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2023年6月30日 令和5年第1回目安に関する小委員会 議事録
日時
令和5年6月30日(金)15:20~16:31
場所
厚生労働省省議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館9階)
出席者
- 公益代表委員
- 藤村委員長、戎野委員、小西委員、首藤委員
- 労働者代表委員
- 伊藤委員、永井委員、仁平委員、水崎委員
- 使用者代表委員
- 大下委員、佐久間委員、土井委員、新田委員
- 事務局
- 鈴木労働基準局長、青山大臣官房審議官、岡賃金課長、友住主任中央賃金指導官、
古長調査官、長山賃金課長補佐、青野賃金課長補佐、川辺副主任中央賃金指導官
議題
令和5年度地域別最低賃金額改定の目安について
議事
○藤村委員長
ただいまから、第1回目安に関する小委員会を開催いたします。
まず、小委員会の公開についてです。本年、4月6日に中央最低賃金審議会で了承された目安制度の在り方に関する全員協議会報告において、「議論の透明性の確保と率直な意見交換を阻害しないという2つの観点を踏まえ、公労使三者が集まって議論を行う部分については、公開することが適当」とされたところです。これを踏まえて、今年の小委員会について、公労使三者が集まって議論を行う全体会議については、公開したいと思います。
一方、公労あるいは公使会議という二者協議の場に関しては、運営規程第6条第1項に定める「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当すると考えられますので、引き続き、この規定を小委員会についても準用し、非公開としたいと思います。それでよろしいですか。
(異議なし)
ありがとうございます。それでは、目安に関する小委員会について、公労使三者が集まって議論を行う全体会議は公開、公労・公使会議といった二者協議の場は非公開といたします。
続いて、お手元の資料No.1は「主要統計資料」、資料No.4は「足下の経済状況等に関する補足資料」、参考資料No.1は「最低賃金に関する調査研究」という順で事務局から説明をお願いし、資料ごとに質疑の時間を設けていきたいと思います。
なお、次回以降提出を求める資料等については、参考資料No.1の質疑の後にまとめて承りたいと思います。では事務局、お願いします。
○青野賃金課長補佐
それでは、事務局から説明させていただきます。説明の間に、自治体等から最低賃金に関する御要望、御意見が届いておりますので、こちらを回覧させていただきます。
まず、資料No.1、「主要統計資料」を御覧ください。1枚めくりますと目次がありますが、資料No.1は3部構成になっております。Ⅰが「全国統計資料編」、次のページから、Ⅱとして「都道府県統計資料編」、Ⅲが「業務統計資料編」となっております。資料が大部ですので、ポイントを絞って御説明いたします。
まず、全国統計資料編の1ページを御覧ください。主要指標の推移です。他の表も同じですが、基本的に過去10年間の年次の推移と直近の四半期や月次の推移を示しております。表の中段に「令和4年」とありますが、こちらの数値を見つつ、適宜直近の数値を参照いただければと思います。
まず、1番左のGDPです。GDPの欄の真ん中辺りを御覧ください。令和4年の経済成長率は、前年比で名目プラス1.3%、右に行き、実質プラス1.0%となっています。
鉱工業生産指数については、令和4年は前期比マイナス0.1%、製造工業稼働率指数については、令和4年は前期比マイナス0.4%となっています。
倒産件数については、令和4年は6,428件と、2年連続6,000件台にとどまったものの、前年比プラス6.6%と3年ぶりの増加となり、下の方の四半期別を御覧いただくと、期を追って前年同期比増加率は高まっており、令和5年1~3月期では、前年同期比30.1%増となっています。
更に右に行き、完全失業者数です。令和4年は179万人、前年から16万人の減少となっています。完全失業率は、令和4年は2.6%と前年から0.2%ポイント低下しています。
2ページ、一番左の求人倍率について、令和4年の新規求人倍率は2.26倍、また、有効求人倍率は1.28倍と、共に前年と比べて上昇しております。直近を見ますと、4月の有効求人倍率は1.32倍で、令和4年平均を上回っております。
右に行き、消費者物価指数は、資料全体を通じて「持家の帰属家賃を除く総合」を使っておりますが、令和4年は、前期比プラス3.0%となっております。足下の数字については後ほど御説明いたします。
国内企業物価指数については、令和4年は前期比プラス9.7%と大幅に上昇しました。足下の数値については後ほど御説明いたします。
現金給与総額の指数です。調査産業計については、令和4年は前期比で名目賃金はプラス2.0%と、平成4年(1992年)にプラス2.0%になって以来、30年ぶりの大きな伸びとなった一方、実質賃金はマイナス1.0%と、消費者物価指数の高い伸びにより2年ぶりにマイナスとなっています。また、右側の製造業でも、名目賃金はプラス1.7%、実質賃金はマイナス1.3%となっています。
毎月勤労統計調査については、これまで主として事業所規模30人以上の数値を用いていましたが、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、より一般的に利用されている事業所規模5人以上の数値を用いています。これから御紹介する数値で毎月勤労統計調査が出所のものは、同様の扱いとなっておりますので御留意ください。
なお、ただいま御覧いただいた1、2ページにおいては、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、季節調整値及び季節調整値の前期比(差)については、斜体で記載しております。
続いて3ページ、有効求人倍率の推移です。昨年までは、受理地である都道府県ごとの有効求人倍率を単純平均し、ランクごとに表にしていましたが、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、就業地である都道府県ごとの数値を用いるとともに、ランク別有効求人倍率の算出に当たっては、各都道府県の有効求職者数による加重平均でお示ししています。また、ランク数については、全員協議会報告に基づき区分された3ランクでお示ししています。
令和4年は、前年と比べA~Cランク全てで上昇となっており、特にAランクよりB、Cランクがより高い倍率となっています。表の右側、直近の数値でも同様の傾向が見られます。
4ページ、性・年齢別完全失業率の推移です。こちらは、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告においても記載があるとおり、新規のデータ取得が不可となった「職業安定業務統計」の年齢別常用求人倍率の推移に代えて今年から掲載するものです。令和4年については、女性の35~44歳と65歳以上のみ横ばいとなっていますが、その他の区分では、男女共に令和3年より低下しています。
5ページ、賃金の推移です。まず、現金給与総額ですが、一番上の行の真ん中あたり、令和4年の前年比は、30人以上の事業所でプラス3.1%と増加、5~29人の事業所では、マイナス0.2%とやや減少しております。
次に下欄の定期給与額です。定期給与額は、現金給与総額から賞与等の特別に支給される給与を除いたものになります。前年比でみて、令和4年は30人以上の事業所でプラス2.4%、5~29人の事業所ではマイナス0.3%となっています。
また、定期給与額の値の下に、括弧内の数値がありますが、これは定期給与額から残業代などを除いた所定内給与額の前年比の増減率です。令和4年は、30人以上の事業所でプラス2.0%。5~29人の事業所ではマイナス0.5%となっています。
6ページ、パートタイム労働者比率の推移です。30人以上の事業所では、ここ数年は25%台で推移してきましたが、令和4年はやや低下した一方、5~29人の事業所では、令和4年は上昇し、41%となりました。
続いて7ページ、初任給額と上昇額等の推移です。表の一番下に記載されている令和5年度は速報値ですが、括弧内にある上昇率は、前年度に比べてプラス3.1~4.5%と全学歴において上昇が見られます。
8ページ、賃金・労働時間指数の推移です。こちらは事業所規模30人以上の数字です。表の真ん中の欄の令和4年の所定内給与は前年比プラス2.0%、所定内労働時間もプラス0.2%であったため、時間当たり所定内給与としては前年より1.8%増加しております。
また、資料の一番下の令和5年1~3月期でも、時間当たり所定内給与は引き続き増加しています。
9ページ、賃金・労働時間指数の推移の続きです。こちらは事業所規模5~29人です。令和4年は、所定内給与が前年比マイナス0.5%、所定内労働時間がマイナス1.1%となり、所定内給与の減少に対し所定内労働時間の減少度合がより高かったため、結果として、時間当たり所定内給与は0.6%増加しています。 表の一番下ですが、直近の令和5年1~3月期は、時間当たり所定内給与が減少しています。
10ページ、一般労働者、すなわちフルタイム労働者の賃金・労働時間の推移です。令和4年の時間当たり所定内給与の前年比は、10人以上企業でプラス1.4%、うち10~99人企業ではプラス1.6%、より小規模の5~9人企業ではプラス1.7%と、どの企業規模でもプラスになっています。
11ページ、月間労働時間の動きです。表の左が所定内労働時間です。令和4年は事業所規模30人以上が前年比プラス0.2%、5~29人でマイナス1.1%になっています。表の右の所定外労働時間を見ますと、調査産業計で令和4年は30人以上がプラス5.2%、5~29人がプラス3.6%となっています。
12ページ、春季賃上げ妥結状況です。こちらは連合・経団連の集計結果を記載しております。まず、左上の表ですが、連合の平均賃上げ方式(加重平均)の規模計において、今年の第6回集計では3.71%となっています。注2のとおり、この数値は賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものです。
その下に、連合の有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額を記載しております。時給では、単純平均で39.53円、加重平均では52.78円の賃上げとなっております。加重平均の引上げ率の概算は5.01%となっています。
次に、経団連の今年度第1回の集計ですが、右上は大手企業で3.91%、右下は中小企業で2.94%となっています。
13ページ、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査から、賃上げ額・率の推移を示しております。連合・経団連の集計と異なり、令和4年の数値ですが、改定率は加重平均で1.9%でした。右側の表は、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素ですが、「企業の業績」が最も高い割合となっています。
14ページ、夏季賞与・一時金の妥結状況です。連合・経団連の集計結果です。
まず、上側の連合の集計は、夏季、年間とあり、最新の第6回集計での回答月数は、夏季は2.38ヶ月、年間では4.87ヶ月と、昨年よりも僅かに下回っています。
続いて、経団連の令和5年第1回集計では、総平均の増減率で3.91%の増加となっています。
15ページ、消費者物価指数の対前年上昇率の推移です。全国では、令和5年4月はプラス4.1%、直近5月はプラス3.8%となっています。ランク別で見ても、直近の令和5年5月はプラス3.7~4.0%となっています。
16ページについては、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告において、「労働者の生計費」に関する資料を充実させるために、「家計調査」による1月当たりの消費支出額の推移についても資料を追加することとなったことを踏まえ、今年初めてお示しします。
令和4年の単身世帯の消費支出額は、16万1,753円、対前年比でプラス4.3%です。うち勤労者世帯は17万8,434円、対前年比でプラス3.9%です。右側、総世帯においても、24万4,231円、対前年比でプラス3.9%、うち勤労者世帯は27万3,417円、対前年比でプラス3.6%となっています。
17ページ、地域別最低賃金額と未満率、影響率の推移です。こちらは「最低賃金に関する基礎調査」に基づく数値で、注4のとおり、事業所規模は原則30人未満が対象です。令和4年度の未満率は1.8%、影響率は19.2%となっています。
18ページ、同じく未満率、影響率を、「賃金構造基本統計調査」から特別集計したものです。こちらは注3のとおり、事業所規模5人以上が対象です。
令和2年から集計方法が変更されましたので、新しい集計方法で遡って集計した下段の表を御覧ください。令和4年の未満率は2.3%、影響率は6.9%となっています。
続いて19ページ、地域別最低賃金と、一般労働者、すなわちフルタイム労働者の賃金水準との関係です。一番下の令和4年の行を御覧ください。真ん中辺りの「時間額比①/④」の列ですが、企業規模10人以上の企業では、令和4年に最低賃金は平均賃金の50.9%と昨年より上昇しております。右側の列の一番下に企業規模10~99人の時間額比の数字がありますが、令和4年は57.1%と、これも昨年より上昇しております。
