2023年8月10日 第14回政策評価に関する有識者会議 医療・衛生WG 議事録

日時

令和5年8月10日(木)14:04~15:33

場所

中央労働委員会講堂

出席者

印南座長、大西委員、佐藤委員、田宮委員、宮﨑委員

議事

議事内容
第14回政策評価に関する有識者会議 医療・衛生WG
開催日時:令和5年8月10日(木)14:04~15:33
開催場所:中央労働委員会講堂
出席者:印南座長、大西委員、佐藤委員、田宮委員、宮﨑委員
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 政策立案・評価担当参事官室です。座長の印南先生の到着に少し時間が掛かっていますので、政策立案・評価担当参事官室のほうで議事の進行を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 政策評価の担当をしております浅沼でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき感謝申し上げます。また、本日、井深委員におかれましては御都合がつかず、会議を御欠席となりました。また、田宮委員、宮﨑委員におかれましても、ほかの業務により対面出席の御都合がつかず、オンライン出席となっております。
 本日の会議では、事前に御案内したとおり、ペーパーレスとしてタブレットでの会議とさせていただきます。資料となるファイルはマルチPDFとある赤いアイコンの中に格納されており、資料をタップすると開き、複数枚のページ数がある資料については横にスライドする形となっています。左下にある本のマークをタップすると、また元に戻るという形になっております。
 それでは、この後の議事進行について、座長の代わりを当室の石塚調査分析・評価担当参事官が務めることとして進めさせていただきます。
○調査分析・評価担当参事官
 私のほうから進行させていただきます。まず、事務局から、今日の配布資料等について説明いたします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 お手元の議事次第を御覧ください。本日は、まず、議事(1)令和5年度に実施する政策評価について、議事のⅰ~ⅴの順番で御議論いただきます。テーマにより多少時間が異なりますが、まず担当課より5分程度で説明を行い、その後、約15分程度で御議論いただく形で進めていただければと思います。説明を終えた課は、随時退室します。なお、会議資料の概要(実績評価書のポイント)の中に、実績評価書の確認すべき主な事項をまとめておりますので、こちらも適宜御参考にしていただいた上で、委員の皆様から御意見を頂けますと幸いです。また、最後に、議事(2)~(4)までとして、事務局から何点か御説明させていただきたい事項がありますので、10分程度お時間を頂きたいと思います。事務局からは以上です。
○調査分析・評価担当参事官
 それでは、議事に入りたいと思います。まず、1つ目のテーマ、施策番号Ⅰ-2-1「今後の医療需要に見合った医療従事者を質・量両面にわたり確保するとともに、医師等の偏在対策を推進すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いいたします。
○医政局医事課長
 医政局の医事課長でございます。今日は看護課長と一緒に来ていますので、まず、看護課以外の部分について御説明させていただきます。資料1-2の概要のパワーポイントの4ページを中心に御説明をさせていただきます。「今後の医療需要に見合った医療従事者を質・量両面にわたり確保するとともに、医師等の偏在対策を推進すること」ということですが、4つに分けて御説明をさせていただきます。
 1つ目は、医療需要に見合った医師の確保です。これは、過去最大規模まで入学定員を増員していますが、一方で、人口減少に伴い、将来的には供給過剰となることが見込まれていますので、そうした中長期的な視点も必要です。
 一方で、2つ目は医師の偏在対策ですが、これは、地域偏在と診療科偏在の両方を含むものです。これに対する対策は非常に重要です。地域枠として、医学部への入学をされる方々に、将来、その地域で働くことを約束して入学していただくような取組をしています。こうした医師の配置調整をしっかりやっていくことも課題ですし、さらに今後も偏在対策を進めていくことが必要です。
 こうしたことから、達成目標1として、医療需要に見合った医師数の確保及び医師の偏在是正として、幾つかの指標を置かせていただいています。1「診療科別医師数の増減割合」、2「医師偏在指標」、3「必要医師数を達成した都道府県数」です。それぞれの達成状況については、資料1-1にお示ししています。時間の関係で達成状況を御説明する時間はなさそうですので、資料を参照いただければと思います。
 昨年と比べますと、参考指標として4「救急科医師数」というのを加えさせていただいています。診療科別医師数の所で、現在は産科・産婦人科、小児科、外科と3つの科を置かせていただいていますが、昨年の御議論の中で、救急医療に携わる医師の確保が重要ではないかと御指摘を頂いております。ただ、救急医療という業務範囲と救急科の医師の業務範囲はなかなか一致しないところもありますので、今回は参考指標として救急科医師数を追加させていただきました。
 3つ目は看護職員等の確保となっていますが、看護の部分は後で御説明があります。歯科衛生士についても離職者等が多く、免許登録者のうち業務従事者が少ないといったことがありますので、達成目標の中に歯科衛生士の量的確保を置かせていただき、指標として、7「就業歯科衛生士数」を設け、評価をさせていただいています。
 4つ目の医療従事者の質の確保ですが、これも大変重要な課題です。課題として、今後必要とされる医療ニーズに適合できる医師・歯科医師の養成を挙げています。この指標に何を選ぶかは非常に悩ましいところですが、まずは、医師・歯科医師ともに臨床研修、卒業した後に、最初に受ける研修の質が非常に重要であろうということで、研修医・研修歯科医の研修状況を確認することとしています。臨床研修修了時にアンケート調査を行っており、そこで何を評価するのかはまた悩ましいのですが、総括的に一つの指標で表すとすると、研修医がその研修で十分目的を達成できたかを含むこととして、満足度調査の結果をアウトカムの指標として置いています。これ以外に、我々医政局で所管している事業の1つとして、ドクターヘリ従事者研修の満足度調査についても、指標に加えさせていただいております。
○医政局看護課長
 続きまして、看護課長でございます。3.看護職員等の確保の看護師についてです。領域別偏在について、今後、訪問看護や介護分野における看護ニーズが増大する一方で、供給が不足する見込みがある状況です。これに対して、課題として、看護職員の総数の不足の対応だけではなく、地域偏在や領域別偏在についても議論すべきといったことを課題としております。
 これまでは、この達成目標として、看護職員の量的確保及び領域別偏在是正となっており、就業看護職員数をアウトカム指標として用いておりました。これだけでは領域別偏在、地域別偏在についての指標としては十分ではないことから、この度、6「訪問看護・介護領域の就業看護職員数」について、改めて指標に用いております。
