第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 議事録|厚生労働省

健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課

日時

令和5年11月22日(水)10:00~11:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第14会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

(1)令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種について
(2)その他

議事

議事内容
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会を開催いたします。
本日は御多忙のところ、委員の方々には御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
本日の議事は、公開・頭撮り可としております。また、前回同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りにつきましては、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、本日は、本部会終了後に第53回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の開催を予定しております。分科会につきましては、部会終了後、委員の入れ替わりが確認でき次第、引き続きの開催となりますので、あらかじめ御了承ください。
また、傍聴される方におかれましては、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御了承ください。
次に、本日の出欠状況について御報告申し上げます。磯部委員、清元委員、中野委員から欠席の連絡をいただいております。現在、委員12名のうち9名に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定に基づきまして、本日の会議は成立したことを御報告申し上げます。
本部会の資料でございますけれども、あらかじめ送付させていただいた電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から番号08の利益相反関係書類までを用意しております。資料の不足等、御不明な点がございましたら、事務局までお申し出ください。
なお、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力のほど、お願い申し上げます。
(カメラ退室)
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、ここからの進行につきましては、脇田部会長にお願いいたします。
○脇田部会長 皆さん、おはようございます。
今日は予防接種基本方針部会と、その後、ワクチン分科会のほうも連続で実施するというところでありますが、まずは基本方針部会の委員の先生方、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まずは事務局から審議参加に関する遵守事項等についての報告をお願いいたします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
審議参加の取扱いについて、御報告申し上げます。本日御出席の委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づきまして、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請書類への関与について御申告をいただきました。委員からの申告内容につきましては、番号08の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、議事内容に関して「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいませんでした。
また、毎回のお願いでございますが、各委員におかれましては、講演料等の受け取りにつきまして、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願い申し上げます。
事務局からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、今日の議題に入ってまいりますけれども、私は今日、久しぶりに厚生労働省の会議室のほうで参加していますので、議事進行がちょっといつもと違うので、少し手間取るところがあるかもしれませんが、皆さんの協力で進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題1は「令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種について」となっています。現在、秋冬の接種が進んでいるところですけれども、来年度以降の接種についてということで、これまでも議論がありましたけれども、今日、再度議論を進めていきます。
まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。今日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日、資料1といたしまして、「令和6年度以降の新型コロナワクチンの接種について」という資料を御用意いたしております。参考といたしまして、前回の御議論として参考資料1に御意見をまとめたもの、そして前回、9月8日に御議論いただいたときの資料は参考資料2におつけしておりますので、適宜御参照いただければと存じます。先日の9月の御議論を踏まえまして、追加的な情報等を事務局のほうで整理した上で、本日のまとめという形でお示ししてございます。
早速でございますが、資料の3ページ目までお進みいただけますと幸いです。こちらは、ウイルスの状況ということでございますけれども、前回、抗体保有率のデータをお示ししましたけれども、さらに9月に報告されました保有率の状況についてお示ししております。全体といたしましては、抗体保有率は55.8%ということで、前回に比べて上昇しているということでございます。図には都道府県別、そして性年齢別でお示ししておりますけれども、赤いプロットのところでございますが、全体的に直近のデータでは上昇しているということでございます。
また、4ページ目以降は少し再掲になってございますが、コロナの疫学の状況でございます。4ページ目のところはADBで示された資料でございまして、年齢に伴って重症化率、あるいは致死率が上昇するというところでございました。
5ページ目以降も同様でございます。
7ページ目でございますけれども、前回、一つの県のデータとして重症化の状況をお示ししたところでございますが、こちらについてもう少し年齢で区切ったというか、スムーズにした形でのデータを示してはどうかということで御指摘をいただいたところです。
8ページ目でございますけれども、こちらも一つの県のデータではございますけれども、オミクロン株流行下での死亡の状況ということでお示しをしております。死亡者の大部分は65歳以上の方が占めるという一方で、60歳未満の方については死亡者の数は少ないという状況でございます。右下のプロットした図にございますとおり、65歳以上の方で死亡者の大部分、この県においては95.3%でございましたけれども、こういった形で占めているという状況でございます。
また、おめくりいただきまして9ページ目でございます。オミクロン株流行下における入院患者さんの死亡のオッズ比の比較ということで、今年2月に御議論いただいた際に入院患者さんのレジストリの解析をNCGMの先生にいただきましたけれども、引き続きこちらを解析いたしまして、死亡の転帰に寄与するリスク因子を評価したものでございます。入院した方で見ますと、死亡との関連については高齢、つまり65歳以上の方であることが非常に強い関連を持っておりまして、その他基礎疾患についてはブルーのところで記載しておりますけれども、年齢に比べると比較的弱いという状況でございました。こういった形でデータを解析すると状況が見てとれるかということでお示しをしております。
そして、10ページ目でございますけれども、こちらはワクチンの有効性でございまして、前回様々お示ししたものをおまとめしているところでございまして、従来株ワクチンについては12か月以上の追跡データがあるというところ、2価ワクチンにつきましては、6か月程度追跡のデータがあって、上乗せ効果があったというところをおまとめしてございます。こちらは簡単におまとめしたものでございます。
そして、11ページ目をおめくりいただきまして、こちらも引き続きワクチンの知見でございますけれども、前回、リスクの評価といったところも御指摘をいただいたところでございます。メッセンジャーRNAワクチンの副反応疑い報告の状況につきましては、副反応検討部会のほうで御議論を重ねていただいておりますけれども、副反応が疑われる症状については、頻度はまれではございますけれども、各年代において一定の頻度で発生しているといったところでございまして、特に心筋炎・心膜炎については若年層を中心に報告が見られているところでございます。
そのほか、副反応検討部会でフォローされておりますデータを下の図にお示ししているところでございますけれども、アナフィラキシーや心筋炎・心膜炎といったものは年齢別に少しウオッチをしていただいているところでございますが、こういった形で各年代において発生しているという状況であるということがファクトかと思っております。
こうした状況につきまして、副反応検討部会のほうで御議論いただいておりまして、若年男性に係る心筋炎関連事象の頻度が高いという状況を踏まえまして、添文の改訂であったり、報告基準への収載をして医師等による報告をお願いすることであったり、リーフレット、ウェブサイト等で非接種者の方に注意喚起をするといったことを取り組んでまいったということでございます。
また、12ページ目以降は直近の副反応検討部会のデータをお示ししておりますが、13ページ目にございますとおり、下のほうにございますようなデータも継続的に見ていただきまして、現状の新型コロナワクチンの接種は継続していくこととしてよいという御評価をいただいているところでございます。
また、14ページ目に回数を重ねることによっての副反応に関する状況ということで様々な報告を回数ごとに評価していただいておりまして、こういったところも踏まえまして、現状、重大な懸念は認められないといった御評価を継続的にいただいているところでございます。
15ページ目は、これらの知見をおまとめしたものでございます。
また、16ページ目でございますけれども、費用対効果評価につきまして、本部会の構成員でもある池田先生に御報告をいただいているところでございますので、池田委員からこの評価について御説明いただくことをお願いさせていただければと思いますが、よろしいでございましょうか。
○脇田部会長 分かりました。
それでは、池田委員、御説明をお願いいたします。
○池田委員 池田でございます。
御指名でございますので、資料2のCOVID-19ワクチンの費用対効果評価の資料につきまして、時間の関係もありますので、簡単に御説明をさせていただきます。本研究は、厚生労働科学研究費補助金のほうで実施したものでございます。
まず、2枚目でございますが、こちらは各国で今、COVID-19ワクチンの費用対効果の評価が進んできて、様々な論文も出てきております。この2枚目のものは、アメリカのワクチン評価機関でありますACIPで提出されたアメリカにおけるブースター接種の費用対効果評価の結果でございます。これは分析のパラメータで前提条件を変えればいろいろ結果も変わってくるのですが、お示ししたような前提条件で分析を行っておりまして、結果のところの水色のところに「Costs」と書いてあるのが費用ということでございますが、「QALYs」というのが費用対効果の効果指標で、ワクチン評価も含めまして世界的に最も広く使われている効果指標でございます質調整生存年、すなわちどういうQOLの状態でどのくらいの期間生存するのかということの両方を加味した指標となっております。1質調整生存年当たり、アメリカでは5万ドルないし10万ドルぐらいが費用対効果としては許容でき、それを超えますと、いろいろな状況を見て判断するということになっております。
