第9回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会(議事録)

日時

令和5年9月20日(水)14:00~16:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省職業安定局第1会議室)

議事

○小森地域就労支援室室長補佐 お待たせいたしました。それでは、時間となりましたので、ただいまから「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会第9回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきましてありがとうございます。
本日の作業部会は、いつもどおり、こちらの会場とZoomを使ったオンラインで開催をいたします。開催に当たりまして、簡単ではございますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明させていただきます。作業部会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、主査の許可があった後にマイクをオンにしていただき、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点から、お名前を名乗ってから御発言をお願いいたします。会議進行中にトラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡をお願いいたします。通信遮断等が生じた場合につきましては、一時休憩をさせていただくこともございますので、御容赦のほうをお願いいたします。なお、本作業部会につきましては、御希望の方に傍聴いただいておりますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。
本日、景山構成員につきましては、御欠席となっておりますので、お知らせをいたします。
さて、議事に先立ちまして、事務局であります障害者雇用対策課に人事異動がありましたので、御紹介をいたします。まず、障害者雇用対策課長の西澤です。地域就労支援室長の倉永です。以上、よろしくお願いいたします。
続いて、資料の確認となります。本日の資料は、議事次第と資料1、2、また参考資料1~3までを御用意しております。
それでは、議事に入らせていただきます。以後の進行は、小川主査にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○小川主査 大妻女子大学の小川です。本日もよろしくお願いいたします。本日の議題は、議題(1)上級JC研修のあり方について、(2)今後のJCの育成・確保について、(3)その他となっております。それでは、議題(1)について、事務局から御説明をお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。それでは、議題(1)につきまして、資料1と参考資料1を使って御説明いたします。資料1を御覧ください。議題(1)については、上級JC研修のあり方ということで、これまで中間とりまとめにおいて、上級JCの人材像、また、その業務の内容につきまして一旦整理を頂いたかと思います。その上級JCの人材像や業務を踏まえて、上級JC研修の受講要件、その研修の内容についてどのように設定するかについて、皆様から御意見を頂きたいと考えております。
資料1ですが、今回3つの論点を御用意しております。まず1つ目が、上級JC研修で実施すべき内容です。1つ目の○です。上級JCの人材像や業務として想定する内容を踏まえて、上級JC研修におけるモデルカリキュラムの研修科目をどのように設定するのかについて、御意見を頂きたいと思います。具体的には、研修科目の中身はもちろんのこと、その実施形態、講義とするのか、演習、事例研究、企業に出向いて実習等を行うのか、そういった科目内容に適した実施形態につきましても、併せて御意見を頂戴できればと思います。また、全体の各科目の設定時間はもとより、全体の研修時間のボリューム感をどのように考えるのかについても、皆様から御意見を頂きたいと考えております。また、それぞれの科目に応じた講師要件等の設定も、併せて御意見を頂ければと考えております。
この上級JCの人材像や業務につきましては、参考資料1を御覧いただければと思います。こちらは、中間とりまとめにおいて一旦整理をされたところです。真ん中より下に人材像ということで整理をしております。JCとしての豊富な経験、高度なスキルをいかして、アセスメントを通じてジョブコーチ支援計画策定(プランニング)ができるということ。2つ目として、特定の企業や特定の障害者を前提とした支援ではなく、マッチング前からの雇入れ支援を含む一般的な相談支援や、障害者雇用の経験が少ない企業への雇用管理等を含む介入度の高い支援が可能となるよう、企業に対する障害者雇用に係る豊富な相談実績があり、また、企業の経営マインドや労務管理実務にも一定精通しているということ。3点目として、地域における障害者の就労に係る支援能力向上のため、ほかの機関のJCや、企業内、企業グループ全体、その他関連企業といった所のほかのJCに対して、相談・助言に係る豊富な経験を有して、ほかのJCに対してスーパーバイズやJC支援のコーディネートを行うことができること。こういった3つのような人材像をまずは設定させていただいていたかと思います。
続いて、参考資料1の2ページを御覧ください。上級JCの業務の範囲について整理しております。現在、JCは訪問型と企業在籍型にそれぞれ分かれております。上級JCの研修や人材像については、1本で整理をしておりますが、実際は、訪問型であれば社会福祉法人等で雇われて、各企業に派遣されて支援を行っていまして、企業在籍型は自ら雇用されている企業の障害者に対して支援を行っています。それぞれ活躍の場が異なることを原因として、それぞれ業務はおのずから異なっているということになりますので、業務としては別々で一旦整理しております。
訪問型に関しては、困難事例への支援、当該支援結果の事例研究を通じた他のJCや支援者へのノウハウの共有、支援手法に関する指導。企業や障害者へのマッチング前からの一般的な雇用前支援、また、雇入れ後の職場定着までの一貫した支援。ほかの機関への支援のコーディネートを通じた、JCを中心とした周辺地域の支援ネットワーク形成。助成金を活用したペア支援やケース会議等といった機会を通じた地域のJCへのスーパーバイズや助言。
企業在籍型は、企業内のJC、企業内に限らず親会社であったり関連会社のグループ内のほかの企業のJC、人事担当者への支援に係るノウハウの共有、支援手法に関する指導などを想定しています。また、雇入れ前の職場実習等の雇用前支援から、職場定着までの一貫した支援。ほかの機関とのコーディネートを通じた、地域の資源活用のためのネットワーク形成。企業内のほかのJCや人事担当者等に対する障害者の労務管理等を含む相談・助言、事業内容への障害者雇用の効果的な組込みなど、企業全体の障害者雇用の推進。こういった業務を想定しておりますので、一旦整理をしております。
こういった人材像やその業務の範囲を踏まえて、研修内容等について御意見を頂ければと思います。
それでは、資料1にお戻りください。上級JC研修で実施すべき内容です。2つ目の○です。上級JCについて、障害者の雇用を支える高度な人材として求められるスキルは統一であると考えられるため、研修の構成については、訪問型・企業在籍型に分類せず実施することとしてはどうかという提案をしております。
2つ目の論点として、この上級JCの受講要件についてどのように考えるかです。受講要件として、JC養成研修修了後の一定の実務経験を課すことは考えられますが、その「一定の実務経験」をどのように設定するかについて御意見を頂ければと思います。例えば、職場適応援助者助成金の活用実績に限らず、その他の障害者支援、就労支援に関する実績も入れるのか、また、もう少し幅広い実績も入れるのかといった点に関して、皆様の御意見を頂ければと思います。この一定の実務経験以外に、受講要件としてほかにふさわしいものがあるかどうかといった点に関しても、自由に御意見をお願いできればと思います。
3点目としましては、上級JC研修の実施主体として論点を挙げております。JEED、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のほか、JC育成にノウハウや実績のある厚生労働大臣指定のJC養成機関のうち、実施体制等について一定の要件を満たす機関を実施主体としてはどうかということで提案をしております。
以上、3つの論点について議論をお願したいと考えております。私からの説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございます。議題1は、「上級JC研修の在り方について」という大きなテーマですけれども、今、御説明いただきましたように、研修で実施すべき内容、受講要件、それから実施主体の3つの論点がありますので、順番に議論していきたいと思います。これについては、よろしいでしょうか。
それでは、まず上級JC研修で実施すべき内容について、今、御説明いただきましたように、中間とりまとめで参考資料1のように資料を示してありますように、上級JCの人材像、あるいは業務内容における各要素、このようなとりまとめをしております。これを踏まえて、どのような内容を実施するのか、御意見を賜りたいと思っております。
それでは、議論に入ってまいりますが、御質問や御意見がありましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、いつものように指名させていただいた後に、お名前を名乗っていただくようにお願いいたします。いかがでしょうか。青野構成員、お願いいたします。
○青野構成員 青野です。よろしくお願いいたします。ごめんなさい、今カリキュラムの話でよかったですか。
○小川主査 資料1の上級JC研修で実施すべき内容ですので、カリキュラムも含まれておりますよ。
○青野構成員 よろしいですね。
○小川主査 はい、大丈夫です。
○青野構成員 失礼いたしました。すみません。発言してよいか少し悩んでしまいました。
○小川主査 大丈夫です。
