第27回 社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会 議事録

日時

令和5年11月27日(月) 16:00~18:30

場所

AP新橋
(東京都港区新橋1丁目12-9 新橋プレイス3F)
及び Web会議(ハイブリッド開催)

出席者(五十音順)

  • 池永 彰美
  • 今村 英仁
  • 浦野 正男
  • 大西 豊美
  • 岡部 卓
  • 奥田 知志
  • 勝部 麗子
  • 菊池 馨実
  • 五石 敬路
  • 駒村 康平
  • 佐保 昌一
  • 生水 裕美
  • 新保 美香
  • 竹田 匡
  • 堀 有喜衣
  • 宮本 太郎
  • 渡辺 由美子
  • 大江 賢一 (内堀雅雄委員の代理出席)
  • 出原 晋一郎(大森雅夫委員の代理出席)
  • 和田 秀幸 (岡崎誠也委員の代理出席)

議題

  1. (1)子どもの貧困への対応について
  2. (2)居住支援について
  3. (3)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する最終報告書(案)について

議事

(議事録)
2023-11-27 第27回社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会
○河合室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第27回「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙の折、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局側の出席でございますが、今回より、成年後見制度利用促進室の火宮が出席しております。また、今回は老健局から高齢者支援課長の峰村が別の公務が終わり次第、遅れて出席する予定でございます。地域福祉課長の金原につきましては、他の公務のため、本日は欠席となります。
 初めに、事務局より本部会の取扱いについて御説明させていただきます。
 本部会の議事につきましては公開となってございますが、会場での傍聴は報道機関の方のみとさせていただき、その他の傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。本部会では、これ以後の録音・録画を禁止させていただきますので、傍聴されている方はくれぐれも御注意をお願いいたします。
 会場の報道関係者の皆様におかれましては、カメラ撮りは、恐縮ですが、ここまでとさせていただきますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○河合室長 それでは、以降の進行を菊池部会長にお願いしたいと思います。
○菊池部会長 皆さん、こんにちは。間もなく師走という大変忙しい時期にありまして、本日も御参集いただきましてどうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 最初に、本日の委員の皆様の出欠状況ですが、朝比奈委員、𠮷田委員から欠席の御連絡をいただいております。駒村委員は遅れて出席されると伺っております。また、今村委員におかれましては、途中退席される予定とお伺いしてございます。
 なお、内堀委員の代理として、福島県保健福祉部次長の大江参考人、大森委員の代理として、岡山市保健福祉局障害・生活福祉部生活保護・自立支援課長の出原参考人、岡崎委員の代理として、高知市健康福祉部福祉事務所長の和田参考人、お三方にそれぞれ御出席いただいております。
 さらに、こども家庭庁支援局総務課の林課長、そして、前回に引き続き国土交通省住宅局安心居住推進課の津曲課長に御出席いただいております。
 以上、5名の参考人の皆様の御出席につき、御承認いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、御承認いただけたものと扱わせていただきます。
 出席委員につきましては、20名の出席となっており、社会保障審議令に定める定足数を満たしておりますので、開催の要件を満たしております。
 それでは、早速、議事に入りたいと思います。
 本日の議事は、「子どもの貧困への対応について」「居住支援について」、そして、「生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに関する最終報告書(案)について」の以上3つでございます。
 進め方といたしましては、最初の2つにつきまして事務局から資料をまとめて御説明いただき、その後、これらの議事について質疑応答、意見交換の時間とさせていただきます。その後、一旦休憩を挟ませていただき、最終報告書(案)の議題、3つ目について事務局から御説明いただき、意見交換をさせていただく、こういう流れで進めさせていただく予定でございます。
 それでは、初めに、事務局から前半部分、議事(1)と(2)につきましてまとめて御説明をお願いいたします。
○河合室長 保護事業室長でございます。
 まず、(1)「子どもの貧困への対応」ということで、右肩、資料1と書いてある資料をお手元に御用意いただければと思います。
 「子どもの貧困への対応について」ということでございまして、まず見直しの必要性のところを御覧いただければと思いますが、中間まとめで示された検討事項のうち、法制上の措置が必要な事項につきましては2点ございます。それぞれについて見直しの必要性から御説明申し上げます。
 まず1点目です。1つ目の○のところでございますけれども、生活保護受給中の子育て世帯が抱える課題として、子どもが将来の進学に向けた意識などの面で課題を抱えていること、あと保護者につきましても周囲の地域との関わり合いが少ない傾向があり、必要な情報、支援が届きにくいことといった課題が挙げられます。また、福祉事務所の課題といたしましては、子どもの教育面での支援に際し、子どもの発達についての知識や技術などの専門性が不足していることなどが挙げられています。
 続いて、2点目でございます。2つ目の○を御覧ください。生活保護受給世帯の子どもに対する支援といたしましては、本人の希望を踏まえた選択に基づいて、高等学校等を卒業した後に就職することは、被保護者の自立の助長の観点から重要と考えておりますけれども、就職する際の新生活の立ち上げ費用の支援の仕組みが現在ございません。
 その上で、見直しの方向性(案)でございます。
 まず1点目の生活保護受給中の子育て世帯への支援といたしましては、アウトリーチ手法による相談・助言を行う事業を任意のものとして法定化してまいりたいと考えております。具体的には、図の部分といいますか絵のところを御覧いただければと思いますけれども、先ほど申し上げたとおり、意識の面や必要な情報、支援が届きにくいといった課題に対応する支援といたしまして、ケースワーカーによる支援を補うため、例えば教員OBですとか社会福祉士などの方々に家庭を訪問していただき、家庭内における意識づけを支援するといったことも含めた学習環境の改善、進路選択に関する相談・助言の実施、奨学金の活用など、各種情報提供などを行うことを検討しております。また、学習環境の確保という面では、困窮制度における子どもの学習・生活支援事業へつないでいくことについても念頭に検討しております。
 続きまして、2点目でございます。高卒就職者の新生活立ち上げ費用の支給といたしまして、大学等進学時における取扱いと同様に、高校等を卒業して就職する際の新生活立ち上げ費用について一時金を支給することができる方向で現在検討しているところでございます。
 資料1の説明としては以上となりますけれども、昨年御議論いただきました大学等への進学の支援につきましては、中間まとめにおいて示された検討事項のうち、法改正を伴わない項目もございまして、その点につきましては9月の当部会においても対応状況を御説明させていただいたところでございます。この部分につきましては、昨年も活発な議論をいただいた部分でもございますので、口頭で恐縮ですが、運用面における取組2点について改めて簡単に振り返らせていただきます。
 まず1点目でございますけれども、高等教育の修学支援新制度の周知についてです。中間まとめにおきましては、生活保護を受給しながら大学等に進学することについては、生活保護の枠組みにとらわれず、修学支援新制度などの教育に関する政策の中で幅広く検討すべきと示されたことを踏まえ、文部科学省から発出しております高等教育の修学支援新制度等の周知等に関する通知の内容を含め、福祉事務所に対し改めて奨学金等の制度周知を行っているところでございます。
 2点目は、保護費を減額しない取扱いの範囲の追加についてです。中間まとめにおきましては、大学等への進学をさらに支援する観点から、高校生のアルバイト収入等を認定する際、除外する範囲に、進学前に納付する費用である前期授業料等を含めることも考えられると示されたことを踏まえ、実施要領を改正いたしまして、令和5年4月から大学等の前期授業料相当について収入認定除外となる運用を開始しているところでございます。
 以上、子どもの貧困への対応の御説明となります。
○米田室長 続きまして、生活困窮者自立支援室長でございます。
 資料2を御覧ください。居住支援について説明をいたします。
 まず、前回の部会では「住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会」における検討状況について、検討会の大月座長より御報告をいただきました。
 資料の2ページでは、この検討会や本部会での議論を踏まえ、居住支援の強化に向けて生活困窮者自立支援制度、また、生活保護制度等において見直しを検討する事項を資料でまとめております。
 上の見直しの必要性のところでございます。単身高齢者世帯のさらなる増加、持家比率の低下などにより、住まい支援のニーズは今後ますます高まることが想定されております。このため、高齢者や低額所得者などの住宅確保要配慮者が民間賃貸住宅に円滑に入居して安心して生活できるよう、賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境を整備するとともに、相談からの切れ目のない支援体制の構築を図ることが必要であると考えております。
 見直しの方向性(案)のところでございます。国土交通省と連携し、自治体の住宅部局・福祉部局等と地域の関係者による「住まい支援」の体制整備を全国的に推進するとともに、地域の実情に応じて、総合的な相談支援、入居前から入居中、退去時の支援、そして、住まいに関する地域資源開発・環境整備を推進してまいります。このため、下の図では、生活困窮者自立支援制度、生活保護制度の見直しに加え、国土交通省の住宅セーフティネット制度に関する見直し内容も一部含んだものとなっています。
 図の左側の枠囲いです。生活困窮者自立支援制度の自立相談支援事業において、住まい相談機能を明確化することや、居住支援協議会、居住支援法人、住宅セーフティネット法に基づくものですけれども、これらとの連携を強化すること。
 また、地域居住支援事業や重層的支援体制整備事業による居住支援の強化としまして、1つ目のチェック、シェルター事業や地域居住支援事業のうち必要な事業の実施を努力義務化すること。2つ目のチェック、地域居住支援事業については、現在、利用期間が1年ということになっておりますけれども、これを1年を超える場合であっても対象者の状況に応じて柔軟に利用できるようにすること。また、3つ目のチェック、重層的支援体制整備事業について、多機関協働の活用を行う。この趣旨としては、生活困窮者以外の方への居住支援を強化するという観点でございます。
 また、その下でありますが、住居確保給付金については、家賃相当額の補助に加え、家賃が低廉な住宅への転居費用を補助すること、こうした見直しを行う方向で検討を進めたいと考えております。
 あわせて、居住支援法人等が緩やかな見守りなどのサポートを行う住宅の仕組みの構築に向けて、関係省庁と連携して検討を進めていきたいと考えております。
 次に、右側の枠囲いでございます。賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境整備の観点からでございますが、サポートを行う住宅に生活保護受給者が入居する場合の住宅扶助に関して、福祉事務所による家賃の代理納付を原則化する方向で検討を進めたいと考えております。
 さらに、下の枠囲いですが、住まいに関する地域資源開発・環境整備の観点からは、緊急一時的な居所確保を行う場合のシェルター事業の加算の創設。これについては、令和6年度の予算の概算要求を行っております。
 また、その下ですけれども、居住支援協議会の設置の促進とともに、福祉関係者、すなわち自治体の福祉部局や社会福祉協議会などの居住支援協議会への参画を推進することによって、基礎自治体において住宅部門と福祉部門が連携した居住支援の体制を構築する必要があると考えております。
 さらに右側でありますけれども、無料低額宿泊所については、事前届出の実効性を確保するために、届出義務違反への罰則等を検討するとともに、無届の疑いがある無料低額宿泊所を発見した場合に、保護の実施機関から都道府県への通知を努力義務化することについて検討を進めていきたいと考えております。
 資料の説明は以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、これから質疑応答、意見交換の時間を設けたいと思います。なお、御意見、御質問につきましては、大変恐縮でございますが、1回当たり3分以内を目安に御発言をお願いいたします。3分経過した時点でベルを鳴らし、オンラインの方にはチャットでもお知らせしますので、御発言をおまとめいただけますと幸いでございます。
 それでは、まず対面で御参加いただいている方については挙手、いつもの順番で、その後にオンラインで御参加いただいている方、挙手ボタンでお示しいただきたいと思います。
 それでは、まず会場から、今日は大勢お越しくださいましてありがとうございます。いかがでしょうか。
 奥田委員、お願いします。
○奥田委員 すみません、最終報告書も含めてなのですが、基本的には報告書、賛成です。よく書いてくださっていると感謝しております。その上で今日、私、委員提出資料を出しておきましたので、何点かもう一度確認も兼ねて、それと先ほども室長の御案内の中に住宅セーフティネット法の担当する部分があるということなので、なかなかこの審議会、部会の範疇を超えてしまう話にもなりますが、検討会議のほうでも同じようなことを申し上げたいと考えています。
 まず1つ目は、この総合的な相談、入居前から入居中、退去時までの一貫した支援、住まいに関する地域資源の開発と環境整備ということで、やはりこの3つを切れ目のない体制として、最終報告書の1ページ目の30行のところに書かれています切れ目のない支援体制。地続きで省庁をまたぐ形をどう担保するかというのは一番大事なので、この部会のテーマではありませんが、住宅セーフティネット法に関しては、私は三省共管の方向で議論を進めていただきたいと考えています。
 その中でも、共管の内容として相談と継続的な支援ということがメインになりますが、実際のプレーヤーの居住支援法人を厚労省サイドとしてもどう位置づけていくのかというところは明確にしていただきたい。それから、生活保護の部分、ここの転居の支援とかの居住支援の部分を強化するためにケースワーカーの研修等で居住支援というテーマをやはりちゃんと明確に入れていただきたい。
 それから、見守りなどのサポートを行う住宅の仕組みというのが書かれていますが、これは国交省さんの範疇になるかもしれませんけれども、ここにおいて居住支援法人が担う事業を多分厚労省サイドで位置づけていかないとこれはなかなかうまくいかないのではないかなとも思っていますので、ぜひ御検討いただきたい。
 2つ目は、少し根本的な議論になりますが、居住支援ということから見ると、生困法というのはやはり第3条定義の狭隘性とかいい意味では集中性、集中しているけれども、逆から見ると狭隘性、狭い。やはり居住というところから見ると時間軸が支援開始から支援終結というところが生困法の時間軸でありましたけれども、この時間軸を超えていくだろう。これは生困法だけで受けていく、地域居住支援事業で受けていくということの限界はどう考えていくのか。
 対象者もやはり第3条で現に経済的に困窮しというところから始まる部分、この部分と居住支援を必要としている人たちというのがやはり少しウイングが広いわけですよね。この部分、どうしていくのかということで、まだまだ言いたいことがあるのですが、少しだけオーバーしまして、居住支援においては対象者を拡張的に捉えることが重要ではないか、経済的困窮者に限らず自立相談に来た人全てがやはり対象となっていくということが前提となるでしょう。