20ページ、同様のデータを短時間労働者について規模別に男女計と女性で見たものです。これも一番下の「令和4年」を御覧ください。全体的に所定内給与額に対する最低賃金の比率は、令和4年は企業規模10人以上も10~99人においても、前年に比べて上昇しております。
21ページ、同様の割合について、毎月勤労統計調査でパートを含む常用労働者全体で見たものです。一番右側の時間額比の列を御覧ください。時間当たり所定内給与に対する最低賃金の比率は、令和4年には48.7%に上昇しております。
22ページ、日銀短観による企業の業況判断です。基模計で見ますと、令和4年においては、製造業は横ばい、非製造業は改善傾向にあります。しかし、令和5年3月においては、製造業がマイナス4になり、先行きもマイナス3となっています。令和5年3月の非製造業はプラス12ですが、先行きは6と少し低下しています。
23ページ、日銀短観による経常利益です。規模計で見ますと、令和4年度の計画は、製造業で前年度比プラス2.4%、非製造業でプラス13.3%でした。令和5年度の計画は、製造業、非製造業共にマイナス2.6~2.7%と、対前年比マイナスの見込みです。
右側は、日銀短観による売上高経常利益率、つまり売上高に対する経常利益の割合です。令和4年度の計画では、いずれの規模でも製造業はやや低下、非製造業は中小企業を除き上昇を見込んでいますが、令和5年度の計画では、中小企業の製造業を除き、やや低下の見込みとなっています。
24、25ページは、22、23ページの数字を、1974年以降時系列にグラフにしたものです。
26ページは、法人企業統計による企業収益の年度データです。今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、年度データと四半期データはページを分けてお示しすることとしています。また、趨勢的な動向が観察できるよう、掲載する期間を拡大しています。年度データについて、直近で出せるのは令和3年度までです。
表の上半分の経常利益を御覧いただくと、資本金規模1,000万円以上の企業は、令和3年度は前年度比プラス35.6%となっている一方、1,000万円未満の企業は、前年度比でマイナス10.8%です。
表の下半分の売上高経常利益率を御覧いただくと、資本金規模1,000万円以上では、令和3年は6.2%と前年度に比べて利益率が改善しているものの、1,000万円未満はやや低下しています。
続いて27ページ、こちらは法人企業統計による企業収益の四半期データです。この資料における「規模計」は、年度データとは異なり、「資本金規模1,000万円以上」の企業のみで算出されています。
表の下半分、売上高経常利益率は、令和4年は、資本金規模1,000万円以上で、概ね6~8%程度で推移しており、令和5年1~3月期も、6.3%と前年同期と比べて横ばいです。
28ページ、中小企業景況調査における業況判断です。合計を見ますと、令和2年の4~6月期には、マイナス66.7%まで低下しましたが、足下の令和5年1~3月はマイナス21.1まで改善しております。ただし、コロナ前よりは低い水準となっています。
29ページですが、28ページの数字を平成29年以降、時系列でグラフにしたものです。
続いて30ページ、法人企業統計による従業員一人当たり付加価値額の推移です。直近で出るのは令和3年度までですが、令和3年度は、左端の「産業・資本金規模計」では4年ぶりに対前年度比でプラスとなっています。
31ページですが、30ページの数字を昭和62年度以降時系列でグラフにしたものです。
32ページ、就業1時間当たり名目労働生産性の推移です。こちらは、今年から新たにお示しするものであり、4月に取りまとめられた全員協議会報告において「通常の事業の賃金支払能力」に関する資料を充実させるために、日本生産性本部による就業1時間当たり名目労働生産性の推移についても、新たに主要統計資料に追加することとされたことを踏まえたものです。
直近のデータは令和3年のものです。資料の下半分、「前年比」を御覧いただくと、令和3年は「全産業」の前年比はプラスであるものの、特に「電気・ガス・水道」、「宿泊・飲食サービス業」等の産業において、前年比でマイナスになっています。
続いて、第Ⅱ部の「都道府県統計資料編」についてです。ランクに関しては、今回から、4月の全員協議会報告で取りまとめられた3ランクへの振り分けに基づきお示ししています。
まず33ページ、各種関連指標のデータを掲載しております。このページの指数は、東京を100としたときの各都道府県の指数を示したものです。
一番左の項目の「1人当たりの県民所得」は、内閣府の「県民経済計算」による令和元年度の数値です。東京が100で一番高く、一番低いのは沖縄の41.6となっています。
中央の「標準生計費」は、各都道府県の人事委員会が作成している数値です。
一番右の欄に、「高卒の新規学卒者の所定内給与額」があります。男女別で見ますと、一番高いのは男性で東京、女性で神奈川となっています。
34ページ、有効求人倍率の推移です。この資料も3ページと同様に、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、就業地である都道府県ごとの数値をお示ししております。
令和4年は沖縄県を除いた全ての都道府県で1倍を超えています。最も高いのが福井の2.04倍、最も低いのが沖縄の0.98倍となっております。
35ページ、失業率の推移です。右から2番目の列、令和4年を御覧いただくと、表の下の方ですが、最も失業率が高いのが北海道及び沖縄の3.2%。最も低いのが島根の1.3%となっています。
36ページ、定期給与の推移です。令和4年の結果では、最も高いのが東京で約34万円、一番低いのが沖縄で約22万円となっています。
37ページ、パートタイム労働者の1求人票当たりの募集賃金平均額です。令和4年平均の結果を見ますと、東京以外の全ての道府県で令和3年より上昇しております。
続いて38ページ、パートタイム労働者の1求人票当たりの募集賃金下限額です。令和4年平均の結果を見ますと、全ての都道府県で令和3年より上昇しております。
39ページ、平均の月間総実労働時間と所定外労働時間の推移です。令和4年では、総実労働時間が一番長いのは、山形の150.0時間、一番短いのは、奈良の126.7時間。所定外労働時間の最長は、東京と愛知の11.7時間、最短は高知の6.7時間となっています。
40ページ、消費者物価の対前年上昇率の推移です。令和4年は、先ほど御紹介したとおり、全国平均が3.0%でしたが、例えば、秋田や青森では対前年比で4.0%となるなど、一層高い物価上昇が見られた地域も存在します。直近の令和4年5月は、長野と沖縄の対前年同月比4.6%が最も高い上昇率となっております。
41ページ、都道府県庁所在都市に基づく消費者物価地域差指数の推移です。
当該会議が開始される直前、本日14時に令和4年の結果が公表されていますが、当該資料には反映しておりません。
なお、令和3年結果では、全国を100として、最も高いのは東京の105.3、最も低いのは群馬の96.5となっています。
42ページ、都道府県下全域を対象とした消費者物価地域差指数の推移です。こちらは、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、ランク分けの指標にも用いられている都道府県下全域を対象とした数値も追加で掲載することとしたことによるものです。
こちらも41ページと同様、本日14時に令和4年の結果が公表されておりますが、当該資料には反映しておりません。
43ページ、「家計調査」による1月当たりの消費支出額です。16ページの説明の際に御紹介したように、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告において、「労働者の生計費」に関する資料を充実させるために、「家計調査」による1月当たりの消費支出額の推移についても資料を追加することとしており、こちらは都道府県別の総世帯のものです。
令和4年の消費支出額は、最も高いのが滋賀の27万7,837円、消費支出額を世帯人員の平方根で除して算出する等価消費支出額は、東京が最も高く19万2,295円です。
44ページ、総世帯のうち勤労者世帯の1月当たりの消費支出額です。
令和4年の消費支出額は岐阜が、等価消費支出額は、43ページの総世帯と同様に、東京が最も高い結果となっています。
45ページ以降は、労働者数等の推移です。まず、45ページは、常用労働者数の推移です。
令和4年の結果では、14の地域で常用労働者が前年比で減少しております。
46ページ、雇用保険の被保険者数の推移です。
表の右下ですが、令和4年は、全国計では前年比0.2%増加となっておりますが、Aランクは全ての都府県で増加、一方、B、Cランクでは計31の道府県で減少しています。ただし、注1にあるとおり、被保険者数を見る際には、本社一括適用の事業所もあることに留意が必要です。
47ページ、就業者数の推移です。これは雇用者だけでなく、自営業者等も含めた就業者全体の推移になります。
表の一番右の令和4年を見ますと、Aランクでは全ての都府県で前年比は増加していますが、B、Cランクでは就業者数が減少した道府県が多くなっています。右下ですが、全国計では前年比0.1%増となっています。
次に、第Ⅲ部の「業務統計資料編」です。
48ページは、昨年度の改定審議の状況です。
表の右から2つ目に、各都道府県の採決状況を記載しております。備考の2を見ますと、令和4年度は全会一致が9件、使用者側(全部)反対が33件、労働者側(全部)反対が2件等となっております。
49ページ、目安と改定額との関係の推移です。この資料では今年から適用されるランクの振り分けに基づき記載していますが、改定時のランクとは異なるものであったことに御留意ください。令和4年度は、目安を上回る改定額となったのは22県でした。内訳は、プラス3円が5県、プラス2円が8県、プラス1円が9道県となっています。
50ページ、効力発生年月日の推移です。令和4年度については、22の都府県が10月1日発効、最も遅い県(山梨県、岩手県)は、10月20日発効となっております。
51ページ、加重平均額と引上げ率の推移です。令和4年度は、全国で見ると3.33%の引上げ率となっています。ランク別に見ますと、Dランクが最も引上げ率が高くなっています。
52ページ、地域別最低賃金の最高額と最低額及び格差の推移です。令和4年度は最高額が1,072円で東京、最低額は853円の青森・秋田・愛媛・高知・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄の10県です。令和4年度は、最高額に占める最低額の割合は79.6%で、格差は8年連続で縮小しております。
53ページ、地域別最低賃金引上げ率の推移です。引上げ率で見て一番高かったのは、岩手県・高知県・鳥取県・沖縄県で4.02%。最も低かったのは、東京と神奈川で2.98%となっています。
54ページは、全国の労働基準監督署において、最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果をまとめたものです。
下の注書きのとおり、各年1~3月の結果です。
その下の※ですが、令和3年は、緊急事態宣言等が発出されたことに伴い、緊急性のあるものを除いて、監督の実施を延期したため件数が少なくなっております。
表の一番下の令和5年を御覧いただくと、およそ1万5,000事業場に監督を実施し、事業場の違反率は10.3%、最低賃金未満の労働者の比率は2.3%となっています。
監督指導の対象となる事業場については、監督署におきまして影響率の高い業種や過去の違反率が高い業種等を踏まえて、監督指導が効果的・効率的に行われるよう選定しておりますので、統計的な数値とは異なるものであることに御留意いただければと思います。
続いて55ページ、監督指導結果の業種別の状況です。業種により、監督実施事業場数が大きく異なります。参考に御覧いただければと思います。
長くなりましたが、資料No.1の説明は以上です。
○藤村委員長
どうもありがとうございました。この資料No.1について御意見、御質問があれば承りますが、いかがですか。よろしいですか。
続きまして、資料No.4の説明をお願いします。
○青野賃金課長補佐
それでは、資料No.4の「足下の経済状況等に関する補足資料」を御覧ください。
1ページは、内閣府の「月例経済報告」です。2023年の基調判断の推移を表にしておりますが、一番左の「現状」については、5、6月は、「景気は、緩やかに回復している」とされています。また、表の左から2番目の「先行き」については、4月までは「ウィズコロナの下で、」という記載がありましたが、5月に入ってなくなり、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」とされています。表の右から2番目の「雇用情勢」は、6月は「改善の動きが見られる」とされています。
2ページは、連合の春季賃上げ妥結状況です。第6回の回答集計結果の推移を見ますと、今年の賃上げ率は3.66%、中小で3.36%になっています。
3ページは、経団連の春季賃上げ妥結状況です。今年は第1回集計時点で、大手で3.91%、中小で2.94%となっております。
