2023年7月12日第29回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和5年7月12日(水)15:00~17:30

2.場所

オンライン会議(東京虎ノ門グローバルスクエア コンファレンス)

3.出席者

4.議題

  1. 1.関係団体ヒアリング1
  2. 2.その他

5.議事

○伊藤障害福祉課長 定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第29回会合を開催いたします。
 関係団体の皆様及びアドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、アドバイザーの皆様にはオンライン、または会場にて御参加いただいています。
 また、傍聴席は設けておりませんが、動画配信システムでのライブ配信により一般公開しております。
 本日のアドバイザーの皆様の出席状況ですが、井出アドバイザー、佐藤アドバイザーのお二人におかれましては、所用により遅れての出席となっております。
 本日は、団体の皆様からのヒアリングを行うため、関係団体の方々にお越しいただいております。1団体ごとに入れ替わりで行いますので、団体名、御出席者名につきましては団体ごとに御紹介させていただきます。
 また、本検討チームの議事は公開といたしまして、審議内容を皆様に御確認いただいた上で、後日、厚労省のホームページで議事録として掲載する予定です。
 最初に、厚労省側の構成員に人事異動がございましたので御紹介させていただきます。
 まず、江口企画課長です。
 同じく羽野地域生活・発達障害者支援室長です。
 同じく小林精神・障害保険課長です。
 最後に私、障害福祉課長の伊藤でございます。
 それでは、議事に入る前に、資料の確認とヒアリングの段取りを確認させていただきます。オンライン参加のアドバイザーにおかれましては、電子媒体でお送りしておりますので、その資料を御覧ください。同じ資料をホームページにも掲載しております。
 本日の資料でございますが、ヒアリング資料1~6として、本日のヒアリングを行う各団体様から提出いただいている意見の資料を用意してございます。
 参考資料1ですが、前回5月22日の検討チームで計47団体のヒアリングとして提示させていただきましたが、厚労省の別の検討会の委員でございました「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」から「一般社団法人全日本自閉症支援者協会」様、それから「障害児通所支援に関する検討会」から「一般社団法人全国介護事業者連盟」様の2団体からもヒアリングを実施する必要があり、計49団体からのヒアリングとなります。
 次に、参考資料2と3に関しては、「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会」というものを開催いたしまして、その意見交換会における主な御意見をまとめておりますので御参照ください。
 最後に、参考資料4の令和4年度障害福祉サービス等報酬改定検証調査結果については6月20日に厚生労働省ホームページに公表を行ったものを配付させていただいております。
 続きまして、ヒアリングの進め方について確認させていただきます。ヒアリングは1団体ごとに行います。まず、団体からの御発言を8分間行っていただきます。4分を経過した半分の時点でベルを1回、それから、8分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その際は速やかに意見をまとめていただくよう、御協力をお願いします。
 団体からの御発言の後、アドバイザーの皆様からの質疑応答を7分間予定しております。現地で出席いただいている場合は挙手、それから、オンラインの場合はZOOMの挙手ボタンを押していただくようお願いします。こちらから指名させていただきました後、御発言をお願いします。
 ヒアリングの際は、前回5月22日の検討チームで4つの視点を議論いただきましたが、それに沿ってお願いいたします。
 それから、資料は今回各団体様から概要版というものを御用意いただいておりますので、基本的には概要版に沿って御発言をお願いします。
 4つの視点を再度御紹介させていただきます。
 1つ目の視点は、より質の高いサービスを提供していく上での課題、対処方策、評価方法です。現場の事業所等における支援の実態や効果を踏まえつつ御説明をお願いします。
 2つ目の視点は、地域において利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするための質の高い人材確保、サービス提供体制の確保に向けた課題、対処方策です。
 3つ目の視点は、障害福祉サービス等に係る予算額が自立支援法の施行時から3倍以上に増加し、その後、毎年1割程度伸びているという中で、持続可能な制度としていくための課題及び対処方策です。
 4つ目の視点は、ICT活用などによって業務負担軽減・効率化に向けた課題、対処方策というような、4つの視点を踏まえた御説明をお願いしております。
 なお、本日は手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際は、できるだけゆっくり分かりやすくお話をいただければ幸いです。
 私の発言が長くて恐縮ですが、早速関係団体の皆様から御意見を賜りたいと思います。
 最初に、公益社団法人全国脊髄損傷者連合会より、大濱眞様、安藤信哉様、どうぞよろしくお願いいたします。
○全国脊髄損傷者連合会 公益社団法人全国脊髄損傷者連合会の代表理事の大濱です。
 本日は、このような貴重な機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 この後、事務局長の安藤のほうから具体的な内容について説明させていただきます。
○全国脊髄損傷者連合会 事務局長の安藤です。トップバッターということで少し緊張していますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、4ページ、支給決定を受けてもサービスを利用できない問題の対策、(1)報酬改定率の確保、意見・提案を行う背景、論拠というところを御覧ください。
 黒ポチのところです。慢性的な人手不足に加えて近年の物価と人件費の高騰で、障害福祉サービスの現状は非常に疲弊しています。今日も私の仲間がピアサポートで当事者のところに行っています。そのお宅は本当に困難ケースでなかなかヘルパーさんも見つからない、事業所も受けてくれない、そういった中で、どうやっていこうかということを当事者同士で話し合っている現状です。今、なかなか厳しい状況が続いているので、ぜひこちらの現状を踏まえた上で、予算確保等をお願いしたいと思っています。
 その一方で、2020年8月の障害者権利条約の対日審査を経て、9月には総括所見が公表され、国内制度の抜本的な見直しが迫られています。こうした中で、サービス提供の基盤を整備し、質を向上させ、重度な障害があっても安心して地域で暮らせるようにするために、報酬改定を通じてそのビジョンを示すことが重要であると考えています。障害福祉サービスに山積する課題を解決するため、大幅なプラスの改定率を確保するべきだと考えております。
 次に1、支給決定を受けてもサービスを利用できない問題の対策です。重度訪問介護の本体報酬の引き上げ、黒ポチで、訪問系サービス(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護)の事業所は、限られた給付費を数多くの非常勤職員に配分していることから、常勤職員になっても時給が上がらないという特徴があります。こうしたことから、現場が疲弊するばかりで重度障害者に対応できる人材が質と量の両面で不足しています。この結果、サービス利用の申し込みに対して個々の事業者が十分に対応することができず、サービス提供体制が整備されていません。
 その一方で、これまでの重度訪問介護については、区分6の障害者に対する加算の7.5%から8.5%への引き上げ、特定事業所加算の創設などの措置が講じられてきました。また、例えば福祉・介護職員等特定処遇改善加算では、経験・技能のある障害福祉人材に着目した処遇改善が実施されています。しかし、これらの施策でも十分な効果は上がっておりません。さらに処遇改善については3つの加算が創設されたことで、事業所の事務量が増大していることも否定できません。
 個々の事業者が重度障害者に対応できる人材を腰を据えて涵養できるように、重度訪問介護の本体報酬を大幅に引き上げるべきだと考えています。毎年3%ずつの賃上げを念頭に、引き上げ幅は9%以上に設定するべきではないでしょうか。なお、引き上げの所要額は報酬改定率0.32ポイント分と推定されます。
 少し端折りまして10ページの相談支援です。黒ポチのところ、今、私の地域でも障害当事者が運営している相談支援事業所が廃止になってしまいました。相談支援事業所が大変厳しい経営状況にあることを、まず御理解いただければと思っています。相談支援の意義を踏まえて、計画相談支援の収支を抜本的に改善する施策として、計画相談支援の本体報酬を引き上げて、少なくとも障害児相談支援と同水準にすべきだと考えています。よろしくお願いします。
 少し端折らせていただいて15ページです。(4)ピアサポート体制加算とピアサポート実施加算の拡充をお願いしたいと思っています。障害者相談支援事業の実施状況等に関する2022年調査によると、全国1万1472か所の指定特定相談支援事業所や指定障害児相談支援事業所に配置されているピアサポーターは638人にすぎません。このため、2022年12月サービス提供分ではピアサポート体制加算を算定している計画相談支援事業所は全体の1.2%にすぎません。障害者がピアサポーターとして事業所に雇用されるようになれば、就労を通じた社会参加の推進に大きく寄与する可能性がございます。
 先ほど申し上げましたが、障害当事者が運営している相談支援事業所がなかなか厳しくて、経営できていない状況があります。単なる障害者雇用ではなくて、障害を個性として生かせるピアサポートという仕事は大変有意義だと思うのです。ですので、障害者雇用の数、ピアサポーターを増やせば増やすほど加算が増えていくような、乗算されるような仕組みをつくっていただければと思っています。
 19ページ、喀痰吸引等に対応した重度訪問介護従業者養成研修統合課程を含めて、居宅介護所職員初任者研修等の講義を、研修会場に集まることなくウェブ会議システムだけで実施できる取扱いを恒久化すべきである。併せて、喀痰吸引等研修の基本研修の講義においてもウェブ会議システムで実施できる取扱いを恒久化していただきたいと考えています。さらに喀痰吸引等研修の基本研修の演習についても、実地研修と同様に障害者の自宅で本人の喀痰吸引等に慣れた訪問看護師などが講師を務めることによって、研修会場に集まることなく実施できる取扱いにしていただきたいと考えています。
 地方では重度訪問介護サービスもなかなか普及していなくて、こういった研修事業もなかなかできていない。そういったことも踏まえてウェブでできるようにしていただけると、そういった重度訪問介護の普及にもつながりますし、喀痰吸引等で困っている障害当事者の人たちのためにも迅速なヘルパーさんたちの確保につながると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 とりあえず以上です。
