第3回健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会議事録(2023年11月27日)

 

 


○日時


令和5年11月27日(月)14時30分~16時30分


○場所


TKP新橋 カンファレンスセンター カンファレンスルーム13B  (オンライン開催)


○議事


○開会
【小田課長補佐】  定刻になりましたので、ただいまより、「第3回健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康・生活衛生局健康課の小田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
議事に入る前に、WEB参加者への留意点、資料の確認、本日の出欠等の状況について御説明差し上げたいと思います。
まず、オンラインでの先生方への注意事項でございます。会議中は、ビデオカメラはOnにしていただくようお願いいたします。発言時以外は、マイクはミュートにしていただき、発言される際には挙手、もしくは挙手ボタンを使用いただき、座長から指名の後に御発言いただくようお願いいたします。発言時にマイクをOnにしていただき、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言いただき、発言が終わったらマイクをミュートに戻していただくよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、資料の確認の確認に移りたいと思います。事前にメールでお送りしているファイルに不足がないか、御確認いただければ幸いでございます。まず、議事次第、構成員名簿、座席表でございます。資料としまして、資料1「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(案)」、参考資料としまして、参考資料1「健康づくりのための身体活動基準2013」を事前にお送りさせていただいてございます。不備等ございましたら、メールでお送りしております事務局の緊急連絡先まで御連絡いただけると幸いでございます。
また、本日、荒井構成員におかれましては、会場で現地参加いただいてございます。また、津下構成員は、遅れて現地で御参加の予定でございます。また、横手構成員から本日御欠席の連絡を頂いてございます。
報道関係者の撮影につきましては、ここまでとさせていただければと思います。
それでは、以後の進行は中島座長にお願いしたいと思います。中島座長、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○議題
1.健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(案)とりまとめについて
【中島座長】  皆さん、よろしくお願いします。では早速、議題に入りたいと思います。「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(案)」について、5ページまで、事務局から説明をよろしくお願いします。
 
・「1.はじめに」
・「2.健康日本 21(第三次)」の目標と本ガイドの活用方策について」
【田邉室長】  事務局でございます。画面のほうでも資料を投影させていただきますので、御参考にしていただければと思います。
まず、タイトルでございますが、今回、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」とさせていただいてございます。先生方にこれまで御議論いただきました推奨事項等につきまして、定量的なものに加えて、定性的なものもございましたので、そういう点を踏まえまして、身体活動・運動は個人の状況に応じて取り組むべきものであるという中で、これまでの「身体活動基準」となりますと、どうしても全ての人が等しく取り組むべきものというような誤解が生じるのではないかという声などを頂きましたので、「ガイド」という名称を使わせていただいてはどうかと考えてございます。
おめくりいただきまして、まず、目次がございます。これは前回のものを踏襲した形で、このような形でシートをまとめる形式にしてございます。
では、1ページ目、「はじめに」というところでございます。こちらでございますけれども、まず1点目のところで、身体活動とは何かということを、運動も含めて御説明させていただいた上で、それ以降で、いわゆる生活習慣病、循環器病であるとか2型糖尿病というものに対して身体活動・運動が非常に重要であるということを書いてございます。また、2パラグラフ目で、WHOで令和2年に公開されました、身体活動・座位行動のガイドラインがございますが、こちらの中でも、やはり生活習慣病等に対する影響ということが書かれた上で、身体活動は全ての国民が取り組むべき重要課題であるということを書いてございます。さらに、身体活動・運動に関しましてWHOが示しております、死亡に対する危険因子についても、高血圧、喫煙、高血糖に次いで、 身体活動・運動不足は4番目に位置付くということに加えて、国内においても死亡に対する3番目の危険因子だということで、身体活動・運動というのは非常に意義・重要性ともに広く国民の皆様に認知していただいて、実践していくことが、今後、超高齢社会を迎える中で非常に大事であるということを書いてございます。
おめくりいただきまして、次は「(2)身体活動基準改訂の主旨」でございます。まず、1パラグラフ目で、これまで健康日本21等と並行して身体活動・運動についてのガイドを示してきましたけれども、その経緯を示させていただいてございます。そして、2パラグラフ目で、最新の「身体活動基準2013」、こちらの策定から10年経過しまして、当然新しいエビデンスがたまってきております。また、「健康日本21(第二次)最終評価」におきまして、歩数、運動習慣者の割合のいずれも横ばい、または若干減少傾向であるというふうに示されてございますので、こうした点も踏まえまして、今回新しく「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を策定したという経緯を書いてございます。それから、先ほど申しましたように、今回、名称について「ガイド」というものを採用させていただいてはどうかというところを、最後の3パラグラフ目にまとめているという形でございます。
次のページにいっていただきまして、「(3)身体活動・運動の概念について」でございます。こちらは、前回、先生方に御議論いただいた部分でございまして、運動につきましては、基本的に定義は前回の身体活動基準2013から変更しないというところでございます。通勤時に1つ前の駅で降りて計画的に歩くのは運動という定義になります。定義はこれまでと同様のものを採用させていただくというところでございます。その上で、身体活動については生活活動、運動が含まれ、今回、さらに座位行動が新しく加わりましたので、座位行動については、まずわかりやすく、座ったり、寝転んだりということを書いた上で、さらに、学術的な部分については、1.5メッツ以下の全ての覚醒行動というところも書かせていただいてございます。また、参考として、概念図として、生活活動・運動は身体活動に含まれますというところ、それから座位行動というものを絵でわかりやすく示しているところでございます。
おめくりいただきまして、続きまして、「健康日本21(第三次)」との関係でございます。来年度から開始します健康日本21(第三次)でございますけれども、この中におきまして、身体活動・運動分野の目標を設定させていただいてございます。こちらについては、本年5月に大臣告示として出させていただきました。この中で、これまでと同様に、まず「日常生活における歩数の増加」ということで、7,100歩を目標として設定させていただいてございます。それから、「運動習慣者の増加」ということで、これにつきましても40%という数字を目標として設定しているところでございます。これに加えまして、いわゆる「健やか親子」との連携で、運動またはスポーツ習慣のあるこどもの数。あるいは、環境整備というところで国土交通省と連携いたしまして、「まちなかウォーカブル」を設定している市町村の数も、今回、新しく目標として設定させていただいているところでございます。これらの達成に向けて、ぜひこのガイドを参考にしていただければと考えてございます。
おめくりいただきまして、「(2)本ガイドの活用方策」でございます。こちらも、前回、先生方から、このガイドをどういう人に向けて作っているのかということを、明確に書いたほうがいいという御意見がございましたので、その点について記載してございます。まず運動指導者、いわゆる健康運動指導士、保健師、管理栄養士、ドクター等。それから、政策を立案される方、これは当然、健康増進部門に加えまして、環境整備という面ではまちづくりなどの部門の方に見ていただければと考えてございます。それから、職場管理者ということで、職場での運動についての環境整備という部分では、そういう方々にも読んでいただければということで、身体活動を支援する関係者の方に向けたものであるということを、まず書いてございます。
それから、2パラグラフ目ですが、健康日本 21(第三次)におきましては、より実効性を持つ取組の推進ということを1つの柱にしてございます。その中ではアクションプランというものを示していくということで、このガイドもぜひその中でも参考にしていただいて、国民等への効果的な周知・啓発等に使っていただければと考えてございます。それから、今後ですけれども、産業構造あるいは自動化等に加えまして、次の新興感染症という可能性もございます。今後、生活様式が変化して、身体活動量が減少しやすい環境に動いていくことが懸念される中で、このガイドを活用いただきながら、さらに、新しいデバイス等を活用いただいて、身体活動・運動を見える化しつつ、さらに進めていければということで、ガイドの活用方策としてまとめさせていただいてございます。
事務局の御説明はいったんここまでで切らせていただきます。よろしくお願いいたします。
〈質疑応答〉
【中島座長】  どうもありがとうございました。「基準」という言葉から「ガイド」という言葉に変えたというところで、大きな変化があったと思います。あと、1ページから5ページにかけて説明をしていただきました。先生方も事前に説明であるとか意見交換をされていると思います。どうでしょうか。今までの5ページまでで、何か御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。
【荒井構成員】  会場の荒井ですけれども、よろしいでしょうか。
【中島座長】  荒井構成員、お願いします。
【荒井構成員】  3ページですけれども、座位行動のところで、私の知識がないせいかもしれませんけれども、「半臥位」とあります。一般的には「半座位」ではないかと思うのですけれども、私も気がつかなかったのですが、「半臥位」のほうが一般的な名称なのでしょうか。
【中島座長】  事務局、どうですか。
【小田課長補佐】  厚生労働科学研究班の中では、座位、半臥位、臥位の状態ということで、日本の座位行動の研究の中でもそのように定義されているというところで進めてきております。今回あらためて、厚生労働省としてはここで初めて出てくるところでございますので、慎重に検討したいと思います。澤田構成員などからもし補足がございましたら、お願いできればと思います。
【澤田構成員】  荒井構成員から御質問いただいた点ですけれども、私も正確に日本語の意味するところ、あるいは使い方は把握していないのですけれども、私たちの運動疫学・スポーツ疫学の世界で座位行動を定義するときには、常にこの「半臥位」及び「臥位」という表現を使っておりますので、特段問題がなければ、学術的に私どもの分野で使っているこの表現を採用していただければと思っております。
【中島座長】  澤田構成員、ちなみに半座位と言うときにはどういう状態を指すのですか。それはあまり定義されてないですか。
【澤田構成員】  半座位という表現を使ったことはございません。座位というのは「座る」の座位ということでしょうか。
【中島座長】  そうです。荒井構成員がおっしゃったのは、その座位のことだと思うのですけれども、それは今まで使ってないということですか。
【澤田構成員】  そうですね。半座位という表現は使っていません。
【荒井構成員】  医学的には半座位のほうが一般的だと思っています。医学的にはセミファーラー位などとも言うのですけれども、それは座位が100であって、その半分が半座位で、臥位はゼロなので、ゼロの半分があるというのは医学的には考えにくいのですが。
【澤田構成員】  承知いたしました。研究班としましては、座位行動の分野をリードしていただいたのは早稲田大学の岡浩一朗先生ですので、岡先生に確認をさせていただきます。そして、荒井構成員のおっしゃっていたことは非常にもっともだと思いますので、そちらを確認した上で、修正したほうが望ましいかどうか、恐らくそうだと思うのですけれども、厚生労働省さんのほうに研究班の考えをお伝えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【中島座長】  では、今の「半臥位」「半座位」は、澤田構成員のほうでいったん引き取って、少し検討するということでよろしいですか。
【澤田構成員】  はい、そうさせていただければありがたいと思います。荒井構成員、ありがとうございます。
【中島座長】  よろしくお願いいたします。では、藤内構成員、お願いいたします。
【藤内構成員】  5ページの「本ガイドの活用方策」についてです。今回、このガイドが誰向けなのか、誰にこのガイドを活用してもらうのかということを明記したことはとても良かったと思います。恥ずかしながら、我々はこの健康増進部門の健康行政に携わりながら、あまりこのガイドを十分に活用しきれなかったということを、実は反省しております。
今回、このガイドの改訂に伴い、その周知方法について検討を進めると記載されていますが、これを周知したあと、このガイドがまた10年間なのか、ある一定期間、活用されるわけですが、その間、このガイドの認知度であったり活用状況を、自治体のなかでも健康増進部門から、都市計画部門であったり、今回は高齢者も入っていますので、介護保険部門であったり、こどもの部分も入りましたから教育委員会など、行政においてもそれぞれの分野、部門ごとに、活用状況の確認を定期的に行うことが必要ではないか。あるいは、介護保険事業者などについても、このガイドラインについて知っていただくということが必要なので、介護保険事業者を対象にしたモニタリングといいますか、認知度や活用状況を確認するという作業もどこかで組み込まれるといいのではないかと思いました。
【中島座長】  ありがとうございました。フォローアップということに関してでしょうか。では、事務局から、何か計画などあればお願いいたします。
【田邉室長】  実は現行の厚生労働科学研究等でも認知度調査等はさせていただいておりますので、そういう枠組み等を活用しながら、今後もそういう方向で検討させていただきたいと思います。貴重な御意見ありがとうございました。
【中島座長】  どういう使われ方をしたとか、どれだけ役に立っているかということがわかれば、確かになお良いと思いました。ありがとうございます。
【荒井構成員】  今の点についてですが、前回の「健康づくりのための身体活動基準2013」の策定から10年間で、身体活動については国民のレベルとしては落ちてきたということが反省点としてあるので、今回の改訂につながったと思うのですけれども、その反省がこの文章の中に入ってないような気がします。この基準を出したにもかかわらず、なぜ国民の身体活動性が低下したのかということについて、そのことを1点レビューした上で、この活用方策を出すという形での論理展開のほうがいいのではないかと思ったのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
【中島座長】  事務局、お願いしていいですか。
【田邉室長】  そこは健康日本21(第二次)の最終評価でさせていただいて、取りまとめを出させていただいておりますので、それを引用する形で少し盛り込むという形にさせていただければと思います。修正を事務局で考えさせていただきます。ありがとうございます。
【小田課長補佐】  補足でございますけれども、現在、2ページに「健康日本21(第二次)最終評価」ということで、歩数、運動習慣者の割合が横ばいから減少というところは記載があります。今回、そういったところも踏まえて基準の改訂をしたという歴史的経緯自体はこちらありますので、先生が御指摘いただいた5ページのほうにも、そういった要素の追記を検討させていただきたいと考えてございます。
【中島座長】  荒井構成員は、5ページに追記したほうがいいのではないかという御意見だったのですか。
【荒井構成員】  どちらでも結構なのですけれども、2ページの部分の、国としてこういった活動をしてきたにもかかわらず、なぜ国民の活動性が低下したのかということについての問題提起は、2ページないし5ページ、いずれかに少し書いていただいたほうがいいかと思った次第です。
【中島座長】  では、事務局、繰り返しは良くないと思いますので、2ページなりにもう少し膨らませて書くとか、そういう感じで対応していただければいいかと思いました。荒井構成員、それでよろしいですか。
【荒井構成員】  はい。どちらでも結構ですので、よろしくお願いします。
【中島座長】  ほか、先生方、いかがでしょうか。では、最初の前付のところはよろしいですか。先へ進んでいいですか。
【構成員一同】  異論なし。
【中島座長】  では、皆さん、ありがとうございました。続きまして、その先の6ページ以降の説明を、よろしくお願いいたします。
 
・「3.身体活動・運動に関する推奨事項」
・「4.身体活動・運動に関する参考情報」
【田邉室長】  では、6ページの「3.身体活動・運動に関する推奨事項」のところから御説明させていただきます。
おめくりいただきまして、7ページでございます。まず、最初のところで、本ガイドの推奨事項の概要ということで、まとめの図を作らせていただいてございます。これは前回、「健康づくりのための身体活動基準2013」の時も用意したのですけれども、それと同じような形で、こども、成人、高齢者について推奨事項を挙げてございます。前回、こちらの案をお示しさせていただきまして、先生方から頂きました修正事項を反映してございます。
まず、身体活動の運動も含まれますということで、身体活動の中に運動を入れてございます。さらに、運動の中にいわゆる筋力トレーニング等も入ってきますので、筋力トレーニングを週2~3日というところも運動の中に入れてございます。それから、特に高齢者では、運動の要素として有酸素運動等もございますので、多要素の運動ということを丁寧に書いてございます。それから、座位行動は、今回は身体活動の枠から外に置いてございます。この座位行動を減らして、身体活動を増やすという意味で、この2つを横に並べて書いているところでございます。それから、座位行動につきましては、前回、立位が困難な方、いわゆる車椅子等の方についてのメッセージも書いたほうがいいのではないかという御意見がございましたので、「じっとしている時間が長くなりすぎないように少しでも身体を動かす」というメッセージを加えているところでございます。
それから、「全体の方向性」というところでは、まず、「個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」ということ、それから、「今よりも少しでも多く身体を動かす」ということを書いてございます。
おめくりいただきまして、次からは、前回まで先生方に御指導いただいておりましたシートの部分でございます。修正点を中心に御説明させていただきます。
まず、「成人版」でございます。「推奨事項」の5ポツ目、座位行動のところでございます。座位行動につきまして、括弧の中の部分でございます。「立位困難な人も、じっとしている時間が長くなりすぎないよう、少しでも身体を動かす」というところ、先ほど申しましたように、立位困難な方についてのメッセージを加えるようにという御意見を頂きましたので、この点について書いてございます。
それから、次の「2.科学的根拠」の部分でございます。この頭の部分をかなり加筆してございます。「健康づくりのための身体活動基準2013」において提示しておりました推奨値について、今回も同じ値にしてはどうかというところで、前回の推奨に至った経緯、それから、最新のエビデンスを踏まえても、前回と同様の推奨値で問題無いという説明をさせていただいてございます。
おめくりいただきまして、10ページ目の右上の部分でございます。先ほどの座位行動のところの、立位が困難な方に対するメッセージにつきまして、こちらの本文のほうでも丁寧に書いているところでございます。
3番、4番、5番については、特に大きな変更点はございません。
続きまして、「こども版」でございます。まず、「推奨事項」の一番上のパラグラフですが、「身体を動かす時間が少ないこどもには、何らかの身体活動を少しでも行うことを推奨する」ということで、こどもにおける身体活動量については、二極化することを踏まえまして、身体活動量の少ない方に対して少しでも身体を動かしましょうというメッセージを加えてございます。それから、3ポツ目で、「激しすぎる運動やオーバーユース(使いすぎ)には注意する」ということで、中学生等になりますと運動習慣については、二極化して、部活動等の運動のしすぎという部分が1つ問題になっておりますので、関係省庁と調整しまして、このメッセージは推奨事項に入れたほうがいいという御意見がございましたので、ここに書いてございます。
それに伴うものといたまして、次のページをおめくりいただきまして、「5.よくある質問と回答」の最初のQ&Aでございます。「こどもが身体活動を行う際に注意することはありますか」ということで、やはり、やりすぎ(オーバーユース)について書いてございます。その際に、スポーツ庁・文部科学省のほうで出しております、部活動のガイドラインの記載を踏襲させていただいて、週当たり2日以上休養日を設けること、あるいは、平日は2時間程度、休日は3時間程度ということで、ガイドラインに基づいた記載を書いてございます。
こども版につきましての主な修正事項は以上でございます。
続きまして、「高齢者版」でございます。高齢者版につきましては、まず、上から2ポツ目の最初の✓でございます。「上記の強度、推奨値に満たなくとも、少しでも身体活動を行うことを推奨する」ということで、当然個人差がございますので、できる範囲で少しでもやりましょうということをメッセージとして書いてございます。
それから、「2 科学的根拠」でございますけれども、前回は「強度を問わず」ということで週10メッツと書いてございました。今回は3メッツ以上で週15メッツ・時に変更してございますので、それについての根拠を書いてございます。強度についても、可能であれば3メッツ以上のほうがいいのではないか。それから、メッツ・時に関しましても、身体活動量のほうに関しましても、週15メッツ・時に増やしたという経緯を書いてございます。その一方で、右側のほうにいっていただいて、やりすぎの身体活動については、まだ明らかではないですけれども、「けがや体調に注意して無理をしないことが大切です」ということで、やりすぎについても注意しましょうという部分についても記載させていただいてございます。
3番、4番、5番につきましては、高齢者につきましても大きな変更点はございません。
続きまして、参考事項の「筋力トレーニングについて」でございます。まず、「ポイント」の2ポツ目でございます。「成人および高齢者に、筋トレを週2~3日実施することを推奨する」と。前回までは週2日以上と書いておりましたが、やはりやりすぎという点にも問題がございますので、週2~3日ということで、きちんと休養日を設けましょうというようなメッセージを書いているイメージでございます。
それから、おめくりいただきまして、筋力トレーニングにつきまして、「よくある質問と回答」の1つ目でございます。具体的にどのようなトレーニングをしたらいいですかという問いですけれども、これにつきまして、筋力トレーニングを初めて行う場合には、できれば運動指導の専門家の方に、自分の状態に応じたプログラムを相談してはどうですかということを加えてございます。こちらも先生方から頂きました意見を反映しているところでございます。
筋力トレーニングのシートにつきましての大きな変更点は以上でございます。
次、「働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント」についてでございます。こちらにつきましては、1番と2番につきましては大きな変更点はございません。
4番の「事例集」で、高齢者の労働者の方の事例があったほうがいいのではないかという御意見を頂いておりましたので、事例7に、「高齢労働者に対する多要素介入の潜在的有効性」というところを書いてございます。シルバー人材センターで高齢労働者の方に、多要素な運動の介入をしたところ、 就業中の転倒が予防されるのではないかということがございましたので、そちらについての事例を新しく追加しているところでございます。
おめくりいただきまして、次の「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」、これは今回新しく追加したシートでございます。前回、前々回、このようなシートがあったほうがいいのではないかという御意見を頂いておりましたので、今回、各疾患ガイドライン等を所管している関係学会の先生方と御相談させていただきまして、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、変形性膝関節症を有する方をまず対象としまして、「慢性疾患を有する人への身体活動のポイント」というものを作成させていただいてございます。
まず、対象といたしましては、1ポツ目ですけれども、医師などの患者さんに運動や身体活動を推奨・指導する立場の方に対して、読んでいただきたいということについて書いてございます。それから、慢性疾患を有する方に対しましては、当然、個人の状態に応じてにはなるのですけれども、できる範囲で身体活動をしたほうがいいということを書いてございます。3ポツ目で、とはいうものの、身体活動によって症状等が悪化するようなことがあれば、すぐに専門の先生御相談くださいということを書いてございます。4ポツ目で、当然、身体活動を制限する状態があるというのが慢性疾患でありますが、とはいいつつも、もしも可能であれば、どのくらいのところを推奨値にするべきか、目指すべきかというところに関しましては、成人であれば1日60分、いわゆる成人の目標値でございます。高齢者につきましては、1日40分ということで高齢者の推奨値。もし可能であればこれが1つの目標になるのではないかということを書いてございます。続きまして、筋力トレーニングに関しましても、同様に、可能であれば週2~3日行うことが望ましいということを書いてございます。また、高齢者に関しましては、いわゆる多要素な運動、筋力トレーニングであるとかバランス運動、柔軟性というところも取り入れたことを週3日以上。これも高齢者の推奨事項に準ずる形で記載させていただいております。座位行動につきましても、同じように、長くなりすぎないように等々を書かせていただいてございます。
「1 身体活動量と具体例の説明」でございますけれども、ガイドライン等を踏まえまして、できれば1日30分以上、中強度の身体活動をしてはどうかというところ。それに加えまして、いわゆる生活活動を30分ということで、合わせて60分。いわゆる成人の推奨値の60分というところが1つの目安になるのではないかということを書いてございます。
それから、「2 科学的根拠」でございます。こちらに関しましても、身体活動・運動がなぜこの4つの疾患に対していいのかということを、エビデンスを踏まえまして、どのようなところで作用するのかということを、疾患ごとに表形式でまとめているところでございます。この辺りは、一部、学会の先生方と現在調整中の部分もございますので、参考にしていただければというところで、この辺りに関してはもう少し修正が入るイメージでございます。
おめくりいただきまして、次のページの一番上のグラフでございますけれども、これは2型糖尿病に関しまして、2型糖尿病の方の身体活動量と全死亡率との関係をグラフで描いたものでございます。身体活動量が多いほうが、経年的に見ますと全死亡率は下がってくるというところで、運動の効果として一定こういうことがありますということを例示で示してございます。
「3 現状」ですけれども、このような資料を出すに至った経緯ですが、では、いったいどのくらいの方がこういう慢性疾患を抱えているのかという部分でございます。例えば糖尿病ですと、予備群を合わせると2,000万人、高血圧ですと4,300万人ということで、かなり数が多いということでございまして、一定数こういう疾患を抱えながらという方もいらっしゃいますので、そういう方に対して、運動の有効性、身体活動も大事だということをお示しできればということで作成したという経緯でございます。
「4 取り組むべきことは何か」に関しましては、当然医療機関での管理は大事ですので、そういう管理の下で定期的な受診等や情報共有をしながら、可能なところからやっていきましょうということを書いてございます。こちらのシートは、そういう意味で今回新しく作成させていただいたものですので、先生方に御指導いただければと考えてございます。
次の、「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」でございます。こちらに関しまして、大きな変更点といたしましては、おめくりいただきまして、26ページの、確認すべき事項の表の中の、3番の「過去に手術歴がありますか」というところでございます。特に整形外科領域での手術が中心になると思うのですけれども、なかなか御本人が、詳細についてわからない場合もありますので、まず、手術歴全般を聞かせていただいて、運動制限があるかということを確認する必要があるのではないかというところで、手術歴について追記させていただいてございます。
それから、27ページの左上の表でございますけれども、この中の「メタボ」のところに肥満であるとか、あるいは「内科系疾患」のところにサルコペニア、肥満症という言葉を加えさせていただいて、そういうものからの影響も追記しているところでございます。
その他に関しましては、このシートに関しまして大きな変更点はございません。
次の、「身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム」でございますけれども、これにつきましては1点、「1 身体活動・運動の種類」の、筋力トレーニングのところでございますけれども、ここに筋力トレーニングの効果として、「習慣的な実施に伴う、筋肥大や筋力増強、骨格筋の抗酸化能・抗炎症能やマイオカイン分泌の増加が、死亡や一部の疾患発症リスクの低下と関連すると考えられています」ということで、筋力トレーニングのいわゆる付随的な効果を新しく追記したところでございます。
その他の部分に関しましては、次のページの表のところで、一番上、「全身」の「エネルギー消費量」の横に「体重・BMI・腹囲」ということで、特定健診等を意識して「腹囲」という言葉を加えたところでございます。
続きまして、次の「全身持久力について」でございます。ここについては大きな変更点はございませんが、1点、最初のところで、最高酸素摂取量に加えまして「最大酸素摂取量」についても、同様に非常に有効な予測因子だということで、最大酸素摂取量についての文言を加えたところでございます。
それから、「身体活動支援環境について」でございます。こちらにつきましても、大きな変更点はございませんが、33ページの、「2 生活活動に関する物理的環境の整備」のところで、右側のパラグラフの「滞在快適性等向上区域(まちなかウォーカブル区域)」でございますが、実はこれは国土交通省のほうで取り組んでいらっしゃる施策でございまして、そちらのほうから御指摘がありましたので、記載内容を公表資料ベースに修正しているところでございます。中身、あるいは書いている内容については、大きな変更点はございません。
続きまして、これも第1回、第2回で先生方から御指摘いただきました、栄養摂取との関係について新しくシートを追加したほうがいいのではないかというところにつきまして、「身体活動とエネルギー・栄養素について」ということで、新しく1つシートを作成させていただいてございます。事務局のほうから、こちらについての説明をさせていただきます。
【齋藤室長補佐】  それでは、新規に作成いたしました「身体活動とエネルギー・栄養素について」を簡単に御説明させていただきたいと思います。
3つの柱で作成いたしました。1つ目は、「身体活動と栄養について」ということで、身体活動量に応じてエネルギー収支バランスを適切に保ちながら、必要な栄養素を過不足なく摂取することが重要であるということ。
2つ目としましては、近年、筋肉量増加を目的としまして、運動とセットでプロテインの摂取を促すという場面が増えているとの御指摘も頂いておりますので、身体活動とたんぱく質の摂取に関しまして、たんぱく質摂取量が多いほど筋肉量が直線的に増えるものではないので、必要な量以上にたんぱく質を摂取する必要はありませんということを記載させていただいております。また、高齢者につきましては、潜在的に腎機能が低下している可能性もありますので、そういった場合には、かかりつけの医師にきちんと相談をすることが必要ですということを記載させていただいております。35ページの一番下のグレーの網掛けの部分に関しましては、必要なたんぱく質の量を性・年齢階級と身体活動量別に算出できるワークシートを付けさせていただいております。