 4.医療従事者の質の確保の点です。これについては、継続的な資質の向上と専門分野における質の高い看護職員の育成が課題としてあった一方で、指標については、新人看護職員がいる病院における新人看護職員研修を実施している病院の割合だけを用いていました。これでは専門分野における質の高い看護職員の育成の指標としては不十分ではないかという御指摘が昨年ありまして、今回、改めて、11「看護師の特定行為研修に係る指定研修機関数」を指標として取り入れました。指標についての説明は以上です。
○調査分析・評価担当参事官
 ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明について御意見、御質問等がありましたら、よろしくお願いいたします。佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員
 御説明ありがとうございました。訪問看護ですが、指標6で新しい指標ができたということで、とてもよかったと思います。この目標になっている数字なのですが、これは、どういう根拠でこの数字になっているのか教えてください。
 あと、訪問看護については地域偏在も大きいという話だったと思いますが、それについては御検討の予定があるかどうかも教えてください。
○医政局看護課長
 御質問、ありがとうございます。まず、訪問看護のこの指標ですが、現在、これは衛生行政報告例の中で、訪問看護及び介護保険施設・事業所の就業している看護職員の数を設定しております。これについては2年ごとに実績値が出るということで、令和4年度はまだ実績が出ておりませんが、令和4年度の数字は令和6年度2月に公表予定ということで挙げております。目標値ですが、こちらについては、看護職員の需給分科会の中間取りまとめの中で、訪問看護ステーション及び介護保険施設従事者の就業者数の事業数を推計しております。この推計は令和7年度の数値だったのですが、これを令和8年度の目標として設定している状況でございます。
 もう1つの御質問の、訪問看護ステーションにおける地域偏在ですが、これは訪問看護ステーションに従事する職員だけではなく、看護職員全体として地域偏在が課題であるという認識です。こちらについては、看護職員の数が充足している都道府県の中でも、二次医療圏で見ると充足していない所があることから、二次医療圏ごとの職員数の数が必要になるかなと考えております。一方で、二次医療圏ごとの看護職員の数を我々はまだ持ってはいませんので、引き続き、これについては、どういった指標が取り入れられるかは検討していきたいと思っております。ありがとうございます。
○佐藤委員
 ありがとうございます。
○調査分析・評価担当参事官
 そのほかいかがですか。大西委員、よろしくお願いします。
○大西委員
 どうも、御説明ありがとうございました。私からは、質問というか指摘事項になってしまうかもしれませんが。指標8、9、場合によっては指標12も関連してくるかもしれません。研修医等の満足度調査に関しては、この指標をこのワーキンググループの場で議論する度に、時折、話題に上がりますが、研修を受ける側の総合的な満足度という、結論についての指導や研修を受ける側の主観的な満足度を図るような形の指標に、少なくとも字面だけを見るとなってしまっているように見えるところがあります。
 果たして、この指標だけから、本当に必要な臨床研修段階の適切な指導・研修が行われているのかということについて、客観性を担保できる指標になっているのかということが、少なくともこの実績評価書の書きぶりからは若干分かりにくいと、この評価書の字面だけを見る立場の人間としてはいつも思うところがあります。
 例えば、研修を受ける側だけではなく、研修を提供する指導医や臨床研修の受入医療機関の側から見た評価ですとか、最近、病院などの患者の満足度調査などでも、単なる結論だけの患者満足度調査だけではなく、入院や外来のそれぞれの段階における必要なサービスを客観的な事実として受けられたかどうかについての患者の認識や理解を問うような患者経験価値調査というものも、最近では病院マーケティングの世界では取り入れられるようになっています。
 少し、私も素人なりに調べたリサーチの範囲では、そういうものも取り入れられるようになっているということで、そういった形で、研修医の満足度という主観的な指標が、ある程度そのほかの指標と組み合わせると、一定の客観性を持った満足度のパーセンテージとしてこの場に表れているというようなことが、何か参考指標のようなものを設定する形できちんと可視化されるのであれば、それが一番望ましいとは思いますが、そこまで行かなくても、例えば、実績評価書の書きぶりなどから、そういった観点からも、この満足度調査の客観性を担保するような補足的なアンケート調査なども、実際には実施されていることが分かるような書きぶりになっていれば、我々、評価する側からしても、この満足度調査の客観性が担保されているということが納得できる書きぶりになるのではないかと思った次第です。以上です。
○医政局医事課長
 ありがとうございます。この点は昨年も御指摘いただいていると伺っております。大変、もっともだと思います。まず、なぜこれを設定しているかということについて、改めて御説明をさせていただきます。臨床研修は、私も自ら経験した中で、正に学びたいと思っている年代の方々ですから、その満足度に一番影響するものは、やはりそこで充実した経験が得られたかどうかということであると考えておりますので、そうした観点から、十分、臨床研修そのものの質を表す指標になっていると考えておりますが、おっしゃるように、主観的な部分があるのは確かでございます。アンケートの中では、到達目標をどの程度達成しているかなど、様々な細かいアンケートを取らせていただきますので、政策を実際に施行する中で、1つの指標で研修の質を代表するのは非常に難しいのですが、様々な情報を収集する中で、しっかりとした臨床研修を行えるように対応していきたいと考えております。
○佐藤委員
 もう1つ、医療のほうで、参考指標に挙がった救急科の医師数ですが。これは、いずれ様子を見ながら新たな指標にしていけるかどうかというところかと思いますが、いろいろな診療科の中で、救急を取り上げた理由と、これは何だか、この先、目標値のようなものが定められるのかどうか、定めるとすればどのような指標が適切だとお考えなのか教えてください。
○医政局医事課長
 ありがとうございます。昨年のこの場の議論の中で、外科などだけではなくて救急科の医師についても定めてはどうかという御指摘があったと伺っております。その意図としては、やはり救急医療というものが、国民のために確保されることが重要であるという意図での御指摘であったと、私どもは理解しております。そういう意味から、何か指標がないかと考えたところでございます。
 救急医療を成り立たせているのは救急科の医師だけではなくて、様々な診療科の医師ですので、救急科の医師数だけでこれを表現することが現時点で適切かどうかについては、まだ若干の迷いもございます。また、救急科として独立したのは比較的最近でして、恐らく年輩の先生方は救急科というアイデンティティーを持たずに救急をやってらっしゃるかと思いますし、また若い方は、どんどん救急科というアイデンティティーを持たれるようになってきている過渡期でもあると思います。そうした中で、どういう形にするのがよいかは、今後、試行錯誤を検討していかなければいけないところだと思いますので、まだ、一定の答えを見出せているわけではありませんが、今の時点では、このような形で取り上げさせていただいたところでございます。
