薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和5年度第2回献血推進調査会議事録

日時

令和5年10月23日(月)14:00~16:00

開催形式

Web併用

出席者

出席委員(12名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理

参考人:敬称略

  • 岡田 史恵:(広島県健康福祉局薬務課長)
  • 中川 裕将:(広島県健康福祉局薬務課 主査)
  • 小山 遊子:(株式会社イトーヨーカ堂 経営企画室 サステナビリティ推進部 総括マネージャー)
  • 強矢 健太郎:(株式会社イトーヨーカ堂 経営企画室 サステナビリティ推進部 マネージャー)
  • 花田 あやか:(株式会社イトーヨーカ堂 経営企画室 サステナビリティ推進部)

日本赤十字社:敬称略

  • 早坂 勤(日本赤十字社血液事業本部経営企画部次長)
  • 中村 篤典(日本赤十字社血液事業本部経営企画部献血推進課長)

事務局:

  • 山本 圭子(血液対策課長)
  • 仲島 昌司(血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.令和6年度の献血の推進に関する計画について(案)
  2. 2.自治体・企業における献血推進活動
  3. 3.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容

○仲島血液対策課長補佐 それでは、皆様おそろいですので、ただいまから「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和5年度第2回献血推進調査会」を、Web併用の形式で開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 本日はお忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。この度、御参加いただく方の利便性等の観点から、Web併用での審議とさせていただいております。はじめに、今般、委員の就任があり、渡部るみ子先生が村井前委員の後任として御就任されることとなりましたので、御紹介いたします。渡部先生から一言、御挨拶いただければと思います。
○渡部委員 皆さん、こんにちは。今回初めての参加となります。栃木県の大田原高校から参っております。お役に立てるかどうか分かりませんが、よろしくお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 ありがとうございました。本日の会議における委員の出席についてですが、委員12名全員の御出席を頂いていることを御報告いたします。本日は、日本赤十字社血液事業本部より早坂経営企画部次長、中村経営企画部献血推進課長に御出席を頂いております。また、議題2に関しまして、広島県健康福祉局薬務課長岡田様、同じく主査の中川様に、株式会社イトーヨーカ堂経営企画室サステナビリティ推進部総括マネジャー小山様、同じくマネジャーの強矢様、同じく花田様に御参加いただいております。
 次に、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 続いて、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、1.議事次第から10.参考資料1までのPDFファイルが表示されているか御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。
 間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いします。それでは、以降の進行を佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 それでは、事務局から審議の進行方法の説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる場合がありますので、今回、委員の交代もありましたことから、改めて審議の進行方法について御説明させていただきます。
 審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員につきましてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いをする場合がございます。その場合には、記入されたメッセージに応じて座長より発言者を御指名いただきます。
○佐々木座長 ただいまの説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは議事に入ります。議題1「令和6年度の献血の推進に関する計画について(案)」です。資料について、事務局から説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。議題1「令和6年度の献血の推進に関する計画について(案)」の説明をさせていただきます。資料1-1、1-2を御用意ください。基本的には資料1-1に沿って御説明をさせていただきまして、資料1-2については参考として後ほど御確認いただくという流れで説明をさせていただきたいと思います。
 まず、資料1-1を御覧ください。「令和六年度の献血の推進に関する計画を定める件(案)について(概要)」というものです。1.制定の趣旨についてですが、こちらは、先生方皆様御存知とは思うのですが、血液法第10条第1項に基づいて、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めることとされておりまして、今年度は令和6年度の献血推進計画を定めるものということです。
 2.告示案の概要です。法第10条第2項に基づいて、献血推進計画において、次に掲げる事項について定めることとされており、第1として、当該年度に献血により確保すべき血液の目標量、こちらについては現在調整中ということでまだ数字はありません。第2として、献血に関する普及啓発その他の当該目標量を確保するために必要な措置に関する事項、第3として、その他献血の推進に関する重要事項について、今回、献血推進調査会で御議論いただきたいと考えております。
 2つ目の○です。上記の事項について、令和4年度までの献血の実施状況とその評価等を踏まえ、令和6年度の献血推進計画を定めることとされています。令和4年度までの状況とその評価ということで、少子高齢化が近年言われておりますことから、若年層への普及啓発を今回考えているところです。令和5年度の献血推進計画からの主な変更点として、第2の事項に関して、国は、小中学校現場での献血推進活動を含め、献血への理解を深めてもらうための取組を行うことについて記載するということを考えております。これについては6月の閣議決定にありました骨太の方針を踏まえた記載ということで、第1回の献血推進調査会で御確認いただいたものということになっております。
 4.施行期日等です。告示日は令和6年2月下旬を予定しており、適用は来年度の4月1日からです。
 続いて、資料1-2を御覧ください。「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)」というものです。8ページに当たる所でして、PDFですと、13分の11ページに当たるものです。まず、そちらを御覧ください。左は令和6年度の献血推進計画(案)、右は令和5年度の献血推進計画となっておりまして、基本的には時点の修正となっております。第1、令和6年度に献血により確保すべき血液の目標量ですが、●での表記となっております。これは現在、各都道府県実績と調整しているというところでして、これは11月の血液事業部会で数値を入れ、御審議いただくというところです。
 次のページを御覧ください。PDF上では13分の12ページに当たるものです。第2、献血に関する普及啓発その他の第1の目標量を確保するために必要な措置に関する事項です。こちらについても、基本的には時点修正ですが、一番下のイ、若年層を対象とした普及啓発の(エ)学校等における献血の普及啓発の中に、先ほどの「国は、小中学校現場での献血推進活動を含め、献血への理解を深めてもらうための取組を行う。」を追記したいと考えているところです。
 4ページに戻ってください。PDFでは13分の7ページに当たります。中段から少し上の所に、(エ)学校等における献血の普及啓発があります。こちらに、先ほどの「国は、小中学校現場での」という記述を入れさせていただきたいということです。
 5ページです。PDFですと13分の8ページに当たる所です。こちら、第1回献血推進調査会で委員の先生方から何点か御質問等を頂いたのですが、イの献血者の利便性の向上として、採血事業者は、献血者の利便性に配慮しつつ、地域の実情に応じた献血受入時間帯の設定の部分等について御意見がありました。こちらについては、日本赤十字社としても現在早めて行っている箇所もあるというような御事情もありますので、前回と同様の記載ということですが、ここは引き続き検討をさせていただきたいと考えています。
