第7回労働政策審議会職業安定分科会地方連携部会 議事録

日時

令和5年9月11日(月) 13:00~

場所

厚生労働省 職業安定局第1・第2会議室及びオンライン

議事

○小畑部会長 それでは、ただいまより、第7回「労働政策審議会職業安定分科会地方連携部会」を開催いたします。
 皆様におかれましては、本日は御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
 初めに、昨年度開催された第6回地方連携部会から委員の改選がありましたので御報告いたします。
 資料1の委員名簿を御覧ください。改選により、新たに御就任いただいた委員を御紹介させていただきます。
 使用者委員として、大分県中小企業団体中央会副会長企業組合オフィス・ケイ代表理事、栗屋しのぶ委員、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部上席主幹、阿部博司委員が新たに就任されております。
 続きまして、委員の皆様の出欠状況の報告及び資料の確認をさせていただきます。本日の委員の出席状況につきましては、本日は、全員御出席でございます。
 また、本日の資料は、議事次第、資料1、資料2の3点になります。出欠状況の報告及び資料の確認は以上です。
 なお、マスコミの方の頭撮りはここまでとさせていただきます。
 また、事務局に異動がありましたので、御紹介いたします。
 7月4日付で職業安定局長に着任されました山田雅彦様でございます。
 7月4日付で大臣官房審議官職業安定労働市場整備担当に着任されました石垣健彦様でございます。
 7月4日付で職業安定局総務課総務課長に着任されました長良健二様です。
 議題に入ります前に、山田職業安定局長より一言御挨拶を賜りますので、よろしくお願いいたします。
○山田職業安定局長 職業安定局長の山田でございます。
 本日は、お暑い中、またお忙しい中、会議に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。冒頭御挨拶申し上げます。
 この職業安定分科会地方連携部会は、平成29年に設置して以降、雇用に関する国と地方公共団体との連携のあり方について御議論いただいており、今年度で7回目を迎えました。
 コロナ禍を脱して人手不足が顕在化する中で、今後、国と地方がより連携を密にして、地域のニーズに合った雇用対策を講じることが重要かと思います。本日は、事務局から国と地方の連携状況等の現状について御説明いたしますので、皆様から忌憚のない御意見を賜れればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小畑部会長 ありがとうございました。それでは、議事に入ります。
 議題1「雇用に関する国と地方公共団体との連携状況等について」、事務局から御説明をお願いいたします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 公共職業安定所運営企画室長でございます。
 お配りしております資料2に基づきまして御説明をさせていただきます。
 まず、足下の雇用情勢についての御説明でございます。
 3ページを御覧ください。こちらが有効求人倍率と完全失業率のグラフとなっております。有効求人倍率については、直近の今年7月の数字で1.29倍、それから完全失業率については2.7%となっております。コロナ禍を脱しまして、雇用情勢につきましては緩やかに持ち直している状況であると考えております。
 次の4ページでございます。こちらは、就業地別・都道府県別に見た有効求人倍率でございます。全ての都道府県におきまして有効求人倍率が1倍を上回る水準となっております。ただ、御覧のとおり、各都道府県によってばらつきがある状況でございまして、人手不足等々の雇用対策をしっかり地域の実情に応じて講じていく必要があるという状況でございます。
 次のスライドを御覧ください。5ページ目でございます。雇用対策における国と地方公共団体・民間人材ビジネスとの連携についてのイメージ図でございます。それぞれの役割と強みがありますので、それぞれの強みを補完し合いながら連携して雇用対策を講じていく必要があるということでございます。
 真ん中の、国といたしましては、ハローワークの全国ネットワークを通じまして雇用のセーフティネットの役割を果たすべく、求職者の方々、また求人企業等に支援を講じていくということで、主な業務といたしましては、職業紹介、雇用保険、それから助成金等の雇用対策、こういったところを一体的に行っていくということでございます。
 他方、左側の地方公共団体ですけれども、福祉関係の行政、また生活相談業務、そして企業誘致を行っておられる、あるいはまた地域の産業育成等、そういったところを主に地方公共団体のほうで担われているということで、そういった国と地方それぞれの強みを生かしながら雇用対策を連携して講じていくということでございます。
 次のスライドの6ページでございます。こちらは過去の経緯でございますが、第6次地方分権一括法の議論が行われましたときに、平成28年に法改正が行われております。左側の雇用対策法の改正によりまして、この赤字の部分ですが、①の雇用対策協定、そして②の一体的実施事業、こういった国と地方公共団体の連携の枠組みというものが位置づけられたところでございます。
 そして、右側の職業安定法の改正ですけれども、地方公共団体が民間とは明確に異なる公的な立場で無料職業紹介を実施できるようにということで、③の地方版ハローワークという仕組みができました。また、そういった無料職業紹介を行う地方公共団体に対しまして、④でございますが、求人情報、あるいは求職情報、ハローワークが持っている情報を提供する仕組み、こういったものも法定化されたということでございます。
 続きまして、それぞれの具体的な事業の実施状況につきまして御説明させていただきます。8ページ目からでございます。まず、雇用対策協定でございます。国がハローワークの全国ネットワークで職業紹介、雇用保険、雇用対策を行っておりますけれども、そこと地域の実情に応じた様々な施策を行っておられる地方公共団体が連携して雇用対策に取り組む、そういった枠組みとして雇用対策協定が締結されております。
 真ん中のところにございますように、令和5年9月1日時点で272の団体で締結されているという状況でございます。
 続きまして、次ページ以降が具体的な取組事例の御紹介でございます。9ページが三重県の取組でございます。障害者雇用の促進におきまして、三重県と三重労働局で連携をして取り組んでいるという事例でございまして、真ん中のところにございますように、地域の様々な障害者の関係機関が協議会に参集いたしまして様々な支援策を推進しているということで、例えば、2ポツ目にございますとおり、三重県、それから三重労働局の幹部が県内の企業を訪問しまして、企業のトップに障害者の促進に向けて働きかける、あるいは、その次にございますように、障害者の就職面接会を県とハローワークで共同で開催する、そういった取組によりまして、左下に記載しておりますような効果を着実に上げているという取組でございます。
 次の事例が10ページでございます。岡山県の取組でございますけれども、ウクライナ避難民への支援ということで、岡山県のほうとしては、避難民の方々への生活面での相談ですとか法律面での相談、様々な生活面からのサポートを行っているという状況で、労働局の就労支援と一体的に支援するということで、県と労働局が合同で県内企業へのウクライナ避難民の方々の就職に向けた説明会を実施したということです。その中には、法務省の出先機関である入国管理局の関係の機関も同席いただいて、支援についての全体的な説明を行って、就職面での支援にもつなげていったという取組でございます。
