第151回先進医療技術審査部会 議事録

日時

令和5年8月10日(木)16:00~18:00

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア「8D」(オンライン)

出席者

竹内座長、北川座長代理、天野構成員、一家構成員、伊藤構成員、上村(尚)構成員、上村(夕)構成員、掛江構成員、後藤構成員、真田構成員、戸高構成員、飛田構成員、平川構成員、平田構成員、松山構成員、山本構成員、渡辺構成員、外園技術専門委員


(事務局)
医政局研究開発政策課長
医政局研究開発政策課 治験推進室長
医政局研究開発政策課 課長補佐
医政局研究開発政策課 治験推進室長補佐
保険局医療課 先進・再生医療開発戦略専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 審査調整官

議題

  1. 1.総括報告書の評価について
  2. 2.試験実施計画の変更について
  3. 3.協力医療機関の追加について
  4. 4.その他
     

議事

 
○竹内座長
 それでは定刻となりましたので、第151回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多用の中、また格別にお暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。本日はオンラインでの開催となります。本日の構成員の出欠状況でございますが、坂井千秋構成員より事前に御欠席の連絡を頂いております。また、本日は技術専門委員として、外園千恵委員に御出席いただいております。どうもありがとうございます。

○外園委員
 お願いします。

○竹内座長
 本日これまでのところ18名の構成員のうち、まだ御入室いただいていない真田構成員、戸高構成員、山本構成員を除きます14名の構成員にお集まりいただいていることから、本会議が成立していることを申し添えたいと思います。それでは早速ではございますが、配布資料と本日の審議案件、審査案件の確認を事務局からお願いいたします。
 
(真田構成員、戸高構成員、山本構成員 入室)
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしく申し上げます。
 配布資料につきまして、確認させていただきます。議事次第から、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。
 続きまして、「総括報告書の評価について」、資料1-1~1-3。「試験実施計画の変更について」、資料2~3。「先進医療Bの協力医療機関の追加について」、資料4-1~4-2。会議資料の最終ページは「52ページ」となります。お手元の資料に乱丁、落丁等ございましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、告示番号旧55の技術、神戸市立神戸アイセンター病院からの総括報告に関して、真田構成員におかれましては、当該医療技術の評価に当たり、評価の公平性の観点から、審議の際には一時御退席いただければと思います。北川座長代理から御報告があり、500万円を超える該当がありました。つきましては、議事の取りまとめを含む検討及び事前評価には加わることができませんので、当該技術に係る審議の際は一時御退席いただければと存じます。また当該技術について、山本構成員からも御報告がありましたが、50万円以下でしたので、当該技術の議事取りまとめ及び事前評価に加わることができます。事前の届出以外にもし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。それでは該当なしということで承知いたしました。
 また、今回は資料を事前にメールでお送りしております。会議資料と区別して、構成員・事務局限りの届出書類等を「タブレット資料」と御案内します。なお、会議資料とタブレット資料の内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ、もしくはタブレット資料の何ページと、あらかじめ御発言を頂けますと議事の進行上助かります。
 本日はオンラインでの開催となり、構成員の先生方には大変御不便をお掛けいたします。御発言いただく際には、初めにお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。そのほか、途中で接続トラブル等ございましたら、お知らせいただきますようお願いします。また、Web会議ソフトには「手挙げ機能」が付いておりますので、こちらも適宜御活用ください。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございました。それでは議事に入りたいと思います。「総括報告書の評価結果」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料1-1の15ページを御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する御評価をいただきますのは、告示番号旧55、「遺伝子パネル検査による遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝子診断」です。申請医療機関は神戸市立神戸アイセンター病院です。審査担当構成員は主担当が松山構成員、副担当が伊藤構成員、技術専門委員が外園委員となっています。なお、本議題の審議に際し、真田構成員、北川座長代理におかれましては利益相反の関係等から、本議題の審議に際し御退席いただきたく存じます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 
 (北川座長代理、真田構成員 退席)
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 それでは資料に沿って御説明いたします。遺伝性網膜ジストロフィーの中でも代表的な網膜色素変性は、夜盲、視野狭窄、視力の著しい低下を来す遺伝性進行性の疾患であり、本邦には約3万人の患者がいるとされている。網膜色素変性は単一遺伝子疾患であり、原因遺伝子として既に約60種類が報告され、類縁疾患を含めると250以上の遺伝子が報告されている。遺伝性網膜ジストロフィーは同じ網膜色素変性と診断される場合においても、原因遺伝子により臨床症状に違いが見られる。原因遺伝子が同定されることにより、疾患予後や治療に関する情報、より正確な遺伝カウンセリングを提供することが可能である。本研究では、IRDパネル検査システムの保険収載を目差し、臨床現場での有効性の調査を実施した。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございます。それでは、本技術の評価につきまして、主担当の松山構成員から御説明をお願いいたします。

○松山構成員
 まず有効性ですが、B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効だという形にさせていただきました。従来の遺伝子検査パネルでは、50遺伝子の検査にとどまっていましたが、今回のパネルでは82遺伝子の検査が行われております。遺伝子同定可能性も、今、非常に技術が進んでおりまして、漏れなくかなり正確に遺伝子同定ができるものになっておりまして、先行医療技術よりもやや有効ということで考えております。
 安全性に関しましては、採血のみですので、被験者への直接的な危害の視点から、特段問題はないと判断しております。遺伝子カウンセリングに関しても、今回かなり丁寧に行われておりまして、倫理的な面でも大きな問題はないと考えているところです。
 技術的成熟度に関しましては、B.当該分野を専門として、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導下であれば実施できる。採血とシークエンスだけは特段こういうことはないのですが、やはりしっかりと遺伝子カウンセリングしていただいているということで、Bとさせていただきました。コメントですが、遺伝子パネルのシークエンス確度は著しく高い。本質は、見いだされたバリアントが疾患の視点から意義があるのか、現在の治療法で適応となるものがあるのか、セラピーがあるのかです。治療法がいまだない場合、どのように被験者、あるいは患者さんに向き合うのか、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であればこそ、実施されることができるものであろうと考えているところです。総合的なコメントに入る前に、一旦お返しいたします。ありがとうございます。

○竹内座長
 ありがとうございました。それでは、副担当の伊藤構成員から御説明をお願いいたします。

○伊藤構成員
 統計的な観点から評価いたしました。有効性については、B.従来の医療技術を用いるよりも、やや有効である、と判定しています。評価事項について、過去の報告における原因遺伝子の同定割合が、点推定値のみで41%でしたが、症例数の設計の根拠が信頼区間を提示することが前提の設計になっているので、結果も信頼区分を付けて提示してくださいと照会したところ、41%に対して95%信頼区間が31.9%から50.8%ということで、当初設定された幅以内に収まっているので、科学的にもきちんと評価されていると考えられます。
 ただ、照会事項の回答のみで終わっていて、本文の報告書にその信頼区間が反映されていないようでしたので、事務局で確認していただいて、新旧対照表に追加していただければと思います。検査システムとして確立すれば、診療において有用と考えられましたので、やや有効と判断いたしました。
 安全性については、侵襲が採血のみであるということなので、特に安全性は問題ないということで、A.問題なし、と判定しております。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございます。照会事項につきましては、資料1-2に書いてございます。先ほど事務局で確認いただきたい旨の御指摘がございましたので、後ほど事務局で確認をしていただければと思います。ありがとうございました。
 続きまして、技術専門委員の外園委員から、御説明をお願いいたします。

