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- 2023年7月10日 第70回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会・第1回 社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会 小児慢性特定疾病対策委員会(合同開催) 議事録
2023年7月10日 第70回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会・第1回 社会保障審議会 小児慢性特定疾病対策部会 小児慢性特定疾病対策委員会(合同開催) 議事録
日時
令和5年7月10日(月)14:20~16:00
場所
TKP新橋カンファレンスセンター ホール15D(15階)
議事
- 議事内容
- ○江崎難病対策課長補佐 定刻となりましたので、第70回「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」と第1回「社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会」の合同委員会を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中お集まりいただき誠にありがとうございます。また、本日は一部の委員の方にはオンラインにて参加いただいております。
以下、オンラインでの御参加の方に向けたお願いでございます。
ビデオカメラはオンにしていただき、マイクはミュートにしてください。発言時には、マイクをオンにしていただいた上で、名前をおっしゃっていただいた上で御発言ください。発言が終わりましたら、マイクをミュートにお戻しください。よろしくお願いいたします。
委員会の開催に当たりまして、大坪健康局長より御挨拶申し上げます。
○大坪健康局長 皆様、こんにちは。この7月に健康局長を拝命いたしました大坪でございます。
本日も、暑いところお集まりをいただいている先生方、また、オンラインで御参画、お時間をいただいている先生方、本当に大変ありがとうございます。
私、これまで医政局で審議官をしておりました。健康局は久方ぶりではありますけれども、非常に国民の皆様に直接影響のあるこういった学問に関して、また担当できることを大変うれしく思っております。
今日の14時から既に開催されたと承知しておりますけれど、4月1日付でこども家庭庁ができたことに伴いまして、組織の改編がございまして、社会保障審議会の下の児童部会が廃止され、新たに小児慢性特定疾患対策に関する施策について御議論いただく場として、社会保障審議会の下に小児慢性特定疾病対策部会が設置されたということで御了解をいただいたと承知しております。
その中で、本日は第1回に当たります小児慢性特定疾病対策部会において、これまでありました「小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」に代わりまして、小慢部会の下に小慢の特定疾病対策に関する施策について議論をいただく「小慢特定疾病対策委員会」及び医療費助成等の対象についても議論をいただきます同検討委員会を新たに設置することで御了承をいただいたと承知しております。引き続き、この分野の有識者の先生方にお集まりいただきまして、施策に関して様々御助言、御指導いただければと考えております。
また、難病法と児童福祉法についても、昨年7月に難病対策委員会及び小慢の特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の中で御議論いただいたということも承知しております。それを踏まえて、12月に一部改正法案が成立したということ、これにつきましても改めて御礼を申し上げたいと思っております。どうぞ引き続き、小慢のこういった対策全体について御助言、御指導いただければと思っております。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございます。
○江崎難病対策課長補佐 続きまして、小児慢性特定疾病対策委員会につきましては、本日が第1回目の開催となりますので、委員の皆様を御紹介させていただきます。お手元の委員名簿を御覧ください。名簿の順に御紹介させていただきます。
慶應義塾大学大学院法務研究科教授、磯部哲委員です。
埼玉県立小児医療センター病院長、岡明委員です。
鎌倉女子大学児童学部教授、小国美也子委員です。
一般社団法人全国児童発達支援協議会理事、北山真次委員です。
千葉県立仁戸名特別支援学校校長、日下奈緒美委員です。
葛飾区保健所長、清古愛弓委員です。
京都大学大学院医学研究科発達小児科学教授、滝田順子委員です。
江戸川大学マス・コミュニケーション学科教授(読売新聞クロスメディア部)、館林牧子委員は、本日遅れて御参加いただけるとの連絡をいただいております。
続きまして、東京都保健医療局技監、成田友代委員です。
宮崎大学医学部看護学科子育て世代・子ども健康看護科学講座小児看護学領域教授、野間口千香穂委員です。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター副統括研究員の春名由一郎委員です。
認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク専務理事、福島慎吾委員です。
国立成育医療研究センター小児慢性特定疾病情報室長、盛一享徳委員です。
公益社団法人日本医師会常任理事、渡辺弘司委員です。
なお、小児慢性特定疾病対策委員会の委員長は、社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会運営細則第3条の規定に基づきまして、小児慢性特定疾病部会、岡部会長より小国委員を指名いただき、小国委員の御了承をいただいておりますので、御報告いたします。
小国委員長、一言御挨拶をお願いいたします。
○小国委員長 このたび、委員長の御指名にあずかりました鎌倉女子大学の小国と申します。よろしくお願いいたします。
私は、昨年度、小児慢性特定疾病自立支援事業の推進に関しての検討をしてまいりました。おかげさまで、厚生労働省のお力添え、そして、現場でこの事業を進めていらっしゃいます自立支援員の方々、また研究を進めてくださっている先生方の御努力があって、少しずつではありますけれども、進んでおります。
しかし、難病を抱える方々、特に訴えることが難しい子供たちに関する問題に関してはとかく後回しになりがちでございます。まだまだ多くの問題解決をしなければならない中、この委員会が実りあるものになるように、大変微力ではありますが、努力してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○江崎難病対策課長補佐 ありがとうございました。
続きまして、難病対策委員会に新たに御就任いただきました委員の先生がいらっしゃいますので、御紹介申し上げます。
九州産業大学人間科学部臨床心理学科教授、倉知延章委員です。
東京都保健医療局技監、成田友代委員です。
上智大学社会福祉学科教授、丸山桂委員です。
また、本日は、参考人として、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会、大柄嘉宏副代表理事に御出席いただいております。
なお、西村委員及び吉川委員は、本日御欠席の御連絡をいただいております。
また、これまで難病対策委員長をお務めいただいていた千葉先生が任期満了により御退任されております。新たな委員長につきましては、厚生科学審議会疾病対策部会運営細則第3条の規定に基づきまして、疾病対策部会、和田部会長より花島委員を指名いただき、花島委員の御了承をいただいておりますので御報告いたします。
それでは、花島委員長、一言御挨拶をお願いいたします。
○花島委員長 花島でございます。本日は、オンラインで失礼いたします。
ミュートになってしまいましたか。今聞こえますでしょうか。
○江崎難病対策課長補佐 大丈夫でございます。
○花島委員長 失礼いたしました。このような難病対策の委員長を拝命いたしまして、身の引き締まる思いでございます。私は、パーキンソン病や脊髄小脳変性症など神経難病を専門としております。今回の難病法は診療の現場に大きな影響を持つものだと思っておりますので、少しでもこのような会でより良くするように力を尽くせればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○江崎難病対策課長補佐 ありがとうございました。
また、本日は、オブザーバーとして、
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課、石田課長
こども家庭庁成育局母子保健課、井本課長補佐
こども家庭庁支援局障害児支援課、鈴木課長補佐
こども家庭庁支援局障害児支援課、大塚障害福祉専門官
社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課、川村課長補佐
職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室、小森室長補佐
が出席しております。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
以降、議事の進行につきましては、小国委員長にお願いしたいと思います。小国委員長、よろしくお願いいたします。
○小国委員長 それではまず、資料の確認をお願いしたいと思います。事務局からよろしくお願いいたします。
○江崎難病対策課長補佐 お手元の資料を御覧ください。
配付資料として、議事次第、
資料1 改正難病法及び改正児童福祉法の成立及び施行について
資料2 「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」及び「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」の見直しについて
参考資料1-1 難病・小慢対策の見直しに対する意見書(令和3年7月)を踏まえた見直し(案)について
参考資料1-2 難病・小慢対策の見直しに関する意見書(令和3年7月)を踏まえた見直し(案)について(参考資料)(一部改変)
参考資料1-3 難病対策・小慢対策の見直しに関する意見書(令和3年7月)概要及び本文
参考資料1-4 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律(案)に対する附帯決議(難病法、児童福祉法関係部分)
参考資料2 令和5年度難病・小児慢性特定疾病対策関係予算の概要
参考資料3 難病対策及び小児慢性特定疾病対策を巡る最近の動向について
また、本日、吉川委員が御欠席のため、事前にいただいております意見書を委員提出資料として御用意しております。
オンラインでの参加の方も含め、資料の過不足等がありましたら、挙手または発言をいただければと思います。
○小国委員長 大丈夫のようですね。
それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
本日の1つ目の議事です。「改正難病法及び改正児童福祉法の成立及び施行について」ということで、事務局より説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○森難病対策課長補佐 難病対策課課長補佐の森でございます。
私のほうから、資料1「改正難病法及び改正児童福祉法の成立、施行について」に沿って御説明させていただきます。
まず、おめくりいただきまして2ページ目でございますが、冒頭、局長の御発言もございましたが、昨年の臨時国会で、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律案、こちらが成立いただいたところでございます。この法律の中で難病法と児童福祉法の改正をしておりまして、具体的には、赤字にしておりますが、項目の4と5を御覧いただければと思います。