アメリカの結果は、65歳以上の人口に対してはコストセービングとありまして、ワクチンを打ったほうが健康結果も上がるし費用も下がるという状態でございます。50歳~64歳のところの費用対効果の値は25,787ドル、これは一般的に考えられる許容範囲、費用対効果がよいという水準でございます。18歳~49歳のところは11万5588ドルということで、ボーダーラインのところなのですけれども、結局アメリカのACIPの審議では、全ての年代に対して、費用対効果の観点も含めて非接種が推奨されるという結果となってございます。
次に、3枚目ですが、今回、我が国で新たに分析を研究班で行ったわけですが、海外とワクチンの有効性、罹患率、あるいは医療費等も変わりますので、やはり我が国のパラメータをできるだけ採用した上で分析する必要があるということでございます。
今回、費用対効果を比較しましたのは、今後、2024年度以降のワクチン接種につきまして、接種をしないという選択肢と、秋の1回接種を行うという選択肢、そして春秋の2回接種を行うという3通りの方法につきましての相対的な費用対効果を比較しております。
4枚目でございますが、これはモデルの概形で、どのようなパラメータ、データをどのような推計に使ったかということのおよその概要でございます。もともと感染をしていない方がどの程度の割合で感染していくかということは、後ほど御紹介しますモデルによる罹患率の推計の値を使っています。
これに対して仮にワクチンを秋1回、あるいは春秋2回接種した場合にどれだけ感染する方が減るのかということは、ワクチンの有効性のデータを使っております。また、その中で入院が必要な方がどのくらい発生するのかというのは、これまでの日本における入院の実績をレセプトデータのほうから推計しております。入院した患者さんがいわゆるICU、人工呼吸器、気管挿管、ECMOなどが必要になるいわゆる重症の状態になる方の重症化率についてもレセプトの推計、そしてワクチンでそれがどのくらい防げるかということを国内における有効性データを使って推計。さらには、その重症になった方が死亡に至る死亡率につきましても、レセプトでの値を推計に使っております。それぞれの健康状態に対して日本における医療費、そしてQOLの状態というのをひもづけまして、ワクチン接種の費用対効果を推計しております。
5枚目がデータソースの概要で、詳細は資料を御確認いただきたいと思います。一番ポイントになりますのが、ワクチンを接種しない場合に、今後、どのような罹患率となるかというところでございまして、この推計は非常に困難なところがございますが、今回は、6枚目にございますような罹患者数推計のモデルの詳細につきましては、文献2のほうを必要な場合には御確認いただきたいと思います。これは代表的な感染症の数理モデルでありますSEIRで、感受性、潜伏期、感染、回復の4種類の推移をモデル化したものを使って、今後、日本でどのような感染状況になるのかということについての推計を行ったという研究結果を使用しております。このモデルの構造の詳細につきましては、後ほどの21枚目にも構造についての説明がございますので、また必要によって御確認いただければと思います。
7枚目が、その文献の中で推計されたモデルでございますけれども、赤枠で囲いましたモデルを基本分析に採用し、これに対してワクチンを年1回、あるいは年2回接種した場合にこの感染状況、あるいは入院、重症、死亡がどの程度減らせるかということの推計を行っております。
8枚目ですが、ワクチンの有効性のデータは長崎大学熱帯医学研究所で実施されておりますVERSUSスタディーのデータからこのような形で使用させていただいております。65歳未満、65歳以上のそれぞれの発症予防効果、そして全年齢における入院予防効果、重症化予防効果、そしてワクチンの有効性の減衰、これらはVERSUSのデータから使用させていただいております。
9枚目が副反応のデータということでございまして、こちらは伊藤澄信先生の研究班のほうでお示しされております副反応の、患者さんの発熱割合に関しまして、このデータを使いまして推計をしております。また後ほど、シナリオ分析として別途のスマホアプリの登録者の自発報告データから計算したものもお示ししております。
10枚目が医療費の関連のデータでございまして、これはレセプトデータです。2社のものなのですが、こちらからの2022年から23年1月までの、実際にどの年齢でどういう人数の方が受診していて、入院した人がどのくらいいて、重症化した方がどれくらいいたという実際のデータを使って入院率、死亡率などの計算をしております。
11枚目ですが、先ほどの費用対効果の効果のところは生存年数とQOLの低下の両方を加味した質調整生存年という値で推計しているということを申し上げましたが、その推計のためのQOLのデータでございます。罹患によるQOLのデータに関しましては、VERSUS研究の関連施設の受診者から実際に測定したQOLの値を用いております。
以上のデータなどを用いまして推計した結果が12枚目に示されております。ちょっと煩雑で恐縮でございますが、一番左側がまず年齢別です。年齢4階級ですが、基本分析の推計値を使った分析結果が薄緑で色をつけた部分でございまして、65歳以上の方の場合には、1QALY当たり26万8,000円ということでございまして、これはワクチンを接種しない場合に比べて、年1回のワクチン接種のプログラムを導入した場合には1QALY当たりにかかる費用が26万8,000円ということで、日本では一般的に500万円というのが費用対効果が良好かどうかという基準として主に使われております。実は中医協のほうの薬剤の価格調整などでも500万円という値が基本として使われておりまして、その基準値から見ても、65歳以上の方に対しての年1回のワクチン接種は費用対効果が良好と考えられます。
その他の年代で、50歳~64歳、18歳~49歳、そしてもっと若い5歳~17歳も、基本分析の結果を使いますと費用対効果はいずれも良好という結果が示されております。ただ、今回、基本分析で使いましたデータはいろいろな不確実性もあるところでございますので、少しワクチンに厳しめの調整を行ったら結果がどう変わるかということが右のほうに示されてございます。
