2023年10月20日 薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録

日時

令和5年10月20日(金)16:00~

場所

新橋6E会議室

出席者

出席委員(19名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(1名)
  •  脇田隆字
 
日本赤十字社 血液事業本部
行政機関出席者
  •  吉田易範(大臣官房審議官)
  •  山本圭子(血液対策課長) 他

議事

○山本血液対策課長 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会令和5年度第2回血液事業部会を開催いたします。
本日は、お忙しい中、御参集いただき誠にありがとうございます。私は7月4日に着任いたしました血液対策課長の山本です。どうぞよろしくお願いいたします。本日の会議は、御参加いただく方の利便性の観点等から、Web併用での審議とさせていただきます。また、会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 本日の委員の出欠状況ですが、脇田委員から御欠席との御連絡を頂いております。また、館林委員におかれましては、遅れて参加されるとの御連絡を頂いております。なお、本日の部会は、現時点で委員20名中18名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しております。薬事・食品衛生審議会令第9条により、本部会が成立していることをここに御報告いたします。
 また、本日は日本赤十字社血液事業本部から、前野総括副本部長、佐竹経営会議委員、藤田経営企画部次長、後藤技術部次長にお越しいただいておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。厚生労働省大臣官房医薬担当審議官に、吉田易範が着任しています。加えまして、血液対策課課長補佐に、鈴木和代が着任しております。なお、吉田審議官ですが、公務のため途中で退席させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○仲島課長補佐 続きまして、委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。
また、薬事分科会審議参加規程に基づいて、各委員の利益相反の確認をいたしましたところ、堺田委員、髙橋委員、松下委員、三谷委員から、関連企業より一定額の寄附金、契約金などの受取の御報告を頂きましたので、御報告いたします。議題1に関しましては、松下委員については500万円を超えた受取との報告を頂いておりますので、本規程に基づき、ロビーで待機していただきます。堺田委員、髙橋委員、三谷委員につきましては、意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員については、対象年度における寄附金、契約金等の受取の実績はなし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はありません。
これらの申告については、ホームページで公開させていただきます。委員の皆様には、会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いいたします。タブレット上に、マル1議事次第からマル9参考資料2-4までのPDFファイルが表示されているか、御確認をお願いいたします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、お近くの職員にお声かけください。タブレットの使用方法については、お手元の「ペーパーレス審議会 タブレット操作説明書」を御覧いただき、御不明の点等がありましたら事務局までお声かけください。
 本日はWeb併用での審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、部会長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度、皆様の発言を控えていただき、発言したい委員についてはチャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は部会長からお願いする場合があります。その場合には、記入されたメッセージに応じて、部会長より発言者を御指名いただきます。
 まもなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いします。この後の進行については、三谷部会長にお願いいたします。
○三谷部会長 部会長を拝命しております三谷でございます。これまでの厚労省からの説明に、御質問、御意見等がありますでしょうか。よろしいでしょうか。会場の先生方、委員の先生方、よろしいでしょうか。特に御意見、御質問はおありではないようですので、早速、議題に入らせていただきます。
議題1は「令和5年度需給計画の変更等について(諮問)」です。松下委員におかれましては、大変申し訳ありませんが、御退席をお願いいたします。
── 松下委員退室 ──
○三谷部会長 これは、血液法の規定により、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて策定されるものです。9月の運営委員会において、本計画案について御議論いただき、事務局案を御了承いただいたところではありますが、最終的に部会で審議をし、答申したいと考えております。それでは、事務局より資料1について御説明をお願いします。
○吉田需給専門官 それでは、事務局より議題1について御説明させていただきます。議題1は、令和5年度需給計画の変更等についてです。資料1を御覧ください。
令和5年度の需給計画は昨年度2月に御審議いただいたものになりますが、御審議いただいた内容の一部を変更するものとなっています。資料1は、1ページが諮問書、2~4ページが令和5年度需給計画の変更等についての記載があり、5ページ以降は参考として、変更する前の令和5年度需給計画を付けています。
 2ページを御覧ください。1の「変更理由」です。人免疫グロブリン製剤については、令和4年度12月以降の需要増に伴い、各社の在庫も逼迫してきたため、本年度4月より国内で人免疫グロブリン製剤を販売している4社は限定出荷を行っているところです。また、令和5年度需給計画では、2.5g換算で3,509,800本の供給を見込んでいましたが、一部医療機関における大量購入等もあり、人免疫グロブリン製剤の入手が困難な医療機関が散見されております。入手困難の緩和を図るために、令和5年度需給計画を変更し、人免疫グロブリン製剤の供給量を増やす必要があると考えております。
 次に、2の「変更内容」です。変更内容としては、「令和5年度の血液製剤の安定供給に関する計画」の別表の人免疫グロブリン製剤の需要見込及び輸入目標量、供給可能量について、4ページの別表のとおり変更したいと考えております。
 2ページの中ほど、人免疫グロブリン2.5gに関する変更の内容のところに戻ります。人免疫グロブリン製剤の令和5年度の需要見込を、令和4年度の供給実績の約260万本より約107%伸長し、2,731,600本に設定し、供給可能量を3,728,700本としました。また、増量分に関しては、国内3社が製造する国内血漿由来製剤は既に製造量が限界に達しているため変更できませんので、CSL社の輸入血漿由来製剤を約22万本増量することとなります。
 次に、3の「告示日等」です。本日の審議について御了解いただきましたら、告示日は令和5年11月下旬を予定しております。適用期日は令和5年12月1日で進めさせていただきたいと思っております。また、人免疫グロブリン製剤の安定供給に向け、医療機関に対して、人免疫グロブリン製剤の需給計画変更等について、必要な周知を行っていきたいと思います。
以上が資料1の説明です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。人免疫グロブリン製剤の需要見込、輸入目標量、供給可能量の変更について、御説明を頂きました。それでは、ただいまの御説明に関して、御意見、御質問などおありの委員の先生方はいらっしゃいますでしょうか。
○武田委員 よろしいでしょうか。武田です。よろしくお願いいたします。免疫グロブリン製剤の限定出荷等もあり、医療機関への影響、使われている患者さんへの影響も非常に大きかったところで、今回、まず困っている患者さんが使えるようにということで、輸入を増やすことは致し方ないというか、きちんと必要な患者さんが使えるようにと思います。
 ただ、従前から申し上げているように、免疫グロブリン製剤の国内自給は8割程度にまで下がってきており、長期的に見たときに、全世界的にグロブリンの需要が増加している中で、これを国外に頼っていくと、本当に必要なときにグロブリン製剤が手に入るのかといった安定供給上の脅威もあると思います。短期的には、今、輸入を増やしてというところにはなりますが、長期的にこのグロブリン製剤をどうしていくかというところは、この後の議題、基本方針のところでも話は出てくるかと思いますが、真剣に考えていかないと、のっぴきならないところまで来ているのではないかと感じています。以上です。
○三谷部会長 ありがとうございました。ただいま武田委員から御意見を頂戴いたしましたが、確かに、今年度に関しては輸入量を増やすということで対応は可能かと思いますが、中長期的な見込みをもって、やはり国内自給率を高めていく必要はあろうかと思います。厚労省の方から、何かコメントや御回答はおありですか。
○吉田需給専門官 事務局より回答させていただきます。正に武田先生のおっしゃるとおりでありまして、長期的に見たときに、国内自給率をどう上げていくかということが課題になっていると考えております。今後長期的に見てということは何回もお話させていただいていますが、2030年に武田薬品工業の新工場も設置されるということもありますが、武田薬品工業を頼りにしてやっていくということも問題があるということも承知していますので、国として対策が打てるように、今後も検討していきたいと思っております。引き続き、よろしくお願いします。
○三谷部会長 ありがとうございました。ほかに、御意見、御質問等はありますか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 日本医師会の宮川でございます。今、武田委員から重要な御提言、御意見があったと認識しております。長期的な考え方と短期的な考え方はやはりしっかり分けて考えなければいけない。長期的な考えは、今言ったような形でしっかりと立て付けを考えていくという形だろうと思います。短期的な意味での対策という形で、この4行目に書いてありますが、「一部医療機関における大量購入等もあり」ということで、適切な使用という態度がとれていないというところも、確かに医療機関側としてあるのかもしれませんので、それに対しては、いたずらに供給不安に対して、大量購入のような形で反応するようなことがないように、しっかりとした注意喚起をしていくことも必要であろうと思います。短期的な対策と長期的な対策をしっかりと打ち出していかないと、やはり困るのは患者さんですから、医療機関として適切な反応をし得ることができるように、情報提供をしっかりしていくことを、これからも私たち医師会も含めて、厚生労働省とともにしっかりと対策を立てていきたいと考えております。ありがとうございます。
○三谷部会長 ありがとうございました。宮川委員がおっしゃったように、確かに供給の面だけではなく、医療機関における適正使用ということが非常に大事だと思います。現場におりますと、アルブミン製剤は結構適正使用ということが厳しく言われるのですが、免疫グロブリンは医師の判断によるところが多いので、こういうことが起きたのかなと思いますが、長期的な適正使用に関しては現場にも周知をして、無駄な使用がなされないように尽力していく必要があろうかと思います。御指摘ありがとうございました。
ほかに、委員の先生、はい、松本委員、お願いします。