1ページおめくりいただきまして、36ページ、柱の3つ目ですが、「特定保健指導における内臓脂肪減少のためのエネルギー調整の考え方」ということで、肥満の方の場合には身体活動による消費と食事で摂取するエネルギー量を調整することで計画的に減量を図ることが重要であることとともに、現行の「健康づくりのための身体活動基準2013」の参考資料に記載があるのですが、そちらをベースに、今回、身体活動と食事でのエネルギーを考えるためのシートを追記させていただいております。
簡単ではありますが、以上でございます。
【田邉室長】  事務局からの御説明は以上となります。よろしくお願いいたします。
〈質疑応答〉
【中島座長】  ありがとうございました。たくさん項目がありました。成人、こども、高齢者、それから、インフォメーションが1から8までありますので、一番最初に戻っていただいて、順番に御意見を聞くというふうにさせていただきたいと思います。
今の説明は7ページの下の図から始まりましたね。これについて、構成員の皆様、どうでしょうか。座位行動の位置であるとか、その辺を調整してございます。運動は身体活動の中に入れるとか、そういう工夫をされていますけれども、御意見はございますか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  よろしいですか。これはもう事前に複数回見ていただいているものではあると思います。では、これは御了承いただいたということで、先に進めていただきます。
次、「成人版」です。特に立位、立つことができない方への配慮が要るということで、5つ目のポツの、括弧の中の立位困難な人も少しでも身体を動かすということが複数回出てきますけれども、配慮させていただいたということです。この「RECOMMENDATION 1 成人版」の内容について、何か御意見はございませんか。よろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  では、車椅子にずっとお座りの方などにも、この括弧内の文言でよろしいですね。どうもありがとうございました。では、先に進めたいと思います。
次、「こども版」についてです。これに関して、構成員の皆さん、いかがですか。オーバーユースについての配慮も必要だろうということで、そういう文言が追加されています。基本的にこのガイドは、やりすぎではなくて、運動習慣の少なめのお子さんを対象にしているという内容でございます。これもいいですか。皆さん、よろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  ありがとうございました。では、次は「高齢者版」に進みたいと思います。御意見はないですか。もう練りに練られたという感じで、皆さんも何回も見ていただいているということは重々聞いております。ここはと思うところはございませんか。よろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  では、成人、こども、高齢者版は、これで一応OKということで、先に進めたいと思います。
では、次、INFORMATIONです。これが全部で8個ございました。まず、「筋力トレーニングについて」ということで、具体的に「週2~3回」という言葉も入れてあります。その次のページには、どのようにするかということで、実現可能性というか、今回の健康日本21の1つの方向性であります、可能にする、実現するということを具体化するというところをよく反映しているのだろうと思います。筋力トレーニングはよろしいですか。何か御意見はございませんか。藤内構成員、よろしくお願いします。
【藤内構成員】  17ページの、図1「筋トレの実施と総死亡リスクの関係」ですが、「実施あり」が1で、「実施なし」のほうが、死亡リスクが下がっているのですが、もしかしたらこの棒グラフが逆転していませんか。
【中島座長】  どうなのですか。確かに言われると。
【小田課長補佐】  大変失礼いたしました。確認して修正させていただきたいと思います。反対の認識です。
【中島座長】  「実施あり」のほうが低いのですよね。
【小田課長補佐】  はい、御指摘のとおりでございます。大変失礼いたしました。
【中島座長】  藤内構成員、ありがとうございました。やはり間違いはあるものですね。
ほか、どうですか。右下は合っているようですね。「実施なし」が1としたときに、運動をされた方が、相対リスクが下がるというのは合っているようです。
次のページはどうですか。では、先に進んでよろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  では、先に進めさせていただきます。次の、INFORMATION2は「働く人が職場で活動的に過ごすためのポイント」という内容です。これも何回も見ていただいているわけですけれども、御高齢の方が働く事例を入れたほうがいいということで、21ページに事例7を加えていただいています。そこに限らず、この4ページの中で何かお気付きの点などございませんか。これもよろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  ありがとうございます。では、先に進めます。
これが今回新しく追加したINFORMATIONです。「慢性疾患を有する人の身体活動のポイント」ということで、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、あと、運動器疾患の代表ということで変形性膝関節症が入れてあります。何かお気付きになられた点はないですか。ここでは対象を新しく加えたということで、医師、患者さんも含めて、また、指導者にも読んでいただきたいということを、ここは追加する感じですけれども、明確にされています。
【荒井構成員】  よろしいでしょうか。表1で、まだ恐らく各学会で検討中のところもあるかとは思いますけれども、エビデンスのところが少し統一性がないかと思っております。「強固なエビデンス」「中等のエビデンス」というのは、これはMinds の書き方と同じ書き方でよかったですか。「中等度」ではなくて「中等のエビデンス」だったでしょうか。
【小田課長補佐】  記載ぶりを確認させていただきたいと思います。
【荒井構成員】  確認していただいて、高血圧から変形性膝関節症まで統一した書き方にしていただければと思いますし、2型糖尿病のところの、「身体機能やQOLにも効き得る」はあまり科学的ではないので、「身体活動やQOLの改善効果も期待できる」とか、そういう日本語のほうがふさわしいかと思いました。
【中島座長】  確かにそうだなと思いながら、今、見ていました。エビデンスの表現は、私もつい最近、診療ガイドラインを作りましたけれども、「中等」などは言わないような気がします。強いとか弱いとか、そういう表現をしているような気がします。
では、事務局のほうでそこの言い回しを確認して、通じやすいような言葉が使ってあれば、それに変えてもらっていいですか。
【小田課長補佐】  はい、承知いたしました。御指摘を踏まえて統一させていただきます。
【中島座長】  あと、「効き得る」というところも、確かにほかの言葉がいいかなと思いました。
【小田課長補佐】  はい、承知いたしました。
【中島座長】  ありがとうございました。ほか、どうですか、皆さん。いいですか。先に進んでよろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  では、次、4番目です。「身体活動・運動を安全に行うためのポイント」というところです。「本当はやりすぎると危険だった」とか、そういうものをスクリーニングするような意味合いもあるのではないでしょうか。次のページのところには、問診票のような、そういう捉え方のチェックポイントが書かれています。構成員の皆さん、どうですか。こちらもよろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  ありがとうございました。では、先に移らせていただきます。
次は、5番目、「身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム」という内容です。荒井構成員、お願いします。
【荒井構成員】  細かいですけれども、図1のグリーンのところの上から6番目に、「たんぱく質同化」とありますが、食べ物のたんぱく質は平仮名表記ですけれども、体の中のタンパクは片仮名表記だったような気がします。私も見落としていました。いかがでしょうか。
【中島座長】  体の中というのは。
【荒井構成員】  体の中のタンパク質の同化とか、リポタンパクとか、そういった場合には片仮名表記だったような気がします。
【中島座長】  平仮名ではなくて。
【荒井構成員】  あくまでも、食事の中のたんぱく質の場合は平仮名表記にしています。
【中島座長】  事務局は、これは要確認ですね。いかがでしょうか。
【田邉室長】  はい、確認して修正をいたします。ありがとうございます。
【中島座長】  では、通常は食べ物のときが平仮名で書かれて、体の中にあるような場合には漢字か片仮名かという、荒井構成員の御指摘です。
【荒井構成員】  30ページの左のカラムの一番上は、きちんと「タンパク質」と片仮名になっていますので、同じにしていただければ。
【中島座長】  確かに片仮名になっていますね。では、事務局、そこはよろしくお願いします。
【小田課長補佐】  承知いたしました。
【中島座長】  ほかはどうですか。よろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  では、先にいきます。6番目は「全身持久力(最高酸素摂取量)について」という項目です。これはまさしくインフォメーションで、今の研究のレビューと基準値等について書かれています。どうですか。よろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  皆さん、ありがとうございます。では、7番目にいきます。「身体活動支援環境について」というところです。これは環境的なところですかね。
【小田課長補佐】  中島座長、今、荒井構成員から、少しこのシートだけ文字が小さいのは何か意味があるのかという御指摘を頂きました。特段、フォントの大きさに意味はないのですけれども、1つの表裏で収めようという関係で、この分野は情報量が多かったということです。
【荒井構成員】  減らして、フォントのサイズが同じになる形にはできないのですか。
【中島座長】  フォントのサイズが違うというところですか。そういえば、確かに小さいですね。2ページで終わらせたいというところですか。
【小田課長補佐】  厚生労働科学研究班とも御相談の上、検討させていただきたいと思います。
【中島座長】  少しだけ次のページにかかるのは気が引けるのもよく理解できますけれども、読みにくいのも問題かもしれませんので、その辺、折り合いを付けていただければと思います。
【小田課長補佐】  承知いたしました。