○佐藤委員
 ありがとうございます。
○印南座長
 座長の印南です。遅れまして大変申し訳ありませんでした。ほかに御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、この議題については、終了ということでお願いいたします。
 それでは、続きまして、施策番号Ⅰ-3-2「医療安全確保対策の推進を図ること」について、担当課から5分程度で御説明をお願いいたします。
○医政局医療安全推進・医務指導室長
 厚生労働省医政局地域医療計画課医療安全推進・医務指導室長の松本でございます。よろしくお願いいたします。
 資料2-2のパワーポイントの4ページ、施策体系の全体像で御説明させていただきます。まず、医療安全ですが、我々からしても各医療機関の中での医療安全の状況をモニターするのは非常に難しいものです。たくさんの患者さんに対して、様々な医療行為が行われております。それらの一つ一つの質の担保をするということ。またその中から事故等の事例を収集して、報告をしていただいて、そこから再発防止等につなげていくという一連のものを、国の立場から施策誘導していくのは非常に困難なところですけれども、様々な現場と、それから患者さんの立場との合意形成などもあり、今の施策体系があるというようなところで、それが4ページの現状というグレーの字の下の所にある、1.医療事故等の状況、2.原因究明と再発防止、3.医療安全の推進のための取組という体系になっています。
 1の所です。まず、1)は医療事故調査制度で、これは2015年から国が行っている比較的新しい制度です。それから、2)が医療事故情報収集等事業で、これは死亡に限らず事例を挙げていただく事業です。この件数自体は参考指標になっていますけれども、1)が300件、2)5,300件余りになっています。これの課題、達成目標としましては、これがしっかりと現場のほうにフィードバックをされて、使われているかというような体系になっていまして、それが測定指標の所にある下の1です。2)の情報収集等事業の事例が公表されますので、これを見ていますかということで、指標として出ています。
 2番目が産科医療補償制度です。これも比較的新しい制度ですけれども、補償を行いながら分析をして再発防止につなげるもので、この分析件数が指標になっております。
 右側に行きまして、次に、医療安全支援センターです。これは都道府県等に相談窓口がありまして、ここに相談や苦情等が寄せられて、それを医療機関にフィードバックをしていくというところです。この安全支援センターへの相談件数がしっかりと伸びているかということを、指標にしているというところです。状況としては資料2-1の表で御確認いただきたいと思います。2ページが、先ほど申しました指標の1と2の状況です。指標1については、事例のアクセスに関しては、近年伸び悩んでいるところで、理由等は少し調べてみないといけないところだと思いますけれども、以前よりも、例えば電子カルテなどが発達したこともあり、院内に事例として貼られてしまうとアクセス数としてはカウントできないなどということもあるのかなと思っていますが、20万件余りで、若干減っているところです。この指標をほかのものに改めることも検討していきたいと思っているのですが、何が真の意味でこの情報が使われているかを意味するかということに関しては、少し担当課のほうで考えていきたいと思っております。
 指標2の産科医療補償制度の再発防止に関する分析件数ですが、これもしっかり補償しているということもあって、情報が集まってくるので分析件数も伸びている状況です。
 続きまして、3ページの医療安全支援センターの相談件数ですが、こちらも順調に10万件余りというところで、しっかりと報告が挙がってきている状況ですので、こちらもワークはしているかと考えております。医療機関の数が増えているわけでもないですし、患者さんの数も、高齢化の中で件数は増えるけれども、高度医療の対象になる患者さんがこれから必ずしも増えていくとは限らない状況で、恐らく今後、横這いになっていくとは思うのですが、指標としてはワークしている範囲にあるかなと考えております。説明は以上です。
○印南座長 
 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等があったらお願いいたします。
○大西委員
 御説明ありがとうございました。指標2に関係して、数字の理解の背景のところをちょっと問うような性質の質問になりますけれども、この産科医療補償制度に関しては、2022年1月以降の分娩から在胎週数が32週以上であったものが28週以上に拡大されたりとか、あと一分娩当たりの掛金、1.6万円だったのが1.2万円に引き下げられたような形で、補償対象基準を拡大するような方向での制度改正がなされましたけれども、令和3年度から4年度にかけてですか、その辺りの目標値に対する実績値の伸びといったところに、その辺りの制度改正が既に影響し始めているのか、それとも特段それほどの因果関係とか相関関係はまだ見られない状態なのかというところについて、所管課のお考えをお伺いできればと思います。
○医政局医療安全推進・医務指導室長
 ありがとうございます。この制度は先生がおっしゃるように、昨年1月から対象拡大されましたけれども、この補償の申請は病状というか障害の特性上、生まれてすぐではなくて、1歳を経過してから申請しましょう、そのかわり5歳までの間に申請していだたければいいという形になっているので、タイムラグとしてはこれから増えることになるかと思います。そこはよく見ていくことになるのですが、もちろん疫学的な情報を基に対象拡大をしていて、それに沿った形で増えてくるかを見ることになると思うのですけれども、この補償もそれなりに大きいもので、かなり周知度も高いものですので、恐らく指標としてしっかり挙がってくるのではないかと思いますので、あまり懸念せずに見ていこうかと思っているのですが、御指摘のようにしっかり見ていく必要があると思っております。
○印南座長
 ほかに、佐藤先生お願いします。
○佐藤委員
 ありがとうございました。指標1は、達成が×になっているのですが、Webアクセス数を調べることが、御説明にもあったとおり医療の安全のためになる指標なのかというのはどうかなと思うところで、多分、私自身がアクセスしたようなものも一緒に数えられているのだと思うのです。そうすると、例えば見直していく、別に×になったからということではなくて、本当に医療安全に資する指標をこれから考えていくとすれば、どのようなものがあるのかをお聞きしたいです。
 例えば、医療事故情報収集等事業の中には、報告義務のある所と、任意参加になっている所がありますが、任意参加になっている施設数を見ると、母数から見ると非常に少ないわけですけれども、ここを増やしていくとかいうことは検討の対象なのかどうかを教えてください。
○医政局医療安全推進・医務指導室長