○外園技術専門委員
 外園です。説明させていただきます。まず、網膜色素変性症は、遺伝形式は様々で、優性遺伝、劣性遺伝、散発性がある中で、これまで医療としてこの網膜色素変性症の遺伝子検査ができなかったことを鑑みますと、今回の遺伝子検査の正確性と検出率を考えると、これまでに眼科領域、網膜ではなかった技術だと言えるのではないかと、AとBは実際迷いましたが、世界的にもこれより高い精度でできるとかはそうないだろうと考えますと、言えるというように考えております。
 安全性に関する考えが、採血だけで見ていいのかというところがありまして、Dとさせてもらいました。というのは、「診断」した後に治療法がないという、そこに大きな落差がありまして、「診断」することが治療に結びつかないと。「診断」して予後の見通し、進行が速いか、あるいは遺伝性があるかないかという見通しは立っても、具体的にこれから見えにくくなるであろう、あるいは人によっては失明していくことが予測される人に対して、治療法がないものをどのように伝えるかということに関して、先進医療ですので、単に正確性だけではなくて、研究ではありませんから、医療としてどのように持っていくかというモデルを作っていくという視野に立ったときに、遺伝カウンセリングは非常に重要であると思って、事前に質問させていただきました。
 技術的成熟度につきまして、単に遺伝子のどこがどうということではなくて、臨床所見と併せて「診断」するということではありますけれども、そこの正確性やエラーが出ないのかというのは、ちょっと戻りますが、安全性で問題と。
 これが眼科領域では、「角膜ジストロフィー」が既に保健診療になっておりますが、そことの対比で書かせていただきました。「角膜ジストロフィー」は失明しません。診断できたらそれで治療できます。その遺伝診断が、治療後の再発とかに非常に有用ですので、遺伝子診断が治療に結びついているということが、この網膜ジストロフィーと大きく違う点となります。ですので、この遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝診断がストックされることで、恐らく遺伝子治療が可能になってきたときに、それをどうレジストレーションするかとか、医療の視野に立った考察がもっとほしかったなと思っております。そういう意味では、最初の報告書が考察が1ページもなかったというところで、研究としては成果があると。ただ医療として、どのように何を問題としたかということは、伝わってこなかったなと思っております。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございました。特に安全性について非常に詳細なコメントを頂きまして、様々な照会事項もしていただきました。それでは、これらをまとめまして、主担当の松山構成員による追加のコメント等ございましたらお願いいたします。

○松山構成員
 ありがとうございます。実は、一番最初に提出された総括報告書の記載が、若干分かりにくかったりとか、遺伝子のシークエンスの部分にフォーカスが絞られていて、後半のカウンセリングの部分が若干薄かったりしていたので、今回、外園先生、本当によく御指導いただいて、ブラッシュアップしていただいたと思います。それから、伊藤先生にも適切に対応していただきました。ここで感謝いたします。
 総合的なコメントですが、研究計画のタイトルが「遺伝性網膜ジストロフィーにおける遺伝子診断と遺伝カウンセリング」とありますように、遺伝子の同定のみならず、患者さん、被験者、御家族より遺伝カウンセリングの重要性を認識し、実際に遺伝カウンセリングを行っておられます。検査は目的があってなされるものであって、遺伝診断と遺伝カウンセリングをカップリングさせた医療技術として高く評価させていただきたいと考えております。
 なお、薬事未承認の医薬品等を伴う医療技術の場合、薬事申請に寄与するかということですが、このプリズムガイド、IRDパネルシステムに関しましては、本年5月、製造販売承認を取得されておられるということでしたので、追記させていただきます。本当にどうもありがとうございました。

○竹内座長
 ありがとうございました。松山構成員からの総評でございます。事前照会事項について、資料1-2、先ほどの95%信頼区間の点は、33ページに追記がありますし、遺伝カウンセリングは資料1-2全般にわたって記載がございます。ただいまの御説明につきまして、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。大変丁寧に見ていただきまして、今、松山構成員から頂いたコメントのとおりです。よろしいでしょうか。

○外園技術専門委員
 眼科学会のほうでも、この網膜ジストロフィーが遺伝子診断されることの波及効果を考慮しまして、遺伝性網膜ジストロフィーの遺伝診断ガイドラインが出ると聞いていたのですが、調べますと6月に出ていましたので、追加資料とさせていただきました。かなり眼科医療へも及ぼす影響は大きいというように考えておりますので、引き続きセンターには頑張っていただきたいなと思っております。きちっとやっておられるのですけれども、もっと考察を世に出していただきたいというのが、審査に関わらせていただいたコメントとなります。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございました。それでは皆様よろしいでしょうか。御意見ございませんようですので、それでは告示番号旧55につきましては。渡辺先生、コメントございますか。

○渡辺構成員
 今、外園先生がおっしゃられたように、遺伝カウンセリングが十分なされているということについては、総括報告書の11ページから12ページにかけてコメント、アンケートも取ってあるのですが、遺伝子疾患なので検査を受けられた方以外の親族にもカウンセリングがあって然るべきだと思うのです。今回のアンケートというのが御本人だけなのか、親族はどのくらい受けられたのか。親族の方々のカウンセリングの内容は、御本人と異なって、当然検査を受けておられないわけなので、その辺りのフォローがどのぐらいできたのかというのが、この資料だけでは分からなかったので教えてください。御本人にとっては十分なカウンセリングを受けられたのかもしれないのですが、遺伝子疾患というのは、問題は検査を受けられていない方に対しての精神的な負担というのが結構あるものなのですよね。親族へのカウンセリングというのは、やはり今後、遺伝子診断が進む中でどうあるべきかというのが、今回のようなものをきっかけにして、そういう在り方を御協議いただきたいなと思いました。特に御専門の先生がおられるので、今回のように本人のカウンセリングが良かった、初回のカウンセリングが良かった。それはいいのですが、フォローが大事で、1回やったら済むものではないと思うのです。
 2つ目は、先ほど申し上げたように、検査の対象となった御本人以外のカウンセリングはどうあるべきかというのが、今回は十分検討できていないような気がするので、この2点が今後の課題として残ったままではないかという気がしたので、その辺の御質問です。よろしくお願いいたします。

○竹内座長
 ありがとうございました。まず松山構成員、何かございますでしょうか。

○松山構成員
 今回アンケートに関しては、御本人にアンケート表が送付されて御記載されておられるので、御本人のお考えベースだろうと思います。
 実際、この遺伝子カウンセリングに関していて、御兄弟が結婚直前なので、遺伝子検査を受けないという形で受けられなかったという方もいらっしゃると伺っていて、お子様が結構多いですから、お父さんお母さんを中心に、遺伝子検査で遺伝子カウンセリングを受けられておられるようです。ただ、今、渡辺先生がおっしゃられたように、遺伝子カウンセリングは、特にジェネティックな疾患で、かなり波及性が高くて、「知らなくていい権利」というのも当然あるはずですから。これはやはりこれから深くて、エキスパートパネルや、今後、遺伝子カウンセリングの中で、どうあるべきかという議論は、不断に継続していただきたいということで、私も考えているところでございます。渡辺先生、ありがとうございます。

○竹内座長
 外園委員から手が挙がっております。どうぞ。

○外園技術専門委員
 全く御指摘のとおりでございます。今回、数から見まして、患者さんに遺伝子カウンセリングがされていると思われます。実際には散発性がありますので、散発性の人が自分の子供に遺伝するかどうかを絶対知りたいはずなんです。そこで有無によらずに、将来失明するリスクを知ってしまう。そこをどうするかということが残っております。私が最後に質問したのは、どれだけ視覚障害の人がいるかというのをお伺いしたのは、既に視覚障害を受容している人の遺伝子診断と、今から視覚障害になる人の遺伝子診断は全く違いますので、やはりここのノウハウと経験を是非社会に共有していただくことが、トラブルだったり傷つく人を減らせることになるし、あと治療に結び付けたいなと思っています。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございました。大変貴重なコメントを渡辺構成員から頂きまして、この遺伝カウンセリング、遺伝診断体制、遺伝診断体制というのは、国としても非常に真剣に捉えているところだと思います。1つはこのパネル検査で言いますと、がんゲノム医療では、実際に実装されています。して、全国的にがんゲノム拠点病院では、このパネル検査を実施するに当たって、特に遺伝性腫瘍等においては、非常に神経を使って対応しているのではないかと思います。御指摘のとおり、今後広くこういう遺伝子パネル検査が導入されるに当たっては、特に施設要件、遺伝子カウンセラーの要件などについては、今回の申請では事務局のほうで調べていただきました。学会認定を受けている遺伝子カウンセラーが対応していることが確認されています。渡辺先生の御指摘はもっともです。この点についても、事前に機関の審査をチェックしていただいているということです。今後しっかりと取り組んでいただきたいなと思います。貴重なコメントありがとうございました。それ以外にございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、告示番号旧55につきましては、今御審議いただきました結果を取りまとめまして、幾つかのコメントを添えて、事務局のほうから報告を、機関には御指示いただきまして、その結果を先進医療会議に御報告させていただきたいと思います。外園技術専門委員におかれましては、どうもありがとうございました。

○外園技術専門委員
 ありがとうございました。

○竹内座長
 以降は、御退室いただいてかまいません。ありがとうございます。

○外園技術専門委員
 ありがとうございます。失礼します。
 
 (外園技術専門委員 退室)
 
○竹内座長
 それでは、北川座長代理、真田構成員にはお戻りいただくこととします。
 
   (北川座長代理、真田構成員 入室)
 
○竹内座長
 それでは続きまして、「試験実施計画の変更」について、事務局から説明をお願いします。

○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料2の37ページを御覧ください。国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院からの申請です。告示番号48、「シクロホスファミド静脈内投与療法」です。適応症は、「成人T細胞白血病(末梢血幹細胞の非血縁者間移植が行われたものに限る。)」です。御審議いただく主な変更内容について、38ページを御覧ください。主な変更内容としては研究期間の延長で、予定登録期間及び総研究期間が2年延長となります。
 変更申請する理由として、2段落目から読みます。本試験は、2021年3月の試験開始から2年間で24例の登録を予定しておりましたが、実際の登録数は5例にとどまりました。その理由として、COVID-19感染拡大により、骨髄バンクドナーが検診や面談のために医療機関へ来院することが困難であったためドナーコーディネートが進みづらかったこと、骨髄バンクドナーが幹細胞採取直前にCOVID-19に罹患してしまった場合には幹細胞採取が中止になってしまう可能性を懸念し、事前にドナー幹細胞を採取・凍結保存することが可能な血縁者間HLA半合致移植や臍帯血移植が選択される傾向が認められたことが考えられました。
 また、2021年9月の社会保険診療報酬支払基金の通知により、移植後シクロホスファミドを用いた血縁者間HLA半合致移植が通常の保険診療として実施できるようになったため、非血縁者間移植よりも血縁者間HLA半合致移植が選択される傾向が更に強まることとなりました。
 今後の改善策として、登録期間及び総研究期間を2年延長し、更に参加施設を4施設(大分大学医学部附属病院、鹿児島大学病院、熊本大学病院、長崎大学病院)を追加することにより、試験の完遂を目指したいと考えております。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございました。本変更内容について、御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。御意見はないようです。
 実は、この資料の37ページ、当初の予定登録期間を見ますと、2023年2月28日までとなっております。今回の変更申請は予定登録期間後に提出されており、本来であれば、当初の予定登録期間内に延長申請を行うべきであったと思います。
 今回はこの変更をお認めしたいと思いますが、今後、こういったことがないよう当部会から医療機関に対し、注意喚起をした上でお認めするとしたらどうかと思いますがいかがでしょうか。よろしいですか。当該医療機関にはその点を十分に注意喚起していただき、今後このようなことがないようにと添え、今回はお認めする形で対応することでよろしいでしょうか?御意見がないようでしたらそのような形で、この告示番号48の変更についてはお認めすることとしたいと思います。松山構成員、コメントございますか。

○松山構成員
 申し訳ありません。この予定期間が2月28日までで、6月9日時点で8症例となっています。登録期間が終了した後に、エンロールされたことはないかを確認させてください。

