第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会議事録(2023年10月2日)

日時

令和5年10月2日(月)15時00分~17時00分

場所

AP新橋 Fルーム(オンライン開催)

議題

  1. 1.睡眠指針の見直しについて(案)
  2. 2.その他

議事

開会

【山宮課長補佐】  定刻になりましたので、ただいまより、第2回健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
本日、議事に入るまでの間、議事進行役を務めさせていただきます、健康局健康課の山宮と申します。本日は、委員の皆様にはオンラインにて御参加いただいております。
議事に入る前に、WEB御参加者への留意点、資料の確認、本日の出欠席状況等について御説明いたします。まず、オンラインでの参加の方に向けて注意事項でございます。会議中、ビデオカメラはOnにしていただくよう、お願いいたします。発言以外はマイクをミュートにしていただき、発言される場合には挙手をしていただき、座長からの指名後、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言いただくようお願いいたします。発言が終わりましたら、マイクをミュートにしていただくようお願いいたします。
次に、資料の確認をさせていただきます。事前にお送りしているファイルに不足がないか御確認ください。まず、議事次第、構成員名簿、座席表がございます。資料として、資料1「健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)」、参考資料として、参考資料1「健康づくりのための睡眠指針2014」、参考資料2「睡眠に係る推奨事項(案)」、参考資料3「睡眠に係る参考情報(案)」を事前にお送りさせていただいております。不備がございましたら、事務局まで御連絡ください。
本日、構成員より御欠席の連絡はいただいておりません。
報道関係者の撮影についてはここまでとさせていただきます。
それでは、以後の進行は、内村座長にお願いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

議題

1.睡眠指針の見直しについて(案)
【内村座長】  それでは、早速、本日の議題に入りたいと思います。健康づくりのための睡眠指針の改訂について、事務局から説明してください。
【田邉室長】 事務局でございます。それでは資料1の健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)をご覧下さい。こちらと参考資料2と3について、併せてご説明させていただきます。前回、先生方に指針の改訂に向けて、盛り込む必要がある事柄についてご議論いただきましたので、それを元に事務局の方でたたき台を用意させていただきました。あくまでたたき台でございますので、本日はこちらを参考にしていただきつつ、ご議論いただければと考えております。では、資料1を1枚おめくりいただきまして、こちらは先生方ご案内のとおり、現行の睡眠12箇条でございます。では、1枚おめくりいただきまして、まず構成(案)についてでございます。今回はこれまでの先生方の御意見及び既存の研究結果等を踏まえて、年代別に睡眠に関する推奨事項を設定してはどうかと考えてございます。それから、ライフステージ別の睡眠に係る推奨値等については、情報を整理したうえでエビエンスレベルに基づいた構成に改訂してはどうかと考えてございます。そういうことで、改訂案のまとめを書かせていただきました。
まず「推奨事項」として、今回の改訂では、①成人、②こども、③高齢者、このような年代別の区分で推奨事項を提示してはどうかと考えてございます。ライフステージ別の睡眠に係る推奨事項につきましては、メタ解析等で一定のエビデンスがあるものを推奨事項として記載してはどうかと考えてございます。これに加えまして、「参考情報」として、保健指導を実施される方や政策立案者など、そういう方々に御参考にしていただく意味で、睡眠に関する取組のための参考となる情報をテーマ別にまとめてはどうかと考えてございます。①~⑦番まで大きくテーマを書かせていただきまして、これに関する参考情報をシートにまとめるといった形で進めてはどうかという構成(案)でございます。
おめくりいただきまして、まず、「睡眠に係る推奨事項(案)について」をまとめてございます。成人版、こども版、高齢者版と3つの世代ステージ別に書いてございます。
まず、「成人版」でございます。この中で書かせていただいたことをまとめさせていただきました。まず、毎日の睡眠時間については、6時間以上確保することを推奨する。やはり現在、睡眠時間が短いというところが一番問題ですので、メッセージとしては最低の時間を書いてはどうかというイメージでございます。それから、睡眠時間に加えまして、「睡眠休養感」についてもしっかり確保していただく。そのために、適切な生活習慣や睡眠環境について整備することを推奨してはどうかということを書いてございます。具体としましては、食習慣、いわゆる朝食を摂るでありますとか、就寝前の夜食等を控えるであるとか、そういうことを書いてございます。それから、寝室の環境整備、あるいは嗜好品の見直しについても書いてはどうかということでまとめてございます。それから、前回、御議論ございました交替制勤務について、その場合、やはり夜間の勤務中の仮眠であるとか、昼間に睡眠をとる場合の注意点であるとか、そういう環境整備についてまとめてございます。さらに、睡眠の不調や睡眠休養感の低下といった場合に、生活環境に加えまして、実は背後に疾患が潜んでいる場合もございますので、そういうことについての注意喚起をしてはどうかということを書いてございます。
続きまして、「こども版」でございます。こども版に関しましては、年齢に応じて睡眠時間の推奨時間が異なりますので、年代別に推奨する睡眠時間を確保することについて書かせていただいております。それから、夜更かしや朝寝坊といった、いわゆる睡眠に関する注意すべき行動ということで注意喚起を書いた上で、生活習慣で注意できる点について、日の光を浴びるであるとか、朝御飯をきちんと食べる。あるいは、スクリーンタイムを減らし、体を動かして、寝床にはデジタル機器を持ち込まないということを書いてございます。
最後、「高齢者版」でございます。高齢者につきましては、個人の体調や生活状況に合った睡眠時間、及び床上時間ということで、こちらについては上限の時間として8時間というところを書くかどうかについては、先生方に御議論いただければと考えてございます。昼間の仮眠についても、夜間の睡眠に影響を及ぼしますので短時間、具体的には30分未満くらいに抑えましょうと書いてはどうかと考えてございます。「睡眠休養感」の確保につきましても、高齢者の方においても大事ですので、環境整備でも改善しない場合には、医師に相談する等の対応についても書いてはどうかということで、このようなまとめをさせていただいてございます。
では、参考資料2をご覧ください。参考資料2は、今まとめて申しましたことの詳細版になってございます。画面のほうにも投影させていただきます。
まず、成人版からでございます。成人版につきましては、先ほど申しましたように、毎日の睡眠時間を6時間以上確保するということを書いてございます。そのバックグラウンドとしまして、メタボリックシンドロームの発症や心血管疾患の発症のリスクが上がるということ。あるいは、死亡リスクの上昇にもつながるということを書いてございます。その上で、国民健康・栄養調査の中で、現在の睡眠時間はどうかということを書かせていただいておりまして、6時間未満の方が30~50%、さらに5時間未満の方も5~12%いらっしゃるということを書いてございます。右側のほうは労働との関係です。労働時間と睡眠時間の関係でありますとか、あるいは、休日に長く睡眠をとること、「寝だめ」についての問題点等々について書いてございます。
次のページにいっていただきまして、先ほどは睡眠の時間でございましたが、続きまして睡眠の休養感ということで、「睡眠休養感」の確保が、死亡リスクに関しましては独立した因子であるということを書いてございます。そのため、睡眠時間に加えて休養感の確保も大事であることを書いてございます。それから、成人の方ですので、いわゆる働いている方が多いと思いますので、夜間勤務、あるいは交替制勤務など、仕事との関係という部分についてもまとめさせていただいてございます。
次のページ、「睡眠の不調」ということで、背後に睡眠障害が潜んでいる場合がありますということを書いてございます。そのため、いわゆる疾患との関係について、注意喚起という意味で、ここに書かせていただいてございます。
続きまして、「こども版」でございます。こども版ですが、まず睡眠不足と肥満のリスク、抑うつ傾向、あるいは学業の成績低下ということについての関係の部分について書いてございます。また、こどもは特に成長の時期に応じて睡眠に係る課題というのも変わってきますので、良い睡眠をとることは大事ということを書いてございます。
2点目は、夜ふかしとの関係でございます。まず、睡眠の時間を最初に、世代別、年代別に推奨時間を書いた上で、加齢とともに睡眠時間は自然と減少していくということを書いてございます。その上で、次のページで夜ふかしと朝寝坊に注意しましょうということを書いてございます。特に、どうしても睡眠・覚醒相後退障害と呼ばれる睡眠障害につながる可能性もございますので、夜ふかしと朝寝坊には注意しましょうと。その上で、どういうことに注意したらいいかということで、朝、太陽の光をしっかり浴びるであるとか、朝御飯をしっかり食べる、またスクリーンタイムを減らすこと。それから、寝床にはデジタル機器を持ち込まないことということを、改めて理由も含めて丁寧に書いているところでございます。また、「ショートコラム」で、学校の開始時間と睡眠時間との関係ということで、そういうことの調整なども海外でやっていますということもコラムで紹介してございます。
最後のよくある質問の部分では、やはりカフェインとの関係がございますので、エナジードリンクなど、そういうものに含まれるカフェインとの関係についても、注意を喚起しているところでございます。
最後、「高齢者版」でございます。まず、高齢者の方の睡眠の特徴ということで、寝床で過ごす時間がどうしても長くなる傾向にあること。それから、高齢者の場合はむしろ長時間睡眠による健康リスクのほうが強く表れやすいということを書いてございます。その上で、国民健康・栄養調査の中でも、高齢世代では睡眠を長く確保する傾向があるということがデータからもありますというのを書いた上で、様々な健康リスクを差し引いても、やはり長い時間寝床で過ごすことはリスクになるということを書いてございます。
2点目は、長寝と昼寝についてでございます。どうしても高齢世代になりますと、生理的な現象で昼と夜のメリハリがつきにくくなるということがございますので、長寝が健康寿命の短縮につながるというエビデンスがございます。また、アルツハイマー病等の認知症との関係もあるということを書いてございます。その上で、次のページで昼寝の時間に関しましては30分以内にとどめるということを書いた上で、昼間の過ごし方等について注意喚起をしてございます。
3点目、「睡眠休養感」の確保でございます。高齢者につきましても、やはり睡眠休養感の欠如が死亡リスクの増加につながるというエビデンスがございますので、これについて書いてございます。その上で、床上時間を8時間以下に制限することが、むしろ睡眠休養感を高めることにつながる可能性もあるということを書いてございまして、休養感の重要性というものを書いてございます。
このようにシートで世代別にまとめてございます。これにつきまして、全体的に図表とのバランス等も含めまして、先生方に御議論いただければと考えてございます。
事務局からは以上でございます。
〈質疑応答〉
【内村座長】  ありがとうございました。事務局のほうから御説明していただきました。それでは、まず最初に「睡眠に係る推奨事項」について、参考資料2になると思いますが、これにつきまして事務局から説明がありましたけれども、御質問、御意見があればお願いしたいと思います。順番に、成人版・こども版・高齢者版ということで、それぞれ御意見をお伺いしたいと思います。それでは、参考資料2の推奨事項の成人版について、皆様から御質問や御意見がありましたらお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
いかがでしょうか。前回の時もいろいろな意見は出たかと思いますけれども、栗山構成員、何かありますか。
【栗山構成員】  前回、皆様から頂いた御意見も、少し追加で盛り込んだ部分もありますが、基本的には成人、20~64歳までの年代、場合によっては60歳までという区切りになるかと思いますけれども、その中では、国民健康・栄養調査の中でも圧倒的に睡眠不足の人たちが多いという現状がございますので、いかにこの短時間睡眠を減少させるかというのが、我が国の国民の重要な目標になってくると思います。その辺りを中心に記載させていただいたと、班でまとめさせていただいたということでございます。
【内村座長】  ありがとうございます。今も栗山構成員から御意見いただきましたように、成人版では睡眠時間が、やはり日本では不足しているということで、そこを中心にまとめていただいたということです。御質問、御意見、特にないですか。いかがでしょうか。
よろしいですか。では、またあれば、あとで御討論いただければと思います。
【山宮課長補佐】  事務局でございます。加茂構成員が挙手しておられますので、よろしくお願いいたします。
【内村座長】  加茂構成員、よろしくお願いします。
【加茂構成員】  大変よくまとまっていて、すごくわかりやすくて素晴らしいと思ったのですけれども、更年期のところです。女性の場合、更年期の睡眠時間は男性よりもさらに短いという報告があったと思います。それは、ここの文章を読む限りホルモンの影響が中心に書かれていますけれども、そういった統計があるかどうかわからないのですが、女性の場合は複数役割が、日本の場合まだあって、仕事をしながら思春期になる子育てをして、それから、例えば交替勤務の夫の帰りを待つということがありまして、その結果、睡眠が短くなっていると。ホルモンだけではなく、そういう1日のスケジューリングの結果短くなっているケースを、私は自分の外来でよく出会うのです。しかし、そういうことを女性はあまり理解していないというか実感がないというか、「更年期は眠りにくいのですか」みたいな話になってしまうので、すみません、どういうふうに表現したらいいのか、私よくわからないのですけれども、家族全体での睡眠のスケジューリングというところが更年期のところに少し入ってくるといいのではないかと思いました。
【内村座長】  ありがとうございます。栗山構成員、今の御質問に対して、いかがですか。
【栗山構成員】  実は、この更年期の問題に関しては、参考資料3になるかと思いますけれども、こちらに少し詳しく記載させていただいているという経緯があります。一番後ろから2番目のところだったと思いますが、こちらに少し詳しく書いてあります。
今、御指摘いただいたような女性の役割に関しては、班のほうでも議論はさせていただきました。ただ、そこまで記載するという御意見は、班の中ではなかったように思います。それと、ある意味お仕事ですよね。そういった側面からすると、やはり過剰労働というところで触れている部分もありますし、そこを「女性の」という形で書くかどうかに関しては、まだ十分に議論がされ尽くしてはいないのではないかという印象は持っております。
【内村座長】  加茂構成員が言われたことは、よく臨床では私も経験して、やはり40代後半から50代くらいの方は、中学受験、高校受験、大学受験などでお夜食を作らないといけないから遅くまで起きていて、また旦那さんも一番忙しい時なので、旦那さんの帰りを待って、そして朝はお弁当を作らないといけないので、最後まで起きていて、最初に起きなければいけないということで、必然的に睡眠時間が短くなってくる。その辺りの家庭での役割が、女性は過大になっている部分が多くて、さらに働いている方であれば、休日などにまとめて家のことをしないといけないし、平日はなかなか仕事もあって、また家庭の役割も多くてということが、睡眠が不足してくる1つの大きな要因になってくるというのは、確かに経験することだと思います。加茂構成員、そういうことですか。
【加茂構成員】  はい、おっしゃるとおりです。どういう形で書いていただくかは難しいとは思うのですけれども、そういうことを、女性の皆さんが更年期の不眠と考えていらっしゃるところも問題ではないかと、私は普段の臨床の中で思っているので、注意喚起という意味で、何か一文入れていただけるといいかなと思うところではあります。
【内村座長】  栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  その不眠と睡眠不足は、少し分けて考える必要があると思います。
確かに睡眠薬の処方実態や不眠症の有症率を見ると、女性の場合、50代くらいからぐっと上がってくるという特徴がありますので、その辺の不眠の問題に関しては更年期の影響がかなりあるのだろうと思います。
睡眠不足に関しては、先生がおっしゃるように、もう少し若い世代からずっと続く問題になると思いますので、その辺はある程度考える必要はあるかと思うのですけれども、本指針は、国際科学誌を主に参考にして作成されていて、日本は結構特有な状況だと思うのです。したがって、その辺をどう表現するのか。現状そういったことがあるとはいえ、今後それをどう改善していくのかというようなところも含めて、かなりデリケートといいますか、書き方には工夫が必要だと思いますので、その辺をどうしたらいいのかは少し考えたほうがいいかと思っております。1つの案としては、我々はそういったものに関してはQ&Aでまとめさせていただいているところがありますので、日本特有かもしれないということで、そういったことに対する配慮も必要というようなQ&Aを1つ追加するということは、現実的にはかなりありなのではないかと思いました。御意見ありがとうございます。
【加茂構成員】  ありがとうございます。
【内村座長】  そうですよね。あと、栗山構成員、このショートコラムはどういうところを入れてあるのですか。
【栗山構成員】  ショートコラムの位置づけに関しても、座長がおっしゃるとおりで、Q&Aよりも少し重要かなというような位置づけで作っている形です。したがって、ショートコラムでもいいかもしれないです。
【内村座長】  その辺りは、実際、日本特有というか、そういう方は現実的には少なくないというところがあります。働き方改革などの辺りも関係していますし、あるいは男性の家庭での役割をある程度増やしてもらったり、もっと言うと、女性の場合は若い世代から睡眠が不足しているし、男性の産休や育休が今後入ってきますので、その辺りで少しずつ改善されていくのではないかという気はするのですけれども、加茂構成員が言われたように、Q&Aかショートコラム辺りで少し触れてもらうと、多分現場では、特に保健師さんなどの指導という面では活かされるのではないかという印象がありますので、栗山構成員、その辺も検討してもらってよろしいでしょうか。
【栗山構成員】  ありがとうございます。
【内村座長】  駒田構成員、どうぞ。
【駒田構成員】  加茂構成員がおっしゃっていただいたように、この睡眠指針の改定にあたって、まず、日本人の睡眠時間が短くて危険だという話し合いをした中で、その日本人の中でもやはり女性の40代、50代が最も短い、それが非常に危険なのではないかという意見がたくさん出まして、今の「妊娠・子育てと睡眠健康について」というものを作ることになったのです。当初、これは「女性の睡眠」というタイトルを付けていたのですけれども、そうすると、女性の睡眠では女性しか見てもらえない。つまり、もっと社会や男性や女性を取り巻く全体の方にも見ていただきたいので、「女性の睡眠」はやめて、子育てと睡眠、健康という形にしようという話し合いもあったかと記憶しております。したがって、こうした妊娠・子育てと睡眠健康の中で、女性の生物学的な要素だけではなく、社会的な影響というものもQ&Aやショートコラムで少し入れ込むことはいいのではないかと、今お聞きしていて思いました。
