中央社会保険医療協議会薬価算定組織 資料令和4年度第5回、第6回

日時

第5回:令和4年10月18日(火)
第6回:令和4年10月25日(火)

場所

オンライン開催

出席者

<委員>
第5回
前田愼委員長、小方賴昌委員、弦間昭彦委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、深山治久委員、
眞野成康委員
池上博泰専門委員、石原寿光専門委員、遠藤明史専門委員、桂秀樹専門委員、河原昌美専門委員、神田善伸専門委員、
黒田達夫専門委員、古田淳一専門委員、堀裕一専門委員、三澤園子専門委員、樅山幸彦専門委員、山田清文専門委員、
山田恭輔専門委員

第6回
前田愼委員長、小方賴昌委員、幸原伸夫委員、齋藤信也委員、下井辰徳委員、田﨑嘉一委員、眞野成康委員
三澤園子専門委員
         
<事務局>
安川薬剤管理官 他

議題

新薬の薬価改定について

 

議事

 
フィンテプラ内用液2.2mg/mL
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 フィンテプラ内溶液2.2mg/mLです。特に意見を伺う委員としては、幸原先生、遠藤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事務局案で私も妥当だと思います。もともと申請者と事務局の見解で最類似薬は一緒ですし、それから、有用性加算のほうで重複があるということで、まさにそうだと思いますので、これについては問題ないと思います。
 小児加算については、市場性加算(Ⅰ)の適用となる場合は、適用にならないルールですから仕方ないと思います。
 また、外国での価格差がすごく大きいですので、当然ルールに従った外国平均価格調整を適用ということで、全体としては特別問題ない薬価ではないかなと考えています。
 以上です。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私も全体として事務局案でいいかと思いました。
 薬価合わせも事務局案のほうが妥当ですし、初年度で換算する必要はないと思いました。
 補正加算も、ルールに従っていきますと、小児加算は市場性加算(Ⅰ)が対象のときは加算できないとなっていますので、そのとおりと思いました。
 外国の薬価に合わせるところも記載のとおりで、申請者と食い違うのが③-a、③-dを申請者は両方該当すると言っているところが、事務局案は③-dだけとしております。これは私も整理させていただきたいのですが、③-dは併用により臨床上有用な効果の増強が示されるで、これは確かに示されているのですが、③-aは既存の治療法で効果が不十分な患者群、あるいは安全性等の理由で既存の治療方法が使用できない患者群において効果が認められるだと思います。例えばスチリペントールが副作用とかで併用できないような患者さんなどがいればaも満たすのかなと思ったのですが、③-a、③-dというのは基本的にそういったものを想定していなくて、どちらかだけをポイントとして入れるといった加算の方式として設定されているのでしょうか。加算方式のルールを確認させていただければと思います。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 御指摘のとおり、③-aと③-dで記載されている要件というのは違うところではございます。ですので、品目によっては③-aと③-dの両方を加算して算定するということはあり得ると考えています。
 本剤につきましては、③-aの主張している内容と③-dで主張している内容は、重複した内容で加算を主張していると考えておりますので、同じ理由で2つの加算をつけるというのはせず、どちらか一方というのが基本的な事務局の考え方でございます。
 臨床試験においてスチリペントールの効能・効果を上乗せする、しないというものも含めてですけれども、けいれん発作の回数を有意に減らしているというところが主な論拠となっているかと思いますので、③-dで既に評価をしていると考えまして、今回は③-aは重複してはつけないという判断をさせていただいたところでございます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、よろしいでしょうか。
○委員
 そうしますと、例えば論拠が全く違うような場合などは③-aも③-dもポイントがつけられることもあるということですか。
○事務局
 おっしゃるとおりかと思います。
○委員
 分かりました。
 そうしましたら、事務局で妥当だと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他の委員の先生方から御意見があれば、御発言をお願いいたします。
 特に加算等も何か意見もなさそうですので、よろしいでしょうか。
 事務局、特に何かございますか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リバゼブ配合錠LD、リバゼブ配合錠HD
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 リバゼブ配合錠LD、リバゼブ配合錠HDです。特に意見を伺う委員として諸井先生、樅山先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 ほかのスタチンとエゼチミブの併用薬も結構売られていると思いますけれども、これも市販されるとかなり使用されるのではないかなと思いますが、申請者案、事務局案のとおりで特に問題ないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から御意見があればお願いいたします。
 こちらは論点もないかなという気はしますけれども、事務局、いかがでしょうか。特にないでしょうか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特に意見がなければ、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ソーティクツ錠6mg
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 ソーティクツ錠6mg、特に意見を伺う委員として田﨑先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 最類似薬の選定においてですけれども、説明のとおり、これは薬理作用も一定の類似性があるだろうと考えられます。
 それと、化学構造からいうと、抗体製剤と低分子ではかなり違うのではないかと。低分子の中でウパダシチニブとアプレミラストは非常に類似性が認められると思いますので、そういった観点から言っても、最類似薬として事務局案のアプレミラストを選ぶのはよろしいかなと思います。
 それを選んだ前提で補正加算、有用性加算がついておりますけれども、それについても、高い有効性、安全性が見られているロが1a、2aとついていますし、新規の作用機序であることもついていますので、こちらでよろしいと考えました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事務局案に特段の異議はございません。最類似薬がオテズラということは、実際の臨床に比しても非常に感覚的にも納得しますし、より有効ではないかということについては有用性加算で適切に評価されていると思いますので、最類似薬を注射のバイオ製剤にするよりはオテズラで妥当ではないかと思いました。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 臨床試験でかなりアプレミラストに対する優越性が示されているということですけれども、□□先生、ステラーラと比較すると、いかがでしょうか。
○委員
 恐らくステラーラと同等以上の有効性が期待できるのかなと思います。ステラーラは乾癬の治療薬のバイオの中では非常に早い世代なもので、今はほとんど使われていないのです。もっと有効性がよいバイオ医薬品がございますので、そちらのほうが使われています。
 アプレミラストも注射ではない点や、スクリーニング検査が要らないという点ではよいのですけれども、効かない例が2~3割ぐらいはあるとか、頭痛や下痢などがあって服用できない患者がいるということがありますので、臨床の観点からすると、バイオ医薬品のままで治療を継続する患者が減るといった意味でも、オテズラが不応例な人でも使えるとか、リスクが少ないとか、臨床的な位置づけは非常に有用性が期待できるものではないかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特に御異議もないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
リンヴォック錠45mg
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 リンヴォック錠45mg、特に意見を伺う委員として小方先生、弦間先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 最類似薬リンヴォック錠による規格間調整による算定ということで、事務局案が妥当だと思いますので、よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私も特に論点はないかと思っております。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
 特に論点もないということですので、よろしいでしょうか。
 事務局から何かありますか。特にありませんか。
○事務局
 ございません。
○薬価算定組織委員長
 よろしいでしょうか。
 それでは、意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
エザルミア錠50mg、エザルミア錠100mg
日時:令和4年10月18日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 エザルミア錠50mg、同100mg、特に意見を伺う委員として下井先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見を含め、簡単に説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 基本的には事務局案に賛同させていただいておりまして、タズベリク錠とかなり似た作用機序ということはあるわけですけれども、一方で、タズベリク錠と特に比較されたわけではない中でEZH1の阻害作用もEZH2に加えて持っているというところで、作用機序が若干異なるところも評価するのかどうかという論点が増えてくるかと思います。その中では、疾患としてはATLも該当していて、さらに、以前のタズベリクの算定の際にも参照していたゾリンザというようなところから、作用機序が異なるというところでの加算のつけ方を考えていくと、結局は恐らく同じようなお薬の考え方にはなるので、整合性も取れていてより合っているかなと考えまして、事務局案に賛同しております。
 また、それ以外の有用性加算に関しては、いろいろ記載させていただきましたけれども、企業の説明ではあくまで新たな治療方法の一つが加わったという点から、なかなか加算はつけられないかなと考えました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 有用性加算については、既存治療との比較データがありませんので、私もやはり事務局案が妥当だと思います。
 最類似薬については非常に難しいなと思いました。申請者の案も妥当ですし、事務局案も妥当で、結局どちらをとっても、疾患によっての薬価の違いが出てきたり、いろいろな矛盾点が生じてくることはやむを得ないと思います。ただ、今回の場合、幸いといいますか、両者に大きな金額的な差がなかったというところで、どちらも受け入れやすいという状況と、事務局からいただいた説明は、納得できるものでしたので、最終的に事務局案に賛同いたしました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、企業からの意見の聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初にエザルミア錠についての御意見を5分以内で御説明をお願いいたします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答願います。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
 第一三共の□□でございます。本日はお時間をいただきましてありがとうございます。
 エザルミア錠の特徴につきまして、□□□□□□□□□□□□□□□□の□□先生より御説明をいただきます。
 □□先生、よろしくお願いいたします。
○申請者(専門家)
 よろしくお願いします。□□□□□の□□でございます。
 私から、エザルミア錠の開発経緯、特性等について御説明をさせていただきます。
 次のスライドをお願いいたします。
 まず、対象疾患のATLでございます。ATLはHTLV-1感染者の5%が発症する難治で致死的な血液悪性腫瘍であります。HTLV-1感染者は、先進国の中では特に日本に特異的に多いという特徴がございます。本邦では約100万人程度の感染者がいると考えられております。
 次のスライドをお願いします。
 それを踏まえて、厚生労働省では2010年12月からHTLV-1総合対策を推進し、HTLV-1対策推進協議会を開催し続けております。
 その中で、重点施策として、3ポツでございます。医療体制の整備、ATL及びHAMの治療法の開発・研究の推進という形で重点施策として挙げられてございます。
 次のスライドをお願いいたします。
 その中で、私どもはATL細胞の特性としてのエピゲノムの異常、EZH1/2二重阻害の効果を解明するとともに、臨床開発のほうに進めてまいりました。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらのほうに各種EZH阻害剤の阻害活性等を一覧にしてございます。ATLは、正常なT細胞と同じように、EZH1が高発現を示した状態のままEZH2が高発現になってくるという特性を示しております。そのため、EZH2単独阻害では十分な殺細胞効果を上げられません。EZH1が代替するからです。
 そのため、右の図でございますけれども、EZH1/2を同時に阻害することによって強力な殺細胞効果を示すことができます。EZH2単独阻害に対してEZH1を同時に阻害するということが本薬剤の極めて高い新規性を示すものであります。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらはエザルミア錠の臨床試験、第Ⅱ相試験の成績を、最近複数上市されてございますが、ほかのATLの分子標的薬と比較して並べたものでございます。本剤はORR、MSTいずれにおいても、これまでの先行する薬剤に勝るとも劣らない、非常に高い有効性を示してございます。特筆すべきは、現時点で再発・難治のATLに対してみなし標準薬とも言うべきモガムリズマブの前治療歴を有している患者さんを対象とした試験であるということです。その結果、本剤が臨床に導入されたときには極めて高いインパクトをATLの診療にもたらすだろうということが期待されます。
 次のスライドをお願いいたします。
 本剤は平成31年4月、再発・難治のPTCLを対象として先駆け審査指定を受けてございます。ただ、先ほど申し上げましたように、ATLという疾患は先進国の中で我が国が唯一、非常に多数の患者さんが存在する。その中で、我が国の患者さんにできるだけ早くこの薬剤を届けたいということで、ATLに対する開発の方法を先行して進めていったという経緯があることを最後に申し添えさせていただきまして、簡単ではございますが、私からの御説明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 企業の方はよろしいですか。
○申請者
 はい。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から何か御質問があればお願いいたします。
 □□委員、いかがでしょうか。
○委員
 ありがとうございます。
 質問をさせていただきたいと思います。本剤の臨床上の位置づけになるのですけれども、再発・難治のATLの患者さんに対して、ほかの既存の薬剤と使い分けはどのようになされますでしょうか。
○申請者(専門家)
 私から答えさせていただきます。
 再発・難治ということで、先ほど申しましたようにみなし標準になるのはモガムリズマブだと思いますが、その後のほかの分子標的薬と比べてエザルミア錠は非常に有効である、かつモガムリズマブ耐性の状態でこれだけの成績を上げているということを考えると、現時点では発売当初はモガムリズマブがみなし標準というのは恐らく変わらないと思うのですけれども、その次に来るお薬としてこの薬が使われるのではないかと予測されます。
 また、実際にATLの治療に当たっている専門医を対象として、もし本薬剤が使われるとするならばということで、各種の分子標的の中でどのような位置づけになるかということを予備調査したことがございますけれども、モガムリズマブの次に来るお薬がこのエザルミアになるだろうという回答をほぼ全員がしておりますので、スタートラインではそういった位置づけになるだろうということが予測されます。
○委員
 もう一点お伺いしたいのは、今後の適応拡大に関してなのですけれども、PTCLに関してはもともと先駆け審査指定の製品ということで、恐らく臨床試験の結果から適応拡大を目指していくのかと思うのですが、今、フェーズⅢとかでリフラクトリーのB-cellリンフォーマとかも試験がなされているかと思うのですが、適応拡大の方向性というのはいかがでいらっしゃいますでしょうか。
○申請者
 第一三共の□□□□□より御回答させていただきます。
 今お話しいただいたように、弊社としてはPTCLを次の適応症として開発計画を策定しており、厚労省のほうにも御報告しているところでございます。
 一方、B細胞リンパ腫を適応とした開発計画につきましては、フランスのAcademic Research OrganizationでありますLYSAと共同研究を進めております。ただ、この試験は現在フェーズⅡとして実施しておりまして、プレリミナリーなデータも出ていない状況でございますので、本試験の結果如何によって今後の開発を検討するという段階でございます。
 したがいまして、PTCLの開発計画につきましては御報告のとおりでございますし、B細胞リンパ腫に関しましても現在進行中の試験結果を基にして判断していくということになろうかと思います。
○委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私からは特に追加の質問はありません。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、いかがですか。特にありませんか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 先ほどのEZH1、2単独よりも両方押さえたほうがというデータは、in vitroのATL細胞に対する細胞障害性のデータだったかと思うのですけれども、実際に生体内またはマウスでもいいのですけれども、in vivoでも同じように両方押さえたほうがいいというデータは、前臨床試験でも行われているのでしょうか。
○申請者
 第一三共□□□□□□□□□□□□□□□□□□□でございます。
 本剤のin vivoにおけるATL細胞に対する薬効は評価してございますが、残念ながらEZH2阻害剤と比較試験は行っておりませんので、EZH2とEZH1/2阻害がin vivoでどうなってくるかというデータに関しては持っていないというのが実情でございます。
○薬価算定組織委員長
 有効性は期待はできるということですね。
○申請者
 本剤がATLの皮下移植腫瘍に対して有効であることは確認してございます。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ありがとうございました。これで企業意見の聴取を終了いたします。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、改めて御意見をよろしいでしょうか。
 □□委員、いかがでしょうか。
○委員
 本剤の位置づけに関しても、□□先生から教えていただきましたけれども、やはりアンケート調査上は医師の期待が高いというところにとどまっていまして、特にほかのRCTがあるわけではないですが、OSを延ばしたとかほかの薬と比べて標準治療と確定できるだけの何かというようなデータではございませんので、企業の主張しておられた追加の有用性加算というところには該当しないと考えられまして、現在の事務局案に賛同しております。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 今の主張は主に有用性加算の部分だったのだと思いますけれども、さほど多くない症例数かつ単群での有用性の差に基づいての主張でしたので、有用性加算をこれ以上上げるほどの新たな情報はなかったと感じました。
○薬価算定組織委員長
 これは、他のリンパ腫等の適応拡大なり、それがされたときの市場規模というのは相当大きいものなのでしょうか。
○委員
 ATLからPTCLにも広がった場合ですか。
○薬価算定組織委員長
 そうです。そのほか、B-cellリンフォーマには広がらないのですか。
○委員
 先ほどの開発の話だとPTCLまででしたか。
○委員
 まだフェーズⅡが途中なので、全然結果も出ていないし、まずはPTCLだけというお話でございました。
○薬価算定組織委員長
 そうすると、そんなに市場規模が広がるという感じではない。
○委員
 PTCLは海外よりは多いとはいえ、B-cellリンフォーマと比べると小さい市場だと思います。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特にありませんか。
○事務局
 ございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
コセルゴカプセル10mg、コセルゴカプセル25mg
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 コセルゴカプセル10mg、コセルゴカプセル25mg、特に意見を伺う委員として下井先生、黒田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 セルメチニブ自体はMEK1/2の阻害薬でありますし、既に保険適用されている抗がん剤ではありますけれども、MEK阻害薬ということで、メクトビもしくはメキニストのいずれかが類似薬として考えられるということもございますし、今回はメクトビのほうが構造上も類似しているというところからは、メクトビの事務局案に賛同しております。
 また、有用性加算等の御説明に関しても、今回、病状からは難治性の患者さんが手術不能になった場合に困っていらっしゃる方で、なかなか治療法がなかった中での有望なお薬ということでございますので、有用性加算及び小児加算といった御指摘に関しても賛同しているところでございます。
 コメントで書かせていただいたのは、レトロスペクティブデータではありますけれども、論文データとかで既にあるMEK阻害薬でありますとメキニストのほうが奏効の報告が多くあって、システマティックレビュー等もされるぐらい数多くのレトロ解析の結果が出ているものではありますけれども、だからといってメキニストのほうが類似薬ということもないかなということで、事務局に賛同という記載をさせていただいております。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、お願いいたします。
○委員
 私自身は小児外科医で、このNF1というのは小児慢性特定疾病とか、あるいは難病の指定を受けておりますので、私たちの守備範囲でもあるのですけれども、実際には外科といっても、これは切除すると非常に重篤な機能障害を残すことがあるので、なかなか切除ができないということで、こういう薬剤治療の有用性に関しては、申請者も事務局のほうも書いてあることは非常に妥当であると考えます。
 その後はただいまのコメントと同じになるのですけれども、結局、ビニメチニブやトラメチニブなど、悪性黒色腫などを対象とした、MEK1/2の阻害剤というのと、対象疾患の病態が悪性と良性の場合とで全然違うと言われればそうなのですけれども、特にビニメチニブなどは構造的な類似性もありますし、薬理作用からいうとMEK1/2の阻害ということで、やはりこれを類似薬として扱うことは妥当ではないかと考えます。
 これを類似薬として扱うということになりますと、そのほかの市場性加算などに関しても事務局案が妥当であると考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から何か御意見はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 事務局、何かございますか。
○事務局
 事務局からは特にございません。
○薬価算定組織委員長
 希少疾病で恐らく臨床試験等には費用がかなりかかっているのだろうなという気はするのですけれども、お薬としては以前のMEK阻害剤と基本的に変わらないということなので、そこは基本路線でよろしいかなと思いますし、加算もきちんとつけられていますので、特に問題ないかと思いますが、よろしいでしょうか。
 特にないようでしたら、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アムヴトラ皮下注25mgシリンジ
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 アムヴトラ皮下注25mgシリンジ、特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 これまで体重については、特に定めない場合は、小児は20kg、成人は50kgを用いて換算することで算定してきており、これを原則としてそのまま使うという解釈でいいのですよね。であれば、体重は50kgとして算定するのが当然だろうと思います。
 あと、恐らくこの薬剤の一番のメリットは投与間隔が長くなるということで、そのことに対する加算はきちんとつけられていますし、それから、製剤上の工夫ということに関しては、これも最低限患者のメリットとなる有用性が求められるということが基準とされているとしたら、これは患者ではなくて、医療者側のメリットということになりますから、確かにそれは該当しないということになりますので、市場性加算についてはこの解釈が正しいと思いますから、事務局案でいいのではないかなと考えています。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 基本的に体重の算定方法、市場性加算とも事務局の提案に賛同いたします。
 また、先ほどの有用性加算のところで、現場のニーズではなく患者のメリットとなる有用性が重視されるというご指摘について補足させていただきます。3か月ごとの投与になること、前投薬が不要になることは現場と言うより患者さんにとっての非常に大きなメリットです
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。
 事務局、これは体重に関して申請者はいろいろ書かれていますけれども、比較薬が50kgだから50kgであるということなのか、それとも今回は50kgという明らかな理由が何かあるのでしょうか。
○事務局
 体重につきましては、成人であれば、特に定めがない場合は50kgを用いて換算するというのが算定のときのこれまでの基本の運用となってございます。
 加えて、オンパットロを算定するときの当時の判断を確認しましたところ、平均体重50kgで算定がされているという背景もございましたので、今回も50kgで算定するのが妥当であろうと事務局としては考えたところでございます。
○薬価算定組織委員長
 そのほかはいかがでしょうか。
 先ほど□□先生からお話もありましたとおり、患者のメリットというのも考えてもというか、3か月に1度になるということと皮下注になることでしたか。あと、前投薬がなくなることですか。その辺の評価というのは、事務局としてはどうでしょうか。
○事務局
 補正加算のハの③-cについてですけれどもこちらは既存の治療方法に比べて効果の発現が著しく速い、もしくは効果の持続が著しく長い、または使用に際しての利便性が著しく高いということで、前投薬が不要であるところですとか、3か月に1回の投与で、しかも皮下注であるというところを総合してこちらで評価していると考えております。
 あわせて、イ、ロ、ハ、ニのニの製剤工夫による高い医療上の有用性というところにつきましては、イ、ロ、ハのいずれにも当たらない場合にニを検討するという順番になってございますので、ハに当たっている時点でニをつけることができないというのが今の算定のルールになっております。
 また、ニにつきまして、該当性を判断するのであればですけれども、先ほど申し上げました現場のニーズというよりは患者のメリットとなるところが求められると考えておりまして、申請者の説明の仕方としましては、投与が簡便になるといった形で現場のニーズ側で説明がなされていましたので、今回こちらは該当することは難しいと考えているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 特にないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
アムヴトラ皮下注25mgシリンジ
日時:令和4年10月25日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 本日の検討品目ですけれども、アムヴトラ皮下注25mgシリンジ、特に意見を伺う委員として、幸原先生、三澤先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、説明をお願いいたします。なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 まず□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 整合性さえ取れていれば、平均的な3か月に合わせるのは妥当な判断だろうと思います。
 体重に関しては、これまでの50kgが標準で、提示されている申請者案は53kgだからそれほど大きく外れているわけではないですし、特に今までとおりの計算法でいいのではないかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私も事務局案が妥当と考えます。本疾患は男性の高齢患者が比較的多い疾患ですが、体重もそれでも53kgぐらいということで、50kgからあまり乖離がないということで、体重の観点からも妥当と考えます。
 また、日数に関しても、過去事例と整合性が取れていればよいと思われます。
 審議とは外れますけれども、標準体重50kgというのは本当にいいのかなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 事務局、標準体重を50kgとしている理由というのは何でしょうか。ほぼ全ての治験等がこういうことで決まっているので、特にここで決めているわけではないと思うのですけれども、何か50kgである根拠みたいなものはあるのでしょうか。
○事務局
 体重の標準的な数値は、成人では50kg、小児の場合は20kgを使うということで、これまで運用してきているところではございます。
 実際に健康な人の平均的な体重と比べるとどうなのかとか、疾病の領域によって患者の標準的な体重が異なるか否かという点等を考慮し、この数値をこれまで使ってきたということと理解しています。
 例えば小児の疾患で著しく成長が阻害されるような疾病領域があるですとか、逆に疾病の特性として体重が増えてしまうような疾患があった場合に、この50kgというものからかけ離れているだろうという御判断をいただければ、特定の疾患領域で適切な体重で計算いただくということになるかと思います。あくまで個別の判断という形になろうかと思います。
○薬価算定組織委員長
 今回も個別の判断だと思いますので、企業の主張を聞いてみたいとは思います。
 それではまず、委員の先生方から今の段階で御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初にアムヴトラ皮下注25mgシリンジについての御意見を10分以内で御説明をお願いいたします。続いて、委員側から質問をさせていただきますので、御回答をお願いいたします。
 それでは、よろしくお願いいたします。
○申請者
 よろしくお願いいたします。
 次のスライドをお願いいたします。
 弊社のほうから意見を申し立てたい内容は2件でございます。
 1点目は、比較薬オンパットロ点滴静注2mg/mLの一日薬価算定に用いられました体重について。
 2点目は、本剤アムヴトラ皮下注25mgの薬価算定に用いられました日数です。3か月に1回を何日と換算するのかというこの2点についてでございます。
 それでは、次のスライド、3枚目をお願いいたします。
 1点目の議題です。比較薬オンパットロの点滴静注の一日薬価算定に使用する体重についてでございます。
 比較薬オンパットロの用法・用量は、通常、成人には3週間に1回パチシランとして0.3mg/kg点滴静注するというものでございます。
 いただきました本剤の内示価格の算定におきまして、比較薬のオンパットロの一日薬価が体重50kgを使用して算出されているというところでございます。
 弊社側の意見といたしましては、オンパットロの特定使用成績調査、長期使用全例調査で得られた体重53.47kgに基づいて算出されるのがよいのではないかと考えております。
 その経緯といたしまして、最初の希望薬価は、本剤の第Ⅲ相国際共同試験におきまして、比較薬でありましたパチシランの日本人投与患者の10例分の平均体重57.3kgを使用して薬価の申請をさせていただきましたが、弊社の中でよく考えた結果、比較薬の特定使用成績調査、全例調査のほうがより実臨床での患者様の体重情報を反映しているものであると考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 オンパットロ点滴静注の特定使用成績調査、こちらは全例調査になります。
 こちらの概要ですけれども、発売が2019年9月でございます。上市してから3年間で約213名分の体重情報が得られております。
 こちらは実際に患者様に実臨床として使われているものですので、オンパットロの特定使用成績調査になりました体重情報がより臨床を実態として反映しているものではないと考えまして、50kgよりもやはり特定使用成績調査の体重がより適切ではないかと考えております。
 さらに、弊社の中で精査をいたしまして、より現在の臨床の実態に近い体重を使用するという意図から、直近の1年間、2021年8月から2022年7月の109例分のデータを対象に算出し直しましたところ、体重は53.47kgとなりました。
 標準的な体重の情報があるというところですので、弊社といたしましては特定使用成績調査で得られた体重を用いることが適切ではないかと考えております。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらのスライドは、比較薬オンパットロの一日薬価は現在のところ50kgで算出していただいているところが真ん中の□□□□円でございますが、直近1年間の体重、弊社が考える適切な体重53.47kgを用いた場合には、一日薬価が□□□□円になります。
 参考といたしまして、全例調査213例分のデータを全て使いますと、体重は55.42kgになりまして一日薬価は□□□□円になります。
 次のスライドをお願いいたします。
 こちらがオンパットロの使用成績調査の体重の分布になります。109例分でございます。
 左下の棒グラフにお示ししているように、体重50kgを超えない患者様が37%、超える患者様が63%いらっしゃいます。
 弊社の中でシミュレーションしてみましたところ、現在の内示価格の場合ですと、全体の59%の症例で年間薬価がオンパットロより低くなるという結果になりました。
 ここまでが体重に関する説明でございます。
 2つ目の議題、本剤アムヴトラ25mg薬価算定に使用する日数について、本剤の用法・用量は、通常、成人にはブトリシランとして25mgを3か月に1回皮下投与するというものでございます。
 内示におきましては、3か月が90日を使用されて算出されています。
 弊社の主張といたしましては、1年間365日を12か月で割って、3か月、3を掛けたものなので、91.25日で算出されるのがよいのではないかということを意見させていただいております。
 理由といたしましては、年間を通して継続投与される薬剤であるため、3か月を91.25日として考えることがより妥当であると考えております。あとは、他社の事例でも、6か月に1回投与のお薬で6か月が182.25日と算出されたものがあるというところも我々の根拠になっております。
 以上が会社からの説明でございます。
○薬価算定組織委員長
 会社からその他意見はございますでしょうか。
○申請者
 1点だけすみません。体重の50kgのところなのですけれども、オンパットロを発売した当時は、当然ながらオンパットロが使用された患者さんの体重は何kgが適切であるかといった標準的な体重情報がなかったということで50kgでの算定となっておりますが、今回、全例調査の結果があるという中で、実臨床で使われている患者さんが直近1年ですと53.47kgというのがありますので、こちらのほうが会社としては妥当ではないかと考えているといった点だけ1点補足させていただきます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から御意見があればお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 体重は直近1年間ということでしたけれども、これは毎年測られているのですか。直近の1年間ということなのですけれども、年ごとに変動というのはいかがですか。
○申請者
 年による変動は大きくはありません。ただ、全体の発売以降3年分のデータがあるのですけれども、それを全部使うとこれよりもう少し大きい体重にはなります。
○委員
 ということは、この3年で下がってきているということなのですか。
○申請者
 直近で見た場合は少し下がっておりました。ただ、3年しかありませんので、経年で長期にわたって確認しているわけではないのですけれども、そういった御理解で合っているかと思います。
○申請者
 全例で算出した場合が55kgぐらいで、今回53.47キロと言っていますので、入った症例によって1kg、2kgという若干の変動がありますけれども、過去全ての213例よりも直近1年間の109例のほうが、1~2kg体重が小さいので、より直近の実臨床を反映しているだろうということで、我々は直近1年間のもので今回主張させていただいているところです。
○委員
 病気が多少進むと体重が減ってくるとかということがあるのかなということが気になりました。
○申請者
 これはかなり全身性で衰弱していく疾患でございますので、重症化してきますと松葉づえをつかれて、車椅子になって、最後は寝たきりになられるような患者さんもいらっしゃいますので、体重が落ちてくるという症例も当然ながら病勢の進行とともに起こり得ると考えております。
○委員
 逆に言えば、標準体重を決めるのはなかなか難しいと思いました。
 以上です。
○申請者
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 今の体重の推移について臨床面から補足させていただきますと、RNA干渉製剤の登場で、体重維持は恐らく改善してきたのかなと思います。この50kg超で維持されている患者さんは多いのではないかと思います。
 あと、今回オンパットロからアムヴトラへ切り替わり、先ほどの薬価計算ですとオンパットロよりも年間薬価が少なくなってしまうとの試算を出されていましたが、最終的にはオンパットロはアムヴトラに全部切り替わっていくというような予測を持たれていらっしゃるのでしょうか。
○申請者
 今回、弊社から提出させていただいています予測といたしましては、3年程度で全例切り替わっていくだろうと。臨床現場からの期待はかなり高いですし、オンパットロの3週間に1回から3か月1回ということで切り換えていきたいというお声をいただいておりますので、2~3年ぐらいで全例切り替わるだろうと考えております。
○委員
 そうすると、薬価が低く評価されてしまうと、売上げが大分下がってしまうということですか。
○申請者
 率直なところで、会社といたしましては、既にもともとファイザーさんのタファミジスとビンダケルというお薬がございまして、これは1日1回の経口薬ですけれども、そちらで治療されていた患者さんがオンパットロにかなり切り換えられて、ちょうど今、脱落している患者さんもいらっしゃるのですけれども、累計で300例ぐらい使われています。これがかなり今のビジネスといいますか症例の本体になっておりますので、ここのところで売上げが落ちる、1症例あたりの薬価が落ちるというのは会社的にはかなり厳しいところがございまして、残っていらっしゃるビンダケルだけの症例というのがまたさらに我々のほうに切り替わるということも起こり得るとは思うのですが、オンパットロのほうも発売して3年、4年たっておりますので、かなりビンダケルで厳しい患者さんは既に切り替わっているので、経年的にだんだん切り替わっていく。外から切り替わっていく患者さんは少なくなってくるだろうというところもございます。
○申請者
 メディカルアフェアーズから1点だけ医師の立場で補足させていただきたいのですけれども、この薬はオンパットロに比べて、前投薬が不要とか、そこのところは臨床の先生からも使いやすいし、患者さんからも負担がないというところはあると思いますので、今、□□が申しましたように、スムーズにそちらに移行できるようなことを弊社としては患者さんのために願っているところでございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。特にありませんか。
 確認なのですけれども、この疾患でいわゆる一般の方と体重の差異があるというか、この疾患だから体重が多い、少ないということは基本的にはないということでよろしいのでしょうか。
○申請者
 先ほどお話になったように、重症化して後半のフェーズになるとそういうことはあると思うのですけれども、治療をする状況においては格段の違いとは捉えておりません。
○薬価算定組織委員長
 それから、これは3か月に1度という投与ですけれども、実臨床ではどういう投与の仕方なのですか。例えば1日に打つとか、何日おきとされないで、「3か月」ということなのですけれども、実際にはどういうふうに打たれているのでしょうか。
○申請者
 実際の予想としましては、3か月で保険の切り換えの問題とかもありますので、月が替わってから打たれるというケースが多いのではないかと推測はしておるところでございます。
○薬価算定組織委員長
 ほかにいかがでしょうか。
 海外で用いられていれば教えてもらいたいのですけれども、海外の場合は体重に関しての何か決まりだったり、この薬剤が通るときにそういう計算のされ方というのはどういうふうにされているのでしょうか。
○申請者
 我々が知るところでは、かなり計算の仕方というのは違うと考えております。ちなみにですが、今、これは世界同時並行で進んでおりまして、USのほうで3か月ぐらい前に既に発売されていて、ドイツのほうがつい2週間、3週間ぐらい前に発売されたところですが、USのWAC価格で1400万円台です。ドイツのほうもつい先日承認されましたが、ローテリステの価格でやはり1400万円台というような価格がついております。
○薬価算定組織委員長
 価格のことを聞いているのではなくて、体重に関しての考慮というのは何か。今回は今まで通常使われている50kgを使うということでこちらでは提案しているわけですけれども、例えば海外でもこういう体重換算をきちんとして、治験なり実臨床に基づいた体重によって薬価が算出されているとかというデータがあったら教えてもらいたいのです。
○申請者
 我々が知っている限りでは、そのような考え方に基づいて算出されているということはないと理解しております。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。
 □□委員、どうぞ。
○委員
 国際共同第Ⅲ相臨床試験において、本剤の投与間隔というのはどういうふうに定められていたのでしょうか。3か月に1回というのはどのぐらいのアローワンスの投与を許容されていたのでしょうか。
○申請者
 3か月に1回で、アローワンスは2週間ほどございました。
○委員
 12週ごとでプラマイ2週間ということでしょうか。
○申請者
 3か月に1回の一回の投与のアローワンスがおおよそ2週間ぐらいです。3か月で2週間、3か月で2週間、3か月で2週間と。
○委員
 例えば4月1日であれば、特に週ではなくて、3か月というその月ごとに、30日もあれば31日もあるというような月の中で、特に1月の日数は関係なくとにかく、先ほど委員長の御指摘もあったのですけれども、月の初めに打ったら同じ3か月たった後の次の月の初日というか、月初に起点が来るというか、次の投与日が来るという規定だったのですか。
○申請者
 3か月の定義は、臨床試験でしたので基本的に90日でスケジュールを組んでいきました。
○委員
 90日でプラマイプラス2週間までの延期が可能で、前倒しはなしという感じでしょうか。
○申請者
 そうです。
○委員
 では、基本的には90日で投与されていたということですね。
○申請者
 はい。
○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、その他いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、いかがですか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他意見はございませんでしょうか。
 それでは、企業意見の聴取を終了したいと思います。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえて御意見をお願いします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事情や言わんとすることは確かに分かるのですけれども、この方針でいいのではないかなと私は思いました。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 結論としては当初の事務局案というところになるかなと思うのですけれども、ただ、患者さん目線ですとこのお薬はかなり革新的な治療薬で、投与がすごく楽になったという背景はございます。ですので、現行のお薬よりも売上げが下がってしまうようですと、企業さんのインセンティブという面ではちょっときついのではないかなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、他の先生方、いかがでしょうか。
 □□先生、いかがですか。
○委員
 結局、臨床試験の有効性が90日ごとだったというところはあるのですけれども、今回の薬事承認は特に12週とかでもありませんし、3か月に1回となっているところからは、これまでの薬価収載の基準の考え方に沿っていけばそれでいいのかなということで、今回の事務局案に賛成いたします。
○薬価算定組織委員長
 いかがでしょうか。
 どうぞ。
○委員
 些末な質問で恐縮です。うるう年が反映されないので、1年を計算するときに365.25日で、計算するケースが多いのですけれども、そんな細かなことをした例は今までないのでしょうか。もちろん本剤の計算はこれで結構です。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 私どもが確認した中では、365.25日を使用しているという算定はございません。
○委員
 ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 念のため確認はしておいていただいたほうがいいかなと思うのと、万が一そうだった場合というのは、事務局としてはどう考えますか。
○事務局
 恐らく1年は365日で計算しているものと認識しているところですが、仮に「365.25日」というものがありましたら、そちらに合わせて計算しますと分母に当たる部分が増えますので、算定額はより下がるかなというところではございます。ただ、影響は少ないかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 その他、御意見はよろしいでしょうか。
 体重に関しては特にないのでしょうか。、対象患者における標準的な体重等の情報があるというところを向こうは言ってきたのだと思いますけれども、この辺は今後もこのままで大丈夫ですか。
 事務局、いかがですか。
○事務局
 体重の考え方でございますが、どの分野の疾病領域であっても基本的には成人は50kgを使用するということでこれまで算定してきたところでございますので、過去との整合というところも考えますと、基本はやはり50kgを使っていくのが適切ではないかと考えているところでございます。
 加えて、疾病の領域によって個別に判断すべきという事例が出てきた場合には、先生方に御議論いただきまして、適切な算定というところで数値を使っていただくのかなと考えておるところでございます。ただ、直近でこの50kgの運用を変えるというような議論は、今のところ私どもは認識していないところです。
○薬価算定組織委員長
 恐らく、先ほど□□先生でしたか。この疾患は男性のほうが多いとおっしゃったと思うのですけれども、企業はその辺をきちんと出して、男性のほうが多いから平均体重は50kgより重いのだぐらいの疾患特異性みたいなことを本当はちゃんと説明されたほうがよかったのではないかなと思ったのですけれども、疾患によって体重は変わりありませんということを説明しただけでしたので、このままでよろしいのではないかなと思います。
 その他、御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特に御意見はよろしいですか。
○事務局
 既存薬と比較した本剤の有用性について、一応補足をさせていただきますと、本剤は、オンパットロに対しまして、一日薬価合わせという形で薬価を合わせて算出しております。そこに加えて、補正加算ということで5%さらに上乗せしているところではございますので、オンパットロに比べて5%の価格が上乗せされている状況でございますので、前投与が必要ない点や静注が皮下注に変わった点、投与の間隔が広がったというようなところの評価はなされていると思っております。
○薬価算定組織委員長
 その他、委員の皆様から御意見はよろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
○事務局
 すみません。
 資料に誤記がありましたので訂正させていただきます。□□□□□と記載させていただいているところでございますが、□□□□□の誤記でございました。申し訳ございません。
○薬価算定組織委員長
 特に御意見はよろしいでしょうか。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。ありがとうございました。
 
 
テゼスパイア皮下注210mgシリンジ
日時:令和4年10月18日(火)
 
 テゼスパイア皮下注210mgシリンジ、特に意見を伺う委員として、弦間先生、桂先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 最類似薬の選択が結構難しいなと思ったのですが、基本的に効能追加の状況や最初の収載時の効能等を踏まえて、事務局案は妥当と思いました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 この抗TSLP製剤というのは、先ほど事務局からも説明がありましたけれども、いわゆる非2型炎症のものにも非常に効果があると言われていますので、そういう意味では新しい薬剤ということで、有用性加算をつけているのは適切だと思いますけれども、2型炎症のものに関しての有効性が選択の中で確立されないということであれば、やはり5%が適切かと思っております。
 また、□□先生が先ほどおっしゃっていた比較薬について、確かに難しいところはあるのですけれども、ファセンラの場合には3回注射していたのが2か月ごとの注射になりますので、量が変わってくるということもありますが、このお薬は月に1回ということで、その類似点から、やはりヌーカラの薬価比較が適切ではないかということで、事務局案は妥当と考えました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 最類似薬に関しましては、先ほどから用法・用量、また、投与の仕方からヌーカラのほうがよろしいかということで、特に反対意見もないということ、有用性加算に関しましても5%が妥当であろうということだと思いますけれども、それ以外に何か御意見はよろしいでしょうか。
 事務局からは特によろしいですか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、特に御意見もないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg
日時:令和4年10月18日(火)
 
 オスタバロ皮下注カートリッジ1.5mg、特に意見を伺う委員として眞野先生、石原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の意見を含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 最類似薬の選定も補正加算のところも事務局案が妥当だと思います。よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 最類似薬の選定もこれでいいと思いますし、全てにおいて事務局案でよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
 基本的には事務局の説明に納得し、問題ないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。特に御意見もないようですね。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
カブリビ注射用10mg
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 カブリビ注射用10mg、特に意見を伺う委員として諸井先生、神田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 論点となる有用性加算ですけれども、本疾患については血漿交換という標準治療が既に存在して、難治性の場合にはリツキシマブを加えるというところも確立しておりますので、申請者の主張については当たらないということになるかと思います。現状において、今後、全例にリツキシマブを入れるかというと、そういう方向性もまだはっきりしているわけではありません。血漿交換の回数が減るなどの有用性は非常に高い薬でありますけれども、やはり③-a、bを適用するところまではいかないと思いますので、事務局案が妥当だと判断しました。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があればよろしくお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 今、□□先生が言われたとおりなのだとは思いますけれども、標準治療はほぼ確立されている領域で追加されていっていますけれども、標準治療になり得るのかはまだ現場での評価次第でよろしいですね。
○委員
 非常に有用だと思いますけれども、全例に使うものになっていくかというところはこれからだと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、よろしいでしょうか。
 事務局もよろしいでしょうか。
○事務局
 はい。
○薬価算定組織委員長
 それでは、意見はないようですので、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
スキリージ点滴静注600mg、スキリージ皮下注360mgオートドーザー
日時:令和4年10月18日(火)
 
 スキリージ点滴静注600mg、スキリージ皮下注360mgオートドーザーです。特に意見を伺う委員として、森山先生、山田清文先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 まず、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 スキリージ点滴静注600mg、同皮下注360mgオートドーザーについて、ステラーラ点滴静注130mg、同皮下注45mgを最類似薬として類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定した事務局案は妥当だと思います。
 論点となります新薬創出等加算の妥当性についても、事務局案どおり、既に既存治療で不十分な薬剤というのにウステキヌマブ等が承認されていますので、示されたデータだけではこれに該当するという判断はできないかということで、事務局案が妥当だと考えます。
 それから、キットの中の特徴部品の選定についても、事務局案どおりで適当ではないかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員から御意見はいかがでしょうか。
 □□先生、これは新規作用機序というところまではなかなか行かないですよね。
○委員
 作用機序は、よく似たものはありますけれども、IL-23阻害作用を有する薬剤は本剤が初めてだということで、そこはいいのかと思いますが、既存治療で不十分な疾患に対してということに関して、既に新しい製剤が幾つか承認されていますので、そういうことで新薬創出等加算に該当なしと事務局は判断されたのかなと思いまして、私もよく考えると確かにそういうことが言えるのかなと思いました。
○薬価算定組織委員長
 事務局、そういうことでよろしいですか。
○事務局 
 御指摘いただきましたとおり、ウステキヌマブ、アダリムマブ、インフリキシマブなど、クローン病に使うお薬は選択肢があるところではございますけれども、既存治療薬で効果不十分なクローン病においてこれらに対して有用性を示したとまでは考えられませんので、こちら該当しないと考えてございます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
スぺビゴ点滴静注450mg
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 スペビゴ点適静注450mg、特に意見を伺う委員として田﨑先生、古田先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 有用性加算の③-aなのですけれども、事務局案の説明のとおり、これは選択肢の一つでありますので、これは該当しないであろうということと、③-cについても同じく該当しないということで、①-bだけ認めるという事務局案でよろしいかと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方からほかに御意見がありましたらよろしくお願いします。
 IL-36阻害作用ですから、新しい作用機序であることはよく分かるのですが、そんなにエビデンスが高いというか、有用性が既存の治療に比べるとそこまでではないというような審査報告書での判断ということで、事務局としてもそれでよろしいということですか。
 □□先生、どうぞ。
○委員
 コメントさせていただいた一生の間に追加1回(合計2回まで)かというのは、先ほど事務局の御説明で、恐らく年1~2回ぐらい追加があるよということなので、毎年使われるというような話なのかなと思いました。
 一方で、今回の比較されている試験自体は、再投与の意義というのはあまり検証されていないようでして、そういうところは関係なく、追加で何度打っても有効性が減弱するとかということはないという病態生理からなのか、そういう解釈なのでしょうか。
○薬価算定組織委員長
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局
 再投与につきましては、臨床試験において、急性症状の再燃がみられた場合は再投与が可能という形で実施されていたのですけれども、再投与された患者は非常に限られておりました。当該試験成績も踏まえ、審査では、再投与は認めるが、市販後の特定使用成績調査において、再投与した症例がいた場合には有効性と安全性を確認することとなっております。
 今後得られるような情報も踏まえて、本剤の位置づけや再投与も含めた使われ方というのが明らかになってくるものと考えております。
○委員
 特に薬理学的もしくは生体内での考え方ということで、複数回投与することによって効かなくなるであろうというようなことは懸念されていないということでよろしいですね。
○事務局
 現時点では、そのような情報も十分に蓄積されていないという状況でございます。
○委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 なかなか難しいですが、ただ、抗体なので、恐らく抗体に対する抗体ができて効かなくなる症例はあるのではないかなという気はしますけれども、ありがとうございます。
 そのほかの委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 ないようですので、それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ナノゾラ皮下注30mgシリンジ
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 ナノゾラ皮下注30mgシリンジです。特に意見を伺う委員として眞野先生、池上先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 特に事務局の案に異論はございません。よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私も事務局の案は妥当だと思っています。
○薬価算定組織委員長
 委員の先生方からほかに御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 事務局、これは今回の適用はリウマチですけれども、ほかの疾患にも今後適用を追加する可能性はあるのでしょうか。
○事務局
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○薬価算定組織委員長
 特にございませんでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
メンクアッドフィ筋注
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 メンクアッドフィ筋注、特に意見を伺う委員として深山先生、幸原先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 審査上の論点で説明されたように、価格の差は□□□有用性加算のところだと思うのですが、かなり企業側のこじつけに近いなという印象がありますので、事務局案で十分だと思います。
○薬価算定組織委員長
 それでは、□□先生、いかがでしょうか。
○委員
 私も事務局案が妥当だと思います。当初、9か月未満と56歳以上の有用性をカバーすると記載されていたので、期待を込めて読んでみたのですが、特に達成されたという結論はなく、事務局案のとおりでよろしいかと考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の先生からいかがでしょうか。
○委員
 これは同じ会社で、4価のワクチンで特別血清型は変わらないですよね。それで作ったのはジフテリアなわけですけれども、ジフテリアと破傷風トキソイドの違いはあるのですが、開発された背景は何だったのでしょうか。もし事務局のほうで御存じだったら教えていただきたいです。
○事務局
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、よろしいでしょうか。
 外国平均価格に比べると高額なのですけれども、もともと何か理由があったのですか。メナクトラは原価計算だったのですか。
○事務局
 メナクトラの算定は原価計算方式でなされておりました。今回、本剤はメナクトラに合わせる形で算定をさせていただきましたので、大体同じ価格になっております。日本での保険診療での本ワクチンの使われ方は、ソリリスやエジャイモなどを投与する際に事前に接種する場合の使用かと思いますが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
○委員
 これは、非常に限られた患者を対象としていますが、今後、接種対象が広がってくる可能性というのはないのですか。
○事務局
 本剤は、保険診療の中での使い方であれば、ソリリスなどを使われた場合に接種するものと思いますので、そちらの使用患者が増えれば本剤の接種対象も増えると考えております。
 ただ一方で、保険診療の外で、日本で言えば予防接種法に基づく接種ですとか、海外渡航に伴って自費で打つような接種というのは本剤も可能でございますので、そこはまた接種する対象というのは切り分けられるのかなと思います。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
ベリナート皮下注用2000
日時:令和4年10月18日(火)※企業陳述あり
 
○薬価算定組織委員長
 ベリナート皮下注用2000、特に意見を伺う委員として齋藤先生、賴先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に説明してください。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 類似薬効比較方式と計算方式の使い分け、加算についての考え方は事務局案が妥当と考えます。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生方から御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。まずは企業の意見を聞いてからということにさせていただきましょうか。
 それでは、企業から意見の聴取を行いたいと思います。事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初にベリナート皮下注用2000についての御意見を5分以内で御説明をお願いいたします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答願います。よろしくお願いします。
○申請者
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。CSLベーリング□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と申します。
 本日は、有用性加算を希望するに当たりまして、本剤の有用性について□□先生から御説明いただきます。□□先生は□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□でもあられます。
 それでは、□□先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○申請者(専門家)
 御紹介いただきました□□でございます。
 それでは、お手元の資料を見ながらプレゼンテーションを聞いていただければと思います。
 資料の2枚目から御覧ください。
 HAE遺伝性血管性浮腫という病気は、主に補体第1成分阻害因子のC1-インヒビターが欠損して、予測できない浮腫が突然出現する病気です。そのため、患者さんのQOLは大きく阻害されますし、特に窒息のリスクもある難病疾患の一つであります。
 治療に関しては、起きてしまった発作に対する急性発作、歯科治療などで発作誘発が予想される場合に行う短期予防、それから、特にその頻度が高い人のために行う長期予防の3種類がございます。
 スライド3枚目を御覧ください。
 この病気の治療に関してのガイドラインでの記載の内容でございます。
 国内のガイドラインでは、右側にありますように2019年版のものが一番新しくて、このガイドラインが作られたときにはC1-インヒビター製剤しかありませんでしたので、海外でのC1-インヒビター製剤のことが紹介されています。
 ところが、この後、次々と長期予防薬が出てきまして、左側にある2021年の国際ガイドラインの改訂版においては、Recommendation 15のC1-インヒビター、Recommendation 16の抗カリクレインモノクローナル抗体であるラナデルマブ、Recommendation 17の経口カリクレイン阻害薬のベロトラルスタットがいずれもファーストライン、第一選択薬として推奨されているわけです。
 ところが、この3剤の位置づけは、治療の対象とか使う場合によって事情が少し変わってきます。
 スライドの4枚目を御覧ください。
 まず、対象年齢ですけれども、左側にありますようにラナデルマブとベロトラルスタットはいずれも成人あるいは12歳以上の小児に対して適応を取得しています。
 ところが、C1-インヒビターに関しては、右下にありますように8歳未満の小児等を対象とした臨床試験成績は得られていないという記載で、実質的に12歳未満の小児を含めて広く適応を承認している薬剤でございます。
 スライドの5ですけれども、これがガイドラインでどういうふうに記載されているかということですが、12歳以下のHAE患者さんの治療に関しては、左側にありますようにC1-インヒビターとイカチバントの2剤が推奨されています。ただ、イカチバントというのは急性発作の治療ですので、長期予防に関して使えるのはC1-インヒビターだけなわけです。
 そこで、右側にありますようにlong-term prophylaxis、長期予防に関してはC1-インヒビターが好ましい治療と記載されていて、こういう記載があるのは3剤の中でC1-インヒビターだけなわけです。
 それから、スライド6ですけれども、妊婦及び授乳婦に関してです。
 左側にありますように、妊婦と授乳婦に関してはC1-インヒビターが安全で効果的な薬剤であるということが書いてあります。
 右側には、それぞれ妊婦と授乳婦に関してですけれども、C1-インヒビターが好ましい治療であると書いてあります。
 それから、ラナデルマブとベロトラルスタット、イカチバントに関しては、授乳中についてのデータがないということが書かれております。
 スライド7です。3点目のアドバンテージはファーマコキネティクスの問題です。もともとこの病気はC1-インヒビターが欠損しているという病気で、C1-インヒビターを補充するということが生理的なわけですけれども、C1-インヒビターの値が大体40%以下になると発作のリスクが高まると考えられています。
 左側は静注薬ですけれども、これは早く血中濃度が上がりますけれども、すぐ落ちますので、この図にあるように、今までの薬ではしばしば40%を切る場合があったけれども、皮下注製剤になることによって、よりたくさんの量を安定して投入できることになったということです。
 スライド8にありますように、以上、ガイドラインでの有用性、小児のことなどについてお話しいたしました。
 以上です。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から質問があればお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 先ほど8歳から12歳のところで使えるのがメリットと伺ったような気がするのですけれども、その違いは治験でそこをターゲットにしたということなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 まずそれが□□□□□です。それから、実際の有効性という点で、□□□で、従来の静注製剤に比べて常に安定したC1-インヒビターレベルを維持することができましたので、より効果的な□□□□□□が期待できるということです。
○委員
 ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。
 私からですけれども、もともとあるベリナートP静注用500と2000との明らかな違いというのはどこにあるのでしょうか。今の御説明だと500とか2000とかというお話があまりなかったかと思うのですけれども、この辺の量の違いと言うのですか。ガイドライン等にはどのように反映されているのでしょうか。
○申請者(専門家)
 量についてというよりは、ガイドラインに記載されているのは安全性の問題で、小児と授乳婦、妊婦に関しての安全性で、それらの対象に関してはこの薬剤だけが推奨されているという状況です。
 有効性に関しては、この3剤に関してはガイドラインでは比較はされていません。
○薬価算定組織委員長
 そうすると、安全性が担保されているということが。
○申請者(専門家)
 そうです。もともと足りないものを補充するという点で小児及び妊産婦に関する安全性が考慮されて、それらの対象にはこの薬だけが推奨されているという現状です。
○薬価算定組織委員長
 そのほか、いかがでしょうか。
 エビデンスの強さというのがガイドラインには書かれていると思うのですけれども、このエビデンスは。
○申請者(専門家)
 エビデンスに関しては□□□□□□□□□□□。ただし、ガイドラインでは、一般的な治療長期予防では3剤ともレベルAになっていますけれども、妊婦、授乳婦に関してはそもそも他の薬剤はレコメンデーションの推奨の中に入っていませんので、レベルとかレコメンデーションレベル自体がないです。この薬剤だけが俎上に乗っているという扱いになっています。
○薬価算定組織委員長
 ありがとうございます。 そのほか、いかがでしょうか。
○委員
  もう一点いいでしょうか。皮下注はファーマコキネティクスで安定して吸収されるというのは理解したのですけれども、それだけなのでしょうか。何か病気の起こる場が、皮下というのでしょうか、毛細血管のあるところで、それが浮腫につながるから、そこに投与するという面はないのでしょうか。
○申請者(専門家)
 この病気は皮膚、粘膜のどこでも起きまして、特に気道とか消化管は非常に激しいです。症状が皮膚の浮腫だから皮下投与としたということではなくて、皮下に投与することによって、一回の投与で多くの量をゆっくりと全身に供給できるということだと思います。
○委員
 では、ガイドラインで妊婦に対して本剤だけ推奨されているというのは、妊婦で治験をしたということなのですか。それとも、今ご説明されたような直接静脈内に入らないからですか。結果とすれば、静脈には入るのでしょうけれども、そういうことなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 これはかなりエキスパートの意見に依存するところがありますけれども、そもそもこのC1-インヒビターというのは、患者さん自身が遺伝子は1個は残っていますので、内因性にあるものを補充するということなので、外からの異物ではないこと。それから、今回は皮下注ですけれども、C1-インヒビター製剤そのものは静注薬としては古くから使われていまして、静注薬も妊婦、授乳婦に関しては推奨されていて、実際に使われているというエビデンスがございます。
 ですから、この製剤でのエビデンスということではなくて、この製剤の材料になっている成分が既に妊婦、授乳婦で使われているとおりエビデンスはありますので、間接的なエビデンスということになります。
○委員
 ありがとうございました。
○薬価算定組織委員長
 そのほかの委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、企業意見の聴取を終了いたします。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 エビデンスレベルは同じだということと、妊婦に使える、それから、12歳未満8歳以上の子供にも使えるというところを強調されていましたけれども、加算の基準から考えると、加算をつけるほどではないという事務局案のほうが妥当のように思います。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 エビデンスという点においてはあまりないかなという感じがいたしましたけれども、事務局案が妥当だということでよろしいでしょうか。特に何か御意見はございませんでしょうか。
 事務局もよろしいですか。
○事務局
 特にございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
グラアルファ配合点眼液
日時:令和4年10月18日(火)
 
○薬価算定組織委員長
 グラアルファ配合点眼液、特に意見を伺う委員として小方先生、堀先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 申請者の見解と事務局の見解が完全に一致していますので、事務局案で結構だと思います。よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 事務局案が適当であると思われます。よろしくお願いします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から他に御意見があればお願いいたします。
 本剤に関しては、論点も特にないですかね。よろしいでしょうか。
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。
 
 
モノヴァー静注500mg、モノヴァー静注1000mg
日時:令和4年10月18日(火)※企業陳述あり ※令和5年3月収載に伴い追記
 
 モノヴァー静注500mg、モノヴァー静注1,000mgです。特に意見を伺う委員としては、森山先生、山田恭輔先生にお願いしております。
 事務局から、事務局算定案について、欠席委員の御意見も含め、簡単に御説明をお願いいたします。
 なお、本件は企業の意見陳述がございます。よろしくお願いします。
○事務局
(事務局より、薬価算定原案について説明。)
○薬価算定組織委員長
 それでは、事務局算定案に対する御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 新薬の低リン血症の発現が少ないということは好ましいとは思うのですけれども、比較薬のフェインジェクトにおいても、頻度が高いといっても臨床的に治療が必要になるようなことは報告されていないと思いますので、あまり問題とならないと思いますし、適正使用していれば問題ない範囲かと思っています。なので、今説明があった事務局案でよろしいかと思っています。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から御意見があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。それでは、企業に話を聞きたいと思います。
 それでは、企業からの意見聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(申請者入室)
○薬価算定組織委員長
 最初にモノヴァー静注についての意見を5分以内で御説明をお願いいたします。続いて委員側から質問させていただきますので、御回答を願います。
 それでは、よろしくお願いします。
○申請者
 日本新薬の□□です。
 スライド2を御覧ください。モノヴァーの要件ロの該当性を主張します。
 スライド3です。要旨はこの2点です。私からは1点目を説明します。
 次にスライド4です。海外での低リン血症発現率を主要評価項目とした第Ⅲ相・第Ⅳ相試験で、本剤は比較薬に比べ顕著に低リン血症発現率が低い結果でした。このうち、中央のPHOSPHARE-IBD試験は先月文献がアクセプトされた最新知見です。
 スライド5です。この結果を踏まえ、注意喚起のために各国で比較薬の添付文書が改訂され、欧州では本剤を唯一の第一選択薬とするガイドラインが出ています。
 スライド6です。国内でも第Ⅲ相試験結果から本剤と比較薬を間接比較すると、本剤を1としたオッズ比は52.46となり、比較薬よりも低リン血症発現率が顕著に低いことが示されました。
 スライド8からは□□□□□□□□□□□□□□□□□□□の□□先生より御意見を頂戴します。
○申請者(専門家)
 お願いいたします。
 スライド8です。くる病・骨軟化症の病因は同一ですが、成長軟骨帯閉鎖以前に発症するものを特にくる病と呼んでいます。骨軟化症では骨痛や筋力低下、骨折、偽骨折、胸郭変形などにより、罹患患者は完全に寝たきりとなってしまう場合もあります。
 スライド9です。くる病・骨軟化症の原因は多様ですが、慢性の低リン血症が原因となっている場合が大部分です。
 スライド10です。経静脈鉄製剤による低リン血症性骨軟化症は世界に先駆けて本国から報告されました。罹患患者は、そこに示しますように低リン血症を示し、当初は薬剤性尿細管障害の関与が考えられていました。
 一方、次のスライドです。2009年に我々を含む複数のグループからこの経静脈鉄製剤による低リン血症性骨軟化症にFGF23が関与するということが報告されました。
 スライド12です。FGF23は骨細胞あるいは骨芽細胞によって産生されるホルモンで、詳細な機序は省略いたしますが、近位尿細管リン再吸収と腸管リン吸収の抑制から血中リン濃度を低下させます。
 スライド13です。実際に含糖酸化鉄の投与中あるいは投与直後は低リン血症、高FGF23血症が認められますが、含糖酸化鉄の投与を中止することにより、これらの異常が改善することを我々は報告しています。したがって、経静脈鉄製剤の一部はFGF23を上昇させることによって低リン血症を惹起するものと考えられました。
 スライド14です。過剰なFGF23活性により、そこに示しますように10種類以上の低リン血症性骨軟化症が惹起されるということが明らかにされてきました。経静脈鉄製剤では、そこに示しますように、含糖酸化鉄、ポリマルトース鉄及びカルボキシマルトース鉄による低リン血症骨軟化症が報告されています。
 スライド15です。過剰なFGF23活性がこれらの疾患の原因や病因であることから、FGF23活性を阻害するモノクローナル抗体であるブロスマブが開発され、各国で認可されています。我が国では、FGF23関連低リン血症骨軟化症に対し、ブロスマブが認可されています。
 スライド16です。実際にカルボキシマルトース鉄による低リン血症骨軟化症に対し、ブロスマブが有効であった症例が報告されています。必ずしもコンセンサスではないとは思いますが、この論文の著者らは経静脈鉄製剤による低リン血症骨軟化症にブロスマブを考慮すべきと考察しています。
 スライド17です。しかし、ブロスマブは抗体製剤であり、非常に高価です。1人当たりの薬価は1年で2000万から7000万円となります。すなわち、FGF23関連低リン血症骨軟化症といいますのは、これほどの医療費を費やすに値する疾患と考えられていると思います。
 スライド18です。以上の結果から、経静脈鉄製剤の選択に当たり、低リン血症の有害事象のリスクを考慮することは臨床上重要であると考えています。
○申請者
 先生ありがとうございました。
 御説明した2点より、私どもは要件ロに該当することを主張いたします。
○薬価算定組織委員長
 それでは、委員の先生方から何か御質問があればお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 質問させていただきますけれども、フェインジェクトが使われていて、その中で実際に低リン血症が起こって、FGF23抗体を使った症例というのが実際あるということなのでしょうか。
○申請者(専門家)
 先ほどお見せした症例報告ですが、その論文があります。
○委員
 それは適正使用の範囲でなったわけではなくて、どのぐらいの投与量で発症したものなのですか。
○申請者(専門家)
 結局、単回投与でこのような副作用は起こりません。要するに、経静脈鉄製剤を継続使用しないといけない症例というものが実際には存在して、そのような症例では骨軟化症にまで進展する場合があると理解しています。
○委員
 分かりました。継続的に使った場合にということですね。
○申請者(専門家)
 はい。
○委員
 理解しました。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。
○委員
 今の御質問につながるような形で質問させてください。
 鉄欠乏性貧血で、かつ静脈からの鉄補充を必要とするような症例に対して、具体的にはどのぐらいのくる病・骨軟化症が発生するという予測があって、さらに本品を使用することでそれがどのぐらいに下がるというデータからの結果になるのでしょうか。
○申請者(専門家)
 具体的な厳密なデータはありません。ただし、先ほど言いましたように、ポリマルトース鉄、含糖酸化鉄、カルボキシマルトース鉄では、低リン血症骨軟化症の報告が、全て合わせれば少なくとも数十例ぐらいはあると思います。
 それから、モノヴァーに関しましては、既に海外のガイドラインに載るほどの使用がされていると思いますが、これまで本剤による低リン血症骨軟化症の報告はないと理解しています。
○委員
 ありがとうございます。
○薬価算定組織委員長
 その他、いかがでしょうか。
 では、私から質問させてもらいますけれども、低リン血症の発現率が比較薬のフェインジェクトと比較して低かったという何かメカニズム的な考えられることとか、理由などは、どうしてだと考えているのでしょうか。
○申請者
 こちらにつきましては、糖鎖の違いによる寄与の違いと考えております。端的に申し上げますとそのようになっております。
○申請者(専門家)
 少し追加しますと、結局、経静脈鉄製剤はFGF23を上昇させることがあるわけですけれども、完全な機序というものは現状でも分かっておりません。ただし、例えばカルボキシマルトース鉄と本剤を比較した場合には、FGF23が上昇する患者の割合が圧倒的に違うということで、低リン血症の発症率も違うのだと理解しています。
○薬価算定組織委員長
 それから、欧州のガイドラインの話を先ほど出されたのですけれども、日本のガイドラインは現在どうなっているかということと、今後何か書き変わる予定などはあるのでしょうか。
○申請者
 本剤は、日本においてのガイドラインはまだ検討されていないという状況でして、今後、本剤が使われるようになっていった上で反映されていくと想定しております。
○薬価算定組織委員長
 その他の委員からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、よろしいですか。
○事務局 事務局からはございません。
○薬価算定組織委員長
 どうぞ。
○委員
 1点だけ教えていただきたいのですけれども、話をぶり返してしまって申し訳ありません。
 ガイドラインのお話なのですけれども、デンマークとかスウェーデンのものというのはガイドラインなのでしょうか。
○申請者
 スウェーデンとデンマークで、根拠資料で提示したものはガイドラインに相当するものだと考えております。
○委員
 相当するというのは、ガイドラインではないのですか。頂いている資料の中では、それらの2つの国のものにはガイドラインという記載がなくて。
○申請者
 失礼いたしました。
 まず、デンマークのガイドラインですけれども、デンマークにあるオーフス大学病院で実際に参照されているガイドラインでございます。
 スウェーデンのほうは、スウェーデンの一部のホランド州という州がありまして、そこで参照されているガイドラインでございます。
○委員
 それは、いわゆる学術団体が作成したグレードシステム等に則っているガイドラインとは少し異なるものということですか。
○申請者
 デンマーク、スウェーデン並びに一つの大学や一つの州で使用されているガイドラインではあると思います。
 ちなみに、デンマークのオーフス大学病院は規模としてデンマークで最大の病院で、デンマークを含む世界中の病院の中のランキングでトップクラスの評価を受けている病院と聞いております。それから、ホランド州はスウェーデンで21地域あるうちの第7位の州でございます。そのような規模で参照されているガイドラインということで、今回、参考にしていただきたく提出しております。
○委員
 いわゆる客観的な作成手法、グレードシステムとかに則ったガイドラインではないよということですね。承知いたしました。
○薬価算定組織委員長
 その他意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで企業意見の聴取を終了いたします。企業の方は御退室をお願いいたします。
(申請者退室)
○薬価算定組織委員長
 それでは、企業の意見を踏まえ、御意見をお願いいたします。
 □□先生、いかがでしょうか。
○委員
 くる病の話も出たのですけれども、実臨床とはかけ離れている感じがするのです。物すごい頻度の鉄欠乏貧血で、しかも、2回、3回の投与でそこまでリスクが変わるというのは、実際の臨床経験的にもそうですし、国内での報告から見てもかけ離れているので、大きく安全性が上回るという判断は考えられませんでした。
○薬価算定組織委員長
 それでは、その他の委員の先生から何か御意見があればお願いいたします。
 □□先生、いかがですか。
○委員
 私としては③-bの標準治療として言えるのかというところがすごく気になったのですけれども、これまでも他国であってもしっかりとしたガイドラインの中で第一選択として記載があるとここに該当していたのですけれども、今回、結局、第一選択としてしっかり記載されているのはかなり地域の指針みたいなものだけだったので、そこへの該当性もないかなと思いまして、異論はございません。
○薬価算定組織委員長
 その他の先生からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局、特にありませんか。
○事務局
 ございません。
○薬価算定組織委員長
 それでは、薬価算定組織としての意見をまとめたいと思います。
 算定概要における算定結果について、算定薬価、最類似薬、算定方式、補正加算等、いずれの項目においても事務局の見解が適当ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○薬価算定組織委員長
 それでは、算定案どおりといたします。当該企業が了承すれば、中医協に報告いたします。