 次のスライドが11ページでございますけれども、この雇用対策協定の状況といたしましては、47全ての都道府県で締結されておりまして、下のほうにございますとおり、令和4年度は34の市町村で締結されております。また、令和5年度、こちら、進行中でございますけれども、4つの市町村で新たに締結されているということで、順次、市町村との協定の締結を今後も進めてまいりたいと考えております。
 続きまして、13ページからが一体的実施事業に関しての御説明になります。国、ハローワークが行う無料職業紹介と地方公共団体が行う様々な支援を一体的に実施する事業ということで、2つ目のポツにございますように、地方公共団体からこういう事業をやりたいということで御提案をいただきまして、それを受けて国と地方公共団体が協議をして、どういった支援事業をやるか、内容を決定いたしまして、協定を結んだ上で、関係者からなる運営協議会でその事業の運営を行っていくというスキームで取組を進めております。
 令和5年6月現在ですけれども、186の団体でこの事業を実施しているところでございます。
 次の14ページは、その186の団体の具体的な内訳でございます。
 事業の内容について、15ページからでございます。この一体的実施事業で実施されております業務、それから支援対象者でございますが、左側にございますとおり、地方公共団体のほうでは様々な地域の実情に応じた支援を実施するということで、現状では、①の福祉業務が146団体ということで一番多く、その次が就労支援の分野でこの事業を行っているということでございます。
 右側がこの事業の主な支援対象者でございますけれども、先ほど、福祉業務が一番多いということでございますが、その関連で、生活保護受給者等に対する支援をこの事業で行っているというところが一番多くなってございます。続いて、一般求職者の方々への支援と続いていっております。
 次の16ページがこの事業の取組の状況でございます。左側が、この事業については目標を毎年度設定いたしまして、その達成に向けて取り組んでおりますけれども、状況といたしましては、この事業目標を達成した拠点が270拠点ということで、全体の8割を超えるところで目標を達成しているという状況でございます。
 また、右側のこの事業を利用された利用者のアンケートの結果でございますけれども、利用者のうち95.8%から「満足」という回答をいただいております。
 その下に利用者の声を御紹介しておりますけれども、やはり市役所といった身近な場所で就労支援を含めて相談に乗ってもらえるということで、その利便性等についても評価をいただいているという状況でございます。
 次の17ページが就職件数等の推移でございます。下のほうにグラフがございまして、折れ線グラフが就職率、そして、下の棒グラフですけれども、薄いピンクが就職件数、そして、濃いピンクが職業相談件数となってございます。折れ線グラフの就職率、そして、薄いピンクの就職件数ともに2年連続で増加ということになっております。就職率についてはハローワーク全体の就職率を上回るような形になっております。
 一方で、濃いピンクのほうの職業相談件数については若干減少しておりまして、ハローワーク全体の新規求職者数が減少しているという形になっておりまして、そういった全体の影響を受けて、一体的実施事業の職業相談件数についても減少しているのではないかと受け止めております。
 続きまして、18ページからがこの事業の成果を上げるための取組についての御紹介でございます。主に近年は、上半分の①から③に掲げてあるような観点で取組を進めております。1番目が、PDCAサイクルをしっかり回しながら事業管理をして進めていくということ。それから、2番目が国と地方公共団体の連携を深めながらしっかり事業の利用者を確保していくということ。そして3番目が、来所によらない、オンラインも活用したサービスの展開ということでございます。
 下半分がPDCAサイクルによる管理の仕組みですけれども、毎年度、施設ごとに、就業率、そして相談件数を評価しております。その中で、一番下のほうですけれども、就職率、あるいは相談件数について実績が良くないというところについては、改善計画をつくっていただきまして、その改善計画に盛り込んだ取組を着実に実施することを通じて目標の達成につなげているという状況で、ほとんどの施設でその改善計画の目標を達成しているという状況でございます。
 次ページ以降が、この一体的実施事業の具体的な事例の御紹介でございます。
 19ページが佐賀市の取組でございまして、こちらは佐賀市の生活保護の担当とハローワークとの連携の事業でございます。就職支援セミナーの中で、佐賀市からは生活保護制度について御説明をし、後半はハローワークから求職活動の進め方等について御説明するという形で一体的にセミナーを運用しまして、またさらに、真ん中のところにございますとおり、グループワークといった形で、就労に最終的にはつながるように様々な対象者への支援を市と連携して行っているという取組でございます。
 次の20ページでございますが、こちらが名古屋市の取組でございます。左側の名古屋市のほうにございますとおり、名古屋市としては、利用者の方に対してキャリアカウンセリングや適性検査等々を行うということで、特に真ん中のところに書いてございますとおり、これらのサービスをオンラインでもしっかり提供するということで、ウェブ相談、あるいはオンラインセミナーも積極的に行われているということでございます。
 そういった形で、就職面での準備に向けて丁寧に支援をした上で、ハローワークでのマッチングにつなげていくという流れで、就職率についても非常に効果を上げているという取組でございます。
 続きまして、次の21ページでございます。宮崎県の取組でございまして、こちらは特に広報の面で地方公共団体に積極的に取り組んでいただいているというもので、真ん中のところにございますとおり、県政のテレビ番組を活用した広報ですとか、あるいは県の公式SNSも活用した広報を行っている、また、県内の大学、高校への様々な支援策のリーフレットの送付もやっているということで、こういった県の広報ツールも積極的に活用しながら、この施設の利用者の確保に努めているという取組でございます。
 続きまして、22ページが広島県の取組でございます。こちら、子育て世代の女性等への就職支援ということで、県としては、保育所の情報を子育て世代に対して情報提供を行っているわけですけれども、そういった保育所の相談、それから、キャリアコンサルティング等々から最終的な就職に向けてワンストップで、広島県とハローワークが連携して支援しているというもので、真ん中のところにございますように、県とハローワーク共同で保活と就活の応援セミナーを開催している、こういった取組でございます。
 以上が一体的実施事業の御説明になります。
 次がその他の国と地方公共団体との様々な連携施策の御紹介ですが、24ページは地方版ハローワークでございます。民間の職業紹介事業者とは異なる位置づけで、公的な主体として地方公共団体が無料職業紹介を実施する仕組みとして設けられておりますけれども、下の設置状況及び実績等のところにございますように、956所、466の自治体で設置されております。
 新規求職申込件数、あるいは新規常用求人数はここにお示ししているとおりで、就職件数については若干昨年度から増えているという状況になってございます。