○竹内座長
 ありがとうございます。事務局からお願いいたします。

○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局です。申請医療機関に確認し、2月28日以降に3例の登録がされたと伺っています。1例がCRB承認前のもので、CRB承認後に2例が登録されたと伺っております。以上です。

○竹内座長
 という状況ですが、松山構成員、コメントございますか。

○松山構成員
 それを含めてお認めされるという方向であれば、それでよろしいかと思います。いろいろな混乱下の中で、よく頑張っておられる研究ということで、ありがとうございます。

○竹内座長
 様々な手続が遅れてしまったり、どのような理由なのかは聞かないと分からないのですが、今回はこのような形で御対応いただき、改めてその医療機関側には注意を申し上げることにさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。CRBの承認も少し遅れたことになりますでしょうか。CRBに対しても注意喚起をすることになろうかと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのような注意喚起の上でお認めさせていただきたいと思います。
 続いて、次の「試験実施計画の変更」について事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料3の41ページを御覧ください。京都府立医科大学附属病院からの申請で、告示番号56、「アスピリン経口投与療法」です。適応症は、「家族性大腸腺腫症」です。御審議いただく主な変更内容について、42ページを御覧ください。主な変更内容としては、研究期間延長で試験予定期間が2年延長、症例登録期間が1年延長となります。
 変更申請する理由としては、2023年6月29日時点で127症例が登録されていますが、症例登録期間内に200症例に到達しない可能性が高い。その原因として、希少疾患である家族性大腸腺腫症(FAP)患者を抱えている主要施設の登録開始が遅れたことが考えられる。登録開始が全体的に遅れている主な要因として、試験手順を変更したことが考えられる。試験手順の変更前は内視鏡検査施行後に同意を得ていたが、同意前に内視鏡検査を施行すると試験薬服用前の内視鏡検査結果及び内視鏡写真を評価項目として研究に利用できないため、同意後に内視鏡検査を施行する手順に変更した。この徹底のため、全ての参加施設へ説明会の開催を実施、それぞれの参加施設での患者様の来院日時、内視鏡検査予約の再調整を行うことも必要となったため、全体の登録が遅れている。
 上記のことがあり、月のエントリーをこれまでの平均数である8、9症例で再計算したところ、2024年3月31日に200症例登録できる結果となった。しかし、FAP患者は半年に1度の割合で外来管理されていることと、新型コロナウイルスの状況が不安定なため、患者登録には更に半年を要すると考え、患者登録期間を2024年9月30日まで延長した。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございました。本変更内容について御意見ございますでしょうか。渡辺先生どうぞ。

○渡辺構成員
 渡辺です。変更内容が正しいのは分かるのですが、最初の申請時に、私ども委員が見落としたということですか。それとも、このような手順までは委員の責任ではなく申請者のミスと考えたらいいのですか。

○竹内座長
 事務局でお答えできますか。事務局では答えにくいかと思いますが。

○医政局研究開発政策課長補佐
 一応、申請医療機関に確認しており、手順を変更しない場合だと、試験参加適格者の基準が正確に守られていることを示す写真が撮れないこと、開始前後のポリープサイズに関連した副次解析に用いるデータを集められないということで。

○渡辺構成員
 修正理由もよく分かりますし、全くこのとおりだと思いますので、委員が見なければいけないレベルだったのか、反省し、お聞きした次第です。

○竹内座長
 修正理由はごもっともですが、初期に提出された資料の中で、そのことはあらかじめ分かっていたのではないかと。そのことを逆に、この申請が挙がって来たときに指摘したらどうだったかという御質問だったと思います。

○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございます。おっしゃるとおり、そこは指摘できていなかったことを反省させていただきたいと思います。

○竹内座長
 大変、貴重な御意見をありがとうございました。このような修正内容が出てくる度に、最初からそのことを見据えて計画を練っていただいたらどうかというコメントが出るのは大変ごもっともだと思います。ただ、研究者がそのように言って来ている以上は、通常はそれで大丈夫だと皆さん思っていらっしゃるということなのだと思います。今のことに関して何かコメントはございますか。
 この技術審査部会で研究計画が提出されたときに、これは技術的に症例が集まらないのではないかというコメントは、この場では出にくいかと思いますが、何か御意見等ございますか。そこまで丁寧に対応したほうが良いかどうかも含めて、今回はコロナがあったり、そのようなことを後で気付かれて、修正申請をされたということですが。よろしいですか。
 渡辺先生、大変、貴重なコメントをありがとうございました。今後はこの技術審査部会でも、そのようなことに気付けば事前照会事項のやり取りの中で、本当に技術的にこの症例登録の症例数達成が可能かどうかも含めて、少し丁寧に照会させていただければと思います。貴重なコメントをありがとうございました。そのほかございますか。よろしいですか。それでは、今回の告示番号56の変更についてはお認めすることといたします。
 続いて、「先進医療Bの協力医療機関の追加」について、事務局から説明をお願いいたします。

○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料4-1の45ページを御覧ください。告示番号36について1施設、告示番号56について1施設、告示番号60について1施設の協力医療機関の追加申請がありました。
 資料4-2の47ページ以降を御覧ください。事務局において、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として、御了承いただきたく存じます。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。以上です。

○竹内座長
 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、事務局は手続を進めていただきますようお願いいたします。本日の議題は以上ですが、構成員の皆様、全体を通して何か御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。大変、貴重な御意見も頂き、今後の審査の在り方も含めて貴重な御指摘点を頂きました。戸高先生、よろしくお願いいたします。

○戸高構成員
 蒸し返すようで申し訳ないのですが、資料2の変更申請について、松山構成員からも御指摘があったように、既に登録期間が切れているのに数名の登録があり、それを含めて本委員会で容認することが、果たして法的に正しいかどうかということは、一度、きちんと法律家を含めて御判断いただくべきではないかと思います。臨床研究法でやられていると思いますし、CRBの承認前にも登録されたように聞こえましたので、それをここで容認してしまうと、PIが法不適合という形になったものを、この委員会が容認してしまうという非常にまずい形になるのではないかと思います。
 研究グループは一生懸命やっておられて、それを阻害するつもりは全くないのですが、逆に、ここで流してしまうことによって、PIに法的な措置が係ってくることは却ってまずいと思いますので。どちらかというと、この委員会というよりも、もう一つ上の親委員会で判断することなのかもしれませんが、一度、事務局側で法的に問題がないのかといったことを、きちんとフォローしていただいたほうが良いのではないかと思います。

○竹内座長
 ありがとうございます。事務局側からコメントはございますか。

○医政局研究開発政策課長補佐
 分かりました。事務局で対応させていただきたいと思います。

○竹内座長
 ここは慎重にという御判断だと思います。ちなみに、これは特定臨床研究です。御指摘のように特定臨床研究で、その法の下でこのようなことが、果たして、この部会でOKと言ったから良いのかという問題があると思います。少し事務局側で慎重に調べていただき、先ほど松山構成員からも御指摘を頂いたとおり、登録期間終了後に組み入れられた症例がございますので、それも含めて事務局側で、法にのっとった場合にどうかということをお調べしてから、判断することでよろしいでしょうか。

○医政局研究開発政策課長補佐
 そのようにさせていただきます。

○竹内座長
 ありがとうございました。松山構成員からも、戸高構成員からも、大変貴重なコメントを頂き、これについては少し拙速にならないように対応したいと思います。この点、皆様はよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、最後の最後に、大変、貴重なコメントを頂き、ありがとうございました。追加のコメント、御意見等ございますか。よろしいですか。ないようですので、次回の日程を事務局からお願いしたいと思います。

○医政局研究開発政策課長補佐
 次回は令和5年9月14日木曜日の開催といたします。時間は16時から18時までの予定で、詳細については別途御連絡いたします。また、本日の議事録については、作成次第、構成員の皆様に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。

○竹内座長
 ありがとうございました。それでは、大変、熱のこもった議論を頂戴し、ありがとうございました。これをもちまして第151回先進医療技術審査部会を終了いたします。どうもありがとうございました。

 
(了)