○松本委員 三重大学の松本です。私も実際、グロブリン製剤が手に入らなくて市内の関連病院から患者さんを治療できないということで、転院受入れをした経験がございます。そういう意味では、供給をきちんと確保していくことは大事だと思いますが、別の議題にもなってくるのだろうとは思いますけれども、やはり原料血漿の確保と、需要に合った生産体制をきちんと作っていくこと、この二つを日本赤十字社あるいは製薬企業の方々には、是非、中長期的にみて、需要を賄えるようにきちんと体制を整えていただきたいと思っております。
○三谷部会長 松本委員、ありがとうございました。御指摘のように、需要に見合った供給体制をしっかり構築していくとともに、現場では適正使用も心掛けるということで、御意見を頂戴いたしました。ほかに、田野﨑委員、お願いします。
○田野﨑委員 慶應大学の田野﨑でございます。今のところですが、免疫グロブリンの大量購入などで、実際に逼迫しているということではありますが、先ほど、不適切な使用で需要が増えているというように考えてしまいがちなのですが、実際には、購入した場合に、買い占めと言っても、必要なければ余ってしまうわけなので、どこかでちゃんと使われないといけないのだと思うのです。今回、この需要の逼迫というのが、例えば、製剤の規格が5gから10gに変わったために、それで余計に必要になったとか、そういうような状況に起因していないのか。余り一時的に供給が逼迫したからといって、ものをたくさん購入しても、余ってしまう可能性はないのかということを少し懸念するのですが、この具体的な状況について、もう少し細かいデータなどがございましたら、教えていただきたいと思います。
○三谷部会長 田野﨑委員、ありがとうございました。確かに、特定の医療機関で大量購入があったという記載がありますが、具体的にはどのような事例であったのか、厚労省の方から御説明いただくことは可能でしょうか。
○吉田需給専門官 事務局から回答させていただきます。具体的な医療機関名は出すことはできないのですが、やはり医療機関の購入データを見ていると、とある所では、例えば前年度に月々70本であったケースが、急に今年度になって200本に増えるといったケースがあります。そういう大量購入が発生して、納入はされていますが、医療機関でどう処理されているかというのは処方箋のデータがありますが、そのデータがまだ分かっておりませんので、どのぐらい余っているかという状況はお話することができない状況です。ただし、この人免疫グロブリン製剤は有効期間が大体2年ぐらいあり、ある程度保存期間は残っているとは思いますので、どこかの医療機関内で余っている可能性はあるのではと推定はしております。
○山本血液対策課長 少し補足させていただきます。私たちといたしましては、今回の医療機関の大量購入等の原因となっていることとしましては、不適切な使用が増えたためというわけではなく、どちらかというと、買えないのではないかという医療機関の不安で、幾つかの医療機関が、買えるときに少し多めに購入してしまうということが起きてしまい、それによって買えない医療機関ができてしまったということだと考えております。今のところ、不適切使用との関係は直接にはないと考えています。
○三谷部会長 ありがとうございます。不適切使用ではなかったということではありますが、一部の医療機関が不安に煽られて大量に買いだめをしてしまったこと自体は、やはり問題があろうかと思います。こういう状況は何かコントロールすることができますか。
○山本血液対策課長 ありがとうございます。私たちとしましても、今年度の4月にも、供給量としてはきちんとありますというお話を、事務連絡ではありますが周知させていただきました。今回の需給計画の変更についても、今回の部会で御承認いただけましたら、医療機関、自治体などにもきちんと、これだけの量が増えますということを周知させていただきたいと考えております。
○三谷部会長 是非、現場に周知いただけますと、少し不安が解消されるのかと思います。ありがとうございました。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 医師会の宮川でございます。今、課長におっしゃっていただいたとおり、私も薬事担当をやっておりますので、医薬品の供給不安や安定供給に関することでも、同様なことが一部起こっています。つまり、情報提供が十分でないと、不安というところから、確保しようとする。今言ったように、長い期間、少しばかりですがそういうことがあるものに対しては、少し多めに取っておこうかということになるので、これはしっかりありますよ、ですからそのような行動はできるだけ慎んでいただきたいと、しっかりと供給できるという体制でありますよということを、しっかりと周知していただくことが必要です。この情報というものも非常に重要なので、厚生労働省がしっかりと、今、課長がおっしゃったように、対策を立てていただけるという形ですので、それを周知徹底していくことが非常に重要かと考えております。
○三谷部会長 ありがとうございました。是非御周知をお願いしたいと思います。ほかに、御意見はおありですか。
それでは、以上で御意見は出尽くしたように思います。特に内容を変更しなければいけないような御意見ではなかったかと思いますので、議決に移りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。なお、堺田委員、髙橋委員は議決に加わることができません。また、私についても、部会長ではありますが同様の扱いとさせていただきます。併せまして、議決に必要とされる定足数は、本日満たしていることを申し添えます。
 それでは、本件に関して、御承認いただける委員の先生方は挙手をお願いいたします。Webの先生方も挙手機能を使って挙手をいただけますと幸いです。
 大丈夫ですか。皆様に挙手を頂きました。それでは、部会として、本件は了承させていただきたいと思います。形式的な修正が必要になった場合は、部会長に一任していただきたいと思います。
 続きまして、議題2は「基本方針の再検討について」です。退席いただいた松下委員をお呼びください。
── 松下委員入室 ──
○三谷部会長 松下委員が戻られたようですので、続けたいと思います。
 血液法の規定に基づき定める「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」は、5年ごとに再検討することとされており、4月の第1回血液事業部会において、その方向性について議論いたしました。まず、事務局より資料の説明をお願いします。
