2023年7月24日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会 議事録

日時

令和5年7月24日(月)10:00~

場所

厚生労働省仮設第一会議室

出席者

出席委員(7名)五十音順 

 (注)◎部会長 ○部会長代理 
 

欠席委員(4名)五十音順

行政機関出席者
  •  城克文(医薬・生活衛生局長)
  •  佐藤大作(監視指導・麻薬対策課長)
  •  木村剛一郎(監視指導・麻薬対策課監視指導室長) 他

議事

○監視指導・麻薬対策課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから令和5年度第2回薬事・食品衛生審議会指定薬物部会を開催させていただきます。委員の先生方には、御多用のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 それでは、はじめに事務方の人事異動について御報告させていただきます。7月4日付けで、医薬・活衛生局長に城が、審議官に吉田が着任しておりますが、本日、審議官は所用により欠席させていただきます。城局長、よろしくお願いします。
○城局長 7月4日付けで着任しました城と申します。よろしくお願いいたします。
○監視指導・麻薬対策課長 本日は対面とWebのハイブリッド形式での開催です。関野部会長、池田部会長代理には会場にお越しいただいております。当部会の委員11名のうち、青山委員、髙野委員、松本委員、合川委員から御欠席の連絡を頂いておりますが、現時点で7名の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを、はじめに御報告いたします。
 続きまして、部会を開催する前に、本部会の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。審議会総会における議論の結果、会議を公開することにより委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼす恐れがあると判断されたことから、非公開とされております。また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで、発言者等に対して外部からの圧力や干渉、危害が及ぶ恐れが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとされておりますので、あらかじめ御了承いただきたいと存じます。
 それでは、以後の議事進行は、関野部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○関野部会長 それでは、本日の部会資料の確認及び注意点につきまして、事務局よりお願いいたします。
○事務局 本日の部会資料につきましては、事前に各委員に送付しております。また、会場出席の委員の皆様には、タブレットにて御確認をお願いします。資料に関しては、資料1~3、文献に関しては、文献1~9、参考資料に関しては1~3がございます。部会資料については以上になります。審議物質の説明中は、画面上に資料を共有いたしますので、併せて御覧ください。
○関野部会長 本日の議題は、「指定薬物の指定について」です。それでは審議に入りたいと思います。審議物質について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは画面を共有いたします。資料No.1は、本日の審議2物質の名称、通称名、構造式を記載しております。資料No.2は、今回御審議いただく2物質のほか、構造が類似する指定薬物等が一覧表になっております。資料No.3は、審議物質の動物実験等の結果などについて取りまとめたものです。それでは、カンナビノイド系化合物である2物質について説明いたします。
 物質1及び物質2については、2つまとめて御審議をお願いします。資料No.3を御覧ください。1ページは、今回御審議いただく2物質で、カンナビノイド系である物質1、通称名Δ9-THCH、物質2、通称名Δ8-THCHとなっております。
 2ページを御覧ください。Δ9-THCH及びΔ8-THCHは、麻薬であるΔ9-THC、Δ8-THCや、パラヘキシルに構造が類似している化合物です。
 続きまして、3ページの(1)行動観察の結果を御覧ください。アカゲザルにΔ9-THC、Δ8-THC、Δ9-THCH、Δ8-THCHを静脈内投与した後の行動の観察を行ったところ、表1の結果となっております。0.1mg/kgの投与によりまして、Δ9-THCは++、Δ8-THCは±、Δ9-THCHは+、Δ8-THCHは++という結果になっております。
 続きまして、4ページのマウスの行動観察の試験結果を御覧ください。マウスにΔ8-THCH、Δ9-THC、又はΔ8-THCを尾静脈内投与した後の行動学的変化及び身体的な結果を評価したところ、表2-1及び表2-2の結果となっております。表2-1が、ED50の濃度を示しており、表2-2が、最大変化量と最大変化量が確認された際の濃度を示しております。1例として、Δ9-THCHの自発運動量に対するED50は、表2-1で1.16mg/kgであり、表2-2で10mg/kgの投与で最大91%の低下が認められた結果となっております。
 続きまして、5ページの(2)、受容体親和性評価について御覧ください。カンナビノイド受容体アゴニストであるCP55940のメンブレンへの結合に対するΔ8-THCH、Δ9-THC又はΔ8-THCの阻害率を測定し、Ki値を求めたところ、表3の結果となっております。Δ8-THCHは、41nMとの結果が得られております。
