第58回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 議事録|厚生労働省

健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課

日時

令和5年12月20日(水)10:00~12:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

(1)5種混合ワクチン、小児に対する肺炎球菌ワクチンについて
(2)高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて
(3)その他

議事

議事内容
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第58回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。
本日は御多忙のところ、委員の方々には御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の議事は公開・頭撮り可としております。また、前回と同様、議事の様子につきましてはユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しておりますユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
次に、本日の出席状況について御報告申し上げます。
白井先生から欠席の連絡をいただいております。
現在、委員12名のうち11名に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令の規定によりまして、本日の会議は成立したことを御報告申し上げます。
続きまして、本部会の資料でございますが、あらかじめ送付させていただいた電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。
番号01の議事次第及び委員名簿から、番号18の利益相反関係書類までを用意しております。
資料の不足等、御不明な点がございましたら事務局員までお申し出ください。
大変申し訳ありませんが、頭撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、ここからの進行につきましては、脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 皆さん、おはようございます。年末のお忙しいところお集まりいただいて、ありがとうございます。
それでは、まず、事務局から審議参加に関する遵守事項等についての報告をお願いいたします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
審議参加の取扱いについて御報告いたします。
本日御出席の委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づきまして、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受取り状況、薬事承認等の申請書類への関与について申告をいただきました。
委員からの申告内容につきましては、番号18の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取り状況から、退室に該当する委員はいらっしゃいませんでしたが、中野委員より、阪大微生物研究会から50万円を超えて500万以下の受取りについて申告をいただいております。そのため、議題(1)の5種混合ワクチンの審議の際、意見を述べることはできますが、議決に加わることはできないに該当いたします。
また、本日の議題(1)及び(2)で調査審議されるワクチンに関しまして、中野委員が5種混合ワクチンに関する申請書類作成関与者の取扱い、中野委員と宮入委員が、13価肺炎球菌ワクチンに関する申請書類作成関与者の取扱いにそれぞれ該当するため、それぞれのワクチンの審議または議決が行われている間は、退室に該当いたします。
なお、このほか退室や議決に加わることができないに該当される委員はいらっしゃいません。
また、毎回のお願いで恐縮でございますが、各委員におかれましては、講演料等の受け取りにつきまして、通帳や源泉徴収票などの書類もいただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう、重ねて事務局よりお願いを申し上げます。
事務局からは以上でございます。
○脇田部会長 御報告ありがとうございました。
ただいま、事務局から本日の審議参加についての説明がございました。
中野委員が5種混合ワクチンに関する申請資料作成関与者の取扱い、そして、中野委員と宮入委員が13価肺炎球菌ワクチンに関する申請資料作成関与者の取扱いとなります。
したがって、退室ということに該当いたしますが、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程の第5条第2項で、この部会が特に必要と認めた場合には、出席をして意見を述べることができるとなっております。
中野委員、宮入委員ともに臨床及び研究を通じて、ワクチンには非常に造詣が深い医師及び研究者でございますから、この規程に基づいて、公平な立場から出席していただき、意見を述べていただきたいと考えますが、皆様よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 特に異議がないということで御了解いただけたと考えますので、本日はそのような取扱いにさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、議題に入ってまいります。
まず、議題の1です。こちらが「5種混合ワクチン、小児に対する肺炎球菌ワクチンについて」議論を進めていきたいと思います。
まずは事務局から資料がございますので、説明をお願いいたします。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。今日もよろしくお願いいたします。
まず、事務局から御説明をさせていただきます。資料の1と書いてあるものを御覧いただければと思います。「5種混合ワクチン、小児に対する肺炎球菌ワクチンについて」とタイトルを記載してございます。
2ページ目を御覧いただきますと、これら2つのワクチンに関しまして、各論点を記載してございます。
いずれもワクチン小委のほうで、鈴木委員長のもとで御議論いただいたワクチンでございまして、こちらの定期接種化について、お諮りをできればと思ってございます。
基本的に、これらのワクチンに関しましては、既に定期の対象疾病となってございまして、4種混合であったり、Hibワクチンであったり、13価の肺炎球菌ワクチンであったりが、現在、現場で使われているところと認識しております。
これから御説明いたします事務局案は、基本的に、これらの既存の接種方法等を大きく変えないものとしてはどうかという内容でございますが、他方、薬事承認等を踏まえまして、規定の整備が必要な部分がございますので、こちらの整備に係るポイントがメインになっているところでございますので、こういった観点で御説明をさせていただければと思っております。
おめくりいただきまして、3ページ目以降で、まず、5種混合ワクチンについて御説明をいたします。
4ページ目が、薬事承認の状況でございます。
5種混合ワクチンに関しましては、KMバイオジクスと阪大微研から、それぞれ開発、承認申請されて、いずれも薬事承認がなされているところでございます。
おめくりいただきまして5ページ目が、先ほど冒頭申し上げましたように、このワクチンに含まれる対象疾病については、既に位置づけられているものということで記載をしてございます。
6ページ目でございますが、ワクチン評価小委員会のほうで御議論いただいた内容を、簡単にまとめさせていただいております。
まず、2つ目の○のところでございますけれども、薬事承認をされて、現行のワクチンと比較しまして、有効性・安全性が同等であると考えられること。そして、その2番目ですけれども、接種にかかる費用が増加しない見込みであると、事務局のほうで企業に確認をいたしまして、こういった状況であるということを踏まえまして、定期接種に用いるワクチンとする方向で検討を進めるといった形で、小委において御議論をいただいたところです。
他方で、円滑な運用も念頭にということで、その次の○でございますけれども、規定が一部ずれているところがございますので、一定程度そろえたり、あるいは疫学的な状況を踏まえまして、標準的接種期間については、適切な情報提供をすべきといった御指摘があったところでございます。
具体的なところを、この次から御説明をさせていただきます。8ページ目にお進みいただけますと幸いです。
まず「定期接種の対象者、接種方法及び用いるワクチン等について」ということでございますが、今般、薬事承認された2社の5種混合ワクチンの接種対象者及び接種方法については、薬事上、接種上の注意において少し差異があるといったところでございます。
また、5種混合ワクチンは、薬事上、筋肉内接種が可能となっているということでございます。