○仲島課長補佐 事務局です。議題2、基本方針の再検討について御説明いたします。資料としては、資料2-1、資料2-2を御用意しています。参考として、参考資料2-1~参考資料2-4となっており、お手元には資料2-1と資料2-2を御用意いただければと思います。なお、本日先生方に御審議いただくのは、基本的には資料2-1になりますが、御審議に当たりまして、4月の血液事業部会で御確認いただきましたものから、この間に、骨太の方針、血漿分画製剤の限定出荷や、血漿分画メーカーさんからの要望書など、基本方針の方向性に影響を及ぼす事案がありました。そのため、見直しが必要と考えております。それらを踏まえまして、経緯としてまとめたものが資料2-2です。
 まず、資料2-2から御説明させていただきます。「基本方針の見直しの経緯等について」を御覧ください。本年3月20日の運営委員会で、参考資料2-1に当たりますが、これを御確認いただきまして、見直しの方向性について頭出しをさせていただきました。4月24日の本部会で、参考資料2-2に当たりますが、御審議いただいてお認めいただきましたので、7月に、資料2-1に当たるものを御審議いただく予定としていましたが、当方の事情で少し遅れてしまいました。先ほどの繰り返しになりますが、その間に血漿分画メーカーさんからの要望書、人免疫グロブリンの限定出荷、「経済財政運営と改革の基本方針2023」いわゆる「骨太の方針」が閣議決定されました。それらを踏まえ、前回お認めいただいたものを若干見直ししております。
 概要です。「1.献血血液の確保策に係る見直し」の(1)です。ボランティア団体等との連携や高等学校への働きかけですが、骨太の方針の記載を踏まえ、「ボランティア団体等と連携した小中学校等を含む若年層に対する献血推進活動」に見直すこととします。骨太の方針につきましては、参考資料2-4です。読み上げいたします。「献血への理解を深めるとともに、血液製剤の国内自給、安定的な確保及び適正な使用の推進を図る」こととしまして、献血への理解を深める、これに注釈がございます。「小中学校現場での献血推進活動を含む」とされています。これらを踏まえた記載にしております。
 (2)は基本的には変わっていませんが、企業等の団体への働きかけ、採血基準の在り方、献血可能時間の延長については、「新しい生活様式」としていましたが、この「新しい生活様式」を一般的な言葉として、「ライフスタイルの多様化」と修正させていただきたいと考えております
 (3)です。新型コロナウイルス感染症の流行期もあり、そのことを記載したほうがよいのではないかという御意見がありました。当初、現行の基本方針に包含されるであろうということで了承を頂いておりましたが、やはり「新興・再興感染症」という言葉は入れるべきであろうということで、ここも修正させていただきたいと考えているところです。
 「2.血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直しに係る記載の見直し」です。まず、(1)人免疫グロブリン製剤の限定出荷を踏まえた記載の追加をしなければならないということで、新たに見直すところです。6月9日開催の運営委員会での血漿分画メーカーからの要望書に対応したのが、(2)です。こちらは既に先生方に御確認いただいた中に包含されていることですので主な変更はありませんが、こういう形で進めさせていただきたいということです。
 続いて、「3.研究開発の推進に係る見直し」です。審議会の御議論を踏まえ、主に血液製剤の研究開発の推進を加えるということを御確認いただいておりまして、当初のとおり記載するというところです。
 「4.その他」ですが、こちらに書いてあるものにつきましては、現行の基本方針に包含されるであろうということで見直す必要はないであろうというものについて、こちらにまとめさせてもらっているところです。
これらの経緯を踏まえ、資料2-1に戻って説明させていただきます。資料2-1「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針の一部を改正する件(概要)」となっているものです。
「I.改正の趣旨」です。血液法に基づき少なくとも5年ごとに基本方針に再検討を加え、必要があると認めるときには変更するというものです。今回はその見直しをさせていただきたいということです。見直しに当たっては、審議会で御議論が必要というところです。
 「II.改正の内容」です。「1.献血血液の確保策に係る見直し」です。これは先ほどと同じ作りになっていますが、こちらは1番、2番、3番が先ほどの順番では1、3、2になっています。現行の基本方針の項立てに沿って書いてあるので順番が前後していますが、御了承いただきたいと思います。
 まず(1)、現行の基本方針第四の一に、ボランティア団体等と連携した小中学校等を含む若年層に対する献血推進活動に関する記載を加えさせていただきたいということです。続いて(2)、現行の基本方針第四の五の災害時の文言を「災害や新興・再興感染症等発生時等」に修正させていただきたいというところです。(3)ですが、現行の基本方針第八の六の後に、新たに第八の七として「献血可能人口の減少及びライフスタイルの多様化への対応」という項目を作成し、企業等の団体への献血協力への働きかけなどを記載し、必要なものを加えさせていただきたいと考えております。
 「2.血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直しに係る記載の見直し」です。(1)は、先ほどの人免疫グロブリン製剤の限定出荷を踏まえ、現行の基本方針第五の三に、国は製造販売業者と緊密に連携し、血漿分画製剤の需要増加に伴う供給不足に対して、最善の対策を検討し安定供給を確保するように努めることについて加えさせていただきたいと考えております。(2)は、現行の基本方針第八の三の後に、第八の四として「血漿分画製剤の課題への対応」を新たに作成し、血漿分画製剤産業の抱える問題の解消に向け、多角的な研究を行うこと等について加えさせていただきたいということです。
