2023年7月31日第32回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和5年7月31日(月)14:00~16:30

2.場所

対面及びオンライン会議(TKP新橋カンファレンスセンター ホール14G)

3.出席者

4.議題

  1. 1.関係団体ヒアリング4
  2. 2.その他

5.議事

○伊藤障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第32回会合を開催いたします。
 関係団体の皆様及びアドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、アドバイザーの皆様には、オンラインまたは会場にて御参加いただいております。
 また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 本日のアドバイザーの皆様の出席状況ですが、井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、野澤アドバイザーにおかれましては、所用により途中退席の予定となっております。
 構成員の出席状況ですが、辺見障害保健福祉部長ほか、公務のため欠席となっております。
 また、本日は、団体の皆様からのヒアリングを行うため、関係団体の方々にお越しいただいております。ヒアリングは1団体ごとに入れ替わりで行いますので、団体名と御出席者名につきましては、各団体からヒアリングの際に御紹介させていただきます。
 本検討チームの議事は公開とし、審議内容は皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載します。
 議事に入る前に、資料の確認、会議の運営方法、ヒアリングの段取りについて御確認させていただきます。
 資料の確認を行います。オンライン参加のアドバイザーの皆様におかれましては、電子媒体でお送りしている資料を御覧ください。同様の資料をホームページにも掲載しております。
 本日の資料は、議事次第に続きまして、ヒアリング資料の1から8として、本日ヒアリングを行う各団体様から事前に提出いただいた資料、それから、参考資料として、関係団体ヒアリングの実施についてという紙を用意してございます。
 続きまして、ヒアリングの進め方については、ヒアリング1団体ごとを行い、まず、団体の方からの御発言を8分間行っていただきます。4分を経過した時点でベルを1回鳴らします。8分を経過した時点でベルを2回鳴らします。その場合は、速やかに意見をまとめていただきますようお願いします。
 団体からの御発言の後、アドバイザーの皆様からの質疑応答を計7分間、行います。現地で出席いただいている方は、挙手をお願いします。オンラインで御参加いただいている場合は、Zoom機能の「挙手ボタン」を押してください。発言者はこちらから指名させていただきますので、指名された方から御発言をお願いします。
 毎回同じではありますが、ヒアリングに当たっては、5月22日の検討チームでお示しした4つの視点、アドバイザーの皆様から御助言いただいた観点を踏まえて資料を御用意いただいています。資料のうち、基本的には概要版に沿って御発言いただければと思います。
 4つの視点を簡単に御紹介します。
 1つ目の視点は、より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策・評価方法です。
 2つ目は、地域において、利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするための、質の高い人材の確保を含めたサービス提供体制の確保に向けた課題及び対処方策です。
 3つ目は、障害福祉サービス等に係る予算額が、自立支援法施行時から3倍以上に増加し、毎年1割程度の伸びを示している中で、持続可能な制度としていくための課題及び対処方策です。
 4つ目の視点は、ICT活用など業務の負担軽減・効率化に向けた課題及び対処方策です。
 以上の4つの視点を踏まえた御説明をお願いします。
 なお、本日は手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、できるだけゆっくり、分かりやすくお話しいただきますようお願いします。
 早速ですが、ヒアリングを開始させていただきます。
 最初に、一般社団法人日本ALS協会より、岸川忠彦様、金澤公明様、よろしくお願いいたします。
○日本ALS協会 日本ALS協会と申します。日頃より、ALSをはじめとした難病患者、障害児・者、御高齢の方への御支援をいただき、ありがとうございます。今回は、このような機会を設けていただいたことに感謝を申し上げます。今日は、先ほど紹介がありましたように、常務理事の岸川、患者・家族になります。理事の金澤、遺族になります。で説明を申し上げます。患者である会長の恩田は、リモートで参加、傍聴の形になります。
 では、以降、意見を述べさせていただきます。概要版に沿ってになります。
 1.福祉・介護職員の処遇改善・人材確保の観点から。介護支援専門員、ケアマネジャーが相談支援専門員の業務を行った場合の加算についてです。現状は、介護支援専門員、全国で18万8000人ほどいらっしゃると思いますが、相談支援専門員2万5000人の業務を肩代わりしている例が多いと思います。この労働の対価として、制度を横断して支払うべきではないでしょうかというのが1つです。
 2番目、重度訪問介護を含む福祉・介護職員及び事業所の処遇改善の観点から。障害福祉分野の福祉・介護職員の賃金の状況について産業計と比較しました。平均勤続年数が10年に対して7年と、3年短い。賞与込み給与も35万2000円に対して29万5000円と、約6万円低くなっております。処遇改善により、より質の高いサービスが提供できる人材確保を図ることが必要と考えております。
 (3)事業所の人件費率を基準にして加算。事業所への介護報酬が職員の給与に還元されていないという問題提起がありますが、逆に、人件費率の高い作業所は、事業の持続性を犠牲にしているのではないかという捉え方もできます。職員の給与アップに努めている事業所には、加算をすることを求めたいと思います。介護職員及び事業所の所得が上がることによって、所得税で社会に還元できるということになります。
 4番、自薦ヘルパー受入れ事業所に加算を考えてください。地域における事業所とヘルパーの不足は深刻なものです。特に障害当事者が自薦ヘルパーを受け入れることでヘルパー不足が解消され、事業所を経営しやすくなると考えます。
 次に、就労による社会参加・貢献の促進についてです。就学・就労で重度訪問介護の利用を認めてください。就労・就学時の重度訪問介護の利用を認めれば、社会参加及び社会貢献の両方が満たされると思います。就労・就学しないで重度訪問介護を利用して療養する場合は、社会参加意識についてはゼロに等しく、社会貢献の達成も難しいと考えます。障害当事者が未来の税収を補い、また障害当事者の生産性が高まることを図ってください。当面の措置としては、障害福祉サービスの費用の額の算定に関する基準の別表第2の重度訪問介護サービスに関する括弧内の記載を変更して、就労・就学時の介護給付費など単位を認めれば、就労による社会参加・貢献の促進が図れるものと考えております。
 次、災害対策です。災害対策実行加算、自助・共助の推進ということになります。個別避難計画の作成の進捗状況は、人数ベースという量的な側面でもまだ14%であります。質的な面も考えたら、進捗度はもっと低いと考えられます。障害者、難病患者も含みます。家族とヘルパーが医療職等と連携して、個別避難計画の作成・更新するほうが作成のスピードも実効性も高い。経済的にも早いと思いますので、災害対策実行加算などをしていただきたいと思います。
 次、ICT活用・持続可能な制度に向けてです。
 まず、順番が逆になりますが、2番です。福祉・介護職員の勤怠管理、利用者との契約、給与計算などをクラウド化した介護事業所向けパッケージソフトウエアを開発して、それを利用する事業所には、加算とともに利用料を徴収するというのはどうでしょうか。介護関係の書類を見る限りは、手書き。通信はファクスが多く、ICT活用にはほど遠いように見受けられます。現場をカバーする必要があると思います。ICTの活用を図り、事業所のトータルコストを下げるには、クラウド化した介護事業所向けパッケージソフトウエアを公的に提供して普及することが望ましいと考えます。
 次に、持続可能という観点からですが、1番になります。所得に応じた利用者負担額を見直すという考え方もあります。定量的にはどうなるか、しっかりと検討する必要があると思いますが、所得の高い利用者の負担額を増やせば、市町村の介護給付費が減少することになるのではないでしょうか。
 最後ですが、今回は会長が事情によりリモートで参加ということになり、当事者家族の私、岸川、遺族の金澤が説明と質疑を行いました。今後において当事者が会場参加してコミュニケーション支援機器を介したり、介助者を通して質疑に答えることもあると思います。その場合は、全体の時間、今回は15分ですけれども、これを状況に応じて延ばすなど、合理的配慮をしていただくようお願いいたします。
 以上になります。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、御説明に対し、アドバイザーの皆様からの御意見、御質問をお願いします。
 会場の小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 説明ありがとうございました。
 説明で2点ほど確認したいというのでしょうか、お聞きしたいことがありまして、1つは、最初の福祉・介護職員の処遇改善・人材確保の1番目のところに、介護支援専門員が相談支援専門員の業務を行った場合の加算とあるのですけれども、この意味です。いわゆる介護支援専門員が介護保険のマネジメントに加えて、障害福祉の上乗せとか横出しとか、その業務を行った場合のという意味なのか、純粋に相談支援の普通の障害福祉の業務を行ったという意味なのか、そこが知りたかったことの1点目です。
 2点目は、災害対策というところで加算と書いてあるのですけれども、相談支援専門員がこういう個別避難計画を併せて作成したときに加算という意味で取っていいのか。誰がしたときの加算なのかというのを2点ほど知りたかったです。
 以上です。
○日本ALS協会 どうもありがとうございます。
 まず、1番のケアマネさんが相談支援専門員の業務を行った場合というのは、案外多岐にわたっております。実際、いろいろな相談を受けてケアプランを作成することもありますし、そのために例えば行政のほうといろいろと話をするということもありますので、全般的に介護とか福祉とか、制度を区切らないで、特に重度訪問介護については、介護保険、障害福祉の制度、両方にまたがりますので、その辺を柔軟に対応していただきたいということです。
 もう一つ、災害対策については、なかなか難しい。我々も厚労省のほうに相談しますと、それは内閣府のマターですということがありまして、多分、いろいろな部署が協力し合わないといけないということだと思いますので、そういうことに対して、例えば介護の制度とは別ですとか、そういうことは言わないで、計画したということに対して、しっかりと対価を払っていただく。そのほうが経済的にも早いのではないか。行政のほうで上からそういう個別支援計画をつくるよりは、自発的に自分たちで現場のほうでつくっていくのがいいのではないかということを促すようなことを考えていただけたらと思いました。
○日本ALS協会 補足で回答してよろしいでしょうか。
 1点目のケアマネジャーと相談支援員の件ですけれども、ALSの場合は40歳までが障害の相談支援専門員担当で、40歳以上は介護保険と障害の併用になって、ケアマネジャーはどっちかというと主に患者さんのサポートをします。そういう中で、今、岸川が言ったように、例えば時間給付とか行政に対する申請とか、結局、患者さんなり家族が十分分からないと、ケアマネジャーなり相談支援員がサポートする形になるので、書き方はちょっと正確ではないところがあるのですが、趣旨とすれば、そういうことをやった場合に支援的な財政的措置をしてほしい。これが1点目です。
 それから、2番目の災害対策に関しても、重症とか重度の者が在宅で行う場合、日常的にサポートしているのは、家族がいない場合、ヘルパーさんが多いのですね。重度のALSで呼吸器をつけている場合だと、いざどこに避難するかとか、どういうものを持ち出さなければいけないとか、そういう検討というのは、日常付き合っているヘルパーさんがよく知っている。そういう意味で、そういう支援者たちの評価をちょっとしてくれれば、準備なり対策が進んでいくという趣旨です。
○小澤アドバイザー 分かりました。ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続いて、オンラインのほうから野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 御説明、どうもありがとうございます。
 実際のヘルパーについてお聞きしたいと思っているのですけれども、今、ヘルパーさんの確保は非常に大変だと思うのですね。しかもALSの方というのは、利用者にとって個別性の高い支援が求められるので、余計に自薦ヘルパーというのは切実かなと思っているのですけれども、今、どのぐらいの数の方がいらっしゃるのか。全体のALSの方が使っているヘルパーさんの何割ぐらいに当たるのか。どんなふうに確保して養成しているのかみたいなことをちょっとお聞きしたいなと思うのですね。質の担保とか、いろいろな課題があると思うのですが、その辺りの見解といいますか、アピールポイントをちょっとお話ししていただけるとありがたいなと思います。
○日本ALS協会 全体でどの程度かというのは、すみません、私のほうは把握しておりません。調べて分かりましたら御報告したいと思います。
 あと、個別の例で言えば、例えば我が家では自薦ヘルパーさんを入れました。近くにいないと、例えば自分の知人とか近くの学生さんで自前のヘルパーさんを確保するというのが多いかと思います。
○日本ALS協会 補足の回答でよろしいでしょうか。令和3年に当協会で介護における地域間格差の実態調査として、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の令和2年度助成事業により、当協会入会患者1719人を対象にアンケートを行いました。そのときの重度訪問介護サービスの利用データですけれども、回答した人が533件で、その中で重度訪問介護を使っている方が233名、約44%でした。支給時間が足りないとの回答が約28%でした。回答者の自薦ヘルパー利用数までは確認できておりません。
○伊藤障害福祉課長 時間の関係もございますので、最後に石津アドバイザー、お願いいたします。
○石津アドバイザー 石津でございます。御説明ありがとうございました。
 私は、資料の5ページについて伺いたいと思います。5ページで介護報酬の職員の給与への還元との関係について、現預金と積立金の視点から問題提起がされています。このページの右側の今後の改善点・検討の方向性というところですけれども、一部の法人に介護報酬が還元されていない可能性があるとされている点について、お伺いさせてください。
 現預金とか積立金が多いところは、例えば規模が大きいと運転資金も大きくなるという関係のようにも感じられますけれども、この文章の下のほうの記載を拝見しますと、法人形態、すなわち社会福祉法人とか医療法人とか、特に株式会社なのかもしれませんけれども、法人形態によって適切な還元がされているかどうかに違いがあるという説明のようにも読めます。私も、法人形態によって、同じサービスでも経営状態が異なるのではないかというということに関心があるのですけれども、ここに説明されている一部の法人ということについて、もう少し御説明いただけますでしょうか。
○日本ALS協会 どうもありがとうございます。
 大変恐縮ですけれども、この資料は私たちがつくったものではありません。実は、ここに書いておるように、6月30日に財務省がこういうことを問題提起したという報道を引用したものです。したがいまして、この内容について、具体的に私たちのほうで答えるというのはできません。申し訳ありませんが、実際、どういう状況なのかというのは、別途確認して、お答えさせていただければと思います。
○石津アドバイザー ありがとうございます。何か業界さんの中で、特に株式会社等について、いろいろな御意見があるのかなと思ったので、何か御存じのことがあるようでしたら教えていただきたいなと思った次第です。
○日本ALS協会 すみません。その辺は、私のほうには届いておりませんので、また御存じの方がいらしたら、お話をお聞きしてお伝えしたいと思います。
○石津アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 それでは、お時間が参りました。日本ALS協会の皆様、ありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、全国自立生活センター協議会より、岡本直樹様、山本広次郎様、よろしくお願いいたします。
○全国自立生活センター協議会 全国自立生活センター協議会の山本と申します。私ども、全国自立生活センター協議会、略称JILと言いますけれども、全国に114団体ある自立生活センターの全国団体です。自立生活センターは、障害当事者が代表であり、また運営委員の過半数を障害当事者が占めるという規約を持つ、当事者による運動団体及び事業団体になります。どんなに重い障害があっても、地域で当たり前に生活できる社会をつくっていくという理念の下、ピアカウンセリングや自立生活プログラム、介助サービス。特に総合支援法の中では、重度訪問介護の派遣、権利擁護といった事業を行い、重度障害者への地域移行、地域生活支援を行っています。
 では、当会の意見提起について、岡本のほうより説明いたします。
○全国自立生活センター協議会 岡本と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速、説明をさせていただきます。JILのビジョンに基づき、昨年9月に出された総括所見を真剣に受け止め、ほぼその趣旨に合わせています。総論は、今回要望した内容が網羅されていますので、後ほど御確認いただければと思います。
 では、重要なポイントを説明いたします。
 7ページです。1つ目は、地域生活の促進と支援体制の整備です。総括所見で特に指摘された地域移行については、脱施設と強調しています。
 第1に、地域生活支援拠点の設置を推進し、施設・病院側と地域に地域移行コーディネーターの配置を評価すべきです。その際、加算ではなく、人件費等の予算化が必要です。
 第2に、意思決定支援会議と、国として施設や病院に地域移行の意向調整をセットで義務づけし、実施しない施設や病院には大規模な減算をしてください。そのために、地域移行の意向調査には、施設や病院以外の第三者の機関、そしてピアサポーターが適しています。これは長期間施設に入所している方は、安心した場の保障がないと意向を言えない方がほとんどだからです。ある研究では、訪問するだけでは心を開くことは難しく、一定の研修や入所者と関わる期間が必要とのことです。
 第3に、地域移行の体験の場の確保もとても重要です。特に21ページにある北海道モデルは参考になると思われますので、詳細は後ほど御確認ください。
 第4に、現在、障害福祉サービスが病院で利用できるように地域移行を進めるためにも、施設入所中から障害福祉サービスを体験利用できるようにしてください。
 10ページです。2つ目は、人材確保とICTの活用です。
 第1に、コロナ禍で普及したウェブ会議システムにより、場所や時間の制約を受けずに研修や会議が可能となりました。また、ICTの活用では、私の相談支援の実践では、Googleフォームを活用し、利用者自身の自己診断をお願いしてから面談を行うことで、本人の思いとギャップを確認し、本人中心の支援が可能になりました。このように業務の効率化だけでなく、本人のニーズに合った支援を行うために、ICTは有効です。
 別の課題では、住宅の多様化により、私のようなピア相談員は階段のある家には行くことはできません。一部停止されているオンラインによるモニタリングについても、特にピア相談員には再開をお願いいたします。
 第2に、この急激な人材不足の中で、重度訪問介護研修のオンライン化は、離島や小規模の事業所にとって非常に重要です。特に研修に際しては、様々な障害当事者の話を聞くことで研修のリアリティーが増し、十分な研修効果が見込めます。また、当事者の社会参加の機会にもなり、これからもオンラインでの研修が実施できるように配慮をお願いいたします。
 第3に、人材確保の工夫を話す前置きとして、現在、私たちは日本から中南米、南アフリカ、アジア圏などに自立生活運動を広める活動を行っています。この取組の一環として、海外の若者が日本に留学し、介助者として働き、日本で得た知識を将来的に出身国で還元する流れを進めています。介護人材の受入れの緩和と実習のメニューに訪問系サービスを追加すること、介護福祉士資格試験の外国人への特段の配慮をお願いいたします。
 12ページです。3つ目は、サービスの改善です。
 第1に、重度訪問介護の基本報酬の引上げが必要です。報酬が低過ぎるために、居宅介護から重度訪問介護に切り替える際に事業所が撤退するケースがあります。報酬引上げだけではなく、処遇改善等を含む報酬でも人材確保が十分できない問題もあります。報酬引上げのほかにも、加算率の底上げでも効果的であると考えます。区分6の対象には15%加算、重度包括対象には25%加算を行ってください。
 第2に、熟練した訪問介護従業者による同行支援の対象者について、私が関わった強度行動障害のケースではヘルパー定着が難航し、同行支援の可能性を探ったものの、勤務経験が半年というところがハードルになり、経験の浅いヘルパーにとっては、その制限がとても過酷です。少なくとも強度行動障害のある方の介護に入る際は、勤務経験が半年以上の方も対象に含めてください。
 16ページです。第3に、20人規模のグループホームは、総括所見で指摘されたとおり、入居定員を減らすとともに、大規模減算の割合を拡大することなど、改良してください。
 一方で、知的・精神障害者のグループホームは飽和状態の印象がありますが、身体障害者や強度行動障害対応のグループホームは一向に増えていません。バリアフリー化はもちろん、医療的ケアや強度行動障害に対応したグループホームをぜひ評価し、財政優遇措置を取るなどして整備を進めてください。なお、介助体制等の解決策として、これを機に個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例を恒久化すべきです。
 17ページです。4つ目は、持続可能な制度の確立です。
 第1に、現在行われている雇用代行ビジネスの問題を解消し、重度訪問介護を使った就労を解禁すべきです。現在行われている重度障害者等就労特別事業について、国の調査によれば、29市区町村のうち108名が利用と低調で、全国展開が厳しい状況にあります。シームレスな対応の不足や事業所対応の難しさ、市町村の負担額のばらつきなど、多くの課題があります。どの地域でも実施できるよう、重度訪問介護等の就労を解禁してください。
 第2に、障害者の雇用保障だけではなく、家族や女性の雇用保障ということも重要です。ジェンダー平等の実現が不可欠であり、重度訪問介護をこどもにも利用可能にすることで、施設収容を減らし、悪循環を断ち切ることができると考えています。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様からの御意見、御質問をお願いします。
 では、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明をありがとうございます。
 8ページの地域移行の体験の場の確保の、北海道モデルとおっしゃっていた自立生活体験室について、お伺いします。おっしゃるとおり、宿泊などの体験を行うことは、地域移行のために大変重要なことだと思います。現在のサービスでは、単独型の短期入所が活用できるのではないかと思いますが、その辺りはいかがお考えか教えていただければと思います。
 また、これは意見なのですが、14ページにあるピアサポートに関して、私は精神保健福祉士なのですけれども、私の事業所でも精神のピアスタッフが一緒に働いてくれています。就労を継続するためのフォローアップは職場で行うのはもちろんですが、職場以外での仲間同士の横のつながりがとても重要だと感じています。千葉県では、ピアサポート専門員養成研修の卒業生などで千葉県ピアナッツという集まりをつくり、養成だけではなく、その後もバックアップする仕組みがつくられているようです。ピアサポート加算が始まり、採用者も増えてきましたけれども、継続して働ける仕組みも地域でつくっていく必要があるなと思いました。
 以上です。
○全国自立生活センター協議会 ありがとうございます。
 21ページに分かりやすく北海道モデルのことを解説したものをつくっています。当会としては、複数の自立生活センターが連携して共同で体験室を設置するという取組を行っています。これは筋ジス病棟の地域生活をということで始めたもので、筋ジス病棟の近くに体験室を設けて、そこの医療ネットワークと連携しながら、あと病院にも地域医療連携室というものがありまして、そこの方々と連携しながら地域移行を進める取組を行っています。短期入所についても必要なことがあるかなと思いますが、私たちとしては自立生活プログラムといった取組を通して、一緒になって地域生活の体験をする、練習をするということを考えているので、もちろん短期入所でいい部分もあると思いますが、私たちとしては、体験室を設けて、そしてサービスを使いながら体験するということを進めています。
 併せて、例えば空家なんかを活用した体験室の場をつくるということであれば、それを行政が設置した際に、使わないときは短期入所として使ったり、緊急一時支援施設として使うということも1つの手かなと思っています。
 あと、ピアサポーターのバックアップというところですが、身体障害のピアサポーターは割と最近始まったところが大きいかなと思っていますので、今、お話あった内容、とても大事だなと思いますので、参考にしながら取り組んでいきたいなと思っています。
 以上です。
○橋本アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー どうもありがとうございます。非常に御丁寧なお話と、それから具体的な御提言、どうもありがとうございます。
 私の質問は、17ページの持続可能な障害福祉サービスを提供するための投資と予算の再配分についてのインクルーシブ保育の推進というところですが、医療的ケア児支援法が施行されて、その中でインクルーシブ保育、インクルーシブ教育ということが強調されて、文科省のほうも特別支援学校とかに対する看護師の配置を年々増やしていっているのですけれども、残念ながら保育園とか幼稚園とか認定こども園などに関しましては、まだまだ人工呼吸器をつけているようなお子さんを受け入れてくれるところは、ほとんどないというのが現状じゃないかと思います。
 その中で、この17ページには、一定のエリアごとに看護師を配置してインクルーシブ保育を推進していきますと書いてございますけれども、このときの看護師さん、特に小さなこどもで人工呼吸器の吸引とか人工呼吸器の設定を変更・調整するということができる方というのは非常に少ないものですから、文科省が採用しているような非常勤の看護師さんの中では、手を挙げてくれる方がほとんどいないというのが現状じゃないかと思いますけれども、どういう形でこのインクルーシブ保育を推進するための看護師さんを確保する。例えば訪問看護師事業所と提携するとか、そういったことを教えていただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○全国自立生活センター協議会 ありがとうございます。
 看護師を設置するのはなかなか難しいということはあるのかなと思いますが、私たちとしては、総括所見の中でインクルーシブ教育とか脱施設ということを推奨するような方向性が出されたというところもあって、この考え方から、小さい頃から障害のない子と過ごすことはとても大事だなと思っていて、その結果、人材確保というところにもつながるかなと思っています。御質問にあったようなところは、特にまだ考えがあるということではないのですが、訪問看護師さんを活用するということはありかなと思っています。
 医療的ケア児法は、スタートして間もないというところもあるので、これからかなとちょっと期待している部分がありますので、今のこどもの取組なども議論が始まっているかと思いますので、そこの議論と併せて、特に医療的ケア児の支援ということは、皆さんと一緒に考えていく必要があるかなと思っています。回答になっていないかもしれませんが。
