第37回全国健康保険協会業績評価に関する検討会 議事録

日時

令和5年8月1日(火)14:00~16:00

場所

全国都市会館

議題

(1)令和4年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について
(2)全国健康保険協会の令和4年度業務実績に関する評価の基準について
(3)令和4年度全国健康保険協会事業計画について

議事

 

○髙橋室長 定刻となりましたので、ただいまより第37回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。
 皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
 事務局を務めます、保険課の髙橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とさせていただいております。会議中、御発言の際は、Zoomの「手を挙げる」機能を使用せず、カメラに向かって挙手していただくようお願いいたします。
 挙手後は、座長の指名を受けた後、マイクのミュートを解除の上御発言いただき、終了後は再度マイクをミュートにしていただきますようお願い申し上げます。
 また、議題等に対して御賛同いただく際には、カメラに向かってうなずいていただくことをもって「異議なし」の旨と確認させていただいております。御異議がある場合は、カメラに向かって挙手をお願いいたします。
 会議の開催に先立ち、構成員の皆様につきまして御紹介させていただきます。
 尾関構成員。
 西村構成員。
○西村構成員 よろしくお願いいたします。
○髙橋室長 平川構成員。
 古井構成員。
 森下構成員に本年度も御参画いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 全国健康保険協会の皆様におかれましては、座席表のとおり、安藤理事長以下、オンラインでの御出席となっておりますが、1点お願いがございます。
 出席者多数のため、複数の方で1つの画面を共有することから、質疑等の際、どなたが発言されているか不明瞭となることが想定されます。
 つきましては、誠に御面倒ではございますが、発言の都度、御自身のお名前をお伝えいただきますようお願いいたします。
 全国健康保険協会の役職員に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
 本年3月に審議役に就任された春山様です。
 本年4月に参与に就任された松下様です。
 本年4月に参与に就任された長田様です。
 本年4月に業務部長に就任された兼重様です。
 本年7月に企画部長に就任された内山様です。
 同じく、事務局の異動につきましても御報告させていただきます。
 本年7月に保険課長に着任した山下でございます。
○山下課長 山下です。どうぞよろしくお願いいたします。
○髙橋室長 次に、本日の出席状況ですが、構成員の皆様は全員御出席、全国健康保険協会の岡村理事が所用により御欠席でございます。
 また、西村構成員におかれましては、会場からの御参加となっております。
 会議の開始に当たり、座長についてお諮りいたします。
 今年度につきましても、西村構成員に座長をお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○髙橋室長 ありがとうございます。
 それでは、これより西村座長に進行をお願いいたします。
 恐縮ですが、カメラにつきましては、ここで退室をお願いいたします。
○西村座長 では、ここから私が進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 構成員の先生方には、1年ぶりになりますが、また今年度もよろしくお願いいたします。
 では、本日の議事と資料について、事務局より説明をお願いします。
 髙橋室長、お願いします。
○髙橋室長 本日の議事の内容と資料について御説明いたします。
 議事次第を御覧ください。
 本日の議事は、3点でございます。
 1点目が「令和4年度全国健康保険協会業績評価に関する検討会の進め方について」。
 2点目が「全国健康保険協会の令和4年度業務実績に関する評価の基準について」です。
 この2点は、令和4年度業績評価のスケジュールや評価基準を決めていただくものであります。
 3点目は「令和4年度全国健康保険協会事業計画について」です。
 こちらは、全国健康保険協会より御説明いただきます。
 次に、本日の資料ですが、資料1から資料7までございます。
 資料1は、業績評価に関する検討会の開催要項で、従前からお示ししているものでございます。
 資料2が1番目の議事の資料。
 資料3-1、資料3-2が2番目の議事の資料。
 資料4から資料7が、3番目の議事の令和4年度事業計画についての資料となります。
 説明は以上でございます。
 不足等があれば、事務局へお知らせください。
○西村座長 ありがとうございました。
 資料等はそろっていらっしゃいますでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、早速、議事に入ります。
 初めに、令和4年度の業績評価検討会の進め方についてを議題とします。
 事務局より案を説明してください。
 髙橋室長、お願いします。
○髙橋室長 今後の検討会の進め方について、事務局案を説明させていただきます。
 資料2を御覧ください。
 本年度の検討会につきましても、昨年度と同様に、3回の開催を予定しております。
 1回目の本日の検討会におきまして、評価の基準をお決めいただきます。
 その後、全国健康保険協会において、事業計画の項目ごとに事業実績と自己評価をまとめていただき、2回目の9月12日と、3回目の9月19日の検討会において、内容の御説明とそれに係る質疑を行っていただきます。
 そして、第3回目の検討会終了後、事務局で評価案を作成させていただきまして、構成員の皆様に御提示し、御意見などをいただいた上で、12月には評価を決定したいと考えております。
 説明は以上です。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 ただいま、進め方について説明していただきました。
 事務局からの説明について、御質問や御意見などはございますでしょうか。
 特にないようですので、事務局の案により進めることにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西村座長 ありがとうございます。
 では、これで進めさせていただきます。
 では、次の議題に移ります。
 令和4年度業務実績に関する評価の基準についてを議題とします。
 まず、事務局から説明をお願いします。
 髙橋室長、お願いします。
○髙橋室長 評価の基準案について説明させていただきます。
 資料3-1を御覧ください。
 評価の基準案については、令和3年度に当検討会において、独立行政法人の評価基準を基に見直しを行いましたが、その内容は、令和3年度及び令和4年度は、個別的な評価における困難度の設定と、評語による評価の導入。
 令和5年度からは、総合的な評価における重要度の評価と、評語による評価の導入と2段階の見直しとしておりました。
 評価基準の見直しを2段階とした理由につきましては、見直しを決定した時点では、事業計画における重要度及び困難度をあらかじめ設定することができなかったためです。
 本年度の基準について、具体的に内容を説明させていただきます。
 個別的な評価につきましては、昨年度と同様の評価基準としております。
 定量的な目標に係る個別評価の評語について、計画を達成した状態、すなわち、対計画値100%以上を「B」評価とし、これを標準といたします。
 その上で、対計画値120%以上、かつ、質的に顕著な成果が得られている場合を「S」評価。
 対計画値120%以上を「A」評価。
 対計画値100%未満を「C」評価。
 対計画値80%未満を「D」評価とさせていただきます。
 また、計画値がないものや、業務実績を定量的に測定し難い事業、あるいは定量的な計画においても、例えば達成率120%が物理的にあり得ない事業などにつきましては、定性的な評価をすることとしております。
 また、事業計画において困難度が高いと設定されている事業につきましては、計画達成の際、評語を1つ上げて評価いたします。
 総合的な評価についても、本年度より評語を付して評価することといたします。
 具体的には、個別評価の評語を点数化した上で合計、平均し、小数点を四捨五入した点数を基に再度評語を設定する方法です。
 また、個別評価を点数化する際、重要度が付された事業は、評価を2倍とすることといたします。
 説明は以上となります。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 令和3年度に、独立行政法人の判断基準に準拠した基準が導入されたところですが、今年度は、困難度に加えて、今御説明があった重要度も加え、総合的な評価も行うということでございました。
 ただいまの御説明について、御質問、御意見などはございますでしょうか。
 困難度、あるいは今年度導入されます、かつ、利用します重要度などの設定の仕方などについても御意見いただければと思います。
 御意見、御質問がございましたら、挙手をお願いします。御質問などはよろしいでしょうか。
 では、私から確認させていただきたいのですが、重要度を今年度から導入して、重要度が高い場合には、総合評価のときに係数2を乗じて点数化するので、2倍にするということなのですが、重要度の判断はどのようにするのか分からなかったので、説明をお願いします。
○髙橋室長 重要度につきましては、あらかじめ事業計画に設定されておりますので、事業内容を見て評価したいと思っております。