 「3.研究開発の推進に係る見直し」です。こちらは基本方針第八の三に、有効性・安全性の高い治療方針、血液製剤代替医薬品等の研究開発に関する記載を加えさせていただきたいというところです。
 「4.その他」です。「その他所要の改正を行う」となっており、これは時点修正などをさせていただきたいというところです。
 「IV.施工日等」ですが、令和6年3月末を公布予定日としていまして、施行は未定としていますが、4月1日を予定しております。
 また、本日、本件について御了承いただけましたら、パブリックコメントと並行しまして、本文に反映し、2月の血液事業部会の前には各先生方に御案内して御確認を頂くことを予定しております。
説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 ありがとうございました。ただいま基本方針の見直しの経緯、そして変更の具体案につきまして説明していただきました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等のある委員の先生方は挙手をお願いいたします。人見委員、お願いします。
○人見委員 大変申し訳ありません。実は、フォローできないほど音声が途切れていまして、チャットの方で何とかなりませんかとお願いしているのですが、いかがなものでしょうか。お答えをお願いいたします。
○事務局 会場の方で御説明するようにいたします。
○三谷部会長 少々お待ちください。今、会場の方で御対応いただけるとのことです。ほかの委員の方で、音声の悪い方はいらっしゃいますか。よろしいでしょうか。
 皆さんが手を挙げていらっしゃいますね。ただいまの説明がよく届いていらっしゃらなかったということでしょうか。会場ではよく聞こえておりましたが。いかがいたしましょうか。不具合を調整できましたら簡単に説明いただけますか。皆さんが手を挙げていらっしゃいますので。
 Webで参加の先生方、第一議題のときはお声は届いていましたでしょうか。
○長村委員 東大の長村です。先ほども実は切れていて聞きにくかったです。
○三谷部会長 第一議題は聞きにくかったということですが、フォローはできたのですかね。
○長村委員 第一は、まだ多少聞きとれたというぐらいです。
○三谷部会長 そうでしたか。
○長村委員 第二は、ほとんど途中からもう分からなかったですね、言葉が。
○三谷部会長 承知いたしました。いかがいたしましょうか。入ってなかったですか。
○長村委員 Webで御参加されている先生方の声はしっかり聞こえています。ですので、多分事務局の方だけが問題かと思います。
○三谷部会長 はい、ありがとうございました。それでは大変恐縮ですけれども、もう一度、簡単に説明をお願いできますでしょうか。
○仲島課長補佐 事務局です。聞こえますでしょうか。
○三谷部会長 もし聞こえていらっしゃらない先生がいらしたら、挙手をお願いします。
○仲島課長補佐 事務局です。聞こえておりますでしょうか。
○長村委員 大丈夫です。
○仲島課長補佐 それでは、要点をかい摘んで説明をさせていただきます。
血液事業部会は4月に1回開催させていただきまして、参考資料2-2に当たるものを御確認いただきました。その間に、6月に限定出荷の話があったり、血漿分画メーカーさんからの要望書、あとは骨太の方針が示されて、一度御確認いただいたものを若干見直したことについて、今回認めていただいて、最終的には本文に落としたいというお話をさせていただきました。
 概要ですが、「1.献血血液の確保策に係る見直し」については、「高等学校等への働きかけ」という言葉で当初は確認いただいたのですが、そちらを骨太の方針を踏まえて「小中学校等を含む若年層に対する献血推進活動」という言葉に変えさせていただきたいということで、「ボランティア団体等と連携した小中学校等を含む若年層に対する献血推進活動」という形に変えたいということ。(2)については、今まで「新しい生活様式」ということで説明させていただいたものを、「ライフスタイルの多様化」という言葉に変えたいということで、中身については変わっていないということです。もう一つは、コロナウイルスの関係で御議論いただいて、当初は現行の基本方針に包含されるであろうということで進めていたのですが、それはきちんと文書として残さなければいけないということで、それを入れるということで考えております。
 「2.血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直しに係る記載の見直し」については、(1)として、先ほどの人免疫グロブリンの限定出荷を踏まえたものを入れたいということです。(2)としては、血漿分画メーカーさんからの要望書への対応ですが、これは基本的には前回御確認いただいているものと同じ内容で、こちらに含まれているということを説明させていただいております。
 資料2-1に戻って、2番「改正の内容(案)」として、もう一度説明させていただきます。「1.献血血液の確保策に係る見直し」、(1)では、変更の基本方針第四の一に、先ほどの修正文を落とし込んでいきたいということです。(2)は、「災害時等」を「災害や新興・再興感染症等発生時等」という言葉に修正して文書を作っていきたいということです。(3)は、現行の基本方針第八の六の後に、新たに第八の七として、「献血可能人口の減少及びライフスタイルの多様化への対応」という項目を作って、その中で検討していきたいということ。
 「2.血液製剤産業の持続可能性を高める産業構造の見直しに係る記載の見直し」です。こちらについては、(1)は、現行の基本方針第五の三に「供給危機が発生した場合の対応」として、国は製造販売業者と緊密に連携し、血漿分画製剤の需要増加に伴う供給不足に対して、最善の対策を検討する等の記載を入れたいということです。(2)は、基本方針第八の三の後に、新たに第八の四として、「血漿分画製剤の課題への対応」という項目を作って、血漿分画製剤産業が抱える問題について多角的な研究を行うという記載を入れていきたいということです。
「3.研究開発の推進に係る見直し」については、現行の第八の三「血液製剤等の研究開発の推進」に、有効性・安全性の高い治療方針、血液製剤代替医薬品等の研究開発に関する記載を加えるというところです。
「4.その他」として、「その他所要の改正を行う」ということで、これは時点修正等がありますので、入れさせていただきたいということです。
あと、施行期日等は令和6年3月末予定となっておりますが、本年度中に全て終わらせて、施行は来年度の4月1日を予定しております。
本日、御確認いただいて、お認めいただきましたら、この案でパブコメをかけさせていただいて、それと並行して本文に落とし込むという作業をし、2月の血液事業部会の前までには、先生方に御確認いただきたいということの御報告をさせていただいております。以上です。
○三谷部会長 基本方針の見直しに関して、再度、丁寧に説明いただきました。Webで御参加の先生方、ただいまの御説明は届いていらっしゃいますか。不具合のあった先生方も大丈夫ということでしょうか。ありがとうございます。万が一、不具合のある先生は御発言ください。
それでは、ただいまの説明に関して、御意見、御質問等おありでしたら、よろしくお願いいたします。
○武田委員 武田です。よろしくお願いいたします。基本方針はこれまで議論してきたところをまとめていただいたところかと思います。
 一方で、この方針を立てた上で、実際にどのように国内自給を高めていくか、安定供給を守っていくかというところ、具体的なところはその先の議論になるかとは思いますが、ただ、やはり現状では、グロブリン製剤の供給がどんどん下がってきているという状況がある中で、本当にどうしていくのかということを真剣に考えていかなければいけないという時期に来ていると思います。
 後発医薬品の方でもかなり供給が不足したということで、先般、後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会でも様々な議論がされているところかと思いますが、この血漿分画製剤についても、どうやって国としてこれを守っていくのかというところを議論していかなければいけないと考えています。血漿分画製剤の需給について、需要と供給という観点から、どの程度の献血を皆さんにお願いするかということで、必要となる献血量も定めて実施しているところですが、数年前から、もうグロブリン製剤の供給できる量の上限が決まってしまっていて、需要に応じた献血というよりは、供給できる量に応じた献血というような、需要量なのか供給量なのかという議論も運営委員会等でもされていたところかと思います。
 企業の側に製造量を増やしてもらうというときにも、献血量がどれだけ確保できるのかというところで、そこがお見合いをしてしまうようなところもあるかと思います。ここはしっかりと、国の方で献血としてここを目標にしていくのだと、国内自給としてここを目標にしていくのだというところを立てていただかないと、献血量をどうしていくのか、製造量をどうしていくのかというところに議論が進んでいかないのではないかと考えています。
今後、議論を進めていくところと思いますが、メーカー等の意見も、前回も運営委員会等でヒアリング等を行っていたかと思いますので、実際の状況も聞きながら、どのような形で国内自給を守っていくのかというところ、議論を進めていきたいと思っています。以上です。
○三谷部会長 武田委員、ありがとうございました。長期的な需要と供給のバランスをいかにとっていくか、今回の基本方針の改定とは別に考え続けなければいけない問題ということで御指摘を頂きました。具体的には、これはどのような場で検討を進めていくことが可能ですか。中長期的な問題としてですが。
○吉田需給専門官 事務局から回答させていただきます。まず、どこでと言いますと、まず運営委員会からお話合いができればと思っております。国内3社の状況等については、やはり企業情報が多くオープンの場では難しい部分もありますので、非公開のパートも作って、先生方に現状をお話していろいろ検討していくという方向を、来年度ぐらいからは実施していきたいと思っております。かつ、運営委員会での話合いを血液事業部会に報告するという形で進めていければと考えております。以上です。
○三谷部会長 是非、運営委員会の方で検討いただければと思います。ほかに、御意見、御質問等ありますか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 今、武田委員がおっしゃったように、医薬品の安定供給に私はずっと関わっておりますが、3年掛かってやっと今のところまできました。そのときには、コロナの問題、ウクライナの問題、災害の問題、いろいろなことが重なったのですが、どちらにしても根本的なことはしっかり考えなければいけない。もちろん企業というのは、いろいろなそのときの問題点を内在しているので、公開ではなくて非公開で結構ですので、企業は今後どのくらいの量をどのような形で供給していくことを考えているのか、国としてそこをどう考えていかなければいけないのか、そういうことをしっかり考える場所を作っていただいて、この体制を数年の間に、できれば1年2年の間に体制を作っていただくということをしなければ、これは抜本的な考え方の改正につながらない。やはり、お困りになる方がたくさんいらっしゃる、それを今まで放置してきたということが、医薬品においても、これは血液製剤においても同じような構造をしているのだろうと考えておりますので、是非、この時点で遅れることのないように、しっかりとした議論をして、その立て付けを作っていただきたいと考えています。よろしくお願いします。
○三谷部会長 ありがとうございます。見直しが遅れることのないようにということで、叱咤を頂きました。
ほかに、御意見はありますか。濱口委員、お願いします。
○濱口部会長代理 これは見直しのところに直接ではないのですが、文言の中で少し確認しておきたいのですが。メーカーからの希望として、産業構造の見直しの中の二つ目で、収益性が非常に厳しいとの説明があります。血漿に関しては原価が下がらないのに、薬価が下がってきているということもあって、グラフだけを見ますと、薬価が下がってくるのに原価が変わらないのであれば、製造するのが厳しいという状況に将来的にはなっていくのではないかというのを、少し危惧しているところです。
