2023年11月22日  第71回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会・第2回 社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会 小児慢性特定疾病対策委員会(合同開催) 議事録

日時

令和5年11月22日(水)10:00~12:00

場所

AP虎ノ門 C+Dルーム(11階)

議事

議事内容
○中村難病対策課長補佐 定刻となりましたので、第71回「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」と、第2回「社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会」の合同委員会を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、本日は一部の委員の方にはオンラインにて参加いただいております。
また、報道関係者及び一般の方の傍聴は行わずに、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
オンライン参加の方は、御発言される場合にマイクをオンにしていただき、まずお名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いいたします。また、御発言が終わりましたら再びミュート状態にしていただくようお願いいたします。
本日の出席状況を御報告いたします。五十嵐委員、清古委員、丸山委員、吉川委員より御欠席の御連絡をいただいております。また、滝田委員より遅れて御参加いただけるとの御連絡をいただいております。
また、本日は参考人として、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会の辻常務理事に御出席いただいております。
また、オブザーバーとして、こども家庭庁支援局障害児支援課の鈴木課長補佐、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の齋藤課長補佐、職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室の小森室長補佐が御出席しております。
また、本年7月10日の合同委員会より事務局の体制に変更がございましたので御紹介させていただきます。
難病対策課長として蓑原に替わり、山田でございます。
○山田難病対策課長 山田です。どうぞよろしくお願いいたします。
○中村難病対策課長補佐 難病対策課長補佐として森に替わり、横田でございます。
○横田難病対策課長補佐 横田です。よろしくお願いします。
○中村難病対策課長補佐 難病対策課長補佐として江崎に替わり、私、中村でございます。
以降の議事進行につきましては、花島委員長にお願いしたいと思います。
委員長、よろしくお願いいたします。
○花島委員長 おはようございます。花島でございます。
それでは、まず資料の確認をお願いしたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。
○中村難病対策課長補佐 お手元の資料を御覧ください。
配付資料として、議事次第、資料1から3、参考資料1から5、オンラインでの参加の方も含め、資料の過不足等ございましたら挙手、または御発言をいただければと思います。
○花島委員長 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
本日の1つ目の議事である難病基本法と小慢基本方針の改正案についてです。事務局より御説明をお願いします。
○横田難病対策課長補佐 事務局になります。
資料の1を開いていただければと思います。
資料1、題名が長いのですが、「「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」及び「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」の改正案について」というものでございます。
1ページ目、現場のタブレットの方は2枚目になりますけれども、そちらを開いていただければと思います。
「基本的な考え方」ということで書いておりますが、これは前回お出しした資料をリバイスしたものでございます。基本的に書いてある内容は変わりませんが、変更した点としましては上から4つ目の■のところでございまして、「平成27年の難病基本方針及び小慢基本方針の策定後」というところで、環境等の変化をポツ、ポツ、ポツと書かせていただきましたが、その後、「などの医療提供体制の構築や療養生活環境の整備に関する施策の進展、制度改正等があったことから、」の後でございます。「これらを中心に反映しつつ、医療・保健・福祉・就労」、そして教育が足りないという御指摘がございましたので「教育」を明記させていただきまして、「教育等の現場において課題となっている事項への対応等を盛り込む。」ということで、今回改定案をお示ししたいと思っているところでございます。
次のスライドでございます。こちらは改正法の概要でございまして、これは前回お出ししたものと同じなのですが、昨年成立しました法律におきまして4のところが赤字になっておりますが、「難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する適切な医療の充実及び療養生活支援の強化」という部分、または5.の赤字になっておりますが、データベースのところの規定の整備をさせていただきまして、一部については今年の10月1日、またはその残りにつきましては来年の4月から施行するということになっているところでございます。
3枚目に入っていただきまして、こちらは基本方針の改定案について、難病の方からまず御説明したいと思っております。
4ページ目に進んでいただきまして、基本的なつくりとしましては資料の左側に「改定案」、右側のところには前回お出しした資料に書いてある<改定の方向性>と、前回の合同委員会における御指摘を記載させていただいているところでございます。
まず冒頭から御説明させていただきますと、第一の医療の推進の基本的な方向の(1)のイの部分でございます。
右側、<改定の方向性>で前回お出ししたものにつきましては、「難病対策に参画する者として、「就労支援を提供する者」を追記する。」ということとさせていただきました。
その上で、前回の合同委員会におきましては、企業というものが共生社会の実現に不可欠な一員だということをもう少し明確に位置づけられないかという御指摘があったところでございます。
ですので、左側の「難病対策は」というところの下から4行目、「また」ということで、「国及び地方公共団体のほか、難病の患者、その家族、医療従事者、」ということで「事業主」、またはその「就労支援を提供する者」ということで今回明記した案を提示させていただきました。
次の第二のところでございますけれども、「(2)今後の取組の方向性について」のイの部分でございます。
右側でございますが、<改定の方向性>におきましてはデータベースの構築でありますとか、法改正において第三者提供を行っていくということが法整備されましたので、そのことを明記するということを前回お出しさせていただきました。
その上で、前回の合同委員会におきましては、データベースの運用におきまして個人情報の保護等に万全を期すということを記載してほしいという御意見がございました。
それを踏まえまして左側で、上から6行目でございます。指定難病患者データベースから抽出したデータを加工した匿名指定難病関連情報について、難病に関する調査及び研究の推進等に資するため、個人情報の保護等に万全を期することを最優先とした上で第三者提供を行う。また、都道府県等は同意指定難病関連情報を国へ提供していきます。現場におきましては医療費助成と同時に同意を取得した上で研究に活用するということで、現在におきましてもデータベースの同意を取っておりますから、その同意の情報を国へ提供するということを条文上、規定したところでございます。
次のスライドでございますが、「第三 難病の患者に対する医療を提供する体制の確保に関する事項」でございます。
こちらにつきましては<改定の方向性>、右側のところでございますが、移行期医療支援体制の構築に係るガイドでありますとか、そういったものを前回の指針をつくった後に策定しましたから、そういったことを明記するということで前回、改定の方向性を出させていただきました。
ですので、左側のオの部分は記載したものを基本的に記載したものでございますが、「国は」というところの上から3行目でございます。「必要な医療等を切れ目なく受けられるようにするため、「都道府県における小児慢性特定疾病の患者に対する移行期医療支援体制の構築に係るガイド」を周知する。」でありますとか、「都道府県は」ということで医療従事者間の連携でありますとか、そういったことに取り組むということで、右側の趣旨を左側に反映させていただきました。
その下の箱でございますカの部分でございます。右側の箱を見ていただければと思いますが、<改定の方向性>は前回お出ししましたが、「次世代シーケンサーをはじめとした新たな技術の進歩を踏まえつつ、難病についてできる限り早期に正しい診断が可能となる よう研究を推進する」ということを書かせていただきましたが、前回の合同委員会におきましては遺伝カウンセリングの重要性につきまして御意見がございました。
その意見を踏まえた上で左側でございます。「国は、新たな技術の進歩を踏まえつつ」としつつ、下から3行目のところでございます「遺伝子診断等の特殊な検査について、遺伝カウンセリングを実施すること等の倫理的な観点も踏まえつつ幅広く実施できる体制づくり」に国は努めていくといったことを記載させていただいているところでございます。
次のページにいっていただきまして、第四の「(1)基本的な考え方について」でございます。
右側、前回の<改定の方向性>としましては「関係学会と連携し、医療関係者への難病制度の周知を図る旨を追記する。」ということで出させていただきました。
前回の委員会におきましては「地域支援協議会だとか」というところがありますが、関係者の人材育成でありますとか多職種連携の育成を検討していただきたいという御意見がございました。
左側でございます。まず黒字のところでございまして、「難病はその患者数が少ないために、難病に関する知識を持った人材が乏しい」ということがございます。ですので、「正しい知識を持った人材を養成することを通じて、地域において適切な医療を提供する体制を整備」していくというところがまず現状としてもございますし、御意見を踏まえた上でそういったことを進めていきたいと思っております。
その上で、関係学会と連携した上で医療関係者等への難病対策の周知を図っていく、こういったことを明記させていただいているところでございます。
下の部分に移らせていただきます。「(2)今後の取組の方向性について」のアの部分でございます。