○伊藤障害福祉課長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の御発言に対し、アドバイザーの皆様からの御意見・御質問があれば、お願いいたします。
 それでは、会場の小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 貴重な報告をありがとうございます。指摘事項をなるほどと思いながら聞いていたのですが、2点ほど確認したいことがあります。
 一つは、資料でいうと6ページになるのでしょうか。要するに、この報酬改定によって人材を育成できる体制づくりと指摘されているのですけれども、実際はあれなのでしょうか、この後の資料を見ながら考えていたのですけれども、常勤職員の割合が非常に少ないという問題で、常勤という中で人材育成を考えていこうという話との関連性で、そういう指摘になっているのかどうかという、要するに報酬改定と人材育成がどういう関係にあるのかなというのを6ページ目のスライドで知りたかったことが1点目です。
 併せて、もう1点知りたかったのが10ページのところです。計画相談の報酬改定の指摘事項はなるほどと思って見ていたのですけれども、最後のところに主任相談支援専門員の加算の問題が指摘されていて、この文脈だと、計画相談と関係しながら主任相談支援専門員のと読み取るべきものなのか、そうだとすると、主任は、例えば基幹相談支援とか、その他いろいろな相談支援でもかなり幅広い活動が期待されているので、その辺りとの関係がどうなっているのか知りたかったのです。
 以上、2点ほどよろしくお願いします。
○伊藤障害福祉課長 御質問のお答えをお願いします。
○全国脊髄損傷者連合会 ありがとうございます。
 1つ目の御質問ですが、人材育成も加味しています。よろしくお願いします。
 10ページは、主任相談支援専門員ですが、この人たちはかなり経験を積んだ人たち、いろいろなことに対応できる人たちなので、この人たちを相談支援の中でも増やしたいと思っています。実際に地域移行に当たって、この辺をきちんと整備できるような、そういう主任相談支援専門員が増えてほしいなと、私どものほうでも事業所で主任相談支援専門員が2名ぐらいおりますが、もっと増やさないと、本当の地域移行というのは進まないかなと思っていますので、そういう意味でぜひ増やしたいと、増やした分にはちゃんと加算を設けてほしいというお願いです。
○小澤アドバイザー 計画相談との関連もかなりあると、分かりました。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 オンラインのアドバイザーの皆様、いかがでしょうか。
 橋本アドバイザー、お願いいたします。
○橋本アドバイザー 御説明どうもありがとうございます。
 私はピアサポート加算のことについて伺いたいと思います。15ページにピアサポート体制加算とピアサポート実施加算の拡充ということで書かれておりますけれども、今、ピア加算がついている事業以外で、そちらの団体様でピアが入ると意義があると考えられる事業はほかにございますでしょうか。
○全国脊髄損傷者連合会 ありがとうございます。
 ピアサポーターは実際に現場に入っています。それで、当事者のピアサポーターが現場に入るか入らないかで、本当に地域生活に移行するに当たってもアドバイスも相当変わってくるのです。そこら辺が非常に重要だと思っています。そのために、サービス等利用計画案をつくるに当たっても、ピアサポーターの意見も含めた中でこれをやらないと、いい計画案もできませんので、そういう意味でピアサポーターを増やすことについて加算を設けてほしいという意味合いでお願いします。計画案とかをつくる際の現場に入っていくという意味合いです。
 例えば質問の趣旨にずれるかもしれないのですが、今日も私の仲間が当事者のところに行っています。もちろん手弁当で、重度訪問介護を受けている当事者のところに行っているのです。特にそれで何か加算があるわけではないのですが、重度訪問介護のサービスをどうやって受けられるか、そういったことを事業所とどのようにできるかとか、そういったことをヒアリングしながらするために、ですので、重度訪問介護の事業所に対しても当事者の人たちが関わりながらピアサポートをしていることがあります。
○橋本アドバイザー 貴重な御意見をありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはいかがでしょう。よろしいでしょうか。
 特に御意見がなければ、全国脊髄損傷者連合会の皆様からのヒアリングは、ここまでとさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。
○全国脊髄損傷者連合会 ありがとうございました。
(説明者入れ替え)
○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 皆さん、こんにちは。私どもは日本肢体不自由児療護施設連絡協議会です。私は会長を務めております野田と申します。本日は、とても貴重なこのようなお時間をいただきまして、心より感謝しております。
 簡単に自己紹介をさせていただけたらと思います。4月からこども家庭庁が実際に動き出したということで、私ども福祉型入所施設、5施設ありますが、主に肢体不自由のこどもたちの児童福祉法が改正される前から、肢体不自由のこどもたちだけではなく、いろいろな障害をお持ちの方の支援をしてまいりました。
 こども家庭庁のデータを拝見すると、全国に福祉型障害児入所施設が181か所あって、利用人数が1,323人、私どもの施設で生活しているこどもたちは139名おります。こういう数字からしてみると、およそ10%のこどもたちを支援させていただいていると理解していただければと思っております。特に入所時の割合、措置、利用契約、いろいろなところを申し上げると、およそ代替措置で入所しているこどもたちが70%、あとは家庭、養育困難なこどもたちがおります。いろいろな理由がございますが、乳児院から、それこそ高校卒業までのこどもたちが安心安全に過ごせるお家として、こどもたちの立場を大事にいろいろ取り組んでまいりました。
 簡単ではございますが、事務局のほうから、この後、細かい御説明をさせていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 事務局の市川と申します。よろしくお願いいたします。
 今回提案する意見ということで、今日は6点ほど申し上げたいと思っております。
 4ページ目の1番、基本報酬、人員配置基準の引き上げ、加算の見直し、こういった点です。内容は目を通していただければと思います。
 2番目は柔軟な制度の活用について、3番目は移行支援、過齢児の対応について、4番目は措置と契約について、5番目は施設整備等について、6番目はその他ということで、6項目に絞らせていただきました。
 具体的な点に入りたいと思います。6ページ目、基本報酬の点ですけれども、私どもは福祉型障害児入所施設でありますが、主な障害の対象は肢体不自由ということにしております。ところが、現在、肢体不自由のお子さんで施設入所が必要なお子さんが徐々に減ってきているような現状がございます。
 現状としては、肢体不自由児、知的障害、それらの主たる障害という点では、巻末のほうのデータにもありますが、約半々に近いような数字ということです。ところが、肢体不自由のお子さんが中心ということで、強度行動障害、重症心身障害、医療ケア児など、非常に様々な対応が必要とされる障害児が入所しているために、個別の対応が大変多く必要である。また、医療機関との連携もとても必要でありまして、通院の件数も大変多くある。同時に学校との関わりも日常的には大変負担なところもございまして、一般家庭と同様な対応が日々行われているところであります。
 また、福祉型障害児入所施設の学校に関しては、併設の場合と地域に行っている場合、それぞれがございます。地域に行った場合は複数箇所通っていますので、そこに大変人手もかかるという現状がございます。また、重症心身の方たちも一定数おります。日々の生活の介助や医療的な配慮なども非常に必要となり、一人一人の介護に時間がかかるといったところもございます。
 看護師の配置基準も1ということなのですけれども、定員数に応じてなのですが、50人規模ですと、2~3人いないと回せないというような状況もございます。
 7ページ目です。被虐待児が7割ぐらいの形でおるのですけれども、被虐待は保護するところまでが、よく一般報道ではされますけれども、実際に、そこからこどもの虐待のダメージに伴う愛着障害やら家族との再構築、大変長い時間をかけてそこを修復していかなければならないこともございます。幼児に関しても一定数おりまして、日々の心のつながりがとても大事で個別の対応が必要です。リハビリ等に関しても、それぞれの施設で必要なリハビリ担当者をつけていますけれども、より多職種で運営する必要もございます。
 また、きょうだい支援の関わりも大きくテーマとして挙げておりまして、こういった施設に入所しますと、どうしてもきょうだいが健常児だったり、他の障害があったりすると、離れ離れになる、これは巻末の資料にもありますけれども、他の施設、児童養護施設、あるいは里親など様々に分かれてしまうので、そこを定期的につなげる支援も大事と思って取り組んでいるところでございます。
 こういったことが日々多くございまして、なかなか日々の余裕がない、じっくり関われる余裕がないのが現状でございます。
 8ページ目、そういった観点からしまして、ここら辺の点につきましては、基本報酬、人員配置基準、特に人員配置基準は前回の報酬改定では知的障害の基準が見直されましたけれども、肢体不自由のほうは継続されておりますので、ぜひそこら辺も御検討いただきたいということになります。
 9ページ目、柔軟な制度の活用という点では、学齢児は日々学校に行くということがありますのでいいのですけれども、幼児は幼稚園に行ける子もいるのですが、地域性によっては行けないところ、障害の状況によっては行けないところがございます。早期療育の観点からしますと、障害児通所支援の併用ができることによってこどもの成長を促せる、効果的にできるということがあると思います。ここはぜひ認めていただきたい点でございます。
 10ページ目の3、移行支援、過齢児の問題です。過齢児は全国的にまだまだ多くおるような状況なのですけれども、簡単にできない。特に今は本人の目線で行う、本人の理解をより深く行っていくという観点からしますと、時間をかけて多くの場所を見て、経験をして、本人に自己決定をしていく、そんな時間が必要かなと思っています。ですから、移行支援に関しては高校入学とともに進めていく、認定調査を実施して通所体験できるようにしていく、様々な制度を併用しながら進めていく必要があると思っています。
 また、移行支援の主体は都道府県・政令市となっておりますけれども、在学中から計画相談の給付を受けられることも必要かなと思います。また、過齢児になりますと、学校が終わると途端に地域の関わりができなくなってしまうのです。ここの点については、生活介護事業所などを併用できることが、社会につながるために必要だと思っております。