 一方で、グロブリン製剤をしっかりと製品として出していただくために、メーカーとしてある程度余裕をもって作っていけるような状況を構築するというのも、やはり考える必要があるのではないかと思います。多角的な研究で解決を図っていくということになるのだろうと思いますが、場合によっては、この部会だけではなくて、もっと広く議論していくことが必要になってくるかということも危惧しているところです。その辺も含めて、御検討いただければと思いました。以上です。
○三谷部会長 ありがとうございます。血漿分画製剤のコストがだんだん下がってきているため、製造業者としては、将来的には少し厳しい状況になりつつあるのかと思います。その辺りのコストに関しては、どこで検討していただくのがよろしいのでしょうか。原価は、毎年部会で議論して決まっているのだろうと思いますが。
○吉田需給専門官 事務局から回答いたします。現状、原料血漿価格の方はこちらの血液事業部会の方で行っておりますが、薬価は保険局の方で行っておりますので、我々としては、できる限り企業の後押しをして、保険局、医政局と協議を重ねていければとは思っております。
○三谷部会長 是非、原料血漿の価格に見合う値段が付くようにお願いいたします。ありがとうございます。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 私は少しその言い方をぼかしたのですが、今、濱口委員から核心を突いていただきました。いわゆる議論をするところの場所、マターが全然違っているところにあるのです。ですから、ここでの議論として、「逼迫している、将来非常に困る事態が起こるのだ」ということを、今まで強く言っていたのでしょうがそれが届かない状況だったというところで、それは医薬品も同じだったわけです。やはり、価格の問題がベースにあって議論に追いついていない。国がそういうような、薬価体制を含めて下げて下げてというような、その中で企業がやり繰りをしていたというような、国そのものの問題が安定供給問題に対して強く影響を与えていたことを、やっと国が分かってきたところです。厚労省は一生懸命頑張ってくれたのですが、財務省を含めて他の省庁がそれだけの危機感を持っていなかった。それから議員の方々も同じように危機感をまだ持っていなかったということが、やっと今、3年掛かってやっと医薬品について分かってきた。同じように、血液製剤に関しても全く同じ構造だということをしっかり認識していかなければいけない。それに対して、国ないし、そういう議会に対してもアプローチをかけていかなければいけない。そういうところに今、来ているのだろうと思いますので、ここは強く、いろいろな委員の方々に御苦労をおかけすることも多々あると思いますが、厚生労働省と一体となって、この打開というものをしっかりとしていくということは、適切な言い方ではないかもしれませんが、今はチャンスだと、皆さんが気付き始めたというところなので、やはり国内企業はどうしても守らないといけない。それは、医薬品の後発品メーカーの構造と血液製剤を含めての企業というのは全く違いますが、その根本には、国との薬価体制も含めてですが、その中に問題があるのだということをしっかりと認識していくチャンスだろうと思います。報道機関の方々も、そのような目で、血液製剤を含めて血液の対策というものを考えていただく良いチャンスだろうと私は考えております。
○三谷部会長 ありがとうございました。宮川委員がおっしゃったように、本当にこの時期に来まして、やはり原料血漿の価格と薬価の矛盾が出てきて、企業としては大分苦しい状況になってきたという現状があろうかと思います。企業が潰れるようですと、もちろん安定供給は達成できないわけですので、部署が違うことは重々承知しますが、よく連絡を取って、生産が守られる体制を維持していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
ほかに、御意見はありませんか。先ほど館林委員がお顔を出されていたのですが、館林委員は大丈夫ですか。御意見はおありですか。
○館林委員 意見は特に大丈夫です。途中から参加いたしました。よろしくお願いいたします。
○三谷部会長 よろしくお願いいたします。それでは田野﨑委員、お願いします。
○田野﨑委員 慶應大学の田野﨑です。今の宮川委員の話の補足みたいな形になるのですが、これまで、こちらは連産品であるからということで、大体、免疫グロブリン製剤に見合うように、原料血漿がどのくらいあればいいかというように確保し、血漿分画製剤企業に配分していたと思います。今回は、実際に免疫グロブリン製剤が足りなくなったときに、幾ら原料血漿があっても、免疫グロブリンを企業が作れない状況になっているわけです。アルブミンにおいては、基礎的医薬品になったので、そこのところで、ある程度良くなったのかもしれませんが、各企業においては、今、設備投資をすることが難しくて、これ以上免疫グロブリンの製造を増やせないと伺っています。今回のように、海外から輸入するというのは、本当は奥の手であって、これでは、本当の緊急時などの際に国内で製造できずに逼迫することは目に見えていると思います。国内で実際に製造する能力を上げていくような仕組み作りについて、何かの形で、国の方でテコ入れをするぐらいして一時的に製造能力を増やすくらいのことを考えたほうがいいのではないかと個人的には思うのですが、いかがでしょうか。
○三谷部会長 貴重な御意見だと思います。厚労省の方から、何か今の時点でお考え等ありますか。
○吉田需給専門官 事務局より回答いたします。設備投資が一つ考えられる手段としてはありますが、武田薬品も2030年の新工場に1,000億という値段がかかっておりまして、簡単に国と言っても、そのお金を確保するのは難しいところがありますが、様々な対策を打って、できる限り対応できるよう検討はしていきたいと思っております。
○三谷部会長 是非、支援をお願いできればと思います。松下委員、手を挙げていらっしゃいますか。
○松下委員 松下です。今、需給専門官の声がよく聞こえなかったので、どういうことをおっしゃったのか、余り理解できないのですが、ずっと運営委員会に参加してきて、ここ数年、はっきり言って需給調整がうまくいっているとは思えない状況になっているのではないかということです。