○田村アドバイザー いえ。インクルーシブ保育・インクルーシブ教育は、これからのこどもたちにそういう差別意識のない大人になっていただくために非常に大事なことだと思いますので、ぜひこれからも積極的にいろいろ取り組んでいただけたらと思います。どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長
 続きまして、野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 野澤です。
 持続可能なサービス提供体制のところで、ほかから増やしてほしいというのはあるのですけれども、減らせという意見はなかなかなくて、食事提供体制加算、補足給付、利用者負担等、前々からずっと課題になっていて、そのために反対されて断念してきているのですけれども、当事者側から大幅に見直せという意見が出ているというのは、非常に貴重な議論の場になるなと思っているのですけれども、もう少し具体的な論拠といいますか、減らすべきだという論拠を話していただけるとありがたいと思います。
○全国自立生活センター協議会 ありがとうございます。
 17ページに書かせていただいているとおりですが、私たちも持続可能というところがとても難しいなということを毎回感じていて、今回も同じように感じていたのですが、今回、私たちの団体と幾つかの団体と連携して、この部分、大幅に見直せないかという前向きな議論があったものですから、ちょっと書かせていただいたというところがあります。特に施設入所している方と自宅でサービスを受けている方というのは、結構格差があるなと感じています。特に自宅でサービスを受けている方に対しては、食事の提供ということはないですし、そういったところが大きな違いかな。
 例えばグループホームですと、家賃補助とか、そういうこともありますけれども、障害福祉サービスの在宅の場合はそれがなかったりということで、施設側と地域側との格差が結構大きいかなと思っています。この格差を是正する必要性があるのではないかということで提案させていただいています。僕もまだ勉強中の部分もあるので、そういう形で考えさせていただいています。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続いて、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー 貴重なお話、どうもありがとうございました。
 1点、先ほど田村アドバイザーから御質問があったところの下、17ページですが、インクルーシブ社会の構築に向けた学童保育事業者の評価というところについて質問します。確かに持続可能と考えていくと、様々な一般施策の中で使えるサービスをきちんと使っていくというのはとても大事なことだなと思うのですが、各自治体独自のサービスで放課後を充実させるという事業もあります。そういったことを視野に入れていくと、評価もそうなのですが、マネジメントやサービスの供給等が気になります。
 特にセルフプランが多い自治体さんなどもあったりしますので、そういった意味で様々なサービスを使えば、さらに複雑さも増していくわけです。持続可能というところをどのようにサービスを調整していくかということについてもし御意見があれば伺いたいなと思います。
 以上です。
○全国自立生活センター協議会 ありがとうございます。
 放課後等デイサービスが拡大している傾向は、私、府中市で活動していますけれども、多くて、ここが増えるというか、御家族のニーズが高いというところが大きいのかなと感じているので、ここは何とか改善していく必要性があるなと思っています。総括所見で言っているようなインクルーシブ教育を含んだ形ということは、とても必要なことだと思っていますので、学童保育の中でそういった取組が使えるようになるということがいいのではないか、合体させられると一番いいのかなと個人的には思っています。
 マネジメントについては、おっしゃるとおりです。あまり考えていなかった部分があります。ここは相談支援専門員の力を借りる必要性はあるなと思っています。セルフプランというところは、特に身体障害で大人になったときにというところで、私たちの考え方としては、相談支援事業の到達点としてはセルフプランになっていくことが大事なのではないかなと思っています。一方で児童の部分はということになりますと、そこは同じように課題は感じていますので、そこの部分は相談支援がしっかり介入するような取組は不可欠だなと思っています。すみません、回答になっていないと思いますが、問題意識は感じていますので、また私たちも考えていきたいなと思っています。
 以上です。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 時間が超過しておりますので、次に石川アドバイザーと高アドバイザーから続けて御発言いただいた上で、まとめて御回答いただきます。では、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 神奈川県秦野市の石川です。当事者の立場での貴重な御意見、たくさんいただきまして、ありがとうございます。
 私のほうからは1点、16ページの上の段にあります大規模共同生活介護の大幅な減算と重度者対応を評価という部分で教えていただきたいのですが、重度者対応を評価というのは分かるのですが、20人規模の大規模共同生活介護の大幅な減算という考え方についてを具体的に教えていただきたかったのと、20人規模の共同生活介護で弊害があるような事例があったのかどうかというところを併せて伺えたらと思います。よろしくお願いします。
○伊藤障害福祉課長 高アドバイザー、お願いします。
○高アドバイザー 私のほうも、有村アドバイザーと同様のインクルーシブ社会の構築に向けた学童保育事業者の評価の件ですが、改めて放課後等デイサービス事業者の連携加算という考えはなくて、学童保育事業者を評価するという具体的な案ということでよろしかったでしょうか。
 以上です。
○全国自立生活センター協議会 グループホームに関しては、施設から地域にという考え方の中で、20人規模となると施設と変わらないのではないかということを当事者団体としては感じているところですので、そういったところで減算しているかなと思っています。具体例としては大きなものはないのですが、同じ建物内でドアが分かれると、20人でも5~6人規模のグループホームが複数あるという形でも問題ないみたいなことが、大阪のほうではよくあると聞いているので、そこは問題だろうと感じています。分けるべきじゃないかなと思っています。
 あと、放課後デイサービスのところは、具体的な方策的なことはまだ考えていないのですが、どういった形がベストなのかというところがあるかなと思います。どういうやり方ができるのか。例えば僕のイメージでは、放課後デイサービスと学童保育が一緒になるみたいな新しい形ができないのかなと感じたりしています。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。全国自立生活センター協議会の皆様、どうもありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会より、荒井隆一様、室津滋樹様、よろしくお願いいたします。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 皆さん、こんにちは。障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の代表の荒井と言います。よろしくお願いいたします。本日は、事務局長の室津と一緒に参加させていただきましたので、よろしくお願いいたします。私たちは、障害の種別や程度に関わりなく、どんな人でも自分らしく暮らせる場所を考えるということで、障害のある人、援助者、家族、研究者、行政で仕事をする人など、幅広い人が集まって、この問題を考えていくためにつくられた団体になります。そのような中で、暮らしやすいグループホームをつくっていくようなことを目的として日常的に活動させていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 まず、視点1の部分から説明したいと思います。前提として、全体的な仕組みのことになってしまうのですが、この報酬改定の議論、現在は3年に一度、行われていると思います。ただ、恐らく法的な根拠はないのではないかと思うのですが、実は社会情勢の変動、例えばここ最近だと最低賃金の見直しが現在議論されておりますが、こういうものとの連動だったり、近年の物価の高騰だったり、いろいろなものが私たち障害福祉サービスを運営していく上では、かなり影響する部分が多いと思います。
 ただ、これと報酬の改定というのは全然リンクしていないのが現状で、私たちとしては、この辺りがしっかりと連動されて、3年に一度という形じゃなくて、タイムリーに報酬が改定されるような仕組みがまずは必要なのではないかなと思いますので、ぜひこの辺りは御検討いただけるとどうかなと思っております。
 次に、具体的な加算の部分等に関してになりますが、まず、基本報酬に関して見直しをすることも必要なのですが、どちらかというと報酬をどれだけ積み上げていっても、なかなか整理がつかないかなと思っておりまして、1つのやり方としては、人を配置しているような事業所に対して報酬を加算するような仕組みみたいな形で、今の区分に応じた報酬で分けるだけではなくて、別立てのやり方をすると、利用者にしっかりとした支援が届けられるような体制がつくれるかなと思いますので、ぜひその辺りの御検討をいただけるとどうかなと思っております。
 続いて、夜間支援の問題になりますが、これは前回の報酬改定のときに大きく見直しがあって、それまでは1人分の人件費を総体的に評価するような夜間支援体制加算の仕組みだったのですが、これが少し変わった部分があって、現在は支援区分が低い方に対して夜勤体制を考えていく場合に、1人分の人件費がなかなか算定できないような現状があります。そうなると、支援区分が低い方はいわゆる夜勤体制をなかなか組めないという実態があって、ただ、現状は、支援区分が低い方でも夜勤というか、夜間の支援が必要な方々はいっぱいいらっしゃって、そういった意味では、勤務形態というような、宿直形態なのか夜勤形態なのかという形で、しっかりと評価できるような加算体制の見直しが必要かなと思っております。
 ただ、前回改定のときに、ここの部分に関しては、この夜間支援加算の部分を使って少し実際的な支援を伴っていないといいますか、実際的な支援がされていなくてお金をもらっているのではないかみたいな話があって、こういう改定があったと思うのですか、その辺りに関しては、例えば計画相談みたいなことで夜間の支援の必要性みたいなことを担保するとか、少しそういうことをすることによって、今のように戻すことができないかということを考えております。
 次に、重度障害者支援加算に関してですが、現状は個人単位の居宅介護のヘルパーを同日に利用した場合には、こちらが対象にならないということがあります。ただ、利用者さんの状況自体が、ヘルパーが入ったからといって変わるわけではなくて、そういったグループホームでヘルパーを利用しない時間に関しても、いわゆる利用者さんの状態は変わっていないので職員は必要だと。そういったときに、この加算が使えることによって支援度の高い方が使えるようなことが考えられると思いますので、ぜひこの辺りは同日算定ができるように見直しをしていただければと思っております。
 このほかにも日中支援加算とか入院支援加算とかは、現在3日目から算定可能になっているのですが、これを初日から算定してほしいということもずっと議論されておりますが、これがなかなか実現しないこともあって、ここに関しても少し見直しをしていただけるとありがたいかなと思っております。
 次に、視点2のところになりますが、1つは、居宅介護の個人単位の利用に関して、現在は経過措置となっておりますが、こちらの恒久化をお願いしたいということと。あと、現在は区分4以上とか幾つかの条件がありますが、こちらもサービス等利用計画に基づいて、どのような方でも必要があれば使えるという仕組みの改善が必要かと思っております。
 もう一つは、サテライトを利用している方に関しても、現在は区分4以上云々の話だったりが絡んでくるのですが、将来的にはひとり暮らしを望むような方がサテライトを使おうとしたときに、こういう方々も居宅介護の利用をそのときからできるようになると、その後の生活のイメージがつきやすいと思いますので、居宅介護の利用を認めるということと、現在は、個別利用の中には家事援助が入っていませんが、サテライト利用者の場合には、家事援助も使えるようにということが望ましいかなと思っております。
 続いて、新規の参入事業者を育てるような仕組みに関してですが、現在はこの辺りはなかなかうまくいっていないことによって、今まで福祉サービスをやっていなかった方々がどうしていったらいいか分からないとか、いろいろな現状があったりします。今回、事例の中にも入れておりますが、例えば千葉県だと支援ワーカーさんみたいな仕組みだったり、愛知のほうでも開設の支援をするようなアドバイザーをつけていたりします。なので、このような仕組みだったり、管理者に対しての研修を義務づけていくだったり、幾つかやることによって質の担保なんかにつながるのではないかと思っております。
 続いて、視点3の部分になりますが、1つは先ほども少し出ておりましたが、先般の障害者の権利条約に対しての総括所見を受けて、今後、全体的な見直しをするための協議の場というのが別にあるといいのかなというところで、こちらは報酬改定と多少ずれる部分があるのですが、抜本的な見直しをしていかないと、幾ら報酬だけを考えていても、今後の障害者福祉自体がなかなか進んでいかないのではないかなと思っておりまして、この辺は必要かなと感じております。
 もう一つが、現在、介護職員の賃金改善を目的として、処遇改善加算がありますが、こちらに関しては事業者の任意によって使う仕組みになっておりますので、労働者がそれによって左右されてしまうというか、いわゆる使っていない事業所で働いていると、全くもって給与が上がらないことになっております。実は私たちが今、関わっているようなグループホームに関しては、施設入所支援だったり、生活介護の事業所から比べると、下手したら半分ぐらいしか、この処遇改善加算が使われていないような実態があって、この辺りに関しても大きな見直しが必要かなと思っております。
 最後の視点4に関しては、私たち、先般、規制改革推進会議のほうで議論されたときに、ちょっとヒアリングを受けましたので、その辺りを御参照いただければと思います。すみません、ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見、御質問をお願いします。