 11ページ目で4点目、措置と契約についても以前から言われておりますけれども、措置と契約の基準がなかなか曖昧なところもありますので、契約といっても長期入所の場合は社会的養護が必要であるという観点から、短期利用を契約として、長期養護を措置として分けたほうが分かりやすいのではないかなと思っています。
 5点目、施設整備です。施設入所指針にもあるように、ハード面の環境面もとても大事だということが言われています。まだまだ旧型の古い施設も多くございまして、施設整備にはかなり苦慮しているところもございます。こういった点におきましては、施設整備の補助を受けられるようにするとともに、複数年にまたがる計画等を認可していただきたい。また、地域によってはファミリーホームの設置も必要かなと思っています。今、サテライト型というのはできていますけれども、地域によっては様々な利用形態が必要かなと思っています。
 6点目については、全般的なことで挙げております。物価高騰、処遇改善、職員採用も大変厳しい状況がございます。このような点も含めまして、どうしてもこういった要望になりますと、予算とか報酬を上げてくれという話ばかりになってしまいますけれども、ぜひ家庭で生活できないこどもたちを一生懸命見ている我々の立場からしますと、その子たちを少しでも自立させてあげて社会に送り出す、そんな役割をしっかりと整えていきたいと思っています。
 参考資料は御覧いただければと思います。以上です。
○伊藤障害福祉課長 どうもありがとうございました。
 それでは、今の御発言に対し、アドバイザーの皆様から御意見・御質問をお願いいたします。
 それでは、会場の小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 私のほうで知りたい数字の背景みたいなのがあって、資料でいいますと8ページです。この中に、意見・提案の内容が5点ほど指摘があるのです。特に2点目で、人員配置基準を引き上げてくださいというところで、現行3.5対1が3.2対1という御意見があるのですけれども、これの何か根拠があれば、ぜひ知りたいのが一つです。
 2つ目で、同じく丸4というところを見ていくと、1年のみの対応から継続的にということなのですけれども、これはどのぐらい対応の必要性があるのかなというのを知りたかったのです。よろしくお願いします。
○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 1点目の人員配置基準の根拠になりますけれども、令和3年度の報酬改定で知的障害者の人員配置の基準が4.3対1から4対1に変更したという点を踏まえまして、この0.3という数字を加味した数字を上げさせていただいています。根拠はそのくらいのところになります。
 被虐待児の加算というのは、実は乳児院とかで暮らしてくると、乳児院で既に1年間の虐待加算を使ってしまいますので、そこから上がってくる部分はもう使えないということになってしまうのです。先ほどもお伝えしたとおり、虐待時の対応というのは施設に入ってからとても長い期間がかかることがございます。我々も被虐待のお子さんの家庭復帰をやってきたりしていますけれども、本当に細かな児相とのやり取り、家族とのやり取り、本人とのやり取りを繰り返しやっていく。また、愛着障害のお子さんも結構おりますので、そういった点で、本当に個別な対応をつくっていかなければならないという点を考えると、これはもうある意味エンドレスかなというような思いではございます。
 以上です。
○小澤アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、オンラインの有村アドバイザー、お願いいたします。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
 先ほどの小澤アドバイザーからの御質問の2点目は私もお尋ねしようと思ったところで、社会的養護のほうを見ていますと、かなり長い時間をかけて、むしろ退所した後までサポートが必要になってくるというのは大変大きいところかなと思っていますので、納得して聞いておりました。
 あと、私自身は、もう少し社会的養護とこちらの福祉型の施設についての関連でお尋ねしたいです。特に社会的養護のほうで配置されている職員さんと比較して、あるいは職員の配置基準と比較しても違いがあったり、あるいは配置されていたり、配置されていない職種もあったりすると思うのです。特にこの部分で虐待対応も含めて加算が必要というような部分があれば、ぜひ教えていただければ、あるいは社会的養護と同じような配置、あるいはそれ以上の配置が必要ということを具体的にお伺いしたいです。
○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 ありがとうございます。
 今の点は、15ページを参考に見ていただけると多少分かるかなと思います。現状、今ある加算の中で看護師配置は1というのが基本になります。支援担当及び理学療法士、作業療法士、こういったところはソーシャルワーカーも含めて加算対象が現状ありますので、そういったところで置いている。ただ、看護師に対しては1ですから、これは入所の規模に応じてですけれども、2から3が必要なところもあるというところで、そこの部分に上乗せをお願いしたいというところ、あと、心理担当も加算対応でやっているようなところでございます。ただ、それぞれを様々に入れ込むということはできない。実際、加算で理学療法士を取れば、作業療法士分の加算とかはもらえなくなりますので、本来様々な職種を入れながら、地域や施設の特性に応じて必要な配置に対して加算が取れるということになると、安定した職員の雇用にもつながる。基本はベースとなる指導員、保育士、ここを増やしていきたい。それが一番のお願いでございます。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続いて、オンラインの橋本アドバイザー、お願いいたします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 私は10ページの移行支援、過齢児の対応についてお伺いしたいです。移行支援は高校入学とともに始めたほうがいいと書かれていて、在学中から計画相談の給付を受けることが必要とありますけれども、この在学中というのは高校1年生になったらすぐに計画が入っていたほうがいいということでしょうか。本当にケースバイケースだと思うのですけれども、どれぐらいの時期をイメージされているのか教えていただければと思います。
○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 ありがとうございます。
 この計画相談は予算的な課題ももちろんございますので、イメージ的には高校3年ぐらいかなと思っています。ただ、移行支援自体を進めていくには、3年からスタートしてでは間に合わない。こどもが様々な経験をして自分で判断するに至る時間が足りないということになります。
 ただ、この移行支援のところは早くという視点もあるのですけれども、一番理想は、高校3年で卒業して移行できるのが一番いいのです。この話を地元の仲間としていくと、強度行動障害のかなり厳しいお子さんに関しては、状態が落ち着かないと移行もなかなかできない現状があるのですという話も聞きます。ある程度、22まで、ぎりぎりまで見て落ち着いたところで移行することがベストなケースもありますので、非常にこれは様々な意見、現実的には障害によってあるかなと思います。ここで一番言いたいのは、早くから準備をして本人が選択できる時間を設ける。制度的には高校3年ぐらいからぐっと本腰を入れてやっていくことが必要かなと思っています。
 現状、私どもの抱えている施設の市町村では、18歳にならないと、なかなか市町村が動いてくれないということがあるのです。早生まれだと、1月2月の話になってしまいますので、それこそ体験の機会がない現状が今ございます。これはこどもの目線からしっかりと取り組むべきと考えております。
 以上です。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 それでは、時間になりましたので、日本肢体不自由児療護施設連絡協議会のヒアリングはここまでとさせていただきます。どうもありがとうございました。
○日本肢体不自由児療護施設連絡協議会 ありがとうございました。
(説明者入れ替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会より冨岡貴生様、小川陽様、どうぞよろしくお願いいたします。
○日本相談支援専門員協会 こんにちは。日本相談支援専門員協会代表理事の冨岡と申します。本日は、政策委員長の小川とこのヒアリングに出席させていただきました。このような機会を設けていただき、本当に感謝を申し上げます。
 本協会には40の都道府県の協会が加盟し、相談支援専門員や相談支援を通して障害者の地域生活を支援することを目的として、都道府県における法定研修や地域のOJTの強化、相談支援体制の整備などを進めています。
 今回のヒアリングでは、相談支援専門員が地域生活を支援するに当たって、その役割を全うするために相談支援事業所が安定した事業運営ができるようにお願いするとともに、相談支援実践を通して見出された必要な事柄を整理し、御要望及び御提案をここでさせていただきます。
 これから具体的な内容について、小川より説明をいたします。
○日本相談支援専門員協会 小川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 資料に沿って紹介等をさせていただきたいと思います。団体説明の後の資料、概要版をお開きいただければと考えます。
 近年開催されている各検討会における議論ですとか、障害者総合支援法の3年後の見直しの中間整理等においても、相談支援に関する課題ですとか、あるいは寄せられる期待の大きさを協会としても実感しているところです。この機会を得て、当協会として課題の軽減や解消に向けた、あるいは寄せられる期待にお応えすべく、各種事項について提案等をさせていただくものです。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、当協会が目指すものとして、障害のある人の希望する暮らしの実現、また、誰もが暮らしやすい共生社会の実現の2点を掲げ、この実現に向けて大きな4つの柱を立てました。それぞれの柱が現状の課題とその改善等に向けた提案事項となっております。
 1つ目の柱は、いわゆる相談支援専門員の人材確保でございます。セルフプラン率の軽減等に向けては、相談支援専門員のマンパワーの確保が大変重要だと考えております。
 2つ目の柱は、確保した人材を育成可能な環境整備を含めた相談支援体制の強化です。また、研修等の学習の機会の確保も併せて提案をさせていただきます。
 3つ目の柱は、相談支援事業の自立化になります。このことによって、相談支援に求められている中立性等が図られることと考えています。
 最後の4つ目の柱は、地域を基盤とした連携の強化でございます。