でも、血液対策課の方で何か今できることがあるのかということになると、できることは限られているとも理解しているのですが。一方で、製薬会社もここ数年、免疫グロブリン製剤の適用拡大をかなり進めてきて、ユーザーを増やしてきた経緯があるわけで、ユーザーが増えてきたら当然需要も増えるはずなので、生産も増強しなければいけないはずなのですが、それを怠っている面が製薬会社にもあるのではないかというふうにも思いますので、その辺りをメッセージとして少し出すほうがいいのではと思っております。以上です。
○三谷部会長 ありがとうございました。皆さんと同じ御意見だろうと思います。やはり、中長期的な需要供給のバランスをにらみ、特に、国内における血液製剤の生産を守っていかなければいけないということだろうと思います。
ほかに、御意見はありますか。よろしいですか。
本質的に非常に大事な御意見を頂戴したのですが、今回、頂戴した改正案に盛り込むのは少し難しいかもしれません。一言加えるのは可能かもしれません。それでは、今回頂戴した貴重な御意見を、提示いただいた改正案にどのように盛り込むことができるかどうかということは考えさせていただきたいと思いますが、基本的には、今回提示された改正案そのものに対する御異議はなかったと考えます。本日、事務局から提示された案を了承したいと考えますが、事務局におかれましては、パブリックコメントを踏まえ、今後の血液事業部会に最終案を示すようにお願いしたいと思います。
 先生方、御了承いただけますか。よろしいでしょうか。会場の先生方には、御了承いただきました。Webで参加の先生もよろしければ、挙手をお願いいたします。ほぼ全員の委員の先生方に御了承を頂いたと思います。ありがとうございました。
 それでは、次に、議題3「その他」に移ります。議題3に関して、事務局から何かありますか。
○仲島課長補佐 議題としては、特にはありません。
○三谷部会長 ありがとうございます。本日の議題は以上になります。委員の皆様から、ほかに何か御提案、御質問等はありますか。よろしいですか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 これからの話は議題とは離れた形でお話させていただきます。
 私たちは今までいろいろな審議会で、厚生労働省にいろいろお願いして、厚生労働省も一生懸命対応していただいて、私たちの健康、国民の安全保障を守るという意味で一生懸命闘っていただいている。しかしながら、国の中でやはり財源の確保に関しては、なかなか厚生労働省だけでは難しい。そこには、いろいろな議員の方々や、その他のいろいろな国の有識者の方々、そういう中で御理解いただきながらいろいろなものが進んでいく。ただし、その中で、報道機関の方々、専門誌だけではなくて一般誌の方々全てに対して、情報というものはこういうふうにあるべきではないか、こういうふうに考えたほうが良いのではないかということを、専門家の中から十分発信できていたかというと、なかなかそうではなかった。医薬品のことに関しては、3年前から、後発医薬品のメーカーの危機的な状況、GMP違反やGCP違反などに関して、非常に問題があったということをずっと言っていたのですが、なかなかそれが届かなかった。それらの問題が出てくるようになったら、芋づる式のように出てきて、そして自主点検というようなことをしたら、また、どんどん悪いところが出てくるという形で、やはり私たち自身の問題も非常にあるのだろうと、私も非常に反省しているわけです。
 やはり私たちは、厚生労働省と一緒になって、厚生行政と言いますか、医療行政と言いますか、そういうものをしっかり守っていくというときに、やはりもっと広くいろいろなところに訴えていくということは、これから重要なのかと考えています。委員の先生方が、いろいろなチャンネルを通して、今回は血液のことですが、血液事業の大切さ、これは本当に国の防衛と言いますか、国民の防衛にとって一番大事なところ、根幹なのです。一般的な医薬品というよりは、もっと本当は大事なところかもしれません。そこはなかなか気付いていただけなかったということがあるので、それに対しては、多くの方々に知っていただくというところから始める、非常に地道な努力かもしれませんが、それがこれから重要ではないかと考えます。そういう意味では、今日はいろいろな話が出てきたのは良い機会で、これからもいろいろな意見があったら、それをどこに届けたらいいのか、国会の議員の方々、全ての方々に知っていただく、そういうものを民間ベースでもと言いますか、委員ベースでも作って、厚生労働の議員の方々を中心にお渡ししていただくとか、そういうようなことを考えていくということをしなければいけない。これは厚生労働省が一生懸命対応しているのを助けていくということです。私たちはいつも厚生労働省に申し訳ないけれど文句ばかり言っている、お願いしますとか、実施してくださいとか言っているのですが、厚生労働省は目一杯対応しているはずなのです。それがなかなかできないというのは、そういうところに障害があるということであり、私たちはその障害を一緒になって取り除いていくということも使命なのかもしれませんので、その辺りを私たちも自覚していながら活動していくことが非常に重要なのではないかと思ったので、最後に一言だけ申し上げさせていただきました。ありがとうございます。
○三谷部会長 宮川委員、ありがとうございました。貴重なコメントを頂きましたので、これを励みに、この部会も尽力してまいりたいと思います。締めのお言葉をありがとうございました。
 それでは、特になければ、マイクを事務局にお返ししたいと思います。お願いします。
○山本血液対策課長 三谷部会長、ありがとうございました。また、委員の先生方におかれましても、様々な観点から、血液事業に対する期待と応援を頂いたと思っております。我々も、需給専門官等からも説明いたしましたが、できることは最大限させていただきたいと思っておりますので、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 次回の血液事業部会の日程については、また御連絡をさせていただきます。これにて、令和5年度第2回血液事業部会を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。
( 了 )
 
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬局

血液対策課 課長補佐 仲島(2909)