例えば感染が広がらなければ、ある意味ワクチンの価値は下がってくるということになりますので、罹患率のほうを下げてみたら結果がどうなるかというと、少しずつ数字が大きくなっております。つまり、費用対効果は悪化していくということになります。
また、これまでの実績のところに関連した医療費の値をレセプトから集計したのですが、例えば仮に医療費が半分と推計をした場合の数字は、あまり基本分析と大きく変わりませんでした。
また、アメリカの有効性のデータは、実はアメリカの場合のデータは、日本で今使ったデータに比べて感染予防効果が低く、また、減衰もかなり速いというワクチンにかなり不利なパラメータを入れているのですけれども、それでやった場合にはやはりそれぞれ数字は大きくなっております。それでも65歳以上、あるいは50歳~64歳の年代では500万円という数字を下回る、費用対効果がよいという結果でございました。
また、副反応のデータを伊藤班のデータではなくてスマホアプリのほうのデータを使った場合は、基本分析とあまり結果が変わりませんでした。最もワクチンにとって厳しい今回の推計として、流行も想定の半分くらいで済むとか、あるいはアメリカのようなワクチンの効果についてかなり厳しいパラメータの両方を入れた場合でも、65歳以上では80.7万円/QALYsということで、費用対効果がよいという結果が示されております。
これはワクチンの価格を仮に1万5,000円と置いた場合ですが、次の13枚目はワクチンの価格を1万円とした場合で、もちろんワクチンの価格が安くなれば、その分費用対効果の値というのはそれぞれ数字としては小さくなる、あるいは場合によっては費用削減になるということで良好な結果となっております。
14ページは、ワクチンを秋1回ではなくて春秋2回にした場合の増分の費用と増分の効果を計算してみたのですが、この費用対効果は全ての年齢とも500万円の基準を上回る、費用対効果に関しては課題があるという結果となっております。
15ページ、16ページは年齢の切り方を変えたより詳細なものですが、やはり年齢が上がるほどワクチンの費用対効果が良好だという結果となっております。
17枚目でございますが、これは仮に生産性損失といいまして、医療費以外の例えば感染した場合に仕事を休む、あるいは看病が必要になるという場合のコスト、あるいはワクチンを打ちに行くことに関しては半日仕事を休むことのコストです。シーンはいずれも入れた場合でございますが、そうした形での生産性損失を組み込んだ分析も参考までに行っておりますが、いずれにいたしましても高年齢のほうが費用対効果が良好という結果は変わりませんでした。
また、18ページ、19ページは感度分析といいまして、結果に大きな影響を与える変数がどれだということを特定するために変数を動かして結果に与える影響を見た図でございます。ちょっと専門的になって恐縮ですが、先ほどまで見ておりましたいわゆる増分費用効果比、500万円/QALYsが基準というのは、費用と効果の割り算を示していたのですが、このグラフは実は引き算で示しております。右のほうに行けば行くほど、値がプラスになればなるほど費用対効果が優れるという形でございますが、若い年代については発症予防効果の値が変わると結果に影響を与えますが、費用対効果が極端に下がるという状況ではございませんでした。
19枚目は、60歳~69歳で同様の分析をしておりますが、こちらの場合には重症化率の値が変化することが結果に一番大きい影響を与えるということですが、ただ、いずれの場合も費用対効果に関しては良好だという結果は覆りませんでした。
20枚目でございます。結果のまとめです。全体的には高齢になるほど費用対効果が改善しておりました。そして、年1回の接種に関しましては、非接種と比べまして、どの年齢集団、ワクチン価格設定でも費用対効果が良好ということでございました。ただ、変数を動かしてワクチンに厳しい条件を入れていきますとこの結果は変わってまいりますが、高齢者に関しては費用対効果が良好だということは覆りませんでした。また、年2回の接種は年1回の接種と比べて費用対効果が必ずしもよくないという結果がございます。
この下のところに今回のモデルの限界点、そして今後の解決策ということで示しております。今後、また研究班のほうでよりモデルの精緻化に努めていきたいと考えております。
簡単ですが、以上でございます。
○脇田部会長 池田先生、御説明をどうもありがとうございました。
そうしましたら、引き続き事務局から説明を続けてください。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。池田先生、ありがとうございました。
資料1にお戻りいただけますでしょうか。資料1の18ページ目以降を御説明させていただきます。
特例臨時接種についてということで、各論点の取りまとめの案をお示ししておりますけれども、特例臨時接種についてということでございます。こちらにルールを記載してございますけれども、前回の御議論におきまして、下側の取りまとめのところでございますけれども、前回部会の御議論におきまして、令和6年度以降、新型コロナウイルス感染症の蔓延予防上の緊急の必要があると認められる状況にはないと考えられるため、特例臨時接種を今年度末で終了することとしてはどうかという御提案をいたしまして、こちらにつきましては参考資料1にございますとおり、おおむね前回で了承をいただいたかと思っております。改めて取りまとめ案としてお示ししております。
また、前回の御議論で、ただし書のところでございますけれども、病原性が大きく異なる変異株の出現等の科学的な前提が異なるような特段の事情が生じた場合は、改めて予防接種法上の位置づけについて検討することとして、引き続きウイルスの流行状況等に関する情報収集及び評価を行うこととしてはどうかと記載してございます。
また、おめくりいただきまして19ページ目以降でございます。今後の接種プログラムに関する各論点につきまして、現状を19ページ目にお示ししております。これまで御説明をしてまいりましたので少し割愛をさせていただきますが、疫学的状況、そして効果等に関する知見につきましては、先ほど池田先生からも費用対効果の評価をいただきまして、特に65歳以上の高齢者においては費用対効果に優れる結果だったと理解をしております。