4ページは、日銀短観による雇用人員判断D.I.の推移です。こちらは、人手過不足感を表す指標です。雇用人員判断D.I.がプラスであることは、人手が過剰と考えている企業の割合のほうが高く、マイナスであることは、人手が不足していると考えている企業の割合のほうが高いことを示しております。特に、2020年9月以降は人員不足感が強まり続けており、中堅企業・中小企業については、大企業以上に人員不足感が高まっていることが見て取れます。
5ページからは、地域別の状況です。
6ページは、ランク別の完全失業率の推移です。グラフの青線がAランクですが、2020年4~6月頃から特にAランクで完全失業率が上昇しております。ただ、足下では一時期に比べて改善しております。
7ページは、ランク別の有効求人倍率の推移です。どのランクでも、2020年の前半に大きく低下した後は改善傾向が続いています。グラフ青線のAランクでは、他のランクに比べて回復がやや遅れていますが、2022年の後半以降、安定して1.2弱で推移しています。
8ページは、ランク別の新規求人数の推移です。グラフは2020年1月を100とした場合の水準の推移ですが、どのランクでも2020年4月に落ち込んだ後は回復傾向です。直近の今年4月には、Aランクも含めて全ランクで2020年1月の水準を上回っています。
9ページからは、「産業別の状況」です。
10ページは、主な産業の売上高経常利益率の推移です。左側の年平均を見ると、2020年以降マイナスが続いていた「宿泊業,飲食サービス業」も2022年には0.0%となり、右側のグラフ、直近の2023年1~3月期は、「宿泊業,飲食サービス業」もプラスとなっています。
11ページです。こちらは産業別の売上高経常利益率の推移の詳細ですので、後ほど御覧ください。
12ページは、日銀短観による主な産業の業況判断DIの推移です。全体として2020年前半に大きく低下し、その後は。改善傾向にはありますが、製造業ではマイナスとなっております。
13ページは、国内企業物価指数の推移です。2021年後半及び2022年は対前年同月比で10%前後の高い水準が続きましたが、2023年5月には対前年同月比が5.1%となっております。引き続き、消費者物価指数と比較すると、上回っている状況にあります。
14ページは、輸入物価指数の推移です。円ベースで見ますと、2021年及び2022年は対前年同月比30~50%の間で変動していましたが、2023年5月には前年同月比マイナス5.4%となっています。
15ページからは、消費者物価の動向です。
16ページは、消費者物価指数の指標です。4つあり、1つ目が「総合」、続いて、変動が大きい品目を除いた「生鮮食品を除く総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、最後に、当審議会の主要統計資料で利用している「持家の帰属家賃を除く総合」です。
17ページは、消費者物価指数の推移です。直近5月の対前年同月比を見ますと、「総合」はプラス3.2%、「生鮮食品を除く総合」はプラス3.2%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」はプラス4.3%、「持家の帰属家賃を除く総合」はプラス3.8%となっております。
18ページは、「持家の帰属家賃を除く総合」の主な項目別の寄与度です。特に、2020年後半以降、グレーの生鮮食品を除く食料の寄与度が大きくなっております。黄色のエネルギーの寄与度も2022年以降大きいですが、2023年に入り、追って御説明する政府によるエネルギー価格対策の効果もあり、エネルギーは物価の押し下げ要因となっております。
19ページは、「基礎的・選択的支出項目別指数」の推移です。直近5月の数値を見ますと、必需品的な支出項目である「基礎的支出項目」は、対前年同月比プラス3.7%である一方、「選択的支出項目」はプラス4.1%となっています。
20ページは、「購入頻度階級別指数」の推移です。直近5月の数値を見ますと、購入頻度が「1か月に1回程度以上」の品目ではプラス2.6%、「1か月に1回程度未満」の品目ではプラス4.3%となっております。
21ページからは、「倒産の動向」に関する資料をお付けしております。
22ページは、倒産や休廃業の要因についてです。まず、左のグラフですが、倒産件数は、今年は6,428件と3年ぶりに前年を上回りました。一方で、右のグラフですが、物価高倒産は、2023年4月に75件と、10か月連続で最多を更新しています。
続いて、23ページは原因別の倒産状況です。原因別に見ますと、「販売不振」が最も多くなっております。
24ページは、人手不足関連倒産の推移です。上の四角囲みですが、人手不足関連倒産の倒産全体に占める割合は、2021年には7.2%となっております。その中で要因別に見ますと、「後継者難型」の倒産が最も多くなっております。
25ページからは、中小企業への支援・経済対策・エネルギー価格対策等に関する資料をお付けしております。
26ページは、中小企業の生産性向上等に係る支援策の予算額です。
27ページには、中小企業の生産性向上等に係る支援策における主な補助金・助成金の令和4年度の応募・申請件数、実績、執行額です。
昨年は、第1回目安小委員会で御要望いただき、第2回目安小委員会でこの形式でお示ししました。昨年も御説明したとおり、留意点といたしまして、こういった補助金や助成金は、応募・申請から支給まで時間のかかるものもあり、場合によっては年度をまたがることもあります。例えば、令和3年度に申請があって、支給が令和4年度になるという場合には、この資料では、申請数には入らないですが、実績には入るという形になります。一番下の人材確保等支援助成金が、申請数よりも実績が多くなっているのは、まさにそういった理由になります。必ずしも実績が応募・申請数の内数ではないという点について御留意いただければと思います。
28ページは、業務改善助成金の執行状況です。右から2番目の⑥の執行額を御覧ください。令和3年度は28.9億円でしたが、令和4年度は45.8億円に増加しております。昨年の答申でも拡充の御要望を頂いていたところ、昨年9月と12月に累次の拡充をし、執行額が増加しております。
続いて29ページは、業務改善助成金の都道府県別実績です。昨年度の累次の拡充により、多くの都道府県で増加しております。令和4年度で最も多いのは、東京都の440件となっております。
30ページは、業務改善助成金の令和3年夏以降の累次の要件緩和・拡充の内容をまとめたものです。
31ページは、中小企業庁による中小企業に対する支援措置の類型をまとめたものです。資金繰り支援、価格転嫁対策、賃上げに係る予算措置、新規輸出1万者支援プログラムに分けられています。特に上から3つまでの詳細を次ページ以降で御説明いたします。
32、33ページは、資金繰り対策関係の施策である、新たな借換保証制度の創設、コロナ資金繰り支援継続プログラムに関する資料です。コロナ禍で民間ゼロゼロ融資を受けた中小企業、債務が増加した中小企業への支援策です。
34~36ページが、価格転嫁対策に関する取組です。34ページにあるとおり、取引先との共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」について、6月16日時点で約2万6,000社が宣言済みですが、宣言の更なる拡大に向けて取り組んでいるところです。
35ページは、今後の価格転嫁対策についてです。3月と9月の価格交渉促進月間をはじめとした、下請からの情報を活用した取組の強化に加え、業界団体を通じた改善プロセスの体系化を着実に実行・継続し、適正な取引慣行を定着させることとされています。
36ページは、公正取引委員会による「令和5年度中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」の概要です。
37~40ページは、賃上げに係る予算措置として、事業再構築補助金、ものづくり補助金、事業承継・引継ぎ補助金の概要及び令和4年度第二次補正による拡充内容をまとめたものです。
41ページは、足下の物価高騰等に対応して、昨年10月に閣議決定した総合経済対策です。これまで御紹介した業務改善助成金の一部拡充や事業再構築補助金等の拡充も、こちらに含まれております。
また、この総合経済対策では、エネルギー・食品料等の価格高騰により厳しい状況にある生活者・事業者への支援として、エネルギー価格対策も実施しており、42~44ページがその一部です。
42ページの電気・ガス価格激変緩和対策事業は、令和5年2月の請求分から電気・都市ガス料金の値引き支援を開始しており、2月分の消費者物価指数の対前年同月比の上昇率の押し下げ要因となっています。
43ページ、燃料価格激変緩和対策事業については、本来200円程度に上昇するガソリン価格を170円程度に抑制してきたところ、令和5年度前半にかけて引き続き激変緩和の措置を講じております。
44ページ、LPガス小売価格の低減に資する配送合理化等の取組ですが、LPガスの小売価格低減のため、LPガス価格への影響が大きい人件費・輸送費に関連する設備である、遠隔でのガス栓の開閉や遠隔検針が可能なスマートメーター、LPガスを運ぶ配送車両、充てん所の自動化設備等に対し、前例のない補助率で導入を支援することにより、LPガス事業者の人手不足と配送業務の効率化を図りコストを低減することを目的としております。
また、45ページは、6月の使用分から電気の規制料金の値上げが行われることとなったことを踏まえて御用意した資料です。先ほど御紹介した電気料金の激変緩和策などにより、ロシアによるウクライナ侵攻前と比較して同程度か低い料金水準になります。資料の説明は以上です。
○藤村委員長
ありがとうございました。この資料No.4について、何か御質問、御意見はありますか。土井委員、どうぞ。
○土井委員
使用者側委員の土井です。よろしくお願いします。1点質問がありますので、分かれば御回答いただければと思います。資料の28ページの業務改善助成金についての質問です。昨年度も拡充をしていただき、私たち中小企業・小規模事業者の立場では大変有り難いと思っております。また、件数も増加はしているのですが、中小企業・小規模事業者は約300万者あると言われている中では、まだまだ利用は少ないのかなと思っています。私が属している商工会という組織は、中小企業といっても、どちらかというと小規模事業者が多く、従業員20人以下が大半を占めています。なかなか小さい企業とかでは使いにくいのかと思うところもあり、現状の利用実績で、例えば従業員規模別でどれぐらいの利用があるかといった点について、お分かりになれば口頭で結構ですので御回答いただければと思います。よろしくお願いします。
○藤村委員長
いかがでしょうか。岡課長、どうぞ。
○岡賃金課長
御質問ありがとうございます。昨年度の業務改善助成金の事業規模別の実績ですが、全体では、先ほど資料にありましたように、交付決定件数が5,672件あったわけですが、このうち先ほどの20人未満の会員の方が多いということでしたが、20人未満ということになりますと、大体5割ぐらいになります。また、更に小さいところで、10人未満となりますと30%ぐらいということでして、比較的小規模の事業所に御利用いただいているところです。以上です。
○土井委員
我々はもう少しPRに努めます。ありがとうございました。
○藤村委員長
そのほか御質問はありますか。佐久間委員、どうぞ。
○佐久間委員
詳細な御説明、ありがとうございました。また、数値データの資料等も用意していただき、重ねてお礼申し上げます。今の資料No.4の26、27ページにかけてですが、中小企業はどうしても賃上げの原資が不足していると言われています。後ほどご説明があるかもしれませんが、参考資料No.1にも、例えば円安や原材料・仕入価格の上昇、価格転嫁を進めないと原資を確保することはなかなか難しいとか、15ページでも今後の最低賃金引上げに関する見解の点では、就業調整の関係もあったりとか、いろいろ懸念される要素を抱えています。その中で中小企業庁や、厚生労働省では、中小企業の賃上げに活用できる施策を26ページのように多数用意していただいていると思います。27ページには、令和4年度の実績、そして応募件数をお示しいただいたわけですが、こういう事業を通じて、全ての中小企業が利用できるわけではないと思うのですが、希望する中小企業には助成ができている、また次の補助事業実施企業の募集の際には応募し、採択をされたりとか、そういう可能性とか、実績が成し得ているかどうかです。特に、中小企業の施策では、採択率というか、実績と、応募・申請数を比べると、厚生労働省の助成事業は経済産業省の補助事業に比べ高い状況です。半分ちょっと、60%強です。こちらの採択というか実績は単純に割っただけですが。つまり、助成事業の実施により、満遍なく利用したい事業者に行き渡って、それが直接的・間接的な原資の確保策になっているとお考えかどうか、その辺を教えていただければと思います。
○藤村委員長
どうぞ。
○岡賃金課長
ありがとうございます。資料の27ページに主な助成金・補助金の応募の状況、交付の状況の資料をお付けしております。例えば当課で所管しております業務改善助成金ですが、令和4年度は7,264件の申請があって、交付は5,672件と、少し差があるわけです。これについては先ほど説明の中にもありましたが、大体このうちの7,000件余りのうち1,000件ぐらいが交付の審査が翌年度に繰り越していることになります。ですので、その1,000件を抜きますと、大体6,000件強になります。それに対して5,672件、大体85%ぐらいの交付率になります。