 それから、生困の自立相談において住まいの相談支援を行うということを明確化すると書かれていますが、だったら、自立相談のところに居住支援の専門員を配置するなど具体的にはっきりとした、あるいはその専門員を居住支援法人が担うとか、そういうもう一歩進んだ仕組みというのはどう考えるか。あと居住支援の人材のテキストの開発等が必要だと思いますけれども、国交省がもう既に居住支援法人の育成のカリキュラムをやっていますので、ここのところこそ、両省、やっていったらどうか。
 さらに、単身の高齢者のところの課題がやはり広がっていくので、このところをカバーできるか。特に老健局さんの今後の動きが大事ですが、介護保険とつながっていない単身の高齢者というのは誰がカバーするのかというのは大きな問題になります。自治体においても幅広で居住支援協議会がこれから運営されるかどうかというところがテーマになると思います。
 もうあと少しありますけれども、また次の機会に御報告します。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 では、生水委員、お願いします。
○生水委員 御説明、どうもありがとうございました。
 それぞれに質問させてください。
 まず資料1の子どもの貧困対応についてですけれども、こちらの子育て世帯教育環境改善支援事業についてですが、子どもの学習・生活支援事業へのつなぎとありますが、つなぐだけではなくて家庭訪問の他に学習支援の場に出向いて支援を行うとか、そうした学習支援事業と組み合わせて実施することは可能でしょうかということと、もう一点、お願いがあります。
 2022年の小中高生の自殺者は514人と統計を取り始めて以降、深刻な状況となっております。そこで、国は子ども・若者の自殺対策の推進強化に向けた一環として、こども・若者の自殺危機対応チームの全国への設置を目指しています。ただ、多くの自治体から課題として挙げられているのが、支援者間での個人情報の取扱いです。これについては、子どもやその家庭の状況によって、生活困窮者自立支援法9条の支援会議を活用することも可能な場合があることを、こども家庭庁と厚労省より自治体に対して積極的に周知いただくことなどの対応をぜひとも御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 次は、資料2の居住支援についてです。2点質問させてください。
 まず、住居確保給付金において、家賃の低廉な住宅への転居費用の補助とありますが、この制度を活用できる人として、住居確保給付金の対象者のみなのか、それとも住居確保は対象でない人に対してでも単独で活用できるのか、また、家賃滞納して退去せざるを得ない相談者で低廉な住宅ではない場合への転居も可能なのか等を教えていただければと思います。
 2点目は、残置物処理等の負担軽減という記載がございますが、具体的にどのような仕組みをお考えなのか教えていただければと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 まず子どもについて1点ございましたが、いかがでしょうか。
○河合室長 保護事業室長でございます。
 生水委員から、子どもの貧困の関する生活保護の新しい事業について御質問いただきました。組合せは可能なのかという点について、新たに提案している生保の事業と既存の生困の事業を同じ事業者で実施することはできるのか、という意味でおっしゃっているかと思います。まず生保の事業につきましては、今、御説明させていただいたように学習環境の改善ですとか進路選択、奨学金の活用に関する相談・助言を行うということをメインに考えておりまして、そこから生困の事業として実施している学習支援の場につなげていきたいと考えてございます。その上でお答えとしては、同じ事業者が生保の事業と生困の事業を実施するということ、組合せという意味では可能ではないかと考えております。
○菊池部会長 では、次に後段部分、住まいのほう、お願いします。
○米田室長 生活困窮者自立支援室長でございます。
 生水委員からの居住支援に関しての御質問ですけれども、住居確保給付金の転居費用の補助の対象者についてです。今、住居確保給付金の家賃相当額の補助の対象者については、収入要件、資産要件、そして、求職活動要件があります。今回、転居費用を補助するに当たって、この対象者をどうするかについてですけれども、例えば求職活動要件を課すことで本来こうした支援が必要な方に支援ができなくなるのではないかという観点もありますので、そうした点も踏まえながら今後検討してまいりたいと思っております。
 また、滞納している方が低廉でない住宅に転居することは可能かという点については、今後詳細を詰めていきたいと思っておりますので、現時点ではお答えすることは難しいかなと思っております。
 それと残置物処理の負担軽減についてですけれども、もしよければ、今日、国土交通省の津曲課長がお越しなので、よろしいでしょうか。
○津曲参考人 国土交通省住宅局安心居住推進課長でございます。
 残置物の処理費用というものに関しましては、現状におきましては原状回復費用の一部としてオーナー、管理会社等が負担することも多く、その他、損害保険などを活用しているケースも多いというのが実情でございます。これに関するオーナー、管理会社等に対する直接的な支援を何か行うということは現在のところ、国交省としては考えていない、そのような状況でございます。
○菊池部会長 生水委員、いかがでしょうか。
○生水委員 ありがとうございます。
 少し聞き漏れたのですけれども、子どもの学習支援の事業のところで、同じ事業者の場合に困窮のほうと一緒にやるということは可能とおっしゃったのでしょうか、不可能だったでしょうか。すみません、そちらをお願いします。
○河合室長 同じ事業者が両方の事業を組み合せて実施することは可能ではないか、と申し上げました。
○生水委員 分かりました。ありがとうございます。
 あとこども家庭庁さんに自殺対策のところ、少しお答えいただければありがたいです。
○菊池部会長 では、お願いします。林課長。
○林参考人 こども家庭庁の支援局総務課長、林です。
 こども・若者の自殺危機対応チームの設置については、実はメインは厚労省のほうから働きかけをしていただきまして、我々も一緒に働きかけを取り組んでいるところでございます。御指摘いただきました支援者間の個人情報の共有に当たって、困窮法の規定が活用できるのではないか。恐らく困窮の対象者についてはということだと思いますが、御指摘の点も含めて個人情報の共有が支援者、被支援者の間でうまくできるような方策について厚労省ともしっかりと相談をして具体的な対策を何か示せるものがあれば早速自治体に示すということも含めて検討していきたいと考えております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、宮本委員、お願いします。
○宮本委員 時間の関係で、子どもの貧困問題に限定して議論させていただきます。
 子どもの貧困率が若干下がったというようなことをどう解釈するかということも議論したいのですけれども、これは恐らく渡辺委員が後でお話しされるのではないかと思いまして、ここもスキップをして、今日、ちょうどこども家庭庁の林課長がお見えでもあるということで、貧困対策について社・援局というかこの部会と、それから、こども家庭庁の関係をどう考えていくべきなのかという辺りを少し議論させていただきたいと思います。
 少し邪推になるかもしれませんけれども、今度の最終報告書で子どもの貧困問題が生活保護受給世帯の問題に限定されているということですね。今日の報告もそこに限定されていたということで、中間取りまとめでは確かに触れられていたのですけれども、しかし、その中でこども家庭庁のこども家庭センターとの調整が必要だということで、やや引いた議論になっていたということで、やはりこども家庭庁の発足と貧困対策、ひとり親世帯支援の部会も設置されたということが少し相互の見合いのような関係をつくり出しているのではないかというところが気になるところであります。
 子どもの貧困対策については、生保世帯は社・援局で、それ以外がこども家庭庁といったような分担になってはならないのではないかと思います。この部会は10年かけて生保に還元されない、そういうことが区別される新しい生活困難層の子どもへの支援という課題を掘り下げてきたわけなのですね。この課題の重要性ゆえに、こども家庭庁も取り組まれる、これは非常に大事なことであります。しかし、だからといって、この部会がこの課題との取組を弱めるということになっては決してならないのではないか。実はこの問題は前回の部会でも議論され、部会長御自身が懸念されていることとも関わってくるのだと思います。
 もちろん、問題は山積であって、整理が必要だ、線引きが必要だという議論は出てくると思います。例えば生困の子ども学習支援の事業とこども家庭庁のこどもの生活・学習支援の事業、学習と生活の順番が入れ替わっているだけで2つあるのですけれども、これはどちらがどういう仕事をするのだろうか。それから、生困の相談支援事業とこども家庭庁の相談窓口のワンストップ化促進の関係はどうなるのか。子どものいる困窮世帯はどちらに行けばいいのだろうかということ。それから、生困の就労準備支援事業とこども家庭庁の母子家庭等就業・自立支援事業の関係はどうなるのか。困窮世帯、子どもがいらっしゃって離婚したら向こうに行かなければいけないのかという、そんなことをいろいろ考えざるを得ないわけなのですね。
 だから、線引きをしろという議論にもなりかねないわけなのですが、結論から言うならば、両方あってよいと、別個の視点で共に打つという関係でいいのではないか。そこでむしろ自治体が連携をしていく際に教育分野の方がキーパーソンであるならばこども家庭庁の施策が活用されるだろうし、福祉分野の方がキーパーソンであるならば社・援局系の制度が活用される、そういうことが実際に可能になっていくということ。そして、ある種、切磋琢磨が生まれていくということ、選択肢が増えていくということ、それが大事なのではないかなと思います。
 他方で、やはりこども家庭庁としては、課長からもコメントいただければと思いますけれども、やはり貧困問題は社・援局ではないかというところもあるのではないかなと思います。それはもう恐らく蓄積はそこは違うわけであって、だからこそ、先ほど申し上げたように見合いの関係になって、双方が足が止まってはいけないということだと思います。
 やはり政治主導の縦割り越えの少しパフォーマンス的な制度再編が新しい縦割りを生んでしまって動きにくくしてしまうということは既視感のある出来事であって、しかし、これは恐らくむしろそれを活用して自治体にとって選択肢が増えていくという形で条件をつくっていくということが大事だと思います。したがいまして、ポイントとしては、ぜひ最終報告書においても生保世帯の問題以外の子どもの学習・生活支援等の問題を書き込んでいただきたいと思います。
 とりあえず以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 私も今、宮本委員がおっしゃられましたけれども、生保はこちらの部会で受けて、それ以外の子どもの貧困はこども家庭庁のほうでという、そういう認識は全く持っていませんでしたので、そういった事実上の仕分けというか仕切りというか、そういう認識の下に進められようとしているわけではないのかどうかという点を、まず事務局に確認させていただき、その後、今日、せっかくいらしていただいていますので林課長からお話しいただきたいと思いますが、いかがですか。
○米田室長 生活困窮者自立支援室長でございます。
 御意見ありがとうございます。今回、最終報告書(案)に載せようとしている子どもの貧困への対応としては、制度見直しに関わるものということで生活保護制度での事業の創設ですとか一時金の支給ということだけを書いておりますけれども、我々としましては、中間まとめのときには生活困窮者自立支援制度の中の子どもの学習・生活支援事業の見直しの方向性についても書かれていますし、そのうち一部はその方向性に沿った取組も既に進めております。
 ですので、我々としては、子どもの貧困については生活保護だけが厚生労働省の担当だということは全く考えておらず、生活困窮者支援も含めた子どもの貧困への対応を引き続き進めていきたいと考えております。
○菊池部会長 分かりました。その上で、では、林課長からお願いできますか。
○林参考人 御意見ありがとうございます。
 こども家庭庁が発足して、今、少し言及していただきましたけれども、子どもの貧困の取組について、いささか弱くなっているのではないかという御指摘も実は今、御紹介いただきましたひとり親貧困部会などでもいただいております。決してそういうことではありませんで、こども大綱を作成する過程の中で、従来、それぞれ少子化の大綱とか子供の貧困対策に関する大綱とか子供・若者育成支援推進大綱、いろいろある中を総括してまとめるような議論をしている中で、どうしても貧困だけ焦点を当てた大綱よりも記述が薄くなっているところがございますので、そこは誤解だということを御説明しつつ、これからこどもまんなか実行計画の策定とか、あるいは年末にかけては予算やこども未来戦略の策定などありますので、そういったことに向けてこども家庭庁としてはやはりこどもまんなかでありますし、対象は従来はひとり親世帯、家庭を中心ですけれども、そこを広げて子どもの貧困対策全般にしっかり取り組むということにしております。
 そこの部分は、宮本委員御指摘のように、ある意味、厚労省の社会・援護局の取組と重複する部分がありますが、問題は、現場が困らないように連携した取組ができるよう、我々ができる範囲で、できるだけ柔軟に対応していくということだと考えております。まだ不十分かと思いますけれども、基本スタンスは我々としてはそういう認識でございます。
 その上で、今日、せっかく資料で御紹介させていただいておりますので、この事業についてどのような連携を考えているかという御紹介をさせていただければと思いますが、御指摘いただきました資料の15ページ目と16ページ目にこども家庭庁のこどもの生活・学習支援事業というものを御紹介させていただいております。15ページ目にありますものが今年度の当初予算事業として実施しているものでございまして、もともとはひとり親家庭が対象でございましたけれども、対象を貧困家庭に広げて生活支援、学習支援、子どもに着目した支援などをこの事業で実施できるようにしております。今年度からそういう意味で対象を拡充して実施しております。
 残念ながら、この実施箇所数が令和3年度の実績で186自治体ということで、その前のスライドで御紹介いただいております生活困窮者自立支援事業のほうが600弱ありますので、実施自体は少しこちらのほうが少ないという状況になっておりますが、いずれにしても、この両事業、対象事業の実施の内容、確かに似通っておりますが、そういったことでいずれも両者重複してやってはいけないと言っていることではなくて、実施自治体においても両方とも実施されているところもあるし、実施する自治体が取りやすい片方の事業だけやっているところもあると認識をしておりまして、そういう意味では両者相乗りで実施できると考えております。我々としては、繰り返しですけれども、必要な支援が必要な対象の子どもに届くように両事業をうまく自治体に活用していただければと思っておりますので、引き続き連携していきたいと思います。
 その上で、16ページ目に、現在、国会で審議中でございますけれども、今般の経済対策、そして、補正予算案に盛り込んでいます、このこどもの生活・学習支援事業、こども家庭庁の事業の拡充事業を紹介させていただいております。これは現場からかねてから要望はかなりございましたけれども、生活を立て直し、学習支援をするだけではやはり貧困家庭は最後、大学あるいは高校に受験する際の受験料すら出せなくて諦めている、あるいは手堅いところで、チャレンジしないで、志望を落として進学先を受験されている、こういった声がかなり強くございましたので、補正予算で受験料や模試費用について当然一定の上限がございますけれども、こちらは児童扶養手当受給世帯あるいは低所得者のひとり親でなければ住民税非課税世帯に限定させていただいておりますが、こういったところで先ほどの生活・学習支援事業の登録をされているお子さんについて新たに実施するということで提案させていただいております。
 こちらのいわゆる追加分の受験料等支援の事業について、やはり我々、経済対策、補正予算のいろいろ議論をしている際に、一方で、生活困窮者の事業だけしかやっていない自治体において、この受験料等支援の対象にならないということになるのではないかという御懸念の声もいただいておりましたので、いろいろ相談しまして、今のところ、生活・学習支援事業、要するに受験料等の支援について、生困の子どもの学習・生活支援事業の登録者についても、この要件に当てはまるのであれば対象として実施するという方向で柔軟な制度設計ができるように財政当局と今、調整をしているところでございます。
 とりあえず私から以上でございます。
○菊池部会長 宮本委員、いかがでしょうか。
○宮本委員 どうもありがとうございました。
 あとやはりブリッジを架けるためにも重層的支援体制整備事業とか地域共生社会の理念というのは大事になってくるのではないかな。ただ、拝見している限りでは、なかなかこども家庭庁からそういう声が聞こえてこないというところもありまして、ぜひ1つ議論の基礎に据えていただければなと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 実は私が関係している障害者部会でも同じような議論がございまして、やはり障害児・者というのが分かれてしまったという、こども家庭庁発足に伴ってという。でも、子どもが大人になっていくわけで、そこが縦割りにならないようにという非常に障害者部会の皆様も、新保先生もそうですが、懸念を持たれているというのがあります。
 私の経験として、駒村先生も御一緒ですけれども、年金部会はもともとは公的年金と企業年金、一緒に議論していたのですが、分かれたのですよね。企業年金・個人年金部会。その途端に交流がなくなったという。たまに情報交流はありますけれども、公的年金の年金部会では企業年金のことは一切議論しなくなったという。しかし、高齢期の所得保障という意味では共通しているわけで、今度、12月に合同部会、久しぶりにやるのですけれども、やはり仕組みとしてそういった工夫もしていかないと、今回も課長にお出ましいただいていますが、相当工夫をしていかないと、やはりここの空間を関係者間で共有するというのは非常に重要なことなので、その点も私からも切にお願いしたいと思ってございます。ありがとうございます。
 それでは、すみません、次、勝部委員、お願いします。
○勝部委員 まずは子どもの貧困のお話ですけれども、コロナ特例の貸付けの今、返済が続いておりまして、免除、猶予、もう毎日のようにその方々、連絡が取れません、引っ越ししています、離婚しました、病気になりましたということで、個々の御家庭の状況はなかなか厳しい状況が続いているわけですが、その中にやはり子育て中の御家庭がかなりあります。それから、外国人の外国にルーツのあるお子さんあるいは外国籍の方々の問題もあり、生活保護はなかなか受け難いという状況で生活されている方々が私たちの貸付けの対象の中に相当数おられるということで、まさにそういう方を今、我々は生活困窮のアウトリーチの事業の中で、この生活保護受給者の子育て世帯へのアウトリーチ手法のようなことを行って就労、学校へどうやったら行けるかとか、学習ができない状況で生活している子たちをどうしていくかみたいなことをフォローしているわけですが、こことて脆弱な体制でやっているわけですよね。
 対象者がこれだけたくさん増えたというところで、生活保護だけつけますよということでなくて、おそれのある人こそ、さらにここできっちりとフォローしていくような体制をつくっていかないと、保護になったら助けますというのではこれまでやってきた理念と随分外れてしまうのではないかなという気持ちがあります。生活保護の体制としてこのことをやっていくことは大切だと思いますが、一方で、生活保護がどんどん機能がばらばらになっていって、本来のソーシャルワークがもうお金の管理だけになってしまって、ワーカーは一体これから何をどう見て考えていくのだろうかと。たくさん機能があるところをチョイスできるだけのそういうコントロールタワーのようなことが本当にできなくなっていくと、たくさんつくっても結局使われずじまい、自立支援プログラムのような二の舞いになりはしないかというのが少し懸念しているところです。
 もう一方で、居住支援のところは、要は高齢者の人も家賃が高いから生活ができないのであって、そのお金がたまらないから引っ越しできないのであってという人たちが相当数おられるわけで、就労が前提であるとか居住支援という住居確保給付金の対象みたいなことに限定されてしまうと、本当に助けないといけない人たちを助けることはできないのではないかという懸念があります。先ほど検討いただくということですから、ぜひ一緒に検討していただきたいと思います。
 ここを今まで救っていたのは大西さんたちのところのレスキュー事業ぐらいしかもうなかったのですよね。それも自治体によっては社会福祉法人のレスキュー事業などがない地区は、結局もうお金を払って、払えなかったらホームレスになる、あるいはもうどうにもならなくなって、コロナのときにもたくさん大量に行き場を失った人たちが出たようなことにつながっていきますので、居住をちゃんと確保していくところに関してお金を出して生活が再建できるように応援するというのは生活困窮のところの一丁目一番地ではないかなということをすごく思いますので、ここも含めた対応をぜひお考えいただけると、めちゃくちゃ今回よかったのではないかなというような1つの柱になるのではないかなと思いますので、よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 ありがとうございます。
 私は子どもの貧困対策についてお話しさせていただければと思います。
 本当に皆様にお力を注いでくださって子どもの貧困対策についても前進はしていると思うのですけれども、実態として非常にどんどん現状が悪くなっていく中で、もう少しこども家庭庁でも厚労省でも力を入れてやる必要があるのではないかと思っています。今回、私が添付の資料としてつけさせていただいたのですけれども、これは本当に11月に取った調査の速報でして、12月の頭ぐらいにちゃんと他のものもまとめて出ると思うのですが、例えば高校生世代に非常に悪い影響が出ていて、部活を辞めている子がもう11%いるのですね。経済的な状況もあって部活を辞めているとか、あと中退したり中退を考えているという子が4%いて、これは文科省の調査だと1.1%なので非常に高いわけです。
 あと3ページ、要は不登校または不登校ぎみであるかというところで聞くと「はい」という方が2割いて、答えたくないという方が7%いて、3割近くが本当に不登校の状況でありますし、小中高でいろいろいるのですけれども、次に行っていただいて分かるように、では、日々の学習、どうしていますかというと、この方たちは何もしていないという子が52%なのですよね。もう学びから全く離れてしまっていて、フリースクールとか塾とかにはもちろん行けないですし、学校にもなかなか行けないというようなところ。さらに平日、日中の過ごし方というのは、家にいるという方が83%で、要は社会から孤立をして学校にも行かず、町にも出ず、家にいるというような状況になっていて、これはすぐやらないと本当にこのままずっと引き籠もってしまったりだとかというようになっていくのですけれども、要はこういったことに対してどこがどう対策を打つのかというところが今、本当になかなか分からないなと思っています。
 先ほど宮本先生から子どもの貧困率の話も出ましたけれども、相対率が少し下がったというのがありますが、あれは本当に日本の少子高齢化のマジックでして、要は全体の中でやるので、単身高齢者の比率がすごく増えてくると、あの方たちは非常に収入、所得が少ないので、要は日本全体の中央値というのは下振れするわけですよね。その下振れした中で子どもの世帯をやると少し下がったように見えるだけで、私はおかしいと思って、子どものいる世帯だけで中央値を取ってやってみると、出ている数字で私たちの中でやったものですけれども、全く変わっていないというか、どちらかというと微増ぐらいな状況なのですよ。本当に少なくなっている子育て家庭の中で苦しんでいる子どもは多いという中で、こういうことを本当にどこがちゃんと調べてやるのかというようなことが少し不明確なので、ぜひそういったことをやっていただけるようなこと、本当にみんなで連携をしてやるということがすごく重要だと思います。
 今回、最後、まとめの44ページのほうに今後の課題ということで書いてありますけれども、本当に生活困窮の子どもとか若者だとかというようなところが誰がどう救っていくのかというところの課題はまだすごく残っているので、やはりそこをやっていかないと本当に少子化の中で日本の将来が危うくなるなと思っているので、ぜひそれを課題としていち早く重要であるということが書いてあるので、では、それを早くやりましょうというようなことが進むといいなと思っております。
 まず以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、佐保委員、お願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 時間が限られているので、まず子どもの貧困の部分ですが、この対応案に書かれております子育て世帯教育環境改善支援事業(仮称)を任意事業として法定化するということが打ち出されておりますが、こういったアウトリーチ型の手法については、貧困の連鎖の防止やケースワーカーによる支援の補完といった観点からも効果的であるのではないかなと思っております。
 ただ、現在、生活困窮のほうの子どもの学習・生活支援事業もありますので、そういったところのアウトリーチ部分の機能を拡張するとか、この事業とセットでやるとか、何かいろいろなバリエーションがあるのではないかなと思っておりますし、先ほど勝部さんなどから話があったように、困窮だとか生活保護だとか区別がなかなかつきにくいところもあると思いますので、そういったところを含めてしっかり支援することが主眼だと思いますので、こうした観点で取組を進めていただきたいなと思っております。
 2点目は質問ですが、そのページの下の高卒就職者の新生活立ち上げ費用の支給に関してですが、ここで言う「就職」がどういったときに就職になるのかという定義について、もし事務局のほうでお考えがあれば教えていただきたいと思っております。
 居住支援について、住居確保給付金において家賃が低廉な住宅への転居費用補助は大きく生活困窮者を後押しするものだと考えますが、さらに公営住宅の入居の優先権なども方法としてあるのではないかと思いました。また、住宅扶助の代理納付の原則化については、被保護者が大家さんに保護受給を知られたくないケースもあると伺っております。ですので、大家に対するアプローチや情報の取り扱いは重要ではないかと考えました。
 私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 就職の定義というか御質問がございました。お願いします。
○河合室長 保護事業室長でございます。
 今回の新生活立ち上げ費用の支給の関係ですけれども、今、佐保委員から御指摘いただきましたが、就職して安定した収入が得られるようになることが見込まれるといったことが判断できた場合は、一時金を支給させていただきたい。現時点ではそのように考えてございます。
○菊池部会長 よろしいですか。
○佐保委員 これからまたいろいろ考えていくと思いますけれども、安定したというのがどういう状態で安定なのかと。言い方は悪いですけれども、きちっと正規雇用になっているのかどうかだとか、どういうような働き方をしているのかによっても若干条件が変わってくるのではないかなと思ったので少しお伺いをしてみました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、五石委員、お願いします。
○五石委員 ありがとうございます。
 私も子どものところでお伺いしたいのですけれども、先ほど宮本先生がおっしゃったことと重なります。ただ、宮本先生がかなりジェントルにおっしゃったのですけれども、私はあまりジェントルにこの面でなれないのですが、今回、こども家庭庁の事業として、こどもの生活・学習支援事業をつくられたという点に少し驚きました。事業が重複していて税金上どうなのかということも考えますし、現場としては細かな事業が複数できますので、小さな事業をそれぞれ別の事業者が分け合って少ない人数で行うことになると思います。連携もあまり取らずに、恐らく競合すると思うのですね。その状況でやるということが地域にとっていいのか、私はすごく疑問があります。
 今回、こども家庭で地域子供の未来応援交付金事業を統合することが記載されているのですけれども、これはもともと似たような事業が文科省にあったところ、それを統合するということなので、それはいいことだと思います。しかし、結局、似たような事業がまたできてしまったということではないかと思います。
 それから、こども家庭庁事業の図があるのですけれども、15ページ目の図ですね。そこにこども家庭センターの記載があります。これが子ども・子育て支援ではメインストリームというか、包括的な支援を行うセンターになるはずです。以前、この部会で、生困の相談支援との関係はどうなるかということをお伺いしたことがございます。
 先日、今年の8月25日にこども施策と生活困窮者自立支援制度の連携について取決めを行ったという資料を頂いたのですけれども、この中に生困のほうでは経済的困窮にある場合には生困の相談支援のほうにリファーしてくださいという文言があります。それとこのこどもの生活・学習支援事業との関係がよく分かりません。また、ひとり親家庭についての言及もあるのですが、ひとり親家庭についても経済的困窮があれば生困のほうにリファーすると書いてあります。児扶手の受給者を対象にしますので、もともと経済的困窮にあるはずです。ここの位置づけもよく分からないです。
 翻って、生困の側から見れば、生困の理念としては経済的困窮ではなくて、その背景についても考えるとされています。しかし、他の事業から見たときに生困は経済的困窮のみを扱うという位置づけでいいのか。やはり生困の理念からすれば、これはおかしいのではないか、もう少し生困は広い理念があるはずだというように、そういう議論になっていると思います。これは重層の中で生困がどう位置づけられるのかという議論が関係しますので、整理が必要だと思います。また、現場にとってみれば、小さな事業が幾つもいろいろなところから出るというよりも、まとめてぽんと出たほうが人員的にも非常に効率いいですし、予算的にもいいと思うので、そういうような方向性で考えるのが私はベターなのではないかなと思います。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 非常に大きな総論的本質的なお話から、各論部分までいろいろ貴重な御意見をいただけたと思うのですが、現時点で林課長からコメントいただける部分があれば。
○林参考人 こども家庭庁支援局です。
 大きい話としては、我々、こども未来戦略方針というのを6月に示しまして、そこで加速化プランというのを示しました。その中で今後、年末に向けて、「こどもの貧困」と「虐待防止」と「障害児、医療的ケア児」について、6月時点では大体公費で3兆ベースのプランになっておりますが、高等教育のさらなる支援拡充策と合わせて3兆半ばの充実を図るということで、年末に向けて加速化プランのさらなる充実を図っていこうとしています。その中の1つの重要な分野としてこどもの貧困も位置づけられているということを御承知かもしれませんが、1つ共有させていただきたいと思います。
 そういった大きな流れの中で、今回の御紹介させていただいたこどもの生活・学習支援事業の拡充、16ページ目にある部分につきましては、このこども未来戦略方針に基づく子ども・子育て支援のスピード感ある実行を経済対策で今回やるべきという総理の指示を踏まえまして、子どもの貧困、虐待防止、障害児、医療的ケア児の事業について新たな拡充策を打ち出したものの1つということで御紹介をさせていただきました。
 これ以外にも、地域のこどもの生活支援強化事業ということで、気軽に、食事だけではなく、もともとここの15ページ目の事業で食事提供の事業もございましたが、こういったものも含めて少し事業の整理をいたしまして、食事、体験等の場所を身近な場所で提供できるような事業なども今回の補正予算に位置づけていたり、あるいは支援ニーズの高いお子さんの御家庭を訪問して、食事等の品目をお届けし、アウトリーチ型の支援、そして、必要な支援につなげるような事業も、今回、補正予算の中に盛り込ませていただいております。そういったことで、できる限り我々としてもやるべきニーズについては具体的な事業を事業化させていただいているという状況です。
 一方で、五石委員の御指摘のように、それだともう生活困窮者自立支援の既存の事業の取組と重複するのではないかということだと思います。ここは確かに今後に向けて何か一定の整理を議論することは必要かもしれませんが、我々の今の思いとしては、やはりそれぞれこども家庭政策としては、もともとはひとり親を起点としながら、貧困世帯にも対象を広げて様々な支援を広げていっている流れの中で、我々としてはできる限りの予算事業、支援メニューを提供して、それをうまく自治体に活用していただければということでやっておりますし、そういう意味では食事提供、いわゆるこども食堂などについても様々な事業、活用できる事業メニューがあるとは思いますけれども、現場でいろいろそういった中で活用していただいて取り組んでいただいているということかと思います。今後に向けておっしゃるような課題はあり得るかと思いますけれども、現状、我々の認識としてはそういったことで、できる限り取り組めるものは取り組んでいきたいと考えております。
○菊池部会長 現状、林課長のお立場から当然そういうことになると思いますので。しかし、我々としては、やはり宮本委員御自身の御発言を皆さんと共有しているところと思いますので、どう整理していくのかというのは引き続き事務局にもお願いしたいですし、今後、調整を引き続きしていただきたいなと思います。
○勝部委員 1個だけ質問したいです。子どもの困窮対策というのは子どもに食事を与えたりとか学習の場を与えるだけでなくて、この家庭そのものをエンパワーしていくということをやはりしていく必要があったりとか、ほとんどの御家庭が手続ができないとか、いろいろな書類が来ていてもそれの理解が進んでいないとか、もう放置されているとかというようなことで届いてないということもあるので、何か子どもにフォーカスはもちろん大事なのですけれども、やはり世帯をどうしていくかというところを考えていかないと、またこれはこういう内容で仕様書を書かれると、食べ物を渡して学習支援につなぐばかりで、これをやるときっと今、児童相談所が家庭訪問して、あなた、ちゃんとできていますか、できていますか、できてないですよねということを言い続けると扉が閉まっていくということの繰り返しになって、今、我々がやっていることは、お母さんを応援できる存在なのだよということをちゃんと信頼関係ができるから家に入っていけるということになるので、この辺りの書き方というのはどうなのかということなのですが、現実はその入り方で入れば入るほど、やはり責められるということで要対協でしょうと、認定されて来られるということであればあるほど、やはり扉は閉まってしまうので、このやり方だと本当はなかなかうまくいかないです。
 私たちのところでは要対協で誰も会えないのは生困だけが会えています。それは猶予ができたりとか免除ができたり、お金を貸したりとか生活再建の応援ができるから入れているということが多いですので、その辺りの役割分担もぜひ何か分かっていただけたらいいかなという気がしています。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、駒村委員、お願いします。
○駒村委員 ありがとうございます。
 子どものほうの2ページの資料についての確認です。
 2つ書かれていて、1つが支援事業で、もう1つが一時金を給付する。その○の2つ目のほうは、貧困の連鎖という説明ではなくて、被保護者の自立助長という説明になっているというのはあえて使い分けている。つまり、進路先の選択肢を多様化していくということであると、どちらかというと貧困の連鎖。こちらは就職をしたので、そのセットアップのコストを賄うから自立助長という言葉を使っている。使い分けをあえてされているのかなということを確認と、それから、卒業後というのは卒業後直ちを指しているのか、タイムラグがあっても構わないのか、その辺、少し確認したいなと思います。
 以上です。
○菊池部会長 いかがでしょうか。御質問です。
○河合室長 保護事業室長でございます。
 1点目の自立助長の部分につきましては、駒村委員がおっしゃったとおりかと思います。本人の希望を踏まえた選択に基づいて就職するに当たって、新たな立ち上げ費用というものについては、現在、御支援できてないという部分がございますので、そちらの部分について今回、お出しをする。これは昨年の審議会で御議論いただいた部分ですが、それらの御意見を踏まえてこのような形にさせていただいたところでございます。
 また卒業後の部分でございますけれども、仕組みのところの部分については今後検討していきたいと思っておりますので、現時点でのお答えは差し控えたいと思います。
○菊池部会長 駒村委員、いかがでしょうか。
○駒村委員 卒業後と言われると、直ちにみたいな限定をされてしまうと、いろいろなこともあり得ると思いますので、中退されたりタイムラグのこともあるので、そこは性格上は自立助長とおっしゃるならば、時間、幅を広く取っておいたらいいのではないかなとは思います。
 以上です。
○菊池部会長 御検討いただければと思います。何かありますか。
○河合室長 失礼しました。今の進学準備給付金のスキームを使うことを想定していますので、その部分につきましては卒業後すぐにというところだけではないと思います。具体的な設計については、今後検討させていただきたいと思います。
○菊池部会長 よろしくお願いいたします。
 あと会場からは、大西委員はよろしいですか。
○大西委員 全般的に今回のまとめで賛成していますので、あとは勉強させていただきたいなと思っています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、オンラインの皆様からお手をお挙げいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 浦野委員、お願いします。
○浦野委員 ありがとうございます。
 居住支援の強化について1点、半ば御質問、半ば意見ということになると思います。資料2の2ページ目、下のほうの住まいに関する地域資源開発・環境整備というところがございまして、この中で1つ、居住支援協議会に福祉関係者の参画を促進するということがあります。これは大変結構なことだろうと思うのですけれども、その場合、福祉関係者と言ってもかなり幅広で、行政なのか、それとも社協、市町村社協、都道府県社協などの事務局なのか、それとも現場でフィールドを持っている社会福祉施設、社会サービス事業所等の関係者なのか、これはいろいろな場合があり得ると思うのですが、やはり現場を知っている、福祉サービスを提供することをこの居住支援と結びつけて展開できるような、そういった方々に御参画いただく必要があると思います。
 特に緊急一時的な居所の確保という観点で言えば、これは前々から私、この場でも申し上げておりますけれども、福祉施設を有効活用するということが既存資源を十分に活用していくという意味では必要なのだろうと思っております。特別養護老人ホームなど、今もユニット化で個室が随分増えておりますから、そういうものをもちろん本来の介護保険の利用者の利用を妨げない範囲でということにはなりますけれども、100%常に稼働ということは普通あり得ませんので、空いている居室を活用していく。そうすると、そこには食事を提供する機能も自動的についているわけですし、職員がおりますから、健康状態についても例えば24時間、夜間に健康状態の異変が生じたときにも対応できる職員がいるような意味で福祉施設の活用ということをやっていく必要がある。
 そういうように考えると、やはり居住支援協議会への福祉関係者の参加というのも、そういった資源を持っている人がその資源を積極的に提供できるような形でこの参画を促していくというようなことが必要だろうと。この居所確保ということでまた新たに利用者がいるときもいないときも常にどこかのアパートを確保していくというようなことではなくて、既存資源を活用していくというようなことが必要なのではないかと思っております。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、堀委員、お願いします。
○堀委員 どうもありがとうございます。
 資料1の2ページにつきましてお願いしたいと考えております。
 まず、第1点目ですけれども、相談・助言事業につきましては、先ほど先生方から様々な御指摘がありまして、大変重要だと考えております。いろいろと課題は多いと思うのですけれども、特に中退者を防ぐために様々な相談・助言事業、大変重要だと思っておりまして、何とかうまい形で着地をしていただければと願っております。
 また、第2点目、高卒就職者に対する支援につきまして、どうもありがとうございます。先ほど佐保委員から就職というのはどのような状況を指すのかという御質問がございましたけれども、1つの御提案としましては、高校またはハローワークの職業紹介による就職を原則とするということも一案かと思いますので、具体的な実施に当たりましては、ぜひ御検討いただければと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、大江参考人、お願いします。
○大江参考人 ありがとうございます。
 まず議題(1)についてであります。
 先ほど来のお話と重なりますけれども、今回、生活保護受給世帯への学習支援について示されましたが、生活困窮世帯及び被保護者に対する支援として、従来から実施されております子どもの学習・生活支援事業と一部支援内容が重複していることから、事業の狙いなどを明確にしていただいて、事業の実効性を確保することが必要と考えます。よろしくお願いいたします。また、子どもの学習・生活支援事業については、国庫補助率を引き上げていただいて事業実施率の向上を図り、両事業が一体的に機能するようにすることが必要と考えます。
 次に、議題(2)についてであります。
 無料低額宿泊所に係る事前届出の実効性を確保するための方策の策定に当たりましては、無届け施設に係る実施機関から都道府県への通知が努力義務化されることにより、対応すべき件数の増加に伴い、都道府県の事務負担も増大することが想定されます。そのため、人員体制の拡充に向けた財政的支援を御検討いただくようお願いいたします。
 以上であります。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 岡部委員、お願いします。
○岡部委員 まず最初に、子どもの貧困の対応についての確認と意見です。
 1点目は、2ページ子育て世帯環境改善支援事業と記されておりますが、学習・生活環境改善支援事業とせずにあえて教育環境と記されているのは、教育に特化するということで差別化を図るということで捉えてよいのかどうかです。支援内容についてはある意味では学習・生活支援と重なりがあるので、ここはどう考えたらよいのかです。
 2点目は、高卒就職者の生活立ち上げ費用についてです。これは大学進学者と就職者と同等に捉えていただきましたことについて感謝しております。
 次に、資料2の居住支援についてです。
 1点目、これは2ページのところに家賃の代理納付を原則化についてです。この件についてサポートを行う住宅に関してということで、代理納付をするに当たっては一定条件を設定されているということで、10ページ令和2年の4月からということで解釈をしてよいのかどうか。10ページに記されてあるマル1~マル3、それから、住宅セーフティネットについて記されているものと理解してよいのかどうか。
 2点目が、これは無料低額宿泊所に関わる事前届出の実効性を確保する方策についてです。良心的に行っている無料低額宿泊所もありますが、悪質なところもあります。悪質なところを発見した場合についての罰則等を課していただきたい。都道府県等の通知の努力義務化ということですのでぜひ行っていただきたいと思います。
 3点目、この中で地域居住支援事業あるいは緊急一時あるいはシェルターのことが記されておりますが、この中で生活困窮・ホームレス自立支援センターには触れられていません。この点については、別立てで考えているのかどうなのかということについて御確認をさせていただければと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 子どもについて1点、それから、居住支援で2点、御質問があったかと思いますので、よろしくお願いします。
○河合室長 保護事業室長でございます。
 子どもの貧困の関係ですけれども、岡部先生からアウトリーチの事業についての御質問をいただきました。まず仮称ということで、現在、教育環境改善支援事業と書かせていただいております。ご指摘としては、学習環境と教育環境とで違いがあるのかというところですけれども、この事業で狙っているところとしては、先ほども資料の説明で申し上げたとおり、なかなか子どもの意識の面ですとか保護者も周囲との地域との関わりが少ない中で、必要な情報が届きにくい課題があるので、そういった方に対して必要な支援を御家庭にお届けするというようなことを考えています。したがいまして、御家庭における教育に対する意識の醸成を図っていきたいと考えておりますので、もう少しそこの部分がうまく表現できるような事業名にしていきたいと思っております。
 あともう1つ、居住の関係で、無低の関係のお話をいただきました。平成30年の改正において事前届出ですとか最低基準を定めた部分でございますけれども、この事前届出についてきちんと徹底をしていくといった観点から、今回、その実効性を確保するための方策として、罰則の創設と、都道府県への通知の努力義務化というものを御提案させていただいておりますので、こういったものを御理解いただきながら進めてまいりたいと思っております。
○大場課長 代理納付の件でございますけれども、資料2の10ページ、御指摘いただいた資料でございますが、2つ目の○の令和2年4月よりというところで住宅扶助代理納付を原則適用している3つの場合で、○1から○3ということで記載をさせていただいております。この中に今般、検討しております新たなサポートを行う住宅、これについても原則代理納付の対象に追加をしていくということを今、検討しております。
○米田室長 ホームレス自立支援センターにつきまして、生活困窮者自立支援室長からお答えいたします。
 このホームレス自立支援センターはシェルター事業の1つの実施形態として考えておりますので、緊急一時的な居所確保を行う場合には加算の創設の対象となります。一方で、地域居住支援事業についてはシェルター事業とは今、別の事業ということですので、これについてはまた別の事業として、実施していただくということになろうかと考えております。
 以上です。
○岡部委員 これはシェルターに限定ということではなくて、自立支援センターも含めて考えているということでよろしいのですか。
○米田室長 はい。御理解のとおりです。
○岡部委員 了解しました。どうもありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、池永委員、お願いします。
○池永委員 池永でございます。よろしくお願いします。
 子どもの貧困については、私たちは民生委員・児童委員であり大変心配をしていますけれども、なかなか対応の難しいところもあります。これからの制度がまた改正されたらそれに対応していきたいと思っております。
 居住支援についてですけれども、住宅の確保は地域で安心して暮らすために大変重要だと考えております。私の地域でも生活困窮者だけでなく、高齢者などで住宅確保に困難を抱えている方にも接することが多くあります。地域住民の見守りを普段の活動で行っている者として感じることは、住宅確保に配慮を要する方は住宅確保以外にも困り事を抱えている場合が多くあるということです。本日の資料でも居住支援の強化について方向性が示されていますが、住宅を確保できた後、安全・安心に地域で暮らし続けるために、入居後の支援も含む一体的な居住支援という視点も支援に関わる全員が持てるような制度としていただきたいと思っております。
 それから、今日、朝比奈委員の生活保護部会への意見というのを読ませていただきました。(3)のところに「現状の議論は」というところがありまして、現場で持家に住み続けるための支援や持家を活用するための支援も必要に迫られて実施している。長期のひきこもりの方で高齢の親以外に身寄りがない方など、持家の方についても住まいと関連づけた見守りの仕組みなどを考えていく必要があるのではないかという御意見がありました。
 私の知っている方でも、持家はあるけれども、困窮、被保護者、それも40代、50代とかという比較的若い年齢の方が数名いらっしゃいます。そのひきこもりがちな方の今後というのもすごく心配なので、そういうことも一緒に考えていっていただければと私は思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 せっかく津曲課長、来ていらっしゃるので、今の最後の点についてもし、賃貸以外の部分の議論辺りで何かあれば。
○津曲参考人 持家に関してでございますけれども、率直に申し上げますと、現在の3省の検討会において専らそのターゲットとしておりますのは賃貸住宅のことでございまして、賃貸住宅に入居できない、つまり、住まいを確保できないので新しい生活をスタートできないとか、再スタートできないとか、そのような課題というのが方々であるという中で、どのように住宅に到達するのか、住まいを確保するのかということが専ら議論になっているということで、私ども国交省を含めた事務局をしている者として議論していただいているのは、この賃貸住宅の活用ということでございます。
 ただ、もちろん入居後の支援という意味で言えば、福祉的な支援の体制とも連携していく中にあって、福祉の体制における様々な支援を私どももどのように連携していくかということをよく議論していく必要はあるだろうとは思うわけですけれども、その体制づくりとしての居住支援協議会というものを活用していくということがこの検討会の中でも議論になっておりますが、その中では、賃貸住宅だけでなく持家というものが議論されるということも確かにあろうかと思っております。
 以上でございます。
○池永委員 ありがとうございました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 今日、せっかくお見えになっておられる火宮室長も成年後見あるいは権利擁護支援の辺りから今の議論というのは何か関わりがないかという点で、もし何かコメントいただければと思います。
○火宮室長 成年後見室長です。
 今の住まい、持家に着目したところの議論は、まだ成年後見制度の利用促進のところでそこに着目した議論はしていませんけれども、こういった方々の権利擁護支援というのも重要なことであると思いますので、今後の議論の中で重要な視点として検討させていただければと思います。
○菊池部会長 よろしくお願いいたします。
 池永委員、ありがとうございました。
○池永委員 ありがとうございました。
○菊池部会長 局長も問題関心としてはおありだということで、私としては非常に頼もしいのですけれども、局長、何かございましたら。
○朝川局長 朝比奈委員の書かれている1の(3)には、賃貸だけではなくて持家の方でも高齢者、高齢の親以外に身寄りのない方とか見守りの仕組みが必要ではないかという問題提起がありますので、そこは前回も同じような議論があったような気もしますけれども、そういう今後単身高齢者が増えて身寄りのない方の問題は深刻なものになっていきますので、来年のこの制度改正という意味では賃貸住宅に着目して国土交通省と一緒に政策の強化を図りたいと思っていますが、それとはまた別にとまでは言いませんが、別のトラックでこういう身寄りのない方の問題についてもしっかり考えていきたいと思っています。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 部会長代理、新保先生お願いします。
○新保部会長代理 ありがとうございます。
 資料1の子どもの貧困対策についてはいろいろな議論があったと思うのですけれども、生活保護受給中の子育て支援世帯へのアウトリーチ手法による相談・助言を行う事業の法定化については、参考資料、6ページにあるように、子どものニーズや声に応える事業であり、相談・助言を必要とする子どもに向き合う支援者を置くことの意義を感じます。その上で、先ほど岡部委員に答えて河合室長から事業名は仮の名前であり、今後検討されるということなのですけれども、子どもに説明できるような前向きな事業名にしていただけるといいなと思います。
 また、この事業ができたことで、生活保護法内で子どもの支援が完結するという誤解がないように、こども家庭福祉分野との連携の下で支援が行われることが必要であることは朝比奈委員の意見書の意見に賛同いたします。こども家庭庁ができて、子どもを真ん中にした子どもの視点に立った意見を聴くということを大切にした取組が広がっておりますので、こども基本法、児童の権利に関する条約、子どもの貧困対策法などの理念から離れた独自の事業にならないように、子どもの声を事業の実施や評価に取り入れることもぜひ検討していただきたいと思います。
 あわせて、事業の利用の有無にかかわらず、生活保護世帯の子どもたちが生活保護制度の意義や仕組みを知ったり学習支援金の利用や就職や進学に向けた支援のために活用できるパンフレットなどは、ぜひ国のレベルで整備していただきたいと思います。高卒就職者の新生活立ち上げ費用の支給についても、ぜひこれは子どもを応援するという立場でよいものにしていただきたいです。
 居住支援については、私も全般的に強化していただく方向性について賛同いたします。岡部委員のご発言に対して、国として無低の事前届出制の実効性を確保するということを進めていただけるということ、心強く思っております。生活保護受給者の居住については、悪質な貧困ビジネスに利用されるというような実態もありまして、ここはやはり居住支援事業の充実とともによりよい居住の環境で住まえるようにこの取組を推進していくことができたらと思うところです。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 一応これで前半部分の御議論をいただきましたが、後半も最終報告書(案)ということで重なる議論を引き続きさせていただきたいと思いますので、そこでまた言い残したということがあればお願いしたいと存じます。ただ、林課長は前半部分で退室されると伺っておりますので、もしこの子どもの部分で林課長御在席の間にぜひここは発言しておきたいというところがあればお願いしたいと思います。
 渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 ありがとうございます。
 すみません、2回目ですが、私のほうからは、先ほど福島の大江委員からもあったように、やはりこの学習・生活支援事業の実施率というのがまだ6割ぐらいで、ないところもありますし、こどもの生活・学習支援事業のほうはそれよりもかなり低いということで、本当に自治体の方にお伺いすると、やりたいのだけれども、お金がないという、もっと広げたいのだがなかなかお金がないというところで、おっしゃったように補助率のアップですとか本当に必須化みたいなところでやっていただくようになるといいなと思っています。
 特に本当に今回、経済対策で受験料とか模試費用の補助を行えるようになったときに、要はここに来ている子はそれがもらえるけれども、ここに入ってない子はもらえないという状況になるわけですね。だから、自治体がこの事業をやっていればそこの該当する子どもは大学の受験料がもらえるけれども、それがないとそこの子どもはチャンスがないだとか、本当に今、キャンセル待ちみたいなこともある中で入りたいのだが入れない子どもがこれをもらえないだとか、要はいろいろなエリアの関係で行けないとか、例えば勉強に関しては困ってないから学習支援は要らないのだと、生活支援も要らないのだが、受験料は欲しいみたいな子ももらえないだとか、非常にいろいろな問題が起こってくる中で、本当に基礎自治体は子どものために何とかしたいという思いがある中で、やはりお金がないからできないという声はすごくあるので、そこのところで本当にぜひ応援、国からの応援を含めてずっと言っていますけれども、補助率のアップみたいなことをお願いできればなと思っています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 他にはいかがでしょうか。
 勝部委員、お願いします。
○勝部委員 私は子どもたちに社会保障を学ぶ機会をぜひしっかり学校教育との連携になると思うのですけれども、今回、本当にコロナの貸付けに来られた方、平仮名しか書けないとか、それから、学校へそもそも行けてないという人たちもかなり多かったですが、中学校の先生たちにこういう状況もあるので社会保障を一緒にやりたいということ、社会保障の勉強を15歳から40歳ぐらいまでどのような想定があって、どのような保障があって、どのように人が救われるかということを私たち、すごろくにして少し一緒に考えるみたいなことを提案してやらせてもらったのですが、こんなにいろいろ助けてくれる制度があるのは全く知らなかったという子どもたちの意見が大半で、中学校の先生も教える時間はカリキュラムの中で中学校の3年の1時間か2時間しかないとおっしゃっているわけですね。そうすると、生活保護を教えることはひょっとしてできているかもしれないけれども、その前で支える仕組みがあるとか、あるいはハローワークが何をしているかとか、これだけ複雑になっているいろいろな制度というのはなかなか分からないというのもありますので、子どもの感想は、闇バイトには行かないでおこうと思えたみたいな話なのですよね。
 やはりそういうことをたくさん制度があるのだけれども、こども家庭庁ですから、子どもがやはり学べるとか子どもが知れるとかというようなものもぜひつくっていただかないときっと届かないのだろうなという感じもしますので、ぜひお考えいただけるとうれしいなと思います。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 岡部委員、お願いします。
○岡部委員 子どもの貧困は親の貧困でもありますし、また、子どもの貧困の多くはひとり親世帯が非常に多い、そのためその世帯の子どもたちが多いということもあります。子どもの貧困、女性の貧困、こども家庭庁のほうでぜひ注力していただければと思っております。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 最後、幾つかまた御意見、御要望いただきましたが、最後によろしければ林課長からコメントいただければと思います。
○林参考人 こども家庭庁支援局、林です。
 いろいろ御意見ありがとうございます。まず、こどもの生活・学習支援事業の補助率ですが、おっしゃるとおり、多くの自治体に取り組んでいただきたいと我々も考えております。補助率については現状、国2分の1ということでまずはこの形で提案させていただきたいと思いますが、我々もできるだけ自治体にこの事業の実施を働きかけて、今回、新しいメニューも追加されることもありますので、おっしゃるとおり、お住まいの地域で支援を受けられる、受けられないという差ができるだけ生じないようにしっかりと働きかけをまずしていきたいと考えております。
 あと社会保障教育について御提案いただきました。ありがとうございます。
 社会保障教育全般については従来から厚労省でいろいろ教材も使って取組をしております。こども家庭庁ができまして、おっしゃるとおり、こども真ん中ということで、こどもの意見の聴取についても、新保副会長からも御指摘いただきましたけれども、こどもに分かりやすいものをできるだけつくるように我々も心がけております。
 今回、こども未来戦略方針という6月に決めたものについて、副教材的に、まさにご指摘の内容に似たような、すごろく形式のPR素材を作ったりしております。おっしゃるようなもう少し教育全体の中でそういったことの時間が割けないかということかと思いますが、こども家庭庁のみで大きな動きを出すのは難しいところもございますけれども、ぜひ厚労省、文科省とも声がけをして、そういったことの機会をできるだけ増やすようにできないかということを持ち帰って関係の部署とも共有して取り組みたいと思っております。
 岡部委員から、親も貧困でもありということを御指摘いただきました。勝部委員も先ほどの御発言でそういった御趣旨だったと思います。少し舌足らずだったかもしれませんが、実はもともと6月に出したこども未来戦略方針では、そもそも、全ての子ども・子育てに対する支援策、要するに児童手当の拡充などが中心でありまして、貧困対策や、従来から我々が取り組んでおりますひとり親家庭の自立促進ということで就業支援の強化を書いておりましたが、逆に言うと、それがどうしても中心になっておりましたので、むしろ今、足元にいる子どもの貧困に手を差し伸べて、貧困の連鎖を断ち切らなければいけないということで、こどもの生活・学習支援などの新しい事業を急ぎ検討し、補正予算に提案させていただいた、こういう流れになっております。
 したがいまして、就業支援は当然引き続き重要なことと考えております。ただ一方で、多分現場ではいろいろな実態もあるのかと思っておりますし、力の入れ方やノウハウがどの程度あるかということ、ひとり親家庭の支援をやっている団体・組織と生活困窮に取り組んでいる団体・組織とでいろいろと差もあると思います。現場の実情もいろいろお伺いしながら、どういった形にすればより取組が進むかということを厚労省と一緒に考えていきたいと考えております。
 以上でございます。
○菊池部会長 どうもありがとうございます。
 先ほどどなたからかございましたけれども、生活困窮者自立支援制度は経済的困窮者の仕組み、それ以外はこども家庭庁、そういう前提の認識からやられてしまうと、それは制度理解が必ずしも正しくないということにもなりますので、ぜひ奥田委員のお言葉でいえば重なり合う支援ということですので、よろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
 それでは、議事の3つ目に移る前に、この辺りで一旦休憩を挟ませていただきます。
 17時50分再開ということで、少し全体的に押してはございますけれども、50分再開ということにさせていただきます。よろしくお願いします。
(休憩)
○菊池部会長 皆様、それでは、時間になりましたので、議事を再開させていただきます。
 後半は議事の3つ目につきまして、事務局からまず御説明をいただき、その後、意見交換、質疑という流れで進めさせていただきます。
 それでは、まず事務局から御説明をお願いいたします。
○米田室長 生活困窮者自立支援室長でございます。
 資料3を御覧ください。
 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けて議論した内容を最終報告書(案)として整理をしております。
 まず1ページの14行目からになりますけれども、本報告書は中間まとめの内容を基本としつつ、特に生活困窮者自立支援法と生活保護法における法制上の措置が必要な事項について、今年度に議論した内容を加えて最終的に整理するとともに、中長期的に検討すべき課題についても示すものとして整理をしております。
 また、厚生労働省においては、本報告書の具体的な内容に沿って関係法令等の改正等について検討を進め、可能な限り早期に実現するよう取り組むことを求めるということとしております。
 続いて、各論でございます。
 初めに、II-1の項目についてです。こちらについては、現時点の報告書(案)では、本日の前半の議論で御説明をした資料2の内容を一旦記載しておりますので、重複している部分については説明は割愛いたします。
 その他の内容としては、2ページの18行目に生活困窮者一時生活支援事業の名称について「生活困窮者居住支援事業」に改めることが適当、また、35行目でございますけれども、居住地特例について、対象範囲を特定施設入所者全体に拡大することが必要といった方向性を記載しております。
 次に、3ページの4行目でございます。
 II-2でございまして、こちらではさらに細かい項目に分けて、これまでの議論を踏まえた対応の方向性を整理いたしております。
 初めに、「1.生活困窮者への自立相談支援及び被保護者への自立支援の強化」でございます。
 11行目の辺りですけれども、生活困窮者自立支援制度の実施に当たっては、まずアウトリーチ等の手法により、生活困窮者の状況の積極的な把握に努めるべきことを明確化すること。また、支援会議について設置を努力義務化すること。そして、16行目ですが、支援会議については生活困窮者自立支援制度による支援の開始後も関係機関が情報を共有し、連携して支援の質を高める仕組みとしても推進していくこと、こういった方向性を記載しております。
 また、19行目からですが、生活保護制度につきましてケースワーカーと関係機関との支援の調整や情報共有を行うための枠組みとして会議体を設置できるように法定化すること。また、会議体の設置に当たっては、生活困窮者自立支援制度の支援会議と一体的に運営することを推進することとしております。
 さらに、27行目ですが、両制度における会議体の運営に当たって、重層的支援体制整備事業における支援会議の活用に加え、孤独・孤立対策地域協議会との連携についても検討すべきである旨を記載しております。
 次に、「2.就労支援及び家計改善支援の強化」についてでございます。
 4ページの1行目を御覧ください。
 生活困窮者の就労準備支援事業と家計改善支援事業については、福祉事務所設置自治体が実施するものとすべきであるとしております。なお、記載はありませんが、これに当たっては、その費用について国庫補助から国庫負担としたいと考えております。
 また、4行目でございます。国は事業をこれまで実施していない、特に中小規模の地方自治体に配慮し、事業実施に向けた支援を行うとともに、広域連携等の必要な環境整備についても進めることとしております。
 生活保護制度については、7行目にありますけれども、被保護者向けの就労準備支援事業、家計改善支援事業については、事業の法定化により幅広い地方自治体での実施を促すこととしております。
 次に「3.子どもの貧困への対応」です。
 こちらの部分についても現時点の報告書案では本日の前半の議論で御説明をしました資料1の内容を一旦記載しておりますので、説明は割愛いたします。
 次に「4.医療扶助・被保護者健康管理支援事業の適正実施等」についてです。
 5ページの1行目を御覧ください。
 これらの取組について効果的・効率的な実施につなげていくため、都道府県が市町村の区域を越えた広域的な観点から市町村に対する支援を行う役割を担うこと。
 また、6行目であります。こうした支援に当たっては、都道府県において医療関係者・学識経験者等の専門的知見を確保する必要があるが、そのための手法については各都道府県がその状況に応じて柔軟かつ適切に選択することができるものとすること。
 そして、10行目でございます。国においても、都道府県のデータ提供・分析等に係る体制整備の支援等に取り組むこととしております。
 次に「5.生活困窮者自立支援制度と生活保護制度との連携」についてです。
 両制度間を行き来する方に対して、切れ目のない連続的な支援を行うこと。また、各自治体における地域資源を有効活用する観点から、23行目のところに飛びまして、被保護者向けの就労準備支援事業、家計改善支援事業及び地域での居住移行等に向けた支援について任意事業として法定化すること。その上で、両制度での事業の実施や両制度間の連携強化を推進するとともに、さらなる対応として被保護者向けの就労準備支援事業等の実施に代えて、生活困窮者向けの3事業を被保護者に対しても実施することを可能とすることも検討すること。
 そして、30行目ですが、その際、被保護者が生活困窮者向けの事業に参加する場合でも、保護の実施機関が継続して関与する仕組みとすることといった方向性を記載しております。
 最後に、「III 終わりに」についてです。
 まず、本最終報告書ですが、中間まとめと本最終報告書の双方をもって完成形となるものであるといった位置づけを記載しております。その上で、法制上の措置が必要な事項以外にも6ページの1行目のところですけれども、生活困窮者自立支援制度や生活保護制度の周知・広報等や制度に関する正しい理解の促進にあらゆる関係者が取り組んでいく必要があること。
 また、7行目でございます。国は引き続き必要な人員体制等の確保が可能となる仕組みの構築や国研修の実施及び地方自治体が研修を実施するための支援、こういったことを通じた人材育成等に積極的に取り組んでいくべきであることとしております。
 また、今年度の部会では、両制度に関し、中長期的に検討すべき課題についても多くの御意見をいただきました。具体的には16行目のところであります。生活困窮者自立支援法における支援の対象を経済的に困窮している方に依然として限っていることの妥当性をどのように考えるかについては、生活困窮者自立支援制度の制度的特徴や現場の実態等も踏まえながら、引き続き検討すべきであるということ。
 また、20行目「特に」のところですが、今後増加が見込まれる身寄りのない単身高齢者等について生活困窮者自立支援制度が果たすべき役割についても十分に検討されるべきであること。また、今後、生活困窮者自立支援制度と生活保護制度との連携を強めていくに当たっても、それぞれの制度の独自性、固有性や発展可能性が失われることのないように留意するとともに、むしろ相互の強みを生かしながらよりよい支援の実現を目指すべきであること。
 29行目、さらに、生活困窮者自立支援制度または生活保護制度と重層的支援体制整備事業との関係の整理が必要であること。また、重層的支援体制整備事業、それ自体の中に支援の観点ごとの分断ができている等の指摘もあり、今後、これらの制度を検討するに当たっては、このような視点も十分考慮する必要があること、といった内容を記載しております。
 最後に、6ページの最後の行からになりますが、まとめとして、両制度の中長期的な検討は、地域共生社会の理念が基本に据えられることが重要であること。そのためにも各種他制度、他施策との連携を絶えず進めながら、それぞれの制度が果たすべき役割を模索していくことが必要であることとしております。
 本日は年内の本報告書の取りまとめに向け、この資料をたたき台として御議論をいただきますようにお願いいたします。
 説明は以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、これから御議論いただければと思いますが、この案については議論の機会というのはもう今日この場限りということなのか、その点いかがでしょう。
○米田室長 本日の御議論を踏まえて修正したものを次回の部会に出そうと思っておりますが、当初の予定では次回の部会が最終回としたいと思っておりますので、その場合、議論は今回とあと次回ということになるかと思います。
○菊池部会長 ということで、今日と、それから、もう一度、さらに議論する機会があるということでございます。前半と同様に御意見、御質問につきましては、お一人3分以内を目安に御発言いただければ幸いでございます。
 また、若干時間が本日押しておりますが、事前に皆様に最大19時までの延長があり得るということでお認めいただいてございます。ですので、最大19時まで延長があり得るということで御了解をいただければと存じます。
 とはいえ、18時半という当初の時間以降、御予定がおありの方もいらっしゃると思いますので、まずは会場、オンラインを問わず早めの御発言を御希望になる方、恐縮ですが、お手を挙げていただければ幸いでございます。オンラインでもどうぞお手を挙げていただければと存じますが、いかがでしょうか。特によろしいですか。
 それでは、会場からお願いできればと存じます。オンラインの方もどうぞ、お手をお挙げくださって結構ですので。
 それでは、大西委員からお願いします。
○大西委員 ありがとうございます。
 大変よくまとめられていると感じております。1点だけ、中間まとめのところで3ページの11行目辺りの支援会議を自治体でやっていくという部分ですが、自治体の温度差がありますので、関係機関については具体的に例示をすることが必要かと思います。また、その検討の際にはぜひ救護施設も入れていただいたらと思います。
 といいますのは、私の法人でも生困の相談事業、それから、それにまつわるいろいろな事業を手がけておりますので、地域ではかなりの評価をいただけるような形ですので、ぜひこういった支援会議にも参画をしてお役に立ちたいなと思っていますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。事務局で御検討いただければと思います。
 それでは、生水委員。
○生水委員 ありがとうございます。
 先ほど子どもの貧困で少し言い残したことがあるので先に言わせてください。
 こども家庭庁の学習支援の補助率が4分の3で、食事の提供費用の補助あり。困窮制度は補助率2分の1で食事の提供費用はなし。これはどう見比べてもこども家庭庁のほうが魅力的な制度だと思います。この制度を広げていこうと思うのであれば、よりよい制度になっていくように、ぜひとも食事の提供費用の補助や補助率についても御検討いただきたいと思います。
 では、最終報告書について述べます。
 まず1ページの28行目の自立相談支援事業において住まい支援を行うことを明確化するとありますが、これは住まいの相談について自立相談支援事業に規定するという理解でよろしいでしょうか。その場合、先ほど奥田委員からもお話がありましたが、新たに住まい支援の相談員が配置になるのか、自立相談支援員が担うことになるかなどを含めて、自立相談支援事業の枠組みにおいてやるのであれば、朝比奈委員の資料にも述べられているように、高齢者の「地域包括ケアシステム」、障害者の「にも包括」にも居住支援がうたわれているので、これら制度との連携等の整理が必要ではないかと思います。
 次、4ページの1行目ですが、全国どこの地域でも相談を受け止めて支援する体制整備として、家計改善支援事業の必須化について賛成です。資料1の5ページに保護者の困っていることとして、生活費や子どもの進学・進路が多く挙げられています。子どもの貧困の対応として、こうした悩みに対応する家計管理の支援はとても重要であって、保護者の悩みに寄り添った家計支援が子どもたちの将来を応援することにつながるのだと思います。
 新保先生がいつもおっしゃっている言葉ですが、家計改善支援事業は家計を入り口とした本人に寄り添う支援であると、まさに困窮者支援において相談者の尊厳を守る、そして、自立を応援する、なくてはならない事業であります。だからこそ、どの自治体においても支援が利用できるようにすることが極めて重要なので必須化が必要だと思います。
 次に、5ページ、23行目ですが、困窮制度の就労準備、家計改善、居住支援、こうした被保護者が利用可能とすることについて賛成です。その際、福祉事務所が継続して関与する仕組みが必要と記載がありますが、保護が困窮制度に丸投げするような、そうしたリスクだけではなくて、保護と困窮の間で支援方針に食い違いが生じて、相談者に対する支援に支障が出ないようにすること、そして、支援方針については共通認識を持って実施できるようにする体制が重要であって、任意事業は自治体直営よりも委託が多い中、委託先の団体が萎縮しない仕組みが必要だと思います。
 あと困窮と保護の重なりの支援については、どの部分をどういうように連携して一緒にやっていくのか、その範囲や責任をもっと明確にしていくことが必要だと思うので、今後の議論として検討すべきではないかと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 お尋ねの部分がございましたので、お願いします。
○米田室長 生活困窮者自立支援室長でございます。
 生水委員から、居住支援の明確化について自立支援事業に規定するという理解でよいかという御質問がありました。私どもとしては、明確化するのは法律にというように思っておりますが、自立相談支援事業の中にこれまでもやっていただいているような居住支援というものを明記するということを考えております。具体的な改正内容については現在検討しておりますけれども、そのつもりでおるということでございます。
○菊池部会長 よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは、オンラインでも既にお手が挙がっておりますが、宮本委員、お願いします。
○宮本委員 まず、取りまとめにともかく感謝したいと思います。部会長の采配、それから、事務局の奮闘で積み重ねられてきた議論がかなりの程度吸収されてまとまった報告書になったということ、評価したいと思います。多くの委員の皆さんが同じ思いでおられるのではないかなと思います。同時に、この報告書が出れば、これが制度化され、政策化されれば、もう一挙に地域が変わるというように楽観する委員も多くはないと思います。
 繰り返すと、報告書はしっかりまとめていただいたのだけれども、そもそもこの分野でこうした報告書が持つ意味合いというのがもう変わってきているのではないかなと思います。かつては行政が社労族の政治家の協力も得ながらまとまった制度を設計して、それの設計図を自治体に示して補助金、交付金等インセンティブをつけてやってもらうということでよかったのですけれども、もうそれは違ってきているわけですね。
 第1に、そもそも地域で取り組むべき事柄というのは非常に複雑になってきて、しかも、地域ごとに事情は異なって1つの設計図では収まらないわけです。
 それから、第2に、この分野は先ほどこども家庭庁との関係、それから、孤独・孤立との関係なんかも出てくると思いますけれども、自治体から見るといろいろな制度が並立していて迷う局面も出てくる。したがって、この制度の連携がきちっとできる自治体、要するに勝部委員がおられる自治体、朝比奈委員がおられるような自治体等、そういう条件がない自治体での到達度の差というのは全く違ってくるわけです。
 その結果、どういうことが起きてくるかというと、まず、この報告書が就労準備支援事業の必須化を言う。それから、新たな会議体の設置を提案する。この定義が当てはまる自治体もあります。これがもうそのまま追い風になる自治体もあります。しかし、他方で、何を言っているか正直言って分からない。渋々義務的に就労準備支援事業をやるということで、何かまた仕事が増える、全体のパフォーマンスが落ちてしまうというような自治体も率直に言えばあるわけですね。そちらのほうが多いかもしれない。さらに、もう先駆的な自治体ではこうしたことをいろいろな裏技、荒業でやっているよということで、こうした横並びの提起で出てくると、これまでのアプローチを見直さざるを得なくて、逆に頭を抱えてくるところも出てくるというわけなのですね。
 これほど何か受皿が多様になっているところに何を発信していくのかということです。では、もう必須化とか会議体という提起はやめたほうがいいのか。そうではないのですね。やはり政治に対して、メディアに対して、あるいは財務に対して何をやっているのか、どういうように進捗しているのか分かりやすくナラティブを示していくということは必要になるわけです。では、この複雑なお互い相矛盾するかのような変数をどう組み合わせていくのか、この連立方程式みたいなのをどう解いていくのかということであるわけですけれども、対処法はあるのだろうと思います。
 1つは、この報告書、それに基づく制度改正を地域に役立ててもらうためにも、その制度の設計には柔軟性を持たせつつ、必須化だとか会議体の設置が自己目的なのではないのだと、それは何をどういう機能の充足を求めているのかということをしっかり書くということです。なぜそれが求められるかということを書き込むということです。
 それから、2番目に、地域が独自に創造的な制度の組合せができるように、要するに制度化された後が勝負だという発想が大事になってくると思うのですね。担当者の会議だとか研修だとかコンサルティングがあるわけなのですけれども、先ほど五石先生がおっしゃったことも分かるのです。きちっと分担をやって、上から落ちていくような形ができればいいのですけれども、それはなかなか難しくなっているし、何かあちこちから出てパイが大きくなればそれはそれでいいわけです。
 ただ、問題は、それで自治体が混乱をする。または、その到達度の違いが大きな違いになって、それぞれが不利益を被るということがないように、法案が通った後、いかにポートフォリオでもいいし、カフェテリア的に組み合わせるその仕方を協議できるような場を多重的に創出していくのかというところ、そこが問われているのだろうと思います。
 少し報告書の中身そのものに関わることではなくて、報告書の中身にしてもいろいろ先ほど子どもの貧困についてはいきなり生保に入るのではなくて前段が欲しいとか、それから、孤独・孤立についてここが言い出しっぺというか老舗ですけれども、18年の改定のときには財務のほうが孤独なんていうのは指標にならないと言って、その後、孤独・孤立がメインな仕事になってきたわけでありまして、老舗としてはもう一回、この法律の中に地域との関係性とかというややこしい言い方ではなくて、孤独という言葉を入れたらどうかなとも思ったりもします。ただ、繰り返しになりますが、来週、どこまでそれが申し上げられるか分からないので、ここで少し抽象的な話をしておきました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 宮本前部会長の思い、お言葉の数々と申しますか、まとめていく上でこれまでも取りまとめに関しては宮本先生がかなり関わられてまとめられたというのは私も承知しておりますので、しっかり書き込むという、そういった部分でいろいろ改善の余地があるのではないかというようなお言葉と受け止めましたし、まずは今の宮本先生のお言葉をしっかりテープ起こしをして、それをどう書き込むかという辺りでまた工夫していただきたいと思いますので、ありがとうございます。
 それでは、画面でもう既にお手をお挙げの方もいらっしゃいますので交互ぐらいに行きましょうか。
 和田参考人、お願いします。
○和田参考人 ありがとうございます。高知市福祉事務所長の和田でございます。
 私のほうからは、やはり私、福祉事務所長でございますので、以前も少しお話しさせてもらったことではありますが、ケースワーカーの役割、負担というところに視点が行きまして、先ほど宮本委員もおっしゃっていましたように、会議体の設置、これを努力目標とか必須化するのではなく、今、先進的にといいますか、先んじてやっている自治体もありますので、そこの柔軟性を奪ってしまうような形にはしていただきたくない。
 また、例えば3ページ目の19行目「生活保護制度においては、コーディネート機能を担うケースワーカーが関係機関と連携し」というところ、ケースワーカーの専門性が求められるところで専門性が持てていないケースワーカー、それが非常に本人にとって負担になっているというところを専門の方々に助けていただくというのは非常にありがたい話なのですけれども、そこでまたコーディネート機能をケースワーカーに求められるとなかなかしんどい思いをするケースワーカーもいると思います。ですので、専門家の方々の御意見、知見などを生かしながらも、ケースワーカーについての支援というか、あまり負担にならないような考え方を持っていただきたいなと思います。ケースワーカーが疲弊してしまいますと、本来支援するべき方々にいい支援ができないということもあると思いますので、支援者に対するケアという視点も持っていただきたいと思います。
 あともう一点でございますけれども、私、全国市長会からの御意見というのを賜っておりまして、それをここで御紹介させていただきます。
 全国市長会からの意見といたしまして、最終報告書(案)における記載について特に先ほどの3ページのところになりますが、就労支援及び家計改善支援の強化に関しての意見を申し上げます。