 あとは、新興・再興感染症に関する記載ですが、これが先ほどの献血者の利便性の向上の2つ上のポツに当たる所でして、こちらも引き続き記載をさせていただきたいと考えております。今年度の推進計画、第2、3の部分について御確認を頂きたいというところです。説明は以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。ただいまの説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。武田委員、お願いします。
○武田委員 御説明ありがとうございます。はばたき福祉事業団の武田です。今、最後に言っていただいたように、献血者の利便性の向上ということで、前回の献血推進調査会のときにも献血受入時間の延長等についてのお話もさせていただきました。日本赤十字社さんにおかれましては場所によっては献血受入時間を今でも変更されているというお話でしたが、今後も、多くの人が献血に来られるように、こういったところも検討いただければと思います。
 また、今回御提示いただいた計画案について、今日は●になっていた量の部分ですが、今後、審議をされていくところだと思いますが、現在、グロブリン製剤が足りなくなってきて、需要が増えてきている中で、安定供給していくために量も増やしていくという議論もされています。現状では、なかなか製造量の限界が、どれぐらい必要かというところの限界になってしまっているところもあるかと思うのですが、少し長期的に国内自給率を上げていくという観点からも、是非、国内三社の皆さんとコミュニケーションを取っていただいて、国内自給に向けて献血で賄っていけるように、国がリードをして、きちんと進めていただきたいと思っています。私からは以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。では、私から質問させていただきたいのですが、資料1-2の新旧対照表の第2の2の(1)のイ、2ページの一番下の所ですけれども、要するにこれは中学生向けの資材も作るということで、新しいことでよろしいのでしょうか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局から説明をさせていただきたいと思います。御指摘のとおり、中学校で使う資材に当たるものを、今後作っていきたいと考えております。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、事務局から提出された「令和6年度の献血の推進に関する計画(案)」については、原案で手続を進めていただきたいと思います。
○仲島血液対策課長補佐 ありがとうございます。すみません、今、広島県さんのほうから非常に聞き取りにくいというようなお話が入っているのですが、ほかの委員の先生方、状況いかがでしょうか。
○佐々木座長 聞き取れないという先生はいらっしゃいますか。大丈夫ですか。広島県さんのほうも大丈夫でしょうか。
 では、事務局においては、今後パブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて、血液事業部会の審議に向けて手続を進めていただければと思います。
 次に、議題2「自治体・企業における献血推進活動」についてです。資料2-1について広島県から説明をお願いいたしますが、事務局より先に御紹介をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。当議題に関しまして、献血推進活動に取り組まれている自治体、企業から御発表いただきます。まず、広島県さんにおかれましては、今年5月にG7サミットが開催されたことから、広島県の県計画、県独自の取組を策定し、不測の事態発生に備えられてきたというところで、その取組を広島県の岡田様に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○岡田参考人 ありがとうございます。御紹介いただきました広島県健康福祉局薬務課の岡田でございます。本日はこのような貴重な機会を頂戴し、感謝を申し上げます。
 それでは、早速お話に移りたいと思います。資料は「広島県における献血推進の取組について」という資料を表示していただければと思います。資料2-1になっております。2ページを御覧ください。本日の話題ということで、私からお話いたしますのは、先ほど御紹介のありましたG7広島サミットの輸血用血液供給体制と若年層に対する献血推進の取組についての2つでございます。
 まず、3ページ目、広島サミットの輸血用血液供給体制について御紹介いたします。広島サミットにつきましては、令和4年の夏までに開催時期が、令和5年5月19日から21日となることも含めて決まっておりました。このため、本県の令和5年度、本年度の献血推進計画にはサミットに向けた血液製剤の確保と供給体制の整備について記述することとし、本県の献血推進審議会で承認を頂きました。また、サミット期間中の交通整備によりまして、移動採血車の運休や広島市内の献血ルームへの来訪者が減少するおそれがございましたので、日本赤十字社様と連携いたしまして、県民の皆様にサミット前の献血への協力の呼び掛けを行いました。
 4ページを御覧ください。これは私がちょうどテレビの取材を受けまして、県民の皆様に対して、サミット前の献血協力を要請している様子です。
 続きまして、5ページを御覧ください。サミットの実施体制です。御承知のように、サミットには各国要人が集うことから、国、県、市、警察、消防などにまたがる幅広い対応が必要とされます。私ども薬務課は、各国要人やその家族、海外報道関係者への医療提供体策の整備を担う広島サミット保健医療対策チーム、ちょうど中ほどの赤枠にありますが、この医薬品対策班として、血液センターや卸組合、薬剤師会等の皆様と連携し、血液製剤を含む医薬品の確保などの任務を所掌いたしました。
 6ページを御覧ください。本県で使用される血液製剤は日本赤十字社広島県支部様と、中四国ブロック血液センター様により製造、備蓄がなされております。こちらのほうでは、過去にローマ法王や各国元首など、要人が広島を訪れた際の対応のノウハウを蓄積されておられます。このため、サミットの開催前に、中四国ブロック血液センター様に対し、血液製剤の供給計画の策定を依頼するとともに、血液製剤の計画量が調達できるよう、サミットの医療政策を担当する国の部署を通じて、全国のブロック血液センターに支援を要請いたしました。
 7ページを御覧ください。実際の供給計画がこちらになります。サミット期間中も通常の医療体制を維持できるように、緊急時の他のブロックからの血液製剤の調達について確認をするとともに、外国人に多いとされますRh(-)型のうち、A、B、O型の血液について、在庫目標量を平常時の130%~270%といたしました。具体には、表の中段の黄色の部分がサミット期間中の在庫目標量となっておりまして、A型のRh(-)は通常29本のところを50本、O型については22本のところを60本といった設定となりました。この在庫目標量は、国内で過去に開催されました伊勢志摩サミットや洞爺湖サミットを念頭に決定されたものです。希少血液は単一の都道府県及びブロックからの確保は困難ですので、今回のサミットにおいても全国の他のブロックに要請して調達をしていただいたと聞いております。
 続きまして、サミットを振り返ってみての反省点が1つございます。サミット期間中に、会場付近に臨時の医療施設である野外救護ユニットというものが設置されたのですが、ここに搬入するO型のRh(-)型の血液製剤について、本県は計画在庫量の中に含む考えでいたのですが、サミットの1週間前に、国のほうからそれとは別に確保をという説明がございましたので、急遽全国に呼び掛けて調達をすることになりまして、ブロックの血液センター様には大変な苦労を掛けることになってしまいました。本当に私どもの確認不足だったのですけれども、臨時施設への供給については、関係者間で最後まで確認して、考え方を共有しておく必要があると感じました。なお、サミットでの血液製剤の使用はございませんでしたので、御承知のとおり無事に終了しまして、私どもも非常に安堵したところでございます。
 続きまして、若年層に対する献血推進の取組について御紹介させていただきます。こちらは10ページを御覧ください。今年度の広島県献血推進計画になりますが、本県におきましても若年層の献血推進が大きな課題でして、この計画に沿って、啓発資材の作成、献血セミナーの開催等、市町の献血担当者の方や血液センター様と連携を図り、様々な取組を行っております。
