令和5年7月28日 第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和5年7月28日(金) 13:00~16:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

7月28日合同部会 議事録

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第94回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和5年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等ではない旨を申告いただいております。
 また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人、国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国際感染症センター・センター長の大曲貴夫参考人、国立成育医療研究センター研究所政策科学研究部の竹原健二参考人、山本依志子参考人にお越しいただいております。
 次に、事務局側で人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
 7月4日付で医薬・生活衛生局長が八神から城に交代、医薬担当審議官が山本から吉田に、医薬安全対策課長が中井から野村に交代となっております。
 また、医薬安全対策課の鉄橋の後任としまして、私、板垣が着任しております。
 そして、健康局長が佐原から大坪に交代、予防接種担当参事官が高城から堀へと交代となっております。
 また、予防接種担当参事官室の坂西の後任として高橋が着任しております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
 開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。
 留意事項に反した場合は、退場していただきます。
 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や、会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日、御出席された委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社であり、事前に各委員に申告いただいております。
 前回まで確認対象としておりましたヤンセンファーマ社につきましては、新型コロナワクチンが令和5年6月30日に承認整理となったことを受けて、今回より確認対象外となっております。
 各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、齋藤委員がデンカ株式会社から、宮入委員がアストラゼネカ株式会社から、それぞれ50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 また、舟越委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に御参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 藤井委員、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 申請資料作成関与に係る申告でございますが、伊藤澄信委員が、第一三共株式会社及びKMバイオロジクス株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会、デンカ株式会社のインフルエンザワクチンの申請資料の作成に関与されているため、インフルエンザの審議の際に、退出するに該当いたします。
 また、宮入委員が、ファイザー株式会社の13価肺炎球菌ワクチンの申請資料の作成に関与されているため、13価肺炎球菌ワクチンの審議の際に、退出するに該当します。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 ただいま事務局より、審議の参加について御報告がありましたが、伊藤澄信委員につきましては、インフルエンザワクチンの薬事承認申請資料の作成に関与していること、及び宮入委員は、13価肺炎球菌ワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議に参加いただけません。
 しかし、規定上、申請資料の作成に関与している場合であっても、分科会等が認めた場合には意見を述べることができるとされております。伊藤澄信及び宮入委員は、当該ワクチンについて、大変深い知識をお持ちであるために、ぜひ意見を述べていただきたいと思いますけれども、委員の皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん、了解していただいたと確認できましたので、部会として了承していただけたということで、審議に入りたいと思います。
 それでは、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-8、資料2-1から31、資料3-1から4、大曲参考人提出資料、参考資料1から19になります。
 資料順が前後しますが、大曲参考人の御予定の関係から、大曲参考人提出資料の御説明から始めさせていただきたく思います。
 資料の不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
 議題の1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」でございます。
 まず、「新規新型コロナワクチンを含むコホート調査並びに副反応シグナル全国調査」(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)の分担研究班「新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に係る実態調査」から、本日、第二報の御報告をいただけると伺っております。
 それでは、まず、大曲参考人から資料の御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大曲参考人 ありがとうございます。
 国際医療研究センターの大曲と申します。よろしくお願いいたします。
 以前も1回御報告しましたけれども、新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査の第二報を、今日は御報告いたします。
 まずは、資料の4枚目に行っていただけますでしょうか。こちらに、この実態調査の概要をお示ししております。
 背景でありますけれども、新型コロナワクチンの接種が行われておりますが、その接種後に症状が出て、それが遷延する場合があるという御意見がございます。ただし、その実態が不明でございました。ですので、これらについて実態の把握を行うことが、今回の調査の目的でございます。
 方法ですけれども、まずは、患者さんの受診状態の把握を中心として、記述的な評価を行うことにしました。
 具体的には、症状を呈して患者さんが受診されるわけですが、そのような専門的な医療機関に対して調査票を送っております。そちらから情報をいただいたと言う形であります。
 調査対象でありますけれども、全国の都道府県では、ワクチンの接種後に副反応を疑う症状を呈した患者さんが受診できる専門的な医療機関が、都道府県ごとに指定されていまして、これは470ございます。
 その中で、今回の調査に協力が可能と言っていただいた193の医療機関に調査票を送付しています。
 もう少し詳しい方法としましては、調査票は2つ送っております。調査対象者は令和3年の2月1日から令和4年の5月31日までに受診した方としています。
 1つの調査は、事務的な調査票でありまして、これは、受診状況の全体像を見るために、地域連携室宛てに送付をしております。ですので、事務部門からのデータが上がってきている。
 2点目は、医学的な調査票でありまして、こちらは、実際に受診された場合の症状ですとか診断、あるいは治療と、その結果明らかになった病名等を、医師に調査票を配付することで回収しているというところでございます。これが概要です。
 それでは、資料の6枚目に行っていただけますでしょうか。実際の今回の症例数でございます。
 実際193の医療機関から協力の意思の表明がありまして、地域連携室等から得られた回答数は81の医療機関からでございました。
 その中で、実際に該当症例があったという医療機関は29、その中から240症例が、今回、回答をいただいております。
 また、担当医師からの回答でありますけれども、得られたのは21医療機関でありまして、合計140症例でございました。
 右上に、各ブロックごとの医療機関数、特に地域医療連携室で担当医師から回答が得られた医療機関の数をお示ししております。
 次に、7ページ目をご覧ください。前回の報告からの更新事項でございます。
 前回は、同じで調査を行ったわけですが、回答期間は2023年3月15日までとしておりました。今回は、それを5月10日まで延ばしております。
 結果として、どうなりましたかと言いますと、地域連携室での回答症例数が240ということで、前回の128よりも増えております。
 ただ、実際に内容を精査しますと、それ以外にも40回答があるのですが、こちらに関しては、質問票を見ますと、疑義照会が必要ということで、現在確認をしておりますので、今回の解析からは外しております。
 医師向けの調査票に関しても、第二報では、5月10日までの回答分を今回対象としておるのですが、今回の対象としたのは140例、ただし疑義照会が必要となったものが、そのほかに121例ありましたので、こちらは、今回の解析から外しております。
 それでは、中身に移ってまいります。9枚目をご覧ください。
 こちらは、地域連携室宛てに送付した事務的調査の全体の状況であります。
 回答症例数は240、その年齢別の内訳を見ますと、男性が87、女性が153であります。
 年齢階級ごとの分布を見ていきますと、女性の40から49歳、そして50から59歳がそれぞれ42人、31人ということで、ほかの性別階級の中でも数が多かったところでございます。
 次の10ページをご覧ください。
 こちらは、実際に受診された回数の多い診療科を積み上げてお示ししておりますが、多いところから総合診療科、総合内科、救急科、脳神経内科、そして総合内科・感染症内科、内科というところが、10以上のところでございます。
 それ以外にも多くの様々な種類の診療科に受診をされているということが、今回分かりました。
 11枚目であります。
 症状の発症日、そしてワクチン接種後の症状で、実際に医療機関に受診された初診の日を、こちらには示しております。
 傾向を見いだすのは難しいのですが、症状の発症日、左側にお示ししたところを見ますと、対象期間の違いはありますけれども、2021年のほうが2022年よりは、かなり多いところがお分かりいただけると思います。
 12枚目の資料に移ります。
 こちらは、発症日からワクチン接種後の症状について、当該医療機関を初回受診するまでの期間であります。日数ごとの具体的な数値は、左半分にお示ししてございますが、これを階層化してお示ししますと、全体240人のうち、0から7日で受診された方が全体の104人で、8から30日の方が69人という状況でございました。
 13枚目であります。
 地域連携室からの報告を、ここで一旦まとめます。報告のうち約6割強が女性でありまして、女性の中でも40代が最多であります。
 受診した診療科は、多いところもございますが、多岐にわたっておりました。
 受診患者の発症日を見ますと、2021年が約84%であります。また、接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でありますが、発症当日が最多であります。また、約半数が発症日から1週間以内の事例でございました。
 こちらが、地域連携室からの報告でございます。
 次に、16枚目にお移りください。医師からの調査票の回収の状況とその結果でございます。
 こちらですが、回答をいただいた施設は21、症例数は140でございます。
 その下に年齢性別ごとの内訳がございますが、男性41人、女性は99人であります。
 性別、年齢階級ごとに多いところ見ていきますと、やはり女性の40から49歳、50から59歳で、それぞれ28人、16人と多い状況です。
 17枚目です。受診された方のワクチンの接種前の基礎疾患、そして、日常生活の自立度をお示ししました。
 基礎疾患ですけれども、ありという回答が48.6%、なしが42.1%、不明は5.7%でございました。
 日常生活の、いわゆる自立度でありますが、自立とお答えになった方が、全体の87.1%でございます。
 18枚目に移ります。ワクチン接種後の症状に係る受診の状況をお示ししています。
 まず、入院の有無ですけれども、入院された方は21.4%で、なしとした方が47.9%でありました。
 また、全員の受診状況でありますけれども、実際には、ほかの医療機関を受診せずに、この専門的な当該医療機関、こちらに初診で来られた方が56人、全体の40%、また、それ以外に、ほかの医療機関を受診した施設数ごとにパーセンテージを示しておりますが、1施設43.6、2施設は5.7%、3施設は0.7%というところでございました。
 19ページには、ワクチン接種後の症状に係る当該医療機関の、こちらは初診日を示しております。
 対象期間が違いますが、2021年は112人、2022年は28人ということでございました。
 20枚目でありますが、今回の症状に影響を及ぼした可能性のあるワクチンの接種の時期、そして回数、種類を示ししました。
 中でも右上の接種回数でいきますと、1回とした方が55人で39.3%、2回が62人で44.3%、3回が17人、12.1%という分布でありまして、右下にはワクチンの種類をお示ししておりますけれども、ファイザーのコミナティ筋注58.6%、こちらの5から11歳用が0.7%、武田/モデルナのスパイクバックスが10.7%という分布でございました。
 次に、22ページ目をご覧ください。
 こちらには、当該医療機関の受診のきっかけとなった症状のうち、日常生活を送る上で最も支障を来した症状、こちらを多い順に示しております。
 10例以上のものを見ますと、発熱が32、疼痛が19、倦怠感が17、頭痛が12、そして関節痛が11という順でございました。
 お示ししたとおり、多くの症状、数は1例等々のものがございますが、報告をされております。
 23枚目であります。
 こちらは、ワクチンの接種後から当該症状が出現または悪化するまでの期間を見ております。
 見ていきますと、グラフで見ますと、0から7日が一番多くて108名、1週間ごとに見ていくと、8から14日が10、15から21が4、そして22から28日で1、飛びまして、43から49日で1ということでございました。
 実際の発症までの日数ごとの人数は、右上の表に示してございます。
 24枚目に移ります。
 こちらは、ワクチンの接種後から当該症状が出現または悪化するまでの期間が8日以上であった事例をお示ししてございます。
 こちらですけれども、症状だけ上から読み上げますと、発熱、疼痛、次がなし、嚥下困難、次は疼痛、頭痛、その次は点状出血、その次は37度以上の発熱、その次が左の視力の低下、意識障害、肝機能の障害ということでございました。
 こちらの8から14日の10例中のうち8名は回復もしくは軽快しております。
 症状が長かった事例としては、48歳女性、疼痛55日、44歳女性、左の視力低下356日というものがございました。
 25枚目は、その続きであります。
 発現または悪化するまでの期間が、15から21日のグループでございますが、症状を上から読み上げますと、肩や後頭部のしびれ、リンパ節の腫脹、発熱37度以上、そして疼痛でありました。
 この場合は、4分の3例が軽快もしくは回復であります。
 症状が長かったものとしては、肩・後頭部のしびれが249日、リンパ節腫脹、62日というものがございました。
 次に、22日から28日の事例ですが、1例、44歳の女性で左半身のしびれであります。
持続日数は、未回復でありまして、43から49日の事例は1例、85歳の男性、倦怠感と左上肢の運動障害で、倦怠感393日、上肢の運動障害の持続期間は不明ということでございました。
 26枚目をご覧ください。
 当該症状の持続期間を1週間ごとの区切りでお示しをしたものでございます。0から7日が一番多くて47、次が8から14で6例、15から21日が2例、12から28日そして29か35日が、それぞれ4というところでございます。
 27枚目には、それらの事例の中でも30日以上の持続期間のあった事例のリストを示してございます。
 まず、症状だけ読み上げますと、31から60日の事例を見ますと、上から、めまい、発熱、関節痛、そして全身の発疹、次が動悸、次が胸痛、その次の事例が四肢のしびれ、次の事例は、倦怠感と筋肉痛でありました。
 こちらに関しては、7分の7例、全員が回復もしくは軽快しているところであります。
 持続期間が61日から90日の例を見ていきますと、上から症状を申し上げますと、リンパ節の腫脹、そして発熱、倦怠感、次が腰部・両上肢のしびれ、頭痛や嘔気、嘔吐、腹痛、次の事例が筋力低下であります。6分の4例が回復しております。
 28ページに移ります。
 91日から120日の持続期間の例ですが、上から症状で見ていきますと、リンパ節の腫脹、疼痛、脱力、しびれ、息苦しさ、そして、右下肢の皮疹でございました。
 4例のうち3例が回復しているところです。
 121日から365日の事例は6例ございますが、症状は、倦怠感、疼痛、ろれつ障害、疼痛、不眠、肩、後頭部のしびれ、そして、左視力の低下というものがございまして、6例中4例は回復しているところでございます。
 次は29枚目です。症状の持続期間が365日以上であった症例を示してございます。
 申し遅れましたが、こちらに関しては、症例票を見ておりますが、日付に関して誤記の可能性があるものが含まれておりました。
 こちらに関しては、疑義照会をかけておりますが、現時点で、我々の手元にある情報を御紹介しております。
 6例ありまして、症状は上から発熱、次の事例が倦怠感、息切れ、集中力低下、倦怠感、胸膜痛、最後の事例は筋肉痛、疼痛、倦怠感ということでございました。6例中3例は、回復もしくは軽快ということでございます。
 飛びまして、31枚目です。
 こちらは、実際に評価のために行われた検査と、検査所見の概要を示してございます。
 多かったものとしては、やはり血液検査、尿検査、心電図、そして単純X線検査、CTというものがありましたし、数は少ないですが、脳波、神経電動速度、筋電図といった検査も含まれておりました。
 32枚目でございます。
 これは、実際に行われた資料でございます。
 140例中、何らかの形で薬剤療法が行われた例が89例含まれておりました。認知行動療法等が行われたのは1例です。
 この89例の中の内訳が下に示してありまして、解熱鎮痛剤が31、補液が17、ステロイドが14、そして、免疫抑制剤が17と、その他が51というところでございました。
 33枚目でございますが、これは実際に、ワクチン接種後の症状に係る確定病名、こちらがお示ししてあります。
 多いものは、左上にありまして、予防接種後副反応32、次が発熱、コロナウイルス感染症のワクチンの接種の副作用、アナフィラキシーというところでございました。
 34枚目は、この続きであります。例数は少なくなります。
 35枚目でありますが、こちらは、症状に係る疑い病名でありますが、10例以上の多いものとしては、新型コロナワクチンの副反応でございました。
 36枚目には、転機をお示ししてございます。
 140例のうち回復/軽快が92、未回復11、死亡は5、内訳はお示ししましたというところでございます。
 次の37枚目には、実際に入院された方の症状、病名、検査、治療、転帰等をお示ししてございます。
 こちらに関しては、30例のうち25例は、回復もしくは軽快というところでございます。
 亡くなられた方が5名いらっしゃいまして、診断名は、こちらにお示ししたとおりでございます。
 こちらの死亡例等に関しては、今回の調査では因果関係等を見るということは、目的、方向の対象外でございますので、これ以上の情報はございません。
 39枚目に移ります。
 医師からの調査報告のまとめでございます。
 報告のうち約7割は女性です。女性の中で40代が最多であります。
 時期では、2021年6から8月に接種した事例が多く、接種回数としては、4回目の接種までの中でも、1回目もしくは2回目の接種の事例が、それぞれ約4割以上と多くを占めておりました。
 特定の症状あるいは疾病の報告の集中は認められておりません。
 また、接種から症状の発現までの期間でありますが、9割弱が1週間以内でございました。また、症状の持続期間が確認できた事例のうち、約3分の2は、4週間以内に症状が改善しておりました。
 また、転帰の確認できた症例のうち、9割弱の事例で軽快もしくは回復が確認されております。
 それでは、41枚目をご覧ください。
 今回の報告の総括でございます。今回二報であります。調査期間を延長しましたので、報告施設数と症例数が増加しております。
 あと、今回報告されました症状、確定病名、疑い病名の一覧からは、引き続き現時点で懸念を要するような特定の症状や、疾病の報告の集中、これは、確認できませんでした。
 遷延する症状につきまして、症状の持続期間が31日以上などの事例の症状の精査を行っておりますけれども、全体の報告状況と同様に、特定の症状あるいは疾患の報告の集中はありませんでした。
 また、現在、疑義照会中の6例、今回お示ししましたけれども、症状の持続期間が31日以上の事例の転帰についても、多くの事例で軽快もしくは回復しております。
 ただし、疑義照会を行っている症例についての確認の対応が、今後必要となります。
 すみません、少し長くなりましたが、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 これに関連しまして、前回4月28日の審議会におきまして、新型コロナワクチンの接種後の遷延する症状について、柿崎委員より御質問いただき、伊藤澄信委員より、伊藤委員が実施されている健康状況調査において、遷延する症状の方がいらっしゃるかについて御説明をいただきました。
 前回の御説明内容につきまして、今回、伊藤先生より資料1-7の参考資料部分に資料化をしていただいたと伺っておりますので、伊藤澄信委員、よろしければ、御説明をお願いできますでしょうか。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 今、御説明がありましたように、資料1-7の87ページ以降に資料をつくりましたので、ご覧いただければと思います。
 前回、大曲先生の報告に際して、ファイザー社の初回シリーズの2回目接種後の遷延するAEについて、口頭で述べさせていただいておりますが、その内容を踏まえた資料をつくっています。
 今回は、ファイザー社の初回シリーズの1、2回目接種、31日以降に続いた症状をまとめております。
 本調査は、もともと接種後28日間のAEを自記式の日誌で回収する仕組みで、接種10日目以降に症状が続いた場合には、消失日を記載していただく方法にしておりました。
 消失までの期間の記載がない方も混在しておりますので、そのため、31日以上の数を全数補足しているかどうかは、分からないところもありますが、1回目については、三叉神経障害と日誌に記載がされていて、67日後に消失とされている方が1名。
 2回目については、5名の方が、31日以上の症状があったと報告いただいています。
 頭痛、関節痛の方が多いのは、ご覧いただいて分かるとおりですが、これらの方の頭痛、関節痛については、1回目も持続期間が短かったのですが症状があったことを日誌で確認しております。
 99.2%の方が、2回目接種をされておりますが、2回目接種を受けられなかった方を従属変数としてロジスティック回帰分析しますと、年齢と性別で調整しても1回目接種直後に、何か具合が悪かったというAEがあった方、副反応が10日以上続いた方をオッズ比で見ますと、それぞれ19.7倍、14.1倍、2回目の接種をされていないということが分かっております。
 接種によるAEが、ワクチンを引き続いて接種されるかどうかに大きな影響を及ぼしていることが分かります。
 本調査で見る限り、31日以上続くAEというのは、2万人に数名程度。多分、消失までの日数が分かっていない人も含めても、多くても2,000人に1人程度の頻度だと思います。また、ほぼ全ての方が、2か月以内に症状は軽快されていました。
 コホート調査は、発症頻度の推定ができますので、今回、解析結果を提示させていただきました。
 報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様より、本研究における大曲参考人の資料、伊藤澄信委員の資料の御説明について、御質問、御意見をいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川でございます。
 詳細な資料をありがとうございます。これはワクチン接種後の症状の訴えを、専門的な医療機関、それから地域連携室を受診したということになりますと、接種した医師が継続的に症状を診ている状況、つまりかかりつけ医等が接種して経過を観察して治療に結び付けている状況とは違ってくるようなことも考えなくてはいけないと思い。その中で遅延する症状の中に、新たな感染症や、もしくは疾患が混じる可能性、そういうものがどれぐらいあるかということから推察することは、なかなか難しいことだろうとは思いますけれども、その可能性について、いかがなものかということを、大曲参考人に教えていただければと思います。よろしくお願い申し上げます。
○岡座長 大曲参考人、いかがでしょうか。
○大曲参考人 ありがとうございます。
 こちらに関しては、持続した期間と、あとは実際につけられている診断名、あるいは疑い証明のすり合わせといいますか、それで見ていくことが必要だと思っていますけれども、現状を見ますと、実際につけられている診断名を見ると、ワクチン接種との関連性が考えにくいものは、やはり診断名としては、かなりあったように思います。
 ですので、これは根拠でありますが、この経過の中でほかの疾病、あるいは新たに起こった感染症というものがあって、それが症状を起こしている。それが、期間が長い場合があるというものは、十分に可能性があると思っています。
 頻度は、今回の調査でお示しができませんが、その可能性はあると解釈しています。
○宮川委員 ありがとうございました。
 そういう意味では、集団接種の会場で行われて、その後フォローする医師が直接はいない状況の中でその困窮する症状に関して、今、お話があったような専門的な医療機関とか、地域連携室に受診された方という位置づけだろうと思います。今後、例えば、かかりつけとして、患者さんが個人的に受けて、その中に遷延した症状がなかったかどうかということも含めてですけれども、調査するような予定とかはございますでしょうか。
○大曲参考人 これは、先生、実際に打たれた方、例えば、かかりつけ医の先生方のところで、実際にワクチンを打たれたという事例に限って、それで、実際、かかりつけの先生方は継続して診られるので、その中で症状がどうだったかということを縦断的に見るような。
○宮川委員 はい。
○大曲参考人 こちらに関して、今のところ予定はしておりませんでしたけれども、これを踏まえた上で、次にどう調査をするのかということが課題としてございますので、先生からいただいた御意見を参考にさせていただければと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 山梨大学の山縣です。
 大曲先生、貴重なデータを、いつもありがとうございます。
 私からは、これを見ていると、本当に多様な症状があったりして、いわゆるWHOが提唱しているISRRという予防接種ストレス関連反応といったようなものに類似するものが、この中には含まれているのかということと、そうであるならば、その予防とか早期回復のために、患者とのコミュニケーションとか、そういったようなものが接種や接種後に重要になってくると思うのですが、その辺りのところは、いかがでしょうか。
○岡座長 大曲参考人、お願いいたします。
○大曲参考人 ありがとうございます。
 山縣先生、今回の調査では、一例一例の細かい症例の臨床情報が得られていませんので、それを検討する中で、これが予防接種ストレス関連反応であると言えるかどうか、実は、そういう研究の立てつけにはなっていないのです。ですので、直接のお答えはできない状況にはございます。
 ただ、実際に症状が遷延した事例、例えば、31日以上症状が遷延した事例の症状は、こちらでも分かります。それを見ていきますと、いわゆる予防接種のストレス関連反応の中でも、急性期ではないような、遅れて出てくるようなものの中で見られるような、いわゆるキーワードとしての神経学的な症状といったものは、やはり幾つも見られています。
 今までで分かるのは、ここまでなのですけれども、これらの事例に関しては、経緯から考えても予防接種のストレス関連反応というものの可能性というものは、想定しておく必要があるだろうと思います。そこをどう見ていくのか、確認していくのかということが、今後必要だと思います。
 そして、やはりそういう事例があるのだということになれば、もう既に提唱されているような、先生が御紹介いただいたような、そもそもの接種に関しての予防的な対策、個別性の高い予防的な対策ですとか、起こってしまった場合のアプローチ、行動療法等を挙げられていますけれども、それらで的確に対応するということは可能になるのではないかと考えております。ありがとうございます。
○山縣委員 どうもありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 意見ではないのですが、伊藤先生、追加の解析をしていただいて、誠にありがとうございました。大変参考になりました。
○岡座長 伊藤先生、本当にありがとうございました。
 また、大曲先生も詳細に御報告をいただいて、私たちもイメージを具体的に捉えることができたのかなと思います。ありがとうございました。
 そのほか、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、大曲参考人におかれましては、本日は、貴重な御発表をいただきまして、ありがとうございました。大変な調査だと思いますけれども、引き続き、調査におかれましては、第三報に向けての分析をお願いしたいと思います。
 これ以降の議論については、先生に御意見を求める予定がございませんので、御退席されても差し支えございません。本日は、どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、資料1-1-1から資料1-5について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間において、副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に御説明いたします。今回の集計対象期間は4月30日までとなっております。
 まず、資料1-1-1を用いて、副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
 2ページをご覧ください。
 今回の審議会の報告分から推定接種者数の算出に用いるデータの集計、公表方法が変更となったことを受けて、推定接種者数の集計方法が変更となっております。
 詳細については、後ほど事務局から御説明いたします。
 コミナティについてですが、BA.1の推定接種回数は820万7035回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0012%で、重篤は0.0004%、死亡の報告は4件でございます。
 BA.4-5の推定接種回数は4409万8586回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0013%で、重篤は0.0006%、死亡の報告は66件です。
 BA.1、BA.4-5のいずれも、コミナティ全体と比較して高くはなっておりません。
 続いて、3ページをご覧ください。
 コミナティ6か月~4歳用は、推定接種回数は43万8605回接種、副反応疑い報告は8件でございます。
 資料1-1-2-2にラインリストを掲載しております。
 コミナティ5~11歳用は、推定接種回数が426万1844回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0034%で、重篤は0.0010%、死亡事例は、前回部会以降新たな報告はございません。
 このうち、BA.4-5は、推定接種回数が11万2866回接種で、アナフィラキシー疑いの報告が1件ございましたが、回復したとして、報告がされております。
 続いて、4ページをご覧ください。
 スパイクバックスでございます。
 BA.1の推定接種回数は317万4747回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0018%で、重篤は0.0005%、死亡の報告は3件です。
 いずれも前回部会でお示しした症例で、新たな報告はございません。
 BA.4-5の推定接種回数は107万1522回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0023%で、重篤は0.0005%、死亡の報告はございません。
 BA.1、BA.4-5のいずれも、スパイクバックス全体と比較して、高い頻度とはなっておりません。