 ありがとうございます。今、義務の病院が特定機能病院等の限られた病院で、任意参加だと1,000病院ぐらいだと思うのですが、日本に8,000病院ぐらいあって、診療所自体は20万ぐらいあると思うのです。恐らく診療所ぐらいですと、世界的に見ても、すごく詳細な事故等の報告、ヒヤリ・ハットの報告等はなかなか厳しそうではありますし、現場感としてもそうですけれども、では8,000ぐらいある病院の中でどれぐらいが参加すべきかということに関しては、検討の余地があると思っておりまして、この事故事例の情報収集に関しては、どのようにこの制度自体、報告は頂いて、周知はして、各病院でもカンファレンスとかで取り上げていただいているのですけれども、それを整理した形にしているわけでもないですし、本当にこういったインシデントとかアクシデントのあり方なども、ある程度分かってきているというか、2000年ぐらいから医療事故の分析等を始めてもう20年ぐらいたっていて、大分体系化されてきたところではあるので、少しやり方に関しては考えてもいいのかなと担当課では見ているので、まず、政策の方向性として、この収集事業をどのようにしていくのかを検討していくことになるかと思います。
 第八次医療計画の中で研修を受けましょうというようなことを、県のほうにも報告を求めていこうと思っていますので、その辺りの状況を見て考えていきたいと思います。
○佐藤委員
 ありがとうございました。数値目標を出したほうが見やすいということと、一方で、実のある中身をどう問うていくかはなかなか難しいところだとは思いますけれども、よろしくお願いします。
○印南座長
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは担当課におかれましては、本日の御議論を踏まえて、実績評価書への反映をお願いいたします。
 次のテーマに移る前に、説明者の入替えを行いたいと思います。どうもありがとうございました。
(所管課入替え)
○印南座長
 それでは、施策番号Ⅰ-6-1「難病等の予防・治療等を充実させること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○健康局難病対策課長
 健康局です。概要の令和4年度事前分析表を御覧ください。施策目標は、難病等の予防・治療等を充実させることです。その下は、3つの柱に分類しております。1つ目が難病・小児慢性特定疾病対策等、2つ目がハンセン病問題対策、3つ目がアレルギー疾患対策としております。
 1つ目の難病・小慢から説明をいたします。難病は、治療方法が確立されていない希少な疾病であって、長期の療養が必要となります。また、2つ目のポツは、慢性の痛みを来す疾患は多くの患者がいます。3つ目のポツは腎臓病、4つ目は循環器病といったものも課題となっております。
 課題に移ります。1医療費の助成による経済的負担の軽減がしっかりとできているのかどうか。2難病患者に対する医療提供体制の整備、また療養生活の支援の強化。3慢性疼痛の総合的アプローチ。4腎臓病に関する正しい知識の普及。5循環器病対策の総合的な推進といった課題があります。
 測定指標については、主要な指標として、難病法に基づく医療受給者証の交付件数を置いております。そのほかの指標として、難病拠点病院を設置している都道府県の数、また難病相談支援センターの相談件数といったものを測定指標として置いております。
 2つ目のハンセン病問題対策です。背景では、療養所の入所者の高齢化と当事者の方々の減少です。全国で今、入所者は810名、平均年齢は88歳という状況です。また、若い世代を中心にハンセン病問題を知らない世代が増加しております。課題としては、ハンセン病に対する正しい理解の促進、ハンセン病療養所入所者等への偏見・差別の解消と名誉の回復、また家族の方に対する補償という課題があります。
 測定指標としては、主要な指標としてハンセン病資料館の入館者数を置いております。そのほか、中学生向けパンフレットの印刷や発送部数を指標として置いております。
○健康局がん・疾病対策課長
 3本目の柱です。アレルギー疾患対策です。我が国の2人に1人は何かのアレルギー症状があるということで、課題としては3つあります。居住地域にかかわらずアレルギー疾患医療を受けられること、そして2つ目は医療従事者の育成、3つ目は生活の質の向上のための支援体制の整備となっております。達成目標の3番目として、アレルギー疾患の重症化予防、症状軽減に向けた対策の推進を定めております。事務局からは以上です。
○印南座長
 ありがとうございました。ただいまの説明について、御意見や御質問等があればお願いしたいと思います。宮﨑先生、お願いします。
○宮﨑委員
 達成目標1の指標7、8について質問をしたいです。そもそも、基準値の辺りの設定をもう一度教えていただきたくて。説明によると、全ての都道府県等においてだから、都道府県と保健所設置市が含まれるという理解でよろしいですか。その母集団というのが、母集団と言いますか、こういう協議会を置くことを推奨している母体としては、都道府県と保健所設置市になります。そうなると、基準値がそれぞれ記載があるけれど、これはどういう決め方になっていましたかというのを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○健康局難病対策課長
 難病対策課です。都道府県等の「等」には、保健所設置市及び特別区が入ります。目標値を100と書いてあるのは、100%という意味でありまして、自治体数を100にしたときの達成度が、例えば指標8は難病対策地域協議会設置率の率にしておりますので、令和3年度は61%の自治体が設置をしたということです。
○宮﨑委員
 分かりました。分析にコロナの影響で保健所の切迫を挙げてくださっているけれど、結局ここ数年の傾向を見ると、コロナも数年に及んでの影響なので、昨年度というよりもこの数年、結局何らこの協議会の設置率が伸びていないように思うのですけれども。だから、コロナの影響ということはなくはないけれど、何かこの協議会の設置に対する必要性とか意義についての認識がまだ十分に浸透していないのか、ちょっと懸念を感じたのですが、その辺の現状理解はどのようになっておられますか。
○健康局難病対策課長
 ありがとうございます。自治体に簡単なアンケートを取ったことがあります。設置していない自治体に、なぜ協議会を設置していないのかという質問に対して複数回答で選んでいただきました。一番多かったのが、予算人員の確保ができないが44%、2番目が担当課や保健所の業務が多く手が回らないが42%、多分コロナ対応はこの中の一部なのかなとは思っております。その次に続いたのが、何をしたらよいのか分からないため会議のテーマ設定ができないというのがありました。
 こういったアンケート結果もありますので、予算人員は自治体に頼らなければいけないところも大きいのかもしれませんけれども、そのニーズですとか、こうやったらこのような良いことがあるということは、国からしっかりと改めて伝える必要があるのかと思います。
○宮﨑委員
 理由について調査をなさっているということで、そこは大事な点かと思うのですが。何をしたらいいか分からないというのは、かなり保健所として問題認識が緩いというか、最前線ですよね、保健所が、窓口の申請も受理しておられるから。ちょっとその辺の引締めが必要かなと感じました。引き続き、国としても指導をしていっていただければと思います。
○印南座長
 では、佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員
 同じ指標8、9の所です。まず指標9で、これは子供関連の事業が子ども家庭庁に行った中で、厚労省に残った事業だと認識しています。子供関連の地域協議会は、それはそれでたくさんあると思います。子供の協議会は子供の協議会、小児慢性特定疾患の協議会は小児慢性特定疾患の協議会というように縦割りになっているのかどうか。私、縦割りになっていることは決して良くないと思うのです。というのは、専門職は同じ人が携わっていらっしゃるので、例えば子供関連でいうと、要保護児童対策特別協議会みたいなものがありますけれども、多分、関与していらっしゃる方はこの小慢をやられる方と重なると思いますし、地域で協議会を持ってやっていただくのは、地域のサービスをいかに提供していけるかという意味合いも大きいので、むしろ、一緒にやっていただいたほうがこれからの事業を考える上でも、利用者さんにとっても良い結果が出るのではないかと思います。
 現状は単独でやっていらっしゃるのか、これから一緒にやっていくようなお考えがあるのかどうか教えてください。
○健康局難病対策課長
 ありがとうございます。健康局からも各自治体に通知を出しています。その中で、この協議会は都道府県等に設置するものなのですが、類似の協議組織と一緒に開催していただいて構いませんという通知を約1年前に出しました。ですので、分けなくてはいけないとは言っていません。その後、どれだけ一緒にやっているかというのは手元にありません。また、1年前に出したところですので、その状況も踏まえて見ていきたいと思います。
○佐藤委員
 ありがとうございます。分けると、担当していらっしゃる専門職も縦割りでものを考えるようになりますので、この利用者さんたちはこのサービスの中で考えなければいけない、みたいになりますけれども、一緒にやると何となくそこが柔軟になっていって、現場から新しいアイディアが上がってきたりしますので、なるべく合同で開催いただく方向をお考えいただいて、そのような連携が進むような指標もあるとよいかと思いました。以上です。ありがとうございます。
○印南座長
 ほかにいかがでしょうか。私からよろしいですか。難病はたくさん種類がありますし、大変だとは思うのですけれども、都道府県別の難病患者の人口当たりの数等の分布を知りたいと思いました。というのは、指標を設定する際に都道府県数とか全部均等に扱っていますけれど、難病の患者さんの多い所は優先的に先に協議会の設置をしてもらわなければいけないし、そうすると指標の作り方が違うかもしれないです。難病が今、300種類ありますので、それをうまくまとめて特定の都道府県とか、非常に多かったりすればそういう所は優先的に対策を行ってもらう等の工夫が必要なのではないかと想像するのですが、人口当たりの難病の患者数の分布が見えないので、考えにくいなと私は思いました。今後、対応していただければということで、お願いです。
○健康局難病対策課長
 確か前回も、先生に似たような御指摘を頂きました。難病の種類ごとや自治体ごとのデータがあります。都道府県、指定都市が縦になって横が300幾つの疾病というデータで1年単位であります。ただ、これは受給者証を発行した数ですので、厳密には難病患者の数そのものではないのですけれども、近しい数字ではあります。ただ、そこからどういった指標にというと、そこまで消化できてはいませんが、データとしては把握できるようになっています。
○印南座長
 データがあるのであれば、是非、それを加工して、例えば医療費みたいに地域差指数みたいなものを出したりして、優先的に対策を立てるべき地域、これは少数だからといって対策を後回しにするのかという批判があるかもしれませんが、指標に反映させてほしいと思います。これは要望です。
 ほかに御意見等がありますでしょうか。よろしいですか。それでは、担当課におかれましては本日の議論を踏まえて、実績評価書への反映をお願いいたします。どうも、ありがとうございました。
 続いて、施策番号Ⅰ-6-3の「原子爆弾被爆者等を援護すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 原爆被爆者援護対策室の石井と申します。よろしくお願いいたします。お配りしているパワーポイントの資料の6ページ目から、簡単に我々がやっている施策の概要を御説明差し上げます。
 6ページは原爆の援護施策の概要です。令和5年度の予算額は約1,188億円です。一番上は被爆地域で、原爆が落ちた地域とされている所で、ここにいらっしゃった方です。それから、原爆由来の放射能による健康影響があるだろうとされているような方々は、広島・長崎の市長、都道府県が被爆者と認定して、被爆者健康手帳を交付しています。その手帳の交付を受けた場合に、受けられる援護施策を下に記載しております。簡単に説明いたしますが、健康診断は年2回受けることができます。無料です。公費で負担されております。医療についても、基本的には全て国費で補填しています。一部保険優先という考え方もありますが、基本的には自己負担なしで診ていただけます。
 それから、福祉サービスや相談、亡くなった場合の葬祭料の支給などの援護施策があります。この中でも一定の要件を満たした方は、更に強力な援護施策を受けることができます。まず、原爆放射能によって病気になったということが科学的に立証というか認められる方々は、毎月多くの手当が支給されます。月額14万5,000円程度です。そのほかにも、一定の疾病に掛かっている方は、ここまでは多くないですが、健康管理手当というものが月に3万5,000円、そのほか原爆養護ホームという所を設置して、ほぼ自己負担なしで入れる介護施設の御用意があります。
 次のページはデータ類です。昨年度末時点で、被爆者の数は11万3,649名、平均年齢は85.01歳となっております。都道府県別の人数で見ますと、48、49番の広島市、長崎市が一番多くて、その次に34番の広島県、その次に42番の長崎県が多くなっております。この4自治体だけで、約8万人となっています。右上に各種手当の受給者数の記載がありますが、被爆者の大部分が何らかの手当を受けられています。
 次のページは、今回達成目標として2つ設定しておりまして、もう1つのほうです。被爆体験伝承者等派遣事業というものを、国立の広島と長崎に設置している祈念館という所で実施しています。予算額は全体で6億円あるのですが、その内数の約5,000万円が被爆体験伝承者等派遣事業のために当てられています。どういう事業かと言いますと、広島市と長崎市が被爆体験を伝える人を、話し方の講習などを行って伝承者を養成します。その方々を全国各地に派遣すると。これはPRもしているのですが、基本的には求めに応じて派遣をするという形になります。この派遣に要する費用を、祈念館、国が負担して派遣をしております。事業の概要については以上です。
 4ページに戻ります。施策目標Ⅰ-6-3です。原子爆弾被爆者等を援護することです。先ほど説明した援護施策と被爆の実相の伝承の2つを達成目標に置いております。まず援護ですが、基本的な考え方は課題1に記載がありますが、被爆者が受けた放射能による健康被害という他の戦争被害とは異なる特殊な被害であることに鑑み、援護施策を実施している。国家保障ではないということです。アウトプット指標として、健康診断の受診率をこれまで設定してきています。
 もう1つは右側ですが、世界唯一の原爆の被爆国として、被爆の実相・平和への思いを次世代に敬承するということで、これについてはアウトプット指標を先ほどの事業の派遣件数で置いております。
 5ページは、目標の達成です。被爆者健康診断受診率は、達成率125%、派遣は188%と達成はしております。ただ、新型コロナの影響で大分鈍っていた部分もありますので、そういう意味では過去の受診率や派遣件数を目標値に設定しておりますので、これをそのまま機械的に当てはめていいかということについては、疑問はあるかなとは考えております。私からは以上です。
○印南座長
 説明ありがとうございました。ただいまの説明について、御質問や御意見があればお願いします。では、私からお尋ねします。コロナのせいで下がって、そこから測るから188%となるわけですよね。これは、ほかの問題にもコロナが結構影響しているのですが、その前の段階との比較はこのような特殊な場合には、コロナ以前と比較する、あるいはコロナの期間、あるいは前後もう3年ぐらい含めてその平均と比較をするということがあってもいいのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 それについては、お配りしている資料4-1の2ページなのですが、受診率のほうは過去3年間の受診率の平均を目標値に置いております。それはクリアできているのですが、コロナ禍はどこかといいますと、令和2、3、4ですので、今回の政策評価をする年度も一応コロナ禍ではあったと。その受診率が49.9%、コロナ禍の前の60.4%と比べると下がってはいるのですが、一応令和4年度もコロナ禍であったということを踏まえると、すみません、これが達成できていると私ははっきりとは申し上げられませんが、そういう比較はできるかなと思います。
 次に派遣のほうですが、派遣は前年度を上回ることを目標に置いております。令和4年度は561件、その前が299件、その前が306件です。この306件と299件がコロナ禍における派遣件数で、コロナ禍前は632件、422件ということで、コロナ前までは回復しているかなということは、少なくとも言えるとは思っております。
○印南座長
 分かりました。ほかにいかがでしょうか。大西先生、お願いします。
○大西委員
 御説明ありがとうございました。指標2に関連する背景事情の理解に関する質問になるのですが。令和5年度から被爆体験伝承者の派遣事業に国立市が参画されたということですが、これは要するに被爆体験伝承者の養成を国立市でも実施して、その上で国立市内を中心に伝承者の派遣を行うというような枠組みの事業の参加者に、新たになられたという理解でよろしいのでしょうか。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 すみません、私も詳しくは把握していないのですが、平成27年に国立市にいらっしゃる被爆者の方が熱心に活動されていたと。それを国立市が、これはいい活動だなということで、市を挙げてやろうということになったのがきっかけのようです。最初は国立市だけでやられていたのですが、限界があるということで、我々の派遣事業の中に取り込むというか、一緒にできるようにということでやってきた経緯があります。ですので、確かに国立市のような市が増えていただければ、我々としては是非ともという感じではあるのですが。
○大西委員
 どうもありがとうございます。被爆体験の伝承を、いかに被爆地以外の自治体にも広げていくかというのは、1つのかなり大きな課題だろうということは、もちろん所管課でも認識はされているかとは思うのですが。やはり、広島や長崎出身の方で社会人などになられてから県外に出られたり、あるいは広島や長崎出身の同業者と話をしたりする機会もありますが、被爆体験の伝承に関して、特に教育現場や職場の同僚や社会の理解度の違いに関するカルチャーギャップのようなものを感じることがあるというような声も、往々にして耳にすることがあります。そういう意味で、やはり被爆体験の伝承のユニバーサル化というと少し語弊があるのかもしれませんが、そのような方向での取組を強化していただくのが、この事業の永続性のようなものを担保する上でも重要なのではないかと、この指標の数値と今のお話を伺って感じた次第です。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。十分認識していますし、そのようにするようにいたします。
○印南座長
 ほかにいかがでしょうか。田宮先生、お願いします。
○田宮委員
 今お話がありましたように、やはり被爆者の方がだんだん少なくなってくる中で、いかに残しつつ広げるかということは大切と思います。ちょうどWebでの開催の実績もできてきたので、何かWebサイトなど、これから残ることを意識した教材づくりなど、すでにいろいろされているのだとは思うのですが、更に力を入れて、英語も踏まえて、何かそういうことにアクションを起こしていただくといいのかなと思います。
 今は具体的に教育のアーカイブスというか、Webサイトなどは、どのようになっていますか。それも含めて、今後のことも教えてください。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 実はコロナ禍を契機に、オンラインで実施するということも始めております。これは確か令和4年度からであったと思うのですが。そういった取組も始めておりますし、海外に何回も行くわけにもいきませんし、あとは被爆者御本人であれば大分高齢で、全国に引っ張っていくことはなかなか難しいと思いますので、それは御指摘のとおりオンラインなどは最大限有効に活用したいとは思っております。節約の観点からも、それはいいのかなと思います。
○田宮委員
 そうですね。記録として、アーカイブスとして残すということを意識して、是非進めていただければと思います。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 分かりました。
○印南座長
 ほかにいかがでしょうか。私から、思いつきみたいな質問で申し訳ないのですが、この思いを伝えるという事業は、英語や外国語でどのぐらい行われているのでしょうか。英語だけですと恐らく足りなくて、ロシア語とか。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 毎年海外でやっていて、コロナ禍は止まっていたかもしれないのですが、やってはいます。それから、先ほどの御指摘にあったアーカイブス、被爆体験、被爆者の証言をビデオに残して、それを英語の字幕を付けて保存したり、祈念館で見られるようにはなっているのですが、そういった取組はしております。
 すみません、件数とかは手元にないので。
○印南座長
 まあ、そうだとは思っていたのですが、言語ですよね。ロシア語や中国語とかで出しているのですかと。英語ですと伝わる相手は限られていると思うのですが。
○健康局原子爆弾被爆者援護対策室長補佐
 すみません、すぐにはお答えできないですが。複数の言語でやっておりますが、ただ何か国語というのはすぐには分からないです。
○印南座長
 分かりました。どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、担当課におかれましては、本日の議論を踏まえて実績評価書への反映をお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、続いて施策番号Ⅰ-7-2「医薬品等の品質確保の徹底を図るとともに、医薬品等の安全対策等を推進すること」について、担当課から5分程度で説明をお願いします。
○医薬・生活衛生局総務課長
 医薬・生活衛生局総務課長の衣笠と申します。よろしくお願いいたします。それでは、資料5-2の概要資料を用いまして御説明をいたします。5ページをお開きください。施策目標Ⅰ-7-2、こちらは関連する施策としては3つ設定をしております。1.一般用医薬品の販売制度の徹底です。こちらは平成26年に制度の見直しが行われまして、かつて若年者の間で濫用も問題になっているという背景があります。こちらについて、測定指標としては下に書いてありますとおり、法律上は義務となっています第1類医薬品販売の際の情報提供の実施率といったことなどを指標として設定しております。
 2.医薬品等による健康被害への対応です。こちらの施策は、和解等に基づく支援事業や、PMDAが行っております医薬品副作用被害救済制度等の運用などですが、こちらは救済事業ということから、なかなか目標設定ということが性質上は馴染まないということで、測定資料の設定なしとなっています。参考指標として、事業の実施状況ということで、支給件数等を設定しているということです。
 3.医薬品等の品質確保対策です。この関連ですと、厚労省・都道府県・PMDAが、国際的な医薬品査察協定でありますPIC/Sに加盟をしていることや、都道府県などが製造販売業者等への立入検査を行うことなど、また、後発医薬品等の信頼回復に向けた必要な監視指導の強化を行うといったことなどです。
 こちらの測定指標としては、下の10に書いておりますが、GMP査察研修の受講者に対して実施したアンケートにおいて、GMP査察について理解が高まったと回答した受講者の割合をアウトカムとして設定しています。こちらは、前回、佐藤委員だと思いますが、いろいろ御指摘があったということで、新たに設定しているということです。
 あとは、後発医薬品の関係で、健康被害が生じるような事案が生じており、また、数量シェアを設定している中で、指標としましては、下の12のような品質確認に必要な溶出試験等の検査の実施件数や、後発医薬品の使用割合(最低の都道府県)などを設定しているということです。
 次のページですが、実績を踏まえた評価としまして、上のほうの囲みの総合判定の右の下に記載していますが、判定理由としては、全ての測定指標の達成状況が「○」又は「△」、主要な測定指標の半数以上が「○」ということで、目標達成度合いの測定結果は3ということと、あと、総合判定をBと判断させていただいている状況です。
 下の施策の分析や次のページの現状分析などは、時間の都合上、割愛させていただきます。
 7ページ、次期目標等への反映の方向性ですが、達成目標1については、第1類医薬品販売及び濫用等のおそれのある医薬品の実地での販売について、引き続き目標達成を目指すことと、指標3については、令和5年度から濫用等のおそれのある医薬品の指定範囲を改正するといった制度改正を行ったところでもあり、その影響を注視することが適切と考えられますので、指標は維持した上で引き続き取組を進めることとしています。また、濫用等のおそれのある医薬品のインターネット販売については、若干その数値がまだ下回っているものがあるものですから、関係団体や事業者に調査結果の共有、不遵守となった要因や改善に向けた方策について、ヒアリングを行うことなどで改善を図ることと、自治体に対しても監視指導の依頼を行って、目標達成を目指していくこととしたいと考えています。
 あと、達成目標2については、引き続き継続して適切に運用することにしております。
 達成目標3については、GMP査察研修について、引き続き目標達成を目指していくこととしています。
 達成目標4についてですが、後発医薬品の品質確認については、検査数の目標値、これはコロナで若干下がったところですが、上向いてきているということで、そこは維持しながら達成に向けて引き続き取組を進めること、また、実際に後発医薬品が使用された割合の指標13については、信頼の評価指標としては重要でありますので、引き続き測定指標としては維持していきたいということで考えております。説明は以上です。
○印南座長
 ありがとうございました。ただいまの説明について、御質問や御意見等があればお願いします。いかがでしょうか。佐藤先生、お願いします。
○佐藤委員
 御説明ありがとうございました。後発品については、諸々問題が生じていると認識しているのですが、世の中で問題が既に生じていることが、ここ2年くらい企業の問題であるとか、それに伴う後発品の不足として問題が生じているわけですが、それが実績評価に全く現れてこないのは、とても不思議な感じがするのです。世の中に問題が生じているのに、実績評価をしたときによくできていましたということになると、では、振り返って目標値が本当に適切であったのかという疑問が生じるわけですが、担当課としては、つまりここに問題が生じていることを評価する指標があったのか、なかったのか。それを考えたときに、今の指標が適切であったのかどうなのか、その辺についてどのようにお考えか教えてください。
○医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課企画調整専門官
 御質問ありがとうございます。監視指導・麻薬対策課です。佐藤先生のおっしゃるとおり、近年、医薬品製造販売業者等のGMP違反による行政処分事案が続いている状況であり、これを受け、厚生労働省においてはこれまでに責任役員の設置や法令遵守体制整備を製造業者や製造販売業者等に義務付けるとともに、行政処分の基準の厳格化や無通告立入検査の実施強化といった行政による制度管理体制の監督強化などの対応を、これまで行ってきたところです。
 また、医薬品の安定供給の確保という点については、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会において議論されてきたところですが、こちらの検討会で医薬品の安定供給の確保に向けた政府による基盤整備として、薬事監視の質的な向上を図る必要性が指摘されていたところです。
 厚生労働省においては、引き続き有識者検討会の議論を踏まえまして、国、都道府県における薬事監視の体制の強化や国と都道府県の薬事監視の速やかな情報共有を含めた連携体制の整備を行い、薬事監視の質的な向上を図ることとしております。
 御指摘いただきました指標の設定についてですが、昨今の二重帳簿の作成などによる想定外の薬機法違反事案などの他律的かつイレギュラーな事象をあらかじめキャッチすることは、政策の自律的な取組と、そのアウトプット・アウトカムを評価する指標の中に含めることは、困難なものと認識しておりますが、薬事監視状況の全体的な実態や傾向を把握することを主軸といたしまして、達成目標3においては行政による監視体制、及び達成目標4においては、その結果として流通している医薬品の品質状況を組み合わせて評価できる指標と設定しており、違反等により出荷していない医薬品を除きまして、流通している医薬品に問題がないことを示す限りにおいては、今、設定している指標は適切だと考えているところです。
 なお、事前に現状の事案を踏まえた内容をこの評価書に盛り込まなくていいのかという点については、おっしゃるとおりかと思いますので、達成目標4の分析、今後の取組の記載については、頂いた御意見を踏まえまして、現状や今後の改善の取組が分かる記載に修正させていただければと思っております。
○佐藤委員
 よろしくお願いします。
○印南座長
 今のを聞いていますと、指標自体は別に見直す必要はないと聞こえたのですが、そういうことはないですよね。