 続きまして、Δ9-THCHにつきまして、Auto QSARプログラムを用いて、カンナビノイドCB受容体に対するKi値を予測したところ、33.0 nMと算出されております。これはΔ9-THCのKi値である40nMと比べて、同等の親和性であると積もられております。
以上のことから、Δ9-THCH及びΔ8-THCHは、中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する中枢神経系の興奮、若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高いものと考えております。
 続きまして、5ページ、(4)我が国・海外での流通状況等について御覧ください。こちらについては、併せて文献5を御覧ください。そちらでお示ししているとおり、THCHを標榜する製品が、国内において販売されていることを確認しております。
 続きまして、文献7を御覧ください。こちらは、SNS上の、使用感に関する書き込みを抜粋したもので、THCHに関して、SNS上で使用感について書き込みがされていることを確認しております。文献7の説明は以上です。
 続きまして、資料No.3、6ページを御覧ください。国内におきましてTHCHを含有すると標榜する製品を接種し、健康被害が生じたと推測される報告が9例報告されております。そのうち、内容が確認されている4例について、表4のとおり取りまとめております。
 最後に、7ページの(5)の海外での規制状況についてですが、英国及び米国におきまして規制されている可能性があることを確認しております。
資料の説明は以上となりますが、事前に本日御欠席の□□委員から御意見を頂戴しておりますので、御紹介させていただきます。「□□□□□□□□□□□□にもカンナビノイド系化合物に関する問合せを頂くことがございますが、本年3月の指定薬物部会でTHC-O(Δ8)とTHC-O(Δ9)を指定して以降、本年4月から6月にかけてのカンナビノイド製品に関する問合せのうち、実に半数が今回のTHCHによるものとなっております。このため、今回のTHCHの指定については、妥当であるものと考えております」という御意見を頂いております。
物質1及び物質2についての説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○関野部会長 それでは委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。最初に、流通実態について、□□委員お願いいたします。
○□□委員 本化合物につきまして、□□□□での検出事例がございます。まず、Δ9-THCHについて、2022年10月に6件、2022年11月に4件、2022年12月に3件、2023年1月に5件、2023年2月に1件、2023年3月に4件ございます。あと4月以降もまだ分析中のサンプルがあります。続きまして、Δ8-THCHについては、2023年3月に1件ございます。
○関野部会長 委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。今回、非常に国内の流通もはっきりしていますし、実際に体験した方たちの書き込みもあるということで、蓋然性に関しては全く問題ないと思いますので、これで御意見が特にないということであれば、審議をまとめたいのですが、挙手をしていただけますか。
○□□委員 □□です。名前の所で、途中に、3-ヘキシルという言葉が入っているのですが、これは命名法のアルファベット順からいきますと、3-ヘキシルが一番先頭に来るほうがよいかと思いました。そうすると、最初に3-ヘキシルが来た後、6a,7,8,10a-テトラヒドロという修正が必要になると思いますので、私の方からまた修正案を作成して、事務局にお送りするという流れでよろしいですか。
○関野部会長 事務局、よろしいですか。
○事務局 はい、結構です。ありがとうございます。
○□□委員 また、次の物質2に関しても、同様の修正が必要ですので、そちらと併せてお送りしたいと思います。よろしくお願いします。
○関野部会長 ありがとうございました。それでは、御意見がないということで、一応、全員の挙手を確認したいと思いますので、Web参加の方はマークで挙手をお願いいたします。全員挙がっておりますか。確認できました。それでは、ただいま御審議いただいた物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として、指定することが適当であると決議してよろしいですか。
ありがとうございました。それでは、事務局から、今後の手続について説明をお願いします。
○事務局 今後のスケジュール等について御説明します。本件の結果については、次回開催の薬事分科会で報告させていただく予定です。本日の結果を受け、指定薬物を指定するための省令改正の手続を進める予定です。また、本日御審議いただいた物質に関する、いわゆる正規用途については、今のところ確認されておりません。いずれにしても、可能な限り、適正使用に支障を来さないように対応いたします。以上です。
○関野部会長 ありがとうございました。以上で、本日の議題は終了いたしました。事務局から、次回の予定について連絡をお願いします。
○事務局 次回の部会日程については、正式に決まり次第、改めて御連絡いたします。以上です。
○関野部会長 それでは、以上をもちまして、令和5年度第2回指定薬物部会を閉会いたします。ありがとうございました。
(了)
備考
本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

監視指導・麻薬対策課 課長補佐 竹内(2779)