 続いて、ヌバキソビッドについては31万7170回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0132%であり、前回から新たな報告はございません。
 接種回数別の報告状況につきましては72ページ以降、ロット別については81ページ以降にまとめておりますが、報告状況の顕著な変化はございませんでした。
 資料1-2には、企業報告についてまとめておりますが、資料1-1の医療機関報告と傾向に大きな違いはございません。
 先ほど御説明しましたとおり、今回の部会報告分から推定接種者数の算出に用いるデータの集計、公表方法が変更となったことを受けまして、推定接種者数の集計方法が変更となっております。
 集計方法変更前後で連続的に週ごとの接種者数・報告頻度を見ていくことが困難となったこと、また、これまで評価開始から、前回の4月28日の合同部会まで、週別報告件数及び報告頻度の推移を示してきておりましたが、報告頻度については、いずれの製剤も接種当初から漸減もしくは横ばい傾向を示しており、最近の報告状況に顕著な変化は見られていないこと、こういったことから、次回の部会より、資料1-1-1、資料1-2-1のうち、週別報告件数・頻度に係る部分は省略し、前回部会及び当該部会の集計対象期間内における接種者数及び報告件数、報告頻度を示す資料構成とすることを検討しております。
 資料1-1と資料1-2の説明は、以上でございます。
 続きまして、資料1-3、死亡事例について御報告いたします。
 資料1-3-1をご覧ください。
 コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目「1.報告状況」をご覧ください。
 今回の集計対象期間において、死亡として報告された事例として、総数として1,843件、うち4回目以降は136件の報告がございました。
 2価ワクチンについては、BA.1は6件、BA.4-5は93件の報告となっております。
 「2.専門家の評価」に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
 専門家評価の結果、コミナティ起源株ワクチン接種後のNo.1809の症例についてはαと評価されております。本症例の詳細については、後ほど事務局から御説明いたします。
 3ページ目「(参考2)報告頻度」の部分をご覧ください。
 各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。
 また、2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 BA.1の死亡事例については、277ページ以降、BA.4-5の死亡事例は279ページ以降をご覧ください。
 専門家による評価の結果、BA.4-5の死亡例のうち、No.2はα、その他の事例はいずれもγと評価されております。
 BA.4-5接種後の死亡例No.2について、製造販売業者から追加報告がなされたので御報告いたします。
 280ページをご覧ください。
 本症例については、3月10日に開催されました審議会での審議の結果、ワクチンと死亡との因果関係についてαと評価されました。
 続いて、302ページをご覧ください。
 302ページ以降には、本事例に係る製造販売業者からの報告を最新報から第一報まで順にお示ししております。
 今回新たに報告されました第十三報では、製造販売業者において、採択事象及び症例経過の再検討・再評価を行った結果、報告事象として、不整脈、左室不全、心肺停止、急性肺水腫が報告されており、310ページ以降にお示ししております第十二報までで報告されておりました、アナフィラキシー反応等の一部事象について取下げがなされております。
 各症状の取下げ理由については、309ページにお示ししております。
 なお、本事例の評価に当たっては、製造販売業者からの報告の症例経過欄の情報や、医療機関からの報告も踏まえた上で評価が行われておりまして、今回の報告を踏まえても、本事例の専門家評価における評価結果は、αから変更ございません。
 続きまして、資料1-3-2をご覧ください。
 スパイクバックスの死亡事例について、御報告いたします。
 1ページ目「1.報告状況」です。
 今回の集計対象期間において、死亡として報告された事例として、総数としては225件、うち4回目以降は31件の報告がございました。
 2価ワクチンについては、新たな症例の報告はございません。
 「2.専門家評価」の項に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目「(参考2)報告頻度」の部分でございます。
 各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。
 2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 スパイクバックスBA.1の死亡事例については47ページ以降、スパイクバックスBA.4-5の死亡事例については49ページにお示ししております。
 スパイクバックスの説明は、以上となります。
 続きまして、資料1-3-3をご覧ください。
 ヌバキソビッドの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目「1.報告状況」です。
 今回の集計対象期間において、死亡として報告された事例として、総数としては3件、うち4回目以降は1件の報告があり、前回部会以降新たに2件の報告がございました。
 「2.専門家評価」の項に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目「(参考2)報告頻度」の部分でございます。
 各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、2件増加に伴い、頻度としては増加となっております。
 新たに報告のあった2件の症例の詳細については、3ページ目以降、別紙1をご覧ください。
 専門家評価においては、いずれもγと評価されております。
 続いて、資料1-3-4をご覧ください。
 コミナティ5~11歳用の死亡事例について、御報告いたします。
 4ページ目、No.2をご覧ください。
 昨年10月7日開催の合同部会で初公表となりました、頻回の熱性痙攣の既往のある11歳男児の事例でございます。
 今回、新たな情報としまして、病理結果に係る情報のほか、「死因は急性脳症に伴うショック、多臓器不全と考えられたが、原因は確定できなかった」といった報告がされております。
 専門家評価については、γから変更はございません。
 続いて、資料1-3-5、コミナティ6か月から4歳用の死亡事例について御報告いたします。
 前回の部会で御報告しました、ピアソン症候群等の基礎疾患を有する1歳男児の事例について、追加情報の報告がございました。
 今回新たに入手した情報としましては、本事例の背景として、先天性の心奇形は同定されなかったが、原疾患に伴う高血圧があり、心筋の肥厚を伴う高血圧性心不全状態にあった旨について報告されております。
 専門家評価については、前回から変更はございません。
 資料1-3の説明は、以上となります。
 次に資料1-4-1をご覧ください。
 前回の部会から新たに心筋炎疑いとして報告された事例が7件あり、今回の集計対象期間において、BA.1は4件、BA.4-5は16件報告されております。
 心膜炎疑いの事例について、コミナティBA.1において3件、コミナティBA.4-5において3件報告されております。
 2ページ目の専門家の評価をご覧ください。
 専門家評価の結果、心筋炎疑い事例の1例について、αと評価されております。
 本症例の詳細については、後ほど事務局から御説明いたします。
 続いて、資料1-4-2をご覧ください。
 スパイクバックスBA.1において、心筋炎疑い、心膜炎疑いの症例について、新たな報告はございません。
 また、スパイクバックスBA.4-5における報告はございません。
 また、その他のワクチンについても、心筋炎、心膜炎の発生頻度について大きな変化はございません。
 資料1-5、乳幼児ワクチン接種後の熱性痙攣の報告については、今回新たな報告はございませんでしたので、説明は省略させていただきます。
 最後に、資料の説明は省略いたしますが、参考資料18としまして、安全対策調査会の親会議である安全対策部会におきまして、患者さんからの副作用報告をまとめた上で、定期的に報告をしております。
 6月29日の安全対策部会において、直近の内容を報告しておりますので、本日の合同部会におきましても、参考資料として配付させていただきます。
 全体としての報告は以上となりますが、引き続き、追加で事務局から報告させていただきます。
○事務局 資料1-3-1、274ページ、No.1809の症例についてご覧ください。
 コミナティ接種後死亡した14歳女性の事例についてでございます。
 はじめに、本症例について委員の先生方に御報告し、御議論いただくに当たっての経緯を御説明いたします。
 本報告については、2023年3月20日に当該症例に係る文献が公開されており、4月11日に文献情報に基づき、製造販売業者から副反応報告が提出されています。
 本事例については、前回の審議会のデータロック日以降に報告された症例であり、今回、追加で行った情報収集の内容も含め、先生方には最新の情報として御議論をいただくものでございます。
 それでは、本事例の経過と概要についてご報告いたします。まず、文献情報に基づく製造販売業者からの報告として次のように報告されています。
 14歳女性、既往歴として起立性調節障害はあるものの、もともと健康で中学校の運動部で活躍していました。
 2022年8月10日、コミナティ3回目接種。ワクチン接種の翌日に37.9度の発熱を認めるも、夕方には回復。就寝後、呼吸困難のため、一時的に目を覚ましたが、姉妹と会話の後、再度就寝しております。
 8月12日の朝、母親が、呼吸がなく顔色が悪いことに気づき救急要請。救急隊到着時、女性は既に心肺停止状態であり、二次救命処置を行うも蘇生できず、接種の45時間後に死亡した、との経過をたどったとのことです。
 本症例では、突然死の原因を評価するために、剖検が実施されています。
 横断面で両肺とも重度の肺水腫とうっ血が見られたとされております。また、組織標本は、肺、両心房の心膜と隣接する心筋、肝臓、腎臓、胃、十二指腸、横隔膜の好酸球を含むリンパ球の細胞浸潤が観察され、右心室の心膜にも軽い細胞浸潤が観察されたとされております。
 剖検前に採取された鼻咽頭ぬぐい液を用いて実施されたCOVID-19抗原定量検査は陰性。また、血清はアデノウイルス、サイトメガロウイルス、インフルエンザウイルス(A、B)、RSウイルス、エプスタインバーウイルス、エンテロウイルス(70、71)、パーボウイルスとヒト免疫不全ウイルスに対して陰性でした。
 臨床検査では、SARS-CoV-2抗体の上昇、IL-6の上昇、C-反応性蛋白のわずかな上昇を認めております。
 続いて、こちらの記載上、報告医1とされております解剖医からは、次のように報告がなされております。
 病理組織学的検査を実施し、心筋細胞の炎症所見があり、左右心房の心筋内にCD3抗体陽性のリンパ球浸潤を認めた。
 また、心膜組織の炎症所見があり、左右心房及び右心室の心外膜に抗CD3抗体陽性のリンパ球浸潤を認めた、とのことです。
 さらに解剖医からの情報に基づき、製造販売業者からなされている報告は、次のとおりです。
 心室の心筋での細胞浸潤について、著明ではなかった。全身においてマクロファージのアクチベーションのような組織像について、活性化のマーカーについては、組織学的な検討を行っていないが、マクロファージの組織内における存在によって判断したものである。細菌やウイルス感染がないこと、自己免疫疾患を示唆する病歴がないこと、アレルギー反応がないこと、ワクチン以外の薬物曝露がないことから、ワクチンの多臓器炎症と診断したとされており、多臓器炎症の一種である心筋心膜炎が死因と考えられた。
 心房に由来する不整脈は、心房細動や心房粗動ではなく、完全房室ブロックなどの刺激伝導系の直接的な炎症によるものであるとされており、剖検では、冠動脈硬化症、狭窄、閉塞または肺動脈塞栓は認められていない。致命的な髄膜炎または脳炎は除外されており、脳の炎症所見は、他の臓器の炎症所見と比較して軽度であった。
剖検では血栓は認められず、組織学的にはいずれの臓器にも微小血栓はなかった、とのことです。
 さらに報告医2としている接種医からは、予診票での留意点なし、先行感染なし、基礎疾患なし、との旨が報告されております。
 症例の概要については以上であり、詳細の情報につきましては、適宜、資料1-3-1を御参照ください。
 専門家による因果関係評価について、御報告させていただきます。
 本症例では、アレルギー、薬物曝露、先行する感染症が否定されており、接種後短期間のうちに心臓を含む多臓器に炎症が生じている。患者の基礎情報や接種から症状の発現時期等を総合的に踏まえると、ワクチン接種により心筋心膜炎が生じたと考えて矛盾しない。
 本症例は、心臓における炎症所見は心房領域が中心と報告され、論文においては、心房由来の不整脈が死亡の原因として想定されたと報告されているが、心膜炎では致死的経過をたどることもあり、心室性の致死的不整脈が生じた可能性も否定できない。
 本症例が基礎疾患がなく、健康な若年者であることも踏まえると、心筋炎から不整脈を生じ、死亡に至ったと考えたとしても得られている情報と矛盾しない。
 なお、心臓以外の複数の臓器における炎症が死因に寄与している可能性については、他臓器における炎症所見の詳細が得られておらず、影響の程度は不明である、とのコメントをいただいております。
 次に資料1-2-2-1の24ページをご覧ください。
 表中右から4列目及び3列目におきまして、各症状名に係る専門家の評価PTと対応する因果関係評価をお示ししております。
 ワクチンと死亡との因果関係評価のコメントにも記載がありましたとおり、ワクチンと心筋心膜炎の因果関係評価については、因果関係が否定できない、α。ワクチンと死亡との因果関係についても否定できない、とされております。
 コミナティ接種後の14歳女性の死亡事例の経過及び専門家評価に関する事務局からの説明は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、引き続いて、資料1-6について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
 資料1-6の御説明でございます。
 今回も先生方の御議論に御活用いただけますよう、資料1-6を用意してございます。
 まず、2ページ目をご覧ください。
 今回の審議会におきましても、資料構成は前回と同様でございまして、1項において副反応疑い報告全体の概要について、3項において今回の審議会における論点について、効率的に御議論いただける資料構成等としております。
 おめくりいただきまして、4ページ目から7ページ目が、副反応疑い報告の概要でございます。
 4月30日のデータロックまでの報告状況等について、先ほど御説明いたしました資料1-1-1及び1-2-1をまとめております。
 報告状況の数値につきましては、先ほど御説明をさせていただきましたので割愛させていただきますが、4ページ目におきましては、前回同様、オミクロン株対応ワクチンを含め、ファイザー社ワクチンに係る推定接種回数、報告頻度をお示ししております。
 5ページ目におきましては、同様にモデルナ社ワクチンに係る報告状況について、6ページにおきましては、5歳から11歳の小児用ワクチン及び6か月から4歳用の乳幼児ワクチンに係る報告状況について、7ページ目におきまして、ノババックスワクチンに係る報告状況について、お示ししております。
 8ページ目、今回は、その他事項はございません。
 10ページ目から17ページ目が、まとめのスライドでございます。
 構成といたしましては、10ページ目に新型コロナワクチン12歳以上用に係る心筋炎、心膜炎、11ページ目に死亡事例、12ページ目に5歳から11歳用の小児用ワクチン、13ページ目に6か月から4歳用の乳幼児ワクチン、14ページ目に4及び5回目接種に係るまとめ、15及び16ページ目といたしまして、オミクロン株対応ワクチンについて、それぞれの副反応の報告状況について、まとめてご覧いただけるよう準備させていただいております。
 10ページ目の新型コロナワクチン12歳以上用に係る心筋炎及び心膜炎に関するまとめのスライドをご覧ください。
 今回、ファイザー社ワクチン従来株、3回目接種後の1例におきまして、先ほど御説明申し上げましたとおり、PMDAの専門家による評価の結果、心筋炎に係るブライトン分類1、ワクチンと心筋炎の因果関係評価αとした事例がございました。
 この報告状況も踏まえまして、事務局より、下段の論点のまとめにおきまして、1つ目の○といたしまして、引き続きワクチンの副反応に係る最新の情報を周知するとともに、接種後に胸痛や呼吸困難等の症状が出現した場合には、早期の受診を勧める等、改めて注意喚起をすることとしてはどうか。
 2つ目の○といたしまして、今回、ワクチン接種と心筋炎の因果関係が否定できないと評価された事例も含め、心筋炎、心膜炎に係るこれまでの検討結果を踏まえ、現時点においては、引き続きワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えてよいかとして、お諮りしております。
 続きまして、11ページ目でございますけれども、こちらは、死亡例に関するまとめのスライドでございます。
 青囲みの「最新の死亡例の報告状況の整理」の1つ目から3つ目の○におきまして、従前同様、死亡の報告状況の全体についてまとめさせていただいております。
 続きまして、4つ目の○でございますけれども、こちらは、個々の事例といたしまして、今回ファイザー社ワクチン接種後、翌日に呼吸困難を来し、接種後2日目に死亡した事例が報告されました。
 PMDA専門家の評価も踏まえまして、患者の基礎情報や、接種から症状の発現時期等を総合的に踏まえ、ワクチン接種により心筋炎、心膜炎を発症し、その結果、致死的不整脈が生じ、死亡に至ったとして矛盾しないと考えられたと記載しております。
 一方で、5番目の○といたしまして、集団としての分析状況といたしまして、以前の先生方の御議論にも御活用いただいている情報でございますけれども、AMED研究班における報告及び米国の観察研究のいずれにおいても、COVID-19mRNAワクチン接種後の死亡のリスクについて有意な上昇を認められなかった旨記載しております。
 これらの報告状況の整理も踏まえまして、赤囲みの論点のまとめといたしまして、今回の新型コロナワクチンとの因果関係が否定できないとされた1例を含め、これまでの死亡に係る副反応報告状況及び国内外のmRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえると、現時点においては、引き続き、ワクチン接種を継続していくこととしてよいかとして、お諮りしております。
 全体のまとめでございますけれども、17ページ目におきましてまとめておりますのでご覧ください。
 また、再掲の資料ではございますけれども、以前より先生方の御議論に御活用をいただいております参考資料につきましても、御紹介させていただきます。
 19から21ページ目でございますけれども、こちらでは、米国VSDに基づく心筋炎を含む各疾患における集団としての分析状況に関するスライドを再掲しております。
 また、22から24ページ目におきましては、AMED研究班及び米国VSDに基づく死亡及び肺塞栓症に係る集団としての分析状況に関するスライドを再掲しております。
 また、25ページ目には、2021年当初、先生方に御議論いただいてまいりました結果、2021年12月3日の審議会におきまして、おまとめいただきました心筋炎関連事象に関する考え方のスライドを今回参考として再掲させていただいております。
 これらの参考資料につきましても、よろしければ、本日の御議論の際に御活用いただきますと幸いと考えております。
 また、26から31ページ目におきましては、伊藤澄信委員に実施していただいております健康状況調査につきまして、資料を掲載させていただいております。
 次に、32ページ目でございます。
 こちらは、これまでも副反応疑い報告に係る性・年齢別の頻度につきましては、頻度算出のためにVRSデータ及び首相官邸ウェブサイトにおいて公表されているデータを複合し、推定接種回数の算出をしてまいりましたが、官邸のウェブサイトにおいて公表されているデータも接種の状況に応じて変遷しているところでございます。
 今般、現在の最新の公表状況を踏まえまして、前回の審議会の4月28日以後の推定接種回数につきましては、VRSデータから算出した各接種回数、性・年代別の分布情報をそのまま利用することとしております。
 少々細かい説明ではございますけれども、先生方に御議論いただくデータの算出根拠となる部分でございますので、御説明をさせていただきました。
 事務局といたしましては、従前と同様、引き続き副反応疑い報告の状況について、透明性をもって公表していくとともに、先生方にワクチンの安全性に係る御議論をいただけるよう、資料づくりに努めてまいりたいと考えております。
 また、最後、参考資料16におきましては、これまで同様、新型コロナワクチン接種後におけるアナフィラキシー、心筋炎及び心膜炎と評価された報告状況について、性・年齢別の報告状況をまとめておりますので、こちらも御議論の際に、よろしければ御活用いただけますと幸いでございます。
 資料1-6に関連した事務局からの資料は、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 続きまして、資料1-8について、事務局から御説明お願いします。
○事務局 それでは、事務局から、続きまして資料1-8「新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告について、前回までの内容を踏まえまして、簡潔に御紹介申し上げます。
 なお、ファイルの容量の関係から、2つのファイルに分割させていただいております。
 今回の集計対象期間は6月25日までとなっており、主に5回目接種後の報告を中心にデータが集積しております。
 また、今回から新たに6回目接種後の回答をまとめた結果を御報告いたします。
 それでは、ファイルの1つ目、スライド1から175と題したほうのファイルのうち、123ページをご覧ください。
 123ページのスライドの下のほうが、5回目接種当日中にエントリーして回答いただいた方でございます。133名のうち有効回答者数が107名となっております。有効回答者数は、前回と比較して2名増加しております。
 このほか、3回目接種当日の有効回答者数が1名増加しております。
 続きまして、150ページをご覧ください。
 150ページのスライドの下のほうは、6回目接種当日中にエントリーして回答いただいた方でございます。14名のうち有効回答者数が14名となってございます。
 次に152ページでございますが、上側のグラフで6回目接種後の有効回答者のワクチンの種類ごとの人数をお示ししております。
 その中で、例えばファイザー社BA.4-5対応ワクチンを接種した方は3名、モデルナ社のBA.4-5ワクチンを接種した方は11名となっております。
 続きまして、もう一つのファイルになります。スライド176からと題しましたファイルをご覧ください。
 ページ番号は、右下のページで申し上げます。176ページからは、症状の分析結果を掲載しております。
 飛びまして、226ページでございますが、こちらからは、ワクチンのメーカーごとの症状の発現率を示しております。
 少し飛びまして、234ページ、235ページに接種6回目の後の症状の発現率をお示ししております。
 症状の発現率などの傾向につきましては、前回までと比較して大きな変化はございません。
 続きまして、飛びますが、404ページでございますが、こちらは接種後に医療機関を受診した方の割合、409ページからは医療機関での診断結果、416ページからは入院の状況、そして421ページからは3回目、4回目、5回目または6回目の接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。
 前回から特筆すべき変化はございません。
 最後になりますが、資料の後ろでございます431ページからは、新型コロナワクチンの4回目、5回目、6回目の接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数を示しております。
 資料の末尾の433ページでございますが、新型コロナワクチン接種6回目の当日アンケートの回答者14名のうち、4名の方が、13日前から前日までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されております。
 新型コロナワクチンと同じ日に接種したと回答された方はおりませんでした。
 資料1-8につきましての御説明は、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 続いて、資料1-7について伊藤澄信委員より、御説明をお願いいたします。
はいありがとうございます資料1-7です。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 資料1-7です。
 今日は、オミクロン株対応の2価ワクチンの秋開始接種と、それから5月8日に開始されました春開始接種、それから5歳から11歳の追加接種後、6か月から4歳の初回シリーズ、計3回ですが、その結果を報告させていただきます。
 併せて、抗N抗体で見ました日別の感染症割合と、オミクロン2価ワクチン接種前後の保存血清検体を用いました、オミクロンXBB.1.5株の中和抗体結果について報告いたします。
 今までは、ワクチンの製品名で表記しておりましたけれども、一般の方々はワクチンの製造会社名で理解されておりますし、PMDAからの報告も主として会社名で報告されておりますので、今回から会社名で表記させていただいております。
 また、電子版媒体でご覧になる方がほとんどですので、棒グラフなどはカラー化して見やすくしております。
 オミクロン株対応の2価ワクチンは、昨年10月に開始されました秋開始接種と6回目に当たる今年5月からの春開始接種になりますが、秋開始接種と春開始接種に分けて集計しています。
 人口統計学的特性は、7ページから10ページに示しましたけれども、秋開始接種は、ファイザー社が1,799人、モデルナ社が327人で、春開始接種は医療従事者が主に参加者になってくれておりますが、ファイザー社が486人、モデルナ社が39人です。
 11ページです。秋開始接種の6か月までのスパイクタンパク質抗体価の推移をエラーバーで示しております。
 下の表に実際の数値を記載しておりますが、同一人の時系列の集計ではなくて、測定した抗体価全ての集計としています。
 多くは同一人の結果なのですが、エラーバーの大きさというのは、抗体価のばらつきと症例数を反映したものとなっておりますので、その点は御留意いただければと思います。
 基本的にどのワクチンでも傾向は変わりありませんので、例数が549人と一番多いファイザー社のBA.4-5の抗体価の推移をご覧いただければと思いますが、接種前が1万64U/mLであったものが、接種1か月後には2万6になっていて、それから2か月後の3か月後には1万7985、1か月後の69%、接種から6か月後には1万1915と46%になっておりますが、接種前に比べると少し高い程度に減衰しています。
 これを、既往が分かります、抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体、抗N抗体別に見ますと、12ページのようになります。
 抗N抗体が陽性でハイブリッド免疫を持っている方のほうが、抗体価が高いということが分かります。
 一方、抗N抗体陽性の方の6か月後は、接種前よりも低値になっています。この数字は、ファイザー社とモデルナ社の合わせた数字なのですが、1か月から6か月後の減衰は、抗N抗体陰性者が45.1%で、抗N抗体陽性者が42.1%でしたので、大きな違いはないと思います。
 13ページですが、3月10日の副反応検討部会で提示した、起源株の1価ワクチン、3回目と4回目の抗N抗体で判定した日別のCOVID-19感染者の割合に、秋開始接種の6か月後までの結果を追記しています。
 ラインの上下のひげは、95%信頼区間を示しています。
 2022年10月からの秋開始接種799人の結果を緑色のラインで示しています。開始当初の値は、感染症割合が50%近かったのですが、それが急に30%程度に下がっています。
 これは、2価ワクチンの秋開始接種の開始当初に接種された方は、紫色の線で示しました3回目あるいは4回目接種がほとんどの方でした。
 その後、5回目接種としてワクチンを接種した方が増えた途端に、全体として下がる傾向になっております。
 青の5回目接種として接種された方の感染率は、最初は10%程度でした。同じ時期に3、4回目接種をされた方に比べて、既に感染された方の頻度が著しく低くなっております。この理由は、頻回に接種された、すなわち、接種間隔が短かったということなのか、頻回に接種された方ほど、手指衛生などの感染防御行動が精力的にされていたのか、様々な可能性があろうかと思いますが、いずれにしても、ワクチンを頻回に接種された人のほうがCOVID-19に感染されていなかったということが分かると思います。
 14ページは、5月に開始されました春開始接種224人の抗S抗体の結果で、1か月後までに得られた24人のデータも示しております。
 抗N抗体が陽性か陰性かで違いがあるようですけれども、基本は秋開始接種と変わりがありません。
 15ページは、中和抗体の説明です。
 中和抗体は、アフリカミドリザルの腎臓上皮細胞に生きているウイルスと血清を混ぜて培養し、ウイルスによって培養細胞が死なない血清の希釈倍率を見て、ワクチンの有効性を判定する試験です。どれぐらいに血清を希釈しても、ウイルスから培養細胞が守られるかという数値なのですが、最低の5倍希釈で細胞が生きていない場合は2.5倍という表記になっていて、0ではありませんので、その点、御理解いただければと思います。
 16ページです。
 前回提示させていただいたとおり、BA.1でもBA.4-5の2価ワクチンでも違いがないことが分かっておりますので、オミクロン株対応2価ワクチンをひとくくりにしております。
 接種前後の起源株BA.1.18株、それから、BA.5、XBB.1.5株に対する中和抗体価をまとめた結果です。
 中和抗体は、保存検体を用いて測定しておりますが、XBB.1.5株については、一部の検体は、現在、再測定しているものもありますので、測定の例数がばらばらになっていて、同一人の検体を時系列に追いにくい点は御留意いただければと思いますが、以前に提示させていただいておりますけれども、3回目接種以降の抗S抗体と起源株の中和抗体は相関係数が0.8から0.9近くで、強く相関しています。
 起源株とBA.1の中和抗体も参考に提示していますが、今回は、BA.5とかXBB.1.5に対する抗体価をご覧いただければと思います。
 6月の本部会の親会の分科会で、現在、我が国で流行しているXBB.1.16とXBB.1.5の抗原性の差が小さいという報告もされておりますので、接種前のXBB.1.5の中和抗体価は、現在の流行株であるXBB.1.16に対する効果も推定できるのだろうと思います。
 16ページは、時系列で推移を示しておりますが、XBB.1.5に対する中和抗体価は7倍です。これは、5倍希釈で培養細胞がようやく生きているレベルなのですが、それが1か月後は25.6倍で、3か月が13倍になっております。BA.5の中和抗体価に比べると4分の1から5分の1程度で、希釈倍率で見ますと、2管程度低いことがわかります。
 17ページに、秋開始接種1か月後72人の検体と、春開始接種33人のBA.5とXBB.1.5の相関グラフ、両方とも同じ検体を測ったものですが、相関係数は0.7から0.8程度でした。
 19ページからは、秋開始接種と春開始接種を上下に並べまして、ファイザー社、モデルナ社の順番で提示しています。
 42ページに比較表をつくっておりますが、春開始接種のほうが特定の頻度が少ない印象がありますが、基本的には違いがないと思っております。
 33ページからPMDA報告を含むSAEですが、ファイザー社BA.5ワクチンで、治験責任医師が関連性不明という報告があった尿膜管膿瘍と、それからモデル社のBA.4-5ワクチンの結節性多発動脈炎は、こちらはかなり蓋然性が高そうですが、PMDAに報告しています。
 38ページから42ページは、接種28日後までの特定AEとSAEを含む自発報告の集計です。
 すみません、39ページの表に重複のミスがありましたので、差し替えをさせていただきたいと思っております。
 44ページからは、5から11歳の追加接種後の状況です。
 起源株1価ワクチンの3回目接種で117人、オミクロン株対応の2価ワクチン4回目に接種したお子さんが12人です。
 3月29日のWHOのワクチンの推奨接種対象者の変更とか、5月の公衆衛生上の緊急事態の終了と感染症法上の5類への変更などから、小児治験ネットワークにもお願いをしておりますが、調査に御参加いただくお子さんを探すのに大変苦労しているという状況です。
 53ページに、抗体価の推移を抗N抗体別に提示しています。3回目接種前の抗体価、抗N抗体が陰性の患者さんが低く、抗N抗体価が陽性の患者さんは高いという違いがありますが、接種後にはほとんど違いがありません。
 54ページは、オミクロン株対応2価ワクチン接種後の抗体価ですが、4回目になると、接種前抗N抗体の違いは大きくなさそうです。
 56ページから安全性情報、上段に3回目接種、下に4回目のオミクロン株対応の2価ワクチンの結果を示しました。下の2価ワクチンは、例数が少ないので、3回目接種との比較は困難なのですが、比較表は63ページにつくっております。
 PMDAに報告したSAEはございません。
 28日までの接種後AEの一覧は、66から67ページです。
 69ページからは、2022年12月から開始した、6か月から4歳の乳幼児接種30人のデータです。
 こちらは、起源株3μgを3回接種するのですが、77ページに、3回目接種3か月までの抗S抗体価の結果を示しています。5人と少数例なので、信頼区間が大きいのですが、傾向がご覧いただけるかと思います。
 こちらは3回接種後ですので、1か月後には抗体価が1万程度まで増加しております。
 79ページの発熱のグラフをご覧いただければと思いますが、前回1回目接種後の発熱は冬期の感染症の影響で、頻度が高かったと説明させていただいておりましたが、3回目は、ほぼ発熱がない状況でした。もちろんPMDA報告、SAE報告はございません。
 1回目から3回目接種28日後までの自発報告を集計しますと、1回目の感染症などの発熱のために、数値は高くなっておりますが、ワクチンの結果ではないということが、特に79ページのグラフをご覧いただけると、御理解いただけるかと思います。
 報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御報告があった、これまでの副反応疑い事例、部会資料の構成、健康状況に関する調査について、議論をさせていただきたいと思いますけれども、効率的に議論を進めるために、これまでのように、論点に沿って議論を進めていただきたいと思います。
 まず、副反応疑い事例に関しましては、新型コロナワクチンの安全性評価について、1番として心筋炎及び心膜炎について、2番については死亡事例について、3番については小児、乳幼児接種について、4番目に、その他の論点についてと、その順番で御議論をお願いしたいと思います。
 まず、心筋炎及び心膜炎事例についてでございますけれども、資料としては、1-6の10ページにおいて事務局のほうでおまとめをいただいておりますけれども、これについて少し御議論をお願いできればと思っております。
 委員の先生、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか、そうしましたら、死亡事例については、2番のほうで一緒に、また御意見をいただくようにいたします。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、死亡事例についてということで、議論を行いたいと思います。
 死亡事例につきましては、11ページ目にまとめが、事務局から論点をいただいておりますけれども、ワクチン接種と副反応疑い報告との観点で、接種継続の可否等について、どのように考えるかということも含めて、御議論をいただければと思います。いかがでしょうか。
 心筋炎、心膜炎に関しましては、先ほど詳細に御説明いただきましたように、論文として報告されたケースについて、今回、報告が上がっていて、専門委員の評価のほうでは、因果関係が否定できないということで、まず、心筋炎としては、組織的な所見として、ブライトン分類の1で、それについてはα。そして、その死亡との関係についても矛盾しないということで、否定できないという判断をいただいたということになります。
 いろいろ難しい御判断だったと思いますけれども、今回はαとさせていただいておりますが、宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 詳細な報告が、このように得られておりますので、改めて、国民や、それから医療機関等に向かって、この周知を徹底していくことが重要です。こういう症状が現れるという形になったらば、そういうものの気配が見られたらば、迅速に反応して対応するということを、もう一度医療機関や国民に対して、最新の情報を周知していくことが必要ではないかと考えます。それが、やはりコミュニケーションとして必要ではなかろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡座長 ありがとうございました。
 何かこの点について、事務局のほうございますか。
 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 今、宮川先生に御指摘いただきました点につきましては、資料の10ページ目の心筋炎のパワーポイントのスライドのまとめにあるところを御指摘いただいたのかと承知しております。
 事務局といたしましても、1つ目の○に書いておりますとおり、現在、このような報告状況があるということも踏まえつつ、その最新の情報の周知をホームページ等でもしておりますけれども、接種後に胸痛や呼吸困難等の症状が出現した場合には、先生がおっしゃられましたとおり、早期に受診をしていただくよう改めて注意喚起をしたいと考えておりますので、先生の御意向に従いまして、事務局としても努めてまいりたいと考えております。
○岡座長 よろしくお願いいたします。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいですかね。心筋炎は、副反応として添付文書に記載しているわけでございますけれども、改めて注意喚起をしていくということで、行政として対応していただくということをお願いしたいかと思います。
 それでは、よろしいでしょうか、また何かありましたら後でも、多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 今の事務局からのお話は、そのとおりなのですけれども、これまでワクチン接種後の心筋炎、心膜炎は、入院は必要になるけれども、それほど重症になる方は少ないという思いがございました。
 しかしながら、やはり重症の方がいらっしゃるということもございますので、早期の受診ということも大事ですが、医療機関側も軽いことが多いという既成概念にとらわれることなく、診療をお願いできたらなと思ったことと、万が一重症の方がいらっしゃいましたら、医療機関報告として、予防接種後副反応疑い報告をなるべく早めに出していただけたらと思いました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 医療機関に向けてということで、別の観点での御意見だったと思いますけれども、事務局のほう、よろしいですか。
 では、事務局、お願いします。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
 御指摘のとおりでございまして、医療機関の先生方には、接種後に症状が出ました場合には、もちろん受診を促していただきたいとともに、万が一、接種後に副反応を疑う症状、心筋炎を疑う症状も含めてでございますけれども、出ました場合には、従前どおり副反応疑い報告として御報告いただき、その情報を踏まえ審議会の先生方にお諮りするよう、事務局としても努めてまいりたいと思いますので、改めてでございますけれども、情報収集についても協力をお願いしたい旨も伝えてまいりたいと考えているところでございます。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 これまでのいろいろなほかの調査とか、あるいはアメリカでの心筋炎の症例、小児も含めた1,300例ぐらいのデータとかがございますけれども、致死的になった例というのは、あまり報告されていない状況かと、私自身は把握していましたので、そういう意味で、どのような病態にも、いろいろなスペクトラムがあると思いますので、医療機関の側も、今、御指摘いただいたように、しっかりと診療していくことが大事かなと思いました。個人的な意見でございます。
 藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学の藤井でございます。
 心筋炎、心膜炎が病理で確認されておりますので、それがあったことは確かだと思いますけれども、今回新たに致死的不整脈という観点が出てきたと思います。お亡くなりになられたのは45時間後ですけれども、やはり症状が出た時点で、不整脈の存在も考えながら、心電図等の検索を進めることが大事なのかなと、今回の事例を見て考えた次第です。
 多くの医療機関が関わる事案でもございますので、副反応ということを幅広く捉えて、予防といいますか、事象の解決に向けた努力が必要かと存じます。
 以上、コメントです。
○岡座長 ありがとうございます。
 これは、よろしいですね、先生おっしゃるとおりかなと思います。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいですかね。心筋炎で入院される方というのは、基本的には、心機能があまり落ちていなくて、どちらかというと、不整脈がどうだろうかということの懸念で、モニタリングを目的として入院する方が多いと、海外の先生などからも意見を伺っているところで、そういう意味で、その点も含めて診療していくことが重要かなと思いました。
 これも、すみません、個人的な意見ですけれども、そのほか、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 続きまして、小児、乳幼児接種についてでございますけれども、資料1-6の12ページに事務局から挙げていただいておりますけれども、御意見、御質問等はございますか。
 これについては、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、続けて乳幼児接種の論点について、資料1-6の13ページにおいて事務局から挙げられておりますけれども、御意見、御質問等はございますか。
 よろしいですか。そうしましたら、そのほかの論点ですけれども、資料1-6のところの論点スライドで示されております、4回目以降の接種後、2価ワクチン等の副反応も含め、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から御質問、御意見はございますか。
 また、事務局から1-1-1と1-2-1の資料構成変更案についても御説明いただきましたけれども、それも何か御意見をいただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 特によろしいですか。そうしましたら、あと、伊藤先生を含めて、副反応の調査をしていただいておりますけれども、何か御意見、御質問等ございますか。貴重なデータを、時期と流行株に分けて御検討いただいて、非常に分かりやすく御説明をいただいたと思いますけれども。
 齋藤委員、お願いいたします。
○齋藤委員 ありがとうございます。
 伊藤先生、貴重な御報告、誠にありがとうございました。先生は、以前に出されていたのかもしれないのですけれども、このN抗体とS抗体については、どの方法あるいはどの会社のものでされているのでしょうか。
○伊藤澄信委員 ロッシュ社の抗S抗体と抗N抗体です。
 前にどこかで提示していたと思いましたので、今回は入れておりませんけれども、次回から、明示的に入れるようにさせていただきます。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 子供の発熱は、全部紛れ込みだったらしいということで、とても安心しました。非常に安全なワクチンだなと。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 伊藤先生、ありがとうございます。
 小児の1回目の発熱と2回目以降で、2回目以降は非常に少なかった例が、季節的なほかの感染の可能性があるというお話をされていたのですけれども、以前の全粒子のH5のインフルエンザのワクチンのときも、同様に1回目に発熱があって、2回目以降は少なかったと、それと同じようなことが起こっているということは、考えられないのでしょうか。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 今回はmRNAワクチンですので、かつ、接種量が3μgで、大人の10分の1でしたので、海外の成績を見ると副反応は低かったのだろうと思っています。
 大人と同じようなパターンから考えると、1回目と2回目を比べると、2回目のほうが、副反応が強く出るのかなと思っていましたが、1回目の、8日目、9日目、10日目に、RSとか、ほかのウイルスの感染症に伴って発熱のデータが高くなっていましたと、前回報告させていただいています。
 大人と同じパターンであれば、2回目と3回目は、多分同じパターンになるはずと思うのですけれども、今回のも2回目、3回目は同じパターンで、1回目の接種から1週間以上経ってからの発熱だけが、シグナルとして上がってきていましたが、それは、やはり冬季の感染症の紛れ込みが、このように出ていたのではないかと思います。1回目から3回目まで横並びにするとよく分かるのかなと思ったので、このような資料にしています。
 ですので、全粒子ワクチンとかH5とかとは、モダリティーも違います。多分、大人と同じようなパターンを取ってきているのではないかと、個人的には考えております。
 以上です。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。そうしましたら、これまで議論をいただきました内容をまとめたいと思います。一緒に御確認いただければと思います。
 まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向についてでございますけれども、マル1として、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢・性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎、心膜炎について報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はないとまとめさせていただきました。
 死亡事例についてでございますけれども、マル2として死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の集計対象機関から今回の対象集計期間までに、新たに14件の死亡事例の報告あり、うち8件が4回目以降の接種後の死亡事例であった。
 専門家による評価では、接種開始以降、報告された1,843例については、2例がα、10件がβ、その他の事例はγと評価された。
 また、今回の心筋炎を含めた議論を踏まえ、改めて新型コロナワクチン接種後に胸痛や呼吸困難等の症状が出現した場合には、早期に受診を勧めるなど、接種前に予防接種後に起こり得る副反応を含めた説明を十分に行うことについて、引き続き注意喚起をしていく。
 そして、重篤な症状が発現した副反応疑い報告事例の因果関係評価に当たっては、情報収集が重要であり、事務局においては引き続きしっかりと取り組んでいただきたいとまとめさせていただきました。
 この情報を注意喚起と、それは医療機関に対しても含めてでございますけれども、この点が、委員から御意見をいただいたところかと思います。
 続いて、スパイクバックスにつきましては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに、新たに1件の死亡事例の報告あり、本事例は4回目以降接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された225件については、1件がβ、その他の事例はγとされた。
 ヌバキソビッドについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに、新たに2件の死亡事例の報告があり、うち1件が4回目以降の接種後の死亡事例であった。
 専門家による評価では、接種開始以降報告された3例については、いずれもγと評価された。
 これまでの死亡に係る副反応疑い報告の状況、及び国内外のCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえると、現時点においては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 続いて、小児接種でございますけれども、マル3としてコミナティ筋注5から11歳用については、3例が死亡事例と報告されており、いずれもγと評価された。
 マル4として、また、心筋炎、心膜炎について、報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はない。
 マル5として、コミナティ筋注5から11歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えるとまとめさせていただきました。
 乳幼児接種についてでございますが、マル6として、コミナティ筋注6か月から4歳用については、心筋炎、心膜炎事例の報告はなかった。
 マル7として、熱性けいれんについては、4月30日までに医療機関から2件、製造販売業者から2件の副反応疑い事例の報告があった。
 マル8として、死亡事例については、1例報告があり、専門家による評価ではγとされた。
 マル9として、コミナティ6か月から4歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えるとまとめさせていただきました。
 また、本日御報告いただきましたワクチン接種後の遷延する症状についてでございますけれども、マル10として、本日、研究班より第二報があった。
 マル11として、調査の性質上、症状とワクチン接種の間の因果関係を検証するものではないことに留意しつつ、様々な症状や症状の持続期間が31日以上の事例の報告があったものの、引き続き、懸念すべき特定の症状等の集中は見られず、また、転帰の確認のできた症例のうち、多くの事例で軽快または回復していたとの報告がなされたという形でまとめさせていただきましたけれども、よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん、うなずいていただいているのが確認できました。
 以上、今回報告のあった具体的な事例なども踏まえ、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて、御意見がございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。そうしましたら、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において、重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん、首肯していただいていることが確認されましたので、そういう形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、次に議題2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」に入りたいと思います。
 まず、事務局から資料2-1から2-31の御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 今回は、新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2023年1月から3月末までにおける副反応が疑われる症例の報告状況について御説明いたします。
 資料は2-1から2-31及び参考資料19になります。
 まずは、資料2-1のMRワクチンについてです。
 1ページの中段の表をご覧ください。MRワクチンの期間内の接種可能延べ人数は約46万人、製造販売業者から報告は1件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが2件でした。製造販売業者から報告頻度は0.0002%、医療機関からの頻度は0.0009%となっております。
 今回の集計対象期間内で2件のアナフィラキシー疑いの症例が報告されており、詳細については、資料2-30のNo.12、No.17にお示ししております。このうちNo.12の症例につきましては、専門家評価によりブライトン分類2、因果関係評価はαとなっております。
 資料2-1は以上です。
 資料2-2は麻疹ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約1万2000人、製造販売業者からの報告は1件、報告頻度は0.0085%となっております。今回、医療機関から報告はありませんでした。
 資料2-2は以上です。
 資料2-3の風疹ワクチンにつきましては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告ありませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-4はおたふく風邪ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約32万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関から報告は3件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0015%、医療機関からの報告頻度は0.0009%となっております。
 資料2-4は以上です。
 資料2-5は水痘ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約50万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関からの報告は3件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0010%、医療機関からの報告頻度は0.0006%となっております。
 資料2-5は以上です。
 資料2-6は帯状疱疹ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約15万人、製造販売業者からの報告は10件、医療機関からの報告は1件、うち重篤なものは1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0067%、医療機関からの報告頻度は0.0007%となっております。
 今回接種後の死亡報告が報告対象期間内で1件、7月7日までの報告対象期間後で1件報告されております。詳細については資料2-31のNo.2、No.3を御確認ください。
 No.2については、詳細な症例経過を8ページからお示ししておりますが、死因は飛び降り自殺による外傷であるとされており、専門家の評価としましても、併存疾患である大脳基底核変性症による抑うつ状態の影響が考えられるとしてγと評価されております。
 No.3につきましては、接種に関する経過を含め、不明な部分も多く、情報不足のためワクチン接種との因果関係を評価できないとされております。
 また、今回の集計対象期間内に1件ADEMの報告があり、資料2-28のNo.6にお示ししております。
 こちらも専門家の評価によりブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 そのほか、報告対象期間前に後遺症として報告された事例について、追加情報に基づき再評価されており、資料2-27のNo.5にお示ししております。詳細は、2-27の別紙にお示ししておりますが、因果関係評価はγとされております。
 資料2-6は以上です。
 資料2-7は23価肺炎球菌ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約37万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0019%、医療機関の報告頻度は0.0022%となっております。
 今回の集計対象期間内に1件GBSの報告があり、資料2-29のNo.4にお示ししております。専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価をγとされています。
 資料2-7は以上です。
 資料2-8のサーバリックスについては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はありませんでした。
 11ページをご覧ください。
 今回、2022年6月から2023年3月までの迷走神経反射が疑われる症例でのアナフィラキシーの可能性について検討した結果をお示ししております。今回アナフィラキシーが疑われる症例はありませんでした。
 資料2-8は以上です。
 資料2-9はガーダシルについてです。
 接種可能延べ人数は約32万人、製造販売業者からの報告は25件、医療機関からの報告は16件、うち重篤なものが5件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0078%、医療機関からの報告頻度は0.0050%となっております。
 8ページ目のNo.21の死亡事例について御説明いたしますが、こちらは前回の本部会で御説明させていただいた症例となっておりまして、現在は取り下げとなっている症例になります。次回の部会以降で反映される予定となっております。
 13ページからは、サーバリックスと同様に、迷走神経反射が疑われる症例について検討した結果をお示ししております。こちらも今回のアナフィラキシーが疑われる症例はありませんでした。
 また、今回の集計対象期間内に、アナフィラキシー疑いの症例として2例、対象期間前にGBS疑いの再評価事例が1例あります。アナフィラキシーの詳細は資料2-30のNo.15、No.16、GBSの詳細は資料2-29のNo.1にお示ししておりましたが、いずれも専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係γとされています。
 そのほか、今回の報告対象期間前に後遺症として報告された事例について、追加情報に基づき再評価されており、資料2-27のNo.2、No.3にお示ししております。
 No.3の接種後に血管迷走神経反射により転倒し、上顎右側切歯を折ってしまわれた事例に関しまして、因果関係評価をαとされております。
 資料2-9は以上です。
 資料2-10はシルガード9についてです。
 接種可能延べ人数は9万6564人、製造販売業者からの報告が11件、医療機関からの報告は1件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者から報告頻度は0.0114%、医療機関からの報告頻度は0.0010%でした。
 3ページ目のNo.10の死亡事例についてですが、こちらは先ほどガーダシルの症例と同じものでして、現在は取り下げとなっている症例でございます。
 6ページ目からは、サーバリックス、ガーダシルと同様に迷走神経反射が疑われる症例について検討した結果をお示ししております。
 資料2-10は以上です。
 資料2-8から2-10における医療機関及び製造販売業者からの報告事例について、販売開始からの累計における重複事例の内訳は、参考資料の19にお示ししておりますので御確認ください。
 資料2-11は、HPVワクチン接種後の失神関連副反応疑いについてです。
 HPVワクチン接種後の失神関連の副反応が疑われる症例をまとめた資料のアップデートになります。
 2から10ページがサーバリックス、11から15ページがガーダシル、16から18ページがシルガード9のまとめとなっております。
 2ページの1はサーバリックスの国内の発現状況になりますが、販売開始から本年3月末までの報告は995例、発生率が10万接種当たり14.09例、このうち、意識消失のあった症例は662例で10万接種当たり9.37例でした。
 3ページからは接種から意識消失までの時間を、4ページからは期間ごとの症例数をお示ししております。
 10ページ目は、ガーダシルの国内の発現状況なりますが、こちらは本年3月末までの報告は613例、発生率が10万接種当たり14.3例、このうち、意識消失のあった症例は408例で10万接種当たり9.5例でした。
 15ページは、シルガード9の国内の発現状況になりますが、本年3月末まで報告は29例、発生率が10万接種当たり12.5例、このうち、意識消失のあった症例は10例で10万接種当たり4.3例でした。
 これらについて、これまでとの傾向の変化や頻度の増加等はありません。
 資料2-11は以上です。
 資料2-12のDPTワクチンにつきましては、対象期間内に報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2の13はDTワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約21万人、製造販売業者からの報告はなく、医療機関からの報告が3件、うち重篤なものが1件でした。医療機関からの報告頻度は0.0015%となっております。
 資料2-13は以上です。
 資料2-14のジフテリアトキソイドについては、対象期間内に報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-15は破傷風トキソイドについてです。
 接種可能延べ人数は約19万人、製造販売業者から報告はなく、医療機関からの報告が1件、うち重篤なものが1件でした。医療機関からの報告頻度は0.0005%となっております。
 資料2-15は以上です。
 資料2-16の不活化ポリオワクチンについては、対象期間に報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-17は4種混合ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は84万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は14件、うち重篤なものが9件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0001%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっております。
 今回の報告対象期間内において、ほかワクチンとの同時接種を含めた4種混合ワクチンの死亡事例が1例報告されております。資料2-31のNo.1にお示ししている3か月男児の症例になりますが、御遺族の意向により詳細な経過につきましては委員限りとなっておりますが、専門家の評価としましては、現在得られている情報からは、γと評価されております。
 また、7月7日までの報告対象期間後でも1件報告されており、資料2-31のNo.4になりますが、こちらは現在調査中のため、次回以降の本部会で改めて報告させていただきます。
 また、アナフィラキシー疑いについて、今回の集計対象期間前の再評価事例が1例あり、資料2-30のNo.10、2-30の別紙5にお示ししておりますが、専門家評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 資料2-17は以上です。
 資料2-18は13価肺炎球菌ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約83万人、製造販売業者から報告は6件、医療機関からの報告は18件、うち重篤なものは16件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0007%、医療機関からの報告頻度は0.0022%となっております。
 死亡事例について、対象期間内に1例、対象期間後に1例報告されておりますが、こちらは、先ほどの4種混合ワクチンと同じ症例ですので、説明は割愛させていただきます。
 また、6か月間の死亡症例の報告の頻度として、10万接種当たり0.06から0.12となっており、この数値は急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
 アナフィラキシー疑いについて、ほかワクチンとの同時接種を含め、13価肺炎球菌ワクチンにおいて、報告対象期間内に6例、報告対象期間前の再評価事例で4例報告されており、資料2-30のNo.1から10にお示ししております。いずれも専門家の評価によりブライトン分離4、因果関係評価はγとされています。
 資料2-18は以上です。
 資料2-19はHibワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約80万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は19件、うち重篤なものが17件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0005%、医療機関からの報告頻度は0.0024%となっております。
 死亡事例について、こちらも対象期間内に1例、対象期間後に1例報告されておりますが、先ほどの4種混合ワクチンと同じ症例ですので、説明は割愛させていただきます。
 また、こちらも6か月間の死亡症例の報告頻度として、10万接種当たり0.07から0.13となっており、こちらも0.5を下回っております。
 資料2-19は以上です。
 資料2-20はBCGワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約21万人、製造販売業者からの報告は11件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0052%、医療機関からの報告頻度は0.0057%となっております。
 資料2-20は以上です。
 資料2-21は日本脳炎ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約98万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが6件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0001%、医療機関からの報告頻度は0.0012%となっております。
 アナフィラキシーについて、今回の報告対象期間内に3例、報告対象期間前の再評価事例として1例報告されております。
 資料2-30のNo.11から14を御確認ください。
 このうちNo.12とNo.13の症例について、専門家評価によりブライトン分類3以上、因果関係評価はαとなっております。
 また、集計対象期間前の再評価事例にて1件ADEMの報告があり、資料2-28のNo.5にお示ししております。専門家の評価によりブライトン分類5、因果関係評価はγとされています。
 資料2-21は以上です。
 資料2-22はB型肝炎ワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約87万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は16件で、うち重篤なものが16件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0007%、医療機関からの報告頻度は0.0018%となっております。
 資料2-22は以上です。
 資料2-23は1価のロタウイルスワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約28万人、生産販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものが8件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.003%、医療機関からの報告頻度は0.003%となっております。
 資料2-23は以上です。
 資料2-24は5価ロタウイルスワクチンについてです。
 接種可能延べ人数は約20万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものが8件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0005%、医療機関からの報告頻度は0.0041%となっております。
 資料2-24は以上です。
 資料2-25をご覧ください。
 ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況につきまして、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より、資料の提供を受けております。
 資料の2ページ目から6ページ目までは、グラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、ワクチン接種時の週齢でまとめたグラフとなっております。
 7ページ目以降は、MSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっております。
 2020年10月に定期接種化されておりますが、報告頻度が特段高くなっているということはなく、また、VAERSに基づく海外との比較においても、外科手術や死亡に至った事例は低いことが示されております。
 資料2-25は以上です。
 資料2-26はインフルエンザワクチンについてです。
 今シーズンのインフルエンザワクチンについて、2022年10月から2023年3月末までの結果をお示ししております。
 接種可能延べ人数は約5200万人となっております。製造販売業者からの報告は17例、医療機関からの報告は71例、うち重篤なものが33例となっております。製造販売業者からの報告頻度は0.000033%、医療機関からの報告頻度は0.00014%となっております。
 2ページ目からは、報告について内訳別の集計をお示ししております。過去の2020/2021年シーズン、2021/2022年シーズンと比較して、今回の報告頻度は特段高いという状況ではございませんでした。
 死亡事例については、資料2-31のNo.5から9までを御確認ください。このうちNo.9は、今回新規で評価された事例になりますが、専門家評価により、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。
 GBS症例につきましては2例報告されており、資料2-29のNo.2、No.3にお示ししております。このうちNo.2に関しましては、ブライトン分類1、因果関係評価はαとされております。
 ADEM症例については6例報告されており、資料2-28のNo.2、4、8の症例が今回新規に評価をいただいた症例になります。いずれもブライトン分類4、因果関係評価はγとされております。
 また、今シーズンのアナフィラキシー症例については8例あり、資料2-30の5から6ページに記載しておりましたが、いずれもブライトン分類4、因果関係評価はγとされております。
 昨シーズンのアナフィラキシーについては、7ページにお示ししており、No.3の症例においてブライトン分類1、因果関係評価はαとされております。
 そのほか、後遺症として報告された事例について、資料2-27のNo.6にお示ししておりますが、専門家の評価により因果関係評価はγとされております。
 資料2-26は以上です。
 資料2-27から2-31までについては、各ワクチンのほうで御説明済みですので、割愛させていただきます。
 新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料2は以上になります。
○岡座長 ありがとうございました。
 何か事務局からの御説明について、御質問、御意見等はありませんか。
 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 資料2の10でございますけれども、シルガード9の推定予防接種者数の確認をしたいのですが、令和4年で10月から12月で1万7000、令和5年の1月から3月で9万人となっておりまして、また、資料2-11では、2月の納入量が4,000ぐらいから、3月が9万近くの納入で、公費になったのは4月からですので、実際には3月の出荷数、使用推定数は、4月以降の副反応件数でスライドして上がってくるという認識でよろしいでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 先生御指摘のとおりで、3月の出荷量が特に伸びているところになるのですけれども、こちらは、4月からの定期接種化に備えて納入数が伸びているものと承知しております。納入数としては、こういった形で伸びてはいるのですけれども、この際に納入されたものは4月以降に打たれて、副反応件数については、4月以降に上がってくるものと認識しております。
○舟越委員 ありがとうございます。
 9万人近くになっているので、副反応報告が0件とか、見かけ上、報告がないことに対しては、次回、そこについての集計が出てくるということで確認をしていきたいと思います。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、御意見、御質問等ございますか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 BCGワクチンの接種の重篤症例の中に、42歳の方で誤った製品の接種という記載がNo.1の方にあるのですけれども、これは、どのようなことで、どのような症状が起こったのでしょうか、教えていただけるとありがたいです。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。
 BCGワクチンの5ページ目がNo.1の症例になるかと思いますけれども、本事例は、ツベルクリンの反応検査と間違えてBCGワクチンを接種してしまったという事例になります。
 症状としましては、症状名の欄に記載しておりますとおり、注射部位の腫れや、背部痛、倦怠感、腋窩痛などが報告されているところになります。
○岡座長 よろしいでしょうか。
○多屋委員 ありがとうございます。
 特に後遺症が残ったとか、そういうことはなかったということですが、転帰は不明だったのですけれども、BCGとツベルクリンを間違えたということですね。承知しました。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。そうしましたら、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。
 まず、マル1として副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いということはない。
 マル2として、インフルエンザワクチンについては、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については、昨シーズンのそれらと同等程度であり、大きな変化はなかった。
 マル3として、後遺症の報告は、対象期間前の症例を含め6例報告され、4価HPVワクチン接種後の事例及びインフルエンザワクチン接種後の事例にて、因果関係が否定できないと評価された。その他の事例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされました。
 マル4として、ADEMの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含め7例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル5として、GBSの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め4例報告され、インフルエンザワクチン接種後の事例にて1例、因果関係は否定できないと評価された。その他の事例については、いずれも専門家の評価では情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル6として、アナフィラキシーの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め20例報告され、日本脳炎ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種の症例等の3例について、ワクチンと症状名との因果関係は否定できないものとされた。その他の事例については、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル7として、死亡症例は、対象期間前の症例を含め9件報告された。現在調査中の事例を除き、いずれも情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 マル8として、13価肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンでも、急ぎ検討が必要とされている10万接種当たり0.5を下回っていた。
 以上のようにまとめさせていただきましたけれども、これでよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 皆さん、うなずいていただいておりますので、この内容を踏まえ、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて御意見はありますでしょうか。
 特段の御意見がないようですので、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○岡座長 皆さん、うなずいていただいているという確認ができましたので、そのようにさせていただきます。
 続きまして、議題の3に移らせていただきます。
 議題の3「HPVワクチンについて」に入りたいと思います。
 まず、はじめに「HPVワクチンの安全性に関する研究」(研究代表者:岡部信彦先生)についての経過報告を行っていただきます。研究分担者である竹原参考人から御説明をお願いしたいと思いますけれども、入っておられますでしょうか。
○竹原参考人 入っております。よろしくお願いします。
○岡座長 よろしくお願いいたします。
○竹原参考人 では、お手元の資料をご覧いただければと思います。画面の共有は、できないのですけれども、お手元の資料を御確認いただくということでよいですか。
○岡座長 それで結構です。
○竹原参考人 では、厚労科研岡部班の報告をさせていただきます。国立成育医療研究センターの竹原と山本が、今日は参加させていただいております。よろしくお願いします。
 2枚目のスライドに行きまして、HPVワクチン接種後の症状を呈した患者のサーベイランスの調査の概要報告をさせていただきます。
 こちらの部会では、昨年の7月と10月にも報告をさせていただきまして、今回が3回目の報告ということになります。
 このサーベイランスは、HPVワクチンの積極的接種勧奨が再開となった2022年の4月以降、ワクチン接種後の体調不良を主訴として、協力医療機関を受診した患者数の推移を把握することを目的に、全国の協力医療機関を対象にウェブアンケートで、月に1回協力医療機関を受診した患者数を把握し続けているものです。
 毎月1回、月初に前月分の受診患者数などを御報告いただいていることを続けております。
 3枚目のスライドに行きまして、大きな模式図ですけれども、全国で患者さんが発生しましたら、協力医療機関を受診されて、その協力医療機関の受診状況を、我々調査の研究班の事務局のほうで把握しまして、それを厚生労働省に報告及び地域ブロック拠点病院整備事業で定期的にミーティングなどをされておりますので、希望に応じまして、そちらの会議でも、そのときの状況を報告して、協力医療機関及び都道府県のほうに還元していることを続けております。
 4枚目のスライドは、少し小さな数字がたくさん並んでいる表になりますけれども、こちらが、サーベイランスの受診患者数の推移になります。
 まず、一番上、点線の上ですけれども、こちらが積極的な接種勧奨の再開前の2022年3月の時点の受診患者数になります。こちらが1つの参照になるかと考えております。
 その後、およそ1年少し調査を続けておりまして、現在、調査対象施設が75施設ありまして、常におおよそ65施設前後が御回答いただいていますので、およそ80%から85%ぐらいが御回答し続けてくださっているという意味では、回答としてはやや安定しているのかなと考えられます。
 ワクチンの納入数がこちらに書かれておりまして、コンスタントに納入というのは続いておりますが、その2つ右、ややオレンジ色のセルですけれども、こちらが毎月の協力医療機関の新規受診者数の総計になります。
 一度、昨年の7月から11月にかけて、少し新規受診患者数が増えるかなという兆しがございましたが、その後、当初の数値、10及びそれよりやや少ないぐらいの数値に戻って、ほぼ横ばいで数値は推移をしているかと考えられます。
 もう一つ右の継続受診患者数に関しても、大きな変化は認められておりません。
 5枚目の最後のスライドに移らせてください。
 まとめですけれども、積極的勧奨の再開前の2022年の3月時点と比べて、再開後はワクチン接種数の増加に合わせて、新規患者数のわずかな増加は認めましたが、その後は全体を通して、新規・継続受診患者数のいずれにも顕著な変化は見られていないというのが、現在のサーベイランスの結果を見ていただいて、1つの見解かと考えております。
 今後に向けて、引き続き、9価のワクチン接種も始まりましたし、患者数の把握を継続して、変動の早期把握を行える体制というのを維持していきたいと考えております。
 また、全国の協力医療機関に御協力いただいておりますので、拠点病院整備事業など、いろいろな機会で、全国の都道府県とか、協力医療機関と情報共有、連携というのを続けてまいりたいと考えております。
 簡単ではございますが、以上で御報告とさせていただきます。ありがとうございました。
○岡座長 竹原先生、ありがとうございました。
 ただいまの研究班からの御説明について、何か御質問、御意見等はありませんか。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 宮川でございます。いつも詳細な御報告をありがとうございました。
 以前にもお伺いしたことなのですけれども、継続受診の患者さんのところですけれども、これが、いたずらに長くなったりとか、その中に重篤な方がいらっしゃったり、そういうのがどのくらいいらっしゃるのかどうか、その傾向が変わっているかということは、何かお分かりになるのでしょうか。
○竹原参考人 ありがとうございます。
 昨年のこの部会でも御報告をさせていただいておりますが、受診期間が終了するのが、一概に早いのがいいのか、悪いのかというのは判別がつかないことがありまして、このサーベイランスでは、今そこまで取っておりません。
 ですので、その辺りに関しては、拠点病院事業とか、そちらのほうで臨床像などを把握していくことが必要になってくるのではないかと考えられます。
○宮川委員 ありがとうございます。
 以前も申し上げましたとおり、そういうことが少しでも分かれば、私たちの不安も少し少なくなるのかなと思います。
 それから、9価のワクチン等を含めてですけれども、それが始まったところで、何か特段の変化というのはないのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○竹原参考人 ありがとうございます。
 我々も9価のワクチンが始まるということに関しては、非常に強い関心を持っておりまして、実際に、4月、5月で受診患者数が大きく変わるかどうかということを、とても気にはしていたのですが、スライドの4枚目の大きな集計表にございますように、2023年の4月分、5月分、一番下の2行、こちらの新規受診患者数及び継続受診患者数に大きな変化が認められず、ほっとしているところというのが正直な感想です。
 以上となります。
○宮川委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 そのほか、何か御意見、御質問等はありませんか。
 よろしいでしょうか。本当にこういう数字を見せていただくと、非常に我々にとってはありがたいので、引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
 よろしいですか。それでは、本日の議題は以上となります。
 そのほか、全体を通じまして何か御質問、御意見等ございますでしょうか。
○事務局 失礼します。3-2、3-3の説明を。
○岡座長 失礼いたしました。申しわけございませんでした。私のほうが飛ばしておりました。
 それでは、事務局より資料3-2、3-3の説明をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
 資料3-2をご覧ください。
 HPVワクチンの実施状況について御報告いたします。
 前回は令和5年1月の本審議会で、令和4年上半期の数値を御報告いたしましたが、今回は令和4年度1年間の数値を御報告申し上げます。
 令和4年4月から令和5年3月までの期間で、各都道府県を通じて全市町村に調査を行っております。
 従来の定期接種の実施率は、初回接種が42.2%、2回目接種が39.4%、3回目接種が30.2%であり、御参考としてお示ししております、令和3年度と比較して、いずれの接種回数においても5%程度増加をしております。
 キャッチアップ接種につきましては、初回接種が30万4737人、2回目接種が24万8199人、3回目接種が15万7068人となっております。
 令和4年度上半期では、初回接種が約19万人、2回目接種が約8万人、3回目接種が約2万人だったところから増加が見られております。
 定期接種、キャッチアップ接種、いずれも大幅な増加はないものの、ともに着実に増加をしております。
 資料3-2の御説明は以上でございます。
 続きまして、資料3-3をご覧ください。
 先般、HPVワクチンに関する広報の一環として調査を実施しておりますので、その内容につきまして、御報告いたします。
 まず、右下のページ番号の1ページ目をご覧ください。
 今回実施した2つの調査につきまして、実施した背景と目的を御説明いたします。
 背景として、令和4年度からHPVワクチン定期接種の積極的勧奨を再開し、また、積極的勧奨を差し控えている期間に接種の機会を逃した方に対して、キャッチアップ接種が行われているところです。
 このような中で、正しい理解のもと接種を検討、判断いただけるよう、広報活動を展開していくに当たって、まずは接種対象者本人や保護者におけるHPVワクチンや子宮頸がんに対する理解、そしてワクチン接種に対する考え方等についての現状や、各自治体における情報周知についての現状を把握する必要があることから、接種対象者と保護者向けの調査、そして自治体向けの調査をそれぞれ実施いたしました。
 続きまして、2ページ目をご覧ください。こちらは、各調査の概要となっております。
 いずれも、外部の委託事業者を通じて実施したインターネット調査で、調査1は国民向けの調査として、接種対象者と保護者2,504名を対象に、HPVワクチンや子宮頸がんに対する理解や接種に対する考え方の傾向などを伺いました。
 調査には、自治体向けの調査で1,741市区町村を対象に、HPVワクチンに関する情報周知の実態や、担当者が抱えている問題意識についてお尋ねし、全ての市区町村から回答をいただいております。
 3ページと4ページでは、各調査の結果の概要をお示ししております。
 3ページでは、国民向け調査の結果のうち、子宮頸がんやHPVワクチンに対する認識についての内容をまとめております。
 4ページでは、HPVワクチン接種に対する考え方、参考にしている情報源についてまとめております。
 その下の自治体向け調査の結果としましては、自治体での情報周知の状況、担当者が抱えている問題意識について簡単にまとめております。
 6ページ目をご覧ください。
 国民向け調査について、調査方法の詳細を記載しております。
 調査設計のところのサンプル数については、回答をいただいた2,504名を5つの集団に分けております。
 接種対象者本人については、定期接種対象者の小学校6年から高校1年相当の女性500名、キャッチアップ接種対象者では、進学や就職等で親元を離れる方が増えるということを考慮して、高校2年から3年相当の女性500名と、1997年度から2003年度生まれの女性500名と分けております。
 保護者については、小学校6年から高校1年相当の娘がいる保護者500名、高校2年から3年相当の娘がいる保護者500名としております。
 7ページ目から18ページ目までは国民向け調査、20ページ目から27ページ目までは自治体向け調査について、それぞれ結果の詳細を記載しておりますが、時間の都合上、個別の結果の御紹介は割愛させていただきます。
 なお、本資料は、接種対象者本人と保護者における回答の傾向を比較する形でまとめております。
 5つの割付集団ベースの単純集計を参考資料にまとめておりますので、必要に応じて御参照いただければと思います。
 しばらく進んでいただきまして、28ページをご覧ください。
 今回の調査結果から示唆される課題と、必要と考えられる対応について、それぞれまとめております。
 示唆される課題として、接種対象者と保護者については大きく2点、認知向上の必要性と、接種に対する不安が軽減につながる情報提供の必要性について挙げております。
 これらに対し必要と考えられる対応としまして、1ポツ目、キャッチアップ接種の対象者やHPVワクチン接種対象の保護者を中心に、HPVワクチンを含む子宮頸がん予防の重要性について認知を上げるため、SNS等を通じた積極的な情報発信を強化していく。
 2ポツ目、接種に対する不安感に寄り添った情報提供の在り方について、接種対象者や保護者等の意見も聞きながら、必要な情報や適切な媒体、伝え方について検討することとしております。
 自治体については、より効果的な情報提供の必要性について挙げております。これに対して必要と考えられる対応として、自治体での情報提供においては、個別通知への同封など、リーフレットの活用の拡大を促すとともに、本調査で寄せられた取組事例を自治体担当者にも提供することで、より効果的な情報提供の実施を促していくこととしております。
 資料の御説明は、以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。重要な資料の御説明を申し訳ありませんでした。
 それでは、何か御意見、御質問等はありませんか。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 詳細な御報告をありがとうございます。
 資料の3-2のほうと3-3のほう、特に32ページのほうのことと関連するのですけれども、3-2のほうで表がございますが、その実施状況ですけれども、キャッチアップの接種者数がありますが、もちろん、去年と比較という非常に長いレンジのところを見るのですけれども、その中で進んでいるところと進んでないところを、何か判別するようなことがあるのでしょうか。
 それは、3-4のほうの32ページのところ見ると、SNSでのキャッチアップに関しては、そのほうが有利であるというところも出ているのですけれども、何かそこに対して、方策がさらにあるのかどうかということを教えていただければと思います。
○事務局 ありがとうございます。
 進んでいるところと進んでいないところというのは、学年ということですか、それとも地区ということですか。
○宮川委員 年齢です。
○事務局 ありがとうございます。
 キャッチアップ接種は、各年齢についての接種者数の山というようなところは、現在把握できていないところではございますけれども、先生が御指摘されたように、例えば、高校2年生、3年生で親元にいる方、あるいは、例えば大学生で既に親元を離れている方といったところで、情報提供のアプローチの仕方というのは、変えていってしかるべきだろうとは考えております。
 また、そういった中で、先ほどお示ししたアンケート調査に加えて、そういった対象者の方の声をさらにお伺いするような機会を設けて、それを今後、情報提供に生かしていただきたいと思っております。
○宮川委員 ありがとうございます。
○岡座長 ぜひ引き続き、よろしくお願いします。
 そうしましたら、多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
 接種率の調査のほうを継続的に行っていただいておりまして、ありがとうございます。2025年3月までがキャッチアップ接種の対象だと思いますが、こちらのほうも、どれぐらいの方が接種を済まされたのか、接種率調査のほうは、引き続き、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 2点目なのですけれども、つい数日前ですが、座長の日本小児科学会の会長の岡先生がいらっしゃる中なのですが、日本小児科学会の予防接種・感染症対策委員会からも、キャッチアップ接種が推奨されているのが、2025年3月までであるということと、それから、15歳までに接種を始めたら、シルガード9の場合は2回接種ですという情報を提供する資料を、ホームページにアップしておりますので、情報提供をさせていただきました。
 以上、2点です。
○岡座長 多屋委員、ありがとうございました。
 小児科学会のほうでも、やはり同じような問題意識を持って取り組ませていただいておりますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。
 多屋先生から接種率に関してコメントをいただきまして、ありがとうございます。
 今、集計をしております、本日お示しした実施率がございますけれども、御指摘いただいた接種率に関しても我々として把握していくことが重要であると考えておりますので、厚労科研の研究班と協力していって、今回収集したようなデータを用いて、接種率を算出していきたいと思っております。
 また、その調査データについても、適宜公表していきたいと考えておりますので、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
○多屋委員 よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そうしましたら、山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 山縣です。本当にありがとうございます。
 私からは、ここのところ文部科学省が、がん教育プログラムで小中高と、非常に積極的にがん教育などを進めておりまして、やっと最近、例えば感染症によるがんみたいなものが、教科書の中に反映され始めたというのは、実は最近のことで、こういった予防接種に関しての意識といったものは、そういう教育などにも本当に重要な資料となると思いますので、ぜひそういったところにも情報提供をしていただき、外部講師の先生方がお使いになったりすることも、とてもいいと思うので、そういう情報共有をしていただければと思いました。
 以上です。
○岡座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 がん教育をはじめとした、教育現場での周知広報という問題点だと把握しております。
 先ほど竹原先生の御説明の中でも少しお話がありました、地域ブロック拠点病院整備事業というものがございまして、各ブロック、例えば関東ブロックとか東北ブロック、そういったところで、1つ、2つずつ拠点病院を設けて、HPVワクチンの接種あるいはその周知広報といったところを、司令部といいますか、そういったところで担当していただいております。
 そういった事業の中で、教育現場、特に教員の方や養護教諭、また、保護者の方たちも中心に、いろいろと情報提供資材をつくるだとか、講演会を行うだとか、そういったところをこれから予定しようと、お話を進めさせていただいております。そういったところで、教育現場へのアプローチを図っていければなと思っております。
○山縣委員 よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 貴重な資料をどうもありがとうございました。
 通常接種、キャッチアップ接種ともになのですけれども、先ほど少しおっしゃっていた、地域によって実施率が高いところ、低いところがあるのでしょうか、もし何か高いところがあって、自治体の取組が優れていれば、いいモデルになるかなということを含めての質問です。
○事務局 ありがとうございます。
 地域ごとの数字というのは出していないのですけれども、先ほど、今回のアンケート調査の中で、全ての市区町村からお返事をいただいて、中には横展開できるようなすばらしい取組をされているところがございましたので、そういったところを横展開するために、来週、自治体の説明会というのがございまして、そういったところで御発表いただいたり、そういうところを予定しております。
○森尾委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
 それでは、本日の議題は以上となります。全体を通じて、御質問、御意見等はありませんか。
 齋藤委員、お願いいたします。
○齋藤委員 新潟大学の齋藤です。
 副反応部会の副反応のことではなくて、すみません、伊藤先生の抗体価の資料で、相当XBB.1.5の抗体価が、BA.4-5のワクチンに対して下がっているというのは、結構大きなことなのかなと、秋のXBB.1.5の1価ワクチンを進めるに当たって、結構大きなことなのかなと思いまして、あと、Nタンパクが既に陽性になっていて、感染された方でも現状でXBB.1.5を感染されている方が多いというデータは、秋のワクチン接種に向けて、非常に大きな資料なのかなと思って拝見しておりました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 もし、伊藤澄信委員から御意見、コメント等がございましたら。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 ご覧いただいたとおりで、中和抗体は、40倍程度ないと有効性があると考えるには厳しいのではないかと思っております。長谷川先生がご専門で詳しいと思いますが、2価ワクチンを打ってもそこに届いていないというのは、なかなかショックなところで、こういったデータに基づいて、海外のCDCとかFDAなどは、XBB.1.5の1価のワクチンをセレクトしたのではないかなと感じました。
 ですので、秋に出てくる1価のXBB.1.5のワクチンは、中和抗体価の上昇を期待しております。
 ハイブリット免疫を持っている方と、ハイブリッド免疫を持っていないというか、N抗体が陰性か陽性かで区別してみてみないといけないかと思いますが、まだ例数が少ないのでまだしておりません。今、BMLで鋭意測定してもらっていますので、抗N抗体が陽性と陰性の方で、XBB.1.5の抗体価に違いが出るかどうかとについても、報告させていただきたいと思っています。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 皆さんの関心の高いところかなと思いますけれども、ありがとうございました。
 そのほか、何かありませんか。
 よろしいでしょうか。そうしましたら、本日は長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡を、これは、すみません、事務局のほうのあれですね、申し訳ありませんでした。
○事務局 本日は、長時間にわたりまして、活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発な御議論をありがとうございました。