 私ども相談支援専門員は地域を基盤としたソーシャルワークの担い手であり、このことを進めていく必要性を強く感じております。資料中の図示にあるとおり、この4本柱を総合的に推進していく必要があると考えています。
 これ以降については、先ほど紹介した4つの柱を一つ一つ確認等してまいりたいと思います。
 柱1の提案内容でございます。改めて申し上げるまでもなく、相談支援従事者には質の高い人材確保が必要ですので、安易な緩和策ではなくて一定の条件、社会福祉士、精神保健福祉士、また、既に相談支援専門員の資格を有している者を対象に限定することですとか、人材育成の環境が整っていることを条件とすることについて、併せて提案をさせていただきます。このような人材確保を行うことによりまして、資料中の期待される効果というものが促進されると考えております。何より適切なケアマネジメントの提供によってインフォーマルサービスの利用等の提供が可能になることなども含めて、丁寧な意思決定に基づいた支援が展開できるのではないかと考えております。
 続きまして、柱2でございます。相談支援体制の強化と人材育成でございますが、基幹相談支援センターの設置が努力義務化されることに対して大きな期待を抱くとともに、その基幹相談支援センターが求められる機能を発揮可能な条件を整えていく必要があると考えております。また、令和3年度の報酬改定で新たに位置づけていただいた複数事業所の協働による運営体制の促進も大変重要だと考えておりますので、これについても促進策が必要かと考えております。結果的に基幹相談センターに求められる中核的機能の発揮によって事業所間の相互活用ですとか、いわゆるモニタリング検証といわれるような点検等が地域の中で根付くことによって相談支援の質的な向上、あるいは適切なケアマネジメントの推進が期待されます。
 また、複数事業所の協働体制の推進により人材育成環境等が整うこと、さらに地域における相談支援体制の強化によって、ライフステージを通した切れ目のない連携が可能になっていくと考えております。
 柱2の続きですけれども、今日相談支援専門員に寄せられる複雑・多様化した各種の相談ニーズに対応していくためには、相談支援専門員がその専門性を向上させるための機会が大変重要だと考えております。そのような観点から今ある研修の確実な実施ですとか、さらに主任相談支援専門員については更新研修の創設等をお願いしたいと考えております。
 また、相談支援事業の自立化についてです。今日相談支援事業の運営において、中立・公正性が担保されることについて重要視されておりますし、当協会としても同様に相談支援事業の充実化が重要だと考えております。そのために、対応策案の欄に記載のとおり、報酬の見直しですとか、障害者総合支援法の3年後の見直しの中間整理にもあるとおり、必要に応じたモニタリングの実施が可能な状況の整備、さらに担い手である相談支援専門員については専従化を促進していくことが独立性、また、客観性を担保することにつながると考えております。また、地域移行を促進するために体制を強化することを制度的に後押ししていただけるよう、具体的な提案を行うものです。さらにICTの活用による業務効率化については、介護分野等の導入実績を踏まえて変更していきたいと考えております。
 最後に4つ目ですが、相談支援専門員は地域を基盤としたソーシャルワークの担い手として期待されていることから、地域における連携が大変重要と考えております。これらについて、資料にある各点についての提案をさせていただくものでございます。
 これらの4つの柱を踏まえて総合的に進めていくことが、寄せられている期待に応えていくものだと考えているところでございます。時間を超過しての御説明、大変恐縮ですがよろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの御意見に対し、アドバイザーの皆様から御意見・御質問をお願いいたします。
 小澤アドバイザー、お願いします。
○小澤アドバイザー いろいろたくさんあった論点を整理していただいてありがとうございます。私のほうで確認したいことが一、二あります。
 一つは、スライドの5ページ目、柱2の中に対応策が登場してきて、丸2ですけれども、基幹相談支援センターが求められている機能のために、主任相談支援専門員の必置の話が一部書かれているのです。3年程度の経過措置をもってという、この意味がどういう意味なのかを確認したいのが一つ。
 2つ目は同じく丸5です。これは多分複数事業所の協働運営みたいなものですけれども、ここのところに当たっては、その役割を担うための報酬上の評価、これは具体的にはどういう報酬上の評価が考えられるのかなというのが2点目です。
 もう1点は、実は説明にはなかったのですけれども、スライド9のその他のところです。特定地域加算が登場してくるのですけれども、これは移動に関する時間のことだけなのか、それ以外の要素も入っているのか。
 もう1点は、サービス担当者会議の業務量評価の話が出てくるのです。もし具体的に提案があれば、さらに知りたいです。
 以上です。
○日本相談支援専門員協会 御質問ありがとうございます。
 まず、1点目の基幹相談支援センターに主任相談支援専門員を配置については、一定期間を設けてということですけれども、この数字に特に大きな根拠はございません。ただ、急速に配置することは現状難しいかと考えていますので、一定期間が必要ではないかと考えているところでございます。
 2点目の御質問の報酬上の評価につきましては、協働体制を採るに当たっては、事務的な労ですとか、協働体制を敷いた後の事務局的な役割ですとか、そうした各種の労が発生するかと思いますので、こちらについて評価をしていただければというところでございます。なお、この資料に書いてありますとおり、とりわけ機能強化1等については、こうした役割を積極的に担うことというものを課していただいたら、より進むのではないかと考えております。
 3点目につきましては、移動の部分を評価していただければと考えているところでございます。
 すみません、4点目が書き取れませんでした。
○小澤アドバイザー サービス担当者会議の適切な報酬上の反映みたいな話が出てくる。これに何か具体的な提案があれば。
○日本相談支援専門員協会 基本的には報酬単価を上乗せしていただければということになります。具体案としては資料記載のとおりです。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 続いて、岩崎アドバイザー、お願いいたします。
○岩崎アドバイザー 御説明ありがとうございます。いろいろ聞きたいところがありますけれども、皆さん、たくさん手を挙げてらっしゃるので一つ。
 4ページのところで、相談支援専門員を確保するために、その対応策としてやっていただいていることについては、非常によろしいのではないかというか、賛成なのです。特に国家資格を持っているアドバンテージみたいなことを評価するということとか、あるいはやむを得ない事情で更新できない方たちの相談支援専門員としての資格を担保するのはいいと思うのです。
 ただ、実務から離れていたわけではないけれども、ほかの法人内の事業に異動されたりとか、そういった事情で、特に主任相談支援専門員レベルになると、各事業の要にほかのところでもなっていく人材なので、そういったことによって更新の機会を逃してしまうこともある、つまり実務につけないというような場合もあるのです。私はそこら辺も相談支援専門員の質を担保するという意味で難しいことだと思っております。また、相談支援専門員というのは、いろいろな経験を積まれた上でよりよい実践ができるという意味で、ある意味、視野を広く持っている必要性もあると思うのです。そこら辺はどうお考えか教えていだたいてもよろしいでしょうか。
○日本相談支援専門員協会 御質問ありがとうございます。
 相談支援員につきましては、人材の確保については大変重要なことだと考えております。特に2点目のやむを得ない事情につきましては、地域の中で実際に起きている課題と認識をしておりますので、このことについてあえて提案をさせていただいたところです。
 今、岩崎アドバイザーのほうから御案内をいただいた運営法人等の人的事情等で相談支援現場から一定期間離れた方を戻すに当たって同様の取扱いをしていただけることを要望したいと思います。御質問ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 続いて、野澤アドバイザー、お願いいたします。
○野澤アドバイザー 野澤です。どうもありがとうございます。
 言わずもがなのことですけれども、相談支援は特別なもので、いろいろなあらゆるサービスの中で最重視しなくてはいけないものだと、特に今日、営利目的の事業体がどんどん参入してきてサービスが氾濫していく中で、なかなか判断できない人のために、いかにいいものをマッチングしていくかとか考えたときに、相談支援の事業は本当に重要だと思っているのです。ここがきちんと機能すれば、こういう問題というのは、かなり整理されていくのではないかなと思っているのです。
 それを踏まえて、この相談支援というのは、毎回報酬改定のたびに二歩進んで三歩後退して、三歩進んでまた二歩後退してみたいなことをしていて、すごくもどかしいのです。本来、課題の整理とか要望、どれもこれもそのとおりだと思うのですけれども、ざっくり言うと、経営の自立という部分がなければ、どれもこれもうまくいかない気がしていて、質の向上も人材育成も地域連携も、まず、経営の自立というものがないと、どれもうまくいかないのではないかと思っているのです。
 何を言いたいのかというと、いろいろな制度改正の場であれば、いろいろな提案をしてもらっていいですけれども、これは報酬改定の会議なので、相談支援専門員協会として国に何をアピールするか戦略をきちんと立てて、どれもこれも総花的にやってもなかなか届かないので、その辺りの議論が必要ではないのかなと思っているのです。
 いろいろな加算のことも要望に盛り込まれましたけれども、ここは事務の簡素化という意味からしても、基本報酬をきちんと上げる。新卒とか他業種からの転職ではできない仕事なので、いろいろなことを知っている専門性の高い人たちを集めて、その地域のサービスをきちんと評価しながら、本人のニーズに沿ったものをやっていくときには、ここに狙いを絞ってやっていくべきではないのかと、端から見ていてもどかしく思うのですが、いかがでしょうか。
○日本相談支援専門員協会 貴重な御意見をどうもありがとうございます。
 日本相談支援専門員協会として2点ほど述べさせていただきます。
 まず1点は、先ほどもありました人材確保の件でございます。できれば大学等でしっかり福祉の教育を受けられた方が、そのまま相談支援専門員とまではいかなくても、相談支援事業所に就職ができ、そこで主任相談支援専門員等による実地教育を受けた上で、そのまま相談支援専門員として活躍できる、そのような流れをつくっていけたらとても嬉しいと思っております。現状では実務経験が必要ということで、相談支援事業所に入りたくても配置ができない状況の中で、他の事業所等に行かざるを得ない状況もございます。ですので、学校教育を受けた以降、それから、相談支援事業所に入るような流れがあれば、人材確保も今以上にしやすくなるという点です。
 
○日本相談支援専門員協会 経営自立という点につきましては、連携、担当者会議をとても重要としていますので、継続サービス支援費というものがございますが、それに加えまして、多職種連携支援費というものを創設していただいて、モニタリング、担当者会議、それを併用して、しっかり相談支援業務ができたら嬉しいと考えております。
 以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 それでは、時間が経過しておりますので、橋本アドバイザー、それから、石川アドバイザー、続けて御発言をお願いいたします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。ほかのアドバイザーもお話しされたので、同じようなことになりますので手短に。
 私も社会福祉士や精神保健福祉士といった相談支援に関する国家資格所持者について、実務経験要件の見直しを図ってはどうかというところは大変よい観点だなと感じました。
 あと、10ページに処遇改善加算のことが書かれているのですが、まさにここに書かれている法人や企業内において給与水準に差がないにもかかわらず、相談支援専門員の加算対象とならないことは、適切な人材の異動に影響を与えているというのは、まさに同感と思っているところですので、意見だけ言わせていただきます。ありがとうございました。
○石川アドバイザー 神奈川県秦野市の石川です。貴重な御報告をありがとうございました。
 私は市町村の立場で提案というか、確認の意味で発言させていただきました。モニタリングの頻度についてですが、市町村がモニタリングの頻度の提案を勘案してくれるところと、そうでないところがあるというアンケートで出されているようですが、このモニタリングの頻度に対する考え方みたいなものが相談支援事業所の中で出されているのかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思い、質問させていただきました。
 あと、相談支援事業は要になると思いますので、さらに自立して発展していくようにしていくことが重要と感じております。特に加算がついていても取らないとか、加算が十分に活用できないというような実情もあるような気もしますので、相談支援事業所の機能をどう強化というところは、皆様のご意見もお伺いしながら重要課題としていくべきと思って発表を聞かせていただきました。ありがとうございます。
○日本相談支援専門員協会 御質問ありがとうございました。
 まず、1点目のモニタリング頻度については、既に通知等で御案内をいただいているように、必要に応じてということになりますし、これについては基本的には計画作成時に、その状況に応じてモニタリング頻度を相談支援専門員のほうで提案をさせていただく。それについては根拠も示すことになりますので、一概に三月に1回、あるいは半年に1回ということではなくて、例えば児童期であれば春先の年度替わりの時期はタイトに行うなど、個別の事情に応じて設定される、あるいは運用されるべきものだと考えているところでございます。
 もう一つ、相談支援につきましては、先ほどの野澤アドバイザーの御意見にもありましたとおり、経営の自立化というものは大変重要だと考えています。報酬改定に当たっては基本報酬に加算を組み込むなどの提案もこの資料でさせていただいているところですが、そうしたことも含めて後押しをしていただきたいと考えております。
 また、市町村の皆様とはいろいろなところで連携をしながら、希望する暮らし、あるいは共生社会の実現に向けて寄与してまいりたいと考えておりますので、引き続きの御協力・御理解、または応援をよろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 それでは、ここまでとさせていただきます。日本相談支援専門員協会の皆様、どうもありがとうございました。
(説明者入れ替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、一般社団法人全国医療的ケア児者支援協議会より、加藤千穗様、黒木健太様、よろしくお願いいたします。
○全国医療的ケア児者支援協議会 皆様、こんにちは。全国医療的ケア児者支援協議会の政策担当理事の加藤と事務局を統括しております黒木の2人で参りました。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 前回に引き続き、ヒアリング対象としての機会をいただきましたこと、本当にありがとうございます。それでは、着座にて失礼申し上げます。
 医療的ケア児支援法の成立を契機として、医療的ケア関係の全国団体の設立が続いております。日本小児在宅医療支援研究会や医療的ケア児等コーディネーター支援協会とも連携しながら、この2団体はヒアリングの対象となっていないため、こちらとも連携をしながら、それぞれの専門領域についての要望を重ねる形を試みましたが、団体間調整の経験が私どもは浅いことから、地域性や全体バランスに配慮した調整が必ずしもうまくできなかったという課題を残す要望書となってしまいました。
 それもありまして、まず冒頭、私のほうから、ぜひとも実現をいただきたい大きな方向性と、行間や場合によっては欄外を酌み取っていただきたい観点の補足事項を先に申し上げた上で、黒木のほうから簡単に各論の御説明をさせていただきます。
 前回改定の新スコアによる医療的ケア児基本単価設定のおかげで、大都市部の児発はある程度充足をしつつあり、各種加算により地方でも徐々に受け皿は増加をしております。今年度中には全ての都道府県にケアセンターが配置される見通しとなり、地域資源の情報集約が進みつつある一方、令和4年度の厚労省調査研究では、センター予算や人員体制には相当なばらつきがあることも分かりました。
 とりわけ地方においては小児在宅医療も含めた社会的基盤の整備と地域間格差の解消が大変大きな課題となっております。地域リソースの把握や拡充、そして、コア人材の養成、地域間格差解消に向けた中核的な調整機能を期待される医療的ケア児支援センターについては、人口規模や密度を勘案して設置対象を政令市や東京都特別区にも広げること、また、基盤整備や機能拡充を国としての施策でぜひとも推進していただきたく、強く要望を申し上げます。
 次に、御紹介したいデータがあります。若年層における呼吸器を使用しているこどもの数は年々増加をしておりますけれども、当会代表理事を務める前田浩利の医療法人財団はるたか会では、全国推計2万人のうち首都圏の1,300人の医療的ケア児、そのうち800人の人工呼吸器のお子さんの命と暮らしを24時間の往診体制で支えております。設立から12年間で蓄積した約3,000人分のデータ分析によって気管切開をして、人工呼吸器を装着し、歩けるタイプの新しいタイプの医療的ケア児が全て15歳以下であること、近年になって在宅移行も進んでいることが分かりました。
 首都圏は課題先進地ですが、10年以内にははるたか会でカバーする医ケア児の半数以上が青年期に突入いたします。課題が刻々と変化をしており、放課後デイや後述するショートステイの拡充、その先の生活介護や小規模多機能グループホームなどの卒後の居場所が差し迫った課題です。10年以内に来る大変革期に備え、小規模多機能型や世代間横断の地域共生ビジョンが不可欠ですが、赤ちゃんから大人まで同じ制度で医療安全と生活の質を担保し、夜間のケアまでも担えることで、家族の負担軽減が図れる方法として、短期入所の制度活用・充実に大変強い要望がございます。
 今回の要望資料は地方での広がりやすさを考慮して、福祉強化型ショートステイへの医療連携加算を軸に構成をさせていただきましたが、その際、報酬改定要望ではないので記載はいたしませんでしたが、医療型の短期入所についても、小児科病床削減や小児科医不足の実態を勘案して無床診療所の設置標準について、過疎地・僻地などでの地域事情に則した認可を後押しするような制度運用、併せて在宅医療や強化型の訪問看護などとの連携で医療安全を担保することにより、設置可能とするような解釈拡大の方向性についても、ぜひとも御検討をいただきましたら幸いです。
 続きまして、黒木より各論を申し上げます。
○全国医療的ケア児者支援協議会 実施要綱に基づき、スライドの3枚目、概要のページに沿って御説明をいたします。
 まず1つ目、医療的ケア児等コーディネーターの報酬の拡充についてです。大前提としては、今、加藤から申し上げたように、医療的ケア児支援センターが全国に設置されようとしていますけれども、この質や機能にばらつきがあるかなと感じておりますので、国のリーダーシップをもって是正していっていただきたいということがございます。
 その上で、コーディネーターについては相談支援員も兼ねていて、計画相談をすれば報酬が発生するわけですけれども、例えば保育園との連携ですとか、あるいは各種福祉サービスとの連携といった重要な部分については現在無報酬になっています。これらの相談やコーディネートに報酬をつけて、コーディネーターがより一層活躍できるように整えていただければと思っております。
 2つ目、デイについてです。私たちは医療的ケア者支援協議会なので、重心、医ケア児の預かりを主に想定した提案となっています。重心、医ケア児については安全確保のため、医ケアのできる職員の配置が必要になっていて、その分のコストを事業者が持ち出しで今は出しているような形になります。そういった点が、重心の預かり単価について織り込まれていないので、安全にお預かりするためのコストに見合う報酬が得られるようにしてほしいということが要望の骨子になります。ここに案の一つとして、定員増加によって単価が減じるという設計の変更を御提案していますけれども、これに限らず幅広く議論をしていけたらと思っております。
 時間があれなので、飛ばして4つ目の短期入所についてお話をします。医ケア児が入れる短期入所施設がどんどん増えていって、地域リソースが強化されていくことが大事だと思っています。今回ここに書いたのは、福祉型短期入所にフォーカスをしているのですけれども、医療型の短期入所も併せて拡充を御検討いただければと思っております。例えば医師などが少ない地域によっては、無床診療所で看護師だけで運営することも認められています。こういった形で医療安全が保たれていることが前提にはなりますけれども、医療型ショートステイの拡充なども御検討いただければと思います。
 少し時間があるので3番に戻らせてください。居宅訪問型児童発達支援についてです。こちらは2018年に創設された制度で、とてもいい制度だなと思っております。ただ、著しく外出が困難なお子さんだったり、通所に行けない児童が対象という立てつけになっています。お子さんの中には通所に通うことはできるけれども、必要な回数を通うのが疲れてしまって困難であるというお子さんがたくさんいたり、あるいは共働き家庭の増加に伴い、通所のほうでも保護者の就労支援を担えるように長時間化していく必要があるのではないかという議論が出ているかと思います。同じように、長時間化していくのと同時に回数を担保していくことも大事なので、併用がスタンダードになっていくといいなと思って要望をさせていただきます。
 5つ目については時間がなくなってしまいますが、今、送迎加算の単価がどうしても見合わない形になっているので、増やしていただければという御提案になります。
 私たちからは以上です。
○伊藤障害福祉課長 どうもありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見・御質問をお願いいたします。
 高アドバイザー、お願いいたします。
○高アドバイザー 貴重な御意見をありがとうございました。私のほうからは3点お聞きしたいと思います。
 1点目は、4ページにあります医療的ケア児、報酬の拡充というところで、医ケア児の相談支援において、少ない社会資源の中でコーディネートするということで、いろいろなケースでかなり難しさを感じておられるというのは、私自身も日々実感しております。
 ただ、その中におきまして、先ほどは保育園と地域連携等というお話がありましたが、私自身は出産後であったりとか、初めて医ケアの処置を受けた子が在宅に戻られるときのコーディネート等につきましては、経験を有する訪問看護師さん等が一手に担ってやっているような現状があるかと思いますので、ある程度ここを医ケア児1名につき月3,000円単位ということで提案していただいておりますが、対象を焦点化するなど、そういった方向についてのお考えがあるのかどうかを教えてほしいということが1点です。
 2点目は、4ページの視点3に書かれている現状相談支援事業所へ支払われている医ケア児への加算に使われている財源を活用しとあるのですが、どのような財源を具体的に指しているのか教えてほしいということが2点目です。
 3点目につきましては、8ページ目の居宅訪問型児童発達支援と児童発達支援の組み合わせについてですが、いろいろな思いの中で、こどもに活動を常に提供していきたいという保護者の思いは、私自身もすごく実感することがよくあります。ただし、こどもの育ちをしっかりと受け止めていく上では、第三者の適切なアセスメントも必要と考えるのですが、そのような方向についてどのようなお考えがあるのか。
 以上3点について教えていただけますでしょうか。
○全国医療的ケア児者支援協議会 では、一つずつ御回答させていただきます。
 まず、コーディネーターについては、現状、訪問看護師さんが入っているケースが多いということをおっしゃられていて、私も同じ認識を持っております。地域によっていろいろな差があるかなと思うのですけれども、訪問看護師さんが、まずは一つ、ファーストのステーションとしてついて在宅移行を支えられているという形が全国で見られるかなと思っております。
 一方で、去年の4月に厚労省からも通知が出ていたのですけれども、居宅介護、福祉職が退院直後から入れるように、医療的ケア児の新判定基準を使って居宅介護が入るようになったのですけれども、そういった形で、地域によっては訪問看護師さんだけではなく、居宅介護のヘルパーさんが入って、本当に24時間365日の在宅生活を支えているというケースもございます。そういったばらつきが全国であるかなと思いますので、それを整えていくためにも、今コーディネーターが研修で各種育っているので、コーディネーターの役割が増えていけばいいかなと思っております。
 ごめんなさい、2つ目の質問を失念してしまいました。
○高アドバイザー 4ページの視点3にあります医ケア児の加算に使われている財源を活用しとあるのですが、具体的にはどのような財源を指しているのか教えていただけますでしょうか。
○全国医療的ケア児者支援協議会 相談支援事業所で医療的ケア児を受け入れることに対して加算額がつくものがあるかと思うのですけれども、視点1でも述べているのですけれども、医療的ケア児の児によらず、相談事業所に対する加算になっているので、そこの部分を流用する、転用するというようなことでできないかなと考えております。
 そして、3つ目の居宅訪問型児童発達支援と通所の児童発達支援の併用についてです。アセスメントも必要とおっしゃっていたかと思うのですけれども、私も全くそのとおりだなと思っております。こどもの育ちに関しては、特に居宅訪問型児童発達支援に関しては、必ず相談支援員が計画相談を立てるということが制度上に組み込まれていますので、その中で担保をしていくことができればいいのではないかと思っています。居宅訪問型児童発達支援もそうだし、児童発達支援もそうだし、様々な支援者の視点を入れながら、お子さんの発達をみんなで見守っていけばいいのではないかなと思っております。
○高アドバイザー ありがとうございます。
 最後に一つだけ意見ですが、通所施設における医療的ケア児向けの送迎加算について同様に考えております。特にこれは短期入所の送迎加算にも同様のことがあるのかなとふだん実感しておりますので、貴重な御意見をありがとうございました。
○全国医療的ケア児者支援協議会 こちらこそありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 続きまして、田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 田村正徳でございます。医療的ケア児とその御家族が抱えている問題につきまして、非常に分かりやすく解説した上で御説明いただきまして、どうもありがとうございます。私のほうから2つ質問させてください。概論の2と4に関係するところでございます。
 まず、2のほうですけれども、デイのほうで、医療安全がきちんと担保される報酬になっていないということで、今回は人員配置のことについてここで述べておられますけれども、それ以外にも医療安全は非常に大事な問題でございますので、それを担保するために改善の方策があるとお考えでしたら、それについて教えていただきたいというのが一つでございます。
 2つ目は短期入所問題ですけれども、次のヒアリングの対象になっております全国医療的ケアラインの方々が参考資料1として出しておられますけれども、全国の医療的ケア児の御家族に対するアンケートで、一番危惧することが多かったのが、レスパイト施設が少ないということでございます。この短期入所というのは保護者のレスパイトにも役に立つだけではなくてきょうだい支援にもなりますし、それから、短期入所につけられることになる医療的ケア児の自立にもつながる非常に大事な制度だと思っております。この短期入所が今、医療的ケア児に対してはまだまだ十分保障されていないということに関して、何かよい対策があれば、お聞かせいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○全国医療的ケア児者支援協議会 田村先生、ありがとうございます。
 まず、1つ目、デイの医療安全を担保する上で、何かほかに改善の方策があるかというお尋ねについてですけれども、田村先生が所属されている埼玉医大のチームが中心となっておつくりいただいた医ケアの判定基準によって看護師の配置に加算がされるようになりましたが、肝心の看護師を雇用することができずに、多くの事業所で加配・加算の基準を満たしているにもかかわらず、人員体制が改善できていないという、とりわけ地方ではそのような実態がございます。保育士や介護職の医療的ケアに対しても評価があると、デイの医療安全体制がより拡充すると私たちは考えております。
 続きまして、2点目でございますが、ショートステイについて家族の皆様から大変切実な声がありまして、自立支援であったりきょうだい支援にもつながるという観点で何かよい対策はという御質問をいただきましてありがとうございます。福祉型の短期入所を参考資料にもつけさせていただきましたが、医療的ケア児を受け入れるとして、必要な報酬設定にはなっておらず、大幅な体制のかさ上げが必要な状況でございます。また、医療型の短期入所は医ケア児を想定した単価にはなっておりますが、常勤で医師がいないと有床では開けないなど、設置基準が非常に厳し過ぎるため、医療安全を保障する方策に在宅医療の様々な社会資源を活用する方策が考慮されていないなど、ルールの運用が時代の課題に追いついていないということを改善いただければ、設置が進むのではないかと思っております。今回の報酬そのものの改定の議論だけではなく、よりよい制度運用の議論をお進めいただくことを併せて要望させていただきます。どうもありがとうございます。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはよろしいでしょうか。では、ここまでとさせていただきます。全国医療的ケア児者支援協議会の皆様、どうもありがとうございました。
(説明者入れ替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、全国医療的ケアラインより宮副和歩様、村尾晴美様、よろしくお願いいたします。
○全国医療的ケアライン よろしくお願いいたします。全国医療的ケアラインの代表、宮副和歩です。今回、初めてこの団体ヒアリングに参加させていただきます。貴重な機会をいただきまして、本当にありがとうございます。今日は副代表の村尾と一緒に参加させていただきます。
 それでは、早速ですが着座にて進めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 まずは弊会について説明から始めさせていただければと思います。2ページ目、設立は令和4年3月27日です。全国47都道府県全てに家族会を置き、各地の支援者とともにネットワークを築いて活動していくことで、どんなに重い病気や障害があっても、住み慣れた地域で尊厳を持って暮らせる社会を目指しております。主な活動としては、1つ目は当事者や家族のつながりづくり、情報交換、2つ目に社会への発信活動です。
 1つ目のつながりづくりや情報交換としましては、会として役員会や事務局ミーティングといったもののほかに、全国の窓口担当者がオンラインで集まるような定期連絡会を月に一度開催しております。また、当事者同士のつながりや情報交換を大切にしておりますので、ZOOMを使ったオンライン勉強会やオンラインサークル活動を1年目から進め、現在5つのサークルが活動しております。
 2つ目の社会への発信については、年に一度、全国フォーラムを行っているほか、国レベルは主に役員が、各都道府県レベルでは各県の家族会が医療的ケア児者に関連する会議に参加しまして、当事者としての意見を届けています。さらに学会やイベント、また、企業等の社内研修としての講演講師の御依頼にも対応しているところです。また、私たちの現状や課題を伝えるため、年に一度程度アンケートを実施しているほか、省庁やコンサルティング会社さんによる調査に対し、当事者としてヒアリングやアンケートに協力させていただいております。
 加盟団体数としましては全都道府県に各1団体ですので計47団体、会員数は昨年の秋の集計ですが2,600名弱となっております。
 それでは、今回の報酬改定に関する意見をお伝えいたします。今回の意見は弊会が昨年度実施したアンケートに基づいたものです。まずはそのアンケートの結果からお話ししたいと思います。参考資料1です。
 こちらは会員アンケートから見た課題とニーズの実態です。これは昨年全国の家族会に対して家族会内でよく話題になることは何か、27項目の中から最大3つまで選んでいただくという形のアンケートを採ったものです。考察を下の枠に記載しております。
 1つ目として、一番回答が多かったのは、親の就労や所用、休息のための医療的ケア児者のレスパイト施設不足でした。今回着目したいのは利用の理由です。親の急病等の緊急時の利用よりも、就労や休息の確保など、日常生活を維持・継続するために社会資源を求めている現状が分かります。日頃から自宅での日常生活にもっと手厚いサポートが必要と考えます。
 これについて同様のニーズを示す補足として参考資料2、8ページ目で今回提示させていただいております。医療的ケアが必要な障害児を育てている家庭では、医療的ケアがない障害児がいる場合よりも、自宅でのヘルパーの長時間利用に対するニーズが明らかに高いという調査結果が示されております。
 また、アンケート回答の2番目、通学先での自主送迎の課題が通学先での保護者付き添いの問題以上に関心が高くなっています。こどもを通学させてあげたいと思っても、身体的にも時間的にも家族の負担が大きく、通学を断念している例も少なくありません。これは学校だけでなく通園・通所等についても同様の問題が続いております。解決のためには予算確保だけでなく、ガイドライン整備、対応できる職員の育成など、組織として準備すべきことが多岐にわたることから、すぐの実現が難しいことは保護者側としても認識しているものです。だからこそ、準備が整うまでの暫定の策が切望されています。
 さらにアンケートの3番目、卒業後では医療的ケアがあると受け入れ相談の段階で通所先から断られることが多い現状があります。個別の声を聞くと、特に区分6に該当する重症心身障害者や強度行動障害者に医療的ケアが必要となった場合、さらに支援が必要となることを表す区分がないために、同じ区分ならばと、医療的ケアのある当事者の受け入れが後回しにされている問題があります。必要な支援度合いが適切に反映されるようになることが大切です。
 こうした結果を踏まえ、弊会からは資料に示した2分類5項目を提案いたします。
 1つ目が、安全な日常生活を送る上での見守りを基礎とした3層支援の整備。
 2つ目が、通所での医療的ケア児者の受入促進です。
 1つ目の3層支援制度については、5ページ目にイメージ図を添えております。医療的ケア児者の生活を支えるためには、何よりもまずは自宅での生活がしっかりとサポートを受けながら成り立ち、その上で(2)に示した療育や教育など、当事者の成長・発達を支えるための施策、さらに(3)医療に常に支えていただきながら暮らすという医療的ケア児者の特徴を踏まえた入院中の支援。これらが0歳から寿命を迎えるまで3層の支援となって支える仕組みが整ってこそ、初めて医療的ケア児者が自らの自立に向かって安全に成長・発達していけると考えております。
 この3層支援整備により、自宅で安全に家族と暮らしながら成長していけることで、緊急時ではない保護者の休息のための短期入所利用や家族の負担から在宅生活を諦めて長期入所するといったニーズが減り、結果として、新規の施設整備費用の削減や運営維持費用の削減といった全体での費用削減にもつながるものと期待するものです。
 また、2つ目の通所での医療的ケア児者の受入促進については、障害支援区分の判定において、医療的ケア児者に必要な支援度合いの適切な反映と区分7の新設を提案いたします。
 適切な反映というものを具体的にお話ししますと、医療的ケア児者本人が必要な医療的ケアの実施や管理をできない場合には、障害支援区分の一次判定において、それぞれの障害の特性などに応じて必要とされる標準的な支援に加え、さらに医療的ケアがあることによる複雑な支援が必要な状態であることに鑑み、一次判定の段階で一つ上の障害支援区分との判定にするということです。
 さらに(2)既に区分6の範囲とされる児者については、さらに支援が必要とされる区分がないために、対応する区分7の新設を提案いたします。
 医療的ケアがあることで介護職に加えて看護師が必要になるなど、障害以上に必要なケア内容が増えたり、複雑になるという状況がきちんと区分の差となって表れ、利用者が必要な支援サービスを受けやすくなることとともに、事業者にとっても利用者に必要な支援の実態に応じた報酬を受けられることで、質の高い人材の確保や持続可能な経営にもつながるものと考え、今回の提案といたしました。
 全国医療的ケアラインからの意見は以上になります。
 1つ目の3層支援整備について、より具体的な提案については詳細版のほうに記しておりますので御覧いただければと思います。ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 どうもありがとうございました。
 それでは、アドバイザーの皆様から御意見・御質問をお願いします。
 田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー どうもありがとうございます。田村正徳でございます。
 今回、私たち埼玉医大グループで厚労科研で研究させていただきまして提案させていただきました医療的判定スコアの中で、この見守りスコアというのを非常に重視した観点から、お子さんの安全性を担保するためにはどうすればいいかという観点から、具体的な提言をしていただいたこと、非常に科学的で時代の要請に見合った御提案ではないかなと思います。
 その中でも、特に3層構造でお子さんの安全性を支援するということと(3)になりますけれども、入院時の重度訪問介護サービスの暫定受給ということで、重度訪問介護といいますと、基本的には障害者を対象としたものですから、なかなか児に適用していただくのはかなりハードルが高いとは思うのですけれども、入院中に、もともとこの重度訪問介護の制度では、コミュニケーションが十分に取れない障害者の場合に、入院中にナースコールを押せないとか、十分な支援を呼べないということで命を落とすというような事例もあったということで、入院時の重度訪問介護サービスが認められている。これは者だけではなくて医療的ケア児にとっては特にリスクが高いことだと思いますので、そこにとりあえず限定した形で重度訪問介護サービスを医療的ケア児の入院した場合に適用してもらいたいということは、医療安全という観点から、私自身は医療者として、そういう患者さんを病院で診なくてはいけない立場の者から見ても非常に重要な提案だと思いますので、すばらしい提案だと思っております。
 以上です。
○全国医療的ケアライン 田村先生、ありがとうございます。
 新しい判定スコアのおかげで、今までサービスが使えなかった医療的ケア児者がサービスを使えるようになった画期的なものだと考えております。本当にありがとうございます。
 先生のおっしゃるとおり、入院時は日常よりもさらに体調管理が必要であるですとか、または本人の心理的なストレスが高まる時期でもあって、特にデバイスがついているようなお子さんにとっては、それをあえて外してしまおうとする行動が日常よりも増えてしまったりですとか、管理がいつも以上に増えてしまう、必要とされる状況になっています。ここでは重度訪問介護のコミュニケーション支援の部分を使って暫定的にといいますか、見守りが必要な医療的ケア児者に絞るという形を採りながら、それを適用していただけないかという相談をさせていただいたという次第です。ぜひ幅広い意見をいただきながら、議論につなげていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 続いて、有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー アンケートを基にした様々な考察も含めてまとめていただいて、ありがとうございます。
 私としては細かいところかもしれませんけれども、2点お尋ねしたくて、御質問をさせていただきました。
 一つはインクルージョンのところなのですけれども、参考資料3のところもありますし、参考資料1のところでも、考察の2、距離が遠いことなどによって断念することを書かれていて、本当にそうだなと思ったのです。もう一つ、未就学のお子さん方のところで、何か考察されるところとかがあれば教えていただきたいなというのが一つ。
 それから、ここできょうだい対応の時間の確保というのが参考資料2等でも、きっちりアンケートの中で示されているというのは大変大事かなと思ったのです。ここは長時間ヘルパー利用のニーズが高いということでありましたが、ここはヤングケアラーの件とか、私どもは福祉の大学で教えているものですから、どうしてもそのような経験をして、もちろん支援者になっていくという決断をしている学生さんもいる一方で、自分自身の受け止められ感が薄いというようなことを本人がおっしゃるような学生さんもおられて、そういったところで長時間ヘルパー以外にも何か加えて御意見とかがあれば、このきょうだい児も本人のWell-Being、本人らしくというところでいうと、もう少し教えていただけるところがないかなと思って質問をさせていただきました。
 以上です。よろしくお願いします。
○全国医療的ケアライン 有村先生、ありがとうございます。
 まさしくインクルージョンに関して、提案2のほうにあったものに関して、学齢期だけではなく未就学への意見はないかということなのですが、その最たるものがきょうだい児支援に関わることだと思っています。未就学のお子さんが、例えば児童発達支援の事業所に行こうとしたとき、療育を受けようとしたとき、そのお子さんを通園バスのような形がない場合にどうやって親が連れて行くかといったときに、一番ネックになりやすいのがきょうだいの存在です。きょうだいをおんぶしながら連れて行く、でも、そこでぐずってしまうとか、なかなかハードルが高くなってしまう理由がきょうだいがいることです。
 でも、それがハードルになってしまうということ自体も親にとってはすごくストレスフルです。せっかくできたきょうだい、両方のこどもを適切な形で養育していきたいと考えている中で、こちら側を見ればこちらが成り立たないという生活をせざるを得ない現状に少しサポートを手厚くしていただきたいという思いで、恐らくこのアンケートの中でも長時間ヘルパーの利用をきょうだい児の時間に充てたいというニーズにつながっているのかと思います。
 きょうだい児の話となったときに、一見それは今回の障害者の分野とは少し違うのではないかという考え方もあり得るかもしれませんが、児童福祉法にしろ障害者総合支援法にしろ、こども自身が可能な限り身近な場所で親に見守られながら、社会に見守られながら自立に向かって成長していくことを保障するという点においては何ら変わらないと思っております。なので、総合的に支援するという部分をぜひ拾っていただいて、障害福祉の範囲で家族支援がどこまでできるかといった面でも考えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○有村アドバイザー ありがとうございます。
○伊藤障害福祉課長 高アドバイザー、お願いいたします。
○高アドバイザー 私のほうからは感想だけですが、私たち豊中市におきましても、通学時の移動支援であったりとか、生活介護等の通所サービスに独自の補助金を持っていろいろ社会資源をつくっていこうという方法で取り組んでおりますが、まだまだ社会資源が足りない状況で、全ての点において非常に貴重な御提案をいただいたと思います。こういったことを一緒に検討していければと思いますので、意見だけですが述べさせていただきました。
○全国医療的ケアライン 高先生、本当にありがとうございます。
 まさにいろいろな支援が必要だという中で暮らさなくてはいけない私たちではありますけれども、皆様の力を借りながらこどもたちも健全な養育環境に置いてあげたいという思いは、本当に皆様と同じだと考えております。親を中心ということではなく、こどもが自立に向かってそれぞれ生活していくにはどうしたらいいかということを一緒になって考えられるように、そして、極端なことを言えば方法は何でもよくて、どうやってこどもの育つ環境を整えていけるかということの議論をしなくてはいけないということだと思いますので、移動支援などの支えの部分についても暫定的で構いません、実際にやるべき部署がやるべきかもしれませんけれども、それがなかなか難しい、もしくは時間がかかるという現状がある中で、それをどうやって社会で補っていくかという意味で、障害福祉の分野で暫定的な対処を検討いただけるならば、ぜひお願いしたいという意味で、この2番のほうを提案させていただいておりますので、議論に乗せていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○伊藤障害福祉課長 それでは、ここまでとさせていただきます。全国医療的ケアラインの皆様、どうもありがとうございました。
○全国医療的ケアライン ありがとうございました。
(説明者入れ替え)
○伊藤障害福祉課長 続きまして、オンラインで参加いただいています公益社団法人日本精神神経科診療所協会より、高尾哲也様、よろしくお願いします。
○日本精神神経科診療所協会 公益社団法人日本精神神経科診療所協会でございます。
 資料の2ページ目に法人の概要は記載させていただいております。御覧いただければと思います。地区協会が44団体ございまして正会員が1,662名でございます。
 早速、視点1から4に沿いまして御説明させていただきます。
 4枚目、視点1です。特に我々は精神障害と障害福祉という視点からお話をさせていただきますが、精神障害は疾病と障害の両面を持つものでありまして、医療機関との連携をさらに推進すべきではないかと思います。福祉支援の経過が我々医療側となかなか共有されておらず、治療がやりづらい点がございます。地域包括ケアの観点からも少なくとも定期的に情報を共有されることが障害福祉サービス利用者さんの質の向上につながるのではないかと思います。逆に医療機関側から、今回の改定とはちょっとずれますが、医療機関の側にも点数が付与されるといいなと思っています。
 対処方針とか評価方法については、例えばこういうのはどうかという形で記載させていただいておりますので、そこは御覧になっていただければと思います。
 視点1の2つ目ですが、就労支援事業所外での支援をさらに評価すべきということについてです。就労移行支援では、特に精神障害の場合は就職後6か月の定着支援はすごく大事なのですが、そこの定着支援には報酬がつかなくて完全に持ち出し状態、一番大事な時期の6か月が持ち出しという状況になっております。そのため、就職直後の最も離職率が高まる時期のケアがしにくい、手が出せないということでありますので、そこら辺のところが点数化されればいいのではないかと思っております。
 対処方針や評価方法などはこちらを見ていただければと思うのですが、特に対処方針のところですと、6か月間定着支援に関わるのは、できれば就労移行支援で深く関わった顔の見える支援員等が、就職直後6か月間、定着の支援ができれば、より定着も高まり、本人たちも心強いのではなかろうかと思います。
 続いて、視点2の計画相談についてです。計画相談の担当人数を制限するとともに、計画作成とかモニタリング報告書以外のヒアリングや情報共有等も評価されるべき、課題としては、相談支援は計画書等の作成が主な報酬となっているようですけれども、過剰に多くの担当者を抱えたり、あるいは点数等の点から抱えざるを得ない状況がありまして、十分なアセスメントを行わずに、ただ事務的に計画書がつくられているように見受けられるものもございます。本人の状況に合った適切なサービス利用が図られるように、アセスメント等の強化をするとともに、とにかく数を捌いて収益を確保するような、ブローカーのような相談支援にならないような環境をつくる必要があるのではないかなと思います。対処方針や評価方法については、例えばということで載せているだけでございます。
 もう一つ、就労定着支援をより柔軟に行えるということが重要かと思います。就労の定着支援は、現状3年間のうちで一度だけ1か月以内の転職のみ、就労継続がみなされるということなのですが、昨今の一般の労働環境においても3年間勤め続けるということはスタンダードなのかどうかも分からなくなっている世の中にあって、障害者の縛りとしてどうなのかということでございます。
 また、転職についても1か月以内で面接から就職まで行うには、本人にかなり無理なペースを強いることになりますし、本人の特性とか状態を吟味した職場選びにはなっていないのではないか。そのため、逆に障壁となっているのではないかなと思います。
 また、事業所サイドが高い評価を得るために、本人の意に反して3年以上辞めさせないようにするというようなことが行われると、本人の職業選択の自由等を制限しかねないような制度設計になってしまって、とにかく3年間、石の上にも3年だということで言われてしまうと、意見の言えない本人たちにとっては、そこにはめ込まれるといった形が行われる懸念がございます。対処方針、評価方法は御覧ください。
 3つ目の視点3は、要するに点数のどこを削るのだという話だと思うのですが、特に課題としては、福祉事業所の中には本人の就労ニーズ、本当は働きたいのにということと合致しなくて通所を強いられる。例えばB型事業所などは利用期限がありませんし、生活訓練とかは居場所化しやすい傾向がありまして、法律の趣旨の自立の促進というのが図られているのか図られていないのか、本人のニーズも酌み取れていないといったこともあるような感じもします。
 働く能力のある利用者がB型事業所に留まるようにされてしまったりとか、また、留まるだけではなくて、医療的ケアが必要にもかかわらず、適切な医療サービスにつながることを妨げられるような結果になってしまって、具合が悪くなってから医療機関に怒られるというようなことも我々側からよく見える景色でございます。そこら辺、医療としては例えば精神科、デイケアといったほぼ同様の仕組みがあるわけですし、医療人材を張りつけた形でやっているデイケア等をうまく活用するべきなのではないかなと思います。
 もう一つは障害者雇用代行ビジネスによる就職定着というのは、通常のものとは明確に分けるべきなのではないかなと思います。つまり農園ビジネスです。要するに特定子会社をつくって大企業のところから障害者を1か所に集めてやるといったことは、本来の法律の趣旨に基づいているでしょうか。そうではないような気がします。障害者だけを寄せ集めて、それで果たして共生社会をつくっているのだろうかといった懸念がございます。この制度が発足した当初は必要悪と言ったら言い過ぎかもしれませんが、形として法定雇用率を守るとか、そういうことを目指すために抜け道的にあったのかもしれませんが、そこら辺もそろそろ見直す時期に来ているのではないかと思います。対処・評価方法については御覧ください。
 視点4については、業務の改善の細かな指摘ですので御覧いただければと思います。参考資料についても御覧ください。
 以上でございます。
○伊藤障害福祉課長 どうもありがとうございました。
 アドバイザーの皆様から御意見・御質問をお願いいたします。
 井出アドバイザー、お願いいたします。
○井出アドバイザー 御説明ありがとうございました。
 視点3ですとか、いろいろお考えがあるようで、今日は全体の中でそうしたことを聞けたのがよかったと思っています。
 お願いですが、視点4を見ておいてくださいではなくて、せっかくですので、2分ぐらいで御説明いただけるとありがたいと思います。
○日本精神神経科診療所協会 視点4はオンラインで多機関が対面で会議を行うというのは非常に非効率で、医療機関側のケースカンファレンスなども既にオンラインでいいということで、行政とか、例えば精神科と産婦人科とか小児科とかで合同のカンファレンスは既にオンラインが認められているのですが、リアルで障害福祉サービスについてやるというのはなかなか腰が重いので、そこら辺を推進するような施策があっていいのではないかなと思うところが1番目でございます。
 2番目は、ICT化促進ということで書類一つとっても、その都度印刷し直すとか、相変わらず馬鹿げたことが行われているので非常に手間でございます。行政機関等も紙ベースの提出が基本ですので、電子化もオーケーという形を採っていただければ、徐々に浸透していくのではないかなと思います。よろしいでしょうか。
○井出アドバイザー ありがとうございました。
○伊藤障害福祉課長 そのほかいかがでしょうか。
 有村アドバイザー、お願いします。
○有村アドバイザー 私の専門の領域からすると不勉強なところが多いのですが、視点の2のところで、当事者それぞれのニーズに応じた就労だったりとか、そういったところで2年ないし3年の就労継続率をもって基本点数を評価する現状の設定をどうしていくかということのお話があったかなと思うのです。
 もう少し教えていただきたいのが、例えばピアサポート加算であったりとか、あるいはそのほかにも御本人の意向を聞いていったりとかするような、こどもの領域でいうと、アドボケーターの議論などが進んでおりますけれども、そういったような御本人の意向を反映しやすいシステムの在り方みたいなところでの御意見とか、人材の置き方みたいなところの御意見を伺えますでしょうか。よろしくお願いします。
○日本精神神経科診療所協会 本人と事業所側が、事業者側にはインセンティブが効いていて、なるべく長く勤めてほしいということなのですが、働いてもらっている職場側はそこまで、適材適所でいいのではないかと、もし無理であれば、体調を壊してまで当社で働いてほしいとは思ってなかったりとか、見ている目線というか温度感が違ったりもするので、企業の人たちがもう少し入って、辞めることが必ず悪いわけではないので、辞めて違う場所で活躍するということがもっとフランクになるような制度設計、具体的に人材をどう張ればいいか、私は分かりづらいのですが、特に我々診療所協会としては結構主治医の先生たちはスルーされて、いつの間にか違うことになっているということがあるので、ぜひそこら辺も意見を聞いてくだされば、本人の特性とか医療の状態とかを合わせてチームになれるのかなというような気がしているのです。
 以上です。
○伊藤障害福祉課長 そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ここまでとさせていただきます。日本精神神経科診療所協会の高尾様、どうもありがとうございました。
(説明者退室)
○伊藤障害福祉課長 本日予定しているヒアリングは以上で終了となります。これで終わりますけれども、アドバイザーの皆様から、最後に何か御発言等はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、次回の検討チームは来週7月21日の金曜日14時から開催いたします。またよろしくお願いいたします。
 本日はこれで閉会とします。お忙しいところを御参集いただきまして、どうもありがとうございました。