令和5年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(議事要旨)

 

 

1.日時 令和5年12月5日(火)  15:00~16:52
 
2.場所 AP虎ノ門(Aルーム)
 
3.出席者
○日本商工会議所産業政策第二部部長 大下 英和
○一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部統括主幹 坂下 多身
○全国中小企業団体中央会事務局次長 佐久間 一浩
○東京海上ホールディングス株式会社人事部シニアマイスター 砂原 和仁
○日本通運株式会社人材戦略部次長 武知 紘子
○セコム株式会社総務人事本部参与 二宮 美保
○日本製鉄株式会社人事労政部部長 本荘 太郎
○西松建設株式会社安全環境本部安全部担当部長 最川 隆由

4.議題
(1)令和6年度概算要求の概要及び労災保険経済概況等について
(2)社会復帰促進等事業における主な新規・拡充(令和6年度予算要求)について
 
5.議事<主な指摘事項と対応>
<総論>
○ 社会復帰促進等事業の財源は保険料収入であるところ、上限額20/120の枠の予算を全部使うこと前提で事業や予算を決めていないか。安全対策の経費など、一般会計で出すべき費用もあるのではないか。  

○ 令和6年度要求の削減額は物足りない。できるだけ早く予算を2013年の水準に戻してほしい。光熱水料等の高騰という厳しい事業環境になることは承知しているが、引き続き強く要望する。そのためには、例えば、33番の外国人技能実習機構交付金、38番のテレワーク普及促進等対策、40番の中小企業退職金共済事業経費、41番の独立行政法人労働政策研究・研修機構運営費・施設整備費の事業のように、社会復帰促進等事業の趣旨目的に直結しないような事業について、事業主負担の保険料からなる労災勘定だけで負担するのが適切なのか検討し、見直すべき。    

○ 資料2の労災保険の収入と支出について、財政上の観点から、支出ありきで調整しているようにも思えてしまう。収入が伸びているなら予算の中でうまく納めるのも一つではないか。  

○ 社会復帰促進等事業の予算は、労働災害に遭った人に対する直接給付の要素が薄い部分であり、本来この経費を少しでも削って、保険給付にウエイトをシフトするべきものではないか。  

<個別事業について>
○No.6 独立行政法人労働者健康安全機構運営費・施設整備費
・ 全額労災勘定からの支出という説明は理解した。  

○No.13 労災特別介護施設運営費・設置経費
・ 労災により障害を負った方がケアプラザへの入所の可否によって自己負担等が異なることがないように、抜本的な見直しを今後検討してほしい。  

○No.20 職場における化学物質管理促進のための総合対策
・ ばく露測定の補助金は、元々義務づけされている測定には補助がでないということで理解した。  

○No.27 第三次産業労働災害防止対策支援等事業
・ 外国人材、シニア、女性の活躍のためには、それぞれの事情に応じて安心して働ける環境整備が非常に大事。周知啓発並びに企業における具体的な対策の実施等、幅広い支援をしっかりして欲しい。  

○No.35 産業医学振興経費
・ 日本専門医機構は産業医科大学などを卒業し従事要件の課せられている専攻医についても不同意離脱の場合、その医療機関プログラムの研修を専門研修とは認めないとする旨等の取扱いについて公表したが、今後この結果を踏まえて、産業医科大学での不同意離脱を防止する観点から、厚生労働省として何か対応予定や考えはあるか。  

・ 非常に重要な役割を果たしている産業医科大学について、財務省の通知により、一律に定員削減を求められ続けると、いずれ持続的な運営が困難になると懸念している。来年度の定員確保の見込みはどうなっているのか。  

・ 10月4日の労災保険部会で、厚生労働省から「大学と連携をして、令和6年度の要求においてこの削減数に見合う増員要求を行い対応している」と説明があったが、産業医科大学を定員削減計画の対象外にするという大胆なことも含めて検討してほしい。  

○No.36 未払賃金立替払事務実施費
・ 非常に重要な事業だと思うが、支給状況について傾向や規模的な特徴があれば教えてほしい。あわせて、回収状況も把握していれば教えてほしい。  

○No.37 過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し
・ いわゆる2024年問題、中小企業の対応は間に合っていないとの声がある。助成金の拡充だけでなく、働き方改革推進支援センターを通じた効果的な支援や、荷主等への理解促進について、省庁連携による取組を行う等、取組の充実と引き続き予算の確保をお願いする。  

・ 令和6年度に時間外労働の上限規制が適用される業種への支援として、増額要求する必要性について一定の理解はするが、廃止も含めた大幅な削減を検討すべきであり、少なくとも次年度以降は、抜本的に見直すべき。
 
○No.38 テレワーク普及促進等対策
・ 今までの訪問コンサルティングがどれくらいの規模で行われているのか、新たに実施予定の地方部へのコンサルティングの強化のニーズがどういったところからあるのか、どこを訪問するのか、教えて欲しい。  

○No.42 個別労働紛争対策費・多言語相談支援事業
・ 働きに来る外国人が安心して相談できる体制が整備されていることが、選ばれる国になっていく上でも非常に重要であるため、予算を確保して、外国人を受け入れている企業等を通じて、しっかり利用促進をしてほしい。  

・ 財源となる勘定が異なる等により相談窓口を分けているのか。外国人の方の相談窓口が多くありわかりにくいため、全事業通じて、一つの窓口で相談できるようにしてほしい。