まず4ですけれども、難病患者及び小慢児童等に対する適切な医療の充実及び療養生活支援の強化ということで、1点目といたしましては、医療費助成につきまして助成開始の時期を申請日から重症化したと診断された日に前倒しをする。それから2点目といたしまして、療養生活支援の円滑な利用やデータベースへのデータ登録の促進を図る観点から、いわゆる登録者証の発行事業を創設するということと、難病相談支援センターと福祉・就労に関する支援を行う者の連携の推進などを規定するということに加えまして、あとは小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の強化と、こういった改正をしております。
続いて5番目でございますけれども、指定難病、あるいは小慢疾病についてのデータベースに関する規定の整備ということで、障害福祉サービス等や難病患者等の療養生活の質の向上に資するため、国によるデータ収集や安全管理措置、あるいはデータの第三者提供等の仕組みを整備させていただいたというところでございます。
施行期日については令和6年4月1日ということですけれども、医療費助成の見直し等については令和5年10月1日からということになってございます。
本日はこのうち、医療費助成と登録者証、それからデータベースに関して御議論いただきたいと思っております。
おめくりいただきまして3ページ目を御覧ください。まず、医療費助成の関係でございます。「症状が重症化した場合に円滑に医療費助成を受けられる仕組みの整備」ということで、これは本年10月1日施行でございます。
まず、「改正の概要」でございますけれども、こちらに昨年の臨時国会で成立した法律の改正内容と、それから、本年5月に公布いたしました政令改正の内容をまとめているところでございます。
1つ目のポツですけれども、下のイメージ図を御覧いただいたほうが分かりやすいかと思いますが、現行は、医療費助成の対象になる程度に、重症化する。そうすると、その重症化時点より後に指定医に診断書を作成いただいて、その後、自治体のほうに医療費助成の申請をしていただく。自治体のほうで認定していただきますと、申請日に遡りまして、申請日以降にかかった医療費が助成の対象になるということでございますけれども、ここを法改正いたしまして、申請日から重症化時点まで遡って、重症化時点以降にかかった医療費を助成の対象にするという見直しを行ったところでございます。
「改正の概要」の箱にお戻りいただきまして、2つ目のポツでございますが、原則は今申し上げましたとおり、重症化時点に遡るということでございますが、一昨年にこの合同委員会でお取りまとめいただいた意見書におきまして、自治体の事務負担への影響でありますとか、患者さんにとってもできる限り早期に申請をしていただき、自治体において認定していただくことが望ましい。あるいは、診断書の作成について、約99%の指定医の皆様がおおむね1か月程度で御作成いただいているということも踏まえまして、この遡りの期間については、一定の上限を設けることが適当ではないかということにされたところでございます。
具体的には、昨年7月のこの合同委員会で御議論いただきまして、ここに書いておりますとおり、申請日からの遡り期間は原則1か月とする。ただ、診断書の作成に期間を要した場合でありますとか、あとは、入院その他緊急の治療が必要であった場合など、診断日から1か月以内に申請を行わなかったことについてやむを得ない理由がある、こういった場合には、最長、申請日からの遡りの期間を3か月とさせていただく。ここまでが法律改正と政令改正の内容でございます。
本日は、今申し上げましたやむを得ない理由の内容及びそのやむを得ない理由を確認する方法について御議論いただければと考えているところでございます。
「やむを得ない理由を確認する方法(案)」というところを御覧いただければと思いますが、この「やむを得ない理由」の確認につきましては、医療費助成の申請書に、患者様に選択いただけるような形のチェックボックスを設けまして、添付書類は基本的に不要とするということで考えております。
また、昨年7月の審議会で、自治体間で取扱いにばらつきが生じないようにという御指摘をいただいておりますので、この「やむを得ない理由」の例を厚労省のほうから事務連絡等により周知した上で、施行後も実態を踏まえて必要に応じた見直しをしていくということを考えてございます。
具体的な「やむを得ない理由」の例を4ページ目にお示ししております。(参考)「やむを得ない理由」の例ということで、こちらは、本日も御参加いただいておりますJPA様を通じまして事例を収集させていただきまして、事務局のほうで整理させていただいたものでございます。医療費助成の申請書には、以下のマル1からマル4のチェックボックスを設けることを考えているところでございます。
具体的には、下のマル1からマル4ですけれども、まずマル1、臨床調査個人票、あるいは小慢ですと医療意見書になりますが、要は診断書の受領に時間を要したということで、例えば2ポツ目に書いてあります診断を受けた指定医の勤務する医療機関が遠方にあって、直接取りにいかないといけないということで、臨個票・医療意見書の受領に時間がかかってしまったというようなケース。
それから、マル2ということで、症状の悪化等によって申請書類の準備とか提出に時間を要したということで、具体的には、体調が悪化してしまい入院された、あるいは、入院までは要しなかったものの、体調が悪く、申請になかなか行けない状況が続いたというような場合を考えております。
それからマル3は、大規模災害に被災したこと等によって時間を要したケースということでございます。
いただいた事例は、大まかにこのマル1からマル3の中に大体おさまるかなと考えておりますが、これ以外の理由で、「やむを得ない理由」申請が挙がってくることも想定されますので、一応マル4ということで、その他(自由記載)の欄を設けさせていただいているということでございます。
繰り返しになりますが、施行後も実態を踏まえてここは見直しを図っていく必要があるだろうと考えているところでございます。
続いて5ページ目、御参考ですけれども、先ほど患者様に御提出をいただきます医療費助成の申請書にチェックボックスを設けさせていただくということで、そのイメージでございますが、一番上の箱にございますが、「特定医療費の支給を開始することが適当と考えられる年月日」ということで、日付を書いていただいて、この欄の日付が申請日から1か月以上の前の年月日となっている場合には、先ほど申し上げたマル1からマル4に相当するチェックボックスにチェックをつけていただくということを想定しているところでございます。
また、この患者様にいつから自分が医療費助成を受給できるのかという日付を書いていただくに当たりまして、指定医の方が、重症化した時点を、いつ診断したかということが分かる必要がございますので、それを6ページ目に資料を掲載しておりまして、「新たな臨床調査個人票(イメージ)」ということで、これは小慢の医療意見書も基本的には同様でございますけれども、現行、「記載年月日」という欄があるのですけれども、この下に「診断年月日」の欄を新たに設けまして、患者様、あるいは自治体の皆様がここを確認するということで、実際にその重症化した時点がいつだったか確認できるということでございます。
まず、1点目の医療費助成の関係は以上でございます。
続きまして登録者証の関係について御説明させていただければと思います。8ページ目を御覧ください。「『登録者証』発行事業の創設」ということで、こちらは令和6年4月1日の施行でございます。
「改正の概要」ですけれども、難病法、児童福祉法を改正いたしまして、福祉、就労等の各種支援を円滑に利用できるようにするために、都道府県等が患者の申請に基づき指定難病に罹患していること等を確認し、「登録者証」を発行する事業が創設されたというところでございます。
もう少し詳しく御説明をしますと、「登録者証の活用イメージ」という下のところを見ていただきまして、右のほうを見ていただきますと、ハローワークや市町村という箱があるかと思います。現行、指定難病の患者様におかれましては、ハローワークの難病患者就職サポーターの支援でありますとか、あるいは市町村で提供しております障害福祉サービス、こういったものが対象になるということでございます。
現行、指定難病の患者様で医療費助成を受けている方におかれましては、医療費助成の受給者証をこうしたハローワークや市町村の窓口で御提示いただいているとお聞きしておりますが、指定難病の患者さんで医療費助成の対象にはならないという、いわゆる軽症の指定難病の患者様につきましては、診断書をハローワークや市町村の窓口で御提示いただいているということで、この診断書の発行を都度していただいているケースもあるということで、こうした診断書に代わるものとして、今般、「登録者証」というものを創設させていただいたものでございまして、主に指定難病の軽症の患者様を対象としておりますが、そのほか、指定難病、あるいは小慢の医療費助成を受けている方についても対象となる事業ということでございます。
それからもう一点御説明させていただければと思いますが、「登録者証の発行」という真ん中辺りにマイナンバーカードの絵が少し書いてあるかと思います。昨年の7月にこの合同委員会で御説明をし、御議論をいただいた際には、「登録者証」を紙で発行させていただくということで御説明させていただいておりましたが、昨年の夏に、デジタル社会の実現に向けた重点計画が閣議決定されたということで、行政手続のデジタル化でありますとか、そのマイナンバー情報連携の拡大に向けた検討を行っていくということで、そうした政府全体の方針等々を踏まえまして、患者様の利便性の向上でありますとか、あるいは自治体の発行事務の負担軽減の観点から、紙での発行ではなく、マイナンバーによる情報連携を原則とさせていただくという方向で検討させていただいているところでございます。
こうした前提の上で、引き続いて9ページ目でございますけれども、本日はこうした論点について御議論いただきたいと思っております。論点、5つ挙げてございます。
まず1つ目の論点、「マイナンバー連携事項」ということでございますが、これは例えばハローワークとか市町村の窓口でマイナンバー連携を活用して確認ができる情報の範囲ということでございますけれども、これも患者団体様等から御意見をいただきまして、疾病名までは情報連携しないということで、指定難病の患者さんである、あるいは小慢児童等であるということの確認のみができる形としたいと考えております。
それから2点目が「申請の流れ等」ということで、これは指定難病の患者様等からの申請に基づいて発行させていただくということを考えております。また、転居した際には転入先の自治体にその旨を届けていただくことを想定しておるところでございます。
それから3つ目が「登録頻度」ということで、こちら、基本的には、有効期限なし、再登録不要ということにさせていただければと思っております。実は昨年7月に御議論いただいた際には、紙で発行することを想定しておりましたので、医療費助成の受給者の方々におかれましては、1年に1回、医療費助成の支給に関する更新をしていただく際に、この登録者証も併せて更新いただくことを想定しておりましたが、基本、マイナンバー連携でということになりましたので、基本的には再登録不要で、有効期限なしということにさせていただきたいと考えております。
「様式」につきましては、先ほど御説明申し上げましたとおり、原則、マイナンバー連携を活用ということで考えております。この自治体間でどのような情報のやり取りがされたかということが、御本人様、あるいは御家族のほうで御確認いただけることが重要かと思いますが、これは※の1つ目に書いておりますとおり、マイナポータルでどのような情報のやり取りがあったかということは確認することができることとなっております。
また、※の2つ目ですけれども、何らかの御事情によって、マイナンバーカードでの確認ができないという状況にある場合には、御本人様からの求めに応じて、紙で「登録者証」を発行することも検討しているところでございます。
先ほどから御説明申し上げております自治体間のマイナンバー情報連携による情報照会ということに関しましては、これはマイナンバー連携をした場合ということでございますので、今、御説明申し上げたような紙で発行させていただいた方については、マイナンバー連携による自治体間の情報照会というのは発生しないということでございます。
それから、最後に「活用方法」ということでございますけれども、これはこの「登録者証」を創設した一番の目的であります、自治体でありますとかハローワーク等においてしっかりとサービスの利用につなげていただくということで「登録者証」の利活用が促進されるように、厚労省におきまして地域で利用可能なサービスの情報提供するためのリーフレットのひな型のようなものを策定し、難病相談支援センター等を通じて患者の皆様方にしっかりと周知していきたいと考えているところでございます。
「登録者証」の関係は以上でございまして、続いて11ページ目を御覧ください。3点目、「難病・小慢データベースの法定化」ということでございます。
まず、法律改正の概要でございますが、現行も、難病・小慢のデータベースは予算事業で実施しておるところでございますが、このデータベースにつきまして、法的根拠を新設しまして、国による情報収集や患者等の同意を前提とした都道府県等から国への情報提供義務を規定したこと。それから、安全管理措置や第三者提供ルール等の諸規定を新設し、あとは、難病・小慢を含む各種公的データベース間の連結解析も可能としたというところでございます。
また、難病データベースにつきましては、登録対象者を拡大しまして、軽症の指定難病患者の皆様についてもデータの登録をしていただきたいと考えているところでございます。
続きまして、「今後の対応(案)」ですけれども、現行も、難病・小慢のデータについて、研究者の先生方に第三者提供を行うときには、厚労省のほうで定めましたガイドラインに基づきまして、データ提供のワーキンググループで審査をいただいているところでございます。
今後は、新たにほかの公的データベースとの連結解析といったことができるようになってまいりますので、こういった新たな取組に対応する形でデータ提供に関するガイドラインを改めて作成する必要があるということで、そのガイドライン策定に向けた有識者会議を立ち上げてはどうかと考えているところでございます。
この有識者会議におきましては、今申し上げましたガイドラインのほか、研究成果の公表のあり方ですとか、あとはデータの第三者提供に係る手数料の額、あるいは手数料を免除する対象者の範囲についても御議論をいただいてはどうかと考えているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございます。施行日と改正のポイントにつきまして説明をいただきました。
それでは、資料1について、「症状が重症化した場合に円滑に医療費助成を受けられる仕組みの整備」、そして「『登録者証』発行事業の創設」と「難病・小慢データベースの法制化」に区切って議論していただく形としたいと思います。
まずは、「症状が重症化した場合に円滑に医療費助成を受けられる仕組みの整備」、これについて御議論いただきたいと思います。御意見などございましたら挙手をお願いいたします。
福島委員、お願いします。
○福島委員 ありがとうございます。難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
重症化時点への遡及についてです。資料1の4ページの「やむを得ない理由」の例示、それから、申請書のチェックボックスに申請者自らが選択して、かつ、添付資料不要というような内容からしますと、実質的には、努力義務として1か月以内、申請者の責めによらないものは3か月まで柔軟に幅広く認めていただけるものだと理解いたしました。
ただ、実際、申請書のチェック欄に記載するときに自治体の窓口担当者に具体的な理由を説明・確認したところ、原則1か月という重みのある言葉に引っ張られて、だめだと言われてしまえば、普通はそこで断念してしまうようなことになる可能性もあると思います。ですので、くどいようではありますけれども、申請する自治体によって大きな対応の違いが生じないように、周知の徹底と相談窓口の開設などをお願いしたいと思います。
以上です。
○小国委員長 ありがとうございます。ほかにはございますでしょうか。
Zoomの方も大丈夫でしょうか。御意見ある方は挙手お願いできますでしょうか。
成田委員、お願いします。
○成田委員 東京都保健医療局の成田でございます。よろしくお願いいたします。
資料5ページの、「やむを得ない理由」を確認するため申請書のチェックのところで、まず、重症化時点まで遡及していただくことについては大変有難く思っております。ありがとうございます。また、こうした申請書を患者さん御本人が書きやすいようにすることがとても重要と考えております。こちら、患者さん御本人が支給を開始することが適当と考えられる年月日を記載するというような想定になっておりますけれども、御本人が軽度高額の基準を満たした日を記載するのはなかなか難しいというようなこともありますし、混乱が生じる可能性もあります。また、この方が重症度基準で該当するのか、軽症高額で該当するのか、判断するのもちょっと難しいということも想定されますので、できるだけ書きやすいように工夫していただけますとありがたいです。
一方、その下の資料6ページ、「新たな臨床調査個人票(イメージ)」、こちらに診断年月日を書くようになっておりまして、こちらは指定医が記載する欄が提示されております。こちらは重症度基準を満たした日にちを記載するということでございますけれども、書かれる医師の先生方が分かりやすいように、きちんとレイアウトを工夫していただけますと大変ありがたく存じます。
また、資料の5ページにもう一度戻っていただきたいのですけれども、この「やむを得ない理由」をチェックするチェックボックスですけれども、こちらにチェックがありましたら、入院証明などの根拠を求めずとも、3か月遡及できるようにしていただけますと大変ありがたいです。
細かいですけれども、以上となります。
○小国委員長 ありがとうございました。ほかにはございますでしょうか。
よろしいでしょうか。申請書に関して。
○磯部委員 すみません。手を挙げていたのですが、オンラインから参加しています慶應大学の磯部と申します。
○小国委員長 よろしくお願いします。
○磯部委員 今回初めて参加させていただいて、この間の議論までよく理解していないところはあるかもしれませんが、一言だけ。申請する際、一定の期間についての割り切りがある、しかし、やむを得ない理由がある場合には柔軟に対応するというのは一般的によくある仕組みだとは思うのですけれども、そのやむを得ない理由について、事務連絡等でどのように周知されるかの実際の書きぶりにおいては、ぜひ現場の方に手がかりとなるような分かりやすい記述があるといいなと思いますので、その点、御配慮をお願いしたいというお願いです。
できるだけ厳密に、公平性が大事で、ここの例として挙がっているのにかなり縛られる形でやっていくのがいいのか、これはあくまで例示であって、その他できるだけ幅広く個別の事情をしんしゃくして、柔軟に御判断いただいていいのですよというような感じになるのか、そこのあたりは、できるだけ制度の趣旨に見合った形で運用されるような分かりやすい事務連絡ということをお願いしたいというコメントでございます。
以上です。
○小国委員長 ありがとうございます。その辺り、事務局、お願いできますでしょうか。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
各委員の方々に御指摘いただいた点、非常に重要かと思っています。まず、福島委員からも御指摘いただきましたけれども、こういった、もともと医療費助成の前倒しを議論した出発点自体が、ほかの行政の実務では基本的には申請主義ということで、申請までしか遡れないというのが大原則になってございます。
一方で、難病の患者さんとか小児慢性特定疾病のお子さんに関しましては、やはりそこに通常の行政ではないところの特有な事情をお抱えいただいているというところがありまして、ほかの行政にはないルールといたしまして、今回、法改正によって医療費助成の前倒しをするということを一歩進めたということでございます。もともとの趣旨がそういうことでございますので、できるだけ、一定のやはりルールがないとなかなか行政の中で運用できない部分がありますので、原則は1か月とさせていただいたところでありますけれども、先ほども御指摘ありましたけれども、このいろんな事例等をお示ししていく中で、自治体の方々が特に分かりやすいようにしなければいけないということと、我々としては、この文言にしっかりと当たらないと絶対だめだという、全くそういう考えではおりませんので、そういったことがしっかりと現場の方々に行き渡るように、事務連絡なり、いろんなことについても周知させていただきたいと思っています。
また、先ほど御指摘いただきました診断年月日については、まさに書きづらいというところ、我々も想像しているところでございまして、患者様方とか、またその御家族の方が、どういう場合は、ここは何月何日と書けばいいのか、自分の診断年月日は、診断書に書いてある年月日は分かるけれども、また重症化、軽症高額で該当しているような方については、どこ、何日を書けばいいのか、フローチャートではございませんけれども、少し分かりやすいものを作成させていただいて、日付の書き方について患者様御自身やまた御家族の中で混乱が生じないように、様々、お手伝いとなるようなものを作成させていただきたいと考えているところでございます。
簡単でございますけれども、以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございました。磯部委員のご指摘があったことですが、がおっしゃられた「例はあくまで例であって、柔軟性のある対応」ということでよろしいですよね。
○簑原難病対策課長 すみません。まさに磯部先生から御指摘いただいた点も含めて、そういった形で、しゃくし定規にならないような形で自治体のほうで、一方で、余りに自由にするとなかなか自治体の中で御判断いただくのは難しくなるかと思いますので、解釈・運用が適正に行われるように、かつ、一方でしゃくし定規にならないように工夫をさせていただきながら、周知等について、また事例の蓄積も努力させていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございます。ほかにはございますでしょうか。
それでは、いろいろ御意見いただきましてありがとうございました。その意見を踏まえまして、また修正するに当たって、私、座長に一任させていただく形でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○小国委員長 ありがとうございます。
続きまして、「『登録者証』発行事業の創設」と「難病・小慢データベースの法制化」について御議論いただきたいと思います。御意見などございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
柏木委員、お願いします。
○柏木委員 有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会の柏木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
登録者証の発行についてなのですが、大変すばらしい取組と思います。誠にありがとうございます。支援種別としまして、福祉、就労、災害関係とあり、大変魅力的に感じます。これからリーフレット作成のひな型をつくっていただけるということですが、そのところで、登録者証は各窓口で難病であることの証明を容易にするものであって、必ずしもこれによってサービスを受けられることが保障されるものではないというところ、誤解なく利用者の方に認識していただけるように配慮いただくということは大切かもしれないと思いました。
特に災害関係につきましては、要支援者名簿の対象者となるということ、これは大変心強いことではございますけれども、引き続き自助の対策を各自しっかり行っていかなければならないということには変わりはないと思われます。患者さんがこの新しい制度を目にするときに、過度にサービスに期待を持つことのないよう、ご説明のほうよろしくお願いいたします。
○小国委員長 ありがとうございます。それでは、画面のほうの黒瀨委員でしょうか。
○黒瀨委員 はい。ありがとうございます。日本医師会の黒瀨でございます。
1点、お願いと1点御質問があります。
まず、こちらの登録者証の、デジタル化をしてマイナンバーと連携をするという考え方に関して、方向性に関しては賛成でございます。ただ、その中で、現在のように、かなりマイナンバーと健康保険証の紐付け等で国民の皆様方が心配されている状況でもございますので、ぜひタイムスケジュール的には急がず、慎重かつ利用者の皆様方に丁寧な御説明をした上で、デジタル化し、連携していただければと思っています。
あと1点、8ページの真ん中やや左側に赤い矢印がありまして、そこに「原則マイナンバー連携を活用。また、民間アプリの活用によるデジタル化も検討。」と書いてあるのですけれども、具体的にはどのような民間のアプリを想定していらっしゃるのでしょうか。教えていただければ幸いです。
○小国委員長 では、事務局の方、お願いできますでしょうか。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
まず、柏木委員のほうからの御指摘、まさにリーフレット等つくっていくときによく注意をして、幅広く使い得るサービスというのはできるだけ御提示をしたいと思っていますけれども、一方で、いろいろサービスを利用するときの条件というのは様々、サービスによって違いますので、その辺りはしっかりとお伝えできるようにさせていただきたいと思います。
あと、黒瀨委員のほうから御指摘がありましたマイナンバーのところの適格性の確保については、参考資料3でございますけれども、お手元にありましたら参考資料3のほうをお開きいただければと思います。そちらのスライド6ページ以降でございますが、「マイナンバーによる情報連携の正確性確保に向けた総点検について」という資料をお配りさせていただいています。これは全政府で統一的にやっているものでございますが、7ページ目のスライドを御覧いただきますと、現状、報道等で御存じかもしれませんけれども、健康保険証の紐付け誤りでございますとか、地共済での紐付け誤り、あと障害者の手帳情報の紐付け誤りといった事案が生じているということでございまして、下のほうのスライド8でございますが、マイナ情報の総点検本部のほうで、総理のほうからも御指示がございまして、マイナンバーの中の総点検を実施するということで、7月に、先日実は通知をさせていただいておりまして、まず、各自治体のほうでどういう実務をやっているのかというのを把握するということで、自治体のほうに確認のお願いをしているところでございます。その後また、その実態を踏まえまして、総点検の御依頼の実施機関を選定して総点検を実施していくということでございます。
スライド7にありますように、マイナンバー情報連携をしていく中で、情報連携させるときの手続について十分厚労省なりから事前にお示しができておらず、4情報でやるのが基本ではあるのですが、4情報によらずに連携させていたというような事案が生じておりますので、先ほど黒瀨委員から御指摘いただいた、こういう事案がないようにということで、こちらの登録者証の連携をしていく中では、本人の方に情報連携されるような手順を自治体のほうにしっかりとお示しをした上で、こういった事案が生じないようにさせていただきたいと思っております。
もう一点、アプリの部分でございますが、マイナンバーの情報連携をマイナポータル自体ではなくて、今現状、障害者手帳のほうで、アプリを通じまして、手帳所持者であるということを示すようなアプリが今開発されているところでございます。そういったものを想定しながら、こういったものが必要かどうかについても検討していきたいと考えているところでございます。
簡単でございますけれども、以上でございます。
○黒瀨委員 ありがとうございます。ぜひ難病の方々が利用しやすい形で、かつ、安心して利用できるような丁寧な御説明をよろしくお願いします。ありがとうございました。
○小国委員長 ありがとうございました。ほかにはございますでしょうか。
清古委員、お願いします。
○清古委員 保健所長会の清古と申します。
今、御説明がありました参考資料3の14枚目の資料で、データベースのスケジュールが書いておりまして、小児慢性疾患のデータベースのリリースが今年の10月から始まるということで、先行して始まるとは聞いているのですけれども、もう各指定医のほうで、診断書といいますか、入力が始まるというような理解でよろしいでしょうか。スケジュールのことをちょっとまた説明いただきたいと思います。
○小国委員長 それでは、事務局の方、お願いします。
○簑原難病対策課長 清古委員の御指摘のとおり、10月から小慢の指定医の方々の御入力が始まるということになります。
○清古委員 そうですか。それについては、指定医とか医師会とかにはもう情報提供されているということでよろしいでしょうか。
○簑原難病対策課長 今日、まだ現場のほうに全て情報提供するに至っておりませんので、今からしっかりとやらせていただきたいと思っております。
○清古委員 よろしくお願いいたします。
○小国委員長 ありがとうございました。ほかにはございますでしょうか。
柏木委員、お願いします。
○柏木委員 患者会の柏木です。
データベースについてなのですけれども、私は、22年前に我が子の小慢の申請を初めて行いました。申請書にデータを研究に利用することに同意を取る署名欄がございまして、一日も早く治療法がもたらされますようにと祈る気持ちでサインをしたことが思い出されます。このたび、皆様の御尽力によって、時が来て、いよいよ当時の願いが現実のものになるのだということに大変期待感を膨らませているところでございます。難病・小慢データベースの連結というだけでも大変大きな進展のように思われますが、さらに難病・小慢を申請していない重度障害の方々の情報連結についても大変貴重な情報が含まれているかと思いますので、この点についても連結のほうを期待しております。よろしくお願いいたします。
○小国委員長 ありがとうございます。では事務局、よろしくお願いいたします。
○簑原難病対策課長 まさに連結解析の効果といたしまして、障害のデータベース等々も連結を解析することを想定しておりますので、そういった難病患者さんとか小慢の患者さんが、現状、障害の福祉サービスをどういったものを使っているかというのは我々十分把握できていないところがありますので、そういったものをしっかりと把握することで、難病患者さん、小慢患者さんが具体的にどういう点でお困りなのかというのも患者さんの類型ごとに分かるようになるかなと思っておりますので、そういったものも施策のほうに反映できるようにしたいなと考えているところでございます。
以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございました。それでは、よろしいでしょうか。
福島委員、お願いします。
○福島委員 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
登録者証の発行についてです。指定難病と小慢では登録者証の発行について今後取扱いは異なり、小慢については医療助成を受けている者に限られ、軽症な方は登録者証発行の対象とならないということだと思いますけれども、それについて、前回、申請手続が煩雑だったり、意見書の文書料がかかるので、自治体の公費負担医療を利用されている方が一定数いるということ。あるいは小慢の自立支援事業についての対象者の明確という観点からも、軽症者の方にも登録者証の発行が必要であるケースがあるのではないかということ。それから、子供の場合は福祉サービスのみならず、学校とか幼稚園とか保育所とか、疾病に対する配慮を求めるときのエビデンスとして必要ではないかということを指摘させていただいたのですけれども、事務局のほうからは、その際にしっかりとニーズ調査を図っていって、意見も含めてしっかり対応したいという御説明をいただきましたが、その後の進捗状況などがありましたらぜひ情報提供いただきたいと思います。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局、よろしくお願いいたします。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
まさに小慢の医療費助成を受けていない方、小児の自治体の助成を受けている方々もおられるという御指摘もいただいておりますので、現状まだ調査に向けて具体的な設計自体できているわけではございませんが、恐らく、調査をするに当たっては、患者会の皆様方の御協力をいただく必要があると思いますので、また具体的には御相談させていただきたいと思っております。
以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございます。ぜひお願いいたします。ほかにはございますでしょうか。
成田委員、お願いします。
○成田委員 東京都保健医療局の成田でございます。
たびたび申し訳ございません。登録者証のことなのですけれども、軽症のため、登録者証の交付を受けていたけれども医療費助成が受給されていない方が、その後重症化されて医療費助成の申請をするということも想定されると思いますので、この登録者証を発行する際にそういった手続についてもしっかりと周知していただけるとありがたいと思いました。
また、この登録者証の申請がさらに進むように、活用の手法、これを持っているとこんなことができる、でも、こういったことは難しいということをしっかり周知していただいて、活用の促進を図っていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局のほうからお願いします。
○簑原難病対策課長 ありがとうございます。まさに軽症の方について、登録者証発行いただいたときに、自治体で、そういった重症度に合致したときには医療費助成の対象となり得るということについては御案内いただけるようにお願いしたいと思っているところでございます。
以上でございます。
○小国委員長 ほかにはございますでしょうか。
それでは、多くの貴重な御意見ありがとうございました。この意見を踏まえた修正については、私、また座長に一任させていただければと思います。よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。事務局から御提案がございました難病・小慢データの法定化に伴い、新たにガイドラインを策定するための有識者会議については、皆様の御異議がないかと思います。事務局におかれましては、有識者会議を設置して、令和6年4月の施行を目指してガイドライン案の作成を進めていただくようお願いいたします。
それでは、議事を進めてまいりたいと思います。本日の2つ目の議事は、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」及び「小児慢性特定疾病その他の疾病にかかっていることにより長期にわたり療養を必要とする児童等の健全な育成に係る施策の推進を図るための基本的な方針」の見直しについてです。これらの基本方針の見直し案について議論していただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○森難病対策課長補佐 それでは、事務局のほうから資料2に沿って御説明させていただければと思います。
おめくりいただきまして2ページ目を御覧ください。今回の難病の基本方針と小慢の基本方針の見直しに関してということで、「1.基本方針の改定の基本的な考え方(案)」でございます。この難病の基本方針、また小慢の基本方針につきましては、難病法、児童福祉法に基づきまして厚生労働大臣告示としてお示しをしているものでございます。
4つ目の■でございますけれども、これらの基本方針につきましては、平成27年に策定して以降、これまで見直しがまだできておりませんで、この間に、資料に記載しておりますとおり、小慢児童等に対する移行期医療新体制の構築に係るガイドの作成や難病の医療提供体制の構築に係る手引きの策定、また、小慢自立支援事業の実施に関する手引き等の策定をしました。また、先ほど議題1で御議論いただきました難病法、児童福祉法の改正等もあったところでございます。
こうした施策の進展でありますとか制度改正等を踏まえまして、これらを中心に反映しつつ、医療・保健・福祉・就労等の現場において課題となっている事項への対応等を盛り込むという方針で議論を進めてはどうかと考えております。
また、この基本指針見直した後の適用時期でございますけれども、改正法の施行が令和5年10月と令和6年4月ということになってございますので、全て施行されます令和6年4月1日から適用することとしてはどうかと考えております。
2.今後の議論の進め方ですけれども、全体としては3回程度御議論いただき、取りまとめさせていただくということを考えてございます。
まず、今回ですけれども、議論の進め方でありますとか事務局のほうから御提示します改定の方向性の案について御議論いただきまして、本日いただいた御意見を踏まえた改定の方向性を事務局のほうで整理いたしまして、それを秋頃に御議論させていただいて、最終的には、ここには11月と書いていますが、年内には告示改正の案をお取りまとめさせていただきたいというところでございます。
続いて具体的な内容の御説明をさせていただければと思います。まず、現行の基本方針、どのようなことが定められているかということを簡単に御紹介したいと思います。
28ページ目をお開きいただけますでしょうか。
まず、難病の基本方針の関係でございます。大きく9つの柱からなっておりまして、1つ目、左上ですが、まず基本的な方向ということで、2つ目のマルでございますが、難病の患者さんが長期にわたり療養生活を送りながらも社会参加の機会が確保され、尊厳を持って生きることができるよう、共生社会の実現に向けて社会福祉、そのほかの関連施策と連携しつつ総合的に施策を実施することを規定しております。
2番目が医療費助成の関係ですけれども、指定難病については、要件を満たす疾病を確実に対象にしていくということや、医学の進歩に応じて診断基準等をしっかり見直していくこと。それから3つ目のマルで、医療費助成の対象とならない患者様も含めて、指定難病患者データに係るデータベースをしっかりと構築していくこと。
それから、3番目は医療提供体制の確保に関する事項でございますけれども、できる限り早期に正しい診断をして、その診断後は、より身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制を確保する。あとは、4つ目のマルでございますけれども、小慢児童等に対して成人後も必要な医療等を切れ目なく行うために、小児期と成人期をそれぞれ担当する医療従事者間の連携を推進していくことを規定しております。
4番目は、医療に関する人材の養成に関する事項でございます。
5番目が、右上にいきまして、調査研究の関係でございます。こちらにつきましては、難病対策の検討のために情報収集をしっかりやっていくことや、難病の医療水準の向上を図るために、難病患者さんの実態を、データ収集を通じてしっかり把握し、必要な対策を実施していくということでございます。
6番目が、医薬品や医療機器、再生医療等製品に関する研究開発の推進に関する事項でございます。
7番目としまして療養生活の環境整備に関する事項ですけれども、1つ目のマルに書いてありますとおり、難病の患者さんが住み慣れた地域において安心して暮らすことができるよう、難病相談支援センター等を通じて、難病の患者さんを多方面から支えるネットワークをしっかり構築していくということ。
それから8番目が福祉サービスでありますとか就労支援の施策ですね。こういったほかの施策との連携に関する事項を定めているところでございます。
最後、9番目がその他ということで、難病に対する正しい知識の普及啓発等について規定してございます。
続きまして、小慢については29ページ目にまとめてございます。こちら、8つの柱からなっております。
まず基本的な方向ということでございますが、1つ目のマルに書いておりますとおり、小慢児童等やその御家族の御意見を踏まえつつ、健全な育成に係る施策の実施・充実に努めていくことや、3つ目のマルでございますけれども、難病患者に対する施策との連携を図る観点から、難病の患者に対する、先ほど御説明した難病の基本方針も踏まえた施策を実施していくということでございます。
2番目が医療費助成に関する事項ということで、これは難病と同じような内容でございますけれども、しっかりと小慢疾病に指定していくということや、医学の進歩に応じてしっかりとそれを見直していくということ。それから、臨床データを収集・管理・活用するためのデータベースを構築していくことを規定しております。
3つ目が医療提供体制の関係ですけれども、これも難病と同様の部分がございますが、早期に正しい診断をし、診断後は身近な医療機関でしっかり治療を受けられるようにということでございます。4つ目のマルですけれども、小児期、成人期を担当する医療従事者の連携を推進するためのモデル事業を実施していくということを規定しております。
4番目が小慢児童等の自立支援事業に関する事項ということで、自治体におきまして、この事業を実施するに当たりまして、小慢児童や御家族の意見を踏まえるとともに、地域の協議会に、患者会様や、あるいは家族会の代表者、医療従事者、福祉サービスの関係者等を交えまして事業内容を検討・実施していただくということ。国においては、そうした自治体における検討、あるいは事業の実施を支援していくということを規定してございます。
5番目でございますけれども、小慢児童の成人移行に関する事項ということで、成人後も必要な医療を切れ目なく受けられるための取組の推進でありますとか、あと、小慢疾病であって、かつ、指定難病の要件を満たすような疾病については、切れ目なく医療費助成が受けられるようにということで、成人後も医療費助成の対象となるようにしっかりと検討を進めていくということ。
それから、調査研究に関する事項を6番目ということで定めております。
また7番目で、福祉サービスでありますとか就労支援に関する施策との連携に関する事項を定めているところで、例えば1つ目のマルですけれども、先ほど御説明しました自立支援事業を実施する際に、相談支援を担当する者として、自立支援員を配置することなどによりまして関係機関等との連絡調整等をしっかりとやっていただくということ。それから3つ目のマルですけれども、教育の機会を確保するための特別支援教育の推進。あと、4つ目のマルですけれども、就労の支援ということで、就労支援機関等の協力のもと、相談等の機会を通じた雇用情報の提供や職業訓練の実施を推進していくことを規定しております。
最後、その他ということで、小慢疾病に関する正しい知識に関する啓発活動等について規定しているところでございます。
現行の基本方針はざっくりとこのような形で規定されてございまして、今回の見直しの内容について、これまでの施策の進展や制度改正等をベースに、事務局のほうで改定の方向性を整理したものについて続けて御説明させていただければと思います。
3ページ目にお戻りいただけますでしょうか。
まず、難病の基本方針の改定についてでございます。「3.改定の方向性(案)」ということで、左側に「現行の難病基本方針」を示しておりまして、右側に「改定の方向性と見直しの背景」ということで、(参考)として黒マルで書いておりますのが見直しの背景で、その上のマルで書いておりますのが具体的なその改定の方向性ということでございます。
この後御説明します小慢の改定の方向性についても、基本的に同じような資料の構成としているところでございます。
まず、3ページ目の内容ですけれども、左上のほうは基本的な方向ということでございますけれども、(1)のイの下のほうを御覧いただきますと、これまで難病対策に参画する者として、医療従事者、福祉サービスを提供する者などが規定されておりましたが、今般の法改正によりまして、黒マルの後半ですけれども、難病相談支援センターが連携すべき主体としまして、難病の患者の福祉や雇用に関する関係機関というところが明記されましたので、これを踏まえまして、マルですけれども、難病対策に参画する者として就労支援を提供する者を追記してはどうかというものでございます。
続きまして(2)のイ、これは医療費助成制度に関するものでございますけれども、(参考)のところに記載しておりますとおり、平成29年度から指定難病患者データベースの運用を開始していること。また、今般の法改正によりまして、データベースが法定化されたことを踏まえまして、上のマルのところでございますけれども、指定難病患者データベースを構築したことや、個人情報の保護等に万全を期した上で、第三者へのデータ提供等を行っていくということを追記してはどうかというものでございます。
続きまして4ページ目でございます。第三は医療提供体制に関するもので、右側の(参考)のところを御覧いただければと思います。平成29年に移行期医療支援ガイドを策定したり、あるいは、2つ目のマルに書いております、令和4年度には移行期医療支援体制実態調査を実施し、また、全国7か所に設置しております移行期医療支援センターを中心に、小慢から成人期への移行を支援しているといったことを踏まえまして、マルのところでございますが、国が移行期医療支援体制の構築に係るガイドを周知していくこと、あるいは都道府県において、小児期、あるいは成人期をそれぞれ担当する医療従事者間の連携などに関する支援体制の整備でありますとか、その移行期医療支援体制の整備に関する事業を実施するということを追記してはどうかというところでございます。
続いて、おめくりいただきまして5ページ目でございますけれども、第四は医療人材の養成に関する事項ということで、難病は患者さんの数が少ないということで、難病に関する知識を持った人材が乏しいということがございまして、各地域において適切な医療を提供できるように、右側のマルで書いてございますけれども、関係学会と連携し、指定医に限らず、幅広く医療関係者に対してその難病制度の周知を図っていくということを追記してはどうかと考えてございます。
その下の(2)のアは指定医に関する記載でございますけれども、難病医療に携わる指定医の皆様の養成をしっかりと図っていくということで、黒マルに書いておりますとおり、現行も、国において難病指定医の研修テキストを作成し都道府県に提供しておるところでございますけれども、こういった取組、あるいはマルに書いておりますようなe-leaning教材、こういったものを使いまして、指定医の皆様の質の向上を図る取組を進めていくということを追記してはどうかと考えてございます。
続きまして、第五、調査研究の関係でございます。こちら、(参考)のところに書いてございますけれども、先ほどから御説明しておりますとおり、昨年の法改正でデータベースを法定化したということを受けまして、それに伴う修正をしてはどうかということでございます。
おめくりいただきまして6ページ目でございます。第七を御覧いただければと思います。療養生活の環境整備に関する事項ということで、これは議題1のほうでも御説明させていただきましたけれども、難病相談支援センターが福祉や雇用などの支援の案内に活用できる資料のひな型を国でしっかりと策定し、都道府県等に設置されております各難病相談支援センターにおいて、福祉や雇用などの様々な支援機関と連携していくということを追記してはどうかというものでございます。
続きまして7ページ目を御覧いただければと思います。7ページ目、療養生活の環境整備について引き続きでございますが、(2)に記載しておりますとおり、今回の法改正で小慢の地域協議会についても法律上位置づけたところでございますので、この小慢の地域協議会と難病の協議会がしっかりと連携していくということを追記してはどうかと考えてございます。
その下、第八でございます。福祉サービスに関する施策、就労支援に関する施策、その他の関連施策との連携に関する事項ということで、右側の(参考)に書いてございますけれども、病気休暇の必要性を周知するためのリーフレットや病気休暇等の特別休暇制度を導入している企業の好事例集の作成・配布等を行っていることを踏まえまして、国において病気休暇等の普及促進に努める旨を追記してはどうかというものでございます。
続きまして8ページ目を御覧いただければと思います。先ほどの施策間の連携の事項に続けてでございますが、こちら、新設ということで、議題1でも御議論いただきました「登録者証」の発行について追記してはどうかということでございます。
難病の関係の主なポイントは以上でございまして、続きまして、10ページ目から小慢の関係をまとめてございます。
まず、10ページ目、基本的な方向の第一の五でございますけれども、現行は、改正法施行後5年以内を目途として見直しを行うということになっておりますが、これは難病の基本方針に併せまして、少なくとも5年ごとに再検討を加えるという形に修正してはどうかというものでございます。
第二は医療費助成に関するもので、これは難病の基本方針と同様に、データベースの法定化等に伴う修正をしてはどうかというものでございます。
また、11ページ目の第三でございます。これは医療提供体制に関する事項でございますけれども、こちらについても、難病と同様に、e-leaning教材を活用した指定医の育成を追記してはどうかということでございます。
その下、第三の五ということですけれども、移行期医療支援体制の構築、ガイドの周知でありますとか、自治体における移行期医療支援体制整備事業の実施について追記してはどうかということでございます。
続きまして12ページ目を御覧ください。こちら、小慢の自立支援事業に関するものでございます。右上のところですけれども、これまで地域の協議会、小慢につきましては、通知に基づきまして、慢性疾病児童等地域支援協議会という名称でございましたが、これが法律に位置づけられまして、小児慢性特定疾病対策地域支援協議会という名称に変わっておりますので、これは全体を通じて修正したいと思っております。
それから、二のところでございますけれども、これも難病と同じですが、小慢、難病それぞれの地域協議会がしっかり連携していくことを追記してはどうかというものでございます。
あと、五ということで、右下でございますけれども、昨年の法改正で小慢の自立支援事業の中の一つの事業として、任意事業の実施及び利用促進する実態把握事業の実施を自治体の努力義務として規定したところでありますので、この旨追記してはどうかと考えてございます。
おめくりいただきまして13ページ目でございますけれども、第五、成人移行に関する事項ということで、こちら、小慢疾病であって、指定難病の要件を満たすものについてはしっかりと難病の対象疾病に追加していくということ。それから、小慢の疾病の検討委員会が設置されますので、これと指定難病の検討委員会がしっかりと連携していくということを規定してはどうかというものでございます。
第六の調査研究は、難病と同様にデータベースの法定化に伴う修正をさせていただければと思ってございます。
14ページ目を御覧いただきまして、第七ということでございます。これは学校教育や福祉、就労との連携ということでございますが、右のほうのマルに書いておりますけれども、こちらも「登録者証」の関係で追記をしてはどうかということを考えているところでございます。
小慢の基本方針の主な改定の、事務局として基本的にここは改正が必要だろうということでピックアップした項目は以上でございまして、あと、16ページ以降は、難病、小慢それぞれ、平成27年の基本方針の策定以降にどのような取組を実施してきたかということをまとめておりますので、こうしたことも踏まえて御議論いただければと思っております。
駆け足になりましたが、以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございました。
それでは、資料2について何か御意見、御質問があればお願いいたします。
五十嵐委員、お願いいたします。
○五十嵐委員 御説明どうもありがとうございました。
御指摘いただいたところは、私は私も賛成で、是非進めて頂きたく存じます。今回は基本的な見直しをするということですので、お願いがあります。私はこれまで小慢と難病の委員会に出させていただいておりました。問題と考えるのは、小児慢性特定疾病の患者さんが18歳ないし20歳を超えると支援を受けられない疾患が残されている点です。典型的な例は、小児がん患者さんです。小児がん患者さんは、成人のがんは難病ではないという縛りがありますので、成人になりますと支援を受けることができません。本日この会に御出席されている盛一先生達は、小児慢性特定疾患の患者さんたちの生命予後は、30年前に比べると5倍に改善しているとするデータを示されています。今や、小児慢性特定疾病は小児期に終わるものではなく、大人にまで移行する疾患です。例えば成人先天性心疾患は成人の心疾患の中で大きな位置を占める時代になっています。
小慢と難病をこれからは分けず、一つの事業として運営すべきではないかと私は考えます。
小児慢性特定疾患の患者さんが成人に移行する場合に、指定難病の要件を満たすものは支援すると現在は規定されています。できれば、「指定難病の要件を満たす」ではなく、「一定の要件を満たす」と変えていただければ、例えば小児のがん患者さんが成人してから二次がんになったり、放射線による中枢神経障害などが出てきた場合に、患者さんを支援することができるのではないかと考えます。
小慢、難病という2つのカテゴリーをそれぞれの根拠法の下で改善する方向性を目指すのは当然です。しかし、将来のことですが、小慢の患者さんが成人になったときに支援を終了するとする現在の基本的な方針を変えることができないか、検討していただきたいと切に要望いたします。
以上です。
○小国委員長 貴重な御意見ありがとうございます。事務局の方、よろしくお願いいたします。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
先生、十分御案内のとおり、小慢のほうは児童福祉法に位置づけられていて、児童の健全育成という観点から、ある意味で言うと、小児慢性特定疾病については非常に幅広く対象疾患にできるようにしてあるということでございます。一方で、難病の要件については、原因が分からないという疾患に関しまして、人口要件等も含めまして厳密に要件をかけながら、一方で、それに科学的知見があれば速やかに指定していくということで、そもそもの制度の成り立ちが両者においては違うということが大前提としてあるということでございます。
先生の御指摘については、患者さんの目線に立ったところで、一人の患者さんが成人期に移行していく中で制度のほうがそれにしっかりと追いつくべきでないかという御指摘かと思います。現状においては非常にハードルは高いと申し上げざるを得ないのですが、論点としては我々重々認識しておりますし、現状でも指定難病の委員会と小慢の委員会、今後きっちりと合同開催することによって、少なくとも難病の指定をするときに、小慢のほうが追いつかないとか、逆もしかりでございますが、そういったことがないように、現状の制度の中でもできることをしっかりとやっていきたいと考えております。
以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございます。
それでは、先に手を挙げていらっしゃった黒瀨委員、お願いいたします。
○黒瀨委員 ありがとうございます。先ほど、医療提供体制、あるいは療養生活環境について言及いただきましたので、1点お願いと御質問をさせていただきたいと思います。
先般、6月25日に行われました弊会の代議員会において、ある代議員のほうから代表質問を受けました。内容は、パーキンソン病等の難病の患者さんがかなり高額な薬剤を使っているがために、例えば自宅で療養できなくなり老人保健施設に入ろうとしたときに、結局、薬剤費が包括になっているために、老人保健施設では入居をやんわりとお断りされるようなケースが散見されるという話でした。
これはもちろん制度上はそういったことがあってはならないことではありますけれども、現実的に厳しい老人保健施設や介護医療院等ではなかなか受け入れがスムーズにいかないというケースは否定できないと思います。実際に厚生労働省の平成28年の調査研究事業におきましても、介護老人保健施設における医療提供の実態等に関する調査ということで、パーキンソン病の患者さん等については薬剤費が高額であるがために、介護老人保健施設の入所に困難を生じている場合があると、しっかりと調査結果が出ております。
また、先日行われました中医協と社会保障審議会介護給付費分科会の医療・介護の課題に関係する委員から構成される令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会においても、介護老人保健施設に限らず、医療・介護両分野の薬剤報酬の包括化について課題があるということが示されています。
これに関しまして、現在、厚生労働省様としては、どのようにこの状況を把握し理解しているのか、あるいは、これは平成28年という結構前の話になりますので、再調査をするというお考えはあるのでしょうか。また、もし課題があるとすれば、その課題解決に向けてどのような方向性を持って具体的にアクションしていただけるのかということに関して御意見をいただければと思います。
以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局からお願いいたします。
○江崎難病対策課長補佐 黒瀨委員、ありがとうございます。包括支払いというものの制度の性質上、一部の患者さんについて見ると赤字になったり黒字になったりということで、やはり内在する制度であるということはよく御理解いただいているとは思うのですけれども、現場のそういった地域で難病の診療であるとか療養を支援してくださっている先生方の御意見にもしっかり耳を傾けながら、どういったことが今後課題となっているのかということについて、また緊密に先生方の御意見もお聞きしながら、難病の制度の周知とかそういったことにしっかり取り組んでまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
○黒瀨委員 ありがとうございます。
○小国委員長 それでは、竹内委員、お願いいたします。
○竹内委員 ありがとうございます。埼玉医大の竹内と申します。
今回の取組は大変すばらしいもので、これまでになかった点が幾つもあると思います。その中で私が注目いたしましたのはこのデータベースの構築。これが法定化されたことによって、難病、あるいは小慢の患者さんたちの調査研究を促進する非常に大きな一歩だと思いました。
一方で、これまでの経験も踏まえて、このデータベースが本当に積極的に利活用されて研究成果に結びつくかという観点で言いますと、その利活用についての文言のところが少し弱いように感じました。先ほどの資料2の例えば18ページ目、第五、難病に関する調査及び研究に関する事項、現行の基本方針と、取組状況というところは、まだまだ厚生労働省が主体として研究を促進しているような事業が中心で、研究調査をより活発にするためには、もう少しデータベースの利用を促進させるような取組が必要ではないかと思いました。
資料2の19ページ目、「難病基本方針に基づく取組の実施状況」では、これを利活用促進させるためには、やはりデータベースがより分かりやすく、その内容が記載されていることと、研究者にとってより利活用ができるような仕組みを整えることが必要ではないかだと思いました。
そこで質問なのですけれども、難病については基盤研、それから、小慢については成育医療センターにデータベースをつくると書かれておりましたが、そのデータベースの概要、あるいはそのデータベースを利用するときの研究者の条件、あるいはどういう内容が含まれているのかも含めて、積極的な利活用の方針について、何か今後の取組でお考えがあるのであれば聞かせていただきたいなと思います。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局の方、お願いいたします。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