まず、下の表の上側が薬事の記載ぶりでございます。これまでと少し違うところや、注目すべきところに赤くしておりますけれども、申し上げたとおり、筋肉内接種が添付文書上も可能であることや、接種上の注意として接種間隔について少しずれがあるというところで、阪大微研のほうが13か月、KMバイオジクスのほうが18か月経過したものに、追加接種をするという記載がございます。
また、その下の表でありますが、予防接種法の法律の関係で規定が幾つかございますけれども、4種混合ワクチンとHibワクチンの規定につきまして、これらが合わさった製剤でありますけれども、少し規定がずれているところがございまして、予防接種法施行令上の接種対象者が、4種混合は90か月までとなっているのが、Hibワクチンは60か月までとなっていることとか、実施規則のほうで4種混合ワクチンの初回または追加接種の間隔が少しずれているところでございます。
また、定期接種実施要領のところで、具体的な接種間隔等についても情報提供しています。
そして、一番右のところ、接種方法ですけれども、こちらも実施規則上、皮下接種のみとなっているところでございます。
おめくりいただきまして、9ページ目でございますが、さらに規定の整備に関連する情報でありますけれども、先ほど申し上げた接種の対象者の終わりが少しずれているところは、この図におけるマル1のところであります。90か月と60か月のところ。
そして、Hibワクチンのほうでありますけれども、接種開始が遅れた場合に接種回数を減じる規定がございまして、マル2と書いてあるところがございます。
こちらは、小委員会のほうでも御議論をいただいて、下の赤い枠で囲った5種混合ワクチンのイメージというところでございますけれども、1つの剤で接種していくわけでありますので、接種が仮に遅れた場合どうなるかといったところについては、やはり4混ワクチンの成分の側を減らすという規定がないところから、4回接種する必要があるのではないかという御議論、そして、その際、Hibワクチンがこれまでより多く投与されることも考えられるところですが、こちらについては、明らかに有害という知見はないといったところを御議論いただいたところでございます。
また、10ページ目でございますが、5種混合ワクチンと4種混合ワクチンを切り替えて交互接種という形で打つ場合に関しても、小委員会のほうで少し御議論を頂戴いたしました。
定期接種におきましては、シリーズとして複数回接種する場合、原則としては同じワクチンを使うということになってございますが、転居等の状況によって、原則によることができない場合については、他のワクチンを用いることができるとされております。
具体的には、ロタウイルスワクチンであったり、HPVワクチンであったりは、こういった規定が存在するところでございます。
今般、5種混合ワクチンを導入する際に当たっては、4種混合プラスHibからの切替えということも念頭に置かれるところでございますので、基本的には同一のワクチン接種を行うということでございますけれども、その原則によることができない場合でも、必要な規定を設けることとしてはどうかということで、小委員会でも御指摘をいただいたところでございます。
おめくりいただいて、11ページ目であります。
こうした少し細かい規定の整備がございますので、一覧的にまとめてございます。
上のボックスでありますが、まず、1つ目の隅付き括弧は薬事の状況、2つ目は予防接種法上の規定でございます。
2つ目の隅付き括弧のポツの2個目のチェックがございますけれども、先ほど御説明したとおり、初回及び追加接種の間隔について少しずれがあること。
そして、Hibワクチンについては、回数を減じる規定があることといったことが現状でございます。
小委員会での議論では、記載にございますとおり、これまでのワクチンと同等の有効性・安全性を有すると考えられることであったりとか、周期についても記載のとおり御意見をいただいたところでございます。
また、Hibワクチンの回数を減じる規定に関連する御議論も記載のとおり頂戴したところであります。
以上を踏まえまして、小括としての事務局の方向性の案でございますけれども、こうした議論を踏まえまして、5種混合ワクチンを定期接種に位置づけてはどうかと考えています。
ただ、その際、薬事上の承認内容の遵守は前提といたしまして、施行令や実施規則等に規定する事項は、現場の運用に配慮した形としてはどうかと。
さらに、実施要領には、より効果的な接種とするため、接種時期等を適切に定めてはどうかということでございます。
具体的には、下にチェック3つで書いているとおりでございますが、終期をより遅いほうにそろえることであったりとか、実施規則上の接種間隔をより短い間隔である20日以上あるいは追加接種については6か月以上の間隔にそろえることとしてはどうかということでございます。
そして、2つ目のチェックでありますが、接種の開始時期が遅れた場合につきましては、現行の4混ワクチンの接種方法、すなわち減じない形で用いるワクチンは5混ワクチンを使うことをとしてはどうかということでございます。
そして、接種方法について薬事を踏まえて、筋肉接種を可能としてはどうかということでございます。
さらに、最後のポツでございますけれども、基本的には同等の有効性・安全性を有するということで、用いるワクチンは5種混合ワクチンを基本とすることとしてはどうか。ただし、円滑な移行を行う観点から、当面の間、4種混合ワクチンやHibワクチンも使用できることとしてはどうかと考えております。
引き続きまして、「他のワクチンとの接種間隔について」でございます。
この他のワクチンとの関係、接種間隔の関係については、定期接種実施要領において、以下のとおり記載をされてございます。
生ワクチン以外のワクチンにおいては、接種間隔の定めはなくて、同時接種は医師が特に必要と認めた場合に行うことができるとされております。
5種混合ワクチンについては、添付文書におきまして、他のワクチンと同時接種が可能であるとされておりまして、接種間隔についても特段の規定がないところでございますので、下の方向性の案でございますけれども、実施要領に他のワクチンと同様に接種間隔を示すこととしてはどうか、具体的には、他のワクチンと同様に定めを置かないという形、そして、同時接種についても必要と認めた場合に行うことができることとしてはどうかと考えております。
おめくりいただきまして、14ページ目以降でございます。
長期療養特例というものがございまして、こちらは、長期にわたって療養が必要な方、疾病のために接種対象年齢の間に定期接種が受けられなかった方について、年齢を超えて接種を受けることができるといったような特例でございまして、一部例外となっているところでございます。
具体的には、おめくりをいただきまして、15ページ目のところでございますけれども、今般、御議論いただいております5種混合ワクチンに含まれる疾病については、既に対象となっているところでございますが、年齢の上限に差異があるところでございます。
年齢上限につきましては、より高い側のワクチンにそろえてはどうかと考えております。
さらに進みまして、定期接種対象者から除かれる者等について記載をしてございます。16ページ目でございます。
この5混ワクチンの添付文書における接種不適当者という規定がございますけれども、現行の予防接種施行規則における定期接種対象者から除かれる者と一致している状況でございます。
図の上側に表がございますが、ゴービック、クイントバック、2剤とも同じ形で添付文書に記載されておりまして、いずれも施行規則における除かれる者等の範疇に入っているということでございますので、下の方向性でございますが、このワクチンの導入に際しても現行規定のとおりとしてはどうか、変える必要はないのではないかということでございます。
さらにお進みいただきまして、18ページ目以降でございます。
この定期接種化に向けたスケジュールについてということで、こちらも小委員会で御議論を少しいただいたところでございますが、来年の4月からの供給について問題がないことを企業から確認しているところでございます。
さらにおめくりいただきまして、これらの事務局の案を、おまとめしたものでございます。
20ページ目を御覧ください。
まとめといたしまして、5種混合ワクチンを定期接種に位置づけることとして、その対象者、そして実施方法等は以下のとおりとしてはどうかという形で、今、御説明申し上げた内容を記載してございます。
政令・省令の規定につきましては、先ほど小括で申し上げたところでございまして、通知事項とはなりますので、こちらは事務局のほうで適切に対応したいと考えておりますけれども、1つ追加接種の接種間隔につきましては、現行6か月から13か月と6か月から18か月となっている添付文書がございまして、短いほうで一旦規定を置くことが考えられると考えておりまして、ただ、※書きで添付文書上可能な場合は、18か月までの間隔で打つことができるという形になるのかと考えております。
また、用いるワクチン、長期療養特例等々につきましては、先ほど御説明申し上げたとおりでございます。
表の外の下の○でございますけれども、なお、ワクチン小委員会の議論を踏まえて、標準的な接種期間につきましては、感染症の疫学的な状況も考慮した、より効果的な接種をするための時期等を定めてはどうかということでございまして、具体的には、現行のHibワクチンを参照するということでございます。Hibワクチンが、より年齢が上がったタイミングで疾病負荷が大きくなるわけではないといったことを、小委員会のほうでは御指摘を頂戴しましたので、現行の規定を参照して、適切な対応を取ってはどうかということでございます。
引き続きまして、小児に対する肺炎球菌ワクチンにつきましても、一気通貫で説明をさせていただきます。
21ページ目以降でございますが、22ページ目に、これまでの経緯を記載してございます。
PCV7から始まりまして、現在、PCV15の薬事承認がなされたということでございます。
おめくりいただいて、23ページ目は、今般、薬事承認されている15価の肺炎球菌ワクチンの情報でございます。
24ページ目が、小委員会での御議論でございます。
こちらは、御指摘としましては、2つ目の○のところでございますけれども、15価が13価と比べて、カバー率を一定程度向上させるということが考えられますので、PCV15に現行のPCV13を上回る有効性が期待できると考えられるという形で、御議論をいただいてございます。
また、こちらも事務局で確認したところ、接種に係る費用が増加しないということもございましたので、このワクチンを用いるワクチンとして位置づける方向性で、本部会にお諮りをさせていただく方向性をいただいているところであります。
おめくりいただいて26ページ目は、同じように、既にこの疾病が対象となっているところを示してございます。
そして、27ページ目でございますけれども、こちらは添付文書の記載でございまして、上のリード文に書いてございますとおり、大きな違いはございませんが、表の中にありますとおり、価数が増えたのは当然でありますけれども、筋肉内接種が可能であるとか、接種上の注意の欄のところで、上限の年齢が少し現行のワクチンよりも広いことがございます。
次の28ページ目でありますが、こちらは、予防接種法上の規定を記載したものでございます。
こちらは、1つのワクチンでございますので、特段大きな変更はないものかと思っております。
おめくりいただいて29ページ目でございますが、PCV15と13、13を15に切り替えた場合の交互接種ということでございます。
基本的には、先ほど御説明差し上げたとおりでございまして、同じワクチンを用いることとしているところでありますが、このPCV15に関しましては、薬事審査の中で13から15に切り替えて接種した場合の有効性・安全性が評価されて認められているということでございます。
下の枠囲みの中に、添付文書上の記載、注意事項として情報提供されているものを書いておりますけれども、途中で本剤による接種に切り替える場合には、残りの接種回数を本剤により接種することと明記されてございます。
これらのことをまとめまして、30ページ目でございます。
上のボックスは、今、御説明したとおりでありまして、大きく規定が変更し得るところはないということでございます。
下のボックスでありますが、方向性の案でございますけれども、こちらも先ほどと同様、PCV15を定期接種に位置づけてはどうか。
そして、その際、薬事上の承認内容に合わせて規定を見直してはどうかということでございます。
具体的には、筋肉注射を可能としてはどうかということでございます。
そして、3つ目のポツですけれども、15価につきましては13価に比べまして、有効性の向上が期待でき、安全性にも差がないと考えられることから、使用するワクチンはPCV15を基本としてはどうかということでございます。
ただ、現場の運用上、速やかに移行できない場合でも、肺炎球菌ワクチン接種を確実に行う観点から、当面の間、13価のワクチンも使用できることとしてはどうかと、事務局としては方向性を考えております。
引き続きまして、31ページ目でございます。
他のワクチンとの接種間隔、先ほどの5混と同じように並べております。
こちらも既に実施ができる形になってございますので、下の方向性の案でございますが、こちらもこれまでと同様としてはどうかということでございます。
続きまして、33ページ目以降、先ほどと同じように、長期療養特例でございます。
33ページ目は再掲でございまして、34ページ目が現状であります。
肺炎球菌のワクチンも、この対象となっているところでございますので、特段の変更はなくてよろしいかと考えてございます。
おめくりいただいて、35ページ目でございます。
定期接種の対象者から除かれる者等につきまして、先ほど5混で御紹介したのと同様、上に添付文書、下に予防接種施行規則の規定を書いてございますが、差はないということでございますので、下のボックスですけれども、現行規定のとおりとしてはどうかと考えております。
さらに、開始時期について37ページ目でございます。
こちらも小委員会で企業から説明をいただいたところでありまして、赤く枠囲みしているとおり、来年4月に安定供給を行うことを目指して、準備を進めていることが、企業からのプレゼンテーションとしてございましたということでございます。
以上、まとめまして39ページ目でございますが、PCV15を定期接種に位置づけることとして、接種対象者、実施方法等については、以下のとおりとしてはどうかという形で、一覧としておまとめしてございます。
主に変更するところとしては、筋肉内に接種ができることとすること、そして、用いるワクチンに関しまして、基本はPCV15、ただ、先ほど申し上げた円滑な移行のために、13価も使用はできるということでいかがかということでございます。
そして、開始の時期は、来年の4月ということでいかがかということで、事務局案としておまとめしております。
事務局からの御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
議題の1が2つございまして、5混と、それから小児の肺炎球菌ワクチンのPCV15、それぞれ定期接種にということなのですが、まず、別のワクチンですから、最初に5種混合ワクチンについて議論をしていきたいと思います。
こちらは、資料の20ページにまとめがありますから、まずは、4混に加えてHibワクチンを混合した5種混合ワクチンが承認された。このため、5混ワクチンを定期接種に位置づけるということ。
その上で、これまで4混とHibのそれぞれの接種間隔・方法であったり、そこに挙げられているような論点、ここが異なっているので、どのように整理をするかということでまとめていただいたものと思っています。これは、ワクチン小委員会での議論を踏まえてということです。
ですので、それぞれこの論点について、今、事務局から御説明ありましたが、委員の先生方から御意見、御質問等をいただければと思っております。
坂元委員、お願いします。
〇坂元委員 川崎市の坂元でございます。どうも御説明ありがとうございました。
4混から5混への移行、特に保護者の方の負担とかが減るという観点からは、私は望ましいことだと思っております。
ただ、先ほども少し説明がありましたが、4混と5混の間の交互接種の規定、今後議論するということだとは思いますが、9ページの表を見ると分かりますように、例えば、この2月に4混で始めた方は、最大8歳の前までという形で、相当長期にわたって、もし、交互接種のところがしっかりしないと、4混のワクチンで続けていくことになると思います。つまりメーカー側の供給というのが、いわゆる8年間も、この4混の供給が持つのかどうかという点もございますので、ここに関しましては、ぜひ厚生労働省のほうから交互接種の可能性と、それから、メーカーへの継続的な供給に対して、継続的に検討していただければと思います。これは要望でございます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、伊東亜矢子委員、お願いします。
○伊東委員 ありがとうございます。
御説明いただいていた中で、資料の11ページにHibワクチンについて、回数を減じずに接種したとしても、明らかに有害という知見はないという御記載があったのですけれども、この部分について、念のため補足して、もう少し具体的に御説明いただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、伊藤澄信委員、お願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
混合ワクチンについては、予防接種に関する基本的な計画に開発優先度の高いワクチンとして記載して、実現を期待しておりましたので、研究開発生産部会としても大変歓迎いたしたいと思います。
一方で、ワクチンの間違い接種を防止するためには、混合ワクチンにすることとともに接種間隔を単純化することも大変重要だと思いますが、今回の接種の政令上の間隔と、実際の適切な接種時期が多少ずれているということも多いので、20ページにありましたけれども、感染研の予防接種スケジュールなどで適切に情報提供していただくことを希望いたします。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
次に、宮入委員、お願いします。
○宮入委員 ありがとうございます。
今回、事務局に提案いただいた5種混合ワクチンの導入ということと、接種間隔、接種時期についての規定について賛同いたします。できるだけ広く取っていただいて、接種機会を多く取っていただけるということは、非常にありがたいことであります。
その一方で、先ほどの説明にもありましたように、百日せきであるとか、Hibに関しては、発症時期が乳児になりますので、できるだけ早めの接種を心がけていただきたいというメッセージを併せて出していただきたいと思います。
もう一点、今回、筋肉内接種が可能ということになりますが、こちらについては、医学的な観点からは全く問題がないと考えておりますが、実際の接種の運用について、小児科学会のほうでは、年齢ごとの接種部位、実際に使用する針の長さといったところも周知している文書がありますので、そのようなことを現場に周知していただければと思っております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
特に接種を受ける方々にとっては、回数を減らすことができるというのは、とてもよいことなので、ぜひこの形で進めていければいいと、まずは感じました。
その中で、今回、この5種混合ワクチンについては、皮下とそれから筋注というのは両方できるようになるということで、これまでは、皮下のワクチンを使っていたというか、皆さん皮下注射をしていたわけなので、これは、今後、筋注のほうに移していくというか、筋注を主たる接種方法としていくということかどうか、その辺りについては、ある程度明確なメッセージを出したほうがよいのではないかと思います。同等で、今までどおり皮下でもよいし、筋注をしてもよいという方針でいくのか、それとも諸外国の様子なども踏まえて、我が国でも筋注を積極的に取り入れていこうとするのかというところの重みづけについて、明確にしたほうがよいかなと感じました。
もう一点は、6ページにありますけれども、小委員会における意見として、5種混合ワクチンの臨床試験において、接種後の発熱が高頻度に見られているということで、この57.9%や65.2%というのは、それぞれのワクチンの接種経験はありますが、こんなに熱が出ていたかなと感じました。
それで、同時接種に伴うものと考えられるということですが、この辺りについて、今後、情報提供していく必要があるということですけれども、今、分かっていることは、どういうところが分かっていて、これに対しては、心配はないが、そのことをしっかり事前に伝える必要があるということについて、もう少し明確なメッセージを出した上で、来年の4月から接種が開始される必要があるように感じました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、中野委員にお願いして、ここで一区切りにしたいと思います。
お願いします。
○中野委員 中野でございます。ありがとうございます。
まず1点は、一本の注射で、より多くの疾患を予防できる5種混合ワクチンが、小委員会でも有効性と安全性の点において、これまでの4種混合と1つのワクチンを別々に打つことと遜色がないというデータに基づいて、4月から定期接種化されることには賛同いたします。
それに加えて、宮入委員、釜萢委員から皮下注射と筋肉内注射のお話が出ていたと思います。
この皮下注射と筋肉内注射のお話に関しましては、接種経路が皮下と筋肉で異なるということに併せて、私たち現場では恐らく、国内では今、子供たちには上腕に接種しているケースが最も多いと思うのです。
一方、欧米諸国では、大腿、太ももに打っているケースが多いと思います。もし、筋肉内注射というのを行うのであれば、0歳児は諸外国の例を見ても上腕ではなくて大腿ということになりますので、この皮下と筋肉内と、どちらをこれからメインにしていくかということは、もちろん行政からの通知も必要だと思うのですけれども、医師会、医会、学会あるいは自治体を含めて、日本の子供たちのために最もベストの方法、有効性も安全性も高くてベストの方法というのを、やはりみんなで協力して見つけていくと、きっと4月から急にどちらかに統一するというのは、なかなか難しい点があるのではないかと考えていて、そこは少し時間をかけて議論を熟成していく必要があると思っています。
また、長期療養特例に関しましては、年齢の高いほうの4種混合に合わせていただいたことにも賛同いたします。
なぜなら、長期療養特例の対象の方々というのは、何らかの理由でワクチンを打てなかったことに加えて、やはり、病気から守ってあげたい対象ですので、そのチャンスの年齢幅を広げるということには賛成でございます。
後でまた出てくるかもしれませんが、肺炎球菌が6歳未満になっているというのは、恐らく、長期療養特例をつくったときの当時の小児の肺炎球菌の薬事承認が6歳未満だったので、今もそうなっているのだと思うのですけれども、これは、今まだ、肺炎球菌ワクチンは複数製剤ございますし、あとHibに関しても肺炎球菌に関しても、年齢幅が、薬事承認の幅が逆に上に拡大してきている最中なので、今どうということではないのですが、将来的には長期療養特例は、より幅広い年齢で使えるようにしていただけると、子供たちのためにもメリットが大きいのではないかと考えております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、ここで一区切りとしますが、4混から5混に移った場合に、ただ、4混で始めた場合に、かなり長期に4混を続けなければいけないという、Hibもですね、それで供給の問題がどうかというところであったり、それから、回数を減じるところでの副反応というか、そういうことに関しての説明をもう少ししてほしいということであったり、あとは情報提供をしっかり、感染研あるいは小児科学会も含めてということだと思いますが、これは、間違い接種を減らすために、あるいは筋肉注射のやり方についての情報提供、そのようなこととか、皮下注、筋注のどちらをメインとしていくのか、そういったことをもう少ししばらくは醸成をしていかなければいけないといった御意見もありました。
それから、発熱の頻度についての説明をもう少しお願いしたいというところ。
あと、長期療養特例のことに関して、この論点がございましたので、事務局から、もしレスポンスをいただけることがあれば、お願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
まず、冒頭いただいた4種混合、従来のワクチンの供給状況につきましては、まさに坂元先生に御指摘いただいたとおり、メーカーとどのような状況になるかというところの協議になるかと思っておりますが、やはりメーカー側も、いろいろな考えの中で供給するということがあると思いますし、その辺りにつきましては、まさに協議というか、検討をさせていただきたいところでございます。
伊東亜矢子先生から御指摘をいただきました、明らかに有害と言う知見はないというところの補足でございますけれども、こちらにつきましては、事務局のほうでも様々文献等を見たところでありますが、なかなかHibワクチンを何回打ったらどうかという細かいエビデンスまでは、正直なかったところでございまして、まさに小児の先生方の専門家にお伺いした中で、こういった御指摘をいただいたところでございました。
また、伊藤澄信先生あるいはほかの先生方からも御指摘をいただいたスケジュールの観点でございますけれども、まさに間違い接種をなくすという観点、そして、より効果的な接種とする観点、様々あると思うのですけれども、適切にスケジュールを周知するということでございまして、伊藤先生に御指摘いただいたように、感染研のほうでもスケジュールの分かりやすいものを発信いただいていると思いますし、学会あるいはその他、集団から発信されているものもございますので、可能な限りこういったところと連携をさせていただいて、情報周知をしてまいりたいところでございます。
役所の事務連絡等は、文字が中心になってしまうところでありますので、様々な方と協力をして情報を発信してまいりたいところでございます。
そして、接種部位のところでございますけれども、皮下注なのか、筋注なのかというところで、釜萢先生から御指摘をいただいたところです。
こちらにつきましては、私ども事務局としては、まさに接種をされる医師の医学的な判断でしていただくところになるかと思いますので、添付文書上、皮下ないし筋注がいずれも可能となっておりますので、どちらに重みをつけるという形は、現時点では想定しておらず、適切に現場の医師に御判断をいただければと思っているところです。
また、発熱に関しまして、小委の御意見を簡単に書いておりましたが、補足をさせていただくと、この資料1の後ろのほうに、42ページ目までお進みいただきますと、小委員会の意見を踏まえまして、事務局から企業に聞き取った情報でございますけれども、42ページ目が阪大微研、43ページ目がKMバイオジクスでございますけれども、同じ資料の仕立てとしておりまして、添付文書と臨床試験でどのように数字が算出されているかという中身を書いてございます。
釜萢先生御指摘の、かなり率が高いように感じるというところにつきましては、まず、添付文書上の算出方法が少し特殊となってございまして、42ページ目の表の中の記載のとおりでありますが、そのコホートのうち1回でも発熱を来したものを1とカウントして計算しているということでありまして、1から4回のうち、どれかでも熱が出れば1としたところを右の結果として、133分の77が発熱ということで57.9、こちらが添付文書に書かれて数字の根拠だということでございました。
他方で、臨床試験の中身を見ますと、算出方法は添付文書と異なるところでありますけれども、いわゆるPCVとの同時接種をした者、していない者ということで発熱頻度は差があるというところでございますので、こうしたものの同時接種を行った者の発熱というものも少し拾い上げた中での57.9という数字なのかと理解をしてございます。
次の43ページ目も同じデータ、同じようなつくりでデータをお示ししておりますので、こういった情報は、今回審議会資料にもお出しをいたしましたし、オープンな情報として示していくという形で情報提供をさせていただければと考えております。
また、最後に中野先生に御指摘をいただいた筋注の方法論につきまして、まさに専門家の先生方の御指導をいただきながらと思っておりますけれども、国としても何ができるかというところは考えさせていただきたいと思っております。
肺炎球菌を少し言及いただきましたが、中野先生御指摘のとおりで、今、PCV13と15で上限が少し異なることも踏まえて、今、下の側にそろえている形でございますが、今後の薬事の状況も踏まえて、この期間については、検討ができるのかなと思っているところであります。
以上、事務局からでございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
私のほうが持っていた質問を、皆さんから言っていただいて、答えていただきましたので、私から追加の意見はないのですが、皆様から、ただいまの事務局のレスポンスも含めて、さらに追加の御意見、御質問等ございますか。
そうしますと、この5混の導入というのは、もちろん接種を受ける側のメリットは非常に大きいということもありますので、ここは大きな異論はなかったと思います。
一方で、その進め方については、少し委員の皆様からも御指摘があったというところで、特にスケジュール等、分かりやすく発信をしてほしいというところであったり、あと筋注と皮下注、今後の進め方、ここについても学会であったりとか、そういうところともよく連携をして、今後、進めていくということですね。そういったところだったかと思いますので、それでは、20ページの5種混合ワクチンについてのまとめというところに、御賛同をいただいたと思いますが、御指摘の点もありますので、事務局におかれましては、この御指摘を踏まえた対応を検討していただくというところで、定期接種に向けた手続をお願いしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 ありがとうございました。
では、事務局におかれましては、そのようにお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、議題の1の次にまいります。「小児に対する沈降15価肺炎球菌結合型ワクチンについて」ということです。
こちらもまとめが、39ページを御覧いただくと、ここに事務局案のまとめがあります。
PCV15といいますけれども、こちらのワクチンをPCV13に変わって定期接種に位置づけるということで、こちらはワクチンの切り替えですので、先ほどの混合ということで、2つのワクチンで違いがあるということではないので、これまでを踏襲した進め方ということだと思いますが、そこのまとめにありますように、対象であったり、接種間隔・方法、それから、先ほどの長期療養特例であったり、それから切り替えるといっても、当面の間はPCCV13も使用できるというようなところ、それから開始の時期も令和6年の4月1日というところです。
というところで、事務局がございましたが、委員の皆様から御意見、御質問をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
13価から15価への切替え、私はカバーする血清型が広がるという意味では、いいことかと思っております。
ただ、次の資料2を見ると、今年の3月に20価が申請されているということが、次の高齢者のところの資料に出ておりまして、前の15価を見ると、大体1年以内に申請、認可されているようなので、そうすると、ひょっとすると、15価が接種開始される頃に20価が認可されるという可能性も出てくると思います。別に、それがどうこうということではないのですが、目まぐるしく変わる際に、混乱が起きないように、それから市町村が十分に接種体制の準備ができるように、今後も引き続き、速やかな情報提供をお願いしたいと、これは要望でございます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
こちらも皮下注に加えて筋注も可能とするといったところになっておりますので、ここは、先ほどと同じような論点になるのかと思います。
それから、有効性に関しては、カバーする血清型が広がるので、その分は有効性が広がるのではないかといったところが推定されるというところですね。
特にはございませんか。大丈夫でしょうかね。
それでは、今、坂元委員から御指摘のあった点については、事務局からいかがでしょうか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
御指摘のとおり、PCV-20というものが薬事申請されているところでございまして、こちらもワクチン小委のほうでは言及がございました。
こちらにつきましては、その状況を踏まえて小委員会のほうでも御議論をいただく中で、少し情報を共有させていただければと思ってございますけれども、有効性・安全性、そして費用対効果の観点で、どのような評価をするかというところを、早めに小委の先生方にお諮りをしながら議論していきたいと考えております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
さらにいかがでしょうか。
どうぞ。
○磯部委員 磯部です。
率直に質問ですが、30ページの「方向性(案)」のところで、ただし、現場の運用上、PCV15に速やかに移行できない場合でも、接種を確実に行う観点から、当面の間は13も使用できるとあるのですが、現場の運用上、速やかに移行できない場合というのは、具体的にどういうことを想定されているのか、それは何かほかの方法で補うことができないのか、その辺りを具体的に教えていただけますでしょうか。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほかの御意見は、取りあえず大丈夫ですかね。
それでは、事務局、今、磯部委員からの御指摘、レスポンスをお願いいたします。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御質問ありがとうございます。
すみません、ちょっとイメージがつかない書き方で恐縮でございましたが、私どものイメージといたしましては、津々浦々全国の現場にPCV15が4月以降すぐに供給されるかというところにつきましては、企業と最大限調整を進めていきますけれども、難しい場合も可能性としてはあり得るのかなと思っております。具体的にはロジスティクスの観点で、そういったものが難しい場合に、肺炎球菌ワクチンの接種を遅らせるということは、やはり乳児期に疾病負荷が大きいということもございますので、適時適切に接種をするという観点では望ましくないのかなと考えておりまして、これを確実に行うという観点で、既存の13価、こちらは全国にあるわけでございますので、こちらも使用できることとしてはどうかと考えた次第でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今の論点は、よろしいですかね。
そのほか、いかがでしょうか。
特に、さらに御意見はないようでしたら、こちらもまとめに入りたいと思いますが、よろしいですかね。
(異議なしの意思表示あり)
○脇田部会長 ありがとうございます。
それでは「小児に対する沈降15価肺炎球菌結合型ワクチンについて」ということで、意見をいただきました。
39ページの事務局案のとおりに、沈降15価肺炎球菌ワクチンを小児に対する定期接種に位置づけるということにしまして、この接種の対象者、実施方法等については、事務局案の方向性で大きな異議はなかったと思います。
したがいまして、事務局におかれましては、この結論を踏まえた上で、定期接種化に向けた手続をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
ありがとうございました。
それでは、議題の1が終わりまして、次に議題の2に入ってまいりたいと思います。
議題の2は「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて」でございます。
資料の2を御覧ください。事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いします。
○吉原ワクチン情報分析専門官 事務局の吉原でございます。
それでは、資料2に沿って御説明させていただきます。
まず「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて」でございます。おめくりいただきまして、4ページを御覧ください。これまでの経緯についてまとめております。
黒字で高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて記載し、また、青字は参考として小児に対する肺炎球菌ワクチンの経緯を記載しております。
23価のポリサッカライドワクチン、PPSV23は、昭和63年に薬事承認されまして、その後、平成26年から高齢者肺炎球菌感染症が定期のB類疾病となり、PPSV23が定期接種ワクチンに位置づけられております。
この際、本来の接種対象者は65歳の方等とされたところですが、65歳以上の方に接種機会を付与するために、5年間の経過措置を開始しました。
平成31年には、経過措置をさらに5年間延長しております。今年度が経過措置の最終年度となっております。
最近の動向としましては、令和5年6月に15価の結合型ワクチン、PCV15の適用が高齢者に拡大しました。
また、令和5年9月には20価の結合型ワクチン、PCV20の高齢者に対する使用について薬事申請がなされているところでございます。
今月1日の第21回ワクチン評価に関する小委員会においても、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについて議論されまして、まず、PPSVよりも優れた有効性が期待できるPCVについて、多価ワクチンの開発や薬事申請の状況等を踏まえ、ワクチン開発企業へのヒアリングやファクトシートの改訂要否に関する検討等を行うこととされました。
また、経過措置の今年度での終了については異論なく、基本方針部会に引き続き検討することとされたところです。
5ページを御覧ください。
接種対象者と接種状況について、小委員会でお示しした資料でございます。
こちらは、接種対象者についてですが、本来の接種対象者については、上段の青く囲っている部分にあるとおりですが、65歳の方と60歳以上65歳未満の方であって、ここに記載の基礎疾患のある方でございます。
一方で、緑色の部分にあるとおり、65歳以上の方に接種機会を付与するために経過措置が設けられておりまして、各年度において、ここにある65歳から100歳までの5歳刻みの年齢になる方を接種の対象者としております。今年度が最終年度となっております。
接種状況については、下の棒グラフを御覧ください。
こちらの横軸は、ワクチンが定期接種に位置づけられた平成26年度に何歳だったかの年齢を示しております。
青い棒グラフは、本来の接種年齢である65歳相当で接種した方の接種の実施率であり、おおむね40%でございます。
次に、この時点で66歳以上だった方は、これまで経過措置として接種された方でありまして、緑色の棒グラフが1回目の経過措置での実施率です。
また、黄色が2回目の経過措置の実施率でございます。現時点では、2回目の経過措置での実施率は、令和元年、2年、3年の3年間までしかデータがないために、黄色の棒グラフは、5歳刻みの中で3年分となっております。
2回の経過措置を得た年代については、1回目の緑色の実施率と2回目の黄色の実施率を粗集計として足し上げております。
結果としまして、本来の対象者を超えた年齢に対する経過措置における接種状況は、高齢の対象者ではやや低いものの、2回の経過措置を得て、65歳の方における接種率と同等程度となっております。
7ページにお進みください。
これらのデータを踏まえまして、小委員会において論点2の赤枠のとおり、2回の経過措置、10年間を通じた接種機会の提供の状況、PPSVの有効性に関する知見、その他高齢者に対する肺炎球菌ワクチンを取り巻く状況等を踏まえ、対象者に係る経過措置を予定どおり終了することとしてはどうかと、事務局案をお示ししました。
8ページが、この小委員会における議論の結論ですけれども、上の○にあるとおりですが、経過措置の終了に異論なく、基本方針部会に報告することとされました。
また、小委員会における意見としましては、下の黒太字のところでございますが、経過措置について、2巡目で受けている者が少なく、経過措置をさらに継続しても効果は限定的といった意見ですとか、また、高齢者に対するPPSV23の接種によって、15歳以上の方における侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の患者は減少していないと。また、65歳以上の高齢者における患者も同様に減少していないといった意見がございました。
これらを踏まえまして、10ページのとおり、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの経過措置に関する論点について、事務局においてまとめております。
上のまとめでございますけれども、1つ目の「高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの現状等」でございますが、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンについては、平成26年に定期接種に位置づけ、接種の対象者を65歳の高齢者等として実施しつつ、それ以上の世代についても、接種機会を提供する目的で、接種機会を設けてまいりました。
2回目の経過措置を得て、本来の接種対象年齢を超えた方における接種状況は、65歳の方における接種率と同等程度となっております。
また、2個目「侵襲性肺炎球菌感染症の疾病負荷、ワクチンに関する知見等」でございますが、15歳以上における侵襲性肺炎球菌感染症、IPDと略しますが、こちらは、全体の年間累積罹患者数は、高齢者におけるPPSV23の定期接種化後も、新型コロナの流行前までは減少していなかったという状態です。また、高齢者における患者数も同様に減少していなかったということでございました。
また、2つ目の点ですが、15歳以上におけるIPDの症例から提出された肺炎球菌の血清型において、現在利用可能なほかの肺炎球菌ワクチンと比べると、PPSV23でカバーされる割合は比較的高いということでございます。
下の「経過措置に関する小委における結論」でございますが、経過措置の終了には異論なく、基本方針部会に報告することとされました。
また、必要な周知等を進めるべきとの意見もございました。
上記をまとめまして、下の事務局案でございます。
高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの対象者に係る経過措置について、2回の経過措置を通じた接種機会の提供の状況、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンを取り巻く状況、小委における議論等を踏まえ、対象者に係る経過措置を予定どおり終了することとしてはどうか。
また、今般の経過措置の終了を含め、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの制度や対象者等について、接種を希望される方の検討に資するよう、必要な情報提供等に取り組むこととしてはどうかと考えております。
事務局からは以上です。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、ただいまの事務局からの説明を踏まえて、皆様から御意見、御質問があればお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
伊藤先生、お願いします。
○伊藤委員 2015年のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンに、入院を必要とした市中肺炎、2,320人の病原体を調べて論文が出ていて、そのうち115人、5%が肺炎球菌だったと報告されています。
細菌、ウイルスとの混合感染が14%でしたから、細菌感染の中に占める割合は肺炎球菌が多いのですけれども、肺炎の主因とは言いにくいということが示されています。
また、高齢者の誤嚥性肺炎の原因は、嫌気性菌とされていますので、肺炎球菌には肺炎とついていますが、一般の方は肺炎球菌感染を予防できれば、肺炎にならないと誤解されているのではないかと、憂慮しています。
小児のPCV13、13価ワクチンの普及によって、特に13価に相当する高齢者の肺炎球菌感染症が減少しているのは、資料2の13ページに出ていますし、12ページを見ますと、非ワクチン型が増えて全体としての定期接種化の効果というのが、はっきりしていない。
これは、参考資料1-4の7ページにあります小児と比べると、明らかに違いがあるということが分かります。
肺炎球菌は、2、3割程度は高齢者の上気道に定着をしているという調査結果もあって、肺炎球菌の排除が困難であることを併せて考えますと、接種者数の増加が見込みにくいことと併せて、今回提案された経過措置を終了することについては賛成いたします。
一方で、肺炎球菌ワクチンの限界については、一般の方の理解を深めていく活動も重要ではないかと思います。
さらに、新たに開発されている肺炎球菌ワクチンの導入に際しては、そのときそのときの時代に応じての費用対効果分析も必要なのではないかと思います。
小児については、中耳炎とか髄膜炎の予防にはとても大切なワクチンだと思いますが、高齢者との違いがあるのではないかと思っております。
意見ですが、以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
確かに、ワクチンの有効性のデータはあるのですけれども、実際にIPDが減少していない等々のデータもあるというところで、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの効果といいますか、費用対効果ということを、今、伊藤先生もおっしゃいましたけれども、それを適宜再検討していくべきではないかといった御意見だったかと思います。
いかがでしょうか。
特に、意見はございませんか。
そうしましたら、事務局のほうから、今の伊藤委員からの御指摘については、いかがでしょうか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
基本的に、伊藤先生に御指摘をいただいたところ、ファクトの現状といたしまして、まさにおっしゃるとおりだと理解しております。
少し小委での御議論も含めて補足させていただきますと、触れていただいた資料2の12ページ目のところで、少し減少しているとはなかなか言えないところでありますが、全体としての数をお示ししているところでございまして、他方で、このワクチンはB類の接種で、個人の重症化を予防するということで実施をしているところでありますので、マクロに見たインパクトというところは、見えるのか、見えないのかというところは、少し小委でも御議論をいただいたかなと思っております。
同様に、御指摘いただいたとおり、13ページ目や14ページ目を御覧いただくと、PCV13でカバーされている血清型は少し減ってきているというところもある中で、PPSV単独でカバーされているものは残っているということが、血清的にも見られているところでございますが、PSV23自体のカバー率というものは、14ページ目の表にあるとおり、広いということは現状としてあると認識しております。
その上で、15ページ目、16ページ目以降で疫学的な個別の有効性というところも、一定程度確認はされているというところを、小委員会でも御議論いただいたと思ってございます。
こちらをどのように接種をする方にお届けするかというところの周知等は、ぜひ進めていきたいと思っておりますが、こちらは小委での議論も踏まえて、ぜひ対応したいと思っているところでございます。
また、費用対効果の改めての評価というところも、様々なワクチンが出てきており、今回、御紹介を割愛させていただきましたが、7ページ目の事務局案のところの論点1のところに、現状の評価と今後の対応というところも書いてございまして、新しいワクチンが開発されつつあるというところも含めて、接種プログラムの評価を、またできるのかなとは思っているところでございます。こちらも小委員会で、まずは御議論をさせていただくのかなと思っているところであります。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほか、いかがですか。
この高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの定期接種に関して、今回の論点は、経過措置ですね、本来は65歳で接種というところですけれども、それを5歳刻みで接種を可能としているというものを、これで終わりにするというところの論点ですが、磯部委員、お願いします。
○磯部委員 ありがとうございます。
今、伊藤先生に御指摘いただいて、また、事務局からの応答があった、このやり取りは、非常に重要だと思いました。
個別には、見れば有効性がある中で、しかし、全体的から見れば、限られた医療のリソースをどう一番うまく使っていくかと、場合によっては、議論を通じてやめていくものもあってもいいというときに、率直に意見を言って、議論をとにかく始めてみるということは、とても重要だったなと思います。
それで、高齢者の方が、このワクチンを打っていると肺炎にならないのではないかという誤解を持つのではないかというのは、なるほど、そういう消極的な弊害みたいなのがあるのだとすれば、これはワクチンに関するリスクコミュニケーションがどうあるべきなのか、国民の医薬品に、ワクチンに対する認識、リテラシーといったところも問われているのかなと思いまして、少し社会科学をやっている者としても、新たな課題をいただいたという気がしたので、貴重な御示唆をありがとうございましたというコメントです。
○脇田部会長 磯部先生、ありがとうございます。
今のは御意見ということで、特に事務局のレスポンスは求めなくてもよろしいかと思いました。
そのほか、いかがでしょうか。御意見でも、今後の高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの定期接種の在り方についての御意見でも結構です
神谷委員、お願いします。
○神谷委員 ありがとうございます。感染研の神谷です。
事務局案の提案には、特に反対ではないのですけれども、2つありまして、1つはPCVを高齢者に導入するということなのですけれども、外国と比べて特に日本の場合、高齢化社会ということもあって、この1回の接種がどれぐらいの間効果があって、また追加接種等のことも必要になってくるのではないかと少し考えております。
経済のこともあるとは思うのですけれども、長期的にしっかりと、今の話ではないですけれども、マクロではなくてミクロでも、その効果をしっかり見ていただいて、追加接種等の今後の必要性についても、多分、外国のデータは、恐らくあまりないと思いますので、しっかりと見ていっていただきたいなというのが1つ。
それから、PPSVとか風疹もそうなのですけれども、ライフコース・イミュニゼーションの中で、成人の接種率というのがなかなか上がらないところがあると思うのですけれども、コンジュゲートも非常にいいワクチンだと、私は思っているのですけれども、接種率が伸びないことが、いいワクチンの効果を最大に引き出せないというところが、少し心配しております。
今はB類ということなのですけれども、コンジュゲートの接種率上げることに関して、肺炎をしっかりと予防するという意味で、類型の変更等も今後考えなくていいのかなと、少しお話を伺いながら考えていたところです。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
今回の論点には賛成なのだが、今後の進め方ですね、PCVの導入について、あるいはPPSVの接種に関しても、現在の在り方を再検討していくべきではないかといった御意見だったと思います。
事務局も、これは別に反対するものではなくて、議論をしていきましょうということですので、よろしいですかね。そういった御意見ですが。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。
PCVの高齢者に対する接種への導入に関しましては、まさに、今、議論を始めてはどうかという投げかけを小委員会のほうでもさせていただいた時点でございますので、エビデンスを見ながら御評価をいただければと思っておりますし、その際、感染研の先生方にも、そのファクトシートの検討の中で、御相談を差し上げることも多々あろうかと思いますので、まずは、こういったエビデンスに基づく検討を進めさせていただければと思っております。
追加接種に関しましても、国家プログラムに導入するに当たっては、やはり一定のエビデンスが必要なのかなとは思ってございますけれども、今後御議論をさせていただくものかと思っているところでございます。
類型に関しましては、A類とB類というものは、現在の予防接種法上で規定をされておるところでございますので、そこをどうするかというところは、もし課題としてございましたら、また御議論をさせていただくのかなと思っているところであります。
事務局からの現時点のレスポンスは、以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 脇田先生が先ほどまとめていただいたので、大丈夫だとは思うのですけれども、少し幅広くこれを見ておられる方もおられるので、もう一度確認をして、事務局にも教えていただきたいのですが、今回の議論は、65歳のときにPPSVを打つという肺炎球菌の予防は継続をするのだと。ただし、その後、最初に受けられなかったから、5歳刻みで打ってきた経過措置については、今回の2回の延長でやめるということですね。しかし、使用するワクチンはPPSVを当面は使うのだと。
それに対して、小児に使っているようなPCVを、場合によっては、65歳のときに使用することも、今後出てくるかもしれないが、それは議論をして決めていくと、それまでの間はPPSVを使うと。
そして、神谷先生が指摘されたように、先々、場合によっては、何らかの追加ワクチンというのが必要になるかもしれないが、それは今後の検討で、また、導入が必要であれば考えると、それでよろしいでしょうか、確認をさせてください。
○脇田部会長 釜萢先生、ありがとうございます。
事務局、いかがですか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。
釜萢先生御指摘のとおりでございまして、今回お諮りしたのは、いわゆる経過措置を予定どおり終了することとしてはどうかということでございまして、資料2の5ページ目にございますとおり、本来の対象者という形で書いておりますが、65歳の方と60から65歳の方で基礎疾患のある方ということは維持をするということと、その際に接種するワクチンは、現在利用可能なPSV23を用いるということで、本来の形としてはどうかということと、おっしゃったとおり、用いるワクチンは、今後、PCVというものが出てくるという情報もございますので、こちらについては議論をさせていただいて、また、その接種プログラム、追加接種をするかどうか等についても、エビデンスに基づいて御議論をさせていただくというようなステータスということで、間違いはございません。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ほかによろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、まとめさせていただきたいと思います。
大きな御異論はございませんでした。今回の経過措置に関しては、経過措置を終了するということで御異議なかったと思いますので、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの接種に係る経過措置については、予定どおり終了することとしたいということを結論とさせていただきます。
また、様々御指摘がございましたので、それは、今後の議論というところで、事務局には、引き続き対応をしていただくようにお願いしたいと思います。
それでは、次に進ませていただきます。
議題の3「日本脳炎ワクチンについて」ということで、資料3について、事務局から御説明をお願いいたします。
○和泉予防接種課課長補佐 引き続きまして、事務局でございます。
資料の3と書かれているファイルでございます。「日本脳炎ワクチンについて(報告)」と記載をしてございます。
こちらは、まず、背景からまず御説明をさせていただきます。4ページ目までお進みいただきますと幸いでございます。
こちらは、話としては令和3年度に戻るところでございますが、まず、日脳の接種の現状でございますけれども、上の点々線で囲んだ枠の中に接種プログラムを御紹介しております。
合計4回接種することになっておりまして、1期、2期、また、1期の初回追加という形で、接種は4回するということになってございまして、それぞれ対象年齢、政令で規定するものと、通知で規定している標準的な接種年齢が、こういった形になっているところでございます。
下の囲みでございますけれども「令和3年度の状況及び対応」ということで、日本脳炎ワクチンに関しましては、定期接種に用いられている2社のワクチンのうち、片方の阪大微研さんのほうのワクチンに関しまして、製造上の問題が生じたということで、令和3年度の供給量が減少、量として、おおよそ2割ぐらい減少したということでございます。
このため、当該年度における積極的勧奨の対象を、1期の初回の者と接種対象年齢の上限が近づいている者に限定する対応を講じたところでございます。
具体的には、下に書いてある図のとおりでありまして、1期初回の方には通知をするのですけれども、1期の追加と2期の方については、翌年に繰り越す形で個別通知をなしとする運用を自治体にお願いしたということでございます。
また、特例対象というものがございまして、過去に積極的勧奨の差し控えをしたときの経緯で、特例対象者となっている方について、上限が近づいている方については、令和3年度も通知をお願いしたと。その後、そのほかの方を通知するという形で運用をお願いしたところでございます。
おめくりいただいて、5ページ目でございます。
4年度の日脳ワクチンの現状と、その後の状況、医療機関の納入数と接種の実績という形で図をお示ししてございます。
日脳ワクチンの令和4年度以降の接種実績、現在、集計中または行っている最中でございますので、データとしてはございませんが、医療機関への納入実績について企業からヒアリングを行いまして、図のとおり記載をしてございます。
上側のブルーのバーは納入の量で、下が接種実績でございます。
納入実績につきましては、ヒアリングすることで実態が把握できたところであるのですが、御覧のとおり、令和3年度に関しましては、ブルーのバーが低くなっておりまして、おおよそ200万回分ぐらいは、少なめになっているということでございます。
翌年、令和4年は一定程度回復したところでありますが、そして、令和5年度の前半につきましては、今、データが出ていまして、こういった形で納入されているということでございます。
御覧いただくと、令和3年度に減った200万回分というところが、この後の年度で回復をあまりしていないということでございまして、ここの問題提起をさせていただいたということでございます。
その次ですけれども、6ページ目のところで、これに関連しまして周知を行ったところでございます。
こういったメーカーの状況を聞き取りまして、12月12日付で日本脳炎ワクチンの供給状況に加えまして、限定出荷に伴って接種をお待ちいただいた方々への接種を勧める等の対応につきまして、都道府県等宛てに情報提供及び依頼を行ったところでございます。
通知は少し小さくなっておりますけれども、参考資料のほうで少しおつけしております。
以上を踏まえまして、8ページ目でございます。
冒頭申し上げませんでしたが、このテーマは供給の関連でございまして、流通部会のほうでも伊藤部会長のもとで御議論をいただいた経緯がございますが、今般は、その経緯につきまして、改めて確認をさせていただいたところでございます。
その後の状況を確認しますと、申し上げたとおり、納入数の回復が緩慢であったということで、こうした状況踏まえまして、接種を促すことが必要であろうと、私どもとしても思いましたので、12月12日付で連絡を行ったということでございます。
以上、日本脳炎ワクチンの状況につきまして、御報告をさせていただいたところです。
よろしくお願いいたします。
○脇田部会長 御説明ありがとうございました。
供給の問題で、令和3年度ですかね、納入の実績と、それから接種実績、ほぼ200万回分が減少していると。そこが令和4年度に回復をしていないということですね。令和5年度に関しても、まだ上半期のデータになりますが、まだ、そこの回復が見えていないということですので、そこを何とか回復させる必要があるといった事務局からの御説明でありました。
それでは、皆様から御意見、御質問があればお願いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
中野委員、お願いします。
○中野委員 中野でございます。
12月12日付の通知をありがとうございます。
現場で接種をしていますと、思うことは、何かの機会に接種機会がないと、そのときなかったなと思うと、もう何年間もそのまま放置されることが多いです。今回は、供給量の問題で気づかれたということでございますけれども、何年かたってから、このワクチンは打っていなかったのだということに気づかれる方が、接種の現場では、母子手帳とかを確認していると、たくさんいらっしゃいます。
今回、令和3年度の供給量が減少したときに、積極的勧奨の通知をということで通知されたということ、延期をということを通知されたということでしたが、実際、そのときは通知が行っていても、医療機関に予約しようと思って予約したら、今はワクチンがないからといって、予約できなかったといって、そのまま放置されている方が何人かいらっしゃるのです。
ですので、今回非常にいい試みだと思いますので、今後もこういった事例を参考に、ぜひ必要なワクチンの啓発を、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでしょうか。
通知が出ているということですけれども、様々な取組が学会であったり、あるいは感染研の情報提供といったところも重要かもしれませんが、厚労省からの通知だけではなくて、様々取組を進めるということが必要だと感じますが、いかがでしょうか。
よろしいですか。今、政府のほうは、積極的にデジタルトランスフォーメーションということを進めていただいていて、今、ワクチンの供給量であったり、接種の実績という面で見ているわけですが、個別の接種記録というものがデジタル化されて、それが個人個人にしっかり分かるということが、もちろん、先ほど母子手帳を確認して、接種記録を確認することが、今、必要なわけですけれども、それがポータルサイトでちゃんと確認できて、そこは接種をされていないので、ちゃんとするべきだと、そこで推奨がされるような仕組みができれば、よりよいかもしれないとは感じるところですが、よろしいですか。
それでは、ありがとうございました。
今、中野先生からも御意見がありましたので、様々な関係者、関係部局、学会等から働きかけというものも必要と思いますので、そこについては、事務局で、また検討をしていただいて、この追加の接種を勧めるように検討していただければと思います。
それでは、特に意見がなければ、この件は、そのようにしていただければと思います。
今日の部会で予定していた議題は以上なのですが、皆様から何かございますか、今日の件を通してでも結構ですが、大丈夫ですかね。
それでは、事務局にお返ししたいと思います。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
本日も活発な御意見、御議論をいただきまして、また、種々議題につきましてお取りまとめいただきまして、ありがとうございました。次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
事務局からは以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、これで終了したいと思います。今日も本当に活発な御意見、御議論をありがとうございました。また、次回はよろしくお願いいたします。