 会場から小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 丁寧な説明ありがとうございました。
 説明省略だったので、私のほうで聞きたかったのは、スライド3、看取りの話なのですけれども、これは具体的に結構あるものかどうかというのを知りたいのが1つです。
 もう一つは、これはスライド4でしょうか、現行、個人単位の居宅介護の話ですけれども、区分4以上ではなくて必要性が認められたらと書かれている。その必要性というのは、具体的にはどんな辺りが重要かというのをちょっと教えていただけたら。
 以上です。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 ありがとうございます。
 まず、看取り加算に関しては、近年、こういう支援をちゃんと丁寧に行うような事業者は、全国的には増えてきていると思います。そのときの大きな課題は、実は亡くなった時点で、もう報酬が算定できないと言う事があります。これはこの方がいないので当然なのですが、看取りの支援を行うとなると、多くの場合に亡くなった後のいろいろな整理も必要となります。例えば私たちのところはお墓に入れるまでというのですか、埋葬、行政手続も含めて丁寧にやっていたりすると、亡くなった後の支援も大事になります。現在は、ここの部分は全くどこからも評価されていません。
 もう一つ、今回、書かせていただいたのは、最期の場面になると人手が物すごく必要になって、今、区分の見直しみたいな仕組みがありますが、これがタイムリーに行われることができないので、現状の区分のまま、その支援も行っていかなければいけないとしたときに、この辺がしっかりと連動するような仕組みが必要かなということで、ここは入れさせていただいております。
 もう一つ、先ほどの個別の利用に関しての部分ですが、こちらは今、区分4ということでざっくりと切り分けられてしまっていますが、先ほどの夜間支援の話も一緒で、純粋に区分だけでは、実際に必要となる支援が反映されると言うわけではないので、ここは現状、サービス等利用計画というものに基づいて支援を行うという仕組みになっていますので、この中で、この方に対してはこういう支援が必要ですねという評価ができれば、そこはヘルパーをちゃんと使えるという仕組みにすると、そんなに問題なく使えるのではないかなと考えております。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明とたくさんの御提案をありがとうございます。
 私のいる千葉県でも、軽度の方を受け入れるグループホームはかなり増えていると思いますが、強度行動障害や医療的ケア者のグループホームは、ニーズに比べてまだまだ増えていないのが現状ではないかと思います。また、その実態も分かりにくく、実は、明日、私、自立支援協議会の評価のために日中サービス支援型のグループホームに見学に行くところですけれども、自立支援協議会での評価の際にも毎回、質の担保という課題が挙げられています。なかなか難しいとは思うのですが、もし今回、御提案されたような様々な見直しができれば、全国のグループホームの質が担保されて、強度行動障害や医療的ケア者の受入れが増えていくことにつながっていくのではないかと思われるでしょうか。その辺を教えていただければと思います。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 グループホーム学会でも、この問題については随分検討してきました。例えば今、サビ管についてはきちんとした研修があるけれども、管理者については研修が義務づけられていない。誰でも管理者になってしまう。しかし、管理者の責任とやるべきことは非常に多くて、そういうところでサビ管だけではなくて、管理者の最初の研修というのをちゃんと義務づけるべきではないか。また、事業を始めるのに当たってのハードルをもう少し高くしていかないと、誰でもそのまま参入できるということで大丈夫なのかという問題があります。それで始めた場合でも、それがきちんとできているかどうかということを、行政だけではなくて、ちゃんと見ていくという仕組みも必要ではないかと思っています。
 それから、評価する仕組みが必要です。介護保険だとかなりの自治体で表彰があったり、モデル的なものを示したりというのが行われているのですけれども、障害のほうではそれが非常に少なくて、最低の基準とともに望ましい基準というのも示していくということが必要ではないかと考えています。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
 では、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の皆様、どうもありがとうございました。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 ありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、全国肢体不自由児施設運営協議会より、小﨑慶介様、根岸一夫様、よろしくお願いいたします。
○全国肢体不自由児施設運営協議会 全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑と申します。よろしくお願いします。
 資料2ページに我々の団体の概要を示します。医療型障害児入所施設のうち、旧肢体不自由児施設の全国団体で、現在56施設が加盟しており、そのうち68%、38施設が民営で、コロナ禍及びその後の諸物価高騰等のあおりを受け、以前にも増して運営が厳しい状況となっております。
 初めに、3ページに概要を示しますように、意見を表明いたします。
 まず、前半、肢体不自由児と重症心身障害児、以下「重心」といたしますが、基本給付費の大きな格差が続いているということを是正していただきたいということです。一度には難しいということであれば、いわゆる重心周辺児への養育支援を強化して、彼らの地域社会への参画拡大を進めるために、従来の肢体不自由と重心の中間に当たる重心周辺といった中間的な基本給付費のカテゴリーを設定していただきたいということです。このことは、今後、重症心身障害に相当しない医療的ケア児の受入れを、旧肢体不自由児施設において安全性を担保しながら積極的に推進するためにも、現在の給付費体制の見直しが必要であると考えております。これは視点1、2、3に共通します。
 続いて、入所児がスムーズに在宅生活に戻る際には、外泊して環境変化に対する調整を、主に保育士・指導員が行っていますが、医療型障害児入所施設がこの点について全く評価されてきておりません。入所から在宅への移行支援としての外泊に対する給付費の加算というものを認めていただきたいと思います。
 さらに、被虐待や家庭養育困難な障害児を入所させる際に、今、加算をつけていただいておりますが、これはお子さん1人で全経過について1回しか認められておりませんが、現実には複数の施設が連携して受入れに至る場合がありまして、これについては、一定期間以上、受け入れた施設においても算定可能となるように、適用範囲を拡大していただきたいと思います。
 また、新興感染症や大規模災害等において、一時中止せざるを得ない施設機能が発生する場合がありますが、この場合には、中止している例えば児童発達支援といった機能を一時的に短期入所等で流用する、転用するということを認めていただいて、施設内の安全確保と地域の障害児・者への支援というものを両立していただけるようにしていただきたいと思います。
 また、業務負担軽減や効率化を進めるために必要なICT活用に対する支援を求めます。ということで5点になります。
 この後、詳しく述べていきたいと思います。
 まず、4ページから5ページにかけての基本給付費に関しての詳細意見です。
 まず、肢体不自由児と重心児の給付費の格差は、現状から見て合理的と言えるかということです。医療型障害児入所施設に入所している肢体不自由児は、資料8から9ページの参考資料1、2に示すように、基本的なADLに介助が必要なお子さん、それから最重度知的障害を合併しているお子さんの入所率が年々増加しております。
 続いて、10ページ、参考資料3を御覧ください。これは重心児の判定に用いられる大島の分類でありますが、肢体不自由といいますと、手足に障害があるのみで、それ以外に何も問題がないお子さんという、左上写真のような60年以上前の状態をイメージしがちですが、現代においては、そのようなお子さんの多くは家庭から地域の学校に通学し、デイケア発達児とともに生活することが可能になっています。施設を入所利用している、特に長期で被虐待など養護性の高いお子さん、しかも重心児には相当せず、肢体不自由と認定されたこどもというのが、中ほどの赤い四角で囲んだ領域に属し、右下の写真に示すような軽度から中等度の知的障害や発達障害を併せ持っているお子さんというのがほとんどになります。
 すなわち、参考資料4に示す重心周辺児とも呼べるこどもたちが、参考資料5のように約20%入所しています。
 しかも、その数字は、参考資料6に示すように減少傾向にありますが、これはいわゆるリハビリ的な介入が不足するために、重心周辺から重心への移行が進んでいるとも考えられます。
 多種類の比較的軽度の障害が併存しているお子さんに必要とされる支援の程度は、個々の障害を加算したものとして評価することは適切ではなく、むしろ掛け算で考えたほうが実態に合っているのではないかと考えております。しかし、参考資料7、7-2に示すように、肢体不自由児の基本給付費、重度加算、前回改定で適用条件は緩和されましたが、重度重複加算は長年低いまま据え置かれており、有期有目的入所給付金も重心より低く設定されており、多彩なプロフィールを有する障害児の持つ能力を最大に伸ばす入所療育の機能が十分に発揮できずにいるのが現状です。
 さらに、医療型障害児入所施設の入所児は、肢体不自由児であっても被虐待児の増加などにより、参考資料8に示すような専門的な多職種による心のケアを含めた対応が必要となっています。旧肢体不自由児・者については、様々な障害特性のある事例より、よい療育支援を提供する必要から、やむを得ず配置の施設基準から大幅な職員増を図り、参考資料9に示すように、直接処遇職員と入所児の比率は1対1を大きく超えている状況です。
 しかし、参考資料10に示すような業務分析からは、同時並行的で業務の遂行を強いられており、重大な事故の発生リスクにもなっています。
 その一方で、重心周辺の機能を有する児については、適切な療育支援が行われることにより、参考資料11のように運動機能が向上し、将来の介助料の増加を下げることが期待されます。医療型障害児入所施設になって、特に旧重心併設の民営肢体不自由児施設では、肢体不自由の収入が重心の約60%にとどまっており、参考資料12、13に示すように、有期有目的ベッド回転率は高いものの、急なキャンセル等で稼働率が総体的に低くなっており、重心の長期入所が優先されがちです。この傾向が継続すると、いずれ小児の入所ベッド数減少あるいは消滅を招来する可能性があります。
 過去3年間で新たに肢体不自由の受入れを中止した施設はありませんが、新型コロナウイルス蔓延の影響による入所児減、運営経費増加から今後の受入れを中止ないし縮小する施設が続出することが危惧されます。これは地域において養護性の高い重症心身障害には相当しない医療的ケア児を、安全に受け入れるセーフティネットが失われることにつながるでしょう。国は障害種別をなくすという理念を掲げているものの、実際には施設基準や給付費の格差は、さきに示したようにほとんど変わらず、厳然たる障害種別が存在するというのは、果たして合理的と言えるでしょうか。この点をよく御検討いただきたいと思います。
 医療型障害児入所施設を共通化した施設水準と、給付費の均一化。せめて重心周辺児と言えるような中間的カテゴリーを創設して、格差の縮小を望みたいと考えます。それが福祉職員を充実する根拠になると思います。特に昨今、医療福祉職以外の業種での賃上げの動きが目立っており、人材確保の点からも必要なことと考えます。
 時間の関係で資料全部について説明できませんでしたが、後半の療育サービス給付に関する詳細意見は、提出資料のとおりです。
 以上、ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見、御質問、お願いします。
 田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー どうもありがとうございます。田村です。非常に分かりやすい参考資料をたくさんつけて御解説いただきまして、ありがとうございます。
 私の質問は、6ページと7ページですが、まず、6ページからいきますと、医療型の障害児入所施設において、在宅への移行支援として外泊をするということに対して、それが評価されないということ。これは大学病院で実際に私が勤務しておりましたときに、こどもを在宅に移行させるためには、外泊をしてもらって、それでおうちの人にどのような設備、どのようなインフラを調えなければいけないのかということをしっかり理解していただいて、在宅に移行する。これをしないことには、人工呼吸器をつけているようなこどもたちを病院から退院させることはとてもできないということが、よく身にしみて分かりましたので、この医療型の障害児入所施設における外泊の在宅移行ということを目的とする場合には、しっかりと評価させるべきだということはよく分かりました。
 ただ、この場合に、その方が在宅に移行するということを御家庭が了解しておられるのかどうかということが、一応前提になった場合の加算になるのかと思いますので、そういうことを明記したほうがいいのではないかと思いました。
 それから、7ページで、新興感染症とか大規模災害時における施設内事業設備の柔軟な運用をということです。これは災害がいつ起きてもおかしくない昨今、非常に大事なことだと思うのですが、どういう形で肢体不自由型施設における連携、やり繰りが可能なのか、具体的な例を挙げて教えていただけるとありがたいと思いますが、いかがでしょうか。
○全国肢体不自由児施設運営協議会 御質問ありがとうございます。
 まず、第1点の外泊加算の件、確かに在宅移行が前提になることが必要という御指摘は、そのとおりかと思います。特に、居宅まで訪問することが難しいとしても、現在、通信手段等を用いてリモートで御自宅の状況を聞かせていただくとか、そういった新しい手段も入ってくるかと思いますので、そういったものを活用しているというような実績を前提にしてもいいのかなと思っております。
 次に、感染のとき、あるいは災害のときの問題ですが、例えば児童発達支援等で実際に通ってこられるお子さんの御家庭がまだ十分に機能できていない。しかし、お子さん自身はどこか短期入所等で預かってもらうことにより、御自宅の状況を回復させたいという場合に、一時的に短期入所需要が増える可能性があるわけで、そういったことを具体的には想定しています。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー 豊富なデータに基づいた御発表ありがとうございました。内情をしっかり示すデータを拝見していると、かなり説得力のあるお話だと思いながら伺っておりました。
 時間がないので、私、1点だけの質問です。被虐待とかマルトリートメントのお話がありました。また、入所のお話、逆に在宅への移行などのお話がありました。この一連の流れですが、例えば社会的養護などで言うと、ケアに入るとき、ケアを受けている間、退所支援のところ、虐待とかに関しての一連の流れになっています。そういったところについての御感触はいかがかなと思いました。更に考えたときに、地域に復帰した後も含めてですが、地域支援などの機能であったり、それから、心理職のお話がありましたが、その他の専門職の配置や加算についても、例えば社会的養護を見ながらでもいいのですけれども、感触としていかがかなというのをお伺いできればと思いました。
 以上でございます。
○全国肢体不自由児施設運営協議会 ありがとうございます。
 我々のほうでは、実際受け入れる前、あるいは受け入れる途中、それから退所後について、それぞれ主に児童相談所等が中心にはなりますけれども、いろいろな協力体制を敷いています。その中で私たちが今、ちょっと危惧しているのは、医療的ケア児というのは非常に注目されているわけですが、今のところ、在宅でのお子さんをどう見るかというところが割と中心になっているのですが、在宅で御家庭でも相当な負担を受けながら世話をされている方もいるし、地域でそこを支え切れないということも今後出てくる場合に、重症心身障害じゃないお子さんはどこに行き場があるのかということは、内心非常に心配しているところです。
 そういったところの受け皿というのは、医療的機能を持っている我々が引き受けざるを得ないのではないかなという覚悟は内心しておりますが、現状の状況で重心かそうでないかであまりに差があるということを考えますと、分かりましたという形で気軽にはお引き受けできないかなということを考えております。よろしいでしょうか。回答が若干ずれたかもしれませんが。
○伊藤障害福祉課長 最後に、石川アドバイザーからお願いいたします。
○石川アドバイザー 非常に貴重な大変な実情が伝わる発表ありがとうございました。
 私のほうからは、7ページの一番下のところにありますICTの活用についての支援ですが、職員の方の負担を軽減するためにICTは積極的に導入すべきだと思っておりますが、事例のほうで職場内での共有という例もありましたけれども、職員の負担を軽減するような支援について、具体的な御意見とかがあれば伺わせていただきたいと思いまして、質問させていただきました。
 以上です。
○全国肢体不自由児施設運営協議会 ありがとうございます。
 30ページのほうで紹介させていただいた事例3といいますのは、職場内のイントラネットの中で、かなり複雑というか、利用者ごとに複雑な状況にあるお子さんに対して、どうしても交替制の職場でございますので、職員間によって支援の質とかやり方に差が出ないようにということで、できるだけ分かりやすいマニュアルをつくったということなのですが、これは恐らく職員の中でそういう一定の技術というか、知識を持っている者がやることができたということもあります。
 あと、私どもの施設群といいますのは、病院と福祉施設が合体したような形になっておりまして、いわゆる医療施設の中でのICTの活用というのは、どちらかというと電子カルテという形でかなり形ができていますが、そこにどうやって福祉職の人たちの情報をはめ込んでいくかという辺りのミックスした部分の体制というのは、つくり込むのがなかなか難しいと考えておりますので、そういった意味では、そういったものを担当してくれるようなベンダーさんというか、なかなか少ないので、そういう技術開発等にもコストがかかることを考えますと、そういったところにも支援をいただきたいなと考えているところです。
○石川アドバイザー ありがとうございました。
 そうすると、報酬上でというよりは、職場内での、どこの施設でも共通でというものは開発されやすいのですけれども、特殊な連携が必要なところのシステム開発ですとか、そういったところを全体的に見ていただきたいという捉え方でよろしいでしょうか。
○全国肢体不自由児施設運営協議会 そうですね。ただ、そういうシステムをつくっていくための原資といいますか、そういったものは当然必要だと思いますし、政府の中でも医療・福祉の中をICT化して、そのデータが即時的に得られるようにしたいという考え方が恐らくあると思うので、そういうことを各事業所の中で独自にやってくださいというのは、なかなか無理があるのではないかと個人的には思っています。
○石川アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 全国肢体不自由児施設運営協議会の皆様、ありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、一般社団法人全国児童発達支援協議会より、北川聡子様、酒井康年様、よろしくお願いいたします。
○全国児童発達支援協議会 皆さん、こんにちは。全国児童発達支援協議会事務局長をしております酒井康年です。このたびは、このような発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。会長の加藤が本来、この席に座る予定だったのですけれども、体調不良のため、今日は欠席となります。申し訳ございません。
 私たちCDSは、全国の児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援などを行っている事業所が加盟している施設になっております。私たちの業界につきましては、昨年、一昨年と、いわゆる在り方検討会、関する検討会と、2年続けて非常に集中的に議論いただきました。大変うれしく思っています。今回は、ここでいただいた議論を少しでも実現していくために、私たちも知恵を絞って提案させていただきたいと思っております。具体的なところを副会長の北川のほうから説明させていただきます。
○全国児童発達支援協議会 皆さん、こんにちは。全国児童発達支援協議会副会長の北川です。どうぞよろしくお願いします。今日は、このように意見を聞いてくださる時間を取っていただいて、ありがとうございます。障害福祉サービスの報酬改定に関するCDSの意見をお伝えしたいと思います。
 まずは、インクルージョンの推進をもっとしていかなければならないと私たちは思っています。これまでは、障害児施策とこども一般施策、社会的養護など別々でしたが、こども家庭庁として1つになったことは大変うれしいことです。そこで、障害児支援の役割として、今回、児童福祉法改正で児童発達支援センターが中核の役割を果たすということになりましたけれども、もっと地域の保育園や幼稚園、それから、ひろばなどにいる障害のある子と家族への支援をしていかなければならないと思います。
 そのため、今ある保育所等訪問支援をもっと高機能化して、児童発達支援センター等の地域支援の拠点となるような、仮称ですけれども、地域こども発達サポートセンターのようなものが必要だと考えます。例えば児童養護施設には、地域を支える児童家庭支援センターがありますので、そのようなイメージです。そのこどもの発達のサポートセンターには、障害児支援の専門職として、保育士、児童指導員、OT、PT、ST、心理、ソーシャルワーカーなどがチームで支えることができる人員配置と仕組みが必要だと考えます。
 それから、現行の保育所等訪問支援事業ですけれども、事業所の職員がその時間に保育園とかを訪問した場合、事業所に所定の人数がいなくなるということで、その分、新たに配置する必要が今、あります。そのため、サービスの提供を確保することが困難な事業所もあります。そのため、保育所等に訪問した場合、配置されている職員がその時間に利用しているこどもの配置基準5対1を満たしている場合は、所定の人数を配置する必要がないものとして外に支援に行けるようにしていただきたいと思います。また、訪問支援員特別加算要件は、ここは専門職ですので、経験年数に応じて単価差を設けることは大切だと思います。
 それから、今の保育所等訪問支援事業ですけれども、1時間とかでも、午前中、保育を観察して、夕方、保育園にまた行って保育士さんたちと話しても、同じような単価になって、支援時間、回数、内容、事業所によって、それが変わっているという実態がありますので、標準化して直接支援と間接支援の内容を整理して、保育所等訪問支援事業の在り方を見直して、もっとガイドラインのようなものが必要だと思います。
 それから、こども家庭センターができて、要支援家庭のためのサポートプランをつくりますので、セルフプランが多いということで、ぜひこども家庭センターで私たちのこどもたちや家族のためのサポートプランを作成していただきたいと思います。そのときに障害児相談支援事業所とも連携して、その場合は加算を創設していただきたいなと思います。
 それから、居宅訪問型児童発達支援ですけれども、どちらかというと自治体によっては医療的ケアに偏っているというか、そういう実態がありますので、障害の性質ではなくて、入院中のこどもを含めて、家庭等から出ることができるか否かで対象にしてほしいなと思います。
 それから、児童発達支援センターの一元化ですけれども、来年4月から一元化になります。いろいろなこどもさんがセンターのほうにいらっしゃいますので、高度な専門性が求められるため、専門職、保育士、PT、OT、ST、心理、ソーシャルワーカーの配置が必要ですし、配置基準が今、4対1ですけれども、3対1が必要だと思います。
 また、NICU退院後とか2歳未満のお子さんと保護者の支援は非常に大切ですので、手厚い評価をお願いしたいと思います。
 3番目です。障害児通所支援事業所全体についてですが、支援時間が1時間でも8時間でも同じ単位であるため不平等感がありますので、支援時間で評価するべきだと思います。
 また、給付費は今、集団指導を前提として行われています。集団には加配の職員がいたほうが手厚くなって、すごくいいのですけれども、個別支援であっても、検討会で話し合われたように総合支援型が基本でありますけれども、1対1の個別とか小集団の事業所の人員配置を見直す必要があると思います。つまり、1対1で活動していると、加配の職員とかが事務仕事ができていたり、あと、集団をやっているところは本当にリスクを抱えながらお散歩したり、プールに入れたりする。随分違いがありますので、この辺をちゃんと要件を設けることが必要なのだと思います。
 それから、不登校のこどもたちが増えています。朝から放課後デイで受け入れているので、これは長時間、支援しているので、加算の創設、3回目ですけれども、ぜひお願いしたいと思います。
 それから、セルフプランが多いので、これは見直しが必要だと思います。
 その他に入ります。人材不足はどこも一緒ですので、人件費の基準など、子ども・子育て施策と一本化することが必要だと考えています。
 次です。児童発達支援管理責任者が不足しています。それで、産休を取ろうとしたら減算になるのです。これは何とかしてほしい。ちょうど赤ちゃんを産む出産時期の方が児童発達支援管理責任者になる時期と重なりますので、出産、妊娠、おめでとうと言いたいですが、言っていますが、減算になることがないような、例えば管理者がちゃんと研修を受けて併任でもいいとか、柔軟にするなどの見直しが必要だと思います。いずれにしても、児発管が足りなくて大変な状況になっています。
 あと、障害児支援の専門性を本当に担保していかなければいけませんので、昨年CDSで研究を行いました。そのカリキュラム案を制度化して、受講を修了したらインセンティブを設けるなどが必要だと思います。
 あと、たくさんのこどもが来ている事業所に対しての事務量が膨大なので、そこに関しても考えていただきたいなということと、オンラインの支援が非常によかったので、特に家族支援ですね。面接などできましたので、引き続きお願いします。
 それから、働いているお母さんたちに対しても、日中一時支援で今、対応していますけれども、ぜひ障害児通所支援で対応が必要だと思います。
 私からは以上です。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見、御質問をお願いします。
 高アドバイザー、お願いします。
○高アドバイザー 種々、現状に見合った御提案ありがとうございました。うなずきながら聞かせていただきました。特に、保育所等訪問支援に関する配置基準の御提案については、非常に参考になる御意見のように感じました。
 そこで、保育所等訪問支援事業のところですけれども、今回、保育所等訪問支援の運営に係る事業者さんも少ない中での御提案だと思うのですけれども、人員配置における課題の御提案かと思うのですが、それ以外に当事業について課題を感じているところがありましたら、お聞かせください。
 もう一点ですが、直接支援と間接支援の内容が整理されることにより、取組を促進しやすくなるとあるのですが、講習等支援の充実が量的にも質的にも図れれば、必要以上の放課後等デイサービスや児童発達支援の利用の抑制もできるという一面をそのように御理解させていただいていいか、この2点について、お聞かせください。
○全国児童発達支援協議会 この点について、私のほうから回答させていただきます。御質問ありがとうございました。
 保育所等訪問支援については、確かに今、行っている事業所数は少ないのですけれども、かなり増えてきている実態があります。ただ、増えてきた分、質が非常にばらばらで、残念ながら地域のほうで御迷惑をおかけしている実態があると伺っております。事業所主導のやり方を先方のほうに押しつけるような形になってしまって、むしろ保育園・幼稚園、それから学校のほうでは、来てもらっては困るという意見が出ているのが実際のところです。なので、この辺の質をいかに担保していくかということが非常に重要な点になってくるのではないかと思っています。もちろん、量的に確保しなければいけないのですけれども、この質を同時に担保しなければ量も広がっていかないかなと考えております。
 2点目、確かに質が高まっていくと、今、保育園・幼稚園のほうでもかなり支援を必要とするこどもたちを受け入れる力量がと言うと大変失礼な言い方になりますけれども、保育の質が非常に上がっていますので、そこと一緒にコラボレーションすることによって、確かに通所ではなく、保育園・幼稚園の中で支えていける事例もたくさん出てきているのではないかと思っております。
○全国児童発達支援協議会 加えてですが、保育所等訪問支援事業だけではなく、インクルージョンを推進していくためには、地域こども発達サポートセンターのような、しっかりと地域を支える仕組みが必要だと思います。スウェーデンなども、保育園・幼稚園に特別支援の先生が市から出向くということをやっておりますので、児童発達支援センターから出向いて、しっかりと幼稚園・保育園、子育てひろばなどを支えていくことができればと思います。
 以上です。
○高アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 橋本です。丁寧な御説明をありがとうございました。
 8ページの丸3居宅訪問型児童発達支援の要件の見直しについて、自治体によって居宅訪問型児童発達支援の適用判断にはばらつきがあるとありますが、私も発達障害の娘を育ててきましたので、早期から療育を行っていくことは、その後の成長を左右するほどの大変重要なことであると実感しています。真に必要な児童に対しては、早期に支給決定をしてほしいと思いますが、もし分かればでよいのですが、自治体の支給決定にどのぐらいの割合でばらつきがあるのか、何かデータなどがあるのでしょうか、教えていただければと思います。
○全国児童発達支援協議会 ありがとうございます。
 データなどは、私どもは今の時点では分からないのですけれども、いろいろな方に聞きますと、医療的ケアのこどもはいいのだけれども、不登校の子は駄目だったとか、引きこもりの高校生も難しかったという、このことが多分周知されていないことだと思うのですけれども、これは問題だなということと。
 あと、入院中のお子さん、白血病なんかになる子もいますので、そこに支援に行けないというのは、とても残念なことだと思っております。
 私どもの事業所では、発達障害で感覚過敏がすごいお子さんで、光の刺激が強いお子さんで外に出られないという発達障害のお子さんの家に、この居宅訪問型児童発達支援を使って支援に行っております。
 以上です。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
 現状に即した意欲的な御発表ありがとうございました。
 私からは、3点質問させていただきたいのですが、地域こども発達サポートセンターについて新しい御提案をいただきました。これは地域づくりというところでは大変大事なところだなと思ったのですが、どこに設置していく、誰が担い手になるのかというところでは、もう少しイメージがあれば情報をいただければと思います。公的だけでも難しいかもしれませんし、民間だけというのも難しいかもしれません。その辺のイメージを少し教えていただければと思います。これが1点目です。
 2点目が、サポートプランのところにしっかり盛り込んでいくとなると、サービス等利用計画だったり、そういったところとの関連だったり、つながりだったりというのが大事になってくるのかなと思うのですが、そこについてもイメージがあればお願いします。
 最後ですけれども、オンラインについて、コロナ禍だからこそできたところがあると思います。先ほど就労のお話もありましたけれども、どうしてもサービスを利用するときに親が連れていくとか、そこに媒介が何か利用するためのものが必要になってきている。そういう点では、例えばオンライン活用をすることによって、例えば他にごきょうだいがいても利用できる可能性が広がったりということでは、可能性は大きいなと思います。一方で、逆にオンラインの乱発みたいなところも心配になります。そういった意味で、一定のオンラインの支援を活用していくための何かイメージ等があれば、そこもぜひお話しいただければと思います。
 以上でございます。
○全国児童発達支援協議会 ありがとうございます。
 地域こども発達サポートセンターですけれども、新たな名前を書かせていただきましたけれども、これは児童福祉法改正の児童発達支援センターの中核の役割の、地域の保育園・幼稚園を支える機能を充実させるのと、地域の事業所を支えるというところをしっかりと具現化した形にするというイメージです。ですから、絵空事というよりは、本当に児童福祉法改正がしっかりと位置づいていくようなイメージで考えております。
 サポートプランですけれども、こども家庭センターのほうは要支援の家庭のためのプランですが、障害のあるこどもを育てているというのは要支援でもありますので、ぜひここに加えてほしいなと思いますけれども、実際、母子保健のほうの部局と障害の部局と連携していただいて、セルフプランをここでなくして、こども家庭センターもすごく大変だと聞いておりますので、相談員が民間も活用しながら一緒にやっていくことで可能になるのではないかと考えています。
○全国児童発達支援協議会 私のほうからオンライン支援について、お答えさせていただきます。オンライン支援については、メリット、デメリット、それぞれがあるかと思います。まだ研究途上であるかと思うのですけれども、これまでの実感として、例えば保護者が下のお子さんを妊娠して里帰り出産をするとか、親御さんのほうが入院しなければいけない、それから、こども自身が入院しなければいけないということになってくると、私たち支援の手が届かなくなってしまうのですね。その際にオンライン支援が適用できると、その間をつなぐことができる。
 保護者のほうも非常に不安を抱えて生活しているところに、私たち、直接サポートができるということが実感としてありましたので、なるべくデメリットを排除してオンラインが認めていただけると、特に家族支援という観点では非常に大きな効果があったなと思っております。
○伊藤障害福祉課長 時間が超過しておりますので、石川アドバイザー、岩崎アドバイザー、続けてお伺いしたいと思います。まず、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 石川です。貴重な提案ありがとうございます。
 私のほうからは、4ページにあります児童発達支援事業・放課後等デイサービス・児童発達センターの報酬基準の見直しの丸1、例えば支援時間が1時間でも8時間でも同じ単位である。支援時間で評価すべきとか、いろいろ御意見ありまして、私も同じように感じるところではあるのですが、療育の部分と預かりの機能と両方を重ねて備えているところと、小さいお子さんから高校生まで、年齢の幅も大きいなかで、一律の基準をつくるのが非常に難しいく、非常に悩ましいと感じています。
 あと、3時間とか短い時間であっても、比較的密度の濃い支援をしているような事業所もある中で、どのような評価をしていくことがいいのか、その辺についての考え方などありましたら、教えていただけたらと思います。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続いて、岩崎アドバイザー、お願いします。
○岩崎アドバイザー 御説明ありがとうございます。
 私がお尋ねしたいのは、13ページの下の丸4に書いてあるのですけれども、1日定員が10人でも50人を超える契約者がいるようなことがあると書かれていて、私はこどもさんのサービスに疎いものですから、これは非常に大変なことだなと思うのです。ただ、これがニーズに応じて、いろいろなサービスを受けることができるようになっているというプラスの評価で拝見したほうがいい事態なのか、それとも本当は安定して1か所、2か所のところに通いたいところを、それがかなわなくていろいろなところに通わざるを得ない状況も含めて、こういう状況になっているのか、ちょっとお教えいただければと思います。
 以上です。
○全国児童発達支援協議会 ありがとうございます。
 支援時間に関しては、私どもも大変議論して、4時間とかやっているところは集団も個別もやっていたり、本当にリスクがある、こどもたちが飛び出したりも含めてでも大切だということでお散歩とか。あと、給食も窒息とかアレルギーとか、非常に大変な中、取り組んでいます。今、夏だとプール遊びで必ず監視の人を立てたり、いろいろなことを含めて、4時間以上の療育をしているところは多いので、そこと30分、40分ぐらいの個別だけの対応とは、それが悪いというわけではなくて、それも必要なお子さんもいますので、それの中身が違うのではないかというところで、今回、思い切って提案しました。
 いずれにしても、こどもの福祉の療育ですから、総合支援型でトータルにこどもを支えていくということが基本だと思っております。
○全国児童発達支援協議会 利用定員の問題について、お話しいたします。僕たち、利用定員については日々定員という考え方をしております。というのは、毎日、私たちの通所事業所に来ているこどもたちも一定数いるのですけれども、ふだんは幼稚園・保育園、それから小学校などと並行利用しているこどもたちがかなり多いわけですね。そうすると、保育園・幼稚園に行きながら、毎日、通所事業所に通うというよりは、保育園・幼稚園に通いながら、週に1回、週に2回、事業所に通うという形を取っています。そうすると、月曜日と火曜日に来るこども、水曜日と木曜日に来るこども、金曜日だけ来るこどもということで、1人の枠をめぐって、今お話ししただけで3人が入ってくることになるのです。
 こういった形で取っていくと、日々定員が10人であっても、毎日違うこどもたちが来る可能性がありまして、合計して1週間で50人ぐらいのこどもたちが登録しているということがあります。これは先ほどのお話によると、こどものニーズに応じた支援計画を立てているがゆえに、逆に登録者数が非常に多くなっているとお考えいただけるといいかなと思っております。
○伊藤障害福祉課長 では、最後に小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 簡潔に2点だけです。
 1つは、スライド3ですか、居宅訪問型児童発達支援の見直しということで、これに関しましては、内容的に見ると、家庭から出るか否かということになってくると、アウトリーチみたいな活動も含めての検討が必要になるのかなと思って聞いていたのが1つです。
 2つ目は、スライド4ですが、障害児相談支援です。セルフプランの問題を指摘していますけれども、具体にどのようにするとセルフプランをかなり改善できるか。これはどこもすごく悩んでいる問題だと思いましたので、もし何か御提案があればありがたいなと思ったところです。
 以上です。
○全国児童発達支援協議会 ありがとうございます。
 まさに居宅訪問型は、先生がおっしゃるようなアウトリーチだと思います。
 セルフプランは、都会が大変なのですね。それ以外のところは、小さな市町村では大分丁寧に計画相談を立てられているということが進んでいると聞いておりますけれども、その解決策として、先ほど提案したこども家庭センターにおけるサポートプランと一緒に、とにかく最初のところのスタートは、ちゃんと行政も分かっている。こども家庭センターで、この親子をどんなふうに支えていくかということも知っていて、かつ計画相談も連携していくという形がいいのではないかと考えております。
○伊藤障害福祉課長 全国児童発達支援協議会の皆様、どうもありがとうございました。
○全国児童発達支援協議会 ありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、ここからはオンラインでのヒアリングになりますが、社会福祉法人全国盲ろう者協会より、橋間信市様、門川紳一郎様、よろしくお願いいたします。
○全国盲ろう者協会 私どもは、社会福祉法人全国盲ろう者協会です。私は、理事の門川です。私自身、盲ろう者で、通訳介助者が指点字通訳と声のサポートもしてくれています。今日は、このような意見聴取の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。盲ろう者は、目と耳の両方に障害を併せ持つ視覚障害や聴覚障害とは違いまして、独自の障害者なのです。見え方や聞こえ方によって障害の程度もいろいろな人がいらっしゃいます。そのような盲ろうの人たちを支援する全国にただ1つの社会福祉法人が、私たち全国盲ろう者協会です。
 令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定に関する要望ということで、ぜひ御検討いただきたいことをお話しさせていただきます。主に大きく2点。まず、1つ目は、盲ろう者向けの同行援護事業の充実について。それで6つほど意見を述べたいと思います。それから、もう一つは、就労継続支援B型事業所、生活介護事業所、共同グループホーム、これらの事業所について、盲ろう者が利用しやすいように2点ほど要望させていただきます。
 では、資料に沿って説明させていただきます。
 1番目の同行援護について、1つ目として、サービス提供責任者となる資格要件があると思うのですが、要件の緩和見直しについてです。盲ろう者支援の一定期間経験のある者をサービス提供責任者として配置すべきだと思うのですが、そのような専門的な経験のある人材、つまり、通訳・介助員等で、さらに介護福祉士などの資格を持っている人は非常に少ない。そこで、要件を見直していただいて、通訳・介助コーディネーターであったり、通訳・介助活動をしていらっしゃる人であったり、同行援護従業者などの有資格者がサービス責任者になれるように検討いただきたい。
 2点目について、同行援護事業所の中では、利用者と契約するためにコミュニケーションを取ったりする時間が必要で、そのために事務的な業務全般について特別に加算を設けて従業者に高い専門性が求められるので、業務内容も困難性が高いということもあって、本来の同行援護の業務に加えて、利用者に対する計画支援の作成とか、そういったことにも時間がかかりますので、特別加算を設けていただきたいということです。これは新たに加算制度を設けていただきたい。
 あと、同行援護の国庫負担基準についても、これは視覚障害者のための制度になっているので、盲ろう者が利用できるように、実質的な給付料の見直しとか、市町村においては、各種の加算対象になった報酬単価の高い盲ろう者の派遣時間を短くしているような自治体もあったりします。そのため、必要な派遣時間を確保できるように国庫負担の基準の見直しをお願いしたいです。
 同行援護従業者の確保に関する環境整備ですが、例えば過疎地であるとか遠いところにいらっしゃる人たちは、なかなか同行援護の研修を受けられないので、例えばオンラインなど遠隔で研修が受けられるように環境の配慮をお願いしたい。
 さらに、事務手続の一元化ということで、地域によってばらつきがありますから、これを統一するように何らかの指針をつくっていただきたい。
 次に、通所とか特別支援学校に通学するときに、雇用施策との連携による重度障害者等就労支援事業を使えるようにしていただきたいです。
 最後に、就労継続支援B型、生活介護事業所、グループホーム等でも、盲ろう者の支援が必要です。そこでも支援ができるように、同行援護や通訳介助派遣等も利用できるようにしていただきたい。できるだけソフト面での支援に重点的に取り組んでいただきたいということで、時間をオーバーしましたけれども、今日はいろいろな視点から意見を述べさせていただきました。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見、御質問をお願いします。いかがでしょうか。
 それでは、会場の小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 非常に大変な課題があるということを改めて認識しました。
 1つ、私、知りたかったのは、スライドの3ページになるでしょうか、同行援護従業者の確保に関する環境整備ということで、非常に確保が大変だろうと思うのですけれども、実際問題、研修とか、それから特に盲ろうの方を前提としたような研修の在り方とか、そんなことを含めて、具体的にはどういうふうにやっていくと、より確保がスムーズにいくのかどうか、そういったことがあったら教えてほしいと思いました。
 以上です。
○全国盲ろう者協会 橋間と申します。
 従業者の確保ということで、基本的に今まで地域生活支援事業の中で行われている派遣事業の盲ろう者向け通訳・介助員を、今、一部、同行援護従業者とみなすという形で運用されているのですが、本当の意味での同行援護従業者になるためには研修を受けなければいけない。その研修を受けるための見直しなんかも検討が進められてきているところで、ほぼ確定しているということもありますけれども、特に田舎というか、地方。例えば県庁所在地とかでは同行援護従業者研修が行われるけれども、少し離れたところでは行われない。よって、そこに住んでいる盲ろう者への同行援護事業を本当は提供したいのだけれども、というところで厳しいものがある。
 実際にオンラインで実施されている研修もあるとは聞いているのですが、実技面をどうするかという問題もある。とはいえ、極力オンラインなどを活用して、もう少し従業者の確保がしやすいような環境整備というか、一定の方向性ということを示していただけるとありがたいかなというところで書かせていただいたものです。
 以上です。
○小澤アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、全国盲ろう者協会の皆様、どうもありがとうございました。
○全国盲ろう者協会 ありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 引き続き、オンラインで社会福祉法人日本身体障害者団体連合会より、阿部一彦様、よろしくお願いいたします。
○日本身体障害者団体連合会 日身連の阿部と申します。私たちの団体は、都道府県・政令市の身体障害者当事者団体など63数団体の連合体です。各地の団体は社会参加に関する活動を行っているとともに、様々な障害福祉サービスを行っている団体もありますので、そのような団体から寄せられた意見をお話しさせていただきたいと思います。
 では、視点1ですけれども、より質の高いサービスとして入浴は欠かせないものだと思うのですけれども、入浴サービスを実施していない生活介護事業所が多数あることは、利用者の衛生管理の面からも改善が急務ですし、かつ、入浴サービス実施の促進を図ることが必要と考えております。そこで、入浴加算に加え、機械浴槽を導入し、重度の身体障害がある人にも対応している場合には、重度対応加算などというふうに2段階評価になるなどの検討をお願いしたいと思います。
 それから、グループホームについてですけれども、新しいグループホームが数多くできている中、身体障害者が入居できる環境整備の立ち遅れがあります。また、介助を必要とする方、区分5・6の方が入居できるグループホームが少ないなどがあります。身体障害重度の方も入居できるグループホームを増やすためにも、対応するバリアフリー化に対する補助の見直しなどを行っていただきたいと思います。
 それから、自立訓練事業などのように、サービスの種類によっては提供事業所数がとても少ないことにより、必要なサービス提供ができない実情があります。そこで、事業者の運営・経営が安定できるシステムの構築がとても必要です。
 次は、視点2に関するお話になりますけれども、まずは人材確保についてです。特に居宅介護に関わる人材不足が深刻化しています。さらに、通所・入所も職員が確保できないために定員減の受入れにせざるを得ない状況にあります。このため、抜本的な報酬費の見直しが必要と考えます。
 さて、人材確保と同様に、過度の勤務によるバーンアウトなどで離職することが多いのも大きな問題だと思います。そのようなことから、事業所としては、事業種別によっては、直接雇用から登録制や派遣等、柔軟に雇用できるシステムの構築も必要と考えるという意見もありました。また、優秀な人材確保の観点から大事なこととして、給与水準の引上げ、一般企業並みの引上げが必要という御意見もありました。また、業務経験を積んだ人材の流出を防ぐための対策として、育成の過程において、段階的な資格制度を設け、資格試験による能力評価に応じた段階的な報酬の検討もあり得るのではないかという意見もありました。
 次は、同行援護ですけれども、視覚障害の方の同行援護に関してです。このような同行援護には、時間の融通が利く家庭の主婦の方などが従事している場合があります。ただし、その場合、所得税などの扶養の限度額の範囲で働いている方が多い傾向があり、11月になると介助員を確保することがとても困難になるという報告があります。これは利用者へのサービスができないということになります。このため、同行援護のようなサービスについては、所得制限に縛られないように要件を緩和するなどの措置を講じていただきたいと思います。
 それから、送迎に関してです。就労継続支援B型事業所などでは、家族などの送迎を利用している方が多くいますけれども、家族の高齢化により通所が困難になる方が増えている傾向にあります。このようなこともありますので、送迎が困難な方でも利用が継続できるように、移動サービスが利用できるような検討を行っていただきたいと思います。
 それから、資料には間に合わなかったのですけれども、相談支援の充実ということで、相談支援専門員の配置人数が少ないため、利用者と各サービス提供事業所の速やかな連携が乏しく、十分な支援が行き届いていないケースが多くあります。そこで、相談支援事業所の単独運営を可能にし、専門員の増員が可能になるよう、専門員の報酬単価増額、並びに処遇改善加算の対象となるようにすることについても検討していただきたいという意見がありました。
 次に、視点3ですけれども、現在、中途障害の方が増加傾向にあります。中高年を対象とした健康診断の義務化や、介護予防のように健康指導の充実などの社会システムが整うことが必要だという意見があります。また、医療ケアのこどもの数の増加傾向がありますけれども、十分なサービスが整っていないという指摘があります。在宅医療(訪問医、訪問看護)や医療ケアに係る支援(通園施設、学校)の充実が求められるという御意見がありました。
 次は、提出に間に合わなかったので、口頭での説明になりますけれども、就労継続支援B型事業所などでは、就労支援と生活支援を一体的に行うことによって、就労意欲の維持に努めている事業所が多くあります。ただし、利用されている方がアビリンピックや全国障害者スポーツ大会などに出場すると、事業所は減収となります。利用者の生きがいづくりのためには、継続支援事業所を評価し、報酬単価に入るよう、減収が著しくならないような配慮をお願いしたいという御意見がありました。
 それから、視点4に関しましては、相談支援体制の充実が求められている中で、障害者の委託相談事業所が様々な相談や支援を求められることから業務多忙となって、一人一人を大切にしたサービス提供が難しい状況になっています。そこで、地域の相談支援体制の充実、計画相談を行う事業所に関して、安定的な運営を可能とする環境づくりが必要であります。そのためには、書類作成や支給決定手続の簡素化に向け、ICTの活用は必要欠くべからざるものです。
 それから、別の事業所からは、各種手続などに係る事務量が多く、各事業所の業務負担が大きいので、早急にICTの活用を進めたいが、すぐには費用を捻出できない状況もある。ICT活用などの推進に関するさらなる支援をお願いしたいという意見がありました。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見、御質問をお願いします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 説明ありがとうございました。
 私のほうで知りたかったことは、スライドの3ページ、視点1ですけれども、生活介護(入浴)に関することということで、入浴サービスを実施していない事業所が多数あるということなのですが、これはハード的な問題なのか、その他管理的な問題もあるかと思いますし、それから、場合によっては介護保険事業所のほうの利用とか、いろいろな要素が入り込んでいるのかなというのがちょっと知りたかったことなのですけれども、これに関して何か知っていらっしゃったら教えていただきたいのですけれどもね。
○日本身体障害者団体連合会 ありがとうございます。
 実際、生活介護事業において、県別で言うと入浴サービスを提供している地域もありますけれども、それが生活介護には入浴のサービスは全然行われていない地域もあります。厚労省のいろいろなパンフレットでは、生活介護は入浴も含めて記しているところなのですけれども、これは必ずしも義務化されていないということが大きい問題だと思います。それで、例えば私の住んでいる地域では、自立訓練事業所に入浴施設がある場合には、それの活用をしていただくようなことをしていますけれども、サービスの利用ということではないので、現在は1回利用すると幾らというお金がかかって、その負担が大きいので利用しづらいという声もあるという現状があります。地域によって温度差が大きいことと、制度以外で、せっかくある施設のサービスを使うと、行政の指導によって、かなり負担が大きいことなどもあるということでお答えにさせていただきたいと思います。
 以上です。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。非常に複雑な背景があるなと思って、ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 ほかはいかがでしょうか。
 では、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
 様々な現場の工夫等も含めての御説明でありがとうございました。
 11ページにあります、医療的ケアの必要なお子さん方のお話も出てまいりました。事例9で医療的ケア児・者のショートステイ先が少ないので、希望する場合には早めに予約するなどして確保しているというのをお書きいただいております。この確保というのは大変大事なところで、ケアをしている人、あるいは親御さん等が病気になったときとか様々あると思います。一方で、この制度自体はさらにどうしていけばいいのかというところが、現実に即して検討していく必要があるなと思うところです。もし何かこういうふうに改善されていくと、現状からさらに発展して、よりよくなる近道などがあれば、教えていただければと思います。
 以上でございます。
○日本身体障害者団体連合会 地域によっては、医療的ケアの必要な方に対するサービスがまだ十分には整っていないところがあります。ただし、これから整っていくのだと思いますけれども、そのようなことを背景に、相談支援事業所から、とにかく早めにサービス提供するところを見つけること。そのためには、様々な事業所と情報を共有していく必要があるのだというようなお話を伺っての今回の記述になったと思います。これから医療的ケアに対応する事業所は増えていくと思いますけれども、地域によってはまだまだ不十分だという現状で、とにかく早く共有して利用できるようにしましょうという相談支援事業所の努力について記述したところでした。
 以上です。
○有村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 よろしいでしょうか。
 では、日本身体障害者団体連合会様、どうもありがとうございました。
○日本身体障害者団体連合会 ありがとうございました。
(説明者交代)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、本日最後のヒアリングになりますが、公益社団法人日本医師会より、江澤和彦様、よろしくお願いいたします。
○日本医師会 ありがとうございます。日本医師会の常任理事の江澤と申します。本日は、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速ですけれども、資料に沿って述べさせていただきます。
 表紙をめくりまして、2ページは、日本医師会の概要でございますので、御参照いただければと思います。
 続きまして、3ページ、本日の意見についてでございますけれども、主にこの5つの柱について述べさせていただきたいと思います。背景といたしましては、医療と介護は連携がかなり密になってきたところでございますが、医療と福祉については、まだまだ連携が希薄な部分も多々あり、ぜひ医療との連携によって、しっかりと障害児・者を支えるということを念頭に置いて提案させていただいております。
 続きまして、4ページでございます。
 まず、1つ目の地域で暮らす障害児・者に対する医師による居宅療養管理指導ということで、こちらを要望しております。既に介護保険には、専門職による居宅療養管理指導というのが位置づけられておりますが、それに近いイメージでございます。特に、相談支援専門員の質のばらつきが大きいと指摘されたりしますけれども、相談支援専門員の質の向上、ひいてはサービス等利用計画の質の向上につなげていくことが必要だと思っています。その上で、かかりつけ医、特に医療情報というのは非常に重要な情報でございますので、現在はそこの連携はかなり乏しいと認識しています。したがいまして、障害児・者のそれぞれの疾患の特性がございますし、あるいは障害者もかなり高齢化が進んでいますので、そういった中でかかりつけ医と相談支援専門員との連携強化が課題であると思っています。
