第13回今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和5年7月27日(木)15:00~17:00

場所

オンライン開催

議題

(1)これまでの議論の整理について
(2)次期がん研究10か年戦略(仮称)の項目立てについて
(3)その他

議事

 
○原澤推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「今後のがん研究のあり方に関する有識者会議」を開催いたします。
 構成員・参考人の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の原澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本有識者会議はYouTubeにて配信しておりますので、御承知おきください。
 また、健康局長は公務のため、欠席とさせていただきます。その点も御了承ください。
 本会議におきましては、前回に引き続きまして、8名の参考人に御出席いただいておりますので、御承知おき願います。
 構成員・参考人の出席状況についてでございますが、黒瀨構成員、末松構成員及び土岐構成員より途中より御参加の旨の御連絡、宮園参考人及び福田参考人より途中より御参加の御連絡、また山本構成員より御欠席の御連絡をそれぞれ頂戴してございます。
 事務局として、厚生労働省のほか、内閣府、文部科学省、経済産業省からそれぞれ出席しておりますので、御承知おき願います。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 資料は、厚生労働省のウェブサイトにも掲載してございます。
 議事次第、資料1、資料2及び参考資料1から参考資料6までがございますので、御確認をお願いいたします。
 資料の不足、落丁等ございましたら、事務局までお申し出ください。
 それでは、以降の進行は中釜座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○中釜座長 中釜です。構成員の皆様方、本日もよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、本日の議事に入りたいと思います。
 まず、議題1「これまでの議論の整理について」、事務局から資料が提出されております。事務局から資料1の説明をお願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。
 それでは、資料1を御用意ください。「第10~12回今後のがん研究のあり方に関する有識者における意見のまとめ」という資料でございます。
 2ページ目へお進みください。こちらから15ページ目まででございます。これまでの中間評価のときの項目に沿って行っていただきました構成員・参考人の皆様からの御発表、及びこれまでいただいた御議論の中で賜りました御意見につきまして、同趣旨の御意見については少しまとめて整理させていただくなど、事務局において一定の整理を行いまして、中間評価での項目の順にお示ししている形になっています。
 例えば2ページ目は「がんの本態解明に関する研究」、3ページ目は「アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発に関する研究」といった形で、ページごとに項目を整理してございますので、御確認ください。
 また、16ページ目までお進みいただきまして、参考という形で仕切り紙を置いてございますが、これらの議論の中でいただきました制度や政策に関する御意見、がんに限らないような問題に関する問題提起等について、こちらも同種のものをある程度まとめるという形で整理させていただいております。
 17ページを見ていただくと、例えば「製薬・薬事、治療薬へのアクセスに関するご意見」、18ページ目には「シーズから出口までを通じた支援、基盤構築に関するご意見」、19ページ目は「人材育成や政策に関するご意見、その他」という形で整えさせていただいておりますので、御確認いただければと思います。
 個別のページについての詳細な御説明は、時間の関係もありまして、割愛させていただければと思います。
 事務局から資料1の御説明については、以上でございます。
○中釜座長 それでは、資料1について、これまでの議論を事務局で整理したものですが、発言した意見が記載から漏れている、あるいは趣旨が変わっているといった点の指摘はございますでしょうか。また、そういった指摘に限らず、追加すべき記載等について御意見がありましたら、よろしくお願いいたします。御意見のある方は挙手ボタンを押していただければ、こちらのほうで指名させていただきます。かなり項目数が多いですが、順に限らず。本態解明に関する部分の意見、アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発に関する研究に対するコメント、さらには、患者に優しい新規医療技術開発に関する研究等々となっております。
 谷島構成員、お願いいたします。
○谷島構成員 ありがとうございます。
 前回申し上げた部分でちょっと抜けているのではないかなという部分について御意見させてください。8ページが妥当かなと思うのですが、「充実したサバイバーシップ」の部分です。そちらのほうに、前回の会議で御意見させていただいたように、御家族とか御遺族とかパートナーといった、そばで支える方に対しての言及が抜けているのではないかなと思っております。御家族、御遺族、そばで支えてこられた方々のサポートについては、どうしても忘れられがちになってしまいますので、そこについても研究を進めていくべきではないかなと思っています。
 御家族との関係というのは、患者にとっても相互に大きな影響を及ぼしますし、御遺族の生きる日々というのは、患者の終末期の状況にも影響されるように感じております。なので、この辺りの研究が進めば、今後、治療と生活の両立や終末期の選択というのも変わってくる可能性があるので、こちらの研究も進めていただきたいと思っております。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。
 事務局、よろしくお願いいたします。
 ほかに御意見ございますか。
 内堀構成員、お願いいたします。
○内堀構成員 ありがとうございます。
 細かい点なのですけれども、3ページの5番目に「ラジオリガンド療法(アルファ線内用療法等)」という言葉があります。これは放射性核種を使った治療薬の開発だと思うのですけれども、一方、4ページ目の5つ目のポツに「核医学治療等の」という言葉がありまして、同じものを指していると思っています。もしそれが同じということであれば、「アルファ線内用療法」というのを「アルファ線核医学治療」に変えていただけないかと思っています。学会でも核医学治療あるいは内用療法、さらには標的アイソトープ治療、幾つか使っているようで、ほぼ同じ意味で使われていると理解しておりますので、もし可能であれば、そのように変更して統一していただければと思います。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。
 事務局、よろしいでしょうか。お願いいたします。
 続きまして、中村構成員、お願いいたします。
○中村構成員 がんワクチンという言葉が出てきているのはありがたいのですけれども、mRNAだけじゃなくて、いろいろなものが出てきています。免疫療法と言っても、多くの標的をターゲットとした免疫療法あるいはT細胞療法というのが始まっていますので、10年後を考えたときにその言葉がなくていいのかどうかと私は疑問に思いますし、委員の方々、御存じと思いますけれども、コロナワクチンのmRNAを造ったビオンテック社がGenomics Englandと提携して、イギリスの保健省も協力して、2030年までに1万人分のネオアンチゲンワクチンのデータを取るということが既に公表されています。ここまで至って、ゲノム医療と言いながらゲノム医療の出口がはっきり見えないのはいかがかなと思います。ですので、はっきりと第4の治療法として免疫療法というのは確立されつつあるわけですし、発展していますので、そこをもっと明確に記入していただければと思います。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。
 事務局、よろしくお願いいたします。
 続きまして、大賀参考人、お願いします。
○大賀参考人 私、小児の代表ということで、小児・血液がん学会の理事長として気づいたことをお話ししたいと思います。
 2ページの一番上で「健常者を含んだビッグデータの利用などを通じて」という文面がございますけれども、成人は健診のデータというのが1つバックグラウンドになるものだと思いますけれども、小児領域では、環境省が行っているエコチルというスタディーがございます。これは10万人コホートということで、世界的にも3つに数えられる大きなコホートが進んでいます。これがこのデータに相当するものになると思いますけれども、今回、この有識者会議の最初に経産省や文科省との省庁を超えた形での連携ということがございましたが、環境省との連携というのはそこに入らないのかなというふうに小児領域では思いました。事務局のお考えをお聞かせいただければと思いました。
○中釜座長 では、今の御指摘について、事務局よろしいでしょうか。
