第7回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会 議事録

日時

令和5年7月20日(木)

場所

オンライン会議

出席者

委員(五十音順)

議題

  1. 1.これまでの議論の整理等を踏まえた福祉用具貸与・販売種目のあり方について
  2. 2.その他

議事

第7回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会
○高齢者支援課長 
 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第7回「介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方、御多忙の中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 私、高齢者支援課長を拝命しました峰村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はオンライン会議システムを併用しての実施とさせていただいております。
 また、動画配信システムでのライブ配信によりまして、一般公開する形となってございます。
 本日の委員の御出席の状況でございますが、岡田委員が御欠席となってございます。
 また、事務局でございます。このたびの人事異動等によりまして、体制に変更がございました。
 まず、新たに着任いたしました老健局長の間より一言御挨拶申し上げます。
○老健局長 
 このたび老健局長を拝命いたしました間でございます。
 野口座長をはじめ委員の皆様方には、これまで6回にわたり御議論いただいておりますこと、まずもって感謝申し上げます。ありがとうございます。
 昨年9月にこれまでの議論の取りまとめをいただいた際に、今後の進め方として、データが足りない、もっと実態などを調べるべきだという宿題を頂戴しておりました。少し間が空きましたけれども、今回はそういったものもお出しをしながら、引き続き議論をいただきたいと思っております。
 先生方の御議論を踏まえて、我々もしっかりと検討してまいる所存でございますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○高齢者支援課長
 また、新たに前回の検討会以降着任した者としまして、山口総務課長。
 それから、今、到着が遅れておりますけれども、和田認知症施策・地域介護推進課長。
 それから、推進課の大城課長補佐。
 それから、高齢者支援課におきましては、私に加えまして、内田福祉用具・住宅改修指導官が新たに着任してございます。
 なお、斎須審議官につきましては、本日所用によりまして欠席してございます。
 それでは、議事に入る前に、内田指導官からお手元の資料とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 事務局でございます。
 説明させていただきます。電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
 まず、議事次第がございます。
 次に、右肩資料1-1「開催要綱」。
 資料1-2「構成員名簿」。
 資料2「これまでの議論の整理等を踏まえた福祉用具貸与・販売種目のあり方」。
 続いて、参考資料が3つでございます。
 参考資料1が「これまでの議論の整理等を踏まえた福祉用具貸与・販売種目のあり方に係る参考資料」としております。
 参考資料2に関しては、昨年9月14日に取りまとめた「これまでの議論の整理」、参考資料3がその概要になります。
 資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードをいただくなどの対応をお願いいたします。
 次に、オンライン会議における発言方法等について確認させていただきます。
 オンラインで御参加の委員の皆様、画面下のアイコンのマイクについて基本的にミュートにしていただきますが、御発言される際はZoomツールバーの「リアクション」から「手を挙げる」をクリックしていただき、検討会座長の御指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。
 御発言が終わりました後は「手を降ろす」をクリックしていただき、併せて再度マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 発言希望の御意思が座長に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思を伝えていただくことも可能ですが、原則としては「手を挙げる」機能にて意思表示をお願いいたします。チャット機能等で記載いただいた内容については、オンラインの画面に表示されますので、御承知おきください。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。報道の皆様含め、ここで御退室いただきますようお願い申し上げます。
(報道関係者退室)
○高齢者支援課長
 それでは、以降の進行を野口座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○野口座長
 皆様、1年ぶりで、お元気にお過ごしのことと思います。今日は御参集いただいて、お忙しいところをどうもありがとうございます。
 それでは、議事次第に沿って進めさせていただきたいと思います。
 本日は1年ぶりになりまして、皆さんに思い出していただくという意味でも「これまでの議論の整理等を踏まえた福祉用具貸与・販売種目のあり方」に関する1番目「福祉用具貸与・販売に関する安全な利用の促進、サービスの質の向上等への対応」、2番目といたしまして「福祉用具貸与・販売に係る適正化の方策」、3番目といたしましては「福祉用具・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方」、この3点について、これまでの各種調査研究結果等を踏まえつつ、御議論をいただきたいと考えております。
 それでは、事務局様より1番と2番ですね。「福祉用具貸与・販売に関する安全な利用の促進、サービスの質の向上等への対応」、2番目「福祉用具貸与・販売に係る適正化の方策」の2点について資料の御説明をよろしくお願いいたします。

○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 それでは、事務局より資料の説明をかいつまんで10分程度でさせていただけたらと思っております。使用しますのは資料2になります。
 まずはスライドの2枚目を出していただいて、ここに今、座長からもありました「本検討会の主な検討事項等について」という形で記させていただいております。1番として福祉用具貸与・販売に関する安全な利用の促進とサービスの質の向上等への対応ということ、2番目に貸与・販売に係る適正化の方策というところで記しておりますが、右側にはこれまで令和4年度の老健事業の調査結果等に関する報告、また、改めて福祉用具専門相談員に求められる役割等を記した中で、後半、私どもから幾つか対応方針案を示させていただいておりますので、これに関して御意見を賜れればと思っております。以下、少し説明していきます。
 スライド3枚目に関しては、昨年取りまとめた「これまでの議論の整理」の安全な利用の促進とサービスの質の向上についていただいている意見を大きく2つに分けて記載しております。1つ目が福祉用具利用における事故を未然に防ぐ取組の促進、事故情報等の活用、2つ目が中段になりますが、サービスの質の向上に資する福祉用具専門相談員等に係る取組という形で挙げさせていただいております。
 続けて、資料4枚目、5枚目には、それぞれ申し上げました点に関するこれまでの調査研究のデータを挙げております。記載しておりますページに関しては、今回の参考資料1と照らして御確認いただけたらと思っております。ここでは割愛させていただいて、説明申し上げますのは、スライド6枚目ですね。この安全な利用の促進とサービスの質の向上への対応に関して、この調査研究を踏まえた上での今後の課題という形で幾つか挙げているものを紹介していきたいと思います。
 まず、上段ですね。福祉用具利用における事故を未然に防ぐ取組の促進、事故情報等の活用に関して、4つ挙げている部分を2つ説明いたします。1つ目の○に関しては、令和3年度、4年度老健事業において、福祉用具貸与事業所における事故防止に向けた取組状況の実態を調査した結果、事故やヒヤリ・ハットの範囲・定義を明確にして周知することができていない事業所が4割程度あることが分かった。事業所内での共通認識の下、事故やヒヤリ・ハットの範囲・定義を明確化し、事故やヒヤリ・ハット情報を広く収集するとともに、事業所内における事故防止に向けた対応を検討するなど環境や体制を整えて、福祉用具専門相談員の意識向上を図ることが重要であると挙げさせていただいております。2つ目です。福祉用具貸与事業所における定期モニタリングの頻度について「原則として6か月に1回」が最も多いが、一方で、疾患があり身体状況の変化が著しい場合「頻度が高いケースがある」といった回答もあり、事故を未然に防ぐ取組としては、モニタリングの時期等の判断が重要であると挙げさせていただいております。以下、省略いたします。
 また、中段のサービスの質の向上に資する福祉用具専門相談員等に係る取組に関して、以下、4つ課題を挙げておりますが、ここも幾つか紹介させていただきます。まず、1つ目です。令和3年度、4年度老健事業において、記録項目などを整備した福祉用具貸与計画等の各種様式を使用することで、適切なサービス提供、評価に活用できることが把握できた一方で、福祉用具の選定に必要な「要介護度や身体状況、ADL」等の情報が未記入のケースがあるなど、記録の作成に関する課題も明らかとなりました。2つ目です。サービス提供におけるPDCAを適切に実践するためには、福祉用具専門相談員の役割や福祉用具貸与計画等の各種様式を活用する目的・方法等について広く周知することや、新任を対象とした福祉用具専門相談員指定講習カリキュラムを見直すなど、福祉用具専門相談員の知識や役割の向上に向けた具体的な取組が重要であると挙げております。1つ飛んで最後の○も御紹介いたします。福祉用具サービス計画の交付前後における医療専門職等を含めた多職種連携に関しては、サービスの質の向上に効果があるとの結果があり、継続して取り組む必要があると挙げております。
 次の7ページ目からは、2つ目のテーマであります適正化の方策に対して、同じように「これまでの議論の整理」における主な意見を2点挙げております。1つ目が貸与時における福祉用具の適切な選定の促進・利用、2つ目が貸与決定後等における給付内容の検証の充実と挙げております。
 スライド8枚目、9枚目、10枚目には、1と同様にこれまでの調査研究事業においてのデータを参考資料と併せて御確認いただけたらと思っております。
 スライド11枚目ですね。この適正化の方策に関して、同様に今後の課題という形で6点挙げさせていただいております。これも介護保険の福祉用具貸与・販売、住宅改修の適正化に関する調査研究を踏まえた上で挙げさせていただいております。幾つか紹介させていただきます。まず1つ目の○に関しては、福祉用具専門相談員の福祉用具貸与時において、サービス担当者会議等を活用した多職種連携は適時適切な福祉用具の選定に効果的であると考えられているために、一層促進する必要があるというのが1つ目。2つ目が、約1割の自治体において、特定のケースが貸与後の点検対象とされている一方、約8割の自治体においては、貸与後の点検が実施されていないという実態が明らかになっております。3つ目、紹介します。多くの市区町村では、特定福祉用具販売における給付の対象商品としての妥当性をカタログや給付実績によって判断している、また、福祉用具貸与に関する市区町村の課題としては、書面による確認だけでは適切な給付が確認できていないなどが挙げられております。1つ飛ばして、下から2つ目の○を御紹介します。福祉用具専門相談員における特定福祉用具販売後の使用状況の確認に関しては「実施している」と回答した事業所も多くある一方で「自事業所の福祉用具貸与を提供しているケースのみ」といった回答もあり、販売後の使用状況の確認の有無やその方法については、事業所ごとの差がありました。
 1枚めくっていただいて、スライド12枚目になります。ここには改めて福祉用具専門相談員に求められる役割というものを掲載しております。介護保険上の運営規程等における記載事項に関して一部抜粋して書いております。
 以上が1、2に関する資料です。
 それを基に、スライド13枚目、14枚目、15枚目に、こちらから対応方針案を8つ挙げさせていただいております。
 まず、スライド13枚目に関しては、利用安全のところについてのものが多くあります。簡単に説明していきますと、1つ目は、令和3年度に作成いたしました福祉用具貸与事業所向けの「事故報告様式案」、また、令和4年度に作成しました「安全利用の手引き」等の活用の促進を進めていきたいと思っております。また、2つ目は、既に委託事業としてあります福祉用具・介護ロボットの実用化支援事業において、これまでも事故情報、ヒヤリ・ハット情報等を収集し、ホームページ上での公開等を行っていただいておりますが、まず、その情報を改めて効果的に発信する方法等を福祉用具の業界全体で検討いただくことをお願いしたいと思っております。3つ目が、全国課長会等における重大事故報告等の周知徹底と挙げさせていただいております。
 1枚めくっていただいて、スライド14枚目に関しては、まず4番で福祉用具専門相談員のサービス提供におけるPDCAの適切な実践に向けた周知徹底ということで、これまでも出てきておりました貸与計画書の作成であるとか、モニタリングであるとか、記録等の整備を周知徹底していきたい。5番目、6番目、7番目、8番目に関しては、令和5年度に準備をしている老健事業の説明になります。福祉用具専門相談員の指定講習カリキュラムの見直し、また、平成17年から見直しができておりませんでした判断基準の見直し、スライド15枚目に関しては、7番で福祉用具専門相談員のあり方を改めてというところでモデル事業を計画しておりますし、最後、8番に関しては、自治体における適正化施策等に関してということで、自治体向けの点検マニュアルの作成を検討しております。
 少し駆け足になりましたが、以上、1番、2番に関する説明と対応方針案の提示になります。
○野口座長
 内田指導官、どうもありがとうございました。
 ただいま事務局による1番と2番の点についての御説明がございました。皆さんに御意見をこれから伺いたいと思いますが、御発言いただく前に、全体に関わることでなければ資料とページ数を明示していただいて、どの点についての御発言、御質問か、御意見かということを極力明示的におっしゃっていただければと思います。
 それでは、御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。
 小野木構成員、よろしくお願いいたします。
○小野木構成員
 ありがとうございます。
 それでは、私から、まず資料2の10ページの福祉用具専門相談員による販売後の使用状況の確認について「実施している」と回答した事業者が67.9%あると最初の○の部分で書かれておりますけれども、これについても少し実態と乖離している部分があるのではないかと思います。実際にこの回答のための質問は、福祉用具専門相談員に対して、販売商品を納品後、使用状況の確認をしているかどうかという聞き方になっております。納品後という部分でございますので、我々の場合は販売商品の部分でも初めにその商品が合っているかどうかということでデモ機を1週間や10日お貸しして、そして、合っているということならば実際に正式に販売するということで、新商品をお持ちするということもやっておりますし、フィッティングという形でモニターをするということもやっております。実際に販売した後も、使用状況の確認という部分では初めの1週間や10日という部分がほとんどでありまして、3か月後あるいは6か月後に使用状況の確認という部分は、残念ながらほとんど我々の福祉用具専門相談員の部分ではやれていないのではないかと思っております。そういう部分では、ぜひとも実態という部分を御理解いただきたいと思います。
 このページの4番目の○の部分ですけれども、「4~6カ月」が最も多かったとなっていますけれども、このメンテナンスの部分については、実際に「全ての種目について実施している」というのは、その上にも書いていますように5.1%、「一部の種目については実施している」というのは2.0%ということで、本当に少ないのですね。少ない中でも一番メンテナンスをやっている期間としては4から6というのは、これは福祉用具のレンタルのモニタリングが6か月に1回が一番多いということでありまして、レンタルのモニタリングをするときに、ついでにその販売種目についてもメンテナンスをやっているところがほとんどでございまして、単独で販売だけをしているところに対してこのメンテナンスをやっているかというと、ほとんどできていないというのが実態でありますので、少しその点については御理解をいただきたいと思っています。
 資料2の13ページですけれども、安全に対するいろいろな御指摘でございますけれども、まさに我々もそのとおりだと思いますけれども、一方で、今、たくさんのヒヤリ・ハット事例が出てきております。そういう中で、福祉用具のメーカーさんのほうで、この安全機能さえつければこのようなヒヤリ・ハットはなかったという事例も出てきております。例えばベッドの高さを変更するという部分で、ベッドと床の間に人が入っていて、そのときにベッドが降りてきたという部分で挟まれて大きな事故につながったということもございますけれども、もしここの部分である負荷がかかれば自動的に止まる機能があればこの事故は防げると思っておりますし、そういう意味では、福祉用具の部分で安全機能という部分を明確化して、全てのメーカーさんにこれからつくる商品についてはそういう安全機能という部分は徹底してくださいと言うことはできるのではないかと。今、我々は貸与価格上限設定の見直しによって3年に1回必ず価格が下がる形になっています。必然的にメーカーさんにもより安くということを要望せざるを得ないです。そういうときに、この安全機能という部分を削られて単価を下げられるというのは問題だと思っております。安全機能という部分は、これだけはつけなさいということは明確化できればと思っております。
 最後に、参考資料1の54ページですけれども、これは新たに老健事業で出された調査の結果であります。保険者さんにおける福祉用具貸与の種目の一部が販売種目となった場合に想定される課題ということで出ておりますけれども、一番左側の「身体状況の変化に合わせた再支給がしにくい」と答えられている保険者さんが6割から7割あった、また「利用者自身で破損やメンテナンスの必要性に気づけない」と答えた方が6割から8割あったということは大変大きな危惧を、保険者さんももし販売となった場合には、こういうものは大きな問題だと捉えられている結果かと思います。
 そして、次の55ページですけれども、これは御利用者さんに確認したときに、現状のままで、福祉用具のレンタルのままでよいと答えられた方が全体で84.2%おられて、特に長期の利用者の方が、その下の直近の利用者、短期の利用者の方よりも多くの方がレンタルのままでよいと答えられているというのは、長期の利用者の方もレンタルする中で不具合が起きたときにレンタルの場合ならばすぐに対処できる、部品の交換という部分もできる、もし故障したときにはすぐに新たな代替品を我々レンタル業者は持っていっている、そういう部分の安心感があるからこそ、長期利用者の方で87.6%の方がレンタルでよいと答えられているのだろうと思っております。この点については、我々もぜひとも注目をしていきたいと思っております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 小野木構成員、大変申し訳ございませんが、最後に御指摘になった54ページと55ページについては次の議題になりますので、ここでは1番と2番だけの議論にさせていただきたいと思います。また後ほど御発言いただければと思います。
 次は、東畠構成員、よろしくお願いいたします。
○東畠構成員
 ありがとうございます。
 資料2の12ページ、専門相談員の役割ということをまとめていただきましたこと、大変感謝いたします。大変明確になっているかと思います。ここで確認したいのは、福祉用具貸与のみならず、福祉用具販売においても福祉用具専門相談員が利用者の心身状況を確認し、必要な場合、その環境を踏まえ、販売を行うという、これは貸与であろうと販売であろうと同じであるということ。さらに、販売計画につきましても、利用目標を設定するということで、また、その内容について利用者に説明をするということにおいては、販売が全く専門相談員の手を離れるものではなく、専門相談員の関与の上で行われていることを改めて認識したいと思いますので、これは強調したいと思います。それは安全に関わることであり、適正に関わることかと考えるためです。そうなると、目標を達成するためにどうであったかということも、安全の確認のためには、販売後の何らかの状況確認が、今ほども小野木構成員のお話もありましたけれども、必要ではないかと改めて思った次第です。
 続きまして、資料2の13ページ「対応方針案」の販売後の取組というところで、この事故報告様式案をぜひ活用していただきたいと思いました。そのときに、資料の中の4ページにも、実はメーカーへの連絡は少ないという調査がございます。そういうことを考えますと、この報告書式案には、厚生労働省の書式案と準じておつくりになっているのはよく分かるのですけれども、メーカーと連絡する取組をしていただけないかと期待するものであります。
 さらに、同じ13ページの課長会議における消安法の周知徹底もぜひお願いしたいと思いますが、その際、重大事故が起きているということでのお伝えだけではなくて、消安法は御案内のように福祉用具、生活用品で、その場所は施設であろうと在宅であろうとありますが、実際に報告というのは当然に介護保険では一義的に市町村への連絡、御本人、御家族、ケアマネジャーになりますが、施設、在宅においても消安法を考えると、これは貸与事業者なり販売事業者なりを通じてメーカーへの連絡という連絡網というのでしょうか、そこの御案内もぜひこの課長会議でお願いできればと思った次第です。
 最後に、14ページの対応策について、判断基準について発言させていただきます。この幅広い関係者ということで、今回判断基準の見直しに期待するものですけれども、同時に、適切な利用というところで、例えば自治体の手すりの貸与の場合というところで、今回自治体向けの手引もおつくりになるということですが、この判断基準も専門相談員の活用とともに、自治体が御覧になっても参考になるようにつくってほしいと思った次第です。
 最後、もう一点だけです。資料2の15ページになります。最後の「モニタリング実施時期の明確化」のところで、有効性・安全性の検証のため、販売を選択する場合でも、これは後段のお話になりますけれども、安全性という場合においては3か月、3か月程度の使用で終了する人が一定程度いるというのが今回の資料の中にも入っていましたけれども、そういうことであるならば、3か月というのはモニタリングなり、判断をする場合であったり、いずれにしても一つの期間の選択の鍵になるのではないかと思った次第です。
 以上です。
○野口座長
 貴重な御意見をどうもありがとうございました。
 それでは、五島構成員、よろしくお願いいたします。
○五島構成員
 どうもありがとうございます。
 対応案ということで13ページ、14ページで厚生労働省様でまとめていただいて、これまでの調査を踏まえてよくまとめられたと思っているところです。おおむねこの対応案に沿って今後対応していくことになるのだと思うのですけれども、ここに行き着く上での課題であったり、もう一歩踏み込んでこの対応をしっかりと形にしていくような観点でお話をさせていただきたいと思います。
 まず、資料6ページのところなのですけれども、安全な利用とサービスの質の確保と適正化というのは、この3つは切っても切れないものなのだろうと思っているところでありますけれども、ヒヤリ・ハットや事故の情報についてですが、事故は実際事実として起きた事故であって、重傷事故のエビデンスとしてどういう原因でその事故が起こったのかという性質のものですし、ヒヤリ・ハット自体、現場で起こり得る、場合によっては重傷事故につながるおそれがある要因ということで、ここは分けて、しっかりと定義をして情報収集していく必要があると思うのですけれども、現在消費者庁やNITEから公表されている情報の6割から7割は原因不明であったり調査中という状態になっているわけでございまして、果たして製品に起因するものなのか、そうでないとすると実際に利用場面や介護のどういうプロセスでそういう事故やヒヤリ・ハットが生じているのかが重要になると思います。その辺りの要因分析をきちんと現場の実態が分かっている人たちが中心になってしていく必要があるのだろうと思っております。
 なかなか情報が集まっていないというのが実態としてあって、特に我々でも先ほど資料の中で説明いただきましたけれども、実用化支援事業の中で400ぐらいの要因分析をして事例を発信しているのですけれども、在宅の情報を収集するというのが非常に困難な状況にありますので、在宅で起こり得るヒヤリ・ハットの情報を処罰の対象として集めるのではなくて、情報を共有して重大事故を未然に防ぐという観点でいかに集めて発信していくのかを、これは業界を挙げてやっていかないといけないことではないかと思っております。対応案にも書いていただいていますように、専門相談員様のカリキュラムの見直しの中でということもありましたけれども、こういうヒヤリ・ハットを共有して、どういう要因で起こり得る可能性があるのかは、ふだんから情報を共有し意識を高めていくことが近年求められるところではないかと思います。
 また、小野木構成員からも話がありましたけれども、メーカーとしてこのヒヤリ・ハット等を踏まえて製品の改良とか開発に資するようなデータもたくさんありますので、メーカー様にもフィードバックをしながら、より良質かつ実用的な福祉機器の開発につなげていくということもきちんと明記をしておいたほうがいいのではないかと思ったところです。
 続いて、6ページのサービスの質のところで、一方、福祉用具選定に必要な身体状況やADLの情報が未記入のケースがある等、記録の作成に関する課題も明らかになったというところがあるかと思うのですけれども、これは適正な給付であったり質を上げる意味では、本当に福祉用具というのは高齢者にとっては生活機能の一部になって、自立したり、参加したりするところに非常に寄与するところで、まさしく本人のADLとか、そういうところにどのように寄与しているのかという情報が、安全な利用にもつながるのだと思うのです。こうしたところをきちんとどう拾っていくのかということかと思っています。
 そして、11ページで、それに関連することではあるのですけれども、一つはサービス担当者会議等を活用した多職種の連携とか、地域ケア会議を活用した多職種連携の場ということで、多職種連携という言葉が躍っているわけですけれども、今のような情報をきちんと現場の関係者が共有をして、安全で質の高いサービスにしていくことが重要かと思います。特に給付の適正化という観点でいうと、サービス担当者会議ですとどうしてもサービスを提供する側の利害関係者の集まりというところもあると思いますので、第三者の公平・中立的な立場から、例えばこの手すりやスロープやこういうものの利用が適切なのかどうか、生活機能の中で果たして機能しているのかどうかは、第三者的な立場できちんと評価をしたりして、見直しを提案するような仕組みが必要ではないかと前回のお話でもさせていただいたところなのですけれども、そうした中でこの地域ケア会議の活用となってきておりますけれども、ぜひ形骸化するようなことがないように、利用者の生活を見ながら福祉用具が寄与しているかどうかというところで機能していくといいなと思っております。
 我々の協会では福祉用具プランナーを養成しておりまして、現在1万5000人ぐらいプランナーが全国におりますので、こうした人材を地域ケア会議の中で上手に活用して、サービスを提供する側から離れた視点で福祉用具が適正に安全に利用されているのかという評価をするようなことができるような形になっていけばよいなと思っているところです。
 最後に、14ページの課題の対応案のところのガイドラインの見直しについてお話をさせていただきますけれども、たしか昨年の議論の中でこのような意見が出たのだと思うのですけれども、今度の適正化のお話を踏まえて、軽度者の人が特に扱うような用具の取扱いであるとか、例えば複数利用する場合のケースであるとか、あるいはかねて軽度のときに利用していたものがそのままの状態になっていることがないかとか、そうした今の課題に合うようなことを入れることは必要ではないかと思いますので、そうしないと、先ほどの地域ケア会議や行政の中でこういうことを見直していくというか議論するということを例示として示してあげないと、なかなか自治体としては、例外給付かどうかは見ているのだと思うのですけれども、適正な給付というところでの観点がないと思いますので、そこは行政がしていくのか、福祉用具プランナーみたいな人たちが中立的な立場でやっていくのかが重要になると思いますので、このガイドラインの中にはそこを明記して、当事者とそうではない人たちが共有できるようなものになっていくといいなと思っているところです。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 言い忘れましたけれども、大変申し訳ございませんが、時間が限られておりますので、できるだけ発言は簡潔によろしくお願いいたします。
 それでは、次、花岡構成員、よろしくお願いいたします。
○花岡構成員
 花岡です。よろしくお願いいたします。
 本日は、3点意見を述べさせていただきます。1点目、ページ13、対応方針案1、2、この2つの対応案には賛同いたしますが、昨年のあり方検討会でも提案しましたが、インターネットでの福祉用具の安全情報が集約掲載されているプラットフォームの構築を提案いたします。現状、福祉用具の事故対策に重要な情報が行政や関係団体などに点在しており、貸与事業所や施設の方から情報収集するのは非効率ということをお聞きしております。プラットフォームには以下の3つの情報を中心に掲載してはいかがかと思っております。
 1つ目は、ハード情報、福祉用具の製品に関するJIS規格など標準化情報やリコール情報などの安全性に関する情報、2つ目は、ソフト情報、事故情報やヒヤリ・ハット情報などの福祉用具の事故や危険な状況に関する情報、大規模災害への備えなどの情報も提供する、3つ目は、注意喚起の情報、様々な団体が作成している種目別の注意喚起パンフレットや動画などを掲載し、利用時の注意点を提供する情報です。
 特に注意喚起は利用者に直結する安全対策に非常に重要です。経済産業省の高齢化社会における製品安全に関する課題調査報告では、取扱説明書の通読について「まったく読まない」という高齢者が一定数存在する、8.2%とあります。特に高齢者の女性と独居高齢者は1割が全く読まない状況であり、製品の誤使用による事故に至る可能性が高いと報告されております。パンフレットや動画は視覚的な情報伝達手段で、文章を読むことが難しい利用者でも視覚的な情報伝達が可能となります。さらに、取扱説明書では必要な情報を見落とすリスクや紛失することもありますが、パンフレットは必要な箇所にスポットを当てて説明することができ、手元に置き、繰り返しの参照が可能です。最新の事故対策情報を収集できるプラットフォームを開設し、現場の事故対策の向上に役立てることを提案いたします。
 次、2点目、14ページ、対応方針6についてですが、昨年の検討会でも当協会は提案しておりましたが、判断基準の見直しには賛成をいたします。参考資料1の37ページによると、今後調査研究事業を行う予定のようですが、ぜひサービス担当者会議などの多職種連携で活用する仕組みを構築していただきたいと考えております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 次は、岩元構成員、よろしくお願いいたします。
○岩元構成員
 ありがとうございます。
 2点申し上げます。まず第1点、先ほど小野木構成員から10ページ、11ページにかけて販売後のメンテナンスに関する御指摘がございました。職能団体の立場から、この点について少し補足をさせていただきたいと思います。参考資料の22ページに、この販売後のメンテナンスに関してどういった実態であるかが示されております。このページです。確かに7割において使用状況の確認が行われております。この7割の内容を見てみますと、まず確認までに要する期間、これが9割方2週間以内であること、そして、確認の方法が3分の2までが電話であることが示されております。つまり、ここで行われているのは、電話をかけて初期不良の確認が行われている程度のものでありまして、およそ福祉用具貸与の場合に行われるモニタリングであったり、アフターフォローであったりといったものとは全く性質の異なるものである、これが現場としての実感であることをまずは指摘させていただきたいと思います。
 そして、もう一点、本体資料の13から14、特に14ページでございます。13ページからの対応方針案1から3、そして、14ページの4ですね。これはいずれも様々な発信あるいは周知徹底の必要性を指摘しているものと感じます。特に4においては、福祉用具専門相談員の役割について、貸与事業所等に対し周知を図るとしていただいております。それを受けてと言ってよろしいのか分かりませんが、5においては、これは今年度の老健事業であろうと思いますが、指定講習カリキュラムの更新についても対応方針としてお示しいただいております。ここで思い出しますのは、以前、平成24年に我々福祉用具専門相談員には貸与計画書の作成が義務づけられた、その後、平成27年にこの貸与計画書義務化を盛り込んだカリキュラム改定が行われたということがございました。27年時点でカリキュラムが変わって、それ以降の初任者研修においては、この貸与計画書の必要性や意義あるいは作成の方法等について福祉用具専門相談員は学んでいるわけですけれども、それ以前の指定講習を受けた者等はそういった教育を受けないまま現場でこの貸与計画書の作成に取り組んでいる実態がございます。もちろんそれぞれが自己研さんに励んでおりますし、私ども福専としては周知に努め、さらには老健事業を活用して更新研修をつくりまして、更新研修にも取り組んでおりますけれども、そうでありながらも、今日の資料の3ページにもありますけれども、現に従事する福祉用具専門相談員に対する研修についても検討を進める必要があるとされているところであります。こういった状況を踏まえまして、14ページの5の指定講習カリキュラムの更新に向けた取組の実施を考える必要があるのではないかと考えております。
 以上、意見でございます。ありがとうございました。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田河構成員、よろしくお願いいたします。
○田河構成員
 ありがとうございます。
 提示されました課題や方針案については、これまでの議論を踏まえたものであって、おおむね異論はございませんが、2点について御意見を申し上げたいと思います。まず、適正化に関して、11ページの今後の課題にありますように、約8割の自治体において貸与後の点検が実施されていないという状況は残念であると思っております。対応方針の14ページあるいは15ページに、関連して、選定判断基準の見直しあるいは点検マニュアルの作成、周知等が示されておりますが、市町村の人員体制等も厳しいとも考えております。効率的に実施できるようにチェックするケースを限定してその分は必ず実施するようにするとか、あるいはチェックする範囲、内容のポイントの明確化、さらには必要な知識を習得する場を設けるほか、場合によっては外部委託などの方策も検討すべきではないかと考えております。
 また、もう一つの点、事故報告については13ページに記述がございますが、ここでは報告の様式案の周知にとどまらず、制度的にしっかり規定していくことも必要ではないかと考えております。事業者に対してや市町村への報告の徹底を図り、国・都道府県においては事故事例等を集約し、利用者、事業者にもフィードバック、情報発信など、事故を事前に防ぐ体制の構築、整備を制度的に明確にすべきであると考えております。
 以上でございます。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田中構成員、よろしくお願いいたします。
○田中構成員
 よろしくお願いいたします。
 資料2、14ページになります。介護保険における福祉用具の選定判断基準の見直しについてということで、前回のあり方検討会でもお伝えさせていただいたのですが、ケアマネジャーが例外給付の届出をしたり、福祉用具貸与を選定するときに、この判断基準を活用しながらケアマネジメントを行っているわけではありますが、例外給付とこの判断基準が一部ずれているところもありますので、例外給付の提示についても併せて見直しいただけるということで、誠にありがとうございます。
 この例外給付に関しては、資料2の9ページに、現行の福祉用具貸与に関する市町村の課題は、例外給付については書面による確認だけでは適切な給付か確認できないが44.7%と多かったということで、これはまさにそうだろうと。我々も日々例外給付の届出を出させていただく中で、市町村がそれだけでは確認できないことは容易に想像できる部分でございます。とはいえ、今、入退院の支援がかなりケアマネジャーも多くなってきておりまして、その上で、退院のときに福祉用具を早く準備してくれみたいなことが結構あるのです。介護認定が下りていなくても急いでベッドを入れてくれとか、現場ではそういったことが多々あるのですが、結局それで退院して、特にがんの方などのおみとりをして、亡くなった後で介護認定が下りていって、蓋を開けてみたら要介護1だったと。その上で、お亡くなりになった後でまた例外給付の届出を出すみたいなこともやっていたりするので、非常にケアマネジャーとしての業務負担が大きい部分とも感じております。ですから、この例外給付の取扱いに関しては、より具体的な検討をいただけると助かります。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、七種構成員、よろしくお願いいたします。
○七種構成員
 ありがとうございます。
 まず、短時間の間にこれだけの資料を準備していただいて、本当にありがとうございます。その上で、現場の居宅介護支援をやっている側の介護支援専門員の立場からということで、少し御意見をさせていただければと思います。
 まず、資料2の5ページです。4つ目の○にヒアリング調査の回答の部分がありますけれども、フェイスシートの書面、そういった資料を見ることで、留意すべきポイントや提案の方向性や選定に役立てられるという趣旨の回答があるということで、フェイスシートを提供する機会が多い介護支援専門員としては、非常にありがたい御意見かと思っています。介護支援専門員の役割は単にサービスを選定する支援だけではなくて、このように情報収集して、その情報を関係者と共有することで、関係者が提供するサービス、その質をより効果的にしていくという部分の役割もありますので、それを表すよい一例としての御回答かと見ております。
 そういったことを踏まえながら資料を見ていきますと、気になるところが、資料2の15ページなのですけれども、この7番の中にモニタリングの実施時期の明確化というところで提起されている部分があるかと思います。これは資料2の4ページ目の4つ目の○の中に、福祉用具専門相談員の定期モニタリングの頻度が「原則として6か月に1回」が80%を超えていると。その一方で、参考資料1の中のページ44で例示されている福祉用具の継続利用が6か月以下という比率が、品目にもよりますけれども、40%弱から50%強までという形になっています。実際、これを見ていると、福祉用具専門相談員さんが定期的なモニタリングを行う前に使用の中止とか品目変更が行われているものがあるのが見てとれます。ただ、誤解していただきたくないのは、福祉用具専門相談員さんが機能していないというわけではなくて、現場でケアマネが月に1回はモニタリングしていますので、その中で不具合とか何か確認した場合は、福祉用具専門相談員さんと相談連携をしながら対応しているのが実態ですので、「原則として6か月に1回」が多いということだけで問題にするのは早計かとは思っています。本当に福祉用具専門相談員さんも、私の地域もそうなのですけれども、かなり多忙です。そういった中で、介護支援専門員と同行して訪問するスケジュール調整も大変なのですけれども、実際にモニタリングはケアマネが月に1回やっています。そういった意味では、モニタリングの頻度を上げて福祉用具専門相談員さんの負担を増やすとか、そういうことではなく、介護支援専門員のモニタリングとうまく連動させながら、効率的に利用者の生活にいい影響を与えるよう、そこを促進していくことが重要かと考えています。
 あと1つなのですけれども、多職種の連携を促進させる視点から考えると、ページ15の8にありますマニュアル、これについては我々も非常に注視しています。マニュアル作成に当たっては、多職種連携による効率的な支援を自治体がサポートするという目線で作成することが望ましいのではないかと思います。ただ、参考資料1のページ19を見ますと、福祉用具の点検を行う自治体の職員さんの多くは一般職員というところで、専門的知識を習得するには難しい環境にあるのかと思います。専門職を配置するという自治体はかなり大変だと思いますので、そういったところを考えると、指導とかそういったスタンスではなくて多職種連携を支援するという、指導ではなく本当に支援というスタンスでマニュアルを考えていくことが重要と思います。サービス選択は利用者自身による自己決定が基本原則ですし、各種の視点でアセスメントした専門職による意見を受けて利用者が判断できる環境をつくることが望ましいのかと。そういう支援プロセスこそ重視すべきと思います。利用者さんによる自己決定が円滑に進むプロセス、しっかりマニュアルの中でそういう視点を捉えながら、利用者さんが的確に自己決定できる環境づくりを自治体も一緒になってサポートしていただければ、そういうマニュアルになればと期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 時間が押しておりますので、1番と2番に対する御発言は今、お手の挙がっている江澤構成員、久留構成員、渡邉構成員の3人でよろしいでしょうか。1番と2番についてさらに御意見がある、あるいは意見のある方、今の時点でお手を挙げていただけるとありがたいのですが。
 それでは、江澤構成員から渡邉構成員までということで、江澤構成員からよろしくお願いいたします。
○江澤構成員
 ありがとうございます。
 13ページから15ページの対応方針案について意見を述べさせていただきます。まず、この8つのうちの1と2と3について、介護保険制度においては事故報告書の提出は義務化されております。そして、多くの自治体では診察や医療的処置を伴うものは報告すべき基準としていると察します。したがいまして、これらの仕組みをしっかりと徹底すべきだと思います。また、あわせまして、提出先は保険者のみならず福祉用具専門相談員や福祉用具の販売事業者とも内容については共有すべきと考えます。また、市町村のインセンティブ交付金の評価項目にも入っていますけれども、市町村には本当に多数の事故報告書が蓄積されておりますので、ぜひしっかりと分析をして、フィードバックを行って、事業者に対して類似の事故を防ぐ取組を、保険者、市町村には期待をしているところでございます。
 続きまして、4と6につきまして、PDCAの適切な実践と多職種連携については、かかりつけ医による医学的判断が大変重要だと思います。また、リハビリテーションの進捗ともリンクするため、リハビリ専門職のPTとOT・ST等の意見も参考とすべきだと思います。以前も申し上げましたが、退院・退所時カンファレンスに必要に応じて福祉用具専門相談員あるいは販売業者等も参加することも検討すべきではないかと思います。
 続いて、5につきまして、カリキュラムの更新の見直しには賛成であります。福祉用具も日進月歩でありますので、例えばケアマネジャーのように更新研修の義務化であったり、そういった必要な方策は検討する必要があろうかと思います。
 続きまして、7番につきましてでございます。モニタリングの実施は充実すべきと思います。その際、本人にとって真に必要な福祉用具であるのか、過剰介護を生じていないのかといった視点が重要と考えます。これにつきましても、かかりつけ医をはじめとする医療介護従事者との意見交換は欠かせませんので、サービス担当者調整会議等を有効活用すべきと思います。
 最後に、8の点検マニュアルについてでございます。介護保険の目的でございます本人の尊厳の保持と自立支援、これらに資するものかどうかが重要でありますし、さらには、御本人の疾患や状態像に着目したものとすべきと考えます。その際、地域ケア会議における点検のポイント等も示されておりますが、地域ケア会議は親会議から小会議、ミニ会議、いろいろな自治体によって位置づけが異なっているかと思いますが、そこで果たして点検できるかどうか、あるいはそこが点検の場としてふさわしいかどうかは、よく検討も必要かと思います。サービス担当調整会議の活用も可能でしょうし、あるいは通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションには、リハビリテーションマネジメント加算という非常に効果を上げている取組がございまして、本人、家族、医師をはじめとする多職種、関わっているサービス事業者、一堂に会するカンファレンスを行っていますけれども、そういった場に参加して、しっかりと議論することも必要ではないかと思います。
 以上でございます。ありがとうございます。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、久留構成員、お待たせいたしました。よろしくお願いします。
○久留構成員
 ありがとうございます。
 安全な医療に関しまして、13ページですね。これについて御発言をさせていただきます。それと14ページの判断基準の見直しに関して、2点御発言をさせていただきます。まず、安全利用につきましては、福祉用具貸与については、他のサービスと違って、貸与事業者が納品後は日常的に訪問しているわけではないので、基本的には利用者がそれを使用していく形になりますので、この特性を踏まえますと、事故の情報を詳細に聞き込む必要があるので、先ほど七種委員がおっしゃったように、関係する介護職がいろいろな場面でその事故の状況をきちんと把握して、それを事故報告として福祉用具貸与事業者が集約をするという仕組みが必要かと思っております。したがいまして、様式が標準化されておりますし、市町村に報告されるわけですけれども、こうした情報がきちんとフィードバックされることも重要かと思います。
 それから、これはお願いですが、厚生労働省と経産省とで福祉用具法が所管されております。これから85歳以上の高齢者が増えていくことを考えますと、利用者に安全性を求めるといった場合はなかなか難しいものがあります。利用の手引ですとか、書き物や情報を届けただけではなかなか十分にそれが機能しないことも考えられますので、今、製品安全で進んでいる製品そのものの操作を極力なくしていく、自動化していく取組も、これは製品開発の段階で必要になってこようかと思いますので、これはせっかく福祉用具法で厚生労働省と経産省がタッグを組んでいるわけなので、ぜひ製品開発でそのような取組を推進していただくように厚生労働省からも御要請いただけるとありがたいと思います。
 2点目ですが、判断基準の見直しについてはぜひやっていただく必要がありますが、渡邉委員がいらっしゃいますけれども、最初にこの判断基準を示したときには、不適正事例を明確化する観点だったかと思いますけれども、介護保険が始まりまして23年たっているわけですから、福祉用具専門相談員の専門スキルとしての判断基準をそろそろ標準化できるいわゆる共通的な物差しみたいなものが必要かと感じておりますので、こういったことについても取組を開始すべきだろうと。老健事業でおやりになるということですので、ぜひその辺も視野に入れて検討していただければと思います。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、渡邉構成員、よろしくお願いいたします。
○渡邉構成員
 私からは3点申し上げます。1点目は、15ページの7になりますが、福祉用具のモニタリングについてでございます。モニタリングは、何か月以内に実施するとか、どういう内容、どういう期間をということを一律に決めるよりも、むしろケアプラン作成時の担当者会議で利用者の状態像をちゃんと勘案して、福祉用具の留意点とともに、福祉用具専門相談員によるモニタリング期間を確認する。つまり、貸与を始める入り口のところの担当者会議ですね。チーム全体で安全を確保するのだ、どういう視点で見ていくのだということを確認する入り口の担当者会議に注力することもすごく大切だと思っております。それが1点目でございます。
 2点目は、貸与・販売に係る適正化の方策の中で、販売後の対応ですけれども、データによりますと、販売後の使用状況の確認を「実施している」は67.9%、ですから、使用状況の確認内容についてはいろいろ御指摘があって、回答者は協力的な事業者であるというバイアス等がかかっているものの、モニタリングは一応実施できるのではないかということで、これは努力義務としてもいいのではないかと思っております。一方、福祉用具のメンテナンスについては、データによると「利用者・家族から依頼があれば実施」ということで、これは逆に取りますと、多くの事業者は依頼があればできているということです。販売ですから、所有権が利用者に移ることから、義務化ではなく販売時にメンテナンスに関する問合せ先、連絡先を利用者にちゃんと伝えておくことを義務づけてはどうかと思います。
 最後に、保険者による適正化事業についてですが、対応方針にもあるように、知識のない市町村職員が実施するための点検マニュアル、点検のための視点を明確にすることは重要で、賛同いたします。以前、手すりについて極端に多いケースがあることが一度論点になりましたが、このような利用実態の調査を参考に適正化事業の対象を明確にしてもよいと思っております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 皆さんから大変貴重な御意見、御指摘をいただいたと承知しております。特にスライドの13ページから15ページまでのいわゆる対応方針についてなのですけれども、本日皆さんから御指摘いただいた実現に当たっての注意点、留意点ですね。また、その実現のための具体的な手法、方法について、いろいろとアイデアを頂戴したと理解しております。
 一旦ここで1と2についての議論は締めさせていただきたいのですけれども、今の時点で今までの御意見の中で厚生労働省様からコメント等はございますでしょうか。
○高齢者支援課長
 御指摘を踏まえて、方針案のよりブラッシュアップや、実施方法については工夫してまいりたいと思っております。
○野口座長
 どうもありがとうございます。
 皆さんからこういうところはもっと注意すべきとか、具体的な御提案もいただいたのですけれども、検討事項の1と2については、この対応方針案については皆さんから大きな反対はなかった、大体方向性については御承認を得られたと考えておりますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○野口座長
 皆さん、うなずいてくださっている。
 どうぞ。
○五島構成員 
 五島です。
 13ページの資料を映していただきたいのですけれども、2番の○の1つ目ですけれども、「要因分析及び好事例集の作成を行っているところ」と書いてあるのですけれども、これは「好事例」の「好」は抜きで大丈夫だと思いますので、事例を要因分析して、重大事故につながらないような事例として作成しているところで、「好」は取っていただくということでよいかと思いますので、資料の確認のときに私が見落としているところではあるのですけれども、連絡させていただきます。
○野口座長
 五島構成員、どうもありがとうございました。
 この点は。
○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 こちらで承知いたしました。ありがとうございます。
○野口座長
 これで決定とかそういうことではなくて、大体この方向性については本日御承認いただいたということで、皆様に今日の御意見を入れて修正あるいは加筆したものを次回御覧いただくことになろうかと思います。
 それでは、3番目の議題に入りたいと思います。
 まずは3番目「福祉用具貸与・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方の検討」ということで、内田指導官から資料説明をよろしくお願いいたします。
○高齢者支援課福祉用具・住宅改修指導官
 それでは、説明させていただきます。
 まず、資料2のスライド2枚目です。検討事項ということで、改めて貸与・販売の現状の課題を踏まえたあり方の検討ということで、データに関しては1、2と同様令和4年度の老健事業の集計、また、追加して介護保険総合データベースから抽出したものを提示させていただいております。昨年の9月14日に取りまとめました「これまでの議論の整理」に加えて、今回お示ししますデータを基に御意見を賜れればと思っております。
 では、資料2の続けて16枚目と17枚目になりますが、前半の1番と2番と同様にこれまでいただいております議論の整理を、改めてこの対象であるとか、選択制が可能かどうかの考え方であるとか、スライド17枚目はその他についてを記載させていただいております。
 その後、スライド18ページ目以降はデータの説明になりますので、少しだけ私から提示しておりますデータを説明させていただきます。
 参考資料1の41ページには、福祉用具貸与における種目について、種目ごとの貸与価格と小売価格の平均値、中央値を示させていただき、それに基づいて同一種目における福祉用具貸与の利用者負担の合計が小売価格と同額になるまでの期間を「利用者負担額における分岐」という形で算出して提示させていただき、次の42枚目に関しては、これまで継続的に御議論いただきました要介護度に関係なく給付が可能な種目についてピックアップしております。
 また、それを具体的に提示しているのが、スライド43枚目になります。この分岐に関して、貸与期間が利用者負担における分岐について長いものを赤色、同等程度のものをオレンジで示しております。そうしますと、スライド42ページ等を参照しつつ、廉価なものがそういう対象のものであったという形で示しております。
 その後、資料44ページからは、同一種目の福祉用具貸与を継続的に利用している者について、貸与期間の割合を要介護度別に算出しております。それぞれの割合が大きいものから順に2つ赤色とオレンジで示させていただいているのが、44ページから48ページまでになります。
 以降、49ページのデータに関しては、介護支援専門員さんが貸与の選定においてどういう方と連携しているか、また、これは50枚目ですね。サービス担当者会議等で多職種連携をしているというデータ等を示させていただいております。
 もう一点、53枚目ですね。福祉用具貸与の利用者において、介護が必要になった主な原因等々を挙げておりますが、様々な状況がありましたということを示させていただいております。あとは資料を御確認いただけたらと思います。
 以上の資料を提示しまして、改めて議論、御意見等を賜れればと思っております。こちらからは以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、3番目の論点ですね。販売の現状と課題を踏まえたあり方について御意見を頂戴したいと思いますが、先ほど私が冒頭に言い忘れておりましたが、非常に時間が限られた中、できるだけ多くの構成員の先生方に御発言をいただきたいので、できるだけ御発言は簡潔に要点を述べていただければと思います。また、先ほどと同様に資料のページ数を示していただき御発言いただければ大変ありがたく存じます。
 それでは、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。
 小野木構成員、よろしくお願いいたします。
○小野木構成員
 先ほどはどうも失礼しました。
 私からは2点、1つ目は、参考資料1の43ページですけれども、今、言われたように「歩行器」の部分については平均の貸与期間が11.0か月ということで、損益分岐点よりも長いというお話がございましたけれども、実はその右側の部分で貸与期間の中央値を見ていただきますと、6か月になっているのですね。中央値は6か月という部分で、確かに大変長い方もおられることはおられるのですけれども、半分の方が6か月以内になっています。ですから、平均値と貸与期間の中央値とは「歩行器」の場合には大きく違うという部分はぜひとも御理解いただきたいと思っています。
 それと、先ほどお話ししましたように、参考資料の54ページと55ページの件ですけれども、これは先ほど言いましたので、説明する必要はないかと思っていますけれども、各自治体の皆さんの意見としては、販売とした場合にはこういう部分で6割から7割の方が「身体状況の変化に合わせた再支給がしにくい」、要は、適切かどうかというよりも適時、本当にその人の今の状況に合った福祉用具が提供できているかどうかという部分に対して大変な不安を持っておられるということだと思っております。また「メンテナンスの必要性に気づけない」という部分で6割から8割の方が心配されているということだと思っております。
 それと、55ページの部分ですけれども、ここに書いています部分で、資料2の18ページを開けていただきまして、この下の5番目のところに30か月以上の長期で利用する者も多いことが確認されたと書いています。確かにそういう方もおられるのですけれども、そういう方々に対しては、実はゴムの部分だったりとか、部品の部分を交換したりとか、あるいは不具合が発生して商品そのものを同一商品で交換しているということを、レンタルの我々の業者としてはやっております。そういう中で長期の利用者の87.6%の方がレンタルのままでいいと言われているのだと思っております。また、ここでの貸与期間とは、同一種目をそのまま交換した場合には交換には入っていないという部分でございますので、そういう利用者も中にはおられることは御理解をいただきたいと思っております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、岩元構成員、よろしくお願いいたします。
○岩元構成員
 ありがとうございます。
 私からは、18ページに関して、2点申し上げたいと思います。1点目として、○の2、3、4にわたりまして「歩行器」「歩行補助つえ」等々の記載がございます。よく読むときちんと種目と種類が書き分けられておりますけれども、念押しのために申し上げておきますと、種目の中に種類がございまして、例えば「歩行器」という種目の中には「歩行器」という種類と「歩行車」という種類があって、この2つは実は価格も大分違うし、ここでお示しになっている分岐(月)の中央値、これにおいても大きな乖離がございます。この辺についてはしっかりと、この資料を見る限り、きちんと書き分けられておりますけれども、混同することのないように扱っていただきたいということ。
 そして、○の4においては「歩行器」「歩行補助つえ全般」「固定用スロープ」はほかと比較すると廉価であったと書いてございます。ほかと比較すると廉価であったことは間違いないところですが、一方で、介護保険制度における福祉用具の基本的な考え方として、経済的負担を伴うことをもって給付の対象とすることで普及が図られるものについて給付の対象にするという基本的な考えがあります。それに照らすと、廉価なものはもしかすると給付の対象外となるのかもしれません。ただ、給付の対象に入る入らないというところにおいては、評価検討会においての判断がなされていることを踏まえますと、ここでは比較すると廉価という表現ですけれども、廉価なものについての判断を示すとすれば、これは一度評価検討会にかける必要があるのではないかと感じております。これが第1点でございます。
 第2点、ここについては小野木構成員からも今し方発言がありました5番目の○でございます。30か月以上の長期で利用することも多いという御指摘でございます。一昨年、その前だったでしょうか、財政審からの御指摘では36か月以上を長期という表現だったように記憶しておりますけれども、ここでは30か月以上を長期としていらっしゃいます。そういった老健事業だったのかもしれませんが、そこに若干違和感を覚えていることを指摘した上で、小野木構成員からもありましたとおり、この30か月以上の長期の利用が可能なのは、その間に適合確認、メンテナンスといった定期的な福祉用具専門相談員によるサービスが行われていることが前提であることが一つ。それともう一つ、調査ではどのような調査をされたか私は詳細を存じておりませんけれども、令和3年度に福専で行いました老健事業においては、同一TAISコード、同じものですね。同じもので商品の入替えを行うケースが一定数ある。老健事業のデータによりますと、1年間貸与総数のうちの7.3%で同一商品での入替えが行われている。同一商品での入替えというのは、原因はいろいろあろうと思います。劣化もあろうと思いますし、メンテナンスの必要がある等々あろうと思いますが、このような様々なサービスが行われて長期間の利用が行われていることについて、御指摘を申し上げたいと思います。
 第2点の続きで、参考資料の44から48のところで、30か月以上の長期で利用する者も多いとなっておりますけれども、1か月から3か月で終了する者が多い。もう少し申し上げますと、1年以内に終了する者がどれぐらいいるのか、そこに注目いただければ、例えば「携帯用スロープ」においては1年以内に71%、「腋窩支持クラッチ」においては72.6%、比較的利用期間が長いと思われるものにおいても、この資料を全部見ますと、支持用のつえが49.7%で唯一50%切れておりますけれども、半数以上が1年以内に貸与を終了しているというデータとも見ることができます。すなわち、3か月がいる、30か月以上がいると表現するのか、それとも、1年で半分以上が貸与を終了している一方で、36か月以上の方も一定数いらっしゃる、表現の仕方によって随分受け止め方も違ってくるのではないかということを御指摘申し上げて、私からの意見は以上でございます。ありがとうございました。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、東畠構成員、よろしくお願いいたします。
○東畠構成員
 ありがとうございます。
 貸与・販売の選択制が可能かどうかの検討をする場合という前提があるかと思うのですけれども、ただ、その前提は入り口の最初のところで、これが貸与なのかあるいは販売なのかという議論であり、もともとそういう議論というか、昨年の中間整理もされています。ただし、資料の16ページのところに、先ほども申し上げましたが、有効性・安全性の検証のために、販売を選択する場合でも一定の試用または貸与を設定すべきではないか、これは3か月での終了、1年未満での終了もあるということですけれども、3か月未満の終了が一定数いることを考えますと、入り口の話ということもありますが、この2つの選択制が可能かどうかというところにおいて、例えば一定期間使用した、それがレンタルあるいはお試しかもしれません。レンタルと言ったほうがいいと思います。貸与の中で、その後において改めて貸与なのか販売なのかという検討材料もあるのではないかということで、付け加えさせていただきました。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、花岡構成員、よろしくお願いいたします。
○花岡構成員
 花岡です。
 貸与・販売の選択制について、利用者の安全確保の観点から、貸与対象種目の貸与継続を望みます。主な理由は2点です。1点目は、ADLの変化による弾力的な用具の変更による安全性の確保のためです。言うまでもなく、ADLの変化により適合する用具は変化する可能性があるので、貸与による弾力的な用具変更のシステムが必要です。参考資料1の13ページでも、安全な利用促進のための対応として「使用状況確認」「納品・交換」が高い頻度で行われており、弾力的な用具変更は安全確保のため重要と考えます。
 2点目は、相談員のモニタリングによる使用方法の再指導と保守点検の必要性のためです。参考資料1の9ページにおいて、事故、ヒヤリ・ハット事例を報告した相談員が、貸与中に不足していたと考えられる対応として「使用方法の再指導・注意喚起」を一番多く挙げております。また、参考資料1の54ページ、保険者の現在の貸与種目の一部が販売種目となった場合に想定される課題では「利用者自身で破損やメンテナンスの必要性に気づけない」が59.7%と一番多く、懸念を示しております。
 以上の観点から、利用者の安全確保のためには貸与を原則として、相談員のモニタリングによる機種交換や使用状況確認、保守点検などの対応を行うべきと考えます。さらに、モニタリングを強化するために、モニタリングの標準化や多職種の連携を促進して、介護現場の安全確保体制を強化していくべきと考えております。仮に選択制導入を検討する場合、用具の安全性確保と使用方法の対策について慎重に検討すべきではないかと考えております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、五島構成員、よろしくお願いいたします。
○五島構成員
 どうもありがとうございます。
 貸与か販売の選択可能かどうかという論点について、22ページと16ページあたりのところで意見をお話しさせていただきます。今回今年度調査した結果をお示しいただいて、その結果を見ると、今も話が出ていましたように、特に「固定用スロープ」とか「松葉杖」については比較的短期間で指定の価格に達するのではないかという御説明があったわけですけれども、一方で、データを見ると、極めて短期間の間に返しているケースもある、また、30か月以上利用されているケースもあるということで、非常に当初の利用選定に当たって、どちらを利用して選択していくのかという、確か昨年の議論の中でメリット・デメリットを表示しながらということがあったと思うのですけれども、前の議論の中にもありましたように、その辺りをどのように落としていくのかが重要かと思いました。すべてを購入にするということではなくて、適用や利用状況を見ながら考えていくことが必要かと思っています。昨年の参考資料の中には入っていたのですけれども、軽度の人が使うものであっても、それを単品で使用することによって要介護の状態を維持する、3年以上も他のサービスを利用しないで自立した生活が送られているというデータもきちんと残っていますので、そういうところをきちんと評価しながら、もっとマクロの視点で用具の利用効果を打ち出していく必要があるのではないかと思ったところです。
 この後の整理として、選択にしていくかどうかというところで、介護保険の基本的な理念は、1回目のこれまでの議論にありましたように、法律の理念としては基本的には状態像の変化に対応してというところがあったりとか、保険の中では措置ではなくて保険サービスによることによってサービスを選択、利用するということもありますので、購入なのか販売なのかというところを、利用者本人や周りの人たちがきちんとどちらかを選択できる仕組みにしていくのか、あるいは原則購入あるいは原則貸与としていくのか、それによってメリット・デメリットの打ち出し方であるとか、例外として購入を見ている場合とか、例外としてレンタルとする場合とかという書きぶりがまた変わってくると思いますので、その辺りのスタンスをどうするかを慎重にしながら、これらの種目をどう落としていくのかを考える必要があるのではないかと思います。
 いずれにしても、私もレンタルは現状で物のサービスだけではなくてきちんとした安全性の観点で寄与していること、短期間の利用者もこれだけ一定数いるところはきちんと評価をする必要があるのではないかと思ったところでございます。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田河構成員、よろしくお願いいたします。
○田河構成員
 ありがとうございます。
 これまでも申し上げてきたところでございますが、利用者が増加し、介護保険の総費用も増加する中で、現役世代が減少しています。そうした中では、制度の持続性の確保という観点が不可欠であると思っております。福祉用具の重要性は十分に理解しておりますが、一方で、サービスの重点化、効率化の観点も必要ではないかと思っております。福祉用具の貸与・販売の選択制については、福祉用具の適時適切な利用、利用者の安全性の確保は大前提だと思っておりますが、利用者の自己決定権を尊重する観点あるいはサービスの効率的な実施という観点からも、貸与というだけではなくて、ぜひ選択制の導入も一歩前に進めていただきたいと思っております。
 今回お示しの資料、18ページの3つ目の○に、要介護度に関係なく給付が可能な種目の種類において「歩行器」「歩行補助つえ全般」においては利用者負担額における分岐(月)よりも平均の貸与期間が長い、「固定用スロープ」についてもほぼ同等であるとの記述がございますが、そうしたことは選択制の一つの目安になってくるのではないかと思っております。
 21ページの最初の○には、その他のところに、現在の貸与種目の一部が販売種目となった場合の課題という形の調査結果が示されておりますが、参考資料の54ページなどを拝見すると「現在の給付上限額では不足する」という回答もあり、回答者がどのような種目をイメージして回答したのかという感じもいたしました。どのような種目を想定しているのか分からない中で、回答者は、たくさんある現在の貸与種目に1つでも課題があれば課題があると回答している面もあるのかと考えました。また、課題として挙げられた事項については、これは昨年もいろいろ議論して、先ほども御意見がございましたが、例えば一定の試用期間を設定すべきではないかとか、あるいは介護支援専門員、福祉用具専門相談員の支援については、アフターケアみたいなことも考えたらどうか等のいろいろな提言もあったので、そうした点も含めて考えていくべきであろうと思っております。
 また、21ページの2番目の○には、利用者の意向調査結果がお示しされております。ただ、これは調査報告書本体を拝見しましたけれども、詳細な説明を行った上での回答ではないことに留意が必要であると記載されております。調査は質問の仕方によって回答が変わってくる可能性があり、回答者自身、なかなか貸与・販売のイメージが湧かなかった面もあるのかと思っております。そうした意味では、検討材料としては無理があるのではないかと思っています。
 あと、資料にはないのですけれども、調査報告書本体を見ると、これまでに介護保険を利用するのではなく、自費で福祉用具を購入したことがあるかの調査も行っており、そうしたことも参考になると思っています。数は少ないかもしれませんが、購入を希望したいという人にどう対応していくのか、これは課題ではないか、選択制も考える必要があると思っております。
 21ページに記載はないのですが、貸与か購入を選択する際にどのような情報があれば判断できるのかが調査報告書本体には載っておりました。利用者の回答では、費用の次に、貸与・購入を選択した場合のメリット・デメリットが挙げられており、選択にあたっての情報提供、これが非常に重要であると思っております。
 以上でございます。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、久留構成員、よろしくお願いいたします。
○久留構成員
 ありがとうございます。
 第6回までの議論の整理もおつけいただいているわけですけれども、これまでの検討の過程でも申し上げてきましたが、基本的には現行制度は貸与原則があるわけですけれども、その貸与原則のあり方と書いてあるのですね。ところが、今回の資料の提示では「福祉用具貸与・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方」となっていますので、微妙に違うのですけれども、次回で結構なのですけれども、考え方の整理を少ししていただく必要があるかと思っています。というのは、貸与原則を見直すのかどうかがまず入り口にあって、そして、貸与原則を見直すのであれば原則ではなくなるわけですから、それを踏まえてどういう提供方法を考えるのかという議論になるのか、それとも、貸与原則は残しつつ、維持しつつ、方法論で変えていくのかみたいなところの整理が、混乱するといけないので整理をしていただく必要があるかという気がいたします。それが1点目です。
 それから、経済財政諮問会議の答申の中に、廉価な品目についての記述があるのですけれども、そもそも介護保険における福祉用具の範囲の考え方の中に、一般的に低い価格のものは対象外というものがあるわけですね。したがって、ここも次回までで結構ですので、考え方の整理をしていただきたいと思っています。そもそも入り口のところで価格が低いものは対象外だとなっていて、その上で対象となっているものが貸与や購入となってきているわけですので、そうすると、一旦認めたものについての廉価の範囲はプラスされてサービスが乗っかってくるわけですね。福祉用具貸与はサービスが乗っかってくるわけですから、そのサービスの価格を踏まえた、足した形での廉価という考え方なのか、そこら辺も資料の中の言葉の表現だけでは少し混乱する可能性があるので、考え方を整理していただいて、お示しいただいて、議論したほうがいいかと思っております。
 以上です。
○野口座長
 大変建設的な御意見をどうもありがとうございました。
 それでは、江澤構成員、よろしくお願いいたします。
○江澤構成員
 ありがとうございます。
 参考資料1の43ページの表につきまして、個々のデータの分布が不明で分かりづらいので、標準偏差等も示していただけると少しは分かりやすくなるかと思いますが、分岐について、個々のデータのばらつきが今回のように大きい場合に、平均値を用いて比較することはあまり意味がないのではないかと考えます。大切なことは、個々の利用者において貸与の費用と希望小売価格を比較して、例えば貸与のほうが購入より安かった利用者の割合、その逆の貸与のほうが購入より高かった利用者の割合を示していただきたいと思います。
 重要なことは、お一人お一人丁寧に検討していくことであります。そういった意味では、参考資料2の「これまでの議論の整理」の例えば18ページのまとめの部分に、選択制が可能かどうか検討する場合に、利用者の主治医等による医学的な意見を十分に踏まえることが重要と記載されています。また、同じく19ページには、介護保険における福祉用具の選定の判断基準の見直しの必要性において、医師やリハビリ専門職等の医療職の判断の必要性と記載されております。したがいまして、貸与か販売かについては、疾患の進行性や状態の安定性、あるいは固定度合いの医学的判断が前提となり、専門的な見地からの詳細な個別対応が重要と考えます。
 最後に、これまで示されているデータで申し上げますと、例えば要介護1の認定を受けて、2年後にはそのうち5人に1人の方はお亡くなりになっています。これが要介護2になると、2の認定を受けて、2年後には4人に1人が亡くなられています。したがいまして、中重度でない方であっても状態が非常に不安定でありますので、しっかりと人生の最期まで支えるサービスのあり方として何がふさわしいのかを今後議論していく必要があると考えます。
 以上でございます。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、安藤構成員、よろしくお願いいたします。
○安藤構成員
 私からは1点だけコメントさせていただきます。久留構成員の意見と似ているところがありますが、この議論の一つの源流として、財政審のもともとの議論は、「選択」という話ではなかったですね。「選択」ではなくてむしろ「転換」という話で、かつそこからケアマネを外すことで費用削減もできる、という議論をしていたわけです。ですから、その議論が、今、この検討会では選択制に焦点が当たっていますけれども、どういうことなのかと。
 つまり、これも議論の流れの整理が必要で、例えば選択制でも、ほかのことが全部変わらないで「選択」という話と、「転換」を目指して、そのプロットの中でまず「選択」、次に「転換」、つまり、貸与から販売への転換という話と、どちらかでだいぶ議論の仕方も変わってきます。さらに、ケアマネを外す・外さないという議論はこの検討会の対象外だと思いますけれども、同じような話で、モニタリングはどうするかとか、そういった話も出てくるので、ただ単に「ほかのことは全部変わらない中での貸与か販売かの選択」という議論をしてよいのかどうか、よく分からないところがあります。
 アンケートも大変勉強になりましたけれども、回答する側もその辺の理解は曖昧で、貸与から販売にするということが、例えばケアマネやモニタリングが薄くなる・撤退するということを想定している人もいれば、いない人もいると思うのです。ですから、その辺の前提条件によって、「選択」への移行とか、「選択」という選択肢の検討の意味や議論の仕方が変わってくるところがあると思います。その議論をしないと、これだけいろいろなデータが出てきても、その数値の解釈などをどう考えたらいいのかが悩ましいと思いました。感想ですけれども、その辺りの議論の整理が少し必要かと思いました。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、別所構成員、よろしくお願いいたします。
○別所構成員
 1点、18枚目のことについて、参考資料1の40ページとか44ページあたりについていろいろお話があるのですが、今、出ている44ページあたりの資料の読み方としては、最初の時点で購入するか貸与を続けるかを比べたときに、ずっと長く使う人もいるし、ちょっとしか使わない人もいるというのは皆さんおっしゃるとおりなのですけれども、半数か半数弱の方にとっては購入したほうが安かったとこの資料は読むべきだろうと思います。その辺りの解釈が何となく一致していないのかと。様々いると言い出したら様々いるのは当たり前なので、その中で注意点もいろいろあるとは思うのですけれどもということなのかと思います。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、石田構成員、よろしくお願いいたします。
○石田構成員
 ありがとうございます。
 私からは、保険者の立場から介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方について意見を述べます。このあり方検討会は、参考資料1の2ページにあるとおり、財政制度等審議会において、福祉用具の貸与と購入費用の比較から、購入する場合と比べて居宅介護支援費が約40万円、居宅介護予防費の場合には20万円の費用を要しているといった問題提起があり、それを踏まえて、福祉用具貸与と販売種目のあり方を検討することとなった、議論することになったと理解しています。そして、課題の本質は、持続可能な介護保険制度へのあり方であり、税と保険料を使った公的介護保険制度としての給付のあり方、給付費の効率化、業務の簡素化であると思います。
 資料2の22ページに戻りますけれども、「福祉用具貸与・特定福祉用具販売の現状と課題を踏まえたあり方の検討」では、今回は一部の貸与種目において福祉用具貸与・特定福祉用具販売の選択制が可能かについて、さらに議論を進めてほしいということでありますけれども、そもそも比較的低廉な福祉用具・特定福祉用具販売は、保険としてリスクを軽減する必要性は低く、保険給付から外すといった見直しも考えられるのではないかと思います。また、2点目として、仮に選択制に移行した場合でも、今後のさらなる要介護・要支援者の増や介護に関係する人材の不足が進むといった地域の状況を想定したときに、福祉用具の貸与後あるいは販売後におけるモニタリング等を含む様々な業務についても、既存の多職種連携などの仕組みを活用するなどして、一定程度簡素化あるいは重点化することが必要でないかと、こう思うわけであります。
 さて、今回の新たな提示がありました参考資料1の55ページになりますけれども、保険者及び被保険者のアンケート結果では、貸与と購入を選べる場合について否定的な意見があったように感じます。前提条件の提示が不十分であった可能性があるのではないかとも思います。私自身は、給付費の削減や利用者の選択の幅が広がるといった点から、選択制の導入は賛成であります。これまでの議論から、まずは低廉な福祉用具を選択制へ移行するといった具体的な方向性を出す必要があるのではないかと思います。仮に今後選択制の移行が行えないとすれば、課題指摘の原点に戻り、改めて給付費の効率化の観点から、福祉用具・特定福祉用具販売について、介護保険の持続可能性を維持するための議論が必要となるのではないかと思うものであります。
 今回の福祉用具選択制の導入の検討については、これまで継続的に議論を重ねてきており、利用者自身の選択、自立支援は介護保険の基本理念であると思います。介護保険制度の持続可能性の確保を考えた方向で議論すべきであり、今後は廉価な種目に絞って具体的な方向を検討するといった段階に移る必要があると考えています。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、田中構成員、よろしくお願いいたします。
○田中構成員
 よろしくお願いします。
 資料2の16ページをお願いします。ありがとうございます。こちらに介護支援専門員、福祉用具専門相談員の支援については、福祉用具販売を選択した場合でも同様に支援を行っていくとか、下のほうの○の上から数えて4番目ですね。特定福祉用具販売を選択した場合の介護支援専門員のモニタリング等やそれらに伴う給付の取扱いについても検討が必要ではないかという一文を明示していただきまして、ありがとうございます。
 ケアマネジャーにおいては、福祉用具だけを見ているわけではなくて、生活全般を見ているというところで、ケアマネジメント、アセスメントの結果、現在も住宅改修工事や販売だけで終了してしまう方もおりまして、これが選択制が導入されることで、御本人方はケアマネの支援が受けられないとどういったことになるとか、その辺り、非常に情報が入ってこない場合もあると思うのです。結果、販売を選んだ場合、ケアマネジメントの支援が終了するということもありまして、例えば退院から連続して在宅まで支援して、その上で、販売を選択して終了すると。ただ、入院していた病院からすると、担当のケアマネさんはあの人だねとか、地域包括支援センターからしてもあの人だねということではあるのですが、ケアマネジャーとしてはもう契約はそこで終了してしまっていると。ただ、とはいえ、何か御相談があれば皆むげにはできないので、結局今でも関わり続けている方は非常に多いのですね。そうなってくると、この選択制が導入された場合、そういった給付は発生しないけれども何となく担当している方が非常に増えるのではないかというところを危惧しております。こちらに記載していただいたとおり、万が一選択制で販売を選択された場合でも、介護支援専門員に対する定期的なモニタリングの支援とか、必要な連絡調整とか、その辺りは担保していただく必要があるのではないかと。それを踏まえて重度化防止とか、そういったところに資するのではないかと思っております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、渡邉構成員、よろしくお願いいたします。
○渡邉構成員
 よろしくお願いいたします。
 まず前提として貸与か販売かを選択する意義なのですけれども、制度の持続性を図るため、つまりは負担と給付のあり方を前提とした給付の適正化を図ることを主に目的としているのだということを利用者に理解していただくことが重要になるかと思います。その上で、今回の資料では比較的廉価であることと中長期の利用が実質上見られるという2つの条件を設定して、これに適合している「歩行補助つえ」「スロープ」について、利用者負担における分岐という視点から資料が提出されているわけで、この視点は私は合理的だと思っております。
 しかしながら、実際の現場になりますと、貸与か販売かを利用者が選択する、あるいはケアチームが検討するいずれの場合によっても、例えば治療の成功率、リスク等を提示して治療の実施を判断していただくように、判断しようとする利用者自身とデータに基づく利用実態が比較できる資料が必要で、中長期の利用者の状態像や条件をより詳細に検討して、分かりやすく提示できる資料の作成が必要だと思います。これが選択する上での不可欠な要素ではないかと思っております。また、これは生活機能の予後予測に基づく福祉用具の適用での判断でもあるため、医師やリハ専門職の関与についてもプロセスの中に検討する必要があると考えております。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 それでは、次は七種構成員ですね。よろしくお願いいたします。
○七種構成員
 ありがとうございます。
 実際、議論の中で福祉用具貸与のみの議論があるのですけれども、そこはもう少し広い目で見ないといけないのかと思います。貸与の品目だけではなくて、なぜ貸与が支持されるかというのは、その身体状況の変化に応じて臨機応変に福祉用具の貸与が展開されているということですね。身体に合わない福祉用具を使うことのリスクはかなり高いものがあります。それによって転倒または骨折等によって、逆に軽度であって福祉用具のみで支えられたのが、重度化、重症化していって、かえって医療費や別の介護給付費のほうに負担が行ってしまう可能性もありますので、単に福祉用具だけで議論するのは非常に危険かと思います。
 貸与の場合というのは、我々介護支援専門員の側から見ると、サービス担当者会議で多職種で一緒に議論するのですね。この福祉用具はどうだ、その福祉用具の使い方はどうだ、どういうところを見ていかないといけないかということもやっていますし、当然モニタリングでも関係者からその使用状況や身体の状況を聞きながら、福祉用具の使用状況も併せて評価していっていますので、購入になった場合にそれをどうするのかも併せて議論していかないと、ただ単に貸与の価格のみだけで進んでいくのは非常に危険かと思いますので、ぜひ検討のところはそういった視点も併せながら御議論いただければと思います。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございました。
 ほかに発言を希望される構成員の先生はいらっしゃいますか。
 それでは、小野木構成員、よろしくお願いいたします。
○小野木構成員
 1つだけ追加させていただければと思っていますけれども、購入とレンタルの選択制をするという前提条件としては、正しい判断ができるということが前提条件だと思っています。しかしながら、最初の段階においては、大変御利用者さんで判断することは難しいというのが我々の思いであります。
 実は我々のほうで調査をさせていただきましたけれども、ほぼレンタル期間が当初考えていたときと想定どおりであったというのは2割ぐらいしかないのですね。あとの8割の方は短かったあるいは長かった、分からなかったという方でございます。その意味では、多職種でのいろいろな方々の御意見を踏まえてということがありますけれども、もしも想定よりも短かったということになりますと、かえって費用の増になってしまうということでありますし、実際には我々のデータでは想定よりも短かったという方が4割以上いて、その人たちが一番多かったのですね。そういう人たちは購入にしたけれども、実はレンタルのほうが安かったと。それは国にとっても同じことが言えるわけでございまして、そこら辺については、次回には我々のデータを提出したいと思っていますけれども、ぜひともお考えをいただきたいと思います。
 以上です。
○野口座長
 どうもありがとうございます。
 久留構成員からお手が挙がっております。この辺りで本日の御発言を締めさせていただきたいのですけれども、ほかに久留構成員以外の方で御発言を希望される方はいらっしゃいますか。
 いらっしゃらないようでしたら、久留構成員をもって最後の御発言とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○久留構成員
 お時間のない中、すみません。1点だけ、この検討会の趣旨・目的に照らしますと、前も申し上げたのですけれども、この福祉用具貸与・販売につきましては、介護予防福祉用具貸与・介護予防福祉用具購入というのもありますので、介護保険が始まってから23年たっておりますので、そろそろ介護保険の本来の目的である自立支援、この自立支援に資する福祉用具というもの、貸与・購入においてどのような種目が必要かについては検討していくべきだろうと思っていますので、今回、次回ということではないにせよ、引き続き検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○野口座長
 長時間にわたる御議論をどうもありがとうございました。
 今年度、本あり方検討会はもう一回を予定しております。それに向けて、本日は取りあえず1年前に先生方からデータを明確化しよう、こういった議論の基になるデータを収集・分析してみろという宿題をいただいて、今回はデータをお示しして、あまり方向性を定めずにと言うと語弊がありますけれども、特にこちらから例えば議論の土台であるとか、あるいは対応策であるとか、そういったものをあえて提示せず、先生方の忌憚のない御意見あるいはお考えを聞きたかったというところで、本日はそういった会でございました。
 もう一度予定している会議に向けて、先ほど久留構成員と安藤構成員からあった考え方の整理ですね。確かにこの検討会は財政審の話から、いわゆる貸与から選択へ転換するのであるというところから始まってしまったがために、かなりドラスチックなところを目指すような検討会であるという位置づけに最初のところはなってしまっていたのですけれども、そうではなくて、本当に利用者さんのことを考えて、実際、利用者さんにとってベネフィットがあるように、久留構成員からも御発言があったように、介護保険の理念であるところの自立支援に必要な福祉用具という観点で、もう一度選択制かあるいは貸与のままこのままいくのかというところを深掘りしてみようということで、こういった会議の議論になっていると思います。
 一つは、先ほど安藤構成員と久留構成員からいただいたように、議論の考え方を次回に向けて整理させていただきたいと思います。それと、いろいろデータを見ているところ、結局福祉用具と一くくりにしてしまって議論をすると、非常に重度の方が使う福祉用具に関しては、事故等も心配ですし、利用者さんは使い方がなかなか分からない、複雑な用具だとそういうこともあるでしょうし、そこについて福祉用具を一くくりにして議論すると議論が散漫になってしまいますので、次の会議では今日お示ししたいわゆる廉価な種目ですね。議論の方向性をきちんと整理した上で、廉価な種目に絞って、皆さんと一緒に再度この3番目の論点について御議論をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。そういう方向でよろしいでしょうか。
 福祉用具と一くくりにしてしまうと、どうしても議論が散漫になりますので、一つは議論の方向性を整理する、もう一つは廉価な種目に絞って選択制を取り入れるかどうか、取り入れるとしたらどういった形にするのかみたいな議論を、それもありますし、貸与のまま続けるのかという議論もあるでしょうし、そういったところで次回お話をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 では、そのような方向性で次回の議論を進めさせていただければと思います。
 本日は長時間にわたり、どうもありがとうございました。
 次回の予定について、事務局から御予定のお話をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○高齢者支援課長
 本日も皆様から大変貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございます。
 ただいま野口座長から、今日の議論を踏まえて、次回の方向性について整理をいただきました。事務局としましても、その方向性に沿って次回皆様に御議論いただける資料等の準備を進めてまいりたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 なお、今後の予定でございますけれども、次回日程は8月28日を予定してございます。会場等といった詳細につきましては、改めて事務局から御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本日はどうもありがとうございました。
○野口座長
 どうもありがとうございました。