第50回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康・生活衛生局 感染症対策部予防接種課

日時

令和5年9月8日(金) 10:00~

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 共用第9会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

(1)予防接種・ワクチン分科会運営規則について
(2)新型コロナワクチンの接種について
(3)その他

議事

議事内容
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第50回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は御多忙のところ、委員、参考人の方々には御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
本日の議事は、公開・頭撮り可としております。また、前回と同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りにつきましては議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いいたします。
また、本日は、本分科会終了後に第55回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会の開催を予定しております。
基本方針部会につきましては、分科会終了後、委員の入れ替わりが確認でき次第、引き続きの開催となりますので、あらかじめ御了承ください。
また、傍聴の方におかれましては、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除きまして、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御了承ください。
次に、本日の出欠状況について御報告をいたします。
伊藤定勉委員、清元委員、森尾委員から欠席の連絡をいただいております。また、白井委員は20分ほど遅れて参加される旨の連絡をいただいております。
現在、委員17名のうち13名に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定によりまして、本日の会議は成立していることを御報告申し上げます。
また、本分科会の資料につきましては、あらかじめ送付させていただいた電子ファイルで閲覧する方式で実施いたします。
番号01の議事次第及び委員名簿から、番号08の利益相反関係書類までを用意しております。資料の不足等、不明な点がございましたら、事務局員までお知らせください。
なお、頭撮りでございますが、冒頭のカメラ頭撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○溝口予防接種課課長補佐 それでは、ここからの進行は脇田分科会長にお願いいたします。
○脇田分科会長 皆様、おはようございます。本日もよろしくお願いします。
それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項等についての報告をお願いいたします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。審議参加の取扱いにつきまして御報告申し上げます。
本日御出席の委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づきまして、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請書類への関与について申告をいただきました。委員及び参考人からの内容につきましては、番号08の利益相反関係書類を御確認ください。
本日の出席委員及び参考人の寄附金等の受け取り状況から、審議参加規程第9条により、中野委員が、寄附金等の受け取りの実績があり、かつ、その額が50万を超え、500万以下の年度があることから、議決不参加の基準に該当するため、意見を述べることはできますが、議決には参加いただけませんので、御報告申し上げます。
また、毎回のお願いで大変恐縮ですが、委員、参考人におかれましては、講演料等の受け取りにつきまして、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入ってまいりたいと思います。今日は議題が2点ございまして、最初は「予防接種・ワクチン分科会運営細則について」ということなのですけれども、主には2番目の「新型コロナワクチンの接種について」ということであります。
では、議題【1】を事務局から説明していただけますでしょうか。
○溝口予防接種課課長補佐 引き続き、事務局でございます。
資料1を御覧ください。本分科会の運営に際しまして、厚生科学審議会運営規程第10条の規定に基づき運営細則が制定されております。本年9月1日に厚生労働省内の組織改編が行われまして、事務局機能を健康・生活衛生局感染症対策部予防接種課に変更する改定案となります。
事務局からの説明は以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
組織改編に伴う細則の改定ということですので、何か御質問等ございますか。大丈夫ですかね。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 それでは、これは了承していただいたということでお願いいたします。ありがとうございました。