○原澤推進官 事務局でございます。御質問いただき、ありがとうございます。
 健常者を含んだビッグデータの利用という観点で、今、おっしゃっていただいた環境省において実施されているエコチル調査などが対象となり得る調査研究なのではないかという御指摘はあり得ると思います。今、いただいた御意見について、資料1の18ページ目の「基盤構築に係る制度」のところで、先生からいただいた御意見も踏まえて、下の箱の3つ目のポツでございますが、「小児領域ではエチコル調査等、対照となりうる調査研究等のデータの利活用を行いやすい環境を整備してはどうか」という形で御意見として入れさせていただいたという状況ではございます。
 あとは、御指摘いただいたように、環境省との連携についてというところで、今いただいた御趣旨については理解した上で、このタイミングから文部科学省様や経済産業省様と同様の関わり方ができるかどうかというところは、ちょっと議論があろうかと思いますが、環境省とも必要な連携はしっかりしていきたいと思いますので、今いただいた御意見を踏まえて、対応について検討していきたいと思います。
 以上でございます。
○大賀参考人 ありがとうございました。
○中釜座長 よろしいでしょうか。
 続きまして、大井構成員、お願いいたします。
○大井構成員 ありがとうございます。
 前回も少し指摘したような記憶があるのですけれども、高齢者が非常に増えてくるということで、ライフステージやがんの特性に着目した重点研究領域、6ページには「高齢者は併存疾患や臓器障害を抱えていることも多く」ということで、高齢者への指摘がありますけれども、8ページのサバイバーシップに関して、若い世代に関して非常に積極的な項目があるのですけれども、今後の高齢社会を迎えたときに、そうした高齢者に向けたサポートであったり、社会的な併存疾患に対する支援といった研究というものも含まれるべきではないかという点が1点です。
 もう一点は、社会保障制度改革促進法の第6条第3項の医療保険制度という項目の中で「個人の尊厳が重んぜられ、患者の意思がより尊重されるよう必要な見直しを行い、特に人生の最終段階を穏やかに過ごすことができる環境を整備すること」という記載が法律上あるので、人生の最終段階におけるサポートという意味で、早期における緩和ケアの推進であるとか、早期における疼痛緩和の取組ということが非常に進められてきたかと思いますが、そういった段階における研究というものもぜひ進めていただきたいと思います。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございます。
 続きまして、阿久津構成員、お願いいたします。
○阿久津構成員 阿久津でございます。ありがとうございます。
 含まれているような気がするのですが、少し御指摘だけさせていただきますと、先日までの議論の間に経済属性のお話というか、コストパフォーマンスみたいなところの、経済的な国の支援の限界というか、保険の限界みたいなお話をさせていただいていたと思うのですけれども、そういった死亡率ではない評価指標を設けるというのは、もしかするとクオリティー・オブ・ライフのほうに特化されているのかなと思ったので、少し経済観念。先ほど大井委員の高齢者のライフステージにどういう形でお金を使っていくかということにもつながるかと思うのですけれども、がんの治療、掛ける経済属性とか経済観念というところの研究というものも、どこかに特出ししていただけるとありがたいかなと思っております。
 以上でございます。
○中釜座長 記載場所としては、9ページの(8)「がん対策の効果的な推進」のところでしょうか。
○阿久津構成員 そうですね。この部分を特出しといいますか、より強い形で書いたほうがよいのかなと思っておりました。ありがとうございます。
○中釜座長 ありがとうございました。
 続きまして、野田参考人、お願いいたします。
○野田参考人 すみません、よろしくお願いします。
 7ページ、(6)「がんの予防法や早期発見手法に関する研究」のところで、ちょうど私が発表させていただいた部分がありますが、その記載に関して、ちょっとお願いがあります。私は、発表の前半というか、ほとんどの部分を早期発見手法の開発というところでお願いして、最後のところで予防法というのを少し述べました。その予防法に関しては、一番ボトムの9番目の項目にそれをそのまま書いていただいていると思うので、それはいいのですけれども、早期発見手法の開発に関する部分がちょっと見えなくなっている点は問題かと思います。上から5番目、6番目の項目にも書いてありますが、これらの記載はリキッドバイオプシーを基軸に書いてあると思うのです。
 なので、私があそこでお話ししたのは、エビデンスを持ったバイオマーカーを用いた早期発見手法の開発が重要であるということなので、それを一番ボトムの記述中に入れるか、あるいは5番目、6番目の中に入れるかしていただいて、早期発見手法として、より高機能なものを開発するということを、どこかに入れていただきたいということが1つです。
 それから、発表で最後に述べた、さらにはその早期発見手法を、2次予防、すなわち検診に応用する方法を考えてもらいたいという点、これらの2点を入れていただきたいと思います。
○中釜座長 ありがとうございます。
 5番目のところですかね。前がん病変を含むがんの早期検出技術の開発と検診を含む実装という意味合い。
○野田参考人 そういう言葉も加えると、そこに入ってくると思います。ただ、そこにはエビデンスを伴うという言葉がないと困ります。
○中釜座長 分かりました。了解です。
 事務局、よろしいでしょうか。
○野田参考人 よろしくお願いします。
○中釜座長 続きまして、谷島構成員、お願いいたします。
○谷島構成員 ありがとうございます。
 少し細かい部分なのですが、15ページに恐らく私の発言だったかと思うのですが、「がん研究10か年戦略の効果検証をすべく、進捗管理のための指標を設定すべきではないか」と入れていただいております。ただ、これを発言したときは、がん研究10か年戦略に限らず、我が国のがん政策・がん対策全般に対してと思い、発言したものです。ですので、がん研究10か年戦略に限らず、中間評価にも示されているように、全般のがん政策・がん対策の効果的な推進と評価に関する研究を進めていきたいという趣旨で発言させていただきました。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。
 そちらは、恐らくがん対策におけるアウトカム視点からの評価指標のところに落とし込むのがいいのかなとお聞きしましたが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○谷島構成員 そうですね。政策・対策の評価をきっちりしていきたいという趣旨で述べさせていただきました。ありがとうございます。
○中釜座長 ありがとうございます。
 事務局、よろしくお願いいたします。
 続きまして、石岡構成員、お願いいたします。
○石岡構成員 「新たな標準治療を創るための研究」のですが、先ほど高齢者の話が出ましたが、御承知のとおり、がんの患者数の増加は、かなりフラットに近づいてきて、宮城県では今、過去5年よりもその前の5年、さらにその前の5年よりも罹患者数の伸びは既に減ってきている状況です。一方、全国でも患者の高齢化で1人のがん患者はがんだけじゃなくて、様々なほかの疾患を併存しているケースが非常に多くなっている。
 「がんの予防法や早期発見手法」のところには、循環器疾患等のがん以外の非感染性疾患のことが書いてありますが、第4期がん対策推進基本計画にも、腫瘍循環器等のがん関連学際領域が非常に重要だということが書かれていますので、新たな標準治療をつくるための研究の中にも、そういった高齢者が併存しやすいがん以外の疾患を、総合的に治療体系として研究を進めることができるような一文を入れたほうがいいのではないかと思います。具体的には、腫瘍循環器などのがん関連学際領域に係る研究を入れてもいいのかなと思います。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。具体的には、5ページの(4)新たな標準治療の8つ目のポツの「ライフステージに応じた」、ここにもう少し具体的に書き込んだらどうかということですかね。
○石岡構成員 はい。
○中釜座長 ほかに御質問、御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。また、後ほどお気づきの点等ありましたら、最後のほうでも構いませんので、御意見いただければと思います。
 次に、議題2に移ります。資料2について事務局から説明をお願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。
 それでは、資料2を御用意いただければと思います。「次期がん研究10か年戦略(仮称)の項目立てについて」という資料でございます。
 2ページ目を御覧いただければと思います。左側、「旧」と書いてあるほうでございますが、現行のがん研究10か年戦略及び中間評価の際の項目を記載してございます。対して、右側、「新」と書いてある箱の中でございますが、新たな項目立ての案、たたき台をお示ししてございます。これまでの戦略において掲げられていた分野が網羅されるよう、また、これまで皆様に本有識者会議において御議論いただいていた内容・御意見を踏まえまして、研究が医療につながるよう、出口をイメージして、予防、診断・治療、共生というがん対策推進基本計画の3つの分野を立てて、それぞれの中で具体的な取組事項を記載するという整理を一旦してございます。