また、安全性に関する知見といたしまして、先ほどお示ししたように一定のリスクがありつつも、部会のほうで御議論いただいていて、様々な措置を講じているところであるというところでございます。
また、使うワクチンについてはこれまで入れ替えを御議論いただいてきたというところでございます。そして、その他ワクチンを取り巻く状況につきましては、抗ウイルス薬が利用可能になったというところを前回の部会でお示しいたしました。
こういったことを踏まえまして、20ページ目に取りまとめの案をお示ししてございます。まず、1ポツの検討の前提でございますけれども、今回の取りまとめにつきましては、感染症の疫学的な状況やワクチンの有効性・安全性等に関する科学的知見、そして費用対効果も含めまして、予防接種法に基づく定期接種という公的な予防接種プログラムとして接種の目的、あるいは対象者等を定めることにまず主眼を置いたものであると考えております。
これまで、令和5年度までにつきましては、法に基づく特例臨時接種を実施してきておりまして、新型コロナワクチンが一般流通していない状況であったものの、今後、来年度以降については新型コロナワクチンはほかのワクチンと同様に一般流通が行われる見込みでございまして、定期接種の対象者以外であっても任意接種としての接種の機会を得ることができるということを前提と書かせていただいております。
2ポツ目以降に、接種プログラムの具体的なところといたしまして、接種の目的及び対象者についてでございますけれども、今後、来年度以降の接種については個人の重症化予防により重症者を減らすことを目的として、新型コロナウイルス感染症を予防接種法のB類疾病に位置づけた上で、法に基づく定期接種として実施することとしてはどうかとお示ししております。
また、今後の定期接種の対象につきましては、先ほど事務局からもお示しいたしました、新型コロナウイルス感染症による死亡の疾病負荷の大部分が65歳以上の高齢者となっていること、あるいは入院患者における分析で、高齢ということに比べて基礎疾患の死亡との関連性が比較的弱いといったことも踏まえまして、65歳以上の高齢者を対象としつつ、比較的疾病負荷の高い60~64歳までの方につきましては、一定の基礎疾患を有する者の重症化リスクも考慮することとしまして、その対象者については法律上重症化予防を目的とした接種を行うインフルエンザワクチン等における接種の対象者と同様としてはどうかということでございます。
また、3番目のタイミングでございますけれども、記載にございますとおり、様々なウイルスの状況、あるいは免疫の状況、そしてワクチンの重症化予防効果が一定程度持続すること、そして、費用対効果もお示しいただきましたけれども、こういったことに加えまして、年末年始にこれまで比較的大きな感染拡大を経験していることや、ワクチンを取り巻く有利な状況の変化もあるといったことも考慮いたしまして、そのスケジュールにつきましては年1回の接種を行うこととして、そのタイミングは秋冬とすることとしてはどうか。
そして、用いるワクチンでございますけれども、株の検討に当たっては主流であるウイルスの状況やワクチンの有効性に関する知見を踏まえて選択することとして、当面の間、毎年見直すこととしてはどうか。そして、用いるワクチンにつきましては、いろいろなモダリティーの開発状況も考慮しまして、有効性、安全性、そして費用対効果も踏まえて検討することとしてはどうかということで取りまとめの案としてお示ししております。
どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、質疑に移るのですけれども、その前に、今日御欠席の清元委員から意見書が出されているようですので、こちらも事務局から説明をお願いいたします。
○和泉予防接種課課長補佐 引き続きまして、事務局でございます。
清元先生から意見を提出いただいておりまして、参考資料3におつけしております。こちらにつきまして、事務局から簡単に御説明をさせていただければと思います。
記載にございますとおり、新型コロナウイルス感染症を予防接種法のB類疾病に位置づけた上で、法に基づく定期接種とする方針については理解するということでございます。その上で、安定的な接種を可能として、地域において円滑な接種を実施できるよう、記載をいただいておりますとおり国による周知・説明であったり、ワクチンの確保・流通、そして接種希望者への負担軽減策についても検討をいただきたいということでございました。
こういった記載をいただいておりまして、清元委員から御指摘をいただいている運用面の課題への対応につきましては、できる限り速やかに自治体の関係者の皆様にお伝えできるように私どもとしても取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上、簡単に御説明させていただきます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から、あるいは池田先生から御説明がありました。最後に事務局から取りまとめ案ということで提示をしていただきましたけれども、委員の皆様から御意見、御質問等があれば、お願いしたいと思います。よろしくお願いします。手を挙げていただければ順次こちらから指名させていただきますけれども、いかがでしょうか。
伊藤澄信委員、白井委員、それから坂元委員の順番でお願いします。
○伊藤委員 今回の提案については、池田先生の分析も含めて妥当なものだと思いますし、B類にすると努力義務や接種推奨がないということに関してもインフルエンザと同様ということですし、努力義務という言葉の妥当性については多くの方から御意見もいただいていますので賛成するのですけれども、ただ、B類になったときに補償が大きく変わるということと、それから接種対象者以外の方、任意接種の方の補償がどうなるのかということについてきちんとした説明をしなくてはいけないのではないかというのが意見としての一つです。
もう一点、御質問なのですけれども、海外の状況は各国で対応が違うような気がするのですが、現在の状況を御説明いただけるとありがたいと思います。質問としてはその1点です。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