【中島座長】  ありがとうございます。あと、内容について、どうですか。皆さん、よろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  ありがとうございました。では、次が最後です。8番目は、新規に加えたもので、「身体活動とエネルギー・栄養素について」ということで、栄養について、先ほど説明をしていただきました。ここについて、皆さん、どうでしょうか。
【荒井構成員】  たんぱく質について、確かに高齢者ではたんぱく質をある程度摂る必要があるのですけれども、65歳未満のデータを見ますと、欧米のデータではあるのですけれども、一般的にはたんぱく質を多めに摂ると心血管疾患が増えたり、あるいはがんが増えるという観察研究の結果が出ています。高齢者では確かに、適量のたんぱく質は摂取を推奨したほうがいいと思いますし、元気な高齢者でたんぱく質を摂りすぎると、ここにも一応書いてはあるのですけれども、直線的に改善効果はないのみならず、炎症を惹起するというようなデータもありますので、健康な成人がたんぱく質を摂りすぎるのは、やはりよくないというメッセージを、どこかに一文だけでも入れていただけるとありがたいと思いました。
【中島座長】  荒井構成員、ありがとうございます。「ポイント」の2ポツ目のところの、必要な量以上は摂取する必要はないということに加えて、摂りすぎるとかえって悪いのですよという何かを入れたほうがいいと思ったらいいですか。
【荒井構成員】  そうですね。あと、年齢のファクターをポイントのところに少し入れていただいて、若年者と高齢者ではたんぱく質に対する体の反応は違うということを、国民に理解していただく必要があるかと思っています。
【中島座長】  ありがとうございます。事務局、今の御意見に対して、いかがですか。
【小田課長補佐】  御指摘ありがとうございます。少し文言等を調整いたしまして、追記させていただきたいと思います。
【中島座長】  摂りすぎるとよくないということは、どこに書いてありましたか。
【齋藤室長補佐】  明確に摂りすぎによるリスクがありますという記載は高齢者のところのみで、2の3ポツ目の「なお」書きのところに記載があります。若年の成人の方については、その前の2ポツのところで、必要な量以上に摂取する必要はないという記載でとどまっておりますので、そこにリスクがあるという内容を追記するということだと思いますので、調整させていただきます。
【中島座長】  では、今、摂りすぎるとよくないと言ったのはCKDのある人と、その下に、高齢者について少し言及してあるというところですね。腎機能に関連して書いてあるのですね。
【齋藤室長補佐】  そういうことになります。
【中島座長】  荒井構成員は、腎だけに限らず、もう少し膨らませてという意味もあるのですか。
【荒井構成員】  疫学的にはそういうデータが出ているかと思います。特に若年者においては良くないと思います。若い人のボディビルダーのプロテイン摂取に対する警鐘を鳴らすわけではないですけれども、科学的にはそういうことが知られているということだと思います。
【中島座長】  では、事務局の方、加筆するのはそこのところですかね。
【小田課長補佐】  はい、承知いたしました。追記させていただきたいと思います。
【中島座長】  あと、ポイントにも、摂ればいいというものではないということに関して、少し言葉を書いていただければと思います。ほか、御意見はいかがですか。
【小田課長補佐】  中島座長、津下構成員が、今、会場に到着されました。
【津下構成員】  遅くなりましてすみません。今、到着しました。
ちょうど今、身体活動とエネルギー・栄養素のところの話題ですけれども、実際に若年者、特に一般のスポーツ愛好家の方々で、サプリメントとしてプロテイン、アミノ酸をかなり過量に摂っていらっしゃる方が多いと思います。また、場合によっては、それを運動指導者等に勧められてしまう場合もありますので、それに対する啓発の意味を込めて、過剰摂取について注意することは明記した方が良いと思います。それから、慢性腎臓病(CKD)という診断が必ずしも付いていない方も多い。気づかない方が多いのですが、実際にはeGFRは年齢とともに低下してきております。潜在的に腎機能が低下していても気がつかない方が多いということに対して、その注意も含めて、たんぱく質またはアミノ酸過剰摂取についての注意書きの加筆については、私も賛同するものでございます。この件については以上です。
【中島座長】  津下構成員、ありがとうございました。では、今書かれている、今画面に出ている2番の丸ところは、食べても、多ければ多いほど筋肉量が増えるわけではないので、必要以上に摂取する必要はありませんという、上のポイントで書かれたことを書かれています。津下構成員も、若い人であっても摂りすぎることに関する警鐘を言ったほうがいいのではないかということですね。
【津下構成員】  はい。加えて、もし現在の文章を生かすとしたら、高齢者においては潜在的に腎機能が低下しているということが記載されているのですけれども、高血圧、糖尿病等を有する方は潜在的に腎機能が低下している可能性があるので、そこへの付記ということも考えられるかなとも思いました。
【中島座長】  では、糖尿病などを合併している人の文言を入れるということですか。
【津下構成員】  そうですね、ここは「高齢者においては」と限定されており、では高齢者でなければいいのかとなってしまします。糖尿病等があると若年期から潜在的な腎機能の低下が進んでくることがございますので、高齢者に限定しない、糖尿病等にも配慮した書き方がいいのではないかと思いました。
【中島座長】  ありがとうございました。その辺、少し加筆をお願いしたいところであります。では、事務局、今の御意見を聞いて、そこをまた修正していただいてよろしいですか。
【小田課長補佐】  はい、承知いたしました。
中島座長、藤内構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  では、藤内構成員、お願いいたします。
【藤内構成員】  次の36ページの、実際の指導に用いられるこの票の左下、身体活動でどれくらいエネルギーを消費するかというところについて、運動の種類ごとに「体重別エネルギー消費量」が記載されているのですが、これは、それぞれ運動によって時間が10分、20分、60分、30分とばらばらで、下のエネルギー消費量だけ見ると、例えば軽いジョギングのほうがランニングよりも消費エネルギーが大きくなっていて、よく見ると、軽いジョギングは30分で、ランニングのところは15分だったりということで、かえってわかりにくくなっています。歩くときは10分単位、軽いジョギングは30分、ランニングはなぜか15分と、時間の単位が各運動種別によって異なっているのですが、あまり根拠がなければ、全部を20分とか30分とか10分とかに統一したほうが、変な誤解を招かなくていいのではないかと思いました。
【中島座長】  ありがとうございます。少し難しいですね。このくらいするであろうという見込みで書かれているのかもしれません。鈴木構成員、これに関連したことですか。
【鈴木構成員】  はい、この関連です。メッツで、3メッツの身体活動であれば10分間でという形で、体重を50kgから80kgのバリエーションで記載して、3メッツであったら普通歩行とか、そういう身体活動の例示を挙げて書くという形でよろしければ、まとめます。これは身体活動の種類からいっていますが、3メッツ~7メッツくらいまでで、どういう身体活動があるのか、そのバリエーションとして50kgから80kgで、10分単位でというものでよろしければ、私のほうでもう表を持っていますので、それで記載できます。
【中島座長】  今指摘があったように、必ずしも軽いジョギングは30分しなくてはいけないとか、ランニングは15分が適当というわけではなくて、全て10分にそろえることは十分可能だという御意見ですね。
【鈴木構成員】  はい、そうです。
【中島座長】  そこは分数をそろえたほうがわかりやすいのではないかという御意見ですが、どうでしょうか。私も確かにそうかなと思いました。そろえてもらうほうにしますか。
宮地構成員、どうぞ。関連したことですね。
【宮地構成員】  はい、そろえていただいてよいと思います。同じ3メッツの活動、4メッツの活動とか、同じメッツの種目もありますから、鈴木構成員に種目を選んでいただいて、全部10分単位で示してもらうのがよいと思います。プラス・テンの概念にも合うと思いました。
それから、もう1件。本当は私がもっと早く気付かなければいけなかったのですが、普通歩行が3メッツで、10分やって、0.5メッツ・時という計算になっていますが、これは安静時代謝の1メッツを引かなくてもよかったでしょうか。要するに、じっとしているだけで1メッツが続くけれども、3メッツの歩行をしたときには、3メッツから安静時の1メッツを引いた2メッツ分に時間を掛けて身体活動量やエネルギー消費量を算出したほうが、減量のエネルギー出納を考えるときにはいいのではないかと思います。資料の表は、メッツ表の数字のままになっていますが、メッツ表の数字のままでよいですか。それとも、1メッツ引いた数字でやったほうがよいですかという質問です。
【中島座長】  鈴木構成員に対する御質問ですか。
【宮地構成員】  鈴木構成員、もしくは事務局です。
【鈴木構成員】  私は1メッツ引いたもので計算したものを載せるべきだと思っています。安静時を抜いたものを載せるべきだと思います。
【宮地構成員】  そうですよね。もっと早く気付かなければいけなかったのですけれども、私と鈴木構成員の意見が今一致したと思うので、普通歩行は2メッツになりますし、3メッツから安静時の1メッツを引いてという説明書きがあったほうがいいと思います。水泳であれば、8メッツから安静時の1メッツを引いて、7メッツに時間を掛けてという、そのような表現でエネルギー出納の計算に使ったほうがよいと思いました。
【中島座長】  事務局のほうはいかがですか。
【小田課長補佐】  先生方、ありがとうございます。当初は、前回の「健康づくりのための身体活動基準2013」のものを踏襲して、安静時を引いたもので掲載していたのですが、表を対応して見ていくうちに、単純に掛け算になっていないと少し理解しにくいといったところの懸念もありまして、今回、事務局の判断で、あえて安静度も含めた、メッツと時間の単純な掛け算になっているものに修正させていただいたところでございました。先生方の御指摘のとおり、実際の用途を考える上で、やはり安静度を抜いたほうが、身体活動をしたらどれくらい消費量が増えるのかという観点で重要かと思います。鈴木構成員から修正案を頂けるということでしたので、その際は、鈴木構成員と宮地構成員の御意見を踏まえて、安静度を抜いた形に修正させていただきたいと思います。
会場の津下構成員から手が挙がっております。
【中島座長】  はい、お願いします。
【津下構成員】  よろしいでしょうか。エネルギー収支を考える上での表ということですので、ぜひそうしていただけると計算がより正確になるかと思います。
表を作り直すついでであれば、この表の、普通歩行、速歩、水泳、自転車……という並びについて、メッツの順に並べるか、運動様式として、普通歩行、速歩、軽いジョギング、ランニングとして、あとスポーツ的なものにするなど、順序等もわかりやすくしていただければと思いました。細かいことですみません。
