2023年10月11日第38回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和5年10月11日(水)15:00~17:00

2.場所

対面及びオンライン会議(TKP新橋カンファレンスセンター ホール14G)

3.出席者

4.議題

  1. 1.令和6年度障害福祉サービス等報酬改定に向けて(就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援、就労系横断的事項)
  2. 2.その他

5.議事

○伊藤障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第38回会合を開催いたします。
 アドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。
 本日は、アドバイザーの皆様には、オンラインまたは会場にて御参加いただいております。傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 本日のアドバイザーの皆様の出席状況です。全員御出席と伺っておりますが、まだ石川アドバイザーがオンラインで入られていないようですが、御出席の予定と伺っています。
 構成員のほうは小林精神・障害保健課長は欠席、辺見障害保健福祉部長は遅れての参加となります。
 本検討チームの議事は公開とし、審議内容は皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページにて議事録として掲載します。
 頭撮りはここまでとさせていただきますので、報道の方は御退席をお願いします。
○伊藤障害福祉課長 議事に入る前に、資料の確認と会議の運営方法を御確認させていただきます。
 資料については、オンライン参加の方におかれましては電子媒体でお送りしている資料を御覧ください。同様の資料ホームページにも掲載しております。本日の資料は議事次第のとおり、資料1~5の5つとなっております。
 本日の会議の運営方法について説明いたします。議事に沿って事務局から資料を説明した後に、アドバイザーの皆様から御質問・御意見をいただきたいと思います。本日は資料が5つございますので、前半・後半に分けて、まず、資料1~3について説明と質疑応答、次に資料4と5について説明と質疑応答と進めさせていただきます。
 発言される場合は、現地で御出席いただいている方は挙手を、オンラインで御参加いただいている方はZOOM機能の挙手ボタンでお願いします。発言者はこちらから指名させていただきますので、指名された方から御発言をお願いします。本日は手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際はお名前を言っていただいて、できるだけゆっくり分かりやすくお話しいただきますようお願いします。
 それでは、議事に入ります。
 まずは資料1~3、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型について、事務局から説明いたします。お願いします。
○服部障害福祉課長補佐 事務局でございます。資料1の「就労移行支援に係る報酬・基準について」から御説明をいたします。
 1ページでございます。障害者総合支援法における就労系障害福祉サービスの全体像を示しております。就労移行支援は一般就労へ向けての訓練を行う事業、A型に関しては雇用契約に基づきサービスを提供する事業、B型については工賃を支払う事業、就労定着支援事業に関しましては、一般就労した方に職場の定着支援を行う事業です。本日は、この4つの事業について説明をさせていただきます。
 2ページ目、就労支援施策の対象となる障害者数になります。就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者数を記載しておりますが、平成15年、措置制度のときは一般就労される方というのは1,288人程度でしたが、平成18年、自立支援法が施行されまして、就労の強化ということで就労移行支援等が創設されました。直近では2万1380人が就労系の障害福祉サービスを利用して一般就労されているという状況です。
 3ページ目、就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者数と移行率の推移でございます。一般就労への移行者数の推移でございますけれども、青いところが就労移行を終了してから一般就労につながっている人の数でございます。年々増えてきているという状況でございまして、直近ですと、就労移行の終了者のうち56.3%は一般就労につながっています。
 4ページ目、こちらは就労移行支援から一般就労に向けた支援の流れについて全体像を示しております。離職者等が就労移行支援を利用するに当たっては、まず、暫定支給決定というお試し期間を経て、その間、実際に就労移行支援を利用していただきまして、一般就労の可能性がある方に関しましては、引き続き就労移行支援事業を使っていただくことになっております。就労移行を経て就職した後には、就労移行支援には6か月の定着義務規定がありますので、そのままなじみの関係により就労定着を実施していただくという形になっております。その後、就労移行支援で一体的に就労定着支援事業をやっている事業所におきましては、3年間、就労定着支援事業を実施していただきまして、職業人として自立していただくための支援をしっかりとしていただきます。
 3年間、就労定着支援を実施した後、まだ支援が必要な方に関しましては、そのままなじみの支援であるとか、そのまま就労定着支援事業が支援を行う、もしくは必要に応じて障害者就業・生活支援センターにつなぎます。一連の流れとして就職から職場の定着を実施しています。
 就労移行支援の概要でございます。基本報酬は、平成30年度の報酬改定で、就職後6か月以上定着率に応じた基本報酬として、メリハリのある報酬を設定させていただいております。事業所数に関しましては令和5年4月実績で2,934、利用者数としては3万6315人います。
 6ページ目、就労移行支援に関しましては、利用者数と費用額は増加傾向でございますが、事業所数の推移を見ていただきますと、近年は減少傾向にあるという状況が見て取れます。こちらに関しましては、平成30年度に職場定着率に応じた基本報酬として設定したことも一因としてあるかと思います。1人も一般就労を出していないような事業所は報酬を低く設定しましたので、そういったところの事業の廃止等があるかと考えられます。
 7ページ目、就労移行支援の現状でございますけれども、30歳未満の利用者が約5割を占めているという状況でございます。
 8ページ目、こちらは平成24年から2年刻みで障害種別の利用状況を見たものでございますけれども、近年は精神の利用者の方が増えており、全利用者の約7割を占めるという状況でございます。
 就労移行支援に係る論点に関しましては2つ掲げております。
 10ページ目、1つ目といたしましては、事業所の利用定員規模の見直しについてということで論点を掲げております。
 現状と課題でございます。障害福祉サービス事業所の定員規模につきましては、就労継続支援A型は利用者と雇用契約を結びまして最低賃金を支払うこと、また、生産活動収支から最低賃金を支払っていかなければいけないという利用者の確保が難しいという特筆性に鑑みまして、こちらは自立支援法施行当時から、A型に関しては利用定員規模が10人以上の規模となっております。
 一方で、A型以外の日中活動系サービス、就労移行支援も就労継続支援B型も含めてですが、利用定員規模は20人以上になっております。
 また、現状と課題の2点目でございますけれども、特別支援学校から直接就職する障害者も増加傾向にある中で、就労移行支援は年度初めに利用者が増加する傾向も緩和されてきております。また、特に地方部において利用者数の減少が見られるとのデータもありまして、安定的な利用者の確保は難しくなっているとの指摘があります。
 検討の方向性でございますが、就労移行支援につきましては、事業所の利用定員規模と利用状況の実態との乖離が生じていることに鑑みまして、利用定員の人数の見直しを検討してはどうかということで掲げております。具体的にはA型事業所は10人からの定員規模で実施できることになっておりますけれども、就労移行支援に関しても10人規模の実施を認めてあげてはどうかということで、検討の方向性として挙げさせていただいております。
 11ページ目は参考資料でございます。障害福祉サービス等事業所の定員規模に関して最低基準を示しております。生活介護は20人以上の規模、その他のA型以外は20人以上の規模が準用されております。A型だけは10人以上の規模で実施ができるという状況でございます。
 12ページ目に関しましては、特別支援学校卒業生の就職者数になっております。年々増加傾向にあるということが見て取れます。
 13ページ目、こちらは国保連データから都市部と地方部における就労移行支援事業所数と利用者数について見たものでございます。人口上位5県と下位5県に関しまして、人口上位5県は事業所数・利用者数ともに増えている状況でございますが、人口下位5県に関しましては事業所数・利用者数が減ってきている状況でありまして、特に地方部において計算しますと、平均6~7人の利用者数という形になっているという状況でございます。
 14ページ目、支援計画会議実施加算の見直しということで、論点の2つ目を掲げさせていただいております。
 現状と課題でございます。利用者の就労移行支援計画、これは個別支援計画でございますけれども、個別支援計画の作成、または見直しにつきましては、地域の就労支援機関等、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、職業センターを交えたケース会議を開催し、関係者の専門的な見地からの意見を求め、個別支援計画の作成・変更、その他必要な便宜の提供について検討を行った場合に、利用者1人に関して一月に1回、年4回を限度に加算を算定することができることとなっております。この加算に関しましては、サービス管理責任者の会議参加が必須とされているという状況です。
 この点、利用者の支援をしている就労支援員等といったサービス管理責任者以外の者が参加して、地域の就労支援機関等と会議を開催し、専門的な見地から意見交換を行うことにより、地域のノウハウを活用したより効果的な支援につながるのではないかといった指摘があります。
 検討の方向性といたしまして2点掲げております。
 1点目といたしまして、地域の就労支援機関等と連携して行う支援計画会議の実施を促進する観点から、会議前後にサービス管理責任者と情報を共有することを条件に、サービス管理責任者が出席できない場合でも利用者の状況を把握し、個別支援計画に沿った支援を行う就労支援員等の会議参加についての新たな評価を検討してはどうか。また、この支援計画会議実施加算は、地域の就労支援機関等と連携することにより地域のノウハウを活用し、支援効果を高めていく取組でございますから、少し名前が分かりづらいので名称の変更を検討してはどうかということで2点掲げております。
 15ページ目は就労移行支援事業所における人員基準の概要でございます。
 16ページ目に関しましては、このケース会議の開催頻度と参加する支援機関について示してございます。月2回程度の頻度が高いという状況でございますし、ケース会議に参加する事業所といたしましては相談支援事業が一番多く、次いで障害者就業・生活支援センターとなっているという状況でございます。
 17ページ目は支援計画会議実施加算の概要と算定状況に関して示しております。
 18ページ目は関係団体における主な意見となっておりますので、こちらは参考でつけさせていただいております。
 資料1の就労移行支援に関しては以上でございます。
 続きまして、資料2の「就労継続支援A型に係る報酬・基準について」を御説明させていただきます。
 1ページ目、就労継続支援A型の概要でございます。基本報酬に関しましては、平成30年度の報酬改定で平均労働時間に応じた報酬設定とさせていただきましたが、令和3年度の報酬改定でスコアの合計点に応じたメリハリをつけた基本報酬という形で設定をさせていただいております。事業所数に関しましては4,415、利用者数に関しては8万5421人という状況でございます。
 2ページ目、就労継続支援A型の現状でございます。利用者数・事業所数は毎年度増加しているという状況でございます。
 3ページ目、A型に関しましては40歳以上の利用者が増えてきておりまして、直近では約55.7%の方が40歳以上という状況でございます。
 4ページ目、A型に関しましても精神障害の利用割合は増加傾向でありまして、全体の利用者の約5割を占めているという状況でございます。
 5ページ目、A型事業所における平均賃金月額の推移、近年は増加傾向でありますということで、平均賃金月額は1人当たり8万1645円という状況でございます。
 6ページ目、就労継続支援A型に係る論点を2つ掲げさせていただいております。
 7ページ目、まず、論点の1つ目といたしましては、スコア方式による評価項目の見直しについてということで掲げさせていただいております。
 現状と課題でございます。就労継続支援A型事業所の基本報酬は、労働時間や生産活動等からなる各評価項目の合計点に応じ算定するスコア方式による評価が行われています。このスコアにつきましては200点満点中105点以上のスコアを取得している事業所が全体の8割以上に上っているという状況です。
 他方でというところに関しましては、財務省の予算執行調査での指摘でございますが、1点目といたしまして、就労継続支援A型事業所の生産活動収支の向上に向けた取組及びその成果を適切に評価できるような報酬への見直しを図るなど、経営改善を促していくべきである。2点目といたしまして、事業者が本人の希望を踏まえつつも一般就労への円滑な移行を実現できるような取組を促すため、移行に向けた取組や移行実績を踏まえた報酬への見直し等を検討するべきであると、2点指摘がございます。
 検討の方向性といたしましては、経営状況の改善や一般就労への移行等を促すため、スコア方式による評価項目については、以下のような見直しを検討してはどうかということで4点掲げております。
 1点目といたしましては、労働時間の評価について、こちらは雇用契約を結んでおりますので当然のことですが、利用者の1日の平均労働時間が長いほど利用者の賃金増加につながる傾向がありますから、平均労働時間の長さをより一層評価してはどうか。
 2点目といたしまして、生産活動の評価につきましては、生産活動収支が賃金総額を上回った場合、下回った場合の評価の一層のメリハリづけを行ってはどうか。
 3点目といたしましては、各評価項目の得点配分につきまして、事業者の取得状況を踏まえつつ、生産活動のスコア項目の点数配分を高くするなど、全体のバランスの見直しを行う。
 最後の4点目でございますが、利用者が一般就労できるよう、知識及び能力の向上に向けた支援の取組を行った場合について、新たな評価項目を設けてはどうかということで、検討の方向性を示させていただいております。
 8ページ目からは参考資料でございます。就労継続支援A型事業所のスコアについて、今、労働時間、生産活動、多様な働き方、支援力向上、地域連携活動といった5つの評価項目にそれぞれ点数をつけまして、その合計点に応じて200点満点中の合計点のスコアで基本方針は決まってくるというような状況でございます。
 9ページ目、就労継続支援A型事業所におけるスコアの分布ということで、参考に示させていただいております。
 10~11ページ目は、財務省の予算執行調査を参考につけさせていただいております。
 12ページ目は労働時間のスコアです。労働時間のスコアでは4時間以上、4時間30分未満を取っている事業所が大半という形になります。
 13ページ目に関しましては、運営法人別の労働時間を見たものでございます。社会福祉法人さんでは7時間以上の平均労働時間のところも2割あるような状況で、社会福祉法人さんは長く利用者さんを働かせている傾向にあるというような状況が見て取れます。
 14ページ目、生産活動のスコアでございます。生産活動収支が2年連続赤赤字というところが43.4%ある一方、生産活動収支から2年連続でしっかりと賃金を払えているような事業所も38.1%あるという状況でございます。
 15ページ目は支援力向上のスコアになります。こちらは参考でございます。
 16ページ目は多様な働き方のスコア、どういったところを項目として一番多く取っているのかとか、状況が見て取れます。
 最後の17ページ目、地域連携活動のスコアでございます。地域連携活動のスコアは施設外就労、地元の企業と連携をして付加価値の高い商品を開発しているかという項目でございますが、それを実施している、算定しているというところが7割程度あるという状況でございます。
 18ページ目、論点2といたしまして、経営改善の取組の促進についてということで掲げさせていただいております。
 現状と課題でございます。1点目に関しましては、平成29年度の基準の見直しに関しまして、A型事業所におきましては生産活動収支から賃金を支払わなくてはならないということを指定基準に入れさせていただいておるところでございます。指定権者である自治体は事業所の状況把握を行い、事業所が指定基準を満たしていない場合、経営改善計画書を提出させることとしております。令和4年3月末現在、生産活動収益が利用者賃金総額を下回り、指定基準を満たさない事業所が5割以上あります。
 また、経営改善計画書を2年連続提出している事業所は、そもそも経営改善計画書すら提出していないような事業所もあるという状況でございます。令和4年6月に取りまとめられました障害者部会の報告書におきましては、経営改善計画書の作成等の措置によっても早期の改善にはつながっていない事業所があることを踏まえて、特に複数年にわたって経営改善計画書の対象となっている事業所に対して、どのような実効性のある対応を図ることが考えられるか等について検討すべきであるということが指摘をされております。
 検討の方向性でございます。経営改善計画書未提出の事業所及び数年連続で経営改善計画書を提出しており、指定基準を満たすことができていない事業所への対応として、自治体による指導とともに、新たなスコア方式においての対応を検討してはどうかということで検討の方向性を掲げさせていただいております。
 19ページ目、参考資料で障害者部会の報告書の抜粋をつけさせていただいております。
 20ページ目、就労継続支援A型における生産活動の状況です。令和4年3月末時点で指定基準を満たしていないような事業所、生産活動収支から賃金を払えていないようなA型事業所は56.5%あるという状況でございました。
 21~22ページ目は、関係団体ヒアリングにおける主な意見でございます。
 A型に関しましては以上でございます。
 続きまして、資料3の「就労継続支援B型に係る報酬・基準について」でございます。
 1ページ目、就労継続支援B型の概要でございます。基本報酬のところを見ていただきますと、B型事業所に関しましては平成30年度の報酬改定で平均工賃月額に応じた報酬体系にしておりまして、工賃の高いところほど基本方針が高い設定にさせていただいております。令和3年度の報酬改定で(2)の利用者の就労や生産活動等への参加等をもって一律に評価する報酬体系というものも令和3年度から創設しておりまして、(1)の平均工賃月額に応じた報酬体系よりも低い基本報酬の設定で今運用しているという状況でございます。事業所数に関しましては1万6295、利用者数に関しては33万3690ということで、障害者のサービスでは最も利用者数が多い事業となっております。
 2ページ目、就労継続支援B型の現状、事業所数・利用書数が毎年増加しているという状況でございます。
 3ページ目、40歳以上の利用者が増えてきているという状況で、直近では約6割が40歳以上の利用者であるという状況でございます。
 4ページ目、知的障害の利用者が全体の約5割を占めているという状況で、精神障害の方の利用も増えてきているという状況でございます。
 5ページ目、全国の平均工賃月額の推移でございます。平均工賃月額に関しては増加傾向にあるという状況が見て取れます。
 6ページ目、就労継続支援B型に係る論点としては2つ掲げさせていただいております。
 論点の1つ目でございます。平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直しについてということで掲げさせていただいております。
 現状・課題でございますが、就労継続支援B型事業所は年間約1,000事業所ずつ増えておりまして、利用者数・事業所数ともに大きく増加しているという状況です。中でも平均工賃月額が1万円未満の事業所の伸び率は最も高く、B型事業所全体に占める割合も最も高いという状況です。B型事業所の基本報酬は平均工賃月額に応じた報酬体系Ⅰ、Ⅱ、このⅠというのは人の配置です。Ⅰが7.5対1、Ⅱが10対1です。あと、利用者の就労や生産活動等への参加等をもって一律に評価する報酬体系Ⅲ、Ⅳがあります。このⅢとⅣも人の配置ですので、7.5対1と10対1があります。
 工賃月額に応じた報酬体系のほうが報酬は高く設定されておりますが、直近の調査では、サービス費Ⅲ、Ⅳ、活動や参加をもって一律に評価する報酬体系を算定している事業所の収支差率が、就労継続支援B型サービス費に工賃月額に応じた報酬のサービス費Ⅱを算定している事業所の収支差率を上回っているという状況です。
 工賃向上計画を作成し、当該計画に掲げた工賃目標を達成するための目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上配置し、その指導員を含めて事業所全体で6対1以上の人員配置をした場合には、目標工賃達成指導員配置加算として評価している一方で、実際に工賃が向上した場合の評価はないという状況です。
 就労継続支援B型事業所では7.5対1以上の人員配置をしている場合に、サービス費Ⅰが算定できる一方で、一部の事業所では様々な障害種別の方が利用するなど、多様な利用者への対応のため、より手厚い人員体制としている実態があります。
 検討の方向性といたしまして、工賃のさらなる向上のため、平均工賃月額に応じた報酬体系につきまして、よりメリハリをつけた報酬設定とすることを検討してはどうか。
 また、平均工賃月額に応じた報酬体系よりも利用者の就労や生産活動等への参加等をもって一律に評価する報酬体系の収支差率が高いことを踏まえた報酬の見直しを検討してはどうか。
 3点目といたしまして、工賃の向上を促す観点から、目標工賃達成指導員配置加算を算定している事業所が、工賃向上計画に基づき工賃が実際に向上した場合の評価を検討してはどうか。
 4点目といたしまして、多様な利用者への対応を行う事業所につきまして、さらなる手厚い人員配置をした場合の評価を検討してはどうかということで、検討の方向性を掲げさせていただいております。
 8ページ目は参考資料です。先ほど現状・課題でお示ししたとおり、平均工賃月額1万円未満の事業所の伸びが最も高く、B型事業所全体に占める割合も一番高いという状況を示させていただいたものでございます。
 9ページ目はB型事業所の収支差率に関して示したものでございます。下の図のサービス費Ⅰ、Ⅱに関しましては、工賃月額に応じた報酬の体系のサービスⅠ、Ⅱ、あと、Ⅲ、Ⅳに関しましては活動参加をもって一律に評価するサービス費となっておりますが、こちらのⅢ、Ⅳのほうが、収支差率がサービス費Ⅱよりも高いという状況が見て取れます。
 10ページ目に関しましては、手厚い人員配置を行っている事業所についてということで、参考で示させていただいておりますが、特に個別の対応が必要であるとか、支援に手間がかかるような方を利用者として多く受け入れているために人の配置を手厚くしているような、例えば5対1で配置しているような事業所がありますが、そういったところで個々の支援をしっかりとしていただいているというところもありますし、工賃がほかの事業所と比べて高いという状況が見て取れます。
 11ページ目は目標工賃達成指導員配置加算の概要になります。
 12ページ目、論点2は、平均工賃月額の算定方法についてです。
 現状・課題の1点目でございますけれども、B型事業所の平均工賃月額に応じて評価する報酬体系を算定している事業所は、平均工賃月額の金額に応じて基本報酬を算定することとなっております。現在の平均工賃月額の算定方式は、工賃総額を各月の工賃支払い対象者の総数で除して算定するようになっておりまして、工賃支払い対象者は利用日数にかかわらず1名とカウントすることになっております。このため、障害特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れる場合、事業所の平均工賃月額は低くなるとの指摘がございます。
 検討の方向性でございますけれども、日々の体調に波があるなど、障害特性等により利用日数が少ない方を多く受け入れる事業所につきましては、平均利用者数を踏まえた新しい算定式を導入することを検討してはどうかということで掲げさせていただいております。
 13ページ目、就労継続支援B型における平均工賃月額の算出方法を現状の算出方法に関して示させていただいております。
 14~16ページ目に関しましては、関係団体ヒアリングにおける主な意見を参考につけさせていただいております。
 資料1~3に関しては以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について、アドバイザーの方から御質問・御意見をお願いします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 説明ありがとうございます。
 私のほうで確認したいことがありまして、一つは就労移行支援のところで、この資料の13ページに、都市部と地方部における事業者数と利用者数という表が出てくるのです。今回、規模の見直しは私も賛成で、ぜひ進めていただくといいと思うのですが、その根拠となっている話が上位の5県の事業所数、あるいは利用者数の増加ということに対して、下位人口の5県の事業者数と利用者数の減少ということが、その大きな背景として説明があったのですけれども、例えば事業所数の増加を見ると、全国平均でもマイナス13.2なので、基本的に人口下位5県が著しく問題という以上に、むしろ人口上位5県に非常に大きな何か増加する背景・理由があるのかなと思って見ていたところなのです。
 逆に、利用者数のほうを見ていくと、全体としては7.5プラスという数字が出ているのですが、人口下位の5県のほうを見るとマイナス21.3でかなりマイナスなので、これは逆に言うと、下位5県の非常に大きな減少の理由が潜んでいるのかなということを考えて、いろいろと背景が潜んでいるのではないかなと思いますので、この辺りを検討するのも並行して必要かなと思って聞いていたところです。これが就労移行支援に関する事項です。
 続けて、A型事業所とか、その他いろいろと質問や意見があるのですけれども、説明も通しだったのでよろしいでしょうか。2つ目はA型事業所の話です。これはメリハリのある報酬改定ということなので、こちらに関しまして、資料で言いますと8ページ、今のスコアが、労働時間、生産時間、その他、5項目の柱でのスコア方式なのですが、これのところで労働時間、生産活動にかなりウエートを置くと説明を聞いていますと思いましたので、現在200点満点で、この2つ、80と40ですから120という状況なのですが、これがどのぐらいのウエートになっていくのかというのは、もし、見込みがあれば知りたいというところが就労A型に関するところでございます。
 もう1点、就労B型なのですけれども、B型に関しては、基本的に平均工賃月額に応じた報酬体系というところにメリハリをつけるということなので、そうなると、これは資料の概要説明のところにあるのですが、1ページ目のところの平均工賃月額の報酬体系ともう一つあって、利用者の就労や生活活動等への参加の報酬体系です。こちらの2番目の報酬体系は今後どのような見通しを持てばいいのかという辺りです。
 一応3点ほど教えていただけたらと思います。以上です。
○服部障害福祉課長補佐 御質問ありがとうございました。
 まず、就労移行に関しましては、こちらは都市部と地方部のデータだけでなく、6ページ目に就労移行支援の現状と書いておりまして、利用者数の推移と事業所数の推移を単純に計算しますと、大体全国的に平均利用者が12人という形になっております。今後、上位5県に関しましては、障害者を雇用する企業等も多くて、ニーズがあるから事業所数とか利用者数も増えているのではないかと考えられる一方、例えば人口下位のところは利用者数が全国的な平均よりもかなり減っているところもありますので、要因等分析ができておりませんが、今後、どういったことが起きているかというのは少し分析等をしてみたいと思っております。
 A型事業所のスコアに関しましてもご質問がありました。このスコアの配分ですけれども、200点満点は全体として変更することは考えていないところでございます。また、特にスコア評価の項目で多様な働き方と支援力向上のところ、今は35点満点ですが、参考資料でもつけさせていただいておりましたが、15~16ページ目の支援力向上のスコア、あと、多様な働き方のスコアを見ていただくと、多くの事業所が35点満点を取っているような状況もありますので、もともとのA型の大原則である生産活動収支からの賃金を払えていないような事業所も、ここで満点を取って105点を取るような事業所が多いように見られます
 ここの105点のスコアというのは、財務省さんの予算執行調査の10ページ目にもついておりますけれども、もともと平成30年度の報酬改定では平均労働時間に応じた報酬設定にさせていただいていて、最も高い報酬が618単位という状況だったのですが、今は105点以上取れば655単位というような状況でございます。
 もともとA型は生産活動収支から賃金を払わなくてはいけない、そうしないと、A型の安定的な運営もできないようなところもありますので、現在、多様な働き方、支援力向上の項目において少し配分点を下げて、生産活動のところを労働時間と同じぐらいの評価、労働時間は80点満点ですが、それに近いような、より比重を置いた形で生産活動と労働時間を合わせて、A型は障害者の知識・能力を向上させていくという役割もありますし、そもそもの基準をしっかりと満たさないと、安定的な運営もできないというところもありますので、多様な働き方、支援力向上から、生産活動の項目に少し多く配分をしようと考えております。
 また、B型に関して、B型の概要のところの1ページ目の報酬体系の利用者の就労や生産活動への参加等をもって一律に評価する報酬体系、今後、どんな見直しになっていくのかというところでございますけれども、こちらは主に精神障害の方々が、まずは社会参加をするという訓練等にも必要な体系だとは思いますが、今回、収支差率等を見たときに、活動参加をもって一律に評価する報酬体系に関しましては、平均工賃月額に応じた報酬体系1万円未満の566単位よりも低い報酬設定をさせていただいているところですけれども、収支差率が逆転しているところもありますので、報酬を少し見直しさせていただけないかと、ただ、体系としてはこのまま維持をしようとかと考えております。
 以上でございます。
○小澤アドバイザー どうもありがとうございました。
 ただ、就労の問題というのは、ほかの制度とかサービスとも関係する話も多いので、基本的には検討の方向性に関しては賛成ですけれども、ほかに例えば地域活動支援センターとか、その他、関係する付随事項も合わせて検討していただけたらと思いました。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明をありがとうございました。基本的に御提案には賛成です。
 就労移行の論点1ですが、地方では利用者が減っている中、利用定員の人数を小規模にしていくことも必要かと思いますが、それで事業所の経営が成り立つのかどうかというところが気になるところです。
 同じく就労移行の論点2ですけれども、支援計画会議実施加算についてです。サービス管理責任者以外の職員の参加でも加算が認められることで、より会議を行う機会も増えると思いますし、参加した職員の質の向上も図れるのではないかと思います。
 また、就労継続支援B型についての質問です。論点2の平均工賃月額の算定方法についてですが、障害特性によって休みがちである精神障害者などを想定して今お話のあった利用者の就労や生産活動等への参加で評価する類型がつくられたのではないかと思うのです。そこで想定されている方と今回の平均工賃月額で評価する利用日数が少ない方、この状態像に違いはあるのでしょうか。教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○服部障害福祉課長補佐 御質問ありがとうございました。
 まず、就労移行の事業所の利用定員規模の見直しでございます。就労移行に関して5ページ目に就労移行支援の概要を記載しておりますが、今、就労移行支援に関しましては、就職後6か月以上の定着率に応じた基本報酬の設定となっております。実はそこの就職後6か月以上定着率というものは、計算式としては分母に利用定員を置くという形になっております。ですので、離島等でない地方部において就労移行支援事業所を単独でやっているようなケースに関しては、どうしても今、利用定員規模20人からの実施になっておりますので、分母を利用定員の20人としなくてはならないような状況があります。
 地方においては、なかなか利用定員20人を満たすことができないのですけれども、少ない利用者で一般就労につなげて頑張っているような就労移行支援事業所もありますので、ここの定員規模に関して見直してあげることによって、高い基本報酬が取れるような形にもなりますので、それで事業運営の安定化が図られると考えております。
 また、平均工賃月額の算定方法でございますけれども、B型の報酬体系に関しては平均工賃月額に応じた報酬と活動参加をもって、工賃をそこまで気にしないでという体系がありますが、御指摘のとおり、もともと活動参加のところは工賃によらず、まず参加することが大事であるような精神の障害者もいらっしゃる一方、就労というところに向けてしっかり頑張っていきたいという利用者さんも工賃月額に応じた報酬体系で事業所としてやっているようなところも当然あります。
 なので、状態像としてはそこまで変わらないかもしれないのですけれども、本人の希望によってしっかりと工賃を稼ぎたいというような方々が利用する段階で、まだまだなかなか利用日数が伸びないというような方もいらっしゃいますので、そういった方を積極的に受け入れて、しっかりと工賃を払っているようなB型事業所を少し配慮してあげたいという趣旨での計算方法の見直しを掲げさせていただいております。
 以上でございます。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、岩崎アドバイザー、お願いします。
○岩崎アドバイザー 御説明ありがとうございます。
 まず、B型についてです。先ほど御説明があった収支差率の問題なのですが、ⅡとⅢとⅣの逆転現象が起こっている理由を御説明いただいたかどうか記憶が曖昧で、もし、御説明いただけていないようだったら教えていただきたいなと思いました。
 また、B型は無期限のサービスですよね。ですので、利用している年齢層を見ると、高齢化というのが本当に気になるのです。長期に利用されていることで、ある意味、居場所的な利用の仕方になっている方たちもいらっしゃるのではないかなと思うのです。ですので、職員さんの加配の理由が今度は違う意味で、作業をメインというよりも、生活面のことにもかなり気を配らなくてはいけない方たちも増えてきているのだろうと思うのです。
 長い期間B型をやってこられていて高齢化するのは当然のことなので、B型の事業内容そのものというか、多様な方たちが利用せざる得ない背景もあります。つまり支援区分的に言っても縛りがないし、ほかのところでなかなか難しい方など、本当に多様な方が利用されているという中で、高齢化というようなことについて何かお考えいただいていることがあったら教えていただきたいなと思いました。
 それから、A型のことです。スコア方式の詳細を見直されるというようなことについては、やむを得ないことなのかなと思っているのですけれども、ただ、経営改善計画を出さなくてはいけない事業所が半分以上あるにもかかわらず、なかなか出していないような事業所もあるということで、自治体による指導というのを国が把握されている範囲で結構なので、実態としてどうなっているのかというようなことを教えていただきたいと思います。
 経営改善に本気で取り組んでいる事業所と、失礼ですが、そうでもない事業所さんもいるのかなと考えてしまったりするのですが、改善計画の質というか、実際にこれが実効性のある計画なのかどうかというような評価をきちんとしていかないと、やる気があって一生懸命やっているけれども、なかなか生産活動の効率を上げていくことができないような事業所の問題というのは取り残されていくのかなと感じています。
 以上です。
○服部障害福祉課長補佐 ありがとうございます。
 まず、B型の収支差率の逆転現象のところでございます。B型事業所で平均工賃月額に応じた報酬を設定させていただいていますけれども、工賃をしっかり上げている事業所ほど設備投資を多くして、あとは減価償却費とかが結構かかってくるので、しっかりと生産活動に力を入れている事業所というのは、少し収支差が悪くなる傾向がありますし、活動参加のところは幾つか事業所を見てきている中で、事業所内で請負の作業、内職等をしているケースも多いので、経費というのはさほど、かからないというところが一つの要因だと考えられます。
 また、B型に関しましては高齢化というところがありますが、お話を聞くと、企業から落ちてきた方々も結構いらっしゃいますけれども、高齢化していても今までどおり働けるというような利用者さんもそれなりにいらっしゃると聞いております。なので、今現在は高齢化に伴って何か配慮するかというところまでは、まだ検討はしてないところでございますけれども、工賃での評価が難しい場合は、工賃月額に応じた報酬体系以外にもB型の新しい報酬体系、活動参加をもって評価していますので、この体系で受け止めるのではないのかと思います。
 また、A型に関しては経営改善計画書すら出していないようなところもあります。改めて各都道府県の取組をしっかりと調査しなくてはいけないとは思うのですけれども、平成29年度にA型事業所が生産活動収支からちゃんと賃金を払えないにもかかわらず、多角的に事業所を運営していた法人が、無理した経営で突然破産して、利用者さんを大量解雇にしたという問題がありました。
 周辺の県は、経営改善計画書に関して事業者から提出された後、障害福祉課だけではなく弁護士、中小企業診断士、会計士を入れて、しっかりと経営改善計画書の中身をチェックして修正を依頼する自治体もあると聞いております。実際、しっかりと作った経営改善計画書に沿って取り組んでいるところは、実際に改善しているというようなことも聞いております。主には改善の内容としては個々の障害者の能力の向上を図ったり、あとは作業工程に関して見直したり、あとは原価率という部分で交渉して原価率を下げたりとか、そういう様々な工夫をされているA型事業所に関しては改善をしていると聞いております。
 また、今後、自治体でどのように経営改善計画書を受け取って見直し等をさせているかというのは、まだ実態が分からないところもありますから、今後、各都道府県の取組というのは調査する必要があると感じております。
 以上でございます。
○岩崎アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 神奈川県秦野市の石川です。御丁寧な説明をありがとうございます。
 私からは1点意見と、1点確認をお願いしたく、質問させていただきます。
 まず、意見ですが、就労移行支援の14ページの論点2の検討の方向性のところに書いてあります、サービス管理責任者が必ず会議に参加しなければいけないところを見直して、就労支援員、職業指導員、生活指導員が会議に参加しても加算が算定できるようにするという点についてです。就労支援員や職業指導員、生活支援員の経験や資質の向上にもなりますし、会議の回数も増えるという点では私自身も賛成です。
 その際、サービス管理責任者が、前後に情報共有することを条件にとは書いてありますが、例えば最低でも年に1回とか、サービス管理責任者が会議に出席することも条件に加えていただくのはいかがかなと思いました。サービス管理責任者は利用者全体の支援を見ていく立場であると思いますので、情報共有だけではなくて、積極的に入っていただく必要もあると思いましたので、意見をさせていただきました。
 もう1点は、就労継続支援A型で、18ページの論点2でございます。
検討の方向性を見ますと、経営改善計画書未提出の事業所や数年連続で経営改善計画書を提出している指定基準を満たすことができない事業所への対応ということで、恐らく減算を考えていると思いますが、減算を導入することによって一気に事業継続を止めてしまうというような心配もあるかと思います。
 13ページの労働時間を見ますと、労働時間が非常に短いところもあるようで、A型事業所として気になる部分もありますが、現在、A型事業所で労働されている方の行き場が急になくなるようなことにならないような配慮も必要です。その辺の配慮をしっかりしていただいた上で、減算を導入していく必要があると思います。事業所への指導という部分になると思いますが、指定権者である自治体や給付決定をする市町村がどう役割を担えばよいかという辺りのところもお伺いできたらなと思いまして、質問させていただきました。
 以上です。
○服部障害福祉課長補佐 ありがとうございます。
 まず、就労移行支援の論点2の支援計画会議実施加算に関しまして、サービス管理責任者が関与する仕組みに関しましては、御意見を踏まえまして、どういった形でしっかりと関与させるかということは検討させてください。
 また、A型事業所に関して、論点2でございますけれども、こちらは御指摘のとおり、減算という形で少し検討をしております。止めてしまう心配がないかということでございますけれども、報酬では減算措置をさせていただきますが、厚生労働省といたしましては過去に調査研究等を実施しておりまして、もともと生産活動収支から賃金を払えていなかったような事業所が、工夫をして生産活動収支から賃金を払えるようになった事例集も作っております。
 また、5年前ぐらいから中小企業庁で、よろず支援拠点が各都道府県にございますが、積極的に就労継続支援A型・B型事業所というところも支援をしていただいていまして、無料で経営改善の相談とか伴走的な支援をしておりまして、様々な好事例が出ております。もう一度、調査研究であるとか、よろず支援拠点の活用等を促していきたいと考えております。
 また、都道府県等の役割といたしましては、経営改善計画書に関しては、条件として少しでも生産活動収支が改善していることや、生産活動収支の悪化が少しでも軽減されれば、経営改善計画書を受け取っていいということを通知をしております。まずこの取扱をしっかり取り組んでいただくとともに、しっかりやっている都道府県は障害部局だけではなく、会計士等も関与して経営改善計画書のチェックをして、しっかりと経営改善しているという事例も出ておりますので、こうしたことも収集しながら、経営改善に向けた取組をしなくてはならないことを改めて厚生労働省としてもお示したいと思います。
 また、事業所が突然A型を廃止するというようなこともあるかと思いますが、その際、法令上の規定で事業廃止する前には1か月以上前に届け出をしなくてはいけないですし、また、そこのA型を利用されている方が引き続き他のA型を利用したいという希望があれば、事業者の責務において、その方たちの利用調整をしなければなりません。
 こうしたこともしっかり事業所さんには把握してもらう必要がありますので、突然廃止をしたから、その方たちの行き場がなくなるということはないように、当然事業所の責務としてしっかりと利用者調整をしなくてはいけないので、そういったことも都道府県にも知っておいていただきながら、報酬だけではなく、過去の調査研究等も示しながら、改めて経営改善に向けた働きかけを国としても取り組んでいきたいと思っております。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 まず、結論から申しますと、今お聞きした方向性に私は賛成しています。メリハリもついているかなと思います。その理由は、私のほうはいわゆるこうした方向性とか、いろいろな策が結果としてどう財務というか、お金というか、結局収支差等々にプラスに結びついていくのかなということを少しずつ思いながら検討した結果、方向性はいいということになります。
 1点だけ、これは本当にお願いです。A型のほうで、実は私も何年か前から追っているのですが、いわゆる就労系にある会計基準というと大げさですけれども、運用のガイドラインがあって、そこには実は多分いろいろな方の団体のヒアリングにもあったと思うのですけれども、その課題というか、問題点というのがどうやらあって、ベースになるルール的なものが少しどうかなと思う面があるので、これは今すぐどうこうというのではなくて、一度ガイドラインをどこかで整理したり、調査研究したりしていただきながら、また次になるかもしれませんが、A型のこうした方向性を考えるのに少し検討していただきたいなと思っています。
 意見だけですので、以上であります。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、前半の資料1、2、3は以上とします。
 続きまして、資料4と5、就労定着支援と就労系の横断的事項について説明しますが、冒頭に一つ申し忘れたことを補足させていただきます。昨年の障害者総合支援法の改正で就労選択支援という新しいサービスが設けられています。現在、令和7年10月からのスタートを予定しておりまして、先日の主な論点にも記載しているとおり、この就労選択支援についても令和6年度の報酬改定の中で御議論いただくこととしております。本日の資料には入っておりませんが、だから6年度ではないという意味ではなくて、今後の検討チームで別途、就労選択支援について、資料を出して御説明させていただきますという旨の補足です。
 それでは、資料4、5の説明をお願いします。
○服部障害福祉課長補佐 資料4の「就労定着支援に係る報酬・基準について」でございます。
 1ページ目、就労定着支援の概要でございます。基本方針のところでございますけれども、就労定着支援は平成30年度に創設されたサービスでございますが、報酬に関しましては就労定着率に応じて月額の報酬という形で、就労定着率が高いほど月額の基本報酬を高く設定しているという状況でございます。事業所数に関しましては令和5年4月実績で1,538、利用者数は1万5332という状況でございます。
 2ページ目、就労定着支援の現状でございます。制度創設以降、まだ新しいサービスでございますから利用者数・事業所数というのは毎年増加しているという状況でございます。
 3ページ目、こちらは就労移行と同じような傾向を示します。30歳未満の利用者が約4割を占めているという状況でございます。
 4ページ目、精神障害の利用割合というのが全体で6割を占めている状況でございます。
 5ページ目、就労定着支援に係る論点といたしまして、5つ掲げさせていただいております。
 6ページ目、論点1でございます。スケールメリットを考慮した報酬の設定についてということで掲げさせていただいております。
 現状と課題でございます。就労定着支援事業所の基本報酬は利用者数及び就労定着率の2つの手法を用いた報酬体系となっております。就労定着支援は特定の場所に利用者を集めてサービスを提供するものではないため、スケールメリットが働く余地は少なく、利用者数を増やしたとしてもコストの低減が期待しにくい事業でございます。
 検討の方向性といたしまして、就労定着支援事業所の実態に応じた報酬設定とするため、利用者数に応じた報酬設定ではなく、就労定着率のみを用いて算定する報酬体系とすることを検討してはどうかということで掲げております。
 7ページ目、こちらが就労定着支援事業所の基本報酬の体系でございます。下に報酬体系が書いてありますとおり、就労定着率と利用者数に応じて、利用者数が多いほど報酬を低減させておりましたが、就労定着支援に関しては一つのところに集めてサービスを提供するサービスではございません。スケールメリットが働きませんので、定着率に応じた報酬体系だけにしてはどうかということで提示をさせていただいております。
 8ページ目に関しては、先ほど資料1で掲げさせていただきました就労移行支援の支援計画会議実施加算と同じ内容の見直しになります。名称は違いますけれども、就労定着支援では定着支援連携促進会議ということで、就労移行と同じような形で地域の支援機関と連携いたしましてケース会議を実施した場合に加算が算定できるというものがございます。こちらもサービス管理責任者の出席が必須とされておりましたが、同じように、就労定着支援の就労定着支援員の参加でも新たに認めてあげてはどうかということで論点として掲げさせております。就労移行の論点2の支援計画会議実施加算の見直し内容と同じ内容になります。
 9ページ目は、こちらの定着支援連携加算の概要です。就労移行で掲げさせていただいた支援計画会議実施加算の内容と同じになっておりまして、現状、サービス管理責任者の出席が必須という形になっております。
 10ページ目、この加算の算定対象となるケース会議の概要でございます。こちらに関しては、移行のほうでは先ほど相談支援事業所に次いで障害者就業・生活支援センターでしたが、こちらは就労定着支援でございます。一般企業に就職している方ですので、次いでこのケース会議に参加するところに関しましては障害者雇用を進める企業が多いという状況になっております。
 11ページ目、論点3でございます。支援終了の際の事業所の対応についてということで掲げさせていただいております。
 現状・課題でございますが、就労定着支援の支援終了時点において、引き続き一定の支援が必要な場合には、就労定着支援事業所は企業等に対して支援終了の少なくとも三月以上前には利用者の状況や具体的な課題と支援に必要な情報を本人の了解の下で伝達することとされております。しかし、企業による職場でのサポート体制や職場定着に向けた生活面の安定のための支援体制の構築を十分に行わないままで、支給決定期間が終了したらそのまま支援を終了する、そういった就労定着支援事業所が多いとの指摘がございます。
 検討の方向性といたしまして、就労定着支援終了に当たりまして、企業による職場でのサポート体制や職場定着に向けた生活面の安定のための支援体制の構築を十分に行わない場合に報酬上の対応を検討してはどうか。これは指定基準違反という形になりますので、そういったところの対応を検討してはどうかということで掲げさせていただいております。
 12ページ目、論点4でございます。就労定着支援の実施主体についてということで論点を掲げさせていただいております。
 現状と課題でございますが、就労定着支援事業所数は平成30年度に創設以来、年々増加しておりますが、就労移行支援事業所の5割ほどにとどまっている状況でございます。運営基準におきまして、実施主体については過去3年間において平均1人以上、通常の事業所に新たに障害者を雇用させている生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援A型及び就労継続支援B型に係る指定障害福祉サービス事業者とされております。
 令和4年に取りまとめられました障害者部会報告書では、就労定着支援事業の提供体制の現状を踏まえ、就労移行支援事業所等の障害福祉サービスを経て企業等に雇用された者が、就職後の定着に向けて、地域において必要な支援を受けられる環境整備を図る観点から、就労定着支援事業の実施主体に障害者就業生活支援センター事業行う者を加えることを検討するべきであると指摘をされております。
 検討の方向性に関しましてですが、部会の報告書でも御指摘があったとおり、障害者就業生活支援センター事業を行う者を就労定着支援事業の実施主体に追加することを検討してはどうかということで、検討の方向性を掲げさせていただいております。
 13ページ目は障害者部会の報告書の抜粋でございます。
 14ページ目は障害者就業生活支援センターの概要でございます。
 15ページ目、論点5、就労移行支援事業所等との一体的な実施についてということで掲げさせていただいております。
 現状・課題でございます。就労移行支援事業所等に行きましては、過去3か年に平均1人以上の一般就労への移行者がいる場合には、就労定着支援の実施主体の要件を満たし、同事業、就労定着支援事業を実施することが可能であります。就労移行支援事業所が就職後も職業面・生活面の相談支援や職場環境の整備等を行うことで、利用者について熟知した事業所による継続的な定着支援が可能となりまして、定着をより促進する効果が期待できる一方、直近の令和5年4月現在では、就労定着支援事業所は1,538事業所ありまして、就労移行支援事業所の半分程度しか実施されていないという状況でございます。
 令和3年度の改定検証調査によりますと、就労移行支援において就労定着支援を実施していない理由としては、職員の確保が難しいことが挙げられております。現在、一体的に運営する就労移行支援事業所に配置される常勤の職業指導員等の直接処遇職員は、利用者に対するサービス提供に支障がない場合、就労定着支援員に従事することができることとなっておりますが、この場合、兼務を行う就労定着支援に係る常勤換算上の勤務時間には算入することができないという形になっています。常勤の方がサービス提供に支障がなければ就労定着支援に従事ができるのですけれども、この従事した時間に関しては現在、常勤換算上の勤務時間に換算することができないという形になっております。
 ですので、検討の方向性といたしましては、就労移行支援事業所等との一体的な運営を促進する観点から、本体施設のサービス提供に支障がない場合、職業指導員等の直接処遇職員が就労定着支援に従事した勤務時間を就労定着支援員の常勤換算上の勤務時間に含めることを検討してはどうかということで掲げさせていただいております。
 16ページ目からは参考資料でございますが、就労定着支援事業における人員設備基準の概要でございます。
 また、17ページ目に関しては、就労移行支援事業において就労定着支援を実施していない理由でございます。就労定着支援の実施のための職員の確保が難しいと見込まれるということが、一番大きな理由として挙げられております。
 18ページ目に関しては関係団体ヒアリングにおける主な意見です。
 19ページ目も同様に主な意見でございます。
 就労定着に関しては以上でございます。
 続きまして、資料5の「就労系障害福祉サービスに係る横断的事項について」でございます。
 1ページ目、就労系障害福祉サービスに係る横断的事項に関しては4つ論点を掲げさせていただいております。
 2ページ目、論点1でございます。就労系障害福祉サービスの一時的な利用についてということで、現状と課題でございます。就労系障害福祉サービスは一般就労を目指す障害者や通常の事業所に雇用されることが難しい障害者が利用するため、一般就労中の障害者は原則利用できないことになっております。昨年成立いたしました障害者総合支援法等の一部改正法案によりまして、来年度から通常の事業所に新たに雇用された後に、労働時間を段階的に増やしていく場合や、休職からの復職を目指す場合に、一般就労中の障害者でも就労系障害福祉サービスを一時的に利用することが可能となります。一方、短時間利用を希望する一般就労中の障害者を事業所が一時的に受け入れた場合、就労継続支援A型の平均労働時間や就労継続支援B型の平均工賃月額に影響が出るという状況でございます。
 検討の方向性といたしまして、一般就労中の障害者が就労継続支援を一時的に利用する際の評価につきましては、就労継続支援A型のスコア評価項目となる平均労働時間であるとか、就労継続支援B型の平均工賃月額の算定から除くことを検討してはどうかということで掲げさせていただいております。
 具体的には、今後、就労継続支援A型やB型から一般就労するような方もそれなりに出てこられますが、当初、企業では、まだ10時間とか20時間しか働けていないような方が段階的に労働時間を延ばしていく際に、ふだんの生活リズム等が崩れないために、例えば午前中は企業で働いて、午後にA型・B型で働くようなケースが出てきますが、そういった場合に関しては午前中に働いているのでA型の労働時間が短くなったり、また、B型で長く働けないような状況がありますので、そういった場合に平均労働時間の算出であるとか、平均工賃月額の算出では少し不利になってしまうので除外してはどうかということで、検討の方向性を掲げさせていただいております。
 3ページ目は、既に障害者部会で出した一般就労中の就労系障害福祉サービスの利用についての検討事項の資料でございます。
 4~5ページ目も一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時的な利用に関して、部会報告書で記載している事項でございます。
 6ページ目、論点2でございます。施設外就労に関する実績報告書の提出義務の廃止についてということで掲げさせていただいております。施設外就労とは事業所の中ではなく、事業所の外に行って一部企業内で仕事を請け負って仕事をするとか、そういったものになりますけれども、施設外就労を実施した際は、事業所は施設外就労に関する実績を毎月の報酬請求に合わせて提出することになっております。
 これは市町村による施設外就労加算の審査に活用するために提出を求めていたものですが、令和3年度の報酬改定におきまして、施設外就労に関してはA型・B型の基本報酬に包括化されたため、地方分権の提案にて実績報告の提出義務の廃止が要望されております。要望を受けまして、令和4年の地方からの提案等に関する対応方針において、施設外就労に関する実績の把握については事業所からの報告を不要とした上で、地方公共団体の判断で事業所に確認することとするなど、地方公共団体の事務負担を軽減する方策を検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされております。
 検討の方向性といたしましては、地方公共団体の事務負担軽減のため、報酬請求に当たっては施設外就労に関する実績について、事業所から毎月の提出は不要とすることを検討してはどうか。ただし、事業所側には、施設外就労の実績記録書類を作成・保存することを義務づけ、地方公共団体の判断で利用者の訓練状況等の実態把握が必要な場合には確認できるようにすることを検討してはどうかということで掲げさせていただいております。
 7ページ目は施設外就労の概要でございます。
 8ページ目は地方分権からの提案についてということで、参考資料でつけさせていただいております。
 論点3につきましては、基礎的研修開始に伴う対応についてということで掲げさせていただいております。
 現状と課題でございます。現在、福祉、教育、医療等の関係機関において障害者の就労支援担当者を対象に、独立行政法人高齢障害者求職者雇用支援機構(JEED)において基礎研修が実施されております。
 令和3年6月に取りまとめられました障害者雇用福祉施策の連携強化に関する検討会報告書では、障害者就労を支える人材の育成・確保の必要性が指摘されておりまして障害者本人と企業双方に対して必要な支援ができる専門人材の育成・確保を目指し、雇用福祉の分野横断的な基礎的な知識スキルを付与する基礎的研修の方向性が示されております。令和7年度からは基礎研修に代わりまして、基礎的研修がJEEDにおいて開始される予定でありまして、就労移行支援事業所の就労支援員、あと、就労定着支援事業所の就労定着支援員は、この検討会報告書では受講を必須と位置づけられたところでございます。
 検討の方向性といたしまして、令和7年度から基礎的研修が開始されることに伴い、就労移行支援事業所の就労支援員は基礎的研修の受講をこちらの障害の基準のほうで必須とすることを検討してはどうかということで掲げさせていただいております。ただし、この基礎的研修を実施していない場合でも、令和7年度から開始されるので、令和9年度までは経過措置として指定基準を満たすものとして取り扱うことを検討してはどうか。あと、この場合に、就労移行支援の職員が従前の基礎研修を受講することで算定が可能であった就労支援関係研修修了加算も一応その経過措置期間は残す方向で検討してはどうかということで掲げさせていただいております。
 10ページ目、基礎的研修に関して令和3年6月に取りまとめられた検討会報告書では、就労支援員と就労定着支援員は受講必須ということが報告書でまとめられましたので、その抜粋でございます。
 11ページ目に関しては、現行の基礎研修と基礎的研修に関しての説明になります。簡単に説明しますと、今、この基礎研修というのは就労移行支援事業所の就労支援員を対象としまして、就労移行を行うために必要な基礎的知識と技能を習得させることを目的として、JEEDの各都道府県センター、47ありますけれども、各職業センターで実施されているという形になります。この研修を受講することによりまして、就労移行支援事業所は今現在、就労支援関係研修修了加算を算定することができます。
 令和7年度からは、今のこの基礎研修に代わりまして基礎的研修が実施されますが、こちらもJEEDによって就労支援員と就労定着支援員を対象に実施されるということで、この基礎的研修に関しましては、今までの基礎研修と合計の研修時間に関しては変わりませんが、白のところが新たに科目として加わっているというような状況になります。
 12ページ目は、現在の基礎研修を修了した際に加算が取れますが、その加算の取得状況でございます。
 最後、論点4でございますけれども、施設外支援に関する事務処理の簡素化についてということで掲げさせていただいております。施設外支援は、主に就労移行支援事業所等で実施している実習ということを考えていただいておけばいいかと思いますが、施設外支援に関しましては、就労移行支援及び就労継続支援において事前に個別支援計画に位置づけられており、1週間ごとに当該個別支援計画の内容について必要な見直しが行われているとともに、その支援により就労能力や工賃の向上及び一般就労への移行が認められる場合に行うことができるものです。
 通常の個別支援計画の内容の見直しにつきましては、6か月に1回の見直しとされているところでございますけれども、施設外支援の要件では1週間ごとに個別支援計画の内容について必要な見直しを行うこととされていますが、内容の見直しというのがほとんど行われていないとの指摘がございます。施設外支援における個別支援計画の見直しに関しては、事務負担軽減の観点から1か月に1回とすることを検討してはどうかということで、検討の方向性を掲げさせていただいております。
 14ページ目に関しては施設外支援の概要でございます。
 15ページ目に関しましては施設外支援における個別支援計画の実態ということで、施設外支援、大体実習ですので1か月、2か月というのが多いかとございますが、その中身の見直しまでしているかどうかというところに関しては、多くが見直しをされておらず、大体4週間目以降での見直しがあるというような状況が見て取れております。
 資料5に関しては以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 ただいまの説明について御質問・御意見をお願いいたします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー これに関しての論点は、私は大体賛成です。ただ、1点確認したかったのが、就労定着支援事業所のところのスケールメリットの話で、実質的には20名以下の事業所が88%というのが資料の7ページに出ていて、そうなってくると、今、この表によると、利用者数の区分が3区分ほど出ているのですけれども、これが原則なくなって、純粋に中身の報酬単位、この単位というところが中心に検討される。その場合、20名以下の事業所が88%以上ですから9割ぐらいという実情を勘案して、報酬の設定を検討していくという理解でよろしいのでしょうか。要するに、この区分はなくなるのか。
○服部障害福祉課長補佐 利用者数のところの区分はなくして定着率のみの報酬設定とすることを検討しております。
○小澤アドバイザー もう1点、それに関連したのですが、その場合に定着率の計算というのは、利用者数の影響というのは、どういう感じであるものなのかを知りたいです。
 以上です。
○服部障害福祉課長補佐 今は影響がないです。あくまで就労定着支援における就労定着率に関しましては、利用契約者を分母に置いて、実際に直近のデータでまだ利用契約しているかどうかというところで見ていきますので、報酬有無の利用者数とか、あまり関係がなくなってきます。あくまで就労定着なので、利用契約を結んでいれば仕事しているという考え方なので、ある時点での利用契約者分の利用契約が続いている者で、定着率は計算をしているという状況でございます。
○小澤アドバイザー 分かりました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明をありがとうございました。
 基本的に御提案には賛成です。私の勤める事業所にもピアスタッフが雇用されて5年間勤務してくれています。これは就労定着支援を使って外部の専門家に手厚く関わっていただけたことも大きかったと思います。この定着支援事業を増やしていくためにも、論点4の実施主体に障害者就業生活支援センターを運営する法人になっていただくことは、ぜひ進めていただきたいと思います。
 また、論点5の就労移行支援事業所との一体的な実施についても、人員不足への対応は、ぜひ推し進めていただきたいところです。
 また、就労系障害福祉サービスに係る横断的事項ですが、論点2の施設外就労に関する実績報告書の提出義務の廃止や、論点4にある施設外支援に関する事務処理の簡素化、このような事務処理の簡素化については、地方公共団体もそうだと思いますが、事業所では事務量の多さは大変大きな負担になっておりますので、このように適正に事務負担が軽減できるものについては、ほかのサービスも含めてどんどん行っていただけると大変助かります。よろしくお願いします。
○伊藤障害福祉課長 続いて、佐藤アドバイザー、お願いします。
○佐藤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 まず、資料4のほうです。この就労定着支援なのですが、関係団体のヒアリング等を伺っておりますと、一般就労6か月後から3年間という、この制度の立てつけと対象者の限定というものが問題とされているのですが、それらについての御検討はなされたのでしょうかという質問が1点です。
 それから、資料5における論点3ですが、基礎研修から基礎的研修への変更ということですが、今までは基礎研修を受講することで加算が得られたということが、今後は経過措置があるにしても、基礎的研修を必須とするということは、受講をしていない場合に減算されることになるかと思いますが、加算のやり方で継続することができないのでしょうか。
 2つの点をよろしくお願いいたします。
○服部障害福祉課長補佐 まず、就労定着支援に関しまして、現在、一般就労後に関して6か月を経てから就労定着を実施するという形になっておりますけれども、こちらはもともと就労移行支援事業所であれば6か月の義務規定が入っておりまして、そこの6か月の義務規定を含めた基本報酬の設定にしておりますし、あと、A型・B型に関しても基準上は努力義務規定を入れさせていただいております。このため、6か月間はなじみの関係での支援をするということが原則でございます。ですので、これがしっかりとできていないところに関しては、本来であれば自治体の指導をしていくべきようなところでございますので、そこはしっかりともう1回周知徹底をしたいと思います。
 また、対象者の限定は、この就労定着支援創設のときにもよく議論していたところでございます。企業の方々からのお話ですと、もともと就労系でなじみの関係でしっかりと携わっていただいていた職員さんが引き続き就職した後も、支援していただくことが定着には効果があるというお話もありますので、まず、就労定着支援は障害福祉サービスより支援度合いが高い方、就労系サービスを使わなくてはいけないような方、そういった方々に限定して利用しているということに関しては、引き続きこの形での利用の仕方という形で考えております。障害者就業・生活支援センターは、それ以外の方々を支援いただいていると認識をしております。
 また、基礎研修と基礎的研修ですが、基礎研修に関しましては、今までは必須ではなく受講し研修修了した場合、加算がつきます。令和7年度からは基礎的研修に関しては就労支援員と定着支援員が必須という形になるので、加算で対応するか減算で対応するかというところまでは、これから少し検討をいたします。必須の研修なので、加算ということは難しいと考えておりますが、どのような対応をするかというのは引き続き検討したいと思います。
○佐藤アドバイザー 分かりました。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー 丁寧な御説明をありがとうございました。方向について賛成しております。
 ただ、資料4の中で私が理解不十分な点が1点ありますので、教えていただければと思います。資料4につきましては、定着支援事業が少ないということで、今回、様々な工夫をされてらっしゃるということかなと思います。その一つに、論点4のところは実施主体ということで、障害者就業生活支援センター事業を行う者も追加することを検討してはどうかということで、本業の運営に支障が出ないように配慮するということなので、私も結構な方向なのかなと思っております。
 このことと、論点5の15ページの一体的な実施についてというところを見ますと、この就労支援事業に従事している場合に、勤務時間を弾力的に運用するというか、有利に運用するというような内容かなと思ったところです。その話と先ほどの論点4のセンターのほうも同じように業務が増える部分というか、そういうところがあるので、それに従事する人に対して、労働時間についての弾力的な運用が必要ないのかなというところが疑問に思ったところです。実際のお仕事の内容について理解不十分な中での疑問ではありますけれども、センターのほうのお仕事も活発化するためには、もしかしたら、同じような措置が必要なのかなと感じたのでお尋ねいたしました。
○服部障害福祉課長補佐 御質問ありがとうございました。
 この就労定着支援の論点5のところの弾力的な人の運用に関して、今、基準では認められているところに関して実際に勤務時間に換算するということをやりたいと、それで、新たに人を配置しなくても認めることをお示しさせていただきました。ただ、障害者就業・生活支援センターですと、今いる人員に関しては、例えば生活面だったら生活支援を行う職員、あと、就業面だったら就業支援を行う職員で、それぞれ少し補助金とか委託費で措置しているという状況ですので、そこは障害福祉サービスとの一体的な運営とは違った観点で考えなくてはいけないと思いますので、弾力的な運営ができるかというと、なかなか難しいのではないかと考えております。
 以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 丁寧な説明をありがとうございました。私からは2点お伺いします。
 まず、就労定着支援ですが、先ほどの提案と一緒で、一人一人が丁寧に就労に定着していただくための会議になりますので、サービス管理責任者が何回かに1回はきちんと入っていただくような形で対応をお願いできたらなと考えています。
 もう一つは、基礎的研修ですが、障害者が継続的に就労していくためには、障害者を雇用する側の受入体制をきちんと支援していくことが重要だと思いますので、基礎的研修に入っておりますプログラムの内容については、雇用する主側にもしっかり理解していただくことが重要だと思います。この辺をしっかり理解したうえで福祉事業所の職員と調整して、障害特性に応じた雇用をしていただくというところを丁寧にできるようにしていくことが重要かだと思っております。
 この研修を受けやすくする、例えばこれは900分なので2日間ぐらいだと思うのですけれども、受けたいと思ったときに、オンラインも含めて比較的気軽に受けられるような日程の設定、受講料もあまり高いと後回しにしてしまうことがないよう、研修の実施方法についても御配慮いただき、より多くの支援者に受講していただくようお願いしたいと思い、意見をさせていただきました。
 以上です。
○服部障害福祉課長補佐 ありがとうございました。
 就労定着に関しての論点2の定着支援連携促進加算の見直しについては、こちらもサービス管理責任者の関与に関しては御意見を踏まえて検討したいと思います。
○西澤障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の西澤と申します。
 基礎的研修の件で御指摘をいただいていまして、こちらは今、JEEDの地域センターを中心に実施しようというところで準備をしていまして、御指摘いただいたような点も踏まえながら、できるだけ多くの方に受けていただくように検討を進めています。JEEDの研修は基本的に無料です。また、JEED以外でもジョブコーチの研修を実施している民間団体も担い手として想定していますので、そういったところを踏まえてやっていきたいと思います。
 あと、事業主の理解というところで、例えば地域センターでも事業主支援を強化していますし、ハローワークといった機関も含めてやっていきたいと思っています。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 そのほかいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、資料4、5については以上といたします。ありがとうございました。
 最後に、全体を通して何か御質問・御意見等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
 それでは、本日も様々な御意見をいただき、感謝を申し上げます。
 本日お示しした論点、検討の方向性については、大筋で大きな御異論はなかったものと思いますが、幾つか御指摘もいただいたと承知しております。今後、本日の検討の方向性と、いただいた御指摘を踏まえて、引き続き検討してまいりたいと考えています。
 本日予定している議事は以上となります。
 次回の検討チームは10月18日を予定しておりますので、よろしくお願いします。
 本日はこれで閉会いたします。お忙しいところを御参集いただき、ありがとうございました。