○西村座長 重要度の判断は基準のようなものはないのですか。
○髙橋室長 そこは議論した上で決めていければと思っております。
○西村座長 個別に決めるということでしょうか。
○髙橋室長 はい。
○西村座長 分かりました。
 重要度はそのようになっているということなので、個別の業績評価で重要度が高いと出されたときに、それが合理的なのか、判断するということでした。
 ありがとうございました。
 ほかに何か御質問、御意見はございますか。
 古井先生、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。
 今、西村先生からもありましたが、前回申し上げましたが、客観的な評価になることが次の改善につながりやすいという視点で、重要度に関しても、なるべく客観的な定義とか、最初に全てはなかなか難しいと思いますので、1年、2年進める中で、こういうことは重要度が高い事業なのだということを明文化していくことが重要ではないかと思います。
 個別に対応するのは、最初は必要だと思いますが、なるべく定義づけ、意味づけがしっかりとされるべきだと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 重要度についてのご質問でしたが、また追加説明がございましたらお願いします。
○髙橋室長 今いただいた意見を基に再度検討いたしまして、御提示させていただければと思います。
○西村座長 ありがとうございました。
 評価を継続していく中で、こうした客観的基準もつくっていけたらと思います。
 古井先生、ありがとうございました。
 ほかにございますでしょうか。
 尾関先生、お願いします。
○尾関構成員 ありがとうございます。
 1点質問なのですが、総合的な評価に関しまして、この評価単位のくくりを確認したいのですが、協会けんぽと船員保険と2つのくくりになるのか、どういうくくりで総合評価をされるのか、教えていただけませんでしょうか。
○西村座長 ありがとうございます。
 総合評価を今年度から活用するということで、評価の単位、くくり方について説明をお願いします。
○髙橋室長 ありがとうございます。
 制度としては区別せず、健康保険、船員保険を一つとして総合評価とさせていただきます。
○尾関構成員 分かりました。
 ありがとうございました。
○西村座長 2つに分けて評価するのかと思ってしまいましたが、一つにまとめて総合評価ということです。よろしくお願いいたします。
 ほかにございますでしょうか。
 それでは、ほかに御意見や御質問などはありませんようですので、この評価基準について御了承、事務局案のとおりとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西村座長 では、この基準で今年度の業績評価を進めたいと思います。
 ありがとうございます。
 それでは、最後の議題となりますが、令和4年度の事業計画について、協会より御説明をお願いいたします。
 協会理事長の安藤理事長でよろしいですか。
 お願いいたします。
○安藤理事長 理事長の安藤でございます。
 本日は、構成員の皆様方には、協会けんぽの事業運営に関しまして、忌憚のない御意見を賜りたいと考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 協会けんぽは、令和4年度で設立から14年目を迎えました。
 設立以来、保険者機能を発揮することにより、安定的な財政運営を図るとともに、加入者の健康増進及び良質かつ効率的な医療を享受できる環境整備という基本使命を果たすべく取り組んできております。
 この基本使命を実現するため、3年ごとに中期的な事業運営方針である保険者機能強化アクションプランを策定するとともに、毎年度事業計画を策定し、これらに沿って事業運営を行っております。
 令和4年度は、令和3年度から令和5年度までの中期行動計画である第5期アクションプランの2年目に当たる年でございました。
 第5期アクションプランでは、第4期アクションプランから継続して、基盤的保険者機能関係、戦略的保険者機能関係、組織・運営体制関係の3つを事業運営の柱として据え、3年後の到達目標として、可能な限りKPIを設定し、達成状況の見える化を図っております。
 各年度の事業計画につきましても、アクションプランと同じ三本柱に基づき、具体的な重点施策を定めております。
 事業計画の詳細につきましては、この後、企画部長から御説明させていただきますが、私からは、まず、令和4年度における事業の実施状況を概説させていただきます。
 まず、1つ目の柱である基盤的保険者機能関係についてでございます。
 協会の財政は、近年、継続して安定しておりますが、医療費の伸びが賃金の伸びを上回る財政の赤字構造は解消されておりません。
 加えて、高齢化の進展で、高齢者の医療費が今後も増大し、後期高齢者支援金の大幅な増加が見込まれること等により、今後も楽観を許さない状況でございます。
 こうした状況を踏まえ、中長期的に安定した財政運営に努めております。
 また、協会では、現金給付の申請受付から支払いまでの期間を10営業日以内とすることを目標として設定しておりますが、達成率は99.9%と令和4年度も高い水準を維持しております。
 レセプト点検につきましても、点検員のスキルアップを図るほか、PDCAサイクルによる現状の把握及び改善に努めること等により、効果的な点検を実施してまいりました。
 さらに、こうした事務処理プロセスについて、事務処理手順書に基づく統一的な事務処理を徹底することなどにより、生産性の向上に取り組んでおります。
 次に、2つ目の柱である戦略的保険者機能関係についてでございます。
 令和4年度の保健事業におきましては、特定健診及び特定保健指導の実施率はそれぞれ約58%、約18%と堅調に伸びてきております。
 また、健康宣言事業の宣言事業所数は、令和4年度末時点で約8万2,000事業所となり、6万4,000事業所以上との目標を大きく上回っております。
 また、近年、財政状況が安定してきていることも踏まえ、運営委員会の委員の皆様、また支部評議会の評議員の皆様からも、発展的な取組を行うべきではないかとの御意見をたくさん頂戴いたしております。
 これを踏まえまして、重症化予防対策の充実、支部における地域・職域の特性を踏まえた保健事業の実施、健診・保健指導の充実・強化から成るさらなる保健事業の充実に向けた取組を進めております。
 令和4年度は、10月から、現役世代の循環器系疾患の重症化予防対策としてのLDLコレステロール値に着目した受診勧奨を開始するとともに、健診実施率の向上に向けて、令和5年度からの生活習慣病予防健診等の自己負担額の軽減、及び令和6年度からの付加健診の対象年齢の拡大を実現いたしました。
 調査研究につきましては、令和2年度から実施している、外部有識者による協会が保有する健診結果やレセプト等のビッグデータを活用した医療費分析等について、令和4年度は新たに4件を採択いたしました。
 また、第1期の研究者たちには、今年6月に行いました協会けんぽの調査研究フォーラムにおきまして最終報告を行っていただいております。
 そのほかにも、都道府県、市区町村、国民健康保険団体連合会、保険者協議会、経済団体、医療関係団体、産業保健関係団体といった地域の関係者との間で、顔の見える地域ネットワークを構築し、医療や介護の各種審議会等の議論の場で意見発信を行うなど、多角的に保険者機能の強化に努めてまいりました。
 次に、3つ目の柱であります、組織・運営体制関係についてでございます。
 保険者機能を支える力の源泉は人でございますが、令和4年度の協会の加入者数は約4,000万人と、2008年の協会発足当時から約500万人増加している一方、協会の職員数は、本年4月の段階で正職員約2,000名、契約職員約3,000名と、協会発足時からほぼ横ばいにとどまっております。
 加入者増加による業務量の増加について、協会といたしましては、職員増ではなく、業務の効率化等で対応すべく、OJT及びそれを補完する各種研修による人材育成やコンプライアンス、ハラスメントの防止などの徹底を通じ、組織力強化に努めていることを御認識いただければと思います。
 そのほか、協会業務の円滑化のため、システムの安定稼動に努めるとともに、制度改正への対応や業務改革の推進に合わせ、システムの改修や構築を進め、当初予定のとおり、令和5年1月に無事新業務システムのサービスインを迎えたところでございます。
 また、協会では、都道府県支部単位で自主自律の運営を行うとの設立時の理念に基づき、支部自らの創意工夫を生かして、様々な事業を実施しております。
 しかし、都道府県単位保険料率決定の要因となる医療費の地域差や健診実施率等の保健事業の地域差は依然大きい状況にあります。
 本部機能及び本部・支部間の連携強化の下、こうした地域差の縮小を図るため、令和3年度に取りまとめました戦略的保険者機能関係等の充実・強化に向けた本部・支部の連携強化の方策に基づき、令和4年度より、支部におけるエビデンスに基づく効果的な事業実施に向けたサイクル化の実現を図るため、支部事業計画及び支部保険者機能強化予算の策定スケジュールを見直すとともに、予算面でも支部の取組を支援するため、支部保険者機能強化予算の拡充を図りました。
 また、都道府県単位保険料率が高い水準で推移している北海道、徳島、佐賀の3支部を対象に、保険料率上昇の抑制が期待できる事業の実施に向け、医療費、健診データ等を用いた医療費格差等の要因分析及び要因分析結果を踏まえた事業企画等について、外部有識者の助言を受けつつ、本部と3支部が連携して検討を実施する保険者努力重点支援プロジェクトを開始し、要因分析の具体的な実施方針等を決定したところでございます。
 最後に、協会は、船員保険の保険者でもあるところでございます。