【中島座長】  ありがとうございました。そう言われると、脈略なく並んでいるように見えないこともないと思いました。では、時間をそろえること、それから、1を引いたもので表すことと、並び換えに関して意見がございました
ほか、いかがでしょうか。荒井構成員、どうぞ。
【荒井構成員】  細かいことですけれども、右側の枠の中の、「食事の質のコントロール」で、「油」と「脂質」とあるのですけれども、油と脂質は別物ですか。油と脂質と両方とも要りますか。
【中島座長】  事務局、いかがですか。
【齋藤室長補佐】  御指摘のとおりなので、整理させていただきます。ありがとうございます。
【中島座長】  的確な意見、ありがとうございました。
【小田課長補佐】  鈴木構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  はい、お願いします。
【鈴木構成員】  脂と脂質に関しては、この当時の考え方として、調理の時に使う「油」と、肉などの中に含まれている脂を「脂質」として書き分けておりましたので、これも事務局と共にもう一度検討させていただきたいと思います。
【中島座長】  鈴木構成員、現在の書き方はどうなのですか。今も料理に使うものと食物の中に入っている脂は分けて記載するものなのですか。
【鈴木構成員】  今も栄養の中では、そのように分けて考える場合もあります。一般的にどうか、いま一度検討させていただきたいと思います。
【中島座長】  わかりました。通常の表記の仕方もあろうかと思いますし、一般的にわかりやすいかというところもあろうかと思いますので、そこは御相談に乗っていただければと思います。ありがとうございます。
【小田課長補佐】  会場の津下構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  では、お願いします。
【津下構成員】  同じ表のところですけれども、「食べ方のコントロール」のところの「タイミング」という言葉が意味することについて、タイミングに含まれる要素がいろいろあるかと思いますので、例えば、規則正しくとか、食事と運動と食べるタイミングをどうするなど、より正確な文言に変えたほうがいいのではないかと思いました。もし可能であれば、検討していただければと思います。
【中島座長】  ありがとうございます。どういう文言がいいですか。先生のおっしゃることはごもっともだという気がします。ただ、分けると、かなり場合分けしなくてはいけないというところもありますから、事務局のほうで、一度お願いできればと思います。
【小田課長補佐】  承知いたしました。
【中島座長】  鈴木構成員、お願いします。
【鈴木構成員】  今の件につきまして、「規則正しく」という言葉は、こどもはありますが、大人に関してはなかなか、ライフスタイル上、規則正しくというのは理想論になってきておりまして、補食や間食や軽食などでしっかり栄養補給することができるのであれば個々に考えるという形をとることが多くなっています。そこで、「タイミング」というところは、「軽食、補食、間食などを効果的に使い」とか、そのような表現で検討していただければと思います。よろしいでしょうか。
【中島座長】  鈴木構成員、これは例えば真夜中に食べないとか、そういう時間軸も入っているのですか。
【鈴木構成員】  行動計画の中では、人によっては真夜中に食事をすることがあるかもしれません。ここでは「エネルギー出納を考える上」でとなりますので、ライフスタイルによっては、3食バランス良く食べてしまったら、エネルギー過多になる方もいらっしゃいます。このような場合には、昼御飯は軽食にするほうがエネルギーとしては整うなど、個人のライフスタイルに応じて決めることを、この「頻度、タイミング」のところで押さえていくとよいと考えます。もう少し具体化したほうがいいのであれば、これも保健指導の検討会と整合性を確認させていただきながら進めたいと思います。
【中島座長】  鈴木構成員、ありがとうございます。また検討していただくということで、よろしくお願いします。ほか、いかがですか。
この栄養のところは、たくさん意見を言っていただいて、皆様、どうもありがとうございます。では、今御指摘いただいた、左側の表のところと右のところの文言を御検討いただくということで、ほかはよろしいですか。
【構成員一同】  意見なし。
【中島座長】  では、皆さん、ありがとうございました。7ページからINFORMATION8まで検討いたしました。
最後に、「おわりに」から最後の「参考」までのところを、事務局から説明をよろしくお願いいたします。
 
・「5.おわりに」
・「6.参考」
【田邉室長】  37ページ、「おわりに」というところから御説明させていただきます。最後のところは、まずこちらのガイドは令和5年時点での科学的な知見に基づくものということで、この時点でのエビデンスを踏まえて作っておりますということを書いてございます。その上で、今回は、妊産婦さんであるとか障害を有する方に対しての推奨事項については、まだまだ知見が不十分ということでお示しできませんでしたということを書いてございます。加えまして、座位行動に関しましては、今回、座位行動は長すぎないようにということは書いたのですけけれども、ではいったい何分間で中断したらいいのかという、いわゆるブレイクに関するところは、まだエビデンスが不十分ということで、また今後の検討事項ということでございます。筋力トレーニングに関しましても、今回、週2~3日という頻度はお示ししたのですけれども、では、個人差等を踏まえてどの程度の強度かというところにつきましてはまだこれからということで、種類や頻度に関しましてはまた今後のエビデンスを踏まえてというところでございます。
また、前回は2013~2023年ということで約10年だったのですけれども、今回は、可能であれば健康日本21(第三次)の中間評価や最終評価、その他のタイミングも含めまして、知見がたまった時点で定期的な見直しやアップデートをしていければと考えてございますということを「おわりに」のところで書かせていただいてございます。
その他は「参考」でございます。これまでと同様にメッツ表でございますとか、国際的な動向でありますとか、そういうものについてまとめさせていただいて、最後に当検討会の先生方の名簿と、これまでの3回の開催日等の情報を載せさせていただいているということでございます。
〈質疑応答〉
【中島座長】  ありがとうございました。「おわりに」の文言ですが、まだしっかり書けないというようなところもあったし、次をいつにするかというところは、まだ明確には載っていませんけれども、中間評価などがありますので、10年は置きすぎかもしれないといったことを少しにおわせて書いてあります。
「参考」のところには、運動の例なども書いてありますけれども、本委員会の名簿と開催日について書かれていました。
皆様から御意見はございますか。
【小田課長補佐】  澤田構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  はい、澤田構成員、お願いいたします。
【澤田構成員】  身体活動・運動分野の研究班としまして、次の改訂に向けまして何点か追記の御検討を、「おわりに」の部分にお願いしたいと考えております。研究班としての取りまとめの時間が必要だったことから、この場での提案になってしまって申し訳ございません。
少し長くなってしまいますけれども、まず、追記いただきたい内容につきまして、誰一人取り残さない健康づくりを推進するために、あるいは、ライフコースを踏まえた健康づくりを推進するために、こちらにも記載していただいています、こども、妊産婦、障害がある人に加えて、例えば幼児ですとか女性、後期高齢者、あるいは超高齢者に向けた推奨事項を示すことが今後の課題だと考えております。
また、今回、慢性疾患を有する人の身体活動の推奨事項を提案していただきましたけれども、対象とした疾患が限定的でしたので、例えばがんサバイバーですとか、腰痛症とか、対象とする疾患を広げていくことが、今後の課題だと考えております。身体活動ガイドの対象者を拡大していくにあたりましては、今回の参考資料1の5ページにも記載していただいていますけれども、デジタルトランスフォーメーションを推進して、ICTあるいはAIを活用して、ウエアラブル端末とかスマートフォンのアプリなどを通じて個人個人に適した推奨を行うソフトの開発という、次のステップに取り組んでいくことも今後の課題だと考えています。
そして、現在、厚生労働省が公表しています、疾患別の標準的な運動プログラムがございます。そちらと、今回のものが有機的に連携するということが必要だと考えております。
さらに、身体活動・運動分野におきましては、より実効性を持つ取組を推進していくため、あるいはPDCAサイクルを効果的に回していくためには、本日、冒頭のところで藤内構成員からも御指摘いただきましたが、推奨値の順守割合をモニタリングするとか、モニタリングに関する仕組みを構築することも、今回の課題と考えております。
最後に、身体活動不足になりがちな人たちの身体活動量を上げるための介入方法の開発などの、身体活動・運動分野に関するエビデンスのさらなる蓄積が必要と考えております。
長くなって申し訳ございません。以上になります。
【中島座長】  澤田構成員、ありがとうございました。何点か御指摘いただきましたけれども、先生としては、「おわりに」の中に今先生がおっしゃられたようなことをもう少し盛り込んで書いたほうがいいということですね。
【澤田構成員】  はい、疾患を広げていくこと、あるいは、ICTを使った推奨を行うソフトの開発という方法と、標準的な運動プログラムとの連携、モニタリングに関する仕組み、エビデンスのさらなる蓄積といったものを加えていただければと思っております。
【中島座長】  おおよそ5つの点を御指摘いただいたと思います。一部入っているところもあるとは思いますけれども、その辺りを箇条書きのようにしてもいいのかもしれませんが、入れていただければと思います。事務局、いかがでしょうか。
【小田課長補佐】  承知いたしました。中島座長から御指摘があったように、重複している部分も一部あるかと思いますので、本文の中の整合性と、あとは、身体活動・運動ガイドの中で課題として厚生労働科学研究班の課題を我々の中でしっかりかみ砕いて、次のガイドに向けて、どのような形でお示ししていくのかというところできちんと反映させたいと思います。御指摘ありがとうございました。
【中島座長】  ありがとうございます。そのほか、どうですか。この「おわりに」のところはいいですか。
【構成員一同】  意見なし。
 
・全体を通して
【中島座長】  1時間半くらいたちましたけれども、最後に、全体を通して御意見がある方は言っていただきたいのと、このガイドができましたということで、では、これをどのようにして普及させていくかということに関して、皆さん、これに携わっていただきましたので、その方法論的なところ、このようにして普及させたほうがいいという御意見があったら、ぜひお聞かせいただきたいと思っています。全体に関してでもいいし、これを普及させるにはどうしたらいいかというところ、2点についてお願いします。
岡本構成員、お願いいたします。
