第149回先進医療技術審査部会 議事録

日時

令和5年6月15日(木)16:00~18:00

場所

東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンス「Room A」(オンライン)

出席者

竹内座長、天野構成員、一家構成員、伊藤構成員、上村(尚)構成員、上村(夕)構成員、
掛江構成員、後藤構成員、坂井構成員、真田構成員、戸高構成員、飛田構成員、平川構成員、
平田構成員、松山構成員、山本構成員、渡辺構成員

(事務局)
医政局研究開発政策課長
医政局研究開発政策課 治験推進室長
医政局研究開発政策課 課長補佐
医政局研究開発政策課 治験推進室長補佐
保険局医療課 先進・再生医療開発戦略専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 審査調整官

議題

  1. 1.総括報告書の評価について
  2. 2.試験実施計画の変更について
  3. 3.協力医療機関の追加について
  4. 4.その他

議事

議事内容
○竹内座長
 定刻となりましたので、第149回先進医療技術審査部会を始めさせていただきます。御多用の中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日はオンラインでの開催となります。本日の出欠状況でございますが、北川雄光座長代理より御欠席の連絡を頂いております。また、後藤先生、山本先生、渡辺先生におかれましては、これから入室されるだろうというように思いますので、現在のところ18名の構成員のうち14名の構成員の先生方にお集まりいただいているということでございまして、本会議は成立しているということを申し添えたいというように思います。
 早速、本日の配布資料と審査案件の確認を事務局からお願いいたします。
(後藤構成員、渡辺構成員 入室)
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局です。よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 配布資料について確認させていただきます。議事次第から座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。続いて、総括報告書の評価について資料1-1~資料1-3、試験実施計画の変更について資料2と資料3、先進医療Bの協力医療機関の追加について資料4-1と資料4-2、会議資料の最終ページは54ページとなります。お手元の資料に乱丁、落丁等がございましたら事務局までお知らせください。
 続いて、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、告示番号旧8の技術、公立大学法人横浜市立大学附属病院からの総括報告に関して、山本構成員におかれましては自施設からの申請ということで、審議の際には一時御退席いただければと存じます。事前の届出以外に、もし何らかの利益相反がございましたら、この場で御報告をお願いいたします。
 該当なしということで承知いたしました。また、今回は資料を事前にメールでお送りしております。会議資料と区別して、構成員・事務局限りの届出書類等をタブレット資料と御案内します。なお、会議資料とタブレット資料の内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ若しくはタブレット資料の何ページと、あらかじめ御発言を頂けますと議事の進行上助かります。
 本日はオンラインでの開催となり、構成員の先生方には大変御不便をお掛けいたします。御発言いただく際には、はじめにお名前をおっしゃっていただくようお願いいたします。そのほか、途中で接続トラブル等がございましたらお知らせいただきますようお願いいたします。また、Web会議ソフトには「手上げ機能」が付いておりますので、こちらも適宜御活用いただければと存じます。以上です。
○竹内座長 
それでは、議事に入ります。まず、総括報告書の評価結果について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料1-1の15ページを御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する御評価を頂くのは、告示番号旧8「LDLアフェレシス療法」です。申請医療機関は公立大学法人横浜市立大学附属病院です。審査担当構成員は主担当が戸高構成員、副担当が上村夕香理構成員となっております。山本先生はまだ入られておりませんので、このまま審議を進めさせていただきます。
 資料に沿って御説明いたします。下肢閉塞性動脈硬化症は、下肢の動脈が動脈硬化により狭窄・閉塞し、間欠性跛行、安静時疼痛、潰瘍を呈し、生命予後不良であるとともに、患者のQOLを著しく損ねる疾患であり、世界で2億人以上が罹患しているとされ、増加の一途をたどっている。標準的治療は、動脈硬化リスクファクターの是正、血管内治療・血管外科的治療による血行再建等であるが、血管内治療技術が進歩した今日でも一部の症例では治療抵抗性を示し、下肢切断術に至る。本研究では、内服治療等により血中総コレステロール値220 mg/dL以下、かつLDLコレステロール値140 mg/dL以下の正コレステロール血症を呈している標準治療抵抗性閉塞性動脈硬化症の者を対象として、LDLアフェレシス療法を施行する治療法の効果について検討を行う。
 本技術でのデキストラン硫酸カラム吸着法によるLDLアフェレシス療法の治療手技そのものは、高コレステロール血症を呈する場合に保険適応下にて行われる従来法と同様である。すなわち、週1日若しくは2日の頻度で本療法を施行し、1回目開始から3か月以内に1クール10回のスケジュールで施行するものとする。
 共主要評価項目は、1)ABI(Ankle Brachial Pressure Index 足関節上腕血圧比)の変化、2)VascuQOL(疾患特異的なQOL評価)の変化となっております。
 副次評価項目は、臨床的検査、理学的検査、下肢・足趾切断術の有無、Fontaine分類の変化となっております。
 安全性評価項目は、プロトコル治療期間及びプロトコル治療終了/中止1か月後(+7日)までに発生した有害事象における事象名、重症度(CTCAE4.0版に準じたプロトコル上の重症度分類)、因果関係、最悪グレード・最悪日となっております。目標症例数は35例で、登録症例数が32例でした。以上です。
○竹内座長
 それでは、本技術の評価について主担当の戸高構成員から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○戸高構成員
 16ページの有効性の評価の所から御覧ください。本試験は並行群間の試験ではございません。単施設、単群での前後比較になります。かつ30例という比較的少数、頑張って入れておられるとは思うのですが、最初に結論めいたことを書いておりますが、治療後の欠測というのが主要評価項目に生じております。それのバイアスのことを考えると、有効性について評価はできないであろうというのが私の結論でございますので、その他のEにしております。
 治療前後における客観的有効性指標ABIの差というのがco-primary endpointの1つなのですが、統計的に有意ではあったのですが、その差の平均値は0.05という非常に小さな値です。一般的に臨床的に意義のある最小変化というのは0.1以上といわれていることが多いです。ここもコモンセンスと言われると、そうではないといわれる先生もおられると思いますが、ほとんどの認識は0.1以上というように思います。ガイドラインにも同じような表記があります。
 それから、問題なのは試験開始時のFAS30例と書いてあるのですが、試験開始時に1例は既にABIが測れず29例でした。その29例のうち4例が治療後の1か月後に測れなかったということで解析から省かれています。そのうちの3例がABIの脈信号が小さいことによる測定不能とあります。これが何を示唆するかというと、通常は、非常に狭窄が悪くなったといったことによって、脈信号が小さくなったということをまず疑います。そうではない場合ももちろんあるとは思いますが、その懸念が非常に大きいというように思います。なので、残った前後比較できるような症例について測ると過大評価になるのではないかという懸念を強く持ちます。ちなみに、3か月後までこの治験は見るのですが、そのうちの1例は、1か月後に測れなかったという事実の後に死亡して脱落しています。
 もう1つのco-primaryは主観的評価であり、QOLを患者さんが記入したものになります。これは単群オープン試験ですので、これの意義がどのくらいあるのかというのはもともとありますが、差の平均が0.9ということでした。東北大の山口先生が日本語版VascuQOLの論文を出しておられまして、保存的治療でも0.4ぐらい動くといった記載もありますので、この0.9がそんなに大きいものではないということが類推できます。こちらのほうについても2例で欠測があります。全身状態不良で患者さんが記入できなかったというので、30例の試験において、こういった後ろのほうで欠測が生じるということは大きなバイアスになっているのではないかと懸念します。co-primaryのことに関しては、後で上村先生に補足いただきますが統計的には成立しているということではあります。
 それから、抗血小板薬投与状況です。基本的に前後比較で、1か月の間にほかの治療を変えてもらうと、一体何を見ているのか分からなくなるので、原則変えないはずのこの治療法が結構変えられています。30例のうち11例で何らかの変更がされて、1例は新規開始、1例で薬剤変更、6例で投与量を変更をされています。
 最後の所ですが、副次評価項目はざっと8つぐらい、主要なものを並べさせていただきましたが、概して小さな変化か有意な変化を認めなかったという結果が多いです。幾つか潰瘍の大きさや疼痛といったものには有意なものがあったのですが、概して一定しないという結論に臨床的にはなるのではないかと思います。安全性については、ある程度確立した技術で、LDLの高い方では保険適用になっているので余り問題はないと思いますが、この閉塞性動脈硬化症の方々というのは、重症度にもよりますが、最初の背景の所で御説明があったように、非常に予後が悪い方の群で、いろいろなことが起こります。脳梗塞、心臓だったり、いろいろな血管の緊急症というのが起こります。それから、体外循環ですので、それによるカテーテル感染症、敗血症、この治験の際に実際に敗血症は起こっています。そういったことをちゃんと扱えるような所であれば、特に問題なくできるのではないかと思います。安全性については余り大きなものは本品、このカラムに特徴的なものは特になく、保守的に因果関係ありとしたものもありますが、特に問題になるものではないと思います。
 総合的なコメントとしては、横浜市立大の統計の先生が関わって設計されたと思うので、結構しっかり設計されたものではあるのですが、残念ながら、実施に当たって試験の質のコントロールがうまくいっていなかったのではないかというように思います。残念ながら無視できないバイアスが疑われ、本技術について有効性の判断は困難であるとさせていただきました。薬事のほうに資するかというと、それもちょっと難しいであろうというように書かせていただいております。私からの概略はこういった形です。
○竹内座長
 戸高先生、ありがとうございました。続いて、副担当の上村夕香理構成員から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○上村(夕)構成員
 上村です。どうぞよろしくお願いいたします。今、戸高構成員からお話がありましたとおり、本研究では共主要評価項目をABIとVascuQOLの2つを設定しております。co-primary endpointを設定しており、ABIに対して有意な結果が得られた場合にのみVascuQOLについても検討をするという形で事前計画に基づき、適切に多重性を考慮し有効性の評価が実施されております。その結果、それぞれの主要評価項目に対して統計的に有意な上昇というものが見られております。一方で、本試験は単群試験として実施され、従来の医療技術との比較というものはされておりません。また、戸高構成員からもお話がありましたとおり、客観的指標であるABIで得られた変化量は0.05と小さく、有意な変動を表す変化量0.1を超えていない結果となっております。
また、さらに治療開始時に測定されたFAS症例のうち、治療後に未測定であった症例が4例存在しております。うち3名の欠測理由が脈信号が小さいことによる測定不能でした。申請者に照会した結果、脈信号が小さいこととABI変化量との関連性については結論付けは難しいとの回答ではありましたが、脈信号が小さくなる原因としては、血圧が低い場合、ABIそのものが低下している場合などが考えられるというような回答もございましたので、ABIの改善が認められない傾向にある患者さんが選択的に欠測になっている可能性というものが否定できず、上記変化量も若干の過大評価されている可能性も考えられるかと思います。
また、欠測理由については、当初、総括報告書への詳細な記載はありませんでしたが、ほかにももろもろ、人数等の記載がなかったのですが、照会事項を経て、それらについては適切に御回答を頂いております。
以上より、本試験結果から得られる有効性については解釈の限界があり、従来の医療技術と比較した臨床的意義のある有効性の判断には限界があるというように考え、Eと判断するに至りました。
 次、安全性に関してですが、こちらについては、副作用を疑う重篤な有害事象については報告されておらず、手技に関連して特段の懸念を要するものはないと判断し、Bと判定しております。
 最後、技術的成熟度については、私のほうでは判断ができないため、主担当の評価に委ねたいと思います。以上になります。
○竹内座長
 ありがとうございました。上村構成員からの報告でした。これを踏まえて、主担当の戸高構成員から何か追加のコメント等はありますか。
○戸高構成員
 特別にはないです。すごく頑張って、30例を集めてやっていただいているとは確かに思うのですが、そもそものデザインの問題と執行に当たる品質管理の問題があるかなと思います。1つは、やっておられる先生方が血管の専門家ではなく、腎臓の透析側の専門家の先生ということもあって、当初は、影響を与える可能性の高い抗血小板剤の投与状況などが、総括報告書に全く記載がありませんでした。先ほどの数字というのも、統計解析報告書という所から拾ってきて、事務局からいろいろ問い合わせていただいて、ようやく今の形に落ち着いたという感じで、試験品質に若干難があるかなという気がいたします。結果的に、こういう形になってしまったのは残念と思います。
○竹内座長
 ありがとうございます。大変貴重なポイントを御指摘いただきました。様々な照会事項を介して最終的な評価としてこのようなコメントを頂戴したと、欠測例が無視できないぐらいある、その理由が、どうやら脈波検出不能であった例が欠測例になっているのではないか、あるいは、その治療期間中に抗血小板薬を中心とした薬剤の変更が行われていたかもしれないというような、大変重要な御指摘点を頂きました。
 ただいまの説明について何か、ほかの構成員から御質問等はありますか。まず、天野構成員からよろしくお願いいたします。
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。1点、質問なのですが、比較的多くの患者さんの症例で治療が変更されているという御説明があったのですが、何か、その理由みたいなものは、その辺から読み取ることとか、若しくは回答とかはあったのでしょうか。
○戸高構成員
 すみません。そこまで今回はちょっと時間がなくて、まだできていないところではあります。
○天野構成員
 分かりました。ありがとうございます。
○竹内座長
 そのほか、ないようでしたら、渡辺構成員からどうぞ。
○渡辺構成員
 日本医師会の渡辺でございます。御質問ではなくて、事務局へのお願いということなのですが、まず、この研究の設定とか様々な状況、コントロールを置かないという課題の評価は、戸高構成員の御意見に全く同意するところでございます。ただ、どうしてこういうような研究の申請が認定されたのかという経緯が分からなかったので、事前に事務局にお聞きしたところ、これは申請した際に、探索的研究ということで、有効性を検証するというよりも、判定項目の評価をするということで承認されたというような御説明がありました。もしそうであるならば、探索的な研究として承認されたということを、どこかに書いて、少なくとも、表紙とかに分かるようにしていただいたほうがよろしいのではなかと思いました。これを普通に読むと十分な準備をせずに様々な課題が残ったままの研究がされたように見えるけれども、もし探索的な研究で、予備研究としてなされたのであれば、そのように読むと、コントロールも置かないし、こういうような形の結果が出たというようなことが読み取れるので、評価の仕方が変わってくるのではないかと思うのです。その辺り事務局のほうへ、承認されたときの経緯が分かるような形で、この評価表のどこかに記載することは可能なのかどうかということをお聞きしたいと思うのですがいかがでしょうか。
○医政局研究開発政策課長補佐
 渡辺先生、貴重な御意見をありがとうございます。
確かに、おっしゃるとおり今回の総括報告書ないし資料について、本来の探索的目的の記載が十分伝わらなかったのではないかと考えております。今後参考にさせていただいて、これからの総括報告にいかしていきたいと思います。
○竹内座長
 よろしいでしょうか。私も全く同じ点を事務局に少し御相談申し上げたのですが、その審査時点でのロードマップというものを示されていて、そのロードマップでは、探索的な試験で、承認に向けては追加の試験が必要であるということが書かれているということで、それを見ると分かるというように御説明を頂きましたので、先生からの御指摘を踏まえて、この評価表のどこかに、その研究が計画されたときのロードマップを含めるなり何らかの記載を残して、これが探索的な研究として計画されたものであるということを書き留めておくとよいということかなというように思いました。ありがとうございます。
 そのほか、何か御指摘点、御質問、追加のものはありますか。よろしいですか、ありがとうございました。それでは、告示番号旧8については、ただいま御審議いただきました結果を取りまとめまして、先進医療会議に報告させていただきたいというように思います。
 続いて、試験実施計画の変更について事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局です。山本先生が待機室におられるようですので、今後の審議に加わっていただくようにいたします。
(山本構成員 入室)
 それでは、御説明いたします。資料2の41ページを御覧ください。国立研究開発法人国立成育医療研究センターからの申請で、告示番号63番、タクロリムス投与療法です。適応症は不妊症です。御審議いただく主な変更内容につきまして、42ページを御覧ください。主な変更内容として、1つ目が、除外基準の1つである慢性子宮内膜炎の診断の変更で、修正前が、10視野中2個以上のCD138陽性形質細胞の子宮内膜間質内への浸潤が認められるものだったのが、修正後は、10視野中5個以上のCD138陽性形質細胞の子宮内膜間質内への浸潤が認められるものとなります。
 2つ目はスクリーニング期間の変更で、修正前が、同意取得後、胚移植56日前から登録までの期間を指すというものだったのが、修正後は、同意取得後、胚移植84日前から登録までの期間を指すとなります。
3つ目が検査項目の修正で、ループスアンチコアグラント(APTT法)を検査項目より削除したとあります。
 変更申請する理由としまして、除外基準の1つである慢性子宮内膜炎の診断の変更については、CD138細胞での慢性子宮内膜炎の診断において学会の診断基準がないため、プロトコル作成時は最も厳しい条件を選んだ。研究開始後、現在までに13例に慢性子宮内膜炎のスクリーニングを行っているが、現在の除外基準で評価した場合、7名が陽性となり、除外された。変更後の除外基準とすれば、そのうちの4名が登録可能であった。今後も慢性子宮内膜炎のスクリーニングによる除外症例が多くみられる可能性が考えられ、文献や参加施設で実際治療の対象としている一般的な基準を参考にした基準値へ変更したとあります。
 スクリーニング期間の変更については、スクリーニングで行われる慢性子宮内膜炎の評価検査は、着床期に子宮内膜の採取を行うため、採取後、胚移植を行う前に、子宮内膜の再修復のために1周期が必要である。現在のプロトコルでは、スクリーニング結果取得から登録、胚移植までの期間が残り1周期であり、胚移植の機会は1回となっている。胚移植予定日に子宮内膜の状態が良好でなく、胚移植に適していなかった場合は、次の周期へ延期する必要性がある。また、スクリーニングの結果取得に時間がかかった場合に、胚移植のタイミングが許容範囲から外れてしまう可能性もある。したがって、スクリーニング結果を確認後に、2周期の胚移植の機会を確保することにより、より適切な条件での胚移植が可能となるとあります。
 検査項目の修正については、ループスアンチコアグラント(蛇毒法)と重複しており、患者の費用負担を軽減するために、ループスアンチコアグラント(APTT法)を削除したとあります。以上でございます。
○竹内座長
 ありがとうございました。ただいまの御説明に対しまして、御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。ただいまの3点の変更につきまして説明いただきました。それぞれ、一応、根拠のある説明理由が付されているかなと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、告示番号63番の変更につきまして認めることといたします。
 続きまして、次の試験実施計画の変更について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料3の45ページを御覧ください。東北大学病院からの申請で、告示番号66番、術前のゲムシタビン静脈内投与及びナブ―パクリタキセル静脈内投与の併用療法です。適応症は、切除が可能な膵臓がんです。御審議いただく主な変更内容につきまして、46ページを御覧ください。主な変更内容として、マル1説明文書の誤記の修正、マル2研究期間の変更、マル3その他の記載整備とあります。
 変更申請する理由としまして、マル1説明文書の誤記の修正の内容については、下の表のとおりで、本試験は臨床研究保険に加入しており、本試験に参加したことにより治療が必要で、事前に予測できなかった健康被害が発生した場合、医療費及び医療手当を支払うこととしておりますが、説明文書「12.補償について」の文書に誤記がありましたので、「別紙2:臨床試験に伴う健康被害に対する補償の概要について」の記載に合わせて修正いたしますとあります。
マル2研究期間の変更内容について、下の表のとおりで、研究実施計画書の臨床研究の開始予定日を実際の開始日に修正いたします。先進医療合同会議で本試験が承認された後に、薬剤提供者である大鵬薬品工業株式会社との契約締結に加え、補償保険、薬剤管理の手続等を行ったため、実際の登録開始日は2023年1月5日となりました。そのため、研究終了予定日を実際の登録開始日に合わせ、修正するため追記事項を記しましたとあります。
マル3その他の記載整備として、研究者情報の更新などの記載整備をいたしましたとあります。以上でございます。
○竹内座長
 ありがとうございました。御質問等はございますでしょうか。それでは渡辺構成員から。
○渡辺構成員
 渡辺でございます。この説明文書の誤記の修正という言葉が若干、気になりました。新文書では臨床研究保険の支払いの対象が私たちから考えると、妥当な範囲になっているけれども、当初はほとんど救済しないような書きぶりになっています。誤記というのは、書き間違えただけなのか、それとも、実際には何かで指摘されて、このように直されたのか。旧文書の内容で、CRBも通っているし、残念ながら申請した際の先進医療会議でもこれが通過しているのですけれども、旧文書のレベルでもこれは容認されるような内容なのでしょうか。私の感覚では、いや、臨床研究保険に入って、患者さんを救済されるのがスタンダードなのかなと思ったものですから事前に事務局のほうお尋ねし、100%ではないというお話も伺っております。これは事務局にお聞きすることかもしれませんけれども、臨床研究保険の支払い対象が旧文書のレベルではあったとしても、申請の承認に関しては、余り影響するものではないと考えたらよろしいのでしょうか。
○竹内座長
 事務局のほうでお答えできますか。
○渡辺構成員
 今できなかったら後でも結構です。
○竹内座長
 少なくとも私が知り得る範囲内では、このがんに対する臨床研究保険というのが、場合によって、非常に厳しいことがあります。患者さんの予後も含めて、これをカバーできるもの、できないものがございます。多分、研究者によっては保険の対象となるものと、そうでないものがある可能性がある。ただし、これが誤記かどうかという先生の御質問に対しては、少し調査をしていただく必要があるかなと思いました。後藤構成員から手が挙がっていらっしゃいますので、後藤構成員、いかがでしょうか。
○後藤構成員
 私も同意文書のところがちょっと気になったのですけれども、誤記かどうかというよりは、利益変更なので、余り問題ないかなとは思いますけれども、これ、既に旧文書で参加された方もいらっしゃるわけで、旧文書と新文書、旧文書で参加された方たちに対して、新しくこのようになりましたということの説明は、適切にされることは確保されるという理解でよろしいのでしょうか。
○医政局研究開発政策課長補佐
 御指摘ありがとうございます。こちらのほうについても、申請医療機関に適切に対応いただくように事務局からお伝えさせていただきます。
○後藤構成員
 だから不利益変更ではないので、多分、同意を取り直すというところまではいいかなと思いますけれども、一応、このように変わったことの情報の適切な伝達をよろしくお願いいたします。
○医政局研究開発政策課長補佐
 かしこまりました。ありがとうございます。
○竹内座長
 ありがとうございます。それ以外に御質問や御意見等はございますでしょうか。私は、旧文書でこの研究が行われている中で、実際に健康被害に遭われた方などがいなかったのかどうなのかということを事務局にお尋ねしましたが、それは幸いなかったということでした。ということで、まだこの文書を変更して、患者さんが不利益にならないような形で研究を進めていただくことになろうかなと思いました。今、後藤構成員から頂いた不利益変更ではない変更とのご見解を頂戴しましたので、これを進めていただきたいと思います。そのほか御質問はございませんでしょうか、よろしいですか。それでは、そのようなことを踏まえまして、告示番号66番の変更につきましては認めることとさせていただきます。
 続きまして、先進医療Bの協力医療機関の追加について、事務局から説明をお願いいたします。
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局です。資料4-1の49ページを御覧ください。告示番号34番について1施設、告示番号36番について2施設、告示番号66番について10施設の協力医療機関の追加申請がありました。資料4-2の51ページ以降を御覧ください。事務局において、先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。特に御意見がなければ手続を進めさせていただきます。以上でございます。
○竹内座長
 ありがとうございました。こちらの登録医療機関の追加につきましても、その前に申請されていた医療機関の施設数と、今回、新たに追加の変更がありました協力医療機関の名称、そして、その資格について事務局のほうで調べていただいた上での御確認でございます。よろしいでしょうか。それでは、事務局で手続を進めていただきたいと思います。
 本日の議題は以上ですが、構成員の皆様、全体を通して何か御意見や御質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、次回の日程を事務局からお願いいたします。
○医政局研究開発政策課長補佐
 次回は、令和5年7月13日(木)の開催とさせていただきます。時間は16時~18時までの予定で、詳細につきましては、別途、御連絡させていただきます。
 また、本日の議事録については作成次第、構成員の皆様に御確認をお願いし、その後に公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○竹内座長
 ありがとうございました。それでは、これをもちまして第149回先進医療技術審査部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました。