令和5年10月27日 第98回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和5年10月27日(金) 14:00~17:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

10月27日合同部会 議事録

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第98回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和5年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち6名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
 加えて、多屋委員、宮入委員、伊藤清美委員より御欠席される旨の御連絡を、齋藤委員、石井委員、山縣委員より途中退席される旨の御連絡を、宮川委員より遅れての御出席となる旨の御連絡をいただいております。
 また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
 次に、事務局側で人事異動がございましたので、紹介させていただきます。
 10月1日付で予防接種課の山口の後任として野口が着任しております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
 開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。
 留意事項に反した場合は、退場していただきます。
 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日、御出席された委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルス、麻疹、風疹、おたふく風邪、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、15価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社であり、事前に各委員に申告いただいております。
 各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、齋藤委員がデンカ株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 また、舟越委員、石井委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻疹、風疹、おたふく風邪の各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 藤井委員、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料といたしましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-10、資料2-1から31、参考資料1から18になります。
 資料の不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
 議題の1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」でございます。
 まず、資料1-1-1から資料1-5について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間において、副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に御説明いたします。今回の集計対象期間は7月30日までとなっております。
 まず、資料1-1-1を用いまして、副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
 資料1-1-1、2ページを御覧ください。
 内容を御説明する前に、資料構成が一部変更となっておりますので、御確認をお願いいたします。前回の部会で御了承いただいたとおり、従前までの週別報告件数及び報告頻度については省略し、今回からは前回部会及び今回部会の集計対象期間内における接種者数、副反応疑い報告数、死亡報告数の合計件数及び報告頻度を掲載しております。
 それでは、資料1-1-1についての説明でございます。
 まずはコミナティについてでございます。BA.1の接種者数は1286万4661、副反応疑いの報告頻度としては0.0009%、重篤は0.0004%、死亡の累計は6件でございます。
 BA.4-5の接種者数は5513万5506、副反応疑いの報告頻度としては0.0012%、重篤は0.0006%、死亡の累計は79件でございます。
 BA.1、BA.4-5のいずれも、コミナティ全体と比較して高くはなっておりません。
 続きまして、コミナティ6か月~4歳用についてでございます。接種者数は46万9254、副反応疑い報告は10件でございました。
 続いて、コミナティ5~11歳用についてでございます。接種者数は436万5642、副反応疑いの報告頻度としては0.0034%、重篤は0.0009%、死亡事例については前回部会以降新たな報告はございませんでした。
 このうち、BA.4-5は接種者数が21万1952で、熱性けいれんの症例が1例ございましたが、回復したとして報告をされております。
 続きまして、3ページでございます。
 スパイクバックスについての報告でございます。
 BA.1の接種者数は320万4979、副反応疑いの報告頻度としては0.0018%、重篤は0.0006%でございます。死亡事例については、前回部会以降新たな報告はございませんでした。
 BA.4-5の接種者数は711万6809、副反応疑いの報告頻度としては0.0008%で、重篤は0.0003%、死亡事例は4件報告がございました。
 BA.1、BA.4-5のいずれも、スパイクバックス全体と比較して、高い頻度とはなっておりません。
 続いて、ヌバキソビッドでございます。接種者数は33万3763、副反応疑いの報告頻度としては0.0129%であり、新たな副反応疑い報告が1件ございます。死亡については、前回部会以降新たな報告はございませんでした。
 接種回数別の報告状況については77ページ以降、ロット別につきましては88ページ以降にまとめておりますが、報告状況の顕著な変化はございませんでした。
 続きまして、資料1-2でございます。資料1-2は企業報告についてまとめておりますが、資料1-1の医療機関報告と傾向に大きな違いはございませんでした。
 なお、冒頭で御説明したとおり、資料1-2に関しましても、今回の部会報告分から資料構成の変更を行っております。
 資料1-1、資料1-2の説明は以上でございます。
 続きまして、死亡事例について御報告いたします。
 資料1-3-1を御覧ください。
 コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目、「1.報告状況」を御覧ください。
 今回の集計対象期間までに死亡として報告された事例は、総数として1,878件、うち4回目以降は159件でございました。
 2価ワクチンについては、BA.1が9件、BA.4-5が111件となっております。
 「2.専門家の評価」に、専門家評価の結果を表としておまとめしております。
 続きまして3ページ目、「(参考2)報告頻度」を御覧ください。
 こちらに各接種回数における100万回当たりの報告頻度についてお示ししております。前回から大きな変化はございません。
 また、2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 起源株接種後の死亡事例として、既に御審議いただいている事例についての追加報告が今回ございましたので、御報告いたします。
 ページで申しますと290ページ、ナンバーで申しますと1809番を御覧いただければと思います。
 前回部会で御審議いただきました、ワクチン接種後に心筋炎を生じ死亡した14歳女性の事例について、製造販売業者から追加報告がございました。本追加報では、製造販売業者が文献で確認した情報として、剖検所見の一部が新たに報告されたものでございます。
 追加した具体的箇所を下線部でお示ししております。読み上げますと、「死斑、体背面暗紫赤色高度。死体硬直、全身各関節やや軽度。著明な損傷を認めない」との旨が追加されております。
 なお、今回の報告を踏まえましても、本事例の専門家評価における評価結果は、因果関係が否定できないαから変更ございません。
 BA.1の死亡事例については300ページ以降、BA.4-5の死亡事例は303ページ以降を御覧ください。専門家による評価の結果につきましては、いずれもγと評価されております。
 続きまして、資料1-3-2を御覧ください。
 スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目、報告状況でございます。
 今回の集計対象期間までに死亡として報告された事例は、総数として236件、うち4回目以降は35件でございました。
 2価ワクチンについて、BA.1では新たな報告はございませんが、BA.4-5は前回から新たに5件の報告があり、計6件となっております。
 「2.専門家の評価」の項に専門家評価の結果を表としてまとめておりますので、御確認をお願いいたします。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」でございます。
 各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。
 2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 スパイクバックスBA.1の死亡事例については50ページ以降、スパイクバックスBA.4-5の死亡事例については52ページ以降にお示ししております。
 スパイクバックスの説明は以上でございます。
 続きまして、資料1-3-3を御覧ください。
 ヌバキソビッドの死亡事例についてでございます。
 1ページ目の報告状況でございます。
 今回の集計対象期間において新たな報告はございませんでしたので、以降の資料の説明は省略させていただきます。
 続きまして、資料1-3-4を御覧ください。
 コミナティ5~11歳用の死亡事例についてでございます。
 こちらにつきましても、今回の集計対象期間において新たな報告はございませんでしたので、以降の説明は省略させていただきます。
 資料1-3の説明は以上でございます。
 続きまして、資料1-4-1を御覧ください。
 コミナティ筋注の心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
 まず、心筋炎についてでございます。前回部会から新たに心筋炎疑いとして報告された事例が13件ございました。今回の集計対象期間までの累計で、BA.1は4件、BA.4-5は19件となっております。
 続いて、心膜炎でございます。今回の集計対象期間までの累計では、BA.1は3件、BA.4-5は4件となっております。
 2ページ目、「2.専門家の評価」でございます。
 専門家評価の結果をこちらに表としておまとめしておりますので、御確認をお願いいたします。
 続いて、資料1-4-2でございます。
 スパイクバックスの心筋炎、心膜炎の疑い事例の報告状況でございます。
 前回の部会から新たに心筋炎疑いとして報告された事例が2件ございました。
 心膜炎については、今回の集計対象期間において新たな報告はございませんでした。
 2ページ目、専門家評価の結果を表としておまとめしておりますので、こちらも御確認をお願いいたします。
 最後に資料1-5でございます。
 乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんについてでございます。
 今回、乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんの報告が1件ございましたので、御報告いたします。
 資料1-5、No.3を御確認ください。
 コミナティ筋注を接種した3歳女児の症例です。資料上には記載がございませんが、本症例は、予診票での留意点として熱性けいれんの反復及び気管支ぜんそくにて加療中とされており、経過については医療機関からは次のように報告されております。5月19日、コミナティ接種。翌5月20日より発熱を認め、5月22日18時頃、顔色不良を伴う全身性強直間代性けいれんを認めた。病院到着までに約40分間の意識障害が持続した。熱性けいれん重積と診断し、抗けいれん剤投与の上入院加療とした、とのことです。
 転帰内容の列を御覧ください。
 本症例の転帰については、回復と報告されております。
 資料1-5までの報告は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、引き続きまして、資料1-6について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1-6を御覧ください。
 まずは2ページ目を御覧いただければと思います。
 本日の審議内容でございます。1におきましては副反応疑い報告全体の概要について、2.その他、3におきまして今回の審議における論点においてまとめまして、効率的に御議論いただける資料構成としております。
 4ページ目を御覧ください。
 4ページ目から7ページ目が副反応疑い報告の概要でございます。
 7月30日までの報告状況等についてですが、数値につきましては先ほど御説明がありましたので、割愛させていただきます。
 4ページ目におきましては、前回同様、オミクロン株対応ワクチンを含め、ファイザー社ワクチン接種に係る接種回数、報告数、報告頻度についてお示ししております。
 5ページ目におきましては同様にモデルナ社のワクチンについて、6ページ目につきましては5歳から11歳の小児用ワクチン、6か月から4歳用の乳幼児用ワクチンに係る報告状況について、7ページ目におきましてはノババックスワクチンに係る報告状況についてお示ししております。
 9ページ目、その他でございますが、今回については3回目接種の副反応に係る追加解析のまとめを行った6月10日の審議会の資料を再掲しております。
 続きまして、11ページ目から19ページ目がまとめのスライドとなります。
 構成といたしましては、11ページに新型コロナワクチンの12歳以上に係る心筋炎・心膜炎、12ページに死亡例、13ページ目に5歳から11歳用の小児用ワクチン、14ページ目に6か月から4か月用の乳幼児用ワクチン、15ページに4~6回目の接種に係るまとめ、16及び17ページ目としてオミクロン株対応ワクチンについて、それぞれの副反応報告をまとめて御覧いただけるように準備させていただいております。
 それでは、11ページ目の新型コロナワクチン12歳以上用に係る心筋炎・心膜炎の報告状況について御覧いただければと思います。
 今回については、ワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎の報告状況に前回から大きな変化はございませんでした。
 こちらの状況を踏まえまして、事務局より下段の論点について示しておりますが、心筋炎・心膜炎に係るこれまでの検討結果を踏まえても、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないとお諮りしております。
 続いて12ページ目、新型コロナ12歳以上用の死亡例に関するまとめスライドを御覧ください。
 上の青い囲みの中に、最新の死亡例の報告状況の整理を3点まとめております。従前同様に死亡の報告状況についてまとめておりますが、今回については報告頻度や専門家の評価の状況に大きな変化はございません。
 こちらにつきましても、論点のまとめとしましては、これまでの死亡に係る副反応の高い報告の状況、国内外のエビデンスも踏まえ、現時点においては重大な懸念は認められないとお諮りしております。
 続いて、13ページ目、14ページ目につきましては、小児用及び乳幼児用ワクチンの副反応に関してまとめを掲載しております。副反応疑いとして報告された事例、また、心筋炎・心膜炎に係る製造販売業者からの報告を掲載しております。
 こちらにつきましても、今回の小児、乳幼児用ワクチンの接種後の報告状況につきましては、引き続き接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないとお諮りをしてございます。
 15ページ目につきましては、4回目接種以降における副反応に関するまとめ、また、16、17ページ目についてはオミクロン株対応ワクチンの接種後の副反応についてまとめてございます。
 いずれの観点にしましても、接種後の報告状況におきましては、接種後の副反応疑いの報告頻度等や心筋炎・心膜炎の報告状況につきましては、大きな変化はございませんでした。したがいまして、今回、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないとお諮りしてございます。
 18ページ目が今回のまとめになりますが、青い囲みにおきまして、これまで各種ワクチン接種回数別の副反応疑いの報告状況を継続的に注視し、ワクチンの接種を継続するに当たっては重大な懸念はないとしてきたところでございます。
 今回、2023年7月30日までにおける報告状況を整理すると、以下のようにまとめることができるのではないかというところで、その下にまとめを記載しております。
 まず1点目、3回目接種までの副反応に係る報告状況をまとめた2022年6月10日の3回目接種後の報告状況と比べて、今回時点の3回目接種後の報告頻度はおおむね変わりないというのが一点。
 2点目が、3回目接種までの副反応に係る報告状況をまとめた2022年6月10日時点の1回目、2回目接種の報告状況を踏まえますと、この1回目、2回目と比べて3回目接種以降の副反応疑い頻度は低い状況が続いているというような状況でございます。
 3点目、従来株及びオミクロン株対応2価ワクチンを含め、総数としての報告頻度とオミクロン株の2価ワクチンの報告頻度を比較しますと、3回目接種を除けば、そのほかの回数についてはほぼ同様の報告頻度ということが言えるかと思います。
 報告頻度につきましては0.01%未満と低いのですが、総数と比べると報告頻度がやや高い傾向にあるオミクロン株対応2価ワクチンの3回目接種後に報告された症状については、発熱や失神寸前の症状、アナフィラキシー反応等でございました。こちらにつきましては、これまで本審議会において注意喚起いただいていた症状、また、注視し議論してきた既知の症状と言うことができるかと思います。
 これらを踏まえまして、接種回数別の報告状況のまとめと今後の論点としましては、下の赤い囲みでございますが、1つ目が各種ワクチン接種回数別の副反応疑いの報告状況を継続的に注視し、議論してきた内容も踏まえますと、重大な懸念は認められないと考えてよいのではないかというのが一点。
 もう一つが、今後の審議の場におきましては、現在予防接種法上の接種対象となっているオミクロン株XBBワクチン及びノババックスの報告状況に注視し、新型コロナワクチンの接種を継続することについて議論していくこととしてはどうかというお諮りとしております。
 次のページでございますが、全体のまとめとして、主な検討事項としまして死亡、心筋炎・心膜炎等を検討いただいてきたというところで、引き続き国内外の情報を収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいかとまとめてございます。
 また、以降は再掲の資料でございますけれども、以前より審議会での御議論に活用いただいております資料を御紹介させていただいております。
 21ページ目は、副反応疑い報告に係る性・年齢別の頻度の算出方法について掲載しております。
 22ページから39ページ目につきましては、ワクチンの性・年齢別の接種回数について掲載しております。
 40ページ目以降、51ページ目までにつきましては、伊藤澄信先生に実施いただいております健康状況調査につきまして、資料を掲載いただいております。
 52ページ目以降につきましては、これまで議論いただいておりました調査であるとか論文といったエビデンスについて、まとめて掲載してございます。
 こちらの参考資料につきましても、御議論の際に御活用いただけたらと思います。
 1-6につきましては以上でございます。
○岡座長 続きまして、資料1-7について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-7でございます。
 今、資料1-6におきまして、今後の部会資料につきましてはXBB対応製剤にフォーカスを当て、接種回数につきましてもおまとめしてお諮りするという方針について御提示させていただいたところでございます。
 改めて、資料1-7としまして、「新型コロナワクチンに係る合同部会資料の構成について」として説明をさせていただきます。
 新型コロナワクチンに係る副反応疑い事例の評価につきましては、コミナティ筋注の接種が開始された令和3年2月17日以降、本部会において検討を行っておりまして、症例数についても継続的に蓄積されているところでございます。
 一方、9月20日に開始されました令和5年秋以降の接種では、接種可能な全ての年齢の方の接種について、XBB.1.5対応1価ワクチンを活用することとしており、起源株及び2価ワクチンについてはその供用が終了したところでございます。
 この状況を受け、本部会でのお諮り方として、今後はオミクロン株XBB1.5対応ワクチンの接種や小児・乳幼児に対する接種など、しっかりと傾向を把握すべき事項について、焦点を絞って審議を進めていくこと、また、そのような資料の構成としていくことでどうかということで考えているところでございます。
 主な変更点、論点については資料にございます。オミクロン株XBB.1.5対応ワクチンに係る資料の追加。起源株及び2価ワクチンについては供用が終了し、今後は接種されないことも踏まえ、資料を省略。スパイクバックス筋注については、年齢によって剤が分かれてはいないものの、小児・乳幼児を年齢で切り分けて、評価を行うというような資料構成にする。専門家による因果関係評価の対象事象につきましては、XBB.1.5対応ワクチンにおいては、起源株及び2価ワクチンと同様、死亡事例及びワクチン全般での対象事象、具体的には後遺症、アナフィラキシー、GBS、ADEM、新型コロナワクチンの副反応疑い報告基準事象(心筋炎・心膜炎)及びその他ワクチンの副反応が疑われる事象とする。小児・乳幼児に係るワクチンについての専門家による因果関係評価の対象事象については、引き続き全事象とすることとしております。
 具体的な構成につきましては別紙1に記載のとおりとなっておりますので、御確認をお願いいたします。
 資料1-7につきましては以上でございます。
○岡座長 それでは、続きまして、資料1-9について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 続きまして、資料1-9、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告につきまして、前回までの内容を踏まえまして、簡潔に御紹介申し上げます。
 今回の集計対象期間は9月17日までとなっており、主に6回目接種後の報告を中心にデータが集積しております。
 少しページが飛びますが、150ページを御覧ください。
 150ページのスライドの下のほうでございます。
 6回目接種当日中にエントリーして回答いただいた方は16名、そのうち有効回答者数は15名となっております。有効回答者数は前回と比較して1名の増加となってございます。
 次に152ページでございますが、上側のグラフで6回目接種後の有効回答者のワクチンの種類ごとの人数をお示ししてございます。その中で、例えばファイザーのBA.4-5対応ワクチンを接種した方は4名、モデルナ社のBA.4-5対応ワクチンを接種した方11名となっております。
 続きまして、176ページから症状の分析結果を掲載しておりまして、さらに、226ページからワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししてございます。
 さらに、234ページと235ページに接種6回目の後の症状の発現率をお示ししております。症状の発現率などの傾向につきましては、前回までと比較して大きな変化はございません。
 続きまして、404ページからは接種後に医療機関を受診した方の割合、409ページからは医療機関での診断結果、416ページからは入院の状況、421ページからは3回目、4回目、5回目または6回目の接種を受けられた方に対しまして、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果を示しております。これらにつきまして、前回から特筆すべき変化はございません。
 最後に、資料431ページからは新型コロナワクチンの4回目、5回目または6回目の接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。
 資料にはございませんが、今後、オンライン調査の御協力を国民の皆様に依頼するために、厚生労働省のSNSを用いましてオンライン調査の広報を行ったことを併せて御報告いたします。
 資料1-9につきましては、御説明は以上でございます。
○岡座長 続きまして、資料1-8については、伊藤澄信委員に御説明をお願いします。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 資料1-8です。
 本日は、9月20日より開始されました令和5年秋開始接種のオミクロン株XBB.1.5対応の1価ワクチン追加接種の接種1週後までのデータが一部集まりましたので、その調査結果と、今年4月に前回報告いたしました武田/ノババックス社の組換えタンパクワクチンの追加接種について、中和抗体も含めた結果を主に報告いたします。
 令和4年の秋開始接種と令和5年の春開始接種のオミクロン株対応2価ワクチンと、5から11歳の小児及び6か月から4歳の結果については、7月に報告させていただいたもののリバイスです。
 オミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチンについては、2ページから提示しました。
 国立病院機構、地域医療機能推進機構(JCHO)及び順天堂大学の医療機関で、主に職員の方を対象に調査に御協力いただいております。10月13日までに237人の方が接種されています。6ページには接種前の抗体価を示しておりますが、40人の方のうち20人の方が抗N抗体陽性で、抗体価で判断いたしますと、既に半分の方が感染されていたということが分かります。抗スパイクタンパク質抗体は、抗N抗体が陰性の方が9,348に対して、陽性の方は2万9281と明らかに高くなっています。