委員の皆様から御意見を伺ってからまた事務局に確認をしたいと思います。
それでは、白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。よろしくお願いいたします。
対象者の設定の年齢であるとか、基礎疾患のことについても、前回よりも複数の県での資料を出していただきましてありがとうございました。それを拝見しまして、やはり65歳以上というか、むしろ70歳以上の影響が極端に大きいなと思うのですけれども、その意味でも死亡率を下げるであるとか、重症化リスクを下げるという意味でのワクチンの対象者は65歳以上ということで、特にほかの制度の中でも混乱がないような形で65歳以上にそろえていただくということは妥当かなと思いました。そういう意味でも、この御提案に関しては了承したいと思います。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
1点、B類としてインフルエンザと同様ということは、65歳以上はいいのですが、60歳~64歳までに関しては、予防接種法の施行規則の中に新たに新型コロナワクチンという項目を入れて、インフルエンザ、それから肺炎球菌で書かれている同じ項目としていくのかというのが一点です。
それからもう一点が、この取りまとめの中に一般流通が行われる見込みと、現在、インフルエンザワクチンは、一般流通というよりは期間限定で大体10月から始まって、2月ぐらいには終わるということですが、新しいコロナのワクチンに関しては通年で流通して、任意であればいつでも受けられるのか。ただし、65歳以上と60歳~64歳のいわゆる任意でない方、B類の対象になる方は秋口のみという理解でよろしいのでしょうか。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
宮入委員、それから釜萢委員の順番でお願いします。
○宮入委員 宮入です。よろしくお願いします。
今回の事務局の提案に関しては、賛成であります。接種対象者をB類に移行するということについて、妥当だと感じております。
その一方で、今回、ワクチンが有効であり、また、その他の年齢においても費用対効果が優れたワクチンであるということが確認されておりますので、総合的な感染対策として、ほかの手洗いであるとか、咳エチケットということの中でワクチンも位置づけられ、その中で今回、定期の対象になるのが今回の定めた年齢群であるということを示していただければと思っております。
また、これは今回の議論とは別ではありますが、インフルエンザも含めたほかのワクチンについては、ハイリスク者、基礎疾患のある方に対する、任意接種の枠組みで実施されています。今後、予防接種法上にどう位置づけていくかという話が過去の基本方針部会で取り上げられたこともあり、引き続き議論いただければと思っております。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
前回のこの基本方針部会において、もちろん資料は大分出していただいていたのですが、少し幅広く議論の内容もよく確認をして、多くの方が納得していただきたいなという思いもありまして、前回、取りまとめるのではなくて、少し時間を置いてもう一度取りまとめる機会をいただきたいとお願いを申し上げたわけですけれども、今回、また新たな知見も踏まえてできたと感謝を申し上げております。ぜひこの形で今日の段階でしっかり取りまとめができることを願っておるというのがまず一点申し上げたいことです。
それから、それとも関連がございますが、まず新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類に位置づけられたということをしっかり踏まえて、これまで特例臨時接種でやってきたのとはちょっと違うのだというところを国民の方にしっかり理解していただく必要があって、これまでの新型コロナウイルスワクチンの認識や位置づけというところが令和6年度以降は変わっていくのだというところが幅広く理解されないと、ちょっと前の認識が引き続いていると混乱を来すのではないかという点を指摘したいと思います。
と申しますのは、例えばこれまで新型コロナウイルスのワクチンは、医療従事者、あるいはエッセンシャルワーカーの方々に優先して接種するという対応も行われてきたわけですけれども、それは今の感染症法の条文の位置づけ、あるいはこのウイルスに対する認識から特段想定されるものではないのだなというところについては国民的な理解が必要なのだろうと思います。
一方で、医療現場としては、場合によってはインフルエンザと同様でありますけれども、積極的に接種を勧奨というか、職場においては接種を希望者にしっかりできる体制を整えるという対応も必要になってくる場面も考えられるので、その辺りで幅広い理解が進むようにすべきだなと思います。
インフルエンザとの比較で申しますと、インフルエンザの場合には株が決まって、そして国内で一斉に数社の製造メーカーにワクチンを作っていただいて、そして10月初めをめどに一斉に提供されるような体制ということです。先ほど坂元先生もおっしゃいましたけれども、それが今後どうなっていくのかというところはちょっとまだ分からないところもあります。
そして、現在はみんな輸入物を使うわけですけれども、国内での生産体制がある程度整ってくることも予想される中で、どういうふうに安定してワクチンを確保するかというのは、現時点では未確定の部分もあるのではないかと私は予想しておりまして、その辺りも今後明らかになる中で安定的な供給がどうなってくるのかということが必要になってくる課題だろうと思います。
それからもう一点は、供給されるワクチンの価格について、いずれだんだん明らかになってくるだろうと思いますけれども、希望される多くの方が接種しやすい価格で提供されるように、あまり高額にならないようにできるといいなと思っております。
長くなりましたが、私からは以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
そのほかはいかがでしょうか。
神谷委員、お願いします。
○神谷委員 ありがとうございます。
