2023年8月22日 第14回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WG 議事録

日時

令和5年8月22日(火)13:59~16:03

場所

中央労働委員会講堂

出席者

菊池座長、岩崎委員、新保委員、平野委員、藤森委員

議事

議事内容
第14回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WG
開催日時:令和5年8月22日(火)13:59~16:03
開催場所:中央労働委員会講堂
出席者:菊池座長、岩崎委員、新保委員、平野委員、藤森委員
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 ただいまから、第14回政策評価に関する有識者会議福祉・年金WGを開催いたします。政策評価を担当しております浅沼です。どうぞよろしくお願いいたします。委員の皆様におきましてはお忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございます。本日の会議では、事前に御案内したとおり、ペーパーレスとしてタブレットでの会議とさせていただきます。資料となるファイルは、タブレットの「マルチPDF」とある赤いアイコンの中に格納されております。アイコンをタップしまして、資料一覧が出てまいります。資料をクリックして「開く」を押すと、資料が開きまして、横にスライドしていくとめくることができます。また、左下のマークをタップすると、また元に戻ることになっております。なお、資料2-1及び資料2-2については、タブレットでの資料ファイル格納後に修正が生じましたので、机上配付とさせていただいております。それでは、本日の議事進行については、座長の菊池先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池座長
 皆様、夏休み明け、お盆明けといろいろお忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。本当に久し振りに完全対面での開催となった次第です。本日は、議事次第にもありますように、3つのテーマの実績評価書(案)について、御議論いただくことになっております。3つということで、数としては少な目なので、じっくり御議論いただけるかと思っております。それでは、配付資料及び本日の議事の進め方について、御説明をお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 議事の進め方について御説明いたします。お手元の議事次第を御覧ください。本日は、まず議事(1)令和5年度に実施する政策評価について、議事にありますi~iiiの順番で御議論いただきます。テーマによって多少時間が異なりますが、まず、担当課より10分程度で説明を行い、その後、20分程度で御議論いただく形で進めていただければと思います。説明を終えた課は随時退室します。なお、会議資料の「概要(実績表価書(案)のポイント)」の中に、実績表価書の「確認すべき主な事項」をまとめておりますので、こちらも適宜御参考いただいた上で、委員の皆様から御意見を頂ければ幸いです。最後に、議事(2)~(4)までとして事務局から何点か御説明させていただきたい事項がありますので、10分程度時間を頂きたいと思います。事務局からは以上です。
○菊池座長
 それでは、早速議事に入らせていただきます。今日は所管課の皆様、お忙しい中、来ていただきまして、どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。1つ目のテーマ、「施策番号9-1-2、精神障害にも対応した地域包括支援ケアシステムを構築すること」について、担当課から御説明をお願いします。
○精神・障害保健課長
 精神・障害保健課長の小林です。私からは、資料1-2に基づいて説明させていただきます。資料1-2ですが、施策目標Ⅸ-1-2、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構築することの資料に基づいて、御説明をさせていただきます。資料1-2の4ページをお開きください。【概要】令和4年度実績評価書と書かれているページです。精神疾患の現状ということで、改めて申し上げるまでもありませんが、近年、精神疾患を有する患者の数は増加傾向にあります。平成29年には約420万人にもなっているところです。精神保健に関する課題については、狭義の従来の精神保健という問題だけにとどまらず、母子保健・子育て支援、高齢・介護、生活困窮・生活保護等、その他の領域において相談内容が多様化していると、そのような実情があるという認識を持っているところです。
 3.現在の取組ですが、精神障害の特性として、疾病と障害とが併存しており、その時々の病状が障害の程度に大きく影響することがあります。精神障害者や精神保健上の課題を抱えた方々等が、その意向やニーズに応じ、身近な地域で切れ目なくサービスを利用し、安心して暮らせるようにする体制の構築を進めているところです。
 この下のほうに今後の課題1、2、3ということで挙げさせていただいております。達成目標1ですが、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築のための地域精神保健医療福祉の一体的な取組の推進ということで、精神科病院の長期入院を改善するといった観点に関係する分野についても、項目を7項目ほど挙げております。
 2つ目のメンタルヘルスや精神疾患への正しい知識と理解の普及については、心のサポーターの養成などについても指標を設定しております。
 課題3の依存症については、後ほど担当室長から御説明をさせていただきます。
 7ページは、令和4年度実績評価書の概要の現状分析の欄です。達成目標1の地域精神保健医療福祉の一体的な取組です。1つ目のポツで、入院一年以上の長期入院患者数について、これは目標未達となっておりますが、これまでの取組の実績として徐々に患者数の減少傾向が認められており、一定の効果は見られているという認識を持っております。
指標2の地域での平均生活日数です。これについては、目標値を達成しており、退院後の精神障害者の地域での生活を支える仕組みが、一定程度有効に機能していると、このような認識を持っているところです。
指標3からは退院率です。入院後3か月、6か月、あるいは1年後の時点での退院率の指標であり、実績が低下傾向にあるということですが、その他の指標の実績なども加えますと、その期待の促進の基盤となる包括の構築が一定進みつつあると、このような認識を持っているところです。
 指標の6と7については、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業ですが、この分野は、自治体においては、コロナの感秦染症の問題もあり、業務がひっ迫する中、目標未達の見込みですが、実績数は増加しているということで、取組は活発になっているという認識を持っています。
 7ページの達成目標2の地域住民のメンタルヘルスや精神疾患への正しい知識と理解の普及です。この項目の達成目標の指標については、近年、実績が増加して、順調に取組が進展している。特に、心のサポーター養成研修(指標9)です。並びに指導者養成研修(指標10)ですが、自治体より関係者を含めた周知が奏功し、目標を大幅に超過、達成されているところです。
 各地域で心のサポーター等が養成されていることで、地域における普及啓発にも寄与し、精神疾患の予防や早期介入につながるものと考えています。引き続き取組を継続していきたいと、考えているところです。
 8ページを御覧ください。次期目標等への反映の方向性です。今後の考え方ですが、達成目標1の部分については、1つ目のポツですが、現在、令和6~8年度までを計画期間とする第7期障害福祉計画の策定が検討されており、同計画において新たに定められる目標値も、令和6年度以降を踏まえながら、引き続き一体的な取組を進展させていくという基本的な認識の下で、指標1については、第6期障害福祉計画との整合性を図って、目標値を設定しており、また、目標未達の要因ですが、今後の取組を踏まえて改善を図っていきたいと考えているところです。ただ、目標値については、障害福祉計画と合致させ、より整合性の取れた目標値の見直しを検討したいと考えております。指標2についても、目標を達成しているところでして、引き続き取組を継続していきたいと。
 指標3~5については、目標に達していないところです。この分野は、本施策は地域における多職種・他機関の連携体制や障害福祉サービス等を含む基盤整備など、様々な要因が関連する項目です。これらの指標が本施策の効果を測る指標として適切なものであるかどうか、今後検討していきたいと考えております。
 達成目標2の8~11についても、引き続き現状の取組を継続していきたいと考えております。なお、指標8~10の心のサポーター養成事業は現在モデル事業として実施しているものです。令和5年度でモデル事業は最終年度となりますが、令和6年度以降は養成研修を全国に展開し、令和15年度までに全国で100万人の「心のサポーター」の養成を目標としているところです。指標11についても、現在、事業のメニューを整理しているところであり、より適切な指標への見直しを行っていきたいと考えているところです。
 達成目標3の依存症に関する部分は、依存症対策推進室長の羽野から説明させていただきます。
○依存症対策推進室長
 依存症対策推進室長の羽野です。私か依存症対策を御説明させていただきます。資料1-2の4ページを御覧ください。4ページの真ん中の上の辺り、2.依存症から御説明したいと思います。依存症対策といたしましては、基本的には、アルコール・薬物・ギャンブルの関係を中心に対策に取り組んでいるところです。依存症対策の基本的な考え方といたしましては、依存症が疾病の特性もあり、依存症の2つ目のポツですが、病気になったのは「本人の責任である」という誤解というか、偏見というか、そういったものはあります。真ん中の右の辺りに課題3にありますが、そういったものもありますので、依存症と疑われる方の相談につながりにくいというところがあります。その結果として、十分な治療・支援が行われていないという課題があります。したがって、依存症について、実際に支援を必要とされる方に限らず、依存症について広く理解をしていただくための普及啓発、支援を必要としている方々に対して、適切な治療・支援が届くようにする、そういった体制を作っていくことが大きな課題だと考えております。
 その関係で、達成目標3が右下の辺りにありますが、その下、12、13、14、15と4つ目標を掲げております。12が、アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症に係る相談拠点機関、専門医療機関、治療拠点機関をいずれも設置する都道府県、指定都市数としております。相談拠点機関、専門医療機関は分かると思いますが、治療拠点機関といいますのは、地域の専門医療機関をつなぐ取りまとめ機関です。取りまとめ機能などを担うものだと考えていただければと思います。この3つを、全都道府県、指定都市、計67の自治体に設置してほしいと考えているのですが、そこを目標に掲げているというのが12です。
 5ページと行きつつ、戻りつつで御説明したいと思いますが、12の目標については、5ページの右上の達成目標3の指標12で、×(目標達成率57%)と書いてあります。こちらも併せて御覧ください。実際は、全都道府県、指定都市の67が目標ですが、実際は38の自治体に令和4年度時点でとどまっております。この課題について確認したところ、相談拠点機関は設置が全てされているのですが、専門医療機関、治療拠点機関の整備がまだ進んでいないという状況にあります。したがって、担い手となる専門の医療従事者の養成が必要だと考えています。
 また4ページに戻ります。13精神保健福祉センター及び保健所の依存症に関する相談件数です。これについては、5ページに△と書いてありますが、精神保健福祉センター、保健所への相談件数としては、△とはしておりますが、目標の97%は達成しており、おおむね達成しているという評価でいいのではないかと考えています。
 また、4ページ、14の依存症専門医療機関における新規受診者数も設定しており、これについては5ページですが、○としており、121%の達成でして、これは評価の達成をしたという評価でいいのではないかと思っております。
 15の普及啓発イベントシンポジウムの開催回数です。これはコロナ禍の中でも開催方法をハイブリットにするなどして工夫を行い、これまで同様の開催回数を継続できておりますので、目標達成できたと評価していいのではないかと考えております。
 今後の対応ですが、8ページを御覧ください。8ページの下、達成目標3です。指標13~15はおおむね達成できておりますので、引き続きというところにはなってまいりますが、指標12です。3つの拠点を全都道府県、指定都市に設置していくというところが57%だったと思いますが、×という評価をせざるを得ない状況です。こちらについては、先ほども申し上げましたが、指導者養成事業があります。これは全国の取りまとめとなる機関で養成をしてもらっているのですが、その指導者養成事業があり、そこの参加者数の増加などの取組を進めることで、目標の達成に向けて取組を進めていきたいと思っております。時間の関係で簡単ですが、以上です。
○菊池座長
 それでは、ただいまの説明について、御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。平野委員、お願いします。
○平野委員
 指標6と指標7に関連してお伺いします。今、御説明いただいた概要の中には、14事業のメニューを再整理するような文言もあろうかと思うのですが、ここの指標の設定の仕方としては、例えば指標7には123というものがあります。これが14分の3だという、その3をピックアップして、その実施実数を横で比較しているという理解でよろしいでしょうか。
 質問の意図は、上の指標との関連も含めてなのですが、実際に精神の地域包括ケアシステムの推進を図る具体的な事業メニューなのかなという思いもあって、最初にまず質問させていただきました。
○精神・障害保健課長
 今、御指摘のとおり事業自体が14事業で構成されていたのですが、この事業の内容を見直して、令和5年度から8事業に再編したという経緯がございます。
 そうしますと、14の事業数に対して、延べ幾つの事業を行えるのかというところで、この数字を書いているのですが、そこの事業の数が変更になりますので、そういった観点から整理が必要だという認識です。
○平野委員
 8事業のうちの123を選んでという理解でよろしいのですか。
○精神・障害保健課長
 令和4年度までは14事業ですので、14事業の中からということです。
○平野委員
 これの意図は、14事業の中でも123を推進する必要があるというような御判断で、この123を選んでいるという理解でよろしいでしょうか。
○精神・障害保健課長
 いずれの事業についても、適切に進めていく必要があるという認識です。
○平野委員
 もともと精神は都道府県行政が中心だったわけですが、市町村に降りる中で、私の考え方としては、指標6と指標7の伸びが△だということ自体が、地域包括ケアシステムを施策、個々のプログラム上、推進する意味では1つの課題なのかなという感じを持っています。それで逆に、幾つかの指標の相互の関連を今後考えていただいたほうがいいのではないかという意味で、今から私の意見を述べたいと思います。
 指標1から指標5までの考え方は、少し細かな話で恐縮ですが、仮にこれを並べる場合に、並び方は工夫が必要ではないかと思います。これを仮に下のほうの、精神のほうで積極的に推進したいと手を挙げた自治体が、上では目標で113あって、下のほうは、それとどういう関連になっているかというのは御説明いただくといいかなと思います。幾つかの自治体で、こういうような地域包括ケアシステムの具体的な構築のための事業に手を挙げ、実施している所で、上の指標が何か影響があるのかという問題を、是非内部的に検討していただいたらどうかというのが、私の意見です。
 上のほうの指標も、毎年度それなりに努力はされていると思うのですが、一部を除いて基本的には△だということになっていますので、それを政策的に国が都道府県の補助を支援しながら動かすツールとしては、指標6、指標7ということに当然なってきますので、手を挙げた自治体が上の地域移行であるとか、退院する期間が少しでも早いというデータと、何らかの関連があるかどうかということも考えていただくといいのではないかと思います。これは指標間の問題として、こういう包括的な施策を推進するという場合に、一つ一つの指標を国全体で取って見ることも大事かと思いますけれども、どうしても自治体単位で手を挙げた自治体において、それの効果が出ているのかどうかという辺りも、政策評価の議論としては考えていただいたらどうかなと思います。その中で、それをしても相変わらず△が、手を挙げている自治体においても続いているという問題であれば、それは検討の余地があるのではないかという意見です。
○菊池座長
 いかがでしょうか。
○精神・障害保健課長
 指標6に自治体の数を、目標なり実績数を掲げていますが、事業の対象が都道府県、指定都市、特別区保健所設置市ですので、都道府県、指定都市、特別区保健所設置市の合計157が母数です。ですから、全体の母数の157の中で令和4年度を見ていただきますと、113、123という状況になっております。
 この事業を活用せずに、自治体の単独事業の形で類似の事業をやっているケースがあることも想定されますので、手を挙げていない自治体が、この分野の領域に全く対応していないということはないという認識を持っております。ただ、我々としては、できるだけこの事業も活用いただきたいということはあります。
 今、委員からございましたように、積極的に事業に取り組んでいる所とそうでない所で、いわゆる早期退院の促進という観点でどのような結果が出ているかについて、現時点で数字を持ち合わせておりませんが、御指摘のような視点も踏まえて、今後検討なり、取組を進めていきたいと考えております。御指摘ありがとうございました。
○菊池座長
 いかがでしょうか。藤森委員、お願いします。
○藤森委員
 御説明ありがとうございます。2点ほど、御質問等をさせていただければと思います。
 1点目は平野委員からの御発言に関連したことになります。指標1から指標5まではアウトカムの指標ですが、評価するときに気になるのは、長期入院を是正や、3か月の退院率等についても、地域できちんと受け皿がきちんとある中で退院ができているか、ということとの関連性が見たいと思います。当然のことながら、無理矢理退院ということはあってはならないので、その関連性が分かる指標も出していただくことが必要ではないかと思います。
 出し方は難しいと思いますけれども、指標7ではもともと14事業が令和5年度から8つになったと言うことだと思います。指標7の右下の図の「204事業」とあるのは、123とあって、それまではもともと14あったのが、令和3年から8つになった。それで、合計すると一番上の204になるという理解でよろしいでしょうか。
○精神・障害保健課長
 令和4年度までは14事業です。
○藤森委員
 1というのは住まいであり、2がピアサポートの活用であり、3が家族支援ということで、この事業が14あるという理解でよろしいでしょうか。
○精神・障害保健課長
 そういうことです。
○藤森委員
 そして、それが令和5年度から8つの事業の項目が出てきたということでよろしいでしょうか。
○精神・障害保健課長
 そういうことです。
○藤森委員
 ここも重要なところで、住まい、ピアサポート、家族支援、その後に続くものはどのようなものなのか分からないのですが、この辺も出していただいてもいいところかもしれません。知りたいと思うのは平野委員がおっしゃったとおり、このような事業をやっている所では、退院が促進しているところが大事なところではないかと思っております。これが1点目です。
 2点目です。指標2ですが、こちらは令和2年から令和4年までの目標が316日以上で、目標値が前年度以上ということで示されておりまして、達成で○になっております。実績値を見ますと、320日ということで、ほぼ横ばいできています。316日以上を超えているわけですので○になるということだと思いますが、前年度に比べて上げていくという目標が望ましい数字ではないかと思います。「毎年度前年度以上」という目標値があり、ここから見ると横ばいですので、〇とは言い難い部分があるかもしれないと思います。この辺についての御意見を頂ければと思います。
○精神・障害保健課長
 1つ目の御指摘については、アウトカムの指標も大事だけれども、ストラクチャ的な部分もしっかりと見ていく必要があるのではないかという御意見と承りました。確かに、ストラクチャ、プロセス、アウトカムと、総合的に指標を組み合わせて評価していくという観点が重要な部分で、最近はとかく「アウトカムが大事なのだ」という言われ方をされる部分もありますので、今はアウトカムということで指標を作らせていただいておりますが、受け皿ですとか、ストラクチャ、プロセスに関する部分につきましても、今後しっかりと考えていきたいと考えております。
 2つ目の指標2については、自己評価が甘いのではないかという御指摘だという認識です。御案内のとおり、精神障害者の地域での生活という観点については、御本人の病状、どういう内服薬を使っているのか、あるいは受け皿の問題、家族の対応など、いろいろな要因があるところで、そういう中で、僅かでも延ばすことができれば、現状で悪化はしていないという観点から、一応目標達成という形の評価をさせていただいておりますが、これでOKということではありませんで、もっとこれを伸ばすような方向での対策の推進に、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○菊池座長
 ほかにはいかがでしょうか。岩崎委員、お願いします。
○岩崎委員
 御説明ありがとうございました。先生方と重なる部分があるかもしれないですが、指標1から指標5の部分で、アウトカムを出してくださったことについて、令和2年以前は、この辺の数字が不明確だったものを、しっかりと出していただいたという点では、非常に参考になる数字だと思っています。
 ただ、この理由が、「コロナウイルスの影響も」と書いてあるように思われるのですが、それだけではなくて、ほかに伸び悩んだ理由があるのでしたら、はっきりと教えていただきたいと思うのです。ある程度コロナの問題が改善してきた段階で、この数字がどうなっていくのかという点を注視したいと思っていますので、ほかの要因も把握されているようでしたら、是非教えていただきたいと思っています。
 もう1つは、アルコール・薬物・ギャンブルの対策の推進の部分で、指標12が×になっていて、専門の医師を確保するのがなかなか難しいということについて、対応策はお読みしましたし、先ほど御説明も頂いたのですが、私もソーシャルワーカーとしてこういった方たちと長く関わっていますが、残念ながら心が折れることが多く、専門の医師も非常に御苦労が多い領域かなと思うのです。だから、この辺は医師の確保が本当にできていくものなのかどうかを心配しています。
○精神・障害保健課長
 1つ目の件ですが、コロナウイルス感染症だけが原因なのかどうかという御指摘でした。若干、エクスキューズ的な記載になっておりますが、この3年間のコロナ禍の中において、医療機関も感染防御でかなり御苦労もあったでしょうし、自治体のほうも、都道府県、市町村、保健師とかはコロナ対応に追われて、地域保健の担当の方もコロナを優先するというような実態があったということも、大きな構造としてあるのかなというところです。
 ただ、決してそれだけではありませんで、先ほど来御指摘いただいているような、地域の受け皿が十分なのかどうかということとか、家族に対する支援、地域の環境整備がどうなのか、様々な要因があるかなというところです。特に、今般、精神障害にも対応した地域包括ケアの推進をここ数年、国のほうで打ち出しているところで、そういった概念がもう少し地域に浸透していくと。
 令和4年の法改正を受けて、例えば医療保護入院の方については、入院期間を6か月未満と省令で定めていくこともあったり、地域の入院者訪問支援事業とか、新しい施策も盛り込んで進められていくところですので、そういうパッケージの形で退院の促進、地域での生活をサポートしていくところにしっかりと取り組んでいきたいと考えているところです。
○岩崎委員
 明確に書き込むことは難しいかもしれませんが、コロナウイルス一色と言うよりは、もう少し要因の分析ができるのであれば書き加えていただいたほうが、今後の役に立ちますし、コロナは終わったけれども、余り数字が上がっていないということになっていったときに、どういうことなのか説明がつかなくなってしまうと思いますので、可能な範囲でよろしくお願いします。
○精神・障害保健課長
 検討させていただきます。
○依存症対策推進室長
 岩崎委員から依存症の関係でもコメントを頂きました。ありがとうございました。御指摘のとおりで、先ほど担い手の確保の取組も進めていきたいということで、一方で現場の取組の中では、今後に続くソーシャルワーカーとして御心配の声も頂いたという状況です。
 現状、先ほど申し上げた担い手の指導者の養成の研修というものがあるのですが、こちらについては治療指導者の研修、つまり、専門医の研修と、相談対応の指導者の研修もあります。つまり、ソーシャルワーカーの皆様、そういった方々の研修も合わせてやっております。
 この分野というのは、医療と社会福祉の両面からのアプローチが非常に重要で、両者の連携は非常に重要だと思っていますので、そこの目線を合わせて共通認識を持ちながら、ともに連携していけるような取組の進め方が必要だと思っていますので、そこの工夫を考えていきたいと思っています。
○菊池座長
 今、岩崎委員からコロナウイルス感染症のお話がありました。そういう記載が何箇所かありますけれども、コロナウイルス感染症の流行の影響がブラックボックスになってしまってはいけないので、もう一段踏み込んで、そこを記載していただく必要があると私も思います。
○精神・障害保健課長
 御指摘を踏まえて検討させていただきます。
○菊池座長
 よろしくお願いいたします。新保委員、お願いします。
○新保委員
 御報告いただきましてありがとうございました。精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めていくことがとても重要だと思いますので、是非今後も、今回の評価を踏まえて取組を進めていただけたらと願います。
 それから、資料1-2の8ページの「次期目標等への反映の方向性」の達成目標3「アルコール・薬物・ギャンブル等の依存症対策の推進」の所ですが、指標12から指標15までの記載に、「普及啓発」という言葉がたくさん入っています。指標14は普及啓発のためのイベントの開催回数が評価指標になっているのですが、それ以外の所の普及啓発は、具体的にはどのような内容を指しているのでしょうか。
○依存症対策推進室長
 普及啓発の事業は幾つかあるのですが、もちろんイベント関係をやるというのが1つです。それから、ポスターやリーフレットのようなものを作るというものもあります。今、正に取り組んでいまして、作成中なのでこの目標には入っていないのですが、特にアルコールのところですが、飲酒のガイドラインを作ろうとしています。お酒は皆さん飲まれますので、どのようにお酒と付き合っていくのがいいのかという飲み方について、どういうところに気を付けなければいけないのかということのガイドラインを作って、広く国民の皆様にも分かっていただいて、駄目だということだけではなくて、どのように付き合っていくのがいいのかということも含めたガイドラインを作り、それをどうやって皆さんに浸透させていくことが重要なのか、特にコロナ明けで宴会なども解禁されていくような動きがありますので、そういった中でどうやって付き合っていくのがいいのかということを浸透させていくことが重要だと思っていますので、そういった正しい付き合い方、いざ依存症になってしまった場合、とは言え、それは本人のせいではなくて、受診や相談につながっていくことが重要なのだということを普及していくことと、多分両面が必要なのかなと思っておりまして、付き合い方と、いざ依存症になってしまっても大丈夫だということと、両面で進めていきたいと思っています。
○菊池座長
 平野委員、どうぞ。
○平野委員
 指標7の3つの選び方について、重要なのだろうという意味で申しました。仮に、これが一種の難易度と言うか、都道府県や指定都市を中心にという自治体にとっても、難易度を表していると考えれば、一番難しいのが住まいの確保で、次に家族支援でというように、比較的、総数の572事業に対して難しいほうを選んで1から3に列記したと考えてよろしいのでしょうか。そして、担当課の認識としては、1が自治体にとって難易度が高いと言うか、家族支援の実施数は38にとどまるわけです。そういう見方をしていいと理解してよろしいのでしょうか。
○精神・障害保健課長
 必ずしも難易度というわけではありません。難しいからと言うよりも、自治体がどこに力点を置いて取り組んでいるかの違いかなと思います。
 ただ、保健福祉部局においては、住まいの確保は住宅部局の取組であったりすることもありますので、保健福祉部局では得意ではないという言い方をするのはおかしいのですが、住宅の確保という観点にもうちょっと取り組んでいただきたいという認識はありますが、必ずしも難しいから少ない、やりやすいから多いということではないのかなと考えております。
○平野委員
 今度、この14事業の中身を点検されて8ということで、先ほど、減らすことがどうかという御指摘もありましたし、事業メニューそのものの評価、仮にそれが必ずしもアウトカムかどうかという指標としての性格上はあるとしても、先ほどストラクチャの話もされたと思います。こういう場で議論する上で、精神のほうの包括ケアにおいて、何が評価をしていかなくてはならないプログラムなのかということが、明示されながら議論が進むと、より効果的なのではないかという立場でお話したということです。
○精神・障害保健課長
 付け加えさせていただきますと、これまで、令和4年度までの14事業を8事業に改編したことを申し上げましたが、数を減らしたというわけではなく、事業の組み方自体を再編したということですので、これまで対象だったものがなくなるということはないという認識です。細切れになったところを整理したということです。御指摘を踏まえて取り組んでいきたいと考えております。
○平野委員
 そういう変更の時期も含めてなので、前のほうの何箇月単位で退院をどうこうという指標も、先ほどおっしゃったようにアウトカムが大事だからということはよく分かるのですが、ここでの議論をしていく上で、ストラクチャの部分が見えてくるような議論を成立させられるといいかなと思ったということです。
 先ほど言いそびれたのですが、そこまで細かく言う必要はないと思うのですが、仮に3か月、6か月、1年という時期を区分するのは、上との関係で言うと、逆でないとおかしいと思うのです。指標の順番は再検討していただければと思います。
○菊池座長
 いろいろと御議論、御質問を頂いている中で、指標6について私もちょっと感じるのですが、地域包括ケアシステムというのは、そもそも基礎自治体レベル、更にそれよりも小さな圏域と言うか、中学校区域とか、そういう中で作っていこうという話であるのに対して、精神というのは基本的に都道府県圏域ということですね。そうすると、精神に対応した地域包括ケアシステムというのは何かと言うと、理念とか、基本的な考え方とか、思想とか、そういったものがしっかりとあった上で、どういう構造にしていくかとか、そのためにどういう指標を立てていくかという話になっていくのが、本質なのだとは思うのですが、私が不勉強なのか、そこの辺りが見えてこないと言うか。なので、都道府県、指定都市、特別区保健所設置市の合計が157とありましたが、政令市とか保健所設置市というのは、割と焦点が当たりやすいのだけれども、それ以外は都道府県でという話ですよね。そういうことになっているのだけれども、そのことと地域包括ケアシステムとか、地域共生社会といった全体の方向性と、どう整合するのだろうという、その辺りがよく分からないのですよね。
○精神・障害保健課長
 確かに座長がおっしゃるとおり、地域包括ケアは、そもそも介護の領域におきますと、日常生活圏域ということで、市町村あるいはもっと小さな規模で作るという話と、私どもの事業自体が都道府県、指定都市、中核市が対象というのは、ちょっと概念としては違うのではないかという御指摘かなということを承りました。
 確かに、これまで精神保健は、どちらかと言うと都道府県あるいは保健所レベルまでの対応で、特に精神科医療の対応をやってきた部分がありますが、メンタルヘルスの問題は全般的に市町村にもっとやっていただくという重要性は認識しておりまして、私どもは、市町村における精神保健に係る相談支援体制整備に関しての検討会をやっておりまして、これまで、ともすると自治体のほうでも母子保健ですとか、生活困窮対策はやるのだけれども、精神保健は県に任せればいいというのは確かにあったところです。今後、市町村での対応を強化していくという観点から、そういった観点での指標の組み方というのも、大きな課題としてあるのかなという認識を持っております。
 ここで、指標7の事業も、地域包括ケアシステムの構築推進事業と言いながら、対象が市町村ではなく、都道府県なり指定都市中核市というのはいかがなものかというのは、御指摘は御指摘として踏まえて考えていきたいと考えております。
○菊池座長
 指標15は4回、4回で、もう必要ないのではないかという印象を受けるのと、指標12が×なのですが、これも御説明はあったのですが、そもそも目標の立て方自体においても、相談拠点機関、専門医療機関、治療拠点機関、特に相談拠点機関と医療機関と、性格が違うものを一緒にして全部持っている所という、ある意味ではアバウトな目標の立て方をして、それに対して、目標を立てる以上、それに対する戦略、プロセスを踏まえて立てるのが、あるべき評価指標の立て方だとすれば、そこがどうだったのか。
 ただ、そういう立て方をしてきて、50数パーセントだと。相談拠点機関はおおむね達成できているのであれば、これからもそういう立て方でいいのですかといくことにならないのでしょうか。むしろ今後は、医療機関をいかに充足していくのかと。
 そうだとすると、そのために8ページの下の所で説明のあった、普及啓発拠点整備、指導者養成事業への参加者数増加は、これで達成できるのですかという話です。その辺りを伺いたいと思います。
○依存症対策推進室長
 2点の御意見を頂いたと思います。まず、指標15の関係です。座長がおっしゃるとおり、回数が4回というだけで果たして評価できるのかということなのだろうと思います。
 そこはおっしゃるとおりだなと思いながら、なかなか難しいと思っているのは、毎年、イベントなり何なり、いろいろな普及啓発の取組をするのですが、それを毎年毎年、各委託事業者との関係で相談しながら、今年はこのようにやろうと決めていくものでもあって、毎年同じことをやっているわけでもないのです。やり方も回数も多少変動するところもありますし、オンライン、ハイブリッドを工夫しながらとかも含めてですが、アプローチの仕方を毎年変えているところもあって、それを経年で評価していくときに、何が取りやすいかというときに、どうしてもこのようになってしまったというところであります。
 本来であれば、例えばイベントに参加した人の理解が深まったかどうかの満足度を聞くとか、もう少し細かいところを取り入れればいいのかなと思いながらですが、過去の部分から遡って取ろうとすると、どうしてもこうなってしまっているというところがありますので、この指標の設け方をどうするかはともかくとして、それぞれ、これからやっていく事業をウォッチしていくに当たっては、そういう満足度なども含めて、そういう取り方を工夫していきたいとは思っております。
 2点目は指標12の関係です。3つをまとめてアバウトな指標設定というところで、これも御指摘のとおりなのですが、この3つを改めて分解しますと、冒頭に御説明しましたが、相談拠点については67の自治体の全てで、既に設定されております。したがいまして、残りは専門医療機関と治療拠点ということになります。
 基本的には、まず専門医療機関を設置してもらって、その上で、そこが複数あるような地域については、取りまとめとなる治療拠点になってもらう所を、どこかで手を挙げてもらうとか、そういう構造になってきますので、まずは、専門医療機関すらもない地域に、専門医療機関をどのようにしたら設置してもらえるのかというのが、1つ目のアプローチです。それがある程度進んでくるのであれば、今度はその中から取りまとめとなる治療拠点に、どこが手を挙げてもらえるのかということをやっていきます。この指標については、2ステップあるということだと思っています。
 もう少し申し上げると、専門医療機関については、先ほど来御説明している担い手の確保のところを、どのようにしてやっていくか。指導者養成の事業をソーシャルワーカーの方々も含めてやっていくという御説明をしているわけですが、今度は治療拠点のところをどうしていくのか、取りまとめとなる所が手を挙げてくれないのは何なのか、なぜそれに手を挙げてくれないのか、現場の負担がどこかにあるのかというところを分析しないといけないと思っていまして、そこは正に今回の分析に当たって、そこを今分析しているところですので、その2段階、特に2ステップ目は、これから考えなければいけないと思っていますが、そういったところで、これから考えていきたいと思っております。
○菊池座長
 ほかに委員からはよろしいでしょうか。それでは、担当課におかれましては、本日の議論を踏まえ、指標の立て方も今後に向けて、それも含めて、本日のメインである実績評価書への反映について、お願いできればと思います。それでは、この課題については以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 それでは、次のテーマに移りたいと思います。
○菊池座長
 それでは、次のテーマに移りたいと思います。政策番号ⅩⅠ-1-3、「総合的な認知症施策を推進すること」です。よろしくお願いいたします。
○認知症担当企画官
 老健局認知症担当企画官の尾﨑と申します。どうぞよろしくお願いいたします。資料2-2の4ページを御覧ください。施策目標ⅩⅠ-1-3ということで、「総合的な認知症施策を推進すること」を目標としております。その背景として2点挙げております。1つ目が認知症高齢者数の増加の状況です。我が国の認知症高齢者数は、2025年には約700万人ということで、65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれております。これを背景に2として、関係行政機関が緊密に連携をしながら、政府一体で総合的に対策を推進しようということで、2019年に認知症推進大綱が取りまとめられております。その中には認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、御本人や御家族の視点を重視しながら、「共生」と「予防」を車の両輪として、施策を推進するということを掲げております。この大綱の対象期間は、令和7年までとなっております。
 その施策の柱として、5本挙げております。下のブルーの所に1から5までありますが、これらの5本の施策の柱に沿って推進しています。大綱においては、施策ごとにKPIの目標を設定しています。また、この大綱に基づいて施策を実現していくわけですけれども、そこにおける課題を2つ設定しております。1つ目が左側の課題1です。認知症は皆にとって身近な病気であることの普及・啓発が必要と考えております。また、大綱に記載されている施策の取組状況については、地域の社会資源の状況等の関係で、自治体間で差異が生じているという課題があります。
 この目標として、普及・啓発の推進・認知症の御本人や介護者への支援を進めるために推進施策を行うわけですけれども、その指標として1から4までを掲げております。1つ目が、企業・職域型認知症サポーター数です。認知症サポーターというのは、正しい知識と理解を持って地域なり職域なりで、御本人・御家族に対してできるだけの手助けをする方で、いろいろな講座を受けて認知症サポーターになっていただきます。この企業・職域型というのは、認知症サポーター養成講座を企業・職域で開催してもらって、常日頃、認知症の方と関わる機会が多い小売業の方、金融機関の方、公共交通機関の従業員の方にサポーターになっていただくということで、その数を目標としております。
 2つ目の指標として、チームオレンジ等の設置自治体数を掲げております。チームオレンジというのは、先ほど御説明した職域だけに限らず、自治体が行うサポーター講座などを受けてサポーターになっていただいた方を中心として、地域の中で支援チームを作って、常日頃の御本人・御家族のニーズを具体的な支援につなげていくチームを、「チームオレンジ」と呼んでおり、その設置自治体数を掲げております。2-2は、それによってチーム員数がどれぐらいになっているかを掲げております。
 3つ目の指標が、認知症カフェの設置自治体数です。認知症カフェというのは認知症の方や御家族が、地域の方や専門家と御自分の状況などを共有したり情報交換をしたりすることによって、お互いを理解し合うような場ということで、その設置自治体数を挙げております。
 最後の4つ目が、認知症ケアパスを作成した自治体数です。ケアパスというのは認知症になった方が、例えばどういう段階でどういうサービスが受けられるかというのを、標準的にはこのような流れでこういう相談場所がありますよとか、こういうサービスが受けられますよというものをフロー図にしたようなものです。そういったものを自治体の地域資源の状況に応じながら作っていただくのですが、そういったものの数を挙げております。
 課題2は1回飛ばして、次のページを御覧ください。これについての達成状況として、5ページの左上の達成目標1の中に赤字で書いてあるのが、主要な指標となっております。企業・職域型認知症サポーター数の達成状況は△ということで、おおむね達成という状況になっております。指標2がチームオレンジの設置自治体数です。こちらは令和3年度までの数しか出てないのですが、かなり目標未達という状況になっております。一方、2-2のチーム員数は◎で、目標を大幅に上回る状況となっております。認知症カフェの設置自治体数は△でおおむね達成、認知症ケアパスの作成自治体数は○という状況になっております。
 4ページに戻って、課題2に関してです。課題2の1は、「住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができるよう、医療・介護等が有機的に連携し、認知症の容態の変化に応じて適時・適切に切れ目なく提供される仕組みの構築」です。2は先ほどの課題1と同様に、取組状況に地域差が生じているという課題もあります。
 こういった中で、「測定指標」のほうは5、6、7と大きく3つ、細かく言うとたくさん挙げております。5が認知症サポート医の養成研修、かかりつけ医認知症対応力向上研修、一般病院の看護師等への研修といった、要は医療サイドの方々へ理解を深めていただくための研修をやっています。6が介護サイドとして認知症介護実践者研修で、実践者が一番現場に近い方で、その上にリーダーとして実践リーダー研修があり、更にその上にそのリーダーたちを指導する指導者研修をやっております。それぞれ修了者数を目標にしているという状況です。また、課題2については測定指標7で、「日常生活自立度」がⅡ以上に該当する認知症高齢者の年齢階級別割合を挙げております。御存じかもしれませんが、日常生活自立度Ⅱ以上というのは、日常生活に支障を来すような認知症の状態になっているということです。
 この状況は、5ページの左上の箱の中の達成目標2の状況を御覧いただければと思います。5-2~5-5までの左半分が医療側の状況です。全体としては△で、おおむね達成です。認知症サポート医やかかりつけ医に対する研修の修了者数は、◎で目標を達成しているという状況です。5-4と5-5の一般病院勤務の医療従事者や看護職員に対する研修の修了者数は、それぞれ目標をおおむね達成ということで△となっております。
 右の6-2、6-3、6-4が介護関係です。こちらは全体として目標達成となっております。6-2の実践者も達成しています。6-3は、もしかしたらお手元のタブレットでは△になっているかもしれませんが、正しくは○の目標達成という状況なので、訂正いただければと思います。そして指導者養成研修については△で、おおむね達成となっております。指標7については現時点で実績が出ていないので、目標は判定困難という状況です。
 これらの状況を踏まえ、右側にある施策目標3の「認知症施策を総合的に推進すること」の状況です。達成度合としては「進展が大きくない」となっておりますが、総合判定としては大きくはないけれども、達成に向けて進展があるという状況になっております。「施策の分析」の有効性と効率性の状況ですが、上半分の達成目標1については毎年度実績が増加しており、施策が有効に機能となってきております。下半分の達成目標2については、7は判定困難ですが、それ以外についてはおおむね目標達成し、施策が有効に機能という評価をしております。右半分の効率性に関しても1ポツ目にあるとおり、令和6年度以降、執行額がほぼ一定の中で実績を伸ばしているということで、効率的と評価しております。7については評価できないところではありますが、これらを踏まえながら、全体として効率的に実施を図っていきたいと考えております。
 6ページを御覧ください。達成目標1より、ちょっと具体的に書いてあります。1ポツ目にあるとおり普及・啓発の推進、御本人や御家族への支援の部分については、認知症への理解が高まっているかと考えております。一方で指標によっては未達のものもあるので、そこについては改善策を講じ、取組を加速させる必要がると考えております。特にチームオレンジ等の設置、先ほど申し上げた指標2については、過去に自治体から問合せが多かったサポーターの活動促進・地域支援づくり事業の取扱いについて、Q&Aを作成して自治体で取り組んでいただきやすくなるように、既に改善を図ったということです。
 達成目標2の医療従事者・介護従事者等に対する研修等による理解の促進についても、令和元年度のベースラインから比較すると毎年改善ということで、認知症の人が住みやすい地域づくりが行われていると考えておりますが、指標によっては未達のところもあるので、そこは改善を図っていきたいと考えております。
 7の日常生活自立度については、様々な要因が自立度に影響していくので、因果関係を明らかにすることが困難ではないかということです。困難であることを踏まえると、今後、測定指標とするかどうかについては再検討が必要と考えております。これらを踏まえ、次期目標等への反映の方向性ですが、そもそも大綱に基づいてのKPIというのは、今日御説明した以外にも70幾つぐらいあるのです。昨年、目標値に対する達成度合の評価を行っているところで、達成されたものについては、更に上を目指す目標の見直しをしながらやっておりますので、引き続き認知症施策の一層の推進に向けてやっていきたいと考えております。
 達成目標1の指標1についてですが、働きながらでもサポーター講座を受けていただくことが大事かと思っていますので、オンライン講座の活用を促していきたいと考えております。チームオレンジについては、事業のコンセプトをちゃんと分かりやすく伝えるとともに、多様な立ち上げ方の例や留意点があることを周知していきたいと考えており、様々な場面を通じて周知しております。認知症カフェについても、新型コロナの影響下でなかなかカフェが運営できないということもあったのですが、そういった状況の中でも、どうやったら継続できるのかという手引きを作って、引き続き周知していきたいと考えております。達成目標2の各種研修についても、引き続き研修をeラーニングで代替することの可否の検討などによって、受講の必要性の周知を継続したり、研修内容の見直し等を検討したりしていきたいと考えております。3点目の日常生活自立度の今後については、その指標自体が大事な指標として、策定指標から参考指標に変更していきたいと考えております。以上です。
○菊池座長
 ありがとうございます。それでは、御意見、御質問等をお願いいたします。平野委員、お願いします。
○平野委員
 御苦労さまでした。先ほどの精神障害者の件もそうですが、今回の場合は総合的というか認知症の施策については大綱もあって、我々としても全体像を理解するというか、あるいは推進のメカニズムというか、そういうものを理解するのも大変難しい。本当にいろいろな施策が束ねられている分野だと思います。ですから、今日のようにそれぞれの指標が独自にどういう状況かという点も仕方がないかなと思いますけれども、先ほどと同様に何か内部的な関連みたいなものをつかみきれないのかなという立場で、意見なり御質問したいと思っています。
 まず、有効性の評価の所で指標2について、これはチームオレンジの話ですけれども、文章の中に、チームオレンジの立ち上げや人員の確保等の方法についての事例展開が十分ではなく、参考とする例が少なかった可能性があるという表記があります。今、私は概要のほうの文章で説明しましたけれども、同種のものが先ほどの資料、机上にあるので言うと5ページの指標2の文章がそれに該当しています。もう一度言いますと、チームオレンジ等設置自治体数が目標値を達成できていない。その要因としては、チームオレンジの立ち上げや人員の確保等の方法についての事例展開が十分ではなく、参考とする例が少なかった可能性があると。
 つまり、この文章は何を言っているかというと、市町村のいろいろな取組でこういうチームみたいな形は、国が考えてこうですよと言うだけでなく、地域のいろいろな事例を吸い上げていくことをおっしゃっていると思います。ここだけにポイントを置くつもりはないですが、結論的に言えば、認知症のこういう評価についてモニター自治体というか、つまり評価の中でモニタリングできるような自治体を選んでいただいて、ここで総合的な展開というものが、その自治体の中でどういうふうに進んでいるのかを見ていただくような方向を取れないのか。希望みたいなことを言って申し訳ないですが、そういう方向性がどうしても、つまり、そういうふうに自治体をモニタリングする分野が、認知症の場合にはかなり成熟しているのではないかという認識も含めてそういう意見を持っています。
 ですから、ここの有効性で書かれたように、ここは事例展開のようなところに、もっと下に落ちてしまっているので、それはいささか難しいかなと。それをやったからといって、国としては先ほどのQ&Aではないですが、そういうものを提供してというニュアンスだと思いますけれども、もうちょっと自治体が認知症の総合的な施策を展開することのモニタリングを、自治体を指定してできないものかみたいな感覚を持っています。そういう意味では、この有効性の評価の文章の中にそれに近い表現があったものですから、私としてはそこを気に留めたわけです。 
 つまり、チームオレンジの所でなぜそれが出てくるかというと、チームという問題があって、そこに様々な人たちが巻き込まれていくのが一番いいわけです。そうすると、介護職員の例えばリーダー研修などを受けた特養だとか施設の人たちが、果たしてそういう地域のチームオレンジのような所に関わるのかという辺りまでも、本当は結構大事なポイントなのではないかと思っているのです。つまり、施設の中でリーダー的なことをやろうとしている人たちが増えて、それが施設の中で完結しないことが総合的という視点を、もし考えとして持つのであれば何らかの形で、少なくとも研修の仕組みやいろいろなことは他の分野に比べて認知症の領域は、かなりきっちり整備されていると自覚も含めて思っていますので、そういうことを自治体単位で総合的に評価する1つの方法があり得ないだろうか。そうすると、先ほどの認知症カフェなども、国がメニューとして考えている認知症カフェ以外にいろいろなものが地域で作られていて、それが認知症カフェ的な機能を果たしている場合もいくらでもあると見ていますから、何か総合的ということに一歩踏み込むような評価のツールというか、そういうものを検討していただけるといいのかなと、私の個人的な意見も含めてですけれども。
 先ほどの精神もそうですが、1つ1つの指標を取り上げて評価していくことの制約みたいなものを、そろそろどこかで転換していくことも含めて、これは後で資料が出ますけれども、就労のところだと雇用と福祉の関係の横断的な評価みたいな取組の話が検討されています。認知症の場合にもそういうことは可能なのではないか。それくらいいろいろな施策がそれなりに充実してきつつあると思っていますので、何かそういうことで現場の担当部局で考えられるようなものがあるのかどうか、少し御意見を頂ければと思います。長くなりまして申し訳ありません。
○認知症担当企画官
 御指摘ありがとうございます。自治体に、こんなやり方がいいよと国から示すだけでなく、その後、どう根付いていくのかというのを、評価の観点ではないかもしれませんが、根付かせるということにはすごく問題意識を持っています。関連するものとして、タブレットの6ページの下半分で達成目標1の2つ目のポツですが、先ほど説明を飛ばしてしまった「また」の所です。国が正に基礎自治体の設置状況をずっとフォローしていくのは難しいと考えていまして、都道府県を通して取組が低調な市町村への支援を実施していると。これについては、先ほどのお話の中でありました認知症カフェについても同じようなことをしています。そういったことによって、自治体でも小さな市町村などであれば担当職員がいなかったりして手が回らないところもあるので、都道府県に支援をしてもらうことを進めている状況です。それが、最後にお話いただいたモニタリングの評価のツールとしてというところは、今後、検討したいと思いますけれども、やっていることとしては、今、そういうこともしていますということです。
○菊池座長
 よろしいでしょうか。大分ゆったりやってきておりますが、申し訳ないのですけれども、時間の関係もあって簡潔にお願いできれば幸いです。
○平野委員
 ですから、事業ごとの個々のモニタリングを言っているというよりは、認知症の総合的な施策の展開というテーマで、その総合性をモニタリングできないかということ。つまり、総合性をモニタリングできる自治体を指定し、それの1つの類型化を図って全体の総合的というものを評価していく方法も、政策に生かしていくことはあり得るのではないかという視点です。長くなってすみません。
○菊池座長
 今後に向けた課題ということで。
○認知症担当企画官
 私が説明したチームオレンジとかではなくて、もっと総合的にモニタリングすることができるかどうか考えてみたいと思います。
○菊池座長
 それが真の意味で、地域の目線で自治体を評価することにもなると。国の政策評価ではあるけれども、地域の取組を評価することにもつながっていくことなのだろうなと思って拝聴していました。ありがとうございます。いかがでしょうか。藤森委員、お願いします。
○藤森委員
 御報告ありがとうございます。私からは2点あります。1点目は、今言ったところの課題の達成目標の1も2もそうですが、自治体間で差異が生じているということが課題として挙げられています。達成目標1のほうにつきましては、全自治体の中で、だんだん実施する自治体が増えていることは分かるのですが、こちらの研修等については、地域によって研修を受ける人と受けない人の差があるのかないのか。もし差があるのであれば、その点についての指標を挙げていく必要があるのではないかというのが1点目です。
 2点目は、今後の目標設定という所ですが、先ほどの4ページの概要のブルーの所に社会参加支援というのがあります。実際に認知症の方がどれだけ社会参加できる環境になってきているか。アウトカムに近い指標になるかと思いますが、今後、そんな指標が設置できるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○認知症担当企画官
 1点目の研修の地域の状況というのは、今、手元に持ち合わせていないのでそこは確認していきたいと思います。差があった場合、全国団体を通じてなのか、まず分析をしてみたいと思います。2つ目の社会参加支援についても各種施策は行っているので、例えば官民で協議会を設けていて、認知症にやさしい企業ですよという宣言をしていただくとか、その宣言する企業数も増えてきていたりして、大綱についてはKPIでいろいろなものがあるので、そこの中で社会参加の状況が見える指標というのはあります。それを、この総合的な認知症施策を推進することの指標の1つとして挙げ出すと74ぐらいあり、それをどこまで挙げるかというのもありますので、全体のバランスを見ながら、今後、検討したいと思います。
○藤森委員
 分かりました。
○菊池座長
 岩崎委員、お願いします。
○岩崎委員
 御説明ありがとうございます。話を戻してしまうみたいで恐縮ですが、チームオレンジの所で、これはほとんどがアウトプットなのに、このチームオレンジの所のものだけアウトカムという形で出しているのが気になりました。実際問題、自治体間の格差をなくしていくという施策であるにもかかわらず、なかなか認知症のチームオレンジを設置している都道府県数が伸びていないということで、ただ、できている都道府県においてそこに関わっている人の人数はすごく増えている。この結果はそういうふうに理解したらいいのですか。
○認知症担当企画官
 そちらも分析できていないので、要は都道府県によって、今、手元に持ち合わせていないので確認したいと思います。
○岩崎委員
 要は、設置している市町村の数が伸びていないにもかかわらずチーム員の数が増えているというのは、設置している所でたくさんの方がそこに関わってくれていると読んで大丈夫ですか。
○認知症担当企画官
 そこは、それぞれチームオレンジの数の伸びとチーム員数の伸びというのが、どうなのかというのは分析できていないので。
○岩崎委員
 そうなのですね。私が気になったのは、要は頑張っている市町村はすごく頑張っていて、あまり頑張り切れていない所は、頑張り切れていないという現状がそのままなのかなと、この数字を拝見して心配しただけなのですが、要は認知症サポーターはものすごく数が増えましたね。うちの大学でも会場をお貸しして先生方も一生懸命やっていたりします。でも、その活動がどこに帰結していくのかといったときに、目玉としてこのチームオレンジを置いて、アウトカム指標としてやっているのだとしたら、結果として重要な問題だなと思いました。もし、今日は手元に資料がないようでしたら、もうちょっと詳細な内容を教えていただければと思います。
○菊池座長
 今の御指摘ですが、指標2と指標2-2の関係ですね。これは総合判定にも関わってくる重要な部分ですが、5ページの右上の判定理由で、「チームオレンジ等設置自治体数」は「×」だが、指標2-2の「チーム員数」は「◎」だから、自己評価としてはプラス評価ですね。ただ、今の岩崎委員の御指摘にもあるように、私も普通に読むと自治体数は増えていないのに員数が増えているということは、それぞれに関わっている人が増えているのであり、この指標を立てた目的は何かというところに立ち戻って、それぞれの所に関わる人が増えればいいのか。いや、そういうチーム員数より、自治体数の裾野を広げていくところに主眼があるのか、その捉え方次第でこの判定の評価が大きく変わりうる。そこのところなのでデータがないという話とはまた違うと思いますけれども、これは最終的に判定に関わってくるので、どうでしょうか。
○認知症担当企画官
 アウトカムですので、チームオレンジを設置する自治体数はあくまで確認すべき指標であって、結果、地域において正に認知症に関わっていただける方がどれほど増えているのかというほうが大事だと思っていますので、チーム員数は◎ということのほうを重視してこのように書きました。
○岩崎委員
 地域間格差を少なくするということも挙げてあります。そこら辺の矛盾をどういうふうに説明されるかは、すごく大事かなと思ったのです。
○菊池座長
 人数が増えればよいという目標を立てていて、そちらのほうが大事だと、だからプラス評価だと、そういうことなのだという御説明だと思います。
○認知症担当企画官
 もちろん地域間格差も大事なので、そこは解消しなければならないというので課題として正に書いていますけれども。
○菊池座長
 大都市部で有力な団体とか、カリスマ的な人が何人かいて、それが全国の幾つかの箇所でワッと増える、でも他のほとんどの自治体ではそういうのが立っていかない。でも、そうして局所的に人が増えていくのであっても政策としてはそのほうがいいのだと、そういう評価ですよね。そういう施策の立て方からすれば、これは達成しているほうに傾くのだということになるわけです。ただ、岩崎委員は、それでいいのかという話をされているのだと思います。差し当たりはここで置かせていただいて、これは評価に関わるので、ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。今のところに関わるので事務局に確認したほうがいいのかもしれませんが、目標達成度合い測定結果が4で、主要な指標で×が付いているけれども、総合判定はBであると、これはあり得るものなのでしょうか。ここは事務局に確認します。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 こちらの達成度の区分の考え方の基本としては、概要資料の2ページに書いてあるフローチャートのとおりですが、ただ、これを毎回、厳密に当てはめているというわけではなく、未達の要因や全体的な指標の状況に応じて、フローチャートとは若干異なる判定をすることはこれまでも行っているところです。
○菊池座長
 あり得るということではあります。最終的にはここで×を付けるとか、そういう会議体ではないので意見を述べるにとどめるということになりますが、岩崎委員から御意見を頂きました。ほかの委員から、いかがでしょうか。ちなみに、こういう評価は総合的なものなので×が1つ付いたとしても、全体の評価には響かないのではないかというお考えもあり得るかと思います。今、岩崎委員と所管課とのやり取りがございましたが、ここで何かほかに御意見があれば承っておきたいと思います。いかがでしょうか。平野委員、お願いします。
○平野委員
 意見ということでもないのですが、表2の自治体数の具体的に×になっている元のデータ自体を、もう一遍確認していただけますか。
○認知症担当企画官
 それは、資料2-1の2枚目、指標2の上です。チームオレンジのほうですけれども、779市町村以上を目指すところを、まだ令和4年度の状況は集計中ですが、そもそも令和3年度の時点で220までの状況なので。
○平野委員
 そういう意味ですね。そこで圧倒的に足りないということで×が付いたと、その意味自体は結構大きな話なのではないかと思うので、もちろん、下の話も分からないではないですが、そこは少し丁寧に記述していただいたほうがよろしいのではないかと思います。一概に×だということを強調する必要はないですし、集計中ということもありますけれども、結局、目標から割り戻したからこういう数字になっているということですよね。だから、もう1つ前の年から見ると、ということではないと。
○認知症担当企画官
 220そのままではないということです。
○平野委員
 だから、伸び率を達成していないと、そういう意味ですね。
○認知症担当企画官
 そうです。
○平野委員
 ですから、これ自体があまりにも極端な伸び率を表しているのではないかという意味も含めて、今、もう一度質問しました。
○調査分析・評価担当参事官
 補足しますと、恐らく令和7年の目標は全市町村であって、それとの均等割りで出すとこうなるので、220というのはあまりにも少なく見えてしまう。それを今年、どれぐらい増やしたかというところで、普通に考えると×ではないかというニュアンスなのかと思いますが、それで×とするかどうかというところは少しまた余地があるのかなと思います。
○平野委員
 そういう意味ですね。
○菊池座長
 ほかには、いかがでしょうか。藤森委員、特によろしいですか。
○藤森委員
 そうですね、「それぞれ設置自治体数の所とチーム員数で、前年度を上回る」という目標と「全自治体100%目指していく」という目標に違いがあり、それぞれ×と◎ということで、同じ項目の所で異なる結果になっているという問題点だと思います。ただ、ここで課題として出てきている自治体間の格差は評価書にも書かれています。そうすると、全自治体がチームオレンジを設置することを目標にしている中で、なかなかここだけ進んでこなかったということだと思います。逆に言うと、別の設置のところは、もちろん△になっている所が指標3にありますけれども、なぜここだけ×で、これだけ進まなかったの、分析が必要ではないかと、思ったところです。
○菊池座長
 ありがとうございます。その辺の目線の置き方というか分析の視点の置き方が、先ほどから平野委員がおっしゃっておられるように、どこに拠点を置いて見ていくのか、施策を進めていくのか。どんなに国がチームオレンジをやっていこうと言っても、自治体レベルではそこはそんなに大事なことではないのかもしれない。そうだとすると、それは施策の置き方自体がそもそも適切ではなかったということかもしれません。政策評価というのは○とか×で所管課が評価されることに重きがあるものではなく、所管課が進めようとしている施策を更に推進するために何が必要かを、政策評価を通じて自己分析することにこそ意味があるわけで、施策をよりよく進めるための政策評価であるという、そこに立ち返って御検討いただきたいと思います。大分時間も過ぎてきました。あとは、認知症基本法が成立した中でこの施策をどうするのか。これからその心配もありますけれども。
○認知症担当企画官
 そうですね。認知症基本法が6月に成立して1年以内に施行となっていまして、最近で言うと、施行されたら今度新しく計画を作るということに。国としても計画を作り、都道府県、市町村でも計画を作っていただきますが、その前段として今後、9月には御本人、御家族の意見を聞くような会議をやるようにという総理からの指示もあったりするので、認知症については、国家プロジェクトとして取り組まなければならないという状況となっています。目標の置き方等、不十分な点はありましたが、施策自身はかなりギアを入れて進めていきたいと思っています
○菊池座長
法律の立て方と連動して、こちらも変わってくる可能性がありますね、そういう意味ではね。結構です。いろいろ出ましたので、評価書に丁寧に記載していただきたいと思っています。ありがとうございました。御苦労さまでした。
(所管課入替え)
○菊池座長
 時間が押してきましたので、3つ目のテーマに移りたいと思います。施策番号ⅩⅣ-1-1、行政手続のオンライン化を推進することにつきまして御説明をお願いいたします。
○情報化担当参事官
 大臣官房情報化担当参事官の岡本です。資料のほうで簡潔に御説明申し上げます。資料3-2の4ページ目です。大目標ということで、情報化を推進するという中で、施策目標1番、行政手続のオンライン化を推進するということです。オンライン化は行政としてずっと長らくやってきたわけですが、昨今のデジタル庁の設置を含めて、政府全体としてギアを入れていく中で、一つの柱として行政手続のデジタル化についても取り組んでいます。
そうした中で、デジタルの3原則と書いておりますが、デジタルファースト、ワンスオンリー、ワンストップということで、3つの原則を全て進めてきているところです。※の1で、細かくなっておりますが、オンライン化に関しては令和3年12月に閣議決定しまして、その中で、オンライン化することが適当でない、あるいは費用対効果が見合わないというものを除いて、添付書類の提出、本人確認、手数料納付も含めて、手続全体をオンラインで実施できるようにすることを原則として、各省庁は速やかに取り組むという形になっています。
 そういった中で、これまでの政策評価の体系の中で、課題となっています。重点手続、これは※の2に書いてありますが、要するに、件数が多い、あるいは、特に企業等で反復、継続して利用する手続に関して、オンライン申請率が平成28年度は12%であったということですが、こういったものについてオンライン申請を進めていくということです。達成目標としては、重点計画等に基づいて、原則オンライン化を計画的に進めていくとのことです。
 2つ、測定指標がございます。1、主要な指標ですが、これはアウトカムということで、最終的に、この重点手続に該当する手続で、オンライン申請がどの程度なされたのかということです。もう1つは、手続の中で、オンラインができるようにしたものがどのぐらい占めているのかというのが、もう1つの指標です。
 次の5ページですが、実績評価です。判定はいずれについても、◎ということで、目標を達成していると評価をさせていただいています。その上で、指標1、指標2のどちらも目標を達成しています。
施策の分析ということですが、有効性については幾つかポイントになるような対応をしてきています。1つは、大規模法人に関して、電子申請を義務化するとともに、企業の社会保険関係の書類づくりに関する、ソフトウェアのベンダーとの協議をかなりの頻度で実施しています。それから、こういった手続を社会保険労務士の方が代行する形になっておりますので、そういった方との協議会も開催してきています。
 それから、システム面ですが、これもオンライン手続が始まった頃から、厚生労働省のほうで汎用受付システムを運用したりとか、それから、政府全体としては法人・個人の事業主向けの共通認証基盤の利用も可能にしていくということで、政府全体の取組と整合性を取りながら取組を進めてきたということです。
 それから、効率性の評価ですが、この汎用受付システムは厚生労働省のほうで整備したものですが、これについて、政府全体の方針として、共通のサービスに関しては政府の共通の基盤のほうに揃えていくようにとありますので、e-Govのほうで審査支援サービスとか、手数料納付のほうもこれから機能が揃っていきますが、そういった機能が揃っていくに従って、厚生労働省の汎用受付システムは段階的に運用を終了していく。こういう中で関連予算の減額等をしているわけです。そういったことで、政府全体としても効率的な施策の推進ということに留意をしてきています。
 右側の所ですが、現状の分析です。オンラインの申請率に関しては、令和3年に目標値50%ということですが、こちらのほうは達成しています。当初の平成29年度の16%から目標値の50%を達成している。令和4年には59%というふうな形になっていることがありますので、今後、目標値の引上げを検討していく必要があるのではないかということです。
 それからもう1つ、指標2で、実施手続の割合です。これについては前年度以上ということで、対象とする手続の分母のほうを年々増やしていっていますので、そういった中で、毎年、前年度を上回るようにしていくということで、これについても目標は達成してきています。
 一番最後、次期目標への反映の方向性について先ほど申し上げましたが、目標値を大幅に超えていますので、目標値の引上げについて実施していく必要があるだろうと考えております。それから、指標2のほうについても、前年度以上との目標を堅持していくと記載はしておりますが、先ほど申し上げたように、政府全体で、特段の理由があるものを除いてオンライン化すると決定をしております。基本的には令和7年までにそれをするということですので、これまでは毎年、判断で分母を増やしていく形になってきておりますが、令和7年に向けて分母のほうがある程度一定になってくるのではないかと考えております。ただ、そういった中で、目標については達成しているという中で、次の目標を考えていきたいと考えています。簡単ですが、説明は以上です。
○菊池座長
 ありがとうございます。それでは御意見、御質問等頂ければと思います。いかがでしょうか。藤森委員、お願いします。
○藤森委員
 定めた目標を達成されているのは、着実に進んでいることを把握できました。私がこれから申し上げることは、素頓狂なことかもしれませんけれども、頂いた資料の7ページの所に、デジタル社会の実現に向けての理念・原則という所が書かれております。その中のデジタル社会形成のための基本原則の所の10原則の所の5の所に、社会課題の解決という形が書かれていまして、私の見当違いかもしれませんが、多分ここの社会課題の解決というのは、集めたデータをどうやって使っていくのかということに関わることなのかなと思っております。もしかしたら、今やられている範疇から外れることかもしれませんが、そんな形の所を次の所として目標の設定としてはあり得るのかどうなのかをお伺いしたいと思いました。以上です。
○情報化担当参事官
 目標設定というものは、どういう社会課題を解決するのか、社会課題そのものを目標にというのは、なかなか簡単には難しいのかなという感じはします。デジタルの世界では集めたデータをどう使うかみたいなところが流行りというか、そういうことがあるかと思いますが、そこまでいかなくて、もともと手続自体をオンラインにする、あるいは個人認証であるとか、法人認証というのは、いちいちその属性を確認せずに1回で済むようにするということが結果的に、あるいは添付書類を無くす、マイナンバーの関係もそうですけれども、そういったオンラインを使う基盤を使っていくことで、手続自体の負担が相当、国民あるいは事業主にとって軽減される。これが一番のコアの話だと思っています。そういう意味で、目標の設定の範疇を少し広げたほうがいいのか、それとも今の段階ではこれから検討はいたしますが、基本的にはやはりまだ手続として残っている所をどうするか。この辺の分析というのは関係局全体足し合わせて平均で50数%ということであります。実際には雇用保険とか、厚生年金とか健康保険で、非常にこれは事業主の手続が多いところになりますが、これらの手続が6割ぐらいに来ておりますので、これはかなりの成果だと思っております。ただ、分析が必要なのは、大企業を中心でやってきている中で、それ以外の所をもっと細かく見てみないといけないと思いますが、そういった所に普及していくためには次のネックがあるのか、あるいはメリットを感じていただくにはどういうことが必要なのか、この辺りは利用手続件数の大きい部局を中心に考えていく必要があるのではないかと今の段階では思っております。
○藤森委員
 手続の利便性の所はとても重要で、これから一層進めていくべき所だと思うのですが、一方で、先ほどのデータの活用みたいな話は、これはなかなかセンシティブな所があるのは重分承知した上ですが、例えば生活困窮の分野だと、真の困窮者は一体誰なのかという所をもう少し精緻にデジタル化によって進められるのではないかという声も聞いています。もちろんどの分野に焦点を合わせるかという所もまた議論の1つなのだろうと思いますが、その活用の所というのは次の段階としてまだ先の話かもしれませんが、あり得るし、そういう活用の仕方の所の議論というのももう少し国民の中でも起こしていく必要もあるのかもしれないなと思いました。以上です。
○情報化担当参事官
 もう1つは、政策の体系の中でデータヘルスというような部分があります。医療関連部局がやっているかと思いますが、今おっしゃるように、例えばオンライン資格確認の生活保護も含めて広げていこうとか、そういう資格管理みたいな所で今マイナンバーカードとか、保険証、かなりいろいろな議論があります。それ自体というのは患者さん、被保険者の方の利便性であったり、例えば薬剤情報に関して重複禁忌がちゃんと把握ができるというような部分ですとか、あるいは医療保険なり、医療機関側からしたら、資格がきちんとリアルタイムで管理できることによって、返戻であるとか、そういう手続がなくなるというような話があるかと思います。デジタル庁の原則・理念は大分広うございますので、御指摘のように本当にデジタルの活用分野でできる分野は多々あるかと思います。例えば困窮者の方にしても、いろいろな給付の話にしても、知らないから受給していなくて、そういうのはプッシュ型でお知らせするというような話も含めて、予防接種とか、接種券であるとか、健診も今まで行政がアクセスできなかった所にアクセスできる、あるいは国民の方がよりアクセスしやすいようにする意味で、いろいろな可能性があると思います。
それを私の所は官房ですので、全体の将来の施策が体系的であり、総合的にうまくいくようにということはありますが、それぞれの施策分野でもデジタルを活用したらもっとうまくいくのではないかというような話は、それぞれの部局でも真剣に考えていかなければいけないし、それから、今基盤が共通なので、私の所の課題というのは、むしろちゃんと整合的になっているかという所を見る面が、私どもの役割としては更に強くなっていくのは、医療と介護をどうするのか、あるいは予防もどうするのかと、部局自体は何部局にもまたがっている中で、対象の主体からするとサービスは1本ですし、医療機関にしてもベンダーさんにしても、こういうサービスができたけど、こういう改修ができたんだけどというのを都度言われると、どうなっていくのかがやや見えにくくなっている面があるのではないか、その辺りが今、厚生労働省なり、私ども官房で抱えている課題としてはそういうことかなと認識しております。
○菊池座長
 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか、特にありませんか。今後いろいろな意味で発展し得る分野だと思います。それでは、本日の御意見を踏まえて、実績評価書への反映等を、必要に応じてお願いできればと思います。御苦労さまでした。
 大分、時間を押しておりますが、次の議事に入ります。(2)~(4)まで、当初は時間があれば1つずつ、時間を掛けて御意見を伺おうと考えていたのですが、時間が余りないので一挙に(2)~(4)までやっていただきます。ただ、資料4の番号1、15、17はちょっと御説明だけ頂いて、御意見は後ほどという形にさせていただきます。よろしくお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 では、議事(2)~議事(4)までをまとめて、事務局より御説明いたします。その後に御議論、御発言を頂ければと思います。
 まず、資料4「第13回政策評価に関する有識者会議 福祉・年金WGにおける御意見等への対応状況について」です。本年2月に開催した福祉・年金WGで出された個別の御意見について、担当部局に対応状況等を照会して一覧表の形でまとめたものとなっております。表紙の部分、全体として20個の対応状況を記載しました。それぞれの区分で何%該当しているかを整理しております。御意見と対応状況を2、3個御紹介いたします。
 1ページ、番号1、施策目標Ⅶ-1-1の生活保護制度を適正に実施することという目標でしたが、平野委員からの御意見として、測定指標4と5というものがありましたが、こちらは被保護者就労支援事業等の活用により日常生活の課題がある者の状態像が改善した割合となっておりました。これについて「日常生活と社会生活の改善はどこまで区別できるのかという点で大変難しい指標である。」その上で、例えば、「被保護者世帯数に対する就労支援員の数の比率など、自立支援に向けた何らかの条件整備に該当するようなアウトプット的指標があったほうがいいのではないか」という御意見を頂きました。
 右側の対応状況として、生活困窮者自立支援及び生活保護部会の中間まとめにおいても、今一度、3つの自立について、その趣旨や内容をしっかりと浸透させていくこと、また、日常生活自立・社会生活自立の指標が設定されていないということが指摘されておりました。
 一方で、毎年度の自治体向けの調査において、支援を受けている対象者ごとに状態像の変化を自治体から御報告を頂いており、日常生活と社会生活の改善の区別自体はされているものと承知しているところです。
 一方で、令和4年12月に策定された「新経済・財政再生計画改革工程表2022」において、日常生活自立・社会生活自立に係る指標、この分析表における測定指標4と5に該当するものを設けたところなので、まずは、これらの指標がどのような推移となるかを確認していきたいと、また、例示いただいた就労支援員の数の比率の例については今後の参考にさせていただきたいと考えております。
 3ページ、一番下の番号15、Ⅶ-3-1に関する御指摘を列挙しております。こちらは戦傷病者、戦没者遺族等への援護、戦没者の遺骨の収集等を行うことという目標です。菊池委員からの御意見として「特別弔慰金の請求受付処理状況は、都道府県ごとに大きな差がある、数値が低い都道府県にターゲットを絞って改善していくのが適切ではないか。この観点から、課題等の設定についても工夫が必要ではないか」という御指摘を頂きました。
 対応状況ですが、御意見を踏まえ、課題及びそれに対応する達成目標の記載に特別弔慰金について迅速かつ適切な処理を促進するといったような記載を追記しております。
 また、第11回特別弔慰金請求受付期間が令和2年~令和5年3月までの請求受付件数と裁定県処理済み件数を参考指標として追記しており、区分として対応を記載しております。
 次の政策目標について、番号17のⅩ-1-2、高齢者の在宅生活に必要な生活支援、介護予防サービスを提供するとともに生活の維持向上によって虚弱を防ぎ、元気で豊かな老後生活を支援することという目標でした。こちらについて、平野委員より「体制整備がある程度進捗する一方で、生活支援コーディネーターや生活支援体制整備に係る協議体の活動内容に課題があるのであれば、配置人数や協議体の数ではなく、活動内容に関することを指標にすべき」という御意見を頂きました。
 こちらの御意見を踏まえ、生活支援コーディネーター及び市町村の生活支援体制整備に係る取組を評価する観点から、地域における介護予防、生活支援サービス等の提供状況、地域支援など、高齢者の地域の担い手としての参画状況等を把握してデータとして整理し、これを踏まえ、生活支援コーディネーターとともに、協議体を活用しながら地域の課題を分析・評価している市町村数を新たな指標として追加しております。区分としては対応としております。こちらについては細かい内容になるので、基本的に、御意見等は会議開催後の8月29日の火曜日までに事務局まで御連絡を頂ければと思いますが、本日、是非、議場で発言をというものがあれば後ほどお願いします。
 続いて、資料5の令和4年度の分野横断的に実施している政策の評価書についてです。本年3月に開催された有識者会議で委員の皆様からいただいた御意見を踏まえ、追記を行った最終版を6月に当省ホームページにて公表しております。いただいた御意見及びそれを踏まえた対応の内容を明らかにするため、御意見については、「7 学識経験を有するものの知見の活用」にまとめ、御意見も踏まえた総括を「8 政策評価の結果」としてまとめております。すみませんが、細かい反映の具体的な状況については説明を省略させていただきます。貴重な御意見を頂き、誠にありがとうございました。今回は、初の分野横断評価の取組でしたが、本評価書が今後の評価軸や施策の検討にもいかされるよう、原局と引き続き連携してまいります。
 続いて、資料6の令和5年度に評価を行う分野横断的な政策についてです。こちらも本年3月に開催された会議で委員の皆様から議論いただいたものです。施策の担当課とも調整を行った上、いただいた様々な御意見を踏まえ、どのような対応を行うかをまとめた資料を2ページ目に追加しております。
具体的な内容は左側に御意見をまとめております。青枠部分は本テーマを取り上げる意義や目的に関する御指摘です。例えば、改正法が施行され連携に関する取組が始まる時期なので、評価時期は少なくとも1年度後ではないか。よい実績値とならないことが予想されるので、数値だけを見て、連携の評価を行わないよう共通認識を持つことが必要といった御意見がありました。これに関しては、実績評価方式による評価書とは異なって、改正法による雇用施策と福祉施策の連携強化の進捗状況自体を評価することが目的ではないということを、評価書の目的欄に明記いたします。
 オレンジの枠は評価書の内容に関する御指摘です。例えば、好事例の共有などから、今後何が必要かを明らかにすることも含めて考えれば、障害者就労支援における雇用と福祉の連携をテーマとして掲げることも有益ではないか。また、当事者の視点からも評価を行うことで、当事者の求める支援等を把握し、取組につなげていってほしいなどの御意見がありました。
これに対しては、医療・雇用・福祉の連携の好事例を取材して、それを3つの視点で分析したいと考えています。具体的には、支援者の視点として効果的な連携と評価するためには、支援者間でどのような要素が満たされていると考えるかを分析、当事者の視点として効果的な連携が当事者にどのような影響を与えるかを分析、雇用者の視点として就労支援や定着支援に当たり、医療・雇用・福祉の連携が図られていることが雇用者にどのような影響を与えるかを分析することを考えております。その上で、連携を評価するためにどのようなデータを示せばよいかなどの検討を通じて、政策評価に係る評価書の現状分析を記載する上での1つの材料を示すことを目指したいと思います。
 緑の枠は本テーマを取り扱う際の留意点等に関する御指摘です。例えば、政策の方向性にも関わる内容であるため、厚労省内の所官部局と十分に調整を行った上で評価書案の取りまとめを行う必要があるのではないかなどの御意見がありました。これに対して、改正法の施行に向けた取組が進められているところであることもしっかりと念頭に置きながら、制度所管部局と十分に調整し対応してまいります。
 以上の整理の下、障害者の就労支援のための雇用施策と福祉施策の連携をテーマとして令和5年度の分野横断的評価を進めさせていただきたいと考えております。事務局からは以上です。
○菊池座長
 ありがとうございます。特に、資料4については幾つか御紹介いただきましたが、対応困難といったものもありますので、それらについても何かあれば、是非、事務局のほうにお伝えいただいて調整を図っていただくことになると思いますのでよろしくお願いいたします。この場で何か御意見があれば承りたいと思います。いかがでしょうか、特によろしいですか。いつまででしたか。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 8月29日の火曜日まででお願いします。
○菊池座長
 では、それまでにお願いいたします。最後のほうは駆け足になって申し訳ございませんでした。以上をもちまして議事は終了いたしました。
 本日は非常に有意義な御議論と御意見を頂きありがとうございました。それでは、事務局から今後の扱いについてお願いいたします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 本日、いただいた御意見等の取扱いですが、まず、実績評価書の記載に関する指摘については、担当課において必要な修正をするとともに、評価書の「学識経験を有する者の知見の活用欄」に反映状況を記載させていただきます。会議の場で伝えきれなかった御意見もございましたら、8月29日までに事務局まで御連絡ください。実績評価書については当室で取りまとめの上、総務省への通知、及び厚労省ホームページでの公表手続を進めさせていただき、併せて皆様にも最終版を送付いたします。
また、今後の目標設定等に関する御指摘のうち、中長期的な検討課題となるものについては、事務局で整理の上、担当部局にて検討の上、皆様には今後の会議で進捗状況を御報告させていただきます。説明は以上です。
○菊池座長
 ありがとうございます。これをもちまして、本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。