では、残り15%はということですが、実はこのうちの大体800件余りは、自ら取り下げた事業者となり、詳しい要因までは分かりませんが、おそらくほかの同様な設備投資に対する補助金などについて、併給調整により、そちらをもらうことで、業務改善助成金を取り下げたのかと考えられます。それから、大体100件ぐらいは要件を満たさないということで、不支給となったところです。
ということで、随時、昨年度、一昨年度、拡充はしてまいりまして、それで申請件数も、昨年はこの7,000件でしたが、その前は5,000件、その前は805件ということで、できるだけ多くの事業者の方に、中小企業の皆さんに御利用いただけるようにということで、今後も取り組んでいきたいと思っております。以上です。
○佐久間委員
ありがとうございます。特に、業務改善助成金については、例えば車両の関係でも、非常に、ニーズ規模とか要件緩和をしていただいて容易になったという話は私も伺っています。なるべく広く利用できるような施策づくりに、是非これからもよろしくお願いします。
○藤村委員長
そのほかありますか。資料No.4についてはよろしいですか。では、ここまでとしたいと思います。資料No.2、No.3を飛ばしたのですが、これは先ほど加藤厚労大臣からの諮問文の中にありました、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版、それから、経済財政運営と改革の基本方針2023、これが最低賃金に関わる部分の抜粋をいただいている資料ですので、あえて御説明はないということでよろしいですか。
次は、参考資料No.1です。この説明をお願いします。
○青野賃金課長補佐
それでは、参考資料No.1の「最低賃金に関する調査研究」を御覧ください。こちらの資料は、昨年、今年と、厚生労働省からの委託等で行いました2つの調査研究の概要を御紹介するものです。
1ページからが、JILPTにおいて、最低賃金の引上げによる企業の対応等について調査したものとなります。
2ページが調査概要です。表の上から3段目にありますが、調査の対象は、従業員規模300人未満の中小企業です。その2つ下ですが、調査時期は今年の1月であり、集計対象企業数は7,634社、回答率は38.2%となっております。
2021年にも、当該調査と同様の調査を行い、その結果の速報は、昨年度の第1回目安小委員会の参考資料No.1に掲載しております。2022年調査においては、2021年調査に回答いただいた企業であって、2022年調査も回答いただいた企業の結果をパネル接続して、企業の対応状況の比較をしやすくしているところです。そのパネル接続対象であり、かつ集計対象企業となったのは3,673社です。
3ページ、賃金決定の考慮要素です。上のグラフですが、正社員の賃金決定は、考慮要素として「職務(役割)」を挙げる企業が最も多いですが、下のグラフのように、パート・アルバイトについては、「地域別最低賃金」を挙げる企業が最も多くなっています。
続いて4ページ、最低賃金の引上げに対する取組の有無と内容です。2022年の最低賃金の引上げに対する取組を行ったことがある中小企業の割合は30.7%、内容としては、賃金引上げ以外で最も多いのは、「製品・サービスの価格・料金の引上げ」、次いで「人件費以外の諸経費等コストの削減」、「人員配置や作業方法の改善による業務効率化」となっています。
5ページは、パネル集計結果を用いております。2021年調査において確認した2016~2019年の最賃金引上げに対する取組、2020~2021年の最賃引上げに対する取組、また、今回の2022年調査において確認した2022年の最賃引上げに対する取組の結果、労働者1時間当たりの生産や売上げが伸びたかどうかを確認したものです。結果、「変わらない」と回答する企業がどの時点の取組で最も多いですが、「はっきりしないが、伸びたと思う」と回答する企業が、2022年の取組においては他の時点よりも割合がやや高くなっております。
6ページ、最低賃金引上げに対応するために期待する政策的支援です。こちらもパネル集計結果を用いています。最も多いのは、2021年調査も2022年調査も、「賃金を引き上げた場合の税制優遇の拡大」。次いで「企業の生産性を向上するための設備投資その他の取組に対する助成金の拡充」となっています。
7ページは、円安や原材料・仕入れ価格の上昇等に対する価格転嫁の状況について確認したものです。「全額、できている」又は「ある程度、できている」と回答した中小企業は約4割です。従業員規模別で見ても、規模に応じた明確な傾向は見られませんでした。
次に8ページは、今御説明した価格転嫁の状況を業種別に集計したものです。「全額、できている」又は「ある程度できている」中小企業の割合が5割を超える業種もあれば、「ほとんど、できていない」又は「全く、できていない」中小企業の割合が4割を超える業種もある等、業種ごとに対応状況が異なることがみて取れます。
続いて9ページからは、2つ目の調査研究です。当課からの委託事業において、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した最低賃金引上げに関する労働者の意識や対応等に関する調査となります。
10ページは、調査概要です。今回の調査は最低賃金引上げの影響を見ることを目的としておりますので、表の上から3段目ですが、調査対象は最賃近傍労働者、ここでは、時間当たり賃金が勤務地の地域別最低賃金の1.1倍未満の非正規雇用労働者で、1年以上勤務している方に限定しております。
調査方法はWeb上でのモニター調査で、今年の5月に実施したものとなります。有効回答数は2,866人となっております。
また、表の上から2段目にあるとおり、この調査と同様の調査を昨年も実施しております。この資料においては、昨年の調査は「2022年調査」と表記し、一部調査結果を比較することとしております。また、昨年の調査結果の速報は、昨年度の第1回目安小委員会の参考資料No.1に掲載しております。
11ページは、過去1年以内の賃金上昇の有無と上昇額です。過去1年以内に時間当たり賃金が上昇したのは50.6%、上昇額としては、令和4年度の最低賃金額の上昇額が含まれる賃金幅である「30~34円」が最も多くなっております。
続いて12ページですが、過去1年間で時間当たり賃金が上昇した時期は、「2022年10月」が最も多く、その理由は「最低賃金が上がったから」が最も多くなっております。
13ページは、賃金上昇の理由に最低賃金を挙げた労働者に限定して、その影響を聞いてみたものです。上のグラフですが、暮らし向きの変化としては、「変わっていない」が65%程度と最も多くなっております。
また、下のグラフですが、1ヶ月の賃金が増えた労働者に増えた賃金の使途を尋ねたところ、「ほぼ全てを消費に回している」、「多くを消費に回している」が合わせて60%程度となっております。
14ページも、賃金上昇の理由に最低賃金を挙げた労働者に限定して、労働時間の変化や1ヶ月当たりの賃金の増減を聞いてみたものです。2022年調査の同様の質問への回答と比較すると、左側のグラフ、労働時間については、「変わっていない」がいずれの調査でも60%程度であり、同様の傾向でありましたが、右側のグラフ、1ヶ月当たりの賃金の増減については、「増えた」、「やや増えた」と答えた労働者の割合が、2023年調査では、2022年調査より少し増加しています。
最後に、15ページでは、今後も最低賃金が引き上がるべきかについて聞いたものですが、「そう思う」、「ややそう思う」が合わせて76.5%であり、その理由としては「現在の最低賃金は生計を維持するために十分な水準でないから」が60%と最も多くなっています。今後も最低賃金が引き上がるべきかの問いに、「あまりそう思わない」、「そう思わない」と回答したのは合わせて3.2%ですが、その理由は、「わからない」を除くと、「最低賃金が引き上がると、その分労働時間を減らさなくてはならないから」が最も多くなっております。
資料の説明としては以上となります。
○藤村委員長
どうもありがとうございました。この参考資料No.1について御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいですか。では、次回以降提出を求める資料がございましたら、ここでお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。大下委員どうぞ。
○大下委員
ありがとうございます。まずもって膨大な調査資料の御説明ありがとうございました。今年度につきましても、昨年度同様、これらのデータに基づく審議の徹底、公労使で一致して取り組んでいければと思っております。その上で、1点資料の追加をお願いしたいと思います。先ほど御説明がありました資料No.4の35ページ、価格転嫁対策についての資料を添えていただいております。ここにございます3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果が、6月20日に中小企業庁から公表されております。現下の中小企業の支払い能力を見る上で、こちらの調査結果が、非常に参考になる内容と理解をしておりますので、是非、次回の会議にて資料の追加をお願いしたいと思います。私からは以上です。
○藤村委員長
使用者側から今御提案のございました資料について、労働側はいかがですか。仁平委員どうぞ。
○仁平委員
大下委員から御指摘のあった、3月の価格交渉促進月間の調査結果の資料について、追加については私も賛成したいと思っています。私もやはり価格転嫁の状況というのは、依然として課題があるのではないかと考えています。価格転嫁について、この場で必ずしも答えが出せるものではないとは思いますが、政府に対して、この10月頃のこの最賃の発効に向けて、遅滞なく手を打っていただく必要があるだろうというふうに考えていまして、中賃としてそうした提言も検討していくことも含め、資料を出していただくということは大事じゃないかと思っております。
○藤村委員長
労使の合意が取れましたので、この資料、フォローアップ調査の結果について、次回お願いをしたいと思います。そのほかございますか。よろしいでしょうか。では、今後の日程案について事務局が資料を用意しておりますので、説明をお願いいたします。
○岡賃金課長
それでは、資料No.5を御覧ください。一応第4回目までの予定を記載しております。第2回目は7月12日水曜日、それから第3回目は7月20日木曜日、第4回目は7月26日水曜日です。上記の日程で今調整中です。以上です。
○藤村委員長
この予定案について、何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。どうぞ新田委員。
○新田委員
今後の予定について、ご提示いただいた形で進めていければと思っておりますが、この審議日程というのは、やはり10月1日発効が前提としてあると思います。もちろん我々使側としても取りまとめに向けて、公益の先生方、そして労働者側の委員の方々と、真摯な議論を積み重ねて努力していきたいと思っておりますが、やはり一番大事なことはしっかりと議論を尽くすということだと思っております。したがいまして、この審議日程でしっかりと進めていきますが、もし審議を尽くせなかった場合には、追加の審議等も是非御検討いただければと思っております。
それに加えて、例年残念ながら、特に後半の目安小委員会において長時間の審議になるケースがどうしてもあります。それは審議を尽くすという部分では大事なこととは思いますが、働き方改革等々、いろいろな形で働き方に関して見直しを進めているときに、日付を超えるような形の審議というのは、望ましくないと思っております。そうした観点からも、場合によってはその時の審議状況を見て、審議日程の追加等も、是非御検討いただければと思っております。
ただ、もちろんこの審議日程に基づいて、労働者側とも真摯に議論を尽くすということは重ねて申し上げておきたいと思います。私からは以上です。
○藤村委員長
分かりました。審議を尽くすということが大前提であり、この予定に従ってやっていくのだけれども、もしうまくいかない場合には追加でということもあり得るのではないかという、そういう御意見だったかと思います。労働側いかがですか。
○仁平委員
新田委員から言われた点も含めて、正に、去年と同様にしっかりとデータを押さえながら議論を尽くす。こういう審議プロセスというのは引き続き大事なのではないかと思っております。初めから日程ありきということだけではないとは思いますが、ここで3回ほど、第2回から第4回まで、設定していただいておりますので、先ず以て、この中でしっかり議論をしていくということが大事かなと思っております。
○藤村委員長
ありがとうございます。公益委員としても日付をまたぐような審議はできれば避けたいとは思っておりますが、ただ、そのときの勢いというのがございますので、そこは状況を見ながら、また労使、公労使で話し合っていきたいと思います。日程についてはよろしいでしょうか。今日の議題としては以上なのですが、最後に私から幾つかお願いをしたいと思います。
