令和5年度 第3回化学物質管理に係る専門家検討会 議事録

労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

令和5年8月28日(月) 14:00~17:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター カンファレンスルーム16A
(東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング16階)

議事次第

  1. (1)濃度基準値の検討
  2. (2)濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について
  3. (3)個人ばく露測定の精度管理について
  4. (4)その他

議事内容

○環境改善・ばく露対策室長  本日は、大変お忙しい中、ご参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、令和5年度第3回化学物質管理に係る専門家検討会を開催いたします。
 私は、本日、座長に進行をお渡しするまで司会を務めさせていただきます化学物質対策課環境改善・ばく露対策室の平川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日ですが、前半に濃度基準値に関する事項について、後半に濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法及び個人ばく露測定の精度管理について検討することとしております。そのため、前半には開催要項別紙の構成員名簿のうち、全般に関する事項、毒性に関する事項の欄に掲載の先生方に参集いただいております。
 出席者ですが、13名で、平林委員が欠席でして、髙田委員、武林委員がオンライン参加となっております。
 また、後半ですが、構成員名簿のうち全般に関する事項、ばく露防止対策に関する事項の欄に掲載の先生方に参集いただきます。出席者は13名で、平林委員が欠席でして、髙田委員、武林委員と津田委員がオンライン参加となっております。なお、毒性に関する事項の欄に掲載の先生方につきましては、前半終了のタイミングで特段ご退席の案内はいたしませんので、ご都合による賛意で後半の測定関係の検討にもご参加いただければと思います。
 したがいまして、本日は会場とオンラインの併用で開催いたしますので、会場参加の皆様はご発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いいたします。オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、ご発言される場合を除きましてマイクをミュート、オフに設定していただきますようよろしくお願いいたします。また、ご発言の際にはあらかじめチャットでご発言の旨を入れていただくか、またはお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてからご発言いただきますようお願いいたします。
 なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、ご承知おきください。
 本日の開催を公開としており、一般傍聴者につきましてはウェブでの音声配信のみとさせていただいております。
 それでは、城内座長に以降の議事進行をお願いいたします。
○城内座長  皆さん、こんにちは。本日も長時間になると思いますが、よろしくお願いいたします。
 まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○環境改善・ばく露対策室長  かしこまりました。それでは、資料の確認をさせていただきます。
 資料ですが、議事次第と配付資料一覧、資料は資料1から資料6-2まで、参考資料は参考1から参考6までを用意いたしております。本日の資料ですが、タブレットに格納しておりますが、検討対象物質の一覧の資料1と資料3は印刷した資料も配付しております。会場にお越しの皆様方におかれましては、資料に抜けなどありませんでしょうか。オンラインで参加していただいている先生方にも資料を事前に送付させていただいておりますが、何かありましたら事務局までお知らせください。
 なお、濃度基準値の検討に使用する一次文献は、著作権の関係があるため委員限りの資料としております。
 資料の確認は以上です。本日の資料は厚生労働省のホームページにあらかじめ掲載しております。傍聴の方はそちらをご覧ください。
○城内座長  それでは、本日の議事に入ります。
 議事1、濃度基準値の検討について、事務局から資料の説明をお願いします。
○有害性調査機関査察官  それでは説明させていただきます。
 本日は、前回再審議となりましたジブチルスズ関係の7物質と新規に12物質の合計19物質について濃度基準値の検討をお願いいたします。構成員の先生方から事前に頂戴したご意見やご質問はありませんでしたので、初期調査結果評価のご説明のみとなります。
 なお、検討に必要な一次文献の印刷版が必要な方は、事務局にお知らせいただければ席までお持ちいたします。
 それでは、資料2-1をご覧ください。こちらは再審議対象のジブチルスズ=ジラウラート、マレイン酸ジブチルスズ、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズ二酢酸、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズビス(イソオクチル=チオグリコレート)の7物質になります。全て初期調査において同じ根拠文献を用いて評価を行っておりますので、一番頭の資料になりますジブチルスズ=ジラウラートの初期調査結果でまとめてご説明させていただきます。
 ジブチルスズ化合物につきましては、前回の検討会で胆管への影響でNOAELを判断したほうがよいのではないかといったご意見を頂きまして、根拠文献を再度精査する必要があるということで、再審議となっております。
 その結果ですけれども、8時間濃度基準値の提案値がスズとして0.5からスズとして0.1mg/㎥となっております。
 短時間濃度基準値につきましては、提案はありません。
 根拠文献は5つ掲げられております。濃度基準値の提案理由はコメント欄に記載していますが、まとめとして、動物試験の結果における胆管の病理学的変化を臨界影響としたNOAELを20ppm DBTC/kg bw/日(0.7mg DBTC/kg bw/日)と判断し、不確実係数等を考慮した0.1 Sn mg/㎥を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 以上になります。
○城内座長  それでは、ただいまの説明を踏まえて議論していきたいと思いますが、ご発言がある方は挙手をお願いいたします。川本委員、お願いします。
○川本委員 コメントの一番下のマウスの体重400gとして換算となっていますが、この数字でよろしいでしょうか。
○城内座長  お願いいたします。
○大前委員  この物質は、前回見直しになった物質です。この原文が今おっしゃった根拠は2番目の文献になります。この文献には投与量がppm単位で書いてありまして、それを具体的なkgの数字がありませんでした。それでラットの体重の情報もなくて、摂餌量の情報はありました。それでラットはどれぐらいの体重で見込むのかということで、取りあえず400にいたしましたけれども、350でも300でも構わないと思います。今回400を使ったということだけになります。例えば300ですと75%ぐらいの変化があるというだけになります。
○川本委員  ラットの間違いではないでしょうか。
○大前委員  これはマウスではなくてラットの間違いです。失礼しました。ラットのデータです。
○川本委員  ありがとうございます。
○城内座長  そのほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ジブチルスズ化合物7物質の結論の確認をいたします。ジブチルスズ=ジラウラート、マレイン酸ジブチルスズ、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズ二酢酸、ジブチルスズビス(2-エチルヘキシルチオグリコレート)、ジブチルスズビス(イソオクチル=チオグリコレート)については、8時間濃度基準値が0.1(スズとして)mg/㎥でよろしいでしょうか。――では、この数字で行きたいと思います。ありがとうございました。
○有害性調査機関査察官  それでは、続いて説明させていただきます。資料2-2をご覧ください。
 こちらにつきましても、先ほどと同じく構成員の先生方から事前に頂戴した質問、ご意見はありませんでしたので、初期調査結果、評価のご説明のみとなります。
 それでは、まず無水マレイン酸になります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案は、8時間濃度基準値として0.08mg/㎥が提案されております。
 根拠論文は1つ上がっております。
 濃度基準値提案の理由はコメント欄に記載のとおりで、結論として動物試験における鼻腔や目に対する刺激作用を臨界影響としたLOAECを0.27ppm(1.1mg/㎥)として、不確実係数等を考慮した0.08mg/㎥を8時間濃度基準値として提案する。なお、短時間濃度基準値については、文献が不十分であることから設定しないことを提案するとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 その次に4ページ目になりますが、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物になります。
 詳細調査の要否は不要です。
 濃度基準値として、8時間濃度基準値0.0005mg/㎥、短時間濃度基準値0.002mg/㎥が提案されております。
 根拠論文は4本上げられております。
 濃度基準値提案の理由としてコメント欄に記載のとおりですが、結論としてヒトの知見での免疫学的機序による呼吸器所見を臨界影響としたNOAELを0.00051mg/㎥と判断し、0.0005mg/㎥を8時間濃度基準値として提案する。また、動物試験の結果より10分間ばく露でのNOAELを0.04mg/㎥と判断し、不確実係数等を考慮した0.002mg/㎥を短時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメント欄についてもご確認ください。
 続きまして、6ページになります。ヘキサメチレン=ジイソシアネートになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値として、8時間濃度基準値0.005ppmが提案されております。
 根拠論文は2本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として動物実験におけるラット鼻腔の変性を臨界影響としたNOAELを0.005ppmと判断し、8時間濃度基準値として提案する。なお、短時間濃度基準値については、文献が不十分であることから設定しないことを提案するとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 続きまして8ページになります。3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル=イソシアネートになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値としては、8時間濃度基準値0.005ppmが提案されております。
 根拠論文は1本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として動物試験における鼻腔の変性を臨界影響としたNOAELを0.005ppmと判断し、8時間濃度基準値を提案する。なお、短時間濃度基準値については、文献が不十分であることから設定しないことを提案するとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 続きまして10ページになります。ジシクロペンタジエン。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案として、8時間濃度基準値0.5ppmが提案されております。
 根拠論文は2本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として動物試験における、常同行動を臨界影響として、NOAELを5ppmと判断し、不確実係数等を考慮した0.5ppmを8時間濃度基準値として提案する。なお、短時間濃度基準値については、文献が不十分であることから設定しないことを提案するとなっております。
 その他のコメントはありません。
 続きまして12ページをご覧ください。りん酸トリ-n-ブチルになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案は、8時間濃度基準値として0.5ppmになります。
 根拠論文は1本掲げられております。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として動物実験の結果において膀胱の腫瘍性病変を臨界影響としたNOAELを9mg/kg bw/日と判断し、不確実係数等を考慮した0.5ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 続きまして14ページになります。O-エチル=O-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアートになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値は、8時間濃度基準値として0.1mg/㎥が提案されております。
 根拠論文は1本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論としてヒトの知見から赤血球ChE活性低下を臨界影響としたNOAELを6mg/日と判断し、不確実係数等を考慮した0.1mg/㎥を8時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 続きまして16ページ、六塩化ブタジエンになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案は、0.01ppmになります。