私も提示された案について基本的には賛成なのですけれども、やはり年齢で区切るのは確かに分かりやすいとは思うのですが、基礎疾患には含まれないかもしれないですけれども、妊婦さんの検討などといった今後多少変更がある余地は残しておいて、いろいろこれから先もデータを見た上で追加できるような体制にしていただきたいなと思いました。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
大体よろしいでしょうか。
私も一委員として少し意見を述べさせてもらいたいと思いますけれども、5類への移行ということで、今回、ワクチン接種のほうも特例臨時接種から定期接種という安定した体制に変更されるということで、私もその点については賛成をしています。
一方で、アドバイザリーボード等でも5類への移行のときに議論があったのですけれども、先ほどの取りまとめの前提のところで、ただし、ウイルス株が大きく変化したときには迅速に検討をして、情報収集・評価を行うということなのだけれども、実際には今、アドバイザリーボードも開かれていないという状況で、そういったウイルスの変化の評価というものを本当に迅速にきちんとできるのかという議論がございました。なので、それは誰がどこでどういった評価を行うかということも確認をしておきたいと思いました。
それから、現在、特例臨時接種ということで65歳以上だけではなくて、多くの方が広く接種をしていただいているという状況で定期接種に移行するということになりますと、まだまだ年に1回程度接種をしたいという希望者の方が多くいらっしゃると思います。先ほど来、委員の先生方からも御意見がありましたけれども、そういったところで任意接種においても希望者にはなるべく多く打っていただけるような体制というものもしっかりと、この委員会のマターではないのかもしれないけれども、そこは厚労省からぜひそういった取組をお願いしたいということが私の意見です。
それでは、今、様々な御意見をいただきましたので、事務局からもしレスポンスできるところがあれば、お願いしたいと思います。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御意見をどうもありがとうございます。順次お答えをさせていただきます。
初めに、伊藤澄信先生から御質問いただきました、海外の状況というところでございます。長期的な方針を一部出している国もあれば、あまり出していないところもございまして、実は前回、少し諸外国の状況をお示ししましたけれども、直近ではアップデートがあまりないというところでございまして、アメリカについては恐らく年1回の接種の通常の流通に移行するということで方向性がおおむね示されているように理解しておりますし、ドイツも定期的な接種に比較的近い形で継続してやっていくという方向性が出ているのかなと思っております。
また、白井先生の御指摘も踏まえて少しデータを充実させていただきましたので、議論に資すればというところでございまして、基礎疾患のリスクというところの御指摘をいただきました。こうした知見につきましても、引き続き妊婦さんであったり、その他の基礎疾患の方という知見も随時事務局のほうでは収集できるようにしていきたいと思いますし、新たな知見につきましては、この分科会、あるいは小委となるかもしれませんけれども、お示ししながら接種プログラムのどうあるべきかというところも、先ほど神谷先生に御指摘いただいたようなところも御議論に供するようにしたいと思ってございます。
坂元先生から御指摘をいただいたインフル、肺炎球菌と同じ基礎疾患の範囲かというところでございますけれども、今の事務局案といたしましては、20ページ目の2ポツに記載しておりますとおり、インフルエンザワクチン等における接種の対象者と同様、すなわち同じ基礎疾患の範囲としてはどうかという御提案でございます。
また、流通のところで御質問をいただきまして、任意であればいつでも受けられるのかというところでございますけれども、こちらは製薬企業や卸の流通のところもございますのでちょっと調整中のところでもございますけれども、基本的には前提のところに書かせていただいたとおり、来年度以降は任意の接種の機会が設けられるということでございますので、こちらについても鋭意企業等とも議論を重ねていきたいと思ってございます。
秋の接種キャンペーンとしての接種プログラムとして今回はお示ししたところでございますが、仮に定期の対象者の方であっても春にも打ちたいということであれば、それは任意接種の枠組みの中でもう一度打つということも可能であると考えてございます。
宮入先生から総合的な対策の中に位置づけるということを御指摘いただきました。こちらは我々省の中でも感染症対策課のほうでもございますけれども、インフルと同様の咳エチケットなどの一般的なものの中にも情報として入れられるように、省内でも連携をさせていただきたいと思ってございます。
あとは、安定の供給等について釜萢先生から御指摘をいただいたところでございますけれども、先ほど申し上げたように少し企業とディスカッションしているところでございますけれども、安定的に供給できるように国内の体制も含めて調整を進めていきたいと思ってございます。
最後に、脇田先生に少しいただいたウイルスの変化のウオッチというところでございますけれども、これは誰がというところになると感染研の先生方ともよく連携させていただくことになると思うのですけれども、省内には感染症対策部もございますので、課との連携もしながら、感染研の先生方とも連携をしながら情報収集をしてまいりたいと思っております。
最近の変異株BA.2.86等も感染研の先生方と連携をさせていただいてレポートをお出しいただいたところでございますので、こういったことを引き続きやっていきたいということになるのかなと思っております。
○鈴野予防接種対策推進官 追加で、事務局でございます。
冒頭、伊藤先生から御指摘がございました救済の関係について、この場でも御説明させていただきます。委員の御指摘のとおり、A類とB類では給付の内容が異なるということでございまして、御案内のとおりかと思いますが、資料でいいますと資料1の参考資料の後ろのほうの27ページを御覧いただければと思います。こちらに表の形で給付額の比較をしておりまして、左側の縦の列がA類で、真ん中の列がB類となっております。この列の給付水準を比較していただきますと、御指摘のとおりAとBでは差があるということでございまして、このB類疾病の場合は、A類疾病と比較しまして個人予防目的に比重を置いて予防接種が行われる疾病ということで、接種勧奨や努力義務がないということで給付の違いに差を設けているものでございます。
また、任意接種の場合についてでございますが、同じく27ページの表の一番右側の欄を御覧いただければと思います。こちらにつきましては予防接種制度とは別の制度ですけれども、医薬品副作用被害救済制度ということでございまして、任意接種で受けた場合の副作用、副反応が出た場合にはこちらのほうで救済ということになりますが、水準について比較しますと、B類と同水準の程度ということになっておりまして、こういったことについても今後、厚労省として説明を丁寧にしっかりしていきたいと思っております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それから、釜萢先生から御指摘があった、今回の制度は大きな変更になりますので、国民的な理解が必要というところですね。そこには厚労省からも十分な説明をしていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、今、事務局からもコメントをいただきましたが、皆様からさらに追加の御意見、御質問等がございましたら、お願いしたいと思います。
坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
1つ質問なのですが、今までのワクチンは初回シリーズを済ませていない方は初回シリーズをやるということでわざわざやっていただいたのですが、これほど何度も何度もアナウンスしているので、来年からは私は基本的にその必要はないと思うのですが、基本的には新年度からB類になった場合は、初回シリーズを打っていようが打っていまいが1回という一つの理解でよろしいかということと、それからもう一つは、本来ここで決める問題ではないと思いますが、流通の在り方というのは、一般流通というのは問屋さんを介して配送するのかなというイメージなのですが、コロナワクチンはいろいろな剤形がございますので、今後、もし配送等に自治体が関与していく可能性があるのであれば、その辺は自治体の人員体制や配送業者との契約もございますので、早めに自治体に御連絡いただければ、自治体としては積極的に協力してまいりたいと思っております。
それから費用の件は清元委員からも出されたと思いますが、市町村にとっては非常に関心事でございますので、なるべく費用が安く、多くの方に受けられるように努力していただければ、市町村としては幸いでございます。
この案に関しては基本的に賛成でございます。
以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
事務局、よろしいですか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。どうもありがとうございます。
先ほど坂元先生から御指摘いただいた、1点目の初回接種と追加接種ということでございますけれども、こちらは端的にはまず厚労省のほうでも検討させていただいて、どのようにするかというところをまたお諮りさせていただければと思っております。薬事上、初回と追加が違っているわけでございますけれども、薬事上の手当てであったり、諸外国はなくしている部分もあると認識しておりますので、こういったところも状況を整理して、またお諮りさせていただければと思ってございます。
また、剤形のところも同様に医薬品のメーカーのほうのところでございますので、情報を収集してお示しをするようにしたいと思います。
費用に関しても同様に情報提供できるようにしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
大体皆さんよろしいですか。
それでは、ありがとうございました。
それでは、取りまとめたいと思います。20ページの事務局からの取りまとめ案を御覧いただきまして、私のほうでも簡単にまとめさせていただきますと、来年度以降の新型コロナワクチンの接種につきましては、この資料の事務局案のとおりにまとめたいと思います。
まず、特例臨時接種については、これまで議論してきたとおり今年度末に予定どおり終了するということにいたしまして、来年度の接種につきましては、個人の重症化予防によって重症者を減らすことを目的として、新型コロナウイルス感染症を予防接種法のB類疾病に位置づけた上で法に基づく定期接種として実施をし、接種の対象者はインフルエンザワクチン等と同じ65歳以上の高齢者及び一定の基礎疾患を有する者とする。さらに、接種のスケジュールですけれども、年1回の接種を秋冬に行う。用いるワクチンについては当面の間、毎年見直していくということにしたいと思いますが、委員の皆様、このまとめでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。
そうしましたら、来年度の接種プログラムにつきましては、特段の御異論はないようですので、事務局案のとおりに進めていくということで本部会の結論として、この後の分科会に報告をしたいと思います。
また、様々な御意見がありましたので、この意見については事務局で対応していただくということでよろしくお願いいたします。
それでは、今日の部会で予定しました議題は以上ですが、さらに皆様から何かございますか。
それでは、事務局、お願いいたします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
本日も活発な御意見、御議論をいただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。
事務局からは以上になります。
○脇田部会長 ありがとうございました。
それでは、基本方針部会は以上で終了させていただきます。
一旦事務局にお返しすればよろしいですか。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局です。
部会は一旦閉じさせていただきまして、分科会の準備をさせていただきますので、部会も分科会も兼務の先生は、少しお待ちください。分科会からの先生は、今、準備をしておりますので、入りが確認でき次第、引き続きでお願いしたいと思います。
以上です。