 続きまして資料の25ページでございますけれども、先ほどの地方版ハローワークなどにおきましても、ハローワークの求人者の情報、あるいは求職者の情報を活用して活動ができるよう、ハローワークから地方自治体のほうに求人情報、求職情報を提供する仕組みを運営しております。
 令和5年6月1日現在で、2,099の団体、これは民間も含めてですけれども、この求人情報のオンライン提供について利用いただいております。そのうち自治体等につきましては441の団体で御利用いただいております。
 また、次の26ページのほうは求職者の情報の提供サービスでございますけれども、721の団体に対しまして、このハローワークの求職情報を提供しております。そのうち地方自治体等については90団体ということになっております。
 これらの団体に対しまして、求職者の方にこの提供について同意いただいた方ということですけれども、7万人を超える方々のオンラインで情報提供を希望される方の求職者の情報を自治体、あるいは民間ビジネスのほうに提供しているという状況でございます。
 次の27ページからがふるさとハローワークの状況でございます。ハローワークが設置されていない市町村におきまして、その市町村の庁舎の中で場所を貸していただきまして、ハローワークが職業相談や職業紹介を行っている施設でございます。右の下のほうに設置基準がございますけれども、①のところにありますように、おおむね人口が5万人以上の市町村、あるいは、かつてのハローワークの再編の中で廃止された所があった市町村でこういったふるさとハローワークを設置・運営してございまして、現在、全国137か所で設置しております。就職率については42.9%という形になっております。
 具体的な事例を28ページのほうで御紹介しておりまして、福岡県の柳川市と山梨県の身延町の取組でございますけれども、市、あるいは町と連携して、就職に関する面接会、あるいはセミナーを共同で開催・実施するといった取組を行っておりまして、市町村の身近な庁舎の中でこういったハローワークのサービスを提供しているところでございます。
 最後の29ページでございますけれども、こちらは、ハローワークがそれぞれの地域でこういった様々な関係機関と連携してサービスを行っているということで、左側の経済団体、業界団体をはじめ様々な幅広い分野の機関と連携して行っております。一例を挙げますと、左側の金融機関のところでございますけれども、金融機関に来られた企業経営者が従業員を募集している、あるいは人が足りなくて困っているという声を聞いたときに、ハローワークのほうにつないでいただきまして、ハローワークを御利用いただくように言っていただく。そして、ハローワークの職員がどういった求職者を確保したいのか、そういったところをお聞きしましてマッチングに向けて支援していく、そういった取組を行っているところでございまして、ハローワークといたしましては、引き続きこういった様々な地域の関係機関と連携して就労支援の機能を果たしてまいりたいと考えております。
 資料2の御説明につきましては以上でございます。
○小畑部会長 どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問、御意見がありましたら会場にて御出席の方は直接手を挙げていただき、オンラインにて御出席の方は「手を挙げる」ボタンをクリックしてください。発言に当たりましては、冒頭事務局から御案内がありましたとおり、私が指名させていただいた後に、オンラインの場合はマイクをオンにしてお名前を名乗ってから御発言いただきますようにお願いいたします。発言後は必ずマイクをオフ、ミュートにしていただくようにお願いいたします。
 それでは、何かございますでしょうか。
 小菅委員、お願いいたします。
○小菅委員 連合の小菅です。
 全体のどの部分についてでもよろしいですか。
○小畑部会長 はい。
○小菅委員 それでは意見と質問です。
 資料2の8ページ「雇用対策協定の締結状況」を見ると、協定は272団体で締結されていますが、令和4年度に新たに締結した団体は32市2町にとどまっています。地方におけるコロナ後の人手不足が深刻化している中で、地域の課題に対応して、国と地方自治体が連携して取り組む雇用対策の重要性はより高まると考えます。さらなる締結を進めることで地域における雇用支援の充実強化が進むよう、国から地方公共団体に対して積極的に働きかけを行っていただきたいと思います。
 次に、17ページの一体的実施事業の就職件数等の推移を見ると、就職件数や就職率は昨年に引き続き増加・改善していますが、一方で、職業相談件数は前年より減少し、18ページの表から逆算すると、新規の求職者数も減少していると思われます。相談件数、新規求職者数の減少に関して、ハローワーク全体でも新規求職者数が減少しているということでしたが、令和4年度の新規求職者数全体の減少に比べても大きい減少になっているのではないでしょうか。この相談件数及び新規求職者数の減少に、全体の影響以外に何らかの要因がないのか、厚生労働省の認識を質問させていただきたい。
○小畑部会長 ありがとうございます。御意見のほかに御質問がございましたので、事務局のほうからお願いいたします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 御質問どうもありがとうございます。まず1点目の、協定についてもっと増やすべきというところでございますけれども、おっしゃるとおり、雇用対策協定の枠組みについては今後も引き続き国と地方公共団体が連携しながら、地域の実情に応じた雇用対策を講じていく枠組みとして有効であると思っております。引き続き、労働局のほうには、機会を見ながら、地方公共団体と少しでも締結できるところが新たに増えるようにということで指示しておりますので、引き続き新たに協定を締結する自治体が増えるように取り組んでまいりたいと思っております。
 それから、2点目の御質問のほうですけれども、新規求職者数、あるいは職業相談件数が減少しているということについてでございます。労働市場全体を見ますと、日本の国の中では人口減少が進んでいる、また、労働市場としては売り手市場になっているという中で、この新規求職者数については、ハローワーク全体、あるいはこの一体的実施事業の中でもそういった新規求職者数の減少というものが生じていると考えております。
 ただ、この職業相談件数については、それぞれの施設の中で利用者の方から相談を受けた数ということで、そういった全体の一体的実施事業を取り巻く労働市場の傾向というのはありますけれども、やはりそれぞれの施設が対象としている利用者の方に必要なサービス、支援が届けられるように事業運営していくことが重要であると思っておりますので、そういった意味では、そういった方々にこの施設の存在を認識していただけるように広報をしっかりやっていただく。それは自治体とも連携してということでありますけれども、また、一度来所された方にしっかり継続的な支援を行って就職まで結びつけていく、そういった着実な取組を行うことが今後も求められていると考えております。
○小畑部会長 ありがとうございます。小菅委員、よろしゅうございますか。
○小菅委員 回答ありがとうございました。一体的実施事業は、自治体の施設などに窓口を設置し、相談しやすい体制をとりながら、地域の実情に合った支援ができるのが一つの特徴だと思っております。相談件数の減少は今後のさらなる求職者の減少にもつながりかねない課題だと思っております。相談件数の減少要因について、分析を進めていただくとともに、オンライン相談等の拡充による利便性のさらなる向上や、自治体の広報媒体を活用した周知など、引き続き利用者の拡大に向けて取り組んでいただくようお願いします。
 以上です。
○小畑部会長 ありがとうございました。それでは、ほかに御質問や御意見お持ちの方、挙手をお願いできますでしょうか。
