2023年9月22日 第9回毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和5年9月22日(金) 14:00~14:41

場所

厚生労働省仮設第2会議室

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:主査)
  •  稲葉 由之
  •  風神 佐知子
  • ◎加藤 久和
  •  高橋 陽子
  •  樋田 勉
構成員以外の関係者
  •  西郷 浩(早稲田大学政治経済学術院教授)
  •  眞子 武久 (東京都総務局統計部人口統計課)
事務局
  •  森川政策統括官
  •  青山政策立案総括審議官
  •  石津参事官(企画調整担当)
  •  飯島統計企画調整室長
  •  渡邉審査解析室長
  •  角井統計管理官
  •  前原雇用・賃金福祉統計室長補佐
  •  境谷雇用・賃金福祉統計室長補佐

議題

  1. 母集団労働者数の推計について
  2. その他

議事

議事内容
○飯島統計企画調整室長
 定刻となりましたので、ただいまから、第9回毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループを開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の出席状況ですが、全ての委員が御出席です。また、本日は、審議協力者としまして、早稲田大学政治経済学術院教授の西郷先生、東京都総務局統計部人口統計課の眞子課長に御出席いただいております。よろしくお願いします。以後の進行については、加藤主査にお願いいたします。
○加藤主査
 皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。それでは、早速ですが、議事を進めてまいりたいと思います。本日の議題ですが、「1.毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループ報告書(案)について」、「2.その他」となっております。なお、本日のワーキンググループは16時までを予定していますが、予定時間を若干過ぎる可能性もあるかと思います。そのような場合、御予定がある方は御退席いただいても結構です。
 それでは、議題に入らせていただきます。1つ目の議事の「毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループ報告書(案)について」ですが、こちらは令和3年7月の第1回から議論を重ねていただいた内容を「報告書(案)」として事務局にて作成していただきました。事務局より御説明いただいた後、当ワーキンググループとして報告書の取りまとめを行いたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは、事務局から御説明をお願いします。
○角井統計管理官
 厚生労働省政策統括官付雇用・賃金福祉統計室の角井です。お手元の資料に沿ってワーキンググループの報告書(案)の説明をしたいと思います。最初に「目次」があります。「はじめに」がありまして、その次の「検討の概要」ですが、これまで8回議論が行われて、それをまとめたものです。(1)ベンチマーク更新、(2)適用する季節調整法、(3)母集団労働者数の推計というところです。
 1ページの「はじめに」については、毎勤の見直しをこれまでもやってきておりましたが、まだ幾つか残っているというところで、今回その残ったものの中から、より優先度が高いものとして、一番下にあるとおり、ベンチマーク更新、季節調整法、母集団労働者数の推計ということで議論いただくとしています。
 2ページの「検討の概要」として、(1)ベンチマーク更新です。ベンチマークについては、毎勤は数年ごとにやっております。3ページの上の青色のボックスにあるとおり、更新時期があります。右側にインターバルとして、これまでどういう間隔でやってきたかということがあります。平成30年1月分については、6年のインターバルがあります。この平成30年1月分の次は、既に令和4年1月にやっているのですが、この時期と、どういう調査を使っていくのかということを議論させていただきました。通常使用する統計調査については、事業所・企業統計調査あるいは経済センサスを使っております。そこで赤色のボックス部分です。実際、次のベンチマークに使えるものとしては、平成28年の経済センサス、あるいは事業所母集団データベースの令和元年フレーム、令和3年の経済センサスがあり、この3つでどれがいいものか、課題があるかということで検討させていただきました。
 5ページです。最も良いと言いますか、利用できる最新のものとしては、令和元年のフレームですが、令和元年のフレームをいろいろ調べてみますと、平成28年のセンサスを基に更新しているもので、その更新の割合が全体で17%程度ありました。更新の割合にはばらつきが結構ありまして、使い勝手が悪いという結論になりました。もう1つ、令和元年のフレームは、過小に評価されているのではないかという御指摘があったこともありまして、最終的には一番下に書いてある平成28年の経済センサスが良いのではないかということになっています。ただ、この平成28年のセンサスですが、7ページ、公営事業所が調査されておりません。したがいまして、公営事業所の推計をどうするかということで、図表(1)-8の案1から案5まで、いろいろやってみて、どれが良いかということを検討したところです。検討結果は下の図表(1)-9で、細かくて申し訳ありませんが、その結果になります。
 もう1つ、これだけでは判断が難しいということで、8ページの中ほどに「さらに」とありますが、実際、過去のデータによる推計方法の適合度を検証するために、ここでやったものよりも1つ前の古い経済センサス等を使って、平成26年の適合度を確認するという作業をいたしました。その結果が図表(1)-11です。案1、案2、案4の3つでやったところ、案4が比較的適合度が高いのではないかという結論に達しております。案4でもいいのですが、案5は、案4に加えて、労働者数を把握している新規の公営事業所の情報を活用して推定ができるということで、より精緻に計算されていると評価できるとしています。9ページに、案4を採用することも許容されると書いてありますが、一番下の脚注で、最終的には令和4年1月分調査時において、案5の方法でやっています。これも既に公表も終わっておりまして、全てホームページで掲載されております。これがベンチマークです。
 12ページ、(2)適用する季節調整法です。毎勤の季節調整法については、センサス局法のX-11を長年使っておりました。ただ、13ページの下の青色のボックスにあるとおり、X-11を使っている統計というのは2調査しかなく、いずれも厚生労働省になっております。X-11は使い勝手が非常に良かったのですが、幾つか課題があります。特に、毎年データを追加して再計算をしていくのですが、末端部分のブレが結構大きい、あるいは外れ値や曜日変動等の変数なども設定できないということがあり、今回、ほかの調査と同じようにX-12を使うというところで議論していただきました。
 14ページ、検討の方向性についてです。STEP1から5で分析、検証しております。X-12については、機械的に検証してくれるコマンドも入っていますので、現時点では1,000系列ほどあるのですが、なるべく機械でできる所は機械に任せるということで検討しています。ただ、人の目でどうしても確認しなければいけないという所が、外れ値の設定です。それが15ページにありますが、外れ値についてもoutlierコマンドで自動的に検出されるのですが、最終的には人の目で見て、きちんと説明ができるものとしたいと考えております。
 16ページが曜日変動、17ページが祝日変動です。これなども全部機械的に検出されるところでございます。
 18ページはARIMAモデルです。p,d,q,P,D,Qという6個の数値でなっているのですが、こちらのモデルについても、automdlコマンドで出したもので良いのではないかということで御議論いただきました。
 19ページ、STEP5については、回帰期間をどうするかということで、12年、20年、28年で、それぞれ検証しました。この結果が、20ページにあるとおり、少し長めですが、労働力調査なども似たような数字になっていますが、28年で良いのではないかということで御議論いただきました。最終的には、21ページの一番下のパラグラフにありますが、1,000系列全てできませんので、現時点でe-Statに載っている季節調整値の長期時系列表が32系列ありますところ、まずはこの32系列、直近の28年分、これを作成し、ホームページで公表していきたいと考えております。ただ、32系列で足りないのではないかなど、ほかのユーザーからの要望等がもしあった場合については、柔軟に対応していきたいと考えております。
 25ページからは参考として、現行のものと、実際に試算したX-12-ARIMAのもので比較しております。大分安定していることが見て取れるかと思います。
 27ページ、こちらは(3)母集団労働者数の推計です。母集団労働者数の推計については、現行のものについての合理性を確認したいということで、今回の議題にしております。最初は毎勤の推計の方法ですが、これがざっと書いてありまして、29ページの中ほどまでありますが、まず毎勤の母集団推計がどうなっているかをここで復習しております。下段にある、丸2検討の方向性です。母集団労働者数の推計の中で使われている雇用保険データの動きを確認すること、それから、補正する適用率にはKとLがあるのですが、こちらの妥当性をみるための検証をしています。
 30ページからその検討の結果です。検証丸1として、雇用保険データと経済センサスの集計値の比較です。我々としても気づきの点があったかなと考えております。30ページの下段については事業所数の構成比の比較、31ページは産業別の労働者数の構成比の比較となっています。これを見ても分かるとおり、雇用保険データと経済センサスと乖離があるような区分が分かりました。31ページの下段の図表(3)-9、これは雇用保険データにおける新設と廃止の状況の結果です。
 32ページ、検証丸2として、母集団数の補正の状況です。実際、規模の変更がどれぐらいあったかというものを示したもので、これが図表(3)-10にまとめています。ここでの注意として、33ページに、大きく変動する場合、規模が2段階以上、上がったり下がったりする場合の考え方を記載しており、こちらについては、少なくとも平成20年頃から、現行のやり方でやっていることを前回御説明したところです。
 34ページ、検証丸3として、事業所規模の変更による母集団労働者数の補正として、現行では集計時点の抽出率逆数を掛けて復元した数値を用いているのですが、抽出時点の抽出率逆数でやってみてどうかということで検証しております。差分として、一番下にあるとおりです。
 35ページが検証丸4として、雇用保険データの補正の適用に係る適用率、これをKとしていますが、現行は0.5ですが、0と1の合計3通りの試算をしたものです。結果が図表(3)-13です。青線が現行、黄色線が1、赤線が0です。黒ポチが基準点として、そこにピタっと合えば良い補正をしているということが言えるかと思います。その結果、図表(3)-14にあるとおり、この期間で平均を取ると、現行の0.5が合っていることが分かりました。
 36ページは検証丸5です。今度は母集団の規模変更による補正のときに使う適用率のLです。現行は0.5で推計しております。これも0.5のほかに、0と1、また抽出時点の抽出逆数を使った0.5、同じく1の5通りで試算したものです。結果については、37ページにあるのですが、先ほどと違って、データの制約がありまして、期間がこの2時点間しかなかったということです。結果については、37ページの下、(3)-16に出ております。この数字だけを見ますと、抽出時点での逆数、Lの0.5とか1の当てはまりが良いという結果になっておりますが、この2時点間では結果の判断は困難としております。2時点間のデータの制約については、下の脚注に入れております。要は、集計時点の抽出率逆数しか現時点では個票データに付与されておりませんので、今後、抽出時点のものをきちんと付与して、検証に活用していきたいと考えております。
 38ページです。今申し上げたとおり、現行のKもLも0.5というのは、一定の合理性があるというところで、引き続き、この0.5を使わせていただきたいと考えております。前回のワーキングでも先生方から御指摘がありましたが、なお書きで、幾つかの御指摘をここで書かせていただきました。最初は、3行目に例えばとありますが、ベンチマーク更新時のものを使用するものを、賃金や労働時間について母集団労働者数の変化を考慮せずに、ベンチマーク更新時のものを使用し、労働者数に関してのみ現在の推定方法を改善した方法を適用するという方法もあるのではないかといったことや、KとLの数値の刻みが0.5しかないのですが、これをもう少し詳細にやったらどうかということ、それから、現行では集計時点の抽出率逆数を使っていますが、抽出時点のほうが当てはまりがいいのではないかという御意見もありました。それから、これは稲葉先生からの御指摘ですが、共通事業所の母集団となる既存事業所の母集団労働者数についても、今後検討していくべきではないかという御意見がありました。
 したがいまして、我々としては、データの整備を行わなければいけないと考えており、データの整備を行う上で、引き続き、こういった御指摘も踏まえて、検討していきたいと考えております。
 最後に、「まとめ」として42ページになります。3つのパラグラフになっておりまして、1つ目のパラについては、毎勤については、いろいろな経済分析等が行われておりまして、非常に重要な統計であるということをまず書いてあります。2パラについては、今回御意見をいただきまして、改善できる所は改善するということでまとめております。最後の3パラについては、こういったワーキング、あるいは内部の検討会等を踏まえて、検討、検証は引き続きやっていくことが必要ではないかというまとめにしております。
 43ページ以降は、参考資料として、本ワーキンググループについて書いてあります。以上です。
○加藤主査
 御説明ありがとうございました。今回のワーキンググループ、令和3年7月に第1回をやりまして9回を重ねてまいりました。今、御説明がありましたように、(1)ベンチマーク更新、(2)季節調整法、(3)母集団労働者数の推計ということですが、これまでなかなか手が付けられなかったところを、改めてここで、しっかりと検討したところに大きな意義があるのではないかと考えております。9回というのは、こういったワーキンググループの回数としては非常に長く、時間も長かったわけですが、それなりの成果があったのではないかと個人的には考えてございます。それでは、ただいま御説明いただきました事項につきまして、委員の先生方から御意見、御質問等をいただければと思います。どなたからでも構いません。よろしくお願いいたします。樋田先生、よろしくお願いします。
○樋田委員
 御説明、ありがとうございました。全体としていろいろな課題について詳細に分析されていて、おおむね適切な方向でまとめられているのではないかと思います。今回の課題(1)と(2)については時間をかけて詳細な分析がなされ、有用な結果が得られたのではないかと考えております。その一方で、課題(3)も非常に重要な問題だと思います。その重要性に鑑みると、少し時間を取る期間が少なかったのではないかと思います。ワーキンググループが終わるまでにあと6か月ほど時間がありますので、その残った時間でもう少し踏み込んだ分析をしていただきたいと思います。特に(3)については、まとめの所でいろいろな意見を書いていただきましたが、少しだけ意見を申し上げたいと思います。
 まず、この問題については、長期的な課題と短期的なものに分けられると思います。長期的なものとしては、母集団労働者数自体が推計値であるので、比推定の適用が適切であるのかといったところです。これはかなり大きな問題なので、今回のワーキンググループで検討するというのは難しいと思います。その一方で、短期的な課題というものがあると考えています。現在の推計方法をベースとして、適用率(K、L)や雇用保険のデータと経済センサスのずれなど、前回、いろいろな情報を出していただいたお陰で見えてきた課題について、残りの時間で検討することが可能なのではないかと思います。
 それから、層移動の問題も重要なことだと思います。復元倍率の適用方法、閾値を設けなかった場合に、層移動がどのぐらい起きているのかということなどです。もしかすると閾値がない場合には、層の移動がお互いに相殺し合って、うまく機能するのかもしれません。そういったことも含めて、短期的に対応可能な課題については、もう少し踏み込んだ分析をしていただけたらと考えています。それによって、現在の推計方法をベースにしながらも、より精度の高い統計を作成し、統計の信頼回復等に向けて進んでいけるのかなと思います。
 また、今回、残りの期間で分析していただいたとしても、結果が出ないということもあると思います。そういった場合にも、将来の分析のための重要な情報になると思いますので、是非、追加的な分析を検討していただきたいと思います。
  時間が限られる中で、どこまでお願いできるか分かりませんけれども、報告書案の脚注に、データの整備ということも書いていただきましたので、今後の分析に役立つようにデータを整備しながら、できる限り取り組んでいただきたいと思います。以上です。
○加藤主査
 ありがとうございました。事務局のほうから何かございますか。
○角井統計管理官
 ありがとうございました。今、御指摘いただきました長期的な課題につきましては御指摘のとおりで、これはかなり大がかりになるのかなと考えております。もちろん、これは現行のものだけが100パーセント正しいということではないので、引き続き、データ整備等を踏まえて、長期的になると思いますけれども、こちらも一緒に検討していきたいと考えております。
 それから、短期的なほうにつきましては、残り半年あるのですが、細かいデータが多いものですからどこまでできるか分かりませんけれども、ただ、(K、L)につきましては、今、0、1、0.5の3通りしかありません。なので、こちらにつきましては、もう少し細かく、KとLをばらしながら1つずつ分析できるかなと考えてございます。
 雇用保険データと経済センサスの違いですが、こちらにつきましても結構違いがある所が出てきたものですから、これもどういう形で分析できるか、今、パッと思い浮かばないですけれども、少し検討できるところはしていきたいと考えてございます。すぐにはできませんけれども、我々のほうでやってみて、また先生方に、こういう場というよりも、事前にお見せいたしましてお諮りし、それで御了解いただければ、正式にこの報告書に盛り込んでいきたいと考えています。以上です。
○加藤主査
 ありがとうございました。樋田先生、いかがでしょうか。
○樋田委員
 御回答ありがとうございます。層移動についても、閾値を設けない場合に層の移動が実際にどのくらい起きているのかということが基本的な情報として重要だと思います。この辺りも、大変とは思いますが御検討いただければと思います。以上です。
○加藤主査
 ありがとうございました。ほかに御意見、御質問等はございますでしょうか。
○高橋委員
 1点だけよろしいでしょうか。
○加藤主査
 よろしくお願いいたします。
○高橋委員
 経済センサスと雇用保険データの差に、労災保険のデータとの比較を加えたらどうかと再度思いました。以前に同じことを申し上げたところ、雇用保険データは毎月の値はなく、年の値しかないので毎勤の推計には使えないということでしたけども、雇用保険のデータのみですと、雇用保険のカバレッジが狭いために、経済センサスと雇用保険のデータの乖離が大き過ぎる問題に対応できません。雇用保険よりカバレッジが広い労災保険のデータを使って、もう1つ情報を足せば、検討に値する情報が得られるのではないかと思います。年間の値だけでもいいと思いますので、できれば足してもらえないかなと思っています。
○加藤主査
 ありがとうございます。事務局のほうから何かございますか。
○角井統計管理官
 先生、ありがとうございました。確かに以前、先生から御質問いただきまして、我々のほうといたしましては、毎月データが取れないという理由で使いにくいというような形で回答したと思います。ただ、年間につきましては公表されているものですから、そちらも今回の図表(3)-6の比較の所で、ここに入るか分かりませんけれども、今回、報告書の案を取るに当たって、もう少し分析時間がありますから、そちらについて少し検討してみます。うまく比較できるような形になれば、それも含めて差し替えという形になるかと思いますが、そういう形でよろしいでしょうか。
○高橋委員
 よろしくお願いいたします。
○加藤主査
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。風神先生、お願いいたします。
○風神委員
 少しだけ些細なお願いなのですが、今、1つ前のお話で、KとLを細かく、残された時間の中で見ていくかもしれないという話がありましたけれども、その際に一律に数字を細かく変えるだけでなく、例えば前回の議論のときも少し申し上げたのですが、雇用保険のカバー率が産業によって違う点を、Kを細かくするときに規模30人以上で変えるとか、Lのほうも大きいところから真ん中、真ん中から小さいところと、規模のどこからどこへ移動するかによって移動の量が違いましたから、Lのほうも一律に変えるのではなく、何かバリエーションを考えることも御検討いただけたらと思いました。以上です。
○加藤主査
 ありがとうございます。
○角井統計管理官
 ありがとうございました。K、Lを一律0.1刻みにすることにプラスして、今、先生がおっしゃった例えば産業とか、そういう重さも加味しながらという理解でよろしいでしょうか。
○風神委員
 そうです。
○角井統計管理官
 分かりました。
○風神委員
 重さというか、雇用保険のカバー率の問題などで、先ほど報告書(案)のほうで見せていただいたようにばらつきがありましたので、その辺も検討する際に若干考えていただけたらと思います。
○角井統計管理官
 分かりました。ちょっと時間がどれくらい取れるか分かりませんが、検討してみます。ありがとうございました。
○加藤主査
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。
○稲葉委員
 稲葉です。よろしいでしょうか。
○加藤主査
 稲葉先生、お願いいたします。
○稲葉委員
 今回、報告書の取りまとめということもありまして、第1回ワーキングからの資料などを閲覧いたしました。第1回でのワーキンググループの進め方において、統計委員会からの意見も含めて2つの検討課題が示されていました。1つはベンチマーク更新の方法、もう1つは、更なる課題として、母集団労働者数の推計方法と標本設計の見直し等という2つの項目を指摘していました。
 今回の報告書では3点の検討結果が示されています。まずベンチマーク更新、次に季節調整法、そして最後に母集団労働者数の推計です。このうち、母集団労働者数の推計においては、報告書の38ページにて別の意見もまとめられており、幾つかの事項で更なる検討が必要であるということが指摘されています。それとともに調査設計についても言及されています。当初の課題として挙げられていた標本設計の見直しが産業構造の変化に伴い実施しなければいけない課題であるというのは、多くの方々が考えている事項であると思います。このワーキングにおいても、標本設計の見直しは積み残した課題として認識しているということを報告書に記述しておいたほうが良いかもしれないと考えました。ただし、これは私の意見ですし、ほかの事項との関連性も多分あると思いますので総合的に判断していただきたいと考えています。以上です。
○加藤主査
 ありがとうございます。事務局のほうで。
○角井統計管理官
 ありがとうございました。確かにおっしゃるとおり、標本設計の見直しというのがあったように思いますので、周りの文章との整合性を加味しながら、入れられる所については、この「なお」の所にでも入れていきたいと考えています。ちょっと検討させてください。ありがとうございました。
○加藤主査
 ありがとうございます。稲葉先生、よろしいでしょうか。
○稲葉委員
 分かりました。ありがとうございました。
○加藤主査
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。西郷先生、眞子課長、何かございますか。
○西郷委員
 私、委員ではないので発言は控えていました。短期間でおまとめいただいて、大変よく検討されているのではないかと思います。私の意見は樋田先生の意見にほぼ含まれているので、あえて申し上げることは少ないのですが、私自身も、樋田先生がおっしゃった長期的な課題としての、そもそも労働者の数を基準にした比推定というやり方がいいのかどうかという点と、短期的な課題として樋田先生が挙げていたものの1つの層移動の問題です。この2つは別々に検討できるような内容でなくて、一遍に検討しないといけないのではないかと思っています。ですから、検討が難しいということは分かるのですが、是非、将来の課題には加えていただきたいと思います。以上です。
○加藤主査
 ありがとうございます。追加で何かコメント等はございますか。よろしいでしょうか。
 私からも一言申し上げさせていただければと思います。先ほど申し上げましたように幾つかの課題、宿題はいただいています。とは言いながらも、これまで課題であったことについて、まずは検討を始めたということで評価できるのではないかと思います。とは言いながら、この毎月勤労統計調査というのはいろいろなところに影響しますし、より精緻なものにしていくためには、ワーキングが終わったのでこれでおしまいということではなく、継続的に更に検討を進めていただきたいと思います。また、今、御指摘がありましたような標本設計の問題、あるいは層別の閾値の問題、さらには共通事業所の問題、まだまだ残っている課題はあるかと思います。これを一遍にできないのは十分承知していますが、今回は報告書全体としても方向性としてはよろしいのかなと思います。ただ、今、御意見をいただいたところは宿題ということになりますが、そういったことを踏まえた上で、ワーキンググループとして、ここまでの報告書案を御了承いただければと考えております。また、その後の修正等につきましては主査に御一任いただき、後日、委員の皆様へ結果について御報告させていただく形で、進めさせていただければと考えておりますが、それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、そのような形にさせていただきまして、本日、検討いただきました報告書につきましては、さらに少し宿題を踏まえた上で、検討会開催要綱に基づき、今後開催されます「厚生労働統計の整備に関する検討会」に御報告させていただくこととなりますので、その点についても御承知おきいただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、最後に、議事2.として「その他」となっていますが、事務局から何かございますでしょうか。
○飯島統計企画調整室長
 事務局からは特にございません。
○加藤主査
 ありがとうございました。それでは、本日予定しておりました議題は以上となりますが、全体を通して何か御意見、御質問等がございましたら、自由にお話いただければと思います。委員の皆様、何か追加的なコメント、質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、本日の議題は全て終了となります。これまで9回にわたり議論してまいりました当ワーキンググループも、本日をもって終了とさせていただきたいと思います。まだ宿題が残っていますけれども、委員の皆様方には御多忙の中、御議論いただきましてありがとうございました。ここからは事務局にお返しいたします。よろしくお願いいたします。
○飯島統計企画調整室長
 皆様、本日はお忙しい中御出席いただきありがとうございました。これまで9回にわたって御議論いただきました結果を、報告書としておまとめいただき、感謝申し上げます。報告書は、後日、厚生労働省ホームページに掲載しますので、掲載した際には改めて御連絡申し上げます。また、繰り返しになりますが、本報告書は、検討会の開催要綱に基づき、今後開催されます厚生労働統計の整備に関する検討会に御報告させていただきます。それでは、今回で本ワーキンググループは終了となりますので、森川政策統括官から一言、御挨拶申し上げます。
○森川政策統括官
 政策統括官の森川でございます。委員の皆様方、令和3年7月から9回にわたりまして、熱心に、本当に御多忙な中、大変恐縮でしたけれども、精力的な御議論をいただきまして誠にありがとうございました。本ワーキンググループでの御指摘、御提案を踏まえまして、今後も継続して検討できるようデータの整備等を進めてまいりたいと思います。併せて、別途、これは集計とか設計の問題ではありませんけれども、やはり利用者の観点に立って、あるいは記入者の負担の軽減に向けた取組、例えば、オンライン回答の普及とか、デジタル化への対応をやっていかなければいけないと考えています。こういったことも含めまして、今後も統計の品質向上に取り組んでまいりたいと考えております。本日をもちまして、このワーキンググループの検討は終了となりますけれども、今後も引き続き、皆様方のお力添えをいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○飯島統計企画調整室長
 それでは、これをもちまして、第9回毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループを閉会させていただきます。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)