続きまして、議題【2】です。こちらは「新型コロナワクチンの接種について」になります。
まず、事務局から説明をお願いいたします。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。おはようございます。今日もどうぞよろしくお願いいたします。
資料2を御覧いただけますでしょうか。「新型コロナワクチンの接種について」でございます。冒頭おめくりいただきまして、3ページ目以降は直近の接種の状況でございます。また、5ページ目以降に感染症の状況、6ページ目に変異株の発生動向といった形で情報を掲載してございます。
引き続きまして「本日の論点」に進ませていただきます。8ページ目を御覧いただきますと、「本日の論点」として3点掲げさせていただいてございます。順次御説明をさせていただきます。
10ページ目までお進みいただけますでしょうか。ファイザー社1価のオミクロン株XBB.1.5系統のワクチンの有効性・安全性ということで、先般こちらが薬事承認されたところでございます。リード文に書いてございますとおり、PMDA及び厚生労働省におきまして、審議会提出資料において、以下の方針に沿って、ファイザーの1価ワクチンを2価ワクチンと同様に初回・追加接種として承認して差し支えないと判断されたということでございます。こちらは薬事上の評価でございまして、右側に図をお示ししておりますけれども、非臨床試験におきまして、XBB対応のワクチンによってこれらの株に対して中和抗体価の上昇が確認できたということでございます。
11ページ目以降でございます。こちらも薬事の関係でございますけれども、薬事承認された添付文書になってございます。
11ページ目は、12歳以上の接種に関する情報でありまして、御案内のとおり、初回免疫、追加免疫、いずれにもXBB対応の1価ワクチンが使えるという形で記載がございます。接種間隔等についてはこれまでの扱いと変わらないと承知しております。
12ページ目以降は小児、13ページ目は乳幼児の添付文書でございます。生後6カ月以上の全ての方についてこうした形で薬事承認がなされたという情報でございます。
14ページ目は、先日8月の本分科会において御議論いただきましたけれども、令和5年の秋の接種に関しまして、その接種の対象と公的関与の範囲ということで図に示させていただいてございます。
さらにお進みいただきまして、諸外国の情報でございますけれども、16ページ目に初回接種、17ページ目に追加接種の情報を記載してございます。一部の国、例えば英国等におきましては、XBB対応のワクチンで秋の接種を行うという形で具体的に示されているところでございます。そのほかの国についても順次情報収集を進めてまいります。
19ページ目でありますが、こちらは本日のまとめになってございます。本年秋冬の接種に関しましては、先ほど申し上げたとおり、8月の本分科会におきまして、記載のとおり方針をお示しいただいたところでございます。今般、ファイザー社製のオミクロンXBB.1.5対応の1価ワクチンということで、生後6カ月以上の者に対する初回及び追加免疫について薬事承認がなされたところでございます。
以上を踏まえまして事務局案を記載してございますが、分科会において示された方針を踏まえまして、接種の目的、接種の対象者、接種の間隔及び方法、交互接種につきまして、これまで御議論いただいたことを踏まえて以下のとおり事務局案を記載してございます。また、選択肢の確保の観点から、ノババックスについても、本年秋冬に使用するワクチンとして位置づけることとしてはどうかといったところでございます。
また、29ページ目以降に参考資料を少し載せております。後の部会のほうでも少し御説明をさせていただければと思いますが、先般、厚生労働省のほうで抗体の保有率調査を実施いたしました。7月から8月における診療所で採取された検体の抗体保有率を調査したものでございまして、各年代層で一定の抗N抗体あるいは抗S抗体を保有しているといった情報が確認されてございます。
また、30ページ目には、乳幼児に対する追加接種ということで情報を記載してございます。
事務局からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 御説明ありがとうございました。
事務局案のところで示していただきましたけれども、前回の分科会で議論したとおり、今年の秋冬の接種に関してのまとめでありますが、接種の目的、重症化予防というところですね。用いるワクチンであったり、対象者等々というところです。それから、参考資料でお示しいただきましたけれども、これまで献血の調査で抗N抗体が出ていましたけれども、今回初めて小児の抗N抗体の陽性割合が出ました。意外とというか、比較的高い保有割合だということが分かったということではないかと思いました。
それでは、今、説明がございましたが、御意見、御質問等があればお願いしたいと思います。
坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。御説明どうもありがとうございました。
何点か確認させていただきたいのですけれども、厚生労働省のほうから、ただいま説明があったXBBの新しいワクチンの接種を9月20日から開始するということはもう市町村のほうに通知がありましたが、そこで、9月20日以降は従来のワクチンを接種すると間違い接種になるのかという点が1点でございます。
それから、9月20日以前に初回でBA.4-5で1回打ってしまった人が、9月20日を超えて、例えば27日後にXBBワクチンを打つ。つまり交互接種になるかと思うのですけれども、それは認められるのかということが第2点目の質問でございます。
それから、これはお願いですが、まだモデルナの承認が通っていないということですが、市町村のほうではモデルナの接種に関しても診療所の先生方にすでにお願いしているところがございまして、このモデルナのワクチンの接種開始の見通しについて教えていただきたいことと、小児のワクチンの配送がまだないというので、小児科の先生から、いつから予約を入れていいのかという質問が我々市町村のほうに寄せられております。
以上4点、質問でございますが、よろしくお願いいたします。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
2点目のところは、9月20日以前にXBBではなくて2価ワクチンを打った人が。
○坂元委員 そうです。初回でBA.4-5を打った人が9月20日以降に2回目にXBBで打つというパターンが出てくると思うのですが、それを認めていただけるのかどうかという質問です。
○脇田分科会長 分かりました。
では、手が挙がっていないようですので、今の坂元先生からの4つの質問を事務局からお答えいただけますでしょうか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御質問ありがとうございます。
まず1点目でございますけれども、この後、関係法令の改正に関する諮問をさせていただくところですが、それをお認めいただいた場合については、いわゆる令和5年の春接種であったり、令和4年の秋の接種で実施しているものにつきましては位置づけを失うところでございまして、かつ、これまでの御審議の中で、より抗原性のマッチしたものを使っていくことが秋については望ましいと御判断いただいているところでございます。2価ワクチンは今後は使わない形になるのかなというふうに理解しておりますので、位置づけのない接種をすると間違い接種に該当するということかと思っております。
また、2点目でございます。そうした形になりますので、これまで2価ないし従来型のワクチンで初回接種の1回目をなさった方について、9月20日以降はXBB対応ワクチンを使っていただくことになります。そちらの整理としては交互接種になると考えております。
また、3点目のモデルナのほうの見通しでございます。こちらは薬事のことでございますので、確たることはなかなか申し上げられないところでございますけれども、申請されていて審査されているところでございますので、承認になりましたら速やかに本分科会にお諮りをさせていただいて、位置づけを検討することになるかと思っております。
また、小児のワクチンの配送に関しましては、既に配送に関連する事務連絡等を発出させていただいているところでありますけれども、こちらの日程というか、既にお示ししているところでありますが、何か更新がありましたら速やかにお知らせするようにしたいと思ってございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今のところはよろしいですか。
次、中野委員、お願いいたします。
○中野分科会長代理 中野でございます。先ほどの坂元委員の御質問と事務局からの回答に関しまして了解いたしました。それで問題ないと私も考えます。
それで、事務局から御回答いただいた2つ目の質問に関してですが、先ほどの資料の19ページの事務局案の4番、交互接種で示していただいてあるところです。先ほどの坂元委員の2つ目の質問とちょっと関係することかと思うのですが、後半部を読み上げますと、「オミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチンによる追加接種を行うことができることとする」という記載にしていただいているのですが、例えば生後6カ月から4歳までの子供たちは、最初の3回の接種で、初回接種、初回免疫という呼称をしているかと思います。9月20日以降、これまで皆さん、接種歴も積み重なってきたし、あるいは自然に罹患した方もいらっしゃるので、オミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチンを初回・追加とも用いることに私は賛同でございますけれども、ここでわざわざ「追加接種」と書いてあると現場で混同しないかという気もしたので、「追加」はなくていいのかなとも思ったりしています。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
初回接種の1回目、2回目の中で変わってくるとか、そういった事例もあるかということかと思いましたが、事務局、いかがでしょうか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。
確認をいただいてありがとうございます。御認識のとおり、この「追加」はなくて「接種を行うことができることとする」ということで認識してございます。法令のほうも、そういった形で法令改正のイメージをお示ししてございます。大変失礼いたしました。ありがとうございます。
○脇田分科会長 中野先生、御指摘ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。これは、おおむねこれまで議論してきたとおりかと思いますが、特に追加の御意見等ございませんか。
ありがとうございました。
そうしましたら、今日、事務局のほうでまとめていただいたこの案で今年の秋冬の接種を行うということで皆さんよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そうしましたら、この形で進めていただくことになりますが、関係法令の改正がございますので、事務局からまたさらに御説明をお願いいたします。
○橋本予防接種課課長補佐 事務局でございます。
同じ資料の20ページ以降を御覧いただければと思います。
まず、20ページでございますけれども、予防接種法施行令の政令でございます。公的関与の規定のところでございます。第2条というところがございますけれども、これまでの議論を踏まえまして、初回接種も追加接種も公的関与に関する規定を適用しないものというところで、65歳未満の基礎疾患を有する方以外の方を適用しないものと定めるということにしております。
次のページをおめくりいただきまして、21ページ以降でございます。これは予防接種実施規則、省令改正でございます。
21ページは現行の規定でございます。
22ページは、9月20日接種開始以降という形になっております。現行、XBB、ファイザー社の1価ワクチンが認められておりますので、そちらを規定するという形になっておりまして、12歳以上、5歳~11歳、6カ月~4歳という形で規定してございます。また、武田社のノババックスについても引き続き規定という形になっておりまして、先ほど御議論いただきましたけれども、それ以外の2価ワクチン、従来型については削除という形で整理をさせていただいております。
23ページ、24ページにつきましては、これを条文に落としたものということでございます。
25ページ、26ページへ行っていただきまして、こちらは大臣指示でございます。省令の内容につきましては、ワクチンの内容、対象年齢もそれぞれ規定した形になっております。25ページでありますと、初回接種につきまして、ファイザー社の5歳以上12歳未満の者、12歳以上の者、3つ目はノババックスの12歳以上の者、4つ目が乳幼児という形になっております。
26ページにつきましても、秋開始接種の追加接種につきまして同様の整理がなされた形になっております。
27ページにつきましては体系図でございまして、法律、政令、省令、大臣指示の関係図をお示ししたものでございます。今日お認めいただければ、これらの法令改正の手続を進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○脇田分科会長 説明ありがとうございました。
白井委員が参加されたということですね。よろしくお願いします。
まずは、今、御説明いただきました公的関与のところですね。先ほどのまとめにも入っていますが、65歳以上と基礎疾患のある方に関しては公的関与がありますが、それ以外の方には適用されないというところに関する政令の改正ですか。あとは、接種に使用するワクチン、それぞれ初回と追加接種のところで改正がされていると思いますが、ただいまの説明について、この原案をお認めいただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、この諮問については了承することにさせていただきます。
事務局におかれましては、事務処理を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、分科会の議事は以上になるのですが、皆様から何か御諮問、御意見等ございますでしょうか。
それでは、坂元委員、釜萢委員の順番でお願いします。
○坂元委員 すみません。先ほど質問をし忘れたのですが、これの秋接種に関して、以前、たしか市町村のほうには説明会をやっていただいたのですが、再びこの接種に関して、先ほどの、20日以降に従来のワクチンを打ってしまうと間違いになるとか、市町村に周知徹底したほうがいいと思うので、その辺、市町村への新たな説明会というのを予定されているのかどうかという点についてお教えいただければと思います。
私からは以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
順番にいきましょうか。
この点、いかがでしょうか。事務局からお願いします。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。お答えいたします。ありがとうございます。
御指摘のように、市町村の皆様への説明会は週明けに速やかに開催させていただければということで調整させていただいております。また、本日御議論いただいた内容につきまして整理をして事務連絡等で情報提供させていただくということも併せて速やかにやらせていただければと思っております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。では、そのような予定ということであります。
釜萢委員、お願いいたします。
○釜萢委員 ありがとうございます。
この予防接種・ワクチン分科会として今日の内容が了承されましたので、これで進んでいくことになるわけですけれども、これまでのコロナの発生から3年半以上の経過の中で、ワクチンの接種が可能になって、先ほど示されたように、幅広い年齢に抗体価の上昇が確認されるというのが現状であります。この形で今後も推移していくのではないかと思いますし、余り大きな変更がないことを期待するわけですけれども、新たな感染症の発生というのは常に考えておかなければならないことであって、今回の新型コロナの対応の様子をしっかり記録にとどめながら、コロナがまた変化するかもしれませんけれども、新たな感染症への対応、特にワクチンの開発・供給に関しては、常に有事を想定して、緊張感を持って今後も対応していかなければいけないなということを感じましたので、そのことを指摘しておきます。
それから、この秋冬の接種、令和6年3月31日までの接種は、特例臨時接種が継続されて、希望される方については、生後6カ月以降の全ての国民が接種可能な状況に今なっているわけです。そのことは大変すばらしいと思いますが、先ほども整理されましたように、接種の目的が重症化の予防ということになっているわけです。それが、令和6年4月1日以降に、今後の基本方針部会の議論を踏まえて最終的に予防接種・ワクチン分科会で取り上げられる流れになると思いますけれども、重症化予防という形で今後も考えていく上において、一方で、新型コロナウイルスについて全てがよく分かっているわけではない中で、感染を予防するという意義についてどう評価するのか。すなわち、重症化予防という点は大事なので、それは今後もずっと継続されていくのだけれども、感染予防という点は全く考慮しなくてよいのかどうかということについては、今後少し検討していく必要があるのではないかと思います。
予防接種法の位置づけからすると、感染予防を考えた対応というのは今後しにくくなって、重症化予防に力点を置かざるを得ないだろうとも理解していますけれども、そのあたり、新型コロナの状態が必ずしもよく分かっていない段階であり、そして、今後も株の変異等のことも想定しながら議論を進めていくべきだろうと思っておりまして、指摘をしておきます。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
これはまた基本方針部会でも議論があるところになるかもしれませんけれども、今、釜萢先生から御指摘をいただきました新たな感染症、こちらは今後の話ですけれども、新たな感染症の有事に際しての対応をどうするべきなのかというところ、ここは少し事務局からお答えいただけるところかと思います。
また、この新型コロナのワクチンの考え方をどういうふうにしていくかの問題提起がございました。今回、2.86系統というのも出てきて、最初オミクロンが出てきたときもかなり多くの変異が入っているということで、抗原性が大きく変わって、重症度も変わってきたというところで、ワクチン効果も変わって急速に蔓延したというところがありました。今回の2.86も大きく変異があるわけですけれども、今のところは免疫の効果がそれほど変わっていないようなところがある。ただ、今後、免疫原性が大きく変わって出現してくる可能性もあって、そうしたときには、重症度がそれほど変わらなくても、新型コロナウイルス感染症は蔓延すると医療にかなり負荷がかかるということがこれまでも分かってきていますので、そうしたときに、感染予防効果、発症予防効果がワクチンにどの程度あって、それをどのように蔓延防止に活用していくのか。あるいは、今後も流行が続いていくと思いますので、そうしたときに、個人が感染を予防する。要するに、定期の予防接種として蔓延防止ということにはなかなか難しいかもしれないけれども、感染を予防するためのワクチンの活用の方法も課題としてあるのかなと思いました。
主に2点の御指摘だと思います。事務局のほうから何かコメントをいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○和泉予防接種課課長補佐 事務局でございます。御指摘、コメントありがとうございます。
まず1点目のところでございますけれども、新たな感染症の対策というところは、政府全体としても、統括庁という組織もございますし、そういったところも中心に検討できればなと思ってございます。
また、コロナの変異というところでありますと、今般この分科会でも御議論いただいておりますけれども、変異の状況であったりワクチンの有効性に関する情報も事務局としても収集させていただいて、審議会にお諮りをしながら検討ができればと思ってございます。
また、後半の目的のところにつきましては、まさに脇田先生がおまとめいただいたとおりかとも思っているところでございますけれども、この後、部会のほうでも科学的知見を基に御議論いただいて、どういった形があり得るかというところを御議論いただければと思ってございます。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
釜萢先生、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
ほかにございますか。
ありがとうございました。
それでは、秋冬の接種が開始されるということになります。特例臨時接種に一応区切りがつくような形になるかと思いますが、皆様、御協力ありがとうございました。
それでは、特に皆様からなければ、最後に事務局からお願いをしたいと思います。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
本日も活発な御意見、御議論をいただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては追って御連絡をさせていただきます。
事務局からは以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、予防接種・ワクチン分科会は以上となります。どうもありがとうございました。
では、一旦事務局にお返しします。
○溝口予防接種課課長補佐 事務局でございます。
引き続き、第55回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会基本方針部会」の開催に入りたいと思いますが、順次、委員、参考人の入退室をさせていただきますので、入退室が確認できるまで少しお待ちください。