 阿部委員からお手が挙がりましたでしょうか。お願いいたします。
○阿部委員 説明いただきましてありがとうございました。今回から参加ということで、基本的なことから御質問させていただきます。
 16ページの一体的実施事業の取組状況のところの左側の事業目標達成状況なのですが、過去3年度の目標達成状況ということで、令和2年度が低くなっているのですが、これはコロナ1年目で、満足に事業ができなかったので低かったということでよろしいでしょうか。
 以降は80%を超えていますが、そもそもこの目標は、※1にありますとおり、就職件数等で設定されているということです。その数字自体は各事業によって異なるかとは思うのですが、大体前年実績と同じか少し上回る、そういった目標が設定されているということでよろしいでしょうか。
 それともう一つ、18ページの今後の取組の方向性のところで、重点取組改善施設については改善計画をつくるということなのですが、この改善計画については目標を下回った20%弱全てではないような気がするのですが、この改善計画をつくる基準というのが何か統一的なものがあるということでしたら、どういった場合にこの計画をつくるのかということを教えていただければと思います。
 私からは以上です。
○小畑部会長 ありがとうございます。それでは、御質問ですので、事務局のほうからお答えをお願いいたします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 まず、16ページの過去3年間の目標達成状況についてでございますけれども、令和2年度が低いというのは、おっしゃるとおり、コロナの影響が1つは大きいということで考えております。ただ、その後、非常に達成率が上がってきたということの背景といたしましては、18ページの、この改善計画をつくるという取組、これを始めたのが実は最近からでございまして、この改善計画をつくってその目標達成に向けて取り組んでもらう、この取組の効果というのが、令和3年度、令和4年度と表れてきていると、もう一つの要因としてはそういった要因があると考えております。
 そして、目標の設定、あるいは改善計画をつくるというその対象の基準ということですけれども、こちらは、全国、あるいは労働局の中で就職率、相談件数の水準を見たときに、それが一定水準よりも低いところ、そういったところに対してこの改善計画をつくっていただくということで運用しております。
○小畑部会長 ありがとうございます。阿部委員、よろしゅうございますか。
○阿部委員 大丈夫です。ありがとうございました。
○小畑部会長 それでは、オンラインで山本委員からお手が挙がっておりますので、お願いいたします。
○山本委員 ありがとうございます。岡崎商工会議所の山本です。
 御説明ありがとうございました。現状につきまして理解いたしました。私から意見を申し上げます。
 中小企業の3社に2社が人手不足の状況を訴えております。多くの企業からは人材確保・定着が足下の最大の経営課題であるとの声を聞いております。社内の業務の効率化やDX推進は当然のことながら、今後の人口減少を踏まえると、この状況はより一層深刻化することが懸念されます。こうした状況の中で商工会議所としては、公的職業紹介及び公的職業訓練の抜本的な強化が重要であることを主張しております。特に公的職業紹介の強化については、企業・求職者双方のニーズに一歩踏み込んだきめ細やかなマッチング支援が重要であると考えております。
 このため、支援の実施に当たって国と地方公共団体が地域の状況を踏まえながら連携する取組は大変重要であると考えます。都道府県に加え、市町村との協定締結も拡大しているとのこと、ぜひ引き続き推進をお願いいたします。
 中でも、一体的実施事業の推進は特に期待を寄せております。令和4年度の就職率は38.3%と昨年より増加し、ハローワーク全体の就職率よりも10ポイント以上高い実績を上げておられます。他方で、職業相談件数は減少しております。引き続き好事例の横展開を図り、実施団体・拠点の増加に取り組むとともに、事業の周知と就職率の向上に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 取組事例の中では、名古屋市では、キャリアカウンセリングから職場定着までの求職者に対するきめ細やかな支援と具体的なマッチングを、オンラインも活用しながら実施し、就職率68.3%と高い実績を上げています。こうした取組は、実際の支援人材・ノウハウなどが重要であるとは思いますが、他団体でも比較的参考にしやすい事例と思います。また、宮崎県では、地元のマスコミ、施設を活用し、積極的に広報に取り組み、相談件数の増加につなげているなど、参考になる事例と感じます。
 これらのみならず、多くのすばらしい事例が各所にあるものと思います。好事例の横展開などにより多くの地域でそれぞれの実情に合った効果的な取組が進み、良質な雇用が増加することを期待しております。
 以上です。
○小畑部会長 御意見どうもありがとうございました。それでは、ほかに御意見や御質問ございませんでしょうか。
 河島委員、お手が挙がりましたので、よろしくお願いいたします。
○河島委員 御説明ありがとうございました。京都府の河島でございます。
 平素より、地方自治体、国との連携という形で、この雇用対策協定、一体的実施事業含めて、非常に密に地域では連携していろんな取組をさせていただいております。その中で、質問と意見なのですけれども、先ほど小菅委員が発言されておられました、この間非常に相談件数であるとか求職者数が減ってきているというお話がございました。京都府におきましても、そのような状況はコロナ以後もなかなかそこまで回復してきていないという中で、特にコロナ直下のときには、今回の大きな特色というのでしょうか、外出を控えるといった部分で非常に相談者数が激減したといったようなことがございましたし、それから、昨今なかなかそれが戻ってきていない。その一因になるのが、この間、民間のサービスがかなり急激に増えてきていて、公的セクターに頼らない、そんな状況が一因なのかな、とも思っているわけでございます。
 ちょっと質問も含めてなのですけれども、20ページの名古屋市さんの取組、これに少し注目させていただきました。というのは、繰り返しになるのですけれども、コロナの中で、私どもの取組でも、オンラインの相談という機能をいち早く整備させていただいたところでございます。
 ただ、実際利用されている方、具体的には京都ジョブパークは、年間2万人ほどの方が新規で御利用いただくわけでございますけれども、そこの利用者の約7割はやはり来所される方です。それから2割の方が電話相談、1割の方がメール相談で、オンラインのサービスも提供させていただいたと言いましたけれども、先ほど7割と言わせていただきました来所相談のほんの数%がオンライン相談を御利用していただいているといいますか、その程度にとどまっている。もちろん、これは広報の問題もあろうかと思いますけれども、相談される方のお話を聞いておりますと、直接カウンセラーと会って話をしたい、しかしながら、オンラインだろうとなかなか具体的な相談をするいとまがないといったようなお声を聞いている中で、実はこの20ページの名古屋市さんのお取組って本当にびっくりしたのですけれども、オンラインサービスを活用されて、しかも、1年間の間に就職率が実に36%もアップしたと。
 少し突っ込んで聞きたかったのは、これはいわゆるオンライン相談に限って就職率が向上したのか、それ以外の、先ほど私が申しました来所相談から電話相談から全体の相談をひっくるめて相談件数が増えたのか、そこら辺、詳しいことが分かれば御教示いただきたいと思いました。ありがとうございます。
○小畑部会長 ありがとうございます。御質問が含まれておりますので、事務局、よろしくお願いいたします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 御質問ありがとうございます。まず、この就職率68.3%といいますのは、オンラインによる支援だけに限定したものではなくて、全体の就職率という形になります。委員御指摘のとおり、オンライン化が進んでも、対面での支援というのを希望される方は当然いらっしゃると思いますし、また、同じ人の中でも、場面に応じてそれぞれ使い分けられる方もいらっしゃると思います。ですので、そういった利用者の方が、オンラインで支援を受けたい、相談したいというときにオンラインでの支援ができる環境を整備していくということがまずは重要ではないかと思っております。
 その上で、対面とオンライン、どういう組合せがいいのかというのは、最終的にはその利用者の方の御要望を踏まえて実施していくということにならざるを得ないかなと思っております。
○小畑部会長 河島委員、よろしゅうございましょうか。
○河島委員 ありがとうございます。
○小畑部会長 ありがとうございます。それでは、ほかに御質問や御意見をお持ちの方がおられましたらお手を挙げていただけますか。
 小林委員がお手を挙げていらっしゃいますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。連合新潟の小林といいます。
 本日は説明ありがとうございました。私からは、意見、要望を何点かお話しさせていただければと思います。
 まず、資料2の13ページ、14ページ、15ページに関わるのですが、一体的実施事業の拡大の関係です。13ページの「実施地方公共団体数の推移」を見ますと、一体的実施事業は数年来ほぼ増加していないという状況になっています。コロナ禍が終息する中ですけれども、地方においては、先ほど山本委員からもありましたように、中小企業を中心に、新卒、既卒を問わず人手不足が深刻さを増しています。新潟も、ものづくり産業等いろいろございますけれども、新卒を中心に本当に集まらないという状況が続いています。ぜひ国は自治体と労働局が地域の課題に応じた支援対象者を特定し、就労支援が実施できる本事業の有効性を認識していただいて、地域の雇用対策に積極的に活用するように働きかけをお願いしたいと思います。
 続いて14ページになります。これは前回も発言させていただいたと思いますが、事業実施中の団体の中で運営協議会に労使の代表が参加しているものの記載がありますけれども、昨年から増加をしていないということもございます。地域の実情に応じた支援を実現するためには、運営協議会の中にそのニーズを把握している労使が参画することが不可欠ではないかと思いますので、改めて労使が参加する意義を周知していただきたいということになります。
 それから、最後、15ページになります。多くの地方自治体におきまして、一体的実施事業として福祉業務が実施されています。生活困窮者をはじめ広域での求職活動が難しい障害者の方、それから疾病を抱えている求職者、それから、増加しています就労意欲の高い高齢者などに対しても、地域密着の伴走型支援を可能とする本事業の一層の活用を周知していただきたいと思いますし、私、今年の2月に衆議院の予算委員会の地方公聴会が新潟でありましたので、そこでも発言をさせていただいたのですが、そういった支援をする側の人たちに対するフォローアップもしっかりやっていただきたいのだという話をさせていただきました。
 物価高の中で給与面の改善というのも少し話もさせていただきましたけれども、併せて、支援する支援員が、地域の中でもいろんな場所にいるのですけれども、支援員になったときには当然研修を受けるわけですね。その後、フォローアップというか、一定の水準を保つためのフォローアップ研修がなかなか思うように開催されていないという話も聞いておりましたので、もしそういった状況があるのであればぜひそういったところもフォローしていただきたいと思います。
 それから、下のほうに職業訓練の情報提供というところがございました。ハローワークから求職者のほうに、職業訓練、こういうものがありますよということで情報提供されるのでしょうけれども、新潟にもポリテクセンターということで公共職業訓練をする場所がありますけれども、やはり好景気というのでしょうか、求人状況が非常にいいので、実際、定員割れをしているような状況でございます。それがいいのか悪いのかということはありますが、また、内容についても別の部会等で恐らく中を検討されているし時間もいろいろ検討されているし、受けやすいようにいうことで様々な御配慮をいただいておりますけれども、これもまたぜひ、成長戦略分野というのでしょうか、様々な地域の特性に合わせて経営側とも連携していただきながら、どういった職業訓練が必要なのか、ぜひまたこの一体的実施事業の中でも検討いただいて、職業訓練の情報提供というところで生かしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。
○小畑部会長 ありがとうございます。事務局から、お答えございますでしょうか。
○西海公共職業安定所運営企画室長 まず、資料13ページの一体的実施事業の数ということでございますが、こちらは、地方公共団体のほうからこういう対象者に対してこういう支援事業をやりたいという御提案をいただいて、地方公共団体のほうでも、一定の予算ですとか人員を確保の上でハローワークと連携をしてこの事業をやっているということでございますので、もちろん、国としてこの事業の有効性についてはしっかり好事例も含めてPRをしていきたいと思いますけれども、そういった地方自治体側の準備といいますか、体制の問題もありますので、そういった点ではしっかりこの事業の広報をしていきながら、やりたいというところにはしっかり連携をしてやっていけるようにと考えておりますし、また、もう一つの雇用対策協定の枠組みでは、いろいろ役割分担、あるいは連携を図りながら取組を進めていくことができますので、そういった枠組みも活用しながら、地方公共団体とは連携をして雇用面での支援を行っていきたいと思っております。
 また、14ページのところで労使の参画ということでございますけれども、今年度も、少し労働局に対しまして、委員の問題意識、また様々な地域の関係機関の御意見をお伺いしながら進めていくことの重要性ということについては一度お話をする機会は持ったところではございますけれども、やはり運用面の課題として、1つは、この事業のためだけに関係する方々皆さんお集まりいただくということにハードルが少しあるとすれば、もともと労働局のほうでは様々な労使も含めてお集まりいただく会議がございますので、そういった機会と併せてこの事業の協議会を開催していただくなど、少し運用面で今後工夫して、できるだけ関係の方々にお集まりいただけるようにもう一段工夫したいと思っております。
 もう一つの最後の御質問ですけれども、訓練の関係でございます。訓練の分野については、こちら、訓練のほうの取組として、地域地域で各産業界のニーズも踏まえながらどういった訓練がその地域で求められているのか、そういったところの検討というのは行われていると思っておりますけれども、そういった結果、その地域で提供されている訓練の情報については、ハローワーク、あるいはこの一体的実施事業の施設でそういったキャリアアップを求められる求職者、利用者の方にしっかり提供できるように、情報提供というのはしっかりやっていきたいと思っております。
○小畑部会長 ありがとうございます。小林委員、よろしゅうございましょうか。
○小林委員 就労支援をする、生活困窮者支援の関係ですが、そちらのほうはいかがでしょうか。支援者に対するフォローアップというか。
○小畑部会長 事務局、お願いいたします。
〇西海公共職業安定所運営企画室長 そこはなかなか、一体的実施事業の中でどこまで支援できるかというのはありますけれども、支援者への支援というのは、この一体的実施事業の中で福祉的な支援と就労面での支援と一体的にやっておりますけれども、そういった中で、例えば関係機関が連携して対象者の支援を行っていくということは、その場面場面であると思いますので、そういった中で、その支援者の情報というのもある程度把握はできると思うのですけれども、そういったところにどこまで支援ができるかというのはまた担当課のほうともちょっと連携をして考えさせていただきたいと思います。
○小畑部会長 小林委員、いかがでしょうか。
○小林委員 一体的実施事業の中の福祉業務、就労支援の、今の私の質問というか、要望は本流のところから少し外れているとは思うので、ぜひ担当課も含めて少し御検討いただける材料にしていただければと思います。私のほうの新潟ではそういった話も聞きますので、少しお耳に入れていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小畑部会長 ありがとうございました。先ほど栗屋委員からお手が挙がっていたかと思いますが、よろしくお願いいたします。
○栗屋委員 大分県中小企業団体中央会の栗屋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど事務局から、国・地方公共団体の雇用に関する連携状況について御説明いただき、様々な取組を実施しておられることを理解しました。ありがとうございます。私は、温泉観光都市であります大分県別府市で旅行業を営んでいる関係から、観光産業の人手不足対策につきまして地元の取組を紹介させていただきながら、雇用に関する国と地方の連携について意見を申し上げます。
 現状、新型コロナの5類移行に伴い、国内外の旅行需要が一気に高まったことから、需要があっても全て受け止め切れず、現場の対応が追いついていない状況です。宿泊観光施設やタクシー、バス業界はコロナ禍で従業員を減らして、多くが他業種に移ったために、現状、フロントスタッフや配膳、清掃業務等が逼迫して、予約や客室稼働率の抑制を余儀なくされている例もよく耳にいたします。
 また、車はあるのにドライバーが不足しており、観光都市としては深刻な状況にあるため、一例ですけれども、別府市独自の取組として、県外から移住してきた方に支援金を支給するとともに、タクシー不足への緊急対策で、週末の夜、観光客や飲食店のお客様を対象に無料で運行するナイトバスを動かしております。
 このような中、国と地方が連携して一体となって雇用対策を進めることで、観光をはじめ地域産業の振興といった地域特有の課題にきめ細かく対応していただくことは使用者団体として心強い限りです。
 別府市の支援金の支給対象となる求人につきまして、ハローワークインターネットサービスの求人票のほうを幾つか見せていただいたのですけれども、移住支援金制度・免許取得助成金制度適用求人と明記されているものと全く記載ないものがありました。このような自治体独自の支援制度適用に関する情報は、求人者が求人申込書にその旨を記載して初めて求人票に反映されるものとは思いますけれども、少なくともUIJターンに関する雇用対策協定を締結している自治体の支援対象求人については、ハローワークインターネットサービスの求人票にその旨が明記されるとよいのではないでしょうか。自治体だけでは限界がある全国の求職者への情報発信に大いに役立つものと期待しております。
 以上でございます。
○小畑部会長 ありがとうございます。事務局、お答えをお願いいたします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 地域で産業界を支援する、今のお話の場合ですと、観光業界、あるいは宿泊業界ということだと思いますけれども、そういった業界を支援するための助成金の施策がその地域で講じられているというお話だったかと思います。その中で、ハローワークの求人票の中にそのことが書かれているものと書かれていないものがあるということでございますけれども、もちろん、基本は求人企業の方がそういうものを使えるよということで書かれるということもあるかと思いますけれども、ハローワークとしては、当然マッチングに向けて有効な支援となり得る情報であれば、それは当然書いておくほうが効果的だと思っておりますので、そこはまた少し現場の労働局のほうにも、こういうお話があったということはお伝えさせていただくとともに、ハローワークの姿勢としては、そういったマッチングに向けて有用なことについては当然できるだけ活用するようにしてまいりたいと考えております。
○小畑部会長 栗屋委員、よろしゅうございますでしょうか。
○栗屋委員 よろしくお願いいたします。
○小畑部会長 ありがとうございます。先ほど青木委員がお手を挙げてくださったと存じますが、よろしくお願いいたします。
○青木委員 ありがとうございます。全日本自治団体労働組合の青木でございます。
 私のほうからは、一体的実施事業に関わって、その取組拡大についての意見・要望などを申し上げさせていただきたいと思います。
 地域のハローワークから自治体に対して働きかけを行っていただいているということでお聞きしておりますけれども、その際に、やはり当該地域が抱えます課題に対応した成功事例、全国の事例など紹介をいただきながら、ハローワークとの連携の効果や有効性など自治体に分かりやすく伝えながら働きかけを行っていただきたいと思います。
 また、この一体的実施事業の主な支援対象者、福祉業務が多いということでございまして、生活保護受給者や若年者、それから、障害者等への支援は個別の現状やニーズを踏まえた本当にきめ細やかな伴走型の支援が求められると思っています。そうすると、地方自治体は従来からの人員不足が続いておりまして、事業のさらなる拡大にはハローワークも含めました体制の強化についても考えていく必要があるのではないかなと、そんなふうにも感じています。
 また、最後に、地方自治体においてこの事業の特徴を生かして地域課題に応じた対象者を特定した就労支援を推進すると、このことはすごく大事なことだと思いますけれども、同時に、ハローワーク本体の機能強化、このことも着実に進めつつ、国と地域がそれぞれに役割を果たしながら地域における効果的な雇用対策を推進していただきたい、そのような要望を申し上げさせていただきたいと思います。
○小畑部会長 ありがとうございます。御要望につきまして、事務局からお答えございますでしょうか。
〇西海公共職業安定所運営企画室長 この一体的実施事業、あるいは雇用対策協定について、その効果についてしっかり、特に自治体側にPRするようにという御指摘だったと思いますけれども、これらの、今日御説明しております資料につきましては、地方の関係団体にも御説明する場を持っておりまして、毎年この部会での資料については好事例も含めて御説明し、有効に活用していただきたいということでお話をさせていただいておりますので、引き続きそこはしっかりやらせていただきたいと思っております。
 また、ハローワーク本体の機能強化もということでございましたけれども、特に昨今の政府の文書でも、今後、失業者だけでなく、在職者も円滑な労働移動の支援ができるようにということで、より一層ハローワークのマッチング機能の強化を図っていく必要があるということが盛り込まれておりますので、今後ともハローワークがそういった求められる役割をしっかり果たせるようにその機能強化についても図ってまいりたいと考えております。
○小畑部会長 ありがとうございます。青木委員、よろしゅうございますでしょうか。
○青木委員 ありがとうございました。
○小畑部会長 ありがとうございます。ほかに御質問とか御意見、さらにございますでしょうか。
○山田職業安定局長 なかったら、ちょっと全体で。
○小畑部会長 お願いいたします。
○山田職業安定局長 今、一通り皆さんの御意見を聞かせていただいて、地方との連携のあり方というところで、以前はあまり多く聞かれなかった課題として、人手不足の話、それからオンライン化・ネットワーク社会の進展、それから、人への投資・教育訓練の話が今まで以上に膨らんできたということが1つあると思います。
 人手不足対策については、特に人手不足が高進しているような産業、職業について、ハローワークとしても特別な窓口をつくって対応はしていますけれども、地方との連携という意味では、どちらかというと福祉サイドの話のほうがテーマとしてはこれまで多かったので、産業政策を担っている自治体とのつながりをもうちょっと意識して、そういったものも協力の一つのメニューとして入れていくというのはあるだろうなとは思います。
 実際、もうちょっとテクニカルなお話をすると、マッチング効率を上げるために効果的なのは、特に現場レベルですと、求人の説明会のときに単に一方的に言葉で説明するだけでなくて、実際の現場に求職者を連れていって見てもらうことでそこの良さを分かってもらうとか、先ほどお話が出たとおり、求人票にたくさん書き過ぎることがマイナスになると思っておられる方もおられるのですけれども、基本的に求職者からすれば情報がいろいろ書いてあるほうが好ましく受け止められますし、そういったものをちょっと求人者とハローワークが相談しつつまとめていく、その際に労働条件について改善しないとなかなかここは多分マッチングしないだろうということを、どうやってその地域の相場なども見せつつ求人者を説得していくのかというようなところ、そういったものの積み重ねがマッチング効率を上げていくということかなと思います。
 あと、2番目に申しましたオンライン化については、何人かの委員の方からも言われましたけれども、実は対面ニーズも結構あるのは事実であります。例えば子供がすごく小さいからオンラインのほうがいいというのは事実ではあるのですけれども、ほとんど家に閉じこもって育児している中で、仕事を探すということでわざわざ外に出て第三者と会うということが、ある意味、その人の気持ちを休めるレスパイト的な効果もありますし、オンラインも十分使えるだけの技術がありながら、やはり対面がいいというのは、多分年齢を問わずある話だと思います。
 ただ、オンライン化の便利さ、わざわざ出向かなくてもいいということはあるので、先ほど室長のほうからあった通り、環境整備はどんどんしていって、同じ人でも対面とオンラインを組み合わせることをしていけばいいと思っております。
 あと3番目に申し上げた人への投資の職業訓練の問題については、恐らく今のように求人が結構出ている状態だと、どうしても目の前にある求人に飛びつきたくなるのが、求職者の心情としてはそうではあります。ただ、その人が1か月でも2か月でも3か月でも短い期間でも職業訓練をすることによって、その人の、ある意味、市場価値を高めることができるということを、きちんと求職者御本人にもお伝えする。あるいはキャリアコンサルティングのようなことで、これまでその人が経験してきた仕事の内容を棚卸ししていただいくといったこと、キャリアコンサルティングと職業訓練はセットで考えるようにしていますけれども、そういうことで見通しを良くしていただく。そのことが、特定の産業や職業にこだわる求職者の視野を広げるという意味でもいいかなと思っています。
 労働市場が比較的流動的なヨーロッパなんかですと、日本でいうとjob tagという職業ハンドブックを今ネット上に置いていますけれども、500ぐらいの職業について、その職業はどんな職業で、どんな訓練を受けたらその職業に就けるかとかいった情報を載せているものがあります。これは今、1,600万件ぐらいのアクセスがありますけれども、そういった個々人がこの職業に興味持ってということで、それを訓練の話とつなげていくという仕掛けがヨーロッパでも一般的にされていて、遅ればせながら日本もそれを追いかけていて、今は、一番の本家本元であるアメリカのO-NETという職業ハンドブック的なものがあるのですけれども、それにかなり近い状態にまで積み上げてきたので、そういったある種インフラも使いながらやっていくのかなと思っております。
 いずれにしても、地方との連携に当たっても、その時々の状況、あるいは求職者、求人者のニーズに合わせて対応していくというのがあるべき姿だと思うので、それこそ、それぞれの地方で労使とお話をするような場で、それぞれの労使から、こんなことを本当はやってもらえたらなということはどんどん現場でも出していただいて、先ほど申し上げましたように、こちらで議論された内容はそのまま各地方の労働局に対してフィードバックいたしますので、そういった気づきでもって、新しくこんなことやってみようかということができればと思っております。
 ○小畑部会長 山田局長、全体につきましての御発言、ありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。皆様、よろしゅうございますでしょうか。
 河島委員、お願いいたします。
○河島委員 議題「その他」のところにもう入っているという理解でよろしかったでしょうか。
 すみません。小林委員に、もしかしたら去年も同じことを言ったかもしれないのですけれども、今日の資料で14ページ、一体的実施事業の中で、実は京都府、京都市、これはいずれも運営協議会に労使の代表が参加していないという形になっております。ただ、ちょっと言い訳をさせていただきますと、京都府においては、労働経済活力会議というトップの会議がございまして、そこに地元の労働局長、連合の会長、経営者協会の会長、それに府・市の知事、市長が大きい方向性を定めていこうという大きな会議を持ってございます。その下に推進機構というのを持ってございまして、いわゆる実務的にやらせていただく、そういう組織の中でこの一体的実施についても議論をさせていただいておりますので、ここには名前がないという形で、まずは言い訳をさせていただいた上で、本日の会議も含めてそうなのですけれども、実は京都府においても、こういう一体的実施施設として京都ジョブパークというのを平成19年に立ち上げさせていただいて、もう16年以上たちました。今日、様々な委員の方がおっしゃったように、やはり社会情勢が大きく変わってきている中で、実際の現場を預かる身といたしましては、やはりより柔軟な運営であったり運用というのが求められているなあと思ってございます。
 その一つは何かと申しますと、一体的実施事業という形の中で、自治体といたしましては、産業振興、それから福祉、教育、こういった部分を意識した雇用対策をやっていこうということであるのですけれども、先ほど栗屋委員もおっしゃっておりましたけれども、京都も観光の都市でございまして、全く同じような状況が京都に現出してございます。十何年前、リーマン・ショック後には大きく求職者支援という部分に比重が置かれておりましたけれども、今は求職者支援という以上に、本当に人口減少、少子化の中での人手不足ということが顕在化してきておりまして、何が言いたかったかといいますと、まず1つは、今日の事例発表なんかでも非常に求職者寄りに立った様々な取組が紹介されておりましたけれども、自治体、それから労働局さんのほうも、求人開拓、いわゆる企業支援の部分があるわけでございまして、求職者部門以上に、今後さらにこういった企業開拓部門、企業支援部門でより実質的な連携をしていく、そういうフェーズに入ってきておるのかなと思ってございます。
 その中の視点でやはり忘れてはならないのは、我々、求職者の意向に沿った求人開拓、何が言いたいかといいますと、誰もが働きやすい就労環境がしっかり整った企業でしっかり働いていただける、そういう環境整備。単に人手不足しているので人を供給するということだけでなくて、それにふさわしい就労環境を整備したところに人をしっかりと御紹介していく、そういう仕組みを共に考えていかなければならないと、そういうフェーズに来ているなというのが1点でございます。
 それから、いろいろ一体的実施事業の中でも、本当に労働局さん、ハローワークがないと自治体の雇用対策も何もできません。正直なところ、そういう意味で、非常にいろんな意味でありがたいのですけれども、であればこそ、やはりより強い連携、今日の話の中でも進化という言葉がありましたけれども、より進化した取組が必要になってくる。
 例えば最近の例でいきますと、平日の夜間とか土曜日のオンラインサービスを提供する、これは全国14か所で実施されるということであったのですけれども、これも聞き及びますれば、各労働局のほうに意見照会をされて、そこの希望のところに対してそういうオンラインサービスを実施されたと聞いているのですけれども、例えばそういった御照会があったときに、地元自治体がどう考えているの、そこら辺と併せて、地元自治体の意向なんかも聞いていただけると、先ほど来からの話ですけれども、京都なんかでも表れているのは、コロナの中で、非正規の女性の方々、旅館とか宿泊業界で働いておられた方々の、初期は多くの方が離職する、そういう状況がありました。そういった状況の方々が来所するというのはなかなか難しくて、まさにオンラインみたいな形での相談をしたいといったようなニーズも顕在化してきておりますので、こういうサービスの裾野が広げられるのであれば、我々としては労働局さんと一緒になってそういうサービスに思い切ってちゃんとアウトリーチしていきたいという思いを持ってございますので、ぜひそういったところも仕組みの一つに、自治体なんかの意見を聞いていただくこともしていただければありがたいなと思ってございます。
 それから、もう一つは一体的実施事業、まさにこれは仕組みが労働局のほうから民間職業紹介事業所のほうに委託をして実施するというスキームになってございます。それはそれで一つの方法としていいのかもしれないのですけれども、選択肢の一つとして、思い切って民間にいきなり委託するのではなくて、できるかどうかは別ですけれども、例えば地元の自治体のほうに委託なり、あるいは補助をしていただく。地元自治体のほうで、というのは何が言いたいかというと、同じような類似の事業を自治体のほうも様々な形で労働局さんと連携させていただいて実施してございます。結果、何がどうなるかというと、今の形ですと、もう限られたパイ、求職者に対していろんな支援機関がいろんなサービスを提供していて、言ってみればお客の取り合いみたいなことにもなっておりまして、やはり一つの事業を効率的、効果的に、あるいはコストを有効に活用しようと思えば、より適切な形での事業執行ができるような体制にできればなあと思っているところでございます。
 それから、これも最後の1点、ちょっと長くなって恐縮ですけれども、今日のお話の中でも、民間の職業紹介事業所なんかも含めて、国が持っておられる求人情報なんかを積極的に提供していただいている。これはとてもいいと思うのですね。いいと思うのですけれども、最近、京都で少し問題になってきているのは、特に「ウラアカ」と言われる学生の部分。これは労働局とも一緒になって、学生さんの公正採用の関係でアンケート調査を実施させていただいております。その中で明らかになってきているのは、この時代になっても本籍や戸籍を問う企業がたくさんあるということ。それから、不適切な、面接の場での質問をされるところが後を絶たない。こんなところが明らかになってきてございます。
 ただ、残念ながら、そういう企業があるよという情報を察知したとしても、その先、具体的に指導に入っていく、あるいはアドバイスしていくという部分に関してまだまだ課題が多いところでございます。この辺、法律の規定もございますけれども、より実効性のある、民間企業のよさをうまく利用するのと同時に、民間企業では少し後手に回るような部分に関して、しっかり国のほうの指導、お世話になりたいと思ってございますし、もちろん我々自治体の責務としてもそう感じてございますので、ここの部分は共にしっかりやっていきたいと思いますので、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 以上でございます。
○小畑部会長 ありがとうございました。それでは、事務局、お願いいたします。
○西海公共職業安定所運営企画室長 まず、平日夜間等の対応でございますけれども、ハローワーク全体といたしましては、今、新しいシステム、予約を管理できるようなシステムを入れていくということもございまして、少しずつ、試行も含めて始めていっているところでございますけれども、一体的実施事業の中で、仮にそういう平日夜間、あるいは土曜についてもサービスを提供したいということであれば、そこはまた現場の労働局ともよく相談させていただきながら対応させていただく余地はあるかと思いますので、そこは御相談をいただきたいと思います。
 また、事業の執行の部分につきましては、現状でも民間の委託を一部、京都府さんのほうでもやられているということでありますけれども、問題意識のほうは全体の効率化ということだと思いますので、どのようなやり方があり得るのか、改善できるのかというところはちょっとまた御相談させていただければなと思っております。
 また、最後の公正採用のところにつきましては、ここは厚生労働省としてもしっかり、仮に問題のある対応を行っている企業がございましたら、そこはしっかりと対応していかないといけないという部分でありますので、もし一体的実施事業、あるいはそれ以外のところでもそういったお話がございましたら、教えていただければ、厚生労働省としてもしっかり対応させていただきたいと思っております。
○小畑部会長 ありがとうございます。河島委員、よろしゅうございますでしょうか。
○河島委員 はい。よろしくお願いいたします。
○小畑部会長 ありがとうございます。ほかに何かございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、議題2「その他」につきまして、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
〇西海公共職業安定所運営企画室長 特に「その他」としてはございませんけれども、次回のこの地方連携部会の開催については未定ということでございますが、また、仮に開催の必要が発生しましたら、その場合には部会長とも御相談させていただいた上で、各委員の皆様に御連絡させていただきたいと思います。また、この部会の開催にかかわらず、国と地方との連携につきまして、御意見、御要望、また御質問がありましたらお気軽に御連絡をいただければと存じます。
 以上でございます。
○小畑部会長 ありがとうございます。
 それでは、予定されている議題は以上となりますので、本日の部会はこれで終了といたします。委員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。