 また、がんの本態解明やシーズ探索について、小児がんや希少がん等、がんの特性に着目した領域については、前述の3分野にまたがる横断的な項目、または基盤的な項目という形で、別立てで記載させていただくという形にしております。
 また、一部については、今、申し上げたように、再掲されるような項目があろうかと思いますので、それも念頭に置いて項目の整理をさせていただいています。
 また、制度と政策に関する御意見、資料1の16ページ目以降のところでございますが、一部については、研究の推進と必ずしも切り離せないものもあろうかと存じますが、整理した上で戦略本体とは別途まとめるなどの整理の仕方を検討してございます。
 3ページ目、お進みいただきまして、参考といたしまして、これまでの10か年戦略の項目立ての変遷について、お示ししてございますので、御参照いただければと思います。
 事務局から資料2の御説明については以上でございます。
○中釜座長 ありがとうございました。
 それでは、資料2の項目立て素案に関して御意見ございましたら、挙手ボタンを押してお願いいたします。
 それでは、安川構成員、お願いいたします。
○安川構成員 ありがとうございます。
 今、御説明いただいた最後のところですが、本編の具体的研究事項と別途整理というのは、最終報告書の中で格付として変わってしまうのでしょうか。出口をイメージというところもあったように、最終的には今回実施する研究あるいはその研究実施のために金銭的、人的資源をつぎ込むという提案をするわけですけれども、最後は国民に還元されることが研究の成果だと思います。資料2の2頁、1-3、2-4には「その他の政策的な課題解決」という項目がありまして、今回新しい戦略を立案・実施する上で、現行制度も変わっていく可能性があり、両者を切り離せない部分もあると思いますので、どういう部分が本編に入って、どういう部分が別途整理のほうに行くかという点に関してご説明いただけますでしょうか。
○中釜座長 事務局、お願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。御質問いただき、ありがとうございます。
 まさに先ほど資料1の内容で整理させていただいた前半部分の1ページ目から15ページ目の範囲というものが、基本的には具体的研究事項のフレームの中に入ってくるイメージでございます。一方で、先ほど申し上げた資料1の16ページ目以降のところが、制度等に関する御意見として整理するものだと思っていますが、この格付をどうするかですとか、この有識者会議の中での御議論のまとめ方として、どのようにするかというのは、現時点で定まっているわけではございませんので、御意見等ございましたらいただけたらと思います。
 以上でございます。
○安川構成員 ありがとうございます。
 今まで議論した3回の章立てと、こちらでは異なりますので、どこで申し上げたことがどこに入っていくかというドラフトを見せていただけると思いますので、またその際に細かなコメントはさせていただこうと思います。
○中釜座長 ありがとうございます。
 そのほか。
 続きまして、石岡構成員、お願いします。
○石岡構成員 基本的には、新しい立てつけには賛成です。というのは、これは国民から見て非常に分かりやすいだろうという視点です。
 一方、先ほど各論として各有識者からの意見を項目ごとに立てつけてあるのを見ますと、それをどこに落とし込むかというのは容易じゃないと思います。発想を転換して、この新しい立てつけとは別に、各項目が有識者の意見のどこに該当するかということに関して、1つに振るのではなくて、場合によっては複数、3つとか、そういう割り付け方をするほうが、むしろ分かりやすいのではないかと思いました。
 具体的に言えば、例えば治療薬、「がん診断・治療」に関する研究、2-2の「がんの難治性の本態を踏まえた新規薬剤・治療法の開発」という新しいキーワードは、薬の開発に関することであり、先ほど有識者から提案いただいた意見のあちらこちらにも書いてあります。しかし、それは例えば希少がんや小児がんの治療薬は開発したほうが良いとか、あるいは新しい薬剤開発の方法を研究したほうが良いという意見があり、ここの新しい分類の中のいろいろなところにまたがっている提案です。これらを無理に各項目をどこかに押し込むということはしないで、新しい研究の立てつけのどれとどれに関連する項目立てなのかということが明確になるようなつくり方をするのが良いのではないかなと思いますので、提案いたします。
○中釜座長 ありがとうございます。
 御指摘に関して、事務局から何かありますか。
○原澤推進官 事務局でございます。御意見いただき、ありがとうございます。
 今、おっしゃっていただいた点について、例えばもともと2ページ目の右側の4ポツについては、再掲を念頭に置いたところではございますが、おっしゃっていただいた御趣旨は、それ以外にも重複、複数回出現するような項目があるのではないかという御指摘かと思います。御意見を踏まえまして、実際に本文に落とし込んでいくときにどのような交通整理が必要か。また、おっしゃっていただいたような御提案のほうが整理はよいのではないかといった点も含めて、今後、整理に当たって検討していきたいと思います。
 以上でございます。
○中釜座長 よろしいでしょうか。そのためにも、資料1と2を関係づけるような表みたいなものがあると参考にしやすいかもしれません。そこは検討いただければと思います。
 続きまして、谷島構成員。
○谷島構成員 ありがとうございます。
 国民への分かりやすさ視点で申し上げます。アンメットメディカルニーズというのは、今回、多くの委員の皆様から最も御意見が出た部分かなと思っています。さらに、前回の戦略から、中間報告から、解決されずに広がってしまっている部分かなと存じますので、誰一人取り残さないがん対策の推進をする上で、アンメットメディカルニーズへの対応というのは、1つ象徴的な部分となるかと思いますので、言葉として項目の中に表現するべきかなと考えております。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございます。
 今の点に関していかがでしょうか。事務局のほうで御検討いただけますか。
○原澤推進官 御意見を踏まえて検討させていただきます。ありがとうございます。
○中釜座長 続きまして、古関構成員、お願いいたします。
○古関構成員 ありがとうございます。
 先ほどの資料1の13ページに、データベースとかバイオバンクについての記載があったと思うのですけれども、私、そういうがんの本当の専門家というわけではないので、特にヒトのベースの研究での専門家というわけではないのですけれども、私が幾つか見た大学病院等では、バイオバンクの継続性とか運営に物すごく苦労しているように見えました。このバイオバンクにせよ、それに付随したデータをどういうふうに維持し続けるかというのは、物すごく強い継続性をシステムの中にインプリメントするということと。あと、絶えずアップデートできるような、その2つのちょっと難しい側面があると思うのですけれどもね。
 基礎研究の成果を人間にトランスレートしていくときに、人間の非常に大きなデータをどういうふうに、大きくある必要はないと思うのですけれども、質の高いデータと研究資源になるものに絶えずアクセスできることが非常に大事じゃないかと思いますので、この今の項目立ての5-2の部分です。利活用は物すごく大事だと思うのですけれども、もう一つ、継続性というキーワードが僕は非常に大事なのではないかと思います。
 あと、ここに、できればバイオバンクという言葉も加えていただけるようなことがあるといいのかなと個人的に感じました。
 以上であります。
○中釜座長 ありがとうございます。
 今の点は、5-2と5-3の中でのバイオバンクの構築についてのあたり。利活用だけではなくて、継続性を書き込んだらどうかという御指摘だと思います。検討させていただきます。
 続きまして、直江参考人、お願いいたします。
○直江参考人 直江です。ありがとうございます。
 私の意見は、先ほど石岡先生からも御指摘があった点と少しかぶりますけれども、全体的には、予防、診断・治療、がんとの共生という1、2、3の大きな柱が立ったということは、非常に分かりやすくて斬新だという感じがいたします。
 一方、先ほどから御意見がありますように、例えば薬剤開発とか新しいテクノロジー。つまり、これらはいろいろなモダリティー別の開発ということが関係しますので、縦軸・横軸という感じで言いますと、4は2の中に入るという意味では、大きく1、2、3というものを立てると同時に、2を膨らませるという感じですっきりさせたほうがいいのではないか。つまり、2の部分は非常に大きいと思うのですね。
 それから、もう一つはモダリティーのところですが、これは各柱に共通する事項として、本態解明であるとか、本態解明も希少がんの本態解明もあれば、予防の本態解明もありますので、その各項目、各柱にまたがると思うのですね。5番でなくて、新しく4番とするかどうかはともかくとして、4番に各モダリティーを入れ込むほうが分かりやすいのかなと、全体の構成ですけれども、そういうふうに感じました。それが第1点です。
 それから、第2点は、言葉のことで大変恐縮ですが、例えば2-1に「一人ひとりに最適な」という言葉が書いてございますけれども、この言葉は非常に慎重に使ったほうがいいのではないかなと思います。例えば個別化であれば、皆さん、大体イメージがつくのですが、何が最適かということになりますと、これはちょっと曖昧かなと思います。
