこの中に残すようにしていただけると、環境分野としては、これから頑張ろうという姿勢を環境省も見せていただいていますので、後押しになるかなと思いましたので、よろしくお願いします。
 以上です。
○渡邉座長 松永先生、その辺、よろしく。
○松永構成員 はい。とても大事なところだと思って、申し訳ありません。抜けておりました。失礼いたしました。
○渡邉座長 ほかによろしいでしょうか。
 では、今日は皆さんの御協力で大分早く進みまして、時間がまだ余っているのですけれども。柴山先生、どうぞ。
○柴山構成員 柴山です。
 先ほど言いそびれたところで、戻ってしまって申し訳ないのですが、48ページ目「院内感染症の発生状況」のところです。ここの本文の4行目の後半部分、「人工呼吸器関連肺炎の感染症発生率は過去10年間1.2~1.5」とあるのですが、1.5ではなくて、1.8だと思います。2021年が1.8なのですけれども、このすぐ下の表37を見ていただくと、人工呼吸器関連肺炎のところが2021年が1.8になっています。2021年が突出して多いのですが、ちなみに、これはコロナで重症例が一番増えたときとぴったりと一致しているという状況です。先ほど言いそびれました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 藤本先生、手を挙げていらっしゃいますか。
○藤本構成員 細かいところで申し訳ないのですが、先ほどの「要旨」の一番最後になるかと思うのですが、15ページのところで、先ほど申し上げた2t云々のすぐ後に「2021年における各分野の販売量などから推測した抗菌薬の使用量」という文章が始まります。この前は、ヒトの耐性菌の分離状況、抗菌薬の使用量、動物の耐性菌の分離状況、抗菌薬の使用量と来ているので、ここの全体をまとめたものについては、去年も同じことを申し上げた気もするのですけれども、段落を変えたほうが自然ではないかと考えました。いかがでしょうか。
○渡邉座長 松永先生、いかがですか。
○松永構成員 菌は菌でまとめて、抗菌薬は抗菌薬という形で段落をまとめていくという理解ですか。
○藤本構成員 そうでなくて、ヒトと動物を合わせものは、動物の後ろにつけておくのではなくて、段階を分けたほうがいいのではないかということです。
○松永構成員 段落を分けるということですね。分かりました。ありがとうございます。
○藤本構成員 あと、全体というか、動物のところの健康なペットであるとか動物についての調査なのですが、これは1頭あるいは1匹から1検体ずつということでされていて、これはこれで意味があることだと考えるのですけれども、ただ、検出頻度の低い、今のところ0になっているVREとか、あるいはその他のちょっと問題になるような耐性菌については、ちょうど野生動物の方がされているように選択培地にまいて、そこから拾って、大体このぐらいの検出率があるのだというのもどこかで示しておいたほうがいいのかなと考えましたので、動物関係の方のほうで検討していただけたら幸いです。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 これ、関谷先生、いかがですか。
○関谷構成員 動物分野では基本的にはバンコマイシンは使っていませんし、共耐性等のあるものも基本的にはないと思うのですけれども、そういった状況も含めて今後検討させていただければと思います。必要性も含めて。
○藤本構成員 特に鳥は元の子供の鳥が海外から入ってきていて、そこでついてしまっていると。サルモネラなどもそうだと思うのですが、持ち込まれてしまうということもあるようなので、本当にいるのか、いないのかというのは、選択培地にまかないと分からないのと、あと、健康なペットについては抗菌薬が使われていないでしょうから、選択圧のかかっていない状態での採取になりますので、保菌していても耐性菌が検出しづらいということがあるので、選択培地にまいてみるというのはどこかで必要ではないかなと。ただ、今のことをやめるのではなくて、今のことはこのまま継続していただいて、研究レベルでもよいのでそういうことをして、この報告書に入れ込めるようにするのがいいのではないかなと考えました。
○関谷構成員 検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○渡邉座長 浅井先生、どうぞ。
○浅井構成員 ありがとうございます。
 「今後の展望」のところで動物のところですけれども、テトラサイクリンの使用量が減っているけれども、耐性に変動が見られないという部分に対する受けとして、「そのため、引き続きワクチン等の開発・実用化」という流れになっているのですが、この部分の一つの要因として、ほかの薬剤を使用するとか、テトラサイクリンか何かにシフトしているというケースもあるので、使用量の部分の考察として、そういう調査も含めた形での検討を進めていくという文章があったほうがいいのではないかなと思います。その点については農研機構の小林先生のところが事業でいろいろ検討されていて、そういう経験もお持ちだと思いますので、そういうところも連携しながら文章を一文加えていただいたほうが何となくいいのかなという印象を受けます。
 使用量に関しての評価としてバイオマスの話が毎年のように書かれているのですが、今後どういうふうにバイオマスとか、先ほど松永先生がお話しされていた部分とも関連するのですけれども、生産量がどういうふうに変動していてというのも反映するような形での抗菌薬の使用実態の集計は早めに取り組まれたほうがいいのかなと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 農研機構の小林先生、今のことでコメントありますか。
○小林構成員 小林でございます。
 浅井先生、動物分野の話題を振っていただいてありがとうございます。ご指摘のとおり幾つか知見も出てきていますので、動物医薬品検査所、あるいは農水省の皆様とも相談しながら、一文加えるという方向で考えてみたいと思います。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 ほかはよろしいでしょうか。
 もしないようでしたら、今いただいたいろんな御意見を、まずは執筆者の先生に送っていただけますか。それで、執筆者の先生がまとめたものを厚労省に送っていただけますか。全部厚労省に送ると、多分厚労省もいろんなところから来るとなかなかまとめ切れないと思うので、まず執筆者の先生のほうにまとめていただいて、そしてそれを厚労省のほうに送っていただくということでお願いいたします。
 では、大体皆さんの御意見が出尽くしたと考えてよろしいですか。もしほかに御意見があれば。何もしゃべっていなくて、私、しゃべりたいという方がいれば手を挙げていただければ結構ですけれども。よろしいですか。
 では、今のような形でまとめを作成して、そして厚労省がまた全体をまとめた形で、最終版をまた厚労省から皆さんに送っていただいて、確認されたものを今回の2023年度の版とするということでお願いできればと思います。
 厚労省のほうはそれでよろしいですか。
○松浦感染症対策課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 座長から御指示いただきましたので、事務局のほうで最後取りまとめさせていただきまして、メール等で委員の先生方に最終の内容を確認の上、発表に向けて準備をしたいと思います。
 ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、続いて、議題2「その他」について、事務局から何かありましたらお願いいたします。
○内閣府食品安全委員会事務局矢野課長補佐 失礼いたします。食品安全委員会事務局の矢野と申します。よろしくお願いいたします。
 大変恐縮ですが、参考資料3をお手元に御準備いただけますでしょうか。前回の会議におきまして食品安全委員会の実施しております研究事業について触れていただきましたので、本日は少しだけお時間を頂戴いたしまして、当局にて実施しています調査研究事業について御紹介をさせていただきたいと思います。とはいえ、本日は時間が限られていると聞いておりますので、私からは概要のみ御紹介させていただきます。本日御紹介する内容は全て食品安全委員会のホームページよりアクセス可能となっておりますので、もし詳細を御覧になりたいという方がいらっしゃいましたら、資料にリンクを記載してございますので、そちらにぜひアクセスをしてみていただければと思います。それでは、御説明させていただきます。
 食品安全委員会では、畜水産現場で抗菌性物質を使用することによって選択された薬剤耐性菌が、食品を介してヒトに感染し、ヒトの健康に悪影響を与えるリスクを評価してございます。まさに本日調査されていらっしゃいました動向調査の結果等を使わせていただく立場でございまして、それを使って評価をしているところでございます。
 JVARM等のモニタリングの結果等に加えまして、食品安全委員会では評価を実施するに当たり、必要な情報を収集する調査事業や評価の考え方の整理等に用いる研究を提案公募型の委託研究として実施しております。そして、その結果を評価に生かしているところでございます。
 具体的に実施したものを参考資料3の2に列記してございます。平成28年度以降に実施した調査研究事業は4点ございまして、研究事業は5点となります。
 1ページめくっていただきまして、2ページの表の一番下の行に記載されております「養殖水産動物における薬剤耐性指標細菌の設定及びモニタリングの試行」というのは、実績というより、現在実施しているものでございます。
 同じページの3から直近の研究成果といたしまして2点ほど、少し詳細に御報告をさせていただいております。1点目ですが、(1)家畜由来薬剤耐性菌の水圏・土壌環境を介した野菜汚染の定量評価及びヒトへの伝播に関する研究というものを実施いたしました。こちらの主任研究者は酪農学園大学の臼井教授でして、本日参加されている先生といたしましては、岐阜大学の浅井教授も分担研究者として、また、菅井薬剤耐性研究センター長も研究協力者としてこちらの研究に参加いただいているところでございます。
 具体的な内容ですが、堆肥や水から圃場、そして今回作物としてデントコーンを使ったのですけれども、そちらまで耐性菌がどの程度伝播していくのかを調べた研究であったり、家畜、排水、野菜、ヒト由来の耐性菌のゲノム分析をいたしまして、その関係性を調べた研究であったり、実際に野菜を栽培しまして、土壌から野菜に耐性菌が移行するか調べた研究であったり、そういった研究を複数の研究者の方に実施していただいたものになります。
 2点目ですが、1ページ進んでいただきまして3ページの(2)でございます。食肉由来耐性菌の全ゲノムシーケンスを用いた薬剤耐性特性解析に関する研究でございます。こちらの主任研究者は、地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の川津先生でございます。具体的な研究の内容ですけれども、市販の食肉及び家畜からひたすら耐性菌を分離してまいりまして、全ゲノムシーケンスを行い、薬剤耐性遺伝子の解析をしたものになります。現在食品安全委員会のほうでホスホマイシンの食品健康影響評価を実施しているのですが、その際にもこの研究成果を用いて評価を行っているところでございます。
 以上、大変駆け足ではございましたけれども、調査研究事業の御紹介をさせていただきました。
 繰り返しになりますが、時間の制約上、多く御説明はできませんでしたので、ぜひ詳細についてはホームページを御参照いただければと思います。
 以上、食品安全委員会からの御報告でございました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 現在食品安全委員会の研究事業で行っている研究内容、その成果等を御報告いただきましたけれども、皆さんのほうから御質問がありましたらお願いいたします。田中先生、お願いします。
○田中構成員 どうもありがとうございます。
 質問というよりは、環境の分野から見ると極めて重要な結果が出されていると思うので、これをワンヘルスの環境の分野の中で、今年度間に合うというのは難しいかもわからないですけれども、来年度以降、これに関係する部分の国が行っている研究内容としての要点だけを入れてもらうことはできないでしょうかという御質問です。
 以上です。
○渡邉座長 食品安全委員会のほう、いかがでしょうか。
○内閣府食品安全委員会事務局矢野課長補佐 こちらとしては異論はございません。追記できる部分をぜひ抜いて、今後厚労省さんと御相談をさせていただいて対応させていただきたいと思います。
○田中構成員 よろしく御検討をお願いいたします。
○渡邉座長 せっかくやられたデータですので、うまく活用させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問ありますか。どうぞ。
○松永構成員 AMR、松永です。
 1点確認ですけれども、今回、本研究はヒトと環境、動物も含めた関係性と方向性につきまして、非常に重要なことかなと思っております。それを踏まえまして、先ほど御質問させていただきました「今後の展望」に「ゲノムサーベイランスの重要性」という文言を加えさせていただいてもよろしいでしょうか。ゲノムに関して、展望について何も記載されていなかったので、確認をさせていただきたく発言いたしました。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 菅井先生、いかがですか。
○菅井構成員 前から申し上げていますように、いろんなセクターから出てくる耐性菌について感受性データをずっと集積されてきたというのが、第1期のアクションプランでのワンヘルス動向調査報告書の成果だったかと思います。
 ワンストップでそれが見られるようになったということは、非常に大きな成果があったのですけれども、実際にその中でワンヘルスの立場から耐性遺伝子がどのように動いているかということを理解する上では、遺伝子あるいはゲノムの理解なしに先へ進めることはできないと考えています。したがって、当然のことながらこの先にゲノムの解読をもって実際にワンヘルスの立場からどのように遺伝子が、あるいは遺伝子を運ぶ運び屋であるプラスミドといったものが動いていくかという解釈が必要になってくるのではないかと思います。したがって、元へ返すと、松永先生もおっしゃられるとおり、ゲノムの理解というのはワンヘルス動向調査にとっては欠くべからざる必要な案件であると考えています。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ぜひ今後の動向のところに加えていただいて、今の菅井先生の御意見も踏まえながら、松永先生のほうで加えていただければと思います。
○松永構成員 ありがとうございます。承知いたしました。
○渡邉座長 あと、先ほど菅井先生のほうからもあったと思うのですけれども、今回ゲノム解析の項目を今年度の報告書に入れる予定で進めていたのですが、最終的な皆さんの同意を得られるまでの段階にまだ達していなかったということで、ぜひ次年度の報告書には1つ項目を設けて、ゲノム解析から見たワンヘルスみたいな形で、今まで得られてきたデータをそこに加えていただければ、この報告書も非常に重厚な読みがいのあるものになるのではないかと思いますので、その辺、よろしくお願いしたいと思います。
 関谷先生、どうぞ。
○関谷構成員 動物分野としても今の座長の御発言、また松永先生の御指摘、菅井先生の御意見に同意いたしますので、ゲノムの必要性。これはアクションプランのほうでもしっかり書いてございますので、「今後の展望」のところに書くということで、当方も賛成でございます。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 文面等に関して御意見があるようでしたら、松永先生のほうに送っていただいて、最終的に松永先生がまとめていただいて厚労省のほうに送るという形でお願いいたしたいと思います。
○松永構成員 承知しました。
○渡邉座長 ほかに御意見等ございますか。よろしゅうございますか。
 もしないようでしたら、これで本日の議題は全て終了ということで、厚労省のほうにマイクを返したいと思います。よろしくお願いいたします。
○松浦感染症対策課長補佐 構成員の皆様、円滑な議事の進行に御協力いただきまして、本当にありがとうございました。
 報告書につきましては、本日の御意見を踏まえまして、最終的には事務局のほうでまとめさせていただきますので、構成員、座長の先生方におかれましては引き続き御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 本日は長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございます。これをもちまして終了とさせていただきます。本日はありがとうございました。
○渡邉座長 ありがとうございました。