 根拠論文は2本掲げられております。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として動物試験における腎臓障害を臨界影響としたNOAELを0.2mg/kg/dayとし、不確実係数等を考慮した0.01ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメントはありません。
 続いて18ページになります。プロピレングリコールモノメチルエーテルになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案として、8時間濃度基準値50ppmが提案されております。
 根拠論文は2本になりまして、提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論としてヒトの知見において目刺激性を臨界影響としたNOAELを50ppmと判断し、50ppmを8時間濃度基準値として提案する。なお、根拠論文2)にあるin vitro試験の結果を考慮しても、50ppmであれば鼻粘膜における炎症反応を誘導する可能性は少ないと考えられるとなっております。
 その他のコメント欄もご確認ください。
 続きましてジエチルアミンになります。20ページになります。
 詳細調査の要否ですが、不要。
 濃度基準値の提案として、8時間濃度基準値5ppm、短時間濃度基準値15ppmが提案されております。
 根拠論文は2本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として、低濃度反復ばく露による呼吸器への刺激性を臨界影響としたLOAELを31ppmと判断し、不確実係数等を考慮した5ppmを8時間濃度基準値として、また高濃度の一過性の刺激性のリスクを最小化するため、15ppmを短時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメントはありません。
 続いて22ページをご覧ください。ノルマル-ヘプタンになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案は、8時間濃度基準値として500ppmになります。
 根拠論文は4本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論として動物実験で得られたRD50値を作業者に外挿すると、係数として「0.03」を乗ずることにより算出され、ヘプタンの作業者RD50値は520ppmと推定されることより、ヒトの気道刺激性を防ぐための濃度として500ppmを8時間濃度基準値として提案するとなっております。
 その他のコメント欄はありません。
 最後になりますが、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテルになります。
 詳細調査の要否は不要。
 濃度基準値の提案として、8時間濃度基準値20ppmが提案されております。
 根拠論文は2本になります。
 提案理由はコメント欄記載のとおりですが、結論としてヒトの知見における血液学的異常、血清たんぱく質分画異常、肝機能障害を臨界影響としたNOAELを22ppmと判断し、20ppmを8時間濃度基準値として提案する。なおこの値は、根拠論文2)の動物試験に基づくNOAEL=200ppmから不確実係数等を考慮して得られる値としても妥当であると判断したとなっております。
 その他のコメントはありません。
 以上になります。
○城内座長  ありがとうございました。それでは、個別物質ごとに結論の確認をしたいと思いますが、最初に無水マレイン酸につきましては、8時間濃度基準値が0.08mg/㎥でいかがでしょうか。ご意見等ありませんでしょうか。
 それでは、無水マレイン酸につきましては、8時間濃度基準値を0.8mg/㎥にしたいと思います。
 続きまして、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物につきましては、8時間濃度基準値が0.0005mg/㎥、短時間濃度基準値が0.002mg/㎥と提案されていますが、いかがでしょうか。ご意見等ございましたらお願いします。宮本委員、お願いいたします。
○宮本委員  宮本です。ありがとうございます。分かっていないので教えていただきたいのですが、0.0005というmgの非常に小さい値というのは、普通の測定の方法で分かるものなのでしょうか。本当にこういうのが一般のところでできるのか教えていただければと思います。
○化学物質対策課長  後ほどご覧いただくことになる資料3-2がありまして、1枚目の真ん中より下のところにありまして、ろ過捕集法、高速液クロで分析して、10分の1ぐらいまで測れるという評価は頂いております。こちらは後ほどご議論いただく予定です。
○城内座長  そのほかご意見等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸1,2-無水物につきましては、8時間濃度基準値が0.0005mg/㎥、短時間濃度基準値が0.002mg/㎥にしたいと思います。
 続きまして、ヘキサメチレン=ジイソシアネートにつきまして、8時間濃度基準値が0.005ppmと提案されていますが、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ヘキサメチレン=ジイソシアネートにつきましては、8時間濃度基準値0.005ppmにしたいと思います。
 続きまして、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル=イソシアネートにつきましては、0.005ppmと提案されていますが、これについていかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシル=イソシアネートにつきましては、0.005ppmにしたいと思います。
 続きまして、ジシクロペンタジエンについては、8時間濃度基準値が0.5ppmと提案されていますが、これについてご意見等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ジシクロペンタジエンにつきましては、8時間濃度基準値0.5ppmにしたいと思います。
 続きまして、りん酸トリ-n-ブチルにつきましては、8時間濃度基準値0.5ppmと提案されていますが、これについてはいかがでしょうか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員  一番下のその他のコメントで、粒子と蒸気の両方の捕集が必要と書いてあるのですが、そのような場合にppm単位が適切か、mg/㎥のほうがいいような気がするのですが、いかがでしょうか。丸めにくいかもしれませんけれども。
○城内座長  事務局、お願いします。
○化学物質対策課長  ありがとうございます。こういったいわゆるIFVにつきましては、ppmにするのかmgにするのかというのは、一義的には常温で固体であるか気体であるかということで決めておりまして、こちらにつきましては常温で気体という観点からppmという単位を使っているところです。
○城内座長  よろしいでしょうか。宮本委員、お願いいたします。
○宮本委員  またあまりよく分かっていないので教えていただきたいのですが、NOAELが動物実験でいくと200ppmになると読めるのですが、これは腫瘍性病変をターゲットにしているからかもしれないのですが、ほかの物質で不確実係数を考慮したのに比べると、200から0.5へと相当大幅に落としているのですが、これについては特に問題ないのでしょうか。
○城内座長  事務局、お願いします。
○化学物質対策課長  こちらの文献で書いてあるNOAEL200ppmというのは、もともと混餌でやっておりますので、生の数字としては9mg/kg bw/日をラットに戻すと200ppmということらしく、9mg/kg bw/日を人間に戻すと0.5になるという理解と聞いております。
○城内座長  よろしいでしょうか。
○宮本委員  やはりわかりにくいので、もしこれが公開される文献になって一般の人が見るのであれば、説明を入れていただいたほうが良いと思いました。
○化学物質対策課長  分かりました。ご指摘を踏まえましてもう少し分かりやすいように修正したいと思います。
○城内座長  宮川委員、先ほどの件はよろしいですか。
○宮川委員  常温で気体ということであればそれで了解いたしました。
○城内座長  そのほかご意見等ありませんでしょうか。
 それでは、りん酸トリ-n-ブチルにつきましては、8時間濃度基準値0.5ppmにしたいと思います。説明等についてはまた事務局で検討をお願いいたします。
 続きまして、O-エチル=O-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアートにつきましては、8時間濃度基準値が0.1mg/㎥ということで提案されていますが、これについてはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、O-エチル=O-4-ニトロフェニル=フェニルホスホノチオアートにつきましては、8時間濃度基準値0.1mg/㎥にしたいと思います。
 続きまして、六塩化ブタジエン、8時間濃度基準値が0.01ppmと提案されていますが、これについてご意見等ありませんでしょうか。
 ご意見等がなければ、六塩化ブタジエンについては、0.01ppmにしたいと思います。
 続きまして、プロピレングリコールモノメチルエーテル、8時間濃度基準値が50ppmと提案されていますが、これについてはいかがでしょうか。
 特にご意見等がなければ、プロピレングリコールモノメチルエーテルにつきましては、8時間濃度基準値は50ppmにしたいと思います。
 続きまして、ジエチルアミン、8時間濃度基準値が5ppm、短時間濃度基準値が15ppmと提案されていますが、これについてはいかがでしょうか。大前委員、お願いいたします。
○大前委員  不適切な表現があると思うので訂正していただきたいのですが、コメントの2つ目の段の2行目、全てのばく露群で肺胞の細胞浸潤という言葉がありますけれども、細胞浸潤ではなくてマクロファージの浸潤と直していただきたいと思います。細胞浸潤といいますと、例えば好中球等がたくさんできると、炎症が起きているという印象を持たれる可能性があるので、マクロファージに修正していただきたいと思います。
○城内座長  事務局、よろしいでしょうか。
○化学物質対策課長  ご指摘のとおり修正したいと思います。
○城内座長  そのほかご意見等ありませんでしょうか。
 それでは、ジエチルアミン、8時間濃度基準値5ppm、短時間濃度基準値15ppmにしたいと思います。
 続きまして、ノルマル-ヘプタン、8時間濃度基準値500ppmということですが、いかがでしょうか。
 特にご意見等がなければ、ノルマル-ヘプタンは8時間濃度基準値500ppmにしたいと思います。
 続きまして、最後の物質ですが、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテル、8時間濃度基準値が20ppmと提案されていますが、いかがでしょうか。
 特にご意見等がなければ、2-クロロ-1,1,2-トリフルオロエチルジフルオロメチルエーテルにつきましては、8時間濃度基準値を20ppmにしたいと思います。
 これで本日予定の全ての物質の濃度基準値の審議が終わりましたが、最終的な結果はいかがでしょうか。
○化学物質対策課長  戻って恐縮ですが、りん酸トリ-n-ブチルのところで先ほど0.5ppmと単位のところで常温で気体か固体かとご説明させていただいたところですが、調べましたところどうも沸点が相当高く、300度近くあり、常温では液体であると思います。数字自体は0.5ppmに該当するのは5mg/㎥になりますので、表記につきましては再度検討させていただきたいと思います。先ほどの発言は訂正いたします。
○城内座長  数値はそのままで、表記は修正するということですね。皆さん、それでよろしいでしょうか。
 それでは、最終結果について報告をお願いいたします。
○化学物質評価室長補佐  それでは、資料3-2をご覧ください。本日ご審議いただいた物質の一覧になります。
 まずジブチルスズ関係の化合物7物質については、0.1mg/㎥(スズとして)としてということでご了解いただきました。
 提案理由のマウスの体重を400gとして換算というところはラットに修正させていただきます。
 続いて、今回新規に審議いただいた無水マレイン酸以降の物質、基本的に全て8時間濃度基準値、短時間濃度基準値ともご審議の結果ご了解いただきましたけれども、修正は2ページ目の2番目、りん酸トリ-n-ブチルにつきましては0.5ppmということですが、単位を確認の上でmg/㎥に換算した数値に修正させていただきます。
 提案理由の欄につきましても、ご意見を踏まえ修正させていただきます。
 それから、同じページの下から2番目、ジエチルアミンの提案理由の欄につきましても、一部表現を修正させていただきます。肺胞の細胞浸潤というところ、先ほどご意見を頂きましたとおり、マクロファージの浸潤ということで修正させていただきます。
 それから、この表の右側に測定方法が入っている物質があります。これは、今日の後半の測定方法のところでご審議いただきます。測定方法もご了解いただいたものについて、濃度基準値を最終的に設定するということになります。
 それから、資料3-1もお配りしております。こちらは本日審議対象ではありませんけれども、前回の検討会で濃度基準値が了承された25物質について、一覧表を添付しております。濃度基準値は前回既にご了承いただいております。この表の右側にも一部の物質について測定方法が入っておりますけれども、本日後半の測定方法の審議の中でご審議いただく予定です。審議の結果、測定方法も了承いただいたものについて、最終的に濃度基準値を設定することにさせていただきます。
○城内座長  議題2について事務局からご連絡等お願いします。
○環境改善・ばく露対策室長  それでは、議題2「濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について」に入る前に、ばく露防止対策に関する事項欄に掲載の先生方の入室がありますので、一旦休憩を挟ませていただきたいと思います。
 時間ですが、午後3時から再開とさせていただきますので、それまでに着席いただきますようお願いいたします。
 事務局から以上です。
     (暫時休憩)
○城内座長  では、議事を再開したいと思います。
○化学物質対策課長  失礼いたします。議事に入ります前に、先ほどりん酸トリ-n-ブチルのところで、宮本先生からご質問いただいた200ppmと0.5ppmの違いをラットに関するものですとご説明したのですが、正確には200ppmは餌に含まれているりん酸トリ-n-ブチルの濃度ということで、吸入する濃度とは違うということで、それを吸入に戻すと9mg/kg bw/日から0.5ppmになるということですので、こういった点が分かるようにもう一回修正したいと思います。
○城内座長  ありがとうございました。
 それでは、議事を再開いたします。前半と後半で出席委員に入れ替わりもありますので、初めに事務局から留意事項等の説明をお願いします。
○環境改善・ばく露対策室長  それでは、改めて留意事項等を説明いたします。
 本日は、会場とオンラインの併用で開催しております。会場参加の皆様は、ご発言の際に必ずマイクを使用していただきますようお願いいたします。オンライン参加の先生におかれましては、周囲の音を拾ってしまうことがありますので、ご発言される場合を除きまして、マイクをミュート、オフに設定していただきますようお願いいたしますとともに、ご発言の際にあらかじめチャットでご発言の旨を入れていただくか、またはお名前を名乗っていただき、座長の指名を受けてからご発言いただきますようお願いいたします。
 なお、議事録を作成し、後日公表いたしますので、ご承知おきください。
 事務局から以上です。
○城内座長  それでは、事務局から資料の確認をお願いします。
○環境改善・ばく露対策室長  それでは、資料の確認をさせていただきます。資料ですが、議事次第と配付資料一覧、資料は前半を含めまして資料1から資料6-2まで、参考資料は参考1から参考6までを用意しております。
 会場の資料ですが、タブレットに格納しておりますが、検討対象物質の一覧の資料4-2は印刷した資料も配付しております。会場にお越しの皆様方におかれましては、資料に抜けなどありませんでしょうか。オンラインで参加いただいている先生方にも資料を事前に送付させていただいておりますが、何かありましたら事務局までお知らせください。
 事務局から以上です。
○城内座長  それでは、後半の議事に入ります。議事の2、濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法について、事務局から資料4-1、4-2の説明をお願いします。
○中央労働衛生専門官  環境改善・ばく露対策室中央労働衛生専門官の早川です。私から説明いたします。
 議事の2、濃度基準値設定対象物質ごとの測定方法につきましては2つに分かれています。前半は令和5年度に濃度基準値を設定する予定の154物質に関しまして、各物質の測定法の提案をするものです。後半につきましては、昨年度、令和4年度の検討会におきまして、濃度基準値を検討し、本年4月に濃度基準値を定めた67物質に関しまして、今後その測定法の詳細をどのようにお示ししていくかについての案をご確認いただければと考えております。
 それでは、令和5年度の濃度基準値設定対象物質に係る測定法について説明します。
 まず資料1をご覧ください。本日、測定法の検討を予定している物質は、右側、測定方法の列に○がついているもので、全部で106物質になります。こちらは、全て今年度新規の検討対象物質でして、昨年度の積み残しとなっている物質の検討は本日ありません。
 続きまして、資料4-1をご覧ください。こちらは、令和5年度の濃度基準値設定対象物質に係る測定法の選定に係る考え方を示したものです。今年度、こういった資料をお示ししていますのも、昨年度の検討対象物質につきましては、国によるリスク評価対象物質ということでしたので、その過程で測定しているというところでして、このため基本的に測定方法の情報があったところです。
 他方、本年度の対象物質につきましては、リスク評価対象物質以外のものとなります。このため、昨年度と異なり、測定法のデータはないため、アメリカやDFGなどの欧米諸外国で決まっている測定方法を確認しまして、当該測定方法が妥当かどうか評価、検証を行い、それらを取り入れるか否かについての判断が必要となります。
 例えばOSHAメソッドなどの公に定められているものがあるものについては、そのまま取り入れることが可能かどうか確認していくというところです。そういったものがないものについては、文献ということでしたら例えば疫学調査等をするときに実際に測定したりするかと思いますので、そのような場合は測定方法について調査結果に詳しく記載があるかと思いますので、そういった文献を引用することを考えています。
 また、文献でも情報が不十分だというものにつきましては、関係機関等と連携して検証するものなどもあります。こういった調査や検討に時間を要するものについては、本日の検討対象とはなっておりません。
 令和5年度検討対象物質については、今ご説明させていただきましたような事情がありますので、参考資料2-1、第1回検討会で説明させていただきましたが、安全衛生総合研究所に設置する専門家会議にひもづく形で、本年度、測定法ワーキングを新設していまして、そちらで測定法の選定に関する議論をしていると。
 その判断の基準が今お手元にあります資料4-1になります。具体的には、資料4-1のbに示す4つの項目を満たすか否かを基本として、物質ごとに確認しています。4つの項目としましては、1つ目が測定範囲について濃度基準値の10分の1から2倍の範囲が測定できること、2つ目、濃度基準値の10分の1の濃度で捕集剤からの脱着率や回収率が75%より良好であること、③、冷蔵時の保存安定性が90%を超えること、④、濃度基準値の2倍で破過しないことになります。
 これら4つの項目のうち3項目ない4項目について、定量的なデータがあるものについては、その方法は基本的に○として、測定方法を取り入れてはどうかと判断しています。
 なお、今ご説明しました4つの観点について、必ずしも定量的なデータがそろわない物質もあります。そういう場合、定量データが不足していても、同様の測定方法を用いる他の物質において、測定法の検証がされている場合や、測定法の検証実験が行われるような場合には、コメントを付すなどして○として採用するとしています。
 また、d以降の記載につきましては、細部事項になっていますけれども、例えばdにつきましては現行の作業環境測定では実施されていない方法ですが、実施そのものは不可能ではないというところで、今回そういったものも取り入れるとして○として採用することとしています。
 また、e、f、gにつきましても記載のとおりですが、こういったものも取り入れる形で考えております。
 最後、hですけれども、試料の保存安定性につきましても、測定してから何日か経過すると風化してなくなってしまうというようなものですが、こういった点につきましても定量的なデータがないものについてもコメントを付すなどして、取り入れるという方向性で進めてきています。
 資料4-1につきまして説明は以上でして、続きまして資料4-2をご覧ください。ただいま説明した資料4-1の考え方に基づいて、今回提案する106物質につきまして検討した結果が資料4-2です。こちらはお手元に紙でも配付しています。
 今回提案する106物質につきまして一覧で並べているものでして、資料4-2の見方ですけれども、左から4列目、測定範囲から7列目の破過の項目までが先ほどの資料4-1のbに当たる4つの項目の評価結果です。例えば1行目、項番5のパラチオンに関しては、bの4つの項目の評価はいずれも○というところでして、9列目の総合評価も○となっています。これを踏まえ10列目の提案する測定方法の欄には、(ろ過+固体)捕集-ガスクロマトグラフ分析方法として測定方法を提案しています。
 また、資料4-1で定量的なデータが必ずしもそろわない場合についての考え方をご説明したところですけれども、例えば5ページ目の項番70の無水酢酸をご覧いただきますと、4つの項目について例えばデータがないということでNDが入っているものにつきましても、右側の備考にコメントを入れるような形で、実際の実用上の判断としては○として採用してはどうかとご提案しています。
 見方については以上です。
 それでは、対象物質それぞれの測定方法について説明いたします。今回、全部で106物質でして、この106物質を色で3つのグループに分けています。表の3列目の物質名称の項目を黄色、オレンジ、緑の3色に網かけした資料としています。
 まず、1枚目にあります黄色に網かけをしている項番5のパラチオンから8ページ目の項番153、ジプロピレングリコールメチルエーテルまでの64物質につきましては、提案する測定方法としては全てガスクロマトグラフ分析方法として提案しています。
 次の行の8ページ目の項番8のアミトロールから10ページ目の項番147、二酸化窒素までの26物質につきましてはオレンジでまとめておりまして、こちらは高速液体クロマトグラフ分析方法、一部はイオンクロマトグラフ分析方法として提案しています。
 最後に、11ページからの項番105の塩化トリフェニルスズ以降から12ページの項番151のジブチルスズビスまでの16物質につきましては、さきの2つの分析方法でのグルーピングではなく、物質そのものに着目し金属類としてまとめて提案しています。こちらは、提案する測定方法としましては、高速液体クロマトグラフ分析方法やガスクロマトグラフ分析方法、あるいは原子吸光、X線回折や紫外可視分光、その他誘導プラズマなど提案していまして、これらは通常の作業環境測定でも使われているものとなります。
 今回、こういったものでそれぞれ測定できますというところで、106物質につきましてそれぞれの測定法の案を示しています。
 106物質の説明については以上でして、令和5年度の濃度基準値設定候補物質に関わる測定法についての資料4-1及び4-2は以上です。
 また、本日説明していません154物質のうちの残りの48物質については、一部検討やさらなる調査が必要だというところもありまして、その結果が出次第、次回以降の検討会で案を示したいと考えております。これら大きく3グループに分けて説明させていただきましたが、106物質の測定法について確認をお願いいたします。
○城内座長  ご説明ありがとうございました。それでは、個別物質ごとの結論の確認をいたします。
 ただいま事務局が説明したガスクロマトグラフ分析法の黄色の色づけのところで測定できるのではないかと提案のあった物質について、ご質問やご意見がありましたらお願いしたいのですが、結構大変ですよね。どのように進めていけばよろしいでしょうか。分析の先生方は皆さんご存じだと思うのですが、この場でご意見等をさらに頂ければと思いますが、いかがでしょうか。保利委員、お願いいたします。
○保利委員  資料4-1に①から④まで項目があるのですけれども、OELの10分の1から2倍ということで、ある程度妥当だと思います。作業環境測定の場合は必ず10分の1必要ですけれども、濃度基準値対象物質の場合は超えないかが分かればいいのです。物によっては、リスクアセスメントの場合は95%という話になりますけれども、望ましいというやり方をしているので、絶対に10分の1をクリアしないとだめとは言えないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○城内座長  いかがでしょうか。
○化学物質対策課長  ありがとうございます。そういったご議論があるのは承知しておりまして、現在ペンディングになっているものにつきましては、そういったもので検討できるかどうかということは別途検討しているのですが、まずは10分の1でクリアしたものを、本日ご提案しているということです。小野先生、何か付け加えることはありますか。
○小野委員  おっしゃるとおりで、範囲が合っている、合っていないというのが、サンプリング時間が違えば当然違いますし、標準溶液でもともとは書いてあって、それを換算してということになるので、この表は手分けしながら作っているのですけれども、本当に○なのか△なのか、書き方に不安を持ちながらやっています。
 実際に測定する際には、皆さんご自身で検量線を作って、その上で実験なさると思いますので、多分この辺りは測れますよという感じで、10%が無理なときは半分ぐらいから測れますなど、これから出てくるものについてはそういう注意書きを書きながら書いていくことになると思います。
 例えば破過のところを見ていただいても、NIOSHの試験はこの捕集量で計算したらこうなりましたというのしか出ていないので、そういう点はお含み置きいただいてという形で表をまとめたいと思っております。
 あとはコメントの備考欄にいろいろ書いていくという形になると思うのですが、その辺はご了承いただければと思います。
○保利委員  NIOSHもこのとおり計算すると、10分の1をクリアしていないのが結構ありますよね。だからそこのところが分かるようにしてもらえればいいかと思います。
○小野委員  ありがとうございます。
○城内座長  鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋委員  捕集剤のところで、一般名で書いてあるのと製品名で書いてあるのがあって、これは表なので情報量が少ないのだと思うのです。例えば硫酸含浸フィルターというと含浸の情報などもありますし、逆に商品名で書いてあるほうは、この商品名だと確実に分析できるけれども、例えば活性炭なら活性炭で商品名が決まれば、何か添着してあるから、それなら分析できる等、コンパクトにまとめたいのは分かるのですが、この表とは別に個別の物質のマニュアルについては丁寧な記述が情報として得られるというかという確認ですけれども、よろしいのでしょうか。
○化学物質対策課長  ありがとうございます。ご指摘のとおり、一般名と商品名が入り交じっている状態でして、きょうのご議論の目的としては、何らか測れるのであれば○をつけるという趣旨です。
 あとご指摘のとおり、実際測る人がどういうやり方をすればいいのかお示しするのは次の議題でして、令和4年度物質についてはある程度個票をお示しすることにしていますので、令和5年度物質につきましてそういった個票を示していこうということでして、そういった中で先ほどのコメントについては対応していくのかなと考えております。小野さん、何か追加ありますか。
○小野委員  それで結構です。表なのでなるべく簡単にしていたのですけれども、簡単過ぎて分からないといけないなというので、一般名を加えてしまったのもあるということで、後ほどお示しいただける個票でまたご意見を頂ければと思います。
○城内座長  大前委員、お願いします。
○大前委員  大前です。捕集法を今ぱっと見ているのですけれども、パッシブサンプラーのようなものはここにないような気がするのですが、これはどうなのですか。
○小野委員  パッシブもあります。実はそれをやっていくと、各物質が4行、あるいは5行になってきて、それを全部この表でまとめるのはどうしようかというのがあって、取りあえずは普通のアクティブサンプラーを書いています。そちらでほかにも方法がありますという形で記載する方法がありますけれども、表の一覧にそれが出ているほうがよろしいというご意見があれば、そちらにも書いていくようにいたします。
 ただ、いろいろな物質にいくつかの方法がもちろんあります。それをどういう形で皆さんにお示しするのが一番分かりやすいのか。表形式ではなくて、職場の安全サイトみたいに化学物質をクリックしたら、そこから方法が4つ出てくるなど、そういう形にするのは皆さんにこの表の形でお示しする時点で難しかったので、代表的な方法だけを書き出しております。
 また、見せ方については次の議題以降でご相談することになるかと思います。
○大前委員  もう一点、やはり捕集法で捕集流量が0.01L/min、12L/min、1分間に10ccなんて非常に低いのがあるのですけれども、そのくらいコントロールできるようなポンプはあるのですか。
○小野委員  10ぐらいまではぎりぎりあると思います。ほとんどがクロロフルオロメタンというフロン関係で、なかなか吸着捕集が難しいので、スピードを上げるとすぐ破過してしまうので、いっそ全部キャニスターなどに置き換えてしまってはどうかという気持ちもあるのですけれども、一応今までどおりの方法がないわけではないということでお示ししております。
○城内座長  宮内委員、お願いします。
○宮内委員  測定する方自身から見ると、多分保存の状態を最初にきちんと把握して、いつ分析するか計画を立てると思うのです。そういう面で言うと、この情報の中の保存安定性が非常に重要かと思っていまして、90%以上は担保できているということなのですが、恐らく5日間ぐらいの保存試験のデータかと思うのですけれども、そういう補足も書いていただけると分析法として選択の参考になるかと思いました。
 あとは破過も8時間だと思いますけれども、実際は4時間で2回、午前、午後で行うという方法になる可能性もあるので、コメントで良いのでぜひ何時間のサンプリングでこのぐらい破過が起きなかったという形の表現にしていただけると、使う立場としては助かると思いました。
○化学物質対策課長  ありがとうございます。保存安定性につきましては、データがそもそもないものが実はかなりありまして、そういったものにつきましても測定後できるだけ速やかに分析してくださいというコメントをつけているという形にしております。保存安定性のデータがないものを全部だめにしてしまいますと、非常に数が減ってしまうということと、いざとなればとにかく急いで分析すればできてしまうということがありますので、保存安定性につきましてはそういった判断でやっております。
 それから、破過につきましても、先ほど小野委員からもご説明ありましたように、計算だけでやっているものもありますし、明示的に何時間で破過というデータがあるものばかりではないので、そういった参考文献のようなものは個票をつくるときにお示しできればと考えておりますが、最終的には試行錯誤のところはあるかと思っております。小野さん、何か追加することはありますか。
○小野委員  皆様ご承知のとおり、リスク評価というのは20年かけてあのぐらいの物質しか測定法を確定できませんでした。今ここにある150物質、去年からの分を入れて200物質を、これからそういうデータを全部採るとなるとまた10年、20年かかってしまいますので、少なくとも今あるデータをお示しすること。あと2段で捕集するときには、必ず分けて測定していただいて、2段目に破過していないかどうかを確認してみていただくなど、そういう細かいテクニックはさらに付録や参考資料という形で、個票のほかに追加していく方法もあるかと考えております。ご意見ありがとうございました。
○城内座長  鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋委員  個別事案で恐縮なのですけれども、最後のページの下から3行目、三塩化リンで、今、目の子で見た限りこれだけだと思うのです。個人ばく露で液体捕集というのは、それ以外方法がない場合は仕方がない場合もあると思うのですけれども、基本的にほかの方法があるのであれば、液体捕集はやはり危ないので、作業者に液体があるものをつけない方法があれば、さらに探すなりの検討をしていただければと思います。これは意見です。
○化学物質対策課長  ご意見ありがとうございます。基本的にはご指摘のとおりでありつつも、特にアメリカなどでは液体捕集を割に気軽に個人ばく露測定で使っているという実態もありまして、液体捕集がだめだということになってしまいますと、現場で非常に簡便な液体捕集法があるのに、非常に複雑な固体捕集法にしなければいけないということになりかねないところもありますので、安全性に配慮しつつどこまでできるかということは検討させていただきたいと思います。
○城内座長  大前委員、どうぞ。
○大前委員  資料4-1のeにはガスクロの検出器のことが書いてあって、MSを使う場合は自分でやりなさいということが書いてあるのですけれども、液クロでも同じことが言えますよね。液クロに関しましてここにコメントがないのは何か理由があるのですか。
○小野委員  小野です。特にありませんが、実は液体クロマトグラフィが今まで作業環境測定であまり使われていません。基本的にはUVとイソシアネートの蛍光などで、質量分析計は全く使っていませんので、そういう意味では質量分析計に置き換えるときにはご自身でどうぞと書いておいたほうがいいかもしれないです。ありがとうございます。
○化学物質対策課長  こちらeについては、ご指摘のとおりガスクロだけに例示しているのですけれども、質量分析計に置き換える場合で一般的に書いているつもりですので、その辺りはもう少し読めるようにしたいと思います。
○城内座長  黄色いところで始まったのですけれども、緑のところまで話が行っていますので、どこからでもいいのですが、資料の4-2につきましてご意見等ございましたらお願いいたします。
○小野委員  小野ですが、一応この形で出していますけれども、私の心が弱くて○が多くなっていたりするので、もしかすると・・・という心配を心の中に持ちながら提案させていただいております。
 特に気になる物質等ございましたら、今ここで全部決めるというのは難しいのかもしれませんけれども、個票についてもまだこれから決めなければいけないところもありますので、事務局にどのぐらいの時間的な余裕があるのかと、どこまで詰めなければいけないのかということを考えて、ここで○を全部確定としてしまうのも不安があります。濃度基準値が決まってから改めてもう一度、全部10分の1から2倍までカバーしているかなど、再計算が全部終わっていない部分もありますので、ご意見を頂けたらと思います。
○城内座長  事務局、お願いします。
○化学物質対策課長  ありがとうございます。こちらにつきましては、この資料そのものの目的としては、最低限何らかの方法で測れることができるかどうかという意味で○かそうではないかというのでつけておりますので、実際にもっと測りやすい方法があるのではないか、もっと分かりやすい複数の方法があるのではないかといったものについては、実際の測り方を示すような個票を作成するときにお示しする予定にしております。令和5年度分の個票をいつつくるかということにつきましては、令和5年度で決めた物質は基本的に今年度末か来年度頭に告示されて、そこからおおむね1年後に施行されるということになりますので、その間に個票を整えればいいというのが、最低限のスケジュール感となります。もちろんそれより前に越したことはないのですけれども。
 あと濃度基準値がきちんと決まった上で再評価が必要であるというものにつきましては当然そのとおりですので、そちらにつきましては最終回、あるいは最終回の前あたりに濃度基準値が全部出そろったところでもう一回検証させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
○小野委員  ありがとうございました。
○城内座長  保利委員、お願いします。
○保利委員  7ページの143番の灯油があるのですけれども、これは全ての成分のトータルで測るという感じなのですか。灯油はいろいろな物質が入っていますよね。
○小野委員  ○をつけてしまってから困ったと思っているところの1つなのですけれども、要するに標準品がないということですよね。基本的には炭素鎖の何個から何個までのピークを足し合わせて、そのときに使っていたものと比較する形で決めていくというやり方なのですが、それが本当に実際的に運用できるのかどうかについては、測定法としては○なのですけれども、実際上本当にそうであるか、できるかどうか、測らなくてもマスクをしてしまえばいいよねという形で行くのか、その辺については現実的に灯油を使っている方がどういう対応をなさるか。測るとすればその方法があります、標準品はこうしないとできないです、という形をお示しするとご理解いただければと思います。
○城内座長  宮本委員、どうぞ。
○宮本委員  また質問になってしまってすみません。脱着溶液等、たくさん書いてあるのですが、分析者はこういう物質にばく露される可能性はあるのですか。
○小野委員  あります。
○宮本委員  そうすると結構危険なもの、第1種有機溶剤や特定化学物質等も入っているので、そうなると分析対象者は現行法の特別則の管理対象、健診対象ということになってくるのですか。
○小野委員  はい、そうです。少なくともうちの研究所では対象になっております。
○宮本委員  第1種有機溶剤など、化学物質のかなり危険なものも名称として見えるのですが、それも……
○小野委員  二硫化炭素やジクロロメタンというのは大変物をよく溶かしますので、どうしても使わざるを得なくて、それが嫌でガスクロではなく液クロの方法に置き換えているという分析会社さんもあったりします。
○宮本委員  ぜひ分析者がばく露されるので危険だよということはどこかに書いていただいて、リスクアセスメントをきちんとやってください、というのも要るのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○化学物質対策課長  ご指摘のとおりでして、作業環境測定でも既にそうなっているのですけれども、どういう形か分かりませんが、そういう注意喚起は何らかの形でしたいと思います。
○城内座長  鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋委員  これも個票で情報が得られると思うのですが、当然物質量が多いので、大量の文献から分析法をやった結果として、文献上は分析できるけれども、先ほどの質問の繰り返しになって恐縮なのです。特に固体捕集の捕集剤やガスクロのカラムについては、種類がそんなにないので同等品は多分手に入ると思うのですけれども、液クロや、さらに言うとイオンクロのカラムなどに至っては、結局分析法があるという情報があったとしても、製品の固有名詞までの情報は必要で、専門家だったら例えば(マニュアルの元文献が)15~16年前の分析法だったら今の製品に使えばいいというのは分かると思うのです。もしかして分析可能であっても、発表された文献とそれを使おうとなると、情報を補ってあげないと液クロを専門にやっている人、あるいは固体捕集の詳しい人でないと、この製品は今手に入らないけれども、どうしようと迷う場面も出るのではないかということを危惧するのですが、どうですか。
○城内座長  小野委員、お願いします。
○小野委員  1点、先ほどの宮本委員からの件については、アメリカのNIOSHから出ている測定法には必ずこういう物質を使っているので注意をしてくださいと書いた形で個票のもう少し大きいものが出ておりますので、先ほど化学物質対策課長からもお話がありましたけれども、何らかの対応は可能かと思います。
 鷹屋委員なのですけれども、おっしゃることは分かります。一部の物質については、液クロの、順相を逆相に置き換えるといったことについては検討した上で置き換えをやっております。うちの研究所でもガスクロより安全、安定な方法があればそれに置き換えることができるかどうかということでデータを採ったりしております。
 ただ、おっしゃるとおり物質数が数百となって、その中で全部のカラムについての置き換え情報まで提供できるかと言われると、今のワーキンググループはそういうことで作っておりませんので、そういう情報を収集して何らかのことを行う組織をつくるなど、データをフィードバックしてもらって、今これは使えないからこうすべきではないかというのをもらう形で運用しない限りは、誰かがそのサポートを全部するというのはあまり現実的ではないように私自身は思っています。
○城内座長  事務局、お願いします。
○化学物質対策課長  コメントありがとうございます。小野委員のご指摘のとおり、どうしても試行錯誤でして、こうすればうまくいくという情報を測定機関同士でやりとりするといったことは、多分、今後必要になってくると思います。と申しますのは、作業環境測定のように作業環境測定基準以外の方法で分析してはいけないということにはしない予定ですので、同業者の中での情報交換が円滑にできるような仕組みも必要ではないかと考えております。
○城内座長  そのほかご意見等ありませんでしょうか。
 私の役目がこの方法でいいですかと聞いてくださいとなっているのですけれども、話を聞いてそういう状況ではないと思いました。原則この形で進めていくのだけれども、この測定方法にしますと決めないほうが良いと思うのですが、皆さんいかがですか。事務局、どうですか。
○化学物質対策課長  決めるといいますか、先ほど申し上げました作業環境測定基準のように、これでなければならないという法令の制度になっておりませんので、技術上の指針で標準的な方法としてお示しするというものを本日お諮りしております。
 本日の趣旨はもう一段低くて、とにかくいずれかの方法で測れるものであれば濃度基準値をつくろうという発想ですので、ここで決めたものでなければいけないということではなくて、あくまで標準的なものをお示しするということと、もう一点は濃度基準値の観点から何らかの方法で測定できるというところが合意できればいいという趣旨です。
○城内座長  ありがとうございます。ということなので、委員の皆さん、いかがでしょう。きょうは取りあえずこれで進んでいいでしょうということにしていただいて、次回以降さらに審議するということになると思いますが、ご意見等ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事の2はここまでにしまして、続いて別の議題に入りたいのですが、事務局から何かありますか。それでよろしいですか。資料5に移ってよろしいですか。
 では、続いて資料5-1から5-3の説明をお願いしたいと思います。
○中央労働衛生専門官  環境改善・ばく露対策室の早川です。私から資料5-1から5-3につきまして説明いたします。
 こちらは今し方資料4-1、4-2の議論の中でも少し意見がありましたけれども、令和4年度に濃度基準値を定めた67物質につきまして、測定法の詳細をどのようにお示ししていくのかという点につきまして、情報の粒度や情報量につきまして今回お示しする案をご確認いただきたいと考えております。
 といいますのも、さきに策定しました技術上の指針にてお示ししている測定法ですけれども、例えば、試料採取方法は固体捕集方法、また、分析方法はガスクロマトグラフ分析方法という情報のみをお示ししているところです。事業場におきまして実際に測定していくに当たりまして、もう少し情報を示してほしいという声もありましたので、どういった粒度で情報をお示ししていくのがよいかという点につきましてご確認をお願いできればと思います。
 具体的に資料5-1ですけれども、一覧表はさきに定めた67物質につきまして一部抜けているところもありますが、それぞれの物質に対する文献のリストです。例えば1行目のアセチルサリチル酸ですけれども、これであれば捕集分析法はろ過捕集、分析方法は液体クロマトグラフと書いておりまして、これにつきまして文献を右側に記載しております。
 続きまして、資料5-2をご覧いただければと思います。本日皆様に確認いただきたい、ご意見を頂きたいものとしましては、各物質の測定方法の詳細の示し方について、今後個別物質ごとに資料5-2のような形で示してはどうかと考えております。
 本日は、サンプルとして67物質全てではなくて、先ほどの資料5-1の1列目にありましたアセチルサリチル酸を例としてまずは個票を作成しております。こちらの個票ですけれども、例えば測定方法の詳細としましては、サンプラーはガラス繊維ろ紙、捕集流量は1分間当たり2リットル、捕集時間は10分以上などの情報を示しまして、また前処理や測定機器についても記載のとおりお示ししまして、こういった形でやや細かいものをお示しするのはどうかと考えております。
 また、資料5-2を作成するに当たって、資料5-3を元に作成しております。資料5-3の一番最後の28ページですけれども、別添4、標準測定分析法ですが、こちらに細かな測定方法の記載があります。
 なお、この測定方法の記載はあくまでも一例でして、この方法であればもちろん測定は可能ですけれども、この測定方法以外でも測定できるというところでして、そのためこの方法のみに測定方法を限定する必要まではないという考えもありまして、細かな記載からある程度の粒度を落として、先ほど説明しました資料5-2を作成し、資料5-2の参考文献として資料5-3をお示しして、参考文献を適宜見ながら具体的な方法を測定機関等で考えていただくことができるのではないかと考えております。
 今回は先ほど申し上げましたように、アセチルサリチル酸を例に個票の案を作成しているところですが、こちらの5-2のフォーマットにて過不足なく情報を示すことができているかを確認いただきまして、現場で測定のプロの方が個票を見て、必要に応じて参考文献を確認しながら測定が実施できるのかという点につきまして委員の皆様方のご確認を頂きたいと考えております。本日の議論を踏まえて、次回以降の検討会におきまして67物質の個票をお示ししていきたいと考えております。
 資料5-1から5-3の説明は以上です。ご確認をお願いいたします。
○城内座長  説明ありがとうございました。資料5-1から5-3、1つだけでも圧倒されそうですけれども、今後全ての物質について作っていくことは大変だと思いますが、皆さん、資料5-1から5-3をご覧いただいてご意見等ございましたらお願いいたします。保利委員、お願いします。
○保利委員  大変だと思いますけれども、資料5-2の中に定量下限を入れてもらったほうがいいかと思うのです。というのは、備考に濃度基準値の10分の1は定量下限を満たさないのでと書いてありますけれども、どのくらいなのかという目安として、詳しいところを見ればいいのでしょうが、定量下限ぐらいまでは入れておいてもらったほうがいいかと思います。
○城内座長  そのほか。山室委員、お願いします。
○山室委員  資料5-2だけですと分析まではやり切れないと思います。測定方法と書かれてしまっているので、これだけで測定できるような錯覚をする方がいらっしゃるのではないかと思います。ですから、これは測定方法概要か、またはそのくらいのことをつけておいたほうがいいのではないかと思います。実際は資料5-3の一番最後のページを見ないと分析できないといった書き方がいいのではないかと思います。
○城内座長  宮内委員、お願いいたします。
○宮内委員  同様の質問だったのですけれども、例えば総粉じんという言い方をしていますが、ISOでいうインハラブルのことをいうのか、従来からやっている面速で行うのか、レスピラブル以外をいうのか、いろいろな概念があると思うのです。作業環境測定士の場合はまた違う意味で総粉じんを採るかもしれませんので、出す以上はどこかで言葉の定義をしっかりしておいたほうがいいかと。今おっしゃるようにこれで全部できるわけではないというので、個別で見て参照してくださいということと同じ意見なのです。ただ、これは非常に分かりやすいですし、ぜひこれを作っていただくと助かるかと。相当大変な作業だと思うのですけれども、よろしくお願いします。
○城内座長  尾崎委員、お願いします。
○尾崎委員  ありがとうございます。分析条件を提供する書き方ですけれども、やはり資料5-2の1枚目だけだと分析条件にたどり着くのに時間がかかるので、できたら別添4を全面に押し出していただきたいと思います。
 というのは、分析に関しては分析条件を探索するには非常に時間が掛かります。時間はお金に変わってしまうので、ここに至るまでにコストが発生してしまいます。それが製造原価、すなわち分析単価に反映してしまうということを考慮していただきたいと思います。お願いいたします。
○城内座長  鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋委員  今の意見に私も賛成で、資料5-3の別添4は商品名が書いてあるので、国が出す資料としてもしかして出しにくいのかもしれませんけれども、このスタイルはNIOSHマニュアルの1ページ目の資料と全く同じ形で、NIOSHマニュアルは国の機関のマニュアルなのですが、全て商品名が書いてあります。というのは、先ほどから言っていますように、商品名が書いていないと分析法を書いていないのと同じで、本当に詳しい人だったら同等品を選べるかもしれませんが、今、尾崎さんがおっしゃったように同じものを見つけるということだけでも相当な手間と時間がかかるので、基本的には一番標準的なものに関して、しかも現実にこれで評価した等、元の海外の文献から取ってきたという根拠があるので、そこで個別の商品の型番を書いても問題がないと思います。
 中央労働衛生専門官から粒度がどうかということをご審議いただきたいという意見だったのですけれども、私は資料5-3のここまでの情報を入れるのが適切だと思います。
○城内座長  ここまでのところで事務局から何かご意見ありますか。
○化学物質対策課長  ありがとうございます。定量下限値につきましては、今回お示ししているものの中で原則として10分の1まで測れるという前提になっているので、そこで定量下限を入れる意味合いがよく分からないのですが。
○保利委員  資料5-2で備考に捕集時間が短ければ濃度基準値の10分の1は定量下限を満たさないと書いてあるので、どのくらいだったらいいのかというところはこのページだけでは分からないと。
○化学物質対策課長  定量下限値は結果的に出てくるもので、定量下限値と書いてしまうとそれを満たさないとだめだと取られる可能性があるのです。
○保利委員  大体どのくらいかなというところが……
○化学物質対策課長  大体といったら10分の1測れるようにということで示すので、それが10SDなのか3SDなのかという話もありますし、示してしまうと測定機関を拘束することにもなりかねないのです。こちらはそういうデメリットも含めて検討させていただきたいと思います。
 あと山室委員からのご指摘、概要とすべきだというのはそのように直したいと思います。
 宮内委員からインハラブルの定義を入れてほしいというのもありましたが、日本では作業環境測定には伝統的にインハラブルのサンプラーは使っていないという伝統があって、全部レスピラブルしかやっていないと。そういう意味でレスピラブルかそれ以外、総粉じんかというざっくりした区別しかないもので、そこにインハラブルをどう入れるか難しい問題がありまして、そういったところについて検討させていただきたいと思います。
 あと尾崎委員と鷹屋委員からのご指摘で、別添4ぐらいのレベルが必要なのではないかというところについては両論ありまして、示されるとほかのものができないのではないかと考える方もおられるのと、別添4はOSHA法などを参考に試行錯誤というかやってみたということで、果たしてベストなものかも分からないと。取りあえずこれで測れるのは確かなのですけれども、もっといい方法があるかもしれないというものなので、そういったものまで示せというと、書く人間に非常に負担がかかるので、そこはある程度粒度を下げた上で、文献を見て自分で決めてくださいとある程度自己責任的なものにしたいというのは事務局の中にありまして、そちらにつきましてはご議論いただければと思います。
 小野さん、何かありますでしょうか。
○小野委員  小野です。保利委員から頂いた定量下限については、今4時間サンプリングでこのぐらいの範囲という数字を出すのが一番分かりやすいのではないかという話はしています。ただ、破過するので4時間サンプリングできないものがあったりするので全部を計算して作っていかないといけないので、お時間をいただければ、という状態です。
 あとは何で5-2があるのかという話で、最初はリスク評価書の28ページを参照する形になっていますけれども、28ページの測定方法という細かいほうを1ページだけ切り出して、それを測定方法としてリンクさせる。職場の安全サイトではなく、うちでつくるポータルの中にそれを全部入れておいて、測定方法にリンクできるという形を考えております。そうしないとリスク評価書で違うものだと思って、最後まで見ない人が出てきたりするので、それは考えています。
 ただ、あくまでもリスク評価書でこういうことをやりましたという証拠品なので、ワーキングの委員からはこの方法でやりましたと言えるような表紙が欲しいというご意見があったのです。実際に測定するときに厚生労働省の1050番でやりましたなど、そういうものをつくるために5-2という中身の少ないものを作っています。5-2しか見ないと分析できません。5-2と5-4、職場の安全サイトの測定方法をまとめた形で出せるのかどうか。表には番号が書いてあって、簡単な液クロ法ですよと書いてあって、ひっくり返すと個票になるといったほうが実際には別々のサイトに行くよりは使いやすいのかなと思っております。
 今お見せしているアセチルサリチル酸がそもそもそうなのですけれども、サンプラーと書きながらろ紙しか書いていなくて、どうやってサンプリングするのか分からないという状態になっています。要するに総粉じんというのは古い定義になります。1980年代に出たISOに示されるインハラブル(I)とソラシック(T)とレスピラブル(R)しかない状態になっています。ACGIHも全ての物質についてIかRかTにするという活動が少しずつ動いていて、第5版のメソッドの中ではサンプリング法もかなり細かくなっていまして、個票の中にどのサンプラーを使って、サンプラー内側もきれいに洗うといったことまで全部表現するようになってきています。それをしないと正確に測れないことになります。
 ただ、今、日本の国の管理濃度も濃度基準値もそこには踏み込んでいないので、総粉じんはインハラブル粒子よりも小さいので、小さい値で決めたものを大きな粒子まで測るIOMサンプラーで測ると高めに見積もって、会社がより厳しい対策を求められるのではないかという意見も出てこないとも限らないです。ただ、逆に安全面を考えると、インハラブルで測定しておかないと、作業者の安全が守れないというところになってくるのかなと今思っています。
 あと総粉じんの個人サンプラーとして使いやすいものが今、日本にあるのかどうか。化学分析に適したものがあまりないような気がしているので、そういう面ではIOMやボタンサンプラーのようなインハラブルのサンプラーのほうが使いやすいので、こういうものを使うのですよと書いておきつつ、それでは測りたくないという人は、そのサンプラーを使わなければ良いと思うのです。そのような形で対処するしかないのかなと思っていますので、その辺の書きぶりについてもご意見を頂けたらと思います。
 あと濃度基準値にも関連してきますので、事務局からもご意見を頂けるとありがたいと思います。
○城内座長  そのほか今のご意見の続きで何かありますでしょうか。尾崎委員、お願いします。
○尾崎委員  また先ほどの別添4にこだわりたいのですけれども、製造課長の立場の経験者で言うと、やはり新銘柄、新製品が工場に上がってきた場合、開発担当者は作業環境のところまでは面倒を見ません。初めて試作するときは、原料の物質や物性を全部集めて、いつ試作をやり、いつ分析を出して、いつお客様に持っていくという大まかな流れが決まっています。だけれども、開発は作業環境には全く無頓着で、そういうのは全部製造現場に任されるという形になります。
 となると、製造が環境分析できるところを探して、段取りをつけていくわけです。分析の方法ができていないとなると、ずっと試作待ちの状態になってしまうという形になります。そうすると何が起こるかというと、営業からいつ試作品を作ってくれるのだという要求が来ることになります。
 段取りが遅れるということは、結局会社の機会損失を逸するということになりますので、既に別添4のやり方が分かっているのであればこれを全面に出していただいて、日本の化学産業をもう少し楽にしていただきたいと考えています。
○城内座長  そのほかありますでしょうか。大前委員、お願いします。
○大前委員  大前です。資料5-2なのですけれども、捕集時間が10分以上とあります。これは作業環境測定の数字だと思うのですけれども、今回はばく露を測るので、捕集時間というのはばく露時間なのではないですか。10分という限定を入れてしまうと10分しか測らない可能性があるので、ここは直したほうが良いと思うのです。
○小野委員  リスク評価のときのものを持ってきてしまったので、リスク評価は作業環境測定と個人ばく露と両方できるようにということで、たまたまエクセルから差し込み印刷したら10分だったということで、申し訳ございません。その辺は確認して、先ほども申し上げましたけれども、定量限界を4時間という形で、書き方もある程度そろえていきたいと思います。ありがとうございます。
○城内座長  そのほかいかがでしょうか。
 総粉じんやインハラブルの話は、今後結構重要かなと思いますが、事務局としてはどんな印象でしょうか。
○化学物質対策課長  ご案内のとおり、ACGIHもIやR等とついている基準値はごく僅かなのです。それはなぜかというと、文献の中からこれはレスピラブルが鍵となってこういう有害性が出る、これはインハラブルではないかとか、鼻腔であればインハラブルで、肺疾患ならレスピラブルなのでしょうけれども、要するに餌で食わせているケースもあるわけで、すっきりいかないのです。
 そういう意味で、濃度基準値でインハラブルやレスピラブル等、明確に決められないのに、測定方法でそれを限ってしまうのはなかなか難しいところがあるところで、ここは濃度基準値がそこまで踏み込めないのであれば、それに見合った形の測定法にならざるを得ないというところはあります。総粉じんの定義が何なのかなど、そういったところについては明確にできるようにしたいと考えております。
 あと尾崎委員から分析機関を探すところから始まるということでしたが、先ほど小野委員から申し上げましたようにこれはある意味、表紙にすぎず、これに例えばリンクを張って、こういうものがありますよと文献でお示しすることになっておりまして、分析機関であれば十分やれるだろうという前提になっておりますので、そういった形のお示しの仕方で、分析機関がついてこられるレベルの感じで行うのが前提です。そういった意味で先ほど尾崎委員がおっしゃいましたように、要するに分析機関が理解できるようなレベルの参考資料のつけ方は考えていく必要があると思っております。
○城内座長  鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋委員  今、化学物質対策課長から総粉じんとインハラブル、私も粒子状物質の測定の専門家としてここに呼ばれていると思うので、一言ではないかもしれませんが、コメントを言わせていただきますと、総粉じんという用語は、定義が古いだけではなくて誤解を与える言葉だと思います。つまり、トータルである、または総粉じんという語感から、これが(粒子を)全部採っているという印象を持っている方が非常に多いのですけれども、実際には先ほど小野委員からも話がありましたように、インハラブルの方が気中粒子を多く採っています。前に論文を読んだことがあるのですけれども、総粉じんのサンプラーとインハラブルのサンプラーで比べますと、総粉じんのサンプラーが3割程度、ひどい場合4割ぐらい低目に出ます。
 つまり、そこをどう解釈するかで、私自身の考え方としては、今個人ばく露に関して日本が新たに基準値を設けるわけですけれども、世界的に長らく個人ばく露濃度で管理している歴史があって、(各国で)特に総粉じんやインハラブルにこだわっておらず、総粉じんで評価されてきて、特に問題がでていない物質に関して総粉じんで測り続けるということは問題ないと思うのですが、化学物質対策課長がおっしゃるようにそもそも気中粒子の濃度で疫学的なデータがあるわけではなくて、別の方法から外挿しました。外挿したというときは、1995年のISOに従っているのだと思いますけれども、そのISOでは沈降速度が速い100ミクロンの粒子でも、半分は体に入るという標準的な知見を基にあのカーブは決まっているので、試験動物に食べさせたり注射したりして、体に入る量から気中濃度のハザードを推定した場合は、その濃度というのは何かと言うと、インハラブルの濃度に関する規制値を決めているものにほかならないと思います。
 その上で総粉じんで測ると、実際には職場の粒子の出方、気体から出るのか、固体から出るのかによって粒度分布が違いますから、先ほど私が言った3割、4割は特定の職場の文献値なのですけれども、少なくともインハラブルよりも総粉じんのほうが測って出る濃度は低目に出るという事実に関しては、世の中にちゃんと知らしめた上で、実際に測定の手間があって、どのようなサンプラーを採るのかは自律的管理ですから判断に任せるという形があるのかと思います。
 繰り返しになりますけれども、もともと総粉じんとして継続的に海外において許容濃度で測られたものに関して、総粉じんで評価するのがそんなに問題があるとは思いませんが、新たに別の生体影響で呼吸の影響を計算して出したものに関しては、本筋としてインハラブルで評価する。化学物質対策課長がおっしゃったような気道の上で影響が出るからインハラブルということではなくて、体に入ればとにかく健康に影響があるというものであれば、インハラブルで評価するというのが大原則だと思います。
○城内座長  ありがとうございました。そのほか今の点についてコメント等ありますでしょうか。大前委員、お願いします。
○大前委員  教えていただきたいのですけれども、インハラブルと総粉じんの差は、単なる面速の差ではないかと思ったのですが、そういうものでもないのですか。
○鷹屋委員  結局インハラブルのIOMサンプラーで採るのは、浮かんでいる粒子だけではなくて沈降する粒子も含めてですよね。だから現実に面速を合わせれば総粉じんの形でもインハラブルに同等で採れるというわけではないです。だから20~30ミクロンぐらいまで流速を合わせるということで、ある程度浮遊時間が粒子的にあるのですけれども、繰り返しになりますが、インハラブルはご存じのように100ミクロンでもまだ半分採れるという前提ですので、100ミクロンの粒子は沈降速度が結構速いので、現実に化学物質を目の前で扱っている場合は、それくらいの粒子まで体に入るリスクがあるというのがインハラブルのISOの定義や、それを前提でIOM(スコットランドの労働医学研究所)がサンプラーをつくったときの思想はそういうことだと思います。
○城内座長  そのほかありませんでしょうか。事務局からありますか。
○化学物質対策課長  コメントいろいろありがとうございます。いろいろ話が広がっているところですが、本日のご議論を踏まえまして、次回以降、資料5-2にどういった形で書けるかというのは考えたいと思います。
○城内座長  実はまだ議題がありますので先に進みたいのですが、67物質についての分析法は早急にまとめて出していかなければいけない状況ですので、きょうの議論を基に事務局で資料を作っていただいて、さらに検討していかなければならないと思っています。
 続きまして議事の3に入りたいと思います。個人ばく露測定の精度管理についてということで、事務局から資料6-1の説明をお願いいたします。
○環境改善・ばく露対策室長補佐  事務局の小川と申します。資料6-1について説明させていただきます。
 議事の3つ目につきまして、個人ばく露測定の精度管理という形の議論をいただくに当たって、厚生労働省で事業場に対して実態調査のアンケートを実施しまして、その内容をまとめたのが資料6-1となっております。
 資料6-1の1ページ目の(2)の対象事業場をご覧ください。
 まず対象事業場につきましては、令和4年度の特定化学物質健康診断結果報告を提出した事業場のうち、溶接ヒュームに関して提出した事業場が約2万4,500事業場ありまして、これを一定の比率で抽出させていただいたところ、2,600ほどの事業場がありましたので、2,600に対してアンケートを実施したところです。
 現状、回収率としましては約3割で、都道府県によっては回収率が低いところもありますので、今並行して督促等をしているところですので、今回お示しの資料としてはあくまで暫定値という位置づけにさせていただいております。
 次から質問に対してアンケート結果を取りまとめているのですけれども、質問の数も多い関係がありますので、質問に対してポイントとなるところをざっと説明させていただきます。
 まず1つ目の質問につきましては、個人ばく露測定はどのような場合に実施したことがありますかという質問に対しては、約65%が溶接ヒュームの濃度測定のために実施、次に約30%がリスクアセスメントや適切な保護具選択のために実施したという回答があったという結果になっております。
 次に、個人ばく露測定の実績はどのぐらいかという質問に対して、約6割が1件から5件、青色部分の約33%が0件という回答でした。
 次に、実績についてはどのような見通しかという質問に対しては、約5割が「増減なしの見込み」という回答があったところです。
 次に、個人ばく露測定のサンプリングは誰が実施していますかという質問に対して、約97%が測定機関に委託しているという回答があったところです。そのうち約10%が個人サンプリング法に係る登録を受けていない測定機関に委託しているという回答があったところです。
 次の質問としましては、個人サンプリング法の自社測定という表現をアンケート上していますけれども、自社で測定して、かつ個人サンプリング法の登録を受けた測定機関または作業環境測定士に実施させなかった理由を確認したところ、約65%が「作業測定機関又は作業環境測定士でなくても実施できると思った」という回答があったところです。
 次に個人ばく露測定の分析は誰が実施していますかという質問に対して、約98%が測定機関に委託しているという回答があったところです。そのうち自社で測定しているという回答が4件しかなかったのですけれども、その4件のうち約25%、1件が「作業測定機関または作業環境測定士でなくても実施できると思った」という回答があったところです。
 次に、サンプリングまたは分析を測定機関または測定士が実施したと回答した事業者に対しての質問を5ページ目と6ページ目、合計3つ質問しているところです。
 まず1つ目の質問としましては、個人ばく露測定の結果の通知や説明に満足できましたかという質問に対しては、約95%が満足できたという回答があったところです。
 2つ目の質問として、精度の信頼ができるものだったかという質問に対しては、約95%が信頼できると回答があったところです。
 3つ目の質問として、その結果に基づき、リスクアセスメントや呼吸用保護具の選択を行うことができたかという質問に対しては、約97%が「できた」という回答であったところです。
 次の7ページ目、8ページ目の質問については、サンプリングまたは分析を自社で測定して、個人ばく露測定の登録を受けていない測定機関または測定士の資格を有していない者が実施しましたと回答した事業者に対しての質問を3つ行っております。
 まず1つ目の質問として、測定結果の通知に満足できましたかは11件しかなかったのですけれども、そのうち11件とも「満足(理解)できた」という回答があったということと、2つ目の精度の信頼ができるものであったかという質問に対しても、11件とも「信頼できる」または「ある程度信頼できる」という回答があったところです。
 3つ目の質問として、測定結果に基づいてリスクの見積り、呼吸用保護具の選択をできたかという質問に対しても、同じくできたという回答が11件あったというところです。
 その他自由記載で「測定機器等に関する費用が負担になっている」というご意見が一部あったところです。
 次に、個人サンプリング法の精度で、まず個人ばく露測定のうちサンプリングを一定の資格者のみが実施できるという仕組みとする必要があると思いますかという質問に対しては、約86%がサンプリングを「一定の資格者」に実施させる必要があるという回答があったところです。
 その質問に対して必要があると回答した理由を確認したところ、回答が619件あったのですけれども、その回答のうち、約7割が「『一定の資格者』が実施していないデザイン・サンプリングの精度は信頼できないため」という回答があったところで、逆に一定の資格者は必要ないと回答したのが101件あったところですけれども、回答した理由を確認したところ、約4割が「費用がかかるため」、約2割が「自社の労働者で実施可能であるため」という回答などがあったところです。
 次に、同じような質問の個人ばく露測定の次は分析を一定の資格者のみが実施できる仕組みとする必要があるかという質問に対しては、約9割が「一定の資格者」に実施させる必要があるという回答があったところで、必要があると回答した理由を確認したところ、回答が654件回答あり、その回答のうち約7割が「『一定の資格者』が実施していない分析の精度は信頼できないため」という回答があったところで、残り3割が「分析機器があるところでないと分析できないため」という回答があったところです。
 逆にあまり必要がないと回答したのが68件あったのですけれども、約5割が「費用がかかるため」、約2割が「過去に測定機関又は作業環境測定士以外の者に依頼しても、特に支障なかったため」という意見があったところです。
 最後に、全体的な個人ばく露測定に関するご意見で、自由記載で意見を求めた内容を整理しております。
 まず、費用負担や人員関係ですが、労働者の保護の観点で測定の精度担保を図ることは必要と考えるけれども、機器の調達や測定費用の負担が大きくなるので、助成金等を検討いただきたいという形で、同様の意見が25件ほどあったというところです。
 次の意見としては、労働者が少なくて、測定に係る人的な負担が大きいという意見が4件ほどあったところです。
 測定方法、精度というところで、測定の精度担保、適切な保護具の選択という観点から、「資格者による測定が必要である」という意見が4件ほどあったのと、下から2点目、測定については「より簡便な測定法等の開発をお願いしたい」という意見が4件あったところです。
 説明は以上です。
○城内座長  ありがとうございました。続きまして、資料6-2と参考資料6の説明をお願いいたします。
○化学物質対策課長  それでは、私から資料6-2をご説明させていただきます。
 こちらの資料の1枚目は、前回ご参加いただいていた方にご説明した資料をそのままつけております。左側が個人ばく露測定関係の現状ですが、点線の部分がリスクアセスメント対象物でして、それを一部包含するような形で指定作業場があって、そこは作業環境測定士による測定の義務がかかっております。その中に②として第三管理区分の作業場があって、そこは個人ばく露測定を義務付けているということになります。
 一番上にある④は、リスクアセスメント対象物ではありませんが、個人ばく露測定の義務がかかっております。
 一番下の⑤ですが、濃度基準値を設定した物質を取り扱う屋内作業場につきましては、個人ばく露測定の確認測定を指針で求めております。
 ③は、濃度基準値がないリスクアセスメント対象物ですが、こちらにつきましてもリスクアセスメント指針でリスク見積りのための個人ばく露測定を求めているところです。
 こういったことが全般でして、作業環境測定は指定作業場において作業環境測定士の測定を義務づけている一方、個人ばく露測定においてはそういった測定実施者の限定がないと。
 それから、第三管理作業場のように、測定が義務づけられているものとそうでないところがあるというところでして、そういったところを踏まえていかにして個人ばく露測定の精度を担保する仕組みをつくるのか検討する必要があるということです。
 次のページが前回ご議論いただいたものをまとめたものでして、まず精度管理の必要性につきましては、サンプリングにしても分析にしても精度管理が必要という結論でして、デザイン、サンプリングを行う者の要件につきましては、均等ばく露作業や最大ばく露者の選定を行うデザインの能力も重要であって、そういう意味では現場の作業内容をよく理解している必要がある。あるいは、第二種作業環境測定士の活用を図るべきであるけれども、濃度基準値の確認測定の数を考えると、作業環境測定士だけでは足りないのではないかというご意見。
 それから、化学物質管理者自らがサンプリングするということも考えられるということ。
 それから、夜間作業などもあるので、外部の作業環境測定士が全部デザイン、サンプリングするのは難しいので、デザインを行った人に例えばこのサンプラーをこの人に何時間つけなさいという指示を受けて実施すればいい方に資格は要らないのではないかといったご議論もありました。
 分析につきましては、作業環境測定機関で数百程度の物質に対応できるわけですが、先ほどご議論いただきましたけれども、こういう方法でうまくいく、うまくいかないという情報を共有できる仕組みが必要ではないか。
 それから、分析を作業環境測定機関だけで全部賄うのは無理ではないかというご意見。
 それから、大手化学会社であれば自らの分析部門で行うことも可能ではないか。
 それから、単なる測定の結果を伝えるだけではなくて、改善指導できることが望ましいといったご議論があったところです。
 これを踏まえまして、本日ご議論いただきたい論点としていくつかお示ししておりますが、まず精度管理の必要性につきましては、義務がかかっているもの、かかっていないものがありますので、それぞれについてどのように考えるのかという問題があります。
 それから、デザイン、サンプリングを行う者の能力としてどういうものがあるのかということで、前回ご議論で出たのは均等ばく露作業の設定や最大ばく露者の選定がありましたが、それ以外、例えばリスクアセスメント測定では統計処理も必要になりますので、そういったところも能力が求められるのか。
 それから、サンプリングを行う能力としては、捕集方法の決定やサンプラーの選定、あるいはポンプの選定なども含まれることになりますが、指示に従ってサンプリングを行う人の業務分担をどう考えるか。
 それから、実際にやれる人間としては、個人サンプリング法の登録を受けた作業環境測定士(機関)が現状においては最も適切な人材になるわけですが、それ以外に例えばオキュペイショナル・ハイジニストといった人たちは可能なのかどうかということです。
 続きまして、分析を行う能力としては、当然必要な分析機器を持っている、あるいは使用できるということと、それを用いて分析できる能力が当然必要なわけですが、誰が行うのかということですと、第一種作業環境測定士だけでできるのか。それ以外の計量法の分析機関なども含むべきではないか。
 それから、数百程度の物質は測定できるけれども、そうではないということもありますので、情報を共有する仕組みが必要ではないかということ。
 それから、大手企業に自社の分析部門で分析を認めるのであれば要件は必要ないのか。あるいは、ここでも分析結果を出す人間に対して統計分析の能力を求めるのか。
 それから、測定に基づく改善指導はどこまで求めるのかといったところが論点として考えられるところです。
 それから、参考資料6ですが、作業環境測定士の制度について念のためご説明するという趣旨ですが、労働安全衛生法の65条第1項で、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で必要な作業環境測定を行って、その結果を記録しなければいけない義務があるわけですが、それに加えまして、指定作業場について作業環境測定を行うときは、作業環境測定士あるいは作業環境測定機関に委託しなければならないということが作業環境測定法で規定されておりまして、いわゆる業務独占となっているところです。
 それを細かく分けますと、第一種と第二種がおられまして、第一種の作業環境測定士はデザイン、サンプリング及び全ての業務を行うことができる方で、第二種の方は基本的にはデザイン、サンプリングのみを行う方で、分析についてはデジタル粉じん計と検知管しか扱えないことになっております。
 次のページが人数でして、第一種の作業環境測定士は1万8,785人、第二種が1万7,276人ということで、合計で3万61人になっておりますが、こちらにつきましてはお亡くなりになった場合に登録証の返納を求めてはいるのですが、どこまで戻ってきているか分かりませんというのと、引退されている方もおられますので、実際に従事されている方が3万6,000人ということではないということです。
 それから、個人サンプリング法ができる登録を受けている作業環境測定士は1,662人です。
 一方、個人サンプリング法ができるとして登録されている作業環境測定機関は317機関、それ以外は440機関で、合計757機関あるということです。
 最後のページですけれども、令和4年度にご説明いたしましたが、作業環境測定を実際に行っている事業場の数を示しているものです。具体的には3号、4号、5号あたりが化学物質になるわけですが、ここで測定を実施した事業場数は7万9,273事業場となります。単位事業場数延べ数が約43万事業場ということです。こういった規模の事業場は先ほどの3万人、あるいは757機関で測定している実態があるということです。
 資料の説明は以上です。
○城内座長  ありがとうございました。ただいまご説明いただきました資料6-1、6-2、それから参考資料6につきましてご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。宮内委員、お願いします。
○宮内委員  暫定値ということで3割の回答とのこと、これだけで判断するというのは難しいと思います。ただ、傾向としていくつか出ているかと思ったのです。1つは、今後ばく露測定が増えるかといった見通しについてですけれども、意外とそんなに増えるという感じではない。多分、来年4月以降に実施することはたくさんあります。ただし、金属アーク溶接がメインでこういう推定をされているかと思うのですけれども、これは定期的に実施するということではなくて、作業工程、作業方法、設備が変わったときに行うわけですから、そんなに測定数がある話ではないと見通されてしまうのはしようがないと思うのです。
 ただ、第三管理区分を見るとまだ非常に課題があるし、これからいろいろなところで個人ばく露測定をやらなければいけないのかと思いました。
 一方、このアンケートの結果から、やはりデザイン、サンプリングにおいて、66%が一定の資格がある方にやってほしい或いは、分析は90%ぐらいの要望です。依頼する側から見るとある程度の精度が担保できる、これが資格という言葉になっていると思うのですけれども、望んでいるところと思うのです。
 リスクアセスメントの一環として行うとしても、基準値が出て非常に微量の基準値であるということが分かっていますから、それに対する誤差や精度は非常にシビアになると思うのです。依頼する側が望むのであれば、個々の精度というよりは、体制としてどこかで精度管理をやったほうがいいと思います。
 前回までの検討会の中でいろいろ議論があると思うのですけれども、実際どういう人たちがやるかというと、現状は第一種作業環境測定士が望ましい。金属アーク溶接ではたしか望ましいという形で推奨しているということで、蓋を開けてみると測定士の人たちがほとんど行っていたということです。そういう中でどういう問題点があったかここでは分からないのですけれども。技術的なことも含めて日本の今の制度の中では第二種作業環境測定士の人たちが個人サンプリング法の資格としてばく露濃度を測定すべきと捉えている方たちが出てきています。測定機関が依頼を受け、個人サンプリング法の資格者がデザイン、サンプリングを実施するのはふさわしいと思いますし、また分析のやり方に関しても非常にいろいろな機械をそろえていらっしゃるという形でいうと依頼しやすいのかなと思います。
 ただ、現状望ましいということで限定しているわけではないということは、確かに幅広く実際能力のある人たちが行うのは拒むことはできないし、また分析に関して言えばいろいろな分析制度がありますから、そういうところに入ってきてきちんとやってくれるのは構わないと思うのです。
 現状暫定版ですからこれ以上のことは言えないのですけれども、やはり個人サンプリング法の資格をつくりましたし、まだまだ人数も少ないということも分かっていますから、さらに測定士にフォローをかけて、個人サンプリング法の資格者の測定士の精度管理も含めてやっていくのも1つの手段ではないかと思うのです。
 物質数がこれからどんどん増えてきて、難しい分析も出てきますから、測定協会になるか分かりませんけれども、測定士の団体を中心としてリスクアセスメントのシステムをきちんと精度よくできていることを公表できるものを作ったほうが良いと思うのです。作業環境測定、従来行われているものも非常に参考になりますし、私は精度管理委員もやっていますけれども、非常にきめ細かくいろいろな精度管理をやっています。ここは非常に信頼を得ているところでもありますので、ぜひ大事にして、今後体制を作っていくことが重要かと思いました。
○城内座長  ありがとうございました。そのほか。保利委員、お願いします。
○保利委員  私も宮内委員の考えに近いのですけれども、取りあえず67物質が濃度基準値に入りますよね。作業環境測定の9割は第一管理区分なので、濃度基準値を超える、いわゆる第三管理区分はそんなに多くないのではないかと思います。
 ですから、今溶接で皆さん結構お忙しいのですけれども、現時点では今の測定士で行けるのではないかと思うのです。であれば、なるべく今の測定士を活用できるような形にしてもらったほうがいいのだろうと思います。個人サンプリングができる測定士が少ないので、それを増やしていくことが重要かと思うのです。ですので、測定士以外がだめというわけではないにしても、基本は測定士が測定するという方向に持っていったほうがいいのではないかと思います。
○城内座長  そのほかご意見等ありませんでしょうか。山室委員、お願いします。
○山室委員  検討すべき論点の(2)の最後の資料ですが、測定機関で精度よく分析できた方法、できなかった方法を情報共有する仕組みというご提案があるわけなのですけれども、測定機関はお互いライバルでやっておりますので、なかなかこういうのは難しいのかなと思っております。
 分析の数が非常に多くて、自分のところだけではやり切れないという状況になると、そういう情報を出して、おたくでもやりませんかといったのはあるかと思うのですけれども、そうでないとなかなか難しいかなと思います。
 逆にうちはこれの分析ができますとか、そういうところが出てくると思いますので、そういった情報が出てくるとサンプリングはAという作業環境測定機関がやって、分析はBという測定機関が行うといった形でうまく流れていくのかなと思います。
 あともう1つですが、化学メーカーさんなど、社内で分析が十分できるところがあるかと思います。測定士の免許を持っていれば一番いいのですが、そうでなくても分析能力がある方がいらっしゃるかと思いますので、何らかの形でそういった方も分析できるように、分析をやってもいいですよという感じで示されればいいのかなと思います。
 例えば化学分析の技能検定といったものもありますので、そういったもので1級や2級等、測定士の試験の一部免除になるような資格を持っておられる方は分析できるといったのが示せたらいいのかなと思います。
○城内座長  そのほかご意見等ありますでしょうか。鷹屋委員、お願いします。
○鷹屋委員  やはり誰でもできるわけではない。一方で、対象物質が今どんどん増えている状況で、入り口で現行の有資格者であればずっと安心かというわけではないので、入り口だけではなくて、ほかの委員の先生方も出していますけれども、何かしらの精度管理の仕組みが必要なのではないかという気がしています。それでフォローアップして、ちゃんとできているかどうかをどこかで担保する仕組みは必要なのではないかと思います。
 それから、デザイン・サンプリングと、言葉は一体化していますけれども、デザインは専門的知識が要るが、サンプリングは逆に夜間作業等で難しいのではないかという議論が出ていたと思います。こういうことに関しましてすぐ解決する話ではないのですけれども、ある程度ハードウェアというか、機械やそういった技術的な支援をして、有資格者が設計しているが、実施についてはある程度専門家ではなくても間違いなくできるようなものが可能だと思います。一例を挙げますと、私は20年ぐらい前から個人ばく露のポンプを扱っているのですけれども、昔のものはパラメーターをいじるのに複雑な操作が要った。理由は簡単で、労働者が勝手にいじれないように、わざと難しい操作にしていたのです。ところが、最近はそうではない。何で最近そうでなくなったかというと、何かを行うと全部記録が残るのです。
 少し今の議論とはずれているようなことを言いましたけれども、専門家がきちっとデザインしてやってくださいと言ったときに、実際に実施者が完全な専門家でなくてもできるようにするために、そういった技術開発を何らか国が支援することによって、有資格者だけでたくさんの分析を実施する数が足りないのではないかという議論も踏まえて、誰にやらせるかという議論が出ていると思うのですが、そこら辺については何らか技術的に補えるものであれば、そういったものの開発を国が支援する考え方もあっていいのではないかと思います。こういう意見を持っています。
○城内座長  ありがとうございました。そのほかご意見等ありませんでしょうか。宮本委員、お願いします。
○宮本委員  現場からいくと、測定された結果を信じていいと自信を持てるのが重要で、その先の健診にしても何にしてもそこが根拠になってきますので、やはり作業環境測定士さんが望ましいと思うのです。ただ測定士だけだとマンパワー的にできるかできないか分からないというのであれば、個人サンプリング法での測定を、つけ方からいろいろなことについて全部研修を受けて「個人サンプリング法測定ができる人」は測定士以外の人も、第一種や第二種作業環境測定士の人も含めて星マークをつける等で明示する。分析は第一種については細かくなっていますから、個人サンプリング法での分析ができる、という資格が分かるようにする。
 これは全員行うのが難しいのであれば、分析は測定機関の少なくとも1人は星マークがいないといけない、測定もその人が教えているなど、精度管理しているという何がしかの客観的に分かる星マークなどがあるといいなと思うところです。
○城内座長  そのほかご意見等ありませんでしょうか。保利委員、お願いします。
○保利委員  個人ばく露は今、作業環境測定士の資格取得に必ずしも入っていない部分ですので、やらせるとしたらそこの追加の講習なり何なりが必要だろうと思います。その上で精度管理をきちんとやっていくシステムを作っていく必要があるかと思うのです。
○城内座長  ありがとうございました。そのほかありませんでしょうか。小野委員、お願いします。
○小野委員  おおむね皆さんと同じなのですけれども、ポンプを誰が使ってもちゃんと記録が残って、勝手に止めて短い時間のサンプリングしかしなかったということのないようにきちんと記録が残るのは当然だと思いますが、それと同時に今の測定士の方がどのぐらいインハラブルやレスピラブル等、スピードを変えると必要な測定ができなくなるのだということが理解できているのか心配があるのです。今までと違う分類で分析するようなことについての教育も、個人ばく露測定もそうですけれども、今までと違うサンプラーを導入することについては、そこの講習も必要かと思います。
○城内座長  そのほかいかがでしょうか。宮内委員。
○宮内委員  今、小野先生が言われたことと同じことになりますけれども、私もスキルアップをすることは非常に重要で、特にいろいろなやり方が変わるときには、どこかできっちり研修を受ける。それは義務化でなくてもいいのですけれども、受けたことを公表できるようなシステムをつくる等して、逆に言うとそういうのをやっていなければ仕事が来なくなるというものをつくれば、自然に一生懸命企業として努力されると思うのです。ですから、新しいものをつくったときは、研修や資格と言わなくてもいいのですけれども、はっきり外部から見て分かるようなことを導入されたらいいのかなと思いました。
 あとオキュペイショナル・ハイジニストの制度もありますので、海外では当然ハイジニストがやっているような内容だということは十分に分かっておりますけれども、現状で言うと実測に関しての技術というと、いろいろな資格でハイジニストになる方たちがいますので、経験の面でどうなのかなと思っています。
 ただ、将来的には測定士プラスハイジニストの人たちが行うべきかと思っていますけれども、それは今後の課題なのかなと思います。やはり時代とともに変わって、いろいろなことを担う人材を育成していくことは必要かなと思っています。
○城内座長  そのほかいかがでしょうか。尾崎委員。
○尾崎委員  化学は夜間作業がある業界ですが、やはり製造現場は外部の作業環境測定士がおられる組織に発注をかける立場ですが、基本的に製造現場の全責任を負っているのは製造課長であるので、彼等が作業環境測定士さんと共通の言語を使って議論できるようなところまでスキルを上げることが必要です。また、夜間作業もありますので、製造課長の指示に基づいて、サンプリング作業をこういう手順でやれという作業指示書も出す必要があります。
 この作業に当たっては、データの精度を上げるという意味もありますし、ある程度の外部講習なりを用意していただいて、夜間作業に従事する人間に対しても2~3時間でいいのではないかと思いますけれども、そういった講習を準備していただいて備えていくというのが必要なのではないかと考えます。
○城内座長  そのほかいかがでしょうか。事務局からお願いします。
○化学物質対策課長  意見ではありませんが、統計分析についてご議論がありません。濃度基準値は統計処理が要らないのですが、リスクアセスメントするときは統計処理するというのが技術上の指針では原則になっておりますが、そういった能力についてはいかがでしょうか。
○城内座長  保利委員、お願いします。
○保利委員  少なくとも作業環境測定士は計算しますから、間違いなくそこのところは分かっていると思うのです。それ以外の人がという場合には、統計の専門家であればもちろん問題ないのでしょうけれども、環境系で統計分析を行うのはあまりないと思いますので、なかなか難しいかなと思いますが、そういう意味では測定士をきちんと鍛えるほうがいいのではないかと思います。
○城内座長  そのほかありませんでしょうか。宮内委員、今のところについては。
○宮内委員  私も同じです。やはり統計処理のところはある程度の専門知識とベースが要る。それから、間違ってしまうと大変な事になるので、確実に間違えないようなある程度のトレーニングをするということが要る。そういう面では、二種が割と近いのかなと思います。
 リスクアセスメントのやり方はいろいろ選択できますし、そういう面ではもう少しフレキシブルに対応できる方法もあると思うので、95%単位で求めるだけにこだわらなくていいのかなと思ったのですけれども、いろいろなやり方の中でそれぞれの企業に合ったやり方を選んでもらうこともできるかなと。ただ、原則は二種の人たちは計算の出し方のトレーニングをやっていますので、間違いなくやっていただけると思います。
○城内座長  事務局、お願いします。
○化学物質対策課長  また追加の質問なのですけれども、きょうは作業環境測定士をメインにするというご議論が多かったのですが、前回はそもそも作業環境測定士が足りないのではないかという議論があったと思うのです。足りない場合にどのようにするかについて何かアイデアはありますでしょうか。
○城内座長  宮内委員。
○宮内委員  流れの中で言うとデザインやサンプリング、分析と分けたとして、確かにデザインは現場の作業の内容や、機械をある程度分かってなくてはいけない。ですから、そういう人が社内にいるなら良いと思うのですけれども、基本的に作業環境測定士はそういうことに対してトレーニングを受けているので、デザインが間違いなくできる。あと作業工程から人のセレクションも正しくできると思います。
 サンプリングに関しては先ほどからお話があったように、機械の進歩とともに割と簡単に間違いなくできるようになったという面では、企業に勤めていて、現場のことをよく分かっている人でも全く問題ないと個人的に思っています。
 問題は分析です。分析は、今、分析法の話で保存期間が出ていますから、ある程度外注できると思うのです。輸送の期間なども計算して、精度よくできるなら別のところに頼むのでもいいのかなと。作業環境測定機関が望ましいというのは、精度管理を受けているから望ましいというのですけれども、ほかにもできるところはもちろんあると思いますから、それはそれできちんと文書として出してくれて、何かあれば証拠を出してくれるなど、後でたどれるならいいのかなと思っています。
 測定士の人数とこれからのオーダー、その辺の兼ね合いで見ると、確かに第三管理区分のところがどういう形で動くのか。例えばこの制度ができて改善が進んだというと、実際に測定士の数が足りないということにはならないかもしれませんし、その辺の流れがまだ途中経過ということもあって読めないのですけれども、大幅に足りなくて困ってしまう現象が起きるようにはこの数字から読めなかったのです。意見です。
○城内座長  ありがとうございました。そのほかご意見等ありますでしょうか。宮本委員、お願いします。
○宮本委員  宮本です。作業環境測定士が足らないという点は2つあって、まず1つは自分の事業場で実施するのであれば、いわゆるC/D測定という個人モニタリングだけ研修して特例でC/D測定だけの作業環境測定士を認定するのもありかなと思います。私は第二種作業環境測定士の研修をかなり遠い昔に受けたことがあるのですけれども、A/B測定のデザインと測定機器の扱いに結構時間を要するというのがあるので、C/D測定だけで評価するというのだったらやり方が違いますから、そっちだけの1日研修で認定する方法ができるのではないかと思っています。
 ただ、もう一点は、今の作業環境測定士がA/B測定にかなり取られているというのがあって、従来の特化則や有機則が当面は継続ですけれども、あれが5年後に廃止になれば、そっちから流れてくることができるので、人が足りないのは5年間だけと考えると時限立法的な対策は必要かもしれませんが、その先むしろ作業環境測定士があふれてしまうことも考えられますから、どこまで特化則、有機則を続けるのかに影響されると思っています。
○城内座長  山室委員、お願いします。
○山室委員  デザインについて測定士やインダストリアルハイジニストが適切かどうか分かりませんが、きちんと分かった人がデザインすることが必要だと思います。
 ただ、サンプリングについては、デザインした人がこのとおりやってくださいと教えてやれば、大きな間違いをせずにサンプリングできるかと思います。
 分析につきましては、先ほど他の法令の分析機関ということで計量証明の事業場の話が出ましたけれども、計量証明事業場は環境計量士が分析の管理の仕事をするので、計量士自体が分析を行うわけではないということで、作業環境測定のシステムとは大分違います。そこをどのように理解するかというところなのですが、排水にしろ大気にしろ、分析の証明書を出して、それが公に通用しているものですから、そういったところでもいいのかなと個人的に思います。
 あと先ほど言いました社内での分析をやっているところで、実力があるようなところ、公害分析を社内で実施すること自体も認められているわけなので、そういった分析をやっている方々は資格がなくても分析できるわけですから、何らかの資格を持っているのであれば、そういったものを認めるというか推奨するのもいいのかなと思います。
○城内座長  ありがとうございました。そのほかありますでしょうか。事務局、お願いします。
○化学物質対策課長  質問ばかりで恐縮ですが、個人ばく露測定は義務付けられている場面と、濃度基準値のように必ずしもやらなくてもいいという場面があるのですが、義務付けられている場面と義務づけられていない場面を分けて考えるべきなのか、それとも精度管理という意味では同じなのだということなのかについてご意見ありますでしょうか。
○城内座長  山室委員、お願いします。
○山室委員  第三管理区分は、もともと作業環境測定士でないとデザイン、サンプリング、分析できないところでしたので、そのまま継続すればいいのかなと思います。そういうわけにはいかない状況になっていますけれども、そこは精度管理上より強くなったほうがいいと個人的に思っております。
○城内座長  津田委員からご発言お願いします。
○津田委員  ありがとうございます。先ほどからいろいろな作業環境測定士等々出ているわけですけれども、自律的な管理というところで、さまざまな専門家であったり化学物質管理者が出てくるかと思いますので、私も作業環境測定士は非常に教育されていて、適していると思うのですが、あまりにたくさんのものを求め過ぎてしまうと、測定士も足りなくないといいますか、手に余ってしまう可能性があると思いますので、それぞれの役割を持っている専門家であったり、化学物質管理者であったり、衛生管理者であったり、企業内の測定士であったり、第二種、あるいは第一種というところで、何を必ずしなくてはいけないといいますか、何が求められるのかというのを少し整理したほうがよろしいのではないかという気がしております。
 その上で第一種の作業環境測定士に関しては、分析という技術があるわけですので、分析を行う者の要件に合致すると思うので、そこを優先的にしていただくなど、そのような道筋を少し示せるとよりよいのではないかと思いました。
○城内座長  ありがとうございました。そのほかご意見ありますでしょうか。そろそろ時間になりましたので。
 この委員会では濃度基準値や分析法、サンプリングをどうするかを検討する会議と言う点は重々分かっていて発言するのですが、日本で測定に行き着くまでのリスクの見積りや、いわゆるリスクアセスメントがちゃんと教育されていなかったので、まずそこの意味とその中での測定の位置づけをちゃんと教育する必要があるだろうと個人的に思っています。
 リスクアセスメントを今までちゃんと教育してこなかったということで、化学物質管理者という制度をつくったのですが、その知識は測定の人たちも分析の人たちもみんなで共有すべきだと思うのですが、それの教育制度がまだできていないのです。だから、まずそこも含めてその中の測定や分析の位置づけを考えていく必要があるだろうと思っています。
 もちろんリスクアセスメント指針も、基準値の技術上の指針をどうするかということも文書として出ていますけれども、それが行き渡っているか疑問なので、その辺から少し考えていく必要があるかなという印象を持ちました。
 大体時間になりましたけれども、皆さんご意見等ありませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、きょうの議論も含めて、また事務局で検討していただきたいと思います。
 議事は以上になりますが、事務局から何かありますでしょうか。
○環境改善・ばく露対策室長  本日の議事は以上です。本日の議事録ですが、後日、構成員の皆様にご確認いただいた上で公開とさせていただきます。
 次回ですが、10月6日金曜日14時から17時を予定いたしております。構成員名簿のうち、前半に全般に関する事項、毒性に関する事項の欄の先生方、後半の部で全般に関する事項、ばく露防止対策に関する事項の欄の先生にそれぞれご参集いただく予定といたしております。
 議事ですが、前半は濃度基準値の検討、後半は対象物質ごとの測定方法、個人ばく露測定の精度担保関係を予定いたしております。正式な開催案内は後日お送りさせていただきます。
 事務局から以上です。
○城内座長  ありがとうございました。どうぞ。
○化学物質対策課長  先ほど申し上げ忘れたのですが、個人ばく露測定の精度管理につきましては、本日のご議論を踏まえまして、次回ある程度論点リストといいますか骨子のようなものをお示しして、再度ご議論いただく予定にしております。
 それから、次々回には中間取りまとめのようなもので取りまとめて、それを公表する流れを考えております。次回ご議論いただきたいと思いますけれども、測定が義務付けけられている場面とそうでないところで法令上の位置づけが大分変わりまして、法律を変えなければいけないレベルの話も出てきますので、そういったことも踏まえて次回ご議論いただければと思っております。
○城内座長  ありがとうございました。
 以上で本日の化学物質管理に係る専門家検討会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。