第1回後発医薬品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会 議事要旨

日時

令和5年7月31日(月)15:00~18:00

場所

AP新橋 Eルーム

議題

  1. 1.後発医薬品産業における現状について
  2. 2.本検討会において検討すべき事項等について

議事要旨

      
はじめに
○ 伊佐厚生労働副大臣及び本田厚生労働大臣政務官が出席し、それぞれ冒頭挨拶があった。
○ 座長に武藤正樹構成員、座長代理に川上純一構成員が選出された。
○ 製造業支援の観点から、経済産業省がオブザーバーとして出席した。
○ 日本ジェネリック製薬協会が参考人として出席した。(プレゼンテーション実施の後、退出)

議題1  後発医薬品産業における現状について
○ 資料1について事務局から説明があり、内容の確認等に関する質問・意見があった。

議題2  本検討会において検討すべき事項等について
○ 資料2及び資料5について事務局から説明があり、構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。構成員の意見を踏まえ論点を改めて示すこととなった。
・ デバイス製剤や特殊な製剤を扱う企業や包装材料といった医薬品産業を支える産業にも着目して産業構造のあるべき姿を議論してもよいのではないか。
・ 企業間の委受託の関係がブラックボックスになっていて分かりづらい。委受託における責任や管理体制について議論した方がよいのではないか。例えば、受託側も受け入れる製造キャパシティがあるのかどうかを明らかにした上で契約すべきではないか。
・ 自社で製造所を持たない企業についてどう考えるか、といった点も議論していきたい。
・ 業界内での役割分担について、完全に分化するのは難しいが、各企業が有する医薬品のライフサイクルに応じて、開発や製造に特化するといったこともあり得ると思う。単に企業数を減らせばよいということではなく、役割分担という意味での最適化という考え方があるのではないか。
・ 努力している企業が報われない現状があるのではないか。業務改善命令を受けたときの受け止め方はメーカーによって異なっていると承知している。定性的な指標になるので評価は難しいが、患者様に医薬品を届けることに真摯に向かい合って対応する点についてKPIを設定すると、企業が品質に目を向けていくのではないか。
・ 現在供給停止が起きているのは品質問題が要因であり、その根本は生産技術に関係するものが多い。これは高度な問題ではなく、先発企業が当たり前にできていることが後発品企業ではできていないということ。仮に企業の統合が進んでも当たり前のことができない企業同士が集まっても質は向上しないのではないか。
・ 製造プロセスを改善しようとすると一部変更申請しないといけない可能性があるため、改善しようとする人は淘汰されているのではないか。言われたとおりにまずやる、というマインドを変えることは長い時間を要する。現場の行動を変えていくためには、規制の解釈の仕方など、規制の中でどこまでが企業自身で考えるべきことなのか、といった点について、本検討会でも考えていくべきではないか。
・ M&Aを行ってきた会社の場合、それぞれの工場が独自のGMP基準と手順を持って、いわゆる1つの製販業としても、工場間でも品質や基準がばらばらな状態であり、同じような問題は今後も業界で出てきてしまうが、どのような手を打っていくか。また、例えば小さな会社であっても、GQP、GMPの維持管理が固定費で発生し、小さな会社になればなるほど品質コストが重くなってくるので、例えばGQPにおける原薬の供給者の監査などの共通の業務のようなものは業界全体で切り出してしまって集約化させる等、構造的な合理化の議論も必要ではないか。
・ バイオシミラーについて、製造販売できているのは、後発品企業でも一部の企業に限られている。バイオシミラーは設備投資の整備など、製造販売の難易度が低分子と違うので、全ての後発品企業が進んで取り組んでいくことが適切であるかという点を考えないといけない。
・ 海外展開については、まずは、国内の安定供給について業界で担保できるようになってからでよいのではないか。
・ 海外展開について、必ずしも成功していない企業があるため、少し話が拡がりすぎる印象。原価高騰の流れの中で人件費を抑えるという観点では避けて通れないため、原価の観点から検討するのがよいのではないか。
・ 海外拠点で製造する際には、有事の際に品目が入ってくるかどうかも考えないといけない。また、海外の後発品企業が日本に医薬品を輸出できない一因に、海外の薬事規制と日本の規制との差があるのではないか。
・ AGについても本検討会において議論すべきではないか。業界に大きな影響があると考えている。
・ 後発品産業は他社の出荷停止や安売りによって自社の製造や価格決定に影響を受けるという構造がある。こうした中で、個社の企業努力に着目したインセンティブがあればよいのではないか。

○ 資料3について日本ジェネリック製薬協会からプレゼンテーションが行われた。構成員からの主な意見・質問は以下のとおりであった。
・ 次世代産業ビジョンを具体的にどのようにリバイスする予定なのか。
・ 業界として、本検討会において中長期の観点から又は短期的な観点から、議論してほしい項目はないか。
・ 原薬価格の高騰など、製造流通コストも上がっている中、検討会で議論したほうが望ましい点はあるか。
・ 共同開発に関してどのような認識をもっているのか。
・ 業界団体として有識者検討会報告書に記載されている課題についてどう考えるか。
・ 低収益体質を変えていくため業界としてどのような考えを持っているか。
・ 少量多品目の適正化や生産の効率化に関して、どのような障壁があると考えるか。
・ 品質管理に関する人材の確保や育成について、業界としてビジョンはあるか。また、安定供給のためには製造キャパシティの増強と人材確保のどちらがより急務であると考えているか。
・ 業界のプレゼン資料に信頼回復の取組について掲載されているが、この取組の現状はどうなっているか。

○ 資料4について柳本構成員からプレゼンテーションがあり、内容としては以下のとおりであった。(資料4はデータの機密性の関係から非公開とした。)
・ 市場の構造的課題
・ 地銀再編の事例から得られる示唆
・ 業界構造改革のアプローチ

おわりに
○ 事務局から、第2回は8月21日(月)15時を予定していることを案内し、散会となった。