 そういった中で、医療機関においても、障害児・者によっては診察の順番を待てないケースもありますし、いろいろな状況があろうかと思いますが、通院が困難な障害児・者に対して、自立した日常生活を営めるように、医師による療養上の指導・管理を行うことを目途とした「居宅療養管理指導」の新設を要望したいと思います。その際、医師から相談支援専門員へサービス等利用計画の作成に必要な情報提供を行いますので、その医師の評価をお願いしたいと思います。
 続きまして、2番目の急変時におけるケアマネジメントプロセス支援加算というものを提案いたします。地域生活移行でどうやって定着していくかというのは重要な課題でございますけれども、かかりつけ医と相談支援専門員の連携強化が不可欠となると考えます。障害児・者が著しい状態変化を、いろいろな状況によって急変を起こしたりしますので、そういったときにかかりつけ医の助言や情報提供に基づいて、サービス等利用計画をタイムリーに見直す必要があろうかと思います。
 ですので、急変時における医師からの助言や情報提供を評価するケアマネジメントプロセス支援加算、すなわちサービス等利用計画を随時タイミングよく見直していくということとなりますし、そのときには医師からの情報提供が必要でありますので、そういった医師からの情報提供の評価をお願いしたいというものでございます。
 続きまして、5ページでございます。医療的ケア児への支援の充実です。
 保育園、学校等における医療的ケア児の受入れ拡大及び訪問看護を「居宅」以外でも利用できる体制の整備というものを要望したいと思います。本日の参考資料の10ページ、11ページにお示ししておりますけれども、現状、医療的ケア児を受け入れる保育園・幼稚園は限られていることと、特別支援学校を含む学校においても、保護者が付き添って医療的ケアの実施を求められるケースが多いというのは周知のことと思います。その上で、保育園等や学校に看護師の配置が困難な場合、または医療的ケアの対応が困難な場合は、医師の指示の下、医師または訪問看護師等が出向いてケアができるよう、障害福祉サービス等報酬の評価を要望したいと思います。
 続いて、(2)重度訪問介護の重度な医療的ケア児への部分拡大でございます。重度な医療的ケア児においても、長時間にわたるヘルパー利用のニーズが様々ありますので、現在、成人においては重度訪問介護の区分6において、入院中のヘルパーの付添いが認められております。もちろん介護ではなく、コミュニケーション支援等が主な役割になりますけれども、それと同様に、重度の医療的ケア児に対して、コミュニケーションサポートを行うヘルパーの付添いを認めていただきたいというものでございます。
 (3)は、放課後等デイサービスにおける支援の充実でございます。放課後等デイサービスは、これまでもサービスの質の向上に関する議論がたびたび行われてきたところでございます。その質の向上へ向けまして、個別のアセスメントの充実によるサービスを高めていくということが重要であって、機能と役割に応じた報酬体系とするためにも、医師からの情報提供、特に医療面のアセスメントというものを付加していく必要があろうかと思いますので、そういった医師からの情報提供を踏まえた連携強化を図っていただきたい。その際、医師の情報というものが重要でありますし、評価していただきたいというものでございます。
 最後に、6ページでございます。
 まず、4番の就労アセスメントによる支援の充実ということで、新たな就労アセスメントの資料は、参考資料13ページ、14ページを御参照いただければと思います。これからこういった取組が始まるに当たって、新たな就労選択支援サービス、就労アセスメントに当たっては、まずはアセスメントの医療面の情報、医療アセスメントが重要であります。特に、病状に応じて就労が継続できるかどうか、いろいろな判断が必要になりますから、かかりつけ医からの情報提供が必要だと思いますし、また、働く場、企業側の産業医あるいは衛生管理者との連携が不可欠ですから、特に事業所側において従業員が50人以上いらっしゃる場合は産業医が選任されていると思いますので、そういった産業医からの情報提供が重要でありますので、評価をお願いしたいと思います。
 最後に、障害福祉データベースの構築についてでございます。現在、全国医療情報プラットフォームの構築へ向けた推進が国を挙げて取り組まれているところでございます。そういった中で、医療・介護分野ではデータベースの構築が先行しておりますので、その中で、今後、障害福祉データベースの構築も進めていく予定となっているところでございます。
 介護分野では「LIFE」の取組が進んでおりますけれども、障害福祉分野においても、まずは障害福祉サービス等事業者からのデータ提出によって、医療・介護サービス情報との連携も踏まえて政策を検討していただくことを要望したいと思います。「LIFE」では、情報提供を行ってフィードバックを受けてPDCAを回して、サービスの質の向上を図るということが算定要件でございますけれども、介護分野においても、フィードバックについていろいろ見直しを図っている最中でございますので、障害福祉分野では、まずはデータ提出から行うというのも1つの方策ではないかと思っております。
 意見は以上でございます。ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 ありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見、御質問、お願いします。
 田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 埼玉医大の田村でございます。非常に説得力のある参考資料を基に御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、私自身、小児科医ということもあって、3番の医療的ケア児への支援のところに集中して御質問させていただきたいと思います。
 まず、(1)の保育園、学校等における医療的ケア児の受入れ拡大、訪問看護を「居宅」以外でも利用できる体制。訪問看護が居宅以外でも、つまり、これは学校が中心だと思いますけれども、利用できる体制の整備という御提案で、これは非常に画期的な御提言だと思います。私自身、科研で、訪問看護師がお母さんの代わりに、人工呼吸器をつけているこどもを学校で見るという介入研究をさせていただきまして、そういうふうにすることによって本人の自立性が高まるだけではなくて、周りのこどもたちが障害を持っているこどもを自分の仲間だと認める。そういう仲間意識の形成にもつながるという、非常に予想もしなかったような教育効果があることが分かりました。
 ところが、参考資料にありますように、学校の看護師さんに関しましては、文科省のほうがどんどん増やしていってくださっているにもかかわらず、人工呼吸器をつけているお子さんは、いまだに御家族、多くの場合はお母さんですけれども、がついている場合がまだまだ多いということが分かっております。そういったところは、人工呼吸器、特にこどもの人工呼吸器を扱えるような看護師さんというのは、かなり限られていますので、今、文科省が採用している看護師さんというのは、ほとんどの方が非常勤の方ですから、そういう方でこどもの人工呼吸器の取扱いまでマスターしている方というのは、まだまだ少ないので、そういうところは、ぜひ訪問看護師さんを活用するのがいいのではないかなと思います。
 その場合に、訪問看護師さんを活用するとなると、かなりお金がかかると思うのですけれども、そのお金に関しては、障害福祉サービスで全部カバーするというのが、この御提言の内容なのでしょうか。それとも、訪問看護師さんを家族が要望した形で、そこに対して補助金を出すというような内容として、この訪問看護師さんの活用というのを考えておられるのでしょうか。これが1番目に対する私からの質問です。
 それから、(2)ですけれども、重度訪問介護で認められている、コミュニケーションが十分取れないような障害者に対しては、重度訪問介護が活用できることになっていますけれども、特に重い医療的ケア児の場合は、入院するという機会がたくさんありますので、そのときにその都度、保護者がつくというのは、保護者にとって負担になるだけじゃなくて、きょうだいのケアができなくなるという大きな問題も抱えております。ですから、ぜひ重度訪問介護を医療的ケア児でも適用するというのは、私、非常に大事なことだと思うのですけれども、これについても、これは取りあえず入院中の付添いだけということで考えておられるのかどうかということについて質問させていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○日本医師会 ありがとうございます。
 まず、最初の御質問に対する回答ですけれども、今回、この意見を述べさせていただく場も報酬改定に関するものでございますので、金額、費用が幾らかかるかというのはもちろん定かではありませんし、担い手が、訪問看護師さんとか医療機関から応援する看護師さんがそんなに潤沢にいるわけでもないので、どのぐらいの財政影響があるかというのは計り知れないと思いますけれども、取りあえず、間違いなく医療的ケア児が、今、2万人ですけれども、医学の進歩とともにこれから増えていき、そしてどんどん成人の仲間入りをしてきますから、今、国が目指している地域共生社会、支える側、支えられる側を乗り越えて共生する社会、そういった仕組みをつくる中では、特にこういった医療的ケア児も、特別支援学校ではなく、普通の一般の学校に行くこどもたちも少しずつ増えている状況でございます。
 ですので、そういった御本人たちの生きがいとか希望をかなえていくために、どういうやり方がいいのかということで、まず、補助金というよりは、そういった意味では報酬による手当てのほうがなじむと考えているところでございます。それから、当然、財源には限りがありますので、今の財源とか、あるいはルールの中でどこまでできるかというのは、またいろいろしかるべきところで今後の議論になろうかと思います。
 続きまして、(2)の重度訪問介護につきまして、今、重度訪問介護で成人で区分6の方について認められているコミュニケーションを中心とした支援ということで、実際、そこにニーズがあるという現場のお声もいただいております。したがいまして、まずは入院を検討していただいてはどうかと思っております。御存じのように、重度訪問介護のヘルパーさんもかなり人材が不足しているところでございますので、例えばこういった見直しがあっても、どれぐらい実際これが現場で対応されるかというのは、ちょっと定かではありませんが、取りあえず、必要な人に必要な支援が届く、まず、道筋をつけるのが重要じゃないかと思っております。
 以上でございます。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、石川アドバイザー、お願いします。
○石川アドバイザー 貴重な御提案、たくさんありがとうございます。特に医療的ケア児の今のお話につきましては、学校・保育園等での医療的ケアのニーズと、長時間にわたる重度訪問介護を必要とするようなニーズがあると、自治体の立場でも実感しておりますので、何らかの形で実現できるといいかなと思って伺わせていただきました。
 私からの質問ですが、4ページにあります2の急変時におけるケアマネジメントプロセス支援加算についてですが、1は介護保険のほうでもサービスがありますので、イメージがつくのですが、2の急変時におけるという部分の考え方について、医師の助言が必要な急変時という考え方での御提案なのか、急変時の考え方について、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○日本医師会 ありがとうございます。
 まず、前提は、先ほど申し上げましたけれども、相談支援専門員と医師の連携というのがかなり希薄ではないかなと思っておりますし、あるいはサービス等利用計画作成に当たって、医療情報があまり反映されていないと認識しておりますので、こういう提案をしております。
 参考資料3の9ページを用いて、簡単にイメージだけ説明させていただきます。今、介護報酬では、これはがんの末期のときのみでございますが、在宅で暮らしているがんの末期の方は、最期の亡くなる前の2週間とか3週間前に状態が急激に悪化して、介護サービスの導入がかなり必要になるケースがしばしば見られます。そういったときに、介護分野でケアプランの変更が必要なときにおいては、医師の指示に加えてサービス担当者調整会議を開かないといけないというルールになっておりますが、がん末期の急変においては、サービス担当者会議を開くことなく、ケアマネジャーと助言する主治医との連携によってケアプランの変更が可能という仕組みが入っております。
 これを踏まえまして、障害児・者の場合は、それぞれの疾患の特性がございまして、いろいろな症状が出たり引いたりして、結構急変することもありますので、そういったところを踏まえて、相談支援専門員と主治医、かかりつけ医がもっと連携して、その主治医からの助言を踏まえてサービス等利用計画を見直す。それもタイムリーに見直すということを狙いとしているものでございます。
 最後に、もう一点追加で言いますと、もちろん障害者のほうもかなり高齢化してきておりますから、普通の高齢者が合併するような身体合併症というのも、当然、これからさらに増えてきますので、そういったときの助言も今後必要かと思っております。
 以上でございます。
○石川アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 よろしいでしょうか。
 それでは、日本医師会様、どうもありがとうございました。
○日本医師会 ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 本日予定している議事は以上で終了となりますが、アドバイザーの皆様から何かございますでしょうか。よろしいですか。
 次回の検討チームは8月3日木曜日の14時から開催予定となっておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、本日はこれで閉会いたします。お忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございました。