第2回抗微生物薬の市場インセンティブに関する検討会 議事録

健康・生活衛生局 感染症対策部 感染症対策課

日時

令和5年9月5日(火)
15:30~17:30

場所

Web会議
※事務局:中央合同庁舎5号館 仮設第3会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

  1. 抗菌薬確保支援事業の検討課題等について

議事

議事内容
○松浦課長補佐 では、ただいまから、第2回「抗微生物薬の市場インセンティブに関する検討会」を開催いたします。
 御出席の先生方におかれましては、御多忙にもかかわらず、御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日、冒頭進行を務めさせていただきます、感染症対策課の松浦と申します。よろしくお願いいたします。
 事務局で異動がございましたので、新たに着任した感染症対策課長の荒木より御挨拶させていただきます。
○荒木課長 7月4日付で前任の江浪課長の後任として参りました。そのときには結核感染症課長でございましたが、荒木と申します。
 それで、9月1日に組織再編がございまして、感染症対策課ということになりました。感染症対策部の下に置かれますが、まさに今回御議論いただきます抗微生物薬の市場インセンティブに関する検討につきましても、新たな体制においてしっかりと進めてまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 本日の議事は、公開となります。なお、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、プレス関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴の方は「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
 本日は、ウェブ会議で開催することとしております。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、挙手機能を用いて挙手していただくか、チャットに発言される旨のコメントを記載いただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。また、ウェブ会議ですので、タイムラグが生じますが、御了承いただければと思います。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、構成員の出欠状況について御報告いたします。
 御出席の構成員におかれましては、通信の確認も踏まえて、構成員のお名前をこちらから申し上げますので、一言、お返事をいただければと思います。
 五十音順に、大曲構成員。
○大曲構成員 大曲です。よろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 菅井構成員。
○菅井構成員 菅井です。引き続き、よろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 高野構成員。
○高野構成員 高野八百子です。どうぞよろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 本田構成員。
○本田構成員 本田です。よろしくお願いします。
○松浦課長補佐 渡邉構成員。
○渡邉構成員 渡邉です。よろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 順番が前後して恐縮です。北原構成員。
○北原構成員 北原です。よろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 また、大曲構成員からは、途中で中座されるとの旨、御連絡をいただいております。
 また、オブザーバーとして、小黒参考人、御発言が難しいと伺っておりますので、次、具参考人。
○具参考人 具です。よろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 白石参考人。
○白石参考人 白石です。どうぞよろしくお願いいたします。
○松浦課長補佐 平井参考人。
○平井参考人 平井です。どうぞよろしくお願いします。
○松浦課長補佐 以上の御参加をいただいております。よろしくお願い申し上げます。
 現在、構成員の過半数に御出席いただいていますので、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 では、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。なお、これ以降、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。
(カメラ退室)
○松浦課長補佐 それでは、議事に入る前に、資料の確認をさせていただきます。
