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「令和5年版 労働経済の分析」を公表します

~分析テーマは「持続的な賃上げに向けて」~

 厚生労働省は、本日の閣議で「令和5年版 労働経済の分析」(労働経済白書)を報告しましたので、その内容を公表します。

 労働経済白書は、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題について、統計データを活用して分析する報告書で、今回で74回目の公表となります。

 今回の白書では、「持続的な賃上げに向けて」をテーマとして分析を行いました。第Ⅰ部では、2022年の雇用情勢や賃金、経済等の動きをまとめています。また、第Ⅱ部では、わが国の賃金がこの四半世紀において伸び悩んだ理由を明らかにするとともに、賃上げが個々の企業・労働者や経済全体に及ぼす好影響のほか、企業の業績や価格転嫁状況等と賃上げの関係等について分析しました。さらに、政策が賃金に及ぼす影響として、最低賃金制度と同一労働同一賃金の効果についても分析しています。

白書の主なポイント

【白書の主なポイント】
・1990年代後半以降わが国の一人あたり名目賃金が伸び悩んだのは、➀名目生産性が他国と比べて伸び悩み、➁パートタイム労働者の増加等により一人あたり労働時間が減少し、➂労働分配率が低下傾向にあったことが背景にある。

・詳細に分析すると、企業の利益処分の変化、労使間の交渉力の変化、雇用者の構成変化、日本型雇用慣行の変容、労働者のニーズの多様化等が影響した可能性が考えられる。

・賃上げは、企業にとっては、求人への応募を増やす、離職率を低下させる等の効果が、労働者にとっては、仕事の満足度を高める等の効果がある。また、経済全体では、消費や生産等を増加させる効果がある。

・最低賃金の引上げは、最低賃金近傍だけではなく、賃金水準が中位に位置するパートタイム労働者にも効果が及ぶ可能性がある。また、同一労働同一賃金の施行は、正規と非正規雇用労働者の時給差を10%程度縮小させる等の効果があった可能性がある。

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