 11ページを御覧ください。こちらは本県の若年層の献血者数の推移です。左側のグラフは10代、20代の年度別献血者数の推移ですが、御覧のとおり、20代の献血者数は平成28年度をピークに徐々に減少しておりまして、令和4年度はピーク時の約28%減の1万5,400人となりました。一方、10代は令和2年度に少し落ち込みましたけれども、それ以降、僅かながら増加傾向となっております。右側のグラフは年齢層別の構成比率の推移を表していまして、10代~30代の構成比率は年々減少傾向にあり、全体の約3割となっております。
 12ページを御覧ください。こうした中で本県が行っております若年層へのアプローチです。まず、普及啓発資材の作成ですけれども、「はたちの献血」キャンペーンを毎年行っていますが、こちらのほうではチラシを作成いたしまして、各市町が実施する成人式の式典、イベント等で配布をしております。また、1月~3月に実施する高校生を対象としたキャンペーン「18G(ゲージ)を乗り越えろ!」では、献血に参加していただいた高校生の感想やメッセージ、写真を掲載したパンフレット、今日お手元のほうに御参加の先生方には配布をさせていただいておりますが、こちらのほうを作成いたしまして、県内の高校3年生全員に配布をしております。
 続きまして、13ページを御覧ください。この18ゲージといいますのは、献血用の注射針の太さを表しておりまして、普通の注射針より若干太めの1.2mmでして、このサイズが18ゲージとなっております。全国調査で、献血をしたことがない理由の第1位が針を刺すのが痛くて嫌だからということで、ほかの針と比べて太めなのですけれども、少し怖いなと思っている方も、これをなんとか乗り越えて献血にチャレンジしてほしいというメッセージを込めております。このキャンペーンは県内の献血ルーム2か所で実施しておりまして、ルームに来てくれた高校生に、県内の障害者就労施設で作成したお菓子をプレゼントしております。キャンペーン期間中は、献血を終えた感想やメッセージも書き込んでもらうアンケートや記念写真の撮影を実施しておりまして、これらは県のキャンペーン専用ホームページに掲載し、次年度のこうしたチラシなどにも活用しております。また、今年は期間中に本県の湯﨑知事が若者向けのラジオ番組に出演しまして、キャンペーンについて広報いたしました。
 続きまして、14ページを御覧ください。献血推進ポスターの取組です。これは本県が日本赤十字社の県支部と血液センター様と共催で平成12年度から実施しておりまして、今年度は24回目となっております。県内の中学校、高等学校及び特別支援学校の中学、高等部の生徒を対象にデザインを募集し、入賞作品は16点選定しておりまして、7月の愛の血液助け合い運動月間中に開催します広島県献血推進功労者等表彰伝達式、こちらのほうで表彰を行っております。また、これらの作品は、県庁や献血ルームをはじめ、県内各地の商業施設で展示を行うとともに、啓発資材に活用をしているところです。
 余談なのですが、今年度の表彰伝達式では、「輸血享受者感謝のことば」といたしまして、県医師会の常任理事で、本県の献血推進審議会の会長でもある落久保裕之先生から、感謝の言葉と御自身が受けられた輸血治療の体験に基づく貴重なお話を頂きました。直接そうした方からのお話を伺えたことは大変意義深く、また、強く心に響くものがございまして、参加者の皆様からも大変よかったという声を多く頂きました。
 続きまして、15ページを御覧ください。このほか血液センター様の取組として、学校における献血セミナーの開催や模擬献血・出前講座が行われており、県も支援をしております。学校献血のほうは、昨年度40校ということで、なかなかコロナ前の実績には及んでおらず、力を入れていく必要があると考えているところです。
 16ページを御覧ください。最後に、これから取り組んでいきたいと考えている課題です。1つ目は若者、学生同士のコミュニケーションの促進です。学生献血推進ボランティアの連携など、学校内外の交流を促進して、輪を広げる仕掛けができないかなと考えております。もう1つは、献血Web会員サービス「ラブラッド」の普及です。広島は登録が少ない状況にありますので、献血の待ち時間を利用して、貴重な若年層の献血者に導入を促進し、継続的に協力いただける切っ掛けとなればと考えております。
 最後に、県の担当者の視点から、国のほうに2点ほど要望させていただきたいと思っております。1つ目は全国の献血の取組事例を自治体の担当者間で共有ができないかということです。本県では毎年自治体担当者会議を開催しておりまして、県、市町、血液センターの担当者で意見交換をしておりますけれども、そもそもやはり若者が少ないということで、効果的な取組についての意見が出にくい状態があります。より広範囲の事例を学ぶことで、よりよい知恵も出るのではないかと期待する次第です。
 もう1つは学校教育の場での献血の普及促進です。これについても、国のほうでも従前から取り組まれておりますけれども、教育委員会や私学の関係者からは、教育カリキュラムの見直しで教員も忙しくなって、献血の学習をする時間が取りにくくなったという声も聞かれます。しかしながら、やはり学校で社会貢献の1つである献血について学ぶ機会、献血する機会を持つということが一番よいのではないかと考えますので、是非働き掛けを一層お願いできればなと考えております。少し雑ぱくな説明で失礼いたしました。私からの説明は以上でございます。御静聴いただきありがとうございました。
○佐々木座長 岡田様、ありがとうございました。御質問等あるかとは存じますが、続いてイトーヨーカ堂様から説明を頂きたいと思いますので、その後に御質問いただければと思います。
 続きまして、資料2-2について、株式会社イトーヨーカ堂様から御説明をお願いいたします。事務局より、先に御紹介をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。今般、株式会社イトーヨーカ堂様から、同社の献血推進の取組について御説明を頂きます。イトーヨーカ堂様におかれましては、過去半世紀以上、54年間にわたり献血に御協力いただき、過去に日本赤十字社の金色有功章を受賞され、平成28年度には厚生労働大臣表彰状を受賞され、今年度には第59回献血運動推進全国大会で昭和天皇記念献血推進賞を受賞されるなど、献血の推進に大変御貢献されております。
 今後の血液事業の在り方を議論するに当たり、これまで企業においてどのように献血に取り組んでいるのかということを御紹介いただきたく、今回は献血推進に御貢献いただいているイトーヨーカ堂様に本調査会での御紹介をお願いしたところ、有り難くも御快諾いただき、その取組について御紹介いただくことになりました。今回、イトーヨーカ堂様の取組を、経営企画室サステナビリティ推進部総括マネジャーの小山様から御紹介いただきます。それでは、イトーヨーカ堂の小山様、御説明をよろしくお願いいたします。
○小山参考人 皆様、こんにちは。ただいま御紹介いただきましてありがとうございます。イトーヨーカ堂サステナビリティ推進部の小山と申します。本日は、イトーヨーカ堂における献血推進活動について御説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、2ページ、目次のページですが、会社の概要、サステナビリティ活動についてということ、それから献血推進活動に至っている背景というところから、3つ目の献血推進活動についてという流れで御説明させていただきます。
 まず、4ページを御覧ください。私どもイトーヨーカ堂はセブン&アイグループの一員でございます。中には、セブン-イレブン・ジャパン、セブン&アイ・フードシステムズ、デニーズ、外食産業等々ございまして、合わせると店舗数が2万店以上あり、日々2,210万人のお客様に御来店いただいております。私たちの事業基盤は正に地域社会でございまして、お客様の生活の場、地域社会があってこそ私たちの事業が成り立つということで、地域社会が持続可能なものになるよう、サステナビリティ経営を推進しております。
 5ページを御覧ください。私どもイトーヨーカ堂は1920年の創業で、2020年にお陰さまで100周年を迎えることができました。「いいもの。いつもの。」というメッセージを掲げており、「ひとつひとつの商品とサービスを、お客様がもっと笑顔になれるような「いいもの」にしたい。そして「うれしくなれるから、また明日も行こう」お客様にそう思ってもらえるような「いつもの」お店になりたいのです。」ということで、日々営業に邁進しております。2023年9月にヨークと統合をしまして、現在では228店舗、首都圏を中心に展開をしております。
 それでは、サステナビリティ活動について御説明させていただきます。7ページを御覧ください。私どもは、先ほど100周年と申し上げましたけれども、一番下にあります社是を1972年に制定しておりまして、創業でいろいろと苦労したところから、「私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい。私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい。私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい。」ということを掲げて、脈々と営業活動をつなげてまいりました。