【岡本構成員】  全体に対してですけれども、冒頭のところで、このガイドは運動指導者というか、関係者に向けての策定だというところでお話をいただきました。運動指導を実践していく者として、多分、保健師等が活躍していくことになるかと思うのですけれども、保健師がこれを活用していくということを想定したときに、少し気になったのが、非常に情報量が多いというところです。全部で11のシートが並んでいます。一つ一つのシートの重要性は非常に理解しておりますし、エビデンスにも基づいているということですが、ただ、これをぼーんと示されたときに、どれを優先して、どう活用していくのか、少し迷ってしまうのでははないかと感じました。
ガイドの作りとして、成人版などの3つのRECOMMENDATIONシートがあって、そのあとに8個のINFORMATIONシートが参考情報となっています。当然のことながら、RECOMMENDATIONシートの優先順位が高いのだろうということは想像できるのですけれども、もう少し、この3つのRECOMMENDATIONシートとINFORMATIONシートの違いとか関係性とか活用のイメージみたいなものを、どこかにわかりやすく記載していただきますと、保健師などがより活用しやすくなるのではないかと思いましたので、少し意見を言わせていただきました。よろしくお願いいたします。
【中島座長】  ありがとうございました。色は違っていますけれども、ほとんど同じ書式で書いてあるので、その濃淡と言うのですか、当然のことながら、年齢に分けたものがまずは重要な推奨として存在して、あとの8つのINFORMATIONは、どうしたらいいですか。詳しいことはここに書いてありますみたいな引用を示すとか、そういう意味ですか。もしくは、色だけではなくて、ランク付けをもう少しはっきりさせたほうがいいとか、そういう意味ですか。
【岡本構成員】  具体的に何をどう書けばいいのかというところまでは、すみませんが、御提案できない状況なのですけれども、何となく、このRECOMMENDATIONシートとINFORMATIONシートの関係性というか、違いみたいなものが、果たしていろいろな保健師等が見たときに、理解して活用できるかなと少し不安を覚えたので、例えば、2ページや5ページのところでもいいですけれども、この関係性みたいなものを少し追記していただけるといいのではないかと感じたところです。
すみません、具体的なところまで考えが及んでないのですけれども、感じたところを言わせていただきました。
【中島座長】  岡本構成員としては、RECOMMENDATIONとして3つの年齢層に分けて書かれ、それをサポートするようないろいろなエビデンスであるとか、そういうことがそのあとの1~8に書かれているということを、最初のこのガイドの使い方のところの中に記載したらどうかというような感じで受け取ってもいいですか。
【岡本構成員】  はい、そんなイメージです。先生方、皆さん、そういうつもりでいらっしゃるかと思うのですけれども、このガイドだけを見ると、果たして保健師一人一人が理解できるかなと少し感じたので、その辺をもう少しわかりやすく、どこかに記載いただけるといいのではないかと思ったところです。
【中島座長】  貴重な御意見、ありがとうございました。確かに、並列しているように考える人もきっといらっしゃるだろうなと私も思いました。事務局、いかがですか。
【小田課長補佐】  本件に関して、会場の津下構成員よりコメントがあるということです。
【津下構成員】  今おっしゃるとおりと思っております。例えば、自治体の保健師さんが活用するとき、健康増進部門の健康増進活動、健康日本21の策定などのときに優先的に読む項目や参考になるもの、特に読んでほしいものをリストアップするとか、または、特定保健指導を企画・運営する人、実際に保健指導を行う人は成人版、慢性疾患とか、エネルギー収支の表の辺りを優先的に見ていただいて、その根拠を知りたかったらこのシートが参考になるとか、それから、日常診療をしている医師がまず見てほしいのはどこかとか、その根拠をもっと知りたかったらこれとか、参考資料的なものでもいいので、ユーザー別もしくは目的別に、特に優先的に見てほしいものをリストアップしていくと良いと思います。自分の担当課はここが優先、産業保健であればここというようなオリエンテーションが付くとわかりやすいかと思いました。今の御意見に賛同するものでございますけれども、その辺の表記をお願いできればと思います。
【中島座長】  貴重な御意見、ありがとうございました。
最初の3つのRECOMMENDATIONと、次の8つのINFORMATIONは参考資料とまでは言い切れないかもしれませんけれど、位置付けをもう少しはっきりして、読みやすくしてほしいということだと思いますので、そこを事務局のほうで御検討いただくと幸いです。よろしくお願いいたします。事務局、そこはよろしいですか。
【小田課長補佐】  承知いたしました。本シートはエビデンスをおまとめしたというところで、どのように活用していくか等含めて、今後、お示しさせていただく方向で検討したいと思います。
石井構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  では、石井好二郎構成員、お願いいたします。
【石井(好)構成員】  今回のところで、「身体活動支援環境について」が加わったこともありまして、今回のガイドもほかの医学会のものと違って、どこで使うかということが問題になったと思います。環境づくりというところが大変大きくなってきて、多くの国民の方々は誰かに指導を受けるということもほとんどないと思います。健康日本21(第三次)のところでも、自然と健康になる環境というのが入っておりますし、確か今、国土交通省さんと厚生労働省が一緒にそういった環境づくりのことをやっていると思います。そういうところへの活かし方に、今後、力を入れたほうがいいと思います。気が付いたら動いていたという環境にしないと、結局は1人では動かないと思います。10月に、少しでも動いたら健康になるという論文がたくさん出てきました。そういったものが活かせるようになればと思っております。
【中島座長】  ありがとうございました。今後、環境の整備であるとか、そういうもので知らず知らずのうちに歩くようにする。それを支えるものとして、少しでも運動量があるとアウトカムが全然違うというエビデンスがたくさん出てきているという御意見だったと思います。藤内構成員、お願いします。
【藤内構成員】  前の議論に戻ってしまうのですけれども、このガイドを特に自治体に通知される場合には、先ほど岡本構成員からも御指摘があったように、行政の、特に保健師なり公衆衛生の関係者が今回のこのガイドを効果的に活用できるように、それぞれのシートごとに、活用の場面を、このガイドを周知する際に少し例示していただくなり、もう1枚、活用についてのペーパーを付けていただくと、保健師にしても、栄養士にしても、あるいは健康運動指導士など、関係職種がうまく活用できるのではないかと思いました。
【中島座長】  ありがとうございます。先ほど、津下構成員がおっしゃったように、やはり立場立場で、このガイドの活用の仕方とか、読むべきところが異なる場合があり得るということで、そこを何とかわかりやすく表示できないかということだろうと思います。今すぐ、こうすればというアイデアはぱっと出ないかもしれませんけれども、事務局としても検討したいと思います。石井荘一構成員、よろしくお願いします。
【石井(荘)構成員】  先生方の御意見を伺ったところで、少し先走って申し訳ありませんが、始めなければ始まらないので、このガイドを一つの基準として、それぞれが違った角度で情報発信していくということが非常に重要だろうと思います。健康運動指導士の有資格者といっても、保健師の方や管理栄養士の方など、それぞれバックグラウンドが違っており、特に管理栄養士は、健康運動指導士1万8,000人のうち約15%を占めております。
このガイドの内容を見渡しますと、それぞれのシートで少し濃淡があるような気がしますので、自分なりに咀嚼して、それぞれの立場から情報を提供していけるよう、今後、健康運動指導士同士の勉強の機会に活用させていただきたいと思いますし、また、多職種連携のための勉強の機会が増やせるのであれば、共通理解の下、一致団結した普及活動が行えるのではないかと感じております。
【中島座長】  石井構成員、貴重な御意見、ありがとうございました。このガイドをそれぞれの立場の方がそれぞれの立場から咀嚼して活用していくという意味では、先ほどの津下構成員、岡本構成員の意見のように、こういう立場の人はこの辺りに関係するというようなことがわかるような文章であるとか、もっとわかりやすいマークであるとか、そういう工夫は確かに要るかなと思いました。これはまた事務局のほうで工夫させていただきたいと思います。
【荒井構成員】  このガイドの広報といいますか、先ほど、国土交通省の話が石井構成員から出ましたけれども、こどもさんのガイドが作られたので、文部科学省との連携なども、ぜひとも図っていただければと思います。周知徹底については、NHKなどを活用するとか、それも1回だけではなくて、継続的にNHK等に取り上げていただいたりとか、あるいは大新聞に継続的に取り上げていただく。長寿医療研究センターでも、高齢者について、今、東京新聞や中日新聞の中で連載をしているのですけれども、そういった形で大新聞に継続的に取り上げていただくということも重要ではないかと思いますし、今回、整形外科学会もそうですけれども、糖尿病や高血圧などの様々な慢性疾患の学会が関与していますので、そういった学会でしっかりとこのガイドのことを取り上げていただくということも、お願いしていただくということで、各構成員の先生方もいろいろな学会に所属しておられるかと思いますので、その学会で取り上げていただくようにお願いしていく。より広い、医学会連合などを通じてということになるかもしれませんけれども、より多くの学会に取り上げていただいて、そこでシンポジウムなどに使っていただければと思いますので、よろしくお願いします。
【中島座長】  荒井構成員、ありがとうございました。より具体的なこの普及の仕方ということで、幾つかの方面に関してのサゼスチョンを頂きました。
【小田課長補佐】  会場の津下構成員より手が挙がってございます。
【中島座長】  津下構成員、どうぞ。
【津下構成員】  最初のほうなので、既に出ていることかもしれませんけれども、よろしいでしょうか。
今の、広げるということですけれども、5ページのところに、運動指導者として括弧して「健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師等」となっているのですが、管理栄養士や医師が運動指導者という意識を持っているかどうか。むしろ、医療職とか介護の専門職が、このことを知っていただく。特に高齢者の記載については、介護予防事業などにも活用してほしいということになりますので、介護職とか医療職とかを包含する表現で記載するのはいかがでしょうか。運動指導者と思っていない専門職にも知っていただきたいということも含めて、運動指導者の中にくくらないほうがいいのではないかと思いましたが、いかがでしょうか。それが1点目です。
続けていいでしようか。9ページの「成人版」のところで、「“やりすぎ”の身体活動量はまだ明らかではありません」とありますが、これは、今後明らかになりますという意味は含めていないと思うのです。個人差があって、やりすぎがどの程度かというのは、健康状態とか年齢とかで個別的に決まってくる。なので、明らかではないという表現よりは、どちらかというと、個人差が大きいとか、個人に合わせた状況ということに修正したほうがいいのではないかと思ったところです。
それから、23ページの、慢性疾患を有するところで、対象が「医師や患者や健診受診者などに運動や身体活動を推奨・指導する立場の人」と書いてあるのですけれども、医師が推奨されてしまうような感じになるので、そこの修正をお願いしたいということで、追加の意見でございます。
【中島座長】  ありがとうございました。23ページのどの部分ですか。
【津下構成員】  一番上の「ポイント」の枠囲みの中に、「対象」とありまして、「医師や患者や健診受診者」というところで、医師が、患者と健診受診者に並びになってしまっているので、むしろ、「患者や健診受診者などに運動や身体活動を推奨する医師、保健師、医療専門職」などのほうがいいのではないかと思いました
【中島座長】  この最初の「医師や」を除いてもいいくらいの感じですか。
【津下構成員】  そうですね。そんな感じがします。
【中島座長】  取り立てて最初に「医師や」を書かなくてもいいかという御意見だったと思います。事務局、それでよろしいでしょうか。
【小田課長補佐】  はい、承知いたしました。
【中島座長】  2つ目は、9ページの成人版のところでしたか。
【津下構成員】  9ページの、「2 科学的根拠」の右側のポツのところに、「“やりすぎ”の身体活動量はまだ明らかではありません」とあります。これは、今後明らかになるのですかということをどうしても聞きたくなってしまうのです。やりすぎというのは個人差があって、一人一人で決まってくるものなので、一般的な話ではないと思います。
【中島座長】  事務局、ここはどういうつもりで書いているのですか。
【小田課長補佐】  御指摘ありがとうございます。我々の書いた意図としましては、今映っている左下のグラフで言うと、身体活動量に比例して死亡リスクが下がってくるというデータですが、今後、さらに身体活動量が増えていったときに、いずれグラフがJカーブのような曲線をえがき、身体活動量の上限みたいなところが明らかになれば、例えば今で言う23メッツ・時から上限は何メッツ・時までというような、例えば上限が定められるとか、そういったところも今後可能性としてはあるのではないいかという意図で記載させていただいたところでございます。
【中島座長】  やりすぎも死亡率を上げるというようなデータも前にありましたね。この委員会で出てきたような気がします。
【小田課長補佐】  そうですね。筋力トレーニングのシートの17ページで言いますと、例えば週当たりの筋力トレーニングの時間で、逆に死亡率が上がってくるというデータが出ているところで、身体活動に関してはまだその辺りが不十分であるというところも含めての意図の記載でございました。
【中島座長】  これですね。途中から上がってくるのですね。
【小田課長補佐】  はい、おっしゃるとおりです。
【中島座長】  では、9ページに戻していただいていいですか。
【津下構成員】  そうしますと、今の話で言うと、今はこの40メッツ・時/週まで辺りしかないのですけれども、これがもっと右側に高いレベルいったときに、将来の研究において、上がってくるところが見えるかもしれないと、そんな意味合いですか。
【小田課長補佐】  そうです。そういったところで、やりすぎのある程度の目安もわかれば、今後参考になるのではないかというところです。
【津下構成員】  わかりました。どうしても個別的にやりすぎということを判断すると、スポーツ選手なども含めて言うと、もう相当やりすぎなのだけれども、そういうことで、このやりすぎの定義はなかなか難しいのではないかと思いました。私自身も少し誤解をしたところがありました。
【中島座長】  御指摘ありがとうございます。そういうことを背景にして、その次の文章にある、「怪我や体調に注意して無理をしないことが大切です」という言葉につながっているのだろうと思います。津下構成員、ここはこのままでよろしいですか。
【津下構成員】  指導の中でのやりすぎは個別に判断されるべきですけれども、指導の中での記載ではないので、統計的な科学的な根拠の中では、やりすぎの根拠は今のところないですという意味だということを理解いたしました。
【中島座長】  御指摘ありがとうございます。
では、1番最初の御指摘の、5ページに戻っていただけますか。これは確かに、私も聞いていてそうかなと思いました。2行目の「運動指導者」の中に、保健師さんであるとか、医師、管理栄養士が入っているので、津下構成員は、医療関係者でしたか、そういうくくりにしたほうがいいのではないかということですか。
【津下構成員】  例えば「医療専門職」とか「介護専門職」などです。看護師さんも患者さんに療養指導をされているので、そういう意味では並べて書いてもいいのかなという気もしました。医療専門職、介護専門職とかいう言葉が入っていると、その分野の方に関心を持っていただけるのではないかと思いますので、記載してはどうかと思いました。
【中島座長】  では、運動指導者とは別に、「者」で終わっているので、それに関連するので、医師、看護士、介護士などを別項目にするということですね。
【津下構成員】  そこに、「・」で入れたらどうかと思いました。
【中島座長】  皆さん、今の津下構成員の御意見について、どうですか。
【小田課長補佐】  藤内構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  お願いします。
【藤内構成員】  冒頭のところでも少し発言させていただいたのですが、今回のこのガイドをデイケアであったり、デイサービスであったり、高齢者に運動の指導をしている介護保険事業者の方々もぜひ活用していただきたいので、今、津下構成員もおっしゃられたように、それがわかるように、このガイドの対象者として記載を追加していただくといいのではないかと思います。
【中島座長】  ありがとうございます。藤内構成員も、医師、看護士、介護士などは医療関係者として別枠にしたほうがわかりやすいのではないかという御意見でよろしいですか。
【藤内構成員】  別枠にするのがいいのか、例えばOT、PTも関わってくるので、そういう職種を全部列挙するのか、あるいは医療関係者とか介護関係者とかいう、ざっくり大くくりの表現がいいのか、そこは御検討いただければと思います。
【中島座長】  わかりました。事務局のほうから、何かお考えはございますか。
【小田課長補佐】  鈴木構成員から手が挙がってございます。
【中島座長】  すみません。では、鈴木構成員、お願いします。
【鈴木構成員】  中島座長、現在、管理栄養士を載せていただいています。これがもし総括して医療関係者の中に管理栄養士が入ってしまいますと、医療の現場ではない管理栄養士もたくさんおります。また、管理栄養士は、摂取だけではなく消費する部分も押さえて栄養管理を行います。そこで、総括していただきたくないという意見です。管理栄養士という言葉がここに載っているか、載ってないかで、このガイドラインと向き合う力というか、やる気も全然違ってきますので、削除や包括して記載ではなく、ぜひ管理栄養士は載せていただければと思い、御意見を述べさせていただきました。
【中島座長】  パンドラの箱を開けてしまったようです。宮地構成員、どうぞ。
【宮地構成員】  津下構成員の最初におっしゃりたかったことは、恐らく、医師の方、保健師の方、管理栄養士の方を運動指導者というくくりにすることに少し違和感があるということだと思うのです。したがって、「運動指導者」という表現を、例えば「健康づくりに関わる専門家」とか、どういう用語が適切かわかりませんけれども、健康づくり対策ですから、それに関わる専門家というような書き方にしていただいて、そこに、今ある健康運動指導士や、保健師、管理栄養士、医師、必要であれば介護に関わる専門家もそうですし、PTやOTの方ももしかしたら入るかもしれませんけれども、より具体的な方をその大きな包括した概念の中に含んで示していくというやり方もあるのではないかと思いました。
【中島座長】  「運動指導者」という言葉が、少し狭い範囲を指しすぎているということですね。
【宮地構成員】  そうですね。あまりにも狭い範囲になっていて、医師や管理栄養士は、そのようにくくられると、そうではないけれど、となってしまうと思います。
【中島座長】  事務局で十分検討させていただけますか。ほかの政策立案者や職場管理者というようなところと並列して並んでいるので、そこはよく考えて入れないといけないと思いました。事務局、ここは考えるということでよろしいですか。
【田邉室長】  先生方の御意見を踏まえて、少し検討させていただきたいと思います。
【中島座長】  では、4時半までですので、時間もなくなってまいりました。皆さん、ほかに御意見はよろしいですか。
では、事務局としては、取りあえずこの委員会は、この第3回までということでよろしいですか。
【小田課長補佐】  はい。あとの今後の調整等を、座長との調整でお任せいただけるということであれば問題ございません。
【中島座長】  本日、またいろいろ意見を出していただいてありがとうございました。この「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」については、今日出していただいた意見も含めて、とりまとめを行わせていただきたいと思います。一応予定の3回が終わりまして、まだ少し積み残しのところもありますけれども、その部分は座長と事務局に一任いただくということで、皆さん、よろしいでしょうか。
【構成員一同】  異論なし。
【中島座長】  では、できるだけ盛り込んで先に進めたいと思います。今後、事務局と調整してまいりたいと思います。私からは以上でございます。
今後の事務連絡など、事務局から説明をお願いしていいですか。
 
○閉会

【小田課長補佐】  先生方、ありがとうございます。中島座長、最後に御挨拶等ございましたら、ぜひお願いできますでしょうか。
【中島座長】  このような座長とかいう立場は初めてでございまして、いろいろ不手際もあったと思います。それにもかかわらず、いろいろな非常に前向きなディスカッションをいただきまして、ありがとうございました。第1回目も第2回目も2時間を軽く超えるようなディスカッションになって、本当に実りあるものになったと思います。
このようにして私たちが関わった、この身体活動・運動のガイドでございます。これから日本の健康づくりに役立つことに参加できてうれしいと思いますし、これからもいろいろなそれぞれの立場で、このガイドを広めていただければと思います。今後ともよろしくお願いします。
【小田課長補佐】  中島座長、ありがとうございました。
それでは、先生方、全3回にわたり活発な御議論をいただきまして、大変ありがとうございました。本日、また御意見をたくさん頂きましたので、意見を踏まえまして、今後は座長と事務局とで調整を進めて、公表に進んでまいりたいと考えてございます。また、今後の普及・啓発という点については、先生方からも様々な御意見を頂きましてので、そちらについても、この場だけではなく、今後また検討を進めてまいりたいと考えてございます。
先生方、本日はありがとうございました。本日はこれにて閉会とさせていただきたいと思います。