○青野構成員 ありがとうございます。このカリキュラムの内容や、どのような形で実施するかというところで、私がお願いできないかなと思ったのが、例えば基礎的研修は5日間で集中的に開催がされると思うのですけれども、この上級JCに対する研修については、年間を通して、あるいは何年間で何単位以上を修めることというような、継続的な研修の機会というのを御提供いただくのはいかがかと思いました。それは少ない時間でということではなくて、こういったものは知識であったりスキルを継続して鍛練していく必要があるのではないかと思い、そのようなことを1つ御提案できないかと考えて、挙手させていただきました。
○小川主査 ありがとうございます。実施形態で、集中型ではなく分散型もあり得るのではないかと、むしろ、そのほうが学習効果が上がるのではないかという御指摘を頂きました。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 質問というか、少し確認なのですが、求められるスキルが統一というようにこの資料の中では書かれています。研修の構成を考えるときに、訪問型・企業在籍型に分類せずに実施することについては特に異論はないのですけれども、この求められるスキルが統一かどうかということに関して、もう少し細かく、シラバスも含めてなのですが、確認をしたいというように思っています。
というのも、訪問型に関しては、養成研修を修了した後に、就労支援機関の側として活動していった方たちが中心になりますので、これが、企業側、企業在籍型側に立った上で、上級研修として必要なスキルを学ばせるというところに至るのかどうかというのが、私のほうでは少し心配になったところになります。この辺の求められるスキルが統一であるというところについて、もう少し詳しく御説明いただけると有り難いというように思っています。よろしくお願いします。
○小川主査 これについては、何かコメントはございますか。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。ここで「統一」というように表現させていただいたのは、現在、JC養成研修は、訪問型と企業在籍型それぞれで研修を実施させていただいて、それぞれの活躍の場は、企業であったり、若しくは社会福祉法人に雇用されて、ほかの機関に派遣される訪問型JCということで、働く場は異なるため、それぞれ経験していく内容は異なるかと思います。いずれは、この作業部会のテーマでもあります、今後、検討していく内容ではありますけれども、資格化というようなことも議論の対象になってくるかと思うのですけれども、もし、いずれそういった資格化を目指すのであれば、やはり人材像であったりスキルというのは統一的に扱っていくといった形で、人材として高度な人材、専門人材として育成していく必要があるというように考えるため、この「統一」というような表現を使っております。
○小川主査 若尾構成員、よろしいですか。
○若尾構成員 ありがとうございます。研修のカリキュラムを考えていくときに、今、御説明いただいたような視点というのは、よく理解ができたのですけれども、例えば、訪問型の側と言えばいいのですか、訪問型の経験を積んできた方たちが上級職を目指すときのカリキュラムと、それから企業在籍型としての経験を積まれてきた方たちの上級というように考えたときに、何か選択科目であるとか、何かその辺の余地というのはあるのですか。全部これは統一して、同じものを研修として考えていくということになるのでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。正にそういった点も御提案いただきたいというように考えております。やはりそれぞれ活躍の場は異なってきたということで、これまで培ってきた経験や知識も異なっている場合もありますので、そういった今の養成研修でも、それぞれ別科目、訪問型と企業在籍型で別科目で設定されているものもありますので、こういった形で、それぞれ別科目で実施してはどうかということで御提案いただくこともよろしいかと考えておりますので、是非その点も御意見を頂ければと思います。以上です。
○若尾構成員 ありがとうございます。
○小川主査 参考資料1の裏の所に、訪問型JCと企業在籍型JCの主な業務での違いというのも、このように明確には整理されていますけれども、これまでの議論の中で、企業在籍型もかなり訪問型に必要なスキルを身に付ける必要性も出てきていますし、また、その逆もあり得るというところは確認されておりますので、カリキュラムとして選択にする、あるいはシラバス上に若干、両方の視点を盛り込むなどといったことを、これから議論していけばよろしいのかなというように思います。ただ「統一」というのが非常に全部同じだという意味ではないということについては、ここで確認をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。それでは井口構成員、お願いします。
○井口構成員 JEED、障害者職業総合センターの井口です。事業所実習について意見を申し上げたいと思います。養成研修でも事業所実習がありますので、上級JC研修でも事業所実習が必要かどうかというのは、意見がもしかしたら分かれるところかもしれませんが、もしやるのであれば、特に中小企業に対する実習をやってみてはどうかというように考えています。
参考資料1にもありますように、上級JCの業務の中で、特に雇用前支援から雇入れ後の支援までの一貫した伴走支援に、私は期待をしたいと考えております。このような支援というのは、やはりどちらかと言うと、大企業ではなくて、仕事のマッチングや社内の支援にいろいろ制約が出る中小企業、取り分け、障害者雇用ゼロ企業に対する支援について、上級JCが一定の役割を果たすということを、是非、期待したいと考えております。こういう観点から、事業所実習をやるのであれば、障害者雇用に取り組んでいる中小企業で学ぶというのも1つの考えではないかと思っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございました。実習については、本当に幾つか議論が必要な点なのかなというように私も考えております。後で、実習について、そのほか御意見がございましたら、お願いいたします。木村構成員、お願いします。
○木村構成員 木村です。今のJEEDの井口さんの話で、私も少し実習というところに引っ掛かったのですけれども、やはり都会ではない田舎だと、大企業がなかったり、特例子会社さんだったりとかがなかったりする状況もありますので、より地域性も大事にしながら実習をどういうふうに位置付けしていくかというところなども、是非、検討していただけるといいかというように思いました。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。もし関連で実習に関して御意見がありましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 現行の職場適応援助者養成研修を実施している中で、この実習の取扱いについて、恐らくなのですが、民間の実施団体、それからJEEDのほうで実施している実習の進め方と、どこからどこが統一していて、どこからどこが統一していないのかというところも、実際私が養成研修を実施していて、なかなかそこが把握できていないことも多々あるのですが、この辺のシラバスを作っていくときに、一定の実習の要件というのですか、こういうのを決めていっていただくとよろしいのではないかというように思っています。例えば私どもの所でやっている実習というのが、1企業に対してお願いする実習生の数というのをかなり絞ってお願いをしている経過があります。
1社につき2、3名というのを上限にして、かなり濃密に企業の担当者の方と受講生の間でやり取りしていただく、6、7時間という時間を確保しているのですけれども、数が上がってくると、やはり企業に依頼する、確保する数自体がかなり困難になってくるような状況も今ありますので、養成研修にプラスこの上級JCの研修というのが導入されるようであれば、この実施のプロセスみたいなものも、民間と国の機関とで、ある程度、統一した中で進められるとよろしいのではないかというように感じているところです。1つの意見として伝えさせていただきました。ありがとうございます。
○小川主査 ありがとうございました。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。実習についてなのですが、実習の目的を明確にしていただくのも1つ重要なのではないかなと思います。なぜならば、基礎的研修のところは経験のない方も参加をして受講するという整理なのだと思うのですが、上級と言う以上、既に御経験があって、フィールドをお持ちの方が参加してくるということを考えると、基礎的研修に該当する実習とは少し意味合いが異なってくるのかなと思いまして、コメントさせていただきます。
○小川主査 ありがとうございます。実習の目的の辺り、何かJEEDのほうでありませんか。ありがとうございます。井口さんでしょうか。御発言をお願いします。
○市川構成員 市川です。
○小川主査 市川さん、御発言をお願いします。
○市川構成員 先ほど若尾構成員のほうから、実習のプログラム、プロセスを統一することが重要というお話がありましたけれども、コロナのときに、どの研修機関も実習先の開拓がとても困難だったと思われますし、受入れの人数についても、理想的な人数とは違った人数をお願いせざるを得ないような場合もあったと思います。やはり、そういう実習の受入れの日数、時間のことや、適切な人数などということも共通化したほうがいいということも思うのですが、もう1つ、首都圏や近畿圏ですと、大臣指定の研修機関、それからJEEDともに、同じエリアで同じような事業所に実習をお願いする可能性もあるわけなので、実習機関についても、地域で情報を研修機関同士で共有できるようなシステムがあったほうがいいのではないかと思います。それは、事業所への負担感を減らすという意味合いもそうですし、お互いにどういう事業所であれば研修、実習を受け入れていただけるのかということを知っておくというのも、非常に重要なのではないかと考えています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。少し実習に関連して私も意見を述べさせていただきますけれども、やはり実習の目的というのが、もし基礎的研修と通常の養成研修とこの上級JC養成研修をやるのであったら、違ってくるのではないか。基礎的研修と通常の養成研修では、やはり障害者雇用の現場を知るということや、雇用管理体制の実際を知るという辺りが主題になるかなと思いますが、上級JC研修の場合には、スーパーバイズや問題解決が重要になってきますので、実習と言っても、かなり具体的な事例に関する実習が必要なのかと。そうすると、実習という形で事業所を確保して、適正な人員バランスで行うのもなかなか難しいのかもしれないというように思います。
むしろ、演習と事例研究、こういったことのウェイトを高くして、スーパービジョン、具体的なことについて言語化をとにかくして助言できるようにする、あるいは、問題解決の道筋を言語化して表現できるようにして、共に考えるというようなことを繰り返すというところに、私は時間を置くのはどうかというように思います。また、それについてレポート化するというようなことも、ほかの国家資格等の養成では行えているようですので、その辺も参考にしながら、この実習については必要性、もし行わないのであれば、代替的にどのような内容が必要なのかということについて、継続議論していくことも必要なのかなというように感じました。
それでは、実習から少し離れても結構ですので、全体的な内容等について御意見がありましたら、お願いいたします。全体的なボリュームなどについては、皆さん、どのようなイメージをお持ちでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 この上級JC研修の全体のボリュームですが、基礎でやっている通常の職場適応援助者養成研修が、今、実習の科目で42時間以上と設定されていると思います。これを踏襲した形で更に上の部分についてをやるということであれば、この42時間よりは短くしてもいいのではないかとは思っています。ただ、その内容によってになるかとは思いますので、内容をどうするかも含めてこの時間数ということなのだと思いますので、42時間以下ではいいのではないかと思っています。個人的には3日ぐらいのボリューム感ではどうかとも考えています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。青野構成員、どうぞ。
○青野構成員 青野です。私は、近接領域の資格の研修制度を参考にすればいいのかなと思っております。時間について具体的に申し上げられないのですが、例えば臨床心理士だと、「5年間で15単位以上を修めること」、「15ポイント以上を修めること」というような規定があります。2ポイント取得するに当たり6時間が必要になってきますので、そうすると、7.5×6なので45時間ぐらいを5年間で修めたりするわけです。
上級JCを定義するときに、臨床心理士は資格を維持するための研修なので、比較的緩やかなポイントになっていると思うのですが、例えば上級JCを新設で作りたいといったときに、今後2年間で何単位を修めていただいた方を上級と認めますという作り方をしていただいて、2年については、少し短いスパンで何十時間というカリキュラムを学習していただく。認定された後は、年単位で継続して知識をアップデートしていくとか、社会状況やトレンドに対応していくようなインプットができる機会を継続して設けるような構成ができると理想的なのかなと思い、御提案でございます。
○小川主査 ありがとうございます。今の青野構成員の御意見の中に、通常の養成研修から上級JC研修に至るまでの受講要件のようなことで、今は例えばスキルアップ研修などがありますが、そういった研修をある程度受けて、それで上級JC研修を数時間、数十時間受けて、更にそれを更新するというような、そんな3つぐらいの要素が含まれていると理解してよろしいでしょうか。すみません、もう一度、確認したいと思いますが。
○青野構成員 青野です。ありがとうございます。幾つかの要素を含んでしまったかと思いますが、例えば、心理士だけではなく、精神科医の精神保健指定医制度ですとか、いろいろなそういった認定制度があり、そういった仕組みを参考に作ると、階層に分けて、そして、期間や年次に分けて対応することも考えられるのではないかと思っての発言でした。
○小川主査 分かりました。ありがとうございます。今日のこの論点の例示の中には含まれていませんが、1つは受講要件に含まれるかもしれませんね。それから、研修時間、更新の仕組みが必要なのかどうなのかということ。それから、これは私のほうで今日付け加えたらどうかと思っていたのですが、効果測定というか、上級研修、現在の養成研修のように研修を修了すればいいのか、それとも、最終的に何らかの試験のような形が必要なのか、そこも最終的には確認した上で、議論した上で形を作っていく必要があると思いました。この辺は次回までに少し整理をするということで、いかがでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 はい、分かりました。
○小川主査 ありがとうございます。全体の時間については、若尾構成員から3日間ぐらいでよいかもしれないという御意見もありましたが、若尾構成員、この3日間というのは何か理由はありますか。
○若尾構成員 1つは、職場適応援助者養成研修を受けている人たちになるので、この科目をそのまま踏襲して同じような時間数をやる必要はないのではないかということ。あとは、多分、この後の議論になると思うのですが、受講要件の中の一定の実務経験をどのように捉えるかによって、この時間数については削減してもいいのではないかと思っています。とにかく研修が世に氾濫しすぎているところもあり、この時間数をバンバン増やしていく、1つ1つの時間数を上げていってしまうと、これは論点が変わってきてしまうのですが、例えばJCの利活用につなげるためのJCそのものの数を増やしていく話であるとか、そのようなところにつながりにくいと感じているところもあったので、単純にそのような意味では、上級JCのところはもう少し濃密な内容にしていって時間数を減らす、一定の実務要件のところにしっかりハードルを付けていくことがいいのではないかと思ったところなので、この時間数の削減を提案させていただきました。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。分かりました。そのほか、御意見はいかがでしょうか。JEED、お願いします。
○市川構成員 市川です。研修のボリューム感、時間のことですが、ある程度の経験を積んでいて実力もある方が対象者だということになると思いますので、本当に上級JC研修として求められるカリキュラム、プログラムを積んで時間数が出てくるものだと思うのです。ですから、最初に何時間ぐらいが必要であるというよりは、必要なプログラムは何なのか、それぞれのプログラムにどのぐらいの時間を想定するのか、それで、足し合わせたものがボリューム感になると。そのような考え方になるのではないかと思っています。なので、本当に必要なプログラムを実施する時間であればいいと思っているので、そんなに養成研修と同様の時間数が必要だとは思っていません。
○小川主査 ありがとうございました。基本的には、まずはカリキュラムの検討が重要で、ただ、一概に養成研修よりも上級だからもっとたくさんやる必要があるということではないという御意見だと思います。そのほかいかがでしょうか。あと、講師要件等も御議論いただきたい内容に例示でありますので、もし何かありましたらお願いいたします。國﨑構成員、お願いします。
○國﨑構成員 國﨑です。今、小川主査がおっしゃったところではないのですが、今回の業務の範囲で、訪問型、企業在籍型ということで御提示いただいているのですが、上級JC研修としては、ここにかなりターゲットを当てた部分で、やはり役割は違うと思っていますので、先ほどの実習うんぬんのところだと、どちらかと言うとスーパーバイズするための、それが企業実習ではなくても、例えば何か地域とのやり取りみたいなことも可能であればやれたらいいかなと、個人的には思っているところです。
時間的なところでは、先ほど濃密にというお話がありましたので、濃密にする中で、研修自体の統一というところでは、座学の部分は統一でいいと思っているのですが、やはり、実習というか演習の部分に関しては、少し役割が違う部分は考慮していただき、この上級JC研修を受けたことで、この役割、目的に到達するスキルがより一層伸びるような仕組み作りをしていただきたいと思っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。國﨑構成員、1つだけ、地域とのやり取りというように内容について御発言いただきましたが、例えばどのような内容を想定されているのか、もう少し補足していただけると有り難いのですが。
○國﨑構成員 國﨑です。すぐにパッと描けないというのが、実際に、今、私自身は訪問型で地域で活動しておりますが、地域連携はとても大事だと思っており、その中で、なかぽつセンターとのやり取り、要は、困難事例を中心として、なかぽつセンターだとか、ほかに関わる関係機関とのやり取りの中、その中身自体とそのやり取りをしていくために、スーパーバイズという視点のときに、どのような視点で私たちの上級JCたる経験の情報を伝えていったらいいかが、まだ私の中でもぼんやりとしております。各地域で既にスーパーバイズされていらっしゃるような方も、多分、この上級研修に上がってこられると思いますので、地域性もありますが、より良く地域情報が効率的に伝わりつつ、また、このスーパーバイズが上手く効果を表すようなこと、イメージだけですが、そういったものに実習というか演習として取り組んでいただけたらと思っております。
○小川主査 よく分かりました。ありがとうございます。若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 講師の要件のところで一言意見を言わせていただきたいと思います。基本的には、もともとの大臣指定の養成研修の実施に係る要件の内容を踏襲するでいいのではないかと思いますが、1点、もし付け加えられるのだとすると、参考資料1の人材像の中のポツの2つ目に、「特定の企業、特定の障害者を前提とした支援ではなく、マッチング前からの雇入れ支援を含む一般的な相談支援や障害者雇用の経験が少ない企業への雇用管理等を含む介入度の高い支援が可能となるよう、企業に対する障害者雇用に係る豊富な相談実績があり、企業の経営マインド、労務管理実務等にも一定精通している」ということが、人材像として書かれているわけですので、このようなところに該当する方については、何かしら、この講師の要件の中に含めていただいてもよろしいのではないかと考えているところです。以上です。
○小川主査 講師要件についてありがとうございました。この最初の論点については、そろそろ時間で区切りたいと思いますが、そのほかいかがでしょうか。それでは、私から発言させていただきます。全体の時間数ですが、基本的に、先ほど市川構成員から御発言がありましたように、まずはカリキュラムをベースに考える。ただ、闇雲に時間数が多ければいいということではありませんので、集中型なのか、分散型なのか。これもこの後、議論されるとは思いますが、仮に集中型で行った場合、やはり現職の方たちが対象になりますので、1週間以内に収まり、かつ、月曜日から金曜日ぐらいまでに最長でも収まるようなプログラムが望ましいのではないか。これは、やはり運営のあり方のニーズと運営の仕方の観点での発言になります。
それから、かなり養成研修で扱われた基礎的な講義科目についても、例えば制度の問題にしても、養成研修で扱われる制度についての基礎知識と、実際の雇用ニーズに合わせて「こういった制度が使える」と提案していったりする技術では、全く内容が異なってきて、演習をベースに、そうした制度についても事例で演習をして、助言、相談方法を身に付けることも上級JCの場合には必要なのではないかというイメージを持っていますので、私は3日間よりももう少しボリュームが必要というイメージを持っております。
それでは、次に受講要件についてディスカッションしていきたいと思います。受講要件についていかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 実務経験のところで確認をさせてください。この実務経験の「実務」というのは、どういった内容の範囲を実務と捉えているのかについて、共有したいと思っているのですが、いかがでしょうか。
○小川主査 これは厚生労働省からお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。今回、この実務経験として提案していただいた意図ですが、まず、職場適応援助者助成金の活用実績を我々は想定はしています。ただ、それだけにしてしまうと、今、助成金活用実績がそれほどない中、こういった上級JCとして育成していくには、なかなか裾野が広がって行かないのではないかという問題意識もありますので、もし、その他のこういった実務経験も入れるべきではないかというようなアイディア、御意見があれば、この場でお聞かせいただければと考えております。
○小川主査 若尾構成員、よろしいですか。
○若尾構成員 ありがとうございます。
○小川主査 その辺を前提に、皆さんに御発言いただければ有り難いと思います。國﨑構成員、お願いします。
○國﨑構成員 國﨑です。この実務要件のところはとても大事だと思っています。私どものエリアや日頃から連携させていただいている他機関、逆に私がいろいろと相談させていただいている方などは、実際の現場で訪問型の援助を今はやっていらっしゃる状況ではないのですが、過去にやっていらっしゃったり、当然、養成研修も受講されています。最終的には地域に本当に必要な人数の配置がというように思いますので、例えば、訪問型の助成金の活用をしている職員のいらっしゃる法人で、そのマネジメントというか、そのケースに対して助言等を実際にされていらっしゃる、現状、直近の中でずっとされていらっしゃる方も、是非、含めていただきたいと思っております。以上です。
○小川主査 助成金を活用している人がいる組織というのが1つの条件でしょうか。
○國﨑構成員 もちろん、その対象となるマネジメント、役割の方も、まず養成研修を受けておいていただくことは大事かなと思っています、この助成金の活用という制度設計のところ。かつ、その方の法人の中に助成金活用で動いている人材がいらっしゃるというところで対応されていらっしゃる方と思っております。
○小川主査 分かりました。助成金を受けて活動している人をコアにしながらということですね。分かりました。ほかはいかがでしょうか。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。受講要件のうちの実務経験というところは、整理が必要としても異論はないのですけれども、私は一方の「JC養成研修修了後の」というところが逆に気になっております。上級JCですとか、こういった専門家の人材の整備をしていくに当たって、近接領域の社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師等を巻き込んでいくということは、一定の御同意を頂けている部分もあるのかなと思っている中で申し上げますと、これまでの近接領域の資格を有している方は、基礎的研修の5日間、6日間よりもずっと勉強してきているのですね。JCの研修の成り立ちのところを振り返っていただけると、実態は分からないのですが、振り返っていただけると、もしかして、こういった専門家の方々、諸先輩方が、当初、講師に立って、この研修は成り立ってきたのではないかなと思うと、こういった有資格者の中には、この6日間の研修を受けなくても、素養ある方々がいると思っています。なので、こういった近接領域の資格を持っていて、かつ、その実務経験で障害のある方の就労支援に当たった実績がある方というのは、どうか上級のJCに参画いただければよろしいのではないかと、個人的には思う次第でございます。
もし、そうした場合に、そうすると上級JCのカリキュラムにも影響があるのかなとは思うのですけれども、ちょっとそんな意見もいかがでしょうかと思い、一応言わせていただきました。
○小川主査 「養成研修修了」をまず第一の要件にはしないという御提案で、その場合に条件があって、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理士、作業療法士等の国家資格を所持している場合には、その国家資格プラス就労支援に関わる実務経験、これもどんな実務経験なのかというのは別枠で議論になりますが、それプラス実務経験で上級JCに進めるということはどうかということですね。
○青野構成員 左様でございます。ありがとうございます。ほんの一意見でございます。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。確かに、「上級JC養成研修修了」というのを、まず事務局からは提案させていただきました。やはりそういった養成研修、一定の理論を固めた上で、JCとはこういった支援だということをまず理解いただいた上で、一定程度、我々としては実務経験を経ていただくということを想定していたのですけれども、そういった近接領域の専門資格をお持ちの方に関しては、それを除いてはどうかという御意見ということで、取りあえずは承って、今後の検討にも入れていってはどうかと考えております。取りあえず受け止めはさせていただきたいと思います。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 JEED、それではお願いいたします。市川構成員でしょうか。
○市川構成員 市川です。一定の実務経験のところですが、判断する側として、客観的に証明できるものが必要だと思っています。自己申告ということで受講申請されても、ちゃんとそれが証明できるのかどうなのか、その客観的なものが必要だと思っています。そういう助成金の支援実績というのは客観的な証明するものの1つではございますが、もしほかのことがあるのであれば、客観的に証明できる何らかのものを用意していただく、提示するということが必要だと思います。
○小川主査 助成金ですと、非常に時間まで明確になると思うのですけれども、職務経歴書とか、そういった以上のものを、市川構成員は想定されておられますでしょうか。
○市川構成員 そうです。自己申告ではなくて、ちゃんと証明できるものがあったほうがよいと思います。
○小川主査 分かりました。若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 今、助成金の活動に関しては、時間数、日数というものが全て明らかになりますので、これもその表記になると思うのですが、例えば、養成研修を修了した方が、就業・生活支援センターの雇用安定等事業に配置されたということであるとか、それから、都道府県によっては、単独事業で就労支援センターというものを運営している所もあります。養成研修を修了した後に、そういう所に配置されている者もいる。それから、障害福祉のサービスで、事業所であれば、就労移向支援事業所などで就労支援員として配置されている者もいる。これの全部について、どのように一定の実務があるかとなったときに、障害福祉のほうでは、法人が何年何月の何日からこの業務に就いたという履修証明みたいなものを発行することになっているので、こういうものをしっかり提示させるということを条件にしていただいて、養成研修を修了した方たちの裾野の範囲については、厳格に訪問型だったら訪問型の助成金、企業だったら企業在籍型の助成金というように限定しないで、少し幅を広げていただくことができないだろうかと考えています。
大臣指定の養成研修の中では、例えばですけれども、幾つかの項目の講師要件の中に、訪問型の助成金で活動した日数の累積が240日以上というように明記されている所があります。このように、仮にですけれども、JCとして活動した日数を何日とするのであれば、それに該当させるような、例えば市町の就労支援センターの業務については何日以上、就業・生活支援センターの就業支援担当として何日以上というようなことを1つベースに決めて、さらに、その法人がそこに確かに在籍していたということを証明させるというようなものを、一定のその条件の中に入れたらどうかなと考えています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。社会福祉法人やNPO法人等、障害福祉サービス事業に従事している者の経験年数、経験の日数になるのですかね、その辺を証明できる手立てについて、御発言いただきました。ありがとうございます。木村構成員、お願いします。
○木村構成員 木村です。私は助成金にこだわっていいと思っています。やはり、JEEDさんの計画を基に進めてきた実績というところは、自法人だけではなくて、JEEDもしっかり絡んでいただいて、支援の質の担保をしっかりしていくというところの判別になるのかなと思っていました。ある程度、実績というところでは、助成金を活用して、しっかり運営してきたというところに。現場も知らない状況で、資格だけあっても、どこでどういう調整が必要かとか、現場で起きていることにタイムリーに対処できる力があるのかどうかというところも、やはり客観的に見ていかないといけないのではないかなと思いましたので、助成金の実績を踏まえ、あとはJEEDさんの絡みも踏まえ、検討していけるといいのかなと思いました。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。やはり助成金での実績を基本にしたほうがいいという御意見です。ほかはいかがですか。青野構成員、どうぞ。
○青野構成員 青野です。実務経験の助成金の要件なのですけれども、これまでの作業部会の中で、助成金を活用した狭義のJCというのは非常に件数が少ないのではないかという議論があったと思います。なので、助成金の適用を要件にしてしまうと、結構、専門人材の活用として、活用できる幅、裾野が減ってしまうのではないかなと思います。一方で、皆さんがおっしゃられているようなエビデンスは必要だと思うのですが、例えば活動実績ですとか、そういったものの報告書を作成いただいて、どちらかで申請の活動実績の報告の内容をレビューいただいて、承認の可否を決めていくというような方針が取れれば、もう少し裾野が広がるのではないかと思いまして、コメントさせていただきます。
○小川主査 ありがとうございました。そのほかはいかがですか。國﨑構成員、どうぞ。
○國﨑構成員 國﨑です。すみません、言葉足らずのことも多いと思うのですけれども、助成金活用の実績がというように私が申し上げた理由としましては、実際に人材像の所の「アセスメントを通じて、ジョブコーチ支援計画策定」というところで、正にJEEDさんでいうところのカウンセラーの計画をされている、また、ペア支援の中では、そのカウンセラーの計画に基づいて動くというところで、その裾野の広げ方の微妙なところ、すごく難しさと大事さがあると思っています。支援計画は、たくさん事例は持って、「私ども法人としてやっています」と言っても、「計画設定は実は経験したことがありません」と言うと、その辺では少し不足というか、今回求められる人材像、それからスーパーバイズしていく、正にこのJCの活性化というところで言うと、この訪問援助で動くというところは非常に大事にしていただきたいなと思っています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。JEEDも手が挙がっています。井口構成員、お願いします。
○井口構成員 一定の実務経験をどこまでにするかというのは、非常に大事なところだと思うのですが、重要なことは、上級JCが機能すること、実績を上げることだと思うのです。それを考えると、余りにも一定の実務経験を広げすぎると、何か名前だけが欲しくて受講するということにもつながらないかなという危惧を持ちます。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。様々な御意見を頂きました。私もこの件に関して少し発言させていただきますが、第2ワーキングの頃から、JCの資格化ということは議論されております。これは、就労支援の人材の裾野が広がったことに加えて、専門性がなかなか担保されていない部分があり、専門性をより明確にして、階層化していくことが必要なのではないかということで、現在の国が示している基礎的研修、養成研修、それから上級JC、そして資格化等というような階層化が提案されております。
そういったことを考えるときに、本当に裾野をどの程度、上級JCで考えるかということなのですけれども、余りここを狭めてしまうと、本当に上級JCということが成り立たなくなるのではないかということも、もともとの議論の流れから考えると危惧されるところであります。
それから、主任職場定着支援担当者を検討したときに、なかぽつに経験豊富なJCが必要で、なぜなら地域の訪問型JCがなかなか安定化せず、そこに経験が蓄積されないので、なかぽつに経験豊富なJCを置こうと。そして、主任職場定着支援担当者が考えられたのですけれども、やはり訪問型JCの実績を持っている人が地域にいなくて、なかなか主任職場定着支援担当者のなり手が見付からなかったというようなこともあったように記憶します。その辺も考えて、実際に一体何を要件にすると、もともと目指した専門性の階層化ということが成り立つのかということを改めて整理して、議論していくことも必要なのかなと考えました。
それから、資格の件ですけれども、高等教育機関のほうで言いますと、社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、それから作業療法士、この国家資格の育成を行っている所が、厚労省の示す一定の要件を満たした場合に、厚生労働大臣指定を受けて、高等教育機関でJCの養成をできるような仕組みになっております。ただ、この国家資格の養成をしていればということではなくて、それぞれの科目の中に、養成研修の中身に該当する、要はシラバスがあった場合に、それをきちんとひも付けて、そして研修講師の要件もきちんと満たした上で認められるということですので、それぞれの専門性がイコールJCの専門性と認められているわけではないという仕組みであると理解しております。少なくとも国家資格と養成研修の中身、高等教育機関での定義というのは、そうなっているということについては補足をさせていただきました。
それでは、ちょっと時間の都合がありますので、たくさん御意見を頂いて、改めて少し論点整理が必要かなと思いますが、いかがでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 今回、様々それぞれ対立するような意見もあったかと思いますので、まずは皆様方の御意見をまとめさせていただいて、次回の議論を待ちたいと思います。以上でございます。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、少し時間が押しておりますが、続いて実施主体について、御意見をお願いしたいと思います。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 これもちょっと論点の確認になるのですけれども、「実施体制等について一定の要件を満たす機関を」というようになっておりますが、この「一定の要件」というのはどのようにお考えかを、少しお聞かせいただければと思います。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。今の大臣指定、民間の機関を大臣指定機関としてJC養成機関と指定させていただいているのですけれども、その指定イコール上級JCの育成機関となるのかという点に関しては、やはり、一定の実施体制であったり、一定のJC養成機関としての研修の実績、そういったものも含めた形で、上級JC研修を実施する機関として妥当かどうかというところを見る必要があるのではないかと考えております。
○小川主査 若尾構成員、続いてどうぞ。
○若尾構成員 そうすると、実績というのは実施回数という捉え方になるのでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 事務局の小森です。「実施体制等」というように書かせていただいたのですけれども、継続的に、養成研修も含めて上級JCも、それを2つ同時に並行してやっていける体制があるかどうかという実施体制の面と、当然、何年、何回といった客観的な実績も必要になるかと考えておりますので、この点につきましても、皆様から何か指標となる御意見が頂ければと考えております。以上です。
○小川主査 そのほか、何かございますか。JEED、お願いします。
○市川構成員 市川です。現状の大臣指定の養成機関の要件を参考資料2に付けていただいておりますけれども、これの1番目に、実施主体が「法人格を有すること」とあります。私はやはり継続性が一番重要だと思うので、法人格を有するということは外せないと思っております。あと、大臣指定と指定する側の厚生労働省にお願いということになると思うのですが、継続性が本当にずっと維持できればいいのですが、離合集散、解散ということもあり得ると思うのですね。その場合の措置ですが、特に個人情報を有するということになります、研修受講者の受講履歴等の情報ですね。この管理をどうしていくのかというような細かい決め事を、今もあるのかも分かりませんけれども、それをしっかりと作って、継続できるように、個人情報の管理をどうしていくのか。解散したとき、その情報はどこに行くのか、どう扱うのか。これは国としてずっと継続して保持していかなければいけない情報だと思うのですが、それがきちんと管理できるような、そういう仕組み作りが必要だと思っています。以上です。
○小川主査 何かございますか。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。御指摘がありましたように、受講者履歴の管理につきましては、今、各機関のほうにお願いしているところなのですけれども、それを最低限、私どものほうからも、研修実施要領というような形で、各機関のほうには管理をお願いしているところですけれども、それを統一的なデータという形、こういった項目、それぞれの項目、どういった項目でまとめておいてくださいとか、そういった細かなところまで、やはり今後は必要かと考えておりますので、我々も、こういった上級JC研修などの要領を作る上でも、そういったところも含めて、併せて整理していきたいと考えております。御意見どうもありがとうございました。
○小川主査 そのほかはよろしいでしょうか。それでは、このぐらいでよろしいですかね。今日は様々な御意見を頂きましたので、一定の結論に至っていない部分が多いですけれども、また次回に向けて整理をしていきたいと思います。
続いて、議題(2)今後のJCの育成・確保について、事務局から御説明をお願いします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。議題(2)につきましては、資料2、参考資料2、参考資料3を使いながら御説明をさせていただきたいと思います。資料2ですが、主に論点を2つ提示しています。(1)としてJC養成研修機関のあり方についてです。今、JC養成研修のほうですが、年間、一定程度、各機関において研修を実施いただきましてコンスタントに育成いただいているところですけれども、更なる拡大に向けて、その研修の質を担保しつつ、JC養成研修機関のあり方を見直す余地はないかということで提示させていただいています。
各機関のほうでそれぞれ受講申込み等があるかと思いますが、なかなか全ての方に対応しきれていない現実があるかと思いますので、そういった観点から、希望者、受けていただくべき方に関しては受講機会の確保をしていくべきだと考えていますので、そういった観点から、指定要件の見直しについて検討すべきではないかということで提案をさせていただいています。検討すべき部分はないかということで、資料のほうはさせていただいています。
参考資料2に、それぞれ研修機関として大臣指定する際の要件を記載していますが、受講機会を拡大するために研修の質を下げるという意図ではなく、研修の質を担保しつつ、研修機会の拡大をしていく方法はないかということの問題意識です。この要件の中で、実態にそぐわない部分であったり、達成するには厳しく現実的でない要件があれば、是非、御指摘をお願いしたいところです。
資料2に戻っていただき、研修の実施方法について、現在、講義部分に関してはオンラインの実施も可としたところですけれども、オンラインと対面のバランスや質の担保も考慮しつつ、更に効率的に受講機会を確保する方法はないかということで、様々な各機関の取組について、この点も御紹介いただければと考えています。
2点目として、各研修実施機関の協力・連携により、JCや研修講師の育成などの取組ができないかということで、各研修機関の御意見を頂ければと考えています。
3点目として、障害者の支援に関係する資格、社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師、作業療法士等、こういった近接領域の資格保持者がJC養成研修を受講する機会を増やすこととしてはどうかということで提案しています。具体的には、こういった課程を持つ大学、大学院等で、現在は大妻女子大学にこういった高等教育機関として大臣指定機関になっていただいていますけれども、更に高等教育機関で研修機関として拡大していくにはどういった方向性があるのか。その点に関して御意見を頂ければと思います。
(2)の地域におけるJCの育成・確保についてですが、これは第8回でも、一度、JCのネットワークの形成であったり育成について議論されていたかと思います。参考資料3を御覧ください。第8回で、JC支援の活性化に向けた対応ということで、各地域における関係機関との連携について事務局案を提示させていただいたところです。具体的には、左上の厚生労働省で助成金活用JCのデータベース構築等を行った上で、各都道府県レベルでの連絡会議において、JCの活性化に向けた地域のネットワークづくりであったり情報共有をしてはどうかということです。助成金活用実績のデータベースを、厚生労働省の労働局であったり、若しくは地域センターのほうで見て、活用が低調な所であれば、JEEDの地域センターから各機関に対してJC養成研修の受講勧奨をしたり、また、各会議のほうでもそういった活動ができるかと考えています。また、関係機関との連携の中でフォローアップ研修を通じて、JC同士の横のつながりもできていけばいいのではないかと考えています。参考資料3につきましては以上です。
続いて、資料2に戻っていただいて具体的な論点を見ていただければと思います。(2)の地域におけるJCの育成・確保についてですけれども、JCの地域偏在を解消し、安定的に確保するためにはどういった取組ができるかということで、先ほどのネットワーク形成の仕組みを活用して地域内のJC人材の把握であったり、また、JCの活動が低調な地域においては、研修受講を推進して計画的な育成をしてはどうかということで提案しています。また、JC養成研修修了者間の交流など、そういった横のつながりに関しては、フォローアップ研修を通じて、各JC養成研修修了者だったりJC間の交流につながればと考えています。こういった地域のネットワークづくりと育成・確保の仕組みについて、都道府県ごとの連絡会議を活用してはどうかということで提案しています。以上、2つの論点について御説明させていただきました。以上です。
○小川主査 ありがとうございました。ただいま御説明いただきましたように、議題(2)は論点が2つありますので、先ほどのように分けて議論を進めさせていただきたいと思います。まず、(1)のJC養成研修機関のあり方について御意見をお願いしたいと思います。先ほどのように挙手をしていただいて、御指名の後に御発言いただきますようお願いいたします。いかがでしょうか。若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 2点ほど併せて意見としてお伝えしたいのですが、1つは、現在の養成研修実施に関しての養成者数をどのぐらい見込むのかによっても、この実施機関のあり方を見直すかどうかについて必要なのかと思っています。例えば現状の数に対して、多分、民間の実施団体が今は7つあると思いますが、総量として今の倍ぐらいを目途に、この養成実施機関を増やすとなると、ある程度、どういうところが広がらない理由なのかを検討しながら、見直す余地を検討する必要があるのだろうと思っています。おおむねですが、この数の2倍以内で例えば推移させようとするのであれば、個人的には、実施機関の要件について下げることでの見直しは必要ではないと考えているところです。ただ、数の拡大を本当に路線として考えなくてはならないとなったときに、現状の民間の実施機関のパワーだけでは足りないということであれば、そこをまた検討しなければいけないだろうと感じています。
もう1つ、更なる拡大に向けてという点ですが、もしかするとインフォーマルな場では養成研修の実施機関から御意見として挙げさせていただいていたところかと思いますけれども、機構が実施している研修の範囲を、もう少し実施困難な地域に広げることができないだろうかということは、是非、提案させていただきたいと思っています。現状で言うと、大阪辺りの今の研修に関しては、交通整理が必要なぐらい実施の回数がそこだけ上がってしまっているため、民間団体からすると受講者数がなかなか増えないという、逆におかしな状況が今は出てきたりしています。今、私たちJCネットワークとして広げさせていただいている方法としては、本年度、今まで開催ができていなかった地域の所でもチャレンジしながら広げていっている現状がありますけれども、それでも、民間の我々からすると、本業がある中でこの養成研修に対してもやっているような状況ですから、思ったように広げていくことがかなり難しいと感じながらやっているところになります。そういった意味では、JEEDさんのほうにも、離島でやってほしいと言うつもりはないですが、ある一定の過疎地域も含めて、これまで広げられていないような地域に、是非、手を出していっていただきたいと感じているところです。意見になります。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。これについてJEED、何かございますか。保留にしておきますか。
○市川構成員 今、頂いたような意見は、いろいろな受講者から頂く場合もありますので、そういう意見があることは受け止めていきたいと思っています。その一環として、一部、オンラインのJC養成研修等も始めているところではございますが、演習等については集合型でお越しいただくことになっていますので、いろいろな可能性について、今後、私たちも勉強させていただきたいと思います。
○小川主査 そのほか、何かございますか。青野構成員、どうぞ。
○青野構成員 青野です。研修実施機関についてですが、多様性の観点で考えると、要件をもう少し緩和していただいてもいいような要素もあるのではないかと思い、コメントさせていただきます。こういう要件を固めるときは、有象無象に実施機関を増やすわけにはいかないので厳しい要件を設けるというのはそうだと思いますけれども、例えば、私たちは企業で障害のある方々の活躍推進をしていて、結構、実績があると思っていますが、これは正に就労の現場での取組なので、本当に生きたナレッジとか体験をシェアするということを、是非、社会にやっていきたいなと思い、何とかナレッジをシェアできる機関になれないかと思っていろいろな取組をしている中で、なかなかこの要件に照らすと難しいなと思ってきた側面もあります。ただ、規定されていることですし、現状の規定について必要なことだというのは理解しているので、何とかこの要件に沿うような取組をしていたりしますけれども、私たちに限らず、実は障害者活躍推進の現場というのは企業でやっていたりします。本当に当事者なのです。当事者の中でやってきた取組を、もう少しシェアできる仕組みがあってもよろしいのではないかと思います。それから、この養成研修実施機関の要件とまた違う側面なのかもしれないですが、少なくとも多様性ということを考えると、公的機関や高等教育機関、NPO法人や就労移行支援事業所の現場だけで、その養成機関を担っていくことがいいことなのか、少し御検討いただいてもいいのかなと思ってコメントさせていただきます。
○小川主査 ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 ポツの2つ目の所になります。研修講師の育成についても1つ意見を言わせていただければと思います。現状の養成研修実施機関の中で研修講師の選定もかなり要件が厳しいので、これを維持していくのがすごく大変だということになるのと、経年で年齢がだんだん上がっていってしまう傾向もあり、次の世代の育成も踏まえた上で、この研修講師の育成も養成研修を実施しながら考えていかなければいけないと、我々実施機関も課題として捉えているところです。
今年度、JCネットワークとして進めている方式として、基礎の座学の部分についてはオンラインでしています。ただ、それを受けた方たちに対して、幾つかの地域で実践課程として演習を含めたロールプレイ等を、各地域で実施期間の日にちを分けてやらせていただいているところです。同じような時期に幾つかの地域を同じタイミングで動かしていきますので、それぞれの地域で御活躍いただいている地域の就労支援機関の方とか、企業で雇用管理を担当されている方たちをピックアップしていきながら、その研修そのものを作っていっていただく。そういう取組を始めたところになります。
養成していく数についても、今の見込みですが、年間で恐らく昨年度の1.5倍ぐらいに養成者数としては増やせるだろうという見込みがあるのと、併せて、そこに関与していただいた研修講師若しくはトレーナーとして参加していただいた方を、また地域の中で継続的にそういうところに関わっていただけるようにということで、養成もできていると感じています。こういった取組をまずは民間の実施機関で共有しながら進められると、この研修講師の育成などにもつながるのではないかと感じています。意見でした。ありがとうございます。
○小川主査 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。この見直す余地は、ニーズと実際に提供できている研修のキャパ、ここのギャップがベースになっている議論なのかなと思います。それプラス、今後、どういった研修対象者の確保を目指すのかというところも関連してくるかもしれません。JEEDに伺いたいのですが、現状で、研修の応募者で実際に受講されている数、いわゆる倍率のようなものはどのようでしょうか。もし差し支えなかったら教えていただければと思います。すみません、急で難しかったら。
○市川構成員 具体的数字は整理していないので、お答えできる材料はないのですが、確かに、今、我々のキャパ以上の受講申込みがあって、残念ながら受講できないという方たちがいらっしゃいます。そういう事態が、今、継続してあるという状況ではあります。今、言えるのはそのぐらいです。
○小川主査 分かりました。民間のほうというか私が理事長をしている法人のほうでは、やはり毎回倍率が出ている状況ですけれども、訪問型と企業在籍型が、時期によってどっちのほうの倍率が高かったりという若干の変動はございます。1.2倍から、高いときには1.8倍ぐらいの倍率で推移している状況です。それにしても、東京で行った場合であって、大阪の場合には定員確保が難しく、ほかの法人が行っている場合には定員確保に満たない状況もあるようです。全体としてどれくらいのキャパを準備すればいいのか、ある程度の見通しを持つことも必要なのかなと思います。少なくとも、3倍とか4倍とか、その辺が要求されている状況ではなく、段階的に目指して増やしたとしても2倍とか、それぐらいがまずは第一目標なのかなというのが私の印象ですが、それを組み立てていく根拠のデータがもう少しあれば、民間側とJEED側でもう少し具体的な検討ができるのかなと思います。
そうした場合に、現状の要件でJEEDさんと指定の民間機関が更にキャパを増やせるのか、あるいは、現状の要件で更に新しい機関が参入することが可能なのではないかとか、更に要件を緩和して更に多くの機関を指定することが必要なのかなど、そういった議論をしないと、この指定要件のあり方については、先ほど闇雲に増やすのもとか、あるいは質の担保というお話もありましたけれども、バランスを取っていく目処というか根拠が見付かりにくいかなと思いますので、この件については継続的に進めていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 厚生労働省障害者雇用対策課の小森です。また各機関にも御協力いただきながら申込みの状況などをお聞かせいただいて、次回、議論のほうをさせていただきたいと思います。
○小川主査 あと、(1)の一番最後は、高等教育機関のことと関連してという御説明がありましたので、私のほうから大妻女子大学のことも絡めて発言をさせていただきます。私は、高等教育機関がJCの人材育成に関わるということは、上級JCあるいは今後の資格化等も見据えた上でとても重要なことかなと思っています。高等教育機関に関わる養成研修の要件を、若干、緩和していただきましたけれども、ただ、高等教育機関とコミュニケーションを取ってみますと、まだその情報が十分に行き届いていなかったり、あるいは、そろそろ検討を始めたという段階のようです。したがって、興味を持つ高等教育機関と、より具体的な情報交換をして、現状の要件で複数の高等教育機関が参入することができるのか、やはり難しいのか、ちょっとその辺も確認しながらこれは進めていくことが重要なのかなと。まず、要件を適切と思われる所に緩和していただいたことについて、どうなのかということを確認していきたいと考えています。
それでは、(2)地域におけるJCの育成・確保について御意見をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 (2)の所について、これも先に質問という形になってしまいますけれども、最初のポツで、「JC支援活性化のためのネットワーク形成の仕組みを活用して、地域内のJC人材を把握し」と書いてあります。この把握していくときの単位とか、地域内と考えていらっしゃる所の範囲というのはどの辺なのか。例えば都道府県単位として捉えていくのか、何かその辺のベースになっているものが、もしあるようでしたら、お聞かせいただきたいと思います。
○小森地域就労支援室室長補佐 厚生労働省障害者雇用対策課の小森です。参考資料3に示させていただいたネットワークづくりの単位ですが、労働局のほうが都道府県単位ですので、連絡会議の単位としては都道府県単位ということを考えています。さらに、データベースをどのように活用していくのかという点ですが、データベース自体は厚生労働省のほうで全国分を管理するという形になりますけれども、そのアクセス権、都道府県各労働局であったり地域センターが、どの範囲までそれを活用することができるのかについては、検討が必要だと考えています。例えばJCの支援をしている運営法人とかの訪問型に関しては、都道府県を越えて活動されている所もあると思いますので、そういった実態も踏まえながら、その活用の範囲に関しては引き続き御意見を頂ければと考えています。以上です。
○小川主査 よろしいでしょうか。
○若尾構成員 はい。この辺りの把握をしていくというときに、これは民間の例えば養成研修実施機関のような所が進めていくのか、地域センターというか、JEEDさんのほうを中心に若しくは労働局が中心になってやっていくのか、何かその辺の方向性がもしあるようでしたら、お聞かせいただければと思います。
○小森地域就労支援室室長補佐 厚生労働省障害者雇用対策課の小森です。参考資料3のほうで整理させていただいた内容では、まずデータベースに関しては、助成金を活用しているJCの活動状況を把握し、データベース化していくというところを考えています。そうすると、助成金のデータに関してはJEEDであったり厚生労働省の管理になりますから、まずはJEED、厚生労働省のほうで整理していく流れになるかと考えています。それを活用する段になりますと、その活用状況を地域センターのほうで確認した上で、活用状況が低調な所であれば、研修の受講をネットワーク、この連絡会議等を通じて呼び掛けていくことを想定していますので、そのような連絡会議であったりデータベースの活用の方向性を考えているところです。以上です。
○小川主査 そのほか、この地域における関係機関との連携の図も参考にしつつ、全体に地域におけるJCの活性化について、御意見がありましたらお願いいたします。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。今後、データを収集していくという観点でのコメントです。例えば法定雇用率を達成できている企業というのは、まだ日本の場合は半数程度というデータが出ていますが、地域差のデータがあったら恐縮なのですが、地域差のそういったデータも収集いただいて、JCのデータと見比べると、JCが少ないエリアで達成状況が悪いのかとか、そういったことも検討できるのかなと思いました。ニーズの確認と、雇用の促進とか活躍の推進ということを絡めて、一緒にデータを収集いただくと、有用なデータが見えてくるのではないかと思いました。以上です。
○小川主査 この辺のデータはございますか。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。雇用率は企業単位というようになっておりまして、事業所単位のデータまでを網羅的に把握しているかと言われると、難しいと考えております。法定雇用率と、その地域に本社機能がある所であれば企業単位ということで把握できると思うのですが、事業所単位でのデータがないので、事業所レベルでの情報共有というのは難しいと考えております。
○青野構成員 青野です。今、なぜ申し上げたかと言うと、地域におけるJCの輩出というところで、ニーズがどのぐらいあるのかを確認した上で検討される必要があるのかなと思って申し上げた次第です。ただ、確実に不在であれば、困っている状況というのもあるのではないか、活躍推進が進んでいない状況もあるのではないかと思って、御提案した次第でございます。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 参考資料3の図式の所です。地域によっては、そもそも訪問型のJCがほとんどいないという地域があったりします。埼玉の例でお話をさせていただくと、就業・生活支援センターが置かれているような、圏域ごとの就労支援のネットワークが、そもそも先行して出来上がっている地域などもあります。そこと労働局が主催していくような連絡会議を、どのようにうまくリンクしていくのかということがあります。
私は個人的に、かなり古い自治体の職業センターが中心になって、ケースのマネジメントを推進協議会の中でやれていたときというのは、私の所のJCはかなり勉強しながら帰ってきたということを過去に経験しています。そういったような個別のケースについてのやり取りが、そのネットワークを使ってできるようになるのかどうかというのも、この図式だけで見るとかなり大きな枠組みになっているので、そこが懸念材料の1つです。
それと、これは事前の打合せの中でも話があったと思うのですが、このネットワークの中に、職業センターの配置型のJCなども加わっていただくことは可能なのかどうか、こういったところについても議論の余地があるのではないかと思っています。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。今の件について、JEEDから何か御発言はありますか。
○市川構成員 JEEDの市川です。地域センターが関わらせていただけるのであれば、横のつながりというのは、もともと研修機関単位とか、JEEDだけとか、そういう話ではないと思いますから、ハローワークを中心になのか、なかぽつを中心にとか、いろいろなエリアの考え方はあると思いますが、そういう労働市場を前提としたエリアの中で情報共有していくというのは非常に大事で、その中では、是非、JEEDも関わっていくべきだと思っています。
それから、1つ目の○の地域偏在という考え方と安定的に確保という考え方も、要は、JCの支援を受けたいというニーズが、そのエリアにどれだけあるのかというようなことが大事だと思っています。養成研修を修了した人の数イコール、狭義のJCとして動いていただけるかどうかとはまた別の話ですので、そういうことを、ハローワークの担当者が、事業主のニーズあるいは御本人のニーズを踏まえて、過不足があるのかの情報共有ができればいいのかなと思っているのです。
JCの養成研修を受けた人がたくさんいるエリアだとしても、本当に足りているのかどうかという問題はあると思います。首都圏、近畿圏でも、JCの養成研修を受けた方はたくさんいらっしゃると思いますが、ニーズに応じたJC支援ができているのかどうかということは別問題なので、実際に支援ニーズに対応できているのかどうなのかという観点での情報共有ができるようになると、よいなと思います。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。司会の小川ですが、発言させていただきます。この図のJC、上級JC、この記述は助成金で動いているJCというイメージでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 いいえ。障害者雇用対策課の小森です。なかぽつセンターに配置されているJC養成研修修了者になりますと、国の委託費で人件費が払われているというところもありまして、JC支援に準じた支援をやったとしても、助成金の対象にならない場合もありますので、まずは養成研修修了者が配置されており、JCとしての活動ができる方、助成金活動も含めてですが、もう少し広い意味でのJC活動を想定しているところになります。以上です。
○小川主査 そのほかはいかがでしょうか。若尾委員、お願いします。
○若尾構成員 これもネットワークの中で許されるのであればということで、意見を1つ言わせていただきます。就労支援の質を高めていく意味では、必ずしも全ての就労支援者がJCである必要はないと思っているところです。いろいろな運用の所で、そういう基礎の研修を受けた方たちが活躍されることが、リソースとしては必要なのだろうと思います。ただ、訪問型JCの制度について、どのように利活用が進められるのか、若しくは促進できるかというところになりますので、このネットワークをうまく活用して、民間の法人にどこまでJCの利活用についてのコンサルテーションができるか分からないのですが、そういったような具体的な目標とか目的も持って、集まっていくことも必要なのではないかと思っています。
私の地域はほとんど中小企業しかないので、中小企業のネットワークを何箇月かに1回で開かせていただいているのですが、なかなか情報が末端まで行かないという現状があります。「もにす」のことについても、私たちのほうから言語化してネットワークの中で伝えなかったら知らなかったという企業の担当者の方が多かったのです。このJCについても、訪問型を活用することなのか、企業在籍型のようなものを活用していくのかということについても、こういうネットワークを通じて、具体的なコンサルテーションができると、1つ地域の中でどうやったら広げられるかということにつながるのではないかと思いますので、図の右側のほうにいろいろと項目としては立てられているのですが、その中に、可能であれば今言ったようなことが含まれて、ネットワークの中で活用できるようにしていただくというのもありなのではないかと思っています。1つの意見です。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。ほかはいかがですか。國﨑構成員、どうぞ。
○國﨑構成員 國﨑です。前後してしまうのですが、先週、私どもの法人で、県内のなかぽつセンターの方に集まっていただいて、コロナ明けで4年ぶりだったのですが、連絡会を開催させていただきました。コロナ前は、私どもが活動できそうなエリアに限定して連絡会を開催していたのですが、今回、少し遠方の方にも参加いただいた中で言うと、まだ法人単独の訪問援助が全く知られていなかったという現状がありました。なかぽつセンターの方がそこの辺りを分かっていないとなると、企業にこういった制度の活用による定着は分かりづらいのではないかという話がありました。あと、とある移行さんと話をしていたときに、就労定着はされているのですが、残念ながら退職になって、その間、定着の中でできる限りのことはされたということでした。そのときにも、集中して支援できる訪問型という職場適応援助を活用いただけたらよかったのではないかと、個人的には思いました。このようなことを、ここ1週間ぐらいの会議の中で、情報として得ました。
JCという言葉で言うと、この絵の中の説明にもありましたけれども、必ず助成金活用のJCだけを指しているわけではなくて、いろいろなJC支援、助成金活動ではないJC支援をされている方はたくさんいらっしゃるのですが、それを特に企業さんとかが聞くと、全部一緒で差が分からないし、どう活用して自分の所の安定定着に関わっていただくとメリットになるかというのが、今一つ整理されていないと思うことが多々あります。
そういったことも含めて、また、JCとして地域で活動していると、困難事例の中にスーパーバイズしていただく方が地域にいると、すごく安心して活動できるかなと思うことが、これまでの5年間に度々ありました。ということは、並行して今日の議題にも挙がっていますけれども、上級JCという本当に力のある方の配置を、一気にではなくて少しずつでもいいので配置いただいて、小さくてもいいので、ケース検討を地域で頻繁にやれるような地域づくりをしていただけると、いろいろな意味で活性化とか広がりになるのではないかと個人的に思っています。
○小川主査 ありがとうございました。現場の様子がよく分かりました。ほかはいかがでしょうか。司会の小川ですが、この議論は、助成金で活動しているJCと養成研修を修了して活動する障害者雇用・就労支援の関係者、そこの議論がどうしても重複しますので、ポイントが見えにくくなることもありますが、助成金活用の訪問型JCがずっと減少傾向にあって、そこに問題があるということは、この作業部会、第2ワーキングの辺りから、ずっと議論しているところです。
それについては、助成金についても今回改正していただきましたし、ハローワークからの周知をもう少し活性化しようとか、幾つもの手が検討されているところであると思います。また、実際にJCをどのように関係機関がうまく共有して、活動していくのかということも、この図式の中に含まれていると考えております。
ただ、他方で、この労働人口減少の中で、就労支援や障害者雇用の専門人材の確保が非常に難しくなるのではないか。そこに、いかに人材を確保して、育成し、障害者雇用の質を上げていくのか。助成金と少し離れた、研修のあり方としてのJCという議論も、ここでずっとしてきているところであります。
それについては、基礎的研修、JC養成研修、上級研修、この研修が整理されました。その研修がただの研修で、「名前だけがほしい人が増えないように」というような御意見もありましたが、そういったことにならないように、また、研修は作ったのだけれども形骸化しないようにということで、是非、この図にあるなかぽつに上級JCをきちんと配置する、それを一体どのようにしたらいいのか、事業とのひも付けについて、今後も継続的に検討していただきたいと思います。
それから、地域の事業所が、多くが就労移行支援事業所になると思いますが、就労定着支援事業が始まったことによって、JCの助成金を余り使う必要がなくなったり、あるいは、JCという考え方ではなくて、とにかく定着を支援していくという考え方になって、全体の就労支援のプロセスが見えにくくなってきたという経過もあると思います。就労移行支援事業等でJCの研修を受けることの活性化、それから、上級JCを取得することの活性化、これは加算であったり、あるいは将来的には悉皆というような形で、是非ここについても事業とひも付けしたことの検討をしていただかないと、訪問型JCの減少傾向は、助成金を調整していただきましたが、なかなか抗いきれない傾向ではないかと思います。
それから、それは地域の就労支援だけではなくて企業のほうも同様かと思いますので、企業で障害者職業相談員の受講者の方はいらっしゃいますけれども、そういった方たちが更に養成研修を受講し、また、特例子会社等で必ず上級JCの方がいらっしゃるようにとか、そういったことを活性化するために、一体どういうような促進策が必要なのか。また、これもどうしても財源との関わりがあると思いますけれども、研修のあり方だけではなくて、そこを必ずひも付けして、並行的に検討していただかないと、かつて同様のことを地域の就労支援の在り方に関する研究会で検討した記憶がございますので、実態として、どのように活性化していくのか、事業とのひも付けの中で考えていただければと思います。私から付け加えさせていただきました。
そのほか、皆さんからはよろしいでしょうか。それでは、今回頂いた意見を事務局で整理していただいて、次の議論に向けた準備を進めていただくようにお願いいたします。
最後に議題(3)です。その他として、事務局から何かございますか。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。議題(3)については特段ございません。
○小川主査 それでは、本日の議論は終了となりますので、第9回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会は、以上で終了とさせていただきます。連絡事項がありましたらお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。次回は、上級JC研修のあり方について、本日の議論を踏まえて、カリキュラムの素案、仕組みに関して事務局案を提示させていただいて、御意見を頂ければと思います。また、第8回で議論いただいた助成金申請手続等について、職リハ計画の作成や支援計画承認手続の省略の要件とする「一定の支援実績のあるJC」に関連して、事務局でJCの運営法人等についてヒアリングを実施しておりますので、その結果を踏まえて、更に御意見を頂ければと考えております。以上のような議題を考えております。
日程については、まだ未定となっておりますので、改めて事務局から御連絡を差し上げたいと思います。以上です。
○小川主査 以上で終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。