次回の第2回の目安に関する小委員会の日程については、ただいま御設明ありましたように、7月12日の水曜日で予定をされております。第2回目の小委員会の場では労使委員の皆様におかれまして、今年度の目安についての基本的な考え方を表明いただきますよう準備をお願いしたいと思います。また、事務局におかれましては、例年提出をお願いしております資料。具体的には、賃金改定状況調査、最低賃金と生活保護の水準との乖離関係の資料、都道府県別の賃金分布が分かる資料、それからランク別・都道府県別の未満率及び影響率の資料、最新の経済指標の動向に関する資料。こういうものを御準備いただきたいと思います。よろしいですか。
○岡賃金課長
はい、承知いたしました。
○藤村委員長
それでは、以上をもちまして本日の小委員会を終わりとしたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。
ただいまから、第1回目安に関する小委員会を開催いたします。
まず、小委員会の公開についてです。本年、4月6日に中央最低賃金審議会で了承された目安制度の在り方に関する全員協議会報告において、「議論の透明性の確保と率直な意見交換を阻害しないという2つの観点を踏まえ、公労使三者が集まって議論を行う部分については、公開することが適当」とされたところです。これを踏まえて、今年の小委員会について、公労使三者が集まって議論を行う全体会議については、公開したいと思います。
一方、公労あるいは公使会議という二者協議の場に関しては、運営規程第6条第1項に定める「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場合」等に該当すると考えられますので、引き続き、この規定を小委員会についても準用し、非公開としたいと思います。それでよろしいですか。
(異議なし)
ありがとうございます。それでは、目安に関する小委員会について、公労使三者が集まって議論を行う全体会議は公開、公労・公使会議といった二者協議の場は非公開といたします。
続いて、お手元の資料No.1は「主要統計資料」、資料No.4は「足下の経済状況等に関する補足資料」、参考資料No.1は「最低賃金に関する調査研究」という順で事務局から説明をお願いし、資料ごとに質疑の時間を設けていきたいと思います。
なお、次回以降提出を求める資料等については、参考資料No.1の質疑の後にまとめて承りたいと思います。では事務局、お願いします。
○青野賃金課長補佐
それでは、事務局から説明させていただきます。説明の間に、自治体等から最低賃金に関する御要望、御意見が届いておりますので、こちらを回覧させていただきます。
まず、資料No.1、「主要統計資料」を御覧ください。1枚めくりますと目次がありますが、資料No.1は3部構成になっております。Ⅰが「全国統計資料編」、次のページから、Ⅱとして「都道府県統計資料編」、Ⅲが「業務統計資料編」となっております。資料が大部ですので、ポイントを絞って御説明いたします。
まず、全国統計資料編の1ページを御覧ください。主要指標の推移です。他の表も同じですが、基本的に過去10年間の年次の推移と直近の四半期や月次の推移を示しております。表の中段に「令和4年」とありますが、こちらの数値を見つつ、適宜直近の数値を参照いただければと思います。
まず、1番左のGDPです。GDPの欄の真ん中辺りを御覧ください。令和4年の経済成長率は、前年比で名目プラス1.3%、右に行き、実質プラス1.0%となっています。
鉱工業生産指数については、令和4年は前期比マイナス0.1%、製造工業稼働率指数については、令和4年は前期比マイナス0.4%となっています。
倒産件数については、令和4年は6,428件と、2年連続6,000件台にとどまったものの、前年比プラス6.6%と3年ぶりの増加となり、下の方の四半期別を御覧いただくと、期を追って前年同期比増加率は高まっており、令和5年1~3月期では、前年同期比30.1%増となっています。
更に右に行き、完全失業者数です。令和4年は179万人、前年から16万人の減少となっています。完全失業率は、令和4年は2.6%と前年から0.2%ポイント低下しています。
2ページ、一番左の求人倍率について、令和4年の新規求人倍率は2.26倍、また、有効求人倍率は1.28倍と、共に前年と比べて上昇しております。直近を見ますと、4月の有効求人倍率は1.32倍で、令和4年平均を上回っております。
右に行き、消費者物価指数は、資料全体を通じて「持家の帰属家賃を除く総合」を使っておりますが、令和4年は、前期比プラス3.0%となっております。足下の数字については後ほど御説明いたします。
国内企業物価指数については、令和4年は前期比プラス9.7%と大幅に上昇しました。足下の数値については後ほど御説明いたします。
現金給与総額の指数です。調査産業計については、令和4年は前期比で名目賃金はプラス2.0%と、平成4年(1992年)にプラス2.0%になって以来、30年ぶりの大きな伸びとなった一方、実質賃金はマイナス1.0%と、消費者物価指数の高い伸びにより2年ぶりにマイナスとなっています。また、右側の製造業でも、名目賃金はプラス1.7%、実質賃金はマイナス1.3%となっています。
毎月勤労統計調査については、これまで主として事業所規模30人以上の数値を用いていましたが、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、より一般的に利用されている事業所規模5人以上の数値を用いています。これから御紹介する数値で毎月勤労統計調査が出所のものは、同様の扱いとなっておりますので御留意ください。
なお、ただいま御覧いただいた1、2ページにおいては、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、季節調整値及び季節調整値の前期比(差)については、斜体で記載しております。
続いて3ページ、有効求人倍率の推移です。昨年までは、受理地である都道府県ごとの有効求人倍率を単純平均し、ランクごとに表にしていましたが、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、就業地である都道府県ごとの数値を用いるとともに、ランク別有効求人倍率の算出に当たっては、各都道府県の有効求職者数による加重平均でお示ししています。また、ランク数については、全員協議会報告に基づき区分された3ランクでお示ししています。
令和4年は、前年と比べA~Cランク全てで上昇となっており、特にAランクよりB、Cランクがより高い倍率となっています。表の右側、直近の数値でも同様の傾向が見られます。
4ページ、性・年齢別完全失業率の推移です。こちらは、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告においても記載があるとおり、新規のデータ取得が不可となった「職業安定業務統計」の年齢別常用求人倍率の推移に代えて今年から掲載するものです。令和4年については、女性の35~44歳と65歳以上のみ横ばいとなっていますが、その他の区分では、男女共に令和3年より低下しています。
5ページ、賃金の推移です。まず、現金給与総額ですが、一番上の行の真ん中あたり、令和4年の前年比は、30人以上の事業所でプラス3.1%と増加、5~29人の事業所では、マイナス0.2%とやや減少しております。
次に下欄の定期給与額です。定期給与額は、現金給与総額から賞与等の特別に支給される給与を除いたものになります。前年比でみて、令和4年は30人以上の事業所でプラス2.4%、5~29人の事業所ではマイナス0.3%となっています。
また、定期給与額の値の下に、括弧内の数値がありますが、これは定期給与額から残業代などを除いた所定内給与額の前年比の増減率です。令和4年は、30人以上の事業所でプラス2.0%。5~29人の事業所ではマイナス0.5%となっています。
6ページ、パートタイム労働者比率の推移です。30人以上の事業所では、ここ数年は25%台で推移してきましたが、令和4年はやや低下した一方、5~29人の事業所では、令和4年は上昇し、41%となりました。
続いて7ページ、初任給額と上昇額等の推移です。表の一番下に記載されている令和5年度は速報値ですが、括弧内にある上昇率は、前年度に比べてプラス3.1~4.5%と全学歴において上昇が見られます。
8ページ、賃金・労働時間指数の推移です。こちらは事業所規模30人以上の数字です。表の真ん中の欄の令和4年の所定内給与は前年比プラス2.0%、所定内労働時間もプラス0.2%であったため、時間当たり所定内給与としては前年より1.8%増加しております。
また、資料の一番下の令和5年1~3月期でも、時間当たり所定内給与は引き続き増加しています。
9ページ、賃金・労働時間指数の推移の続きです。こちらは事業所規模5~29人です。令和4年は、所定内給与が前年比マイナス0.5%、所定内労働時間がマイナス1.1%となり、所定内給与の減少に対し所定内労働時間の減少度合がより高かったため、結果として、時間当たり所定内給与は0.6%増加しています。 表の一番下ですが、直近の令和5年1~3月期は、時間当たり所定内給与が減少しています。
10ページ、一般労働者、すなわちフルタイム労働者の賃金・労働時間の推移です。令和4年の時間当たり所定内給与の前年比は、10人以上企業でプラス1.4%、うち10~99人企業ではプラス1.6%、より小規模の5~9人企業ではプラス1.7%と、どの企業規模でもプラスになっています。
11ページ、月間労働時間の動きです。表の左が所定内労働時間です。令和4年は事業所規模30人以上が前年比プラス0.2%、5~29人でマイナス1.1%になっています。表の右の所定外労働時間を見ますと、調査産業計で令和4年は30人以上がプラス5.2%、5~29人がプラス3.6%となっています。
12ページ、春季賃上げ妥結状況です。こちらは連合・経団連の集計結果を記載しております。まず、左上の表ですが、連合の平均賃上げ方式(加重平均)の規模計において、今年の第6回集計では3.71%となっています。注2のとおり、この数値は賃上げ分が明確に分かる組合を集計したものです。
その下に、連合の有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額を記載しております。時給では、単純平均で39.53円、加重平均では52.78円の賃上げとなっております。加重平均の引上げ率の概算は5.01%となっています。
次に、経団連の今年度第1回の集計ですが、右上は大手企業で3.91%、右下は中小企業で2.94%となっています。
13ページ、厚生労働省の賃金引上げ等の実態に関する調査から、賃上げ額・率の推移を示しております。連合・経団連の集計と異なり、令和4年の数値ですが、改定率は加重平均で1.9%でした。右側の表は、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素ですが、「企業の業績」が最も高い割合となっています。
14ページ、夏季賞与・一時金の妥結状況です。連合・経団連の集計結果です。
まず、上側の連合の集計は、夏季、年間とあり、最新の第6回集計での回答月数は、夏季は2.38ヶ月、年間では4.87ヶ月と、昨年よりも僅かに下回っています。
続いて、経団連の令和5年第1回集計では、総平均の増減率で3.91%の増加となっています。
15ページ、消費者物価指数の対前年上昇率の推移です。全国では、令和5年4月はプラス4.1%、直近5月はプラス3.8%となっています。ランク別で見ても、直近の令和5年5月はプラス3.7~4.0%となっています。
16ページについては、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告において、「労働者の生計費」に関する資料を充実させるために、「家計調査」による1月当たりの消費支出額の推移についても資料を追加することとなったことを踏まえ、今年初めてお示しします。
令和4年の単身世帯の消費支出額は、16万1,753円、対前年比でプラス4.3%です。うち勤労者世帯は17万8,434円、対前年比でプラス3.9%です。右側、総世帯においても、24万4,231円、対前年比でプラス3.9%、うち勤労者世帯は27万3,417円、対前年比でプラス3.6%となっています。
17ページ、地域別最低賃金額と未満率、影響率の推移です。こちらは「最低賃金に関する基礎調査」に基づく数値で、注4のとおり、事業所規模は原則30人未満が対象です。令和4年度の未満率は1.8%、影響率は19.2%となっています。
18ページ、同じく未満率、影響率を、「賃金構造基本統計調査」から特別集計したものです。こちらは注3のとおり、事業所規模5人以上が対象です。
令和2年から集計方法が変更されましたので、新しい集計方法で遡って集計した下段の表を御覧ください。令和4年の未満率は2.3%、影響率は6.9%となっています。
続いて19ページ、地域別最低賃金と、一般労働者、すなわちフルタイム労働者の賃金水準との関係です。一番下の令和4年の行を御覧ください。真ん中辺りの「時間額比①/④」の列ですが、企業規模10人以上の企業では、令和4年に最低賃金は平均賃金の50.9%と昨年より上昇しております。右側の列の一番下に企業規模10~99人の時間額比の数字がありますが、令和4年は57.1%と、これも昨年より上昇しております。
20ページ、同様のデータを短時間労働者について規模別に男女計と女性で見たものです。これも一番下の「令和4年」を御覧ください。全体的に所定内給与額に対する最低賃金の比率は、令和4年は企業規模10人以上も10~99人においても、前年に比べて上昇しております。
