2023年8月3日第33回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和5年8月3日(木)14:00~17:00

2.場所

対面及びオンライン会議(東京虎ノ門グローバルスクエア コンファレンス)

3.出席者

4.議題

  1. 1.関係団体ヒアリング5
  2. 2.令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の結果について
  3. 3.その他

5.議事

○伊藤障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」第33回会合を開催します。
 関係団体の皆様、アドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、アドバイザーの皆様は、オンラインまたは会場にて御参加いただいております。
 また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 本日のアドバイザーの方の出席状況ですが、岩崎アドバイザー、野澤アドバイザーは、所用により御欠席となっております。
 井出アドバイザーは、遅れての参加です。
 構成員の出席状況ですが、江口企画課長、小林精神・障害保健課長は欠席となります。
 辺見障害保健福祉部長は、公務のため、遅れて参加予定です。
 また、本日は、団体の皆様からヒアリングを行うため、関係団体の方々にお越しいただいています。
 ヒアリングは1団体ごとに入れ替わりで行いますので、団体名と御出席者名は、各団体のヒアリングの際に御紹介させていただきます。
 検討チームの議事は公開とし、議事内容は、皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載します。
 議事に入る前に、資料の確認、会議の運営方法、ヒアリングの段取りを確認させていただきます。
 資料については、オンライン参加のアドバイザーにおかれましては、電子媒体でお送りしている資料を御覧ください。同様の資料を、ホームページにも掲載しています。
 本日の資料ですが、議事次第に続きまして、本日ヒアリングを行う各団体の資料をつけております。ヒアリング資料1~9のほか、資料として令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果のポイントと概要をつけています。そのほか、参考資料1と2を用意してございます。
 ヒアリングの進め方について、確認させていただきます。
 ヒアリングは1団体ごとに行い、まず、団体からの御発言を計8分間行っていただきます。4分を経過した時点でベルを1回、8分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合は速やかに意見をまとめていただくようお願いします。団体の御発言の後、アドバイザーの皆様からの質疑応答を計7分間行います。現地で出席いただいている場合は挙手をお願いします。オンラインで参加いただいている場合は、Zoomの挙手ボタンをお願いします。こちらから指名させていただきますので、指名された方は御発言をお願いします。
 ヒアリングに当たっては、5月22日の検討チームでお示しした4つの視点、アドバイザーの皆様から御助言いただいた観点を踏まえて、資料を御用意いただいていますが、基本的には概要版に沿って御説明をお願いいたします。
 4つの視点を御紹介します。
 1つ目は、より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策・評価方法。
 2つ目の視点は、地域において利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするための質の高い人材の確保を含めた、サービス提供体制の確保に向けた課題・対処方策です。
 3つ目の視点は、障害福祉サービス等に係る予算額が、障害者自立支援法施行時から3倍以上に増加し、毎年1割程度の伸びを示している中で、持続可能な制度としていくための課題・対処方策です。
 4つ目の視点は、ICT活用など、業務の負担軽減・効率化に向けた課題及び対処方策です。
 以上の4つの視点を踏まえた御説明をお願いしております。
 本日は、手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、できるだけゆっくり、分かりやすくお話しいただきますようお願いいたします。
 それでは、ヒアリングを開始させていただきます。
 まず、初めに、公益財団法人日本知的障害者福祉協会より、井上博様、久木元司様、よろしくお願いいたします。
○日本知的障害者福祉協会 御紹介いただきまして、ありがとうございます。このような機会を与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 早速、説明をさせていただきます。
 日本知的障害者福祉協会の今の活動は、御本人の望む暮らしの実現、虐待防止、権利擁護を活動の柱としています。意思決定支援、地域共生社会の実現という理念が確立する一方で、知的障害のある方の置かれている現状は大変厳しいものがあると私どもは認識しております。今回の報酬改定が理念の方向性に近づき、利用者、御家族、スタッフにとって、希望が持てる、ダイナミックな報酬改定となることを期待したいと思っております。特に今後の議論で重視していただきたいのは、サービスの質の評価についてであります。ソーシャルワークの専門職が支援現場の評価を行う仕組みの検討と支援現場でよりよい取組が報酬に反映される仕組みをぜひ御検討いただければありがたいと思っております。特に知的障害児・者支援には必須の意思決定につながる社会生活体験に取り組んでいる事業所の評価をぜひお願いしたいところでございます。なお、本会のヒアリング資料で障害者支援施設とグループホームの在り方や計画相談支援の報酬について提言を行っているので、ぜひ御一読いただければありがたいと思っております。
 詳細については、久木元委員長から、御説明させていただきます。
 よろしくお願いします。
○日本知的障害者福祉協会 それでは、報酬改定に関する意見を述べさせていただきたいと思います。
 横断的な事項として、まず、1番目に、このところの急激な物価上昇・賃金上昇で、施設運営上、大きな影響を受けているところでございます。参考資料として、丸1、丸2、丸3を御参照いただければ、協会で行った調査の中身を記載してございます。電気代が50%近く上昇しておりますし、一方、施設の賃上げ額は前年度比で減少している状況が見てとれます。つきましては、緊急的な手当はもちろん、基本報酬を物価上昇率や人事院勧告と毎年連動する仕組みとしていただけないかと思います。保育所の単価は、御承知のとおり、連動し、毎年改定しているということで、参考資料丸4に記載してあるとおりでございます。処遇改善につきましては、さらなる処遇改善とともに、処遇改善の仕組みの簡素化、対象職種の拡大、分配方法などの法人裁量の拡大をぜひお願い申し上げたいと思います。福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)(Ⅱ)と加算(Ⅲ)の併給を可能としていただきたいと思います。また、暖房、除雪、降灰などの地域特有の課題への加算の創設をお願い申し上げたいと思います。ICT導入費用の支援、活用によるサービス向上・効率化を加算等で評価していただければと思います。導入効果につきましては、参考資料丸5を御参照いただければと思います。
 質の高いサービスを提供している事業所を評価する仕組みの構築をぜひお願い申し上げたいと思います。食事提供体制加算の恒久化をお願い申し上げたいと思います。参考資料丸6・丸7で、当協会としての調査を行ったところ、この加算が廃止された場合には、加算分を利用者負担とするというところが実に6割近くにわたっておりますので、大変大きな影響があるだろうと思います。併せて、食事の特別な配慮や専門的な支援を要する場合の報酬上の評価をお願い申し上げたい。参考資料丸8に、配慮例を掲載してございます。補足給付額の物価上昇率を反映した額をお願い申し上げたいと思います。送迎加算の拡充と、人件費分を含め、実際の経費を反映した加算としていただきたいと思います。
 支援度の高い方へのアウトリーチ型スーパーバイズを実施した場合の報酬上の評価をお願い申し上げたいと思います。また、重度障害者支援加算の行動関連項目の点数が極めて高い方への上位加算区分の設定をお願い申し上げたいと思います。特性が十分に評価されていない方への新たな評価尺度もぜひとも御検討いただければと思っております。
 重度・高齢化に伴いまして、入院・通院の頻度が高くなっていることから、入通院の実績に応じた報酬上の評価をお願いしたい、さらに、医療分野からのアウトソーシングができる仕組みをお願い申し上げたいと思います。
 続きまして、サービスごとの事項でございます。
 相談支援につきましては、御本人の望む暮らしの実現のためにも、役割は大変重要であると考えております。継続的かつ質の担保の意味からも、報酬の抜本的な見直しをお願い申し上げたいと思います。参考資料丸9、丸10、丸11を御参照いただくと、具体的な提案例を提示してございます。相談支援専門員の適正な計画作成数を、私どもとしては、月15件程度と考えております。これを目安に基本報酬の設定をお願いしたいと思います。相談支援事業所の撤退が相次いでいる現状からも、ぜひとも御検討いただければと思います。
 居住支援につきましては、障害者支援施設については、日中と夜間の支援を整理し、評価をしていただくこと、また、土曜日・日曜日、夜間職員体制に応じた評価の仕組みをお願いしたいと思います。地域移行促進の観点から、地域移行加算の拡充と他事業所利用が促進される報酬体系をお願い申し上げたいと思います。共同生活援助については、重度者への対応の必要性から、世話人を支援員に、日中サービス支援型と介護サービス包括型を統合し、介護給付に制度を整理する必要があると考えております。単身生活者支援につきましては、既存のホームを活用するなど、様々な選択肢を用意する必要があると考えております。居宅介護については、地域生活支援事業の移動支援を全国どこでも利用できるよう、地域格差を解消する必要があると考えております。居宅介護等事業所の合理的運営、かつ、人材不足解消の観点から、他の事業所のサービス管理責任者との兼務を可能とする仕組みをお願い申し上げたいと思います。障害のあるこどもの育児を家事援助の対象としていただきたいと思います。居住支援につきましては、参考資料13に、詳細、当協会の考え方をまとめてございますので、御参照いただければと思います。
 日中支援活動につきまして、申し上げます。生活介護の支援度の高い方を支える観点から、人員配置体制加算に1.5:1等の上位区分の創設をお願い申し上げたいと思います。家族支援の観点からも、延長支援の要件や単価の見直しをお願い申し上げたいと思います。
 就労支援につきましては、就労継続支援A型については、評価項目の再設定を、B型については、多軸評価とするとともに、支援度の高い人を支える観点から、人員配置を5:1等の上位区分の設定をお願いしたいと思います。就労定着支援については、特別支援学校卒業と同時に、企業に就職した人も本事業の対象としていただきたいと思います。
 障害児支援につきまして、発達支援センターの専門職の配置、地域支援の中核的役割を担うことへの報酬上の評価をお願いしたいと思います。最後に、障害児入所支援につきましては、少なくとも他の社会的養護と同様の職員配置基準としていただくようお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 会場から、小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 大変貴重な提案・提言が多くて、勉強になっております。私のほうで、興味深いというか、非常に大事な提案だと思って聞いていたことが、相談支援でございます。参考資料丸11、24ページですが、いわゆる報酬の見直しと質の高さという問題の両方を記載されておりまして、質の高さということで、この下に、新たな基本方針の前提ということで、3点ほど、指摘事項があるのです。これに関しては、報酬改定と同時に、例えば、ガイドラインとか、何らかの指針も併せて示すような御提案と理解してよろしいでしょうか。
 よろしくお願いします。
○日本知的障害者福祉協会 今、おっしゃったように、ガイドライン等でぜひお示しいただければありがたいと思っております。相談支援につきましては、質の高い相談支援という観点から、私どもとしては、15件程度が妥当ではないかということで、協会内で議論し、そういう提案をさせていただいたところでございます。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはいかがでしょうか。
 石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 非常に多方面にわたる御提案をありがとうございます。
 1点、私から、4番の医療及び医療との連携についての部分、入通院の際の支援の実績に応じた報酬上の評価を提案されていらっしゃいますが、入通院をされる方は重症化に伴い増えていくと考えておりますので、その辺についてどのような御提案になっているのか、少し具体的にお示しいただけたらと思いまして、質問させていただきました。
○日本知的障害者福祉協会 ありがとうございます。
 重度・高齢化に伴いまして、今、入院・通院の頻度が非常に高まっております。私どもといたしましては、その時間あるいは人員等々で大変な労力も出ておりますので、その辺のところをぜひ評価していただきたいところでございます。特に入院の場合の付き添いの問題も施設によっては出てまいりますので、その辺もぜひ御配慮いただければと考えているところでございます。
○石川アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
 非常に多岐にわたり、詳細におまとめいただきまして、ありがとうございます。
 私からは、特に障害児入所施設のところについての御発言について、少し伺います。ここで「他の社会的養護施策と同様の基準とする」と書いていただいているわけなのですけれども、社会的養護の施設でいうと、単に、職員の配置、こどもが何人に対して職員が何名というだけではなくて、ほかの職種、例えば、アフターケアを担っていくとか、自立支援とか、様々な職種も配置されています。そのような具体的な職種についてもどうなのでしょうか。形態としては変えていくことは時間がかかると思うのですけれども、社会的養護と言われているような小規模化や地域への展開なども話題としてはあり、ご発言からだいぶ離れてしまうところもあるかもしれませんけれども、もしお考えがあればお伺いできればと思います。
 よろしくお願いします。
○日本知的障害者福祉協会 ありがとうございます。
 おっしゃるとおりで、ソーシャルワーク機能が、児童入所施設についても大変重要だと思っておりますので、ソーシャルワークが実践できる専門職の配置も、私どもは必要ではないかと思っております。同時に、配置基準をぜひ引き上げていただいて、手厚い対応ができるような施策をぜひお願い申し上げたいと思います。
 小規模化につきましては、私どもも、ここで書いておりますが、居住支援の在り方の中で、サテライト型のイメージも少し示させていただいております。より小規模で対応できるような方向性も持ちつつ、対応していく必要があると考えております。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはいかがでしょうか。
 よろしいですか。
 それでは、以上とさせていただきます。
 日本知的障害者福祉協会の皆様、ありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、全国障害者自立訓練事業所協議会より、菊地尚久様、小島正平様、よろしくお願いいたします。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 よろしくお願いいたします。
 今回は、ヒアリング団体に御指名いただきまして、ありがとうございます。
 最初に、当協議会の概要について、御説明させていただきます。設立は、昭和34年11月24日で、旧身体障害者更生施設の長をもって組織されております。その後、総合支援法の施行に伴う、自立訓練、生活介護等の施設の長をもって、組織として活動しております。私どもの活動としては、障害者のリハビリテーション等に関する調査、研究並びに情報交換、障害者のリハビリテーション等に関する研究集会の開催を主な活動としております。自立訓練等で行う支援の在り方や実際についての研究成果を研究集会で学び合い、また、自立訓練の実態調査やその役割についての研究活動、障害者総合福祉事業や厚生労働科学研究に参加し、社会リハビリテーションに関する標準的支援プログラムや効果指標の研究を行っております。加盟団体の数は、41施設となっております。私が、代表を務めております。
 それでは、この後、報酬改定に関する意見の概要については、小島副会長から、御説明させていただきます。
 よろしくお願いいたします。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 小島です。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、私からは、報酬改定に際しまして、5つの提案をさせていただきます。
 まずは、自立訓練事業が有効に活用されるための体制整備についての提案です。私たちは、自立訓練の利用により、障害を持った方々が自立度や社会生活力を高め、家庭復帰や単身生活をし、主体的に地域生活を営んでいる多くの方々や、就労や復職を果たし、または、就労移行支援の利用につなぐことで就労や復職に結びついた方々を多く見てきております。一方で、その自立訓練が十分に活用されていない状況があります。特に、機能訓練は、事業所数が189か所、利用者数2,177人ですが、これは利用者の多くが脳卒中後遺症の方であることを考えても少な過ぎる数です。障害福祉サービスの費用額も、総費用額の僅か0.1%と、日中活動サービスとしては最も少なく、なおも微減傾向にあります。また、都道府県により、利用定員や利用者数の地域格差が大きいことも懸念しているところです。その原因の一つとして、自立訓練のプログラム内容が十分に定まっておらず、周囲から自立訓練が何をするところか十分に理解されていないということがあります。また、そのために、機能訓練が介護保険の一部サービスと混同されてしまい、自立訓練の利用により社会復帰を目指すことができる方々に対して、介護保険サービスを優先されてしまうということも起こっています。平成30年の障害者総合福祉推進事業による調査結果からは、基準該当や共生型の事業所は指定事業所と実施内容が大きく異なり、指定事業所の中でも支援内容が十分に統一されていない状況があることが分かりました。また、自立訓練の利用効果を適切に示す評価指標がないために、エビデンスをもって利用効果を示すことができませんでした。
 そこで、概要1(1)自立訓練の評価指標の導入を提案させていただきます。令和2年度、令和3年度の厚生労働科学研究の中で、社会生活の自立度に関する評価指標、Social Independence Measure、略して「SIM」と呼んでおりますが、そういうオリジナルの評価指標を開発しました。令和4年度の推進事業の検証調査でもよい結果を得られたことから、SIMの活用により、自立訓練事業所が、同じ目的を持ってプログラムを実施し、その効果を数値で示していくことができれば、自立訓練の利用価値が高まり、質の向上にもつながっていくと考えます。また、そのことで、障害のある方の自立度が高まり、公的サービスの利用が減り、社会保障費の削減にもつながっていくと思われます。そのためにも、SIMを何らかの形で報酬上の仕組みに組み込んでいただきたいと思います。
 次に、(2)機能訓練サービス費について、提案します。機能訓練では、状況の違う利用者の方々のために、様々なプログラムを提供する必要があり、そのためには多くのマンパワーが必要となります。また、有期限サービスであるために、利用がなかなか充足しないという状況があります。そのため、収支バランスが取れず、経営に苦しんでいる事業所が多くあります。平成30年度の推進事業の調査でも、機能訓練はほかからの補塡がなければ大幅な赤字になっていることが確認できました。このままでは、機能訓練が衰退し、地域格差が膨らみ、ますます必要な方々に支援が届かなくなることを心配するばかりです。そこで、経営実態調査などで障害福祉サービスで収支の平均値を大きく下回っている機能訓練について、せめてサービス費が平均値となるよう引き上げていただきたいと思います。
 (3)病院から機能訓練を利用する場合の手続の効率化についての提案です。機能訓練では、多くの方が病院から利用されますが、身体に障害がある方の場合は、身体障害者手帳の交付が必要となります。交付には、症状固定が前提となり、3か月から6か月程度で医師が意見書を書きますが、回復期リハビリテーション病棟の入院期間が長くて6か月となるため、早くに手続を始めなければ、退院までに利用できずに、一旦家庭に帰るか、老人保健施設などで待機するあるいは介護保険サービスに誘導されることも出てきます。身体障害者については、暫定利用期間中に手帳が交付されればよいという形での、弾力的な取扱いについて、御検討をお願いします。
 次に、2.障害特性に応じた専門的ニーズに対応していくための提案です。まずは、(1)高次脳機能障害者、失語症者等に対する支援体制の強化についてです。高次脳機能障害者や失語症者のリハビリテーションについては、病院でのリハビリテーションを終えた後も、作業療法士、言語聴覚士、心理士などの専門性を持った職員により行う必要があります。現状では、人員配置基準の1名、主に運動機能のリハビリテーションを担当している理学療法士などのほかに、高次脳機能障害に対する専門的支援を行うため、リハ専門職を配置しても、報酬上の評価がないために、配置しづらい状況があります。そこで、丸1にありますように、高次脳機能障害者や失語症者、その他の必要な方に、専門的な支援を行うため、リハ専門職等を複数配置した場合に、リハビリテーション加算において評価できるようにしていただきたいと思います。また、公認心理師をその評価に対象に加えていただきたいと思います。または、丸2にあるように、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算に準じた支援体制加算などの新設も方法かと思います。いずれにせよ、自立訓練において高次脳機能障害者や失語症者などのリハビリテーションを評価できる方法を検討いただきたいと思います。
 最後に、(2)夜間看護体制加算についての提案です。自立訓練を日中活動とする障害者支援施設は、夜勤帯においても医療行為が必要となった場合の対応、緊急処置、主治医への報告、救急要請等の緊急時の対応のために、看護職員を配置している施設であります。生活介護を日中活動とする施設入所支援と同時に、自立訓練を日中活動とする施設入所支援においても夜間看護体制加算の算定ができるようにしていただきたいと思います。
 私たちは、自立訓練、特に機能訓練が衰退することで、まだ可能性のある障害を持った方々が就労やその人らしい地域生活を送ることを諦め、未来のない生活をしていくようになることを何としても食い止めたいとの思いで、この場に臨みました。どうぞよろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 佐藤アドバイザー、お願いします。
○佐藤アドバイザー 御説明をありがとうございました。佐藤でございます。
 3点、述べさせていただきます。
 1つは、SIMの開発は大変重要なことで、高く評価したいと思います。
 次は、質問ですが、このSIMを、その他の機関に導入していただき、より広く使っていただくためには、どのようなことが必要だと考えていらっしゃるでしょうか。
 もう1つ、質問ですが、病院から自立訓練への移行がスムーズにされていないことが述べられていますが、現状では、スムーズな移行を阻害しているものはどのようなことだとお考えでしょうか。
 以上、2点の質問でございます。よろしくお願いいたします。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 御質問をありがとうございます。
 まず、1点目について、SIMについては、FIMの指標をモデルにして作成している経緯もありますが、まず、ビフォー・アフターの2段階で、その値の差を評価することにしています。その時に客観的に評価することが非常に大事ですので、ビフォーについても、アフターについても、環境、評価できる場面を設定して、事業所の中でそういった場面をつくって、取り組んでもらうことで評価していくということになります。そのため、この指標を活用するためには、まず、事業所自体が評価できるような仕組み、環境を整えることが大事になってきます。そのことで事業所が行うプログラムは、その評価を得るために、方向づけができるといいますか、そういったところで、プログラムの充実が図れる。併せて大事になることは、単に評価指標を活用するというよりは、かなり範囲の広いものを限定的に評価するようにしていますので、SIMの活用が実際にできるようになるための研修をして、実際に同じような視点、考え方、捉え方に立って、SIMを活用することができることが大事だと思います。
 前半は、以上です。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 回復期リハビリテーション病棟からのスムーズな移行についての御質問でございますけれども、1番は身体障害者手帳の交付時期でございます。これは、各都道府県によって対応が違っておりまして、6か月を目安にということで厚労省からも期待されておりますけれども、地域によっては、ある程度、障害固定が見込める時期ということで、例えば、3か月という時点で手帳の交付をお認めいただいている地域もございます。そのように各都道府県でやっていただけると、回復期リハビリテーション病棟自体は、もちろん最大180日まで入院ができるのですが、諸事情といいますか、医療の施策上の問題から、大体3か月までで退院される方が非常に多い状態です。そうすると、6か月きっちりで身体者障害者手帳の交付となりますと、3か月ほど在宅で待機してから通所入所ということになりますので、その辺に関して改善いただくような方策がないかということで提言させていただきました。
 ありがとうございます。
○佐藤アドバイザー よく分かりました。ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明をありがとうございます。
 私が関わっている方で、身体障害と知的障害を重複でお持ちの方が、交通事故で高次脳機能障害になった際に、自立訓練を利用しましたが、その際、専門的なアセスメントやリハビリを受けたことで、その後もグループホームで地域生活を送ることができています。お話を聞いていて思ったのですけれども、生活訓練も同様ですが、自立訓練は有期限であるがゆえに、そこが着地点ではなく、自分のこれからの人生をどのようにつくっていくのかということを考えて、社会的なリハビリを行っていく上でも重要なサービスであると思いました。地域移行や社会参加や就労など、障害者の今後の生き方の選択肢を広げてくれる大切なサービスですので、おっしゃるように、衰退せずに、適切に指定事業所が整備されていくように、国にも考えていただければと思いました。
 質問です。先ほどのSIMのお話を聞いて、よく分かったのですけれども、このSIMは、機能訓練でも生活訓練でも同じように使えるものなのでしょうか。そこのところを教えていただければと思います。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 御質問をありがとうございます。
 SIMは、基本的には、生活訓練、自立訓練、両方に使えるようになっております。昨年の推進事業で検証調査を行った結果も、両方とも同じように有意差があった。各障害や男女比、様々なところでも確認したところ、同じように有意差が出たことから、自立訓練全体に使える評価指標と理解して、これを活用していきたいと考えております。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 貴重な御発表をありがとうございます。
 私も、SIMのことについてお伺いしたいと思いまして、質問させていただきます。
 先ほどの発表の中で、介護保険の第2号被保険者の年代になりますと、脳血管疾患は介護を優先ということで、介護保険のサービスでリハビリテーションが行われており、かなり多くの2号被保険者の方が、介護保険のサービスを御利用になっていると認識しております。介護保険の分野でもリハビリ専門職の方が積極的に活動されており、おそらく専門職として障害分野と介護分野で連携されていのではないかと思います。SIMなども介護の分野でも普及されるようになると、どちらを利用しても大事な視点が取り入れられていくのかなと思いましたが、この辺りについて、ご意見をお伺いしたいと思いまして、質問させていただきました。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 御質問をありがとうございます。
 SIMの場合については、先ほど説明させていただいたように、様々な環境設定というか、訓練を設定して、評価ができる場面を設定して、そこによる評価になっていくので、直ちに当てはめることは難しいと思っています。例えば、介護保険のデイサービスやデイケアの場面に、今、そのような訓練がないので、逆に、導入することによって、そういったところの訓練をその場でも提供する、あるいは、基準該当や共生型でも提供するということになれば、より身近なところでそういった自立訓練的なサービスを受けることができるので、方向性としては、そういうこともあろうかと思うのです。ただ、今までの経過の中で、介護保険はどうしても高齢の方と一緒にサービスを受けられていますので、ひょっとするとそういった方々と就労を目的とするような方の前段階の訓練をどうさびわけをするか。介護保険の中で、混同すると難しいと思うので、分けることができるかどうかです。分けた上での職員配置ができるかとか、いろいろな課題があると思います。そういったことをクリアしていけば、このSIMによって同じ方向を向いて、いろいろな事業所が、障害を持った方の自立のための支援を行うことができると思います。目指す方向としては、ありかなと思います。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 介護保険の分野でも、社会生活の能力向上を目的としたようなリハビリテーションのアプローチが行われるのであれば、多分活用していけると思うので、介護保険のサービスの中でそういうことを目指したアプローチを事業者さんにしていただけるのであれば、多分使っていけると考えております。
○石川アドバイザー ありがとうございました。大変参考になりました。
○伊藤障害福祉課長 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー いろいろと御意見が出たので、私は1点だけとしたいと思うのですけれども、3ページ、「2.障害特性に応じた専門的ニーズに対応していくために」で、高次脳機能障害、失語症への対応ということで、これは非常に重要事項だと思って聞いていたのですが、多分利用者の実態がこの仕組みができたときからかなり変わってきているのかなと。その場合の高次脳や失語症を考えたときに、具体的な数字があればありがたいのですけれども、およそどのぐらいの感じで増加をしているのか、あるいは、どのぐらいの割合でこういった方々が多くなってきているのか、それに基づいて、こういう専門職の配置とかの議論が出てくるかなと思っています。印象でも結構なのですけれども、よろしくお願いします。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 高次脳機能障害の数というのは、全国の中でどれぐらいという意味でございますか。
○小澤アドバイザー 利用者像として、自立訓練に来られる方と。
○全国障害者自立訓練事業所協議会 自立訓練を利用される方、特に機能訓練については、多くの方が脳血管疾患の方です。身体障害をお持ちの方、多くの方が何らかの高次脳機能障害を持っているので、率として具体的に申し上げることは、この場ではきちんと記憶に残っていないので、控えますけれども、おおむね7割ぐらいはそういった状態の方だと思われます。生活訓練のほうも、一部には高次脳機能障害に特化した支援を行っているところがありますので、そういったところでは、機能訓練もそうですけれども、高次脳機能障害に併せて失語症の方も対象にしていると思います。
○伊藤障害福祉課長 それでは、時間が参りました。
 全国障害者自立訓練事業所協議会の皆様、ありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、特定非営利活動法人就労継続支援A型事業所全国協議会より、加藤祐二様、中崎ひとみ様、よろしくお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 本日は、どうもありがとうございます。
 副理事長の加藤と中崎が参りました。よろしくお願いいたします。
 まず、就労継続支援A型事業所全国協議会、略して「全Aネット」のかいつまんだ紹介をさせていただきます。設立は2015年7月で、若い団体であります。A型事業所の制度ができたのが若いので、そういう短い事業所になります。主な活動の目的は、A型事業所の利用者は、労働者でもあり、利用者でもある、支援される側でもあるという事業所の経営を健全なものにしようと。以前、「悪しきA型」と新聞をにぎわせましたので、障害のある人たちが食い物にされたりひどい目に遭ったりしないような、よい事業所を広げようという目的で、設立されました。全国各支部は、今、27支部があります。徐々に増えております。その中で、心ある事業所、自分たちでよくなりたいと思う事業所が全Aネットの会員となっております。その会員の中で、大体60%以上が、営利団体、営利法人であるという、ほかのところにはない団体だと思っております。
 それでは、意見に参らせていただきます。提出させていただいている資料の1番ですが、全Aネットの願いであり、多分昔からある障害者団体の願いでもあります。小規模の営利法人系の経営悪化等によって、廃業や売却される事業所が多く見られます。安易なB型への移行や廃業を防止する策を取っていただきたいと思います。B型への転向の原因の一つは、報酬単価が、A型スコア、5番目の80点以下になりますと、B型の工賃1万以下の7番目の報酬単価のほうが高くなるという矛盾が起きているためと考えられます。実際に、コンサル会社の指導では、スコアの目標を80点まで取れば、それ以上の努力をする必要がないという指導がされております。スコアは、障害がある人、利用者に対して、どれだけいい支援ができているかという目安であったはずですが、それ以上の目安をもって努力しても、そんなに報酬単価が上がらないので、そういう必要はないという考えが、特に営利法人系で話されていることが非常に残念であります。そういうことですので、安易な転向の禁止を求めるとともに、事業所監査、指導監査の全国平準化を望みます。いろいろな全国の事業所さんから相談がありますが、各都道府県あるいは指定行政によってかなりのばらつきがあります。中には、A型事業所を始めてから10年間、1回も監査に来ていないというところもございました。特に都市部に関してはそういうところが多いように思います。A型の利用者さん本人やサビ管さんや職員さんから相談が全Aネットによく入るようになってきました。それはなぜかというと、管理者というか、オーナーさんがかなり利益誘導をし過ぎて支援の仕方を放置するとか、そのような話です。また、A型の利用者さんが急にB型に転向されたということで、ユニオンに相談するケースもあります。A型の利用者、A型の制度は、行政も非常に難しいと思います。利用者は、労働者であり、利用者でもあるというところなので、利用者専用の相談窓口も求めたいと思っております。
 次に、精神障害者等の支援関連のことです。利用者の平均労働時間の算出方法について、令和3年3月30日発令の留意事項の中で、短時間労働者となった日から90日を限度として、延べ労働時間数、延べ利用者数から除外しても差し支えないと。これは、スコアの労働時間の部分であります。これが、実態として、例えば、精神障害の人、難病の人たちで、1日2時間で週3日、やっとちょっと働けるようになった、それが90日には絶対に戻らない人たちです。この人たちを何とかカバーするために、この平均労働時間の短時間を何とかフォローできるようなことを考えていただきたいと思います。A型事業所を障害のある人の働きのセーフティーネットとしてお考えであるならば、そういう工夫を考えていただきたいと思っております。
 もう1つ、スコアの中で特に営利企業がやっていることです。親会社からもらっている仕事を、スコアの最後のほうにある地域連携の実績事例として出して、それが承認されています。地域連携とは、本来、平成18年の厚生労働省令171号の74条に基づき、きちんと事例を指導監督市町村に示していただきたいと思います。地域に対して事業所が奉仕しているようなところはなしで、取引先の会社のものでオーケーになっているという事態に対して、非常に腹立たしく思うので、何とかしていただきたいところです。
 残りは、加藤さん、よろしくお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 引き続きまして、スコア方式のことにつきまして、私から、いろいろと御提案させていただきます。
 スコア方式が導入されまして、A型事業所のよしあしといいますか、それが点数化されて、A型を利用する利用者、就労先を紹介するハローワークや特別支援学校等の進路の先生方にも非常に役立っている、非常に評価されているとお聞きしておりますので、このスコア方式をよりよいものに改善していく方向で取り組んでいただけたらと思っています。そういった中で、私どもの全Aネットといたしましても、会員の皆さんに、スコア方式に対しましてのアンケート調査をさせていただきました。今回のヒアリングの中でも、参考資料として、その結果を出させていただきました。その辺を御覧になっていただきながら、改善点について御理解いただけたらと思っています。
 まず、生産活動に関することなのですけれども、スコア方式の場合、赤字が非常に問題になっているところがありまして、赤字や黒字だけではなくて、もう少し長い目で、生産活動が進んでいるのかということを把握していただけるような形を取っていただけないかと思っています。一般の民間企業でありましても、単年度で赤字だから駄目、黒字だからいいという形を取られたら、経営は成り立っていかないと考えますので、A型の場合は、一般の民間企業と同じような生産活動を行っていますので、その辺を十分に考慮していただきたいと思っております。
 多様な働き方につきまして、A型の場合、非常に様々な障害種の方々が関わっている、利用されているということがあります。その中で、資格や免許ということになりますと、例えば、精神の人は資格や免許が取りやすいけれども、知的障害の場合はなかなかそういったものが取りにくいということがあります。一律の免許や資格だけではなく、各事業所がどれだけ事業者のキャリアアップを図っているのか、そういったものも評価していただけるような視点を入れていただければ、よりいろいろな障害を持っている方々の能力向上につながっていくのではないかと考えています。
○就労継続支援A型事業所全国協議会
 支援力に関しては、ISOとありますけれども、HACCPなども取り入れてほしいということがあります。加算につきましては、重度加算について、職業判定を基準にしていただけると、就労の関連性の中で、より一貫した考え方が取れるのではないかと考えております。
 長くなりまして、すみません。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー 調査結果も含めて、実情に即してまとめていただき、ありがとうございました。
 私が不勉強なところもあるのですけれども、少し教えていただきたいことがあります。今のお話の中で、営利企業が多いというお話でした。途中にも「悪しきA型」という表現があるのですけれども、その違いがどこで見えてくるのかというところを伺いたく思いました。評価をしていくところでも、どこら辺で違いがあるのかというところを、話に聞くことはあるのですけれども、実際にまとめていらっしゃる団体さんではどのように見えているのかということをお伺いできればと思います。
 よろしくお願いします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 ありがとうございます。
 ちょっと怒っていたので、「悪しきA型」と言ってしまいましたけれども、すみません。要するに、小規模の営利事業のほうがきちんとできていないところが多いです。最近、大企業さんの参入がありましたけれども、大企業さんはやはりきちんとされていますので、安心できるかなというところもあります。判断が非常に難しくて、中の利用者さんからのクレームや職員さんからの内部告発とかがないと分かりにくいというところが非常に大きいです。事業の赤字が続くところは割と傾向として危ないかなということも、見える部分もあります。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続いて、石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー ありがとうございます。石津でございます。
 私も資料の3ページにあるA型廃業の関係のところについて教えていただきたいのですけれども、ここに「廃業や売却される事業所が多くみられる」と記載されておりまして、資料の中では、7ページに、その実態について、推測ということではありますけれども、顛末についての割合が出ているところです。実際、どのぐらいの数がこういったことになっているのかなというところを教えていただきたいということが1点目です。
 もう1点は、私は法人形態による経営状況やサービスの質の違いというところに関心を持っているのですけれども、その点に関しまして、先ほども御質問があったように、どういうところが具体的に違ってくるのかなというところが知りたかったこととともに、こちらの資料の中では「認可や監査等」という文言も出ていますので、その辺の課題についても含めて、教えていただけますでしょうか。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 ありがとうございます。
 全Aネットで調査したいのですが、そもそも全国のA型事業所の名簿すら手に入らない状態で、ネットで苦労して調べているところです。その中で、参考資料のほうですが、このパーセンテージは、全Aネットの会員さんがどれだけやめられたか、その理由は何であったかということを書かせていただいております。A型を終了されたところが15.4%、廃業が45.5%となっておりますが、これはもしかしたら転売されたところも入っているかも分からないです。完全な株式の経営者変更は18.2%になります。これは、コンサル会社で特にうわさが流れていますものでは、1事業所につき2000万円ぐらいの売却が相場だそうです。
○石津アドバイザー すみません。割合は分かるのですけれども、多いと書かれているけれども、数はどのぐらいあるのかなというところを教えていただければと思いました。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 パーセントしかお出しできていなくて、今、全Aネットでは把握していたものが、40とか、50とか、そのぐらいだったと思うのです。今、資料がないので、ごめんなさい。私たちで把握しているのはそのぐらいということになります。よろしいですか。
○石津アドバイザー ありがとうございます。
 もう1つのほうは、ここに書かれている課題のところで、監査や認可や許可の話が出ていたものですから、そこについてどういった課題があるのかというところを教えていただきたいということです。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 これは、全国の監査をする行政の力とかによってかなりの差があります。厳しいところは厳しくてきちんとされているし、全く監査自体をされていない行政もあるところです。ですので、全国の平準化、どこへ行っても同じだけの監査をして、そういうところをなくすような基準をつくっていただきたいということで、挙げました。
○石津アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはいかがでしょうか。
 井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー 御説明をありがとうございました。
 1点、意見になりますけれども、このA型は、いわゆる経営の概況調査とかを見ると、比較的収支差率が、過去、平均よりも2%ぐらい高くて、頑張っているのだなと思っていたら、どうやら実情はいろいろとあるようで、これは私たちもしっかりと把握しなければいけないと思いました。
 もう1点、今日の資料の中に、石津先生もそうですけれども、減価償却もそうですけれども、かなり会計基準や会計の仕組みや就労の会計がというお話があったので、どちらかというと、私は会計系なので、ここは、御意見というか、参考資料も見させていただいて、また検討していきたいと思います。
 意見だけです。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 よろしいでしょうか。
 佐藤アドバイザー、お願いします。
○佐藤アドバイザー 御説明をありがとうございました。佐藤でございます。
 参考資料の12ページ以降で、「全Aネットの全国優良事業所認定」という言葉が出てくるのですが、そちら様では、優良事業所の認定のようなことをなさっているのでしょうか。
 そのときに、なさっている、スコアではなくて、全Aネットの評価項目が実態に即しているということですが、どのような評価をしているのか、資料などを見せていただければと思いました。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 ありがとうございます。
 全Aネットでは、独立に優良事業所を認定していこうということで、3年前から、ヤマト福祉財団さんの助成をいただきながら、そういった活動をしております。当初は、生産活動を中心に、いろいろと評価をしていたのですけれども、昨年より、厚労省のスコア、そこら辺をひっくるめて、プラス、全Aネットとしての独自の項目を入れて、やってきております。単に数字的な問題だけではなくて、事業をやる方の理念や実際に本当にそういう理念に沿ってしっかりとしたことが行われているのか、そういったものをきちんと点数化し、なおかつ、外部の有識者の方々も含めて構成する委員会をつくっておりますので、その優良認定の委員の方々が、実際に現場に行って、実情を把握して、本当にしっかりとした活動しているかどうかということを見極めて、優良認定を出させていただいております。年間11か所以上の事業所に認定を交付させていただいているところです。
○佐藤アドバイザー ありがとうございます。
 厚生労働省のスコアも、改善の余地はあると思いますが、御一緒に、協力して、よりよいスコアをつくっていければと思って聞いておりました。
 これからもよろしくお願いいたします。
○就労継続支援A型事業所全国協議会 ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 それでは、時間が参りましたので、就労継続支援A型事業所全国協議会の皆様、ありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、オンラインでの参加になります。特定非営利活動法人全国就業支援ネットワークより、野路和之様、よろしくお願いいたします。
○全国就業支援ネットワーク よろしくお願いします。
 私は、本日、コロナにかかってしまったということで、直接伺えなくて、申し訳ございません。
 全国就業支援ネットワークとは、結構古い法人です。1998年の能力開発部会から始まりまして、今は、ナカポツセンターが180センターを会員となり、合計で262団体が入っている団体でございます。就労移行支援事業所部会、障害者就業・生活支援センター部会、能力開発施設部会という形で行っております。ナカポツセンターの割合が非常に高い団体でございます。
 昨年10月ぐらいに、ナカポツセンターに対して、緊急アンケートを取りました。雇用促進法が改正されることと、雇用率がさらに上がる、就労選択支援事業、特定短時間雇用、10時間から20時間を個別にカウントするという制度など、今後、大きな制度改正もありますので、そういった点で、アンケートをやりました。そのアンケートを基に、就労系のサービスの在り方について、私自身は、今、ナカポツセンターのセンター長をしているのですが、かなり地域の状況が変わってきている中で、いろいろと気がついた点で、このアンケートをベースにしながら、要望というか、今回のお話しさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
 これまでも、より質の高いサービスを提供していくということで、基本的に就労系サービスの在り方については、依然として質の問題は問われてくるのではないかというところはあります。(1)~(3)は、毎年同じ報告になっています。こちらは割愛させていただいて、(5)A型事業所における一般就労に向けた支援について、お話しさせていただきたいと思います。A型事業所については、B型同様、就労移行加算がつくことが望ましいのではないかということと、A型について、ナカポツセンターと連携している実習などをするときに、実習期間中、本人が有休を取ること、有休の部分の事業者の負担といったことがあって、実習をすることによって事業所にメリットがないということもありますので、そういった実習をする上で何らかの報酬のフォローがあってもいいのではないかと思っております。B型事業所については、御存じのように、週10時間から20時間未満の特定短時間雇用が始まって、併用ができるということに、来年度から、制度改正がされる予定であります。併用の在り方について、何か月とか、併用期間を決めるよりは、各地域によって就労系サービスの状況は違いますので、まずはきちんと事例を集めて検証することが必要ではないかと思っております。期限を区切るということではなく、各自治体の協議会などに一定程度の裁量を任せて進めていけばいいのかなと思っております。B型の工賃が高いところに、今、報酬が加算されていますが、こちらについても、工賃が高い方を上げるということだけではなく、どちらかというと、例えば、2年、3年と定着している場合に実績加算をするとか、会社訪問をB型の職員がしていれば定着加算をするとか、そういった形で、定着支援の質みたいなところに加算をつけてもいいのではないかと思っております。
 次に行くのですが、定着支援事業について、人口の多いところではナカポツの負担が非常に増えています。例えば、私どものセンターなどは、4年前までは2%ぐらいしか就労系サービスから登録者が来なかったのですが、定着支援事業が3年半で区切ってきたら、定着支援事業からの相談が増えてきている状況です。その結果、福祉サービスからの就労が終わった方たちの支援について定着支援事業からの引継ぎでナカポツが負担を感じている一部のセンターがあります。特に人口の多いところ、移行支援があるところに負担が来ていますので、そういったところに対して何らかのフォローができるような、ナカポツ限定で、基幹型の定着支援事業みたいなものがあってもいいのではないかと思っております。
 就労選択支援事業についても、今後、非常に期待はしているのですが、これについても、質の問題がとても大事ではないかと思っております。そこに関して、事業指定要件はまだ決まってはおりませんけれども、例えば、ナカポツセンターみたいなところの職員がそういう事業に転向できるような形に、財源的な裏づけ、保障ができるような形になることを期待しております。
 (9)就労移行サービスについて、持続可能なというところなのですが、先ほどの障害者就業・生活支援センターに行ったアンケートの中にもあるのですが、移行支援事業所がどんどん地域でなくなっている回答が多数寄せられました。言ってみれば、今、20人定員であると報酬が高い、人数を増やせば報酬が少なくなることについて、普通、経済学的に考えれば、報酬は規模が大きいほうが生産性は上がるということが理屈的には成り立つのではないかということです。一定程度、就労移行同士の合併や地域資源をなくさないような形で、規模を大きくしていくようなところに対しての報酬の見直し、報酬を下げない形、サテライト事業所をつくったところも下げないような在り方も考えるべきではないかと思っております。
 障害のある方は、ナカポツセンターに対して、生活に課題のある方の相談が本当に増えています。アンケートで、現状としては、ナカポツセンターの職員1人当たり、支援員1人当たり、115名を担っています。そういった中で、生活困窮にある方、障害グレーゾーンのある方の支援に対応していますが、そういった形の訓練先がない。片や就労移行支援事業所がなくなってきている中で、一定程度、手帳のない方についての利用とかも含めて、考えていくべきではないかと思っております。
 地域移行についても、居住支援ありきなのですが、入院しながら福祉サービスを使うことは、制度上、できなくない部分はあるのですが、お金のやり取りを事業所としてやり取りをしなければいかなくてはいけないという制度で、制度活用は進んでいませんので、、入院している方についても、場合によっては、B型や生活訓練の事業所を使えるような形にすることも、考え方としては、あるのではないかと思います。
 時間がありませんが、相談支援専門員の就労支援の分野についても、就労について詳しい相談支援専門員はいませんので、就労支援について、専門的な育成ができるようなカリキュラムの内容や減点方式ではなく加点方式で評価する報酬にされたほうがいいのではないかと思っております。
 次のページになりますが、話したいことがありますが、最後、定着支援ツールのところで、限られた体制で定着支援を行えるように、例えば、SPISとか、クラウド状のシステムを使ったものについても、一定程度、報酬として認めるとか、精神障害者の課題、精神障害者が多いところについては、手帳保持の方の割合に乗じた加算は引き続きお伝え申し上げたいと思っております。
 私どもの話は、以上になります。
 ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。いかがでしょうか。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー いろいろと課題があることはよく分かりました。
 1つ、私が知りたいことは、6ページ、(9)ですね。就労移行支援事業所の撤退の話が出ていて、「全国的に」と書いてあるので、どういう状況なのかということがもしお分かりでしたら知りたい。
 そのことがこういう小規模をどう変えていくべきか、実際にどのように大きい規模のものを育てていくか、その辺りでもうちょっと説明があったらありがたいと思いました。
 以上です。
○全国就業支援ネットワーク 全国的には、厚労省さんが就労移行の減少の数字をお持ちだと思うのですが、就労移行支援事業所が毎年200か所ぐらい閉所していくという状況、下降線に入っています。そういった点では、全国的に、ナカポツセンターのアンケート、多分皆さんの資料にあるかと思いますが、就労移行が減っていって、全く就労移行がなく、そのためナカポツセンターしかないので、訓練先を受け切れないところがあって、B型事業所で就労訓練をさせてもらったり、B型事業所で就労アセスメントをさせてもらったり、そういった現象があるということです。ナカポツセンターの中で訓練をさせたり、アセスメントを取ったり、地域に資源がないところではそういった状況が起きております。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。
 仕組みというか、全体像としては、移行支援が減少していくことによって、ナカポツセンターの役割も相当変わって、実態としては、変わっていっているという理解でよろしいでしょうか。
○全国就業支援ネットワーク はい。そういった理解で大丈夫です。
 ただ、もう1点、お伝えしたいのが、就労移行支援事業のニーズみたいなところについては、なぜ減少しているかということについては、全国的にナカポツセンターとかには就労の向けた新規相談は爆発的に増えてはいるのですが、移行支援ではいわゆる工賃がもらえないとか、生活困窮の方の相談が増えていますので、移行支援を利用するというニーズの方が非常に減少しています。どちらかというと、B型、A型を利用しながら、就労に向かっていくという流れのほうが多いですし、また、手帳のない方が多く相談に来ていますので、そういった方たちの訓練先みたいなところがないという現状が、正直、あります。福祉サービスとナカポツの相談の乖離現象が起きているのではないかと、私は思っております。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。
 丁寧な説明をありがとうございました。
 本当にナカポツはお忙しいということがよく分かりました。6ページの定着・生活支援事業というものを御提案されていますが、これはどのようなものか、もう少し詳しく教えていただければと思います。
○全国就業支援ネットワーク 駆け足で話していたので、省略して、すみません。
 基本的に、人口の多いところは就労定着支援事業が多いということは分かっているのですが、そちらの3年が終わった場合、ナカポツや就労支援センターにお願いしますという形で増えてきています。ただ、全部の支援を引き継ぐ必要はないとは思っているのですけれども、その数が結構増えてきている部分があるので、福祉サービスに就労された方についての定着支援は、例えば、ナカポツセンターの受託した法人の中で、定着の、いわゆる引継ぎのための基幹型の定着支援事業をやるような事業をつくることで、その分、ナカポツの負担を減らすことができるのではないか、そこに人を配置していくことができるのではないかということで、検討していただきたいという意味でございます。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 よろしいでしょうか。
 それでは、全国就業支援ネットワーク様、ありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、一般社団法人全日本自閉症支援者協会より、松上利男様、志賀利一様、よろしくお願いいたします。
○全日本自閉症支援者協会 本日は、ありがとうございます。
 説明は、政策委員長の志賀から、させていただきます。よろしくお願いします。
○全日本自閉症支援者協会 政策委員会の志賀利一です。よろしくお願いいたします。
 それでは、話をさせていただきます。
 全自者協は、自閉症者の人権・発達保障、自立、社会参加に向けての実践と研究、会員間の相互交流と研鑽を目的に、36年前に設立された団体です。
 資料の1ページ目と2ページ目を飛ばしていただいて、3ページ目の概要から、説明させていただきます。全自者協では、9年前から、スーパーバイザー養成研修を実施しており、令和元年度より3年間、障害者総合福祉推進事業で、強度行動障害者を対象としたコンサルテーションの可能性、地方自治体の体制整備、さらに、中核的人材の育成のモデル研修も実施してきました。3ページの下の段に、人材養成、体制整備の考え方を示しています。今日のヒアリング内容をまとめるに当たり、全自者協の役員並びに政策委員で議論を行った結果、報酬改定に向けて、強度行動障害対象者についての行動関連項目の点数による、めり張りのある報酬体系の実現をしていただきたいという1点のみの意見にさせていただきました。現在、障害支援区分の認定調査項目の行動関連項目、12項目の合計点が10点以上について、強度行動障害支援者養成研修で示している標準的支援を提供することを前提として、行動援護等の特定のサービスの対象、並びに、重度障害者加算等の報酬上の高い評価を得られています。この制度により、強度行動障害や社会適応の難しい自閉症の人たちの社会的課題が広く認知され、その障害特性に合った支援が少しずつ広がってきたことは高く評価しております。もちろんこの現行の制度自体は評価しており、継続すべきだと思っております。一方で、ごく少数ではあるものの、支援の困難さが際立つ強度行動障害者の受入事業所が見つからないといった問題は、まだ減っていないと思います。そこで、このような支援困難度の非常に高い者を対象に、これまでとは異なる、さらに高い報酬上の評価を求めます。全自者協では、この基準として、行動関連項目15~18点のどこかの点以上の点数でさらなる加算を求めます。
 その内容の資料が、4ページ以降になります。まず、4ページを御覧ください。なぜ行動関連項目10点以上だけでなく、より支援困難度の高い人の報酬上の高い評価を求めるか、その背景をまとめています。4ページの上段には、判定基準のこれまでの経過、並びに、最近人口10万人当たり100人前後の人が行動関連項目10点以上であるという内容を示しています。下段には、より支援困難度の高い強度行動障害者に支援を行うための人材養成にはかなり時間とコストがかかり、全国的な広がりにはまだ不十分であることもまとめました。これについては、昨年度下半期、厚労省で開催された強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会でも議論されて、報告書としてまとめられています。
 次の5ページを御覧ください。以下は、令和3年度、令和4年度、全自者協も委員として参加した、PwCで実施した総合推進事業の結果からまとめたものです。このページの右上の表は、行動関連項目20点以上という支援の困難度が極めて高い強度行動障害者を受け入れている、つまり、強度行動障害者支援に実績のある全国36か所の事業所における全利用者の行動関連項目の平均点と中央値をまとめたものです。下の表は、この事業所のうち、特定の職員を配置しないと難しい人の行動関連項目の平均点を赤い四角に示してあります。さらに、右側は、複数職員の配置をする必要があると判断する利用者の行動関連項目の平均点です。これらの資料から、おおむね15~18点が妥当だと考えております。
 次の6ページ目を御覧ください。行動関連項目15~18点にはどれくらいの人数が推計できるか、さらに、行動関連項目のうち強度行動障害としてすぐにイメージができる自傷行為・他害行為の平均点とクロスをさせてまとめたものです。15点は、自傷行為・他害行為については、ほとんどの人は週1回以上の特別な支援が必要であることが分かりますし、18点だと、半数以上が自傷行為・他害行為について毎日特別な支援が必要だということが分かります。
 最後の7ページです。6ページの表をグラフ化したものになります。上のグラフは、認定調査を受けた人数のうち、行動関連項目10点以上が15.9%、15点以上が6.7%、18点以上が3.0%です。下のグラフは、強度行動障害と判定を受けた10点以上の人のうち、15点以上が42.4%です。18点以上が3.0%です。右下の四角には、極端で過剰なめり張り副作用もあるという議論もありましたし、行動関連項目、つまり、支援量を前提とした調査員の推定する方法にも限界があるという議論があったことも記しています。しかし現在、全自者協では、支援の困難度が著しい人たちということを考えると、さらにめり張りのついた15~18点のどこかの点数での加算を意見としてまとめさせていただきました。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 高アドバイザー、お願いします。
○高アドバイザー 資料を読ませていただいて、現状の強度行動障害の方の支援の課題、全体に対する提言として、非常に勉強になりました。ありがとうございます。
 そういった中で、先ほどもありました7ページに、過剰なめり張りの副作用について書かれているのですが、そういう懸念もある中で、より支援困難度の高い人に標準的な支援を提供することに報酬上高い評価をという御提案があったということは、全体の方向性として、困難事例に対して、まずは一定の社会資源を確保していく、その中で、必要な取組の検討をしていくというお考えと捉えさせていただいていいのか、お聞かせ願えますでしょうか。
○全日本自閉症支援者協会 私ども全自者協の会員は、歴史のある社会福祉法人が中心の事業所です。最近、幾つか、グループホームや生活介護事業所を新たに福祉サービス事業に参入した組織が行っており、その中に強度行動障害の方を、数は少ないですけれども、受けている現実があることは知っております。この新しい組織での支援の実態について、全自者協はで十分に実態が分かっていないこともありますので、支援の質についての不安ここに少し書かせていただきました。現時点では、各都道府県等でもなかなか受入先が見つからないという問題が非常に大きくて、相談支援の現場で相談調整等に非常に苦労されていると思います。全自者協の施設の中でも、既に受け切れないという施設が多いという現状を考えると、拡大はこのタイミングではぜひ必要だと考えております。
○高アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。
 丁寧な御説明をありがとうございました。
 強度行動障害の方に対する職員の方の御苦労は本当に大変なものがあると思います。私の地域でも、強度行動障害の方が入られている日中サービス支援型のグループホームの職員がどんどん辞めていってしまったり、管理者の方の表情がだんだんなくなっていっていつしか辞めてしまっていたり、職員の心身のストレスは計り知れないものと思っております。
 質問なのですけれども、そのような御苦労をされている職員のメンタルヘルスのケアは、現場ではどのように行われているのでしょうか。職員が退職しないためにも重要だと思うのですけれども、どのような施策があればよいと思われているか、もしあれば教えていただければと思います。
○全日本自閉症支援者協会 強度行動障害の人たちの受入れが、全自者協に加盟している法人事業所に集中するということがありまして、地域的な底上げをしていくためには、今後の議論になると思うのですけれども、人材の育成をしていく、特に事業所の中心となるスーパーバイザーをサポートする、外部からの広域的な支援人材の活用が重要だと思うのです。今回、重い人に厚く加算をつけるということで、一定、受入れの広がりが期待できますけれども、それと同時に、そういう事業所に対して、集中的に、コンサルテーション、外部の支援者を通して、人材育成を進めていく、その中で、職員の方々の精神的な負担を減らしていく、適切な支援を提供する中で、御本人も変わっていきますので、そういう仕組みを全国的につくっていくことが、今後の課題として重要かと私どもは考えております。
 以上です。
○橋本アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、井出アドバイザー、お願いします。
○井出アドバイザー 御説明をありがとうございました。
 今日の資料とか、ヒアリングを拝見すると、1点集中という感じで、できれば、視点の3、4、持続可能な制度、ICTのことで、もし何か議論があったら教えていただければありがたいと思います。
○全日本自閉症支援者協会 全自者協の加盟団体自体は、強度行動障害の支援が非常にメインになっているところは多いですが、児童から高齢の方まで、いろいろな方の事業をやっているところが多くて、議論は、そういった面では、最初はたくさん出てきましたが、ちょうど、研究事業を行ってきて、厚労省で強度行動障害の検討会のまとめが出たということで、強度行動障害については、全自者協は国で最初にスタートをした事業から関わっている法人が非常にたくさんおりますので、この段階では、取りあえず、昔行っていた強度行動障害の人よりも今は非常に多くの方が対象として強度行動障害になっているという面で、本当に困っている、支援困難な人たちをどうするんだという最初に立ち返って、この提案をまとめた次第です。
 以上です。
○井出アドバイザー 分かりました。ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー データに基づいた御提案をありがとうございます。
 私としてお伺いしたいことは、まず、こどもも大人も含めてデータとして整理されているかと思うのですけれども、特に、年齢、あるいは、こどもと成人での違い、考え方や注意すべきものがあれば、ぜひ教えていただければと思います。
 よろしくお願いします。
○全日本自閉症支援者協会 障害支援区分での判定になりますので、自動的に行動関連項目の点数が出るのは、大人のみ、18歳以上のみということが今の仕組みだと思います。それより下の年代については、行動障害があると思われる児童に特別に点数をつけることになっております。年代的には、成人が多いというのは、体が大きく、大人になってからという面での大変さがあることと、もう1つは、強度行動障害のかなり以前からの研究ですけれども、状態像としては、中学生・高校生の年代から増えてきて、20代前半まででかなり多くの方が強度行動障害の状況になるということで、同じような行動であったにしても、幼児期あるいは小学校低学年のときには、そういった意味では大きな課題にはならない。逆に、その年代についての予防をどうするかということはまた別の問題だと思いますので、今回の提案ではそこまでまとめられませんでしたが、問題意識としては、幼児期から学齢期前半の予防についても、対策が必要だと会員の多くは意見としては持っておりました。
 以上です。
○有村アドバイザー 大事なところだと思います。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 それでは、お時間ですので、全日本自閉症支援者協会の皆様、ありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、一般社団法人日本自閉症協会より、今井忠様、津田明雄様、よろしくお願いいたします。
○日本自閉症協会 よろしくお願いします。日本自閉症協会の今井です。
○日本自閉症協会 津田です。よろしくお願いいたします。
○日本自閉症協会 私から、最初に、ごく簡単に当協会がどういうものかということをお話しします。表紙をめくっていただきまして、2ページ目です。設立してからは55年になります。自閉スペクトラム症を銘打っていることが一つの特徴です。主な活動ですが、我々はいわゆる報酬をいただく事業は行っておりません。運営費はほとんど会費です。ただし、保険事業という独特の事業は行っております。よって、福祉事業は会としては行っておりませんが、会員の中には福祉事業に携わっている者もいます。会員総数が、下のほうに書いてありますが、1万人をちょっと超えるぐらい。都道府県および政令指定都市に各団体があります。基本的には、そういう団体です。
 次のページ、右下で3ページです。概要をまとめさせていただいております。目詰まりするぐらい字が詰まっておりまして、大変申し訳ありません。4項目を書かせていただいて、おのおの、(1)~(3)と書いているものは背景です。最後のほうにaやbと書いてあるものは報酬改定でここを要望しますという内容です。
 そこについては、今から、津田のほうで説明させていただきます。
○日本自閉症協会 それでは、私から、内容につきまして、御説明させていただきます。
 説明させていただくものは、主に3ページ目の概要のページの内容でございます。
 最初に、グループホームにおける休日支援加算の創設等に関すること、親の高齢化や親なき後などへの対応について、御説明申し上げたいと思います。高齢となった親が増えてくる中で、施設に空きがない、また、自分のこどもに合った支援を受けられるグループホームがないということが、親の会の中では相当声として上がってきております。既にグループホームを利用している方もいるのですけれども、グループホームにおいては、土日に必要な支援をしていただける体制がないということで、土日については、家に帰って自宅で親が支援をしているというケースも相当多いわけでございます。親が高齢化する中で、自分がいなくなった後、この部分をどうしたらいいのだろうかということが大きな悩みとなっております。重度の知的障害と自閉スペクトラム症の特性を持つ人の中には、ほかの人との関わりが苦手な人、あるいは、いつもと違う、予想外の状況になると、自傷や他害、大声を出すなど、支援が難しい状態になってしまう方もいます。親は、こどもがそのような状態にならないように、休日に安定したスケジュールでこどもが過ごせるようにしているわけですけれども、この部分で自分がいなくなった後のことが大変心配でありまして、適切な支援を受けられないと、こどもが悪化してしまう、非常に大変な状態になるのではないかということが懸念されているわけでございます。最近増えてきております日中サービス支援型のグループホームにつきましては、土日の支援もあることになっておりますけれども、実際の職員の体制を見てみますと、たくさんいるわけではないのですね。日中については、1人か2人ぐらいいて、相談に乗れると言われますが、10人の利用者さんに対して1人か2人では、必要なことがなかなかできないわけでございます。また、グループホームの中には、そういう支援をする場所などもないのですね。平日は、就労継続支援B型や生活介護のところで支援を受けておりますが、そのような取り組みができませんので、グループホームではなかなか難しいということがございます。
 次に、強度行動障害及び強度行動障害の判定がつかなくても行動上の課題がある人への対応について、お話し申し上げます。強度行動障害につきましては、重大な課題として認識されているわけでありますけれども、なかなか適切な対応ができる人が少ない、事業所も少ないということが問題になっているわけであります。そういう中で、拘束される、虐待が疑われるような問題も起きているわけでございます。強度行動障害をもう少し見ますと、強度行動障害の判定がつかない手前のところから、行動障害が見られる方はたくさんいらっしゃるのですね。そういう意味合いでは、強度行動障害という判定がつかない段階から適切な支援を行うことで、悪化しないようにしていく、強度行動障害の状態にならないようにしていくという取組が必要なのではないかと考えております。これは、児童期もそうなのですね。先ほどちょっと児童期の話が出ておりましたけれども、児童期の段階から、そういう行動が見られた場合に、適切な対応をすることで、強度行動障害になる人を増やさないようにしていく、その支援の仕方を引き継いでいくことが大事なのではないかと考えております。児童についても、個別サポート加算という制度がありますが、これも市町によって評価にいろいろとばらつきがありまして、なかなか難しくて適用されていないという声も聞くことがございます。そういう意味合いで、早い段階からぜひ検討をしていただき小さい時、悪化する前から対応できるようにしていただければありがたいと思います。
 3つ目としましては、今の児童の関係ですけれども、児童発達支援と放課後等デイサービスの関係でございます。自閉スペクトラム症や重度の知的障害のある児童への支援の質が、事業所によって相当違う、内容も質も違うということで、過去から課題になっているのではないかと思います。児童期からの適切な取組は、強度行動障害などの問題となる方を増やさない、成人期になって働く力を高める、落ち着いた生活につなげていく、そういうことをするために、とても重要なわけであります。せっかく行っている児童発達支援や放課後等デイサービスの中でこれをしっかりとやっていくことが大事なのではないかと考えておりますので、ぜひ質の問題について取組をしていただければと思います。
 最後になりますが、必要な人材を確保することがこの福祉の中でもとても大事な問題になっております。魅力ある職場として力のある人材を育成することが必要なのですけれども、残念ながら報酬の関係につきまして、現在、職員の方の給与水準などは十分でないことが言われておりますので、なかなか魅力ある職場になっておりません。長く働いて、長く勤めて、経験を積んで力をつけていくことが大事なわけでありまして、短期間で働いても、そこのところの今必要とされている人材が育ってこないということがございます。将来に希望が持てるような労働条件にしていくことが必要なのではないかと思っております。民間企業の昇給がされ始め、物価の高騰が進む中で、福祉関係の事業所が人材を確保できるよう、安心して事業ができるよう、ぜひ報酬の見直しをしていただきたいと思います。この報酬につきましては、基本報酬でぜひ上げていただきたいと思います。
 以上です。
 よろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー ありがとうございました。
 私からは、2点、質問させていただければと思います。
 1つは、児童の個別サポート加算が自治体によってまちまちということなのですけれども、これをよりよく使っていくためには、どのような視点やどのような基準があればもっと個別サポート加算が生かされるのかということが1点でございます。
 もう1つは、児童に対する支援内容の質的評価のところもお話しいただきました。評価というお話ではあったのですけれども、例えば、具体的に、積極的に取り入れるためにはこういうものがあればいいとか、あるいは、評価をしていく上でどのような項目を増やしていく必要があるのかというところもお伺いできればと思います。
 よろしくお願いします。
○日本自閉症協会 今の児童の個別サポート加算ですが、例えば、コミュニケーションができるかどうかということを聞くわけですけれども、話ができるとコミュニケーションができるという判定になるのが通常です。しかし、「どうですか」とというような抽象的な問に対しては必ずしも正しい答えが返ってきません。もう少し丁寧に見ていかないといけないのではないかと思っております。今の基準は成人期の基準をベースにつくられているのだろうと私も理解しておりますけれども、実際のところ、今のように、言葉がしゃべれるだけでコミュニケーションができるという捉え方がされてしまっているケースがあるのではないかと、細かい分析は私には分かりませんけれども、そのようなことを感じております。ぜひもう一回その内容について検討していただきたいと思います。ぜひよろしくお願いします。
 質的な評価ですね。例えば、今、第三者評価というものがございますけれども、第三者評価では、比較的、例えば、手続がきちんと行われているかとか、書類がきちんとそろっているかとか、職員に対してマニュアルが示されているかとか、そういう外形的な部分が中心になっているように私は感じております。実際に利用しているこどもさんの将来に向けてどういう支援がされているのか、問題行動が起きた場合、どういう対応が取れるのか、特に自閉スペクトラムの人などの場合はほかのこどもさんとの関わりが苦手な人がたくさんいるわけですね。中には、集団行動をしたほうがいい、集団行動の力をつけようということを言われる方もおられます。そういうものについて、こどもさんに応じて、活動の仕方を変えていかなければいけないのだろうと思います。そこがうまくいかないと悪化してしまうということがございます。合理的な配慮ということがこれから進んでいくわけですけれども、児童期のうちにこの方はどういう合理的な配慮があれば問題が起きずにやっていけるのかということを整理していくことが大事だと思います。そのことが成人期になっても社会に出ていけるということにつながるのだろうと思いますので、ぜひいろいろな視点から御検討いただけるとありがたいと思います。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
○日本自閉症協会 今のことで、1点だけ。
 今回の中で、前の方もおっしゃっていましたけれども、例の3番目の視点のことなのですけれども、強度行動障害も後天的になる障害で、第一に発症予防を優先すべきだと。なってからやるということではない。ここは報酬改定の問題ではないのであまり詳しくは書かなかったけれども、基本はそうではないかと考えています。
○伊藤障害福祉課長 それでは、日本自閉症協会の皆様、どうもありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、オンラインの参加になりますが、公益社団法人日本看護協会より、山本則子様、中野夕香里様、よろしくお願いいたします。
○日本看護協会 日本看護協会副会長の山本でございます。
 本日は、常任理事の中野と対応させていただきます。よろしくお願いいたします。
 まず、3ページを御覧ください。報酬改定に関する本会の意見の概要をまとめております。以下、1つずつ、説明してまいります。
 初めに、医療的ケア児・者やその家族を支えるサービスの充足について、4点がございます。1点目は、4ページですけれども、看多機(看護小規模多機能型居宅介護)が共生型サービスとして実施する児童発達支援・放課後等デイサービスについてです。看多機による共生型サービスは、医療的ケア児や一般事業所での受入れが困難な児の対応も行っております。限られた人的・物的資源の有効活用や18歳以降の支援体制の不足についても対応することができます。
 しかし、5ページにお示ししているとおり、共生型サービスは、利用者の状態像にかかわらず、一律の報酬単価となっております。一般事業所と比較して、最大5~6倍の報酬差が生じております。このことが事業の継続や新規参入の大きな障壁となっていることから、看多機が実施する共生型サービスにおいても一般事業所と同様に、医療的ケアの新判定スコアに応じた基本報酬への見直しを提案いたします。
 2点目は、6ページ、看多機による共生型サービスの指定対象拡大についてです。看多機では、全介護職員に占める介護福祉士の割合が半分を超える看多機が67.9%となっておりまして、多くの看多機で居宅介護の資格・研修要件を満たす職員配置になっていると見込まれます。このため、共生型サービスの居宅介護の指定対象に加えていただきたいと考えております。
 3点目は、7ページ、医療型短期入所についてです。医療的ケア児・者の新規受入れに際しては、注意深いアセスメントや環境調整が非常に重要ですけれども、現行の短期利用加算ではこれらを十分に行うことのできる単価とはなっておりません。ヒアリングを実施した医療型短期入所施設では、利用開始初期は、御家族同伴により、家庭での様子やケア方法の確認、個別の支援マニュアルの作成などを行うため、通常よりも多い人員配置としておりますけれども、現行の加算額は30単位ですが、とても賄うことができません。短期利用加算による評価の見直しを提案いたします。
 4点目は、8ページ、送迎加算についてです。医療的ケアを要する児・者の送迎を行う場合、医療機器の積載、看護師の同乗、車両1台につき利用者1名ずつの送迎など、手厚い対応が必要です。このような手厚い対応は現行の送迎加算では賄うことができず、医療的ケアを要する児・者の送迎を行った場合の評価について、医療的ケアの濃度に応じた報酬設定や看護師同乗に対する加算増額等、再検討を提案いたします。
 次に、9ページです。精神障害者を支える医療・福祉の連携強化に関して、申し上げます。我が国では、医療機関から地域への移行が推進されてはいるものの、精神障害者の退院後の地域での生活日数は1年未満となっております。精神障害者の地域生活を支える上で、医療と福祉の連携は不可欠であり、精神科訪問看護と障害福祉サービス事業所との連携が強化されることは、地域生活の継続や重症化予防、個別ニーズに応じたサービス提供につながると考えます。参考資料3にお示ししておりますけれども、実際に約7割の精神科訪問看護において障害福祉に関する連携や人材育成が行われております。保健所からも、連携強化を期待する声が寄せられております。今後は、精神障害者の地域生活継続に向けた支援体制のさらなる強化が図られるように、連携に関する加算評価の新設を提案いたします。
 続きまして、障害者支援施設等における体制強化について、2点、ございます。1点目は、10ページ、平時からの感染管理体制の強化についてです。新型コロナウイルス感染症が5類の位置づけとなりましたが、感染管理体制の強化が必要です。しかし、参考資料4~6にお示ししておりますが、調査結果から、実際には事業所の研修・訓練が十分にはなされておらず、外部からの支援が望まれております。これに対し、医療機関等に所属する感染管理認定看護師、感染症看護専門看護師の活用が有効と考えます。これらの看護師は、厚生労働省による障害福祉サービス事業所における感染症対策のための実地研修においても専門家として既に派遣されており、事業所の感染対策強化に資する実績を挙げております。ついては、これらの看護師との連携による体制整備等の取組を評価する「感染対策加算(仮称)」の新設を提案いたします。
 2点目は、11ページ、口腔機能の維持・向上に向けた取組です。参考資料7~9にありましたが、障害者支援施設では、利用者の口腔機能の維持・向上に向けた支援ニーズがあるにもかかわらず、施設内での専門職の確保が困難であることが明らかになっております。そこで、医療機関等で経口移行や嚥下力の評価・支援において高い専門性を有し、活動している摂食嚥下障害看護認定看護師の活用が有効と考えます。摂食・嚥下障害看護認定看護師との連携への加算評価を希望いたします。
 続いて、12ページ、虐待防止・身体拘束の適正化に関して、申し上げます。支援者による障害者への虐待行為は決してあってはならないことですが、障害福祉施設従事者等による虐待件数は増加傾向にございます。令和3年度報酬改定では、虐待防止及び身体拘束の適正化推進のため、運営基準の見直しや減産要件の追加などがなされましたけれども、これらの実施状況や効果・課題等の全容が明らかになっておりません。参考資料14にお示ししたとおり、療養介護については一部調査がなされておりますが、約8割の事業所が身体拘束を行っており、夜間支援の人員体制の充実を希望しております。ついては、令和3年度報酬改定以降の実態を早急に把握し、対応策を検討いただきたいと考えております。また、身体拘束の適正化に当たっては、人員体制の充実が必要であるため、そうした手厚い対応を評価する仕組みの創設を提案いたします。
 最後です。13ページ、物価高騰などによる影響への配慮について、申し上げます。昨今の物価高騰の影響により、障害福祉サービスにおいても、物品購入や食事提供・入浴・送迎などの実施に係るコストが増大し、事業所の負担が大きくなっております。つきましては、物価高騰の影響を踏まえ、各種サービスの基本報酬、加算の見直し、職員の処遇改善及び必要な財政措置が講じられますようお願い申し上げます。
 本会からの提案は、以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 田村でございます。
 多岐にわたりまして、非常に勉強になる御意見をありがとうございました。
 私からは、1番の医療的ケア児・者とその家族を支えるサービスの充足に関しまして、3点、コメントと質問をさせていただきます。
 まず、その1でございます。看多機によるサービスに対する報酬が十分ではないというお話で、医療的ケア児の新スコアは私も作成に大きく関わっております。もともとは動く医療的ケア児をデイサービスなどで受け入れていただくためにはどうすればいいかということで、見守りとかを中心に出させていただきました。看護師加配加算について認められて、しかも前回の報酬改定のときには厚労省がその加配加算の算定の仕方について非常に柔軟な対応を取ってくださいまして、一般事業所では非常に喜んでいただいたのですが、残念ながら、看護師さんそのものがコロナ禍でなかなか雇用できないということで、それがむしろ問題だと言われております。看多機でこんなに新しいスコアが活用されていないということはこの意見書を読んで初めて知りましたので、看多機でもきちんとこの新スコアが生かされるようなサービス報酬体系が必要であろうと思います。
 2つ目は、7ページですけれども、医療型短期入所について、特に人工呼吸器などの高度な医療的ケアを必要とする方の場合は、医療型の短期入所でさえもなかなか受け入れてくれないことが多いし、医療型短期入所施設そのものが全国でまだ少ないので、そういったところで人工呼吸器をつけているようなお子さんをもっと受け入れてくださるようになってほしいと思っているのです。まさか現行の短期利用加算が30単位という安い加算とは、私は夢にも思っておりませんでした。診察のときには、最初に受診されたときには、いろいろな問診、メディカルアセスメント、種々の検査と非常に時間もかかりますし、手間もかかりますので、診療報酬では初診料をいただいていますけれども、それに比べると、この30単位という加算はあまりにも安過ぎるのではないかと思うのです。一方では、最初の短期利用加算をあまりに高くし過ぎてしまうと、利用者がなかなか医療型短期入所を申請しにくくなるのではないかということも危惧されますので、どの程度の加算であれば、赤字にならずにやっていけるのかということについて、お答えいただければと思います。
 最後の質問は、8ページの送迎加算についても、特に人工呼吸器のような高度な医療的ケアをやっている場合には、看護師さんがついてくれることが非常に保護者にとっては大事なことでありますけれども、残念ながら、今、学校における通学でさえも、東京都のような比較的裕福な自治体は別ですけれども、多くのところで人工呼吸をつけているお子さんの場合は御家族が送迎をしていることが現実かと思います。その中で、現行の送迎加算も、額としては非常に少ない、看護師さんが1人ついて、片道、場合によっては1時間近く送迎するところですというのは、非常に安いので、これは何とかしなければいけないなと思います。私の希望は、例えば、学童で、学校に行っているお子さんで、放課後デイサービスを利用している場合に、そういうお子さんを学校に迎えに行って、デイサービスが終わったら御自宅に戻すということも、事業としてはやっておられるのでしょうかということと、もしそういうことをやっておられるのであれば、できれば、朝、学校にお子さんが行くときの付き添いも将来的には検討していただけるのかなということが、私からの質問といいますか、お願いでございます。いかがでしょうか。
○日本看護協会 質問とコメントをありがとうございます。
 まず、医療型短期入所に関しまして、現在のところ、本会では具体的な加算の額について明示できるデータを持っておりません。まさに御指摘のとおり、利用者側の皆様の費用負担とのバランスがありますので、その辺りのバランスが取れるような形をぜひ検討していただきたいと考えております。新規利用開始時に通常よりも多い人員配置が可能になるような増額を希望いたします。
 送迎に関しては、学校からの送迎の実態や、登校時の送迎が可能になるのかということに関しては、申し訳ございませんが、私どもは情報を持っておりません。しかし、当然ながら、学童期、中学生以降もですけれども、学校からの送迎を可能にし、また、それを増やしていきたいと考えております。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 多方面からの御指摘、私自身も非常に勉強になりました。ありがとうございます。
 私からは、2つの分野の考え方について、質問させていただきます。1つは、「感染症対策加算(仮称)」について、もう1つは、その次にあります口腔機能の加算の部分になります。
 特に感染症につきましては、コロナの関係で、たくさんの障害の施設や事業所でクラスターが発生し、非常に現場が混乱した状況がありました。感染管理認定看護師さんの協力を得ることができたら本当にすばらしいなと思って伺わせていただいたのですが、実際には、事業所や施設の数はたくさんあり、それに対する認定看護師さんの数という部分で、どのように対応できるのかなというところが気になりました。実際に感染症の予防や蔓延防止を実現するためには、認定看護師さんによる支援の頻度などをどのように考えられているのか。あるいは、1つの研修にたくさんの施設が参加することで加算も取れるような形を取るという考え方なのか、を教えていただきたいと思います。
 もう1点の口腔機能の部分の考え方なのですが、障害をお持ちの方は、健常者より早く嚥下機能の低下が出現する状況が確認されています。口腔機能についてはマンツーマンできちんと支援していただく形が望ましいと思いますが、摂食嚥下障害看護認定看護師さんにそういった現場の個別の対応まで求めることが現実的に可能なのかどうか、それに併せてこの加算を考えていくべきかと思いましたので、その2点について、御意見をいただけたらと思います。
○伊藤障害福祉課長 時間の関係もありますので、先に高アドバイザーから御発言をお願いして、その後にまとめてお答えをお願いいたします。
 高アドバイザー、お願いします。
○高アドバイザー 私も、送迎加算の件について、今もお話があったのですが、こちらでは事業所の持ち出しで事業所の経営実態について御意見をいただいているのですが、私自身は、どちらかというと、お断りすることが多いというところを聞いています。それがヒアリングであったのなら、その点をお聞かせいただきたい。最終的には、そういった点では、この加算が変わることで受皿が広がるようなところがあるならば教えていただきたいという点です。
 よろしくお願いいたします。
○日本看護協会 御質問いただきまして、ありがとうございます。
 1つずつ手短に回答したいと思います。
 まず、現在のところ、感染管理認定看護師が3,312名、専門看護師が100名ほど、日本にはおります。これだけの数がありますので、お近くの医療機関等に御相談いただくことはできるかと思いますし、今回、コロナのパンデミックを受けまして、この養成について積極的に増やしていくということで本会は取り組んできておりますので、期待していただければと思います。頻度ややり方に関しましても、様々なやり方が考えられると思います。感染対策に関しては、施設ごとの状況に応じたアドバイスも必要ですので、そういった点では、一軒一軒に行くこと、何かが起きてからではなくて、ある程度、定期的な形で支援をする、準備性を高めておくことが必要だと思っているのですけれども、そのような様々なやり方、集合研修のような形ももちろん可能だと思いますので、様々な形で支援を展開していきたいと考えております。
 摂食嚥下障害看護認定看護師ですけれども、現在のところ、昨年12月の段階で、全国に1,189名おります。こちらも増加させております。マンツーマンの支援が非常に大事な領域ですので、お近くの医療機関にぜひ御相談いただけたらと思っております。
 送迎に関して、本会がヒアリングを実施した事業所では、人工呼吸器をつけたお子さんの受入れができる一般事業所が少ないために、遠方からの利用希望もあって、送迎対応をしていると、非常にコストがかかるし、看護職1名を雇用する人件費を上回る評価していただきたいという結果がヒアリングからは得られております。
 以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 それでは、お時間が参りましたので、日本看護協会の皆様、ありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、一般社団法人全国介護事業者連盟より、斉藤正行様、中川亮様、よろしくお願いします。
○全国介護事業者連盟 ただいま御紹介いただきました、一般社団法人全国介護事業者連盟の理事長を務めております、斉藤正行と申します。
 このたびは、報酬改定に関する大変貴重な団体ヒアリングの場で発言させていただけること、改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 まず、私からは、団体の概要、サービス横断的なテーマに対する意見ということで述べさせていただきたいと思います。
 資料の2ページに、当団体の概要を書かせていただいております。我々は、介護・障害福祉の事業者による横断的な組織で、法人種別・サービス種別の垣根を超えた事業者団体ということで、障害についての全てのサービスの事業者を対象とした活動をさせていただいております。現在、全国に3,400社、2万2,000を超える事業所の方々に参画いただいており、介護で1万7000、障害福祉で5,500を超える事業所の方々に、現在、会員として御入会いただいております。2018年6月、5年前に、介護事業者団体としてスタートをいたしましたが、一昨年の12月に障害福祉事業部会ということで障害の活動もスタートして、まだ1年と少ししかたっておりませんが、多くの全国の皆様方に御賛同いただいているところでございます。
 早速、意見を述べさせていただきたいと思います。3ページには、サービス横断テーマということで、7つ、提言をまとめさせていただいております。
 4ページは、我々は全てをカバーしているわけですが、このたび、3分類につきまして、児童発達支援事業・放課後等デイサービス、共同生活援助、就労関係のサービスについて、それぞれまとめさせていただいております。
 私からは、5ページからのサービス横断テーマ、7つについて、簡単に意見を述べさせていただきたいと思います。まず、1点目は、同一敷地内の他事業所等での兼務体制の見直しによる効率運営です。こちらは、規制改革推進会議等で、介護においては意見提言がなされ、検討が進められております。障害福祉についても同様の課題があると認識しておりますので、併せて障害福祉についても同様の検討をお願いしたいと思っております。2点目、生産性向上への文書負担軽減・過度なローカルルールの見直しも、同様に、規制改革推進会議に、我々、全国介護事業者連盟としても、参加させていただき、意見提言をさせていただきました。介護は既に先行して書類の負担軽減や過度なローカルルールの見直しで標準化や簡素化の検討をいただいているところであり、障害福祉についても同様の検討をお願いしたい。特に、障害福祉については、介護における指定申請等に加えて、受給者証や契約内容報告書等の在り方については、様々なローカルルールも存在しているところで、改めて現状把握と今後の対応についての工程をぜひ示していただきたいと思っております。
 6ページ、3点目の提案内容は、サビ管・児発管の要件のさらなる見直しで、先般、既に通達を出していただいておりまして、基礎研修を受けた後のOJTの期間については、半年、6か月以上ということへの見直しを行っていただいたところで、大変感謝をしております。そもそもこの見直しへとつながった背景としても、全国各地でのサビ管・児発管の不足による運営の混乱、場合によってはサービス品質の低下や不正へとつながっているという課題が多く確認されているところであり、さらなる対応が必要ではないかと考えております。そもそもの基礎研修を受ける経験要件のところも含めた見直し、また、今般見直していただいたOJTの期間を含めた基礎研修や実践研修についても、開催頻度や定員の拡充を含めて検討いただきたいと思っております。4点目、健全な競争原理の確率に向けた総量規制の見直しで、今、新規参入が大変増えてきていて、悪質な事業者も含めて、専門性を有しない事業所も散見されておりますが、過度な総量規制になると、逆に、守られた事業者が悪質な事業者となる可能性や利用者がサービスの選択をしていくことが難しいという背景もございます。総量規制について、いま一度、慎重な判断を検討いただきたいと思っています。
 5点目、共生型サービスの拡充で、介護と障害福祉の共生型サービスは、今、事業所の数がなかなか増えていないところであります。こちらにつきましても、改めて単価の拡充を含めた見直しを検討いただきたいと思っています。6点目、介護と同様に、処遇改善関連加算の一本化と手続の簡素化で、既に介護ではこの処遇改善についての一本化と手続の簡素化の検討が進められております。障害福祉についても、同様の進め方で検討をお願いしたいと思います。最後、7点目は、報酬改定ではございませんが、技能実習・特定技能等の外国人人材の活用での障害独自視点の確立で、先般も介護における検討会がスタートされました。技能実習については、今、新制度ということで、政府での有識者会議が行われておりますが、介護の固有要件の見直しが検討されております。御承知のとおり、障害福祉については、職種としては介護の中に入っておりますので、少し立てつけが障害とは異なるような文言も見られると感じております。この辺りについて、障害特有の見直しの検討をいただきたいと思います。
 以上、横断的なテーマについて、述べさせていただきました。
 各サービスにつきましては、障害福祉事業部会の中川会長より、御説明いただきたいと思います。
○全国介護事業者連盟 横断的なテーマは斉藤理事長から述べさせていただきましたが、サービス種別について、私、障害福祉事業部会、中川亮から、提言させていただければと思います。
 まず、児童発達支援事業・放課後等デイサービスについてです。1つ目としましては、事業所の創意工夫を尊重した上での5領域への総合的な支援の評価で、学習支援、ピアノや絵画等の支援のみを行っている事業所を適正化し、5領域への総合的な支援の実施を評価いただきたい。専門性を有したサービス、各事業所が提供するサービス・支援によって、差別化・多様化を図った特徴のある事業所運営の重要性を踏まえた今後の報酬改定における見直しを検討いただきたいということで、こちらに関しては、企業努力をしっかりとしていただいている事業所に関してもしっかりと評価をいただきたいというところです。2番目に、支援時間の長短への考慮と個別支援や人員体制の評価です。支援時間の長短を考慮した評価と併せて、個別支援や人員体制に対するきめ細かい評価を検討いただきたいというところになります。こちらに関しましても、マンツーマンでの支援を行っているところは当然人件費等のコストもかかってきますので、時間の長短だけで判断をするべきではなく、一定の規制を強化することなく、しっかりと見直しを図っていただきたいと思っております。3番目に、一般施策への移行に係る保育所等への専門職員の配置です。こちらに関しましても、この4月から、こども家庭庁に移管されまして、一般施策であります保育園または幼稚園も障害児の支援が行われておりますが、今まで障害児支援をしっかりとやってきたところとの専門性の違いを十分に考慮した上での見直しを検討いただきたいというところになります。
 続きまして、グループホームに関しましては、自立支援の通過型に対するアウトカムを含めた評価の拡充です。こちらに関しましても、利用者の希望とニーズを踏まえた上で、一人暮らし等の自立支援に対する評価、相談に対する評価、アウトカム評価も盛り込んだ上で、検討、拡充いただきたいところです。2番目も、通過型、自立支援に対するものになりますが、地域連携のプロセスの評価をお考えいただきたいと思っております。利用者の希望とニーズを踏まえた上で、一人暮らし等の自立支援の希望に対する支援や相談に対する評価、自立に向けた住まい探しへの支援や在宅支援・在宅看護サービスの環境整備など地域に対する評価を、加算・創設も含めて、検討いただきたいところです。3番目に、強度行動障害及び医療ニーズの高い利用者への評価要件の緩和です。強度行動障害や医療ニーズの高い利用者に対する評価について、現場での負担を考慮し、現状より軽度な利用者に対する評価拡充を検討いただきたい。
 最後に、就労支援に対するサービスについてであります。
 就労支援に関しては、一般企業への就労支援の取りまとめに対して、現状、6か月以上という評価基準になっておりますが、障害特性等を踏まえて、もう少し細かい評価・拡充をしていただきたいと思っております。また、B型事業所に関しましても、一人一人の課題解決に対する支援ではなくて、例えば、最初の1時間だけ、実態が伴っていないにもかかわらず、高い作業工賃を出して、いわゆる通所だけを目的とした支援をしている事業所が一部ございます。そちらに対しても、外部評価を含めて指導強化を図っていただきたいと思っております。
 長くなりましたが、以上です。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー いろいろと御指摘をありがとうございました。
 私のほうで1つ知りたかったことは、7ページですかね。共生型サービスの拡充に向けた施策の推進なのですけれども、この制度、サービスができたときに、今後の発展性とか、いろいろと議論があったのですけれども、実態としては、御指摘のとおり、考えているほど伸びてはいない。中を見ていくと、障害から共生型サービスに指定を受けていく流れと、介護から共生型サービスの指定を受けていく流れがあって、比較的介護からのほうが多くなっている、障害は物すごく低迷しているという状況が見られるのですが、これに関して、この提案を考えながら、御意見あるいはその背景みたいなことが何かあったら教えてほしいのですけれども。
○全国介護事業者連盟 御質問をありがとうございます。
 制度の立てつけ自体が、どちらかというと、介護の方々が障害のほうにサービス参入するという立てつけとなっているかと思います。報酬の単価とか、実際の運営に直接つながるような単価なのかというところでいいますと、なかなか前に進めにくい。また、指定に関しましても、各地域行政は、前例がないというところで、実は共生型をやりたいという事業者は全国各地にいらっしゃるのですが、地方行政のほうでなかなか認めてくれないという実態もあるかと思います。
○小澤アドバイザー 大都市と過疎地域で結構違うのかなと思って、いろいろと検討事項はあるかと思っていたので、もしそういう情報があればぜひよろしくお願いしたいと思います。
○全国介護事業者連盟 やはり指定というところが非常に大きくあるかと思います。例えば、実例を挙げますと、四国などは、障害福祉で役所の担当の方自体が、介護と障害、両方の制度をしっかりと担当官としてやっていたところなどは、実際に共生型と前に進むのですが、担当官の方が介護・障害とそれぞれ分かれている中で、お互いの制度設計の部分がなかなか分からないというところがございます。これに関しては、逆に、地方のほうが、お役所の障害対応の担当官の方が双方の支援に対して関わっているところですので、前に進みやすい状態が見られるかと。逆に、都市部は完全に縦で分かれているものですから、なかなか相談に行っても前に進まないという状況が散見されるのではないかと思います。
○伊藤障害福祉課長 続いて、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー 御報告をありがとうございました。
 私からは、2点、お伺いしたいのですけれども、資料の中で6ページにございます「丸3サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者の要件見直し」です。記述していただいていますように、『6月以上』の見直しがなされたわけですけれども、質の担保をしながら、サービスの品質を落とさずに、逆に、要件を見直すというところでは、見直しの検討を要望いただいているわけですけれども、どのような考え方があるのかということを、まず、お伺いしたいと思います。
 もう1点なのですが、ロジックになるのかもしれませんけれども、「丸4健全なサービス競争原理の確立に向けた」というところから始まって、総量規制の見直しのことで、守られた事業者が悪質な利用者になるというところを、そこら辺は、もう少し、ロジックを教えてもらいたい。総量規制を見直す中で、逆に、悪質な業者が入ってこない中で見直しをしていくという意味では、どのような観点から考えられるのか、もし御意見があれば伺えればと思います。
 以上です。
○全国介護事業者連盟 ありがとうございます。
 まず、サビ管・児発管に関して、御指摘のとおりでありまして、まず、見直されたところでありますので、この見直された内容に基づいた検証期間が一定は必要だと思っております。この規制を強めていくのか緩和をしていくのかというところについては、バランスの取り方なのだろうと思っております。単純に要件のハードルを低くして誰でもサビ管・児発管になれるということになると、当然質が下がっていくことになりますが、一方で、高過ぎるハードルになると、結局、現状、本当にサビ管・児発管の人を確保できないということで、人の取り合いになってしまっていたり、事業所が開設できなかったり、不正につながっていたり、資格があるからということで能力は本来あまり高くない方でも使わざるを得ないような環境もございます。こういった面について、総合的な判断が必要なのだろうということで、改めてこの件については現場から大変多くの意見をいただいておりますので、見直されたところではありますが、見直された影響を含めた検証を踏まえて、継続した検討が必要だと思っております。
 総量規制につきましては、総量規制によって逆に悪質なと申し上げたところにつきましては、サービス競争原理が働かないことによって、利用者が利用したいと考えた場合に、結局、事業所の定員がいっぱいになっている。地域の状況によるかと思いますが、なかなか利用ができない環境下になると、結果的に、サービスの質が悪い、専門性が低いような事業所でも、待機者がいるような状況になってしまうといった点から、過度な総量規制になると逆に質が低下しかねないということもありますので、これもバランスのよい対応が必要なのではないかと。逆に、この総量規制に関しては、私どもの考え方としては、ある程度、緩めて、きちんと指定基準に基づいた開設が行われて、サービス競争原理が働いて、利用者が質の高い事業所を選択できるような環境を整えていくことが重要ではないかと考えております。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー 石津でございます。御説明をありがとうございました。
 私からは、資料の10ページ、丸3A型の余剰金のところについて、お伺いさせてください。この余剰金は積立てをしやすくしたいという方向のお話だろうと思います。すなわち、差額が生じているということだろうと思うのですけれども、他方、このA型については、経営状況が厳しくて廃業するというお話もありましたし、あるいは、指定基準を満たせない事業所が多いというお話もございました。つまり、これらのことは事業所によって経営状況にすごく大きい開きがあるということなのかなと思って、お伺いしたところです。まず、1つには、この経営状況について、平均的な調査結果からは分からないような大きな開きの実態について、お聞かせいただければということが1つ目です。
 もう1つは、余剰金をどうしようかというところと廃業するようなところで大きな開きがあるといった場合には、その原因がどういったところにあるのかというところについて、教えていただけますか。
○全国介護事業者連盟 御質問をありがとうございます。
 まず、経営実態に関しましては、平成18年以降、A型事業所の民間参入が進む中で、本来であれば、生産活動収入で利用者さんの給料を賄わなければいけないという状況があった中で、特定就職困難者雇用開発助成金など、一時期、利用者さんに事業所に来ていただきさえすれば収益が図れるというところで、もともと本来であれは仕事ありきの支援がA型の制度であったとは思いますが、どちらかというと、B型事業所の作業工賃に近いようなお仕事しかないにもかかわらずA型事業所に参入したところが非常に多いところから、3年に1度の報酬改定でどんどん厳しくなっております。平成30年改定で利用者に払う給料に関しましては、財源として、国からのお金から払った駄目だということなので、そこから一気に事業所の増加率が減少した、閉鎖するところも出てきたとともに、一定、特開金の制度設計に関しましても、離職率で25%を超えると全員分の助成金が出ないという立てつけであり、規制強化によって、もともと仕事ありきでA型事業所をやっていないところが厳しい状況に陥っているのではないかと思っております。
 また、この余剰金に関しましては、今、A型事業所は本当に事業所によって非常に厳しい運営をなされているところが、私の認識でも、8~9割ぐらいは厳しい運営状況になっているところになります。一定、しっかりと仕事を確保して、一般企業と同じような生産活動収入をしっかりとたたき出しているところがございますが、その上がった売上高も、今の就労支援会計で、参考資料としてつけさせていただいているかと思うのですが、17ページ、こちらに関しましては、B型事業所と同じような立てつけ、いわゆる仕事で上がった売上金を全て利用者さんにお支払いしてください、もしくは、この余剰金として、積立金として、しっかりと担保してくださいという形になっております。これに関しましては、A型事業所の従来の事業者さんの考え方としては、仕事の売上げはどれだけでもしっかりと上げる、利用者さんには最低賃金以上のお給料をしっかりとお支払いするという制度設計でなされてきたかと思います。この令和3年度の事業会計の運用ガイドラインで示されたものに関しましては、一般企業の考え方と全く同じですが、企業努力として、今後、A型事業所の利用者さんも最低賃金が上がっていく中で、しっかりと、売上げ、生産活動収入を上げていこうという努力、いわゆる、この積立金にするか、利用者さんに全て払うか、利用者さんにしっかりと高い賃金をお渡しすることはもちろん大事なことではありますが、今後、先の事業運営を考えたときに、この会計の運用についての在り方はいかがなものかというところで、提言をさせていただいた次第です。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 最後に、田村アドバイザー、お願いいたします。
○田村アドバイザー 手短にいきます。田村でございます。
 貴重な御意見をどうもありがとうございました。
 私の質問は、児童発達支援事業・放課後等デイサービスに関する参考資料丸5で、インクルージョンの推進が挙げられております。医療的ケア児支援法ができて、特別支援学校などでは看護師の配置が進み、人工呼吸器をつけているようなお子さんでも受け入れることが当たり前になってきつつありますけれども、保育所においては、残念ながら、まだそういったことが進んでいない中で、全国介護事業者連盟で、インクルージョンの推進ということで、保育所などに訪問支援をするということを出されていることは、私は非常にうれしいのですけれども、具体的にはどういった人材を保育所に派遣することを考えておられるのでしょうか。お聞かせいただけますか。
○全国介護事業者連盟 御質問をありがとうございます。
 こちらに関しましては、児童指導員、保育士が、前回の平成30年の改定で人員配置基準として定められるようになりましたので、基本的には、児童指導員、保育士が、資格を持った方が訪問をして、一般施策と連携を取りながら支援をしていくという流れになるかと思います。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 それでは、時間が参りましたので、全国介護事業者連盟の皆様、どうもありがとうございました。
(説明者入替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、本日最後のヒアリングになりますが、特定非営利活動法人全国就労移行支援事業所連絡協議会より、オンラインでの参加になりますが、稲葉健太郎様、お願いいたします。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会 本日は、ヒアリングの機会をいただき、誠にありがとうございます。全国就労移行支援事業所連絡協議会の副会長をしております、稲葉と申します。よろしくお願いいたします。
 本日、かなり資料が多くなっておりますので、早速なのですが、資料に従ってお話しさせていただければと思っております。主なポイントに絞って御説明させていただきますので、そのほかの点については、資料をお読みいただければと思います。
 まず、大項目1、5ページ目、障害福祉サービスの運営関係について、(1)物価や人件費高騰への対応について、現在、事業所運営・人材確保の両面でかなり影響を受けております。今回の報酬改定での対応も望んでおりますので、御検討をお願いできればと思っております。
 (2)障害福祉サービス等処遇改善について、6ページです。これまでも就労定着支援事業についても対象としていただきたいということで御要望させていただいております。申請手続の簡素化についてもお願いしてきたのですけれども、今般創設されます就労選択支援事業についても同じく対象としていただきたいと考えております。御検討のほどよろしくお願いいたします。
 続きまして、大項目2、就労移行支援サービスについての説明です。まずは、(1)地方の就労移行支援事業所の減少について、7ページ、8ページを御覧ください。現在、特に地方での減少が顕著で、全国で就労移行支援サービスの提供が困難な状況にあります。そのため、地方の就労移行支援事業に関しては、地域の実情に合った仕組みが必要で、例えば、現在の基準である職業指導員及び生活支援員で常勤1名の配置基準について、多機能で実施している場合は他事業との兼務を可能としてはどうかと考えます。また、地方において定員20名の開設はかなりハードルが高いという声も上がっているため、A型事業所と同様に、定員10名を認めるなどの検討をお願いできればと思っております。さらに、福祉施設から一般就労移行の流れを止めないためにも、就労継続支援事業において、例えば、就労支援員を配置した場合には加算を設けたらどうかと考えております。当協議会におきましては、引き続き、就労系サービスにおいては、一般就労が可能な方については、送り出していく流れを強化して、今後も一般就労を第一として考える方向であってほしいと願っております。
 続きまして、(3)就労支援の質の向上について、10ページを御覧ください。現在、就労支援関係研修修了加算の取得率がいまだ56%にとどまっています。昨年度、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の報告書が取りまとめられ、今後、悉皆の研修として基礎的研修が創設されることになっています。しかし、全ての就労支援員、就労定着支援員の受講終了までにはかなりの時間を要すると考えており、就労支援の質の担保のためにも、現在の加算は維持していただければと思います。また、さらなる質の向上へのインセンティブのために、職場適応援助者養成研修など上位の研修の受講に対する新たな加算を設けてはどうかと考えております。加えて、長期的には、就労移行支援事業のサビ管、生活支援員、職業指導員、さらには就労継続支援の職員などへの受講拡大もしていく必要があるのではないかと考えております。
 続きまして、大項目3、就労定着支援サービスについてです。(1)サービスの地域格差の是正について、16ページを御覧ください。定着支援事業所は増加傾向にあるのですが、主な担い手となる就労移行支援事業所で就労定着支援事業を実施している事業所は、全国で45%であり、半数に達していません。就労定着支援事業はコンスタントに就労者を出さないと継続的な事業運営が難しい状況です。また、多機能で就労移行支援事業を運営している場合においては、定着支援事業への職員配置が困難なケースが多いのではないかと考えております。これらを解消するためにも、地域資源として、障害者就業・生活支援センターが就労定着支援事業の指定を受けられる仕組みを創設してはどうかと考えております。
 次に、(2)就労系サービスとの円滑な接続について、17ページを御覧ください。就労定着支援事業が思ったより低調な背景の一つに、就労後6か月を経た時点でサービスが開始となるため、就労系サービスとの接続がうまくいかないという声を聞きます。他方、就労移行支援事業所は就労実現後6か月についてはフォローすることが義務となっていますが、対象者の特徴や事業所の方針などによって、支援の濃淡が見られており、一律の開始時期を設定することは利用者の支援ニーズと合致していないのではないかと考えております。就労定着支援事業の開始時期は、就労移行の見守りの義務の6か月は残しつつ、就労実現後間もなく使えるサービスとして、対象者の特徴や状況によって、就労後のサービスの選択ができることが必要なのではないかと考えております。
 次に、(6)報酬単価の是正について、20ページから21ページを御覧ください。利用者数が増えると単価が低くなる報酬設定は、実態には合っていないと考えております。具体的には、施設に通ってもらうような通所系のサービスとは異なり、定着支援の場合は、訪問・面談といった個別支援が中心となって、スケールメリットはないと考えています。そのため、人数増加と比例する形での報酬に見直してはどうかと考えております。また就労定着支援事業の収益率は、令和3年度決算において、全サービス5.1%に対して2.9%と極めて低いものになっており、基本方針の設定の見直しをお願いしたいところです。
 次に大項目4のその他の、就労系サービスについて、御説明したいと思います。25ページをお開きください。(2)指定基準を満たさない就労継続支援A型についてです。第28回報酬改定検討チームの資料によると、経営状況を把握した3,512事業所のうち、56%が生産活動の収益が利用者の賃金総額を下回っている、いわゆる指定基準を満たしていないという状況です。また、そのうちの経営改善計画を提出していない事業所が10%以上になっています。さらに、指定基準を満たしていない事業所のうち、2年連続で指定基準を満たしていない事業所が68%となっています。もちろん一時的な生産活動の減収なども想定されますが、経営改善計画未提出の事業所や2年以上指定基準を満たしていない事業所については、新規利用者の受入れを停止するなど、厳しい対応が必要なのではないかと考えております。また、基本方針については、前回の報酬改定でスコアによるものに整理されましたけれども、前回の区分割合を確認した上で、さらなる見直しを行っていく、修正を行っていく必要もあるのではないかと考えています。
 最後に、(3)利益供与に関する対応の強化、26ページです。就労系福祉サービスによる利益供与等の禁止が強化されているところではあるのですが、いまだに給付費を財源に無料での昼食提供や資格取得費用の全額負担等で利用者勧誘を行っている事業所があると聞きます。また、就労系サービスにおいて、本来の趣旨とは外れて、利用者勧誘をしている事業所が散見されます。例えば、eスポーツを日課として前面に打ち出して、ゲームを中心としたサービス内容で利用者募集を行うB型なども見られています。そのため、就労系サービスにおいて改めて不適切な活動でサービス提供をしているか否かの実態把握を進めるとともに、利益供与禁止の規定の強化をお願いしたいところです。何が利益供与に当たるかなど、具体的な例示とQ&Aなどで公表して、市町村及び事業所の意識を高めることを望んでいます。
 以上、駆け足になりましたが、説明を終えさせていただきます。
 時間を超過して、申し訳ありませんでした。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から、御意見、御質問をお願いします。いかがでしょうか。
 小澤アドバイザー、お願いいたします。
○小澤アドバイザー この背景を知りたくて、お聞きしたいことは、16ページになりましょうか。就労定着支援サービスというデータがあって、サービスの地域格差の是正が書かれていて、この制度化がなされたときには、この制度は、もともと、移行と定着は、ある種、密接不可分ということで理解してきたところなのですが、このデータでいくと、割った割合でいくと、45%にも達していない、かつ、地域差もあると書かれているのですけれども、一つは、その背景は一体どういうところにあるのか、もしお分かりでしたら教えてほしいのです。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会 御質問をありがとうございます。
 地域格差について、本資料に説明を書かせていただいている通りです。全国の実態を見てみると、地方においては、岩手県、島根県は77%と高くて、また、福井では12%、茨城では14%と低いというところなのですが、実際の地方格差に関するところは、正直に申し上げますと、我々のほうで実態が把握できていないことが現状になっております。ただ、先ほど申し上げたとおり、就労定着支援事業について、どうしても配置基準上の問題でメリットがない。また、先ほど申し上げたような処遇改善のことも入ってくるかもしれません。実際に処遇改善にも含まれないとなると、事業運営的には、定着支援事業を実施することのメリットが少ないということで、実施しない事業者さんも結構あるのではないかと考えております。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。
 これは、本来のありようで言うと、結構密接不可分なので、制度設計上、検討事項があるかもしれません。
○伊藤障害福祉課長 続いて、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。
 丁寧な御説明をありがとうございました。
 7ページなのですけれども、地方において、定員20名の開設はハードルが高いという声があるというところです。就労移行が始まって、地域で就労移行に行ける方はどんどん行ってしまって、既にどんどん卒業していって、対象の方が地域に少なくなってしまって、就労移行がだんだん減ってきているという話を聞くのですけれども、この定員10名を認める、緩和していくことで、移行の運営は、10名定員で成り立つのでしょうか。教えていただければと思います。
○全国就労移行支援事業所連絡協議会 御質問をありがとうございます。
 実際に10名定員での運営を想定して実際に計算したことはないのですけれども、恐らく配置上の問題等を考えますと、人件費等を含めて、今の20人定員よりは可能性が出てくるのではないかと考えているところです。ただし、今回の意見でも出させていただいたとおり、地方においては、就労移行というところだけで一般就労を輩出することに限界が出てきている部分もあるかと考えておりまして、就労継続支援事業に就労支援員を配置することも一つの検討材料なのではないかと考えているところです。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはよろしいでしょうか。
 それでは、以上とします。
 全国就労移行支援事業所連絡協議会様、どうもありがとうございました。
(説明者退室)
○伊藤障害福祉課長 本日のヒアリングは、以上で終了となります。
 続きまして、議題2が今日はあります。令和4年度の処遇状況等調査の結果について、事務局から資料を説明いたします。
○杉渕自立支援給付専門官 事務局担当より、御説明いたします。
 資料1で処遇状況調査結果のポイント、資料2で結果の概要をお示ししております。
 まず、資料2の2ページ、結果の概要について、御説明いたします。大分時間も経過しておりますので、要点のみ、簡潔に御説明させていただきます。障害福祉サービスに従事する方につきまして、賃金の3%、月額平均9,000円相当の賃上げを行うべく、福祉・介護職員等ベースアップ等支援加算を導入したところでございます。今般、その反映状況について調査するため、令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況調査を実施し、結果がまとまりましたので、御報告を差し上げます。概要ですが、まず調査時期は、令和4年12月から令和5年1月でございます。下のほうのポツで、調査客体数は約1万の事業所を抽出いたしまして、回答率は54.1%、約5,724施設からの有効回答をいただいております。
 続きまして、ポイントを御説明いたします。資料1の1ページを御参照ください。本調査では、この加算の導入前後で、賃上げ効果の継続に資する取組として、ベースアップ加算の影響等を評価するために、加算を取得している事業所における令和3年12月と令和4年12月の基本給等の調査を行っております。2つ目の丸です。その基本給等の差額は、1万1,710円の増となったところでございます。その下のベースアップ等支援加算を取得している施設・事業所の箱にうつりますが、平均給与額については、プラスの2万130円の差額となっております。少し補足いたしますと、※2、※3にあるように、基本給等は基本給(月額)+手当のうち、毎月決まって支払われる手当でございます。また、※3にあるように、平均給与額は基本給(月額)+手当+一時金、これは1月~12月の支給金額を12分の1にして加えたものでございます。さらに、令和4年12月時点の加算等の取得状況について、ベースとなる処遇改善加算は約8割となってございます。そのうち、特定処遇改善加算は約7割、ベースアップ等支援加算は86.8%の取得状況となっております。さらに、その中身についても少し見ておりまして、右側の参考をご参照ください。1.加算による賃金改善の実施方法について、ベースアップ等のみで対応したところが約6割。2.賃金改善の方法について、複数回答で回答の多かったものを並べております。手当の新設が66.7%、既存手当の引上げが約2割、給与表の改定、定期昇給という順番になっております。3つ目は、福祉・介護職員以外の柔軟な対応も一定行えるところであり、福祉・介護職員以外に配分した職員の範囲について、サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者が75%という状況でした。続いて、事務員が35.8%、看護職員、管理栄養士等、PT・OT等となっております。4つ目は、一方、届出を行わない理由で多かった3つが、賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑、計画書や実績報告書の作成が煩雑、賃金改善の仕組みの定め方が不明などという状況でございました。
 このような状況を、資料2において、サービスごと、職種ごとなどの状況を概要で載せておりますので、必要に応じて御参照いただければと思います。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 ただいまの説明について、アドバイザーの皆様から、御質問、御意見等があれば、お願いいたします。
 佐藤アドバイザー、お願いします。
○佐藤アドバイザー 御説明をありがとうございました。
 改定の効果があったようでよかったなと思って、拝見しておりました。
 1つ、お願いです。平均値で見ていらっしゃいますので、分散や中央値やその他の指標のようなものも一緒に算出しておいていただけると、さらに評価がしやすくなると思いますので、その1点をお願いしたいと思いまして、発言いたしました。
 よろしくお願いいたします。
○杉渕自立支援給付専門官 佐藤アドバイザー、御意見をありがとうございます。
 ご指摘のとおりです。e-Statにさらに詳細なデータは載せておりますが、今後、処遇改善の議論も行っていくところでございますので、その辺のもうそういったところも分析しつつ、今後の施策に活かしていきたいと思っております。
○佐藤アドバイザー ありがとうございます。e-Stat、拝見します。
○伊藤障害福祉課長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日予定している議事は、以上で終了となります。
 アドバイザーの皆様、全体を通して何かございますか。よろしいですか。
 ありがとうございます。
 次回の検討チームは、8月9日、水曜日、14時から開催予定となっておりますので、よろしくお願いします。
 本日は、これで閉会いたします。
 お忙しいところ、御参集いただき、ありがとうございました。