 そして、セブン&アイグループの重点課題という社会課題の解決に当たって、注力していく重点課題ということを制定しております。8ページを御覧ください。2014年に重点課題、マテリアリティを制定したのですが、そこから世の中がどんどん変化をしていきましたので、2020年にステークホルダーと対話、アンケートを踏まえて、重点課題を改定いたしました。
 9ページを御覧ください。こちらが7つの重点課題です。左側に7つ掲げておりますが、そこに対してイトーヨーカ堂がどうやって貢献できるのか、本業の中で行っていけるのかということを考えながら推進しております。本日お話する献血推進活動におきましては、1つ目の「お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する」という部分に値する活動として、会社を挙げて推進をしているところでございます。
 それでは、具体的な献血推進活動について、今回、有り難い賞を頂きました内容も含めましてお話をさせていただきます。11ページを御覧ください。献血推進活動についてということで、これまでの献血推進活動でございます。イトーヨーカ堂は、昭和44年から54年間にわたり献血会場の提供を中心に協力してまいりました。2019年時点では54店舗実施している状況でしたが、新型コロナウイルス感染症が発生しまして、我々は献血機会の減少という社会課題に対峙して、変化する社会に対して献血量確保へということで、より一層、活動を推進してまいりました。
 12ページを御覧ください。2020年3月8日のイトーヨーカドー屯田店の取組を載せております。このときは、ちょうど緊急事態宣言が発出されていた時期でして、地域の赤十字血液センターより、血液不足を背景にバス献血会の依頼が次々とあったという報告がありました。各店舗が率先して取り組んできたことですが、赤い字を読ませていただきますと、「北海道内での緊急事態宣言後、献血機会が減っているという社会的課題があり、イトーヨーカドー屯田店では、日本赤十字社の要請を受けて地域の拠点として献血場所の提供を行いました。献血は2日間開催し、213人の地域の皆さまから献血のご協力をいただきました。」といった内容でございました。
 次のページを御覧ください。こちらは、5月、6月のイトーヨーカドー東大和店、知多店からの献血活動内容でございます。東大和店では地域の赤十字血液センターより、週末に3か所で予定をしていたバスによる献血活動がなかなかできなくなったので、急遽実施場所の提供依頼があったということでございました。職員の方々とのお話の中で、まだまだ血液が不足していて、実施回数を増やしたいというようなお声も頂いたということで、本部のほうにも情報共有がありました。右の知多店も同様で、血液不足もあって活動を再開しました。お客様におかれましても血液不足の認識というのもニュース等で聞いていたということで、通常の1.5倍ぐらいの協力人数となったというような報告もありました。
 14ページを御覧ください。そして、当時ですが、変化する社会課題に即座に対応するために、本部では経営陣がコロナ対策会議を毎日開催しておりました。そこで、こういった報告を受けて、血液不足が重要な社会課題と捉えて、積極的に推進することを決定いたしました。我々は血液量の確保に対して、全店で今どういった献血活動をしているのかということの調査をして、日本赤十字社様のニーズも確認しながら、献血機会の拡大ということを図ってまいりました。
 先ほど、2019年度は54店舗と申し上げましたが、2020年の時点で79店舗となり、店舗実施が拡大し、協力体制が整ったということです。もちろん、マスクの着用や間隔を空けて並ぶなど、環境の整備をすることをお店と協力して実施してまいりました。
 15ページを御覧ください。こういった活動をお客様にも呼びかけるために、2020年7月「愛の血液助け合い運動」に合わせて実施店舗数を拡大し、ニュースリリースやホームページで外部発信をいたしました。そうしたところ、献血者が前年比140%という形で、たくさんのお客様に御協力いただくことができました。
 16ページを御覧ください。我々、今後の献血活動の推進体制といたしましては、今後も日本赤十字社様と我々本部で、定期的な情報交換、会議を実施してまいりたいと思っております。定例会議を3月頃にお声掛けさせていただき、全店で今どんな実態になっているのかを把握した上で、日本赤十字社様のニーズを確認して、更なる拡大と、7月の「愛の血液助け合い運動」に合わせた強化、そしてお店のインフラを活用した献血啓発イベントの実施等も検討してまいりたいと思っております。先ほどもお話がありましたけれども、若年層への献血の課題があるとお伺いしておりますので、未来世代への啓発活動も検討してまいりたいと考えております。
 17ページを御覧ください。今回、第59回献血運動推進全国大会において「昭和天皇記念献血推進賞」を受賞しました。こちらを全従業員に共有して、気持ちを新たに献血活動の推進を確認したところでございます。こちらの左の写真ですが、私たちは毎月1回、店長を集めて店長会議をしておりまして、会社の営業部門では一番重要な会議となっておりますが、こちらの会議で、会長から今回こういう賞を頂いたということを従業員全員に伝えて、意義のあることだということをみんなで確認したところでございます。そして、頂いたトロフィーは、取引先様がいらっしゃる商談エリアにこのように掲げております。取引先様にも知っていただいて、献血活動の啓発となるよう飾っているところです。
 最後、18ページです。我々、店舗を起点としてたくさんの方とつながりを持っておりますので、今後も献血活動のみならず、啓発活動についても御協力、連携してまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
○佐々木座長 小山様、どうもありがとうございました。広島県様、イトーヨーカ堂様から御説明いただきましたが、委員の先生方から御質問等ございましたらお願いいたします。喜多村委員、お願いします。
○喜多村委員 大阪市こころの健康センターの喜多村です。大変貴重な御教示ありがとうございます。
 まず、自治体の取組として広島県さんからお話していただきましたが、今年の新規で確保対策事業に加わったように、重点的にテキストを作って、高校生ぐらいの方に献血していただけるように啓発していこうということで、針の太さが気になるというお話を大変興味深く拝聴いたしました。18ゲージといいますと、大人の私たちでも少し怖いので、それを克服しようという声掛けは大事なのですが、一方で中学校で教育委員会と学校関係と連携して推進していく中で、注意点が1つ必要だと思ったのは、一定数の未成年者や思春期のお子さんには、やはり太い針で刺すという行為自体にリスクが伴いますので、その辺りを御配慮いただきながら、学校関係との連携や推進を安全・安心に実施していくことが大事だと思います。ですので、そういうことを含めて、いろいろな自治体と情報共有しながら進めていくべきかなと改めて認識しました。
 そして、2点目は、献血を支える若年層の方向けに啓発が必要だということなのですが、そのときに、献血の目的、事業全体の流れや海外の状況であったり、メリットとデメリットを両方併せて伝えるということが大事になってきますし、若年層の方々には、若年者の献血が減っているという現状も、私は正直に伝えたほうがいいのかなという気持ちです。
 そういうことを踏まえ、イトーヨーカ堂さんからの御提示は非常に参考になりました。啓発活動と会場提供をサービス業を主とされる企業さんが取り組まれていることから学ぶことができるのは、リピーターを確保するノウハウというものを持っておられることだと思います。何回も来てみたくなるようなイベントや、ショッピングを楽しみながら献血に興味を持ってもらうという環境作りがすごく大事なのかなと聞いていて思いました。リピーターを増やすアイデアなどをさらにご共有いただければ有り難いのではと思います。以上、感想とコメントでした。
○佐々木座長 ありがとうございました。続きまして、柑本委員、お願いします。
○柑本委員 貴重な御報告をありがとうございました。広島県の方に幾つかお尋ねしたいと思います。若年層に対する献血推進の取組は、広島は県としての独自性が出ていたのではないかと思います。ただ、普及啓発資材を県内の高校3年生に限定して配布するということになっているのですが、他県の取組を拝見しますと、必ずしも高校3年生に限定されているわけではないので、これをこの年齢に限定されているのはなぜかということをお尋ねしたいと思います。
 それから、「18G(ゲージ)を乗り越えろ!」というのは、なぜこういったキャンペーンになったのかは先ほど御説明くださいましたが、高校生限定のキャンペーンなので、実際この反響というのは、高校生からどうだったのかということを教えていただけると有り難いです。