 まず、議事次第及び構成員名簿。続いて、資料1。参考資料として、第1回の資料1と資料2をお送りさせていただいております。不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は渡邉座長にお願いいたします。
○渡邉座長 それでは、議事に入りたいと思います。
 事務局から、各構成員に対して事前に資料送付と説明をいただいているところでありますので、必要なポイントについて、事務局から資料1について簡潔に御説明をお願いいたします。
○松浦課長補佐 では、資料に沿って説明させていただきます。資料1の御説明をさせていただきます。
 2ページ目から5ページ目までは、第1回にいただいた御意見を各論点ごとにまとめさせていただいたものでございます。
 6ページ目を御覧ください。第1回の御意見のまとめでございます。
 論点として、対象となる抗微生物薬の考え方についてというところで、まずはカルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)を事業の対象とするということで、おおむね御了解いただいたと考えております。
 2ポツ目、抗菌薬確保支援事業の仕組みの考え方について。
 3ポツ、抗微生物薬適正使用遵守の担保についてということで、方向性について御了承いただいたものと考えております。
 7ページ目を御覧ください。本日の会議につきましては、4ポツ、抗菌薬確保支援事業の適切性の評価方法についてというところで御意見を頂戴できればと考えております。
 続いて、9ページ目を御覧ください。抗菌薬確保支援事業の抗微生物薬適正使用協力金の評価方法についてということで、事務局として以下の考え方に基づきまして協力金の適切性の評価をしてはどうかということで、案をつくらせていただいてございます。
 評価項目として、大きく1番、販売量の遵守。2番、ガイドライン遵守率/適正使用への取組。3番、AMRの治療薬の開発状況ということで、それぞれ必要なデータを表に記載してございますが、それらを研究班や企業からの報告等を踏まえて評価をいただきまして、最後、総合評価という形で定性的な評価をさせていただきたいと考えてございます。
 一番最後に記載させていただきましたとおり、抗微生物薬の医療技術評価や費用対効果評価等を用いて、抗微生物薬の価値の在り方については、今後の検討課題とさせていただいております。
 10ページ目をおめくりください。先ほどの1番から3番、それぞれの評価項目についての考え方等の整理をさせていただいております。1番の販売量の遵守としましては、考え方といたしまして、AMRアクションプランにおいて抗微生物薬の使用量が成果指標という形で位置づけられたことも踏まえまして、評価項目として抗微生物薬使用量や投与者数、推定投与日数、治療1日に必要な投与量等を評価項目といたしまして、高評価、中評価、低評価の形で評価させていただければと考えてございます。
 11ページ目を御覧ください。2番、ガイドライン遵守率/企業の適正使用の取組ということで、抗微生物薬適正使用の手引きに院内感染症の項目を追記いたしまして、ガイドラインの遵守率と企業の適正使用の取組の推進状況について、企業から御報告をいただきまして評価をさせていただきたいと考えてございます。
 12ページ目を御覧ください。AMRに対する治療薬の開発状況につきましては、評価項目として、現在開発が進行中の企業の新規抗微生物薬候補のパイプラインのリストということで、研究開発の有無と過去1年間の進行を評価の基準と考えてはいかがかと考えてございます。
 13ページ目を御覧ください。抗微生物薬適正使用協力金の評価の反映方法(案)とさせていただきましたが、以上のことを踏まえまして、評価委員の個々の項目への評価と総合評価を参考に、事業の成果が著しく低く、本事業の目標が達成されていないと認められる場合には、支援額の一定の減額を考慮してはどうかと考えてございます。
 14ページ目を御覧ください。公募について(案)とございますが、今般の抗菌薬確保支援事業を「感染症予防事業費等国庫負担金」に追加いたしまして、実施要綱、公募要綱を策定し、実施してはどうかと考えてございまして、応募資格(案)として、以下のとおり考えてございます。
 1番から5番まで記載してございますけれども、1番として、2021年以降に新規抗菌薬としてCREに対する抗菌薬の販売を開始(公募時点で年度内の販売開始見込みを含む)としていること。
 2番として、「抗微生物薬適正使用の手引き」に則りまして、抗菌薬の適正使用の推進を図っていること。
 3番として、当該抗菌薬の以下の情報が提出できる体制があることということで、1番から4番まで記載させていただいております。
 4番といたしまして、対象抗菌薬の適正使用に関して、国が実施する研究事業等に協力すること。
 5といたしまして、本事業の実施により得た補助金相当額について、抗菌薬の研究開発に活用することとさせていただいております。
 15ページ目を御覧ください。第1回検討会でお示しいたしましたスケジュールを一部改変したものでございます。第2回、今回、9月5日に開催となってございますので、第2回会議の日程が後ろ倒しになったスケジュール感をお示ししてございます。今回の検討会を踏まえまして公募要件を確定いたしまして公募を開始いたしまして、第3回の検討会で事業開始、公募選定というふうに考えてございます。
 私のほうから資料の説明は以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 それでは、皆さんから御意見を伺いたいと思いますが、その前に、まず、小黒参考人より発言メモを預かっているということですので、事務局より代読をお願いいたします。
○松浦課長補佐 事務局でございます。
 小黒参考人からメモという形で、3点提出いただいておりますので、事務局のほうで代読させていただきます。
 1つ目といたしまして、前回の検討会では、グラム陰性腸内細菌目細菌、カルバペネム耐性菌、多剤耐性アシネトバクター、多剤耐性緑膿菌などが候補に挙がっていたが、14ページにて、公募対象をCREに絞った理由は何か(念のための確認です)といただいております。
 2番といたしまして、9ページ目下部に「抗微生物薬の医療技術評価や費用対効果評価等を用いて、抗微生物薬の価値の在り方を今後検討」との記載があるが、開発インセンティブとの関係では、製薬メーカーからの開発コストを含めた情報の問題が最重要である。インセンティブが不十分だと、本当の意味でAMR問題を解決することができない。費用負担などとの関係で、今回のプログラムにより、保証できる金額を10~15年間でどれだけカバーできるかを計算した部分とコストの部分を比較可能とする方法も検討する機会を設けてほしい。
 3番といたしまして、15ページでは、「公募開始」と「事業開始」の記載があるが、事業開始は「令和5年度」と「令和6年度~」にまたがっている。事業評価を行うためには、同じ業者のほうが望ましいと思われ、国会の予算統制や会計法等との関係で、年度をまたいでも、同じ業者が継続的に事業を実施可能か否か、法令上の扱い等につき、念のために確認したほうがよいと思います。
 以上3点、メモをいただいております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 その3点に関して、事務局の考え方を教えてくれますか。
○松浦課長補佐 事務局でございます。
 順に事務局のほうから御説明させていただければと思います。
 1点目が、CREに絞った理由は何かという点でございますけれども、前回の検討会の議論におきまして、他の薬剤耐性微生物につきましても御意見いただきましたが、結果として、有効性のある既存の抗菌薬が極めて限られておりまして、市場インセンティブの必要性の観点から、カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)に対する抗菌薬が最も重要であるという方向で議論が進んだと承知しておりまして、こうしたことを踏まえ、本事業の公募対象としてCREが適切と考えているという次第でございます。将来的に他の薬剤耐性微生物への対象拡大を否定するものではございませんが、少なくとも現時点におきましては、対象はCREに対する抗菌薬としてはどうかと考えております。
 2点目、コストの点でございます。御指摘の意見も踏まえまして、コストの評価方法につきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと、このように考えております。
 3点目、令和5年度と令和6年度にまたがっている関係について、どうかということでございますが、本事業は予算事業でございますので、一度の採択は、翌年度以降の複数年採択を約束するものではなく、毎年度公募に応募していただくことを想定しております。スケジュールについては、今年度末に開催を見込む検討会で、翌年度の公募に関する審査を行うことを想定しております。
 私のほうからは以上でございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、大曲構成員が途中で退席するということですので、先に御意見を伺っておきたいと思います。大曲構成員、どうぞ。
○大曲構成員 ありがとうございます。国際センターの大曲です。
 今回諮問いただいた事項と評価項目、10ページに記載されていますけれども、確認させていただいて、私自身はこれに関して賛成であります。抗微生物薬適正使用をどう評価していくのかというのは、簡単ではないですけれども、これは必須のことでありますので、評価方法についてもしっかり議論した上で、評価されていく必要はあると思っております。
 それ以下のところに関しましては、特段のコメントは本日はございません。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 では、時間も限られておりますので、各構成員の方々からコメント、御質問いただきたいと思います。何ページのどの点についてということを先に説明していただいてから、御質問をお願いしたいと思います。御質問ある方は挙手等、お願いいたします。
 平井参考人、どうぞ。
○平井参考人 よろしくお願いいたします。
 ページの順にやってまいります。9ページですけれども、評価方法のデータ取得の方法で、AMED研究というのが2つ入っておるのですけれども、販売量遵守とガイドライン遵守のところで2つあるのですけれども、これは2つ違う研究と捉えてよろしいのでしょうか。前回、討議しているときに、感染発症数とかについては菅井先生の班研究を使うということがあったのですけれども、その辺のところを少し御説明いただきたいと思います。
○渡邉座長 まず、事務局、お願いいたします。
○松浦課長補佐 事務局でございます。
 御質問の点に関しましては、先生御指摘のとおり、前回、菅井班と記載させていただいておりますけれども、菅井先生の研究班をどちらも想定してございます。
○平井参考人 分かりました。今、AMEDでも、サーベイランスは結構やっていただいておりますので、それを使わせていただくということで理解いたしました。
 その次は、11ページですけれども、ガイドラインで企業さんに聞く項目で例とあるのですけれども、私ども、プルインセンティブをいろいろ検討しているときに、上市後の安定供給とか生産というのが非常に課題になったのですけれども、この辺りも評価項目の中に加えていただくと、本当にきちんと安定供給とか生産しておられるかというのを入れていただくとどうかなと、感じました。いかがでしょうか。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○松浦課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 今般の評価につきましては、抗菌薬の適正使用という観点で評価項目を設定させていただいております。先生御指摘のような安定供給という観点につきましては、また別の観点での御指摘と考えております。今般の評価については、こちらでさせていただければと考えておりますが、一方で、先生御指摘の点も踏まえまして、今後の事業の考え方として検討の中に入れていきたいと考えております。
○平井参考人 ありがとうございます。
 次が14ページです。今回、ここに公募時点で年度内の販売開始見込みを含むというセンテンスが入ったと思うのですけれども、今から公募をかけていって、今年度中に予算化ということになると、承認のデッドラインというのを大体どのぐらいのところを読んでおられるのでしょうか。それを教えてください。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○松浦課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 今般の抗菌薬の事業の考え方といたしまして、予想市場規模に対しまして、実際に使われた量との差ということで考え方としてお示しさせていただいているところでございますので、実際の使用量というのが全く出ないような形だと、そもそも評価ができませんので、実際使用した量が分かるような範囲で応募いただければと考えてございます。
○平井参考人 分かりました。よく理解できました。
 それと、公募に当たりまして、公募の説明会とかヒアリングみたいなことは検討されるのでしょうか。
○渡邉座長 お願いします。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 ヒアリングも必要に応じて対応したいと考えてございます。
○平井参考人 よろしくお願いいたします。前回も私、お話ししたように、プルインセンティブというのは、企業が収益性を見通せないということで、抗菌剤開発を継続するためとか、市販後の安定生産・安定供給のための資金援助ということで、学会でもプルインセンティブというのは、現在、抗菌剤開発をしている企業が撤退しないこととか。今、開発の主体がベンチャーになっているので、そのベンチャーやそれに投資するVCが魅力を感じるような市場へ持っていくということが、プルインセンティブの価値が言われておりますので、その辺りも企業さんとお話いただければと思います。
 今回の場合は適正使用の奨励金の話ですけれども、プルインセンティブがどのような形で研究開発などに対するインセンティブになるかというところもディスカッションする場が必要なのではないかと思っております。それは私のコメントでございます。よろしくお願いいたします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生、どうぞ手を挙げていただければと思いますけれども、本田先生、どうぞ。
○本田構成員 よろしくお願いします。
 1点だけ、私も事前に資料を拝見させていただいて、総合的なところは私も特に異論はなくて、調査の仕方、具体的な進め方に関しては、特に大きな質問はないのですけれども、1つだけ皆さんと共有しておきたいのが、ガイドラインに沿って行いますというガイドラインというのが、具体的に指摘されているのが、先日、メールでいただいた、新設される抗微生物薬適正使用の手引きを具体的に指しているという可能性が高いというお話でしたので、この班で抗微生物薬適正使用の手引きをつくるわけではないので、できれば抗微生物薬適正使用の手引きの作成班に、その手引き自体は、こういった形でプル型インセンティブのガイドラインとして使われますということを情報共有していただければありがたく存じます。
 以上になります。
○渡邉座長 事務局、どうですか。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 今、公募の案のところでも記載させていただいておりますとおり、先生御指摘の抗微生物薬適正使用の手引きというものを想定しております。先生御指摘いただいたとおり、手引きを検討しておられる先生方のほうにも、しっかりと共有させていただければと思います。御指摘ありがとうございます。
○渡邉座長 よろしくお願いいたします。
 ほかの先生、いかがでしょうか。
 具先生、どうぞ。
○具構成員 ありがとうございます。具です。
 1つ質問があります。全体の方向性としては、特に私としては問題ないといいますか、賛同というところでございますが、評価をどうするかは非常に難しいところがあると思っております。
 そこで、10ページ、販売量のところに対象とする感染者数、あるいは今回、適切に使用されている数を見ていこうということだと思うのですけれども、AMEDの研究班という話もありましたが、時間もあまりない中で、どのように見ていくかという大まかな方法論は、何か議論が進んでいるところなのでしょうか。
○渡邉座長 事務局、答えられますか。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、特に年度末の時期でもございますので、全ての情報が手元にあるというところは想定してございません。
 例えばCREにつきましては、発生届が出ますので、その数については届出数で見ていくと考えておりますが、それにつきましても、例えば3月末で評価いたしますので、全体の届出が分かっているわけではございません。ですので、一定程度の推計等も用いて事務局のほうで数字を準備いたしまして、御評価いただくという形を想定しているところでございます。
○具構成員 ありがとうございます。
 もう一つ、これは関連したコメントということになるのですけれども、耐性菌、それから、その治療というと、菌と薬だけではなくて、その病態の話にどうしてもなります。そうしますと、臨床的なところでかなり判断が難しいとか、どうしたらいいのだろうという悩みが現場から出てくるというところはあろうかと思います。そのようなときに、何らかの形で相談できるコンサルテーションの窓口のようなものができるといいのではないかと思いました。この辺りは、今、届出のルートがありますので、それに付随した形でコンサルテーションの仕組みをつくっておくというのは、1つ、手かもしれないと思いました。これは適正使用を進めるために何が必要かというところのコメントです。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 今の具先生の、評価するに当たっての耐性菌が出た場合に、対象となる薬を使ったのが適切かどうかを評価するのは、臨床家を絡めないとなかなか難しいと思うのですけれども、先ほど研究班がやるという話ですけれども、その研究班の中にはそういう専門的な臨床医も含まれているのですか。
○松浦課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 研究班のほうで、しっかり臨床の先生も入っていただいて調査等をしていきたいと考えております。ありがとうございます。
○渡邉座長 あと、コンサルの問題も大変重要だと思うのですけれども、これはどこかそういう組織というか、一番考えやすいのは医療センターかなと思うのですけれども、そこに全てが行ってしまうと大変なことになってしまう可能性もあると思うけれども、何かそういう公的なとか、またはほかの組織というものが考えられているのでしょうか。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 一義的には届出ですので、これは臨床ではないですけれども、保健所に届け出られるということで、そこから感染研等も含めて、相談できるところはあろうかと思います。臨床の件について、すみません、御意見いただいたということで、ありがとうございます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 あと、具先生からの提案があったのは、臨床家にとっては現場で対応しなければならないことについて、すぐ相談できるような体制ができていれば、非常に有用なのではないかと思うので、そういうことを今後の課題として考えておく必要があるかなと思います。
 ほかに御質問のある先生はいらっしゃいますか。
 白石先生。
○白石参考人 ありがとうございます。
 1点だけコメントなのですけれども、公募について(案)という14ページをお示しいただければと存じます。すみません、ちょっと細かいところなのですが、3番目のところで「情報が提出できる体制であること」という記載がございますが、体制の整備だけではなく、実際に「求めに応じて提出すること」と加えていただいたほうが、より明確かと思います。せっかく政府の資金も入れる事業でございますから、ぜひ有用な情報については収集していただく必要があると思いますので、体制を整備するとともに、求めに応じて提出することというふうに文言記載、追記していただくのがよりよいかなと思いました。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。
○松浦課長補佐 本当に貴重な御意見ありがとうございます。よく確認して訂正させていただければと思います。ありがとうございます。
○渡邉座長 北原先生、お願いします。
○北原構成員 先ほど本田先生も少し言われた点なのですけれども、11ページのガイドラインの遵守の手引きのところなのですが、ここで周術期の抗微生物薬投与のガイドラインとなっているのですけれども、手引きの前回の作成のときにも、使用量が添付文書用量と違った場合に、手引きになかなか載せづらいというのがありました。今回の新しい手引きの場合に、手引き作成側と使用量のところで、添付文書とのずれも合わせながら、どういう記載をするのか、それでどういう評価をするのかというのを少し考えていかなければいけないと思います、その辺りは何かすり合わせなり、検討される事項があれば、教えていただければと思います。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 添付文書を超えた量につきましては、どのような形で記載していくかということも含めて、関係部局とも相談しながら対応しているところでございますので、よい手引きになるように、引き続き御相談させていただければと思います。ありがとうございます。
○北原構成員 了解しました。よろしくお願いいたします。
○渡邉座長 ほかにいかがでしょうか。
 高野先生、どうぞ。
○高野構成員 質問は特にございません。意見ですけれども、今、北原先生が質問されていたように、抗微生物薬の手引きにのっとった使用をしているかどうかということで、もしアンケート調査をされたときに、完全にアンケートに遵守していなければ、いい評価が出ない可能性もありますので、この評価というのはかなり難しいなと思いました。それで、適切な手引きをつくっていただけるということなので、大丈夫かなと思うのですけれどもね。
 あと、微生物薬の使用量の評価に関しても、必ずしもCREだけ使っているわけではないというところで、量の確認をどのようにしていくのかというのが私の中で見えていないのですけれども、ただ量だけで判断できるわけでもありませんので、企業の成果として文章化された内容になるのか難しいとところだと思うのですけれども、それを見て判断できたらいいのかなということです。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 使用された場合に、各臨床の先生はガイドラインに沿って適切にというか、その先生が適正に使った情報というのは、各製薬会社に全部行くシステムにするのですか、それとも研究班が全部集めるシステムになるのですか。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 研究班のほうでアンケート等も用いて、それぞれ調査していただくということを想定してございます。
○渡邉座長 そうすると、メーカーさんが情報を研究班に出すというわけではないのですね。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 企業のほうからも、もちろん一定程度、情報を出していただくということもあろうかと思いますので、基本的には総合的な判断だと思いますが、先ほど申し上げたとおり、研究班のほうでデータを取るということを想定してございます。
○渡邉座長 はい。
 ほかに御質問ありますか。
 菅井先生、いかがですか。
○菅井構成員 ありがとうございます。
 総論については、特に異論ございません。我々のところで、CREをもともとAMED研究でやっていた中に、さらに追加という形でいただきまして、CREの臨床研究を行うことを計画しています。ただ、実際にスタートするのが結構遅いということもあって、年間に日本でCREとして登録される登録数が2000例ですので、2000例の中で実際に始めるとして3か月ですので500例ということで、かなり少量の規模になってしまうということで、1回目のときはどこまできちんとしたものを出せるのかというのが不安なところではあるのですけれども、取りあえず始めていこうと考えています。ですので、2年目以降についての評価のところは、もう少し詳細な改定というか、そういうものが必要になっていくのではないかという気がしています。
 それとは別に、私のほうからの質問としては、14ページで、当該抗菌薬の以下の情報が提出できる体制があることの中のマル3で、企業の適正使用の取組等のところで「研究を遂行するための直接必要な経費」というものが書いてありますけれども、最近の企業というのが、かなりグローバルに活動しているというか、いろいろなベンチャーを吸収したりする形で、実際の研究の費用というのがどこまで明確に出せるのかというのは、なかなか難しいと聞いています。その辺について、どの程度まできちんとしたデータを出そうとされているのかということについて、お聞きしたいと思います。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 こちらは、先生御指摘のとおり、どこまでということは、こちらとしてもお示しするのはなかなか難しいと思っておりますので、必要となった場合は、企業のほうでどういうものかということを説明した上で御提出いただくという形になろうかなと考えております。
○菅井構成員 ありがとうございます。
 以上です。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 菅井先生にちょっとお聞きしたいのですけれども、先ほどの適正使用を含んで、新たな公募の対象となるような新薬を使った場合に、その新薬に対する感受性検査もデータが重要かなと思うのですけれども、それはこれから決まって、すぐにできる。
○菅井構成員 それは可能で、今、準備しているところですが、既に日本のCRE株については、新薬を含めて、我々のところで、まだパブリッシュしていませんけれども、データを持っていますので、それをベースにして、さらに今後、集めてくる株についても、一応できる体制は取っております。
○渡邉座長 ありがとうございます。その感受性検査のデータというのは重要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかの先生、いかがでしょうか。
 平井先生、企業の情報とか、いろいろ御存じだと思うので、いろいろな相談も含めた形で来ているかと思うのですけれども、それを含めた形で何か御質問があれば、どうぞ。
○平井参考人 先ほど言いましたように、企業もどういう形でプルインセンティブが出るかということをいろいろ期待しておりますので、その辺りは実際にいろいろ討議いただければと思っております。ぜひそういうものをお願いしたい。
 私、もう一個質問があるのですけれども、前回、CREに決めたのですけれども、そのときの菅井先生のデータを見ていますと、CREでもいろいろなタイプがあるということでディスカッションがあったのですけれども、今回の場合は、そういうタイプがいろいろあったにしても、CREという形で適応症を取っている薬剤と捉えてよろしいわけですね。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 基本的には先生御指摘のとおりでございます。
○平井参考人 分かりました。
 もう一つ、これから出てくる薬を考えますと、CRE以外にもいろいろな菌を適応菌種として持つと思うのですけれども、そういうものに使ったときの売上げというのは、このインセンティブにはどういうふうに影響してくると考えてよろしいでしょうか。
○渡邉座長 事務局、お願いします。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 基本的には、市場規模から使った額を引くという考え方でございますので、CREに対して使用した分を引いた額を支援金としてお支払いするという形で想定してございます。
○平井参考人 分かりました。そうすると、CREという条件で絞るということですね。
○松浦課長補佐 御指摘のとおりでございます。
○平井参考人 分かりました。理解しました。
 以上です。よろしくお願いします。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかの先生、よろしいでしょうか。
 菅井先生、どうぞ。
○菅井構成員 全体的なことで言えることかと思うのですけれども、今、おっしゃっていただいたように、企業がこれを見て、ある程度魅力を感じて、平井先生が言われたように応募していただかないと、にっちもさっちもいかないところがあると思うのですね。本当のプルインセンティブに話をつなげていくための一里塚として、企業と政府が一緒になってというか、同じ方向を向いて進んでいけることが一番望ましいのかなと思っていますので、あまりぎちぎちに厳しくして振り落とすということよりも、なるべく日本の製薬企業の開発をサポートしていくという立場で臨んでいただければありがたいかなと思っています。コメントでした。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 確かにこういう制度をつくっても、企業側が振り向かないとあまり意味がないということですので、平井先生、今のことも含めて、微妙なことは言えないかと思うのだけれども、言える範囲で、企業がこの制度に対して少し魅力は感じているのでしょうか。
○平井参考人 私ももう企業経営を離れましたからかなり経っておりますが、企業の立場で見ていますと、インセンティブとして、今、菅井先生おっしゃったように、一里塚として始めて、これをベースに、これから3年間、いろいろ検討していくという形であれば、私がもし経営をやっていたときでありましたら、手を挙げると思います。そんなコメントでよろしいでしょうか。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 せっかくやっても、企業が振り向いてくれないと意味がないので、特に先生が経営者であった頃のことを考えて、未来志向的な形で考えてくれれば、手を挙げるのにやぶさかではないだろうという御意見をいただいたので、力強いことではないかと思います。
 ほかの先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
 皆さんの御意見を伺っていますと、総論的にいい関係であって、今後、これがうまく運営されるような方向に軌道修正しながら持っていけば、将来的にもよりよいものになっていくだろうというお考えだとまとめさせていただきたいと思います。
 では、ほかにないようでしたら、まだ時間はちょっとあるのですけれども、本田先生、どうぞ。
○本田構成員 すみません。
 企業側に魅力的なプログラムにするということは、非常に重要です。今回の話はすごく重要なのですけれども、私たち側も社会から変な誤解を生まないように、ずっとされていると思うのですけれども、COIとかをきちんと明確にして継続してやっていくということを、改めて私としても、皆さん、ずっとされていることだと思うのですけれども、再共有というか、自分もそういう形でやっていければと思います。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ありきで進んでいると世間から取られると、この検討会に入っている皆さんとしても非常に不本意なことになると思うので、厚労省も公平性・中立性を担保しながら、我々もそれを担保しながらやっていくというのが理由になると思います。そういう意味で、本田先生の御意見は非常に重要だと思います。
 ほかにいかがでしょうか。手厳しい御意見でも何でも結構ですので。
 厚労省もなかなか言いにくいかもしれないですけれども、この予算というのは、今年取っているのは13億円ですね。1件応募した場合はそれでいいにしても、2件3件応募した場合には、その中で分配するということで、どんどん小さい規模になってくるというと、そんなに魅力がなくなっていくのではないかと思いますけれども、厚労省としては、今後どういうふうに資金面等に関しても考えているのか、ちょっとお考えをお願いします。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 今年度の予算、11億円でございますので、訂正させていただければと思います。
 厚労省といたしまして、これから始める事業でございますので、まず、今年度、実施させていただいて、その評価等も通じまして、次年度以降の予算要求につなげていきたいと考えておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○渡邉座長 これがある程度魅力があると外部から認められるような形で考えるような素地ができれば、厚労省としても予算の拡大というのはあり得ると考えてよろしいでしょうか。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 今日も貴重な意見をいただきましたので、それらを踏まえまして、次年度以降の予算要求に我々もつなげていきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ほかによろしいでしょうか。
 では、皆さんの御意見は出尽くしたと取らせていただいて、全体的・総論的に皆さん賛成であるということと、各先生から今後に対しての要望が出されたと思いますので、その辺を踏まえて、事務局でさらに検討いたしたことを、今後の公募または評価等に反映させていくということで、今回のこの取組を進める方向に持っていきたいと思います。順次、公募の手続をこれから進めて、先ほど予定表が示されましたけれども、実際に公募を10月ぐらいに行うのですね。説明会というのは、どこということではなくて、公募予定者に対しての説明会というのは、どこかでやることになるのでしょうか。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 説明会のやり方等、今後検討していきたいと考えております。
○渡邉座長 分かりました。
 そして、実際に公募が始まって応募があった場合に、第3回の検討会というのは、いつぐらいを予定しているのでしょうか。先ほど御説明があったかと思いますけれどもね。
○松浦課長補佐 ありがとうございます。
 時期について、今、お示しさせていただいているとおりではございますけれども、今回、御意見をいただきましたので、それを踏まえまして公募を開始させていただきまして、公募がまとまりましたら第3回と考えております。
○渡邉座長 ありがとうございます。
 ということで、これから公募の準備をして、実際に公募をやるということになる予定であります。皆さんの本日の御意見を踏まえて、順次公募を進めていくということで、今回のこの会議はこれで閉めたいと思いますけれども、よろしいですか。
 では、以上のことで今日の会議のほうはこういうことになったということで、あとは事務局にお返しします。
○松浦課長補佐 ありがとうございました。
 構成員の皆様の御意見を踏まえまして、検討と公募を進めさせていただきたいと思います。
 また、次回につきましては、選定になりますので、非公開という形を想定してございます。日程調整等は、事務局より改めて御連絡をさせていただきます。
 本日は、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございました。