2023年10月23日第40回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和5年10月23日(月)15:00~17:00

2.場所

対面及びオンライン会議(東京虎ノ門グローバルスクエア コンファレンス)

3.出席者

4.議題

  1. 1.令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて(強度行動障害を有する児者への支援、共同生活援助、自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援、地域生活支援拠点等、自立訓練)
  2. 2.その他

5.議事

○伊藤障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第40回会合を開催いたします。
 アドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、アドバイザーの皆様には、オンラインまたは会場にて御参加いただいております。また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 本日のアドバイザーの皆様の出席状況ですが、石津アドバイザーは所用により欠席と伺っております。あと、数名の方は少し遅れての御参加となるかもしれませんが、御欠席は石津アドバイザーと伺っております。
 構成員の出席状況ですが、野村こども家庭庁官房審議官、小林精神・障害保健課長は欠席となります。
 本検討チームの議事は公開とし、審議内容は皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載する予定です。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、報道の方は御退席をお願いします。
 それでは、議事に入る前に、資料の確認と会議の運営方法について御確認させていただきます。
 資料については、オンライン参加のアドバイザーにおかれましては、電子媒体でお送りしている資料を御覧ください。同様の資料をホームページにも掲載しております。
 本日の資料は、議事次第と議事次第に記載のとおり、資料1から4となっております。
 会議の運営方法について説明します。議事に沿って事務局から資料について説明した後に、アドバイザーの皆様からの御質問、御意見をいただきたいと思います。今回は、資料を4つ用意してございますので、前半と後半に分けまして、まずは資料1と2について説明、質疑応答、次に資料3と4について説明、質疑応答の順に進めさせていただきます。
 発言される場合は、現地で御出席いただいている方は挙手をお願いします。オンラインで参加いただいている方はZoom機能の挙手ボタンを押してください。発言者の方におかれましては、こちらから指名させていただきますので、指名された方から御発言をお願いします。
 本日は、手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、お名前を名乗っていただいた上で、できるだけゆっくり分かりやすくお話しいただきますよう、お願いします。
 それでは、議事に入ります。
 まず、資料1と2、「強度行動障害を有する児者への支援」「共同生活援助」について事務局から説明をお願いします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
 それでは、資料1「強度行動障害を有する児者への支援に係る報酬・基準について」、御説明を申し上げます。先週の障害児支援のところで、障害児に関しての強度行動障害の御議論をやってございますので、今回は大人、施設入所支援とか共同生活援助等々に関する強度行動障害の支援について御説明を申し上げます。
 強度行動障害の概要につきましては、前回も御説明ございましたので、省略させていただきまして、資料の11ページ、論点を2つ御用意させていただいております。
 資料12ページを御覧ください。論点1、強度行動障害を有する児者の受入体制の強化についてでございます。
 強度行動障害につきましては、障害支援区分の調査で把握する「行動関連項目」により判定した結果、24点中10点以上となる方に対して、一定の体制確保とか対応を行った場合に、報酬上特別の加算が設定されるなど、手厚い支援の提供が進められております。
 本年3月に取りまとめいただきました「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会報告書」におきまして、この10点の方と点数の非常に高い方、満点が24点となってございますけれども、こういった方との間では、必要な支援の度合いが大きく変わってくる。このような支援が困難な状態の方がサービスの受入れにつながっていないという御指摘をいただいています。
 また、同じ報告書におきましては、共同生活援助、グループホームですけれども、原則個室という環境もございまして、生活環境や支援内容を個別化しやすく、一人一人の特性に合わせやすいとの利点があることから、強度行動障害を有する方の居住の場として受入れの体制整備を進めていく必要があるという御指摘をいただいています。
 一方、現行、強度行動障害を有する方の受入れを促進する観点から、生活介護とか施設入所支援には初期の手厚い加算というのがあるのですけれども、グループホームにはないという現状がございます。
 資料13ページを御覧ください。
 検討の方向性といたしまして、1つ目、行動関連項目の合計点が非常に高く、支援が困難な状態の方が、サービスの受入れにつながっていないという状況も踏まえまして、受入れ拡大や支援の充実の観点から、強度行動障害を有する方については、10点という区切りではなく、非常に高い方を受け入れて、適切な支援を行った場合に評価することを検討してはどうか。
 また、点数が非常に高い方の受入れについては、事業所に高い支援力が求められますことから、各事業所において強度行動障害を有する方に対してチームで支援を行っていただく。その上で、適切な支援の実施をマネジメントする中心的な役割を果たす人材(中核的人材)と申しておりますけれども、こういった方の配置を評価することを検討してはどうか。
 また、先ほど申しましたグループホームにおける受入体制を強化するため、利用者の状態や環境の変化に適応するための初期のアセスメント等を評価することを検討してはどうかということを、検討の方向性として表現してございます。
 続きまして、論点の2、資料20ページを御覧ください。状態が悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援についてというものでございます。
 強度行動障害を有する方については、状態が悪化することにより、なかなかサービスにつながらない事例。また、障害福祉サービスを利用していても、自傷や他害など、本人や周囲に影響を及ぼす行動が非常に激しくなり、現状の生活の維持が難しくなった方もいらっしゃいます。
 また、支援の現場においては、強度行動障害を有する児者の状態が悪化し、課題となる行動が頻発するような状態になった場合に、支援を振り返る余裕がなくなり、職員が疲弊してしまうという状況もあるという実態がございます。
 先ほどから引いております報告書におきまして、状態の悪化により在宅やグループホームにおいて生活が難しくなった場合には、障害特性や行動の要因分析等の適切なアセスメントを行い、有効な支援方法を整理した上で環境調整を集中的に行い、状態の安定を図ることが有効。こうした集中的支援の取組の必要があるという御指摘を頂戴しています。
 また、同報告書では、広域的支援人材について、求められる専門性の高さから、地域での確保・配置が難しい場合には、ICTを活用して地域外から指導助言を行うなど、広域で対応する体制についても検討する必要があるという御指摘をいただいています。
 これらを踏まえまして、検討の方向性。
 高度な専門性により地域を支援する人材、こういった方を広域的支援人材と呼んでおりますけれども、事業所等を集中的に訪問していただき、適切なアセスメントと有効な支援方法の整理を事業所の方とともに行っていただき、環境調整を進めていく、いわゆる「集中的支援」について評価することを検討してはどうか。
 また、広域的支援人材につきましては、今後、国において人材養成研修を実施することを予定しておりますが、当分の間は、勤続年数が一定以上の発達障害者地域支援マネジャーや、中核的人材養成研修の講師の方等、研修受講者以外の方について広域的支援人材として取り扱うことを検討してはどうかということで、論点を2つ掲げさせていただいております。
 続きまして、グループホームの関係でございます。資料2を御覧いただければと思います。資料2「共同生活援助に係る報酬・基準について」ということで、1ページ、おめくりいただければと思います。グループホームの概要でございます。
 左下に利用者の推移をお示ししています。直近、令和5年4月の実績で、利用者が約17万3000人弱と、右肩上がりで伸びているという現状が見てとれます。
 また、資料2ページ目を御覧いただきますと、現行、グループホームは類型が3種類ございます。支援の度合いの低い方が主に入ることを想定している外部サービス利用型。それから、知的障害の方がよく使われている介護サービス包括型。それから、平成30年度に導入されました、障害支援区分の重い方の入所を想定されている日中サービス支援型。こういった3類型のグループホームが今、存在するという状況でございます。
 資料、飛んでいただきまして、18ページを御覧ください。共同生活援助に係る論点として、3つ、今回は御議論いただければと思ってございます。
 19ページを御覧いただければと思います。論点の1、グループホームから希望する一人暮らし等に向けた支援の充実について、現状・課題を御説明いたします。
 近年、共同生活援助の利用者は増加しており、その中には、グループホームでの生活の継続を希望される方がいらっしゃる一方で、アパートなどでの一人暮らしを希望し、生活上の支援があれば一人暮らし等ができる方もいらっしゃいます。昨年の障害者総合支援法の改正により、共同生活援助の支援内容として、一人暮らし等を希望する利用者に対する支援とか、退居後の一人暮らし等の定着のための相談等の支援が含まれるということが法律上明確化されました。
 また、令和3年度に実施した全国調査によりますと、回答のあったグループホームの利用者のうち「将来一人暮らしまたはパートナーと暮らしてみたい」と回答された方が約45%いらっしゃったという結果があります。
 昨年取りまとめいただきました障害者部会報告書においても、現行のグループホームの制度上、一人暮らし等に向けた支援について、自立生活支援加算という取組はございますけれども、これに加え、1つ目のポツ、グループホームの事業者が退居後に地域生活の定着に向けた見守りとか相談等の支援を一定期間できるよう、報酬上の評価を検討すべきである旨。
 また、2つ目のポツとして、新たな選択肢を設ける観点から、指定基準において、本人が希望する一人暮らし等に向けた支援を目的とする新たなグループホームのサービス類型を検討すべきであるという御指摘を頂戴しています。
 これを踏まえ、20ページ、検討の方向性でございます。
 グループホーム入居中に一人暮らし等を希望するに至った利用者も含め、一人暮らし等に向けた希望を持つ利用者に対する支援を実施するため、入居中及び退居後の定着に向けた支援を評価することを検討してはどうか。
 その際、利用者の意思の表明後に、サービス担当者会議において利用者の意思を、本人を中心とした支援チームで共有し、退居に向けた支援を実施した場合の評価の見直し、また、一人暮らし等に向けた住居の確保のための居住支援法人や居住支援協議会等との連携について評価を検討してはどうか。
 また、2つ目の○でございます。共同生活援助の入居前から、一人暮らし等をするための支援を希望する者に対して集中的な支援の実施を可能とし、かつ、事業所の柔軟な運営に資するため、既存の類型の枠内において、共同生活住居単位で一人暮らし等に向けた支援を実施する仕組みも選択肢として設けることを検討してはどうか。
 その際、以下の支援を実施することを公表した上で、一定の期間において集中的な支援を実施する事業所を評価することを検討してはどうか。
 例えば、サービスを利用するに当たり、一人暮らし等に向けた専門的な支援を実施する住居に入居することについて、入居前から御本人に説明いただくとともに、丁寧な意思決定支援のプロセスに事業者も関わっていただくこと。
 専門職の配置による居住の確保等に向けた支援や利用者同士のグループワークなども含め、一人暮らし等に向けた計画的な支援を実施いただくこと。
 また、退居後の支援として、本人への相談支援とか新しい住居におけるヘルパーさんとか自立生活援助といった、在宅の支援チームへの引継ぎを行っていただくこと。こういったものを新しいグループホームのサービス体系として検討してはどうかというものでございます。
 資料25ページを御覧ください。論点の2、支援の実態に応じた報酬の見直し等についてというものでございます。
 現状・課題として、1つ目の○でございます。共同生活援助における従業者の配置基準につきましては、常勤換算方法により算出された人員数を配置する仕組みとなってございます。その上で、共同生活援助の基本報酬は、地域の中での少人数単位の支援を評価する観点から、世話人の配置基準に応じた報酬体系となってございます。参考資料32ページ、33ページ辺りに報酬単価及び常勤換算方法の考え方を載せてございますので、併せて御覧いただければと思います。
 今年度実施されました財務省の予算執行調査において、「各事業所が任意に定める週所定労働時間によって、報酬を得るために必要なサービス提供時間が左右される実態に鑑み、サービス提供時間の実態やそのコストを適切に反映する報酬体系に見直すべきと。」との指摘がありました。
 また、3つ目の○でございます。令和3年度に行われた調査によりますと、共同生活援助における入居者の平均障害支援区分別の収支差率を確認したところ、一部の支援区分において平均を比較的大きく上回っているという実態がございました。
 また、4つ目の○、利用者の心身の状況等により外部のサービスが利用できない日において、グループホームの従業者が日中に支援を行った場合に日中支援加算というものが算定できますが、支援を行った日が月に3日以上ある場合に初めて3日目以降の期間のみが、この加算の対象とされているため、支援の実態に応じた評価となるよう見直すべきという御指摘もいただいてございます。
 資料26ページでございます。
 部会の報告書におきまして「障害福祉サービスの実績や経験があまりない事業者の参入により、障害特性や障害程度を踏まえた支援が適切に提供されないといった支援の質の低下が懸念される」との指摘がございました。
 共同生活援助の支援の質に関しましては、予算執行調査において、グループホームにおける障害者の特性に応じた具体的な支援の在り方や基準を示すべき。また、これを踏まえた報酬体系も見直すべきとの御指摘がございました。
 さらに、障害者部会報告書では、居住や生活の場であり、運営が閉鎖的になるおそれのあるサービス類型において、地域の関係者を含む外部の目を定期的に入れることが、事業運営の透明性を高め、一定の質の確保につながるものと考えられ、介護分野の運営推進会議を参考とした仕組みの導入が有効であるとの御指摘もいただいています。
 また、重度障害者向けの個人単位の居宅介護等、いわゆる個人単位ヘルパーでございますが、今年度末までの特例的な取扱いとなっています。財務省の予算執行調査においては、特例措置の利用時間に応じた報酬体系となっていないことから、利用の実態を適切に反映する報酬体系に見直すべきとの御指摘がありました。
 27ページ、本年5月の財政制度等審議会において、総量規制の対象拡大を検討するなど、サービスの供給が計画的かつ効率的に行われるようにすべきとの御指摘がありました。
 なお、障害者総合支援法における事業所指定につきましては、法律の改正により、令和6年度から施行される都道府県が行う事業所指定の際に市町村長が意見を申し出る仕組みというものが導入されます。また、現在、各自治体において、国の基本指針に基づき、次期障害福祉計画が策定中という状況でございます。
 これらの現状・課題を踏まえて、検討の方向性でございますけれども、サービスの支援内容の実態や収支状況を適切に反映するため、実態に応じた報酬へと見直すことを検討してはどうか。
 また、日中サービスを利用できない入居者へ日中の支援を実施した場合の評価について、支援の実態に応じて、支援を提供した初日から評価を行うなどの見直しを検討してはどうか。
 28ページでございます。
 共同生活援助等の居住系サービスにおいて、介護保険サービスの運営推進会議を参考としつつ、各事業所に地域と連携する会議体を設置するなど、外部の目を定期的に入れる取組の導入を検討してはどうか。
 さらに、グループホームにおける障害者の特性に応じた支援内容や、質を評価するための具体的な基準の在り方について、来年度以降、ガイドラインの策定とか資格要件・研修の導入等により具体化していくこととしてはどうか。
 個人単位ヘルパーの取扱いにつきましては、特例的取扱いの延長を検討してはどうか。その上で、これを長時間利用する場合については、支援の実態に応じた見直しを検討してはどうか。
 地域の実態を踏まえた事業所指定の在り方については、総量規制の在り方も含めて、サービスの供給が計画的かつ効率的に行われる方策について引き続き検討していくこととしてはどうかというものでございます。
 最後、資料44ページを御覧ください。共同生活援助における食材料費の取扱いについてというものでございます。
 今般、共同生活援助を運営する事業者が利用者から食材料費を過大に徴収しているという事案について報道がなされました。
 共同生活援助事業者は、指定基準において利用者から食材料費を徴収できる旨を規定するとともに、あらかじめ、サービスの内容とか費用について御本人に説明を行い、御本人の同意を得なければならないこと。また、事業所の定める運営規程に利用者から徴収する食材料費の額を定めなければならないことにしてございます。
 事業者が、徴収した食材料費について適切に支出しないまま、他の費目に流用することとか事業者収益とすることは、指定基準違反に該当するとともに、経済的虐待に該当する可能性がございます。これらの状況を踏まえまして、10月20日付で、グループホームにおける食材料費の取扱いについて改めて周知徹底を図るように、各都道府県・市町村に対して事務連絡を発出したところでございます。
 検討の方向性といたしまして、同様の事案の再発を防止し、共同生活援助、グループホームにおける食材料費に関して一層の透明性を確保する観点から、現在、事業所において整備が義務づけられております会計に関する諸記録として、利用者から徴収した食材料費の記録が含まれることとか、食材料費として徴収した額については適切に管理すべき旨を改めて明示してはどうか。また、実費を徴収できることとしている他の費用についても、同様の対応をしてはどうかというものでございます。
 事務局からの説明は以上とさせていただきます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 ただいまの説明について御質問、御意見をお願いいたします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 大変丁寧な説明ありがとうございます。
 まず、私のほうから1つ目は、資料1の強度行動障害のところで1点ほどお聞きしたいことがあります。あと、グループホーム絡みで2点ほど聞きたいのですけれどもね。
 1つは、資料1の21ページ、集中的支援というところですけれども、集中的支援で類型が2つほど提案されていて、事業所訪問型というのと居住支援活用型というものです。これを見ていくと、確かに報酬で今後どう検討するかということが問われると思うのですけれども、かなり手間暇が違うというか、居住支援活用型はかなり大変な手続、あるいはかかるべき時間も相当かかるのではないかなと、イメージですけれども、感じますので、特に居住支援活用型、そこから分離したり、隔離したりとか、いろいろな手続が入り、その後で慣れていない環境の中で療育やその他取り組むという流れですので、もしやるとしたらかなりの配慮が必要なのではないかと思ったところが1点目です。
 あと、資料2に関して2点ほどお聞きしたいのですけれども、1つはグループホームです。グループホームに関しまして、資料2の20ページで、結果的には類型を設けないということに関して、私も結論を言えば賛成です。よかったと思っています。その上でお聞きしたかったのが、1つ目の○は分かりやすいなと思って聞いていたのですね。入居中に希望された。そこでどのような手続や対応を取るか。
 問題は2番目の○ですけれども、これに関しては、入居前から一人暮らしを希望されて、それで入居して、かなり最初の段階からこういうプロセスや手続を用意して提供する。そうなってくると、通常、どのグループホームでも対応可になっていても、この手のことがきちんとできるところはかなり限られてくるのではないか。だから、結果論的には、類型ではないけれども、こういう方々が集中するグループホームがかなり出てくるのではないかというのが、ここで考えられることと思ったところです。これに関して、質問というよりも、むしろそれについてどう考えたらいいのかなということです。
 あと、3点目ですけれども、同じくグループホームの資料2の論点2、28ページです。これに関しては、検討の方向性の1番目の○ですけれども、透明性の確保ということで会議体のことが書かれているのですが、これは現在、グループホームでも日中サービス支援型ですか。これは自立支援協議会の中で、一定程度、ルール上は中身やその他を審議する必要性はあるのですね。ただ、それが現状、きっちりやられているかというと、私が関わっているところではかなり難しい状況がある。そう考えると、ここで問われてくる会議体とかに関してはこれからのことなのですが、そういう現在の状況を踏まえて、かなりきっちりとしたものを立ち上げないと、本当に形骸化する危険性が高いのではないかと思うことが、ここで1点目です。
 もう一つは、最後のところの総量規制の話ですが、これは私、非常に難しい問題だと思って見ていて、入所施設の在り方とグループホームの在り方、それから数値目標も、今、障害福祉計画策定の時期ですけれども、2つが相当関係していますので、一概に総量という議論よりも、入所施設の削減とグループホームの数値目標はどういうふうに考えるかみたいなことを、ちゃんと障害福祉計画のPDCAサイクルの中で検討する事項であって、総量規制と言われてしまうと、相当抵抗等を感じるような感じもあるので、そこはぜひ御検討していただけたらと思います。
 以上、大きく3つの点です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 御指摘ありがとうございます。
 1つ目の強度行動障害の関係ですけれども、御指摘のとおりかと思います。人材の確保が肝になってくるだろうなと思っております。報酬上、どういった工夫ができるかというのは、引き続き、中でも検討を進めてまいりたいと思ってございます。
 それから、一人暮らし支援の関係でございます。今、2パターン御用意させていただいて、多様な選択肢を確保するということを私ども、うたっておるわけですけれども、既存のグループホームでも一人暮らしに向けた支援というのにも力を入れていく。現在加算がありますけれども、これも何とかもう少し何か手当てができないかなと思ってございます。もちろん、一人暮らしに特化した新たなサービスというものもやっていくわけではあるのですけれども、そういった既存の社会資源も活用しながら、両輪で希望する一人暮らしに向けた支援というのをやっていきたいと思ってございます。
 それから、3点目、貴重な御指摘だと思いました。日中サービス支援型、おっしゃるように、指定基準上、協議会に御報告いただくというのが義務づけになっているのですけれども、そこの履行といったものについても、実効たらしめるためにやっていただく必要があるというのと。そのわだちを踏まないように、今回の運営推進会議に類する会議体についても、きちんと実効性のある取組となるように考えていきたいと思ってございます。
 総量規制の考え方、4点目については御指摘のとおりかと思います。入所施設からの地域移行をどのように考えるかということと、持続可能な制度とするためにどういった工夫が考えられるのかという2つを、我々としては共に見据えながら、どういった指定の在り方が適切なのかというのを引き続き考えていきたいと思ってございます。御指摘ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー 詳しく御説明いただきまして、ありがとうございました。
 まず、強度行動障害のほうは、私、特に論点はなく、このままで結構だと思っています。
 グループホームのほうは、これも意見になりますけれども、論点2の27ページにありました。29ページあるいは部会のほうの報告でもありますけれども、とりわけ29ページのところ、収支差額というところに論点を当てると、今回のグループホームの3類型の収支差率というのは、このところ落ち着いているかなと私、思っていて、この辺を維持できたり、もちろんもう少し差額が上がったほうがいいなと思っているのですが。ただ、営利法人が悪いわけではなくて、もちろん営利法人は営利目的だというのはよく分かるのですけれども、15.6%の収支差率が出るというのは問題があると思っています。方向性にありましたとおり、ぜひ精査していただいて、しっかりしていただいたほうが私はよろしいと思っています。
 それから、論点3のほうですけれども、これもいわゆる食材費と、コスト、お金のことに関わっては、本来は当たり前のことだと思いますけれども、疑念等、抱かれないように、いわゆる帳簿とか記録を残しておいて検証可能なようにしておくということは、私、大事なことだと思っておりますので、これはこれで推し進めていただければと思います。
 意見だと思っていただければ結構です。以上でございます。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、ありがとうございました。
 経営の実態につきましては、今後の統計データもきちんと見ながら、適切な報酬体系、報酬水準になるように検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー どうもありがとうございます。
 分かりやすい御説明ありがとうございました。
 私のほうは、強度行動障害のほうもグループホームのほうも、論点に関して特に異存はないのですけれども、1つ、検討したほうがいいのではないかと思ったことを申し上げます。強度行動障害の論点1に関してですけれども、その関連報告、検討会報告で、10ページで、強度行動障害に関しては、こども期からの予防的支援・教育が大事だということが報告されています。それから、団体ヒアリングでは、4で、日本自閉症協会から予防策について検討してほしいという意見が出ていましたので、お願いしたいと思うのですけれどもね。
 今回、重い強度行動障害のお子さんに対する対応ということは、いろいろ力を入れて検討することになっているのですけれども、効率的なことからいけば、重くなる前にちゃんと予防する、もしくは早期発見して対応することが大事なことではないかと思うので、そういう方向での検討も進めていただいたほうがいいのではないかと思います。具体的には、例えば19ページの中核的人材養成研修の中に行動障害の早期発見とか、その重症化を防ぐための方策とか、そういったことをきちんとカリキュラムに入れることになるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 御指摘ありがとうございます。
 今、引いていただいた中核的人材の養成につきまして、現在、モデル的に国立のぞみの園で実施いただいているものでございます。こちらにつきまして、カリキュラム、今、御指摘いただいた点も踏まえて、今後のブラッシュアップができないか、中でも検討してまいりたいと思っております。ありがとうございます。
○田村アドバイザー よろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明をありがとうございました。
 グループホームについてですけれども、私の勤務する法人にもグループホームがありますが、最近、長年入院とグループホームの生活を繰り返してきた60代の方が、人生にやり残しがある。それはグループホームではかなわないと決意して、初めての一人暮らしに挑戦して地域のアパートに出ていかれました。大変ながらも、一人暮らしに満足しているとおっしゃっていたのが印象的で、共同生活では得られない自由さや挑戦を満喫しているようです。今から思うと、グループホームにいるのが当たり前と思わずに、もっと早く一人暮らしの支援をすればよかったと反省しています。今回の20ページの論点1のような、一人暮らしを応援する体制を整えることについては、職員の意識を変えるという点でも重要になってくるのではないかと思いました。
 一方で、私の地域でもグループホームの数がすごく増えており、そんなに利用者がいるのだろうかと驚くほどです。本来、一人暮らしのほうが向いている方まで、とにかくまずはグループホームに入れておこうという流れになっているのではないかと懸念しています。真にグループホームが必要な方が利用できるように、引き続きグループホームの在り方については検討していただければと思います。よろしくお願いします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 御指摘ありがとうございます。
 一人暮らしに向けた支援をやっていただいているということで、我々の検討の方向性と一致するもので、非常に意を強くしてございます。
 また、グループホームの支援の在り方について御指摘いただきました。資料にも28ページに書いてございます。今回、外部の目を入れる取組というものをやりつつ、来年度以降、ガイドラインの策定とか資格要件等々についても、引き続き検討を行っていくということで、宿題とさせていただければと思ってございます。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 御苦労さまです。野澤です。
 強度行動障害についてですけれども、20点以上の非常に困難性が高い方に光を当ててというのは、とても賛成できるものだなと思っております。本当に現場で苦労されていますので、ここに集中的に現場の職員さんのバックアップも含めて、支援を厚くしていくというのは大賛成です。特に居場所を確保するというのできゅうきゅうとしていたのですけれども、ここに専門性の高い方が訪問して改善に向けて取り組むというのはいいと思うのですね。
 ただ、集中的支援でどのぐらい効果があるのかということが、これから問われてくるだろうと思います。これまでも強度行動障害の支援者養成講座をやってきましたけれども、あまり効果がないというか、役に立たないという声もかなり聞くのですね。難しいことだと思っております。ここの研究とか支援の在り方というのは、もっと引き続き研究・検討していただきたいと思います。
 もう一つは、困難性の高い20点以上の方に光を当てるというのは賛成なのですけれども、先ほどもアドバイザーのほうから御指摘があったように、予防的な取組がすごく大事で、特に10点から20点ぐらいの方は、地域で日中活動している方が結構いらっしゃって、このグループホームに入所している人と違って日中活動がなかなか大変で、社会との接点もありますから職員さんたちもとても大変。でも、ここをしっかりやることによって、かなり予防とか改善につながってきますので、ぜひここはおろそかにしないでいただきたいと思います。これを重ねてお願いしたいと思います。
 もう一つはグループホームですけれども、事務局御指摘のように、収益目的といいますか、専門性の低い事業体がどんどん参入してきているというのは、ゆゆしき自体だなと思っております。特に日中支援型というのは、もともと重度化・高齢化に対応するためにできたものが、今は割とそうでもない人たちがいて、小規模な入所施設化しているような実態もありますので、ここに何とかメスを入れて適切なグループホームの在り方を追求していくというのは、これはもう仕方のないことだと思っているのですけれども、さっき言った総量規制というのは私も反対です。現時点では、入所施設から地域に移行というのは、まだあまり進んでいないと言ってもいいと思います。
 ですので、ここを一番の優先課題としたときに、地域の受け皿としてのグループホームはまだまだ重要で、ここを総量規制してしまうと流れそのものを阻害してしまうのではないかなと思います。
 もう一つは、親の高齢化とかに伴う8050から、本人の自立に向けての一つのステップとして、受け皿として、グループホームというのはこれからも引き続き有効だと思います。将来的には総量規制という考え方を本当に検討しなければいけない場面が来ると思いますけれども、現時点では時期尚早だと思うので、改めて私は反対ということを表明させていただきたいと思います。
 以上です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、御指摘ありがとうございます。
 強度行動障害につきましては、支援の質というか、人材の養成が非常に鍵になってくるなと思っております。いただいた御指摘も踏まえて、研究なども進めてまいりたいと考えてございます。
 それから、収益目的のグループホームが増えていると、総量規制との関係でも御指摘いただきました。先ほどから繰り返しになりますけれども、総量規制を直ちに設けるというよりは、外部の目を入れる取組とかサービスの質を上げていくために、どういった取組ができるかということを踏まえながら、一方、その指定の在り方というのも共に考えていくことと私どもは考えてございます。引き続き、御指導いただければと思います。
○伊藤障害福祉課長 そのほか、いかがでしょうか。
 石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 神奈川県秦野市の石川です。丁寧な御説明ありがとうございました。
 私からは、まず、強度行動障害の部分で意見させていただきます。中核的人材養成とか集中支援とか、より専門性の高い人材を配置できるようにするということは非常に大事だと思っております。基本的には賛成です。実は、秦野市の隣町に、どこの施設でも受け入れていただけないような重度の強度行動障害を持つ方が入所している施設があります。現在、少しでも地域移行を進めたいと、秦野市内に地域活動の拠点をつくり、隣町から秦野市に入所者を連れてきて、活動しています。
 10月8日に市内で行いましたパラスポーツフェスティバルには、たくさんの人が集まりとても賑やかなイベントでしたが、そこに地域活動をしている入所者を連れてきて、スポーツに一緒に参加していました。すごくわあわあしている環境の中で、暴れることなく、おとなしく普通に座って、障害のある方もない方も関係なく一緒に楽しいひと時を過ごしていました。そこに来ていた方たちは、20年、30年とずっと施設の中で生活していたと思うと、胸が熱くなりました。一人一人へ丁寧に関わることで、地域の中での暮らしてしが実現できると改めて実感しています。
 そのためには、強度行動障害者を支援する専門知識や技術を持っている方が、事業所への支援や研修をしていただき、1人でも多くの方の地域移行が実現できるよう検討されると思いますが、この研修はどういう形でなされるのか、これから詳細が決まっていくことと思いますが、できるだけ6年度の早い時期から取り組んでいただけるようにお願いしたいと思います。
 それと、少数でも地域に移行できている施設があるので、介護保険で既に創設されているADL維持等加算、これは日常生活動作の現状維持や改善が見られた事業所を評価するものですが、この考え方を、強度行動障害者の支援体制を整えて、行動障害の軽減を実現している事業所を評価する加算を設けていただきたいと思います。行動関連項目がありますので、改善できたところを評価できるような報酬も、ぜひ御検討いただきたいと考えております。
 それと、もう一点、地域移行に当たり、体験利用の加算が報酬の中で認められておりますが、現在、1年間に50日以内、それから1回当たり連続30日以内という現行の規定があります。体験利用の日数が足りないということで断念してしまうということも、神奈川県内ではあると伺っております。23ページの京都のモデル事例でも3か月ぐらいかけて、地域に移行させているようですので、
 一人一人の状況に合った形で、体験利用の考え方を柔軟にできるようにしていただき、たくさん利用しないと地域に移行できない方については、日数の上限を延長できるような御検討をお願いしたいと思います。これは要望とさせていただきます。
 強度行動障害のほうについては以上になります。
 次に、グループホームの方ですが、論点2の部分で意見をさせていただきます。
 まず、1点目、論点2の25ページの現状と課題の1の人員基準の報酬体系が常勤換算方法でと書いてありますが、秦野市でも、日中サービス支援型のグループホームの協議会で人員体制を確認しています。半分以上が無資格者であったり、経験年数が3年未満、あるいは半数以上は常勤ではないなど、人員基準上は大丈夫なのですが、現実的には資格がない方や、経験が浅い方が大半を占めている施設もあります。そのような中で、身体・知的・精神、全てお預かりしますとのことで、ケア内容について不安に感じたこともあります。しかし、現行の人員基準では認められているので、グループホームとして立ち上がっている状況にあります。
 介護保険のほうでは、サービス提供体制加算のなかで、経験のある方や有資格者の割合を評価しています。人員体制を整えている事業所をきちんと評価していただくような検討していただきたいと思います。
 それと、同じ日中サービス支援型ですが、設備の基準が包括型と同じ基準になっています。長期間、グループホームで暮らしていく方もおりますので、1人当たりの居室の面積や食堂の面積基準が入所施設と同様な基準にしていたいただき、暮らしやすい環境が整えられるような設備基準になるようお願いします。
 あと、土日・祭日の加算の部分ですが、在宅生活が限界となりグループホームに入居となっ方もいます。施設からの地域移行で、誰かがついていないと1人で1日過ごすのが厳しい方もいますので、そのような方には、土日・祭日でも加算がつけられるような基準に見直されると、地域移行がもう少し進むと思います。入居施設だけでなく、グループホームでも受け入れてもらえる方も出てくるかもしれませんので、是非、検討していただけたらと思います。
 それから、同じく、論点2の28ページにあります運営推進会議ですが、38ページに示されているように、地域の方や御家族を含めて会議を行うもので、介護保険の地域密着型事業所に義務づけられています。これは、大変重要だと感じる反面、介護保険に比べて事業所の数が多いので、そこに参加する市町村の職員も含め、相談支援事業所や地域の方々にとっては負担になると思います。でも、やはり必要だと思います。というのも、たぶん障害の施設ということで、秦野市の介護事業所か問い合わせがあり、施設から道路の真ん中にふらふら出てきて、車を止めて運転手にコンビニまで連れていって欲しいとお願いしている人がいる。何だかよく分からない人たちが住んでいる施設があるけど、障害の施設ですか。何とかならないでしょうか、というような相談がきたりしています。
 地域には、この施設はどんな施設で、どういう方が入居しているのかをきちんと理解していただいて、障害を持った方も地域の中で安心して生活できるようにすることが大事だと思いますので、運営推進会議を行うのは大変ですけれども、前向きに考えなければいけないと思います。
 最後に、総量規制の部分ですが、秦野市は他の地域に比べてグループホームが非常に多く整備されており、毎年増えています。全体のうち1割が空床、残った9割のうちの半分が市外、残った半分が市民の方という構成です。でも、重度の方や強度行動障害の方や医療的ケアのある方はなかなか受け入れてもらえていない実情があります。そのためどういう施設を増やしていきたいかというところを前面に出して、必要な施設は整備する必要があると思っています。全体量の調整は必要ですが、一概に総量規制をするのは私も反対です。ニーズに対応できる施設がきちんと地域に根づいていただくことが大事だと思っています。
 
 あと、今、既にある施設にサービスの質をしっかり上げていただくという取組も大事だと思います。今回提案された様々な論点で言われている評価・加算をふんだんに活用して、質の高いグループホームのサービスが提供できるようになることを心より願っています。
 私からは以上です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、御指摘ありがとうございます。
 まず、強度行動障害の関係、皆様から御指摘いただいていますように、人材の確保が非常に重要になってくると考えてございます。研修等々、カリキュラムなども、質を担保しつつ、量もきちんと確保できるような工夫をしていきたいと思っています。
 それから、グループホームのサービスの質の確保につきまして、いろいろ御指摘を頂戴していて、全くそのとおりだなと思っております。介護保険という先輩もありますので、そのいい取組も取り入れていきながら、障害福祉サービスの健全なサービスが運営できるように工夫を何か考えたいなと思ってございます。
○石川アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 そのほか、よろしいでしょうか。
 それでは、次の議題に進みます。資料3と4、「自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援、地域生活支援拠点等」「自立訓練」について事務局から説明をお願いします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
 資料3「自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援、地域生活支援拠点等に係る報酬・基準について」を御議論いただきます。
 資料1ページを御覧いただければと思います。障害者の地域移行・地域生活を支えるサービスとして、真ん中の色で塗られた部分でございますけれども、地域移行支援、自立生活援助、地域定着支援という3つのサービスを設けていて、施設入所から在宅、一人暮らしに向けた地域移行、地域定着のサービスをライフステージごとに支援しているという状況でございます。
 それから、こちらは障害福祉サービスではないのですけれども、14ページを御覧ください。障害者の重度化・高齢化や親亡き後を見据えて、緊急時の対応とか施設や病院からの地域移行の推進を担う地域生活支援拠点等については、法改正によって、令和6年度から市町村の努力義務が設けられることとなりました。
 15ページに、現在の整備状況をお示ししてございます。全市町村の6割程度の自治体で拠点の整備が進んでいる。
 16ページは、本年5月にお示しした、国の障害福祉計画に係る基本指針でございますけれども、地域生活支援拠点等を整備するとともに、コーディネーターの配置とか、支援ネットワーク等による効果的な支援体制や緊急時の連絡体制の構築を各市町村にお願いしているという状況でございます。
 これらを踏まえ、17ページに論点を掲げさせていただいています。まず、自立生活援助等に係るサービスの見直しについて、最後、拠点について御説明いたします。
 資料18ページを御覧ください。
 自立生活援助及び地域定着支援の対象者は、地域において一人暮らしをしている障害者、または同居する家族が障害、疾病等により支援が見込まれない場合を対象としているという状況でございます。
 一方、部会報告書において、同居する家族による支援が見込まれない場合であっても支給決定がなされにくいという実態がある。同居する家族がいる場合も含め、自立生活援助・地域定着支援による支援を必要とする障害者に対して、適切に支給決定するための方策を検討すべきとの御指摘をいただいています。
 そのため、同居する家族に疾病、障害等のない場合であっても、例えば地域移行支援を利用して退院・退所された者とか、精神科病院の入退院を繰り返しているような方などについて、同居する家族が障害、疾病等でない場合であってもサービスの対象とするということを検討してはどうかというものでございます。
 それから、資料20ページを御覧ください。
 自立生活援助は、利用者の日常生活における課題を把握し、おおむね週1回以上、利用者の居宅を訪問することを求めています。
 自立生活援助は、入院・入所からの地域移行とか親元からの自立、家族との死別といった、本人の生活環境が大きく変化する際に、訪問等による濃密な支援が行われることに期待がある一方で、事業所数が大きく伸びていないという現状がございます。
 こちらも部会報告書において、「対象者の状況に応じた適切な支援ができるよう、自立生活援助の報酬の対象者の状況に応じてきめ細やかに設定するとともにICTの活用による効果的な支援」について検討すべきであるとの御指摘をいただいています。
 このため、検討の方向性といたしまして、利用者の支援の必要性に応じて、おおむね週1回を超えて訪問による支援を集中的に実施した事業所に対する評価を検討してはどうか。
 また、円滑な地域移行を見据えた効果的な支援の提供が認められる場合には、月1回の訪問に加えて、テレビ電話等を活用して切れ目ない支援をした場合の評価を検討してはどうかというものでございます。
 資料23ページをお開きください。
 自立生活援助は、他の日中活動系サービスとは異なり、サービス管理責任者を30対1で配置することを求めている一方、柔軟な事業運営を行うことが可能となるよう、他の職務との兼務を認めるという取扱いとしてございます。
 相談支援事業所に配置された相談支援専門員は、自立生活援助の業務と兼務することが認められていますが、実際にこの相談支援専門員が自立生活援助のサービス管理責任者と兼務する場合には、同一人がいずれの要件も満たす、要は両方の資格要件を満たす方を配置しなければならず、サービスが十分に広がっていない原因の一つであるとの御指摘をいただいています。
 このため、相談支援事業所において提供される地域移行支援とか地域定着支援との継続性の確保や自立生活援助の整備の促進の観点から、自立生活援助と併設する相談支援事業所において地域相談支援の業務に従事している相談支援専門員を配置することで、自立生活援助側の基準を満たすという取扱いとしてはどうか。
 また、サービス管理責任者を常勤専従で配置する場合には、他の日中活動系事業所と同様に、配置基準を60対1とすることを検討してはどうかというものでございます。
 資料26ページを御覧ください。実施主体の拡充についてでございます。
 自立生活援助の実施主体については、利用者の状況を熟知している方を要件として、適切かつ効果的なサービス提供ができるよう、訪問系もしくは居住系の事業者(施設)、または相談支援事業者であることを要件としてございます。
 ただ、部会報告書において、自立生活援助の創設後、サービスが十分に行き渡っていないとの指摘や、居住支援法人の自立生活援助の事業者としての指定を推進していく必要があるとの指摘がありました。
 自立生活援助の整備をより一層促進する観点から、障害福祉サービス事業所以外であっても、例えば社会福祉協議会や居住支援法人など、障害者の支援に一定の知識と経験を有する多様な事業主体の参入を促すことを検討してはどうか。
 最後、29ページでございます。
 先ほど御説明いたしました地域生活支援拠点等については、国の基本指針においてコーディネーターの配置等を盛り込んでおりますけれども、コーディネーターが配置されている地域生活支援拠点等は全体の半数に満たず、部会報告書において、配置の促進に向けた方策を検討すべきとの御指摘があります。
 障害者の緊急時の受入れや地域移行の推進について、計画相談支援や地域移行支援等のサービスを一体的に提供し、かつ、市町村から地域生活支援拠点等の委託を受けた相談支援事業者において、情報連携等のコーディネート機能を担うことについて検討してはどうか。
 また、重度障害者の平時からの情報連携を整えた地域生活支援拠点等に位置づけられた通所系サービス事業所においても、緊急時に支援を行うことについての評価を検討してはどうかというものでございます。
 続きまして、資料4「自立訓練に係る報酬・基準について」という論点でございます。
 資料の1ページ、自立訓練の概要をお示ししてございます。自立訓練につきましては、大きく、機能訓練、生活訓練というサービスがございます。この生活訓練の中に、主として夜間、宿泊によって家事等の訓練を行う宿泊型自立訓練というサービスがございます。
 論点といたしまして、14ページ、5つの論点をお示ししてございます。
 15ページを御覧ください。社会生活の自立度評価指標(SIM)の活用と報酬上の評価についてというものでございます。
 自立訓練におけるリハビリテーション加算、また個別計画訓練支援加算については、利用者ごとに個別に計画を立て、これに基づく訓練などを実施した場合に算定されることとなっています。
 ただ、事業所ごとに訓練内容や質が異なり、標準化された支援プログラムや評価手法が確立されていないことが課題であり、この訓練を効果的に実施するためには、標準化された支援プログラムの実施と、客観的な指標に基づく効果測定が必要であるとの御指摘をいただいています。
 これを踏まえ、厚生労働科学研究で開発された社会生活の自立度評価指標(SIM)を活用し、その評価結果を公表している場合の評価を検討してはどうか。
 このSIMにつきましては、お手元の資料20ページに概要をお示ししてございますので、御覧いただければと思います。
 続きまして、論点2、リハビリテーション職の配置基準及びリハビリテーション実施計画の策定期間の見直しについてというものでございます。こちらは、先月開催いたしました生活介護等における議論の内容と、見直し内容がほぼ同様の内容となってございますので、今回の説明は割愛させていただきます。
 続きまして、論点3、25ページをお開きください。
 ピアサポートの専門性については、利用者と同じ目線に立って相談・助言等を行うことにより、利用者の自立に向けた意欲の向上や地域生活を続ける上での不安の解消などに効果があることを踏まえ、「障害者ピアサポート研修」の修了者を配置した相談支援事業所等を加算により評価しています。
 現在、自立訓練はこちらの加算の対象とされていませんが、既に約1割の事業所でピアサポーターの方に活動いただいており、「将来に希望が持てるようになる」「前向きに活動している仲間の存在を知り、利用者が夢や希望を口にするようになる」といった効果が上がっています。
 障害者部会報告書では、ピアサポートの専門性を評価する対象サービスの在り方についても検討すべきとの御指摘をいただいています。
 そのため、就労継続支援B型と同様に、自立訓練についても、ピアサポートの専門性を評価することを検討してはどうか。
 続きまして、29ページでございます。
 自立訓練を含む訓練等給付に係るサービスについては、サービスの長期化を回避するため、標準利用期間が設定されています。この標準利用期間を超えて、さらにサービスの利用が必要な場合には、市町村の個別審査を経て必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新(原則1回)の更新が可能となっています。
 ただ、循環器病の後遺症により、例えば肢体不自由と失語症を同時に併発する場合などには、障害特性に応じた異なる訓練を受けることが効果的であるが、現在の運用はそれが困難な状況となっているとの御指摘をいただいています。
 このため、複数の障害を有する方が、それぞれの障害特性に応じた異なるプログラムにより支援を受けることによる効果が具体的に見込まれる場合であって、かつ、市町村の個別審査を経て必要性が認められた場合には、さらに1回の更新が可能となるよう検討してはどうか。
 最後、31ページ、論点5でございます。
 自立訓練の利用者数及び事業所数は低位のまま推移しており、事業所が1か所もない都道府県もあります。
 地域の実情に合わせて限られた社会資源を有効に活用する観点から、介護保険の通所介護事業所または小規模多機能型居宅介護事業所であれば、共生型自立訓練(機能訓練)または基準該当自立訓練(機能訓練)の提供が可能であるが、入浴・排せつ・食事等、高齢者に対する介護の提供が中心となるこれらのサービスでは、障害者の身体機能・生活能力の維持・向上に関するニーズに十分応えられていないとの指摘があります。
 医療から機能訓練への円滑な移行を図り、また障害者の身体機能・生活能力の維持・向上等に関する支援ニーズに対応するため、医療保険のリハビリテーションを提供する病院及び診療所、並びに介護保険の通所リハビリテーション事業所において、共生型または基準該当サービスの提供を可能とすることを検討してはどうかというものでございます。
 事務局からの説明は以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 ただいまの説明について御質問、御意見をお願いいたします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 論点ありがとうございます。大体、この論点に賛成です。
 ちょっと確認したいことがありまして、1つは資料3です。その中に論点5というのがございまして、29ページです。地域生活支援拠点のところです。ここの検討の方向性で、コーディネーターを拡充する。それに関しては全く賛成ですけれども、ここで言わんとしているコーディネーターが、いわゆる個別支援的なイメージと捉えると、計画相談支援とか地域移行支援という個別給付との関係の中で、その中でコーディネートをという議論はいいと思います。
 一方で、地域生活支援拠点は、地域の仕組みづくりという要素も非常にありまして、自立支援協議会などはかなりその議論をやるのですけれども、そう考えると、この辺りは、むしろ全体のコーディネート、社会資源のコーディネートとか、いろいろな話が入ってくるのではないか。
 実は、データも資料3の31ページでしょうか、コーディネーターを現在、拠点として配置している一番多いところを見ると、基幹相談支援センターが1位に上がってきて、そう考えると、基幹相談支援センターでも計画相談支援とか地域移行支援をもちろんやっているところもありますけれども、場合によってはそことは別途に、むしろ地域全体のコーディネートをやっている基幹相談支援センターも少なからずあるので、その辺りの流れとうまく調整するような形で、この取組を進めていく必要があるのではないかというところが1点目です。
 もう一点は、資料4ですか、自立訓練に関する事項で、最後の31ページの論点5です。これに関しては、確かにここに記載されているとおりで、医療保険のリハビリテーションの提供との関係をもっときっちりとということですけれども、この議論を進めていくと医療保険の在り方ともかなり関係してくるので、そう簡単に検討が進むかどうか、そこがちょっと知りたかったところです。
 以上2点です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 御指摘ありがとうございます。
 1点目の拠点のコーディネーターでございます。御指摘いただいた内容については、全くそのとおりだと思っておりまして、このコーディネーターの方々に個別給付で個別支援計画をつくっていただくとか、その地域で実際に支援の直接処遇をやっていただくというよりは、コーディネートをやっていただくために、現行の仕組みの中で何ができるかというのを、今回の報酬改定の機会をとらまえて何か工夫したいというものでございます。
 また、リハビリテーションのお話は全くそのとおりでございまして、今回がちょうど6年に一度の医療・介護・障害福祉のトリプル改定のタイミングでございますので、こちらの議論については、医療保険とか介護保険の担当部局とも共有して、3部局、連絡を取りながら、この見直しを進めていくという反面、リハビリテーションの在り方そのものにまで、今回、議論として踏み込んでいるわけではございませんので、御指摘も踏まえて、障害者のリハビリテーションをどのように提供していくかというのは、今後の検討課題とさせていただければと思います。
○小澤アドバイザー 分かりました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 資料3のほうについて、若干期待感も込めてということで、1つだけお話しさせていただきますと、相談系サービスという部類に恐らく属していると思います。方向性、私としては問題ないなというか、期待するのですが、いつも収支差率等のことを申し上げて申し訳ないのですが、どうやらこのサービスの傾向を見ると、1つは、差率がよくなったところは、実は人件費比率をちょっと下げている。悪くなったところは人件費比率が上がっているという。
 ただ、私、この相談系というのは、どれだけそこに人が関わってくれるかという人的資本というか、資源というか、そこが多くかかるのだという前提に立つと、いかにサービス系を運営する事業体が高い人件費比率だということを認識した上で、それをもってして、いかに何とか持続可能に運営していただくか。つまり、高い人件費比率をもってでも何とかやっていけるような組織として続いていただけるといいなという思いを込めて、今回のこの示された方向性が何とかうまくいくかなと思いながら期待しております。
 また意見だけになりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、ありがとうございます。
 先ほども申し上げましたけれども、経営の実態も踏まえながら、報酬単価の水準について、引き続き検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明ありがとうございました。
 自立生活援助ですけれども、こちらは家族としても親亡き後を見据えて、こどもが自立して暮らしていくためにも大変大きな支えになる事業だと期待しています。そのため、今回の18ページの論点1で、要件はありますが、同居家族の障害・疾病は問わないという検討の方向性については、重度の障害者と同居している家族にとっても救いになるのではないかと思います。ただ、事業所が選べるほどにないことが問題で、今回御提案されている配置基準の緩和や報酬上の評価などで、自立生活援助を行う事業所が増えてくれることに期待したいと思います。
 また、質問なのですが、29ページの、先ほどの地域生活支援拠点のコーディネートの機能についてですが、これはどのぐらいの兼務の規模を想定しているのでしょうか。
 また、平時からの情報連携を整えた通所系サービス事業所の評価についてですが、これは平時からの情報連携をしていることは評価されないのでしょうか。予防的な取組も重要だと思うのですが、緊急時の支援をしたときのみの評価になるのでしょうか。
 また、自立訓練についてですが、SIMを活用して入り口と出口のアセスメントを行うことは、利用効果を本人が客観的に理解することができて、その後の生活にもつながりやすくなるかと思います。そのため、本人にとっても家族にとっても重要な客観的な指標になるのではないかと思います。これはなかなか手間もかかることかと思いますので、報酬上の評価をしっかりとしていただければと思います。
 また、ピアサポートの専門性の評価については、ぜひ推し進めていただきたいです。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、ありがとうございます。
 まず、拠点コーディネートの兼務関係でございますけれども、現在検討中でございます。具体的にどういった事業所に配置するか。それから、既存の事業所の従来業務というか、個別給付の内容とコーディネーターの方というのが、どこまでお仕事を兼務するのか、もしくは専従で置くのかというのは、いろいろなバリエーションがあると思いますので、内部でよりよい形を引き続き検討していきたいと思ってございます。
 すみません、もう一点、平時からの通所系サービスの関係でございます。失礼しました。こちらにつきましては、資料の方でお付けしてございます34ページの左下、例えば訪問系サービスですと、緊急時に対応を行った場合の加算というものが既に評価されておりますけれども、通所系にこれがないので、まずは、ここと並びをということを私ども内部のほうでは検討しているという状況でございます。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、岩崎アドバイザー、お願いします。
○岩崎アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 先生方がおっしゃることと重なりますけれども、私も自立生活援助の対象の拡大とか人員配置基準の考えについては、まだまだ訪問系サービスは少ない状況ですので、地域移行や地域での自立生活を継続していくということにおいて、非常に有効だと思いました。今回御説明いただいたことについて、ほとんど賛成でございます。
 ピアサポーターの専門性については、自立訓練とか、さきに御説明いただいたグループホームの移行支援住居などにも活用・検討いただいているということも、すごく重要な点かと思っています。福祉サービスが当事者の主体性を尊重しながら展開される時代ということでございますので、歓迎すべきことだと思っています。
 これも先生方と重なるのですが、29ページの生活支援拠点のことですけれども、私、不勉強で、もしかしたら聞き逃したかもしれないのですけれども、コーディネーターの配置がこんなに少ない理由というのがどこにあるのでしょうか。もしかしたら御説明いただいていることかもしれませんけれども、改めて教えていただければと思います。
 以上です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございました。
 コーディネーターの配置が進まない理由ですけれども、今回、何らか報酬改定のタイミングで手当てをしたいということは、逆に申し上げれば、財源上の裏打ちがなかなか、補助事業として御用意はあるのですけれども、そこが地域の実情に応じて、コーディネーターとしての自治体からの補助がなされていないというのと、いろいろな社会資源のネットワークを構築するという、非常に有用な人材にそこを支えていただく必要があるのですけれども、事業所の運営を考えると個別給付のほうに手を取られてしまう。要は、我々の中でエース級の職員という言い方をしていますけれども、そういった方々を拠点、地域づくりのほうに供出していただくことへの理解がまだまだ進んでいない。今回、それを財源上、何か手当てができないかということで検討させていただいているものでございます。
○岩崎アドバイザー ありがとうございます。
 補助事業に重ねて、この個別的な支援のところで加算というか、評価するということによって、きちんとしたコーディネーターの人件費を確保するというお考えで、今回の御提案に至ったという理解でよろしいでしょうか。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 ありがとうございます。
 それも1つのオプションだと思っていて、我々としても幅広に議論を進めていきたいと思ってございます。ありがとうございます。
○岩崎アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー どうもありがとうございます。
 御丁寧な御説明ありがとうございました。アドバイザーの田村でございます。
 私のほうとしては、資料3と資料4、それぞれ1つずつ、基本的には論点及び検討の方向性について、大きな異存はないのですけれども、ちょっと確認したいことで質問させていただきます。
 まず、資料3、論点1の対象者の明確化というところについて、これに関係するところとしては、36ページの各団体からのヒアリングで、3番目の全国地域生活支援ネットワークのほうから、病院からの医療的ケア児・者の退院支援についてということが地域移行の対象になるのではないかということで書かれておりますけれども、これについては、現在の時点では、診療報酬で退院カンファレンスに対する加算ということで対応されているのではないかと思うのですが。
 むしろ、今、どんどん増えている、特に人工呼吸器をつけたような医療的ケア児が、これからだんだん成人になって、それで保護者のほうが十分なケアができなくなってくるような状況においては、18ページの地域移行支援を利用して、ここで同居する家族が障害、疾病等がない場合であっても、人工呼吸器をつけているような方のケアを、60代、70代の御両親がすることは非常に難しくなるだろうと思うのですけれども、こういう医療的ケア児が大きくなって者となって、御両親が年老いてきたときにも、この対象者に入るのでしょうか。そういうふうに考えてよろしいでしょうか。これが1つです。
 それから、資料4に関しましては、15ページの論点1の検討の方向性のところで、自立訓練における支援の質を担保するために、標準化された支援プログラムの実施と客観的な指標に基づく効果測定を行う事業所に対する評価ということが上がっておりまして、恐らく、この客観的な指標に基づく効果測定ということについては、このSIMなどが対象になると思うのですが、標準化された支援プログラムというのは、ここの資料の17ページから19ページに挙がっているような加算の要件を組み合わせて、これからつくっていくということでしょうか。それとも既にある程度、科研などから提案されている支援プログラムというのは存在するのでしょうか。それについて教えていただければと思って御質問させていただく次第です。
 以上です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 先生、御指摘ありがとうございます。
 1点目の自立生活援助の対象者でございます。医療的ケアを要する方々が一人暮らしをするに当たって自立生活援助の活用というのも、同居家族がいらっしゃる場合で自立生活援助の活用というのも、ここには明示してございませんけれども、強度行動障害や高次脳機能障害など、御家族だけの支援では生活の維持が困難な方というのをサービスの対象として認めてもよいのではないかと思ってございます。具体的には、改めて内部で検討させていただいて、何らかの形でお示しさせていただきたいと思ってございます。
 もう一点、自立訓練の関連でございます。標準化した支援プログラムと書いてあるのですけれども、国として、何か一律にこのプログラムをやってほしいというところまで画一化されたものは御用意できてございませんで、厚生労働科学研究とか、その後継の障害福祉総合推進事業の中で、こういったプログラムについては幾つか例をお示ししているものがございますので、むしろ支援プログラムを公表していただいて、それで客観的な効果測定をしていただくということが今回の加算になると思いますけれども、算定の要件としたいと現時点では考えてございます。
 以上です。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー どうも御苦労さまです。野澤です。
 自立生活援助ですけれども、この制度が導入されたときは、私、大変大きな期待を持っておりました。ただ、なかなか広がらないし、サービスそのものも思っていたほど大きな効果というか、そういうものがなかなか見えないような気がして、非常にもどかしく思っておりました。
 今回、配置基準の緩和とか兼務を認めたり、いろいろなサービスが相乗りできたりするようになるというのはとてもいいことだと思うのですけれども、私、基本報酬がちょっと低過ぎるのではないかと思っています。本当に効果があるものをやろうとしたら、相当力のある方が関わらないと難しいなと思っていて、それぞれの法人の事情を見てみると、今の単価だと、本当にいい職員をここに回せないというのが実情だと思うのですね。今のタイミングは、グループホームから地域への移行というものを進めていこうというときに、この自立生活援助というのは非常に大きな武器といいますか、力になると思うのです。ここは大きく制度を飛躍させるタイミングだなと思っております。
 特に、サービスの内容・中身のうち、近隣住民との関係構築はとても大事だと思っているのですね。ただ単に地域のアパートで一人暮らししているのが、本当にそれで自立と言えるのかということだと思うのです。自立というのは孤立に近いかもしれないですね。もっと地域と関わりながら、生きがいを持ったり、充足感を得たりするというのが本当の意味での自立というものではないかなと考えていくときに、ここの近隣住民を巻き込んで。しかも、近隣住民をつなげていくというのは、普通のヘルパーさんとは違う能力というか、機能が求められるはずなので、ここはぜひバックアップしていただきたいなと思っております。
 そういう形で、基本報酬を上げるのがいいのか、それともこういう活動をしたところに加算をつけるのがいいのか、ちょっと分かりませんけれども、大きな地域移行の一つのシンボルになり得るものだと思います。家族が同居していても大変な人は多いのです。しかも家族がいるからこそ自立できない人が多いわけで、ここは大胆な拡充というものをぜひ求めたいと思います。
 そして、もう一つ、ピアサポートの自立訓練ですね。これは前回、B型だけ何でピアサポートを認めるのだ。ほかにもピアサポートの活躍の場があっていいのではないかという意見もあったと思います。生活介護とか、さっきの自立生活援助とかでもピアサポートの方が活躍できるのではないかと思ったりするのですけれども、自立訓練というのは一番親和性が高いのかなと思ったりしますので、ここはぜひピアサポートの活躍の場として開けていってほしいなと思っております。
 以上です。
○今井地域生活・発達障害者支援室長補佐 アドバイザー、御指摘ありがとうございます。
 自立生活援助の報酬単価でございます。今、我々、週1回を超えた訪問ということをトリガーとして、何か評価したいということを検討しているのですけれども、今、アドバイザーがおっしゃられたように、その行き先が御家庭なのか、それとも地域を巻き込んだ活動みたいなものにも光を当てて、何か報酬上評価ができるものがあるか、ちょっと中で研究したいと思います。
 ピアサポートの御指摘については、おっしゃるとおりだと思っていて、ここで頑張っていきたいと思っております。ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、この議題は以上といたします。本日はありがとうございました。
 最後に、全体を通して御質問、御意見、何かございましたらお願いいたします。よろしいですか。
 本日も様々な御意見をいただき、感謝を申し上げます。
 本日お示しした論点、検討の方向性については、大筋で大きな御異論はなかったと思いますが、何点か御指摘もいただいたと承知しております。今後、本日の検討の方向性及びいただいた御指摘を踏まえまして、引き続き検討してまいりたいと考えています。
 本日予定している議事は以上となります。
 次回の検討チームは、10月30日月曜日、14時から開催予定となっております。議題としては、相談系サービス、それから、その他横断的事項などを議論する予定としております。
 本日はこれで閉会いたします。お忙しいところ御参集いただき、ありがとうございました。