 最終報告書(案)の3ページ、31行目から4ページ、6行目の記載内容につきまして、生活困窮者就労準備支援事業と生活困窮者家計改善支援事業の実施について、福祉事務所設置自治体が実施するものとすべきであるとの記載がございます。両事業については、法律にその実施主体が明確に示されており、また、令和5年度の各事業の状況を見ますと、既に福祉事務所設置自治体の8割超において実施されております。このような実態も踏まえて、事業の実施促進のために打つべき対策としては、必須化や義務化を示唆する記載をするのではなく、現在実施していない僅かな自治体への支援策について優先的に取り組むべきだと考えます。
 本部会のこれまでの検討過程において自治体代表の委員から事業未実施の自治体の背景や理由等を把握した上で、自治体の意見を聴きながら、全自治体で事業を実施可能となるような支援や環境整備を進めることが必要であるといった発言もあったことを踏まえますと、その趣旨に沿った記載をお願いいたしたいと思います。
 なお、これら両事業の実施促進を図るに当たっては、既に実施している自治体を含め、積極的な取組が可能となるよう、財政措置の拡充等、実施主体が十分納得のいくような必要な措置を講じていただきますよう、併せてお願いいたしますというのが全国市長会の意見でございます。
 私からは以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、会場、よろしいですか。
 駒村委員、お願いします。
○駒村委員 ありがとうございます。
 まさに今の部分と、あと先ほど国土交通省のほうに聞き忘れた、確認し忘れた部分がありますので、流れがありますので今の部分で、今、自治体の方からお話があった部分のところなのですけれども、未実施のところがなぜできていないのか、その理由をちゃんと分析するというのが御指摘のとおりなので、ぜひ国にお願いしたいなと思います。
 一方で、予算措置、財政措置の話が少し言及されていて、私、先ほど聞き飛ばしたのかもしれないのですけれども、厚労省のほうに、4ページの7行目からの文章や5ページの23行目からの文章ですが、予算措置から法定化していくことで国の予算の性格というのは何か変わっていくのかどうかですね。予算事業から法定化された事業に変わっていくとどういうように財源的な部分とか変わっていくのか、少し確認させていただきたいなと思いました。
 それから、国土交通省の質問は後で時間がおありのときにまた。
○菊池部会長 いや、まとめてお願いします。
○駒村委員 いいですか。先ほど生水委員の質問に対して、残置物の処理についてのお答えが私、聞いていて何もしないかのように承ったので、何もしないという理解でよろしいのでしょうかということを聞きたかったわけです。すみません。
○菊池部会長 それでは、お願いします。
○米田室長 駒村先生からの御質問ですけれども、まず4ページの7行目の予算事業を法定化する、これ自体については予算上の性格というものは特に変わらないと思っております。一方で、私、「記載にないのですけれども」として申し上げたのが、就労準備支援事業と家計改善支援事業を実施するものとする、これは必須化とか義務化といったものを想定した記載が4ページの3行目から4行目ぐらいにあるのですけれども、この必須化、義務化に当たっては、予算の性質としては、予算の範囲内で補助するものとするとされている補助金から、負担金といって、国に一定の義務が課されるものと変わりますというようなことを申し上げたということでございます。
○駒村委員 分かりました。ちょっとそこを聞き漏らしていたので、この2つの資金の性格が違うように変わるのだということも一定の財政的な配慮があったのかなと思って、すみません、メモがいいかげんだったので場所がよく分からなかった。ありがとうございます。
○菊池部会長 津曲課長からいかがですか。
○津曲参考人 大変失礼いたしました。御指摘に関してでございますけれども、先ほど生水委員から御質問いただいたときには専ら経済的支援について注目して御回答してしまいましたので補足させていただきますと、残置物に関しましては入居者が亡くなった場合において、家具であるとか家財につきましても相続がされることによりまして、その相続人を探したりであるとか、処理についても相続人に一定御了解をいただくということが必要になってまいります。その辺りが非常に大きな家主、管理会社側の負担になるといったことがございまして、これを見通した場合になかなか高齢者の入居というものを控えたいというような御意見もあるということでございますので、このような残置物の処理、相続される所有権が移転していくということに関しまして、それを処理するための手続的な対応を行っていくために、現在、国交省でもそのガイドラインというものをつくっております。そのガイドラインというものをより普及していくなどを行っていくことによって、この残置物の処理というものの手続的な負担を軽減していく、そのようなことを念頭に置きまして本日の資料の中に残置物処理等の負担軽減という記載とさせていただいております。
○菊池部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、竹田委員、お願いします。
○竹田委員 ありがとうございます。
 資料3の5ページ、14行目から22行目になります。ここにおいては、両制度の連携について記載されているわけでございますが、この内容については私も理解はしておりまして、このとおりだなと考えているところなのですけれども、ただ、19行目から22行目のところの記述の中で、両制度を行き来する者も一定数いる中で、本人への切れ目のない連続的な支援を行うことが課題であると記載があるのですが、制度の連携は必要ということと、前段の文章を考えると、そもそも両制度を行き来すること自体が課題であって、そのために本人への切れ目のない連続的な支援を行うことによって、本人の自立を支援するということが制度本来の立てつけではないかなと思って読んでおりまして、ここの記述が少し気になったなというところはございましたので、1点、述べさせていただきました。
 続いて、6ページになります。4行目から10行目でございまして、この部分についても国が積極的に取り組んでいくべきと明確に書いていただいておりまして、まさにそのとおりだなと思っております。御存じのとおり、介護の分野でも施設の倒産など人材が集まらないなど、様々報道等で取り沙汰されておりまして、地方も含めてかなり人材不足が広がっていますので、支援を適切に実施できる人員の体制ですとか支援員の質の確保を含め、財源の確保、そういったところもしっかりと取り組んでいくことがこの報告書をより実効性のあるものにしていくのかなと考えておりますので、併せてここもより明確にしていただけるといいのかなと思っております。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、佐保委員、お願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 今ほどの竹田委員の話と重複すると思いますが、いろいろ生活困窮者自立支援制度とか生活保護制度の機能の充実とか強化、人員体制の強化といったことを考えていきますと、当然財源の裏づけが必要になってくると思いますが、この最終報告書の案では全くその財源のことに触れられておりません。どこに書き込むかというのはいろいろ考え方があると思いますが、やはり財源の必要性というものも重要ですので、そういったものを書いておくべきではないかなと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、出原参考人、お願いします。
○出原参考人 ありがとうございます。
 指定都市の立場から何点か申し上げたいと思います。
 まず就労支援事業及び家計改善支援事業の義務化の方向につきましては、先ほども和田参考人のほうから全国市長会の意見として発言がありましたけれども、指定都市としてこの方向性に対して反対するというものではございません。ただ、先般、各指定都市からの意見をお聴きする機会がございまして、そうした中には国庫負担を4分の3にすべきではないかなというような、そうした声も何点かございました。各事業を自治体の実情に応じて効果的かつ実効性のあるものとして着実に実施できますよう、負担率や基準額についても検討を引き続きお願いしたいということを申し上げたいと思っております。
 また、その他の制度の各見直し案につきまして、制度の在り方、財源の面や人員確保の面など、今後、詳細を詰めていかれることになると認識しておりますけれども、事業の実施主体である自治体にとって運用しやすいものとなりますよう、御配慮のほど、よろしくお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、奥田委員、お願いします。
○奥田委員 私は今回、本当に正直に書いてくださっているので、定義のところですね。例えば6ページのところに、今後見込まれる身寄りのない単身高齢者については、生活困窮者自立支援制度では難しいかもしれないと書かれていて、その手前のところでは自立相談で全部やるぞと書いていて、正直、大丈夫ですかという、自立相談で居住のことを引き受けるということは具体的にどういうことなのですかというところがまず1つです。
 先ほど宮本先生がおっしゃったように私も定義のところに背景とか要因として孤立の問題が出てくるのではなくて、もう正直、今後、高齢単身者もそうですけれども、孤立状態の者であるとか単身者という者が背景ではなくて、そのものずばりが実はもう対象になってくるよというところは、6ページのところ辺りはもう少し踏み込んでその辺り、どうなのでしょうかと、背景ではないよということですね。
 それから、2つ目としては、居住支援協議会のところなのですが、この居住支援協議会を推進していくと書かれているのですが、やはりこれももう一歩、本当だったら踏み込んで居住支援協議会に自立相談の担当部局は出ますというところぐらいまで書かないと、国交省さんの制度を推進しますと厚労省が言っているという書き方なので、もう一歩踏み込んだらどうかなというのがありました。
 それから、先ほど対象者のところで地域居住支援事業の延長というか柔軟な運用、これは非常にありがたいなと思いましたけれども、地域居住支援事業とは何ぞやということがやはりこの制度、解決型なのですよね。居住支援はどちらかといったらもう少し伴走型の発想というか時間軸でもあるので、例えば問題解決したら延長の意味ですよね。まだ解決してないからもう少し延長しましょうと、社会参加できないからもう少し延長しましょうというところで延長が決まっていくのか、もっと状態的な発想として延長というものが図られるのかというのは大きな違いがあると思いますので、地域居住支援事業とは何ぞやということと、その延長の意味ですね。延長のポイントをもう少し明らかにしたらどうか。
 そのもう1つは、シェルターのところなのですが、やはりホームレス仕様でつくられてきたシステムなので、今後は緊急一時的な使用も含めて対応しようということが書かれていますので、そうなると、やはりシェルター事業の仕様自体、建物等、仕様自体もこの辺りで大きく変更していかないと、ここの制度ができてくる背景には、本当に私はホームレスだからこれぐらいでいいでしょうという気持ちはどこかあったと思うのですね。でも、それは駄目なのです。ホームレスだからこそ逆に言ったら生きていてよかったと思えないと駄目なので。とはいえ、やはり地域で居住されている方で一時的に居住困難になった人が使えるシェルターとは一体何なのかということをやはり議論していただきたい。
 それから、あと住居確保給付金のことですが、転居費を認めるのはよかったと思います。ただ、前から申し上げているとおり、給付の基準が低過ぎる。この問題に関しては、やはり今回の改定では無理かもしれませんし、法律の事項ではないのかもしれませんけれども、今の基準で言うと相当低いと思うのですね。ですから、ここを考えなければならない。
 さらに、刑務所出所者の居住の問題がやはり3省共同では大きな問題になっていますので、この刑余者のところを含めた自立相談で受けるということはどこかに明記しないと、せっかく3省共同で議論してきたのに、やはりどうしても法務省さんが抜け落ちているという感じがするのですね。このところをちゃんとやるべきだと。
 それから、無低の登録罰則の件ですが、これはこれでやるべきだろうと私は思うのです。でも、一方で、では、実際にこれは無低を登録すると施設長を置かなければならなくなるのですね。実際の言わば事業モデルとして成立するかどうかということが次の問題になるので、例えば日住ですね。支援つきの日住への誘導というか、そこを支援していこうという次の一手を少し書き込んだほうがいいのではないか。
 最後に、私は今回正直に書いてくださったと最初に言いましたけれども、とても正直な最終案だと思うのですね。こちらでやるぞと言いながら、でも、こちらは難しいよと、定義、どうしようかみたいな話が並行して出てきている。そうなると、やはり継続した議論がどうしても必要になる。今回、これで終わらせないで、また5年後みたいな話ではなくて、私は2030年には単身高齢者世帯800万世帯を超えるということ。単身世帯の率も国が出している予測よりかは早いですよね。単身が進んでいる率。要するにもう待ったなしで来ているので、特に年金の仕組み自体が持家を前提とした仕組みとして基礎年金なんかは組まれているので、そうなると、やはり家だけ何とかなったら何とか生活できるという人たちがある一定、いると思うのですね。ですから、やはり議論自体をここで終わらせるのではなくて、ぜひ継続あるいは調査等も含めた継続性を担保していただきたいと私はそのように思いました。
 以上です。
○菊池部会長 多くの御指摘をいただきましてどうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、大江参考人、お願いします。
○大江参考人 ありがとうございます。
 2点、申し上げます。
 まず生活困窮者自立支援制度に係る就労準備支援事業と家計改善支援事業の義務化についてであります。
 これまでの議論の中で、その補助率について繰り返し意見を申し上げてまいりましたが、本事業を生活に困窮する方に確実に届けるためには、各自治体における実効性の確保が必要であります。先ほども御意見ありましたが、両事業の義務化をする場合には、その点を十分御認識いただいた上で確実な事業実施に向け補助率を4分の3に引き上げていただくことを強くお願い申し上げます。
 次に、医療扶助等に係る都道府県による市町村支援の義務化についてであります。
 生活保護扶助費における医療扶助費の支出はその半分を占めていることから、適正化については喫緊の課題でありまして、各福祉事務所においては被保護者健康管理支援事業により医療扶助の適正実施等に取り組んでいるところであります。今回、国より示された医療扶助等に係る都道府県による市町村支援の義務化については、都道府県が広域的な観点から医療扶助の適正化を推進することがその目的と理解をしておりますが、現状、その実効性や事業の効果等が不明確であると考えております。また、新たに義務化となる場合は、都道府県ではさらなる負担を強いられることになります。つきましては、義務化とする前に、まずは本事業の必要性について数値的な裏付けや実効性をお示しいただいた上で、改めて都道府県の意見を聴取し、事業の必要性を十分に検討すべきと考えます。
 以上であります。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、会場から勝部委員、お願いします。
○勝部委員 ありがとうございます。
 今回はコロナの中で中間まで行きまして、今回、コロナアフター、収束の段階でこの報告書ということになっているのですけれども、やはりコロナの減収された方々やそこで出会った方々というのが、これまで私たちが生活困窮者自立支援法の中で出会えなかった人たちとたくさん出会った、これはもう自明の理なので、そう考えますと、この生活困窮者自立支援法というのはやはり制度の狭間で見えないものをその時々の社会情勢の中でしっかり受け止めていろいろな制度や施策を生み出していくような、そういう位置づけも大きいと思っているわけです。
 これが孤立の問題であったりとか子どもの貧困であったりとか、これからまた恐らく外国人支援の問題は大きく揺らいでいくと思いますので、そういうことの位置づけがこれからもますます望まれていきますし、ここがしっかりエンジンとしていろいろな施策を誘導していけるようなそういう役割を担っていきたいということを改めて実感しているところですので、何かそういう高齢、障害、児童、生活困窮なのかというような縦割りの1個なのかなというところがやはり感じるところで、それだけでいきますと予算規模も全く違いますし、ここはやはりパイロット事業といいますか、いろいろそういう狭間をキャッチするアンテナ機能としての役割、とても大きいというところもこのたびずっと思っているところです。
 そこで、家計支援と就労準備事業などの義務化、これはずっと言っているわけですけれども、先ほど来から自治体の皆さんが予算の背景なしにはできないとずっと言っておられて、生活困窮者自立支援法はこんなに格差のある事業でいいのかというのが非常に私は思っています。同じ名前なのに自治体によって全然やっていることが違うということをずっとなぜそうなるかというと、皆さんがおっしゃったような、やはり財政的裏づけがなかったということが大きいのであれば、そこをどう進めていくかということも考える必要が絶対あるのだろうと思うのですね。
 さらに、ここで今度は生活困窮者自立支援にうたわれていた家計支援や就労準備などの事業を生活保護も使っていいとなっていくと、これは日常生活自立支援法もうちの町では9割も生活保護の人たちが使っているわけですね。一般の方々も待機でずっと待っているというようになると、また下請みたいな、本来、その制度の中で対応しないといけない分野を外に出るもの、あるものも使っていいよとしながらそちらのほうを活用するとなっていくと、前回申し上げたようなやはりのみ込まれるというような機運が非常に危惧していますので、ここへの懸念というのもぜひ皆さんで共有していただきたいと思います。
 最後ですが、居住の問題は民間住宅だけでは、都市部ではもう住める場所がありません。どんなに安い住宅を探しても、年金だけで住めない方々がたくさんいるということになりますので、公営住宅の在り方も含めてどういうように設計していくのか。これから独り暮らしや単身高齢者、ひきこもり、8050はもう9060になって親が死んでいっていますので、その人たちが残されて自立できない経済力の中でどうして家を探していくのかということを考えたときに、今の居住支援の発想では安いところへ移すとか民間を活用しましょう。もちろん空き家はあるかもしれないけれども、今の社会情勢やその人たちの年金の中では暮らせない家しかないという中では、では、都会の人はみんな安い住宅のある地方へ移るのですかというようなお話になるので、これは住み慣れた地域などというところとはかけ離れてしまいますので、厳しい話だなというのを実感しています。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、浦野委員、お願いします。
○浦野委員 報告書案のうち「III 終わりに」のところで何点か少し申し上げたいと思っております。
 まず、この事業に従事する人たちの人員体制の確保あるいは支援員の質というようなことが2つ目の○で言及をされております。これはとても大事なことだと思うのですが、そのベースになるのは、ここで働く人たちのお仕事がそのお仕事の大切さに見合った賃金をはじめとする処遇になっているのかということは問われるべきだろうと思っております。
 行政が直営でやっている場合でも、例えば任期付職員という扱いであったり、ましてや委託でといった場合に十分な賃金が払えるようになっているのかということは考えなければいけないことだろうと思います。そういう意味で、人材を育てるにしても確保するにしても、やはりこの仕事でもちろんやりがい、働きがいがあると同時に、一人の生活者としてきちんと生活がしていけるという条件をちゃんとつくっていく、そういう必要があるなと思っております。
 それから、単身高齢者の話が先ほど来、出ております。このページの下の中ほどでしょうか。実は私の法人も経営しているのですが、養護老人ホームという老人福祉法上の一番古参施設があります。これが実は一方で別の理由で空き部屋を相当生み出してしまっている。福祉事務所が必要な方の入所措置を取らないということが多発していると言われております。もちろん、私は養護老人ホームが措置機関の昔からのやり方でもあったのかもしれませんけれども、何か施設に入所措置を取るとそれで上がり、ケースワークが終わったというような感覚なのですが、むしろやはり緊急避難的に養護老人ホームできちんとケアをする。しかし、そこで上がりではなくて、もう一度地域に帰っていけるような支援をしていく、そういう考え方の下で既存の老人福祉施設をきちんと活用していくということも考える必要があるのではないかなと思っております。
 それから、もう1つだけ言いますと、この相談事業というのが様々な相談事業があるのですけれども、この生困の話で言えば社会福祉法上の社会福祉事業とリンクしているのですが、他の相談事業は社会福祉法上の社会福祉事業とリンクしていない部分もひょっとしたらあるのかなという心配をしております。その場合、社会福祉法人が行うときに非常に事業の仕分けが面倒な話になったということで、まさに極めて社会福祉性の高い事業ですので、社会福祉法の社会福祉事業との定義との整合性ということももう一度確認をしておいていただきたいなと思います。
 以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、五石委員、お願いします。
○五石委員 先ほど勝部委員がおっしゃった民間住宅セーフティネットの話で、民間だけでは追いつかないのではないか、それは大賛成でして、やはり公的賃貸、それから、家賃扶助、ここを充実させるということが私は絶対的に必要だと思います。
 それから、奥田委員が今回の報告書の案が非常に正直だというようにおっしゃったのは、私もぱっと読んだときにそれは感じました。ある意味で保守的だなというように感じました。それは報告書の6ページの先ほど来出ています20行目から22行目の単身高齢者に関しての記述について、難しい場合も想定される、とありますが、ここまで書いてしまっていいのかというのが1つです。それから、そのすぐ上の16行目から、支援の対象を「経済的に困窮」している者に依然として限っている妥当性をどのように考えるか、と書いてしまっています。それは法的にはそうなのだとは思いますが、ここまで強く言ってしまって誤解を受けないですかというのは少し感じます。2018年の法改正により、制度の趣旨として対象は経済的困窮に限ってないということが確認されているわけなので、依然として限っている、とまで書いてしまうとやはり誤解を招くのではないかなと思います。
 それから、逆に戻ってしまうのですけれども、4ページ目の子どもの貧困の対応に関しても、13行目から14行目の中で、学習教育に限った書き方をされています。生困の事業においては、もともと学習だけではなくて、生活の支援も大事だという議論があり、そこで現在では学習・生活支援となっていると思います。しかし、ここで学習だけの話に限った書き方をされているのが気になります。生活支援も必要だという書き方ができないかと感じました。
 それから、同じ4ページ目の就労準備に関してなのですけれども、一般就労の準備としての基礎能力を支援する就労準備支援事業、と書いています。今、中間報告案を見返してみると似たような書き方がされてあって、これは私も見落としていたなと思っているのですが、一方で、中間報告案では就労準備支援事業について、かなりニュアンスのある書き方をしたと思うのです。つまり、就労準備というのは就労だけが目的ではないという言い方はやはり現場ではされていると思うのですよね。なので、ここも一般就労の準備というよりも求職活動、就労活動の一旦立ち止まってそれを行う以前の準備として自尊心の回復や社会的関係の回復等、それを支援するのが生活困窮者就労準備支援だというような書き方ができないかと思いました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、岡部委員、お願いします。
○岡部委員 私のほうは3ページの19行から20行にかけてのところです。生活保護制度においてコーディネーター機能を担うケースワーカーが関係機関と連携して専門的な支援を外部から取り入れて支援の質を向上と記してあります。これは読み方によっては、生活保護の担当職員がコーディネーター機能の専門性が十分でない、あるいはないから専門的な支援を取り入れるのだというような読み方もできてしまうので、コーディネーター機能を担うケースワーカーの資質の向上を図るとともに、専門的な支援を外部から取り入れてさらなる支援の質の向上を図るとか、前提として専門性があるという記述をしていただくようなことはできないのかと。
 これは同じように6ページの箇所です。6ページの4行目から6行目です。生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の見直しが現場で実効的、適切な人員体制の確保や支援員の質の向上等が必要であると記していますが、これは生活困窮者自立支援法の担当の職員の質の向上というようにも読めますので、並びに生活保護担当職員の質の向上というのを入れていただいて、今回、これは生活困窮者自立支援制度と生活保護制度の両面の検討の体制整備ということが言われていますので、両面の記述をしていただけないかということです。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 会場からは、渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 ありがとうございます。
 本当に取りまとめていただいて、私は先ほど宮本先生からも振っていただいたように子どもの貧困対応のところで非常に具体的なところから入っているのですけれども、やはり今回の議論の中で非常に子どもの貧困について多くの議論が交わされたこともありますし、子どもの貧困の課題が非常に深刻になっているというようなことですとか、あと併せて今日の議論でもあったように、こども家庭庁もできたが、すみ分けるのではなく、しっかりとここでもやっていくのだみたいなことはぜひ書いていただけるとよいのかなと思いますし、あと朝比奈委員の意見書にもあるように、もう1つ、記載がないのが若者をどうするのかということで、本当に高校生世代までは行ったのですけれども、要は高校を出た後というようなところの貧困の方たちがやはりなかなか生活保護ではない中で困窮のほうにも行きづらいというような中で孤立とかにもなっていくので、若者の困窮についてどうするのかという議論は本当にこれからどこかがやっていかないと、本当に今、どこも拾うところがないので、それはすごく大きな課題になっていくと思うので、何かそれが少し入るとよいのかなと思います。
 少し抽象的な言い方ですが、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、池永委員、お願いします。
○池永委員 すみませんでした。私からは、5ページから6ページの「終わりに」のところに、人材育成などに積極的に取り組んでいくとあります。こちらは民生委員としてもぜひお願いしたいと思っております。民生委員・児童委員はつなぎ役として活動しているため、つなぎ先となる専門職の方の育成は大変重要と考えています。民生委員・児童委員のことを分かっていただくとともに、制度や事業の概要を分かりやすく地域住民や関係機関に伝えていける専門職の育成に向けて、国も積極的に関わっていただきたいと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、新保部会長代理、お願いします。
○新保部会長代理 ありがとうございます。
 では、私からは具体的な修文の提案なのですけれども、まず3ページの19行目、先ほど岡部委員が指摘されていた「また、生活保護制度においては」というところの「専門的な支援を外部から取り入れて支援の質を向上させることを目指して」のところなのですが、ここは専門的な支援を外部から取り入れるという表現ではなくて、専門的な支援を活用しながら被保護世帯の支援の質を向上させることを目指して、あるいは被保護世帯が必要とする専門的な支援を利用しながら課題解決が図れるようにすることを目指してというような表現に見直していただくことをお願いしたいと思います。
 中間まとめで課題となっていたのは、生活保護制度は制度内であらゆる支援が完結するというような誤解があって、被保護者、ケースワーカーが専門的な支援の枠組みから取り残されるということが課題だったと思います。ここで重要なのは、ケースワーカー自身が支援の質を高めるということよりも、被保護者が必要な専門的な支援を利用できるようにするということなのではないかと思います。そういう観点から、この外部から専門的な支援を取り入れるというところの表現はぜひ見直していただきたいと思います。
 それから、4ページの18行目のところなのですけれども、ここもケースワーカーの子どもの発達についての知識や技術などの専門性が不足しているというような書き方なのですが、ケースワーカーはやはり子ども支援の専門性というものは研修の中でみなが学んでいるわけではないので、ここで何か専門性を求められてしまうのはなかなか厳しいのではないか。知識などが不足しているところでとどめていただいてよいのではないかと思いました。
 やはりこども家庭庁ができたことによって、より一層、子どもを真ん中にした子どもの意見を聴くということが子どもへのアプローチにとても重要になっています。そうしたことがこの間、中間まとめから今回までの間に新しくなってきたところなので、そういうところと乖離しないようにきちんと子どもを真ん中にというようなことも、子ども支援の理念を踏まえた実践をということを何とかここに書き入れていただきたいと思います。
 それから、就労準備と家計の必須化については自治体の皆様からの声を伺いながら、どのように必須化していくことができるだろうかと思ったところなのですけれども、そこは宮本委員がおっしゃっていたように、支援の必要性というところをしっかり伝えながら、地域によって利用できる支援の差がないように何とか広げていく方向で進めていくことができればと思ったところでした。
 以上です。ありがとうございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。次回、まとめに入っていきますので、ただいまのように具体的な修文の御提案などありますと大変ありがたく思います。
 時間、かなり押しておりますが、駒村委員から先ほどからお求めがございますので、どうぞ。
○駒村委員 今も部会長代理からお話があった必須化に向けての財政論というのは何人かの先生からありましたので、補助率の話や先ほど米田さんからもあった国の資金の性格が変わるという部分も踏まえて、なかなかこの場でできる話なのかどうか、難しい部分もあるかと思いますけれども、この部分がないと絵に描いた餅になりますし、それから、先ほど五石さんからあった6ページの話なのですが、この表現ぶりは少し確かに財政的困窮者に依然として限られているという言い切りで本当に大丈夫なのかなと。これは1回議論になった部分だと思います。
 それから、次に、奥田さんからあった部分なのですけれども、この部会でテーマにしているのはまさに今、生きてから病になって老いて死ぬまでの期間、人生の苦痛を全部相手にするような守備範囲になっているわけですが、どういう家に生まれてくるか分からないという部分をちゃんと守ってあげる。老いていく。奥田さんが先ほどおっしゃった身寄りのない高齢者、これはずばり言うと2040年に170万人の方が毎年亡くなっていく。どう死んでいくのかという死に行く人の問題をちゃんと考えなければいけないわけで、これはかなり急ぐ問題ではないのかなと思います。生活面で様々な課題というのはどういう課題なのかと本当に出てきていると思います。ここで先ほど五石さんは厳しくお話ししましたが、私は政府としてと書いて、少し政府全体で考えろよということを述べている部分は評価したいと思うのですが、一方で、かなり切迫している問題だと思いますので、奥田さんがおっしゃるようにかなり計画的に対応していくべきではないかということを書き込んでもいいのではないかなと思いました。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 様々な宿題をいただいたかと思います。先ほど林課長に6ページの今、駒村先生が御指摘された点、経済的に困窮している者が対象だと思っていませんかと林課長に申し上げた。翻って、ここにまた書いてあるという、これではなかなか御理解いただけないので、ここはやはり少し修正が必要かなと私も思いました。
 それ以外も様々な宿題をいただきましたので、それらも含めて事務局のほうで最終案のまとめに向けて引き続き作業をお願いしたいと思います。また事前に御説明なども委員の皆様にあるかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 すみません、2巡目の議論で御発言、多分おありかと思うのですが、次回、もう一度議論の場を設けるということでお許しいただきたいと存じます。
 それでは、次回の開催予定につきまして、御連絡をお願いいたします。
○河合室長 本日もありがとうございました。
 次回につきましては、12月頃に開催を予定しております。正式な開催通知につきましては別途御案内いたしますので、よろしくお願いいたします。
○菊池部会長 それでは、これにて本日の議事を終了させていただきたいと思います。
 皆様、議事進行に最後まで御協力いただきましてありがとうございました。お疲れさまでした。