○医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課企画調整専門官
 現状の施策として定める指標としては、適切であると考えているところです。ただ、後発品の供給問題に至る原因や課題は、現在、いろいろな検討会で検討されているところかと思いますので、その議論も見守りながら指摘された課題の解決を、もし今後の目標に反映できるものがありましたら、それも参考に考えていきたいと思っております。
○印南座長
 本当に適正だと言い切るのは、少し早いのではないかと思ったので、検討会の意見や合意を反映して、場合によっては指標も見直す可能性があることだと理解しますが、よろしいですか。
○医薬・生活衛生局総務課長
 ありがとうございます。薬事規制の関係では、医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会の取りまとめを受けて、新たに検討会を立ち上げています。そちらは創薬力の強化と安定供給の確保といったものを議題に、薬事規制の見直しを検討いただくこととしており、その中で薬事監視も含めて検討事項として挙がっていますので、そちらの方も当然踏まえながら、どういったものがあり得るかは今後検討していきたいということです。
○印南座長
 ほかに御意見、御質問等はありますか。よろしいですか。それでは、担当課においては、本日の議論を踏まえて、実績評価書への反映をお願いします。どうもありがとうございました。
 続いて、議事(2)~(4)に移ります。それでは、事務局より説明をお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 事務局です。会議運営の効率性の観点から、議事(2)~議事(4)まで、まとめて事務局より説明いたしますので、そのあとに委員の皆様に御議論、御発言を頂ければと思います。まず、資料6の「第13回政策評価に関する有識者会議WGにおける御意見等への対応状況」につきましては、本年2月に開催したWGで出された個別の御意見につきまして、事務局で議事録を基に御発言内容から御指摘を拾って、担当部局に対応状況等を照会したものになります。こちらにつきまして、御意見等をお受けいたしますが、細かい内容になりますので、こちらについては、会議開催後8月17日(木)までに事務局まで御連絡いただければ幸いです。
 全体の状況ですけれども、表紙の部分、全体として25個、対応状況を記載させていただきました。そのうち「対応」と区分しているものは36%、「今後検討」が36%、「対応困難」が24%、「事実関係の照会等」が4%という形で整理させていただいております。
 続きまして、資料7の「令和4年度の分野横断的に実施している政策の評価書について」です。本年3月に開催された有識者会議で、委員の皆様から頂いた御意見も踏まえまして、追記を行った最終版を6月に当省ホームページにて公表しております。頂いた御意見及びそれを踏まえた対応の内容を明らかにするため、御意見につきましては「7 学識経験を有する者の知見の活用」にまとめ、御意見も踏まえた総括を「8 政策評価の結果」としてまとめています。貴重な御意見を頂き、誠にありがとうございました。今回は初の分野横断評価の取組でしたが、本評価書が今後の評価軸や政策の検討にもいかされますよう、原局と引き続き連携してまいります。
 続きまして、資料8の「令和5年度に評価を行う分野横断的な政策について」です。こちらも本年3月に開催された有識者会議で委員の皆様に御議論を頂いたものですが、様々な御意見を頂きました。施策の担当課とも調整を行った上、頂いた御意見を踏まえ、どのような対応を行うかをまとめた資料を2ページ目に追加しています。左側に御意見をまとめ、右側に御意見を踏まえた対応を記載しておりまして、まず、青枠部分は本テーマを取り上げる意義や目的に関する御指摘です。例えば改正法が施行され、連携に関する取組が始まる時期であり、評価時期は少なくとも1年度後ではないか。また、よい実績値とならないことが予想されるので、数字だけを見て連携の評価を行わないよう、共通認識を持つことが必要などの御意見がありました。これに対しては、実績評価方式による評価書とは異なって、改正法による雇用施策と福祉施策の連携強化の進捗状況自体を評価することが目的ではないことを、評価書の目的欄に明記いたします。
 オレンジの枠は、評価書の内容に関する御指摘でして、例えば好事例の共有などから、今後何が必要かを明らかにすることを含めて考えれば、テーマとして掲げることも有益ではないか。また、当事者の視点からの評価を行うことで、当事者の求める支援等を把握し、取組につなげていってほしいなどの御意見がありました。これに対しては、医療、雇用、福祉の連携の好事例を取材し、それを3つの視点で分析したいと考えています。具体的には、支援者の視点として、「効果的な連携」と評価するためには、支援者間でどのような要素が満たされていると考えるかを分析。当事者の視点として、「効果的な連携」が当事者にどのような影響を与えるかを分析。雇用者の視点として、就労支援や定着支援に当たり、医療、雇用、福祉の連携が図られていることが、雇用者にどのような影響を与えるかを分析することを考えております。その上で、連携を評価するため、どのようなデータを示せばよいか等の検討を通じて、政策評価に係る評価書の現状分析を記載する上での1つの材料を示すことを目指します。
 緑の枠は、本テーマを取り扱う際の留意点等に関する御指摘です。例えば、政策の方向性にも関わる内容であるため、厚生労働省の所管部局と十分に調整を行った上で、評価書案の取りまとめを行う必要があるのではないかなどの御意見がありました。これに対して、改正法の施行に向けた取組が進められていることをしっかりと念頭に置きながら、制度所管部局と十分に調整し、対応してまいります。以上のような整理の下、障害者の就労支援のための雇用施策と福祉施策の連携をテーマとして、令和5年度分野横断評価を進めさせていただきたいと考えております。事務局からは以上となります。
○印南座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、今後の会議運営に、ただいまの説明をいかしていただくよう、お願いします。
 本日予定しておりました議事は、全て終了いたしました。本日は熱心かつ有意義な御審議を頂きまして、ありがとうございました。それでは、事務局より本日の議論の取扱について説明をお願いします。
○政策立案・評価担当参事官室長補佐
 本日頂いた御意見等の取扱についてですが、まず、実績評価書の記載に関する御指摘につきましては、担当課において必要な修正をするとともに、評価書の「学識経験を有する者の知見の活用」という欄に、反映状況を記入させていただきます。会議の場で伝えきれなかった御意見がございましたら、8月17日(木)までに事務局まで御連絡ください。実績評価書につきましては、当室で取りまとめの上、総務省への通知及び厚生労働省ホームページでの公表手続を進めさせていただきます。また、併せて皆様にも最終版を送付いたします。また、今後の目標設定等に関する御指摘のうち、中長期的な検討課題となるものについては、事務局で整理の上、担当部局にて検討の上、進捗状況を今後の会議で皆様に御報告させていただきます。説明は以上でございます。
○印南座長
 これをもちまして、本日の会議は終了とさせていただきます。審議の参加に遅れたことを重ねてお詫び申し上げます。以上です。