右側でございますが、前回の<改定の方向性>におきましては、「国及び都道府県は、指定医の質の向上を図るため、必要に応じてe-leaning教材などを活用する旨を追記する」ということを記載させていただきました。
これを踏まえまして左側の部分でございますが、「国及び都道府県等は、難病に携わる医療従事者の養成に努める。」とし、「特に」ということで「指定医の質の向上を図るため」、関係学会の協力を得た上で必要に応じてeラーニングの教材を活用していくということを明記させていただいているところでございます。
次のスライドでございます。「第五 難病に関する調査及び研究に関する事項」の部分で「(2)今後の取組の方向性について」のウの部分でございます。
まず右側のほうから御説明させていただきますと、<改定の方向性>の部分でございます。1つ目の○におきましては、「国は、難病に関する調査及び研究の推進等に資するため」ということで、データベースの情報提供を進めるということでありますとか、その下の○でございます小慢データベースや他の公的データベースと連結することを前回お出しさせていただきました。
合同委員会におきましては、先ほどの御説明と重なる部分がございますが、個人情報の保護等に万全を期すということを御意見としていただいているところでございます。
ですので、左側は先ほどの部分と重なる部分がございますが、「指定難病患者データベースから抽出したデータを加工した匿名指定難病関連情報について、難病に関する調査及び研究の推進等に資するため、個人情報の保護等に万全を期することを最優先とした上で」提供を進めていく。「また、国は」ということで、小慢データベースでありますとか、そういったところと連結する形での提供を進めていくということを明示させていただいているところでございます。
その下の第六の部分でございまして、「医薬品、医療機器及び再生医療等製品に関する研究開発の推進に関する事項」の部分でございます。
前回お出しさせていただいた<改定の方向性>におきましては、「難病は種類が多い一方で症例数が少ないという制約の中で病態解明や治療法の開発を行うという特性」があるということでありますとか、「研究開発等を、患者の協力を得ながら支援する」といったことを出させていただいているところでございます。
ですので、左側の部分でございますが、そのことを明記させていただいていて、上から4行目の部分でございますが、「特に」というところで「難病は種類が多い一方で症例数が少ないという制約の中で病態解明や治療法の開発を行うという特性を踏まえ、開発が進みにくい医薬品」等々につきまして、患者の協力を得ながら積極的に支援していくということを明記しているところでございます。
8ページ目でございます。「第七 難病の患者の療養生活の環境整備に関する事項」でございます。
こちらの(2)の部分でアのところでございますが、右側にいっていただければと思いますが、<改定の方向性>として前回「各難病相談支援センターが、福祉や雇用などの支援の案内に活用できる資料のひな形等を作成」していく。また、「センターが、福祉や雇用などの地域の様々な支援機関と連携」していく。そういったことを明記するということで前回お出しさせていただきました。
左側にそれを反映した上で、上から4行目でございますが、「特に、各難病相談支援センターが福祉や雇用などの支援の案内に活用できる資料のひな形等を作成する」、これは国がということでございます。その上で、福祉や雇用に係る支援を行う地域の関係者でありますとか、そういった支援機関と連携してやっていくんだということを明記させていただいているところでございます。
その下のウでございますけれども、前回<改定の方向性>におきましては「難病相談支援センターは、効果的な支援を行うため、福祉や雇用などの地域の様々な支援機関との連携に努める」ということを追記するとした上で、前回の合同委員会におきましては職員のスキルアップでありますとか、下の意見でございますが、ピアサポーターのところにつきましても重要性につきましては御意見をいただいたところでございます。
それを踏まえまして左側のウでございますが、「難病相談支援センターは」というところでその上から3行目のところでございます。「職員のスキルアップ及びピアサポーターの活用」に努めていく。「また、効果的な支援を行うため、福祉や雇用等に係る支援を行う地域の様々な支援機関との連携」に努めていく。そういったことを明記させていいただいているところでございます。
続きまして、次のページで冒頭のオのところでございます。
前回、右側の<改定の方向性>におきましては、協議会のところにつきまして小慢の協議会が置かれている場合には難病の協議会と相互に連携を図るということを明記するということをお出しさせていただきました。
ですので、左側の部分でオの冒頭でございます。国は難病の患者、その家族等々と実情に応じた活用方策についてそういったところで協議会の活用について検討していくとともに、都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、難病の患者への支援体制の整備を図るため、早期に協議会を設置するとともに、その区域内において小慢の協議会が設置されている場合には相互に連携を図るということを明記させていただいているところでございます。
その下の第八のところでございまして、関連施策との連携の部分でございます。
右側でございますが、「国は、病気休暇等の普及促進に努める旨を追記する。」ということでございますが、前回の御意見におきましては病気休暇について普及促進を図っていくということ、また下の○でございますが、共生社会実現のために不可欠な一員だ、企業がそういうものなのだということを明確に位置づけられないかという御意見があったところでございます。
左側の部分でございますが、「国は」というところで始まります。「難病の患者の就労に関する実態を踏まえるとともに、難病の患者が難病であることを安心して開示し、治療と就労を両立できる環境を整備する。具体的には」ということで、「事業主に対し、雇用管理に資するマニュアルである「難病のある人の雇用管理マニュアル」等を活用し」た上で、雇用管理に係るノウハウの普及でありますとか、難病であることをもって差別されない雇用機会の確保や病気休暇等の普及促進に努めていくといったことを明記したところでございます。
次の10ページ目でございます。オの右側のところでございますが、<改定の方向性>、前回お出しさせていただいたものと同じなのですが、難病の患者の安定的な就職に向けた支援でありますとか、そういったことを追記するということを提示させていただいています。
ですので、左側の部分でございますが、「国は」というところで「ハローワークに配置された難病患者就職サポーターや事業主に対する助成措置の活用」の例示の一つとして「難病相談支援センターとの連携により」ということを明記させていただいているところでございます。
その下のクの右側でございまして、登録者証というものが法律に明記されたところでございますので、そのことを左側に新たにクとして書き起こした上で記載したところでございます。
最後に、10ページの下で第九のその他のところでございます。
アの部分でございまして、右側のところでございますが、前回の<改定の方向性>におきましては「国、地方公共団体及び関係団体は、引き続き啓発活動に努める」とともに、前回の御意見におきましては「難病の日」のイベントを実施しているということがございましたから、その旨を左側に追記させていただいたところでございます。
また、一番下のウでございますが、右側のところでございます。国、地方公共団体はさらに各種手続等の簡素化を進めていくということにつきまして、前回お出しさせていただきました。
ですので、左側の下から2行目のところでございますが、各種手続及び添付書類のさらなる簡素化などについて検討を行っていくということを明記させていただいたところでございます。
続きまして、11ページで小慢の基本的な方針のところでございます。
12ページ目にいっていただきまして、第一の基本的な方向でございます。
こちらは第一の一のところでございますが、<改定の方向性>で児相設置市を追加するということで追記したところでございます。
その下の五のところでございます。こちらは難病基本方針に合わせた上で社会の状況変化等に的確に対応するために、少なくとも5年以内に再検討を加えるということを修正してはどうかということを前回お出しさせていただきました。そのことを左に追記した上で、難病と同様に小慢の基本方針につきましても5年ごとに再検討を進めた上で、例えばその進捗でありますとか、法改正等がございましたらそういったことを盛り込んでいくということを明記させていただいたところでございます。
第二の二で、右側の<改定の方向性>で、ちょっと難病のところと重なる部分はございますが、データベースを構築したというところでありますとか、第三者提供を行っていく、これは法律上明記させていただいたところでございます。
また、合同委員会におきましては、個人情報の保護等に万全を期すということも御指摘があったところでございますから、左側はちょっと難病と同じような構文でございますが、データベースの構築につきまして記載したとともに、第三者提供を進めていく。その際には、個人情報保護等に万全を期すということを最優先とした上で行っていくということを明記させていただきました。
次の13ページ目でございます。こちらにつきまして、「小児慢性特定疾病医療支援の実施に関する事項」ということで<改定の方向性>を出したものを左側にそのまま盛り込んでいるところでございますが、一の部分でございます。こちらは難病と共通する部分でございますが、eラーニング教材を活用した上で指定医の育成を図っていくということを左側の一のところに盛り込ませていただきました。
また、右側の下の五でございます。難病のところにもございましたが、国は都道府県等や医療従事者に移行期医療支援体制の構築に係るガイドを周知するでありますとか、自身の疾病等の理解を深めるでありますとか、そういった取組につきましてやっていくということを左側、難病のところと重なる部分がございますが、「国は」ということで小慢に対しても成人後も必要な医療を切れ目なく受けられるようにするためということで、ガイドの周知でありますとか、都道府県はガイドを参考にして取組を進めていくということを明記させていただいたところでございます。
14ページ目は第四の自立支援事業に関する事項ということでございまして、一の右側、<改定の方向性>のところでございます。これは、法律上、協議会が明記されましたので、その法律上の名称に変えるということを第一のところで記載しているところでございます。
二でございますが、前回<改定の方向性>のところで名称変更とともに協議会については難病の協議会が設置されている場合には相互に連携を図るということ、これは先ほどの難病のほうと同じなのですが、同じようにこちらも記載させていただいたところでございます。
15ページ目にいっていただきまして、自立支援の続きでございます。五でございますが、右側、<改定の方向性>のところで、都道府県等は地域における小慢児童の実情の把握に努めていくということを追記するということを提示させていただいたところでございますが、前回の合同委員会におきましては御指摘として、小慢の支援を受け入れていただいた疾患の方が難病に移行できないというのは課題であるので、どういったことが課題となっているのか、そういったところを実態調査から進めていただきたいという御意見がございました。
左側の部分でございます。冒頭の黒字の部分にも重なる部分がございますので御説明させていただきますが、小慢の児童と、または「その患者のニーズを踏まえ」というところが1行目にございますが、そういった支援ができるように、まず国は成人後を含む小慢の児童等の就労状況、生活の実態の把握、または療養生活、自立支援、家族支援など、そういった疾病児童の健全な育成に資する調査、研究をやっていく。これは引き続き国としてもやっていきたいというところでございます。その上で、都道府県は医療費助成でありますとか、自立支援事業の実施等を通じて地域における小慢児童等の実態把握に努めていく、こういったことを明記させていただきました。
下の第五の部分で、成人移行に関する事項でございます。前回、<改定の方向性>としましては、国は小慢であって、かつ難病の要件を満たすものについては難病に追加するとともに、新規の小慢の追加に当たっては小慢の検討委員会と難病の検討委員会がございますから、そこは緊密に連携して検討していくということを追記したいということを提案させていただきました。
その上で1つ目の合同委員会におきましての指摘でございますが、指定難病というような要件を小慢の患者が大人になったときに、そこで縛るという基本的な方針を変えることはできない。それはできないことは分かるとした上で、近い将来、そういった方向性で検討していただきたいという意見がございました。
また、ここは医療だけでないのですが、「医療だけでなく全人的に子供の成長を支えていくことを打ち出していただきたい。」というところでございます。これは、基本方針のところで第五の題名のところでございます「成人移行に関する事項」というところで今回は二のところだけしかピックアップしておりませんが、参考資料のほうに全文をつけているところでございます。そこにおきましては、成人移行については医療だけではなくて自立支援でありますとか、そういった事態把握の現状を記載しているところでございます。
第五の上の第四の五でもございましたが、例えば実態把握に努めていく。こういったところで、指針全体として記載の取組を強化していくという方向性がありますから、ここの合同委員会の御指摘のところ、一番下のところでございますが、この指針全体として支えていくということをメッセージとして記載したところでございます。
その上で、第五の二の左側の部分でございます。国は、小慢であって難病の要件を満たすものについては、切れ目ない医療費助成が受けられるように、指定難病の疾病に追加するものとし、指定難病の疾病への追加及び新規の小慢への追加に当たっては、社会保障審議会における検討委員会と厚生科学審議会における難病の検討委員会が緊密に連携しつつ検討していくということを明記させていただいたところでございます。
最後の16ページは、第六で調査研究の部分でございます。
右側の<改定の方向性>でございますが、これは難病の部分と共通するところもございますが、国のデータベースの第三者提供の話でありますとか、ほかの部分のデータベース、難病のデータベースと小慢のデータベースの連結の話でございます。
また、合同委員会における御指摘におきましても、個人情報の保護に万全を期すというところでございます。
左側でございますが、難病と同じように第三者提供を進めていく際には当然個人情報の保護等に万全を期すということを明記した上でやっていくということを明記させていただきました。
下半分の第七のところで一でございます。ここは先ほどと同じなのですが、名称が変更になったということで修正したところでございます。
その下の六でございます。右側の部分、前日の合同委員会におきましては教育についての記載が薄いという御指摘がございました。特に小児については生活の大部分が学校教育というところを通じて、社会性であるとか人格形成をしていくといったところでありますから、そういったところもこの指針においてしっかり視点を盛り込んでほしいという御意見がございました。
左側の部分でございます。ここは文部科学省さんと調整いたしまして、「国は、疾病児童等を含めた病弱・身体虚弱の子供」、身体虚弱も含めますからちょっと疾病児童より広い概念でございますが、そこの教育の機会を確保していく。適切な指導や必要な支援を行うために、疾病児童等に対する学習支援や疾病の自己管理の方法の習得、そういったことを進めて特別支援教育を引き続き推進していくということで明記させていただきました。
16ページの一番下のところで右側でございますが、こちらも難病と同様に登録者証のところが法律上、明記されましたので、そのことを左側に追記させていただきました。
駆け足になりましたが、資料1の御説明は以上となります。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、資料1について御議論いただきたいと思います。御意見などがございましたらお願いいたします。
どうぞ。
○福島委員 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。御説明ありがとうございました。
小慢の部分からということでお話をさせていただきたいのですが、12ページの第一というところに「必要な医療や支援等を確実に、かつ、切れ目なく受けられるようにする」ということが書かれていますけれども、これは本当にとても大事な部分で、この理念がこの基本方針全体に首尾一貫して行き渡るような形にぜひしていただきたいと思います。
切れ目のないということですから、トランジションの問題が出てくるわけでありますけれども、いつも申し上げている小慢の20歳以降のトランジションの問題もありますし、小児科から成人診療科へのトランジションというものもあると思いますし、それから学校教育が終わった後の文科省から厚労省へのトランジションと言っていいのでしょうか、行政の縦割りを超える、あるいは医療、教育、福祉という専門職の枠組みを超えて、なるべく谷間をつくらないような形が徹底できるように、ぜひこの文言を大切に全体の方針に散りばめていただきたいと思っております。
そういった意味では、この第三の五のところに移行期医療支援について書かれておりますけれども、これを明確に位置づけていただけるということはとても大事なことだと思います。
それから第四の部分、14ページですけれども、自立支援事業について、これもなかなか取組が進まないということでいろいろな新しい仕組みを今回導入いただいたわけですが、例えば「相談支援に加えて」という文言が書かれているその後にピアサポートという文言を入れていただくとか、それから学習障害等というところにプラスしてきょうだい支援など、いろいろな調査によってニーズの高さが明らかになっているものをぜひ明確化できるような形で散りばめていただけると大変ありがたいと思います。
取りあえず以上でございます。
○花島委員長 ありがとうございます。
ほかに御意見のある方はいらっしゃいませんでしょうか。
では、黒瀨委員どうぞ。
○黒瀨委員 ありがとうございます。日本医師会の黒瀨でございます。
御丁寧な御説明ありがとうございました。全体を通して特に異論はございませんが、1点だけ教えていただきたいのですけれども、7ページ目の第六の項目でございます。難病の病態解明、あるいは治療法の開発、非常に大切な部分だと思うのですけれども、その中で患者さんの協力を得ながら積極的に支援するというふうに書いてありますが、これは具体的にどういった支援、あるいはどういった協力を想定されているのか、ないしはそこはまだ今後の検討というふうに考えていらっしゃるのか、その点だけ教えていただけますでしょうか。
○花島委員長 事務局、いかがでしょうか。
○横田難病対策課長補佐 御質問ありがとうございます。
該当は7ページの第六の(1)のところでございまして、医薬品でありますとか創薬のところにつきましてはやはり患者の協力が必要だというところ、また一般的に治験を募集と言っても難病というのは種類が多くということが書いてありますが、母数が集まらないと医薬品の開発等が進まない。そこは当然、医療機関の御協力もありますが、それとともに患者の協力を得るということを書いたというのは、今回のデータベースにつきましてもそうですが、まず同意を取っていく、患者の理解が必要だというところがございます。
治験に参画する際等にはやはり患者に丁寧な御説明が必要だということもございますから、今回明記させていただきました。そのデータベースもあり、今後の医薬品、創薬に、私どもも使わせていただきたいと思っておりますが、医療機関の御協力、そして患者の御協力というのを今回明記させていただいたことで、新たに何か新しく始めるというよりは、日々、今、行っていることをさらに進めていくということで追記したところでございます。
○黒瀨委員 ありがとうございます。
○花島委員長 では、辻委員どうぞ。
○辻参考人 ありがとうございます。吉川の代理で参考人の辻でございます。よろしくお願いいたします。
4点ほどございます。ちょっと多いのですけれども、お願いできればと思っております。
まず1点目なのですけれども、これは文言はこのままで結構なのですが、4ページ目の一の(1)の赤字のところ、「事業主」というものを新しく入れていただいたということで大変ありがとうございます。実は、その前にございます国及び地方公共団体であれば地域協議会でありますとか、就労支援でありましたら難病患者就職サポーターでありますとか、いろいろ形や仕組みが整えられているかと思うのですけれども、事業主さんにつきましてはどのような形になるか、これがまだ決まっていない部分が多いかと思います。ぜひ形や仕組み、あるいは動き方につなげて決めていただいて、今そういう場が少ないと思いますので機会を設けていただければと思っております。
続いて2点目なのですけれども、7ページ目の第六の(1)の「基本的な考え方について」で、赤字のところで「難病は種類が多い」という表現があると思うのですが、私どもにとりましては一般の立場ですので非常に種類が多いというのは分かりやすいのですけれども、例えばがんも種類が多いと思いますし、医療関係の方にお任せしたいと思いますが、表現として例えば、多様性に富み、とか、あるいは、疾患群が複数にまたがり、とか、そのような形で他の病気とはまた種類の多さが異なるんだというような表現の仕方もよろしいのではないかと思いますので、御検討いただければと思っております。
3番目でございますが、その次の8ページの第七の(2)になりますが、難病相談支援センター、今回難病法の改正にもその役割が非常に大きいものになった。さらに大きいものになったと思っておりますけれども、ひな形は大変期待しております。それで、地域差があるのも実情でございますが、ここは相談支援センターがイニシアチブを取るくらいの働きを期待したいと思っておりますので、ぜひそのひな形や地域差の解消について進めていただければと思っております。
最後でございますが、実は前回の検討までに入っていなかったことなので、ぜひ皆様も御検討に加えていただければ幸いなのですが、9ページ目の第七の「今後の取組の方向性について」でございます。この中で、実際には10個くらい並んでいるかと思うのですけれども、災害時における難病患者、あるいは小慢の取扱いを加えていただけないかと思っております。災害時におきましては患者の不安は大変大きなものがありますし、今回直近もいろいろな争乱の中で医療機関が非常に困難な状況に置かれているというところが報道されております。
災害時において名簿の共有ですが、県と市で共有されていないという事象が指定難病ではたしか60%以上、小慢では8割くらいの市町村で県との共有ができていないというようなことが当方の調査で分かっております。ですので、できましたら災害時において避難、または医療提供において適切な環境が提供されるように努める等の表現を入れていただければ幸いなのですが、ぜひ皆さんの御意見もいただければと思っております。
以上、4点でございます。
○花島委員長 ありがとうございます。
事務局から少し補足はありますか。
○山田難病対策課長 ありがとうございます。
辻委員から何点か御意見をいただきました。
まず7ページの「難病は種類が多い」という言い方が少し簡素過ぎて分かりづらいという御指摘だと思います。ほかの疾患とは違う多様なものだとか、どういう疾患群の話ですとか、少し書きぶりを工夫してみたいと思います。
○辻参考人 ありがとうございます。
○山田難病対策課長 また、災害時における難病、小慢の方々というのもやはり大きな課題の一つだと認識しておりますので、このガイドラインのほうに、基本方針のほうにも書き込んでいく方向で検討させていただきたいと思います。
その前に、福島委員からのお話もありましたピアサポートですとかきょうだい支援、これもどのように書けるか、検討させていただきます。
以上でございます。
○辻参考人 ありがとうございます。
○花島委員長 それでは、オンラインのほうから御質問が挙がっていますので、小国委員長お願いいたします。
○小国委員長 鎌倉女子大学の小国と申します。
小慢の自立支援のことについてなのですけれども、15ページに「地域における小児慢性特定疾病児童等の実情の把握に努める。」とあるのですが、以前、努力義務に昇格したと思いますので、この「努める」という言い方をもう少し縛りのある、やらなければならないと意識できる言い方で書いていただきたいと思います。
それによって今、辻委員がおっしゃってくださいました、災害時における名簿の作成にもつながることになりますので、ぜひ御検討をお願いします。
また、16ページの七番の学習支援に関することなのですけれども、インパクトが弱い言い方になっておりますが、非常に必要なものですので、文科省、厚労省、こども家庭庁などの国としての連携が不可欠となってきております。国の主導の下で推進していただかないと進まないという現状ですので、ぜひお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○花島委員長 ありがとうございます。
事務局からございますか。どうぞ。
○横田難病対策課長補佐 先ほどの15ページの部分、ありがとうございました。努力義務になったということで、今回法改正においてそういったことになりましたので、どういった記載ができるか、当然普通の推進というよりはむしろ法律上の努力義務になったんだからという御意見だと思っておりますので、法律にのっとってどういう書きぶりができるのかは調整したいと思っております。よろしくお願いします。
○小国委員長 ありがとうございます。
○花島委員長 ありがとうございます。
では、渡辺さんが手を挙げていらっしゃいますので、オンラインのほうから渡辺委員、よろしくお願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺でございます。
16ページのデータベースの個人情報のことに関してお願いがございます。
事務局のほうも、もう既に問題意識を持っておられるようでございますけれども、小児慢性特定疾患の場合は難病と違って同意を得るのは本人ではなくて保護者が同意を出すことがほとんどだと思うんです。それで、その場合にデータの同意というのはいつまで有効であって、本人が何歳のときに本人の同意を得るのか、それともそのままにするのかというところの年齢のことと、データの所有、もしくは管理をするのは誰の責任になるかというところで、厚労省の中で例えばよく似ている問題に母子保健健康手帳というものがあります。あれは母親が持っているのですけれども、PHRの概念からすると、本人のデータを母親がいつまで持って、いつから本人のPHRのデータとして扱うかという議論がまだなされているところまでいっていないくらいのところです。
できれば臓器移植の同意年齢なども含めて、省庁の中で例えば小慢の同意は何歳までで、これは難病になったところでない場合はデータを破棄するのかどうするかというようなことを含めて、同意年齢の在り方をできればまとめていただきたいと思うんです。小慢はいつまでが保護者のデータで、何歳で切れて、母子手帳のほうは何歳から子供のほうにデータの所有権が移ってとか、そういうようなことがばらばらにならないように、できれば統一した見解をまとめていただきたいと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○花島委員長 ありがとうございます。重要な御指摘です。
これは特に検討させていただければよろしいですか。
○横田難病対策課長補佐 はい。御指摘ありがとうございます。
そういった課題があるということを先生からいただきましたので、どういった整理になっているのか、または今、母子保健のほうでもいろいろあるという御指摘がありましたから、そういうところをまず調べさせていただきまして、どういったことができるのか、事務局として整理したいと思っております。よろしくお願いします。
○花島委員長 それでは、オンラインで手が挙がっています北山委員、お願いいたします。
○北山委員 全国児童発達支援協議会の北山でございます。
内容というよりも文言なのですけれども、16ページ目の第七の六のところです。「身体虚弱の子供」と出てくるのですけれども、ほかの条項を見ても「子供」という言葉は一回も出てこないんです。ここで初めて「子供」が出てくるのですけれども、これは文部科学省と調整されたというお話は先ほどお聞きしたのですが、ほかの用語に合わせると多分、小児にするほうが適当なのか、あるいは「子供」とする場合も今、福祉業界で「子供」と漢字にすることは基本的にはしないですし、こども家庭庁ができたように平仮名で「こども」と書くのが今後行政の中でも一般的になるのかなと思うので、あえて漢字の「子供」をここに入れるのはどうかなという気がして、本当に文言だけのことで恐縮ですけれども、意見でございます。
○花島委員長 文科省の方からコメントいただけますか。オンラインで入っていらっしゃらないですか。
○齋藤文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長補佐 ここは厚労省で整理していただいた案なので、厚労省のほうから御説明をまずお願いできればと思います。
○横田難病対策課長補佐 厚労省でございます。
今、御指摘があった子供の部分でございますが、こちらにつきましては前回の合同委員会における御指摘を踏まえまして、どういった記載ができるのかというのは文部科学省さんと調整させていただきました。
その上で、「子供」でありますとか、漢字、平仮名もございますし、児童でありますとか、いろいろな使い方があるということは私どもも承知しています。それで、今回は児童福祉法に基づく指針でございますが、特別支援教育でありますとか、そういった教育の文脈におきまして、この委員会にも教育の関係の方はいらっしゃいますが、「子供」と漢字で用いるというのが文部科学省さんのホームページでありますとか、特に病弱・虚弱の子供ということでいろいろな通知等々が出ているところでございます。
その中で、児童に替えるというのも一つあるのですが、文言が替わることによってその中身の範囲でありますとか取組が変わってくるという誤解が教育現場の方に起きる可能性もございますから、そういったことも考慮した上で文部科学省のほうで使われている「子供」ということを用いることによって一意的なものとして記載させていただいたというところでございます。
○花島委員長 ありがとうございます。では、また相談して平仮名にするかなど、検討されるということですね。よろしいでしょうか。
それでは、オンラインの方を先にということで磯部委員お願いいたします。
○磯部委員 ありがとうございます。
先ほどの渡辺先生の御指摘は重要で、ぜひ御検討いただきたいと思いました。小児について大きく成長したときの本人同意を改めてどうするのかというのは重要な問題だと思いました。
そもそもデータベースで情報を登録する際の説明と同意がどのレベルか、その後の研究などへの利活用に際してどんな研究にどういう情報を用いているかが事後的にどの程度説明されているかといったことのレベルも問われているのだろうと思いますけれども、全体的に、当事者が何か難病にかかったばかりに、助成を受けるのと引換えに、様々にいろいろ搾取されるような印象を決して持たれないような対応が必要だということだと思うのです。
そのためには基本方針は大事で、どういうふうなポリシーを示すのか、やはり言葉にこだわりたくなるのですけれども、基本方針というのはそういうものかもしれませんが、全体として言葉が躍っているだけのようなところもある気がしまして、例えば、先ほどの7ページでしたか、2番目に御指摘があった点で、患者の協力を得ながらというのは具体的に何だろうと私も思ったのですが、理解していただく、同意を取っていく丁寧な説明ということで、新たな何かではないというふうにおっしゃいました。
でも、むしろ結果的に新たに患者が協力しなければならないというふうに窮屈に思われないかということをちょっと心配したんです。別に難病になられた方は普通の患者さんと同じように自らの診療情報を役立ててほしいと自由に任意に考えてそうすればいいだけのことで、殊さらに協力しないといけないわけではない。積極的に協力したいという方が結果的に多ければそれはそれでいいんですけれども、その辺りの基本的なことは改めて確認しておくほうがいいんじゃないかというコメントを1つしたいと思いました。
それで、1つ質問なのですけれども、基本方針の中で「個人情報保護に万全を期することを最優先」にという言葉を赤字で4か所入れようとされているんです。これは具体的に何を意味しているのでしょうということがよく分からないのです。そもそも匿名加工した情報というのは普通、特定個人を識別できないように個人情報を加工して得られる個人に関する情報で、加工後は個人情報ではなくなっているわけですね。個人情報の保護というのは具体的に何をイメージされているのか。最優先にするということで何が変わるのか。「保護等」の「等」は何を指しているのかということを御説明いただけるでしょうか。
○花島委員長 では、よろしくお願いします。
○横田難病対策課長補佐 ありがとうございます。
御指摘いただきました最後のところですが、言葉が踊っているということですが、こういったことで出させていただきましたが、例えば最後のデータベースのところでございます。個人情報保護で匿名加工をしていくということでございますが、万全を期すということを記載したのは、今までもデータベースをつくっておりまして第三者提供というのをやっておりました。その際には匿名化をした上で提供しています。患者個人でありますとか、その情報は消していますが、匿名加工というレベルではなく提供していたというところがございます。
それで、今回法改正におきまして匿名加工をしていくということを改めてといいますか、法律上明記しましたから、そのことを意味して個人情報の保護等に万全を期すとしたところでございまして、匿名加工もございますし、その上で審査委員会を今回立ち上げたいと思っております。審査委員会は今もありますが、厚生科学審議会、社会保障審議会において審査会を設けさせていただきます。その中で、個人情報の保護でありますとか、安全管理でありますとか、そういったところにつきまして審査をして提供していくという審査体をつくりますから、そういったことを念頭に置きながら記載したところでございます。
○花島委員長 よろしいでしょうか。
○磯部委員 御説明ありがとうございます。
たしか昨年12月に、指定難病データの流出事案で厚生労働省が個情委から個情法に基づく指導を受けた事案があったと思いますけれども、どうもそこでも例えば委託先を定期的に監督するとか、教育研修を実施するとか、通り一遍のことしか書いていないという気がしておりますので、ぜひ実効的な具体的な取組ということで、こういうことをやっているから個人情報が最優先で保護されているんだなと安心できるような、目に見える形で進めていただきたいという願望を持っております。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、柏木委員どうぞ。
○柏木委員 ありがとうございます。有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者会の柏木と申します。
難病の基本方針の冒頭にも出てくる言葉の定義についてなのですけれども、療養という言葉ですが、こちらは難病について議論されるときにあらゆるところで出てくる言葉だと思います。
ただ、療養という言葉をどう捉えるかというのは個々に考え方の幅があるように思っています。難病法においては療養の定義が、何らか症状があって活動の制限が必要な場合を指している印象を受けるのですけれども、しかし、症状はいつも出るわけではなくて、あるいはまだ起こしたこともない。けれども、その症状の発現を予防するために社会生活活動を制限している方もあります。
そうした方の中には、長期の療養を要するという要件を満たさないという理由で指定難病に認定されていない。ゆえに、就労支援も受けられないといったケースがあるように見受けられます。
それで、思うんですけれども、現行の療養という定義が難病の理解を進める上での障壁になっている可能性があるようにも思います。より広い範囲の状況にある方々を療養下にあるというふうにみなしていただけるように今後検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○花島委員長 特にコメントはないですか。承ってまた検討させていただくということですね。
それでは、オンラインのほうで竹内委員、お願いいたします。
○竹内委員 ありがとうございます。
私も言葉の定義についてちょっと感じたところがございます。例えば、基本方針の第一のところは対象が国、地方公共団体のほか、患者、その家族、次に医療従事者というのが出てまいります。事業主とか、そのほか様々なサービスを提供する者というのはいいのですが、ここは医療従事者という言葉しか出てこなくて、その後の第三とか第四には関連学会というものが出てきます。ここのところは医療従事者、その後で指定医というのも出てきます。学会というのも出てきて、この辺りの言葉がまず明確でないなというふうに感じました。
特に、第一の「広く国民が参画し実施されることが適当である。」という中に、やはりアカデミアについてもきちんと書いておかないと、その後の第三、第四に書かれていることとそごが生じるのかなと思いました。ここは少し言葉の定義を検討していただきたいと思います。
それで、その関連学会というところと、それから第五のところに先ほど研究開発と民間事業者ということが書いてありますが、当然医療者、学会、あるいは大学、学術機関というのもここでは主要なプレーヤーだと思いますので、全体の文言の中の書きぶりを、対象をしっかり分かりやすく言葉を書き込んでいただきたいと思います。
そうでないと対象が外れてしまいますので、特に第五のところは大学というのはここに書いていただいていますが、逆に医療機関というのは書いていないというような様々なそごがおのおのの言葉の中に入ってまいりますので、検討をよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○花島委員長 大事な御指摘ありがとうございます。また検討させていただくということでよろしいでしょうか。
それでは、オンラインで手が挙がっている成田委員、お願いいたします。
○成田委員 東京都保健医療局の成田でございます。
今、竹内委員や渡辺委員からお話がございました言葉の定義や本人同意に関して少しお話をさせていただきたいと思います。
資料ですと4ページ、もしくは12ページのところです。今回、第三者提供が法制化されたことを受け、そのことをしっかりと患者さんたちにお伝えすることが大切だと思います。その上で同意をいただいて、こうしたデータが提供されるものと思われます。そのことに関して、「都道府県等は、同意指定難病関連情報を国へ提供する。」と、この部分が該当すると思うのですけれども、この同意指定難病関連情報というのが少し分かりづらいように感じますので、しっかりと同意を取った上で国が提供するというようなことが分かる文章にしていただくこと、または同意について詳しく記載いただけますと大変ありがたく存じます。
以上となります。
○花島委員長 ありがとうございます。
これもまた検討させていただくということでよろしいですね。
どうぞ、坂上委員。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。
文言の修正などということではないのですが、基本方針を決めるという大きな節目の会合時期なので意見を述べさせていただきます。移行期支援の問題なのですが、先天性の病気について成人診療科のほうの関心が薄かったり、小児診療科と成人診療科の連携があまりうまくいっていなかったりという課題があるようです。、ぜひとも、国や自治体は、小児診療科と成人診療科の連携を進ませるように環境を整備していただきたいです。また、成人診療科の医師たちが、先天性の病気に関心を持ち、小児から大人への移行がうまくいくような仕組みを考えていただきたいと思います。
それから、従来から言われていることですが、小慢の対象であるが、指定難病ではない小児がんの問題です。がんは、がん対策基本法という別の法律で対応しているので、指定難病の対象になっていません。がんは別だよと言っても、小児がんの患者さんは成人になると、がんが自然と完治する訳ではなく、また、成人になってから不具合が出ることもあります。小児がん経験者も、難病患者さんと同じように御苦労されています。小児がんの患者さんは、指定難病に指定されておらず、疎外感を感じている方もいらっしゃると聞きました。小児がんについて、指定難病か、または、それに準ずるような対策を講じてほしいと、ずっと感じているところです。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。また検討させていただくと思います。
それでは、春名委員どうぞ。
○春名委員 9ページの第八の「就労支援」に関する「今後の取組の方向性」のエについて、このような取組には様々な関係機関が共通認識を持って取り組んでいく必要があるという観点から記述内容に意見を述べます。就労支援に関して、「患者が安心して病気も乖離して治療と就労を両立できる環境を整備する」というのは現行の基本方針に書いてあることで、この76年前の方針を踏まえて雇用管理マニュアルなどの整備ができたわけですが、それ以外にもその後には、障害者手帳の有無にかかわらず障害者差別禁止や合理的配慮提供の義務の対象になったとか、障害者就労支援の対象になっているとか、あるいは労働安全衛生分野などでの治療と仕事の両立支援ガイドラインや医療機関と企業の連携のマニュアルが整備されているだとか、非常に重要な変化があります。改定案では雇用管理マニュアルという事業主の取組だけが強調されていますが、この67年間の変化を踏まえると、上述の様々な支援機関の専門的な取組なども含めて連携して実施することが今後の課題となりますが、そのことが明確に記述されていません。例えば雇用管理ノウハウを普及することとともに、障害者手帳の有無にかかわらない障害者就労支援の合理的配慮提供義務や差別禁止の徹底は重要ですし、産業衛生分野の治療と仕事の両立支援の活用も重要です。改正案では「病気休暇等の普及促進に努める。」とありこれは重要と思いますが、ここの前か後かに、「医療機関や産業保健スタッフなどが関わる治療と仕事の両立支援」を位置づけることで、どういう関係者がどういう具体的な取組をするのかということがより明確になるように思います。
次の10ページのオの項目についても同様の趣旨での意見です。オの項目は主にハローワークを中心にした障害者雇用支援などが課題になっていますが、難病患者さんの特に職場定着支援という面では、職場の中で産業保健スタッフだとか、主治医と連携するだとか、そういった治療と仕事の両立支援における医療機関や産業保健の取組が重要です。治療と仕事の両立支援における医療機関や産業保健の取組との連携についての記述がオになるのか、その次の別の項目を立てた方がよいかはお任せしますが、その内容が明記されることは重要と思います。
○花島委員長 ありがとうございます。
○山田難病対策課長 ありがとうございます。
難病の方の就労というのは非常に重要なテーマでありまして、その就労分野からの進捗も春名委員がおっしゃるとおりかなり進んできていると思いますので、ここにもう少し具体的に書かせていただいて、難病サイドの関係者もしっかりと認識できるようにしたいと思います。
○春名委員 ありがとうございます。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで手が挙がっています滝田委員お願いいたします。
○滝田委員 ありがとうございます。
私も先ほどの御発言、先天性の心疾患、あるいは小児がんに対する切れ目のない支援をしていく何か枠組みを検討するという御意見に全面的に賛同いたします。
それに関してなのですけれども、15ページの第五、「小児慢性特定疾病児童等の成人移行に関する事柄」のところを拝見しますと、小児慢性特定疾病の中で特に指定難病の要件を満たす者しか成人期の移行で支援しませんよというようなことがここに明確に記載されてございますので、ここに小慢の疾患で必要なものは検討、成人移行に関して継続支援の検討を行うとか、何かそういう文言を追加していただくとありがたいかなと思いました。
以上です。
○花島委員長 重要な御指摘、ありがとうございます。では、これは検討させていただくということでよろしいでしょうか。
それでは、オンラインで手が挙がっています野間口委員、よろしくお願いいたします。
○野間口委員 宮崎大学の野間口です。小慢の委員をさせていただいています。
今、様々な委員から、切れ目なく支援が受けられるようにということで、とても大切なことだと私も思っています。それで、今回の基本方針の中に都道府県の義務であるとか、文科省との連携とかということで入れていただいたことはとても大切なことだと思っているのですけれども、1つ、小慢のほうではこの支援する人材の育成というところでは指定医の育成のことには触れられていまして、これはとても大事なことだとは思うのですが、特に子供の発達であるとか、自立に向けた支援であるとかということを考えたときに、そういうスキルを持っている人であるとか、支援者の中でそれを理解するであるとか、人材の育成というところも必要なのかなと思いました。
それで、難病のほうでは難病のセンターのことがありますので、それに対して職員のスキルアップ等が述べられているのですけれども、小慢の自立支援事業に関わる人の人材育成という視点も必要なのかなということを思いましたので、コメントさせていただきました。
○花島委員長 ありがとうございます。補足はよろしいでしょうか。
○神田難病対策課長補佐 難病対策課の神田と申します。
おっしゃるとおり、自立支援員に関する人材育成みたいなものは、研修等は実際に今、成育医療センターさんの御協力を得ながら開催させていただいておりまして、制度の基本的なところであるとか、事例の共有などをさせていただいておりますので、そういった点は御意見を踏まえてまた検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
○野間口委員 ありがとうございます。
○花島委員長 よろしいでしょうか。
福島委員、どうぞ。
○福島委員 ありがとうございます。
15ページの小慢の第五の二の部分です。指定難病の要件を満たすものについては指定難病の対象疾病に追加することは56から300の半ばまで増えてきておりますし、着実に進めていただきたいわけですけれども、一方、両者の要件は異なっていますので、この指定難病の要件を満たさない20歳以降の小慢をどうするのかは依然として残されていて、今のスキームでは解決することはできないということです。前回五十嵐先生からも御指摘をいただきましたけれども、すぐにというのは難しいということは重々分かった上での発言なのですが、ぜひ解決に向けた心意気を示していただきたいと思います。
それから、第七の学校教育との連携の部分ですけれども、今の書きぶりはちょっと意気込みが伝わらないというか、そういう感じを受けます。もうちょっと具体的に、例えば本人、保護者に十分な情報を提供するであるとか、本人、保護者の意向、意見を尊重して総合的な視点から就学先を決定するであるとか、合理的な配慮の提供などの必要な支援についても合意形成を行うことを原則とするとか、これらは文科省の通知等に書いてある文言ですので、ぜひこういった生きた言葉というのでしょうか、そういったものを盛り込んでいただきたいと思います。
それから3点目、小慢についての登録証の発行事業ですが、今回は指定難病と異なって医療費の助成を受けている方のみに限られるということですので、軽症の方であるとか、ほかの公費負担医療を使っていらっしゃる方はこの登録者証を使うことはできないという問題は残されているわけで、これをどうするのかという部分もぜひ盛り込んでいただけるといいと思っています。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
何か補足が事務局からありますか。
○山田難病対策課長 補足というよりも、御指摘についてのコメントでございますけれども、移行期の指定難病に該当する小慢を指定難病に指定するということのさらに先の話について意気込み示して欲しいというお話でありました。法律上の要件が違いますので、すぐに解決できるものではありませんけれども、皆様の御意見も踏まえ、御一緒に考えていきたいと思います。
それで、少し今回工夫させていただいたことを御紹介させていただきたいと思いますが、追加の疾病を希望される場合に、例えば小児慢性特定疾患の新規疾病の追加希望の調査票といったところに、「今回指定難病としても追加を要望していますか」というような欄を初めて設けさせていただきました。
ですので、こういった追加指定の調査で小慢だけで出てきているときに、ちゃんと難病も出てきているのですかとか、そういったものを事務局のほうで把握させていただいて、両方指定できるのであればできるような橋渡しみたいなこともしたいと思いますし、そういった情報でそごがないようにしていきたいと思っております。
これは新規の指定のところの工夫ということでありますので、委員の先生がおっしゃった全体の完全な一致ではありませんけれども、そういったことを一歩ずつ進めていきたいと思っております。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、岡副委員長お願いします。
○岡副委員長 ありがとうございます。
まず、全体に関しては本当に記載していただいたことをぜひ実現していただきたい内容で、今までの御意見を広く取り入れていただいているということで感謝申し上げます。
それで、少し先ほど来議論にありました温度感みたいなことでの意見なのですけれども、まず13ページ目の必要に応じてeラーニングの教材等を活用して指定医を育成するというようなことですね。これは特に小慢の場合は非常に珍しい疾患があって、それこそ都道府県のその県の中では患者さんが1家族だけとか、そういう御病気も多くあります。ぜひこれは必要で、今も小慢はホームページがあって、そこのデータベースが非常に活用しやすくて、私なども折々参考にさせていただいていますし、さらにここにeラーニングを加えていただけるということで、ここは「重要である。」と書いてあるのですけれども、やってくれるかどうかというところまでは書いていないので、これはとても疾患によっては有用だということを御認識いただければと思います。
私は小児科学会を代表している立場からすると、学会とかそういうものは今までも研究班を通じてこういう資料を出してくださいとか、こういう改定をしてくださいというときに速やかに御要望にお応えしていまして、eラーニングも手を挙げてくれる人は本当に大勢いると思いますので、ぜひ呼びかけていただければと思います。
それから、先ほどから何人かの委員の御意見があった15ページの移行期のところで、先ほど坂上委員もおっしゃったように、どうしても難病の枠組みとちょっと違うというところがあって、非常にそこで議論が止まってしまうというところがあります。
私自身は、この小児慢性特定疾病検討委員会のほうでもいろいろと御協力させていただく立場ですけれども、そこでそもそも枠組みが違いますよということになってしまうとそこから議論が進まないということがありますので、少しその辺りはどういうふうにしたらいいかということも厚労省の中でお考えいただければと思います。
ただ、強調しておきたいのは、ここで移行期を取り上げていただくようになってから、内科側の先生方の移行期に対する認識は物すごく広がっていると思っています。以前は小児科の医師が移行期、移行期と言って、何だそれはという感じだったと、ちょっと言葉は悪くてあれですが、そういう印象がありましたけれども、最近は本当に成人の診療科の先生方が移行期と言ったときに一緒に議論に参加していただける風潮をつくったのはやはりこの場ではないか。厚労省が動いたということが非常に大きかったと思っておりますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
最後に、16ページの教育のところはやはりとても大事で、そんなにお金をかけなくてもできることがいっぱいあるのではないかと思っています。最近も患者さんの団体のほうの資料で、私は慢性の病気の方でその御病気の4分の1の方は教育が継続できるということを知らなかったとおっしゃっているのを聞いて、ちょっとびっくりしました。結局、私自身は大きな小児の医療機関で働いておりますので当たり前だと思っていたわけですけれども、実はお子さんがそこの医療機関には少数しか入院されていない場合にはそういう情報提供はいっていないんだなということを改めて知りました。これは我々小児科医の問題もありますけれども、ただ、小児科以外の小児の慢性疾患もいろいろありますので、そういう意味での情報提供とか、そういうことだけでもすごく違うのではないかと思っております。ぜひそういう点も御検討いただければと思います。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
ほかに御意見ございますか。
日下委員、お願いいたします。
○日下委員 千葉県立仁戸名特別支援学校の校長をしております日下と申します。全国の病弱教育の校長会の長をしておりまして、病弱教育の視点から意見を出させていただきます。
前回のいろいろ指摘等、教育について盛り込んでいただきましてありがとうございます。様々な箇所に教育という、言葉としては色が少し出てきていると感じました。今、岡委員からも御指摘があったのですが、やはり関係する者がどう意識していくかということがとても重要だと考えております。難病も、それから小慢も、病気については子供、大人も関係する医療、福祉、就労、労働関係、そして教育と、様々な方たちがやはり連関して動いていかなければいけないということは学校現場としても感じているところです。関係者間でその意識する、意識できるということがとても大事だと考えます。
ただ、意識するというところでも、その意識の仕方、理解の仕方というのがこれまでにも文言の定義であるとか、使い方といった点での御指摘が複数の委員の方から出ていましたが、やはり捉え方が各自治体、地域によっても非常に差異があると感じております。
16ページで、教育について「適切な指導や必要な支援」とありますが、「適切な」とか「必要な」ということをどう捉えるかということです。病弱の子供たちが入院してきましても、入院しているから、体調が悪いのだから教育を受けられなくても仕方ないよね、当然だよねと言われることが残念ながらまだまだあったりします。学校をお休みするのは仕方ない。それを前提にされると、国が一生懸命示している学習保障という点ではどうなのかと、この段階で既に温度差が出たりしております。
自治体によっては様々な動きをされているかと思います。ぜひ努力義務の部分の努力というものが切り捨てられないようにするためにも、適切な捉え方であるとか、具体的に例えば教育であればどんな支援か、学習支援といっても様々なことをイメージされると思いますので、それをより明確にする形を提示して、各地域で取組ができるといいと考えます。
ぜひその辺りの具体性というものが出てくると、先ほど福島委員からも御指摘がありましたが、教育について示されてはきているのだけれども、その意気込みというか、実際にどこまで大事に考えているのか、その内容というものが伝わってくるのかなと考えます。それを示すことによって、やはり小慢の、難病の子供たちの学習保障の点で、彼らの人生の一部になる大切な教育が保障されることにつながると考えます。ぜひぜひその点をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○花島委員長 ありがとうございます。
これに関して、文科省いかがでしょう。
○齋藤文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長補佐 文部科学省の齋藤と申します。
先ほどの日下委員等の意見もごもっともだと思いますので、厚労省と連携して検討させていただきたいと思います。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインで手が挙がっている西村委員、お願いいたします。
○西村委員 ありがとうございます。明治学院大学の西村と申します。
これまで御指摘いただいているところではございますけれども、8ページの連携についてのところでございます。ここは様々な御指摘がありましたように、実際にどれだけ連携が進むのかというところが利用する側では不安に思うのではないかと思います。難病相談支援センターにおいて実質的な連携が進められることが分かるような文言、あるいは相談センターにおいて実質的に連携まで行うと、情報提供というのも第一歩になっておりますけれども、さらにその情報提供をしていただいていろいろな機関との連携を行って就労、療養、治療、そして教育を患者の側では行っていかなくてはいけないということなので、その実質的な連携までコーディネートの支援をしていくことが意気込みとして見えるような書きぶりができたらいいのではないかと思います。御検討をよろしくお願いいたします。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、ほかにいかがですか。
倉知委員、どうぞ。
○倉知委員 九州産業大学の倉知です。
これは基本方針ということなので、全体的に網羅して浅く書かれるのは仕方ないとは思っています。その割にはよく書かれていらっしゃると思っています。
1点だけ、難病相談支援センターが非常に私は重要だなと思っていて、8ページなのですが、ウのところで「難病相談支援センターは、難病の患者及びその家族等の不安解消に資する」ということがちょっと引っかかって、不安を解消するというよりも具体的な抱えている問題を解決するために活動していただけるとありがたいという期待がありますので、そのように書いていただけるとよいと思いました。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、辻委員どうぞ。
○辻参考人 日本難病疾病・団体協議会の辻です。
先ほどの春名先生の意見への補足になるかとも思うのですが、9ページ目の第八の(2)のエのところ、私どもの意見といたしましてもやはり就労の困難性の具体的な例といたしまして疾患からくるもの以外に休暇とか休憩、それと周囲の理解というところが大きくなっております。
また、附帯決議でも病気休暇等の文言が入っていると思うのですけれども、先ほど春名先生も御指摘いただいたように、周囲の理解、あるいは啓発を進める意味でも治療と仕事の両立支援のところについては病気休暇と並んで文言として検討していただいてもいいのかなと、厚労省のほうでも大変コーディネーターの育成に力を入れていただいていると思いますので、ぜひ御検討いただければと思います。
それと、移行期につきましては移行期医療センターが今回北海道でできたと思いますが、まだ9センターと少なくなっておりますので、こちらのほうも進めていただきたいと思っていることと、最後に教育のところなのですけれども、逆の教育ですね。がん教育等が啓発等で文科省か、こども家庭庁の指導で進んでいるかと思うのですが、この基本方針には載せなくて結構なのですけれども、今後難病教育等も考えていただければと思っておりますので、ぜひ御検討いただければと思います。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
どうぞ、本田委員。
○本田委員 国際医療福祉大学の本田と申します。
小慢のトランジションで、小児特定慢性疾病対策地域協議会と難病の地域対策協議会の連携が示されています。地域での難病と小慢の連携の現状では、例えば難病の地域連携体制で、医療的ケア児支援の連携が十分ではないというように、難しいところがあると感じています。
どのように連携するかということに関連して、人材育成が重要と考えます。難病の人材育成では学会等との連携による人材育成の方向性が示されていますので、今後小慢においても幅広い年齢層に対する支援者の人材育成、または小慢の特性も踏まえた人材育成も含めて、人材育成の方向性を示していただけるとありがたいと思っております。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、オンラインの錦織委員お願いいたします。
○錦織委員 赤十字血液センターの錦織と申します。
私は成人のほうの難病を見ている立場で、先ほど辻委員からもおっしゃっていただいた教育の、逆の教育という点については常々思っております。やはり就労支援というところでつまずく難病の方がたくさんおられまして、最初はうまくいっても転勤などのときに、その転勤先とか、支店に移ったときにそこの理解が得らないということもございます。
そういうことに鑑みたときに子供の頃から難病教育、その難病の患者さん、小慢の患者さんが教育を受けられるということを保障するのも大事ですけれども、そういう難病の方がおられるということを子供の頃から教育しておくということが大事ではないかと思っております。
ですので、そのようなこととともに福祉関係とか、いろいろなそれぞれの子供、そして中等教育、高等教育の課程で難病ということに対する教育というのをもう少し根を下ろしていただくことによって、その方たちが成人になったときにその就労を支える立場になったとしても、そこの理解が深まるのではないかと思います。
今回の基本法からは少しそれますのでちょっと控えていたのですけれども、せっかく厚労省と文科省の方が両方そろっておられるところですので、日頃からの感想としてその点を今後さらに強化していただきたいと思います。
以上です。よろしくお願いします。
○花島委員長 ありがとうございます。
どうぞ、館林委員。
○館林委員 江戸川大学の舘林と申します。
私は今年から大学の教員になったのですけれども、今、大学では合理的配慮の研修をやっていまして、高等教育はどうなっているのかと思いました。ただ、受入れ側としてはやはり特別で分からないとか、数が少なくてどういうことを考えているのか分からないということがあります。
春名委員が先ほどおっしゃっていたような就労に関する情報提供を大学でももらえるような体制があったらいいのではないかと思いました。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、よろしいでしょうか。重要な御意見をいろいろいただきまして、熱い御意見ありがとうございました。いただいた御意見を踏まえた修正に関しましては、私、座長に一任させていただくという形でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、御意見を踏まえた対応をさせていただき、事務局において必要な手続などを進めていただくようにお願いいたします。
では、議事を進めてまいりたいと思います。本日の2つ目の議事である有識者会議の検討状況や、3つ目の議事である「その他」の事項について事務局からまとめて御報告をお願いいたします。
○横田難病対策課長補佐 事務局でございます。続きまして、資料の2から御説明させていただきます。
こちら以降は御報告事項となりますが、資料2を1ページめくっていただきまして「難病・小慢データベースの法定化」というところでございます。先ほどの基本方針における議論でもございましたが、法改正がございまして上の「改正の概要」というところでございます。前回お出しさせていただいた資料と全く同じなのですが、難病・小慢データベースの法的根拠が新設されたことでありますとか、2つ目のポツでございます安全管理措置でありますとか、第三者提供のルールなどの規定が整備されました。
それを踏まえまして真ん中のところでございますが、前回の合同委員会におきましては法定化によって新たに公的DBとの連結解析などをすることがございますから、新たにデータ提供に関するガイドラインを策定する必要があるということで、データ提供に関する有識者会議を立ち上げてはどうかということで御了承いただきました。
その報告でございまして、次のページでございます。有識者会議を早速立ち上げさせていただきまして、匿名加工情報の第三者提供の在り方の関係につきまして有識者会議を11月10日に第1回を開催させていただきました。
「検討事項」につきましては、先ほどの資料と同様でございます。ガイドラインの策定等に関して専門的な見地から議論をするということで「構成員」のところにございますが、現行のワーキンググループ、データ提供も今やっておりますから、その委員とともに野口先生や日本医師会の渡辺先生に入っていただきまして議論を開始したところでございます。
また、先ほどの資料にもございましたが、製薬企業等の民間にも提供を今後可能としていくということがございますから、「参考人」のところにございます製薬企業の関係の方、または難病関係の団体の方にも参画いただいている。また、アカデミアの観点も重要ですから、浜松医科大学の方にも参加いただいているところでございます。
次の3ページ目でございます。先ほどの有識者会議に御提示した資料で、大きく何が変わるのかというところでございます。第三者提供を活用できる業務の範囲が変わりますということで、現在は原則民間企業に対しては提供不可となっておりますから、製薬企業に対して提供した実績はございませんし、活用可能な業務の範囲も限定されているところでございます。そこが、来年度以降につきましては民間企業に対しても提供可能になるというところでございますし、活用可能な業務の範囲につきましても広がるということでございまして、創薬において開発したい治療薬の対象患者の概要の把握等にも活用できるのではないかと思っているところでございます。
また、一番下でございますが、他のデータベースとの連結解析も可能となっていくというところでございます。
次の4ページ目でございます。こちらは有識者会議のほうで出させていただいた資料でございまして、製薬企業には今まで提供したことはないですが、仮に提供するとしたらこういうことが考えられるのではないかということで、企業ヒアリング等を踏まえましてこういったものを提示させていただいたところでございます。
ですので、現在有識者会議で議論しておりますが、こういったところを活用していただけるように製薬企業に対しても情報提供等をしっかりしていきたいと思っています。
次のページは、先ほどの個人情報の保護の万全を期すというところにも関連しますが、今回初めて法定化されましたから、罰則等についても法律において規定しているところでございます。
例えば左側の「匿名データ利用の際の義務等」でございますが、ほかのデータ等と照合をするということでありますとか、しっかり消去をする。そういったことを法律上の義務として課しているところでございます。また、安全管理措置、個人情報の流出の観点もございますが、組織的でありますとか技術的な観点でちゃんと情報が漏れないようになっているか。そういった義務を課しているところでございます。
それを踏まえまして、そういったことに違反した場合につきましては、法律上、明記したところでございますが、立入検査でありますとか罰則というものを科すということでございますので、より一層注意しながら私どもも提供に関して、または利用に関して実態を見ながらしっかりやっていきたいと思っているところでございます。
6ページ目は有識者会議におきまして基本的な検討の方向性ということで、この小慢と難病の委員会において真ん中のところの○でございますが、意見書というものを令和3年にいただきました。これを踏まえて法改正したというところでございますが、そこにおいてNDBを参考としつつ所要の措置を講じるべきという意見がございましたから、6ページの一番下でございますが、有識者会議におきましては意見書の内容を踏まえた上で現行のDBの運用をベースとしてNDBを参照としながら運用を検討していくというところで検討を進めさせていただいているところでございます。
7ページ目、8ページ目は有識者会議において提示した論点でございまして、こういったことを議論しているという紹介でございます。
続きまして、資料3のほうに入らせていただきます。その他の事項でございます。
こちらは、前回の委員会におきましては医療DXの関係について参考資料としてお出しさせていただきました中で、進捗がありましたので御報告させていただきたいと思っているところでございます。
資料はスライドで言うと3枚目なのですが、ページで言うと2枚目で、「医療DXの推進に関する工程表〔全体像〕」という資料でございます。こちらは前回もお出しさせていただきましたが、この赤点線で記載しているところでございますが、ここの部分で進捗がございましたので、御報告したいというところでございます。
具体的にどう進んだかというところで、次の4ページ目でございます。医療分野(医療費助成)、ここは難病の関係でございますけれども、そこでのマイナンバーカードを活用したデジタル化の推進というところで、デジタル庁と協力しながら政府として進めているところでございます。
1つ目の○でございますが、国の公費負担医療(難病等)やこども医療費等の地方単独事業といったことがございますが、こういったところについてマイナンバーカードを活用したデジタル化の取組を今年度から先行的に実施していくということで、まず先行事業に手を挙げていただける自治体につきまして公募させていただきました。その結果、合計で16自治体、87医療機関を採択したというところでございます。
【メリット】のところでございます。医療費助成の関係でございますが、左下のところでございます(医療費助成)と書いてあるところの1つ目の○で、何が変わるのかというところでございますが、マイナンバーカードを受給者証として利用し、医療機関を受診できるようになるということでございますので、保険証と受給者証を今まで持ってきていただきましたが、マイナンバーカード1枚で保険証と受給者証の代わりになるといったことで、難病患者さんの利便性の向上を図っていく。また、医療機関におきましても券面を確認して手打ちで打っていくということがございますから、そういったところは自動で入力できるようにしていくことでミスをなくしていくことにもつながっていくと考えております。
次のページでございますが、16自治体が公募をして決まったというところでございます。こちらで難病関係といたしましては、上から7つ目の愛知県一宮市が小児慢性のところで手を挙げていただきまして、まずこの自治体におきましてこの中の一部の病院でまず先行的にマイナンバーカード1枚で受給者証と保険証を兼ねた上で取組ができないかということを実証していくところでございます。
今年度から先行的に今のところから始めていきますが、来年度以降につきましても当然拡大していって全国展開できるように私ども事業を進めていきたいと思っているところでございます。
5ページ目、6ページ目は参考でございますので省略させていただきます。
参考資料の御紹介として、参考資料1と2は先ほど御説明させていただきました小慢と難病の基本方針の現行の条文でございまして、参考資料3は今、御説明さしあげました有識者会議でお出しした各論の資料でございます。
参考資料4でございますけれども、こちらも御報告事項でございますが、前回の合同委員会におきましては例えば医療費助成の遡りでありますとか、そういった論点につきまして活発に御議論いただきました。
その結果を踏まえまして参考資料の4の1ページ目、1枚めくっていただきまして、例えばこういった形で私どもとしてはリーフレットを作成して周知したりとか、こういったところで法施行がしっかりやっていけるように、私どもとしても法律をつくっただけではなくてどうやって施行していくかということを考えた上でこういったパンフレットをつくっていきます。
また、その後ろも割愛させていただきますが、通知でありますとか、そういったことを通じて難病患者さんでありますとか自治体を通じて取組を進めているところでございます。
続きまして参考資料の5、参考の資料でございますが、こちらも御報告でございまして、令和6年度の予算要求を私どもさせていただいているところでございます。その中におきましては、取組をしっかり着実に進めていく、または改正法の施行もございますから、そういったところの取組を着実にしていくという観点で予算要求をしているということで御報告させていただきたいというところでございます。
駆け足になりましたが、御報告事項と以上となります。
○花島委員長 ありがとうございます。
それでは、資料2と3について何か御意見はございませんでしょうか。
どうぞ。
○盛一委員 成育医療研究センターの盛一でございます。
資料2について教えていただきたいのですけれども、こちらの4ページ目の文章を読みますと、恐らくデータのほうが縦断的データとして今後使えるような雰囲気で書かれていると思うのですが、その認識というか、現在そういう想定で動いているということで間違いないでしょうか。
○横田難病対策課長補佐 事務局でございます。
御指摘のとおり、その時点、その時点というよりは、過去のデータベースに入っていたものを当然匿名加工した上で、疾病の程度でありますとか、そういうところを経年変化で見られるように提供していくということを考えているところでございます。
○花島委員長 ほかにございますでしょうか。
オンラインのほうで和田委員が手を挙げていますので、和田委員お願いいたします。
○和田委員 ありがとうございます。
御説明ありがとうございました。今お話しいただきましたように、データベースの活用は非常に重要だと私も思っています。先ほどの議事1とも関連しますし、今ほどの盛一先生のお話とも関連をいたします。
その場合に、データの移行、連結という点がとても重要だと思います。例えば、移行期医療などでも非常に重要です。その際にプラットフォームであったり、あるいはフォーマットなどの構築ということがある程度必要だと思います。その点も踏まえて、今後ぜひディスカッションいただければと思います。
以上です。
○花島委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがですか。
どうぞ、辻委員。
○辻参考人 日本難病疾病団体協議会の辻です。
今回、データ整備のほうが進みまして、患者としても大変期待しているところでございます。
1点、製薬企業と、また民間企業等の語句がございますけれども、最近の難病治療においては外国も含めましてベンチャーの企業による開発も進んでいて、その割合が高まっていると聞いております。ですので、製薬企業といいますと、何となく大手の製薬企業さんというイメージがございますけれども、スタートアップ企業、またはベンチャー企業についてもしっかりと利用できる仕組みにしていただければと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○花島委員長 ありがとうございます。
ほかに御意見はございますでしょうか。オンラインでも手を挙げている方はいらっしゃらないようですね。
御意見がないようでございましたら、事務局からどうぞ。
○山田難病対策課長 先生方、今日は長い時間ありがとうございました。
特に基本方針について様々な御意見をいただきました。具体的な意見から、非常に大きな意見までいただいております。
今後、この御意見を踏まえまして基本方針の策定作業に入らせていただきます。基本方針は厚生労働省だけでなくて関係省庁、また自治体、医療関係者、教員の方々、企業の方々、当然患者やその家族の方々にとって非常に大事なものとなっていきますので、できる限り反映させていきたいと思っております。
最後に、法律に基づく大臣の告示という形で発出させていただきます。大臣の告示ということなので、往々にして分かりづらい書きぶりになることも多いのですけれども、皆様の御意見が読んだときに分かるような書きぶりになるべくしていきたいと思いますので、その作業に移らせていただきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
本日は以上で終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。