今、御指摘いただきましたように、現状のデータベースですね。法律に基づかない、予算に基づいてやっておりますデータベースに関しましては、研究費をお受けいただいている研究者の方々に提供が限定されているということでございます。一方で、法改正をさせていただきまして、今後、令和6年4月1日以降に関しまして、そのデータベースの第三者に提供する部分に関しましては、今申し上げた研究費を受けている研究者というところに限らず、また民間企業等も提供の相手方になっていくということでございますので、より利活用という意味では幅が広がっていくかなと思っております。
一方で、手続等がしっかりと周知されていないとという御指摘、ごもっともでございますので、その辺りは我々のほうでしっかりと、研究者に限らず、民間の方々も御活用いただけるように、一方でまた患者様の方々におかれましては、情報漏えいがないようにと非常に強い御要望を受けておりますので、そういった、安心で安全で、かつ、一方で幅広く利活用いただけるような形で周知等についても努力していきたいと考えております。
以上でございます。
○竹内委員 ありがとうございます。成果が期待されますので、ぜひしっかり取り組んでいただいて、患者さんにフィードバックされるような成果を上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小国委員長 ありがとうございました。ではまず、坂上委員からお願いいたします。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。
先ほど五十嵐先生からもありましたが、私も、小慢委員会と難病対策委員会の両方の委員を務めさせていただきました。その関係で、慢性疾患を持つ子供さんたちが大人になっていくときの移行支援にとても関心を持っております。医療関係者皆様のご努力のおかげで、移行支援の体制が少しずつ整えられてきました。昨年、日本小児科学会が移行支援についての提言をまとめたのですけれども、私も、本委員会委員の福島さんも参加しました。提言をまとめる議論の中で、まだまだ様々な課題があることに気づかされました。
医療だけでなくて、社会、福祉、就労、教育など、ほかの分野についても支援しなければいけないということで、日本小児科学会の提言は、様々な支援を含んだ言葉として、「成人移行支援」という概念を強く打ち出しました。
ぜひとも、今回改定される難病基本方針と小慢基本方針に医療だけでなくて、全人的に子供さんの成長を支えていく、大人になっても支えていくという趣旨の内容を盛り込んでいただきたいと思います。
以上です。
○小国委員長 ごもっともなことだと思います。では事務局の方お願いします。
○簑原難病対策課長 御指摘ありがとうございます。まさに、今までは移行期医療というようなところで対象が少し限定的というところがあったかと思います。一方で、盛一先生の先ほどの研究もありますけれども、成人していっているお子さんが非常に増えていっているということで、当然ながら、学習であるとか就労といったものに、一定の年齢に至ったときには、御本人、またその御家族がそれにちゃんと向き合えるような支援というのがしっかりとしていかなければいけない。これはまた地域ごとでやり方は様々だと思います。余り国で画一的にこうやるべきだというとまたワークしなくなってくるところがあると思いますので、地域ごとでどうすればそういう枠組みがつくれるのかというような手がかりというものをつくっていきたいと思っていまして、移行期支援の実態調査みたいなところは、そういった手がかりを見つけるために今実施させていただいておりますが、そういったものが各地域で円滑にできるように引き続き努力させていただきたいと思います。
以上でございます。
○小国委員長 ありがとうございました。では、滝田委員、お願いできますでしょうか。
○滝田委員 リモートで失礼いたします。京都大学小児科の滝田でございます。
私も、今の五十嵐委員、坂上委員の発言に全く賛同いたします。
私からはコメントですが、小慢の支援を受け入れていた疾患の方々が難病に移行できないというのは非常に大きな課題かなと、現場にいる者として感じておりますが、それもなかなか難しいというような御発言がございましたが、ただ、せめてどういうことが課題になっているか、まず実態調査からぜひお進めいただければと思います。何が課題で、何をまず解決しなければいけないかというところがまだ明確ではないように思いますので、ぜひよろしくお願いします。
○小国委員長 事務局からお願いいたします。
○簑原難病対策課長 ありがとうございます。まさに移行期の支援、実態調査等で、今、御指摘いただいたようなところも含めてしっかりと把握をしていった上で、どういう対応策があるのか、地域ごとにどういう対応をしていただけるような手がかりなり手順があるのかということを今後とも検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 ありがとうございました。それでは、大柄参考人お願いします。
○大柄参考人 JPAの大柄でございます。
すみません。本日は参考人という形ですので、事前に代表の吉川から提出させていただいた意見書の補足という形で、記載の追加をお願いしたいということですけれども、難病相談支援センターについてです。「職員のスキルアップ等」という文言が書かれているのですけれども、平成27年に発行された難病相談支援のガイドブックに、今後の課題として、保健、医療、福祉などの専門性の高い相談支援とピアサポーターによるピアサポートと協働というような文言が書かれておりました。
今回の見直しの中にピアサポーターという職員たちが書かれていないので、ピアサポーターの正しい役割の確認も含めて、ピアサポーターの有効な活用についても明記のほうをお願いしたいという点が1点と、あと、民間団体の啓発活動の事例として、世界希少・難治性疾患の日という形で書かれているのですけれども、2014年5月23日、難病法が成立したのを記念して、2018年に5月23日を「難病の日」として登録させていただいて、2020年から難病の日のイベントというのをやっておりますので、そちらの追加記載のほうもお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○小国委員長 事務局の方、いかがでしょうか。
○簑原難病対策課長 御指摘を踏まえまして、次回以降、どういった形で対応できるか検討させていただきたいと思います。
以上でございます。
○小国委員長 それでは、錦織委員お願いします。
○錦織委員 神戸大の名誉教授の錦織でございます。リモートで失礼いたします。
2点ございまして、1つはデータベースの利活用ということに関してなのですが、それをデータベースとして本当に利活用するのであれば、かなり軽症の方から入って登録されてデータベースができていかないと、データとしては少し完成度の低いものになるのではないかなと懸念されるので、その登録というところでどうしても、登録者証を発行すれば、ある程度、指定難病の場合は軽症の方から入るということですけれども、それでもやはりそこにちょっとギャップがあるかと思いますし、小慢に関してはもっとギャップができるかもしれないので、その点の検討も少し必要かと思いまして、1つコメントです。
もう一つは、最後に少しおっしゃっていた点なのですけれども、各自治体に置かれた相談支援センターの相談員の方ですけれども、現場では、自治体によって相談支援センターのどこに行かれるかということで結構知識とかスキルとかに差が大きくて、人材育成ということが先ほど基本方針に盛り込まれておりまして、そこでは主に医療従事者の人材育成というのを意図されているようですけれども、医療従事者に関しては、まだ道半ばとはいえ、難病法が制定されてから日本医師会とかいろんなところで臓器ごとの難病のシリーズとかいろんな治療など、また教育媒体だとか出されているので、かなり認識とか知識が広まってきたかなと思うのですけれども、今度は、コメディカルと申しますか、相談支援員のような方のもう少し幅広い、難病ということに関して、また個々の疾患についての、専門ではなくても、ある程度相談に乗れるぐらいの知識があったら患者さんとしてはありがたいのではないかなと思いましたので、一言ちょっとコメントとして御意見させていただきました。
以上です。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局から、お願いします。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
御指摘ありがとうございます。1点目の軽症の方々のデータベース登録の部分でございますが、登録者証は一つの契機になるかなと思っておりますが、一方で、有識者会議、先ほど立ち上げについて御了承いただきましたが、このデータベースを活用して、研究がどういった形で成果に結びついているかというのを患者の方々にしっかりと分かりやすくお届けして、データベースへの登録について御検討いただけるような形にしなければいけないと考えておりますので、その辺りも有識者会議のほうで御議論いただければと思っております。
また、2点目の難病相談支援センターでございますが、御指摘のとおり、委託先として医療機関であるとか患者団体であるとか、そういった形で様々な主体が今現状あるということで、得意分野というのがそれぞれの主体によって様々というのが現状になっているかと思います。そういった意味で、患者さんが御相談されたときに、ここの部分はなかなかこのセンターでは御案内できていないというところが現状あるというのは承知しておりますので、そういったものができるだけ均一化といいますか、それぞれ最低限の御相談ができるような形で、先ほどのひな型をおつくりするというところも一つの取組としてさせていただきたいと思いますけれども、難病患者さんのニーズに合った御相談が、御案内ができるような形で相談支援センターの強化等についても国としてもしっかりやっていきたいと考えております。
以上でございます。
○錦織委員 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○小国委員長 ありがとうございました。では、倉知委員、お願いします。
○倉知委員 九州産業大学の倉知です。
今回初めてこの委員になりましたので、よく分からないままでお話しさせていただきますが、特に就労と生活の問題についてなのですけれども、今、難病の方々は多様化していて、仕事をする上で、身体障害者手帳にも、療育手帳にも、精神障害者保健福祉手帳にも当てはまらない、難病の方固有の問題があるといえます。今それを、障害者職業総合センターの春名委員を中心に就労困難性について調査研究をやっているのですけれども、その中で幾つか明らかになってきたのが、ほかの障害に当てはまらない固有のものとして、痛み、疲れやすさ、日々の変動性が非常に大きいという、この辺りが出てきました。
ただ、これを機能的な障害として、困難性を測り、程度を決めていくことをしていかないと、障害者雇用が進展していかないと思っています。その辺りを今後さらに研究していかないと、難病患者さんの雇用問題というのは障害者雇用対策課だけでは難しいのではないかと思っていますので、そういうことを少し加えられないかと思いました。
以上です。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局からお願いします。
○簑原難病対策課長 御指摘ありがとうございます。
春名先生にも今研究いただいていますけれども、まさに難病患者さんとか、小慢の患者さんもそうですけれども、いわゆる障害とは違って、配慮の仕方がちょっと違うといいますか、といったところが特徴としてあるというのは承知しております。そういったものをどう事業者の方々に知っていただくかというのは、今、御指摘いただいたように、非常に難しい点でありますし、医学的な部分も恐らく必要になってくるかと思いますので、御指摘の点を踏まえまして、基本方針という形かどうか置いておいたとして、この委員会の場等でまた御議論の対象とさせていただければと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 では、北山委員、お願いします。
○北山委員 すみません。時間がなさそうなので手短に。全国児童発達支援協議会の北山でございます。
一番最初の1ページの基本的な考え方のところの4ポツ目の後ろのほうですけれども、医療・保健・福祉・就労等の現場というのが書いてあって、そのとおりだと。「等」も入っていますのであれですけれども、小児で考えると、ここは教育も入れておくのが流れとしては正しいのかなと。もちろん、中身には、教育の中でのことも挙がっていたのですけれども、ここにぜひ教育も入っておいてほしいなと思った次第でございます。よろしくお願いいたします。
○小国委員長 事務局の方、よろしくお願いします。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
御指摘を踏まえまして検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 それでは、野間口委員、お願いします。
○野間口委員 宮崎大学の野間口です。
少し1の議論にも関係するかもしれませんけれども、先ほどから出ているように、小児慢性の小慢のお子さんたちが、大人になっていく子たちがたくさんいらっしゃるということで、そういうことを考えますと、例えばデータベースであるとかいうときに、小さい頃は、御両親や、それに代わる方たちが同意されてデータベースを登録されると思うのですけれども、いつのタイミングかに本人の意思を確認するであるとか、あと、いろいろな事業についても、御本人にも、子供にも分かりやすくというふうなところの説明が、ある一定の年齢に来たり、理解度が進んでいくと必要なのではないかなと考えますので、その辺りのことも考慮いただけるとありがたいなと思います。
○小国委員長 では、事務局、お願いします。
○簑原難病対策課長 難病対策課長でございます。
各家庭で、いつの時点でお子さんに御案内いただくかというのは一律で決められるかどうかはちょっと検討が必要かなと思いますし、現場の御意見も必要かなと思いますが、少なくとも、例えば親御さんのほうで、まずはデータベースに登録したいと思って登録していたということでございますが、成人に近づいていく中で、もし御本人が、それは嫌だと言ったところに関しましては、例えばデータの登録の削除ができるようにするとか、そういったことはしっかりさせていただきたいと思いますので、また現場の御意見を踏まえまして、どういった形でお子さんにも分かるようにするのかというのは引き続き検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 ありがとうございます。では、春名委員、お願いします。
○春名委員 平成27年の基本的な方針で就労支援についても入って、それでかなりいろんなことが進んだかと思う。今回の案では病気休暇のことも書いていただきよいと思う。今後さらに進めていく方向性を考えると、「共生社会の実現に向けて」という取組として、専門的な支援だけではなく、難病患者さんを雇用する企業の理解だとか取組というところが非常に重要になってくる。企業の理解促進、企業の方を支援していくことは、障害者雇用の分野でも非常に重要になっていると思う。現行のものでも、基本的な理念だとか、啓発という意味では含められているが、より明確に企業を共生社会の実現のための不可欠な一員として位置づけることで、より総合的な取組の指針もできないかと思うところであります。
以上です。
○小国委員長 事務局、お願いします。
○簑原難病対策課長 国の取組として基本方針を書かせていただきますので、企業の方々にどういうアクションを国としてやっていくかというのは、今の御指摘を踏まえまして、重要な点だと思いますので、具体的な内容について検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 よろしくお願いします。では、日下委員、お願いします。
○日下委員 今回から参加させていただいております。教育からということで、現在、私は特別支援学校の校長をしておりますが、本校が病弱の教育を担う学校ということで、全国の特別支援学校の病弱教育の校長会の会長もさせていただいております。
先ほど北山委員が御指摘されていたところに賛同するところでございますが、児童の健全育成、それから疾病児童等の健全な育成に資するというような文言はあちらこちらにあるのですが、教育についてが本当に薄いなあという感想を持っております。最後のほうで、第七でやっと「学校教育、福祉サービスに関する施策及び」という言葉が出てきてちょっとほっとしたのですが、中身は全くそういったところがない。全体的に、もちろん法を整備していくというのはとても大切なことだと思うのですが、どちらかというと、小慢であるとか難病である方たちをメインストリームしていくために法を整理しているような印象があります。
ぜひ小慢の方、それから難病である方たちの視点で、彼らが主役になるという視点で考えていくと、さきに五十嵐委員も御指摘されていたような、小慢と難病を分けるとかそういったことではなく、一人の人間に対しての、人に対しての必要なものの視点での施策のマッチング、整理ができるとすばらしいものになるのかなと。ぜひその辺りを方針でお示しいただければありがたいと思います。
かつて小慢が研究事業であったときに、やはりそれが法制化し、制度ができたことで、当時、多くの長期療養している子供たちが教育を受けることが可能になったということがございます。やはり法が整って、それで守られていくというところもあります。子供たち、特に小児については生活の大部分が学校の教育であり、教育を通して、いろいろ社会性であるとか、人格形成をしていっているというとても大切な領域です。いろいろなところに教育の視点を盛り込んでいただきたいと思いますので、ぜひ御検討よろしくお願いいたします。
以上です。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局、お願いします。
○簑原難病対策課長 ありがとうございます。御指摘のとおり、平成27年法律施行していく中で、まず医療の充実というところにかなりシフトが置かれていたのは実情かと思います。その上で、施行していく中で、今、日下委員が御指摘いただいたように、生活者でありますので、教育含めまして福祉なり就労といったところの総合的な支援が当然ながら必要になってくるというところで、御指摘いただいた、生活者である患者さんの視点に立ってどういう形が記載として適当か、特に教育の部分については一部不足しているのではないかというところの御指摘かと思いますので、その辺り、御指摘を踏まえまして検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 すみません。Zoomのほうで、本田委員でしょうか。よろしくお願いします。
○本田委員 よろしくお願いします。人材育成の件に関して、ピアサポーターの件だとか難病支援相談センターのスタッフの育成というところをお話しいただいていて、そこのところも御検討いただけるということですけれども、地域で療養していく方々の支援ということになりますと、地域支援協議会だとかそういうところに関わっていく人々、保健師さんだとか、難病のコーディネーターさんだとか、難病の専門医さんだとか、そのような方々も入っていった中で、人材育成ということの内容として、そのような多職種連携、いろいろな領域の人たちで、今後小児も含めてということになりますといろいろなお立場の方々がどのように、この難病医療、あと療養支援というところをやっていくかということになりますと、人材育成がもう少し幅広い形でのテーマに関して、共に学んでいって、広く働けるような方々の人材育成になるようにというところで、対象になる人たちを少し拡大しながら、さらに充実しながらというところの育成のほうを御検討いただければと思っております。
以上です。
○小国委員長 ありがとうございます。では、事務局お願いします。
○簑原難病対策課長 ありがとうございます。先ほど少し御説明させていただきましたが、小慢の地域協議会のほうは今回法定化させていただいて、難病の地域協議会と連携するということでございますが、こちらについては合同設置も可という運用も認めようと思っておりますので、こういった形でいろんな多職種、また小慢と難病に関わっているそれぞれの方々が非常に連携したり日々触れ合ったりというところが出てくるのではないかなと思っています。その上で、よりそれぞれの方々がレベルアップするためにどういう形になるか、どういうことが必要かというのは、今申し上げた地域協議会の中の実態等も把握させていただきながら引き続き検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○本田委員 ありがとうございます。
○小国委員長 それでは、清古委員、お願いします。
○清古委員 すみません。ちょっと細かいことでお願いがあるのですけれども、難病の早期発見のところなのですけれども、実は脊髄性筋萎縮症という病気が難病でも小慢でも指定されているのですが、最近、令和2年に遺伝子治療法が承認されまして、発症前に治療が可能となっております。それで、現在、新生児マススクリーニング検査は国の事業で、20疾患検査することができるのですが、この病気の検査は公費負担となっておりません。都道府県でも検査ができるような体制になってきておりますので、ぜひ公費負担の疾患に加えていただきますようよろしくお願いいたします。
○小国委員長 事務局、お願いします。
○簑原難病対策課長 すみません。こちらについてはこども家庭庁のほうに担当課がありまして、今の御意見はお伝えさせていただきます。ありがとうございます。
○小国委員長 ありがとうございました。大体意見が出そろったでしょうか。
柏木委員、お願いします。
○柏木委員 柏木です。
先ほどから委員の方々のお言葉に大変胸が熱くなっているところです。私から1つ、難病基本方針の改定のところで、思ったところがあります。難病の患者に対する医療提供体制の確保、第三です。4ページ目のカ、早期診断の部分です。「遺伝子診断等の特殊な検査について、幅広く実施できる体制づくり」というところで、新たな改定の方向性のところに「次世代シーケンサー」という具体的な言葉も入れていただきつつ、「早期に正しい診断が可能となるよう研究を推進する」ということが追記されるということですけれども、こうした診断を目的とした遺伝学的な検査の研究が進むにつれ、この下に(参考)としても書かれておりますとおり、遺伝カウンセリングとの両輪で患者さんに情報提供されるということが非常に重要と思われます。
単に病名を宣告されたり、遺伝学的検査の報告書のコピーを患者さんに渡して簡単に説明されるというようなケースも見受けられますが、これは余りよい体制ではないと思われます。やはり難病の告知、特に遺伝性疾患の告知というのは大変デリケートな場面でありますことから、告知を受ける患者さんのショックや不安や生活、そういったものに寄り添った丁寧な説明、治療法選択のサポートなど、そういったものの重要性を考えますと、現行の文章には「倫理的観点も踏まえつつ」ということが書かれてはいるのですけれども、「次世代シーケンサー」とともに「遺伝カウンセリング」という文言も入れていただくことで、その両輪の大切さが明確になるといいなと感じました。御検討いただければと思います。
○小国委員長 事務局の方、いかがでしょうか。
○簑原難病対策課長 ありがとうございます。まさに診断して終わりではなくて、診断後のフォローについて、気軽に御相談できるような形というのが多分重要だと思っています。そういう点は我々重々注意して進めていきたいと思いますが、そういう意味でいうと、患者さんのフォロー体制という観点がこの中に入るように検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○小国委員長 よろしくお願いいたします。ほかにはどうでしょうか。
よろしいでしょうか。
皆様から大変貴重な様々な御意見をいただきまして、ありがとうございます。事務局で整理をしていただき、次回、改定の方向性を整理して御提示していただくようにお願いいたします。
本日は以上で終了とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。