【内村座長】  ありがとうございます。確かに、子育てというところに関係してくると思います。例えば、働きながら子育てして、高校受験、大学受験などに関わってくる40代、50代の女性が、日本の場合は明らかに40代後半から50代の女性の睡眠時間が短いというデータがあります。その辺りの理由として、当然更年期の問題や、特に女性ホルモンの問題なども入ってくるわけです。あるいは閉経後の無呼吸の問題なども入ってくるのかもしれませんけれども、そこに、子育て家庭での生活習慣を少し加味する必要があるというところをQ&Aやショートコラム辺り入れてもらうと、より反映しやすいのではないかという印象はあります。よろしくお願いしたいと思います。
この件に関しましては、ほかよろしいでしょうか。今、「妊娠・子育てと睡眠健康について」というところが出ていますけれども、すごくよくまとまっていると思います。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、参考資料2の「こども版」のところで御意見、御質問がありましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
ここでは1~2歳、3~5歳、小学生、中学・高校生でそれぞれ時間が書いてあるのですけれども、時刻を付けなかったのは、この前の議論の中でもかなり議論された上で、あえてこのように時刻を付けなかったということです。これを先生が言われたのは、この前のシンポジウムの時でしたか。だから、なるほどと思ってこの前のシンポジウムを聞かせていただいたのですけれども、かなり深く考えられて、あえて時刻を付けられなかったということだと思います。
あと、こどもさんでエナジードリンクやそういうものを飲む人が最近すごく増えてきていると思います。その辺りもQ&Aの辺りに書かれているので、そういう意味では、すごくよくまとまっていると個人的には思いました。
こども版のほうで特に御質問はないですか。よろしいでしょうか。大神構成員、どうぞ。
【大神構成員】  先ほどの成人版のところで申し上げようか、どうしようかと思った程度のものではあるのですけれども、こども版のところに、スクリーンタイムを減らして、それから、寝床ではデジタル機器の使用を……というくだりがあるのですけれども、これは大人でもかなり共通しているのではないかなと思うと、こどもだけではなく、年齢問わず共有しなければいけないものではないかと気になったのですけれども、そこまで考えなくていいものかどうか、御意見を頂けたらと思っております。
【内村座長】  この辺りも多分検討されていると思うのですけれども、栗山構成員、いかがでしょうか。
【栗山構成員】  御指摘はそのとおりだと思います。基本的には、この問題が一番睡眠にインパクトを与えるのは恐らくこどもさんであるということから、このシートにはこどもさんのところで大きく取り上げているところです。一方で、成人も同じようだということ、それはそのとおりだと思います。その辺は、実は参考資料3の睡眠環境のところに記載されています。成人版のほうにはここにもリンクを張るような形で書いてありますので、そういった形で参照いただけるかと思いました。主に成人版はボリュームが多くなってしまったので、そういったところからもこのような形式にさせていただきましたけれども、恐らく見ていただく方は、この3つの成人版、高齢者版、こども版にある程度目は通されると思いますので、その辺からもわかっていただける部分ではないかと思います。貴重な御意見、ありがとうございました。
【大神構成員】  ありがとうございました。
【内村座長】  こどもから大人までスクリーン時間はすごく増えていると思うのですけれども、データを見ると、特に中学から高校にかけてすごく増えていて、1日12時間とかスクリーンタイムがあるというようなデータが高校生の2年、3年になってくると出てきています。そういう意味では、香川県などは18歳未満の場合は条例でスクリーンタイムを規制したりしています。その辺からすると、こどもの時によりその辺りを注意していただくと、こどもに注意すれば、当然大人も、「お父さんだけしていいの」ということになってくるでしょうから、当然大人もだと思うのですけれど、特にこのこどものところで強調するという形になっているのだと感じています。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次に「高齢者版」のところで、いかがでしょうか。高齢者のところで、もし御質問がありましたらお願いします。
これは、先ほども事務局のほうから少し、検討してくださいと御意見がありましたけれども、睡眠時間のところで、床の上にいる時間を8時間と記載するかどうかというところ、お昼寝を30分以内と記載するかどうかというところで、具体的には書かれてあるわけですけれども、栗山構成員、この辺りはいかがですか。
【栗山構成員】  これは少しうっかりしていた部分もあるのですけれども、成人版の場合は、この1番目のところに「6時間以上」の睡眠時間をと明確に書いてあることで、このメッセージが強調されており、高齢者の場合は、1番目のタイトルが非常に包括的なタイトルになっていて、多分、これが少し混乱する部分かと思いますので、恐らく「8時間未満の床上時間で」というメッセージもこのタイトルに入れておくことで、混乱が防げるのではないか、よりメッセージが強調されるのではないかと思いました。内容的にはしっかり書かれているかと思います。
【内村座長】  私も、指導する時に、はっきり明確に床上時間8時間未満と書いてあったほうが、すごくインパクトもあると思いますし、特に高齢者の場合はすごくそれが大事なポイントになってきますので、個人的にはぜひそれも書いていただいていたほうがいいのではないかという気がします。お昼寝のところはどうなのですか、栗山構成員。
【栗山構成員】  実はそのお昼寝のところも先ほどの話とかなり関連するところで、夜の睡眠時間を減らしても、昼間寝てしまうと睡眠全体の質が下がってしまうというところもあるので、この1番目と2番目はかなりリンクしているお話です。したがって、最初に8時間未満というようなメッセージを出しておけば、2番も話がわかりやすくなってくると思いますので、そういった形でいければと思いました。
【内村座長】  ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。この高齢者版のところで御質問、御意見がある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいでしょうか。またあれば、あとで御意見を伺いたいと思います。
それでは、続きまして、睡眠に関する参考情報について、事務局のほうから御説明よろしくお願いします。
・睡眠に係る参考情報(案)について
【田邉室長】  事務局でございます。では、資料1の5ページ目をご覧ください。「睡眠に係る参考情報(案)について①」でございます。画面のほうでも出させていただきます。
まず、先ほど申しましたように、参考情報としてトピック的に7つまとめさせていただいてございます。まず、「からだと健康のための睡眠について」ということで、総論的な部分でございます。睡眠時間7時間前後が生活習慣病やうつ病、あるいは死亡リスクが最も少ないと言われてございます。それに加えまして、適正な睡眠時間に加えて休養感を得ることが、健康増進、健康寿命の延伸については効果と言われておりますので、それについて後ほどシートのほうでも説明させていただきます。
2点目が、「良質な睡眠のための環境づくりについて」でございます。環境整備の点について書いてございます。まず、明るさ、光の問題でございます。日中にはできるだけ日光を浴びて夜間のメラトニン分泌量を増やすことで、入眠が促進されるということがございますので、それについて書いてございます。それから、先ほどございました、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まずに、できるだけ暗くして寝ることが効果的であるということについて書いてございます。それから温度、室温の問題ございます。寝室の温度設定、あるいは入浴との関係でございます。これについての効果を紹介してございます。4点目が音の問題で、静かな環境の確保の重要性をシートのほうで書いてございます。
3つ目が、「運動、食事等の生活習慣と睡眠について」ということで、運動習慣、食生活と睡眠との関係についてまとめてございます。まず運動については、適度な運動習慣が睡眠の質を高めるということを書いてございます。また、運動の場合はそれぞれ個人差等ございますので、ライフステージに応じた運動のタイプや強度、あるいはタイミングや頻度ということを紹介してございます。それから、食事との関係では、体内時計への影響ということで、朝御飯の重要性であるとか、就寝前の夜食や間食が体内時計に及ぼす影響についてまとめてございます。それから3点目は、当然のことですけれども、寝室でのリラックスの重要性というものを書いてございます。
4つ目のシートでございます。こちらにつきましては、「睡眠と嗜好品について」ということで、嗜好品との関係について書いてございます。まずカフェインですけれども、この摂取量については1日400mgを超えないということで、目安となる量を書いてございます。これは朝摂取した場合でも同じことが言えるということを詳細に説明してございます。それから、カフェインはどういうものに入っているのかということで、コーヒー、紅茶、エナジードリンクというものについて、入っているカフェインの量についての紹介をさせていただいてございます。それから、お酒との関係、アルコールに関しましては、いわゆる入眠については促進する作用があるけれども、睡眠の後半については睡眠の質を妨げるとか、中途覚醒が増えるであるとか、どうしても悪影響があるということを書いてございます。それから、たばこに関しましては、ニコチンに含まれる覚醒作用のために、睡眠については良くない影響があるということをまとめてございます。
5点目は「睡眠障害について」です。こちらに関しましては、いわゆる疾患も踏まえたものについてまとめてございます。睡眠環境、生活習慣、嗜好品というものに影響される睡眠の問題に加えまして、いわゆる疾患ベースの睡眠障害というものがあるということで、具体的には不眠症、閉塞性睡眠時無呼吸等々、こういう病気があるということをまとめてございます。また、当然のことながら、それが疑われる場合には医療機関を早期に受診しましょうということを書いてございます。
6点目が、先ほどございました、「妊娠・子育てと睡眠健康について」ということで、女性の睡眠はホルモンバランスの影響を受けるという点、それから、妊娠中は特に睡眠不足や睡眠障害を発症しやすいというところ、それから、それが胎児にも影響を及ぼすということについて書いてございます。また、いわゆる子育て期間に関しましては、夜泣き等の対策等を踏まえまして、睡眠の確保の重要性等についてまとめているところでございます。
7点目が、「就業形態と睡眠の課題について」ということで、前回先生方に御議論いただきました、交替制勤務についてまとめてございます。交替制勤務はどうしても体内時計に逆らって生活しますので、身体に対する負担がどうしても大きいというところ、そのために不眠や休養感の低下ということで、睡眠障害を来す可能性が高いということで、医療機関の受診等についてまとめてございます。また、勤務中の眠気や仕事の効率の低下、事故防止の対策ということで、具体的にはカフェインであるとか、仮眠であるとか、サングラスの使用であるとか、こうした例についてまとめさせていただいて、活用していただければというようなものにしてございます。
では、参考資料3をご覧ください。先ほどのものについてシートにまとめたものを御説明させていただきます。
まず1つ目、「良い睡眠の概要(案)」ということで、まず、この睡眠指針の位置づけ、それから、睡眠と健康との関係、死亡リスク等々について書いてございます。3点目が、先ほどございました、「日本人の睡眠の状況」ということで、睡眠時間あるいは睡眠休養感というものについて、国民健康・栄養調査の結果を基に、現在の状況、それから、これまでの変遷を書いてございます。
おめくりいただきまして、次が、「睡眠の生理的基本特徴」ということで、例えば睡眠時間は年齢によって変わるであるとか、あとは季節、シーズナルの影響も受けるということを書いてございます。その上で、「適正な睡眠時間とは」ということを、エビデンスに基づいて書いているところでございます。
また、Q&A(よくある質問と回答)で、良い睡眠とはどういう睡眠かであるとか、何時間眠ればいいのかということについても、わかりやすく解説をして、Q&A形式で用意しているというものになってございます。
おめくりいただきまして、「からだと心の健康のための睡眠について(案)」ということでまとめてございます。適正な睡眠時間ということで、40歳から64歳までは睡眠時間が短いということが問題であるということ。それから、一方で65歳以上になると長すぎる床上時間が死亡リスクに影響があるということを、まず書かせていただいてございます。
それから、睡眠の休養感についても非常に重要であるということで、心の健康においても休養感はかなり影響があるということ。それから、休養感を低下させる要因としては、例えば仕事のストレスであるとか、あるいは食事の影響であるとか、運動不足等々もございますので、そういう生活習慣についても大事ということについてまとめてございます。
おめくりただきまして、次が、睡眠の時間と睡眠の休養感の両方ともが重要な因子であって、質と量のいずれもが健康な睡眠については重要だということを、データを基に示してございます。
それから4点目は、いわゆる昼寝等について書かせていただきました。日中に眠気を生じない程度の睡眠時間が重要であると。そして、昼寝をする場合は30分以内が原則ということを書いてございます。
おめくりいただきまして、3つ目でございます。「良質な睡眠のための環境づくりについて」ということで、環境整備についてまとめさせていただいてございます。まず1点目、光との関係でございます。日中に光を浴びること、それから、睡眠2時間くらい前からは、メラトニンの分泌のことを考えますと照明やスマートフォン等の強い光を浴びないほうがいいということを書いてございます。こちらが先ほどございました、寝室にスマートフォンやタブレットを持ち込まずに、できるだけ暗くしましょうということについても年齢を問わず書いているというイメージでございます。
それから2点目、「行動変容を促すモデルについて」ということでございます。まず1点目として、入浴との関係でございます。就寝前に体を温めると入眠潜時、いわゆる入眠までの時間が短縮するということがございますので、そういうことについて御紹介しております。それから、部屋の温度との関係でございます。冬場の温度であるとか、夏場の温度等についての注意喚起をしているところでございます。
それから、3点目が、音の環境づくりということで、騒音が睡眠に与える影響であるとか、騒音の場合、どうしても慣れによって影響が減少するということもございますので、そういうことも踏まえて、海外でのガイドライン等で、例えば室外の騒音が40dB未満という数字もお示した上で御説明をしているものになってございます。
また、こちらのQ&Aでも、例えばスマートフォンとパソコンではどちらの光の影響が大きいのかというようなことがございます。結果的には、スマートフォンのほうがそばで見るから目に入る光の量が大きいということ等につきましても、わかりやすくQ&Aで説明をしているということでまとめてございます。
続きまして、「運動、食事等の生活習慣と睡眠について」でございます。まず、運動と睡眠についての関係を書いてございます。運動のタイプといたしましては、いわゆる有酸素運動が寝つきについては良いということに加えまして、最近では、筋肉トレーニング、いわゆる筋トレについても睡眠の改善効果があるということをお示ししてございます。それから、運動の時間等でございますけれども、可能であれば1日60分程度の身体活動を習慣的にすることが理想ですと。そうでなくても、60分未満でも定期的な運動をしましょうということで、運動習慣の重要性というものを書いてございます。また、運動をするタイミングですが、できれば日中がいいのですけれども、目安としては睡眠の2~4時間前までに運動をしましょうということを書いてございます。それから、年代別、妊婦さん、不眠症の方ということで、いろいろな方のパターンについての記載をしてございます。
2番目が、食事との関係でございます。まず、朝食をしっかりとりましょうということで、日光の光を浴びることと同様に、朝御飯を食べるということは体内時計の調整に非常に重要であるということを書いてございます。また、就寝直前の夜食を控えるということで、これも体内時計に影響を及ぼして後退させますので、就寝前の食事は控えましょうということを書いてございます。それから、就寝前のリラックスという点では、少なくとも就寝の1時間前くらいまでには家事や仕事、あるいは勉強等については終わらせて、リラックスする時間を持ちましょうと、リラクゼーション、あるいは入浴の重要性についてもまとめているところでございます。
次、「睡眠と嗜好品について」をご覧ください。こちらにつきましては、まずカフェイン等についての影響を書いてございます。先ほど申しましたように、カフェインは1日の上限としては400mgにしましょうというところと、それについてのメカニズムも書いてございます。日本人のカフェインの代謝については、個人差が大きいのですけれども、半減期が5時間とした場合に、朝400mgとっても、夕方以降100mgくらいの体内の血中濃度になりますので、影響があるということをサイエンスの観点で書いているころでございます。それから、そういうことを考えますと、当然夕方以降はカフェインを控えましょうというところを書いております。それから、表の形式でいろいろな飲み物に含まれますカフェインの量を例として書いてございます。おめくりいただきまして、先ほど申しましたように、特にお子さん、あるいは高齢者の方につきましては、カフェインはさらに減量することが重要であるということも追加で書いてございます。
次、3として「アルコール」でございます。アルコールに関しましては、晩酌は控えて、寝酒はしないということで、先ほど申しましたように、睡眠の入眠という点ではいい効果がありますけれども、睡眠後半に関しましては明らかに睡眠の質を低下させますので、アルコールについては控えましょうということを、アルコールの代謝を踏まえた記載にしてございます。
次、「4 ニコチン」につきましては、たばこについてでございます。紙巻たばこ、加熱式、電子たばこ、いずれもニコチンが含まれますので、ニコチンの覚醒作用という点ではどれも睡眠に良くない影響があるということをまとめているところでございます。
次にいっていただきまして、「睡眠障害について」でございます。こちらは睡眠不足、あるいは睡眠休養感の低下の裏に睡眠障害、いわゆる疾患の可能性等があるということを書いてございます。先ほど申しましたように、睡眠環境、生活習慣、嗜好品ということで睡眠の不眠や休養感の低下が起こる場合もございますが、いわゆる睡眠障害、疾患が原因となって睡眠不足等が起こっている場合もあるということを書いてございます。
2番のところで、まず代表的な睡眠障害とその症状について書いてございます。睡眠時間の短縮、休養感の低下、それから、日中の眠気・居眠りということで、よくある症状を疾患のことも踏まえた上で記載しているところでございます。
おめくりいただきまして、次は各疾患について、それぞれ疾患別の症状等々について書いてございます。このような様々な睡眠障害の原因となる疾患ございますので、こういう疾患が背景にあることについての注意喚起ということで、専門家の方が読まれることに加えまして、保健師さん等が読んでもしっかりわかるような内容になっていると考えてございます。
コラムのほうでは、慢性疾患、がん等を含むものについての、痛み等々の影響についても書いているところでございます。
続きまして、「妊娠・子育てと睡眠健康について」でございます。こちらは、まず月経周期、エストロゲンとプロゲステロンの変化で睡眠に影響を及ぼすというところ、特にプロゲステロンが優位な期間に関しましては睡眠が浅くなるという、いわゆるPMSの影響のことについても、まずホルモンベースで記載をしてございます。それから、次は妊娠中に関しましても、妊娠初期については睡眠が悪化する傾向があるというところ。それから、中期に関しましては、いったん落ち着くけれども、またその後、妊娠中期・後期になるに従って、睡眠についてはなかなか難しくなるというところを書いてございます。またここで、疾患のような影響があるもの、おなかが大きくなって胸郭が圧迫されますので、閉塞性の睡眠時無呼吸等々の影響についても書いているところでございます。
3番目が「子育て期の睡眠と健康への影響」ということで、赤ちゃんの場合はどうしても、授乳や夜泣きがございますので、養育者の睡眠が細切れになって影響があるということでございます。また、この対応といたしまして、アメリカのデータですけれども、日本の場合は夜泣きがあるとすぐに養育者様が起きてあやしたりするのですけれども、しばらく対応せずに放置すると、そのまま寝入って夜泣きが減るというような報告もあるということで、こういうことについても御紹介をしているところでございます。
おめくりいただきまして、産後のところでございます。女性の10~20%が産後のうつを経験すると言われてございますので、特に睡眠不足や夜間の中途覚醒が多い方は、産後うつのリスクが高くなるなど、そういうことについての御紹介をした上で、その点についての注意喚起をしているところでございます。また、先ほどありましたように、更年期につきましては、いわゆるホットフラッシュ等の血管運動神経症状が強い方が睡眠の障害を起こしやすいというようなことについてまとめさせていただいてございます。
また、これに関しましてもQ&Aでいろいろな例をお示しして、活用いただければということでまとめてございます。
最後が「就業形態と睡眠の課題について」でございます。こちらについては交替制勤務のことをまず念頭に置いて書いてございます。交替制勤務というものは、先ほど申しましたように、体内時計の機能に逆らって生活しますので、どうしても体に負担がかかるというところがございます。その上で、どうしても不眠であるとか、眠気であるとか、いろいろな問題があり、仕事中や通勤中の事故やけが等との関連性を報告されていると。あるいは、糖尿病や心筋梗塞という疾患との影響についても報告があるということを書いてございます。その上で、交替制勤務の方に活用いただくという点では、仮眠であるとか、あるいはカフェインというものについてうまく活用していただいて、仕事の中でうまく睡眠についてのコントロールをしていただくということについて書いてございます。
次のページでは、遮光について書いてございます。光の影響等々もうまくサングラス等で調整をした上で、うまくしっかりとコントロールしていただければということで、参考となる情報を書いているところでございます。
事務局からの御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
〈質疑応答〉
【内村座長】  ありがとうございました。事務局のほうから参考資料3について御説明いただきました。この参考資料について、皆様方から御質問、御意見を伺いたいと思います。これは1から7までありますので、それぞれについて御質問、御意見を頂きたいと思います。まず、この参考資料3の参考情報のところで、1番で良い睡眠の概要をまとめておられますけれども、いかがでしょうか。最初の、「良い睡眠の概要(案)」のところで、御質問、御意見がありましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。
先ほども説明がありましたように、適正な睡眠時間とはというところも明記しておられますので、大変わかりやすくなっていると思いますし、あと、Q&Aのところもかなりたくさん組み込まれていて、かなり工夫されたことがわかります。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  すみません、座長のお話を遮るつもりはなかったのですけれども。
【内村座長】  どうぞ、先生。
【栗山構成員】  一応作成班の意図としましては、このあとの2枚目、2つ目以降の内容を理解していただくためにも、現状の国民の睡眠のことを知っておいていただく必要があるということで、このシートがあります。重要なポイントが6番目のところにあるかと思います。やはり限界点というものがあって、全体で話していることが全ての人にぴっちり当てはまるわけではないと。やはり特定の疾患を持っていらっしゃる方とか、十分に生活をコントロールできないような人たちに対しては、それなりに別に考える必要があるというような点も、しっかり書いておく必要があるということがありますので、その辺も含めてこのシートを作成させていただきました。
【内村座長】  この「限界」というところで書いてあることですね。やはり睡眠不足とか、環境とか、生活習慣とかが前面に出やすいところがあるのですけれども、その裏に睡眠障害が隠されているケースが少なくないので、そういうところをきちんと理解してもらうということだと思います。いかがでしょうか。御質問御意見ありましたら。この最初の「良い睡眠の概要(案)」ということでまとめておられるところはよろしいですか。
では、御質問、御意見がないようですので、その次の2番目です。「からだと心の健康のための睡眠について(案)」のところです。皆さん、今資料を見られていると思いますけれども、この2番目について御質問、御意見がある方がいらっしゃいましたらお願いします。
栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  度々すみません。この資料の位置づけとしましては、今回から新たに睡眠休養感という睡眠の質の指標を立てて、睡眠時間を確保すること、睡眠休養感を確保すること、この2つの軸で考えていただくというような全体の取りまとめになっております。そういったことから、この2つがなぜ重要なのか、特に健康を維持向上するためにこれがどういう役割をするのかということも総括して、このシートで説明させていただいているというような位置づけになっております。内村座長、ありがとうございます。
【内村座長】  今、栗山構成員からポイントをお話ししていただきました。今までは、前回の場合は休養感が目標だったのですけれども、今回からはそれに睡眠時間も加わったということで、なぜこの2つが今回の目標値になったかということの様々なデータを示されて、健康を維持するだけではなく、長寿にも関与するというところも出していただいているのだと思います。特に3番目の、成人と高齢者の死亡リスクとの関係は、私は、これはすごくインパクトが強いと思っています。これは多分、保健指導などにもすごく生きてくると思っています。成人の睡眠時間に対して、高齢者は床にいる時間がすごく大事なのだと。それが健康だけではなく、死亡リスクにも関係するというのは、すごくインパクトがあるありますし、指導しがいもあるというか、高齢者の方もこれを見ると、あまり長く床にいるわけにはいかないということを考えられると思うので、これはすごくよくまとまって書いてあると思います。
皆さん、いかがでしょうか。御意見、御質問はよろしいでしょうか。
それでは、3番目の「良質な睡眠のための環境づくりについて(案)」です。環境面ということでまとめておられるところです。では、もう最初に、栗山構成員、ここの環境づくりについてのところで、御苦労とかこの辺をより重視したということを、まず言っていただくとよろしいと思います。お願いします。
【栗山構成員】  このシートは、主に寝室環境を中心とした環境的な調整をしっかりしていただくということを目標にまとめさせていただきました。重要なことは、先ほど田邉室長からも御説明いただきましたけれども、光環境と温度環境と音環境、これは良質な睡眠をとるために欠かせない3つの要素ですので、3つに分けて、1つ1つ詳細に説明させていただいたということです。
ブルーライトの問題、スクリーンタイムの問題は主に光環境に含まれますので、1番のところで含めさせていただいたというような経緯でございます。ありがとうございます。
【内村座長】  昔は睡眠の4大環境と言って、湿度もすごく大事ということで、大体50~60%くらいと言われていますけれども、この湿度についてのいろいろな研究などはあるのですか。
【栗山構成員】  実際、湿度に関した研究はほとんどありません。これはいわゆる純粋な環境モデルに即して考える必要があると思うのです。湿度が20%上がると体感温度が数度上がるとか、そのようなことがありますので、そこから湿度も当然ながら大事だというのが、これまで言われてきたことだと思うのです。しかし、睡眠に対する影響は、なかなかデータとしてはなく、多分、高温多湿の環境があるのは日本くらいというところがあると思いますので、国際的なデータとしてはやはりどうしても絶対温度のほうにかなり重きが置かれるという理解でございます。
【内村座長】  ありがとうございます。この環境については、よろしいでしょうか。御質問、御意見がある方はいらっしゃいませんでしょうか。
それでは、続きまして、4番目の「運動、食事等の生活習慣と睡眠について(案)」ということですけれども、運動、食事というのは睡眠と密接に関係しているということが言われていますし、一般の国民の方は、運動や食事を気にされている方が今すごく、健康寿命伸ばそうということとか認知症の予防などがすごく言われていると思うのですけれども、栗山構成員、ここについて、ポイントや御苦労されたところがあればお願いします。
【栗山構成員】  説明させていただきます。この項目は、先ほど寝室環境を説明するシートと言いましたけれども、ここは主に日常生活習慣に関しての注意点をまとめさせていただきました。圧倒的にエビデンスが多いのは、やはり運動のところです。運動量が増えれば睡眠も良くなるというような関係性は圧倒的にありますし、先ほどの高齢者の床上時間が延びることの背景に、やはり活動量が減ってしまうというような要素も関わってきているということもありますので、ここは詳しく述べさせていただきました。
食事との関係に関しましては、これはまとめ方が非常に難しいのですけれども、1つ1つの栄養素との関係性みたいなものに関しても、過去研究はあるのですが、どうしてもその背景にある生理学的なメカニズムがしっかり説明できるものが極めて少ないことから、その部分に関してはこの次のシートで、嗜好品という形で、明らかに眠りを悪くするような薬理効果があるものに関してまとめさせていただいている形になります。食事に関しては、あくまでも食事のタイミングが体内時計に影響を及ぼして眠りを悪くするというところは、科学的にかなり言われている部分がありますので、そこに関して集中してこちらのシートに入れさせていただいているということです。
もう1点、生活習慣の中では、やはりストレスというものが睡眠を害する非常に大きな原因となっておりますので、リラックスする、ストレスを解消するという要素も生活習慣の中にうまく取り込んでいきましょうというメッセージを入れさせていただいております。
【内村座長】  ありがとうございました。この生活習慣のシートについて、皆様方、御意見、御質問がありましたらお願いします。いかがでしょうか。吉﨑構成員、どうぞ。
【吉﨑構成員】  はじめに、多大なる労力と時間を費やしておまとめいただいた研究班の先生方に、心より敬意と感謝を申し上げます。
食事と栄養の箇所についてですけれども、今、栗山構成員に御説明いただいたとおり、睡眠との確からしいエビデンスが非常に少ないという前提で、あまり取り上げることはできないかと思うのですけれども、幾つかの論文では食事内容の要因を曝露として、睡眠の指標をアウトカムとした報告がございますので、もし参考資料3に記載する根拠論文がメタ解析などに限った論文でないようであれば、現在の参考資料3の食事のセクションで、食事と睡眠との関係について論文の引用がありませんので、Q&Aの箇所などに食事内容に触れた文脈の引用と記述を御検討いただけるとよいかなと思いました。その点について、睡眠効果を期待させる特定の食品に偏った食習慣とならないように、指針としてのメッセージとしては、食事の基本的なバランスに重きを置くべきではないかと、エビデンスが非常に少ないという中で恐縮なのですけれども、そのようなことができないかと思いましたが、いかがでしょうか。
【内村座長】  吉﨑構成員、ありがとうございます。いかがでしょうか。栗山構成員、よろしいですか。
【駒田構成員】  すみません、よろしいでしょうか。
【内村座長】  駒田構成員、どうぞ。
【駒田構成員】  私も改めてここを読み返していて、最初の段階ではエビデンスが少ないからということで、細かな栄養素については書かないということで納得していたのですけれども、やはり吉﨑構成員がおっしゃるように、栄養というものもすごく健康を支える重要な要素だと思いますので、バランスの良い栄養に心がけてというようなことで、栄養のガイドとリンクするような形でお示ししていくのも1つの手なのかなと改めて感じました。
【内村座長】  実際、よく市民公開講座などをしたりすると、どういう食事内容がいいかというのは必ず問われてきますし、それこそ、今、テレビなどでもよくアミノ酸類がいいとか、腸内細菌を整えるようなものがいいとか、たくさん出ています。だから、一般の方はやはりそういうものをすごく興味深く思っていますし、認知症の場合も、認知症を予防する食事は何がいいですかとか、よく質問でも出てくるところなのですけれども、結局、最終的にはバランスのいい食事をという形で認知症の場合も大体落ち着いているのです。地中海食は、ヨーロッパの人は地中海食がいいけれども、日本人は和食がいいのではないかというところもありながら、最終的にはバランスのいい食事ということになってくるのでしょうけれども、栗山構成員、その辺りはいかがなのでしょうか。
【栗山構成員】  まさに今の御議論に集約するところだと思うのですけれども、それでは、実際に、バランスのいい食事とは何ぞやと言った時に、例えば、個別の論文を見ると、肉食がいいと言っているところもあれば、肉は良くない、魚がいいと言っているところもあるし、肉と魚を合わせて野菜食よりも悪いと言っているようなところもあったりとか、本当に難しいところだと思うのです。先ほど駒田構成員がおっしゃっていたように、栄養班のほうではバランスのいい食事をとっている者というのが、1つフラグが立っていますので、そこに乗ってしまうというのは確かに手だと思うのですけれども、恐らく欧米では、内村座長も御指摘いただいたような地中海食が良さそうだということが、横断研究ではあるということなので、重み付けとしては、やはりはっきりとしたことが言えないので、Q&A辺りになってしまうかもしれないですけれども、入れることはできるかもしれないと思いました。
ただ、研究班の中でここはかなり議論があって、先ほど駒田構成員も御紹介いただきましたけれども、混乱を呼ぶから入れないほうが真摯な姿勢ではないかという御意見が多かったことも、ここで御報告させていただきます。
【内村座長】  この点について、どなたか御意見がありましたら。いかがでしょうか。
【栗山構成員】  すみません、班の中で重要なお役目を担っていただきました、兼板構成員、尾崎構成員の御意見も……
【内村座長】  では、兼板構成員、尾崎構成員、それぞれ御意見を。兼板構成員、手が挙がっていますので、どうぞよろしくお願いします。
【兼板構成員】  日本大学の兼板です。今、議論されたとおりだと思います。栄養素まで踏み込んで書ければいいと思うのですけれども、そういうエビデンスがあったとしても、そうではないとかいう報告もあったりして、まだ賛否が分かれているようなものは書きづらいです。そういう議論もあったりして、ただ、規則正しいタイミングで食事をとるのは、自信を持ってというのは変ですけれども、はっきりと勧められるだろうということで、こういう書き方になりました。もちろん、今日は保留というような形にさせていただいて、もう一度検討するというのはできるかと思います。
【内村座長】  ありがとうございます。尾崎構成員、いかがですか。
【尾崎構成員】  貴重な御指摘を頂きまして、ありがとうございます。確かに栄養素と睡眠の問題というのは、非常に国民的な関心も高いとは存じます。ただ、私が知る限り、どういう栄養素をとると睡眠が改善するかというのが、例えば動物実験レベルとか、そういったレベルでは、私はまだ存じ上げないものですから、そのレベルで申し上げていいのかどうかというところと、あとは、いわゆるバランスの良い食事をとっている人というのは、恐らく健康への意識が高く、何らかの生活が整っていることを反映しているかもしれませんので、この点についてはもう少しエビデンスが確立するのを待ってもよろしいのかなというのが、私の個人的な意見でございます。
【内村座長】  ありがとうございます。ほかに、いかがでしょうか。御意見とかありましたら。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  余計なことかもしれないですけれども、先ほど尾崎構成員がおっしゃっていたライフスタイルとの関係性というのは、これは重大なコンファウンディングファクターで、無視することはできないと思います。栄養に関するところの議論でも、こういった人たちはかなり経済的にも恵まれた人たちであるというような、経済格差も反映しているので、安易な設定はどうかという議論もされていたような記憶がありますので、少し尻込みしてしまうところもあるのですけれども、先ほどの兼板構成員の御意見に私も賛成です。
【内村座長】  兼板構成員の御意見というのは……
【栗山構成員】  少し保留にさせていただいて、もう一度検討させていただくという……
【内村座長】  わかりました。もし書くとしても、Q&A辺りに、今のところはきちんとしたデータはないみたいなことをはっきり書かれてもいいと思います。やはり、皆さん、今はマスコミでいろいろなことを言われていますから、その辺りをすごく信じているような人もいらっしゃると思いますので、逆に言うと、今のところきちんとしたデータはないために、やはり最後で言うと、バランスのいい食事をということになってくるのだと思うのですけれども、その辺りもQ&Aではっきり、「今、示されたものはない」と書かれるのも1つの方法だと思います。その辺、検討していただいて、また御意見を頂ければと思っています。それでよろしいですか。
【栗山構成員】  はい。
【内村座長】  では、そのあとの「睡眠と嗜好品について(案)」というところですけれども、これについてこれも栗山構成員に少しコメントしていただいてよろしいでしょうか。
【栗山構成員】  こちらは、先ほども説明させていただきましたけれども、栄養とか摂取品目の中で明確に睡眠を悪くするもの、覚醒作用があるものを抜き出して、実際に疫学的にも悪いという証拠があるものを書かせていただきました。圧倒的に、やはりカフェインというものが重要なポイントになってきまして、特に、ほかの健康日本21の中でもこのカフェインは取り上げられておりませんので、重要なポイントとしてまとめさせていただきました。やはり、夕方以降は、カフェインは控えることというのが基本的なメッセージになりますけれども、前回、吉﨑構成員から御指摘いただいたのでしたか、最新のシステマティックレビューの中では、容量によっては午前中でも悪いという内容もありましたので、特に高齢者、若い人たち中心には、1日の総摂取量を制限するということが重要だというメッセージを加えさせていただいております。
【内村座長】  ありがとうございました。今、栗山構成員が言われたように、カフェインの摂取量というのはすごく、睡眠不足のためにカフェインをとってしまうというような悪循環になってしまっているところがあって、また、受験などのために中・高校生でかなりカフェイン類をとっている方が多いと思うのです。死亡なども出ていたりして、一時期すごく問題になったところもあると思いますので、そういう意味では、このカフェイン類のところを強調されたというのは、すごく意味があると個人的には思いました。それも、午前中から飲んでも、量が多いと影響があると。半減期なども書かれて、夕方以降もカフェインは残っているということを、19時でも100mg相当のカフェインが体内に残存するという辺りもきちんと示されていて、すごく理論的に書かれていますし、わかりやすいと思います。御意見がある方、いらっしゃいますでしょうか。
この一番最後のQ&Aのところに、「眠りに良いというサプリメントや健康食品がありますが」という質問が出ていますけれども、最近よくテレビとかマスコミでもかなり言っていますけれども、ここも最後に少し触れられたということですね。栗山構成員、ここについて何かありますか。
【栗山構成員】  ここは、エビデンスがしっかりあるものは、現状では、基本的にはそれほどないのですけれども、座長がおっしゃるように、非常に注目されるところなので、そういうことを書いたつもりといいますか、個人内で良いと言って使ってらっしゃる方を妨げる必要はないと思うのですけれども、しっかりと「これさえ飲めば」みたいなメッセージは出さないというような方針で書かれております。
【内村座長】  ここも、すごく今、マスコミなどをにぎわせてどんどん出てきていますので、そういう意味では、最後に少し触れられているというのは、私は、これはすごく意味があって、警鐘を鳴らすという意味では、ちょうどいいと思います。
【栗山構成員】  ありがとうございます。
【内村座長】  ほか、よろしいでしょうか。
それでは続きまして、5番目の「睡眠障害について」ですけれど、栗山構成員、ここも少しポイントを話していただいてよろしいでしょうか。
【栗山構成員】  この項目は、やはり睡眠休養感がしっかりととれない、これが中心になってきますけれども、中には、睡眠時間が足りない、十分とれない、そういった方々の背景に様々な睡眠障害が潜んでいるケースがあると。これに関しては、ここまで見ていただいたような努力というか、工夫をしても、うまくいかない方がやはり出てくると。そういった人たちのために、こういった知識をしっかり持っていただいて、必要であれば受診していただくということが国民の健康増進に不可欠であるというような考え方から、ここに少し詳しめにまとめさせていただいたというような次第です。
【内村座長】  ありがとうございます。ここは大事なポイントだと思います。こどもから睡眠障害というものが、こどもの無呼吸症候群やナルコレプシーなど、見過ごされているケースはすごくあると思いますので、その辺も含めて、また、高齢者も様々な併存疾患がありますので、その辺りをきちんと考えていただくということはすごく大事な問題だと思います。加茂構成員、どうぞ。
【加茂構成員】  すみません、手を挙げるのが遅れてしまって、前のカフェインのところの話題です。個人的な関心ですが、カフェインは致死量というのがあるのですか。どうでしょうか。400mgを超えないことと書いてあって、すごく納得の数字なのですけれども、これを超えて飲んでいる人はざらにいるのではないかと思いまして、もし、もっと危険な数値みたいなのが載っていると、皆さん、少し控えるのではないかなどということを老婆心で思ったくらいです。
【栗山構成員】  私が発言してよろしいですか。
【内村座長】  栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  致死量はあると思います。ただ、オーダーとしては全然上だと。
【内村座長】  はい、全然違います。
【栗山構成員】  なので、そこを提示しても、到達しないから大丈夫だと安心されてしまうような懸念もなきにしもあらずかなということもあります。いいかがでしょうか。
【内村座長】  多分、一桁違うと思います。何千ミリグラムという量になってきます。1回、それで亡くなった方がいらっしゃったので、そういうことで新聞などをにぎわしたことがあるのですけれども、かなり量的には多いという形なのです。しかし、逆に言うと、今、栗山構成員が言われたように、そのくらい飲まないと死なないのだったら飲んでいいのではないかみたいになってくる可能性があるので、私も、こういう書き方でいいのではないかなという気はします。400mgを超すと明らかに悪影響があるということを、皆さんに知っていただくことがすごく大事ではないかという気がしました。
【加茂構成員】  わかりました。ありがとうございます。
【内村座長】  兼板構成員、どうぞ。
【兼板構成員】  関連してですけれども、亡くなるまで至らなくても、不整脈、精神症状、痙攣発作などありますので、やはり注意喚起はしておいたほうがいいと思います。
【内村座長】  量を書いたほうがいいですか。
【兼板構成員】  いいえ、こういう内容でいいと思います。
【内村座長】  ありがとうございます。この400mgというのは、こういうことをきちんと示すというのは、すごくわかりやすくていいと私は思います。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  すみません、余計なことかもしれないですけれども、これは、アメリカなどはもっとたくさん飲んでいるイメージがあるのですけれども、アメリカの人は朝にコーヒー飲むのです。朝6時からスターバックスなどが開いていて、朝に大量に買って飲むような生活習慣なのです。それに対して、日本人の場合は夕方から夜もだらだらと飲むような傾向があって、その辺が眠りに影響している部分があると思うのですけれども、やはりこれは総量と併せてタイミングのところもしっかり喚起する必要があると思っております。
【内村座長】  ありがとうございます。どちらかというと、今までは、夕食後は控えましょうみたいな感じが多かったと思うのです。ですから、逆に言うと、では夕食くらいまではいいのかということに、夕食後のデザートでコーヒーと一緒にというのは、食事習慣としてもよくあったと思うのですけれども、それでは寝る時間から逆算していくとかなり影響が残るということになってくると思いますので、その辺も含めて、栗山構成員が言われたように、1日の容量と、あと、飲むタイミング、時間的なものがすごく大事になってくると思います。それをこのようにまとめていただいて、すごくわかりやすいと思っています。
それでは、先ほどの睡眠障害のところにまた戻しまして、よろしいでしょうか。この睡眠障害のところで、どういう疾患があるのかまとめていただいていますので、中高年の場合と、あと若い人の場合でも可能性のある疾患を示していただいていますので、すごくまとまっていると思います。よろしいでしょうか。
それでは、6番目の「妊娠・子育てと睡眠健康について」ということで、ここはすごく大事なポイントですし、少子化対策ということで、こども家庭庁ができたということで、よりこの辺りは、睡眠の大切さをアピールしていくべきではないかと思っています。前に、睡眠学会の時も少し話したのですけれども、野田聖子会長の下でママパパ議連という睡眠議連ができていまして、こどもと母親の健康を考えるということで、そこに、睡眠というものがすごく重要だということをママパパ議連にも知ってもらわなくてはいけないと思って、1回話をさせてもらったのです。あと、母子手帳の中にも睡眠が入ってきましたので、そういう意味では、ここはすごく大事なシートだと思います。
栗山構成員、ここについて少しポイントをお話ししていただければと思います。
【栗山構成員】  先ほど加茂構成員からも御指摘がありましたけれども、やはり成人の睡眠問題を考える上では、女性の特性、女性ホルモンの影響というのは無視できないところで、特にメンタルヘルスに関わる部分も含めて、このシートでカバーをするというような目的です。後半の子育て以降は、比較的女性に限らず、男性も含めてお子さん・子育てに関連する苦労される部分は、男性にもシェアしていただきたいという思いも含めてまとめさせていただきました。更年期の問題も女性にだけに限らず、最近は男性更年期という話も少し出てきております。これは、エビデンスはかなり低いのでそこまで重きを置いていませんけれども、男女かかわらず知っておくべき問題ということで、このシートをまとめてあります。
【内村座長】  ありがとうございます。この妊娠・子育てについてのところで、何か御意見ありましたらお願いします。いかがでしょうか。
先ほど栗山構成員が言われましたように、男性更年期というのは、今、すごく増えてきていまして、男性更年期外来を泌尿器科などで行っているところが多いです。そして、男性ホルモンを測って、男性ホルモンの治療で終わってしまうようなところも多いのですけれども、患者さん診ると、睡眠障害を訴えている方はすごく多く、いわゆる過眠を訴えていて、実は無呼吸症候群だったりとか、男性更年期ということで倦怠感や体の熱感を訴えられたりとか、休息感がないということを訴えられたりして、それが男性ホルモンの欠如ではないかというようなことで診断されて、あと、勃起障害などがあって、実はそれが睡眠時無呼吸症候群だったり、あるいはうつということは少なくなく、精神科に紹介されて来たりするケース、あるいは睡眠の外来に紹介されて来るケースはすごく多いです。そういう意味では、女性の更年期が前面に出やすいのですけれども、今、男性更年期というものも少なくないし、働き盛りの男性がりうつになりやすいという1つの部分で睡眠の問題が絡んできているということがあるので、そういう意味では、ここの更年期のところに男性もということを加えられているところは、すごく意味があると私個人としては考えています。いかがでしょうか。ほかに御意見がある方はいらっしゃいませんでしょうか。
それでは、一番最後の7番目の、交替勤務も含めての「就業形態と睡眠の課題について(案)」ということで、ここについて、栗山構成員からコメントを頂ければと思います。よろしくお願いします。
【栗山構成員】  先ほど田邉室長からもお話がありましたけれども、交替勤務に関しましては、やはり体にかなり負担を強いるような就業形態であること、これに対して何らかパッチを打つような方法があればと思ってまとめさせていただいたのですけれども、やはりなかなか難しいところもあって、限界が多いところになっております。ただ、わかっていることは情報提供する必要性が高いと思いますので、こういった3点、先ほどの環境面とかぶる部分がありますけれども、光と、あとカフェインというところをまとめさせていただいた形になっております。
【内村座長】  ありがとうございます。このシートにつきまして、何か御意見がありましたらお願いします。いかがでしょうか。大神構成員、お願いします。
【大神構成員】  盛りだくさん、丁寧にまとめていただいている中、恐縮です。こういったことを入れていただくべきかどうかと少し思ったのですけれども、私が実際、交替性勤務の職場にいろいろ出向くことが多いのですが、交替制勤務などの仕事に従事する際の、睡眠に関する留意事項の共有を図るということを、もう少し干渉していただく内容が入ってもいいのではないと思っております。例えば、雇い入れ時や配置前の労働衛生教育にもっと積極的に取り込んでもらえたらいいのにと感じているところがありまして、留意事項の共有というところを入れていただくというのはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
【内村座長】  もう少し具体的に言っていただいていいですか。
【大神構成員】  具体的に申し上げると、睡眠に関して個人ベースでの工夫が中心であると思うのですが、職場となると関心を持ってない方も多いし、それから、そもそも働くということに関連していることながら、職場として留意事項は知っておくものとして情報提供されておいた方がいいのに、あまりに知らずに働いている方が多い実態を思うと、職場としての共有をもう少し干渉できるようなものがあるといいなと思ったのですが、いかがでしょうか。
【内村座長】  この中に案として組み込んでいくということですか。
【大神構成員】  書きにくいところだと思うのですけれども、職場として共有いただきたいといったようなところを書いていただきたいと思いました。
【内村座長】  なるほど。そういう部分ですね。栗山構成員、どうでしょうか。
【栗山構成員】  大神構成員がおっしゃることは非常に重要なところで、そういう説明がきちんとされている職場はほとんどないと思います。実際はこのシートも、この指針全体は個人が読むものであると同時に、職場を管理する人たちにも読んでいただくという体で作っておりますので、実際、成人のところでもインターバル制度の問題とか短時間睡眠の問題は触れておりますので、同じような流れでこれも読んでいただければわかると思うのですけれども、これは制度的に、強制というのはあれですけれども、すべきであるみたいな書き方をすることが、いいのか悪いのかというのは、私個人では判断が難しいと思いますが、これは厚生労働省のほうからコメントを頂くことはできますか。
【内村座長】  田邉室長、いかがでしょうか。
【田邉室長】  事務局でございます。おっしゃるとおり、制度となる場合、労働の場合の制度は大体罰則が後ろに付いていて、例えば事業者健診などもそうですが、それを行わなかった場合となりますので、少し大きな話になります。もちろんこのシート自体は普及啓発を含めてしっかりさせていただきますので、その辺りでしっかりと情報提供を我々の方からもさせていただいて、睡眠についての重要性をわかっていただくという方向が、まず第一歩かなと考えてございます。
【内村座長】  加茂構成員の手が挙がっています。どうぞ。
【加茂構成員】  先ほどの夜泣きのことですけれども、夜泣きというのは本当にこどもが赤ちゃんの時のお母さんたちの不眠の原因としてものすごく大きく、私もよく相談されるのですけれども、多分、放置しておくだけではうろたえる親がすごく多いかなと思って、もう少し別な方法が1つでも2つでもヒントとして書かれるといいかなと思いました。私のお勧めとしては、本当に最近の研究なのですけれども、泣いている赤ちゃんを抱っこしてしばらく歩くと眠れるようになってくるという、輸送反応の研究があるので、そのことを少し書かれたらいいのではないかなと思いながら読みました。
【内村座長】  質問の内容がまた少し違ってきましたけれども、では、今、加茂構成員が質問されましたので、ここについて、これはどなたに質問したらいいでしょうか。栗山構成員でよろしいのでしょうか。
【栗山構成員】  すみません、加茂構成員に逆に伺いたいのですけれども、今おっしゃられた研究はもうパブリッシュされているものですか。
【加茂構成員】  はい、リリースされています。理化学研究所の黒田先生の研究なのですけれども、だいぶ報道にも出ています。ただ、リソースが少ないということはあるかもしれません。御参考にしていただければと思いました。
【駒田構成員】  よろしいでしょうか。
【内村座長】  駒田構成員、どうぞ。
【駒田構成員】  夜泣きに対応するのにどうしたらいいのかというのは、班の中でも非常に話し合って、エビデンスがあるものをお母さん・お父さんの負担にならないような形でどうお示ししていくかというような形で、今回の文章を作成させていただいたという経緯がございます。輸送反応につきましては、まだ黒田先生のあの1本しか論文として出ておらず、追加の実験などがまだ出ていない状況だと思いますので、こちらのガイドラインに書くには少し時期尚早かなと。今後、次の改訂に向けて何かエビデンスとして加えられるものがあれば加えていくというような形で、今加えるのは少し難しいのかなというような印象を持っております。ありがとうございます。
【加茂構成員】  了解しました。ありがとうございます。別の話題になってしまって申し訳ありません。
【内村座長】  いえいえ、いいです。栗山構成員、どうぞ。
【栗山構成員】  追加です。今、駒田構成員がおっしゃったとおりなのですが、ここの目的というか要点は、夜泣きした時に無理やり起きて、抱っこして泣き止むまで何とかしなければいけないみたいな価値観が日本ではかなり強く、強迫的にそういったことをすることだけが子育てではないというような価値観について、もう少し広い理解の仕方をしていただくだけでもだいぶ楽になる部分もあるのかなという意図で記載させていただいているところもありますので、そういった理解をしていただくといいのかなと思いました。
【内村座長】  ありがとうございます。加茂構成員からも、今、御意見が出ましたけれども、今後、さらに研究が進んでいくと思いますし、また機序みたいなこともわかってくると思いますので、そうなったら追加するという形で、今、駒田構成員も栗山構成員も言われましたように、日本はやはり夜泣きに対しての対応が、すぐあやしてしまってという形で、それが母親の負担になり、かなり睡眠不足につながったりするということがあるので、今回はこういう形で出させていただいて、さらにそういう論文や、きちんとしたデータが出てくれば、そこでこういう対応もあるということを追加することは可能だと思います。そういう形で、よろしく対応していただきたいと思っています。加茂構成員、どうもありがとうございました。
【加茂構成員】  ありがとうございました。
【内村座長】  それでは、その前の先ほどのことについてですけれども、いかがでしょうか。
先ほど田邉室長から説明されたように、こういう書き方で当然企業などの管理する側にも十分共有していただくということで、こういうライン管理というものが企業ではなされていて、いかに責任者の方に睡眠のことについても十分理解していただいて、そして指導していただくということが大事になってきます。なかなか、個人が注意するだけでは対応が難しいですので、そういう意味では会社側も十分認識していただいて、指導していただくということが、多分、企業では研修会などを行わないといけないようになっていますので、そういう中で睡眠の重要性について、教育していただくと、すごく効果が上がるのではないかと思っています。
ありがとうございました。ほかに御意見等ないようでしたら、本日の議論はここまでとさせていただきます。この点につきまして、よろしいでしょうか。
ほかに、何か御意見などある方、いらっしゃいますでしょうか。
この交替勤務のところは、なかなか書きづらかったと思います。では、交替勤務が週1回の人と週3回、例えば、3日間連続夜勤して日勤してというような、いろいろな形態がありますので、それをまとめて書くというのは難しいと思います。今回はこういう形で書いていただいて、新しいデータが出てくれば、また追加していく形になるのだろうと思っています。ただ今回、きちんと「就業形態と睡眠の課題について」ということで、正面から取り扱われたということはすごく意味があると思いますし、さらにこれが発展していくと、今後の日本の社会にとっては、働き方改革が医者の中にも入ってきますので、すごく重要なポイントだと思います。先ほどからも出ていましたように、本当に研究班の先生方には、これだけの形でまとめていただいて、心から感謝したいと思います。
それでは、今日、全体を通じて何か御質問・御意見ありましたら、お願いしたいと思います。いかがでしょうか。
(特になし)
よろしいでしょうか。ほかに御意見がないようでしたら、本日の議論はここまでとさせていただきまして、最後に、今後のスケジュール等について、事務局から御説明よろしくお願いします。
2.その他
【山宮課長補佐】  今後のスケジュールについて御案内申し上げます。次回の委員会につきましては、今回の議論等踏まえて追って調整させていただきますので、お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

閉会

【内村座長】  ありがとうございました。それでは、これをもちまして、本日の検討会を終了したいと思います。構成員の皆様におきましては、スムーズな議事進行に御協力いただきまして、ありがとうございました。これにて閉会とさせていただきます。どうもお疲れさまでした。