令和5年9月1日 第95回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第7回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和5年9月1日(金) 13:00~14:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

9月1日合同部会 議事録

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第95回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和5年度第7回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず、お名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち8名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 なお、全ての委員において関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
 なお、藤井委員、佐藤薫委員より御欠席の旨の御連絡をいただいております。
 次に、事務局側で人事異動等がございましたので御紹介させていただきます。
 本日9月1日付けで健康局の名称が健康・生活衛生局に、医薬・生活衛生局の名称が医薬局に改称され、健康・生活衛生局に感染症対策部が新設され、感染症対策部長として佐々木が着任しております。また、予防接種担当参事官室が廃止され、予防接種課が新設され、これまでの予防接種参事官の堀が予防接種課長として着任しております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので御確認いただければと思います。なお、本日は議事内容に関しまして退室や審議または議決に参加しないに該当する方はいらっしゃいませんでした。引き続き各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて通帳や源泉徴収票などの書類を確認いただくことにより、正しい対応を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料といたしましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1、参考資料1から3になります。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、議題1、予防接種データベースについて審議を始めたいと思います。
 資料1及び参考資料1から3につきまして、事務局より説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 それでは、本日の議題1に係る資料の御説明をさせていただきます。
 まず、令和4年9月の本合同部会で御説明申し上げました参考資料1「予防接種法の改正案について」の3ページ目を御覧ください。こちらを御覧いただきますと、予防接種につきましては、令和4年デジタル社会の実現に向けた重点計画におきまして、予防接種に係る国民の利便性向上、地方公共団体や医療機関の事務負担の軽減を図るため、予防接種事務全体のデジタル化に取り組むとともに、予防接種の有効性・安全性に関する調査をより的確に行う観点から、予防接種の実施状況・副反応に係る匿名データベースを整備し、NDB等との連結解析を可能とするとされまして、その後の臨時国会の予防接種法の改正において必要な法的手当が行われたところでございます。
 この法改正を受けまして、今般、副反応疑い報告の情報に基づいたワクチンの安全性のさらなる集団としての分析を可能とすべく、PMDA、感染研の先生方と協同いたしまして、副反応疑い報告書の様式改訂案及び予防接種データベースへの格納項目案を作成いたしましたので、その案について本日はお諮りするものでございます。
 それでは、資料1「予防接種データベースについて」の2ページ目を御覧ください。資料構成といたしましては、まず、これまでの副反応の情報収集とワクチンの安全性評価について、過去の審議会資料を再掲したものを中心に御説明させていただいた上で、予防接種デジタル化後のワクチンの安全性評価及び副反応疑い報告について御説明させていただきたいと考えております。
 4ページ目、令和2年1月の予防接種基本方針部会の資料といたしまして、副反応疑い報告の仕組みについてのポンチ絵を再掲しております。左上のマル1にありますように、医療機関の先生方から副反応疑い報告として右上のPMDAを通し、厚生労働大臣に御報告をいただいているところでございます。この情報につきましては、感染研の先生方と共有しながら、マル7の調査の結果等について合同部会の場で御説明申し上げ、審議会ごとにワクチンの安全性の観点から、マル8のワクチンの接種を継続することについて、先生方に御意見を頂戴しているところでございます。
 続きまして、5ページ目は副反応疑い報告書の現行様式の冒頭1枚目をお示ししておりまして、この報告書を用いて医療機関の先生方にワクチンに関する情報、接種時の状況、症状の概要及び転帰等につきまして御報告いただき、収集した情報につきまして本合同部会で御評価をいただいているところでございます。
 一方、ワクチンの安全性評価全体の観点で申し上げますと、6ページ目のリード文の2マル目に記載がありますように、副反応疑い報告は因果関係にかかわらず広範に報告を収集することでワクチン接種後の有害事象の発生頻度をモニタリングし、稀な副反応等を察知する機能に優れている一方、3マル目に記載のありますとおり、リスクの検証の実施のためには別途疫学調査等を実施する場合があると記載しておりまして、その具体的な例示といたしまして、2ポツ目にNDBを用いたワクチン被接種者を含めた有害事象の発生状況の調査に触れて記載をしているところでございます。
 一方、この令和2年度当時につきましては、7ページ目にありますとおり、ワクチンのリスクを検証するために必要なワクチン接種歴及び有害事象の発生に関する情報は、国や市町村、保険者等、各主体が別個に保有しており、連結して用いることは容易でない状況でございました。そうした状況下、8ページ目でございますけれども、平成31年度より現在に至るまで、実際に保険診療データ、レセプトデータと市町村が保有する予防接種台帳にデータをある一都市において連結し、予防接種の安全性等を評価するための試行的なデータベースを構築し、実際に研究者の先生方に分析をいただくような取組を進めてきたところでございます。
実際、本合同部会におきましても、AMED研究班による日本の一都市におけるCOVID-19 mRNAワクチン接種の一定期間と、それ以外の期間の死亡リスクの比較解析として、ワクチン接種後の死亡リスクの有意な上昇は認められなかったとして、先生方の御議論にも御活用いただいてきたところでございます。
 ここまでが、これまでの我が国における副反応の情報収集とワクチンの安全性評価についての取組を御紹介するものです。9ページ目以降におきまして、9ページ目の2項、予防接種デジタル化後のワクチンの安全性評価及び副反応疑い報告について御説明する資料となります。
 10ページ目は、冒頭で御説明申し上げました令和4年の臨時国会での感染症法等一部改正法による改正後の予防接種法をお示ししております。字が小さくて恐縮でございますけれども、この第23条におきまして、予防接種の有効性及び安全性の向上に関する調査等を可能とするために、市町村等に対し定期の予防接種等の実施状況に関する情報等の提供を義務づける等の法改正を行っております。
 続きまして、11ページ目は予防接種デジタル化前の現状の予防接種事務及び安全性に係る情報のフローを示しております。現時点における事務的フローについてはポンチ絵左側のとおり、自治体からの接種勧奨、予診票のやり取り、費用請求等が紙媒体で行われており、安全性情報に係るフローにつきましてはポンチ絵右側のとおり、副反応疑い報告が紙媒体及び電子媒体併用でPMDAを通し厚生労働省に報告されているといった流れを示しております。
 この中で、右の四角囲みの中に記載がありますように、現状におきましては、自治体は定期の予防接種の実施状況に関する情報を厚労大臣に報告する義務はなく、また、副反応疑い報告と他のデータベースを連結した分析もできない状況となっております。
 この状況が予防接種のデジタル化後につきましては、12ページ目でございますけれども、御覧のようなフロー図とすることをイメージしております。予防接種事務につきましては左側の中心付近に記載があります予防接種記録、予診票情報管理システムを通してデジタル化した情報の共有等が行われ、予防接種に係る国民の利便性の向上、地方公共団体や医療機関の事務負担の軽減を図るとともに、右側に記載がありますとおり、予防接種データベースに格納された接種記録及び副反応に係る情報をレセプト情報等との連結解析をすることによって、予防接種の有効性・安全性に関するより的確な調査を行うことを可能としております。
 以降、13ページ目から15ページ目が本日の資料のキースライドとなります。
 13ページ目は、予防接種のデジタル化を機にワクチンの安全性評価及び副反応疑い報告の現状を踏まえ、以下のような方向性としてはどうかとして、今回先生方にお諮りするスライドでございます。ワクチンの安全性評価全般及び副反応疑い報告のそれぞれについて、左側の四角囲みの中に現状、右側の四角囲みの中で今後の方向性についてまとめております。
 まず、ワクチンの安全性評価の現状につきましては、左側の現状を御覧いただきますと、副反応報告等により以下のようなリスクの探知が可能であるとして、承認時に想定されていなかったまれな反応が発生した場合、承認時に想定された症状が想定した頻度よりも多く発生した場合を示しております。一方、リスクの検証に必要なワクチン接種歴及び有害事象の発生に関する情報は、これまで各主体が別個に保有しており、連結して用いることは容易でなかったとしておりますところ、右側、今後の方向性でございますけれども、昨年12月の予防接種法の改正に基づき、各主体が保有しているワクチン接種歴等の情報を活用し、ワクチンの安全性評価におけるリスクの検証について取り組む方向性で検討してはどうか。また、上記の取組に向け、予防接種データベースに確保する情報、情報の分析手法、政策への反映の在り方については、関係の専門家と連携し、今後、技術的検討を進めてはどうかと、いうことでお諮りしているところでございます。
 また、副反応疑い報告の現状につきましては左下を御覧ください。まず、運用面でございますけれども、効率的な情報収集及び報告の質の向上を目的として、既存の報告様式の電子報告のシステムを令和3年4月、PMDAのウェブサイトにおいて整備したものの、引き続き手書きの自由記載を中心としたファクス報告がなされている状況でございます。また、分析面につきましては、過去の接種実績を踏まえた分析が困難である、報告の臨床的提供を行うことが困難である、また、既往や併存疾患を踏まえた分析が困難であるとの現状がございます。
 こうした状況につきまして、運用面の方向性といたしまして、今般の予防接種のデジタル化を機に、これまでの手書きでの報告を前提とした様式を報告者の利便性にも配慮しつつ電子報告に適した様式に改訂し、併せて電子報告を促すことで情報収集の効率化を図ることとしてとしてはどうか。
 また、分析面でございますけれども、副反応疑い報告の情報データベースに格納し、接種情報やレセプト情報等の連結解析をすることにより、副反応疑い報告のさらなる集団としての分析を行う方向で検討を進めてはどうか、ということでお諮りするところでございます。
 なお、技術的検討の内容につきましては今回の審議会ではお示ししておりませんけれども、感染研の先生方等と検討を始めさせていただいておりまして、感染研の先生方との議論の中におきまして、真ん中やや右側付近にございます※に記載しておりますようなことに留意しながら進める必要があると考えております。例えば、※1今回解析を試みようとしているデータソースは実際に運用されているリアルワールドデータであり、その利活用に当たっては、調査研究目的のために収集したデータではないことに留意が必要ですとか、レセプト情報の分析によるlimitationを踏まえ、どこまでの分析が可能かの検討が必要であることへの留意が必要である。
また、どのような分析を目指すかについては、データベース実装前に十分に検討するとともに、実装後においても実際に格納されたデータを解析した上で、ワクチンの安全対策に係る必要な措置を講ずるに当たっての妥当な分析の在り方について検証していくことが必要であることに留意が必要であると考えております。
 以上のような事項に留意しつつ、今後、技術的な検討を進め、具体の検討内容につきましては適宜審議会の場におきまして、先生方にお諮りしながら進めてまいれればと考えているところでございます。
 続きまして、2枚目のキースライドです。14ページ目の具体の報告書の様式につきましては、現行の様式を参考資料2として、また、改訂様式案を参考資料3としてお示ししております。
改訂案の趣旨でございますけれども、14ページ目のリード文を御覧いただきまして、1マル目、今般の予防接種のデジタル化を機に、これまで使用されてきた手書き報告を前提として作成された様式を電子報告に適した報告様式に改訂し、改めて電子報告を促すことで情報収集の効率化を図ることとしたいと考えております。
2マル目、また、これまで複数の内容を同一の項目内に自由記載できる様式としておりましたが、副反応に関する情報についても予防接種データベースに格納され、調査及び研究に利活用できるようになることも踏まえ、内容ごとに分けた記載を求め、効率的な利活用を可能とする方向性で対応したいと考えております。なお、ワクチン接種歴等の情報とともに予防接種データベースに格納するために、被保険者番号の項目を追加することとしております。
 また、参考資料2の現行様式の2ページ目を御覧いただきますと、現在報告する症状が厚生労働省令で定める副反応の報告基準に該当するかどうかのチェックをつける報告様式としておりますが、今般の新型コロナワクチン接種を進めてまいりました際のように、新しいワクチンの導入や、例えば心筋炎等の新たな副反応が判明した場合であっても、継続性を持って電子報告いただく柔軟性を持った安全性の情報収集を可能とするよう、新様式では同ページを略する案としております。
 以上が14ページ目の副反応疑い報告書の様式の改訂案であり、この改訂案について先生方の御意見を賜れればと考えております。
 最後に15ページ目を御覧ください。こちらは実際に予防接種データベースにどのような項目を格納するかをお示ししたスライドでございます。リード文にありますとおり、予防接種等の有効性及び安全性の向上を図るために必要な調査及び研究を行えるよう、自治体が記録・保存している予防接種の実施状況等に係る情報及び医師等から報告される副反応に係る以下の情報を利活用し、予防接種データベースに格納する方向性で検討を進めることとしております。
 具体的には、予防接種の実施状況等に係る情報として、下のポンチ絵でございますけれども、生年月日、性別等の情報を格納項目の候補としております。また、右側、副反応疑い報告に関する情報としては、改訂案の報告書のうち、性別、年齢、ワクチンの種別等の情報をデータベースへの格納報告案としており、いずれも既存の情報を利活用する趣旨としております。なお、この改訂後の新報告書の様式の運用開始については、データベースの運用開始と同じタイミング、法改正から3年6月以内、令和8年めどでの実装を目指すよう、調整してまいりたいと考えております。
 事務局からの資料の説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、事務局から説明のあった予防接種のデータベースについて議論を進めていきたいと思います。先ほど御説明がありましたように、議論は13ページ、14ページ、15ページの順で進めさせていただきたいと思います。そして、適宜12ページのデジタル化のイメージ図を見ていただきながら御審議いただけたらと思っております。
 まず、13ページに示されておりますワクチンの安全性評価全般及び副反応疑いの報告の方向性についてということで、ただいま事務局から説明がありましたけれども、御意見がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 安全性の評価全般につきましては、想定されなかったような副反応とか、前の副反応をしっかりと使っていきたいということで、自治体、市町村等のデータを一元化してしっかり見ていけるようにしたいということで、安全性の評価全般ということで書かれているということでございます。一方、副反応疑い報告については次のところの様式の改訂案のところでも御審議いただけたらと思いますけれども、これからの最終像としてはデジタル化が重要であるということでございまして、電子報告に適したような様式に改訂をしなくてはいけないということと、あとは分析の面でもいろいろな情報との連結ということで現在レセプト情報、接種情報等の連結が必要であるということが記載されておりますが、いかがでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 これまで紙媒体、手書きの様式から電子化に移行してきて、そちらのほうがよい点が多いというのも分かってきたのですけれども、しかし、電子化を始めてから随分たつのですが、なかなか手書きが減らないというのは、やはり何らかの理由があるのだと考えております。特に大きな病院ですと、診察室からインターネットにつながるパソコンにすぐにアクセスしにくい部分もあるのかなと思うのですけれども、電子化が大事だという一方で、電子化で報告していただきやすい何か仕組みを考えていただけると、より一層、こちらの方向が進むのではないかなと思いますが。何かもしお考えがあれば教えていただければと思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 なかなか手書きが減らないではないかということで、特に病院の電子カルテからの外部接続が基本的には制限されているという状況の中で、将来像を見据えて、どういう方向性を持ってデジタル化を進めていくのかということでございます。
 事務局からいかがでしょうか。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
 事務局といたしましては、入力する先生方の御負担を軽減するということが電子報告を促すためにも必須であると考えておりまして、現在、具体的な方策については調整を進めているところでございます。いかがでございますでしょうか。
○多屋委員 ぜひよろしくお願いします。感染研ではインターネットにつなげなくても入力できるようなひな形をつくっていたのですけれども、なかなかそちらも使っていただいている数はそんなに多くなくて、何か一工夫があるといいなと思いました。電子化することについては賛成です。よろしくお願いいたします。
○森尾座長 多屋先生、ありがとうございました。非常に重要な点かと思いますので、引き続きこちらにつきましては御検討をお願いできればと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。方向性についてはよろしいですか。
 どうもありがとうございます。
 少し具体的な部分といたしまして、14ページにございます副反応疑い報告様式の改訂案というところにつきまして議論を行いたいと思います。この副反応疑い報告様式の改訂案につきましては、今挙げました資料1の14ページと参考資料3において事務局から説明がございました。事務局からは、これまでの複数の内容を同一項目内に自由記載できる様式としていたのですけれども、副反応に関する情報も予防接種データベースに格納されること等も含めまして、内容ごとに分けた記載を求め、効率的な利活用を可能とする方向性が示されているという状況でございます。
 参考資料2のほうに現行の様式もございますので、こちらも御覧いただきながら御意見・質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
 伊藤澄信先生、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 副反応報告基準の別紙様式1に記載されました副反応に該当する症状と発生までの時間のリストは、いわば国の作成したガイドラインですから、教育的にも大変重要なツールだと思っています。それが分かりにくくならないといいなと思っています。今回、自由記載にすることで、ワクチンごとに起きやすい副反応が分かりにくくなるのではないかと懸念しますので、この資料の代わりになるような国からの分かりやすい情報提供をしていただければと思います。
 また、今回のシステムの話は、ウェブ入力システムの構築とか変更によるシステム改変は少なくしないと、昨今の銀行システムのトラブルで経験しているように、報告疾患を変更するという単純なことだけでもウェブシステムのリスクになりますし、当然変更に要する時間もかかると思います。いつも報告をしているコホート調査もウェブ入力をしており、多大な経費と調整に時間が必要になっておりますので、システム変更せずに、自由記載だけにするということは、ある意味で必要なことだと理解します。そういう意味で今回の提案には賛成いたしますが、一方で、自由記載にすることと同時にGarbage in, garbage outにならない工夫もしないといけないのだろうと思います。
 従いまして、こういった変更後に報告内容に大きな変化がないこと、すなわち、調査が連続的に変わっていないことについては確認していただければいいのではないかと思いました。
 以上です。
○森尾座長 伊藤委員、ありがとうございました。
 1つ目が今までの別紙様式1のところ、副反応報告基準の資料は非常に重要なものであり、皆さんがいつでも参照できるような工夫をしていただきたいということでございます。
 そして、ウェブ入力について、システムの変更等の大変さとかトラブルを考えると自由記載がいいけれども、報告内容に変化があったりとか、あるいは定義上同一のものがしっかりと今までの疾患のところに収束するような仕掛けが必要ではないかという2点につきまして質問をいただきましたが、事務局のほうからいかがでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 伊藤先生、御指摘ありがとうございます。
 先生の御指摘のとおり、副反応報告基準を示している別紙様式1は、医師に対し、副反応及び報告基準に該当する症状の周知・広報の役割も担ってきた、と事務局としても承知しており、引き続き周知・広報も重要であると考えております。
 一方で、副反応疑い報告書そのものを周知・広報の場とするのは必ずしも必然ではないとも考えておりまして、事務局といたしましては、副反応及びその報告基準に該当する症状を周知・広報する場を設ける工夫について、どのような工夫とするかも含め、今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
 また、連続性の点についての御指摘もありがとうございます。今回の改訂に当たりましては、感染研の先生方やPMDAとも協議しながら、改訂によるこれまでの報告数等との連続性の観点も含め、検討してきたところでございます。
 一方で、何らかの改訂を加えました場合、報告数の連続性がなくなるのは事実可能性としてはあるのかと思いますけれども、今般の新型コロナワクチンの接種を進めてまいりました際のように、新しいワクチンの導入や心筋炎等の新たな副反応が判明した場合であっても、継続性を以て電子報告いただく柔軟性のある安全性の情報収集も重要であり、新様式におきましては、同ページを略する案とさせていただきたいと考えております。
 今後、連続性が変化したかどうかについて、先生方に御覧いただけるような資料づくりに努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 それでは、宮入委員、お願いいたします。
○宮入委員 私の意見は先ほど伊藤委員がおっしゃったものとほぼ同じで、別紙1の内容が非常に教育的で現場で非常に役に立っていたということを強調するために発言させていただきました。
 これがなくなると一定数、副反応の報告が落ちてしまうのではないかと懸念しておりまして、それを補完する意味で、通常の診療録から吸い上げて接種歴と結びつけるという先ほどのデジタル構想の中であった案が、より即時性を持って機能している必要があるのではないかと思っておりまして、そこも非常に重要なポイントだと思いますので、同時進行で進めていただければと思っております。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 様式1が周知・広報という点で大切ということと、2点目、EHRからの吸い上げについてもスピード感を持ってお願いしたいという御意見だったかと思います。
 こちらについて何かコメントはございますでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 再度になりますけれども、副反応、あるいはその報告基準の周知・広報については重要であると考えておりまして、また、一応誤解がないように御説明申し上げますと、報告基準自体をなくすというわけではございません。引き続き、報告基準に該当する症状の情報収集に努めるということには変わりはございませんので、その旨は御説明させていただきたいと思います。
 また、データベースの流し込みの速度につきましては、現在調整中というところでございまして、今後、更新の速度感についても適宜お示ししていきたいと考えているところでございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 2013年の法改正になる前、まさに手書きでフリー記載で副反応報告を書いていた時代がありました。そのときの経験を生かしまして、同じ病気は誰からも同じように報告していただくということを目的にして、先ほどのご意見にも出てきた裏面のところ、先生方がこのワクチンの副反応疑い報告の基準がこういう疾患であるということを分かりやすくするためという大きい意味があると思うのですけれども、ただ、○をつけていただくということは、結局どの先生から見ても同じ病気を同じ表現で届けていただくという大きな意味もありまして、届いたときに非常に集計がしやすかったということも踏まえて、このような改訂を2013年の法改正のときにさせていただいたのを思い出します。
 ウェブ化については、感染研にかなりノウハウがあると思うのですけれども、ワクチンを選べば、副反応疑い報告基準にある症状が自動的に浮き出すようにつくり上げることはシステム上可能かと思っています。そうすることで、この症状は報告基準に入っているということがおのずと分かってきます。
 なので、疾患名を選ぶだけというところ、少なくとも副反応疑い報告基準に入っている症状については、ぜひ残していただいて、集計がしやすく、同じ病気は同じ病気として届けられるように整合性を持って連続性を持った集計ができるようにしていただきたいなと強く願っております。フリー記載にすることのよいところもあると思うのですけれども、よくないところがあると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 2つ目は、1ページ目の下に報告者と、そのもう一つ下に接種場所を書く欄があるのですけれども、若干これが分かりにくい気がいたしまして、報告者が誰である、一番下は、もし報告者が接種者と違う場合は接種者を書いてくださいと記載をしていただいたほうがよいのではないかなと思いました。初見ですと、なかなかここに書くものが分かりにくくて、下が未記入になってしまわないかなと心配になりました。接種場所の情報はとても大事で、同じ接種場所から同じような副反応疑い報告が届くということはこれまでもよくあったことなのですけれども、そこを2つ目にお願いしたいと思いました。
 あと、最後ですけれども、今、副反応疑い報告は報告基準に該当する場合は、ワクチンとの因果関係にかかわらず報告していただくという有害事象ベースの報告になっています。一方、それ以外はワクチンと関連があると報告者が疑った場合に報告していただく、いわゆる副反応疑い報告になって、日本の制度は両者が同時並行して動いているということがありますので、その点も含めて検討いただければと思いました。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 3つ御質問をいただきました。1つずついきましょうか。
 1つ目が、多屋先生には2013年の法改正に関わっていただいて、丸つけ方式で統一した病名ということでしっかりした解析ができるようになったので、今回自由記載からということになると、何らかの仕掛けがないと心配である。そこら辺が同一にならないのではないかというところの御懸念、もう一つ付随して、システム上で何か選べるようなものができるという取組ができないのかどうかというところが御質問でいただいた内容かと思っておりますが、こちらは事務局からいかがでしょうか。
○事務局 事務局からお答えさせていただきます。
 1点目でございますが、多屋先生からは、事務局での集計作業等についても御配慮いただいたものと考えております。現在の集計作業について御説明させていただきますと、PMDAにおきまして、副反応疑い報告として報告された症状について、報告基準に該当する症状を含めまして、MedDRAコーディングとして整理した上で評価を行っております。仮に報告医が報告書の一覧に○を付していらっしゃらない場合でも、報告基準に該当する症状について整理・分析をしているという状況でございます。現在も行っていることでございますが、今後も引き続きしっかり集計作業に対応していきたいと考えております。
 それから、3点目になりますけれども、先生から御指摘の因果関係にかかわらず報告をいただくもの、それから、ワクチンとの因果関係があるということで報告いただく症状があるという御指摘かと思います。この点につきましては、先ほどの事務局から御説明と少し重複する部分がございますけれども、この報告基準そのものがなくなるということではございませんので、それに関しましてしっかり周知・広報をするということで、報告いただく際に、報告基準のほうも御覧いただけるような仕組みを工夫していきたいと考えております。
 2点目の接種場所のところが分かりくいのではないかというご指摘につきましては、可能であれば、PMDAのほうから御回答をお願いします。
○安全管理監 PMDAからお答えいたします。
 報告者と接種場所が異なる場合の取扱い、御指摘ありがとうございます。報告する方が迷われないように、先生の御指摘を踏まえ、見直しを検討させていただきたいと思います。この様式自体、厚生労働省の通知で定められている様式でもございますので、変更内容の検討に当たりましては、厚生労働省のほうとも連携して対応させていただきたいと考えております。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 多屋先生、2番目と3番目はよろしいですか。報告者、接種場所のところを分かりやすく改訂するということ。
○多屋委員 今の報告書は、報告者と接種場所というのが明記されて欄が書かれていたのですけれども、新しいのだとそれが分かりにくいなと思いましたので、報告者、それから、接種場所というのを分かりやすく書いていただけるようになるといいなと思いました。
○森尾座長 3番目もよろしいですか。
○多屋委員 3番目につきましては、私が最初に少しお話ししましたように、例えば定期接種・臨時接種のワクチンで報告基準が定まっているものであれば、そのワクチンを選択したときに、自動的に出てくるような仕組みは今のシステムの技術をもってすればできるはずです。感染研のアプリでは、それを構築したものが使われていると思いますので、そうすることで、このワクチンの場合はこういうものは届け出基準に入っているということもおのずと分かることになりますから、副反応疑い報告基準に入っているものは、ワクチンを選べば出てくるというような仕組みをぜひつくっていただいて、これまでとあまり連続性がなくなるようなことにならないようにしていただけたらありがたいなと思いました。ノウハウのほうは多分感染研の皆様に聞いていただければ、すぐに分かってくれると思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
 多屋先生の今の感染研の工夫の御指摘につきましては、情報の受け取り手側のシステムの工夫というところになるかと思うのですけれども、一方で、情報の受け取り手側の工夫のみならず、まだ具体については詰めているところでございますけれども、報告の入力者側の負担の軽減といったところも必要なのかなと考えております。そうした面で考えますと、感染研やPMDAといった情報の受け取り手側のシステム改修のみならず、報告者側に対してもシステム改修を強いるような状況も考えられますので、そうした点も含めて想定した場合、可変性の高い報告基準のページをそのまま残すとなると、報告者側に御負担をかけてしまうという懸念もございますので、そこも含めて考えながら、具体的にどのようにすればよいか検討してまいりたいと考えているところでございます。
○多屋委員 ありがとうございます。
 実は報告する側、入力する側にとっても、とても楽な仕組みになっていまして、選ぶだけです。症状を全部打ち込まなくてもよくて選ぶだけということで、報告する側にとっても利便性は高いと思いますし、また、同じ病気は同じ病名で登録していただくことができますので、両方にとってよい面が多いと思いました。
 以上です。
○事務局 先生、ありがとうございます。
 今、報告を受け取る側のシステムの改修によって、報告者側の負担も減るのではないかという御指摘だったと思います。こちらにつきましては、先ほど資料の説明の中でも御説明を申し上げましたとおり、既に令和3年4月の時点で電子報告を可能とするというような工夫をして電子報告を促しているところなのですけれども、そうしたシステムを作ったけれども、電子報告が進んでいかない。そう致しますと、報告を受け取る側のシステムの工夫以外の方策も必要なのではないかと考えているところでございます。このため、先生の御指摘のとおり、情報を受け取る側のシステムの改修及びその他の方策も含めて考えているところでございます。どうかその点を御理解いただけますと幸いでございます。
○森尾座長 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 今までの先生方の御議論を聞いてよく分かってくるのは何なのかというと、入力する側の負担、それから、読む側の負担、記入してそれを統計して集めるとか、いろいろあると思うのです。入力する側の負担はどういうときに考えられるのかといったら、これはあってはならないような症状というか、まれなことを記入していく、一生のうちに何例、どのぐらい記入するのかといったら、ほとんどない方もいらっしゃるし、一例二例、十例書く方もいらっしゃる。つまり、何を私は言いたいのかというと、まれなことを見ていかなくてはいけない。つまり、承認時には想定されなかったまれな副反応の発生を探知するということになった場合には、そういうことを書けるような丁寧な仕組みを考えていかなくてはいけない。そして、承認時より想定されなかった症状について、想定されていた頻度より多く発生した場合、その危険を察知する場合も同様な形なのです。
 つまり、ここにお集まりの方々というのは、そういうことをよくお分かりになっている方、しかしながら、本当にこれをきちんとした形に持ち上げていくときには、ほとんどそういうものに出会ったことのない方がどのように書けるかということが非常に重要になってくるということからすると、今、お話になったように、何を打ったらば、どういう副反応みたいな形が出てくるのか、今、別添のような形でありましたけれども、そういうものがある程度ワクチンが出たらば、それが同時に出てくる、付随して出てくるというのはデジタル的にも当たり前ですけれども、容易というわけではないですけれども、形はできるわけです。別添の表が全部出てくるのではなくて、そのワクチンに対してこれが出てくるというような形であろうかなと私も推定いたします。
 しかしながら、この記載をしっかりとしていただくためには、よほど丁寧な入力者に対する分かりやすい記入の仕方というのを考えていかないと、ただ、このデジタル化したということだけで終わってしまうということは非常にもったいないことなので、これからもいろいろなワクチンが出てくる、想定しないようなことも出てくるわけですから、そういう意味で皆さん方の考え方をまとめて、入力者がどれだけ利便性を持ってという課題はないですけれども、気がつくような仕組みをつくっていただくことが必要ではないかなと思っています。
 以上でございます。
○森尾座長 宮川委員、どうもありがとうございました。
 非常にまれな報告でもしっかり集めていく必要があるということと、あとは入力者の目線が必要で、選択するということは、情報がパッと出てくるようなスタイルがよいのではないかと、そういう御指摘だったかと思います。
 この点につきまして、現時点で何か事務局はございますでしょうか。
○事務局 少し繰り返しになってしまう部分もございますけれども、今、宮川委員のおっしゃられたいわゆる報告者の負担を軽減することについては認識しておりまして、当然我々としてアクションし得るものが、情報を受け付けるシステム側での報告者の負担軽減というところは図れるわけですけれども、逆に報告書側の画面上での利便性の改善といったところについては、報告者側に御負担をおかけしてしまうことにもなりかねません。例えば、新しいワクチンが出てきた時であるとか、新たな副反応、想定されなかった副反応が出てきた場合においても、柔軟かつ継続性を以て情報収集に努めていけるようなシステムづくりを目指していきたいと考えているところでございまして、こうした先生方の御意見を踏まえ、引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 多屋委員からの1番目の御質問としまして、少し今の議論とかぶるかもしれないのですが、できるだけ統一した疾病名になったほうがいいということで、先ほど事務局のほうから、実際にPMDAではしっかりとコーディングをしているのだというお話がございました。この点、もうちょっと深掘りできますか。電子化したものに関しては恐らく自由記載からコーディングするようなシステムがあったりとか、記載しているものについては担当の方がコーディングしているようなところがあり、今回もそういうシステムでいきたいということなのかと理解しておりますけれども、何か追加のコメント、あるいは深掘りのコメントがありましたらお願いいたします。
○事務局 先ほどの繰り返しになってしまいますけれども、PMDAにて、副反応疑い報告で報告された症状について、表に○がついている、ついていないにもかかわらずMedDRAコーディングをして情報の整理をしていただいている。また、どういった症状がどの程度報告されたかという際にも、しっかり分析・整理していただいていると聞いております。
 この集計作業につきまして、PMDAのほうで少し補足いただけるとありがたいのですがいかがでしょうか。
○安全性情報・企画管理部長 PMDAよりお答えさせていただきます。
 基本的には今の繰り返しになってしまうわけですけれども、MedDRAという共通の用語によって同じ症状は同じ用語で分類していく。そういった内容となっております。お答えになっておりますでしょうか。
○森尾座長 集計側は、これから増えてきても頑張って対応していただくということでございます。ありがとうございます。
 岡委員、よろしくお願いします。
○岡委員 今まで御意見を伺っていますと、こうした基準となる疾患名を十分参照できるような姿勢、これは本当に大事かなと思いますので、そこはこの調査票から切り離すとなると、本当にますます分かりやすいようにしていただくのは本当に重要かなと思います。
 もう1点、先ほど多屋先生がおっしゃったように、例えばポップアップで出てくるようにするというのはあると思うのですけれども、この報告書の様式自体の中にそれをどうこうするというではなく、ここは括弧で自由記載にしておいて、ここであまり細かく決めてしまうと、今後これをデジタル化する中でいろいろな工夫がされていくと思うのですけれども、全部の工夫が今分かるわけではないので、そこまでここで決めるのは難しいのかなと思います。だから、ここは自由記載という形で置いておいていただいて、それをどういったような形で記載しやすくするのかということは検討していただくのでもよろしいかなと思います。
 実際には、今、電子カルテは今は通信できませんが、例えば電子カルテにつながっていかれるとなったときには、電子カルテのほうでそれぞれのベンダーさんがやりやすいような形、ポップアップしたりとかを考えていただけると思うのですけれども、それを全部今、この様式の中では決めなくてもいいかなと思ってしまいます。
 伊藤委員が最初におっしゃったように、細かい修正をしなくてはいけないようになってしまうと、いろいろなトラブルが起こる可能性もありますので、将来的な形を考えたときに、まずはこの様式でやっていただくという中で、問題点にしっかりと対応していただくのが大事かなという気がいたします。そういったような将来的な変更は可能なのでしょうか。先ほど感染研のアプリというお話もありましたけれども、送る側のほうで適宜そういった工夫をするということです。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 岡先生、ありがとうございます。
 岡先生の御指摘は、電子カルテと連結したような副反応報告を可能とすることについてコメントを頂戴したものと承知しております。実際、事務局といたしましても報告医の負担を軽減する一つの工夫として、電子カルテの連結ということは想定として考えているところでございます。
 一方で、電子カルテについては、現在医療分野でのデジタルトランスフォーメーションを通した基盤整備推進の中でカルテ情報の標準化が進められています。この標準化の動きも見据えながら、システムを改修していく必要があると考えておりまして、副反応疑い報告におきましても、電子カルテ情報とのデータ連携を行うことで、より効率的な副反応疑い報告ができるような基盤整備が望まれているのではないかと承知しておりまして、現時点でどのような仕組みができるかまではお示しできる段階ではございませんけれども、今後、電子カルテからの報告に向けた必要な各種標準化仕様等の基盤整備、また、可変性の高い部分を電子カルテに組み込んでしまいますと、そのために電子カルテの改修が必要になってしまうという負担もありますので、そのような負担も踏まえて検討していきたいと考えているところでございます。
○森尾座長 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 ありがとうございます。
 そうなると、だんだんこれをいろいろなところにダウンロードされて使われているという元のひな形という理解だとすると、ここを普通の括弧だけにしておくということでいいのかなと私自身は理解しました。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。
 齋藤委員、よろしくお願いします。
○齋藤委員 新潟大学の齋藤と申します。
 副反応報告については直接、臨床医でもありませんし、研究所も携わってはいないのですが、ただ、多屋先生がおっしゃったように、以前からある副反応報告との連続性がなくなってしまうというのは、将来的に大きな問題になりそうな気がするのです。個人レベルでは感染症情報を利用してインフルエンザとかRSがどのように流行するかというのを私はやっているのですが、RSとかは全数報告から定点になっただけで、それだけのことでも流行の流れを見るのには結構大変で、そうすると、今までやったシステムというか副反応報告の症状で何か大きな問題があったのであれば、それは改訂したほうがよろしいのではないかと思うのですが、統計情報は連続性が非常に大事だと、国際比較もやらなければならないので非常に大事なので、それを前のものと連続性が切り離されてしまう恐れがあるのは、自分としては将来に禍根を残すのではないかなと心配いたします。
 以上です。
○森尾座長 齋藤先生、ありがとうございました。
 システムを変えるときの連続性の課題は必ずつきまとうことだと思いますけれども、事務局からはさらに精緻な解析や広範な解析のためにデジタル化が必要であるという御説明だったと思います。
 何か事務局からコメントはございますか。
○事務局 齋藤先生、ありがとうございます。
 事務局といたしましても、これまでもそうでありましたとおり、連続性についての重要性は認識しているところでございます。一方で、今回のような報告様式の改訂に限らず、これまでも先生方に御意見を頂戴し、例えば報告基準を変える等、何らかの改訂をした場合においても報告数の連続性がなくなる可能性があったのも事実であり、例えば、新型コロナワクチン接種後の心筋炎や血小板減少に伴う血栓症を報告基準に加えた際にも、御指摘のような連続性が失われる可能性を踏まえつつ先生方に御議論いただき、ワクチンの安全性についてお認めいただいてきたところと理解しております。
 そうした意味で、今般の改訂に当たっても、先生方には、そうした連続性が失われる可能性を踏まえつつも、これまで同様、ワクチンの安全性について御意見を頂戴できればと考えているところでございます。
○森尾座長 齋藤先生、よろしいですか。
○齋藤委員 ありがとうございます。ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、最後に、副反応疑い報告様式の改訂案を踏まえまして、予防接種データベースの整備のイメージとして、15ページ目におきまして予防接種の実施状況等に関わる情報及び副反応疑い報告に関する情報の格納項目案が事務局から示されています。死亡情報の連携や利活用については検討中という記載があるように、示された内容につきましては現時点での検討中の内容ではございますけれども、現時点におきまして、この格納項目案について何か御意見・質問がありましたら承りたいと思いますがいかがでしょうか。
 こちらはよろしいですか。それでは、この内容でひとまず御理解いただいて、御質問がなかったと理解いたしました。ありがとうございました。
 それでは、本日議論いただいた内容をまとめさせていただきたいと思います。
 まず、1としまして、ワクチン安全性評価全般の方向性につきましては、昨年12月の予防接種法の改正に基づき、市町村や保険者等が保有しているワクチン接種歴等の情報を利用し、ワクチンの安全性評価におけるリスクの検証について取り組む方向性で検討を進める。また、予防接種データベースに格納する情報、情報の分析方法、政策への反映の在り方等については、関係の専門家、国立感染症研究所、PMDA、レセプト情報に関して知見を有する研究者等と連携して技術的検討を進め、本合同部会においても検討状況について適宜議論をしていくということでまとめさせていただきました。
 次いで、副反応疑い報告については幾つか御意見を頂戴いたしました。予防接種のデジタル化を機に、これまでの手書きでの報告を前提とした様式を報告者の利便性にも配慮し、電子報告に適した様式に改訂し、併せて電子報告を促すことで情報収集の効率を図ることとする。これが1点目でございます。この中で御指摘いただきましたように、入力に際してはさらなる利便性を考慮した検討を継続していただきたいということで、御意見を頂戴したと理解しております。
 また、連続性という観点からも、今までPMDA様等が行っていたコーディング等、そこら辺を継続・充実させることによって、確保に向けて努力をしていただくということで意見がまとまったのではないかと思います。
 また、副反応に関する情報も予防接種データベースに格納され、調査及び研究に利活用できるようになることを踏まえ、事務局より提案された改訂案のように内容ごとに分けた記載を求め、効率的な利活用を可能とするということでまとめさせていただきました。
 ここの様式につきましては、多屋委員のほうから、報告者と接種場所を分かりやすく記載できるように検討をお願いしたいという御意見を頂戴したと思います。
 また、副反応疑い報告の情報を予防接種データベースに格納し、接種情報やレセプト情報との連結解析により、副反応疑い報告のさらなる集団としての分析を行う方向で技術的検討を進めるとさせていただきました。
 3番目の予防接種データベースの整備イメージにつきましては、自治体が記録・保存している予防接種の実施状況等に係る情報及び医師等から報告される副反応に関わる情報として、事務局より提案された項目を利活用し、予防接種データベースに格納することとする。なお、事務局から示された内容は現時点での検討中の内容ということであり、適宜本合同部会でも示していただき検討を進めていくということでございます。
 私は1点述べ損ねましたけれども、別紙様式の副反応報告資料につきましても適切に参照できるように工夫をしていただくということでまとめたのではないかと思っております。このようなことで過不足ないでしょうか。よろしいでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 今、気づいてしまったのですけれども、例えば複数回接種するワクチン、HPVワクチンの場合、数回接種した後、報告されている方がこれまで結構多かったのですが、今回の届け出様式ですと、接種日は1つで同時接種のワクチンを書くようになっているのですが、連続した接種について報告する場合は何か工夫されることになるのでしょうか。今、気がついてしまいまして申し訳ございません。
○森尾座長 ありがとうございます。
 何回目かと書くようになっていて、それごとなのですかね。
○多屋委員 そうですね。同時接種は分かるのですけれども、特に免疫学的な機序で発生する新型コロナワクチンも随分そういうのが出てきているのですが、2回目の直後に発生した自己免疫的な機序で発症するような病態の場合、1回目の接種がいつだったかということが多分重要になってくると思うのですけれども、今度の様式だと、その日の接種だけになっていたので、どうなるかなと思いました。2回目接種の場合、例えば新型コロナワクチン1回目をいつ接種したのかというのが、この報告書からは分からなくなってしまうということでしょうか。前の報告書の場合は1回目、2回目、3回目と書かれていた方も結構あったのですけれども、そこは何か工夫ができたりするものでしょうか。
○森尾座長 接種回数1回目とか3回目とかと書く場所はあるけれども、その前の情報が分からないということですか。
○多屋委員 そうです。接種日の記載欄が1個しかないです。
○森尾座長 上のところの記載欄が1か所しかないということですね。
○多屋委員 例えば1回目の接種をいつしたというのを書く欄はないと思ってよろしいですか。自由記載で備考欄に1回目がいつと書くようになりますか。それとも、自治体からの接種歴の情報とひもづけられることで、この人が1回目にいつ接種したかが分かるようになるという感じでイメージしておいてよろしいのでしょうか。
○森尾座長 デジタル化したら分かるのだけれども、書いているときにどうするか。
 事務局、お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 今、御指摘の内容は事務局のほうでも確認しているのですけれども、旧報告様式と情報の求め方については特段変更していないと認識しております。
 今、森尾座長から御発言がありましたとおり、デジタル化した後には、実際に接種実績が個人個人でつながってまいりますので、そういう意味で過去に打ったものがどのようなものであったのかという分析についてはできるようになっていると考えております。
 その2点で御回答になっておりますでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。
 それが一緒になれば分かると思うのですけれども、今は逆に手書きなので書けてしまうというか、1回目いつ、2回目いつ、3回目いつと、一つのところに3列書いたりとかという報告書が結構多かったので、今回デジタル化でこの形になってしまうと書く欄がないなと、今頃気がついてしまいまして申し訳ありません。何か工夫がされるのだったら全然問題ないです。ありがとうございました。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
 逆に報告医の先生方におかれましては、必ずしも以前に何を打ったかというのを御存じない先生方もいらっしゃる中で、報告医の先生方がお知りになった情報を頂戴し、整理したうえで、本合同部会の先生方にお示ししているという状況でございますので、ある意味で報告者の先生方の御負担を考えますと、まさに打った回数の情報について、被疑ワクチンについての情報をいただければ、デジタル化された後については、以前の接種情報については突合できると考えております。そういった意味ですと、報告者目線では、利便性といいますか、御負担は軽くなるものかと考えているところでございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 この点もしっかりと情報が一元化するということで理解いたしました。重要な点をありがとうございました。
 
 まとめの内容についてはよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、本日の議論を踏まえて、副反応疑い報告の改訂案及び予防接種データベースへの格納項目案について変更する必要があるかどうか、御指摘いただいたマイナーな点は修正が必要ですけれども、改めて御意見はございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、現時点においては若干の修正のところを進めていただくと理解しておりますけれども、基本的には今回提示された事務局案で調整を進めていただくということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
 座長の不手際で長くなりましたが、本日の議題は以上となります。
 そのほか、全体を通じて何か御質問・御意見がありましたら承りたいと思います。
 よろしいですか。どうもありがとうございます。
 それでは、事務局にお返しいたします。
○事務局 本日も活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては日程調整の上、日時について御連絡をさしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の議論はこれで終了いたします。活発な御議論をどうもありがとうございました。