21ページ、同様の割合について、毎月勤労統計調査でパートを含む常用労働者全体で見たものです。一番右側の時間額比の列を御覧ください。時間当たり所定内給与に対する最低賃金の比率は、令和4年には48.7%に上昇しております。
22ページ、日銀短観による企業の業況判断です。基模計で見ますと、令和4年においては、製造業は横ばい、非製造業は改善傾向にあります。しかし、令和5年3月においては、製造業がマイナス4になり、先行きもマイナス3となっています。令和5年3月の非製造業はプラス12ですが、先行きは6と少し低下しています。
23ページ、日銀短観による経常利益です。規模計で見ますと、令和4年度の計画は、製造業で前年度比プラス2.4%、非製造業でプラス13.3%でした。令和5年度の計画は、製造業、非製造業共にマイナス2.6~2.7%と、対前年比マイナスの見込みです。
右側は、日銀短観による売上高経常利益率、つまり売上高に対する経常利益の割合です。令和4年度の計画では、いずれの規模でも製造業はやや低下、非製造業は中小企業を除き上昇を見込んでいますが、令和5年度の計画では、中小企業の製造業を除き、やや低下の見込みとなっています。
24、25ページは、22、23ページの数字を、1974年以降時系列にグラフにしたものです。
26ページは、法人企業統計による企業収益の年度データです。今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、年度データと四半期データはページを分けてお示しすることとしています。また、趨勢的な動向が観察できるよう、掲載する期間を拡大しています。年度データについて、直近で出せるのは令和3年度までです。
表の上半分の経常利益を御覧いただくと、資本金規模1,000万円以上の企業は、令和3年度は前年度比プラス35.6%となっている一方、1,000万円未満の企業は、前年度比でマイナス10.8%です。
表の下半分の売上高経常利益率を御覧いただくと、資本金規模1,000万円以上では、令和3年は6.2%と前年度に比べて利益率が改善しているものの、1,000万円未満はやや低下しています。
続いて27ページ、こちらは法人企業統計による企業収益の四半期データです。この資料における「規模計」は、年度データとは異なり、「資本金規模1,000万円以上」の企業のみで算出されています。
表の下半分、売上高経常利益率は、令和4年は、資本金規模1,000万円以上で、概ね6~8%程度で推移しており、令和5年1~3月期も、6.3%と前年同期と比べて横ばいです。
28ページ、中小企業景況調査における業況判断です。合計を見ますと、令和2年の4~6月期には、マイナス66.7%まで低下しましたが、足下の令和5年1~3月はマイナス21.1まで改善しております。ただし、コロナ前よりは低い水準となっています。
29ページですが、28ページの数字を平成29年以降、時系列でグラフにしたものです。
続いて30ページ、法人企業統計による従業員一人当たり付加価値額の推移です。直近で出るのは令和3年度までですが、令和3年度は、左端の「産業・資本金規模計」では4年ぶりに対前年度比でプラスとなっています。
31ページですが、30ページの数字を昭和62年度以降時系列でグラフにしたものです。
32ページ、就業1時間当たり名目労働生産性の推移です。こちらは、今年から新たにお示しするものであり、4月に取りまとめられた全員協議会報告において「通常の事業の賃金支払能力」に関する資料を充実させるために、日本生産性本部による就業1時間当たり名目労働生産性の推移についても、新たに主要統計資料に追加することとされたことを踏まえたものです。
直近のデータは令和3年のものです。資料の下半分、「前年比」を御覧いただくと、令和3年は「全産業」の前年比はプラスであるものの、特に「電気・ガス・水道」、「宿泊・飲食サービス業」等の産業において、前年比でマイナスになっています。
続いて、第Ⅱ部の「都道府県統計資料編」についてです。ランクに関しては、今回から、4月の全員協議会報告で取りまとめられた3ランクへの振り分けに基づきお示ししています。
まず33ページ、各種関連指標のデータを掲載しております。このページの指数は、東京を100としたときの各都道府県の指数を示したものです。
一番左の項目の「1人当たりの県民所得」は、内閣府の「県民経済計算」による令和元年度の数値です。東京が100で一番高く、一番低いのは沖縄の41.6となっています。
中央の「標準生計費」は、各都道府県の人事委員会が作成している数値です。
一番右の欄に、「高卒の新規学卒者の所定内給与額」があります。男女別で見ますと、一番高いのは男性で東京、女性で神奈川となっています。
34ページ、有効求人倍率の推移です。この資料も3ページと同様に、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、今年から、就業地である都道府県ごとの数値をお示ししております。
令和4年は沖縄県を除いた全ての都道府県で1倍を超えています。最も高いのが福井の2.04倍、最も低いのが沖縄の0.98倍となっております。
35ページ、失業率の推移です。右から2番目の列、令和4年を御覧いただくと、表の下の方ですが、最も失業率が高いのが北海道及び沖縄の3.2%。最も低いのが島根の1.3%となっています。
36ページ、定期給与の推移です。令和4年の結果では、最も高いのが東京で約34万円、一番低いのが沖縄で約22万円となっています。
37ページ、パートタイム労働者の1求人票当たりの募集賃金平均額です。令和4年平均の結果を見ますと、東京以外の全ての道府県で令和3年より上昇しております。
続いて38ページ、パートタイム労働者の1求人票当たりの募集賃金下限額です。令和4年平均の結果を見ますと、全ての都道府県で令和3年より上昇しております。
39ページ、平均の月間総実労働時間と所定外労働時間の推移です。令和4年では、総実労働時間が一番長いのは、山形の150.0時間、一番短いのは、奈良の126.7時間。所定外労働時間の最長は、東京と愛知の11.7時間、最短は高知の6.7時間となっています。
40ページ、消費者物価の対前年上昇率の推移です。令和4年は、先ほど御紹介したとおり、全国平均が3.0%でしたが、例えば、秋田や青森では対前年比で4.0%となるなど、一層高い物価上昇が見られた地域も存在します。直近の令和4年5月は、長野と沖縄の対前年同月比4.6%が最も高い上昇率となっております。
41ページ、都道府県庁所在都市に基づく消費者物価地域差指数の推移です。
当該会議が開始される直前、本日14時に令和4年の結果が公表されていますが、当該資料には反映しておりません。
なお、令和3年結果では、全国を100として、最も高いのは東京の105.3、最も低いのは群馬の96.5となっています。
42ページ、都道府県下全域を対象とした消費者物価地域差指数の推移です。こちらは、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告に基づき、ランク分けの指標にも用いられている都道府県下全域を対象とした数値も追加で掲載することとしたことによるものです。
こちらも41ページと同様、本日14時に令和4年の結果が公表されておりますが、当該資料には反映しておりません。
43ページ、「家計調査」による1月当たりの消費支出額です。16ページの説明の際に御紹介したように、今年4月に取りまとめられた全員協議会報告において、「労働者の生計費」に関する資料を充実させるために、「家計調査」による1月当たりの消費支出額の推移についても資料を追加することとしており、こちらは都道府県別の総世帯のものです。
令和4年の消費支出額は、最も高いのが滋賀の27万7,837円、消費支出額を世帯人員の平方根で除して算出する等価消費支出額は、東京が最も高く19万2,295円です。
44ページ、総世帯のうち勤労者世帯の1月当たりの消費支出額です。
令和4年の消費支出額は岐阜が、等価消費支出額は、43ページの総世帯と同様に、東京が最も高い結果となっています。
45ページ以降は、労働者数等の推移です。まず、45ページは、常用労働者数の推移です。
令和4年の結果では、14の地域で常用労働者が前年比で減少しております。
46ページ、雇用保険の被保険者数の推移です。
表の右下ですが、令和4年は、全国計では前年比0.2%増加となっておりますが、Aランクは全ての都府県で増加、一方、B、Cランクでは計31の道府県で減少しています。ただし、注1にあるとおり、被保険者数を見る際には、本社一括適用の事業所もあることに留意が必要です。
47ページ、就業者数の推移です。これは雇用者だけでなく、自営業者等も含めた就業者全体の推移になります。
表の一番右の令和4年を見ますと、Aランクでは全ての都府県で前年比は増加していますが、B、Cランクでは就業者数が減少した道府県が多くなっています。右下ですが、全国計では前年比0.1%増となっています。
次に、第Ⅲ部の「業務統計資料編」です。
48ページは、昨年度の改定審議の状況です。
表の右から2つ目に、各都道府県の採決状況を記載しております。備考の2を見ますと、令和4年度は全会一致が9件、使用者側(全部)反対が33件、労働者側(全部)反対が2件等となっております。
49ページ、目安と改定額との関係の推移です。この資料では今年から適用されるランクの振り分けに基づき記載していますが、改定時のランクとは異なるものであったことに御留意ください。令和4年度は、目安を上回る改定額となったのは22県でした。内訳は、プラス3円が5県、プラス2円が8県、プラス1円が9道県となっています。
50ページ、効力発生年月日の推移です。令和4年度については、22の都府県が10月1日発効、最も遅い県(山梨県、岩手県)は、10月20日発効となっております。
51ページ、加重平均額と引上げ率の推移です。令和4年度は、全国で見ると3.33%の引上げ率となっています。ランク別に見ますと、Dランクが最も引上げ率が高くなっています。
52ページ、地域別最低賃金の最高額と最低額及び格差の推移です。令和4年度は最高額が1,072円で東京、最低額は853円の青森・秋田・愛媛・高知・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄の10県です。令和4年度は、最高額に占める最低額の割合は79.6%で、格差は8年連続で縮小しております。
53ページ、地域別最低賃金引上げ率の推移です。引上げ率で見て一番高かったのは、岩手県・高知県・鳥取県・沖縄県で4.02%。最も低かったのは、東京と神奈川で2.98%となっています。
54ページは、全国の労働基準監督署において、最低賃金の履行確保を主眼とする監督指導結果をまとめたものです。
下の注書きのとおり、各年1~3月の結果です。
その下の※ですが、令和3年は、緊急事態宣言等が発出されたことに伴い、緊急性のあるものを除いて、監督の実施を延期したため件数が少なくなっております。
表の一番下の令和5年を御覧いただくと、およそ1万5,000事業場に監督を実施し、事業場の違反率は10.3%、最低賃金未満の労働者の比率は2.3%となっています。
監督指導の対象となる事業場については、監督署におきまして影響率の高い業種や過去の違反率が高い業種等を踏まえて、監督指導が効果的・効率的に行われるよう選定しておりますので、統計的な数値とは異なるものであることに御留意いただければと思います。
続いて55ページ、監督指導結果の業種別の状況です。業種により、監督実施事業場数が大きく異なります。参考に御覧いただければと思います。
長くなりましたが、資料No.1の説明は以上です。
○藤村委員長
どうもありがとうございました。この資料No.1について御意見、御質問があれば承りますが、いかがですか。よろしいですか。
続きまして、資料No.4の説明をお願いします。
○青野賃金課長補佐
それでは、資料No.4の「足下の経済状況等に関する補足資料」を御覧ください。
1ページは、内閣府の「月例経済報告」です。2023年の基調判断の推移を表にしておりますが、一番左の「現状」については、5、6月は、「景気は、緩やかに回復している」とされています。また、表の左から2番目の「先行き」については、4月までは「ウィズコロナの下で、」という記載がありましたが、5月に入ってなくなり、「雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される」とされています。表の右から2番目の「雇用情勢」は、6月は「改善の動きが見られる」とされています。
2ページは、連合の春季賃上げ妥結状況です。第6回の回答集計結果の推移を見ますと、今年の賃上げ率は3.66%、中小で3.36%になっています。
3ページは、経団連の春季賃上げ妥結状況です。今年は第1回集計時点で、大手で3.91%、中小で2.94%となっております。
4ページは、日銀短観による雇用人員判断D.I.の推移です。こちらは、人手過不足感を表す指標です。雇用人員判断D.I.がプラスであることは、人手が過剰と考えている企業の割合のほうが高く、マイナスであることは、人手が不足していると考えている企業の割合のほうが高いことを示しております。特に、2020年9月以降は人員不足感が強まり続けており、中堅企業・中小企業については、大企業以上に人員不足感が高まっていることが見て取れます。
5ページからは、地域別の状況です。
6ページは、ランク別の完全失業率の推移です。グラフの青線がAランクですが、2020年4~6月頃から特にAランクで完全失業率が上昇しております。ただ、足下では一時期に比べて改善しております。
7ページは、ランク別の有効求人倍率の推移です。どのランクでも、2020年の前半に大きく低下した後は改善傾向が続いています。グラフ青線のAランクでは、他のランクに比べて回復がやや遅れていますが、2022年の後半以降、安定して1.2弱で推移しています。
8ページは、ランク別の新規求人数の推移です。グラフは2020年1月を100とした場合の水準の推移ですが、どのランクでも2020年4月に落ち込んだ後は回復傾向です。直近の今年4月には、Aランクも含めて全ランクで2020年1月の水準を上回っています。
9ページからは、「産業別の状況」です。
10ページは、主な産業の売上高経常利益率の推移です。左側の年平均を見ると、2020年以降マイナスが続いていた「宿泊業,飲食サービス業」も2022年には0.0%となり、右側のグラフ、直近の2023年1~3月期は、「宿泊業,飲食サービス業」もプラスとなっています。
11ページです。こちらは産業別の売上高経常利益率の推移の詳細ですので、後ほど御覧ください。
12ページは、日銀短観による主な産業の業況判断DIの推移です。全体として2020年前半に大きく低下し、その後は。改善傾向にはありますが、製造業ではマイナスとなっております。
13ページは、国内企業物価指数の推移です。2021年後半及び2022年は対前年同月比で10%前後の高い水準が続きましたが、2023年5月には対前年同月比が5.1%となっております。引き続き、消費者物価指数と比較すると、上回っている状況にあります。
14ページは、輸入物価指数の推移です。円ベースで見ますと、2021年及び2022年は対前年同月比30~50%の間で変動していましたが、2023年5月には前年同月比マイナス5.4%となっています。
15ページからは、消費者物価の動向です。
16ページは、消費者物価指数の指標です。4つあり、1つ目が「総合」、続いて、変動が大きい品目を除いた「生鮮食品を除く総合」と「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」、最後に、当審議会の主要統計資料で利用している「持家の帰属家賃を除く総合」です。
17ページは、消費者物価指数の推移です。直近5月の対前年同月比を見ますと、「総合」はプラス3.2%、「生鮮食品を除く総合」はプラス3.2%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」はプラス4.3%、「持家の帰属家賃を除く総合」はプラス3.8%となっております。
18ページは、「持家の帰属家賃を除く総合」の主な項目別の寄与度です。特に、2020年後半以降、グレーの生鮮食品を除く食料の寄与度が大きくなっております。黄色のエネルギーの寄与度も2022年以降大きいですが、2023年に入り、追って御説明する政府によるエネルギー価格対策の効果もあり、エネルギーは物価の押し下げ要因となっております。
19ページは、「基礎的・選択的支出項目別指数」の推移です。直近5月の数値を見ますと、必需品的な支出項目である「基礎的支出項目」は、対前年同月比プラス3.7%である一方、「選択的支出項目」はプラス4.1%となっています。
20ページは、「購入頻度階級別指数」の推移です。直近5月の数値を見ますと、購入頻度が「1か月に1回程度以上」の品目ではプラス2.6%、「1か月に1回程度未満」の品目ではプラス4.3%となっております。
21ページからは、「倒産の動向」に関する資料をお付けしております。
22ページは、倒産や休廃業の要因についてです。まず、左のグラフですが、倒産件数は、今年は6,428件と3年ぶりに前年を上回りました。一方で、右のグラフですが、物価高倒産は、2023年4月に75件と、10か月連続で最多を更新しています。
続いて、23ページは原因別の倒産状況です。原因別に見ますと、「販売不振」が最も多くなっております。
24ページは、人手不足関連倒産の推移です。上の四角囲みですが、人手不足関連倒産の倒産全体に占める割合は、2021年には7.2%となっております。その中で要因別に見ますと、「後継者難型」の倒産が最も多くなっております。
25ページからは、中小企業への支援・経済対策・エネルギー価格対策等に関する資料をお付けしております。
26ページは、中小企業の生産性向上等に係る支援策の予算額です。
27ページには、中小企業の生産性向上等に係る支援策における主な補助金・助成金の令和4年度の応募・申請件数、実績、執行額です。
昨年は、第1回目安小委員会で御要望いただき、第2回目安小委員会でこの形式でお示ししました。昨年も御説明したとおり、留意点といたしまして、こういった補助金や助成金は、応募・申請から支給まで時間のかかるものもあり、場合によっては年度をまたがることもあります。例えば、令和3年度に申請があって、支給が令和4年度になるという場合には、この資料では、申請数には入らないですが、実績には入るという形になります。一番下の人材確保等支援助成金が、申請数よりも実績が多くなっているのは、まさにそういった理由になります。必ずしも実績が応募・申請数の内数ではないという点について御留意いただければと思います。
28ページは、業務改善助成金の執行状況です。右から2番目の⑥の執行額を御覧ください。令和3年度は28.9億円でしたが、令和4年度は45.8億円に増加しております。昨年の答申でも拡充の御要望を頂いていたところ、昨年9月と12月に累次の拡充をし、執行額が増加しております。
続いて29ページは、業務改善助成金の都道府県別実績です。昨年度の累次の拡充により、多くの都道府県で増加しております。令和4年度で最も多いのは、東京都の440件となっております。
30ページは、業務改善助成金の令和3年夏以降の累次の要件緩和・拡充の内容をまとめたものです。
31ページは、中小企業庁による中小企業に対する支援措置の類型をまとめたものです。資金繰り支援、価格転嫁対策、賃上げに係る予算措置、新規輸出1万者支援プログラムに分けられています。特に上から3つまでの詳細を次ページ以降で御説明いたします。
32、33ページは、資金繰り対策関係の施策である、新たな借換保証制度の創設、コロナ資金繰り支援継続プログラムに関する資料です。コロナ禍で民間ゼロゼロ融資を受けた中小企業、債務が増加した中小企業への支援策です。
34~36ページが、価格転嫁対策に関する取組です。34ページにあるとおり、取引先との共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」について、6月16日時点で約2万6,000社が宣言済みですが、宣言の更なる拡大に向けて取り組んでいるところです。
35ページは、今後の価格転嫁対策についてです。3月と9月の価格交渉促進月間をはじめとした、下請からの情報を活用した取組の強化に加え、業界団体を通じた改善プロセスの体系化を着実に実行・継続し、適正な取引慣行を定着させることとされています。
36ページは、公正取引委員会による「令和5年度中小事業者等取引公正化推進アクションプラン」の概要です。
37~40ページは、賃上げに係る予算措置として、事業再構築補助金、ものづくり補助金、事業承継・引継ぎ補助金の概要及び令和4年度第二次補正による拡充内容をまとめたものです。
41ページは、足下の物価高騰等に対応して、昨年10月に閣議決定した総合経済対策です。これまで御紹介した業務改善助成金の一部拡充や事業再構築補助金等の拡充も、こちらに含まれております。
また、この総合経済対策では、エネルギー・食品料等の価格高騰により厳しい状況にある生活者・事業者への支援として、エネルギー価格対策も実施しており、42~44ページがその一部です。
42ページの電気・ガス価格激変緩和対策事業は、令和5年2月の請求分から電気・都市ガス料金の値引き支援を開始しており、2月分の消費者物価指数の対前年同月比の上昇率の押し下げ要因となっています。
43ページ、燃料価格激変緩和対策事業については、本来200円程度に上昇するガソリン価格を170円程度に抑制してきたところ、令和5年度前半にかけて引き続き激変緩和の措置を講じております。
44ページ、LPガス小売価格の低減に資する配送合理化等の取組ですが、LPガスの小売価格低減のため、LPガス価格への影響が大きい人件費・輸送費に関連する設備である、遠隔でのガス栓の開閉や遠隔検針が可能なスマートメーター、LPガスを運ぶ配送車両、充てん所の自動化設備等に対し、前例のない補助率で導入を支援することにより、LPガス事業者の人手不足と配送業務の効率化を図りコストを低減することを目的としております。
また、45ページは、6月の使用分から電気の規制料金の値上げが行われることとなったことを踏まえて御用意した資料です。先ほど御紹介した電気料金の激変緩和策などにより、ロシアによるウクライナ侵攻前と比較して同程度か低い料金水準になります。資料の説明は以上です。
○藤村委員長
ありがとうございました。この資料No.4について、何か御質問、御意見はありますか。土井委員、どうぞ。
○土井委員
使用者側委員の土井です。よろしくお願いします。1点質問がありますので、分かれば御回答いただければと思います。資料の28ページの業務改善助成金についての質問です。昨年度も拡充をしていただき、私たち中小企業・小規模事業者の立場では大変有り難いと思っております。また、件数も増加はしているのですが、中小企業・小規模事業者は約300万者あると言われている中では、まだまだ利用は少ないのかなと思っています。私が属している商工会という組織は、中小企業といっても、どちらかというと小規模事業者が多く、従業員20人以下が大半を占めています。なかなか小さい企業とかでは使いにくいのかと思うところもあり、現状の利用実績で、例えば従業員規模別でどれぐらいの利用があるかといった点について、お分かりになれば口頭で結構ですので御回答いただければと思います。よろしくお願いします。
○藤村委員長
いかがでしょうか。岡課長、どうぞ。
○岡賃金課長
御質問ありがとうございます。昨年度の業務改善助成金の事業規模別の実績ですが、全体では、先ほど資料にありましたように、交付決定件数が5,672件あったわけですが、このうち先ほどの20人未満の会員の方が多いということでしたが、20人未満ということになりますと、大体5割ぐらいになります。また、更に小さいところで、10人未満となりますと30%ぐらいということでして、比較的小規模の事業所に御利用いただいているところです。以上です。
○土井委員
我々はもう少しPRに努めます。ありがとうございました。
○藤村委員長
そのほか御質問はありますか。佐久間委員、どうぞ。
○佐久間委員
詳細な御説明、ありがとうございました。また、数値データの資料等も用意していただき、重ねてお礼申し上げます。今の資料No.4の26、27ページにかけてですが、中小企業はどうしても賃上げの原資が不足していると言われています。後ほどご説明があるかもしれませんが、参考資料No.1にも、例えば円安や原材料・仕入価格の上昇、価格転嫁を進めないと原資を確保することはなかなか難しいとか、15ページでも今後の最低賃金引上げに関する見解の点では、就業調整の関係もあったりとか、いろいろ懸念される要素を抱えています。その中で中小企業庁や、厚生労働省では、中小企業の賃上げに活用できる施策を26ページのように多数用意していただいていると思います。27ページには、令和4年度の実績、そして応募件数をお示しいただいたわけですが、こういう事業を通じて、全ての中小企業が利用できるわけではないと思うのですが、希望する中小企業には助成ができている、また次の補助事業実施企業の募集の際には応募し、採択をされたりとか、そういう可能性とか、実績が成し得ているかどうかです。特に、中小企業の施策では、採択率というか、実績と、応募・申請数を比べると、厚生労働省の助成事業は経済産業省の補助事業に比べ高い状況です。半分ちょっと、60%強です。こちらの採択というか実績は単純に割っただけですが。つまり、助成事業の実施により、満遍なく利用したい事業者に行き渡って、それが直接的・間接的な原資の確保策になっているとお考えかどうか、その辺を教えていただければと思います。
○藤村委員長
どうぞ。
○岡賃金課長
ありがとうございます。資料の27ページに主な助成金・補助金の応募の状況、交付の状況の資料をお付けしております。例えば当課で所管しております業務改善助成金ですが、令和4年度は7,264件の申請があって、交付は5,672件と、少し差があるわけです。これについては先ほど説明の中にもありましたが、大体このうちの7,000件余りのうち1,000件ぐらいが交付の審査が翌年度に繰り越していることになります。ですので、その1,000件を抜きますと、大体6,000件強になります。それに対して5,672件、大体85%ぐらいの交付率になります。
では、残り15%はということですが、実はこのうちの大体800件余りは、自ら取り下げた事業者となり、詳しい要因までは分かりませんが、おそらくほかの同様な設備投資に対する補助金などについて、併給調整により、そちらをもらうことで、業務改善助成金を取り下げたのかと考えられます。それから、大体100件ぐらいは要件を満たさないということで、不支給となったところです。
ということで、随時、昨年度、一昨年度、拡充はしてまいりまして、それで申請件数も、昨年はこの7,000件でしたが、その前は5,000件、その前は805件ということで、できるだけ多くの事業者の方に、中小企業の皆さんに御利用いただけるようにということで、今後も取り組んでいきたいと思っております。以上です。
○佐久間委員
ありがとうございます。特に、業務改善助成金については、例えば車両の関係でも、非常に、ニーズ規模とか要件緩和をしていただいて容易になったという話は私も伺っています。なるべく広く利用できるような施策づくりに、是非これからもよろしくお願いします。
○藤村委員長
そのほかありますか。資料No.4についてはよろしいですか。では、ここまでとしたいと思います。資料No.2、No.3を飛ばしたのですが、これは先ほど加藤厚労大臣からの諮問文の中にありました、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版、それから、経済財政運営と改革の基本方針2023、これが最低賃金に関わる部分の抜粋をいただいている資料ですので、あえて御説明はないということでよろしいですか。
次は、参考資料No.1です。この説明をお願いします。
○青野賃金課長補佐
それでは、参考資料No.1の「最低賃金に関する調査研究」を御覧ください。こちらの資料は、昨年、今年と、厚生労働省からの委託等で行いました2つの調査研究の概要を御紹介するものです。
1ページからが、JILPTにおいて、最低賃金の引上げによる企業の対応等について調査したものとなります。
2ページが調査概要です。表の上から3段目にありますが、調査の対象は、従業員規模300人未満の中小企業です。その2つ下ですが、調査時期は今年の1月であり、集計対象企業数は7,634社、回答率は38.2%となっております。
2021年にも、当該調査と同様の調査を行い、その結果の速報は、昨年度の第1回目安小委員会の参考資料No.1に掲載しております。2022年調査においては、2021年調査に回答いただいた企業であって、2022年調査も回答いただいた企業の結果をパネル接続して、企業の対応状況の比較をしやすくしているところです。そのパネル接続対象であり、かつ集計対象企業となったのは3,673社です。
3ページ、賃金決定の考慮要素です。上のグラフですが、正社員の賃金決定は、考慮要素として「職務(役割)」を挙げる企業が最も多いですが、下のグラフのように、パート・アルバイトについては、「地域別最低賃金」を挙げる企業が最も多くなっています。
続いて4ページ、最低賃金の引上げに対する取組の有無と内容です。2022年の最低賃金の引上げに対する取組を行ったことがある中小企業の割合は30.7%、内容としては、賃金引上げ以外で最も多いのは、「製品・サービスの価格・料金の引上げ」、次いで「人件費以外の諸経費等コストの削減」、「人員配置や作業方法の改善による業務効率化」となっています。
5ページは、パネル集計結果を用いております。2021年調査において確認した2016~2019年の最賃金引上げに対する取組、2020~2021年の最賃引上げに対する取組、また、今回の2022年調査において確認した2022年の最賃引上げに対する取組の結果、労働者1時間当たりの生産や売上げが伸びたかどうかを確認したものです。結果、「変わらない」と回答する企業がどの時点の取組で最も多いですが、「はっきりしないが、伸びたと思う」と回答する企業が、2022年の取組においては他の時点よりも割合がやや高くなっております。
6ページ、最低賃金引上げに対応するために期待する政策的支援です。こちらもパネル集計結果を用いています。最も多いのは、2021年調査も2022年調査も、「賃金を引き上げた場合の税制優遇の拡大」。次いで「企業の生産性を向上するための設備投資その他の取組に対する助成金の拡充」となっています。
7ページは、円安や原材料・仕入れ価格の上昇等に対する価格転嫁の状況について確認したものです。「全額、できている」又は「ある程度、できている」と回答した中小企業は約4割です。従業員規模別で見ても、規模に応じた明確な傾向は見られませんでした。
次に8ページは、今御説明した価格転嫁の状況を業種別に集計したものです。「全額、できている」又は「ある程度できている」中小企業の割合が5割を超える業種もあれば、「ほとんど、できていない」又は「全く、できていない」中小企業の割合が4割を超える業種もある等、業種ごとに対応状況が異なることがみて取れます。
続いて9ページからは、2つ目の調査研究です。当課からの委託事業において、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した最低賃金引上げに関する労働者の意識や対応等に関する調査となります。
10ページは、調査概要です。今回の調査は最低賃金引上げの影響を見ることを目的としておりますので、表の上から3段目ですが、調査対象は最賃近傍労働者、ここでは、時間当たり賃金が勤務地の地域別最低賃金の1.1倍未満の非正規雇用労働者で、1年以上勤務している方に限定しております。
調査方法はWeb上でのモニター調査で、今年の5月に実施したものとなります。有効回答数は2,866人となっております。
また、表の上から2段目にあるとおり、この調査と同様の調査を昨年も実施しております。この資料においては、昨年の調査は「2022年調査」と表記し、一部調査結果を比較することとしております。また、昨年の調査結果の速報は、昨年度の第1回目安小委員会の参考資料No.1に掲載しております。
11ページは、過去1年以内の賃金上昇の有無と上昇額です。過去1年以内に時間当たり賃金が上昇したのは50.6%、上昇額としては、令和4年度の最低賃金額の上昇額が含まれる賃金幅である「30~34円」が最も多くなっております。
続いて12ページですが、過去1年間で時間当たり賃金が上昇した時期は、「2022年10月」が最も多く、その理由は「最低賃金が上がったから」が最も多くなっております。
13ページは、賃金上昇の理由に最低賃金を挙げた労働者に限定して、その影響を聞いてみたものです。上のグラフですが、暮らし向きの変化としては、「変わっていない」が65%程度と最も多くなっております。
また、下のグラフですが、1ヶ月の賃金が増えた労働者に増えた賃金の使途を尋ねたところ、「ほぼ全てを消費に回している」、「多くを消費に回している」が合わせて60%程度となっております。
14ページも、賃金上昇の理由に最低賃金を挙げた労働者に限定して、労働時間の変化や1ヶ月当たりの賃金の増減を聞いてみたものです。2022年調査の同様の質問への回答と比較すると、左側のグラフ、労働時間については、「変わっていない」がいずれの調査でも60%程度であり、同様の傾向でありましたが、右側のグラフ、1ヶ月当たりの賃金の増減については、「増えた」、「やや増えた」と答えた労働者の割合が、2023年調査では、2022年調査より少し増加しています。
最後に、15ページでは、今後も最低賃金が引き上がるべきかについて聞いたものですが、「そう思う」、「ややそう思う」が合わせて76.5%であり、その理由としては「現在の最低賃金は生計を維持するために十分な水準でないから」が60%と最も多くなっています。今後も最低賃金が引き上がるべきかの問いに、「あまりそう思わない」、「そう思わない」と回答したのは合わせて3.2%ですが、その理由は、「わからない」を除くと、「最低賃金が引き上がると、その分労働時間を減らさなくてはならないから」が最も多くなっております。
資料の説明としては以上となります。
○藤村委員長
どうもありがとうございました。この参考資料No.1について御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいですか。では、次回以降提出を求める資料がございましたら、ここでお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。大下委員どうぞ。
○大下委員
ありがとうございます。まずもって膨大な調査資料の御説明ありがとうございました。今年度につきましても、昨年度同様、これらのデータに基づく審議の徹底、公労使で一致して取り組んでいければと思っております。その上で、1点資料の追加をお願いしたいと思います。先ほど御説明がありました資料No.4の35ページ、価格転嫁対策についての資料を添えていただいております。ここにございます3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査の結果が、6月20日に中小企業庁から公表されております。現下の中小企業の支払い能力を見る上で、こちらの調査結果が、非常に参考になる内容と理解をしておりますので、是非、次回の会議にて資料の追加をお願いしたいと思います。私からは以上です。
○藤村委員長
使用者側から今御提案のございました資料について、労働側はいかがですか。仁平委員どうぞ。
○仁平委員
大下委員から御指摘のあった、3月の価格交渉促進月間の調査結果の資料について、追加については私も賛成したいと思っています。私もやはり価格転嫁の状況というのは、依然として課題があるのではないかと考えています。価格転嫁について、この場で必ずしも答えが出せるものではないとは思いますが、政府に対して、この10月頃のこの最賃の発効に向けて、遅滞なく手を打っていただく必要があるだろうというふうに考えていまして、中賃としてそうした提言も検討していくことも含め、資料を出していただくということは大事じゃないかと思っております。
○藤村委員長
労使の合意が取れましたので、この資料、フォローアップ調査の結果について、次回お願いをしたいと思います。そのほかございますか。よろしいでしょうか。では、今後の日程案について事務局が資料を用意しておりますので、説明をお願いいたします。
○岡賃金課長
それでは、資料No.5を御覧ください。一応第4回目までの予定を記載しております。第2回目は7月12日水曜日、それから第3回目は7月20日木曜日、第4回目は7月26日水曜日です。上記の日程で今調整中です。以上です。
○藤村委員長
この予定案について、何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。どうぞ新田委員。
○新田委員
今後の予定について、ご提示いただいた形で進めていければと思っておりますが、この審議日程というのは、やはり10月1日発効が前提としてあると思います。もちろん我々使側としても取りまとめに向けて、公益の先生方、そして労働者側の委員の方々と、真摯な議論を積み重ねて努力していきたいと思っておりますが、やはり一番大事なことはしっかりと議論を尽くすということだと思っております。したがいまして、この審議日程でしっかりと進めていきますが、もし審議を尽くせなかった場合には、追加の審議等も是非御検討いただければと思っております。
それに加えて、例年残念ながら、特に後半の目安小委員会において長時間の審議になるケースがどうしてもあります。それは審議を尽くすという部分では大事なこととは思いますが、働き方改革等々、いろいろな形で働き方に関して見直しを進めているときに、日付を超えるような形の審議というのは、望ましくないと思っております。そうした観点からも、場合によってはその時の審議状況を見て、審議日程の追加等も、是非御検討いただければと思っております。
ただ、もちろんこの審議日程に基づいて、労働者側とも真摯に議論を尽くすということは重ねて申し上げておきたいと思います。私からは以上です。
○藤村委員長
分かりました。審議を尽くすということが大前提であり、この予定に従ってやっていくのだけれども、もしうまくいかない場合には追加でということもあり得るのではないかという、そういう御意見だったかと思います。労働側いかがですか。
○仁平委員
新田委員から言われた点も含めて、正に、去年と同様にしっかりとデータを押さえながら議論を尽くす。こういう審議プロセスというのは引き続き大事なのではないかと思っております。初めから日程ありきということだけではないとは思いますが、ここで3回ほど、第2回から第4回まで、設定していただいておりますので、先ず以て、この中でしっかり議論をしていくということが大事かなと思っております。
○藤村委員長
ありがとうございます。公益委員としても日付をまたぐような審議はできれば避けたいとは思っておりますが、ただ、そのときの勢いというのがございますので、そこは状況を見ながら、また労使、公労使で話し合っていきたいと思います。日程についてはよろしいでしょうか。今日の議題としては以上なのですが、最後に私から幾つかお願いをしたいと思います。
次回の第2回の目安に関する小委員会の日程については、ただいま御設明ありましたように、7月12日の水曜日で予定をされております。第2回目の小委員会の場では労使委員の皆様におかれまして、今年度の目安についての基本的な考え方を表明いただきますよう準備をお願いしたいと思います。また、事務局におかれましては、例年提出をお願いしております資料。具体的には、賃金改定状況調査、最低賃金と生活保護の水準との乖離関係の資料、都道府県別の賃金分布が分かる資料、それからランク別・都道府県別の未満率及び影響率の資料、最新の経済指標の動向に関する資料。こういうものを御準備いただきたいと思います。よろしいですか。
○岡賃金課長
はい、承知いたしました。
○藤村委員長
それでは、以上をもちまして本日の小委員会を終わりとしたいと思います。どうも御協力ありがとうございました。