 また、この高校生限定のキャンペーンでは、県内の障害者就労施設で作ったお菓子をプレゼントされていますが、これは献血の観点からもそうですけれども、障害者支援という点から見ても非常に興味深い取組だと思いました。これが出てきた背景、なぜこの企画が生まれたのかというところも教えていただけると有り難いと思いますし、1日当たりどのぐらい供給されていたのかということも教えていただけると有り難いです。以上3点、どうぞよろしくお願いいたします。
○岡田参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。全部はお答えできないかなとも思いますが、まず、高校3年生に限定した理由ということですが、これから大学生になり、巣立っていくときに、1月から3月にかけてキャンペーンをさせていただいています。まだ受験が終わっていない方もいらっしゃいますが、割と余裕が出てくる時期でもありまして、街に出られることも多いということで、これから大学に出られたら、こういったことを知る機会も減ってくるのではないかということもあり、これから20代になる手前で知っていただき、1回は経験してほしいということで、高校3年生に限定しています。特に献血ルームで実施しているキャンペーンでして、広島市内に2か所しかございません。そこに来ていただくということにもなりますので、少し時間ができた高校3年生を狙ってということになります。
 18ゲージの反響については、なかなか難しいところがございます。狙いは広報の担当とも相談しながら、キャッチフレーズなど考えたのですけれども、反響がしっかりと返ってきているという実感があるわけではないのですが、いろいろな形で伝えていきたいとは思っております。高校生の感想はホームページなどでも紹介させていただいておりまして、一定数、1回は行ってみて、「こういうものか」、「よかった」、「意外と平気だった」というような感想も聞かれておりますので、意味のあることにはなっているのかなと、献血をしてくれるというきっかけにはなっているのかなとは考えております。
 障害者就労支援施設のお菓子をプレゼントにしたということなのですが、私どもは健康福祉局ということで、機会を捉えて、障害者就労支援施設で売られている商品や作られているものを購入したり、広めていくような活動もしております。その一環でこちらの商品を使わせていただこうということで、担当者から発想が出まして、採用したところです。
 1日当たりの数量については、それほど出ているものではありません。お菓子なので賞味期限がございますので、定期的に入れ替えているのですけれども、なくなっていないこともありまして、難しいなということを実感しているところです。手を変え品を変え、いろいろなキャンペーンを実施していく必要があるなと思っております。以上です。
○柑本委員 どうもありがとうございました。大変よく分かりました。
○佐々木座長 石田委員、お願いいたします。
○石田委員 お二方のいろいろなお話を聞かせていただいて、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。
 広島県の自治体の活動についてお話を伺って、非常にすばらしいなという感想を持ちました。特に高校3年生に限定して行ったという点は社会に出る直前に実感するという意味で非常に重要だと思いました。
 18ゲージの針のことが先ほどから話題に上がっていますが、確かに、献血しない理由を聞いてみると、針が太いとか、怖いとか、そういうことを言っている方が若い方で結構多いのですが、実際に18ゲージのキャンペーンの話をして、ポスターを作りながら、特に高校生の方が、この18ゲージの針について、どのように思ったかとか、どのように話していたかという、現場での高校生の反応が分かれば教えていただけますか。
○岡田参考人 ありがとうございます。先ほども少し触れましたが、実際に献血をしてみると、意外と大丈夫だったというような感想が多いのではないかと思っております。ですので、「18G」というのはなじみにくい表現ではないかと思うのですが、それって何だろうという興味を持っていただけるのではないかという意図も入れながら、こういうものを作ってみまして、実際に献血していただいた高校生には、意外と大丈夫だなという感想を持っていただけているのではないかと思っております。
○石田委員 18ゲージという話を聞いて、恐怖に感じたり、かえってマイナスのイメージを持つ方も多いのかなと思ったのですが、逆に興味を持ってくださる方が多かったという話を聞いて新しい発見でした。どうもありがとうございました。
 それから、イトーヨーカ堂の献血推進活動について、企業としてすばらしい活動だと感銘を受けました。献血を行う店舗も54から79に増えて、献血者数も1万3,950名から1万9,619名と約1.5倍に増えているということで、結果としても表れているところがすばらしいと感じました。
 お伺いしたいのは、具体的にどういうところが効果的だったのかということを知りたいというのが1点です。それから、従業員の献血なのか、あるいは来客者、お客様の献血なのか、どちらに対して効果的だったのかということ、その2点についてお答えいただければ有り難いです。
○小山参考人 イトーヨーカ堂の小山でございます。石田様、御質問ありがとうございます。最初の質問は、どのような効果があったのかということだろうかと思います。まず、この増えた背景として、コロナの状況があったということで、各地域の赤十字血液センター様と、地域の連携している、日々お話をしている店舗が、3月から立て続けに献血の協力をしたということがありまして、そこから、我々は全体感として大きな社会課題でということをお伝えして、79店舗に至ったわけなのです。コロナの中で、なかなかお客様が外出を避ける中で、お店がそれでも来ていただけるきっかけにもなっているとは思いますし、より一層、お客様に、社会貢献の場であるということを伝えることがこれを通じてできたのかなと、私どものサステナビリティの視点では、そのように感じております。
 献血される方が従業員かお客様かというところについてですが、当時は、品出しですとか、コロナの感染対策ですとか、営業の人間も大変な中でしたので、どちらかというと、従業員というよりもお客様のほうが、多数の協力をしていただいたと認識しております。この当時、ニュースでも血液が不足していることがかなり報道されていましたので、それならばということで、お客様もお買物ついでに献血に御協力していただいたというように把握しているところです。お答えになっておりますでしょうか。以上です。
○石田委員 特に社会に献血の機会を持ってもらうという活動が非常に効果的であったというふうに理解いたしました。どうもありがとうございました。
○佐々木座長 武田委員、お願いします。
○武田委員 今、広島県さんとイトーヨーカ堂さんから御報告いただきまして、ありがとうございました。私自身、患者として普段から血液製剤を使わせていただいて、こうした皆さんの取組のお陰で命が守られているということ、そうした立場からも御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。
 私からはイトーヨーカ堂さんに御質問させていただきたいと思います。石田委員からの御質問と被るところなのですが、企業の中で、社員の皆様に献血の意義を伝えるというか、そうしたところの啓発は何かされているのでしょうか。本当にすばらしい取組をしていただいているので、従業員の皆さんも、自分たちからこれを協力していこうということが出てくると、すごく有り難いと思っております。その辺りを聞かせていただければと思います。
○小山参考人 御質問ありがとうございます。従業員にお伝えする場というのが、先ほど最後に申し上げましたが、今回の賞を頂いたことは店長会議で御報告したのですが、地域の連携をする担当が、お店でいう管理統括マネジャーというもので、次長という立場の者になりますが、月に1回、SDGs会議というものを昨年から開催しております。SDGsを現場で推進してほしいということで、SDGsアンバサダー会議というものを開催しております。毎月毎月なので、いろいろな社会課題があるのですが、その中で献血の重要性ということのお話をして、先日は日本赤十字社さんにも御講義いただきました。全従業員に直接説明はできていないのですが、そこからお店の中で従業員に説明をして、拡大していくという流れを作りながら、従業員一人一人に献血活動の意義、お店で実施していることの意義を伝えるような努力はしているところです。
 ただ、先ほど申し上げたとおり、まだお客様の御協力というものがメインになっておりますので、従業員にも伝えながら、仕事の中で、献血ができる機会であったり、プライベートで献血をしてもらえるように、より推進していきたいと思っております。
○佐々木座長 田中委員、お願いいたします。
○田中委員 御説明ありがとうございました。広島県様、イトーヨーカ堂様、すばらしい活動をされているところと承知いたしました。
 まず、広島県さんにお伺いしたいのは、これからの課題として、生徒会について触れていただいた件です。生徒会との交流は、県の中でもいろいろな高校と、個別ではなくて、ネットワークの中で皆さんが議論をして、その上で、各校の高校生や中学生の中での情報共有がなされるような、仕組みとまではいかないのでしょうけれども、環境があるかどうかを確認させていただければと思いました。とてもよいきっかけになる企画なので、その兆しが大きくできるかどうかが全体の課題だと思っております。
 もう一点はイトーヨーカ堂さんにお伺いします。多様なお客様も参加されるとのことで、これまで献血に距離があった方も、イトーヨーカ堂さんを介してだったら協力してみようかなとか、自分も関わってみようかなと思ってくださる方が結構いるのだと思いました。ポスターなどで呼び掛けをしていただいていますし、SNSでも発信してくださっているので、そこに響くメッセージや、これまでの中で手応えがあった発信の仕方というものが、もし気付きとしてありましたら、教えていただきたいと思います。
 また、社員の皆様は本当に幅広く適応されていると伺いました。私の周りでも世代間で献血に対する認識は少し違いまして、私の年代ですと、献血は高校時代からも接点があり、続けているという人もいれば、若い世代はまた全然違う感覚で入ってきている人もいます。先ほどSDGsの内部の会議もあるということでしたので、世代間のギャップの中でのお互いへの刺激とか、新しい発見なども、トピックスとしてあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○岡田参考人 広島県の岡田です。生徒会交流の取組ということなのですが、具体的な案があるわけではございません。ただ、そういったボランティア、中学校でもボランティア活動が推進されていたりということがあると思いますので、その中の1つとして、献血を取り入れていただくことができないか、また、献血支援ボランティアということで、学生でされている方もいらっしゃいますので、そういった活動を学校と学校外の活動としてつなげる取組ができないか、そういったことを関係者の方に御相談して、何か展開できないかなと考えているところです。
 そういう横のつながりができると、何か生まれるものがあるのではないかと期待しているところでございまして、まだいろいろな方に御相談しなければいけないと思っております。是非アドバイスいただければと思います。
○田中委員 そういう土台ができると、18ゲージへのつながりや、アウトプットにもつながってくると思いました。また、ほかの事例も鑑みて、意見させていただきます。ありがとうございます。
○小山参考人 最初の御質問の、ポスターやSNS等で発信しているという部分ですが、まだ、気付きという部分、何月何日に献血車が来るということを、分かりやすい場所で発信しているというところで、工夫というところまでは掴みきれていない状況です。ただ、先日の日本赤十字者様との対話の中でも、献血を1度すると、何日置いて、また献血ができる日が来るというように定期的にスケジュールをお伝えしておけば、献血したい人がしやすくなるのではないかというふうなアドバイスも頂きましたので、そういった工夫等は、お店と共有しながら進めてまいりたいと考えております。
 ただ、実際に定期的に実施しているお店もあります。そういった部分のよい事例を横に広げるということが、先ほど申し上げた会議の役割ですので、そういったことも推進してまいりたいと思います。
 もう1つ、世代間の格差というところですが、本日はイトーヨーカ堂は3人で参加しておりまして、来るときに話をしていましたけれども、20代の者も献血はしているということでした。ただ、いろいろと格差があるというのはおっしゃったとおりだと思いますので、我々が直接話しているのは、管理統括マネジャーなので、40代、50代の方々なのですが、お店の中でどういったコミュニケーションで反応があったかということも、我々で情報をキャッチしながら、それが変わっていくというところに可能性とかインパクトがあると思いますし、そういったことも含めて、今後推進して、そうすると若年層へのリーチの仕方も変わってくる、アイデアが出てくるかもしれませんので、そういったこともこれから検討してまいりたいと、田中様からお話を頂いて思いました。ありがとうございました。
○田中委員 ありがとうございます。本当に貴重な内容を具体的に御紹介いただき感謝申し上げます。
○佐々木座長 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。お二方から貴重なお話を頂きましてありがとうございました。
 まず、岡田様にお伺いしますが、若年層について、広島でも令和元年は5.1%でしたけれども、その後は、3.6、3.9、4.2と、10代の割合が少しずつ増えてきて、これは人口減少があるにもかかわらず、ある程度パーセンテージが増えているということで、この高校生を中心にした若い人たちへのアプローチ、令和元年から始められているということなのですが、私は常に結果と検証ということを医師として大切に思っているわけでして、僅かですけれども、増えてきた10代は非常に大切なことで、4.2まで上がってきたというところは、それが増えてきたのはなぜ増えてきたのか、その人たちへのアンケートとかヒアリングというのはあったのでしょうか。県としてそういうことがあれば、実証という形で一番よろしいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。
○岡田参考人 御質問ありがとうございます。先生に御指摘いただいた検証というところは私どもも重要だと思っているのですが、弱いところがございます。伸びてきたのがキャンペーンによるものなのか、若しくは血液センターが取り組まれている学校献血とか献血セミナーといった結果であるのかというのは、はっきりと確認はできていない状況です。
 ただ、キャンペーンの効果というのは、これからしっかり見ていかないといけないと思っております。参加していただいた高校生の方の感想などを反映させて、次のキャンペーンにつなげていきたいと考えています。
○宮川委員 そういう意味では、増えてきた人たちにヒアリングをして、どこからそれを仕入れてきたか、どこから入ってきた情報なのか、何が有効だったのかということを聞くことが、これからただ実施するだけではなくて、結果につなげることになるのではないかと思います。そこは若年者のところだけで結構ですから、アプローチをしていただければ、その検証というものが非常に重要かなと思った次第です。よろしくお願いします。
 イトーヨーカ堂の小山さんにお聞きしたいのは、令和元年から令和2年は1万3,950名から1万9,619名まで増加したということなのですが、増加したことについて、年齢別のような統計は取られているのでしょうか。どこが増えているのでしょうか。
○小山参考人 御質問ありがとうございます。年齢別までは統計が取れておりません。ただ、400mLの献血が非常に多かったというフィードバックは受けております。私どものお客様は40代のファミリー層が中心ですので、恐らくそういった方々、それから店舗数も拡大したので、全体的に増えているのだと思います。今ずっと話題になっている若年層の献血の機会の提供だったり啓発ということがすごく重要だと思いましたので、そういうところも見てまいりたいと思いました。
○宮川委員 そういう意味で、「だろう」というのは「だろう」なので、私などは医師として実証というのはすごく重要だと思っています。性別、年齢別というのが分かると、逆にお店として、どういうところにアプローチしていくのか、そういうものが分かってくるので、貴重な資料になるのではないかと思うのです。そういうことも、次につなげるのが筋ではないかと思ったので、是非そういうことを行っていただければと思います。
 それから、先ほどほかの委員の方からお話があったのですが、店舗のスタッフの方々、例えば店長会議を開かれる、管理統括マネジャーが会議をされるわけですが、その中に何人献血した方がいらっしゃるのか。社長さんが一番最初に社是とともに出ていたのですが、社長自らが行っていると、それはすばらしいと思うのですが、例えばそのように、そういう方が行っていて、そういうものを体験した人なのだということがバッチか何かであって、それでお客様と一緒に話すということになれば、これはもっとすごい、イトーヨーカ堂はすごいなという、そういう宣伝にもなるわけです。そういうところで健康をしっかりとサポートしているのだということが明らかに分かるような仕組みとともに、店内でそういうモチベーションを上げていくこともされていくと良いと思います。また、これは話は別なのですが、どのくらいの割合で店内の方が行っていらっしゃるのか、従業員の方が行っていらっしゃるのかというのは非常に重要なことなのです。献血で一番問題なのは、外で働かれている営業の方と工場とは違うということなのですよね。私は歯科医院の健診も担当していたことが一時期あったのですが、歯科の先生と話をすると、歯科健診は企業の中でも営業部門で勤務している方では全然できないそうなのです。工場に勤務している方だと、意外と歯科検診ができて、非常に健康管理もしやすいというようなこともあったので、果たしてどういうような形になるのか、そういうことも全部データ化されると非常に面白い試みになるのではないかと思うので、また分かりましたらお教えいただければと思います。よろしくお願いします。
○強矢参考人 ありがとうございます。先ほどの献血の男女別とか年代別のお話ですが、現在、日本赤十字様のほうから、定期的にお店別の献血の人数の報告は頂いておりますので、私たちは直接受付をしていないため個人情報の問題もあると思いますので、そこへの介入は難しいと思いますが、今後は可能であれば、日本赤十字社様のほうと調整の上、そういったデータを頂けるのであれば、我々もそれを分析した中で、マーケットの情報と合わせていきながら、どういった啓発がいいのかということはできるのではないかと思っています。
 また、店舗スタッフというところに関しては、現在、日本赤十字社様と調整させていただいて、イトーヨーカ堂の番号を設けて、従業員にはその番号を基に献血に行ってもらうという形で、献血の人数が把握できればということで、打合せをさせていただいております。従業員にもしっかりと啓発をしていきながら、どういった従業員が受けているかというところも整理をしていきたいと思います。
 それから、バッチなどの関係になりますと、いろいろな社会貢献活動で、こういうバッチを付けてほしいとか、私はこうですというのをたくさん頂くのですが、そうすると、体中にバッチがいっぱいになってしまうということもありますので、例えば7月の期間に合わせて、そういうものをするとか、その辺は各団体様と調整させていただきながら、また、衛生面などに問題はないか、異物混入にならないか、このような整理もしっかりとさせていただきながら対応していきたいと思っております。御意見を参考にさせていただきながら、この後の現場の組立てに生かしていきたいと思っています。ありがとうございました。
○佐々木座長 従業員の方のプライバシーのこともあると思うので、その辺のところをお考えいただいて、是非御協力をお願いできればと思います。
 今日はどうもありがとうございました。広島県様、イトーヨーカ堂様、資料の作成、御発言、御尽力いただきまして、ありがとうございました。引き続き、献血推進に御協力をお願いできればと思います。
 それでは、議題3「その他」です。事務局から何かございますでしょうか。
○仲島血液対策課長補佐 それでは、議題3、資料3の令和5年度上半期モニタリング結果について、説明させていただきます。
 1ページは、原料血漿の確保状況と採血状況となっております。令和5年度の献血確保目標量は、令和4年度と比して少なく設定されております。赤血球製剤と血小板製剤は昨年より若干増で、減った部分は血漿のほうで調節するということを、昨年御確認いただいているかと思いますが、その状況のとおり、上半期としてはPPP採血、要は血漿のほうが減っているという状況の確認が取れています。
 2ページが供給状況です。若干減少している所もあるのですが、数パーセント以内で、誤差の範囲であろうというところで、順調に供給されているということでした。
 続いて、3ページ目の4.令和5年度上半期実献血者におけるラブラッド会員の割合です。ラブラッド会員は順調に伸びていることが確認できるのではないかということです。
 先ほどの広島県の取組の中で若年層、中学校の生徒会交流等を通じ献血活動を展開できないかというお話があったかと思います。参考資料のほうになるのですが、令和6年度の予算概算要求の主要事項の中に、厚生労働省の献血の取組が1つ入っております。学校の生徒会活動を通じて、いわば同世代間の声掛けが非常に有効であろうという御意見もありましたので、今後、厚生労働省としてもそこを考えながら進めていきたいというところがありましたので、報告させていただきたいと思います。
 もう1つ、前回の献血推進調査会で説明をさせていただいた「献血推進に係る新たな中期目標「献血推進2025」」の目標値の見直しに関する件です。まず、新型コロナウイルス感染症の及ぼす影響が見通せなかったということから、「中間年である令和5年度を目途に、達成目標の実績値を確認し、必要に応じて見直すものとする。」とされました。本年の第1回献血推進調査会で、策定時にシミュレーションを行っていただいた日本赤十字社と厚生労働科学研究で再度確認をしていただき、今後の調査会で見直しの必要性に関して御議論いただくということを案内していたかと思います。献血に関しては、基本方針や献血推進計画本文もあることから、「献血推進2025」の目標年度を令和10年度(2028年度)まで延長し、役割分担も含めて検討し、次の中期目標で法律、基本方針、計画・目標が一連のものとなるよう整理したいと考えています。当初の目標値の妥当性や2028年まで延長した場合の目標値については、厚生労働科学研究で検証に当たっていただいておりますので、来年度の第1回献血推進調査会において御審議いただくことを考えております。前回の調査会で、2月、3月に臨時でということをお話させていただいたのですが、先のほうまで見通して、来年度の第1回、7月頃に予定している調査会で御議論いただけたらということで、その旨、御報告させていただきたいと思っております。以上です。
○佐々木座長 ただいまの説明について、御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
○喜多村委員 大阪市の喜多村です。資料3の3ページは説明いただいたのですか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。ラブラッド会員の割合ということで、資料3の3ページは御説明させていただいております。
○喜多村委員 それに関して質問をさせていただきます。非会員の割合がどんどん減っていくことが望ましいわけですが、月別の実績でいくと、非会員の割合が25.7%から始まって、9月が24.0%ですよね。でも、上半期を累計すると30.1%になるという、このからくりは何でしょうか。間違ったことを言っていたらすみません。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 日本赤十字社の中村です。私のほうから補足させていただければと思います。4番のタイトルの下に※で、「実献血者数については、各期間内(上半期・月)における実献血者数を抽出している為、累計値と単月値は一致しない」ということで記載しておりますが、実献血者数の考え方として、単月の実献血者数を引いているのが月別になります。上は上半期、4月から9月分までの実献血者数を引いているものになります。
○喜多村委員 分かりません。違うものを見ているはずはないですよね。30%を超えた値はどこにもないのに、累積するとなぜ30%を超えるのかという質問です。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 御質問ありがとうございます。日本赤十字社の早坂と申します。例えば、私が令和5年の4月に献血したとすると、私の実献血者数として4月にカウントされます。そして、8月にまた献血したとすると、8月にも私の実人数分が計上されます。この期間にもう1回、3回献血したとしますと、今度は4月から9月の集計を行うとその中でカウントされますので、毎月のカウントと累計のカウントで差異が生じるということです。御理解いただけましたか。
○喜多村委員 そうすると、むしろ累計のほうが減るのですね。
○佐々木座長 多分、非会員のほうが繰り返し献血している人が多いということですよね。これは延べ数ではなくて、実数だと思うのです。
○喜多村委員 分かりました。会員の方が繰り返ししていると。
○佐々木座長 いや、むしろ非会員のほうが繰り返しして、数が多いということになります。
○喜多村委員 ごめんなさい。非会員の繰り返しが多いのですか。30%を超えているのは非会員ですよね。会員と非会員のカウントが重複してくるということですかね。実献血者数であるのは間違いなくて、延べ人数で取っていくので月単位の実績と累計が違うと。では、累計のときはどのようにカウントしているのですか。累計の献血者数はどのように取っているのですか。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 早坂です。累計の場合は、私が4月から9月に3回やったとしても、1とカウントされます。
○喜多村委員 そうですか。私は、実献血者数というのは延べだと思っていたのです。年間に3回やった場合は1人と数えているのですか。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 「実」なので、年間に複数回している場合は1とカウントされます。
○喜多村委員 分かりました。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 検証しているわけではないのですが、期間に非会員の方が多いというのは、会員には時期を見て依頼要請をしていますので、若干血液が過剰な時期には依頼を少し減らすようなこともしています。この期間、そういう作用もあるのかという気はしております。
○喜多村委員 では、もう1回確認します。累計の場合の実献血者数というのは、延べではないということですね。
○日本赤十字社血液事業本部早坂次長 はい、そのとおりです。
○佐々木座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。報告のあったモニタリング項目については、献血推進の観点から、引き続き調査会に報告いただきたいと思います。また、献血推進に関わる新たな中期目標「献血推進2025」の見直しの必要性について、事務局においては次回の調査会で報告できるよう、準備をお願いしたいと思います。
 それから、日本赤十字社に1つお聞きします。第1回調査会で議論した同意の説明のチェックをどのようになさったかということを御報告いただければと思います。よろしくお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 日本赤十字社の中村です。前回、血漿分画製剤の海外輸出に係る同意取得が議題とされておりました。その際に、その同意取得の場合に、システムの確認画面において、献血後の副作用の実態や個人情報の取扱い、血液検査の実施、血液の研究利用といった各項目それぞれにチェックボックスを設け、個別に確認できる仕様にしたほうがいいのではないかという御質問がありました。こちらについては、最終的に日本赤十字社に御一任いただいたというところでしたが、結論としては、提案させていただいた原案のとおり取り進めているところです。
 その理由としては、献血会場で同意の確認をすることについては、まず同意説明書等の書類を先にお読みいただきます。これで御理解いただいた上で、システムの問診・回答に移っていただくという形で進めております。そして、その書面での確認の段階で同意いただけない方については、システムの受付をせずにお帰りいただく、御辞退いただくという運用となっております。実際のシステムの確認や同意選択においては、基本的に同意を選択される方が回ってくることが前提であるということから、あえて確認項目をそれぞれに設けてチェックを頂くという運用にはせずに、原案のまま取り進めているところです。
○佐々木座長 ありがとうございました。委員の先生方はよろしいでしょうか。
○宮川委員 宮川です。そうすると、マニュアル化された紙と、打ち込むというか、デジタル化したものとで、デジタルに入ってきてしまったものは、全部同意したものとして認めるのですか。そういうことでしょう。入口で全部弾いてしまうということですよね。そうすると入った人は、全てのことに同意したということでよろしいのですか。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 書面の段階で御辞退いただくという運用ではありますけれども、もう一度再確認という形で、同意しましたかという御意向を確認するために聞いているということです。
○宮川委員 だから、それはなければいけないでしょうね。書面は書面であって、その書面同意は必ずデジタル化されたところにも、同意の下に進みますというところで実施されるということで承知していいのですね。
○佐々木座長 林委員、お願いします。
○林委員 全国学生献血推進実行委員会の林です。献血ルームに行く前に、今はアプリでも事前問診ができますね。御説明いただいた今の流れだと、アプリで事前問診をされる方だと、ルームに入ってしまう前に家で問診をするから、多分新しくなった書類を見てないと思います。それは自分で御覧いただいて確認してくださいということになってしまっていると思うので、多分、流し見で確認してしまうから、せっかく新しい項目を作るから、「同意します」というボックスを用意しようという話だったのが、家でされてしまう人は確認しなくなると思うので、もったいないのではないかというのがあります。
○佐々木座長 アプリのほうに反映されていないということですか。
○林委員 アプリからだと自分で見るしかないから、先ほど宮川先生がおっしゃっていたような、見ていない人を選別する、事前に全員が完全に同意を得ているという状況にはできないのではないかと思います。ですから、もしかしたらアプリ問診をこのタイミングはやめて、事前問診、最初に紙を配った人からしか、次のアプリ問診はできませんというような期間が半年ぐらい必要になるのではないかと思います。それについてはいかがでしょうかという御質問です。
○日本赤十字社血液事業本部中村献血推進課長 実際にはアプリのほうにも、PDFで同意説明書は貼り付いております。実はアプリのほうは、もう少し細かく確認できるような仕様になっております。実態として、ラブラッドのアプリと血液事業情報システムの仕様は少し別な部分があり、ラブラッドのほうがもう少し細かく確認いただくことになっておりますので、そこは一応ケアできるのではないかというところはあります。ただ、やはり事前問診なので、ほかの部分も含めて少し現場で確認していただくものと事前に確認していただくものと、確認度合いの濃淡はあるのかなということで、そこは課題として引き続きまた検討していきたいと考えております。
○宮川委員 林委員が言ったのは、これは本当に善意だから、そういうことに関して十分に分かりやすい事前の説明がない限り、逆に裏切られたとか、私たちはそういうつもりではなかったのに、そういうものに勝手に利用されているんだということが出てくると、齟齬が生じて、もったいないのではないかと思ったのです。林委員が言ったのはそのことなのです。若い人たちが本当にこれをきちんと運用していただきたいと思っているのに、国というのはそのようにいい加減にするんだ、私たちの善意をそうやって踏みにじるようなことをするんだという意識になってしまうのが怖いということなのです。そこは十分に理解していただかないと。
 林委員が言ったことは、すごく大事なことなのです。私は医療者のほうですから、ついそういうようになってしまうけれども、よろしいではないですか、協力してくださいということではないのです。ですから、そこだけはしっかりと踏まえて、そういう声をしっかりと受け止めて運用していただくということで、慎重に実施していただくことが重要かと思います。齟齬は絶対にいけません。そこだけはしっかりと踏まえていただきたいと思います。
○佐々木座長 では、あとはよろしくお願いいたします。事務局のほうからほかにありましたらお願いします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。次回の調査会は令和6年度の開催となります。例年ですと当調査会は年2回、7月と10月に開催しております。緊急に御議論いただく案件が生じましたら、別途開催のお願いをすることといたします。詳細な日程は、委員の御予定を確認後、決まり次第御案内したいと思います。
 本日をもちまして、全国学生献血推進実行委員会全国委員長の林委員が退任されます。林委員より一言、御挨拶を頂ければと思います。
○林委員 ただいま御紹介いただきました全国学生献血推進実行委員会、令和5年度委員長の林です。2回の会議でしたが、大変貴重な会議に参加させていただき誠にありがとうございました。本日、参考人で来ていただいたイトーヨーカ堂の方や広島県の方からの意見もすごく参考になって、勉強になるところが多かったですが、こういう所でも大学生の献血ボランティアについての意見が余り出てこなかったのが、こちらとしては少し残念というか、もう少し活動を頑張らなければいけないところだと思いました。それこそ、広島県だったら大学生の学生ボランティアは結構人数もいて、生徒会などとの交流も広島の学生献血の子に依頼してもらえれば、「喜んで」と言ってくれる可能性もあるので、もし、よろしければ全国学生献血推進実行委員会を巻き込んで進めていただけると嬉しく思います。最後の資料の事業の概要の所で、学生ボランティアと連携したいと記載していただけたのがとても嬉しかったので、来年度以降も是非、頑張っていきたいと思います。今年度、ありがとうございました。
○佐々木座長 林委員、どうもありがとうございました。献血推進活動に取り組んでいらっしゃる学生側から、本当に貴重な御意見を頂きました。そのほかに委員の皆様から何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。では、本日の議題は以上です。これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。