 それから、2-3の「幅広い患者ニーズ」ということから言うと、そのライフステージや特性というのとちょっとかぶるような感じもしますし、それから5-2ですけれども、「利活用を念頭においた」では、ちょっと弱過ぎるのではないか。例えば「データベースの整備と利活用の促進」であればもっといいのではないかと、言葉の点ですけれども、そういうふうに感じました。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございました。
 今の御指摘について1点確認です。4番を2番に組み込むということですけれども、先ほどのアンメットメディカルニーズのところの指摘があったかと思います。そういった意味で、4番の項目は、ライフステージとともにアンメットメディカルニーズという意味での必要性・重要性も高いということから、恐らくこういう項目立てをしているのだろうと認識します。そういう整理もありということでよろしいですか。
○直江参考人 もちろんそうです。私、臨床でもありますし、特に4番のことについては非常に思い入れがありますけれども、全体の分かりやすさというか、項目の整理から言うと、むしろ「がんとの共生」の後に来るよりは、もっと上の項目にしたほうがいいのではないかという。つまり、一番近いのは2ではないかという意味で申し上げただけです。項目にこだわるものではございません。
○中釜座長 ありがとうございます。
 事務局、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 続きまして、野田参考人、お願いいたします。
○野田参考人 よろしくお願いします。
 石岡構成員のお話は、項目立ては前のままで良いのではないか?そして、その中身を充実させる時に、それぞれの新たな記述をこの新しい分類の何番に該当するのかを書けばいいのではないかということと理解しました。しかし、事務局及び座長は、あくまでもこの新しい項目立てに、今までのものや今度の意見をしまい込んでいくというのがこれからの作業になると考えておられるということでよろしいですね。
○中釜座長 そういう理解でおります。
○野田参考人 そうなったときに、具体的な中身が入ってから全体の全貌はしっかりしてくると思いますが、この新しい項目立てを見て気になる点がいくつかあります。まず、5番目の項目が、「研究の効果的な推進のための基盤整備等」との記載となっていますが、ここに記載される研究内容を見て、その重要性を考えると、以前の項目立てでは「各柱にまたがる「横断的事項」について」のところに書かれていたものが、今度は、この5番目の項目内に来るわけですね。
 そして、それらに加えて、先の項目立てでは、最初に書かれていた、「具体的研究事項」としての「がんの本態解明」もこちらの柱の中に入れられてしまってます。基礎研究である本態解明を重要だと思っていただくのはありがたいのですけれども、本態解明が、「効果的推進のための基盤整備」に含まれるかと言うと、やはり違うと思います。そのため、5番目の項目内に記載されるべき事項には、基盤整備も入っていいのですけれども、その下の5-2だったり、5-3の小項目のタイトルに基盤整備の言葉があればいいので、この5番目の項目のタイトルとしては、やはり前のときと同じに「重要な横断的事項」という言葉のほうがふさわしいのではないかと思います。少なくとも、今の案のままだと、基盤整備とはなじまない重要な研究が入っており、奇異な感じがするというところがあります。それが1つです。
 それから、2つ目は、さっきのアンメットメディカルニーズの議論と似ているのですけれども、研究開発のところに関しては、先の会で、宮園先生や私がお話ししたように、まず、がん研究においては、今後も基礎研究による本態解明が重要なのは間違いがなく、そして、さらに開発を促進して出口につなげる開発研究、臨床研究も大事です。ただし、革新的がん医療の実現には、それらの研究をつなぐシーズ探索研究が重要であり、この10年間の研究戦略推進においては、そこが非常に充実したことでアカデミアシーズが臨床の場にまで届くようになったということを主張したつもりです。そして、それは創薬にかかわらず、予防においても同じでしょうと申し上げたので、その「横断的事項」の大項目の下の、どこかの小項目のタイトルには、シーズ探索という言葉は必ず入れていただきたい。この一覧表で見えるところに入れていただきたいというのが2つ目です。
 それから、3つ目は、ちょっと引出しの隅の話になりますけれども、1番目の項目の、予防のための研究に関してですけれども、その2番目の項目、1-2に2次予防のことを書いていますけれども、ここが「高リスク層の同定や発症リスクに応じた2次予防の推進」をという記載になっています。基本的に、ここの出口は検診になるわけですけれども、その検診の高度化に関する部分に、リスク、リスクが並んでいて、今回の研究戦略では、高リスクの人だけに焦点が当たってしまっています。そのため検診のところですから、どっちかは削って、元の戦略にもあった「早期発見手法の開発」というのは、必ず入れていただかないといけないと思います。
 なので、1つの提案ですけれども、この1−2を、例えば「高リスク層の同定や早期発見手法の開発による2次予防の推進」としていただくと、そこまでカバーされているということがよく分かるのではないかと思います。それが3点目でした。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございました。重要な御指摘だと思います。
 2点目のシーズ探索に関してですけれども、シーズ探索は、予防、診断、共生、いろいろなシーズがあると思いますので、それ自体が横断的なのですけれども、シーズ探索から、例えば医療実装までの開発研究はシーズ探索単体のほうで書き込んだほうがよろしいですか。
○野田参考人 それは項目のタイトルの書き方次第だと思います。今おっしゃったように、入れるとすれば5番目のところになるわけですけれども、5番目項目名からの基盤整備を外していただいて、ここに横断的事項ということが入れば、5-1に一緒に「基礎的研究の推進とシーズ探索システムの促進」とか、そういうふうにしていただいてもいいかと思います。
○中釜座長 分かりました。御指摘ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 事務局からお願いします。
○原澤推進官 事務局でございます。御指摘いただき、ありがとうございます。
 事務局でこのような記載にした趣旨の御説明だけ簡単にさせていただこうと思ったのですが、ここで書いていた研究の効果的な推進、5-1との関連性は、本態解明は本態解明で終わるのではなくて、その次の研究がある。そこにつながっていくものという趣旨で、その次の研究をさらに進めていただくために必要なことをやっていただいているのですという理解で一旦書いていたのですが、先生に今おっしゃっていただいたことで、研究で終わるのではなくて、その先の実装を見据えてやっているのであって、そういう意味では、各項目と連動する横断的な事項であるという御指摘をいただいたと事務局としては理解いたしました。もし、事実誤認とか誤った理解であれば、御指摘、御助言等いただけたら幸いでございます。
 以上です。
○野田参考人 今、言っていただいたことを100%把握したかどうか分かりませんが、今のお考えに基づいて、この項目を書き込んでいただいたら、それに関して、またやり取りができればと思います。
○中釜座長 ありがとうございます。
 続きまして、谷島構成員、お願いいたします。
○谷島構成員 私のほうから、意見というよりは、2つ質問させていただきたいと思います。
 1点目、ちょっと細かい確認なのですけれども、2-2の「がんの難治性の本態を踏まえた」という部分ですけれども、これはがんの難治性ということで、難治性のがんということでは別にないですよね。この中に希少がん等々も入ってくると思ってよろしいでしょうかというところが1点確認です。
 2点目は、これは御意見をお聞きしたいところなのですが、4の「ライフステージやがんの特性に着目した重点研究領域」についてです。この項目に関して、項目化いただいたことは非常に感謝しております。誰一人取り残さないがん対策を推進する上で、本当に象徴的な部分と思っております。先生方にちょっと御質問なのですが、「小児がん及びAYA世代のがん」、また「希少がん及び難治性がん」とカテゴリー分けいただいております。これらは「及び」という形でつないでいただいているのですが、取るべき対策とか進めるべき研究はかなり違うように思っております。一緒の箱に書いてしまうのと、別々にするのでは、どっちのほうが今後の研究を進める上で効果的、かつ分かりやすいのかなというところを御意見いただけたらと思いました。
 私のほうからは以上です。
○中釜座長 今の2点の御指摘について、どうぞ。
○原澤推進官 事務局でございます。
 私のほうから1点目の点についてのお答えですが、ここで2-2の記載において難治性がんに縛っているという認識ではございませんので、おっしゃっていただいたとおり、病態の本態に応じて、小児がんや希少がん等の領域も含まれ得るものだと理解しています。1点目については、以上でございます。
○中釜座長 2点目に関しては、小児がんとAYAがんは、お互いに連続した存在で、疾患としては近しいところですので、分けて書くのがいいか、両方一緒に考えていくというところも考え方としてありかなと私自身は思いました。その点については事務局、お願いいたします。
 それと、希少がん、難治がんに関しては、希少がんそのものが希少ゆえに治療法開発が難しく、そのための診断も難しいという難治性ということを含んでいるので、実際の具体的な課題設定のときには分けて設定したりすることもあるのだと思いますけれども、並べて書くことによる弊害ということはあまりないのかなと思いますが、事務局、いかがですか。
○原澤推進官 事務局でございます。
 中釜座長からいただいたような認識で事務局としても整理してございますが、有識者会議に御参加いただいている構成員、参考人の皆様から別の御意見等あれば、もしいただけたら大変助かります。
 以上でございます。
○中釜座長 2点について構成員の先生方から何か御意見ございますか。
 石岡構成員。
○石岡構成員 今の議論とオーバーラップしますが、谷島構成員の意見はごもっともと思います。戦略は我々だけが分かればいいのではなくて、国民がこれを見て、なるほどと思う書きぶりじゃないといけない。そういう意味で言うと、2の2-1は「一人ひとりに最適な治療の実現を目指した診断技術の開発」と書くなら、それに対応する「治療技術の開発」はなぜ書いていないのか。国民は「一人ひとりに最適な治療法の開発」がなぜ書いていないのかと疑問に思うのではないか。また、谷島構成員が言われた「がんの難治性の本態を踏まえた新規薬剤・治療法の開発」についても、がん対策推進基本計画では、(私は難治がん、厚労は難治性がんと言っているのですが)難治性とか希少がんを別のカテゴリーにしているのに、「がんの希少性の本態を踏まえた新規薬剤・治療法の開発」と書いていないというところが分かりにくいと思います。それでも、力を入れるのは希少がんじゃなくて、難治がんだけ力を入れるのだとか、個別化診断のところだけ10年は力を入れるとか、そういう説明があるなら良いですが、今までの有識者での提案を見ると決してそうじゃなくて、一人ひとりに最適な診断技術の開発もみんな意見を言っているし、一人ひとりに最適な治療法のこともちゃんと言っているし、希少がんのことも言っているし、難治がんのことも言っているわけです。
 それなのに、その一部だけを項目に記載するという形になると、むしろ国民にとっては分かりにくくなるかなと。項目立てをあまりにも単純化するのはどうなのかなというのが私の印象です。
 以上です。
○中釜座長 貴重な御意見ありがとうございます。
 そのほかに、今の谷島構成員からの御指摘に関して、何か御発言ございますか。
 野田参考人、お願いいたします。
○野田参考人 今の石岡構成員の御意見で、少し話が広がってしまいましたけれども、さっきの中釜座長がまとめた、2つは1つでもいいということが無理な理由が、希少がん及び難治性がんのところにあったと思うのですね。割と根本的に違うものを、前回は分けていたのに、今回はここで項目を一緒にしたという、その点を、僕もちょっと厚労省側にお聞きしたいなと1つ思うのです。
 例えばこれは引出しと考えられますから、2つあったものを1つにしたのは、ここに入れるべき記載の量をこの程度でいいやと考えているのか。それから、項目があまり多くなると、4という場所が重くなってしまうから、それぞれの大項目の重さを意識して、これを3項目にしたのか。その辺の意識を教えていただければなと思います。すみません。
○中釜座長 今の御指摘に関して、事務局、お願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。御指摘、御質問いただき、ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいた4ポツの中の中項目の記載でございますが、第4期がん対策推進基本計画の中で「分野別施策と個別目標」の整理を行っている中の、がん医療の提供に関する中項目として、まとめ方が「希少がん及び難治性がん対策」と「小児がん及びAYA世代のがん対策」と「高齢者のがん対策」という括りになっていたのと並べているという構造でございます。
 おっしゃっていただいたとおり、この中にもさらに区分された小さい引出しが入り得ると思いますので、そこで交通整理するべき事項なのか、そもそも大きな枠を整理するべきなのかといった御意見はあろうかと思いますが、事務局としては、第4期のがん対策推進基本計画の区分と同様の考え方で整理していますというお答えになろうかと思います。
 以上でございます。
○野田参考人 そういう理由でということであれば納得しました。分かりました。
○中釜座長 ほかにこの点に関して御意見ございますか。
 中村構成員、お願いいたします。
○中村構成員 ありがとうございます。
 この項目立ては、第5回目の10か年計画になるわけですからか、患者さんに寄り添った形の項目立てというのは非常にいいと思います。
 先ほどから議論になっている2-2の「がんの難治性の本態を」というところですけれども、私はこれを見て、再発したがんというのは全部難治性のがんになるので、あるいは薬剤の抵抗性を示すと難治性のがんになるので、そういう治りにくいがんを全て含めて、この項目の2-2だと理解していたのですけれども、そこは難治性のがんとか希少がんとは意図が違って、私はいい書き方で、全部を含めるという意味で、なかなか考えた項目立てだと思っていたので、これはこれでいいのではないかと思います。
 5の部分ですけれども、先ほど古関先生が言われたように、データベースと書いてありますけれども、いろいろな組織をどう確保していくのかは、研究の広がりを考えた上で非常に重要で、左側を見ると「細胞株やサンプルの利用」と書いてありますし、今、がんの全ゲノム解析の分野で実施組織の中にも組織を保存しておくという話が出ていますので、単にデータベースの整備だけではなくて、サンプルにアクセスできる体制づくりというのは大事なので、私は左の書き方のほうがいいと思いますので、ぜひサンプルへのアクセスの整備という項目を加えていただければと思います。
 もう一点、5番目の中に、人工知能という言葉が右の項目立てに出てこないのですけれども、今、生成AIとか、いろいろなAIが出てきて、個別化医療につながるAIもあるでしょうし、例えばたんぱく、たんぱくの相互作用を阻害するためのペプチド予測とか、診断から治療の分野でもAI技術というのは欠かせないので、5番の項目に立っていないというのはちょっと寂しい感じがしますので、これだけAIに注目が集まっている中で、5-2と3の間ぐらいに人工知能という一言を入れていただければと思います。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございます。最初のほうの御指摘に関しては、先ほど御指摘のデータベースと検体の利活用をうまくよい言葉でまとめて説明できるような、左側を反映したような表現が適切だと思いますので、事務局、よろしくお願いいたします。
 AIの文言の明示的な表示も重要なポイントだと思いますので、事務局、よろしくお願いします。
 御意見ありますか。
○原澤推進官 ありがとうございます。
 今いただいた中村構成員からの御意見は、直江構成員からいただいていた新規技術などといった横軸の話とも若干通ずるところがあろうかと思いますので、そういったところで項目の交通整理と全体の組み方の検討、御意見を踏まえてさせていただければと思います。
 以上でございます。
○中釜座長 よろしいでしょうか。
 続きまして、郡山参考人、お願いいたします。
○郡山参考人 ありがとうございます。
 質問であったりする部分もあるかもしれませんけれども、以前の分け方である8番の「がん対策の効果的な推進と評価に関する研究」と書かれている部分の、私としては、がん対策の効果的な評価に対する部分はどこに入ってくるのか。5番に入ってくるのかどうなのかというところをちょっと確認したいという点と。
 これはどうしても新しい効果的な評価の手法の開発というのが必要になってくると思います。単に新しいバイオマーカーというだけではなくて、例えば現実のデータで入手できるデータには限界がある。でも、これを何とかして評価に使うための、例えば統計学的な手法の開発であったり、そういった部分も重要になってくると思いますので、それは実際にどの辺りに入れるおつもりなのか。ぜひ入れてほしいということです。
 以上になります。
○中釜座長 ありがとうございます。
 重要な御指摘と思います。事務局、お願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。御指摘いただき、ありがとうございます。
 前回のがん研究10か年戦略の中で、7ポツの「サバイバーシップを実現する社会の構築をめざした研究」と8ポツの「がん対策の効果的な推進」、今おっしゃっていただいた評価という前段の部分とがオーバーラップする部分が一定あって、項目として整理しにくい部分があるといった御意見があったことを踏まえて、今回は、一旦、各柱に入れ込む形で、「がんの予防」「がんの診断・治療」「がんとの共生」のところに「政策的な課題解決」というパートを入れているという構図になっています。
 一方で、おっしゃっていただいたようながん対策の評価についてのところは、各個別項目に入ってくるというよりは、横断的な要素があるのではないかというような御指摘だったかと思いますので、その点を踏まえて項目の整理等をちょっと検討させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○中釜座長 よろしいでしょうか。
 その際に私から質問ですけれども、現在は各項目に「政策的な課題解決」という項目を入れているのですけれども、これを横断的なというところで、例えば5番に入れるのか、別立てにするのかという点についてはどうですか。
○原澤推進官 ありがとうございます。
 今のお二方からの御指摘を踏まえると、5の中の項目に1つ据えるのか、もしくはまた別立てで入れるという整理もあり得るかと思います。そこについては、項目が多くなるとどうしても散乱というか、発散してしまう部分があろうかと思いますので、全体のバランスを見て御相談させていただければと思います。
 以上でございます。
○中釜座長 今の回答でよろしいでしょうか。検討させていただきたいと思います。
 続きまして、阿久津構成員、お願いいたします。
○阿久津構成員 ありがとうございます。
 3番の「「がんとの共生」に資する研究」の項目が2つしかないというところが、見た目的にどうなのだろうか、分かりやすさも含めてどうかなというところです。その意味ですけれども、先ほどから谷島構成員も私も申し上げていたところではあるのですけれども、例えばがん患者と家族の健康増進と心理的問題に資する研究というものが政策的な課題に入るかと言われると、多分そうではないのではないかなと思います。
 あとは、その前の段階にありました、患者さんに優しいとかQOLに即した治療みたいなものだったり、働く世代の両立支援とか、最初にお話しさせていただいた経済的な属性の部分というものが、今の項目立ての中で、大きなものであるがゆえに特出しされて見えないというのはどうなのかなという気がしておりますので、できれば「「がんとの共生」に資する研究」の「相談支援・情報提供」のほかに、もう一つ特出ししたような形の項目で入れていただいて、見える形にしていただいたほうが、より働く世代も含めた、がん患者さんは、小児がん、AYA世代、高齢者、希少がん以外にも、ボリュームゾーンとして人数がいらっしゃるので、そういった方々の支援の研究もきちんとしていますよというふうに見えるのではなかろうかと感じましたので、御意見として申し上げたいと思います。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。
 御指摘のように、「がんとの共生」のサバイバーシップ研究の多様性を考えると、もう1項目あってもよいのではないかという御指摘だと思いました。ありがとうございました。
 事務局、何かありますか。
○原澤推進官 御指摘いただき、ありがとうございます。もしお知恵があれば貸していただきたいという趣旨ですが、おっしゃっていただいた相談支援や情報提供について、対象者をがん患者本人に限っているわけではないという認識で、ここに御家族への支援等も当然入り得ると思っていますと。それを、あえて対象者を切り出すような形で特出しして、もう1項目立てるのがよいのか、それとも、おっしゃっていただいたような両立支援とか経済的に関する何かですとか、そういった観点での別項目を立てるのがよいかという選択肢があろうかと思いますが、阿久津構成員のイメージとして、例えばこういうものがいいのではないかみたいなものがもしあれば、いただけたらと思いますが、いかがでございましょうか。
○阿久津構成員 どうもありがとうございます。
 私的には、両立支援という言葉が入ってきたほうが、より分かりよいのかなと感じております。非正規雇用や正規雇用、皆さん、それぞれ家庭の環境とかもあると思うのですけれども、がんと共生して、がんと働く、がんと生き続けるという点では、その部分を大きく特出ししたような形にしていただいたような研究がされるということが、私個人、ボリュームゾーンの人間としてですけれども、ありがたいかなという感じで思っております。
○中釜座長 分かりました。対象を限定しないで、広くそういう文言を入れるということですね。事務局、よろしくお願いいたします。
 それでは、ほかに。
 黒瀨構成員、お願いします。
○黒瀨構成員 まず最初に、遅参しまして申し訳ございませんでした。途中からの参加なので、重複する部分もあるかと思いますけれども、一応、簡単に意見を申し述べたいと思います。
 まず、1番の「「がんの予防」に関する研究」のところで、1-1、1-2、共に1次予防の推進、2次予防の推進というのは分かるのですけれども、そこにあえてわざわざ「リスク層別化に基づく」とか「高リスク層の同定」とか「発症リスク」という、そこを限ってしまうような表現というのは、この研究の幅を広く取るためには、むしろ違う表現にしたほうがいいのではないかなと感じています。
 2-1の「一人ひとりに最適な治療の実現を目指した診断技術の開発」という言葉がありますけれども、一人ひとりに最適な治療の実現を目指すということと、それが必ずしも診断技術の開発とはイコールではない、結びつくわけではないと思いますので、診断技術の開発は診断技術の開発としてしっかり進めていくのと同時に、一人ひとりに最適な治療の実現も目指すということで、ここも分けて考えていただいたほうがよろしいのかなと思いました。
 あと、先ほど中村先生のほうからも御指摘あったように、AIという言葉は5番のどこかに入れていただけると、これからのAI技術の進歩に関して、我々も臨床的にどう応用していくのかといった点で、しっかりとそこに項目立てとして入れていただければと思います。
 もう一点、議論にあったかどうか、ちょっと分からないのですけれども、例えば検診やドックなども、その方その方の裕福さだとか、そういったことによって受診機会がかなり変わってしまう、あるいは地域によっても違う。そういった個人の格差、地域の格差等ががんの診断から治療あるいは共生の部分にも大きく影響してくるということを考えると、そういった社会的な課題の解決という部分もどこかに入っているのかなと、ちょっと分かりづらいところがあるので、5番の中に社会的な課題、その中でも特に格差の問題といったものを入れていただけるといいのではないかなと感じました。
 以上です。
○中釜座長 今の御指摘について事務局。
○原澤推進官 事務局でございます。御指摘いただき、ありがとうございます。
 1点目の「がんの予防」に関するところについては、先ほど野田参考人にもいただいたコメントと通ずるところもあろうかと思いますし、2点目の診断・治療に関する研究については、石岡構成員からいただいていた御指摘にも通ずるところがあろうかと思いますので、皆さんからの御指摘も踏まえつつ、項目の整理をさせていただけたらと思います。
 事務局からは、一旦以上でございます。
○中釜座長 最後の社会的な要因の解決は、政策的な部分のがん対策上の課題というところで読めるのかなと理解しますが、黒瀨構成員、そういう理解でよろしいですか。
○黒瀨構成員 ありがとうございます。
○中釜座長 続きまして、谷島構成員、お願いいたします。
○谷島構成員 相乗りで申し訳ないのですが、先ほど黒瀨構成員がおっしゃっておられた格差研究は、私もぜひ入れていただきたいと思っています。
 もう一点、これも阿久津構成員がおっしゃっておられたこととかなり重複します。私も「がんとの共生」の部分、特に充実したサバイバーシップに関して入れる部分が、この枠の中にはなかなかないなと感じています。だから、心理社会的課題に対して取り組んでいくべきというところを、この中でも見せていただきたいなと思っています。ここは、市場原理に任せておくと、どうしても取り残されていく部分だと思うので、誰一人取り残さないという意味でも、この項目の中に、例えばAYA世代であれば、就労だけじゃなくて就学なんかもいろいろ入ってくると思いますので、大枠を入れるようなところ、例えば「充実したサバイバーシップを実現する社会の実現」みたいな項目を「「がんとの共生」に資する研究」の部分に入れていただければと思います。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございます。
 事務局、よろしいでしょうか。御対応いただければと思います。
 続きまして、宮園参考人、お願いいたします。
○宮園参考人 宮園です。私も少し遅れて参りましたので、これまで既に話が出たかもしれませんけれども、今回の新しい令和6年4月からの戦略につきまして、非常にきれいにまとめていただいて、ありがとうございます。
 1から4と、それから5ポツの「基盤整備等」というのが、前の場合には「横断的事項」になっていまして、ある意味では1から4、全てに関わることかなと思いますので、「基盤整備」がいいのか、「横断的事項」のほうがいいのかなと思いながら聞いておりまして、それは皆様のこれまで議論があったかもしれませんが、また御検討をお願いしたいのと。
 それから、がんの本態解明等を入れていただきまして、今後もがんの基礎研究、本態解明は極めて重要ですので、ここに入れていただいたということで、大変ありがたいのですが、前の「横断的事項」の中でシーズ探索というのがありまして、シーズ探索とがんの本態解明は、明らかに2つの言葉が必要だと思いますので、5-1にシーズ探索という言葉を入れていただくか、可能であれば5-1に続けてシーズ探索という言葉も入れていただければと思います。本態解明があってシーズ探索がありますし、またいろいろな情報があって、がんの本態解明に戻るということもありますので、その点の御検討をよろしくお願いできればと思います。
 私からは以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございます。同様の御指摘を野田参考人からもいただきました。横断的な取組事項という形で整理し、シーズ探索の重要性、本態解明に基づいたシーズ探索から開発研究を文言として取り扱うべきだという御指摘がありましたので、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
 ほかに御意見ございますか。よろしいでしょうか。
 本日の段階では、事務局からの素案という形でのたたき台の項目について、構成員や参考人の先生方からいろいろな御意見いただきましたので、その辺を踏まえて修正させていただきたいと思います。事務局、よろしくお願いいたします。
 もう少しお時間がありますので、議題1、2の全体を通して、何か追加での御発言、御意見ございますでしょうか。
 それでは、佐谷構成員、お願いいたします。
○佐谷構成員 ありがとうございます。
 最初の資料1のほうですけれども、11ページの「シーズ探索」のところですが、現状から見て、10年後、シーズ探索をするだけが研究の任務ではなく、今の欧米の趨勢を見ていても9割方がアカデミアからスタートアップによって薬剤、アプリ、医療機器が開発されてきている時代ですので、我が国でもがんに関与するシーズは、探索の後の開発はアカデミア、あるいはアカデミアからでき上がったスタートアップに現場が移るのではないかと思っております。
 ですので、それをシーズ探索の2つ目のポツの中に、例えばスタートアップとかアントレプレナーつまり起業して実装化していくという言葉をどこかに入れておいて、それの予算の重点化を図るというのが重要じゃないかなと思いました。ここでは抗がん剤ということに限られていますが、本当は抗がん剤だけではなくて、医療機器とかアプリなどもシーズの重要なものでありまして、探索で終わらずその開発と実用化も研究の重要な要素になってくるのではないかと思いましたので、少し再考いただければと考えました。
 以上でございます。
○中釜座長 ありがとうございました。シーズ探索から開発への流れというのは、先ほど野田参考人からも御指摘ありましたので、その辺りに、スタートアップという文言も含めて御検討いただきます。
 関連して野田参考人ですか。
○野田参考人 今の佐谷先生のお話は、まさにそうだと思うのですけれども、まず1つは、そのためにも、そういう部分まで強化するということを明記するためにも、5のところで、今、言ったシーズの探索と、そして、その後のあるべき研究開発を、もう一つの小項目、5-2の項目にしていただければありがたいなと思います。そのとき、言葉の問題ですけれども、佐谷先生は開発という言葉を使いましたが、開発と書くと出口の意識が強くなります。つまり診断法の開発だったり、機器の開発だったりになり、シーズ探索と距離ができてしまいます。そのため、できればそこは「シーズ探索・シーズ育成におけるシステム構築」とか、そういう形で書いていただけると、今の佐谷先生の言っている領域を広くカバーできると考えます。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。事務局、よろしくお願いいたします。
 続きまして、郡山参考人、お願いします。
○郡山参考人 ありがとうございます。
 私も資料1のほうに戻っていただきまして、(6)です。これまで私自身としても意見を出していない中で、先ほど上がってきた社会的な要因あるいは社会・経済的な要因という視点が、今までここのがん予防のところでも、そういえば抜けていたなということに気がつきまして、これは予防に関しても健康格差の一番最初の部分になってくると思いますので、そういった研究というのもますます重要になってくるのではないかなと思います。特に健康日本21の中間評価が発表されましたけれども、健康格差については変わっていないという評価でありましたので、そういうことも考えると、いろいろな社会的・経済的要因というところも、今後もますます引き続き研究の対象として含めていくべきではないかなと思っております。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。事務局、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
 ほかに、石岡構成員から。
○石岡構成員 先ほどの佐谷構成員と野田参考人の御発言にも関係が少しございます。資料1には、各項目に研究と企業との連携に関する記載がところどころ見受けられますが、本日は今後のがん研究のあり方に関する議論ですので、私はこの基盤整備のところに企業の参画をもう少し前面に出したほうが良いのではないかと思います。申し上げるまでもなく、このがんの研究以外にも、医学領域は産学連携というのがこの20年、ずっと言われ続けておりますし、昨今、議論されている卓越大学でも、企業が大学に入って新規のビジネスモデルで新しい領域を開拓し、世界に伍す日本を確立していくかという時代です。
 ですので、今後のがん研究のあり方の中にも、例えば新しい項目の5の「基盤整備等」の中の5-3には「患者・市民参画」と書いてありますので、私はそこにあえて「企業参画」ということを項目立てで入れるのがいいのではないかという気がします。
 以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。
 事務局、御検討をよろしくお願いいたします。
 続きまして、土岐構成員、お願いします。
○土岐構成員 すみません、遅れて来て、今さらの質問になるかもしれないのですけれども、この案を見たときに、基本計画に準じた構成になっているのですけれども、なぜそうしたのか。逆に言えば、以前のものはなぜそうではなかったのか。それをまず教えていただきたいと思います。
 私、個人的には、前の一番トップに「がんの本態解明に関する研究」があるというのは、すごくいいなと思っていたのですけれども、今回、後ろのほうに行ってしまって、基礎研究の場所がちょっとどうかなという気がします。研究というと、国民はライフサイエンスに近いものを期待しているのかなという気もしたので、どうしてこういう順番になったのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。
○中釜座長 今の御質問、2点について事務局からお願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。御質問いただき、ありがとうございます。
 事務局として、今回「具体的研究事項」の整理に当たって、がん対策推進基本計画第4期ができ上がって間もないというところもございまして、その基本計画との関係性を明示することによって、国民の皆様を含めて、より分かりやすい構成になるのではないかということも含めて、こんな形で一旦整理しているというところと。
 おっしゃっていただいた本態解明について、研究の中で重要な位置づけであることは論をまたないところだと思いますので、5ポツでは横断的事項とは書いてございませんが、基盤の整備の1丁目というところで「本態解明」というところを位置づけて御提案いたしたところでございます。これまでの御議論の中で、この5ポツについては「横断的事項」という形で、前回の10か年戦略で言えば「各柱にまたがる「横断的事項」というところと同じような整理がよいのではないかという御意見ですとか、その中で「本態解明」というところとシーズ探索、育成といったところを目指していくべきではないかといった御意見、頂戴しております。
 ですので、一旦、政策に沿った整理、プラス「横断的な事項」の交通整理という形で整えさせていただけたらと事務局としては考えているところでございます。追加でまた御指摘、御質問があればいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○土岐構成員 結構です。逆に言うと、10年前にも基本計画はあったわけですけれども、なぜそれとは違った項目立てになったのかというのは、それは昔のことなので経緯が分からないかもしれませんけれども、どうしてなのでしょうか。
○中釜座長 お願いします。
○原澤推進官 事務局でございました。おっしゃった御指摘については、よく分かりました。
 平成26年4月にこのがん研究10か年戦略というものができていますが、そのときは第2期のがん対策推進基本計画になっていて、必ずしも現在の第3期、第4期のときのような構造の整理になっていなかったという点と。当時は、がん研究10か年戦略の議論と、もしかしたら並行してという形かもしれませんが、加速化プランの議論なども生じていたかと思いますので、恐らく独立して整理されているところかと思います。なので、改めてがん研究10か年戦略に相当する今後の戦略を練っていくという今の段階で、ある程度構造化されたがん対策推進基本計画が先に定まっているというのは、ある種初めての状態というところなので、そこで一旦、交通整理してみてはいかがかという提案だと御理解いただければと思います。
 以上でございます。
○中釜座長 今の回答でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 ほか、よろしいですか。まだ時間がありますので、本日、御出席いただいて、まだ御発言いただいていない先生方に一言お願いしたいと思いますが、まず末松構成員、何か御発言いただけますでしょうか。
○末松構成員 どうもありがとうございます。
 まとめていただいた内容の中で、ひょっとしたら入っていないのかなというのが、研究の効果的な推進を行うために、研究課題をどうやって選ぶのかというところが、何かもうちょっと御意見があってもよかったのではないかなと思っています。具体的にどういうことかというと、これはAMEDにおりましたときにも力不足で全く十分にできなかったところなのですけれども、ピアレビューの仕組みに外国のレフリーをどんどん入れてきたりとか、提案書そのものを英語で対応するとか、そういった工夫というのが、恐らく今のAMEDではほとんどやられていないか、むしろ退行しているのではないかと考えています。
 厚労省の研究費をどうするかということにもし特化しているのであれば、いろいろお考えはあるかもしれませんけれども、外国の例を見ても、コンフリクト・オブ・インタレストを避けるために外国のレフリーを入れてスコアリングしていくということは、全く当たり前のカルチャーになっているわけなので、そういった研究の審査のあり方についても、どこかで触れてよかったのではないかなと考えています。
 私のほうからは以上です。
○中釜座長 御指摘ありがとうございます。
 今の点について、いかがでしょうか。文書編にするときに、今ご指摘の研究の評価のあり方として、国際的な視点でのピアレビュー体制などを書き込むのも1つの案かなと、御指摘をお聞きして思いました。
 事務局、いかがでしょうか。
○原澤推進官 事務局といたしましても、5ポツに書いている「基盤整備」のところは、必ずしも個別の課題として立つものではなく、例えば患者市民参画や人材育成なども、そういった研究を実施するに当たって留意していただくべき事項といった要素も含んでいると思いますので、そういった要素の中で交通整理を一旦させていただいて、項目として芽出しするべきか、その要素としてしっかり書き込むものとすればよいのかといったところで、また御相談させていただければと思います。
 以上でございます。
○中釜座長 御指摘ありがとうございました。よろしいでしょうか。
 続きまして、西川参考人、いらっしゃいますか。一言いただければと思います。
○西川参考人 ありがとうございます。
 私は、この新しい10か年戦略を拝見したとき、非常に分かりやすいなと思いました。予防から診断・治療、そして共生という項目があり、それぞれに適切な項目が入っているのではないかなと思いました。
 一方で、横断的な分野が必要というのも事実だと思いますので、それをどういうふうに入れ込むかということになると思います。それが5というところになってくるのかなと思いましたが、それぞれの項目で少し議論にありましたとおり、まだ過不足があるのかなと思いましたので、そこを追加していけば、いい形になるのかなと思いました。
 基盤整備のところでは、今、がんゲノムの研究が主に進んでいますが、他の研究分野も進んできていることから、横断的な研究というのが膨らんできていると思います。私の分野であれば、免疫研究というのは、中村先生がおっしゃっていただいたとおり、がんワクチンというのが一つの重要な項目ではありますが、それ以外にも、がん細胞の特性と言ったような大きく腫瘍の免疫環境に影響することが分かってきています。よって、そういったゲノムと免疫という横断的な研究でも幅広く研究が進むような形の施策があるといいのではないかなと思いました。
 以上です。どうもありがとうございます。
○中釜座長 御意見ありがとうございました。事務局、よろしくお願いいたします。
 続きまして、間野参考人、一言お願いできますでしょうか。
○間野参考人 ありがとうございます。
 2点ありまして、1つは、佐谷構成員がおっしゃったように、シーズの育成だけではなくて、それを創薬に持っていくところの記載があるべきだと思いますので、野田参考人がおっしゃったように、シーズ育成という形でもいいと思いますけれども、その言葉があったほうがいいかと思いました。
 あと1点、できれば加えていただきたいのが、データの利活用というのは極めて大事なのですけれども、それには制度の整備というのも大事で、例えば海外の企業にデータを提供する際に個人情報保護法が少し障害になるようなところもあります。ですので、例えば利活用を念頭に置いたデータベースの整備というところを、先ほどバイオバンクも入れたほうがいいのではないかという言葉もありましたから、例えば検体バンク、データベースの整備と利活用の推進という形で、その利活用の推進というところに制度の検討なども含めて進めていくという形を入れ込むことができるのではないかと思います。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございます。今の御指摘の最後の点も、文書編のときにどのように書き込むか、この項目を入れるか、両方書くか、その辺りを検討いただければと思いました。ありがとうございます。
 それでは、福田参考人、一言いただけますでしょうか。
○福田参考人 福田でございます。すみません、参加が遅くなりまして、申し訳ございません。
 私も拝見させていただいて、基本的に新しい枠組み、10か年戦略の項目立てについては異存がないところであります。特に、予防とか診断・治療、共生という、私としては比較的すっきりした形の整理になっているのではないかと拝見いたしました。
 あと、それぞれの段階について、その他の政策的な課題解決という形で入れていただいていますけれども、まず研究開発は重要でありますけれども、最終的にはそれを公的な医療保険制度等の下で実践していくのが重要だと考えておりますので、その辺りのものまで含めて研究対象にしていくのだという方針と理解いたしておりますので、私はこの方針で賛成でございます。
 以上です。
○中釜座長 ありがとうございました。
 それでは、本日、御参加いただいている全ての構成員、参考人から御意見をいただきましたが、改めてまた何か一言ございましたら。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。それでは、本日いただいた御意見を参照させていただきながら、事務局のほうで改定を検討いただきたいと思います。
 本日の議事はここまでとさせていただきたいと思います。最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
○原澤推進官 事務局でございます。本日も活発な御議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日いただきました御意見につきまして、座長と御相談の上で事務局のほうでまとめさせていただき、次回の本有識者会議の取りまとめの素案という形でお示しできればと考えてございます。御意見の趣旨確認等で、また構成員、参考人の先生方に個別に御連絡等、さしあげる場合もあろうかと思いますが、その際は御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。
 次回の日程につきましては、追って別途、御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日は以上とさせていただきます。
○石岡構成員 事務局に質問があるのですが、宜しいですか。
 参考資料2に今後のスケジュールが書いてありますが、質問は、ほかの政策と同じようにパブリックコメントを実施するのかどうかというのが1点。
 もう1点は、例えば次の10年を担うがん研究者がかなり多く所属している日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会とか、それ以外の関連学会といったところにある段階でコメントを求める計画はございませんか。
○中釜座長 今の御指摘、いかがでしょうか。
○原澤推進官 事務局でございます。
 まず、1点目につきましては、この取りまとめはあくまで本有識者会議における取りまとめという整理でございますので、おっしゃっていただいたパブリックコメントのプロセスについては、当座、想定しておりませんでしたというのがお答えになろうかと思います。
 すみません、後段の趣旨を私が捉え切れなかったところでございますが、どういった御趣旨になるか、いま一度いただけますか。
○石岡構成員 有識者が意見を求められていて意見を申し上げて、あとはそちらで最終的に組み立てていくのだと思いますけれども、どこかの段階でもう少し幅広い研究者の意見を聴く機会が、それはパブリックコメントと同時でも良いのかもしれませんが、そういう機会があるのかなと思ったものですから質問しました。パブリックコメントというのは、この私たちの有識者会議以降に予定されているということですか。
○原澤推進官 事務局でございます。御質問、御指摘の趣旨が大変よく分かりました。ありがとうございます。
 現時点において、この後のプロセスについて明確に定めがあるわけではございませんので、今、いただいた御意見も踏まえて、事務局のほうで検討させていただければと思います。
 以上でございます。
○石岡構成員 ぜひ必要だと思いますので、よろしくお願いします。
○中釜座長 そのほか御発言ございますか。よろしいですか。
 では、本日の会議は以上とさせていただきます。どうもありがとうございました。

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健康局がん・疾病対策課

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