 船員保険についても、加入者への良質なサービスの確実な提供、健全な財政運営、加入者の健康維持・増進及び組織・運営体制の強化に取り組みました。
 以上が、令和4年度の主な取組でございます。
 第5期アクションプランの中間年として、KPIの達成に向け、各種取組を推進したほか、さらなる保健事業の充実や、保険者努力重点支援プロジェクトの実施等、戦略的保険者機能のさらなる充実・強化に向けた基礎固めを行った年度であったと考えております。
 今後も、医療保険制度の持続可能性を確保しながら、加入者の皆様の健康を守るための取組を推進していく所存でございます。
 それでは、続けまして、令和4年度事業計画の詳細につきまして、企画部長から御説明させていただきます。
 本日はよろしくお願いいたします。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、企画部長、続けてお願いいたします。
○内山部長 企画部長の内山でございます。
 続きまして、アクションプランの概要と、令和4年度の事業計画について説明させていただきます。
 全体のスケジュールでございますが、先ほど資料2にございましたとおり、本日は、私ども協会の令和4年度の事業計画について説明させていただき、次回、次々回で令和4年度の事業実績及び自己評価について御議論いただくということでございますので、本日は、事業計画について御説明させていただきます。
 まず、資料4に基づいてアクションプランの概要について説明した上で、資料6に基づいて昨年度の事業計画について説明させていただきます。
 まず、資料4を御覧ください。
 私どもの第5期アクションプランの概要についてでございます。
 資料1にございますとおり、健保法に基づき委員の皆様に御議論、評価いただく対象は、協会の各事業年度の業績についてでございますので、アクションプランについては、その前提として簡単に説明した後で、令和4年度の年度計画について説明させていただきます。
 資料4をお開きいただきまして、1ページ目でございます。
 まず、私ども協会の基本理念でございます。
 私どもの基本使命といたしまして、保険者として健康保険事業、船員保険事業を行って、加入者の皆様の健康増進を図るとともに、良質かつ効率的な医療が享受できるようにする。そうしたことを通じて、加入者及び事業者の皆様の利益の実現を図るところでございます。
 基本コンセプトについては、4つございまして、1つ目が自主自律の運営でございます。加入者及び事業者の皆様の御意見をしっかりと聞いた上でやっていくということでございまして、私どもが御意見を伺う場としては、まず、健保法に基づく運営委員会がございまして、そこで事業主及び加入者の皆様の御意見をいただいております。
 そのほかにも、各支部・都道府県レベルで支部評議会を設け、皆様の御意見を聞いているところでございます。
 それから、基本コンセプトの2つ目でございますが、公正で効率的な運営でございます。
 当たり前のことでございますが、公正で効率的な運営を通じて、皆様から御信頼いただけるような組織にするということであります。
 3つ目が、加入者、事業者の皆様への質の高いサービスの提供であります。
 4つ目が、被用者保険のセーフティーネットとしての健全な財政の運営。
 継続的・安定的な運営を図り、健全な財政運営を維持していくということであります。
 これらを基本コンセプトにしながら、第5期の事業運営は、先ほど理事長から申し上げたとおり、大きな3つの柱を立てて、それぞれ取組を進めているところでございます。
 まず、3つの柱の1つ目、そのページの左下ですが、基盤的保険者機能関係でございます。
 こちらは、一言で申し上げると、保険者として当たり前にやるべきことを迅速・確実・効率的にやるといったところでございまして、加入者の加入手続、資格管理、医療費・現金給付の審査・支払いなどを迅速・適正に行うのが1つ目。
 2つ目が、不正受給をなくすということで、不正受給対策といった取組をしております。
 3つの柱の2つ目は、真ん中の戦略的保険者機能であり、加入者の皆様の健康を実現した上で、医療費の適正化を実現していくといったところでございます。
 その1つ目ですが、加入者の皆様の健康度の向上や、医療の質・効率性の向上、医療費の適正化を目指すところでございまして、具体的な取組は、2つ目のポツとして、事業主、関係団体の皆様とも連携しながら特定健診・特定保健指導、コラボヘルスなどを重層的に展開するとともに、加入者及び事業者の皆様のヘルスリテラシーの向上を図るといったところでございます。
 3つ目のポツですが、医療費適正化の観点から、ジェネリック医薬品の使用促進等を進めているところでございます。
 一番右が、3つ目の柱でありますが、こういった2つの保険者機能をしっかりと果たしていくために、私どもの組織・運営体制をしっかりとつくり上げていくところでございます。
 それから、3つの柱についてもう少し具体的に書いたのが次のページですが、1つ目の「基盤的保険者機能関係」は、先ほど申し上げたとおりであり、保険者として当たり前のことをしっかりとやっていくところでございます。
 2つ目の戦略的保険者機能関係でございますが、具体的な施策といたしましては、1つ目が、特定健診・特定保健指導を推進していくことであり、1つ目の○にもあるとおり、特定健診の実施率などを少しでも上げていく取組でございます。
 2つ目は、事業者の健診データの取得率を向上させていくことも大事な柱となっているところであります。
 次の特定保健指導の質の向上としては、アウトカム指標の検討です。結果についても評価していくというところであります。
 それから3つ目の柱として、重症化予防の取組があり、昨年度からの新たな取組として、先ほどの理事長からの説明にもございましたとおり、LDLコレステロール値に着目した受診勧奨を始めたところでございます。これが3つ目の柱です。
 コラボヘルスの推進が4つ目の柱であり、事業所や関係団体の皆様とコラボしながら取組を進めていくといったところでございます。
 その内容としては、事業所のカルテや、事業主の皆様に健康宣言をしていただくスキームがございます。よりたくさんの事業者の皆様に参加していただくために、プロセスの標準化などに取り組んでいるところでございます。
 もう一つは、身体活動・運動に着目したポピュレーションアプローチなどの手法の確立といったところ。
 また、メンタルヘルスの予防対策についても進めているところであります。
 次の医療費適正化については、従来の取組を一層進めていくといったところでありますが、新しい施策としては、外部有識者の皆様を活用した調査研究の推進がございます。
 我々が取組を進めるに当たり、しっかりとエビデンスに基づいた取組を進めていくということですので、有識者の皆様のお知恵も借りながら研究を進めて、その研究の成果を私どもの事業にフィードバックさせていくといったところでございます。
 次のインセンティブ制度については、簡単に申しますと、都道府県支部ごとに特定健診・特定保健指導などの実施率、いわゆる頑張り度合いを見た上で、その結果を踏まえて、保険料率に差をつけていくといったところでございます。
 最後に、協会けんぽの活動などに対する広報ということで、私どもの活動のみならず、健診・保健指導の必要性などについて加入者の皆様に御理解いただくのは非常に大事な取組でございますので、周知する媒体として、広報資材の標準化、また、新しい手段としてSNSなどを使った効果的な広報について進めていくといったところでございます。
 最後にこれらの取組を進めていくための組織・運営体制については、ここに書いてあるとおりであります。
 新しい取組として、2つ目の○にございますとおり、本部の機能と支部の機能の連携の強化というところでございまして、先ほど申し上げた戦略的保険者機能をはじめ、しっかりとこういった機能を果たしていくために、本部と支部の連携をより強化していくのも大切なテーマと考えております。
 以上が、資料4に関しての説明でございます。
 続きまして、資料6をお開きください。
 令和4年度の私どもの事業計画、予算でございます。
 まず6ページを御覧いただきたいのですが、基本的な理念につきましては、今申し上げたアクションプランと同じものです。アクションプランに基づいて、各年度の事業計画に落とし込んでいるところでございます。
 6ページのⅠですが、まず、数値目標の設定につきましては、令和5年度までの3年間の中期計画であるアクションプランと、単年度の計画である事業計画を連動させるということで、各年度の数値目標につきましては、3年後のKPIを前提にして、単年度の進捗に置き換えて数値目標を設定しているところでございます。
 例えば3年間終了までに何%以上ということであれば、いきなりそこに行くのではなくて、3年間かけて少しずつ実施されていくといったイメージで、各年度の目標を設定しております。
 おめくりいただきまして、8ページを御覧ください。
 「主な重点施策」について申し上げていきます。
 1つ目の柱である基盤的保険者機能でございますが、(1)の➀で、中長期的な視点による健全な財政運営をするということで、関係者の皆様にメンバーになっていただいている運営委員会や各支部評議会において丁寧な説明をした上で、保険料率に関する御議論をいただくといったところです。
 今後、保険財政は厳しさが増していくと考えておりますが、協会の決算や今後の見通しについて情報発信していくといったところでございます。
 重要度につきましては、これは重要度が高いと考えておりまして「重要度:高」と書いているところでございます。
 その考えとしましては、私どもは約4,000万人の加入者、約240万の事業所の事業主から成る我が国最大の医療保険者であり、被用者保険の最後の受皿として、公的医療保険を安定的に運営するという使命を担っているということで、重要度が高いということでお願いできればと考えております。
 それから、その下の困難度につきましても、高いと考えております。
 財政の概要ですが、先ほど理事長から申し上げたとおり、近年、安定はしているものの、楽観はできない状況でございまして、その理由としましては、1つ目に、医療費の伸びが賃金の伸びを上回っているということで、財政の赤字構造が解消されていないというところであり、しかも、長期的に見ますと、少しずつこの差が拡大している状況です。
 もう一つは、高齢化の進展ということで、後期高齢者支援金の大幅な増加が見込まれます。
 これは、昭和20年代にお生まれになった団塊の世代の皆様が、今、後期高齢者に入りつつあるところでございます。
 後期高齢者1人当たりの医療費は、75歳未満と比べても高いというデータが出ております。
 そういった意味で、この2つの状況がありますので、現在は安定しているものの、財政状況については、決して楽観を許さない状況であると考えており、医療費適正化対策など、協会としてやるべきことにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 9ページをお開きください。
 「サービス水準の向上」については、加入者の皆様のサービス水準の向上ということでございまして、具体的には、1つ目、現金給付の向上、処遇手当等の申請の受付です。
 受付から支払までの標準期間をサービススタンダードとして定めまして、10営業日と設定しております。これを遵守することが1つ目。
 2つ目としましては、郵送です。
 加入者の皆様の負担軽減、利便性の向上として、郵送による申請を促進することを数値目標として掲げているところでございます。
 具体的には、下の■でございますが、サービススタンダード達成状況100%が目標でございます。
 それから、郵送化率では95.5%。この2つをKPIとさせていただいております。
 次に、10ページでございますが「効果的なレセプト内容点検の推進」でございまして、不正受給等をなくしていくといったところでございます。
 まず、10ページの下のKPIから申し上げます。支払基金と協会でダブルチェックをしておりますが、合算したレセプト点検の査定率を対前年度以上とすることKPIとしております。
 その上で、前に戻って恐縮ですが、これについても困難度が高いと考えております。
 理由といたしましては、ここに書いてあるとおりです。
 3行目以下、適正な電子レセプトをということで進んでおり、いわゆるコンピューターチェックルールの公開範囲が拡大してきたところでございまして、レセプト点検の査定率は非常に高い水準で推移しているところでございます。ですので、先ほど申し上げたKPI、対前年度以上とするのは、なかなか難しいため困難度は高いと考えております。
 次に、おめくりいただきまして、11ページを御覧ください。
 ➆、返納金債権発生防止のための保険証回収強化等です。
 資格喪失者の受診をなくしていくところでございますが、日本年金機構の資格喪失後、早期の保険証回収を徹底するといったところでございまして、KPIが12ページの真ん中の下の■でございます。KPIの1つ目が、年金機構の回収分も含めて、資格喪失後1か月以内の保険証回収率を対前年度以上とするといったところです。
 2つ目が、返納金債権の回収率を対前年度以上でございます。
 こちらのKPIにつきましても、12ページの上を御覧いただきたいのですが、こちらについても困難度は高いと考えております。
 理由といたしましては、困難度の3行目以下を御覧いただきたいのですが、社会保険関係の手続の電子化が推進されておりまして、保険証を添付できない電子申請による届出の場合の保険証の返納方法等について、事業者の皆様の負担軽減を図る必要がありますが、そんな中で、電子申請による届出の場合の保険証は、1か月以内に返していただけないところがありまして、資格喪失後1か月を超える傾向があるところでございます。
 今後、電子申請はどんどん割合が増えていくことが見込まれております。そういった意味で、回収率を対前年度以上とするのはなかなか難しいだろうということで、困難度は高いと考えております。
 13ページでございます。
 「➉業務改革の推進」でございまして、私どもの業務の手順といったところでありますが、現金給付業務等につきまして、業務マニュアルや手順書に基づく統一的な事務処理の徹底を図り、業務の標準化・効率化・簡素化を進めていくところでございます。
 そういったものを進めていくためには、2つ目のポツでございますが、職員の意識改革をしていく必要があります。
 そういった意味で、職員の質の向上もしっかりとやった上で、組織として柔軟かつ筋肉質な組織をつくっていくことを目指したいと思っております。
 こちらについても、困難度は高いと考えております。
 理由としましては、14ページでございますが、柔軟かつ筋肉質な組織をつくっていくためには、職員の多能化を図ること、生産性を意識した意識改革の推進が必須でございます。
 こうしたことを職員全員に浸透・定着させていくことは、一朝一夕にはまいりません。ステップを踏みながら進める必要があり、時間がかかるというところで、困難度が高いと考えております。
 以上が、1つ目の柱、基盤的保険者機能でございます。
 次に、15ページ以下を御覧いただきたいのですが、戦略的保険者機能でございまして、1つ目の大きなところは、15ページの➀、データヘルス計画の着実な実施でございます。➀の1つ目のポツにありますとおり、大きな4つの柱があると考えておりまして、特定健診・特定保健指導、コラボヘルス、重症化予防が大きな柱と考えております。
 ⅰ)ですが、まず「特定健診実施率・事業者健診データ取得率等の向上」でございまして、特定健診につきましては、1つ目のポツ、特定健診実施率の向上に向けまして、健診・保健指導のカルテなどを活用することで進めていく。
 より実施率の影響が大きいと見込まれる事業所や業態などを選定した上で、そういったところに重点的・優先的に働きかけていくことで、より効率的な受診勧奨を目指すところが1つ目です。
 2つ目、被扶養者の特定健診の実施率の向上につきましては、各自治体との連携を推進しまして、がん検診との同時実施の拡大などを通じて、実施率の向上につなげていきたいところでございます。
 3つ目、事業者健診データの取得につきましては、都道府県労働局との連携、関係団体との連携を進めていきたいと思っております。
 具体的な事業者健診データの取得につきましては、15ページの最後の下の4行でございますが、事業主と健診機関と保険者の3者間で新たな提供・運用のスキームをつくり、事業者健診データについて、健診機関を通じて確実に私どもに頂けるようにできればと考えております。
 こういったところを通じて、各実施率の向上につなげていきたいと考えております。
 具体的な数字につきましては、16ページの真ん中辺の■を御覧いただきたいのですが、昨年度につきましては、生活習慣病予防健診の実施率が61.2%以上。
 事業者健診データの取得率は9.1%以上。
 被扶養者の特定健診実施率は33.2%以上ということで、目標を掲げております。
 これにつきましては、16ページの上を御覧いただきたいのですが、重要度は高いと考えております。
 健康保険法においては、保険者は、被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行うとされており、特定健康診査の実施は、高齢者医療確保法で実施が義務づけられております。
 かつ、実施率については、国の指針で、2023年度、目標値65%と示されておりまして、非常に重要度が高いと考えております。
 16ページのⅱ)以下は特定保健指導でございます。こちらは実施率の向上に努めていきたいと思っております。1つ目のポツの2行目、3行目でございますが、健診当日の初回面談、一番接触しやすいところに注力し、重点的に取り組んでいきたいと思っております。
 また、16ページの最後の行でございますが、特定保健指導の質の向上ということで、アウトカム指標を用いた試行的な運用についても進めてまいりたいと考えております。
 17ページの2行目、実施体制でございますが、実際に実働部隊となりますのは保健師でございますので、協会として保健師育成プログラムを策定し、しっかりと育成していこうというところでございます。
 これについてのKPIでございますが、17ページの下でございます。
 被保険者の特定保健指導実施率を30.1%以上、被扶養者の特定保健指導実施率を14.7%ということで、目標として掲げております。
 これにつきましても、重要度は高いと考えております。
 特定保健指導を通じて生活習慣病の発症予防に取り組むことは、加入者の皆様のQOLの向上という観点から非常に重要でございます。特定保健指導につきましては、法律に基づいて実施が義務づけられております。
 また、先ほどと同じで、国の指針で、今年度の目標値は35%と示されております。
 17ページの一番下の「ⅲ)重症化予防対策の推進」でございますが、これにつきましては、昨年度の新たな取組としまして、LDLコレステロール値に着目した受診勧奨を実施するといったことを昨年度から開始しております。
 こういった取組を進めることによりまして、目標でございますが、受診勧奨後3か月以内に医療機関を受診する方の割合を12.4%以上としております。
 これにつきましても、重要度は高いと考えております。
 要受診者の方を早期に医療機関の受診に結びつけることは、糖尿等の生活習慣病の重症化を防ぎ、加入者の皆様のQOLの保証という観点から重要度が高いというところでございます。
 4つ目の柱「コラボヘルスの推進」についてもしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 1つ目は、健康宣言していただく事業者の数をもっと増やしていくという観点から、プロセスやコンテンツをしっかりと標準化していくところをやりたいと思います。
 そうした上で、私ども協会けんぽによる事業所の支援をさらに拡充していくことに取り組んでいきたいというのが1点目であります。
 2つ目のポツ、健康教育をしっかりとやっていくということで、新たなポピュレーションアプローチについても考えているところであります。
 3つ目のポツ、保険者として事業所や産業保健総合支援センター等と連携した上で、メンタルヘルス予防をしっかりと推進していくところでございます。
 私どもとしましては、産業保健との連携も一つのキーワードと考えておりますので、こうした産業保健とも連携した取組も進めたいと考えております。
 これについても、重要度は高いと考えております。
 超高齢社会に突入しているところで、健康リスクの増大等の構造的な課題があります。
 そういった中で、国が示した各種方針等において、コラボヘルスを推進することが示されております。
 最後の行でございますが、日本健康会議、これは経済団体とか保健・医療関係団体、保険者、その他有識者の方がメンバーになっている日本健康会議がございますが、その宣言で「保険者とともに健康経営に取り組む企業等を10万社以上とする」といった目標を打ち出しております。
 こういったところを踏まえ、重要度は高いと考えております。
 具体的な数値目標は、19ページの上のところでございますが、健康宣言いただく事業所の数を6万4,000以上とすることを目標にしているところでございます。
 次に、20ページです。
 ジェネリック医薬品の使用の推進ということで、これは従来から取り組んでいるところでございます。
 20ページの下、KPIとして、全支部でジェネリック医薬品使用割合80%以上でございますが、これについても、重要度は高いと考えております。
 これにつきまして、国が出した経済財政運営の基本方針においても、2023年度末までに後発医薬品の数量シェアを全ての都道府県で8割以上とするといったことが書かれておりますので、重要度は高いと考えております。
 21ページをおめくりいただきまして「➃インセンティブ制度の着実な実施」でございます。
 インセンティブ制度につきましては、支部ごとの努力の実績、保健指導等の実績に応じて保険料に差を設けるといったところでございます。
 これにつきましては、令和3年度に議論の結論をいただいて、それを踏まえて、令和4年度からスタートしております。昨年度から評価期間がスタートしておりまして、それを踏まえて、各支部の実績に応じて保険料率へ反映していきたいと思っております。
 21ページの➅でございますが「ⅰ)医療計画及び医療費適正化計画に係る意見発信」でございます。
 医療費適正化計画につきましては、今年度中に各都道府県が計画を策定することとなっておりまして、つい先月、国から指針が示されました。
 それを踏まえて、私どもとしても、保険者としてしっかりと各都道府県の医療費適正化計画の策定に関わっていくことも非常に大事なところだと考えております。それぞれ国レベル、本部レベル、支部レベルで積極的な発信をしていくところでございます。
 具体的なKPIとして、22ページの下でございますが、意見発信を全支部でやっていくことを目標としているところでございまして、これにつきましても、経済財政運営の基本方針に寄与するという意味で、重要度は高いと考えております。
 最後に、22ページの下からは「調査研究の推進」でございます。
 昨年度の新しい取組としては、23ページの2つ目のポツでございます。協会が保有するレセプトデータ、健診データなどを活用しまして、保険者協議会、都道府県、市区町村などと連携した共同事業、共同研究を始めたところでございます。
 それから、従来から行っている研究につきましてもしっかりと取り組んでいるといったところでございます。
 最後に、ⅱ)で外部有識者を活用した調査研究を引き続き進めているところでございます。
 こういった外部有識者の皆様のお知恵も借りた上で、しっかりとエビデンスに基づく保健事業等をやっていくところでございます。
 こういったことを通じて、医療費の適正化を進めていくところでございまして、重要度は高いと考えております。
 これにつきましては、医療費の適正化に取り組むことは、私どもの健全な財政運営を確保する観点からも極めて重要度が高いところでございます。
 次に、3つ目の柱、組織・運営体制ということで、今申し上げた保険者機能を実施していくための私どもの体制であります。
 簡単に2点だけ言及させていただきます。
 25ページの➂でございまして「OJTを中心とした人材育成」であります。
 OJTを中心としつつ、研修を組み合わせていくことが人材育成の基本スタンスでございまして、具体的な狙いとしましては、協会職員のデータ分析能力を高めることでございます。
 保険者機能を本部レベルのみならず、各支部レベルでもしっかりとデータ分析をし、自分の支部がどういう傾向にあるのかということを理解し、まず、現状を把握した上で、改善策を生み出し、それを実現し、方策の取組につなげていくといったところは、まさに保険者機能の中核であろうと思っております。
 それを実施していくためには、本部のみならず、支部レベルでもしっかりとこういったデータ分析のスキルを持った職員を養成していくことが必要になっておりますので、そういったところにしっかりと力を入れて、各研修などに取り組んでいるところでございます。
 それから、26ページの一番上でございます。
 本部と支部の連携の強化でございますが、先ほど申し上げたとおり、本部レベル、支部レベルでしっかりとこういった機能を果たしていく。
 各支部においては、自分のところのトレンドをしっかりと把握した上で、課題を踏まえて、それを改善していくにはどうすればいいのかといったところは、しっかりとエビデンスに基づいて取り組んでいくといったところ。
 本部としても、しっかりとその機能を支援していくところでございます。
 ここには書いておりませんが、昨年度から保険者努力重点支援プロジェクトとして、特に保険料率の高い支部3つで具体的な動きもございます。
 そういったところを踏まえて、組織としてもしっかりと体制をつくっていきたいところでございます。
 それから、今申し上げた数値目標を整理したのが、29~33ページにかけてでございますので、時間の関係で省略しますが、後ほど御覧いただければと思っております。
 以上が健康保険でございます。
 それから、34ページ以下が船員保険事業でございますが、船員保険事業の事業計画につきましては、例えば船員保険の特殊性に基づいた事業以外は、健康保険と同じような事業の立てつけでございます。
 例えば船員保険の特殊性で1つ例を挙げますと、38ページの下のほうの「➆福祉事業の効果的な実施」でありまして、船員労働の特殊性を踏まえて、例えば無線医療助言事業や洋上救急医療援護事業といったところにしっかり取り組むほか、42ページの下の「➅船舶所有者とのコラボヘルスの推進」ということで、コラボヘルスという意味では健康保険と同じでございますが、コラボする相手が船舶所有者でございます。
 こういった特殊性以外は、おおむね健康保険と同じような事業の立てつけと御理解いただければよろしいかと思っております。
 長くなりまして恐縮ですが、私からの説明は以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 令和4年度の事業計画について、主に重要度の高い、困難度が高いと設定されたものを中心にして、御説明していただきました。
 では、ただいまの御説明について、構成員の方から御質問等がございましたら、お願いします。
 森下先生、お願いします。
○森下構成員 聞こえますか。
○西村座長 聞こえています。
○森下構成員 私もいろいろとお世話になっております。
 よろしくお願いいたします。
 今、いろいろと御説明をいただきました中で、加入者、事業者への効果的な働きかけという内容の言葉が何回も出てきておりますが、我々は、例えば私ですと、事業主として、東京に所在しているわけでございますが、各支部から発信される情報については、私が知っている限りでは、東京に関しては、社会保険便りみたいな形で、毎月1回だけまとめたリーフレットをPDFで頂く形になっておりますが、各地方、各支部では、同じような働きかけをしているのか、それとも、別途メール等でいろいろなお知らせ、お願いについて、具体的な方法でほかの地域スキームを使われているのかどうか、その辺もまずはお伺いしたいと。
 ほかにも質問は幾つかあるのですが、まず、その辺を教えていただきたいと思っています。
○西村座長 では、今の御質問ですが、支部での事業者、加入者に対する情報提供はどのようになっていますでしょうか。
○池井次長 企画部次長の池井でございます。
 加入者、事業主への働きかけということで、今、森下委員が言われたのは、一般の納入告知書というもので、1か月に1回、日本年金機構から事業者様に、保険料は幾らですという通知があるのですが、その中に、各支部がお知らせとしてチラシを入れています。これは定期的に毎月やっていることであります。
 これ以外にも様々な取組があって、例えば事業所とのコラボ、健康宣言事業ですと、健康宣言をしていない事業者様に、支部の職員が直接出向いて、いろいろな説明をするなど、様々な取組もやっております。ここで全部言えることはないのですが、そのようにいろいろな機会を捉えて、事業者様、加入者の皆様には、情報提供なり、案内をさせていただいているところでございます。
 以上です。
○森下構成員 ありがとうございます。
 ただ、今お伺いした限りでは、我々は、実際に広報が届いているという実感が事業主としてないのです。ペーパー物、ホームページを一々見に行く方は、ホームページに関しては、特に少ないのではないかと。
 そちらでは、いろいろな巡回もしているというお話でございますが、私の会社にも来たことはありませんし、どのレベルで、例えば何%ぐらい巡回をされているのかとか、そこがよく分からない。
 あと、細かいことですが、健康健診のデータの共有も、うちの会社などでは、100%皆さん健康保険の補助を使って、健康診断をやっているわけですが、そういうものは自動的に病院というか、診療機関から協会けんぽに流れていっているものかどうかも、我々としては全く理解していないのです。
 根本的にその辺がもうちょっと事業主にも伝わるような形は何かできないのかなと、まず一般論として今感じたところです。
○西村座長 情報提供の仕組みについて、事業所にも伝わるようにというご質問でしたが、何か関連の担当の方で説明がありますか。
○中島理事 担当理事の中島でございます。
○西村座長 お願いいたします。
○中島理事 森下委員からの御指摘については、反省しなければいけない点もあると思ってございますが、まず、納入告知については、次長からお話ししたような形で、お知らせを入れています。
 また、健康宣言事業所には、健康づくりに取り組んでいただけないかということで、それぞれの事業所の1人当たり医療費、健診データのトレンドを事業所カルテでお示しして、実績として、数万社に健康宣言をいただいております。
 それとともに、我々としては、健診を受けてくださいという御案内、それから健診を受けていただいた後、このままいくと、メタボリックシンドロームの疾患にかかってしまう危険性が高い黄色信号の方について、保健指導を受けてくださいという御案内は、基本的に事業所にお送りしており、事業所から各加入者の方に勧奨していただいている仕組みでございます。
 したがって、そういう観点からは、事業所によって受け取る方は異なると思いますが、健康づくりに関するお知らせは、しっかりとお届けさせていただいているはずだという点が1点です。
 もう一つ、健康保険委員制度がございまして、事業所の中で、協会けんぽの事業である、各種申請、広報、健康づくりに協力していただける事業所の皆さん方には、健康保険委員として任命させていただき、その方々を通じての広報も行っております。基本的には、事業主に対する基本的な御案内等についてはできていると思っておりますが、東京においては、そのようなものに接したことがないという厳しい御指摘でございますので、今後、協会けんぽの広報については、充実・強化させていく方向で、さらなる検討を深めていきたいと思ってございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 森下先生、どうぞ。
○森下構成員 どうもありがとうございます。
 初歩的な御質問で大変申し訳なかったのですが、今団塊の世代が仕事から離れるということで、来年でそれらの方々が75歳以上に最後になるわけでございますが、そういう面では、今、総報酬制度の課題とか、いろいろとこれから議論されていくかと思います。財政的にもかなりせっぱ詰まった状況になりつつあるという情報も伺っておりまして、私も運営委員会の資料などを拝見させていただいていますが、協会けんぽとしても、これから数年後の情勢を踏まえて、いろいろな意味で新しいアクションプランに向けて立案していっていただきたいと現状では思っているところでございます。
 いろいろと御返事をありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
 ほかに先生方、御質問などはありますでしょうか。
 平川先生、お願いします。
○平川構成員 平川です。よろしくお願いします。
 幾つかあるのですが、10ページのレセプト内容点検の関係で、査定率も高い水準に達しているのはそうだと思います。
 KPIを達成することは困難度が高いとなってはいるのですが、現状、どうなっているのか、もう少し説明をお願いできればと思っています。
 特に支払基金のコンピューターチェックによる審査が徹底されてきておりますが、それがどのように協会けんぽに影響を与えているか、教えていただきたいということです。それが一つです。
 それから、19ページですが、健康保険委員の関係です。
 全被保険者数に占める健康保険委員が委嘱されている事業所の被保険者割合を48%以上とするとなっていますが、現状はどうなっているのかということと、うろ覚えで大変申し訳ないのですが、厚生年金では年金委員という制度があるかと思います。実態として、おそらく、事業所では兼ねている人が多いのではないかと。
 であれば、年金機構の年金委員になっているのであれば、当然、健康保険委員もやることになると思いますので、この辺は年金機構とどのような連携を取っているのか、取っていないのかも含めて教えていただければと思います。
 それから、21ページですが、医療のデータ分析で、これは私が以前からずっと発言してきたことが着実に進んでいるのだなと思います。
 特に今回のコロナの関係で、いろいろな問題が分かってきたと思いますし、地域においては、さらに人口減少と高齢化が本当に急速に進んでいますので、その変化は大変大きなものになってきているのではないかと思います。
 ただ、そのデータを医療提供側がどのように受け止めているのかは、漠とした聞き方ですが、どのように受け止めていくのか、お聞きしたいと思います。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 今、3つの点で御質問がありましたが、最初のレセプト点検についての現状の説明などをお願いできますか。
○兼重部長 業務部長の兼重と申します。
 まず、私からコンピューターチェック、レセプト点検についての現状ということで御説明させていただきたいと思います。
 委員の先生方ご存知のとおり、今、支払基金においては、コンピューターによるチェックということで、高度化計画が進められております。
 そのコンピューターチェックをしたものの中で、判断が明らかで、点検をする必要がないものが分類されるのが一つのパターンとしてございまして、あと残りの2つとしては、コンピューターチェックをしたけれども、目視点検が必要なもの。
 3パターン目としては、コンピューターチェックとして引っかからなかったので、完全に目視が必要なものと分かれております。
 そのような支払基金がコンピューターチェックをされたものであっても、私どもの点検員が再度点検することによって、効果として査定しているものが現実としてまだまだ残っております。
 しかしながら、機械的にチェックしたものを今までと同じような形で点検するのでは効率的ではございませんので、支払基金のほうで公開されておられますコンピューターチェックのルール等を私どものシステムのマスターに取り込んで、私どものほうでも機械的にチェックをかけた上で、一目で点検していく複数段階の点検が、最近、点検の傾向としては始まっているところでございます。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
○𠮷森理事 業務担当理事の𠮷森でございます。
 補足させていただきますと、支払基金の高度化の中で、今、3つのパターンを見せましたが、コンピューターチェックの制度化・高度化はかなり取り組んでおりまして、AIを使って、支払基金はかなり制度化・高度化を進めている。それが大体70~80%はその点検でできるだろうということで、年々このパーセンテージを上げて、最後の10~15%ぐらいの目視点検をやっていこうという流れで今進めているところでございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 コンピューターのチェックと目視を両方使ってということ、連携も取られているということでした。
 平川先生、よろしいでしょうか。
○平川構成員 コンピューターチェックは分かりました。
 どういう仕組みになっているかを後ほど勉強させていただきたいと思うのですが、システムで両方点検しているというのも、AIによる点検は、支払基金ではまだおそらく完璧ではないという面もあるのでしょうか。
○西村座長 こうした点はどうでしょうか。
○𠮷森理事 𠮷森でございます。
 診療報酬制度の中で確認できるものはAIから拾っていけますが、それぞれ個人の体質によっていろいろなことが起きるあたりは、支払基金の中で審査委員会、お医者さんの先生たちがそれは体質でどうだというところの部分が、先ほど申し上げた10~15%ございます。
 そういうところについて、我々もしっかりと目視して、きちんと診療報酬制度の適用に合っているかというところを見ていくのが最後に残ってくるのだろうと思っています。
○平川構成員 なるほど。
 分かりやすい説明をありがとうございました。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、2つ目の健康保険委員についてですが、確かに年金委員も設置がありますから、この連携についてなど、御説明をお願いできますか。
 どこの部署の御担当になりますでしょうか。
○𠮷森理事 業務担当理事の𠮷森でございます。
○西村座長 お願いします。
○𠮷森理事 当協会の健康保険委員の制度は、当時、社会保険庁があった時代、社会保険委員制度で年金と健康保険を両方兼務していた委員の皆さんがいらっしゃいました。その後、年金機構と協会けんぽに組織が分かれた。
 そういうところの中で、年金保険委員は制度としてしっかりと残ってきたところでございまして、我々は、協会を立ち上げた後、数年後に同様の位置づけとして、健康保険委員制度を立ち上げたところでございますので、おっしゃるように、両方事業所で兼務していらっしゃる方が非常に多いというか、社会保険委員の流れの中でずっと続けていらっしゃる方がいらっしゃいますが、制度として分かれてしまいましたので、我々は健康保険委員制度として、同じ方なり、新たに任務を担っていただいているということでございます。
 答えとしては、連携は今のところ取っておりません。
 以上でございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 今のところ、連携がないということでございました。
 年金委員も少し関係しているのですが、年金委員もどういう役割を果たしてもらうかということで、まだ十分に機能している状況にはないようにも伺っております。両者の連携も含め、また健康保険委員の機能の活性化の点も考えていっていただけたらと思います。
 ほかにありますか。
○木倉理事 西村先生、総務担当の理事の木倉です。年金委員と健康保険委員の関係についてですが、年金の適用、徴収事務については、年金機構が年金保険予算を使ってやっているし、もちろん、我々も同じ方が兼ねてやっていただく場合に、年金と健康保険一体適用という事業所があって、皆さん一体適用を使います。
 そこのところは、両方きちんと健康保険の手続も踏んでもらうことをやっておりますが、我々独自のものとして、特定健診・特定保健指導という健康づくりが、各健康保険の保険者の義務として、この15年間動き始めたわけです。
 ここは、先ほどの森下先生の御指摘もあったように、各事業所にいらっしゃる健康保険委員の皆さんに、その事業所での健康づくり、健診を受けてもらう窓口として、コラボヘルスの働きかけの窓口としての役割もぜひお願いしていくということで、我々独自のものも進めておるところです。
 両方で一体適用と義務づけるほうが、もともと同じ方が兼ねてやっていただいている部分がありますが、さらに我々独自のものとしても、健康づくりをお願いしていくような仕事をお願いしている関係でございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございます。
 健康づくりの面で役割を担うということでございました。
 ありがとうございます。
 では、3点目の医療費の適正化についてです。
 この御説明は、どの方に。
○内山部長 企画部長の内山より説明させていただきます。
○西村座長 よろしくお願いします。
○内山部長 平川委員からの3つ目の御指摘は、地域で人口減少が多く進んでいる中で、医療提供側がどう受け止めているかといったところでございますが、まず、私ども保険者としてできることで申しますと、事業計画にも書きましたが、国の審議会の委員に安藤理事長をはじめ、協会の各役員が多くの委員会、審議会の委員になっております。そういったところで意見発信をしていくのが、私ども保険者としての大きな役割だと思っております。
 意見発信の例として一つ挙げますと、例えば傷病手当金の支給がコロナの状況や、メンタルヘルス、メンタル疾患が増えているところを踏まえて、保険者として、傷病手当金の支給の件数がどんどん増えている状況がございます。
 こういった状況について、国の審議会の場で説明、報告するといった意見発信を行っております。
 医療保険部会や中医協といった複数の審議会で協会の役員が委員になっておりまして、同じ委員の中に、病院関係者、医師会関係者といった医療提供側の委員もたくさんいらっしゃいますので、そういった方々に対してもこういった保険者としての意見発信をしているといったところかと思います。
 それから、私の立場として答えることではないのですが、人口減少を踏まえて、地域の医療提供体制をどう構築していくのかというところについては、これは厚生労働省の医政局だと思いますが、地域医療構想の中で、医療圏ごとにどれだけの医療が必要なのかというところを踏まえて、今後の地域の医療提供体制を決めていっているかと思います。まずは、各都道府県が中心になると思いますが、そういった地域のニーズを踏まえた医療提供体制をどうしていくかというところについては、地域医療構想の中で、各都道府県などが考えていると思っております。
 私どもも、各都道府県に支部がございますので、そういったところは、必要に応じてしっかりと関わっていきたいと考えております。
 私からは以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 平川先生、よろしいでしょうか。追加はございますか。
○平川構成員 最後のところはよく分かっており、各支部で結構いろいろなことを発言されていますね。
 それは、分析に基づいた取り組みとして、すばらしいことだと思っています。それに対して、提供側にどういう影響を与えているのかという効果も知りたいと思っていました。
 回答されなくてもいいのですが、結局、医療機関側も考えざるを得ないような状態になっているはずなのですが、どうもその動きが鈍いという感覚がありますので、今後、その辺の具体的な効果が見えてくれば、今後とも御報告をお願いできればと思っています。
 ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございます。
 では、続けて。
○内山部長 すみません。
 各支部がどういう発信をしているかは、本部としてもしっかりと情報収集、状況を把握した上で、各支部がどう意見発信を行い、それに対して各都道府県がどういう反応をしたのかといったところも含めてしっかりと把握して、それを踏まえてどうすべきかというところをしっかりとみていきたいと考えております。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 各支部における医療提供体制の対応状況などについても、機会がありましたら、御説明をお願いいたします。
 では、ほかに御質問などはございますでしょうか。
 森下先生、お願いします。
○森下構成員 先ほどお話ししましたように、正直に言って、私の事業主としての実感は、いろいろと本部が考えていらっしゃる情報提供、情報共有という面で、どうも支部と本部との間に乖離が多いのかなと思っているところなのです。
 本部は、グッドポイントといいますか、また後で説明があるかもしれませんが、先ほど平川先生がおっしゃったように、調査研究の場所で、前回理事長にもお願いした地区別のいろいろな要因というか、実態を調べていただいて、具体的な事例がいっぱい出てきているかと思うのです。
 ただ、現実に、例えば東京は、なぜ今年率が上がってしまったのかということも、我々にはあまりその理由は示されていないということで、分からないけれども、何となく保険料率が上がってしまっているねという感じで、働く方も、従業員の方も、そろそろ拠出する上限に来ていると思うので、そういう点について、今後、いろいろな課題はあるにしても、ぜひ地方との連携といいますか、本部の考えていることがそのままうまく支部に伝わって、それが事業主に上手に伝わるような仕組みづくりを重要な課題として考えていただければと今思っているところです。
 ありがとうございます。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、御意見として承っておきまして、事業主として日々会社を運営されているところでの御実感ということでございました。
 ありがとうございました。
 ほかに質問などはございますでしょうか。
 では、古井先生、お願いします。
 その後、尾関先生の順でお願いします。
○古井構成員 恐縮です。
 私からは、3点コメントと御質問をさせていただきます。
 資料4の2ページ目で、今、先生方がおっしゃった話と少し共通するのですが、協会けんぽは、事業主が非常に多い構造であると。
 被用者保険の中でもアプローチするには最も難しい構造がある中で、特に(2)の戦略的保険者機能の関係でいうと、これを何のためにやっているかという目的的な伝え方がとても大事ではないかと思っています。
 もちろん、我々も含めてここにいらっしゃる皆さんは、何で重症化予防をやるのかとか、データヘルスは何のためにやるかは、みんな周知の事実で、当たり前のようにこれを進めていくことが目的になってしまいがちなのですが、協会けんぽのステークホルダーである加入者とか事業主の皆さんに、重症化予防を進めることで、加入者のQOLを守るとか、医療資源をセーブする、無駄な医療資源を使わないと。コラボヘルスを進めることで、働き盛り世代に生き生きと働いてもらって、企業活動を持続可能にする。そういう目的のところを強調して伝えていっていただくのはどうかと思っています。
 協会けんぽは、国民皆保険の一つであって、健保とか国保と同じ役割は担っていますが、資源がそんなにたくさんない中小企業の被用者保険として、どういう目的を持っているのか、加入者の皆さんと事業主からも半分負担を頂いているわけなので、どういう世界観を目指してやっていくのかは、関係者は当たり前の事実ですが、常に目的的な文言を発信していく。単にコラボヘルスを進めましょうというだけではない発信の仕方が大事ではないかと改めて感じたのが1点目です。
 それから、細かい話になりますが、2点目は、資料6の18ページ目になります。
 18ページ目の上の受診勧奨は、重症化予防事業の中の要素なのですが、それぞれ設定されているKPIはすごく重要で、よろしいと思います。
 その上で、協会けんぽ全体としてのKPIはこれなのですが、先ほど支部の格差というお話もあったかと思います。
 私も幾つかの支部拝見していて、例えば生活習慣病予防健診を受ける健診機関で受診勧奨していただいた加入者は、すごく受診率が高くなっているのです。
 KPI全体で12.4というと、12.4が高いのか、低いのかというのはあるのですが、同じ受診勧奨であっても、健診と一体的にやっている取組は、健診を受けた後にすごくフォローが行き届いているとか、そういうことを支部が丁寧にやられているので、本部はそういうものを吸い上げていらっしゃるかもしれないのですが、ぜひ支部がやっている中身、KPIをカテゴリーで捉えていくと、今後進むべき道が一層見えてくるのではないかと。
 受診勧奨も、これだけ数があるので、構造的に健診と事後フォローを一体化していくことも大事ではないかと思いました。
 最後の1点は質問なのですが、同じ資料の23ページ目の調査研究の推進のところで、外部有識者を活用してと。この間の研究会もすばらしい取組がたくさんあると思いました。
 協会が持っているデータを外部有識者が使って、知見を提供するのは、すごくいい仕組みだと思うのですが、先ほどの都道府県支部によって格差がある中で、できればこういった協会けんぽの取組とかデータを活用して、研究される先生方を各支部というか、地域ごとの応援団にして、例えば職員の方の人材教育とか、支部の皆さんの取組のアドバイザーというか、そういった応援団にしていくこともいいのではないかと思ったのですが、もしかしたら、もうそういう取組をされているのかなと。
 外部有識者とのコミュニケーションがどんな感じなのか、そこが質問でございます。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 では、3点ほどございましたが、まとめてお願いいたします。
○中島理事 お話しさせていただきます。
 まず、古井構成員ご指摘の、施策を何のためにやっているのかという目的や、その先にあるものをしっかりとPRすべきだということについては、まさにおっしゃるとおりだと思います。
 今後、いろいろな事業について、加入者、事業主の皆様にアピールさせていただく際には、その事業をどのような目的で、どのように職場や生活を彩るためにやる事業なのかというイメージが湧くような形でPRできればと思っております。
 その第一歩としては、健診・保健指導、重症化予防は、これまでそれぞれのパンフレットを作っていたわけですが、今年度から、健診を受けていただくと、それが保健指導につながり、重症化予防につながっていくという一連の流れを一遍に見て分かっていただけるようなパンフレットに変えました。いわゆる施策のぶつ切りのPRではなく、一貫したPRとして工夫させていただいたのですが、さらに目的等から説き起こすことの重要性を再認識して、施策に活かしていきたいと思います。
 2点目の重症化予防も、まさに御指摘のとおりでございます。
 現在の協会けんぽの重症化予防は、健診結果を踏まえて、まず本部から受診勧奨を行っています。その後、支部によって取組に差はございますが、さらにレセプトを確認して、まだお医者さんにかかっておられない方については、第2弾として、支部から受診勧奨を行っていますが、今、古井構成員がおっしゃったのは、我々の言葉で言えばゼロ次勧奨と言っているものです。健診時に、健診機関でしっかりと、保健指導なり重症化予防、受診勧奨をしていただき、メッセージを届けていただくことの重要性は、既に幾つかの支部で効果を上げている例がございます。
 現在、ゼロ次勧奨をパイロット事業として複数の支部に展開していて、先駆的な取り組みとして事業のマニュアルを作って、数年後には全国展開していきたいと思っております。
 今後、協会けんぽとしては、重症化予防について、健診受診段階で健診機関が行うゼロ次勧奨、本部が行う一次勧奨、支部が行う二次勧奨という構成に持っていきたいと思っております。支部の先駆的な取組を全国展開するために、パイロット事業としてやっていきたいということでございます。
 3点目の、委託研究等で知り合いになった外部有識者の先生方を応援団にすべきではないかということについて、まさにおっしゃるとおりでございます。
 実は、既に協会けんぽ本部においては、アドバイザリーボードを置いていて、8人のアドバイザリーの先生方と御契約させていただいております。支部が自分たちのデータ分析、事業展開においてアドバイスをもらいたいとおっしゃる先生について、本部に申し出ていただくと、本部が仲介役として、その先生に協力者になっていただくという仕組みがございます。
 それから、企画部長から御説明した、保険料の高い北海道、佐賀、徳島についての3つの地域分析については、それぞれの県において、佐賀大、産業医科大学、徳島大学、北海道大学の医学部の公衆衛生の教授にも入っていただいて、まさに地域に根差した形で分析しておられる先生方のお知恵も借りるような仕組みとしております。
 それから、外部有識者を活用した本部の調査研究についても、回を重ねておりますので、そこでお近づきになれた先生方については、応援団として我々のおそばにいていただいて、本部・支部の事業についてしっかりとアドバイスをしていただけるような貴重な方々として、今後もお世話になっていきたいと思っております。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 いろいろと取組をされているのが、質疑応答の中でよく分かってきたと思います。
 ありがとうございます。
○古井構成員 御丁寧にありがとうございました。
○西村座長 ほかにございますでしょうか。
 尾関先生、先ほど挙手していただきました。
 お願いします。
○尾関構成員 構成員の尾関と申します。
 御説明ありがとうございました。
 聞こえていますでしょうか。
○西村座長 はい。聞こえています。大丈夫です。
○尾関構成員 今日は、令和4年度の事業計画の説明ということで、実際の評価、振り返りは、また9月にしていただけると思っておりますが、令和4年度も加入者が増加する中で、職員の数は恐らく増えていないところと、令和4年度は、コロナもまだ収まっていない時期でしたので、いろいろと業務に制限があったと思いますし、対面で活動できないもどかしさもあったと思いますが、そういった中で、昨年来、一昨年来、本部機能の強化、あるいは本部・支部間の連携強化、あるいは支部間の業務レベルの統一を図っていらっしゃいますし、最終的には、各職員の方の研修などを通じたレベルアップ、あるいは業務の効率化・標準化といったところを出していらっしゃるという話がありました。
 そんな中で、昨年も最後にお願いしたことなのですが、職員の方がふだんの業務活動やいろいろなことに対して、どう感じているかというところを拝見できれば、評価にも有効なのではないかという観点から、アンケートをやっていらっしゃるという話をお聞きしました。
 そのアンケートの概要だけでも、次回はお聞かせいただけないかという話を最後に申し上げたと思うのですが、その辺について、もし可能であれば、本年度9月で結構ですが、どのようなアンケートか、私も全く分かっていない中で話をしておりますので、あまり有効な内容でないということであれば結構なのですが、もし評価に結びつく点があるようでしたら、ぜひ概要だけでも、9月の中で御説明いただければ大変ありがたいと思っております。
 以上です。
○西村座長 ありがとうございました。
 職員の方々へのアンケートについて、御説明をお願いできますか。
○稼農部長 総務部長の稼農です。
○西村座長 お願いします。
○稼農部長 お話をいただきまして、ありがとうございました。
 昨年、先生の御質問に対して、最後に検討いたしますと私がお答えしたと思っておりますが、実はその後、職員に職場風土のアンケートを取っており、話をお聞きしたときに、全体の雰囲気だけでも知りたいので、次回、また検討してくれないかというお話をいただいたと思っております。
 昨年、最後に言っておけばよかったのですが、職場風土のアンケートは、ちょうど2年に1回やっておりまして、令和3年度にやっておりますので、令和4年度は空いている年でございます。次は令和5年度にやることになります。
 年度としては、令和4年度事業にはなりませんが、もしよろしければ、令和3年度時点のもので、こんな雰囲気ですと概要をお伝えできるということでよろしければ、少し工夫して、お出しできればと思いますが、よろしいでしょうか。
 すみません。2年に1回というところを昨年最後にちゃんと言っておけばよかったのですが、そこは私が言い漏れていまして、そういった状況でございます。
○尾関構成員 分かりました。
 どのようなものか分からない中での話ですが、もし可能であれば、令和3年度の風土アンケートですか、それを概略だけでもお話しいただいて、具体的な取組が行われている可能性もありますので、特に課題等がありまして、それに対してどう取り組んでいるかという取組の内容も併せてお話しいただければ、大変ありがたいと思っております。
○稼農部長 稼農でございます。
 分かりました。
 ちょっと工夫してみたいと思いますので、私どもの組織運営を御審議いただくときに、説明として資料を提示させていただいて、御説明する形でよろしいでしょうか。
○尾関構成員 はい。その場で結構です。
 組織・運営体制を職員の方はどう感じていらっしゃるか、それに対して、組織としての取組がどうなされているかというところを確認したいという趣旨でございます。
○稼農部長 承知いたしました。
○西村座長 では、アンケートの概要などについて、次回に御用意いただければと思います。
 よろしくお願いいたします。
 ほかに御質問などはございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 いろいろと御質問をありがとうございました。
 そして、御回答もいただきまして、令和4年度の事業計画の内容について、私たちもかなりいろいろと知ることができたと思います。
 では、これで御質問はないようですので、本日の議論はここまでにしたいと思います。
 最後に、事務局から今後のスケジュールの説明をお願いいたします。
 髙橋室長、お願いします。
○髙橋室長 ありがとうございます。
 本日は御審議いただきまして、ありがとうございました。
 今後のスケジュールでございますが、次回、第38回の検討会は9月12日午後2時から、第39回は9月19日午後2時からの開催を予定しております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○西村座長 では、今日の検討会はこれで閉会といたします。
 次回は、9月ということでございますので、次回、それから3回目で業績評価を進めていきたいと思います。
 本日は、お忙しい中御参加いただき、ありがとうございました。
 これで閉会といたします。
 ありがとうございました。