 8ページからが発熱などの時系列推移を示しております。接種翌日に37.5℃以上の発熱が出ていて、それと、倦怠感も翌日が一番頻度が高いというのは今までの副反応と変わりありません。
 今回はファイザー社の結果だけですので、12ページにファイザー社の起源株1価の3回目接種、4回目接種、オミクロン株2価の令和4年秋開始接種、令和5年春開始接種との比較表を作っています。
 令和5年春開始接種は、被接種者の年齢が少し高いので発熱などの頻度が少し低いのですけれども、令和4年秋開始接種の2価ワクチンとは被接種者層がほぼ同じなので、それと比べていただくとよいと思います。10月20日現在でデータが129人になっておりましたので、それを見ますと、発熱の頻度が18.6%、38℃以上が4.6%と提示させていただいたデータより少し下がっているようです。いずれにいたしましてもほぼ差がないと思います。
 武田/ノババックス社の組換えタンパク質ワクチンについては、NHO、JCHO、順天堂大学で調査に御協力いただいておりますが、一般の人が多くて、3回から6回目追加接種460人の結果を全部まとめた形での表記にさせていただいています。
 22ページです。
 22ページは3回目接種189人、4回目接種以降38人の計227人の抗体価の結果を示しております。左のグラフは抗スパイクタンパク質抗体価で、右が中和抗体価です。各グラフの左側は3回目、右側は4回目以降の結果をまとめています。具体的な数値は下に示しているとおりで、中和抗体価は起源株とBA.5株、それから、XBB.1.5株に対する結果です。保存血清を用いての測定ですので、全ての人の結果ではありません。
 3回目は2022年5月末から10月にかけて、4回目接種は2023年の2月から8月にかけて接種された結果です。3回目と4回目以降に関しては少し接種時期にずれがあります。
 抗S抗体価を御覧いただきますと、接種前の抗体価が3回目に比べて4回目のほうが高いというのが分かります。したがいまして、3回目接種をすると、それ以降のワクチン接種前でも抗体価がかなり高くなっていますので、3回目接種は有効そうだと見えるかと思います。
 接種後の抗体価に関しては、3回目と4回目で大きな違いはなさそうです。
 中和抗体なのですが、接種後の起源株対する中和抗体価は100倍程度と高いのですが、BA.5株というのは30倍程度、XBB.1.5株については数倍という状況でした。
 抗S抗体に比べますと、中和抗体の減衰の程度は少ない印象がありますが、測定系が違うので、意味づけは難しいかもしれません。
 今回数字で示しておりませんけれども、3回目接種前の抗N抗体価の陽性率は21.2%でした。6か月後は42.4%、4回目接種前が39.5%が6か月後は44%でした。比較対象がないので解釈が難しいのですが、前回7月に提示させていただいたmRNAワクチン接種者の方の抗N抗体の推移グラフに当てはめますと、スタート時点での抗N抗体の割合は高そうでしたけれども、毎月の抗N抗体の増加率というのは大きな違いがなさそうという印象を持っております。
 25ページからは接種後の副反応の時系列の頻度を示しています。37.5℃以上の発熱の頻度は、mRNAに比べて随分低いということが分かります。3回目と4回目以降はほぼ差がありません。
 32ページ以降はPMDA報告とSAE報告の一覧です。
 mRNAワクチンとの比較表を36ページに作っております。
 38ページからは、オミクロン株対応2価ワクチンの令和4年秋開始接種と令和5年春開始接種データのリバイスです。前回7月に報告した結果に3か月、6か月の抗体価の結果を追加しています。
 77ページからは、5歳から11歳の小児の追加接種の結果です。
 88ページに抗S抗体の結果を提示しております。
 この88ページの3回目接種前の人数と抗体価の数値は7月に提出した際に間違えていましたので、謹んで訂正させていただきます。
 89ページは抗S抗体価追加接種3か月の結果を追記しています。それが主な追記になります。
 104ページからは6か月から4歳の乳幼児の結果ですが、7月のデータのリバイスです。
 あわせまして、124ページからの参考資料の説明もさせていただきます。
 前回の7月28日に国際医療研究センターの大曲先生から報告がありましたが、ワクチン接種後の遷延する症状の医療機関調査が実施されています。31日以上継続した症例の収集をしていて、前回報告があったとおりなのですが、こうした調査では頻度の推定ができませんので、4回目接種調査までの延べ4万7000人の遷延する副反応を日誌から抽出しました。
 症状の消失日時が入っていないものがあるというリミテーションがある点は御承知おきいただきたいのですが、1回目から4回目の頻度と信頼区間に関しては126ページのとおりです。
 2価ワクチンの昨年秋と今年の春の調査も、途中ですが、同様に算出しておりますが、頻度に関してはほぼ変わりがありませんでした。
 このことから、2回目接種以降は約100人に1人の方が10日以上続く副反応を認めていますが、31日以上続いた人というのは1,000人から2,000人に1人という頻度の推計ができております。
 なお、これも申し訳ないのですが、7月28日に1回目接種後の31日以上継続した人は三叉神経障害の1例と報告しておりましたが、39日間持続した40歳の女性1例が見つかりましたので、こちらについても計2名と訂正させていただきます。
 報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局と伊藤先生から御報告がありましたこれまでの副反応疑い事例、部会資料の構成、健康状況に関する調査等について、効率的に議論を進めるために、論点に沿って議論を進めていきたいと思います。
 まずは、副反応疑い事例に関して、新型コロナワクチンの安全性評価について、1番、心筋炎及び心膜炎について。2番、死亡事例について。3番、小児、乳幼児接種について。4番、そのほかの論点について。5番として各種新型コロナワクチンの報告状況のまとめと今後の論点についての順で御議論をお願いしたいと思います。
 まず、心筋炎及び心膜炎事例について議論を行いたいと思います。資料としては、心筋炎及び心膜炎事例の論点は、資料1-6の11ページに事務局から挙げていただいております。
 何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 見ていただいてよろしいですか。大きな傾向の違いはないのではないかという御報告だったかと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 それでは、続きまして、死亡事例のほうについて移りたいと思います。
 死亡事例の論点につきましては、資料1-6の12ページにおいて事務局から挙げていただいております。ワクチン接種と副反応疑い報告との観点で、接種継続の可否についてどう考えるかといったことについて御意見、御質問等をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。そこの事務局の論点を見ていただいて、特に御質問等はないでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 それでは、次の論点として小児、乳幼児接種についてでございます。それについては、資料1-6の13ページに事務局から論点をまとめていただいております。
 これについて何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 今回、1例熱性けいれん重積というのがございましたけれども、熱性けいれんを繰り返していたお子さんだったというような御報告があったかと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 そうしましたら、進めさせていただきます。
 そのほかの論点ということで、資料1-6の論点スライドで示していただいております4回目以降の接種後というまとめ、それから、2価ワクチン等の副反応を含め、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 それでは、進めさせていただきます。
 次は、まとめ方と今後の進め方ということですけれども、接種回数別報告状況のまとめと今後の論点についてということで、資料1-6の18ページにまとめていただいております。今後、ワクチンが切り替わるということで、既に伊藤澄信先生からはXBB.1.5の御報告がございましたけれども、それに切り替えていくような形で次回以降まとめていただくといった方針でございますけれども、何かございますか。よろしいですか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 その論点に加えて、1-7のことも交えてでよろしいでしょうか。
○岡座長 結構です。
○舟越委員 資料1-7についての意見ですが、次回から起源株やオミクロン株1価のデータについては省略とありましたが、XBBからは臨床試験なしで承認されていると思います。承認には問題ないとしておりますけれども、起源株やオミクロン株1価との比較は今後どこで傾向を、副反応に対して違いはないとかを検討される予定でしょうか。
 臨床試験なしで承認されていることについては、我々は理解しているところですが、リテラシーの差もございますし、誤解されている方々もいらっしゃるようです。資料1-8の伊藤先生の調査データでも十分副反応の傾向は分かりますけれども、国民に広く安心していただくためにも、例えば一定期間起源株とオミクロン株の1価や2価、XBBは相違ないことを参考資料や別添等でどこかお示しする機会があったほうが丁寧かと思いますが、いかがでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。お願いします。
○事務局 医薬安全対策課でございます。
 舟越先生、御質問ありがとうございます。
 先生の御指摘のとおり、ファイザー社及びモデルナ社のXBB対応ワクチンにつきましては、品質のデータと非臨床試験データを確認することにより、承認されたものと承知しております。
 起源株及び2価ワクチンにつきましては、9月20日にXBB.1.5対応ワクチンの接種が開始されて以降、その供用が終了したところであり、今後新たに接種される症例はいないものの、先生の御意見のとおり、適宜XBB.1.5対応ワクチンのデータと起源株及び2価ワクチンのデータにつきましては、比較できるようにしておくべきと事務局としても考えております。
 なお、今回の部会資料についての起源株及び2価ワクチンのデータは7月30日までの集計分であることを踏まえ、次回審議会では10月29日までの集計分を参考でお示しする予定ですが、今後の部会でも当該資料をリファレンスとして適宜御参照いただけるようにしてまいりたいと考えております。また、部会資料として更新しない場合におきましても、各症例におきましてはPMDAで随時整理されており、確認は継続されるものと承知しております。さらに、XBBの症例が一定程度集積されたところで、起源株及び2価ワクチンとの比較についてもお示しさせていただくことも検討させていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○舟越委員 よく理解できました。どうぞよろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、まとめのほうに移りたいと思いますけれども、よろしいですか。
 それでは、これまで議論された内容をまとめたいと思いますので、一緒に御確認いただければと思います。
 まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向としては、マル1として、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎、心膜炎について報告状況や専門家評価の結果については、動向の大きな変化はないとまとめさせていただきました。
 死亡事例についてでございますが、マル2として、死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに35件の死亡事例の報告があり、うち23件が4回目以降の接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,878例については、2件がα、10件がβ、そのほかの事例はγと評価された。
 スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに11件の死亡事例の報告があり、うち7件が4回目以降の接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された236件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされた。
 ヌバキソビッドについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たな死亡事例の報告はなかった。専門家による評価では、接種開始以降報告された3例については、いずれもγと評価された。
 これまでの死亡に関わる副反応疑い報告の状況及び国内外のCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえると、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えるとまとめさせていただきました。
 小児接種についてでございますけれども、マル3として、コミナティ筋注5から11歳用については、3例が死亡事例として報告されており、いずれもγと評価された。
 また、マル4として、心筋炎、心膜炎について、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はない。
 マル5として、コミナティ筋注5から11歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考える。
 続きまして、乳幼児接種についてでございますが、マル6として、コミナティ筋注6か月から4歳用については、心筋炎、心膜炎事例の報告はなかった。
 マル7、死亡事例については1例報告があり、専門家による評価ではγとされた。
 マル8、コミナティ6か月から4歳用接種後の報告状況について、現時点においてはワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考える。
 そして、そのほか、接種回数別報告状況のまとめと今後の論点としまして、マル9、12歳以上用のファイザー社及びモデルナ社ワクチン、小児用ファイザー社ワクチン、乳幼児用ファイザー社ワクチンにおける従来株、オミクロン株2価対応ワクチン及び接種回数別の報告状況については、これまで継続的に注視し、議論をしてきた内容も踏まえると、重大な懸念は認められないと考えてよいのではないか。
 マル10として、今後の審議会の場においては、現在予防接種法上の接種対象となっているオミクロン株XBB.1.5系統ワクチン及び武田社ワクチン(ノババックス)の報告状況に注視し、新型コロナワクチンの接種を継続することについて議論をしていくこととするとさせていただきました。
 そして、ワクチン接種後の遷延する状況については、マル11として、研究班から追加接種におけるワクチン接種の遷延する症状について報告がなされました。
 このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん首肯していただいているかと思います。ありがとうございます。
 そうしますと、今回報告のあった具体的な事例なども踏まえて、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについてでございますけれども、何か御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん首肯していただいておりますので、そのように進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 そうしましたら、続きまして、資料1-10について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 岡先生、申し訳ありません。
 1点、事務局から先ほどの舟越先生との議論に補足させていただきます。
 先ほど、品質データと非臨床データを確認することで承認されたと承知しております、と回答させていただきました。担当課ではございませんけれども、1点補足させていただきます。
 XBB1.5対応ワクチンにつきましては、これまでの臨床試験成績や使用実績を踏まえると、安全性プロファイルについて既承認の製剤と基本的には同様であると予見できること等から、国際的な評価の考え方も踏まえまして、品質において問題がないということ、また、非臨床試験でオミクロン株に対して中和抗体価が十分に上昇していることを確認することにより、承認して差し支えないかどうかの判断をするとした評価方針、これは7月31日に医薬局の医薬品審査管理課が出しているものでございますけれども、こちらに基づいて承認されているものであると承知しております。
 補足でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、続いて、資料1-10について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料1-10、バキスゼブリア添付文書の改訂についてでございます。
 委員の先生方には事前にお知らせをしているところでございますが、昨年9月30日をもって接種を終了し、現在は臨時接種の対象外となっておりますバキスゼブリア、アストラゼネカ社のワクチンについてでございますが、10月12日付で免疫性血小板減少症(ITP)を追記する使用上の注意改訂指示通知を発出しております。
 本ワクチンについては今後接種される可能性が低いことから、本部会での了承の下、現在は部会での審議及び部会資料化をしてはおりませんが、本件についてこの場で御報告をさせていただきます。
 改訂の経緯でございますが、CCDSが改訂されたことから、免疫性血小板減少症(ITP)の追記に係る企業相談があり、PMDAにおいても検討を進めたものでございます。免疫性血小板減少症の海外症例について評価を行い、症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について専門委員の意見も聴取した結果、本剤と免疫性血小板減少症との因果関係の否定できない海外症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断し、改訂に至ったものでございます。
 資料1-10として、添付文書の新旧表をお示ししております。
 説明につきましては以上でございます。
○岡座長 何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、進めさせていただきます。
 それでは、議題の2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」に入りたいと思います。
 まず、事務局から資料2-1から2-31までの御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2023年4月から6月末までにおける副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。
 資料は2-1から2-31及び参考資料18になります。
 まずは資料2-1、MRワクチンについてです。
 1ページ目の中段の表を御覧ください。
 MRワクチンの期間内の接種可能延べ人数は約70万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関からの報告は14件、うち重篤なものは10件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0007%、医療機関からの報告頻度は0.0020%となっております。
 今回の集計対策期間内に1件ADEMの報告があり、資料2-27のNo.1にお示ししております。専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 また、集計対象期間前の追加報を含め、2件アナフィラキシー疑いの症例が報告されております。詳細につきましては、資料2-29のNo.4、No.11にお示ししておりますが、いずれも専門家評価により、ブライトン分類2、因果関係評価はαとなっております。
 資料2-1は以上です。
 資料2-2、麻疹ワクチン、資料2-3、風疹ワクチンについては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-4はおたふく風邪ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約43万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は10件、うち重篤なものが9件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0002%、医療機関からの頻度は0.0023%となっております。
 今回ADEM疑いの報告が1件報告されておりますが、先ほどのMRワクチンと同じ症例になりますので、説明は割愛させていただきます。
 資料2-4は以上です。
 資料2-5は水痘ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約47万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は9件、うち重篤なものが7件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0019%となっております。
 資料2-5は以上です。
 資料2-6は帯状疱疹ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約19万人、製造販売業者からの報告は21件、医療機関からの報告は3件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0109%、医療機関からの報告頻度は0.0016%となっております。
 今回の集計対象期間内に転帰が後遺症の報告が1件あり、資料2-26のNo.3にお示ししております。専門家の評価により、因果関係評価はγとされています。
 また、今回の集計対象期間内に1件アナフィラキシー疑いの報告があり、資料2-29のNo.8にお示ししております。こちらは専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 そのほか、今回接種後の死亡事例が報告対象期間内で1件報告されておりますが、こちらは前回部会にて報告、評価済みですので、説明は省略させていただきます。また、10月6日までの報告対象期間後においても1件報告されており、資料2-30のNo.3になりますが、こちらは現在調査中のため、次回以降の本部会で改めて報告させていただきます。
 資料2-6は以上です。
 資料2-7は23価肺炎球菌ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約44万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は9件、うち重篤なものが3件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0016%、医療機関からの報告頻度は0.0020%となっております。
 今回の集計対象期間前の症例で1件GBSの再評価事例があり、資料2-28のNo.2にお示ししております。専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 また、10月6日までの報告対象期間後において、死亡事例が1件報告されており、資料2-30のNo.4になります。こちらは現在調査中のため、次回以降の本部会で改めて報告させていただきます。
 資料2-7は以上です。
 資料2-8はサーバリックスについてです。
 接種可能延べ人数は約2,000人、医療機関からの報告が1件、報告頻度は0.0488%となっております。
 資料2-8は以上です。
 資料2-9はガーダシルについてです。
 接種可能延べ人数は約12万人、製造販売業者からの報告は19件、医療機関からの報告は15件、うち重篤なものが6件でした。製造販売業者の報告頻度は0.0164%、医療機関からの報告頻度は0.0129%となっております。
 集計対象期間前の症例になりますが、転帰後遺症、GBS疑いの症例、アナフィラキシー疑いの症例について、それぞれ追加報告に基づき再評価を行っております。それぞれ資料2-26のNo.1、資料2-28のNo.1及び別紙、資料2-29のNo.3にお示ししておりますが、いずれも因果関係評価はγとされています。
 資料2-9は以上です。
 資料2-10はシルガード9についてです。
 接種可能延べ人数は約31万人、製造販売業者からの報告が34件、医療機関からの報告は24件、うち重篤なものが15件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0109%、医療機関からの報告頻度は0.0077%でした。
 中段の参考部分について、念のため補足させていただきますが、これまでも本部会で御説明、御了承いただき、また、注釈2にも記載しておりますとおり、販売開始からの累計の欄につきましては、製造販売業者からの追加調査により得た最新の時点における医療機関の評価に基づく重篤度を反映しております。そのため、今回のように審議対象期間の件数より医療機関報告のうち重篤数が少なくなる場合がございますが、具体的な事例の内訳については、これまでどおり参考資料18に記載しておりますので、そちらも御参照いただけますようお願いいたします。
 次に、今回の集計対象期間内に報告されたGBS症例について、資料2-28のNo.3にお示ししております。こちらは専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 また、今回の集計対象期間内にアナフィラキシー疑いの症例が3件報告されており、資料2-29のNo.6、7、10にお示ししております。いずれも専門家により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされております。
 資料2-10は以上です。
 資料2-11のDPTワクチン、資料2-12のDTワクチン、資料2-13のジフテリアトキソイドにつきましては、対象期間内に報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-14の破傷風トキソイドについてです。
 接種可能延べ人数は約1万5000人、製造販売業者からの報告は1件、報告頻度は0.0065%となっております。
 資料2-14は以上です。
 資料2-15の不活化ポリオワクチンにつきましては、対象期間内に報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-16は4種混合ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は89万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関からの報告が15件、うち重篤なものが13件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0006%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっております。
 今回の集計対象期間内に転帰後遺症の報告が2件あり、資料2-26のNo.2、No.4にお示ししております。専門家の評価により、因果関係評価はγとされています。
 また、今回の集計対象期間内に接種後の死亡事例の報告が2件あり、資料2-30のNo.1、No.2にお示ししております。専門家の評価により、因果関係評価はγとされています。
 資料2-16は以上です。
 資料2-17は13価肺炎球菌ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約73万人、製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものは12件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0011%、医療機関からの報告頻度は0.0016%となっております。
 今回の集計対象期間前のアナフィラキシー疑いの症例について、資料2-29のNo.2にお示ししております。追加報告に基づき再評価を行っておりますが、専門家の評価により、因果関係評価はγとされております。
 そのほか、転帰が後遺症の症例が1件、接種後の死亡事例が1件報告されておりますが、いずれも4種混合ワクチンの事例と同じ症例になりますので、説明は省略いたします。
 資料2-17は以上です。
 資料2-18は15価肺炎球菌ワクチンについてです。
 令和5年4月より15価肺炎球菌ワクチンが接種開始されておりますので、審議対象ワクチンとして今回より資料を作成しております。なお、今回の審議対象期間において報告はございませんでした。
 資料2-18は以上です。
 資料2-19はHibワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約72万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが12件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0008%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっております。
 報告対象期間内に接種後の死亡事例が2件、報告対象期間前の症例で今回再評価された事例としてアナフィラキシー疑いの事例が1件報告されていますが、これまでに御説明した症例と同じになりますので、説明は省略いたします。
 また、6か月間の死亡症例の報告の頻度として、10万接種当たり0.07から0.13となっており、こちらも0.5を下回っております。
 資料2-19は以上です。
 資料2-20はBCGワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約19万人、製造販売業者からの報告は17件、医療機関からの報告は16件、うち重篤のものが9件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0087%、医療機関からの報告頻度は0.0082%となっております。
 報告対象期間内に転帰後遺症の事例が1件報告されておりますが、こちらは4種混合ワクチンと同じ症例になりますので、説明は省略いたします。
 資料2-20は以上です。
 資料2-21は日本脳炎ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約95万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが10件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0003%、医療機関からの報告頻度は0.0013%となっております。
 今回の集計対象期間内に転帰後遺症の症例が製造販売業者より1件報告されており、資料2-26のNo.5にお示ししております。専門家の評価により、因果関係評価はγとされています。
 また、今回の集計対象期間内に報告されたADEM疑いの症例について、資料2-27のNo.3、No.4にお示ししております。いずれも専門家の評価により、ブライトン分類は4、因果関係評価はγとされています。
 そのほか、今回の集計対象期間内に2件、対象期間前の再評価事例で2件、アナフィラキシー疑いの事例が報告されており、資料2-29のNo.1、4、5、11にお示ししております。このうち、No.4、5、11についてはブライトン分類3以上、因果関係評価はαと評価されています。
 資料2-21は以上です。
 資料2-22はB型肝炎ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約110万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は10件、うち重篤なものが10件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0009%となっております。
 今回の集計対象期間内に転帰後遺症の症例が1件報告されており、資料2-26のNo.2にお示ししております。専門家の評価により、因果関係評価はγとされています。
 また、今回の集計対象期間内に報告されたADEM疑いの症例について、資料2-27のNo.2にお示ししておりますが、専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 そのほか、対象期間前の再評価事例で1件アナフィラキシー疑いの事例が、対象期間内の事例で転帰後遺症の事例が1件、対象期間内の症例で接種後の死亡事例が2件報告されておりますが、こちらは既に御説明済みの症例と同じになりますので、省略させていただきます。
 資料2-22は以上です。
 資料2-23は1価のロタウイルスワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約22万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.003%、医療機関からの報告頻度は0.002%となっております。
 今回の集計対象期間内に報告されたアナフィラキシー疑いの症例について、資料2-29のNo.9にお示ししておりますが、専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 資料2-23は以上です。
 資料2-24は5価のロタウイルスワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約18万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが6件でした。
 対象期間前の再評価事例で1件アナフィラキシー疑いの事例が、対象期間内の事例で接種後の死亡事例が2件報告されておりますが、これらは既に御説明の症例と同じになりますので、こちらも省略させていただきます。
 資料2-24は以上です。
 資料2-25を御覧ください。
 こちらは、ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況につきまして、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より、資料の提供を受けております。
 資料の2ページ目から6ページ目までは、グラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、ワクチン接種時の週齢でまとめたグラフになっております。
 7ページ目以降は、MSD社のロタテックについてロタリックスと同様にまとめた資料となっております。
 2020年10月に定期接種化されておりますが、報告頻度が特段高くなっているということはなく、また、VAERSに基づく海外との比較においても、外科手術や死亡に至った事例が低いことが示されております。
 資料2-25は以上です。
 資料2-26から2-30までは、各ワクチンにて御説明済みですので、割愛させていただきます。
 最後、資料2-31になりますが、こちらは帯状疱疹ワクチンに関しまして、前回の対象期間における接種可能延べ人数について、企業より修正の連絡がありましたのでお示ししております。御確認ください。
 新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料2の説明は以上になります。
○岡座長 ありがとうございます。
 ただいまの事務局からの御説明について、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 2つあるのですけれども、まず資料2-6の帯状疱疹ワクチンについて、事務局に確認したいことがございます。
 帯状疱疹ワクチンは、市販当初は資料のとおり、3か月で2,900人から、今、直近ですと、今日報告いただいたように19万3000人と、啓発も含めて接種人数が増えてきていると思います。本ワクチンのリスク管理計画の中では、免疫の関与が疑われる疾患として潜在的リスクに明記がありまして、治験時の副反応の疑い症例では、国内での被験者では報告はゼロだったので、このリスク管理計画では、現時点においては本接種による免疫関与が疑われる疾患の発現リスクについては明確ではないため、電子添文での注意喚起は行わないと明記されています。製造販売後の免疫の関与が疑われる疾患の発現状況に応じて、注意喚起の必要性を検討すると記載がありました。そのため、現場でもその点は留意しているところでございますけれども、1つ目としては、今回の資料2-6の症例、製販のほうの潰瘍性大腸炎などはそれに当たるものではないかと認識しています。その点、企業の見解は現時点でいかがでしょうか。もちろん、1症例報告では何とも言えないと思いますが。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 舟越先生、ありがとうございます。
 御指摘の製造販売業者から報告されたNo.4の症例につきましては、コールセンター経由で消費者から得た情報に基づく報告となっております。この方は、基礎疾患の欄にもありますとおり、もともと潰瘍性大腸炎の既往がある方であり、接種後に症状が悪化したことで報告されているものになります。
 2ページ目に症状別集計も記載しておりますが、帯状疱疹ワクチン接種後の潰瘍性大腸炎の疑い例というのは今回初めて報告として上がってきたところになりますが、本症例に関しまして現時点で得られている情報は患者からによるもののみであり、医療関係者による検証もされていないことから、関係性等を判断することは困難との製造販売業者からの見解をいただいているところになります。
○舟越委員 ありがとうございます。
 あと、同じ資料の中で、今回の資料に死亡症例も明記されており、症例背景が不明というのはやはり文献からの報告ということでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 こちらの死亡症例につきましては製造販売業者から報告されたものになりまして、こちらはMR経由で医師から得た情報に基づき報告されているものになりますが、報告書によりますと、「知り合いで病院勤務のドクターからワクチン接種後死亡したという症例を聞いた」という伝聞情報に基づく報告となっておりまして、現時点ではこれ以上の情報が得られていないというところになります。次回以降の本部会にて、追加の情報があれば含めた上で改めて報告させていただければと思っています。
○舟越委員 ありがとうございます。
 岡先生、HPVのほうもいいですか。
○岡座長 どうぞ。お願いいたします。
○舟越委員 あと1つだけですが、4価のHPVワクチンについて質問させていただきます。
 4価HPVワクチンでは、男性の適用も2020年の12月から承認されていると思いますけれども、本資料の2-9では不明を除いて全て女性のみですが、男性、女性での接種状況、分母は把握されていますでしょうか。承認されていれば、定期接種化の有無は関係なく、こういった副反応の報告は上がってくると思うのですけれども、分母について分からないので、そちらについて教えていただきたいと思います。
○事務局 事務局からお答えいたします。
 4価のHPVワクチンの男性接種につきましては、現在任意接種であることもありまして、接種者数などの実施状況につきましては、こちらで把握をしていない状況でございます。
○事務局 また、先生の御認識のとおり、定期接種化の有無は関係なく、副反応疑い報告のあったものにつきましては本資料に掲載されますが、男性の適用が確認された2020年から今回のデータロックである2023年6月末までにおいて、男性の副反応疑い報告事例は確認されておらず、前回、前々回の本部会で男性事例のほうは報告しているのですけれども、そちらは併せて御説明させていただいたとおり、現在取り下げとなっているといった状況でございます。
○舟越委員 分かりました。
 私からは以上になります。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。特にございませんでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございました。
 それでは、これまでの内容をまとめたいと思いますので、皆様、一緒に御確認いただければと思います。
 まずマル1として、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いことはない。
 マル2として、後遺症の報告は、対象期間前の症例を含め5例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされた。
 マル3として、ADEMの可能性がある症例は、対象期間内に4件報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル4として、GBSの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め3例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル5として、アナフィラキシーの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含め11例報告され、MRワクチンと日本脳炎ワクチンの同時接種の症例等の3例について、ワクチンと症状名との因果関係は否定できないものとされた。そのほかの事例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル6として、死亡症例は10月6日時点までに4件報告された。現在調査中の事例を除き、いずれも情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル7として、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていた。
 という形でまとめさせていただきましたけれども、このような形でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん首肯していただいているかと思います。
 この内容を踏まえ、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて御意見はありますでしょうか。よろしいですか。
 特に御意見がないということであれば、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 ありがとうございます。皆さん首肯していただいていることが確認できましたので、そのようにさせていただきます。
 本日の議題は以上となりますけれども、そのほか、全体を通じて何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 インフルエンザのワクチンと新型コロナのワクチンの同時接種も行われてきているのですが、新型コロナワクチンを皮下接種してしまったという間違い接種事例が報告されているようですので、これに関しては、医療機関で気をつけられたほうがいいと思いましたので、発言をさせていただきました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 何か事務局のほうでコメント等はございますか。一応そういった情報ということで、受け取っておいていただいてということで。
 では、事務局、お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 また実態を把握させていただいて、間違い接種の状況の報告もございますので確認をして、必要な情報提供等をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、よろしいですか。
 ありがとうございます。
 何か事務局のほうでございますか。いいですか。
 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。活発な御議論をありがとうございました。